JP2002369684A - ヒトウリジンジホスフェートガラクトース−4−エピメラーゼ - Google Patents

ヒトウリジンジホスフェートガラクトース−4−エピメラーゼ

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JP2002369684A
JP2002369684A JP2002134760A JP2002134760A JP2002369684A JP 2002369684 A JP2002369684 A JP 2002369684A JP 2002134760 A JP2002134760 A JP 2002134760A JP 2002134760 A JP2002134760 A JP 2002134760A JP 2002369684 A JP2002369684 A JP 2002369684A
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epimerase
polypeptide
galactose
polynucleotide
dna
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ホンジュン ジ
Craig A Rosen
エイ. ローゼン クレイグ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼ
ポリペプチド、およびこのようなポリペプチドをコード
するDNA(RNA)、およびこのようなポリペプチド
を組換え技術によって産生すること。 【解決手段】 単離されたポリヌクレオチドであって、
以下: (a)配列番号2に示されるポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチド; (b)(a)のポリヌクレオチドにハイブリダイズし
得、かつ少なくとも70%が同一である、ポリヌクレオ
チド;および (c)ポリヌクレオチド(a)または(b)のフラグメ
ント、該フラグメントは少なくとも50塩基対長であ
る、からなる群より選択されるメンバーを包含する、単
離されたポリヌクレオチド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】ヒトウリジンジホスフェート
ガラクトース−4−エピメラーゼ本発明は、新規に同定
されたポリヌクレオチド、このようなポリヌクレオチド
にコードされるポリペプチド、このようなポリヌクレオ
チドおよびポリペプチドの使用、ならびにこのようなポ
リヌクレオチドおよびポリペプチドの産生に関する。本
発明のポリペプチドはヒトウリジンジホスフェートガラ
クトース−4−エピメラーゼとして推定的に同定され
た。
【0002】
【従来の技術】炭水化物は動物、植物、そして多くの微
生物における主要なエネルギー源である。これらはま
た、脂肪酸、トリグリセリド、およびいくつかのアミノ
酸のような他の化合物の生合成における前駆体であり得
る。炭水化物はまた、結合組織、神経組織、細菌細胞
壁、および核酸の構造的成分として重要である。
【0003】高等動物によって摂取される二糖類は、通
常加水分解されて腸への吸収の前に単糖類になる。例え
ば、スクロースはグルコースとフルクトースとに、マル
トースはグルコースに、そしてラクトースはグルコース
とガラクトースに、ほとんどの場合は酵素的活性によっ
て変換される。炭水化物の生合成のために最終的に使用
されるのは、これらの単糖類である。単糖類のL型は重
要性が少なく、そして炭水化物の生合成において最も頻
繁に利用されるのはD型である。
【0004】ガラクトースは、炭水化物の生合成、およ
び哺乳動物系の正常な機能に重要な多くの他の巨大分子
の合成において重要な前駆体である。
【0005】ウリジンジホスフェート−ガラクトース
(UDP−ガラクトース)はまた、腸管においてラクト
ースまたは乳糖(milk sugar)の酵素的加水
分解によって形成される遊離D−ガラクトースの代謝に
おける重要な中間体である。D−ガラクトースは肝臓に
おいて2種の反応によってD−グルコースに変換され
る。これらの反応は、ヒトの遺伝的欠損に関連し、その
結果、遺伝的疾患であるガラクトース血症の異なる形態
を引き起こすために、多くの感心を引きつける。ガラク
トース血症は、3つの公知の形態の欠損(ガラクトキナ
ーゼ欠損、ガラクトース−1−リン酸ウリジルトランス
フェラーゼ欠損、およびUDP−ガラクトース−4−エ
ピメラーゼ欠損)から生じる。
【0006】肝臓において、遊離のD−ガラクトースは
最初に炭素原子1でガラクトキナーゼによってリン酸化
されてD−ガラクトース−1−リン酸を生じ、これは2
つの起こり得る反応の1つによってUDPガラクトース
に変換される。重要でない方の経路は、UTPガラクト
ース−1−リン酸ウリジルトランスフェラーゼによって
触媒される。
【0007】こうして形成されたUDP−ガラクトース
は、通常UDP−ガラクトース−4−エピメラーゼによ
ってUDP−グルコースに変換される。我々が理解する
ように、UDP−グルコースがそのグルコース残基をグ
リコーゲンに与え得るので、これらの反応によって、ガ
ラクトース残基がグルコース代謝の主要な経路に入るこ
とが可能になる。このウリジルトランスフェラーゼは、
成人の肝臓には多量に存在するが、小児では欠如してい
る。
【0008】遊離ガラクトースの利用のための第2の経
路はまた、ガラクトース−1−リン酸で始まる。これ
は、UDP−グルコース:ガラクトース−1−リン酸ウ
リジルトランスフェラーゼによって触媒される。この特
定の酵素は正常な胎児肝臓に存在するが、ガラクトース
血症の1つの形態を有する小児では欠如している。従っ
て、このような小児は、いずれの経路によってもガラク
トースを利用し得ない。ガラクトース血症の小児は、血
液中に過剰の濃度のD−ガラクトースを有し、そして、
眼の水晶体の白濁、精神障害、末梢神経系の欠陥、失
明、聴覚の不全、臓器巨大症、肝機能異常(血液ガラク
トースの上昇、ガラクトース尿症、高クロール血症性
(hypercholoremic)アシドーシス、ア
ルブミン尿症、およびアミノ酸尿症を含む)を罹患する
(Mason,H.H.およびTurner,M.
E.、Am.J.Dis.Child,50:359
(1935)およびKomrower,G.M.ら、A
rch.Dls.Child,31:254(195
6))。
【0009】精神遅延は、ガラクトース血症の最も顕著
な結果である。遅延の程度は、極めて低いIQ値が生じ
ることで特徴づけられる。不十分な活力、内気、および
引きこもりにより、精神学的問題もまた有力であるよう
である(Nadler,H.L.ら、Galactos
emia,Springfield,IL,Charl
es C.Thomas,127頁(1969)ならび
にKomrower,G.M.およびLee D.
H.,Arch.Dis.Child,45:367
(1970))。他の結果は、適切な食事療法を受けた
女性における高ゴナドトロピン性性機能不全を伴う卵巣
不全の高発生率を含む(Kaufman,F.R.ら、
N.Engl.J.Med.,305:994(198
1); Steinmann,B.ら、N.Engl.
J.Med.,305:464(1981); Kau
fman,F.R.ら、J.Inherited Me
tab.Dis.,9:140(1986); Rob
inson,A.C.R.ら、Br.J.Obste
t.Gynaecol.,91:199(1984);
およびFraser,I.S.ら、Clin.Repr
od.Fertil.,4:133(1986))。こ
れらの欠損は、この疾患に起因するごくわずかな欠損で
あり、そしてこの疾患に起因する多数の他の障害ならび
に解剖学的問題および生物学的問題が存在する。ガラク
トース血症の第2の型は、生物学的原因および結果とし
て生じる疾患においてわずかな変化を伴って、第1の型
と類似する。
【0010】ウリジンジホスフェートガラクトース−4
−エピメラーゼは食物ガラクトースの代謝における第3
の酵素であり、そしてグルコースからのガラクトース代
謝産物の新しい合成における重要な酵素である(Git
zelmann,R.およびSteinmann,
B.,Enzyme,32:37−46,(198
4))。UDPガラクトース−4−エピメラーゼは、U
DP−グルコースとUDP−ガラクトースとの間の可逆
的交換を触媒し、そしてこの酵素の欠損は、ガラクトー
ス血症を引き起こす。
【0011】エピメラーゼ欠損の最初の症例は、197
2年にGitzelmannによって、見かけ上健康な
小児の血液細胞において記録された(Gitzelma
nn.R.ら、Helv.Paediat.Acta,
27:125−130(1972))。続いて臨床的発
見が、ガラクトース血症の重篤な臨床的所見は 通常、
全身性エピメラーゼ欠損の患者において観察され、そし
てガラクトース−1−リン酸ウリジルトランスフェラー
ゼ欠損によって生じる古典的ガラクトース血症と識別し
得ないことを示した(Henderson,M.J.お
よびHoolton,J.B.,J.Inher.Me
tab.Dis.,6:17−20(1983))。循
環血液中のエピメラーゼ活性の完全な欠損の発生率は、
日本において23,000人中1人であると評価されて
いる(Misumi,H.ら、Clinica Chi
mica Acta,116:101−105(198
1))。体細胞ハイブリッド研究は、ガラクトースエピ
メラーゼについての遺伝子を含むようである第1染色体
pter−p21由来の領域を決定した(Benn,
P.A.ら、Cytogenet.Cell Gene
t.,24:138−142(1979)およびLi
n,M.S.ら、Cytogenet.CellGen
et.,24:217−223(1979))。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】一般に、ガラクトース
血症は、常染色体の劣性の特性として遺伝される。ま
た、この酵素は存在し得るが、機能的酵素をコードする
遺伝子配列における変異のために機能的であり得ない。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によると、以下の
項目1〜24が提供され、上記目的が達成される。
【0014】(項目1.)単離されたポリヌクレオチド
であって、以下: (a)配列番号2に示されるポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチド; (b)(a)のポリヌクレオチドにハイブリダイズし
得、かつ少なくとも70%が同一である、ポリヌクレオ
チド;および (c)ポリヌクレオチド(a)または(b)のフラグメ
ント、該フラグメントは少なくとも50塩基対長であ
る、からなる群より選択されるメンバーを包含する、単
離されたポリヌクレオチド。
【0015】(項目2.)配列番号2に示されるポリペ
プチドをコードする、項目1に記載のポリヌクレオチ
ド。
【0016】(項目3.)項目1に記載のポリヌクレオ
チドにハイブリダイズし得、かつ少なくとも70%が同
一である配列を有するポリヌクレオチド。
【0017】(項目4.)配列番号1に示されるヌクレ
オチド1からヌクレオチド1249を含む、項目1に記
載のポリヌクレオチド。
【0018】(項目5.)配列番号1に示されるヌクレ
オチド93からヌクレオチド1136を含む、項目1に
記載のポリヌクレオチド。
【0019】(項目6.)ポリヌクレオチドがDNAで
ある、項目1に記載のポリヌクレオチド。
【0020】(項目7.)ポリヌクレオチドがRNAで
ある、項目1に記載のポリヌクレオチド。
【0021】(項目8.)ポリヌクレオチドがゲノムD
NAである、項目1に記載のポリヌクレオチド。
【0022】(項目9.)単離されたポリヌクレオチド
であって、以下: (a)ATCC寄託番号第97112号に含まれるDN
Aにコードされる成熟ポリペプチドをコードするポリヌ
クレオチド; (b)ATCC寄託番号第97112号に含まれるDN
Aによって発現されるポリペプチドをコードするポリヌ
クレオチド; (c)(a)または(b)のポリヌクレオチドにハイブ
リダイズし得、かつ少なくとも70%が同一である、ポ
リヌクレオチド;および (d)ポリヌクレオチド(a)、(b)または(c)の
ポリヌクレオチドフラグメント、該ポリヌクレオチドフ
ラグメントは少なくとも50塩基対長である、からなる
群より選択されるメンバーを含む、単離されたポリヌク
レオチド。
【0023】(項目10.)前記ポリヌクレオチドがA
TCC寄託番号第97112号に含まれるDNAにコー
ドされる成熟ポリペプチドをコードする、項目9に記載
のポリヌクレオチド。
【0024】(項目11.)前記ポリヌクレオチドがA
TCC寄託番号第97112号に含まれるDNAによっ
て発現されるポリペプチドをコードする、項目9に記載
のポリヌクレオチド。
【0025】(項目12.)項目5に記載のポリヌクレ
オチドを含むベクター。
【0026】(項目13.)項目12に記載のベクター
で形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞。
【0027】(項目14.)ポリペプチドを産生するた
めのプロセスであって:前記DNAにコードされるポリ
ペプチドを項目13に記載の宿主細胞から発現させる工
程、を包含する、プロセス。
【0028】(項目15.)ヒトUDPガラクトース−
4−エピメラーゼを発現し得る細胞を産生するためのプ
ロセスであって、項目13に記載の組換え宿主細胞を前
記ポリペプチドの発現およびその回収を促進する条件下
で培養する工程を包含する、プロセス。
【0029】(項目16.)ポリペプチドであって、以
下: (a)配列番号2に示される推定アミノ酸配列を有する
ポリペプチド、およびそのフラグメント、アナログ、お
よび誘導体;ならびに (b)ATCC寄託番号第97112号のcDNAにコ
ードされるポリペプチド、および該ポリペプチドのフラ
グメント、アナログ、および誘導体、からなる群より選
択されるメンバーを包含する、ポリペプチド。
【0030】(項目17.)前記ポリペプチドが配列番
号2に示される推定アミノ酸配列を含む、項目16に記
載のポリペプチド。
【0031】(項目18.)項目16に記載のポリペプ
チドに対する抗体。
【0032】(項目19.)項目16に記載のポリペプ
チドと基質との相互作用を増強する化合物。
【0033】(項目20.)ヒトUDPガラクトース−
4−エピメラーゼの必要性を有する患者を処置するため
の方法であって:患者に治療有効量の項目16に記載の
ポリペプチドを投与する工程、を包含する、方法。
【0034】(項目21.)前記治療有効量のポリペプ
チドが、該ポリペプチドをコードするDNAを患者に提
供し、そしてインビボで該ポリペプチドを発現させるこ
とによって投与される工程を含む、項目20に記載の方
法。
【0035】(項目22.)不十分なヒトUDPガラク
トース−4−エピメラーゼ活性に関連する状態を処置す
るための方法であって:ヒトUDPガラクトース−4−
エピメラーゼが必要な患者に治療有効量の項目16に記
載のポリペプチドを投与し、それによって該状態を緩和
する工程、を包含する、方法。
【0036】(項目23.)ヒトUDPガラクトース−
4−エピメラーゼ欠損に関連する状態を診断するための
方法であって:宿主由来の核酸サンプルと配列番号1に
示されるポリヌクレオチド配列との差異を比較する工
程、ここで、該差異はヒトUDPガラクトース−4−エ
ピメラーゼ遺伝子における変異を示す、を包含する、方
法。
【0037】(項目24.)診断方法であって:宿主由
来のサンプル中の項目16に記載のポリペプチドの存在
を分析する工程、を包含する、診断方法。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明の遺伝子は、ヒトUDPガ
ラクトース−4−エピメラーゼとして推定的に同定され
た。この同定は、UDPガラクトース−4−エピメラー
ゼについてのラットのgalE mRNAに対するアミ
ノ酸配列相同性の結果としてなされた。
【0039】本発明の一つの局面によれば、新規な成熟
ポリペプチド、ならびに生物学的に活性で、そして診断
的または治療的に有用なそれらのフラグメント、アナロ
グ、および誘導体が提供される。
【0040】本発明の別の局面によれば、本発明のポリ
ペプチドをコードする単離された核酸分子が提供され、
この核酸分子は、mRNA、DNA、cDNA、ゲノム
DNA、ならびにそれらのアナログ、および生物学的に
活性で、かつ診断または治療に有用なそれらのフラグメ
ントを含む。
【0041】本発明のなおさらなる局面によれば、前記
タンパク質の発現およびその後の前記タンパク質の回収
を促進する条件下で、本発明のポリペプチドをコードす
る核酸配列を含む組換え原核生物宿主細胞および/また
は組換え真核生物宿主細胞を培養する工程を包含する組
換え技術によって、このようなポリペプチドを産生する
ためのプロセスが提供される。
【0042】本発明のなおさらなる局面によれば、治療
目的(例えば、ガラクトース血症、白内障、精神障害、
末梢神経系の欠陥、失明、聴覚の不全、および臓器巨大
症の処置)のために、このようなポリペプチド、またな
このようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
を利用するためのプロセスが提供される。
【0043】本発明のなおさらなる局面によれば、本発
明のポリペプチドに特異的にハイブリダイズするに十分
な長さの核酸分子を含む核酸プローブがまた、提供され
る。
【0044】本発明のなおさらなる局面によれば、この
ようなポリペプチドに対する抗体が提供される。
【0045】本発明はまた、ヒトUDPガラクトース−
4−エピメラーゼ欠損を診断する方法を提供する。この
方法は、個体から核酸サンプルを単離する工程、そして
この核酸サンプルの配列を本発明の参照遺伝子でアッセ
イする工程、そしてこのサンプルと本発明の核酸との間
の差異を比較する工程を包含し、ここで、この差異は、
個体から単離されたヒトUDPガラクトース−4−エピ
メラーゼ遺伝子における変異を示す。
【0046】本発明はまた、遺伝子療法による不十分な
ヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼ活性に関す
る状態を処置するための方法を提供する。本発明のUD
Pガラクトース−4−エピメラーゼ遺伝子を含むさらな
る参照遺伝子を、インビボまたはエクスビボのいずれか
で患者の細胞に挿入する。この参照遺伝子はトランスフ
ェクトされた細胞において発現され、結果として、参照
遺伝子によってコードされるタンパク質が欠損を補正
し、従って、トランスフェクトされた細胞が正常に機能
し、そして疾患状態(または症状)が緩和される。
【0047】本発明のなおさらなる局面によれば、科学
的研究、DNAの合成、DNAベクターの作製、ならび
にヒト疾患の処置および診断に関連するインビトロの目
的のために、このようなポリペプチド、またはこのよう
なポリペプチドにコードされるポリヌクレオチドを利用
するためのプロセスが提供される。
【0048】本発明のこれらおよび他の局面は、本明細
書中の教示から当業者に明らかであるはずである。
【0049】本発明の1つの局面によれば、図1(配列
番号2)の推定アミノ酸配列を有する成熟ポリペプチド
をコードする単離された核酸(ポリヌクレオチド)、ま
たは1995年4月12日にATCC寄託番号第971
12号として寄託されたクローンのcDNAにコードさ
れる成熟ポリペプチドをコードする単離された核酸(ポ
リヌクレオチド)が提供される。
【0050】本発明のポリヌクレオチドは、ヒト子宮内
膜腫瘍由来のcDNAライブラリーにおいて発見され
た。これは、エピメラーゼファミリーと構造的に関連す
る。これは、348アミノ酸残基のタンパク質をコード
するオープンリーディングフレームを含む。このタンパ
ク質は、全アミノ酸範囲にわたり85%以上の同一性で
ラットエピメラーゼ遺伝子と高い程度の相同性を示す。
【0051】本発明のポリヌクレオチドは、RNAの形
態またはDNAの形態で有り得、DNAはcDNA、ゲ
ノムDNA、および合成DNAを含む。DNAは二本鎖
または一本鎖で有り得、そして一本鎖の場合、コード鎖
または非コード(アンチセンス)鎖であり得る。成熟ポ
リペプチドをコードするコード配列は、図1(配列番号
1)に示すコード配列、または寄託したクローンのコー
ド配列と同一であり得るか、または、コード配列が、遺
伝コードの重複または縮重の結果として、図1(配列番
号1)のDNAまたは寄託したcDNAと同一の成熟ポ
リペプチドをコードする、異なるコード配列であり得
る。
【0052】図1(配列番号2)の成熟ポリペプチドを
コードするかまたは寄託されたcDNAにコードされる
成熟ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとし
て:成熟ポリペプチドのコード配列のみ;成熟ポリペプ
チドのコード配列およびさらなるコード配列;成熟ポリ
ペプチドのコード配列(および必要に応じてさらなるコ
ード配列)および非コード配列(例えば、イントロンま
たは成熟ポリペプチドのコード配列の5’および/また
は3’非コード配列)が挙げられるが、これらに限定さ
れない。
【0053】従って、用語「ポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチド」は、ポリペプチドのコード配列のみ
を含むポリヌクレオチド、ならびにさらなるコード配列
および/または非コード配列を含むポリヌクレオチドを
含む。
【0054】本発明はさらに、図1(配列番号2)の推
定アミノ酸配列を有するポリペプチドまたは寄託された
クローンのcDNAによりコードされるポリペプチドの
フラグメント、アナログ、および誘導体をコードする本
明細書中上記のポリヌクレオチドの改変体に関する。ポ
リヌクレオチドの改変体は、ポリヌクレオチドの天然に
存在する対立遺伝子改変体またはポリヌクレオチドの天
然に存在しない改変体であり得る。
【0055】従って、本発明は、図1(配列番号2)に
示すものと同じ成熟ポリペプチド、または寄託されたク
ローンのcDNAによりコードされるものと同じ成熟ポ
リペプチドをコードするポリヌクレオチド、ならびにそ
のようなポリヌクレオチドの改変体を含む。この改変体
は、図1(配列番号2)のポリペプチドまたは寄託され
たクローンのcDNAによりコードされるポリペプチド
のフラグメント、誘導体またはアナログをコードする。
このようなヌクレオチド改変体は、欠失改変体、置換改
変体、および付加または挿入改変体を含む。
【0056】本明細書中上記で示したように、ポリヌク
レオチドは、図1(配列番号1)に示すコード配列また
は寄託されたクローンのコード配列の天然に存在する対
立遺伝子改変体であるコード配列を有し得る。当該分野
で公知なように、対立遺伝子改変体は、1つ以上のヌク
レオチドの置換、欠失または付加を有し得るポリヌクレ
オチド配列の別の形態であり、これはコードされるポリ
ペプチドの機能を実質的に変化させない。
【0057】本発明のポリヌクレオチドはまた、本発明
のポリペプチドの精製を可能にするマーカー配列にイン
フレームで融合されたコード配列を有し得る。マーカー
配列は、細菌宿主の場合には、マーカーに融合された成
熟ポリペプチドの精製を提供する、pQE60ベクター
により供給されるヘキサヒスチジンタグであり得る。あ
るいは、例えば、マーカー配列は、哺乳動物宿主(例え
ば、COS−7細胞)が使用される場合は、赤血球凝集
素(HA)タグであり得る。HAタグは、インフルエン
ザ赤血球凝集素タンパク質に由来するエピトープに対応
する(Wilson,I.ら、Cell,37:767
(1984))。
【0058】本発明はさらに、配列間に少なくとも70
%、好ましくは少なくとも90%、そしてより好ましく
は少なくとも95%の同一性が存在する場合に、本明細
書中上記の配列にハイブリダイズするポリヌクレオチド
に関する。本発明は特に、本明細書中上記のポリヌクレ
オチドにストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
るポリヌクレオチドに関する。本明細書中で用いられる
用語「ストリンジェントな条件」は、ハイブリダイゼー
ションが、配列間に少なくとも95%、そして好ましく
は少なくとも97%の同一性が存在する場合のみに生じ
ることを意味する。好ましい実施態様において、本明細
書中上記のポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリ
ヌクレオチドは、図1(配列番号1)のcDNAまたは
寄託されたcDNAによりコードされる成熟ポリペプチ
ドと実質的に同じ生物学的機能または活性のいずれかを
保持するポリペプチドをコードする。
【0059】あるいは、このポリヌクレオチドは、本発
明のポリヌクレオチドにハイブリダイズし、本明細書中
上記したように、それに対して同一性を有し、そして活
性を保持していても保持していなくてもよい、少なくと
も20塩基、好ましくは30塩基、そしてより好ましく
は少なくとも50塩基を有し得る。そのようなポリヌク
レオチドは、配列番号1のポリヌクレオチドのための、
例えばこのポリヌクレオチドの回収のための、プロー
ブ、または診断プローブ、またはPCRプライマーとし
て用いられ得る。
【0060】従って、本発明は、配列番号2のポリペプ
チドをコードするポリヌクレオチドに対して少なくとも
70%の同一性、好ましくは少なくとも90%の同一
性、そしてより好ましくは95%の同一性を有するポリ
ヌクレオチド、ならびにそれらのフラグメント(このフ
ラグメントは少なくとも30塩基、そして好ましくは5
0塩基を有する)、およびこのようなポリヌクレオチド
にコードされるポリペプチドに関する。
【0061】本明細書中でいう寄託物は、特許手続き上
の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の
下に維持される。これらの寄託物は、当業者に対する便
宜として提供されるにすぎず、そして米国特許法第11
2条の下で寄託が必要とされることを認めたわけではな
い。寄託された物質に含まれるポリヌクレオチドの配
列、ならびにそれによりコードされるポリペプチドのア
ミノ酸配列は、本明細書中に参考として援用され、そし
て本明細書中の配列の任意の記載とのいかなる事象にお
いての矛盾も抑えている。寄託物を製造し、使用し、ま
たは販売するためには実施許諾が必要とされ得、そして
そのような実施許諾は本明細書によって与えられるわけ
ではない。
【0062】本発明はさらに、図1(配列番号2)の推
定アミノ酸配列を有するか、または寄託されたcDNA
によりコードされるアミノ酸配列を有するヒトUDPガ
ラクトース−4−エピメラーゼポリペプチドならびにそ
のようなポリペプチドのフラグメント、アナログおよび
誘導体に関する。
【0063】用語「フラグメント」、「誘導体」、およ
び「アナログ」は、図1(配列番号2)のポリペプチド
または寄託されたcDNAにコードされるポリペプチド
をいう場合、そのようなポリペプチドと本質的に同じ生
物学的機能または活性を保持しているポリペプチドを意
味する。従って、アナログは、プロタンパク質部分の切
断により活性化されて活性な成熟ポリペプチドを生成し
得るプロタンパク質を含む。
【0064】本発明のポリペプチドは、組換えポリペプ
チド、天然のポリペプチドまたは合成ポリペプチドであ
り得、好ましくは組換えポリペプチドであり得る。
【0065】図1(配列番号2)のポリペプチドまたは
寄託されたcDNAによりコードされるポリペプチドの
フラグメント、誘導体、またはアナログは、(i)1つ
以上のアミノ酸残基が保存アミノ酸残基または非保存ア
ミノ酸残基(好ましくは保存アミノ酸残基)で置換され
たものであって、そしてこのような置換アミノ酸残基は
遺伝コードによりコードされ得るアミノ酸残基であって
もよく、またはそうでなくてもよいもの、あるいは(i
i)1つ以上のアミノ酸残基が置換基を含有するもの、
あるいは(iii)成熟ポリペプチドが、ポリペプチド
の半減期を増加させる化合物(例えば、ポリエチレング
リコール)のような別の化合物と融合されているもの、
あるいは(iv)リーダーもしくは分泌配列、または成
熟ポリペプチドの精製のために用いられる配列、または
プロタンパク質配列のような、さらなるアミノ酸が、成
熟ポリペプチドに融合されているものであり得る。この
ようなフラグメント、誘導体およびアナログは、本明細
書中の教示から、当業者の範囲内にあると考えられる。
【0066】本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオ
チドは、好ましくは、単離された形態で提供され、そし
て好ましくは精製されて均質である。
【0067】本発明のポリペプチドは、配列番号2のポ
リペプチド(特に成熟ポリペプチド)、ならびに配列番
号2のポリペプチドに対して少なくとも70%の類似性
(好ましくは70%の同一性)、そしてより好ましくは
配列番号2のポリペプチドに対して90%の類似性(よ
り好ましくは90%の同一性)、そしてさらにより好ま
しくは配列番号2のポリペプチドおよびこのようなポリ
ペプチドの部分(ポリペプチドのこのような部分は、一
般に少なくとも30アミノ酸、そしてより好ましくは少
なくとも50アミノ酸を含む)に対して95%の類似性
(さらにより好ましくは95%の同一性)を有するポリ
ペプチドを含む。
【0068】当該分野で公知のように、2つのポリペプ
チド間の「類似性」は、第2のポリペプチドの配列に対
するアミノ酸配列およびポリペプチドのその保存アミノ
酸置換基の比較によって決定される。
【0069】本発明のポリペプチドのフラグメントまた
は部分は、ペプチド合成による対応する全長ポリペプチ
ドの生成のために使用し得、従って、このフラグメント
を全長ポリペプチドの生成のための中間体として使用し
得る。本発明のポリヌクレオチドのフラグメントまたは
部分を使用して、本発明の全長ポリヌクレオチドを合成
し得る。
【0070】用語「単離された」は、物質がその本来の
環境(例えば、天然に存在する場合は、天然の環境)か
ら取り出されていることを意味する。例えば、生きてい
る動物の中に存在する天然に存在するポリヌクレオチド
またはポリペプチドは、単離されていないが、天然の系
において共存する物質の幾らかまたは全てから分離され
ている同一のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、
単離されている。このようなポリヌクレオチドはベクタ
ーの一部であり得、そして/またはこのようなポリヌク
レオチドまたはポリペプチドは、組成物の一部であり
得、そしてそのようなベクターまたは組成物はその天然
の環境の一部ではないため、なお単離され得る。
【0071】用語「遺伝子」は、ポリペプチド鎖の産生
に関与するDNAのセグメントを意味し;これはコード
領域(リーダーおよびトレイラー)の前後の領域ならび
に個々のコードセグメント(エキソン)の間の介在配列
(イントロン)を含む。本発明はまた、本発明のポリヌ
クレオチドを含むベクター、本発明のベクターを用いて
遺伝子操作される宿主細胞、および組換え技術による本
発明のポリペプチドの産生に関する。
【0072】宿主細胞は、本発明のベクター(これは、
例えば、クローニングベクターまたは発現ベクターであ
り得る)を用いて遺伝子操作される(形質導入される
か、または形質転換されるか、またはトランスフェクト
される)。ベクターは、例えば、プラスミド、ウイルス
粒子、ファージなどの形態であり得る。操作された宿主
細胞は、プロモーターを活性化するか、形質転換体を選
択するか、またはヒトUDPガラクトース−4−エピメ
ラーゼ遺伝子を増幅するために適切に改変した従来の栄
養培地中において培養され得る。培養条件(例えば、温
度、pHなど)は、発現のために選択される宿主細胞に
以前使用された条件であり、そして当業者には明らかで
ある。
【0073】本発明のポリヌクレオチドは、組換え技術
によりポリペプチドを産生するために用いられ得る。従
って、例えば、ポリヌクレオチドは、ポリペプチドを発
現するための種々の発現ベクターのいずれか1つに含ま
れ得る。このようなベクターは、染色体DNA配列、非
染色体DNA配列、および合成DNA配列、例えば、S
V40の誘導体;細菌性プラスミド;ファージDNA;
バキュロウイルス;酵母プラスミド;プラスミドおよび
ファージDNAの組み合わせに由来するベクター、ウイ
ルスDNA(例えば、ワクシニア、アデノウイルス、鶏
痘ウイルス、および仮性狂犬病)を包含する。しかし、
宿主において複製可能で、かつ存続可能である限り、他
の任意のベクターが使用され得る。
【0074】適切なDNA配列は、種々の手順によりベ
クターに挿入され得る。一般に、DNA配列は、当該分
野で公知の手順により適切な制限エンドヌクレアーゼ部
位に挿入される。このような手順および他の手順は、当
業者の範囲内であると考えられる。
【0075】発現ベクター中のDNA配列は、適切な発
現制御配列(プロモーター)に作動可能に連結され、m
RNAの合成を指向する。このようなプロモーターの代
表的な例としては、以下が挙げられ得る:LTRまたは
SV40プロモーター、E.coli lacまたは
rp、λファージPLプロモーター、および原核生物細
胞または真核生物細胞あるいはそのウイルス内で遺伝子
の発現を制御することが知られている他のプロモータ
ー。発現ベクターはまた、翻訳開始のためのリボソーム
結合部位および転写ターミネーターを含有する。ベクタ
ーはまた、発現を増幅するための適切な配列を含有し得
る。
【0076】さらに、発現ベクターは、好ましくは、形
質転換された宿主細胞の選択のための表現型特性(例え
ば、真核生物細胞培養物についてはジヒドロ葉酸レダク
ターゼまたはネオマイシン耐性、あるいは例えば、E.
coliにおけるテトラサイクリン耐性またはアンピシ
リン耐性)を提供する1つ以上の選択マーカー遺伝子を
含有する。
【0077】本明細書中上記のような適切なDNA配列
ならびに適切なプロモーター配列または制御配列を含有
するベクターは、適切な宿主を形質転換して宿主にタン
パク質を発現させるために用いられ得る。
【0078】適切な宿主の代表的な例としては、以下が
挙げられ得る:細菌細胞(例えば、E.coliSt
reptomycesSalmonella typ
himurium);真菌細胞(例えば酵母);昆虫細
胞(例えば、Drosophila S2およびSpo
doptera Sf9);動物細胞(例えば、CH
O、COSまたはBowes黒色腫);アデノウイル
ス;植物細胞など。適切な宿主の選択は、本明細書中の
教示から当業者の範囲内であると考えられる。
【0079】さらに詳細には、本発明はまた、上記で広
範に記載した1つ以上の配列を含む組換え構築物を包含
する。構築物は、ベクター(例えば、プラスミドベクタ
ーまたはウイルスベクター)を包含し、このベクターの
中に、本発明の配列が正方向または逆方向に挿入されて
いる。この実施態様の好ましい局面によれば、構築物は
さらに、配列に作動可能に連結された調節配列(例え
ば、プロモーターを包含する)を含む。多数の適切なベ
クターおよびプロモーターが当業者には公知であり、そ
して市販されている。以下のベクターが例として提供さ
れる。細菌性:pQE70、pQE60、pQE−9
(Qiagen)、pBS、pD10、phagesc
ript、psiX174、pbluescript
SK、pbsks、pNH8A、pNH16a、pNH
18A、pNH46A(Stratagene);pt
rc99a、pKK223−3、pKK233−3、p
DR540、pRIT5(Pharmacia);真核
性:pWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pX
T1、pSG(Stratagene);pSVK3、
pBPV、pMSG、pSVL(Pharmaci
a)。しかし、他の任意のプラスミドまたはベクター
が、それらが宿主において複製可能で、かつ存続可能で
ある限り、使用され得る。
【0080】プロモーター領域は、CAT(クロラムフ
ェニコールトランスフェラーゼ)ベクターまたは選択マ
ーカーを有する他のベクターを使用して、任意の所望の
遺伝子から選択され得る。2つの適切なベクターは、p
KK232−8およびpCM7である。特によく知られ
た細菌性プロモーターは、lacI、lacZ、T3、
T7、gpt、λPR、PLおよびtrpを包含する。真
核生物プロモーターは、CMV即時初期、HSVチミジ
ンキナーゼ、初期SV40および後期SV40、レトロ
ウイルス由来のLTR、およびマウスメタロチオネイン
Iを包含する。適切なベクターおよびプロモーターの選
択は、十分に当業者のレベル内である。
【0081】さらなる実施態様では、本発明は上記の構
築物を含有する宿主細胞に関する。
【0082】宿主細胞は、高等真核生物細胞(例えば、
哺乳動物細胞)または下等真核生物細胞(例えば、酵母
細胞)であり得るか、あるいは宿主細胞は原核生物細胞
(例えば、細菌細胞)であり得る。構築物の宿主細胞へ
の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、D
EAE−デキストラン媒介トランスフェクション、また
はエレクトロポレーションにより達成され得る(Dav
is,L.,Dibner,M.,Battey,
I.,Basic Methods in Molec
ular Biology,(1986))。
【0083】宿主細胞中の構築物を用いて、従来の方法
で組換え配列によりコードされる遺伝子産物を産生し得
る。あるいは、本発明のポリペプチドは、従来のペプチ
ド合成機により合成的に産生され得る。
【0084】成熟タンパク質は、哺乳動物細胞、酵母、
細菌、または他の細胞中で適切なプロモーターの制御下
で発現され得る。無細胞翻訳系もまた、本発明のDNA
構築物に由来するRNAを使用して、このようなタンパ
ク質を産生するために用いられ得る。原核生物宿主およ
び真核生物宿主での使用に適切なクローニングベクター
および発現ベクターは、Sambrookら,Mole
cular Cloning: A Laborato
ry Manual,第2版,Cold Spring
Harbor,N.Y.,(1989)(この開示
は、本明細書中に参考として援用される)に記載されて
いる。
【0085】本発明のポリペプチドをコードするDNA
の高等真核生物による転写は、ベクターにエンハンサー
配列を挿入することにより増大される。エンハンサーは
DNAのシス作用エレメントであり、通常は約10〜約
300bpであり、これはプロモーターに作用してその
転写を増大させる。例として、複製起点の後期側のbp
100〜270のSV40エンハンサー、サイトメガロ
ウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後
期側のポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルス
エンハンサーが挙げられる。
【0086】一般に、組換え発現ベクターは、宿主細胞
の形質転換を可能とする複製起点および選択マーカー
(例えば、E.coliのアンピシリン耐性遺伝子およ
S.cerevisiaeのTRP1遺伝子)、なら
びに下流の構造配列の転写を指向する高発現遺伝子由来
のプロモーターを含有する。このようなプロモーター
は、中でも糖分解酵素(例えば、3−ホスホグリセリン
酸キナーゼ(PGK))、α因子、酸性ホスファター
ゼ、または熱ショックタンパク質などをコードするオペ
ロンに由来し得る。異種構造配列は、翻訳開始配列およ
び翻訳終止配列と適切な相内で組立てられる。必要に応
じて、異種配列は、所望の特徴(例えば、発現された組
換え産物の安定化または簡略化された精製)を与えるN
末端同定ペプチドを含む融合タンパク質をコードし得
る。
【0087】細菌の使用に有用な発現ベクターは、機能
的なプロモーターと作動可能な読み取り相で、適切な翻
訳開始シグナルおよび翻訳終止シグナルと共に所望のタ
ンパク質をコードする構造DNA配列を挿入することに
より構築される。ベクターは、1つ以上の表現型選択マ
ーカー、およびベクターの維持を確実にし、かつ所望さ
れる場合は宿主内での増幅を提供するための複製起点を
含有する。形質転換のために適切な原核生物宿主は、
E.coliBacillus Subtilis
Salmonella typhimurium、なら
びにPseudomonas属、Streptomyc
es属、およびStaphylococcus属内の種
々の種を包含するが、他の種もまた選択対象として用い
られ得る。
【0088】代表的な、しかし限定しない例として、細
菌での使用に有用な発現ベクターは、周知のクローニン
グベクターpBR322(ATCC 37017)の遺
伝的エレメントを含む市販のプラスミドに由来する選択
マーカーおよび細菌性の複製起点を含有し得る。このよ
うな市販のベクターは、例えば、pKK223−3(P
harmacia Fine Chemicals,U
ppsala,Sweden)およびGEM1(Pro
mega Biotec,Madison,WI,US
A)を含む。これらのpBR322「骨格」部分は、適
切なプロモーターおよび発現されるべき構造配列と組み
合わされる。
【0089】適切な宿主株の形質転換および適切な細胞
密度までの宿主株の増殖後、選択されたプロモーターは
適切な手段(例えば、温度シフトまたは化学的誘導)に
より誘導され、そして細胞はさらなる期間培養される。
【0090】細胞は、代表的には遠心分離により収集さ
れ、物理的手段または化学的手段により破砕され、そし
て得られた粗抽出物はさらなる精製のために保持され
る。
【0091】タンパク質の発現において用いられる微生
物細胞は、凍結融解サイクル、超音波処理、機械的破
砕、または細胞溶解剤の使用を包含する任意の便利な方
法により破砕され得る。このような方法は当業者に周知
である。
【0092】種々の哺乳動物細胞の培養系もまた、組換
えタンパク質を発現させるために用いられ得る。哺乳動
物発現系の例には、Gluzman,Cell,23:
175(1981)に記載されるサル腎臓線維芽細胞
のCOS−7株、および適合性のベクターを発現し得る
他の細胞株(例えば、C127、3T3、CHO、He
La、およびBHK細胞株)が含まれる。哺乳動物発現
ベクターは、複製起点、適切なプロモーターおよびエン
ハンサー、ならびに任意の必要なリボソーム結合部位、
ポリアデニル化部位、スプライスドナー部位およびスプ
ライスアクセプター部位、転写終結配列、および5’フ
ランキング非転写配列をまた含有する。SV40スプラ
イス部位、およびポリアデニル化部位に由来するDNA
配列は、必要な非転写遺伝的エレメントを提供するため
に使用され得る。
【0093】本発明のポリペプチドは、硫安沈殿または
エタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換
クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフ
ィー、疎水的相互作用クロマトグラフィー、アフィニテ
ィークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロ
マトグラフィー、およびレクチンクロマトグラフィーを
含む方法により組換え細胞培養物から回収され、そして
精製され得る。必要に応じて、タンパク質の再折りたた
み(refolding)工程が、成熟タンパク質の配
置を完全にするために使用され得る。最終的に、高速液
体クロマトグラフィー(HPLC)が、最終的な精製工
程に用いられ得る。
【0094】本発明のポリペプチドは、天然の精製され
た産物または化学合成手順の産物であり得るか、あるい
は原核生物宿主または真核生物宿主(例えば、培養物中
の細菌、酵母、高等植物、昆虫、および哺乳動物細胞)
から組換え技術により産生され得る。組換え産生手順に
用いられる宿主に依存して、本発明のポリペプチドは、
グリコシル化され得るか、またはグリコシル化されない
かもしれない。本発明のポリペプチドはまた、最初のメ
チオニンアミノ酸残基を含み得る。
【0095】本発明のヒトUDPガラクトース−4−エ
ピメラーゼ遺伝子および遺伝子産物を使用して、ガラク
トース血症を処置し得る。常染色体の遺伝的欠損のヒト
UDPガラクトース−4−エピメラーゼの生合成、また
は非機能的ヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼ
の合成を妨げる事象において、本発明のポリペプチド
を、ガラクトースとグルコースとの間の可逆的反応を触
媒するために投与し得る。従って、ガラクトースレベル
の変化およびグルコースレベルの変化に起因する所望で
ない疾患および欠損の全てが、本発明のヒトUDPガラ
クトース−4−エピメラーゼの投与によって緩和され
る。
【0096】例えば、ヒトUDPガラクトース−4−エ
ピメラーゼを使用して、白内障、精神障害、末梢神経系
の欠陥、失明、聴覚の不全、臓器巨大症、肝機能異常、
ガラクトース尿症、高クロール血症性アシドーシス、ア
ルブミン尿症、およびアミノ酸尿症を処置し得る。
【0097】本発明のヒトUDPガラクトース−4−エ
ピメラーゼ遺伝子は、ガラクトース−1−リン酸ウリジ
ルトランスフェラーゼまたはガラクトキナーゼの欠損に
よって生じるガラクトース血症とエピメラーゼ欠損性ガ
ラクトース血症の区別を補助する。エピメラーゼ欠損に
起因するガラクトース血症は、この障害の他の形態と比
較すると異なる処置が必要である。すなわち、少量の食
物ガラクトースが、UDPガラクトースを前駆体として
必要とするガラクトプロテインおよびガラクト脂質の生
合成のために供給されなければならない。トランスフェ
ラーゼまたはガラクトキナーゼ欠損性ガラクトース血症
においては、必要とされるUDP−ガラクトースの多く
は、エピメラーゼの作用を介してUDP−グルコースか
ら変換され得る。
【0098】全長ヒトUDPガラクトース−4−エピメ
ラーゼ遺伝子のフラグメントは、ヒトUDPガラクトー
ス−4−エピメラーゼ遺伝子に対して高い配列類似性ま
たは類似した生物学的活性を有する他の遺伝子を単離す
るために、cDNAライブラリーのハイブリダイゼーシ
ョンプローブとして使用され得る。このプローブは、少
なくとも20塩基を有し、好ましくは、少なくとも30
塩基を有し、そしてさらにより好ましくは50塩基以上
を有する。プローブはまた、全長の転写物に対応するc
DNAクローンおよびゲノムクローン、または調節およ
びプロモーター領域、エキソン、ならびにイントロンを
含む完全ヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼ遺
伝子を含有するクローンを同定するために使用され得
る。スクリーニングの例として、既知のDNA配列を使
用し、オリゴヌクレオチドプローブを合成することによ
り、ヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼ遺伝子
のコード領域を単離することを含む。本発明の遺伝子の
配列と配列相補性を有する標識されたオリゴヌクレオチ
ドは、ヒトcDNA、ゲノムDNA、またはmRNAの
ライブラリーをスクリーニングするために使用され、ラ
イブラリーのどのメンバーがプローブとハイブリダイズ
するかを決定する。
【0099】本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプ
チドを、ヒト疾患に対する処置および診断法の発見のた
めの研究試薬および材料として使用し得る。
【0100】本発明は、ヒトUDPガラクトース−4−
エピメラーゼとその基質との相互作用に影響する化合物
を同定するために化合物をスクリーニングする方法を提
供する。例として、サル腎臓細胞(COS細胞)および
/または線維芽細胞の細胞株のような哺乳動物細胞を、
ヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼをコードす
る本発明のcDNAを含む組換え発現ベクターでトラン
スフェクトする。次いで細胞をスクリーニングされるべ
き化合物の存在下で標識したガラクトースと接触させ
る。ガラクトースは放射能などによって標識され得る。
次いで、標識されたガラクトースから形成される任意の
グルコースが測定され得る。例えば、グルコースはアフ
ィニティークロマトグラフィーなどのような当該分野で
公知の方法によって単離され得、そして液体シンチレー
ションカウンターを使用してグルコースの容量が測定さ
れ得る。このグルコースの量が、スクリーニングされる
べき化合物を欠くコントロールアッセイにおいて生成さ
れたグルコースの量に対して測定され得る。
【0101】本発明のポリペプチドおよび上記の化合物
は、適切な薬学的キャリアと組み合わせて用いられ得
る。このような組成物は、治療有効量のポリペプチドま
たは化合物、および薬学的に受容可能なキャリアまたは
賦形剤を含む。このようなキャリアとしては、生理食塩
水、緩衝化生理食塩水、デキストロース、水、グリセロ
ール、エタノール、およびそれらの組み合わせが挙げら
れるが、これらに限定されない。処方は、投与の態様に
合わせるべきである。
【0102】本発明はまた、本発明の薬学的組成物の1
つまたはそれ以上の成分で満たされた1つ以上の容器を
含む薬学的パックまたはキットを提供する。このような
容器に関して、薬剤または生物学的製品の製造、使用、
または販売を統制する政府機関により規定された形式の
製品表示をし得、この製品表示は、ヒトへの投与につい
ての製造、使用、または販売における機関による認可を
表す。さらに、本発明のポリペプチドまたは化合物は、
他の治療化合物と併用して用いられ得る。
【0103】薬学的組成物は、例えば、経口、局所(例
えば点眼溶液で)、鼻腔内、または皮内経路による簡便
な様式で投与され得る。非経口投与(例えば、静脈内、
腹腔内、筋肉内、および皮下)が、特に好ましい。ポリ
ペプチドはまた、リポソームのような膜結合ベシクルに
囲まれ得る。薬学的組成物は、特定の症状の処置および
/または予防に有効な量で投与される。一般に、それら
は少なくとも約10μg/kg体重の量で投与され、そ
して多くの場合、それらは1日に約8mg/kg体重を
超えない量で投与される。多くの場合、投薬量は、1日
に約10μg/kg体重から約1mg/kg体重であ
り、投与経路、症状などが考慮される。
【0104】ヒトUDPガラクトース−4−エピメラー
ゼ遺伝子はまた、本発明に従って、インビボでのヒトU
DPガラクトース−4−エピメラーゼ遺伝子コードされ
るポリペプチドの発現により用いられ得る。これはしば
しば「遺伝子療法」と呼ばれる。
【0105】従って、例えば、患者由来の細胞は、ポリ
ペプチドをコードするポリヌクレオチド(DNAまたは
RNA)を用いてエクスビボで操作され得、次いで、操
作された細胞はこのポリペプチドで処置されるべき患者
に提供される。このような方法は当該分野で周知であ
り、本明細書中の教示により明らかである。例えば、細
胞は、本発明のポリペプチドをコードするRNAを含有
するレトロウイルスプラスミドベクターの使用により、
操作され得る。
【0106】同様に、細胞は、例えば当該分野で公知の
手順によって、インビボでのポリペプチドの発現のため
にインビボで操作され得る。例えば、パッケージング細
胞が本発明のポリペプチドをコードするRNAを含むレ
トロウイルスプラスミドベクターで形質導入され得、そ
の結果、パッケージング細胞は目的の遺伝子を含む感染
性ウイルス粒子を産生する。これらのプロデューサー細
胞は、インビボで細胞を操作するため、およびインビボ
でのポリペプチドの発現のために、患者に投与され得
る。このような方法による本発明のポリペプチドを投与
するためのこれらおよび他の方法は、本発明の教示から
当業者に明らかであるはずである。
【0107】レトロウイルスプラスミドベクターとして
は、モロニーマウス肉腫ウイルス、モロニーマウス白血
病ウイルス、脾臓壊死ウイルス、ラウス肉腫ウイルス、
およびハーベイ肉腫ウイルスを含むレトロウイルス由来
であり得るが、これらに限定されない。
【0108】好ましい実施態様において、レトロウイル
ス発現ベクター、pMV−7は、モロニーマウス肉腫ウ
イルスの長末端反復(LTR)に隣接し、そして単純ヘ
ルペスウイルス(HSV)チミジンキナーゼ(tk)プ
ロモーターの調節下で選択的薬物耐性遺伝子neoを含
む。Univque EcoRIおよびHimdIII
部位は、コード配列の導入を容易にする(Kirsch
meier,P.T.ら、DNA,7:219−25
(1988))。
【0109】ベクターは以下の1つ以上の適切なプロモ
ーター:レトロウイルスLTR;SV40プロモータ
ー;およびMillerら、Biotechnique
,第7巻、第9号、980−990(1989)に記
載のヒトサイトメガロウイルス(CMV)プロモータ
ー、または任意の他のプロモーター(例えば、ヒスト
ン、pol III、およびβアクチンプロモーターを
含むがこれらに限定されない真核生物細胞プロモーター
のような細胞プロモーター)を含むが、これらに限定さ
れない。適切なプロモーターの選択は、本明細書の教示
から、当業者に明らかである。
【0110】本発明のポリペプチドをコードする核酸配
列は、適切なプロモーターの制御下にあり、これらは単
純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼプロモーターのよ
うなウイルスチミジンキナーゼプロモーター;レトロウ
イルスLTR、βアクチンプロモーター、およびポリペ
プチドをコードする遺伝子を制御する天然のプロモータ
ーを含むが、これらに限定されない。
【0111】レトロウイルスプラスミドベクターを使用
してパッケージング細胞株を形質導入し、プロデューサ
ー細胞株を形成する。トランスフェクトされ得るパッケ
ージング細胞の例として、PE501、PA317、ψ
−2、ψ−AM、PA12、T19−14X、VT−1
9−17−H2、ψCRE、ψCRIP、GP+E−8
6、GP+envAm12、およびDAN細胞株(Mi
ller,Humman Gene Therapy,
第1巻、5−14頁(1990)に記載される)が挙げ
られるが、これらに限定されず、そしてこれらはその全
体が本明細書中で参考として援用される。ベクターは当
該分野で公知の任意の手段によりパッケージング細胞を
形質導入し得る。このような手段として、エレクトロポ
レーション、リポソームの使用、およびCaPO4沈殿
が挙げられるが、これらに限定されない。別の手段とし
て、レトロウイルスプラスミドベクターを、リポソーム
中にカプセル化するか、または脂質と結合させ、次いで
宿主に投与し得る。
【0112】トランスフェクトされ得るパッケージング
細胞株の例として、PE501、PA317、およびG
P+am12が挙げられるが、これらに限定されない。
ベクターは当該分野で公知の任意の手段によってパッケ
ージング細胞を形質導入し得る。このような手段とし
て、エレクトロポレーション、リポソームの使用、およ
びCaPO4沈殿が挙げられるが、これらに限定されな
い。
【0113】プロデューサー細胞株は、ポリペプチドを
コードする核酸配列を含む感染性レトロウイルスベクタ
ー粒子を生じる。次いで、このようなレトロウイルスベ
クター粒子を使用して、インビトロまたはインビボのい
ずれかで、真核生物細胞を形質導入し得る。形質導入さ
れた真核生物細胞は、ポリペプチドをコードする核酸配
列を発現する。形質導入され得る真核生物細胞として、
線維芽細胞、および内皮細胞が挙げられるが、これらに
限定されない。
【0114】本発明はまた、診断としてのヒトUDPガ
ラクトース−4−エピメラーゼ遺伝子の使用に関する。
ヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼの変異形態
の検出によって、ヒトUDPガラクトース−4−エピメ
ラーゼの過少発現(例えば、ガラクトース血症)に起因
する疾患または疾患に対する感受性の診断が可能にな
る。ヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼ遺伝子
における変異を有する個体は、種々の技術によってDN
Aレベルで検出され得る。診断のための核酸は、血液、
尿、唾液、組織生検、および剖検材料を含むがこれらに
限定されない患者の細胞から得られ得る。ゲノムDNA
は、検出のために直接使用され得るか、または分析の前
にPCR(Saikiら、Nature,324:16
3−166(1986))の使用によって酵素的に増幅
され得る。RNAまたはcDNAもまた、同じ目的のた
めに使用され得る。例として、ヒトUDPガラクトース
−4−エピメラーゼをコードする核酸に相補的なPCR
プライマーを使用して、ヒトUDPガラクトース−4−
エピメラーゼの変異を同定しそして分析し得る。例え
ば、欠失および挿入を正常な遺伝子型との比較によって
増幅産物のサイズにおける変化によって検出し得る。点
変異は、増幅されたDNAを放射標識されたヒトUDP
ガラクトース−4−エピメラーゼRNA、あるいは放射
標識されたヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼ
アンチセンスDNA配列とハイブリダイズさせることに
よって同定され得る。完全に適合した配列は、RNas
e A消化または異なる融解温度(Tm)の差によっ
て、適合していない二本鎖と区別され得る。このような
診断は、特に胎児期、そして新生児の試験にさえ有用で
ある。
【0115】参照遺伝子と変異を有する遺伝子との間の
配列の差異は、直接DNA配列決定法によって明らかに
され得る。さらに、クローン化されたDNAセグメント
は、特異的なDNAセグメントを検出するためのプロー
ブとして用いられ得る。本方法の感度は、PCRと組み
合わされた場合、非常に増大される。例えば、配列決定
プライマーは、二本鎖PCR産物または改変されたPC
Rによって作製された一本鎖テンプレート分子を用いて
使用される。配列決定は、放射性標識ヌクレオチドを用
いる従来の手順または蛍光タグを用いる自動配列決定手
順によって実施される。クローン化されたDNAセグメ
ントをまたプローブとして使用して、特定のDNAセグ
メントを検出し得る。この方法の感度はPCRと組み合
わされた場合に非常に増大される。ヌクレオチド反復の
存在は、ヒトUDPガラクトース−4−ガラクトキナー
ゼ活性における変化(指標的変化)と相関し得るか、ま
たは種々の多型についてのマーカーとして役立ち得る。
【0116】DNA配列の差異に基づいた遺伝的試験
は、変性剤を含むかまたは含まないゲルにおけるDNA
フラグメントの電気泳動的移動度における変化の検出に
より達成され得る。小さな配列欠失および挿入は、高分
解能ゲル電気泳動によって視覚化され得る。異なる配列
のDNAフラグメントは、変性ホルムアミド勾配ゲルに
おいて区別され得る。ここで異なるDNAフラグメント
の移動度は、それらの特異的融解温度または部分的融解
温度に従って異なる位置にゲル内で遅延される(例え
ば、Myersら、Science,230:1242
(1985)を参照のこと)。さらに、配列の変化、特
に小さな欠失は、非変性ゲル電気泳動におけるDNAヘ
テロ二本鎖の移動パターン(すなわち、ヘテロ2本鎖電
気泳動)における変化として検出され得る(例えば、N
agamineら、Am.J.Hum.Genet.,
45:337−339(1989)を参照のこと)。
【0117】特定の位置での配列の変化はまた、ヌクレ
アーゼ保護アッセイ(例えば、RNase保護およびS
1保護または化学的切断法(例えば、cottonら、
PNAS、USA、85:4397−4401(198
5)))により明らかにされ得る。
【0118】従って、特定のDNA配列の検出は、ハイ
ブリダイゼーション(例えば、ヘテロ二本鎖電気泳動、
Whiteら、Genomics,12:301−30
6(1992)を参照のこと)、RNase保護(例え
ば、Meyersら、Science,230:124
2(1985)を参照のこと)、化学的切断(例えば、
Cottonら、PNAS,USA,85:4397−
4401(1985))、直接DNA配列決定、または
制限酵素の使用(例えば、制限フラグメント長多型(R
FLP))のような方法によって達成され得る。ここ
で、制限フラグメントの数およびサイズにおける変化
は、挿入、欠失、ヌクレオチド反復の存在およびエンド
ヌクレアーゼ制限配列を生成または破壊する他の変異を
示し得る。ゲノムDNAのサザンブロッティングを使用
して、大きな(すなわち、100塩基対を超える)欠失
および挿入もまた同定し得る。
【0119】より便利なゲル電気泳動およびDNA配列
決定に加えて、変異(例えば、わずかな欠失、異数性、
転座、逆位)はまたインサイチュ分析により検出され得
る(例えば、Kellarら、DNA Probes,
第2版、StocktonPress,New Yor
k,New York,USA(1993)を参照のこ
と)。すなわち、DNA(またはRNA)配列および細
胞を膜上に単離および/または固定することなく、変異
について分析し得る。蛍光インサイチュハイブリダイゼ
ーション(FISH)は、現在、最も普通に適用されて
いる方法であり、そして多数のFISHの総説が出版さ
れている。例えば、Trachukら、Scienc
,250:559−562(1990)およびTra
skら、Trends,Genet.,7:149−1
54(1991)を参照のこと。これらは背景の目的の
ために本明細書中で参考として援用される。それゆえ、
特定の遺伝子(例えば、UDPガラクトース−4−エピ
メラーゼ)の構造に基づく核酸の使用によって、エピメ
ラーゼ欠損についての診断試験を開発し得る。
【0120】さらに、いくつかの疾患は、mRNAにお
ける変化によって検出され得る遺伝子発現の変化の結果
であるか、またはこれによって特徴づけられる。あるい
は、UDPガラクトース−4−エピメラーゼ遺伝子を対
照として使用して、例えば、ノーザンブロッティングま
たはインサイチュハイブリダイゼーションによって、減
少したレベルのエピメラーゼを発現する個体を同定し得
る。
【0121】より従来的なゲル電気泳動およびDNA配
列決定に加えて、変異はまた、インサイチュ分析によっ
て検出され得る。
【0122】本発明はまた、正常なコントロール組織サ
ンプルと比較して、過少発現が、ガラクトース血症、ま
たはガラクトース血症にかかる罹患性の検出を可能にす
るので、種々の組織におけるヒトUDPガラクトース−
4−エピメラーゼタンパク質の変化したレベルを検出す
るための診断アッセイに関する。宿主由来のサンプル中
のヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼタンパク
質のレベルの検出に使用するアッセイは、当業者に周知
であり、そして放射免疫アッセイ、競合結合アッセイ、
ウェスタンブロット分析、および好ましくはELISA
アッセイを含む。ELISAアッセイは、最初にヒトU
DPガラクトース−4−エピメラーゼ抗原に特異的な抗
体(好ましくはモノクローナル抗体)を調製する工程を
包含する。さらに、レポーター抗体をモノクローナル抗
体に対して調製する。このレポーター抗体に、放射活
性、蛍光、または本発明の実施例における西洋ワサビペ
ルオキシダーゼ酵素のような検出可能な試薬を結合させ
る。サンプルを宿主から取り出し、サンプル中のタンパ
ク質と結合する固体支持体(例えば、ポリスチレンディ
ッシュ)上でインキュベートする。次いで、ディッシュ
上の任意の遊離タンパク質結合部位をBSAのような非
特異的タンパク質と共にインキュベートすることによっ
て覆う。次に、モノクローナル抗体を、モノクローナル
抗体がポリスチレンディッシュに結合した全てのヒトU
DPガラクトース−4−エピメラーゼタンパク質と結合
する時間の間、ディッシュ内でインキュベートする。全
ての結合していないモノクローナル抗体を緩衝液で洗浄
して除去する。次いで西洋ワサビペルオキシダーゼに結
合したレポーター抗体をディッシュ内に入れると、レポ
ーター抗体のヒトUDPガラクトース−4−エピメラー
ゼに結合した全てのモノクローナル抗体への結合が生じ
る。次いで、結合していないレポーター抗体を洗浄す
る。次いで、ペルオキシダーゼ基質をディッシュに添加
し、そして所定の時間内に発色した量が、標準曲線と比
較した場合に、所定の量の患者のサンプルに存在するヒ
トUDPガラクトース−4−エピメラーゼタンパク質の
量の測定値である。
【0123】ヒトUDPガラクトース−4−エピメラー
ゼ遺伝子産物に対して惹起されたモノクローナル抗体
は、赤血球、線維芽皮膚細胞、および他の細胞型中のエ
ピメラーゼの定量に有用である。
【0124】ヒトUDPガラクトース−4−エピメラー
ゼに特異的な抗体が固体支持体に結合され、そして標識
されたヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼおよ
び宿主由来のサンプルが固体支持体を通過され、そして
固体支持体に結合された検出される標識の量がサンプル
中のヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼの量に
相関し得る場合に競合アッセイが使用され得る。
【0125】本発明の配列はまた、染色体の同定に有益
である。この配列は、個々のヒト染色体の特定の位置を
特異的に標的化し、そしてその位置にハイブリダイズし
得る。さらに、現在は染色体上の特定の部位を同定する
必要がある。現在、染色体の位置をマークするために利
用可能な実際の配列データ(反復多型)に基づいた染色
体マーキング試薬はほとんどない。本発明に従うDNA
の染色体へのマッピングは、これらの配列と疾患に関す
る遺伝子とを相関させることにおける重要な第1段階で
ある。
【0126】簡潔に述べれば、配列は、cDNAからP
CRプライマー(好ましくは15〜25bp)を調製す
ることにより染色体にマップされ得る。遺伝子の3’非
翻訳領域のコンピューター解析が、ゲノムDNA内で1
つのエキソンを越えてまたがらず、従って増幅プロセス
を複雑にするプライマーを迅速に選択するために使用さ
れる。次いで、これらのプライマーは、個々のヒト染色
体を含む体細胞ハイブリッドのPCRスクリーニングに
使用される。プライマーに対応するヒト遺伝子を含むこ
れらのハイブリッドのみが増幅フラグメントを生じる。
【0127】体細胞ハイブリッドのPCRマッピング
は、特定の染色体に特定のDNAを割り当てるための迅
速な手順である。同じオリゴヌクレオチドプライマーを
用いる本発明を使用して、特定のその染色体由来のフラ
グメントのパネルまたは類似の様式の大きなゲノムクロ
ーンのプールを用いて部分的局在性の決定(sublo
calization)が達成され得る。その染色体に
マップするために同様に使用され得る他のマッピングス
トラテジーは、インサイチュハイブリダイゼーション、
標識化フロー選別した(flow−sorted)染色
体でのプレスクリーニング、および染色体特異的cDN
Aライブラリーを構築するためのハイブリダイゼーショ
ンによる予備選択を包含する。
【0128】cDNAクローンの中期染色体スプレッド
への蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FIS
H)は、1工程での正確な染色体位置を提供するために
使用され得る。この技術は、50または60塩基程度の
短さのcDNAを用いて使用され得る。この技術の総説
としては、Vermaら,Human Chromos
omes:a Manual of Basic Te
chniques,Pergamon Press,N
ew York(1988)を参照のこと。
【0129】一旦配列が正確な染色体位置にマップされ
ると、染色体上での配列の物理的な位置を遺伝子マップ
のデータと相関させ得る。このようなデータは、例え
ば、V. McKusick,Mendelian I
nheritance inMan に見出される(J
ohns Hopkins UniversityWe
lch Medical Libraryからオンライ
ンで入手可能である)。次いで、同一の染色体領域にマ
ップされる遺伝子と疾患との関係が、連鎖解析(物理的
に隣接した遺伝子の同時遺伝)により同定される。
【0130】次に、罹患個体と非罹患個体との間のcD
NA配列またはゲノム配列の差異を決定する必要があ
る。変異がいくつかまたはすべての罹患個体に観察され
るがいずれの正常な個体にも観察されない場合、この変
異は疾患の原因因子であるようである。
【0131】物理的マッピング技術および遺伝的マッピ
ング技術の現在の解析度では、疾患に関連する染色体領
域に正確に位置決めされたcDNAは、50と500と
の間の潜在的原因遺伝子の1つであり得る。(これは、
1メガベースのマッピング解析度で、そして20kbあ
たり1遺伝子と仮定する。)ヒトUDPガラクトース−
4−エピメラーゼの正確な染色体位置を決定するため
に、蛍光インサイチュハイブリダイゼーションがヒト中
期染色体スプレッドに対して実施された(Lawren
ce,J.B.ら、Cell,52:51−61(19
88)およびJohnson,C.V.ら、Metho
ds in Cell Biology,35:73−
99(1991(b))。約20のスプレッドが肉眼で
分析され、そのほとんどが少なくとも1つの染色体(こ
れは第1染色体である)上の真のハイブリダイゼーショ
ンに特徴的な二重(doublet)のシグナルを有し
ていた。二重のシグナルは、他の染色体のいずれでも検
出されなかった。わずかな長さの測定と蛍光バンディン
グ(banding)との組合せを使用する、高分解能
画像化分析と組み合わせた26の個々のスプレッドの詳
細な分析は、ヒトUDPガラクトース−4−エピメラー
ゼ遺伝子がlp34.3〜36.1のバンド内に位置す
ることを示した。これはエピメラーゼ欠損性ガラクトー
ス血症の疾患位置と正確に一致する。
【0132】ポリペプチド、そのフラグメントまたは他
の誘導体、またはそのアナログ、あるいはそれらを発現
する細胞は、それらに対する抗体を産生させるための免
疫原として使用され得る。これらの抗体は、例えば、ポ
リクローナル抗体、またはモノクローナル抗体であり得
る。本発明はまた、キメラ抗体、単鎖抗体およびヒト化
抗体、ならびにFabフラグメント、またはFab発現
ライブラリーの産物を包含する。当該分野で公知の種々
の手順が、このような抗体およびフラグメントの産生の
ために使用され得る。
【0133】本発明の配列に対応するポリペプチドに対
して生成される抗体は、動物へのポリペプチドの直接注
射によるか、または動物(好ましくはヒトではない)へ
のポリペプチドの投与により得られ得る。次いで、この
ようにして得られた抗体は、ポリペプチド自身に結合す
る。このようにして、ポリペプチドのフラグメントのみ
をコードする配列でさえも、天然のポリペプチド全体に
結合する抗体を生成するために使用され得る。次いで、
このような抗体は、そのポリペプチドを発現する組織か
らポリペプチドを単離するために使用され得る。
【0134】モノクローナル抗体の調製のために、細胞
株の連続培養により産生される抗体を提供する任意の技
術が使用され得る。例としては、ハイブリドーマ技術
(KohlerおよびMilstein,1975,N
ature,256: 495−497)、トリオーマ
技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozbor
ら,1983,Immunology Today
4: 72)、およびヒトモノクローナル抗体を産生す
るためのEBVハイブリドーマ技術(Coleら,19
85,Monoclonal Antibodies
and CancerTherapy,Alan R.
Liss,Inc.,77−96頁)が挙げられる。
【0135】単鎖抗体を産生するために記載された技術
(米国特許第4,946,778号)を、本発明の免疫
原性ポリペプチド産物に対する単鎖抗体を生成するため
に適合させ得る。また、トランスジェニックマウスが、
本発明の免疫原性のポリペプチド産物に対するヒト化抗
体の発現に使用され得る。
【0136】本発明を以下の実施例を参照にしてさらに
記載する;しかし、本発明はこのような実施例に限定さ
れないことが理解されるべきである。すべての部分また
は量は、他に明記しない限り重量基準である。
【0137】以下の実施例の理解を容易にするために、
頻繁に現れる特定の方法および/または用語が記載され
る。
【0138】「プラスミド」は、小文字のpの前および
/またはそれに続く大文字および/または数字を示すこ
とにより明示される。本明細書中の出発プラスミドは、
市販であり、制限無く公的に入手可能であるか、または
公開された手順に従って入手可能なプラスミドから構築
され得るかのいずれかである。さらに、記載されるプラ
スミドと等価のプラスミドが当該分野で公知であり、そ
して当業者には明らかである。
【0139】DNAの「消化」は、DNA中の特定の配
列でのみ作用する制限酵素でそのDNAを触媒反応的に
切断することをいう。本明細書中で使用される種々の制
限酵素は、市販されており、そしてそれらの反応条件、
補因子、および他の必要条件は当業者に公知のものが使
用された。分析目的には、代表的には1μgのプラスミ
ドまたはDNAフラグメントには、約2単位の酵素が約
20μlの緩衝溶液中で使用される。プラスミド構築の
ためのDNAフラグメントを単離する目的には、代表的
には5〜50μgのDNAが20〜250単位の酵素
で、より大きな容量中で消化される。特定の制限酵素の
ための適切な緩衝液および基質量は、製造者により特定
される。37℃で約1時間のインキュベーション時間が
通常使用されるが、しかしこれは供給者の説明書に従っ
て変わり得る。消化後、反応物をアガロースゲル上で直
接電気泳動して所望のフラグメントを単離する。
【0140】切断フラグメントのサイズ分離は、Goe
ddel,D.ら,NucleicAcids Re
s.,8:4057(1980)により記載された1%
アガロースゲルを使用して行われる。
【0141】「オリゴヌクレオチド」は、一本鎖ポリデ
オキシヌクレオチドまたは2つの相補的なポリデオキシ
ヌクレオチド鎖のいずれかをいい、これらは化学的に合
成され得る。このような合成オリゴヌクレオチドは、
5’リン酸を有さず、従ってキナーゼの存在下でリン酸
とATPとを添加しなければ別のオリゴヌクレオチドと
連結しない。合成オリゴヌクレオチドは、脱リン酸化さ
れていないフラグメントに連結する。
【0142】「連結」は、2つの二本鎖核酸フラグメン
トの間でリン酸ジエステル結合を形成するプロセスをい
う(Maniatis,Tら、前出、146頁)。他に
提供されていなければ、連結は公知の緩衝液および条件
で、ほぼ等モル量の連結されるべきDNAフラグメント
0.5μgあたり10単位のT4 DNAリガーゼ
(「リガーゼ」)を用いて達成され得る。
【0143】別に記載しない限り、形質転換はGrah
am,F.およびVan derEb,A.,Viro
logy, 52:456−457(1973)の方法
に記載のように実施された。
【0144】
【実施例】実施例1 ヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼの細菌発現
および精製 ヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼをコードす
るDNA配列(ATCC寄託番号第97112号)を、
ヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼ遺伝子の
5’および3’末端配列に対応するPCRオリゴヌクレ
オチドプライマーを用いて最初に増幅した。ヒトUDP
ガラクトース−4−エピメラーゼ遺伝子に対応するさら
なるヌクレオチドを、それぞれ5’および3’末端配列
に付加した。5’オリゴヌクレオチドプライマーは、配
列5’TCCAAGGTGCCATGGCAGAG3’
(配列番号3)を有し、これはヒトUDPガラクトース
−4−エピメラーゼコード配列の開始コドンにおいてN
coI制限酵素部位を含む。3’配列、5’GCGCA
GATCTCCTCAGACTTGCGTGTCACA
3’(配列番号4)は、BglII部位に相補的な配列
(太字)を含み、そして続いてヒトUDPガラクトース
−4−エピメラーゼDNA挿入物の3’に位置するヒト
UDPガラクトース−4−エピメラーゼ配列の20ヌク
レオチドを含む。制限酵素部位は、細菌発現ベクターp
QE60(Qiagen,Inc.Chatswort
h,CA)上の制限酵素部位に対応する。pQE60
は、抗生物質耐性(Ampr)、細菌の複製起点(or
i)、IPTG調節可能プロモーターオペレーター(P
/O)、リボソーム結合部位(RBS)、6−Hisタ
グ、および制限酵素部位をコードする。次いで、pQE
60をNcoIおよびBglIIで消化した。増幅配列
をpQE60に連結し、そしてヒスチジンタグおよびR
BSをコードする配列とともにインフレームで挿入し
た。次いで、連結混合物を用いて、E.coli株 M
15/rep4(Qiagen,Inc.)をSamb
rook,J.ら、Molecular Clonin
g: A Laboratory Manual,Co
ld Spring Laboratory Pres
s,(1989)に記載の手順により形質転換した。M
15/rep4はプラスミドpREP4の複数のコピー
を含有する。これは、lacIリプレッサーを発現し、
そしてまたカナマイシン耐性(Kanr)を付与する。
形質転換体をLBプレート上で増殖するそれらの能力に
より同定し、そしてアンピシリン/カナマイシン耐性コ
ロニーを選択した。プラスミドDNAを単離し、制限酵
素分析により確認した。所望の構築物を含むクローン
を、Amp(100μg/ml)およびKan(25μ
g/ml)の両方を補充したLB培地における液体培養
で一晩(O/N)増殖させた。O/N培養物を用いて
1:100〜1:250の比で大規模な培養物に接種し
た。細胞を、光学密度600(O.D.600)が0.4
と0.6との間になるまで増殖させた。次いで、IPT
G(「イソプロピル−B−D−チオガラクトピラノシ
ド」)を加えて1mMの最終濃度にした。IPTGは、
lacIリプレッサーを不活性化することにより、P/
Oを解放(clear)し遺伝子発現の増加を誘導す
る。細胞をさらに3〜4時間増殖させた。次いで、細胞
を遠心分離により収集した。細胞ペレットをカオトロピ
ック剤6MグアニジンHCl中で可溶化した。澄明化
後、可溶化ヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼ
を、6−Hisタグを含有するタンパク質により堅く結
合し得る条件下で、ニッケル−キレートカラム上でのク
ロマトグラフィーによりこの溶液から精製した(Hoc
huli,Eら、J.Chromatography
411: 177−184(1984))。ヒトUDP
ガラクトース−4−エピメラーゼ(純度90%)を6M
グアニジンHCl(pH5.0)でカラムから溶出し、
そして再生の目的で、3MグアニジンHCl、100m
Mリン酸ナトリウム、10mMグルタチオン(還元
型)、および2mMグルタチオン(酸化型)に調整し
た。この溶液中での12時間のインキュベーションの
後、タンパク質を10mMリン酸ナトリウムに対して透
析した。
【0145】実施例2 バキュロウイルス発現系を使用したヒトUDPガラクト
ース−4−エピメラーゼのクローニングおよび発現 全長ヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼタンパ
ク質をコードするDNA配列(ATCC寄託番号第97
112号)を、この遺伝子の5’および3’配列に対応
するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを使用して増
幅する。
【0146】この5’プライマーは、配列5’AAAA
GATCTCCCGCCATCATGGCAGAGAA
GGTGCTG3’(配列番号5)を有し、そしてBg
lII制限酵素部位(太字)を含み、真核生物細胞にお
ける翻訳開始について有効なシグナルに類似する8ヌク
レオチドが続く(Kozak,M.,J.Mol.Bi
ol.,196:947−950(1987))。この
8ヌクレオチドはヒトUDPガラクトース−4−エピメ
ラーゼ遺伝子の最初の18ヌクレオチドの直後である
(翻訳開始コドン「ATG」について下線が引かれ
る)。
【0147】3’プライマーは、配列5’AAATCT
AGATCAGGCTTGCGTGCCAAAGCC
3’(配列番号6)を有し、そして制限エンドヌクレア
ーゼXbaIについての切断部位(太字)およびヒトU
DPガラクトース−4−エピメラーゼ遺伝子の3’配列
に相補的な21ヌクレオチドを含む。増幅した配列を、
市販のキット(「Geneclean」、BIO 10
1 Inc.,La Jolla,Ca)を使用して1
%アガロースゲルから単離する。次いで、フラグメント
をエンドヌクレアーゼBglIIおよびXbaIで消化
し、次いで、1%アガロースゲル上で再度精製する。こ
のフラグメントをF2と称する。
【0148】ベクターpA2(pVL941ベクターの
改変物、以下に記載)を、バキュロウイルス発現系を使
用したヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼタン
パク質の発現のために使用する(総説については:Su
mmers,M.D.およびSmith,G.E.19
87,バキュロウイルスベクターおよび昆虫細胞培養手
順のための方法のマニュアル,Texas Agric
ultural Experimental Stat
ion Bulletin NO:1555を参照のこ
と)。この発現ベクターは、制限エンドヌクレアーゼに
ついての制限部位が続くAutographa Cal
ifornia核多角体病ウイルス(AcMNPV)の
強力なポリヘドリンプロモーターを含む。シミアンウイ
ルス(SV)40のポリアデニル化部位を、有効なポリ
アデニル化のために使用する。組換えウイルスの容易な
選択のために、E.coli由来のβガラクトシダーゼ
遺伝子を、ポリヘドリン遺伝子のポリアデニル化シグナ
ルが続くポリヘドリンプロモーターと同方向に挿入す
る。ポリヘドリン配列の両端には、同時トランスフェク
トした野生型ウイルスDNAの細胞媒介相同組換えのた
めのウイルス配列が位置する。多くの他のバキュロウイ
ルスベクターを、pAc373、pVL941、および
pAcIM1のようなpRG1の代わりに使用し得る
(Luckow,V.A.およびSummers,M.
D.Virology,170:31−39)。
【0149】このプラスミドを、制限酵素BamHIお
よびXbaIで消化し、次いで当該分野で公知の手順に
よって子ウシ腸ホスファターゼを使用して脱リン酸化す
る。次いでDNAを市販のキット(「Geneclea
n」、BIO 101 Inc.,La Jolla,
Ca)を使用して1%アガロースゲルから単離する。こ
のベクターDNAをV2と称する。
【0150】フラグメントF2および脱リン酸化したプ
ラスミドV2をT4DNAリガーゼで連結する。次い
で、E.coli HB101細胞を形質転換し、そし
てPCRを使用して、細菌がプラスミド(pBac h
uman UDP galactose−4−epim
erase)をヒトUDPガラクトース−4−エピメラ
ーゼ遺伝子と共に含むことを同定した。クローン化フラ
グメントの配列を、DNA配列決定によって確認する。
【0151】5μgのプラスミドpBac human
UDP galactose−4−epimeras
eを、リポフェクション法(Felgnerら、Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA,84:74
13−7417(1987))を使用して、1.0μg
の市販の線状化バキュロウイルスで(「Baculog
oldTMバキュロウイルスDNA」、Pharming
en,San Diego,CA.)で同時トランスフ
ェクトした。
【0152】1μgのBaculoGoldTMウイル
スDNAと5μgのプラスミドpBac human
UDP galactose−4−epimerase
とを、50μLの無血清グレース培地を含むマイクロタ
イタープレートの滅菌ウエル(Life Techno
lopgies Inc.,Gaithersbur
g,MD)中で混合する。その後、10μLのリポフェ
クチンおよび90μLのグレース培地を添加し、混合し
てそして室温で15分間インキュベートする。次いで、
トランスフェクション混合物を、1mlの無血清グレー
ス培地を含む35mm組織培養プレートに播種したSf
9昆虫細胞(ATCC CRL 1711)に滴下す
る。このプレートを前後に振盪し、新たに添加した溶液
と混合する。次いで、プレートを27℃で5時間インキ
ュベートする。5時間後、トランスフェクション溶液を
プレートから除去し、そして10%ウシ胎児血清を補充
した1mlのグレース昆虫培地を添加する。プレートを
インキュベーターに戻し、そして培養を27℃で4日間
継続する。
【0153】4日後、上清を回収し、そしてSumme
rsおよびSmith(前出)に記載されたアッセイと
同様にプラークアッセイを行った。改変として、「Bl
ueGal」(Life Technologies
Inc.,Gaithersburg)を含むアガロー
スゲルを使用し、これにより青く染色されたプラークの
単離が容易になる。(「プラークアッセイ」の詳細な記
載については、Life Technologies
Inc.,Gaithersburg,9−10頁によ
って配布される昆虫細胞培養およびバキュロウイルス学
についてのユーザーガイドにも見出される。) 連続希釈の4日後、ウイルスを細胞に添加し、そして青
く染色されたプラークをエッペンドルフピペットの先端
で拾い上げる。次いで、組換えウイルスを含む寒天を2
00μLのグレース培地を含むエッペンドルフチューブ
中で再懸濁する。寒天を簡単な遠心分離によって除去
し、そして組換えバキュロウイルスを含む上清を使用し
て35mmディッシュに播種したSf9細胞を感染させ
る。4日後、これらの培養ディッシュの上清を回収し、
次いで4℃で保存する。
【0154】Sf9細胞を10%熱不活性化FBSを補
充したグレース培地中で増殖させる。細胞を感染多重度
(MOI)2で組換えバキュロウイルスV−ヒトUDP
ガラクトース−4−エピメラーゼで感染させる。6時間
後、培地を除去し、そしてメチオニンおよびシステイン
を除いたSF900 II培地(Life Techn
ologies Inc.,Gaithersbur
g)で置き換える。42時間後、5μCiの35S−メチ
オニンおよび5μCiの35S−システイン(Amers
ham)を添加する。細胞をさらに16時間インキュベ
ートし、その後遠心分離によって回収し、そしてSDS
−PAGEおよびオートラジオグラフィーによって標識
されたタンパク質を可視化する。
【0155】実施例3 組換えヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼのC
OS細胞発現 プラスミド、ヒトUDPガラクトース−4−エピメラー
ゼHAの発現は、以下を含むベクターpcDNAI/A
mp(Invitrogen)から得られる:1)SV
40複製起点、2)アンピシリン耐性遺伝子、3)E.
coli複製起点、4)ポリリンカー領域が続くCMV
プロモーター、SV40イントロンおよびポリアデニル
化部位。ヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼ前
駆体の全体をコードするDNAフラグメント、およびそ
の3’末端にインフレームで融合したHAタグを、ベク
ターのポリリンカー領域にクローン化し、それゆえ、組
換えタンパク質発現は、CMVプロモーター下で指向さ
れる。HAタグは以前に記載されたようにインフルエン
ザ血球凝集素タンパク質由来のエピトープに対応する
(I.Wilson,H.Niman,R.Heigh
ten,A Cherenson,M.Connoll
oy,およびR.Lerner,1984,Cell
37:767,(1984))。HAタグの標的タンパ
ク質への融合により、HAエピトープを認識する抗体で
の組換えタンパク質の検出が容易になる。
【0156】プラスミド構築方法を以下に記載する:ヒ
トUDPガラクトース−4−エピメラーゼをコードする
DNA配列(ATCC寄託番号第97112号)を2つ
のプライマーを使用するPCRによって構築する:5’
プライマー5’AAAAGATCTCCCGCCATC
ATGGCAGAGAAGGTGCTG3’(配列番号
7)は、BglII部位(太字)を含み、開始コドンか
ら始まるヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼコ
ード配列の18ヌクレオチドが続く;3’配列5’AA
ATCTAGACTAAGCGTAGTCTGGGAC
GTCGTATGGGTACTCCTGGGGGCTT
GCGTGCCAAAGCC3’(配列番号8)は、X
baI部位に相補的な配列(太字)、翻訳停止コドン、
HAタグ、およびヒトUDPガラクトース−4−エピメ
ラーゼコード配列の最後の18ヌクレオチド(停止コド
ンを含まない)を含む。従って、PCR産物はBglI
I部位、インフレームで融合したHAタグが続くヒトU
DPガラクトース−4−エピメラーゼコード配列、HA
タグに続く翻訳終結停止コドン、およびXbaI部位を
含む。PCRで増幅したDNAフラグメントをBglI
IおよびXbaIで消化し、そしてベクター、pcDN
AI/AmpをBamHIおよびXbaI制限酵素で消
化し、そして連結する。連結混合物をE.coli株S
URE(Stratagene Cloning Sy
stems,La Jolla,CA)中に形質転換
し、形質転換培養物を、アンピシリン培地プレートに入
れ、そして耐性コロニーを選択する。プラスミドDNA
を形質転換体から単離し、そして正確なフラグメントの
存在について、制限分析によって試験する。組換えヒト
UDPガラクトース−4−エピメラーゼの発現のため
に、COS細胞をDEAE−DEXTRAN法(J.S
ambrook,E.Fritsch,T,Mania
tis,Molecular Cloning: A
Laboratory Manual,Cold Sp
ring Laboratory Press,(19
89))によって、発現ベクターでトランスフェクトす
る。ヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼHAタ
ンパク質の発現を、放射標識および免疫沈降法(E.H
arlow,D.Lane,Antibodies:
A Laboratory Manual,Cold
Spring Harbor Laboratory
Press,(1988))によって検出する。細胞
を、トランスフェクションの2日後に35S−システイン
で8時間標識する。次いで、培養培地を回収し、そして
細胞を、界面活性剤(RIPA緩衝液(150mM N
aCl、1%NP−40、0.1%SDS、1%NP−
40、0.5%DOC、50mM Tris、pH7.
5)(Wilson,I.ら、ID.37:767(1
984))で溶解させる。細胞溶解物および培養培地の
両方を、HA特異的モノクローナル抗体で沈殿させる。
沈殿したタンパク質を15%SDS−PAGEゲルで分
析する。
【0157】実施例4 ヒト組織におけるヒトUDPガラクトース−4−エピメ
ラーゼの発現パターン ノーザンブロット分析を実施して、ヒト組織におけるヒ
トUDPガラクトース−4−エピメラーゼの発現のレベ
ルを試験する。全細胞RNAサンプルを、RNAzol
TMBシステム(Biotecx Laboratori
es,Inc.Houston.TX)を使用して単離
する。特定した各ヒト組織から単離した約10μgの全
RNAを1%アガロースゲル上で分離し、そしてナイロ
ンフィルター上にブロットする(Sambrook,F
ritschおよびManiatis,Molecul
ar Cloning,Cold Spring Ha
rbor Press,(1989))。標識反応を、
Stratagene Prime−Itキットに従っ
て50ngのDNAフラグメントで行う。標識したDN
Aを、Select−G−50カラムで精製する(5
Prime−3 Prime,Inc.Boulde
r,CO)。次いで、フィルターを放射活性標識した全
長ヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼ遺伝子
と、0.5M NaPO4(pH7.4)および7%S
DS中、1,000,000cpm/mlで、65℃で
一晩ハイブリダイズする。0.5×SSC、0.1%S
DSで、室温で2回、そして60℃で2回洗浄後、次い
でフィルターを増感スクリーンに−70℃で一晩曝露す
る。
【0158】実施例5 遺伝子療法を介したヒトUDPガラクトース−4−エピ
メラーゼの発現 線維芽細胞を、皮膚生検によって被験体から得る。得ら
れた組織を組織培養培地に置き、そして小片に分離す
る。組織の小さな片を組織培養フラスコの湿らせた表面
に置き、約10の片を各フラスコに置く。フラスコを上
下逆さにし、堅く栓をし、そして室温で一晩放置する。
24時間後、室温でフラスコを逆さにし、そして組織片
をフラスコの底に固定して留め、そして新鮮な培地(例
えば、10%FBS、ペニシリン、およびストレプトマ
イシンを含むHamのF12培地)を添加する。次い
で、これを37℃で約1週間インキュベートする。この
時点で、新鮮な培地を添加し、続いて2、3日ごとに交
換する。さらに2週間培養後、線維芽細胞の単層が出現
する。単層をトリプシン処理し、そしてより大きなフラ
スコに拡大する。
【0159】モロニーマウス肉腫ウイルスの長末端反復
側に位置するpMV−7(Kirschmeier,
P.T.ら、DNA,7:219−25(1988)
を、EcoRIおよびHindIIIで消化し、続いて
子ウシ腸ホスファターゼで処理する。線状ベクターをア
ガロースゲル上で細分し、そしてガラスビーズを使用し
て精製する。
【0160】ヒトUDPガラクトース−4−エピメラー
ゼcDNAのサブフラグメントをPCRプライマーを使
用して以下のように増幅する:5’コード領域の18塩
基対が続くEcoRI部位(太字)を含む5’AAAG
AATTCCCCGCCATCATGGCAGAGAA
GGTGCTG3’(配列番号9)、およびHindI
II部位(太字)を含みそして3’配列の21塩基対が
続く配列5’AAAAAGCTTTCAGGCTTGC
GTGCCAAAGCC3’(配列番号10)を有する
3’プライマー。
【0161】同量のモロニーマウス肉腫ウイルス線状骨
格、ならびにEcoRIおよびHindIIIフラグメ
ントをT4DNAリガーゼの存在下で一緒に添加する。
得られる混合物を、2つのフラグメントの連結に適切な
条件下で維持する。連結混合物を使用して細菌HB10
1を形質転換し、次いでこれを、ベクターが正しく挿入
されたヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼ遺伝
子を有することを確認する目的のためにカナマイシン含
有寒天上に置く。
【0162】アンフォトロピックpA317またはGP
+am12パッケージング細胞を、10%子ウシ血清
(CS)、ペニシリンおよびストレプトマイシンを含有
するダルベッコの改変イーグル培地(DMEM)中でコ
ンフルエントな密度まで組織培養物中で増殖させる。次
いで、ヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼ遺伝
子を含むMSVベクターを培地に添加し、そしてパッケ
ージング細胞をベクターで形質導入する。パッケージン
グ細胞がヒトUDPガラクトース−4−エピメラーゼ遺
伝子を含む感染性ウイルス粒子を産生する(パッケージ
ング細胞をここでプロデューサー細胞という)。
【0163】新鮮な培地を形質導入したプロデューサー
細胞に添加し、続いて培地を10cmプレートのコンフ
ルエントなプロデューサー細胞から回収する。感染性ウ
イルス粒子を含む消費した培地をミリポアフィルターで
濾過して分離されたプロデューサー細胞を除去し、次い
でこの培地を使用して線維芽細胞を感染させる。培地を
線維芽細胞のサブコンフルエントなプレートから除去
し、そして直ちにプロデューサー細胞由来の培地で置き
換える。この培地を除去してそして新鮮な培地で置き換
える。ウイルスの力価が高い場合、実質的に全ての線維
芽細胞が感染され、そして選択は必要とされない。力価
が非常に低い場合、次いでneoまたはhisのような
選択マーカーを有するレトロウイルスベクターを使用す
る必要がある。
【0164】次いで操作した線維芽細胞を、単独でまた
はサイトデックス3ミクロキャリアビーズ上でコンフル
エンスになるまで増殖させた後のいずれかで、宿主に注
入する。線維芽細胞は、ヒトUDPガラクトース−4−
エピメラーゼタンパク質産物を産生し、そしてヒトUD
Pガラクトース−4−エピメラーゼの生物学的作用を宿
主に導く。
【0165】本発明の多数の改変および変更は上記教示
を参照することにより可能であり、従って、添付する請
求の範囲内で、本発明は特記した以外の方法で実施され
得る。
【0166】以下の図面は、本発明の実施態様の例示で
あり、そして請求の範囲により包含されるような本発明
の範囲を限定することを意味しない。
【0167】
【表1】
【0168】
【発明の効果】本発明は、上述した構成であるので、前
述した課題が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のcDNAおよび対応するポリ
ペプチドの推定アミノ酸配列を示す。アミノ酸について
の標準的な1文字略号を使用する。
【図2】図2は、本発明のポリペプチド(上)とラット
UDP−ガラクトース4−エピメラーゼ(下)との間の
アミノ酸配列相同性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 597018381 9410 Key West Avenue, Rockville, Marylan d 20850, United State s of America (72)発明者 ジ ホンジュン アメリカ合衆国 メリーランド 20874, ジャーマンタウン, カントリー リッ ジ ドライブ 13144 (72)発明者 クレイグ エイ. ローゼン アメリカ合衆国 メリーランド 20882, レイトンズビル, ローリング ヒル ロード 22400 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA07 CA04 DA02 DA06 EA02 EA04 GA11 GA18 GA19 HA03 HA14 HA17

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単離されたポリヌクレオチドであって、
    以下: (a)図1に示されるポリペプチドをコードするポリヌ
    クレオチド; (b)(a)のポリヌクレオチドにハイブリダイズし
    得、かつ少なくとも70%が同一である、ポリヌクレオ
    チド;および (c)ポリヌクレオチド(a)または(b)のフラグメ
    ント、該フラグメントは少なくとも50塩基対長であ
    る、からなる群より選択されるメンバーを包含する、単
    離されたポリヌクレオチド。
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