JP2002366374A - 電子制御装置 - Google Patents

電子制御装置

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JP2002366374A
JP2002366374A JP2001176283A JP2001176283A JP2002366374A JP 2002366374 A JP2002366374 A JP 2002366374A JP 2001176283 A JP2001176283 A JP 2001176283A JP 2001176283 A JP2001176283 A JP 2001176283A JP 2002366374 A JP2002366374 A JP 2002366374A
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control
load
control program
calculation
calculation load
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JP2001176283A
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English (en)
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Mitsuhiko Kikuchi
光彦 菊池
Toshiyuki Watanabe
敏之 渡辺
Makoto Kimura
誠 木村
Shintetsu Miyashita
真哲 宮下
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御装置において、CPUの演算負荷が高負
荷になっても、リセット処理を行わずに制御を継続す
る。 【解決手段】 ROM6に関数Fmain(a)、Fc
1(b)、Fc2(c)、Fc3(a)を演算するため
のプログラムを記憶する。Fmainの演算でインジェ
クタ5を制御するための制御の基本値が得られ、そのほ
かは補正係数が得られる。CPU4が各プログラムを実
行して、各関数の値を求め、それぞれを掛け合せて制御
値を演算する。CPU4は、このほか、割り込み演算も
行う。割り込み演算によってCPUの演算負荷が90%
以上となった場合は、CPUは関数Fc3、Fc2、F
c1の演算を停止し、Fmainの演算のみを行って制
御を行う。これによって、高負荷になっても、制御を継
続に行うことができる。リセット処理と比べると、制御
可能な負荷領域が拡大される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制御にコンピュータが
用いられる電子制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】制御にコンピュータを用いる電子制御装
置においては、コンピュータ内のCPUについて演算負
荷を評価し、処理にどの程度の余裕があるかを調査する
ことが行われている。このような調査は、通常、制御プ
ログラムの開発時点で行われ、CPUが高負荷の場合、
プログラムをより演算負荷の小さいものに修正したり、
またはCPUをより高性能のものに変更したりするなど
の対策を講じて、CPUの性能に適合したプログラムの
開発を行うようになっている。この場合、演算負荷を評
価する環境を実際の使用環境に近づけ、演算負荷が最大
となるような条件を整える必要がある。
【0003】CPUの演算負荷の評価方法としては、例
えば特開平9−06552号公報に開示された技術で
は、CPU内での処理をフォアグランド処理とバックグ
ランド処理に分け、バックグランド処理が実行されてい
る期間内でカウンタを定期的にインクリメントし、所定
時間毎にカウンタの値を読むことにより、評価するよう
になっている。この場合、カウンタの数値が小さいほど
負荷が高いことを意味している。
【0004】しかし、近年、コンピュータの性能の向上
により、例えば車両用の電子制御装置のように、燃料噴
射、点火時期などの制御を1つのコンピュータに統合
し、このため、1つのコンピュータでは、処理する情報
量が格段に増え、多くの割り込み演算の発生により、実
際と同じような環境を想定することが困難な状況を生じ
ている。このため、評価において十分な処理が可能で
も、実際の使用環境においては、想定外の状況でプログ
ラムが実行されることを否定できない。演算負荷が10
0%を越えると、CPUの処理が間に合わないために処
理抜けが発生したり、規定以上の周期で動作することに
よって動作遅れが発生するなど、正常な制御が続行でき
なくなる可能性がある。
【0005】このような問題の発生を防止するために、
高い処理能力を持つCPUを採用し、負荷に大幅な余裕
をもたせることもできるが、必要以上の性能のCPUを
選択することになり、コストが上がってしまうという問
題があった。また仮に、そのような環境を整えられたと
しても、それはプログラム開発者の想定したものであ
り、例えば車両用の電子制御装置のような高い信頼性を
要するものは、CPUが高負荷時の対策が依然として必
要である。
【0006】これに関して、例えば特開平5−1587
45号公報においては、プログラム内の各処理の初めに
カウンタを所定値だけ加算し、当該処理の終わりにカウ
ンタを同所定値だけ減算することにより、プログラムの
実行状態を確認する技術が開示されている。プログラム
が正常に実施された場合は処理の初めと終わりとでカウ
ンタの値は変わらず、正常に実施されなかった場合には
処理の初めと終わりとでカウンタの値が異なることか
ら、カウンタの値をチェックすることで、プログラムの
実行状況を確認することができ、必要に応じてプログラ
ムをリセットして、プログラムの暴走を防止することが
できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにプログラムの実行状況をチェックし、リセット処理
を行うような構成では、本来は制御を縦続することが望
ましい状況であっても強制的に制御が中断されてしまう
問題がある。また、CPUの演算負荷が高くなった状態
が持続している場合には、リセット処理を行ってもすぐ
に異常を検出して再びリセット処理を行ってしまい、こ
れを繰り返すことにより、例えば車両を制御する場合は
車両の挙動が不安定になる問題もある。本発明は、上記
のような従来の問題点に鑑み、CPUの演算負荷が高く
なった場合でも、制御を継続することのできる電子制御
装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
記憶手段と演算手段とを有し、前記演算手段は、前記記
憶手段に記憶されている制御プログラムを実行して制御
を行うとともに、他のプログラムからの割り込み演算要
求があるときに、割り込み演算を行う電子制御装置にお
いて、前記制御プログラムは、基本制御を行うための基
本制御プログラムと、基本制御を行う際の情報に対して
補正演算を行うための補正制御プログラムとからなり、
前記演算手段の演算負荷を検出する演算負荷検出手段を
有して、前記演算手段は、前記検出された演算負荷と第
1のしきい値とを比較し、前記演算負荷が前記第1のし
きい値より大きい場合には、前記補正制御プログラムの
実行を停止するものとした。
【0009】請求項2記載の発明は、前記記憶手段には
補正制御プログラムが複数記憶され、前記演算手段は、
各補正制御プログラム処理時の演算負荷に応じて、停止
する前記補正制御プログラムを選択するものとした。
【0010】請求項3記載の発明は、前記演算負荷検出
手段が、前回の制御サイクル時の前記演算負荷を検出す
るようになっているものとした。
【0011】請求項4記載の発明は、前記記憶手段に、
前記基本制御プログラムよりも演算負荷の低いフェール
セーフ制御プログラムを記憶させ、前記演算手段は、前
記演算負荷が前記第1のしきい値よりも高い第2のしき
い値より大きい場合は、前記基本制御プログラム、前記
補正制御プログラムを実行する代わりに前記フェールセ
ーフ制御プログラムを実行するものとした。
【0012】請求項5記載の発明は、報知手段を設け
て、前記フェールセーフ制御プログラムが実行されると
きに、報知手段によってその旨を報知するものとした。
【0013】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、制御に基本制
御プログラムと補正制御プログラムが用いられ、演算負
荷が第1のしきい値以下のとき、演算手段は、基本制御
プログラムと補正制御プログラムとを実行して制御を行
う。この場合、高精度の制御を行うことができる。
【0014】一方、割り込み演算が多く発生し、演算負
荷が第1のしきい値より大きくなると、演算手段が、補
正制御プログラムの実行を停止するから、その分の演算
負荷が生じず、基本制御プログラムのみを実行すること
によって、継続的に制御を行うことが可能である。リセ
ット処理を行うのと比べると、継続的に制御可能な負荷
領域が拡大される。また、一時的な高負荷状態に対応す
るために処理能力の高い高価なCPUを搭載する必要性
が低下し、より効率的にCPUを利用することができる
ようになる。
【0015】請求項2記載の発明では、演算負荷に応じ
て実行停止する補正制御プログラムを選択するため、高
負荷状態であっても、相対的に負荷が小さいときは、例
えば負荷低減度合いの小さい補正制御プログラムを停止
させ、負荷が大きくなるほど、低減度合いの大きいもの
を停止させ、あるいは複数の補正制御プログラムを選択
して停止させることができるから、制御精度の犠牲を小
さくとどめることができる。
【0016】請求項3記載の発明では、演算負荷とし
て、前回の制御サイクルの演算負荷を検出するようにな
っているから、実際値を検出することが可能である。
【0017】請求項4記載の発明では、演算負荷が補正
制御プログラムの実行停止を判断する第1のしきい値よ
りも大きい第2のしきい値より大きい場合には、予想外
の割り込みが発生していることから、基本制御プログラ
ムよりも演算負荷の低いフェールセーフ制御プログラム
を実行することによって、電子制御装置として望ましい
機能を維持することが可能である。
【0018】請求項5記載の発明では、フェールセーフ
制御プログラムが実行されるときに、外部にその旨を報
知するようになっているため、使用者は電子制御装置の
状態を認識することができ、対策を取ることが可能にな
る。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を車両
用のエンジン燃料噴射制御装置に適用した実施例につい
て説明する。図1は、その構成を示す図である。CPU
4にアクセルセンサ1、水温センサ2、酸素(O)セ
ンサ3がそれぞれ接続される。CPU4は、各センサの
検出値に基づいてROM6に記憶されている制御プログ
ラムを実行して燃料噴射量を演算し、インジェクタ5を
制御する。ここで、CPU4は、インジェクタ5の燃料
噴射演算のほかに、割り込み演算も行うようになってい
る。割り込み演算としては、例えば情報の共有がある点
火時期の演算や補助空気量演算などである。
【0020】制御プログラムは、アクセルセンサ1から
のアクセル開度信号aを基に燃料噴射量の基本値Xte
mpを算出する基本制御プログラムと噴射量の補正係数
cを演算する補正制御プログラムが組み込まれている。
補正制御プログラムは、水温センサ2からの水温信号b
を基に補正係数c1を算出するものと、酸素センサ3か
らの酸素濃度信号cを基に補正係数c2を算出するもの
と、アクセルセンサ1からのアクセル開度信号aを基に
加速時の補正係数c3を算出するものからなっている。
【0021】ここで、基本制御プログラムでの演算をF
main(a)と定義し、各補正制御プログラムでの演
算をFc1(b)、Fc2(c)、Fc3(a)と定義
する。関数Fmain(a)、Fc1(b)、Fc2
(c)、Fc3(a)の演算によって、燃料噴射量の基
本値Xtemp、補正係数c1、c2、c3を得るよう
になっている。CPU4は、燃料噴射量の基本値Xte
mpに補正係数c1、c2、c3を掛け合わせて燃料噴
射量Xを演算し、その演算値に基づいてインジェクタ5
を制御する。
【0022】なお、補正係数c1、c2、c3は、燃料
噴射量の基本値Xtempに数パーセント程度の補正を
与えるもので、これらの補正は例えば燃費の向上など付
加的な要求のために存在しているものであり、省略して
も制御が可能である。すなわち燃料噴射量の基本値Xt
empは制御上の仕様として耐え得る精度を有してい
る。CPUの演算負荷は、図2に示すように、関数Fc
3(a)、Fc2(c)、Fc1(b)、Fmain
(a)の演算処理105、104、103、102によ
る演算負荷に、その他の負荷の割り込み処理101によ
る演算負荷を加えて70%程度に収まるようになってい
る。
【0023】図3は、燃料噴射量Xを演算するプログラ
ムにおける流れを示すフローチャートである。このプロ
グラムはROM6に記憶され、制御の周期に従って繰り
返し呼び出されて実行される。まず、ステップ201に
おいて、CPU4が基本制御プログラムを実行して、ア
クセルセンサ1からのアクセル開度信号aに基づいて関
数Fmain(a)を演算することによって、燃料噴射
量の基本値Xtempを演算する。ステップ202にお
いて、CPU4の演算負荷Lを求める。演算負荷Lは、
例えば前回の周期における演算負荷を求めて得ることが
できる。
【0024】演算負荷の求め方としては、例えば従来例
で示したように、CPU内での処理をフォアグランド処
理とバックグランド処理に分け、バックグランド処理が
実行されている期間内でカウンタを定期的にインクリメ
ントし、所定時間毎にカウンタの値を読むことにより評
価することができる。そして、評価の結果をパーセンテ
ージで再評価することで、本実施例で用いる演算負荷L
を求めることができる。
【0025】ステップ203において、演算負荷が90
%より大きい高負荷であるか否かを判断する。90%よ
り大きい場合は、ステップ211以降の簡易制御モー
ド、そうでない場合には、ステップ204以降の通常制
御モードへ進む。ステップ204においては、高負荷履
歴が設定されているか否かをチェックする。高負荷履歴
が設定されている場合はステップ205、設定されてい
ない場合にはステップ207へ進む。
【0026】ステップ205、206については、後述
する。定常的に通常の負荷が続いている場合は、高負荷
履歴が設定されないので、ステップ207、208、2
09において、水温センサ2、酸素センサ3、アクセル
センサ1の検出値を入力し、それぞれの補正制御プログ
ラムを実行することによって、補正係数c1、c2、c
3を演算する。そして、ステップ210において、燃料
噴射量の基本値Xtempと補正係数c1、c2、c3
とを掛け合わせて燃料噴射量Xを演算して求める。
【0027】一方、CPU4に割り込み演算があると、
図2に示すその他の処理101による演算負荷が上昇す
る。ここで、割り込み演算によって、CPUの演算負荷
Lが90%(第1のしきい値)より大きくなった場合を
想定する。したがって、ステップ203において、演算
負荷が90%より大きいと判断され、簡易制御モードに
入る。簡易制御モードでは、まずステップ211におい
てカウンタを初期化し、ステップ212において高負荷
履歴の設定を行う。
【0028】その後、ステップ214において、燃料噴
射量の基本値Xtempを燃料噴射量Xとして用いる。
簡易制御モードでは、各補正係数を演算するための補正
制御プログラムを実行することがなく、その分の演算負
荷が軽減される。
【0029】そして、次の周期で、CPUの演算負荷L
が90%を下回っていた場合、通常制御モードへ移行す
るが、一度高負荷履歴が設定されているので、ステップ
204からステップ205に進む。ステップ205にお
いては、カウンタ値Nが5以上になっているか否かをチ
ェックする。カウンタ値Nが5になっていなければ、簡
易制御モードへ進み、ステップ213で、カウンタをイ
ンクリメントして、ステップ214へ進む。これによっ
て、実際には簡易制御モードが維持される。
【0030】ステップ205において、カウンタ値Nが
5以上になると、高負荷履歴設定後、CPU4の演算負
荷が90%以下の状態が、5制御周期以上縦続したこと
になり、ステップ206において高負荷履歴をクリアし
て、ステップ207へ進む。こうして、補正係数を演算
しない簡易制御モードを解除して通常制御モードに復帰
する。ステップ207、208、209において補正係
数c1、c2、c3が演算され、そしてステップ210
において、燃料噴射量Xが演算される。
【0031】このように簡易制御モードに入った後、演
算負荷が5制御サイクルで連続して90%以下になった
ときに、通常制御モードに復帰するようにしたから、割
り込み演算が依然高負荷を維持し、補正制御プログラム
の実行を行った途端に再び高負荷状態になることを避け
ているので、制御の不安定になることを防止することが
できる。
【0032】図4は、簡易制御モードに移行することに
よって、演算負荷が軽減される状態を示す図である。す
なわち、90%を超える演算負荷が演算されると、簡易
制御モードに移行することによって、補正係数を演算す
るための演算負荷分が軽減され、全体としてCPU4の
演算負荷を90%以下に抑えることができる。
【0033】本実施例は、以上のように構成され、イン
ジェクタを制御し、その燃料噴射量を演算するときに、
CPU4の演算負荷をモニタし、演算負荷が90%より
大きいと、簡易制御モードに移行し、補正係数の演算を
停止することにより、全体としての演算負荷が低減さ
れ、割り込み処理による高負荷時にも制御を中断させる
ことがないので、制御できる負荷領域が拡大される。ま
た、一時的な高負荷状態に対応するために処理能力の高
い高価なCPUを搭載する必要性が低下することによ
り、より効率的にCPUを利用することができる。な
お、本実施例では、演算処理を簡略化することでCPU
の演算負荷を低下させることとしたが、例えば必要性の
低い割込み処理を一時的に停止するなどの手段によって
もCPUの演算負荷を低下させることが可能である。ま
た、本実施例では、簡易制御モードから通常制御モード
への復帰に5制御サイクルを確認するものとしたが、そ
の数を適宜に設定することが可能である。
【0034】また、本実施例では、簡易制御モードか
ら、通常制御モードへの復帰は、再び高負荷状態になる
ことを防ぐために、演算負荷Lが90%以下になった状
態を連続して5制御サイクル続いてから行うものとした
が、このほか、しきい値SLを設けて、演算負荷がしき
い値SL以下になったときに、通常制御モードに復帰さ
せることも可能である。しきい値SLは例えば通常制御
モードから簡易制御モードに移行することによって得ら
れる負荷低減効果ΔLによって決定し、 (通常時の演算負荷−ΔL)<SL<(高負荷判定しき
い値−ΔL) となるように設定する。本実施例の場合は、例えばΔL
を20%とすると、SLは50%〜70%の間に設定す
る。
【0035】ΔLを求めるには、このほか、簡易制御モ
ードに入る前後の演算負荷の差から推定する方法や、プ
ログラムを開発時に、予め通常制御モードの処理時間t
1と簡易制御モードの処理時間t2を計測しておき、次
のように求めることもできる。 ΔL=(t1−t2)/T T:ルーチンの呼び出し周期
【0036】本実施例では、説明を簡単にするため、制
御の対象をインジュエクタのみにしたが、このほか、点
火時期演算、補助空気量演算、バルブ駆動制御演算等の
演算も燃料噴射量と同じように、それぞれの演算におけ
る基本処理をFmainとして定義し、基本以外の補正
処理をFc1、Fc2‥と定義して、同じように処理す
ることも可能である。本実施例においては、ステップ2
02は、演算負荷検出手段を構成している。
【0037】次に第2の実施例を説明する。第1の実施
例では、高負荷が検出されたときに、簡易制御モードに
移行することによって、実行するプログラム数を減少さ
せ、演算負荷を軽減して、制御を継続に行うようにして
いるが、本実施例は、このような演算や制御の簡素化を
行っても要求される制御性能を達成できないため、高負
荷状態から脱することができない場合を想定して行うも
のである。
【0038】この実施例では、より演算負荷の小さいフ
ェールセール制御プログラムを実行することによって、
制御を継続的に行いつつ、プログラム開発者の意図して
いない制御状態に陥ることを防止する。このため、RO
M6にはフェールセーフ制御プログラムを記憶する。フ
ェールセーフ制御プログラムは、基本制御プログラムの
ように複雑な燃料噴射量演算を行わず、例えば一定値を
出力するようにして演算負荷の軽減を行うようになって
いる。
【0039】図5は、簡易制御モードがある図3のフロ
ーチャートにフェールセーフ処理を加えたものである。
ステップ2021、2022、2023はフェールセー
フ処理に関わるもので、そのほかは、第1の実施例と同
じで、ここでは説明を省略する。第1の実施例において
簡易制御モードに移行しても、なお、高負荷状態から脱
することができない場合を想定したため、ステップ20
3の前に、ステップ2021が設定され、演算負荷Lが
95%の高負荷であるか否かをチェックする。
【0040】演算負荷が95%(第2のしきい値)より
大きいときは、ステップ2022において高負荷履歴が
あるか否かをチェックする。高負荷履歴がある場合は、
簡易制御モードに移行しても、演算負荷が95%を維持
すると考えられるから、ステップ2023においてフェ
ールセーフ制御プログラムを実行してフェールセーフ処
理を行う。ステップ2022のチェックで、高負荷履歴
がない場合は、ステップ211へ進む。その他は、第1
の実施例と同様である。
【0041】これによって、簡易制御モードでも、演算
負荷を安定した制御が可能な90%以下に減らせること
ができないときに、フェールセーフ処理モードに移行す
るから、燃料噴射が継続的に行える。また、演算負荷が
通常値に戻ったときに、容易に通常制御モードに復帰す
ることができる。なお、フェールセーフモードが実行さ
れるときに、例えば報知手段を設けて、異常があること
を報知することもできる。このようにすると、使用者が
例えば車両を停止するなど状況に応じた措置を行うこと
が可能になる。
【0042】なお、演算や制御の簡素化を行うことで要
求される制御性能を達成できない場合には、簡易制御モ
ードを設定することができない。このような場合は、通
常制御モードとフェールセーフモードを設定することに
なる。これについて、変形例として、図6のフローチャ
ートを用いて説明する。
【0043】すなわち、ステップ401において、CP
Uの演算負荷Lを算出した後、ステップ402におい
て、この演算負荷Lが通常より非常に大きく、95%を
超えていると判断されると、ステップ404において、
フェールセーフ制御プログラムを実行してフエールセー
フ処理を行う。95%以下では、ステップ403におい
て、燃料噴射量の基本値と補正係数をそれぞれ演算し、
燃料噴射量を演算する通常の処理を行う。これによって
も、高負荷時にリセット処理を行わずに制御を継続する
ことが可能である。
【0044】次に第3の実施例を説明する。この実施例
では、簡易制御モードにおいて、演算負荷の大きさに応
じて、実行停止する補正制御プログラムを選択するよう
にしている。補正制御プログラムを選択することによっ
て、簡易制御モードでは、演算負荷を抑えつつも、可能
な限り精度の高い制御を維持することができる。本実施
例では、簡単のために、関数Fc3の演算を省略する。
関数Fc1、Fc2がそれぞれCPU4に与える演算負
荷は15%、10%とし、正常時はその他の割り込み処
理も含めた全体として70%程度に収まっているとす
る。
【0045】従って、補正制御プログラムの実行を停止
することで、CPUの演算負荷を低減させるパターンと
して、(1)、関数Fc1のみの演算を行う場合は、関
数Fc2分の演算負荷10%を低下させる、(2)、関
数Fc2のみの演算を行う場合は、関数Fc1分の演算
負荷15%を低下させる、(3)、関数Fc1、Fc2
両方の演算を停止する場合は、演算負荷を25%低下さ
せる、という3パターンをとり得る。
【0046】図7は、燃料噴射量Xを演算するためのフ
ローチャートである。このプログラムも、第1の実施例
と同じように制御の周期に従って繰返し呼び出されて実
行するようになっている。まず、ステップ601におい
て、基本制御プログラムを実行し、Fmainの演算を
行って、燃料噴射量の基本値Xtempを演算する。ス
テップ602においては、CPU4の演算負荷Lを求め
る。次にステップ603で処理レベルPLVを設定す
る。PLVを設定する方法としては表1に示すようなマ
ップが用いられる。処理レベルの設定は、CPUの演算
負荷Lと前周期の処理レベルPLVを基に、今回の周期
のPLVを設定する(前回の周期が存在しないプログラ
ム起動直後は、初期化ルーチンを実行しPLVをゼロに
セットする)。
【0047】最初に、CPU4の通常の演算負荷が定常
的に続いている時を考える。この場合、演算負荷Lが毎
周期、70%程度の値を連続して出しているため、PL
Vはゼロにセットされる。したがって、ステップ604
〜607で全てNOと判定され、ステップ608、60
9において、関数Fc1とFc2の両方の演算処理を行
う通常制御モードを実行し、ステップ610において、
演算された補正係数c1、c2と基本値Xtempとを
掛け合せて燃料噴射量Xを演算する。
【0048】ここで、仮に割込み処理等の増加によって
演算負荷Lが上昇し、88%になった場合を想定する。
前回の周期での処理レベルPLVはゼロであることか
ら、ステップ603においては、表1のマップにしたが
ってPLVが2に設定される。従ってステップ606で
YESと判定され、補正制御プログラムについては、関
数Fc2のみ演算を実施し、これによって演算負荷が1
5%低下される。次の周期で前回の周期と同じ程度の割
込み処理が縦続している場合、演算負荷Lは88%から
15%低下した73%程度となり、前回の周期の処理レ
ベルPLVは2のため、表1のマップから再度PLVが
2に設定され、演算負荷Lを15%低下させた状態を維
持する。
【0049】ここで割込み処理が更に増加し、演算負荷
Lが73%程度に低下せず、依然75%を超える高い値
を示した場合はPLVが3となり、ステップ605にお
いて、関数Fc1、Fc2の両方の処理を停止して、演
算負荷を低下させる。逆に割込み処理が減少し、演算負
荷Lが60〜70%に低下した場合は処理レベルPLV
が1にセットされ、関数Fc1のみ演算を行うこととな
る。また、割込み処理が終了するなど、演算負荷Lが6
0%未満に低下した場合は処理レベルPLVが0となり
通常制御モードに復帰する。また、処理レベルPLVが
3の状態にセットされた以降も、依然として95%を越
えるような高負荷状態を継続するような場合はPLVが
4に設定され、フェールセーフモードでフェールセーフ
処理を行う。
【0050】このように、演算負荷Lと前回の周期の処
理レベルによって今回の処理レベルを決定し、高負荷の
ときに、前回の周期より処理レベルを高く設定するよう
になっているので、実行停止の補正制御プログラム数が
段階的に増える。また、高負荷状態から普通状態になっ
たときには、処理レベルを徐々に低くするようなってい
るために、今度は、実行する補正制御プログラム数が段
階的に増えることになる。
【0051】この結果、実行停止の補正制御プログラム
を最小限に抑えることができるとともに、通常制御モー
ドに復帰するときに、演算負荷が再び高くなることを防
止することができ、安定した制御が行える。なお、第1
の実施例と同じように、通常制御モードへの復帰は、演
算負荷が低くなった状態が連続して所定制御周期続いて
から行うことも可能である。この場合は、演算負荷が再
び高くなる可能性がさらに低くなり、より安定した制御
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の構成を示す図である。
【図2】それぞれの関数がCPUに与える負荷を示す図
である。
【図3】燃料噴射量Xを演算するためのフローチャート
である。
【図4】簡易制御モードに移行することによって、演算
負荷が軽減される状態を示す図である。
【図5】第2の実施例のフローチャートである。
【図6】変形例のフローチャートである。
【図7】第3の実施例のフローチャートである。
【図8】演算負荷と処理レベルの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 アクセルセンサ 2 水温センサ 3 酸素センサ 4 CPU(演算手段) 5 インジェクタ 6 ROM(記憶手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 誠 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 宮下 真哲 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3G084 BA11 DA05 EA11 EB05 EC01 FA10 FA20 FA29 5B098 BB00 GA02 GA07 GC08 GC10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記憶手段と演算手段とを有し、前記演算
    手段は、前記記憶手段に記憶されている制御プログラム
    を実行して制御を行うとともに、他のプログラムからの
    割り込み演算要求があるときに、割り込み演算を行う電
    子制御装置において、前記制御プログラムは、基本制御
    を行うための基本制御プログラムと、基本制御を行う際
    の情報に対して補正演算を行うための補正制御プログラ
    ムとからなり、前記演算手段の演算負荷を検出する演算
    負荷検出手段を有して、前記演算手段は、前記検出され
    た演算負荷と第1のしきい値とを比較し、前記演算負荷
    が前記第1のしきい値より大きい場合には、前記補正制
    御プログラムの実行を停止することを特徴とする電子制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記記憶手段には補正制御プログラムが
    複数記憶され、前記演算手段は、各補正制御プログラム
    処理時の演算負荷に応じて、停止する前記補正制御プロ
    グラムを選択することを特徴とする請求項1記載の電子
    制御装置。
  3. 【請求項3】 前記演算負荷検出手段は、前回の制御サ
    イクル時の前記演算負荷を検出するようになっているこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の電子制御装置。
  4. 【請求項4】 前記記憶手段に、前記基本制御プログラ
    ムよりも演算負荷の低いフェールセーフ制御プログラム
    を記憶させ、前記演算手段は、前記演算負荷が前記第1
    のしきい値よりも高い第2のしきい値より大きい場合
    は、前記基本制御プログラム、前記補正制御プログラム
    を実行する代わりに前記フェールセーフ制御プログラム
    を実行することを特徴とする請求項1、2または3記載
    の電子制御装置。
  5. 【請求項5】 さらに報知手段を有し、前記フェールセ
    ーフ制御プログラムが実行されるときに、報知手段によ
    ってその旨を報知することを特徴とする請求項4に記載
    の電子制御装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100711850B1 (ko) 2004-03-04 2007-05-02 가부시키가이샤 덴소 마이크로컴퓨터 감시 금지 기능을 갖는 전자 제어 시스템및 방법
JP2007138870A (ja) * 2005-11-21 2007-06-07 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2011005952A (ja) * 2009-06-25 2011-01-13 Toyota Motor Corp 車載制御装置
US8448504B2 (en) 2009-11-06 2013-05-28 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Exhaust catalyst temperature estimating apparatus and exhaust catalyst temperature estimation method for internal combustion engine
JP2015229467A (ja) * 2014-06-06 2015-12-21 本田技研工業株式会社 電子制御システム

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