JP2002365639A - 液晶表示素子の配向膜製造装置及び液晶表示素子の配向膜製造方法 - Google Patents

液晶表示素子の配向膜製造装置及び液晶表示素子の配向膜製造方法

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JP2002365639A
JP2002365639A JP2001332300A JP2001332300A JP2002365639A JP 2002365639 A JP2002365639 A JP 2002365639A JP 2001332300 A JP2001332300 A JP 2001332300A JP 2001332300 A JP2001332300 A JP 2001332300A JP 2002365639 A JP2002365639 A JP 2002365639A
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Nozomi Okochi
望 大河内
Masanobu Shigeta
正信 茂田
Tatsuji Nakanishi
達司 中西
Takashi Morohoshi
孝 諸星
Takeshi Hosoya
武司 細谷
Masami Sonda
正美 尊田
Muneyasu Katayama
統康 片山
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上に、その柱状構造角度が均一に形
成された配向膜を有する液晶表示素子を提供する。 【解決手段】 少なくとも2枚の基板2,4間に液晶6
を封入してなる液晶表示素子10の配向膜製造方法にお
いて、少なくとも1枚の基板2(4)に配向膜14とし
て酸化珪素(SiOx:1.0≦x≦2.0)12を形
成する際、まず、基板を搭載した基板トレー33を第一
のロードロック室37にて加熱を行い、次に、成膜室4
1にて加熱下で基板トレーを一方向に連続的又は間欠的
に平行移動させながら、酸化珪素を、真空蒸着法により
基板表面の法線方向から45°ないし60°の角度から
飛散物として照射して、基板表面に酸化珪素の配向膜1
4を形成し、しかる後、第二のロードロック室50にて
基板トレーを冷却することにより、酸化珪素の配向膜が
形成された基板2(4)を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロジェクター、
プロジェクションTV等の基幹部品としての液晶表示素
子に関し、特に、液晶の配向膜形成に関する液晶表示素
子の配向膜製造装置及び液晶表示素子の配向膜製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、TFTを用いたアクティブマトリ
ックス型液晶表示素子や、シリコンウエハー基板とガラ
ス基板を貼り合わせた液晶表示素子は、プロジェクター
やプロジェクションTV、ヘッドマウントディスプレイ
等への応用が進み、その生産量はますます拡大してい
る。この液晶表示素子10は、一般的には図6、図7に
示すように、透明導電膜1を表面に有するガラス基板2
と、画素電極(表示エリア)3を表面に有するガラス基
板またはシリコンIC基板4とを、それぞれ液晶側表面
に配向膜5、5を形成した後、相対向させ、その隙間
(セルギャップ)を、液晶6とこのセルギャップを決め
るための図示しない接着剤とスペーサ71を混入したシ
ール接着剤7で固着し、その表面に反射防止膜8を設け
て構成している。なお、9は封止部となる液晶注入口で
ある。
【0003】ところで、この従来の液晶表示素子10の
配向膜5,5の形成方法の1つとしては、ポリイミド材
料等の有機ポリマーをスピンコート法又はオフセット印
刷等によりコーティングした後焼成し、その後ラビング
処理を施して形成する水平配向処理がある。
【0004】しかしながら、このラビング処理において
は、ポリイミドの印刷からラビング後洗浄まで多数の工
程を経なければならない。また、ラビング処理によりダ
ストが発生したりする虞もある。さらに、所望の表示特
性を得るために要求される配向特性(プレチルト角制
御)を得ることが困難であるとの問題がある。
【0005】一方、この液晶表示素子10をプロジェク
ターやプロジェクションTVに応用する際には、コント
ラスト比の高い品質が求められる。そして、これを実現
するための配向膜5,5を得る他の形成方法の1つとし
ては、配向膜として酸化珪素(SiO、SiO2)材料
等の金属酸化膜を、例えば、電子ビーム蒸着法により基
板表面の斜方から成膜するという方法、すなわち、傾斜
垂直配向処理を挙げることが出来る。この方法は、前記
したラビング処理が不要で、かつ、所望の配向特性が得
られやすいところから採用されている。
【0006】具体的に説明すると、例えば、図8に示す
ような電子ビーム蒸着装置20において、例えば、ガラ
ス基板2表面の法線方向からの角度(蒸着角)θで、こ
のガラス基板2に後述する酸化珪素12の配向膜を形成
するものである。すなわち、図8において、ルツボ11
内には、その内部に蒸発源である酸化珪素(SiO2
12が収容されている。そして、この酸化珪素(SiO
2)12は、図示しない電子ビーム銃により電子ビーム
を照射されながら、この酸化珪素12の蒸発物がガラス
基板2表面に斜方蒸着されるものである。
【0007】これは、本来酸化珪素12が構造異方性を
とりやすい性質を利用したもので、ガラス基板2表面の
斜方から蒸着(成膜)することにより、斜め方向に薄膜
構造を成長させて棒状の長い液晶分子をこれにならわせ
て配向するようにしたものである。
【0008】図9は、ガラス基板2表面に、斜方蒸着さ
れた酸化珪素14a〜14nの状態及びこの酸化珪素1
4a〜14nの上部に配向された液晶分子15a〜15
nの説明図である。なお、αは、プレチルト角であり、
後述する如く実用に供するためには、このプレチルト角
差が、1°以内に収まっている必要がある。このような
基本技術を応用した発明は、例えば特開平5-2571
46号公報、特開平6-186563号公報、特開平7-
159788号公報に開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た酸化珪素12による配向膜形成の代表的工法である電
子ビーム蒸着法の場合、斜方からの蒸着角度θに対して
最適な条件があるため、例えば、生産量の拡大のため
に、図6、図7に示す液晶表示素子10をガラス基板2
から複数個得るために、このガラス基板2のサイズを大
きくした場合に問題が生ずる。
【0010】すなわち、図10に示す如く、ガラス基板
2のサイズを変えた場合、電子ビーム蒸着装置20内の
前記したガラス基板2の基板位置も変わらざるを得な
く、従って、その基板位置によって蒸着角度θがθa、
θbの如く変わってしまう。その結果、酸化珪素14a
〜14nの薄膜構造の角度が均一に形成されなくなるた
め、液晶分子も均一な配向状態が得られず、結果的に液
晶表示素子10としての表示品質が面内で不均一になる
という問題が生じる。図10は、かかる蒸着角のズレを
示す説明図である。なお、dは、斜方蒸着される基板の
中心部から基板端面までの距離である。
【0011】同様の性質の問題として、酸化珪素14a
〜14nの薄膜構造の成長方向に対して、直角方向にガ
ラス基板2のサイズを大きくする、すなわち、前記した
生産量の拡大のためにガラス基板2のサイズを、その基
板方向と直角方向に大に形成した場合、図11のΔψに
示すツイスト角が生じることになる。このツイスト角Δ
ψも、電子ビーム蒸着装置20内の前記したガラス基板
2の基板位置に依存するため、液晶表示素子10の表示
品質が面内で不均一になるという問題がある。これらを
防ぐためには、ガラス基板2の基板サイズを小さくする
か,電子ビーム蒸着装置20の蒸着室13を大きくする
かして蒸着源12からガラス基板2までの距離(蒸着距
離)Dを稼ぐことが要求される。
【0012】しかしながら、ガラス基板2のサイズを小
さくすると、蒸着室13内へのガラス基板2の取り付け
作業が煩雑になるのと、このガラス基板2の取り付けの
自動化が困難になるがゆえに、ガラス基板2を1枚ずつ
処理するいわゆるバッチ式にならざるを得ない。しかし
ながら、このバッチ式で処理した場合は、ガラス基板2
等から発塵してしまい、結果として表示画像に欠陥を生
み、歩留まりを下げるという問題があった。
【0013】更に、このようなバッチ式の装置構成は、
ガラス基板2の加熱時間、目的真空度到達までの時間、
成膜時間、基板冷却時間、真空ベント時間が連続的にか
かるため、生産工程の中で律速工程(他の工程に比し、
この工程に時間がとられてしまうため、これによって全
工程の進行が実際上支配されてしまう)となるという問
題があった。
【0014】また蒸着室13を大きくすることは、装置
の価格が増大すると共に成膜室内の体積が大きくなるが
ゆえの真空到達時間や加熱時間が増大し、生産性が悪く
なるという新たな問題も発生する。
【0015】限定された蒸着室13の中で蒸着距離Dを
稼ぐには、図示しない電子ビーム銃ユニットをガラス基
板2に対して水平方向にシフトさせて(例えば特開平6
-186563号公報に見られる)蒸発物(酸化珪素1
2)のガラス基板2への蒸着角方向成分を利用する方法
があるが、これも酸化珪素12材料の場合、蒸発方向に
対して蒸発速度に大きな分布があり、シフト距離が大き
い程蒸発速度が小さくなり、生産性が落ちるという問題
がある。
【0016】本発明は、かかる問題点を解決するために
なされたものであり、2枚の基板間に液晶を封入してな
る液晶表示素子において、仮に、基板サイズを大にした
場合であっても、少なくとも1枚の基板の表示領域に、
斜方蒸着によって薄膜構造角度を均一にされた酸化珪素
の配向膜が形成されるよう液晶表示素子の配向膜製造装
置を構成することにより、画質欠陥の問題点及び均一の
表示に関する問題点、更には生産性に関する問題点をも
同時に解決したものであり、かかる構成を有する液晶表
示素子の配向膜製造装置を提供することを目的にするも
のである。また、併せて新規な液晶表示素子の配向膜製
造方法を提供することを目的にするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記した目的
を達成するためになされたものであり、請求項1に係る
発明は、少なくとも2枚の基板2,4間に液晶6を封入
してなる液晶表示素子10の配向膜製造方法において、
前記少なくとも1枚の基板2(4)に配向膜14として
酸化珪素(SiOx:1.0≦x≦2.0)12を形成
する際、まず、前記基板2を搭載した基板トレー33を
第一のロードロック室37にて加熱を行い、次に、成膜
室41にて加熱下で前記基板トレー33を一方向に連続
的又は間欠的に平行移動させながら、前記酸化珪素12
を、真空蒸着法により前記基板表面の法線方向から45
°ないし60°の角度より飛散物として照射して、前記
基板表面に前記酸化珪素12の配向膜14を形成し、し
かる後、第二のロードロック室50にて前記基板トレー
33を冷却させることにより、酸化珪素12の配向膜1
4が形成された基板2(4)を得ることを特徴とする。
【0018】請求項2に係る発明は、少なくとも2枚の
基板2,4間に液晶6を封入してなる液晶表示素子10
の配向膜製造装置において、配向膜製造装置の成膜室4
1内で、前記少なくとも1枚の基板2(4)に酸化珪素
(SiOx:1.0≦x≦2.0)12の配向膜14を
形成するに際し、前記基板中心部から前記配向膜形成に
必要な基板周辺部までの距離をd、前記基板中心部から
前記配向膜形成のための蒸着源43までの距離をDと
し、かつ、前記基板表面中心から前記蒸着源方向と前記
基板表面の法線方向とのなす角度(蒸着角)をθとした
とき、Δθ=tan-1(dcosθ/(D+dsin
θ))で規定される角度が 0≦Δθ≦3°となるよう
構成して液晶表示素子10を形成することを特徴とす
る。
【0019】請求項3に係る発明は、請求項2記載の液
晶表示素子10の配向膜製造装置において、前記配向膜
製造装置の成膜室41内で、電子ビーム銃ユニットを有
する蒸発源43からの蒸発物が所定の方向に飛散するよ
うに、前記電子ビーム銃ユニットの向きを、前記配向膜
製造装置の垂直方向から30°ないし60°に設置して
液晶表示素子10を形成することを特徴とする。
【0020】請求項4に係る発明は、少なくとも2枚の
基板2,4間に液晶6を封入してなる液晶表示素子10
の配向膜製造装置において、配向膜製造装置の成膜室4
1内で、前記少なくとも1枚の基板2(4)に酸化珪素
(SiOx:1.0≦x≦2.0)の配向膜14を形成
するに際し、前記基板中心部から前記配向膜形成に必要
な基板周辺部までの距離をd、前記基板中心から蒸着源
中心までの距離をD、かつ、前記配向膜製造装置の成膜
室41内で前記基板が移動する方向に対して直角方向に
長さLの蒸着源を有するとき、 Δψ=tan-1((d−L/2)cosθ/(D+(d
−L/2)sinθ)) で規定される角度が0≦Δψ≦3°となるよう構成して
液晶表示素子10を形成する請求項2又は3記載の液晶
表示素子の配向膜製造装置を提供することを特徴とす
る。
【0021】請求項5に係る発明は、請求項2,3又は
4記載の液晶表示素子10の配向膜製造装置において、
前記少なくとも1枚の基板2(4)に酸化珪素(SiO
x:1.0≦x≦2.0)の配向膜14を形成するに際
し、前記基板表面に、3°以上のツイスト角で飛散して
くる蒸発物の前記基板表面への暴露を遮蔽するツイスト
角補正板46a〜46nを設けて液晶表示素子10を形
成することを特徴とする。
【0022】請求項6に係る発明は、少なくとも2枚の
基板2,4間に液晶6を封入してなる液晶表示素子10
の配向膜製造装置において、配向膜製造装置の成膜室4
1内で、前記少なくとも1枚の基板2(4)に酸化珪素
(SiOx:1.0≦x≦2.0)の配向膜14を形成
するに際し、前記基板中心部から前記配向膜形成に必要
な基板周辺部までの距離をd、前記基板中心部から前記
配向膜形成のための蒸着源43までの距離をDとし、か
つ、前記基板表面中心から前記蒸着源方向と前記基板表
面の法線方向とのなす角度(蒸着角)をθとしたとき、
Δθ=tan-1(dcosθ/(D+dsinθ))で
規定される角度が 0≦Δθ≦3°となるように、前記
基板を部分的に蒸発物の暴露から遮蔽する遮蔽構造物3
6を、前記基板と平行に設けると共に、前記基板表面と
前記遮蔽構造物36との隙間を垂直方向に3mm以下に
して液晶表示素子10を形成することを特徴とする。
【0023】請求項7に係る発明は、請求項6記載の液
晶表示素子10の配向膜製造装置において、前記配向膜
製造装置の成膜室41内で、電子ビーム銃ユニットを有
する蒸発源43からの蒸発物が所定方向に飛散するよう
に、前記電子ビーム銃ユニットの向きを、前記配向膜製
造装置の垂直方向から30°ないし60°に設置して液
晶表示素子10を形成することを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて説明する。なお、以下に述べる実
施の形態は本発明の好適な具体例であるから、技術的に
好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲
は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載
がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0025】
【実施形態1】以下、本発明になる液晶表示素子の配向
膜製造装置の好ましい実施形態1について説明する。図
1は、実施形態1に係る液晶表示素子の配向膜製造装置
を示す全体図、図2は、実施形態1になる液晶表示素子
の配向膜製造装置の要部概略図で蒸着角ズレを規制する
ための説明図、図3は、同、液晶表示素子の配向膜製造
装置の要部概略図でツイスト角ズレを規制するための説
明図、図4は、蒸着角度と液晶表示素子の画像品質との
関連性を示す図、図5は、蒸着源と基板トレーとツイス
ト角補正板との関係を示す説明図である。なお、前記し
た従来例と同一部分は同一符号を用い、その詳細な説明
は省略する。
【0026】まず、図1の実施形態1に係る液晶表示素
子の配向膜製造装置(配向膜蒸着装置)30を示す全体
図について説明する。31aは、基板カセットであり、
内部が複数個所に区切ってあり、そこに前記したガラス
基板2、シリコンIC基板4等が収納されている。33
は、オートローディング機構32aにより前記した基板
カセット31a内に収納されているガラス基板2、シリ
コンIC基板4等を引き出してそれらを搭載した基板ト
レーである。
【0027】36は、前記した基板トレー33を載置し
た基板搬送台であり、この基板トレー33をオートアン
ローディング方向に順次間欠的または連続的に平行移動
させる図示しない搬送手段を、その内部に有しているも
のである。また、後述する如く、それぞれの室内におい
て、前記した基板トレー33が載置される基板搬送台3
6は、その上面が略同一平面状に形成されているもので
ある。
【0028】従って、実施形態1にあっては、この基板
トレー33は、前記した図示しない搬送手段により基板
搬送台36上を容易に平行に移送させることができるも
のである。このように、基板トレー33を、順次間欠的
または連続的に平行に移動させるよう構成したことによ
り、タクトタイムの短縮化が図れ、生産量の拡大に効率
的に対応できるものである。
【0029】37は、前記した基板トレー33を加熱、
排気するための第一のロードロック室であり、この第一
のロードロック室37には、前記した基板トレー33内
のガラス基板2、シリコンIC基板4を上、下より15
0℃以上に加熱させるためのランプ38,39が前記し
た基板搬送台36を挟んで配置されている。
【0030】この基板加熱に用いるランプ38,39と
しては、タクトタイムの短縮化を図るためにハロゲンラ
ンプによる方法が望ましいが、昇温温度が得られるなら
ば、シースヒータ等の他の方法でも良い。40は、排気
装置であり、これは基板2,4表面及び基板トレー33
に吸着した水分を排気しやすいようにクライオポンプに
よる方法が望ましい。他に水分トラップ機能を併用した
ターボポンプを用いても良い。
【0031】41は、実施形態1の主要部をなす成膜室
であり、その内部は真空にされ、蒸発源が加熱されるこ
とにより、所定の蒸着が行われるものである。具体的に
は、その内部には前記した基板搬送台36を挟んで上側
にシースヒーター42が配置され、下側には、蒸着源4
3、図示しない電子ビーム銃、同じく図示しない膜厚測
定センサー等が配置されている。なお、45は排気装置
である。
【0032】50は、後述する如く成膜室41にて斜方
蒸着された基板2,4及び基板トレー33を冷却するた
めの第ニのロードロック室であり、冷却機構51と排気
装置52とから構成される。この第ニのロードロック室
50での冷却は、150℃以下まで行うことが望まし
い。それは、これ以上の場合、大気中に出したときに酸
化珪素の膜質が変化してしまうからである。
【0033】31bは、斜方蒸着された基板2,4を搭
載した基板トレー34を、オートアンローディング機構
32bにより収納するための基板カセットであり、前記
した基板カセット31aと同様、内部が複数個所に区切
ってある。
【0034】次に、図1〜図3を参照して実施形態1を
具体的に説明する。まず、生産量の拡大のためにガラス
基板2を大にした場合につき説明する。シリコンIC基
板4及びガラス基板2を搭載した基板トレー33をロー
ドロック室37に引き入れて基板加熱と排気を行う。基
板加熱は、前記した如くタクトタイムの短縮化のためハ
ロゲンランプ38,39により行うことが望ましいが、
昇温速度が得られるならばシースヒータ等の他の方法で
も良い。排気を行う排気装置40としては、前記した如
く基板2,4表面及び基板トレー33に吸着した水分を
排気しやすいよう、クライオポンプによる方法が望まし
いが、水分トラップ機能を併用したターボポンプを用い
ても良い。
【0035】基板トレー33は、第一のロードロック室
37で所望の真空度と基板温度を得た後、成膜室41に
移送される。ここでは、第一のロードロック室37で加
熱された基板温度を保持するための加熱機構42とし
て、シースヒーター加熱を用いる。基板の表面温度は、
100℃〜300℃に保たれる。良好な液晶表示品質の
ためには、望ましくは150℃以上である。なお、蒸着
距離Dは、1000mm以上、蒸着角θは45°〜60
°が望ましい。また、後述する如く、電子ビーム銃ユニ
ットの向き(材料ルツボ開口面の法線方向の角度β)
を、装置の垂直方向から30°〜60°に設置する。
【0036】このように、成膜室41における蒸着に際
し、酸化珪素の薄膜構造角度が均一に形成されるよう、
図2の如く蒸着源43、基板搬送台36、基板トレー3
3等が以下の如くに構成配置されるものである。すなわ
ち、成膜室41において、基板中心部から配向膜形成に
必要な基板周辺部までの距離をdとし、かつ、基板中心
部から配向膜形成のための蒸着源43までの距離をDと
したとき、Δθ=tan-1(dcosθ/(D+dsi
nθ))で規定される角度が0≦Δθ≦3°となるよう
に、各部材を構成配置する。
【0037】このように各部材を構成配置することによ
って、基板上に蒸着される酸化珪素の薄膜構造角度が均
一に形成されるため、この上に配向される液晶分子も当
然の如く均一に形成されたものが得られので、液晶表示
素子としても、画質欠陥のない良好なものが得られるも
のなのである。
【0038】この結果、すなわち蒸着角度と液晶表示素
子の画像品質との関連を示したものが図4である。この
図4より明らかな如く、蒸着角θをかかる角度範囲に設
定することによって、液晶表示画像上に起こる表示欠陥
であるディスクリネーション不良が減少し、コントラス
ト比が良好な液晶表示素子が得られるものである。
【0039】なお、酸化珪素を有する蒸着源43として
の前記酸化珪素の蒸着レートは、1〜10オングストロ
ーム/秒の条件が望ましく、特に、生産性の向上のた
め、蒸着膜厚500オングストローム以上を得るために
は、5オングストローム/秒以上のレートが望ましい。
この時の成膜室41内の酸素分圧は、1〜5x10-2
aが望ましい。
【0040】成膜中の基板トレー33の搬送は、例え
ば、1000mmの蒸着距離においては、スリット幅を
150mmにすることにより、蒸着角50°に対してズ
レ角度θを±3°に保つことができる。すなわち、図2
において、蒸着角θに対して+3°進んだところの蒸着
角をθ1、蒸着角θに対して-3°進んだところの蒸着角
をθ2 としたとき、θ1-θ=Δθ(±3°)に設定し
たものである。このように設定したことによって、シリ
コンIC基板4及びガラス基板2が例え150mmサイ
ズ以上であっても、これらの基板2,4を図2に示す如
く基板トレー33に搭載して搬送することにより、基板
全面に渡って薄膜構造角度が均一に形成された酸化珪素
の配向膜が得られるものである。
【0041】また、前記した如く、この図2において、
蒸着源である電子ビーム銃ユニットからの蒸発物が斜め
方向に効率良く飛散ならしめるように、電子ビーム銃ユ
ニットの向き(材料ルツボ開口面の法線方向の角度β)
を、装置の垂直方向から30°〜60°に設置したこと
によって、斜方蒸着によって薄膜構造角度が均一に形成
された酸化珪素の配向膜が、より生産性高く得られるも
のである。
【0042】成膜の後、基板トレー33は冷却のために
第ニのロードロック室50に移送される。ここでは、基
板2,4を冷却するための冷却機構51として、窒素ガ
スの導入及び冷却プレートの基板トレー33への密着が
行われる。酸化珪素の配向膜14が形成された基板トレ
ー34の装置外部への取出しは、基板温度が150℃以
下になってから行うことが望ましい。それは、これ以上
の場合、大気中に出したときに酸化度合いが変化してし
まうからであるのは、前述した通りである。
【0043】次に、酸化珪素12の柱状構造の成長方向
に対して直角方向にガラス基板2のサイズを大きくした
場合、Δψに示すツイスト角にズレが生じるが、その場
合の対応につき、図3を参照して説明する。
【0044】前記した図2と同様、図3においては、成
膜室41における蒸着に際し、酸化珪素の薄膜構造角度
が均一に形成されるように、蒸発源43、基板トレー3
3等が以下の如くに構成配置されるものである。
【0045】すなわち、成膜室41において、基板中心
部から配向膜形成に必要な基板周辺部までの距離をdと
し、かつ、基板中心部から配向膜形成のための蒸着源4
3までの距離をDとし、しかも、装置の成膜室41内で
基板が移動する方向に対して直角方向に長さLの蒸着源
43を有するとき、 Δψ=tan-1((d−L/2)cosθ/(D+(d
−L/2)sinθ) )で規定される角度が0≦Δψ≦3°となるように、各
部材を構成配置する。
【0046】このように各部材を構成配置することによ
って、基板上に蒸着される酸化珪素の薄膜構造角度が均
一に形成されるため、この上に配向される液晶分子も当
然の如く均一に形成されたものが得られので、液晶表示
素子としても、画質欠陥のない良好なものが得られるも
のなのである。
【0047】(実施例1)具体的な液晶表示素子10へ
の実施形態を以下に示す。まずCMOSトランジスター
により駆動電圧の供給を受ける反射画素電極3を表面に
有するシリコンIC基板4と透明電極膜ITOを表面に
有するガラス基板2の各々に電子ビーム蒸着法により酸
化珪素の配向膜を形成する。この際の蒸着条件として
は、蒸着角θを50〜55°、基板温度を150〜20
0℃、酸化珪素材料の蒸着レート5オングストローム/
秒、酸素ガス流量約20SCCMにて膜厚約600〜6
50オングストロームの酸化珪素膜を形成した。
【0048】この後、片側の基板に、ヤクシ化成(株)
製SWシリーズスペーサボールを混入させた協立化学産
業(株)製メインシール剤WRシリーズを塗布して、2
枚の基板2,4をプレスして接着する。この2枚の基板
2,4間に注入される液晶6としては、n型のネマチッ
ク液晶を用い垂直配向させた。これにより完成した液晶
表示素子10の光学性能としては、最大光量に対して駆
動電圧1.5V時の光量との比をコントラスト比として
定義したとき170:1〜180:1の値を得た。この値
は、プロジェクター等の光学系装置を通した場合、10
00:1以上のコントラスト比を得るのに十分な値であ
る。
【0049】次に、基板サイズが大きくなることによる
発生する蒸着角のズレは、配向膜蒸着装置30の構成
を、基板中心部から蒸着源までの距離に応じて基板が蒸
発物に暴露されるスリット幅を予め計算して決めておく
ことにより抑えることができる。その点につき図2を参
照して説明する。図2において、例えば、前記した蒸着
距離Dを1000mm,蒸着角θを50°にした場合、
ズレ角度θを±3°に抑えるには、前記した数式Δθ=
tan-1(dcosθ/(D+dsinθ))より、基
板進行方向のスリット幅を約173mmに設定しておけ
ば良い。
【0050】また、基板搬送方向に直角な方向について
は、蒸発物の暴露からスリットで制約することができな
いため、蒸発源12の長さを大にしておけばツイスト角
のズレを抑えることができる。この点について、図3を
参照して説明する。例えば、前記した蒸着距離Dが10
00mmの場合、ツイスト角Δψを±3°に抑えるため
には、前記した数式Δψ=tan-1((d−L/2)c
osθ/(D+(d−L/2)sinθ))より173
mmの基板サイズが最大となってしまう。
【0051】しかしながら、蒸着源43を基板搬送方向
と直角の方向に、電子ビーム走査幅Lの長さ分だけ有し
ていれば、前記したスリット幅173mm+Lの基板寸
法の範囲までは、ツイスト角Δψを±3°以内に抑える
ことができる。8インチサイズ又は200mm相当の基
板であれば、蒸着源の長さを約27mmに設定すること
によりツイスト角Δψを±3°に抑えることができる。
【0052】前記した如く構成した場合であっても、蒸
発物の中に、ツイスト角Δψが3°以上の成分が混ざる
可能性がある。従って、このツイスト角Δψが3°以上
の成分を遮蔽する必要性が生じる。この場合は、図5の
如くツイスト角補正板46a〜46nを、基板トレー3
3の前面(蒸発源)側に複数個並設することで、基板表
面に3°以上のツイスト角で飛散してくる蒸発物の基板
表面への暴露を遮蔽することが出来、また、基板表面に
おいては、全面でツイスト角を3°以下にすることがで
きるものである。
【0053】ところで、実施形態1になる液晶表示素子
の配向膜製造装置にあっては、前記した図2の要部概略
図に示す如く、ガラス基板、シリコンIC基板等を引き
出してそれらを搭載した基板トレー33は、基板搬送台
36に載置され、図示しない搬送手段によりオートアン
ローディング方向に順次間欠的または連続的に平行移動
されるものである。
【0054】また図2において、Dは蒸着距離、θは蒸
着角であり、前記した如く蒸着距離Dは、例えば100
0mm、蒸着角θは45°〜60°が望ましい。また、
電子ビーム銃ユニットの向き(材料ルツボ開口面の法線
方向の角度β)を装置の垂直方向から30°〜60°に
設置するものである。
【0055】そして、図示しない成膜室における蒸着に
際し、酸化珪素の薄膜角度構造が均一に形成されるよ
う、図2の如く蒸着源43、基板搬送台36、基板トレ
ー33等を以下の如くに構成配置している。すなわち、
基板に配向膜を形成する際、装置の成膜室内において基
板中心部から配向膜形成に必要な基板周辺部までの距離
をd、基板中心部から配向膜形成のための蒸着源までの
距離をDとし、かつ、基板表面中心から蒸着源方向と基
板表面の法線方向とのなす角度(蒸着角)をθとしたと
き、Δθ=tan-1(dcosθ/(D+dsinθ))で規定
される角度が0≦Δθ≦3°となるように、前記した各
構成部材を配置することにより、移動する基板を部分的
に蒸発物の暴露から遮蔽する構造を有する液晶表示素子
の配向膜製造装置を形成していたものである。これによ
り、基板面内における蒸着角のズレを解消すると共に、
表示画像面内においても良好なコントラスト比の均一性
を得ることができたものである。
【0056】しかしながら、各構成部材は、部品精度を
所定のものとされているにも拘わらず、実際上では、多
少のバラツキがあることは否めない。その点につき図1
5、図16を参照して説明する。ここで、図15は、基
板トレー、基板搬送台、蒸着角との関係を示す説明図、
図16は、設定蒸着角と廻り込み(後述)によって変化
した蒸着角との関係を示す説明図である。
【0057】すなわち、蒸着を行うに際し、実際には図
15、図16に示すように、前記移動する基板トレー3
3と前記遮蔽構造物(基板搬送台36)との隙間が必要
以上に大きい場合は、蒸発物が、後述する回折現象等に
よって遮蔽構造物である基板搬送台36のスリット端部
36aから廻りこみ(点線矢印)、設定された蒸着角θ
よりも大きな角度θ3で基板表面33aに飛来するた
め、基板トレー33が図の右方向へ移動する際に(膜が
堆積して行く際に)、右端のスリット部で膜堆積が終了
するため膜表面ではθ3の蒸着角による膜が堆積するこ
とになる。これにより、設定蒸着角θに応じた所望の画
像品質、特にコントラスト比が得られないという現象が
発生する。このことは、生産時の品質のバラツキにつな
がるものである。
【0058】
【実施形態2】そこで、実施形態2では、前記した基板
トレー33と遮蔽構造物36とを蒸着方向に対して平行
に設けると共に、両者の隙間tを垂直方向に3mm以下
に設定して、所望の画像品質が得られる液晶表示素子を
得たものである。以下、その点につき詳述する。
【0059】図12は、実施形態2に係る液晶表示素子
の配向膜製造装置の要部概略図、図13は、スリット、
基板間隙間とプレチルト角差との関係を示す説明図、図
14は、基板トレーと基板搬送台との隙間とスリット端
部の廻り込み膜厚との関係を示す説明図である。なお、
前記した構成と同一部分は同一符号を用い、その詳細な
説明は省略する。
【0060】まず、図12において、移動する基板トレ
ー33とスリットを形成する遮蔽物36,36との関係
について説明する。基板トレー33に設けられている図
示しない配向膜を形成する基板に対して、蒸発源43か
ら基板中心までの距離D、基板中心から基板周辺までの
距離d(スリットは2dに相当)としたとき、基板トレ
ー33が移動してスリット内で蒸着角が±3°以内(Δ
θに相当)となるような構造とすることは、前記した実
施形態1で述べた通りである。さらにここでは、それに
加えて基板表面と、この基板表面と蒸着方向に平行に設
けられスリットを構成する遮蔽物36,36との垂直方
向の距離(隙間)tを3mm以下に構成したものであ
る。
【0061】次に、前記した基板表面と蒸着方向に平行
に設けられスリットを構成する遮蔽物36,36との垂
直方向の隙間を3mm以下とすることの理由を述べる。
図13は、スリット、基板間隙間とプレチルト角差との
関係を示す説明図、図14は、基板表面と遮蔽物との隙
間を35mmとした時に蒸着角50°で酸化珪素材料が
飛来してくる場合のスリット端部での酸化珪素膜の相対
膜厚を、基板を静止させて実験的に求めて示したもので
ある。
【0062】図14、すなわち、基板表面と遮蔽物との
隙間を35mmとした時に蒸着角50°で酸化珪素材料
が飛来してくる場合のスリット端部での酸化珪素膜の相
対膜厚を実験的に求めたところによれば、本来スリット
端部から飛来して到達すべき部位から約20mm廻りこ
んだ部位まで酸化珪素が膜形成されていることがわか
る。この結果から、最も廻りこみの大きい20mm場合
は、計算上から50°の蒸着角に対して約10°増すも
のであることがわかる。
【0063】これらの結果は、液晶配向の所望されるプ
レチルト角を得るために望ましい蒸着角45°〜55°
に対してほぼ同様の結果となることが実験的にわかって
いる。つまり、45°〜55°の蒸着角で配向膜を形成
しても、実際には、配向膜表面には基板全面に渡って5
5°〜65°の蒸着角で形成される部分があるのであ
る。
【0064】前記した膜表面での廻り込み部分の膜厚に
よる配向特性(プレチルト角α)への影響は、基板を移
動しながら配向膜形成を行う場合と、基板を停止して配
向膜形成を行う場合とでそのプレチルト角に差が生じる
か否かで評価することが出来る(停止の場合は、基板の
中心部付近で評価)。そして、それを示したものが図1
3である。この図13によれば、前記した如くスリット
と基板との隙間tが35mmの場合は、各々のプレチル
ト角の差が3〜5°にもなっているのに対し、tが20
mmの場合は1.5°〜2.5°、さらにtが3mmに
なると0.2°〜0.8°と1°以下になっていること
がわかる。
【0065】液晶表示素子において、生産上画像コント
ラスト比に再現性が得られるのはプレチルト角のバラツ
キが1°以内に抑えられている場合であることが経験
的、統計的に分かっている。前記したプレチルト角差
は、隙間による変化であるため生産上のプレチルト角の
バラツキに相当するものである。従って、スリットと基
板との隙間を3mm以下に抑えることにより、画像品質
であるコントラスト比に変化を及ぼすプレチルト角の制
御を、蒸着角変化(廻り込みの影響)を少なくする効果
によって高精度に行うことが可能となるのである。
【0066】(実施例2)次に具体的な液晶表示素子1
0への実施の形態を以下に示す。まずCMOSトランジ
スターにより駆動電圧の供給を受ける反射画素電極3を
表面に有するシリコンIC基板4と透明電極膜ITOを
表面に有するガラス基板2の各々に電子ビーム蒸着法に
より酸化珪素の配向膜を形成する。この際の蒸着条件と
しては、蒸着角θを45〜55°、基板温度を150〜
200℃、酸化珪素材料の蒸着レート5オングストロー
ム/秒、酸素ガス流量50〜100SCCMにて膜厚約
600〜650オングストロームの酸化珪素膜を形成し
た。
【0067】この後、片側の基板にヤクシ化成(株)製
SWシリーズスペーサボールを混入させた協立化学産業
(株)製メインシール剤WRシリーズを塗布して、2枚
の基板2,4をプレスして接着する。この2枚の基板
2,4間に注入される液晶6としては、n型のネマチッ
ク液晶を用い垂直配向させた。これにより完成した液晶
表示素子10の光学性能としては、最大光量に対して駆
動電圧1.5V時の光量との比をコントラスト比として
定義したとき50:1〜100:1の値を得た。この値
は、プロジェクター等の光学系装置を通した場合、10
00:1以上のコントラスト比を得るのに十分な値であ
る。
【0068】これは、従来蒸着角45〜55°の場合に
基板表面と遮蔽物との隙間が30mm以上で得られた結
果と比べると、コントラスト比で良好な再現性をえるも
のであった。
【0069】
【発明の効果】請求項1に係る発明は、前記した工程
で、所定の酸化珪素の配向膜が形成された基板を得るよ
うにしたものであるから、タクトタイムの短縮化が図
れ、生産量の拡大に効率的に対応できる画質欠陥のない
良好な液晶表示素子が得られるものである。
【0070】請求項2に係る発明は、前記した如くに構
成したことにより、基板上に蒸着される配向膜は、その
薄膜構造角度が均一に形成されるので、この上に形成さ
れる液晶分子も均一に形成され、従って、画質欠陥のな
い良好な液晶表示素子が得られるものである。
【0071】請求項3に係る発明は、請求項2記載の液
晶表示素子の配向膜製造装置において、前記配向膜製造
装置の成膜室内で、電子ビーム銃ユニットを有する蒸発
源からの蒸発物が所定の方向に飛散するように、前記電
子ビーム銃ユニットの向きを、前記配向膜製造装置の垂
直方向から30°ないし60°に設置したことにより、
タクトタイムの短縮化が図れ、生産量の拡大に効率的に
対応できる画質欠陥のない良好な液晶表示素子が得られ
るものである。
【0072】請求項4に係る発明は、前記した如くに構
成したことにより、基板上に蒸着される配向膜は、その
薄膜構造角度が均一に形成されるので、この上に形成さ
れる液晶分子も均一に形成され、画質欠陥のない良好な
液晶表示素子が得られるものである。
【0073】請求項5に係る発明は、請求項2,3又は
4記載の液晶表示素子の配向膜製造装置において、前記
少なくとも1枚の基板に酸化珪素(SiOx:1.0≦
x≦2.0)の配向膜を形成するに際し、前記基板表面
に、3°以上のツイスト角で飛散してくる蒸発物の前記
基板表面への暴露を遮蔽するツイスト角補正板を設けた
ことにより、基板上に蒸着される配向膜は、その薄膜構
造角度が均一に形成されるので、この上に形成される液
晶分子も均一に形成されるので、画質欠陥のない良好な
液晶表示素子が得られるものである。
【0074】請求項6に係る発明は、前記した如くに構
成したことにより、基板上に蒸着される配向膜は、その
薄膜構造角度が均一に形成され、かつ生産時に設定蒸着
角度が再現良く形成されるので、この上に形成される液
晶分子も均一に形成され、かつ、画面上においてコント
ラスト比の均一性及び液晶表示素子間や個々の膜形成工
程間での再現性が良好な液晶表示素子が得られるもので
ある。
【0075】請求項7に係る発明は、請求項6記載の液
晶表示素子の配向膜製造装置において、前記配向膜製造
装置の成膜室内で、電子ビーム銃ユニットを有する蒸発
源からの蒸発物が所定方向に飛散するように、前記電子
ビーム銃ユニットの向きを、前記配向膜製造装置の垂直
方向から30°ないし60°に設置したことことによ
り、タクトタイムの短縮化が図れ、生産量の拡大に効率
的に対応できる画質欠陥のない良好な液晶表示素子が得
られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る液晶表示素子の配向
膜製造装置の一実施例を示す全体図である。
【図2】図1になる液晶表示素子の配向膜製造装置の要
部概略図で、蒸着角ズレを規制するための説明図であ
る。
【図3】図1になる液晶表示素子の配向膜製造装置の要
部概略図で、ツイスト角を規制するための説明図であ
る。
【図4】蒸着角度と液晶表示素子の画像品質との関連性
を示す図である。
【図5】蒸着源と基板トレーとツイスト角補正板との関
係を示す説明図である。
【図6】一般的な液晶表示素子の構成部品を示す分解斜
視図である。
【図7】一般的な液晶表示素子の構成説明図である。
【図8】従来の液晶表示素子の配向膜製造装置を構成す
る蒸着装置の説明図である。
【図9】図9の蒸着装置で得られた液晶分子の拡大説明
図である。
【図10】従来の液晶表示素子の製造装置における蒸着
角ズレを示す説明図である。
【図11】従来の液晶表示素子の製造装置におけるツイ
スト角を示す説明図である。
【図12】本発明の実施形態2に係る液晶表示素子の配
向膜製造装置の要部概略図である。
【図13】スリット、基板間隙間とプレチルト角差との
関係を示す説明図である。
【図14】基板トレーと基板搬送台との隙間とスリット
端部の廻り込み膜厚との関係を示す説明図である。
【図15】基板トレー、基板搬送台、蒸着角との関係を
示す説明図である。
【図16】設定蒸着角と廻り込みによって変化した蒸着
角との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 透明導電膜 2 ガラス基板 3 画素電極 4 シリコンIC基板 5 配向膜 6 液晶 7 シール接着剤 8 反射防止膜 9 液晶注入 10 液晶表示素子 11 るつぼ 12 蒸発源 13 蒸着室 14a〜14n 酸化珪素 15a〜15n 配向した液晶分子 20 蒸着装置 30 配向膜蒸着装置 31a、31b 基板カセット 32a、32b オートローディング機構 33 基板トレー 33a 基板表面 34 成膜済み基板搭載トレー 36 基板搬送台 36a スリット端部 37 第一のロードロック室 38、39 ランプ 40、45 排気装置 41 成膜室 42 シースヒータ 43 蒸着源 46a〜46n ツイスト角補正板 50 第ニのロードロック室 51 冷却機構 52 排気装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 茂田 正信 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 (72)発明者 中西 達司 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 (72)発明者 諸星 孝 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 (72)発明者 細谷 武司 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 (72)発明者 尊田 正美 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 (72)発明者 片山 統康 神奈川県横浜市神奈川区守屋町3丁目12番 地 日本ビクター株式会社内 Fターム(参考) 2H090 HB03Y HC18 MB06 4K029 AA06 AA09 BA46 CA02 DB21

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2枚の基板間に液晶を封入して
    なる液晶表示素子の配向膜製造方法において、 前記少なくとも1枚の基板に配向膜として酸化珪素(S
    iOx:1.0≦x≦2.0)を形成する際、 まず、前記基板を搭載した基板トレーを第一のロードロ
    ック室にて加熱を行い、 次に、成膜室にて加熱下で前記基板トレーを一方向に連
    続的又は間欠的に平行移動させながら、 前記酸化珪素を、真空蒸着法により前記基板表面の法線
    方向から45°ないし60°の角度より飛散物として照
    射して、前記基板表面に前記酸化珪素の配向膜を形成
    し、 しかる後、第二のロードロック室にて前記基板トレーを
    冷却させることにより、 酸化珪素の配向膜が形成された基板を得ることを特徴と
    する液晶表示素子の配向膜製造方法。
  2. 【請求項2】少なくとも2枚の基板間に液晶を封入して
    なる液晶表示素子の配向膜製造装置において、 配向膜製造装置の成膜室内で、前記少なくとも1枚の基
    板に酸化珪素(SiOx:1.0≦x≦2.0)の配向
    膜を形成するに際し、 前記基板中心部から前記配向膜形成に必要な基板周辺部
    までの距離をd、 前記基板中心部から前記配向膜形成のための蒸着源まで
    の距離をDとし、 かつ、前記基板表面中心から前記蒸着源方向と前記基板
    表面の法線方向とのなす角度(蒸着角)をθとしたと
    き、 Δθ=tan-1(dcosθ/(D+dsinθ))で
    規定される角度が 0≦Δθ≦3°となるよう構成して
    液晶表示素子を形成することを特徴とする液晶表示素子
    の配向膜製造装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の液晶表示素子の配向膜製造
    装置において、 前記配向膜製造装置の成膜室内で、電子ビーム銃ユニッ
    トを有する蒸発源からの蒸発物が所定の方向に飛散する
    ように、 前記電子ビーム銃ユニットの向きを、前記配向膜製造装
    置の垂直方向から30°ないし60°に設置して液晶表
    示素子を形成することを特徴とする液晶表示素子の配向
    膜製造装置。
  4. 【請求項4】少なくとも2枚の基板間に液晶を封入して
    なる液晶表示素子の配向膜製造装置において、 配向膜製造装置の成膜室内で、前記少なくとも1枚の基
    板に酸化珪素(SiOx:1.0≦x≦2.0)の配向
    膜を形成するに際し、 前記基板中心部から前記配向膜形成に必要な基板周辺部
    までの距離をd、 前記基板中心から蒸着源中心までの距離をD、 かつ、前記配向膜製造装置の成膜室内で前記基板が移動
    する方向に対して直角方向に長さLの蒸着源を有すると
    き、 Δψ=tan-1((d−L/2)cosθ/(D+(d
    −L/2)sinθ))で規定される角度が0≦Δψ≦
    3°となるよう構成して液晶表示素子を形成することを
    特徴とする請求項2又は3記載の液晶表示素子の配向膜
    製造装置。
  5. 【請求項5】請求項2,3又は4記載の液晶表示素子の
    配向膜製造装置において、 前記少なくとも1枚の基板に酸化珪素(SiOx:1.
    0≦x≦2.0)の配向膜を形成するに際し、 前記基板表面に、3°以上のツイスト角で飛散してくる
    蒸発物の前記基板表面への暴露を遮蔽するツイスト角補
    正板を設けて液晶表示素子を形成することを特徴とする
    液晶表示素子の配向膜製造装置。
  6. 【請求項6】少なくとも2枚の基板間に液晶を封入して
    なる液晶表示素子の配向膜製造装置において、 配向膜製造装置の成膜室内で、前記少なくとも1枚の基
    板に酸化珪素(SiOx:1.0≦x≦2.0)の配向
    膜を形成するに際し、 前記基板中心部から前記配向膜形成に必要な基板周辺部
    までの距離をd、 前記基板中心部から前記配向膜形成のための蒸着源まで
    の距離をDとし、 かつ、前記基板表面中心から前記蒸着源方向と前記基板
    表面の法線方向とのなす角度(蒸着角)をθとしたと
    き、 Δθ=tan-1(dcosθ/(D+dsinθ))で
    規定される角度が 0≦Δθ≦3°となるように、 前記基板を部分的に蒸発物の暴露から遮蔽する遮蔽構造
    物を、前記基板と平行に設けると共に、 前記基板表面と前記遮蔽構造物との隙間を垂直方向に3
    mm以下にして液晶表示素子を形成することを特徴とす
    る液晶表示素子の配向膜製造装置。
  7. 【請求項7】請求項6記載の液晶表示素子の配向膜製造
    装置において、 前記配向膜製造装置の成膜室内で、電子ビーム銃ユニッ
    トを有する蒸発源からの蒸発物が所定方向に飛散するよ
    うに、 前記電子ビーム銃ユニットの向きを、前記配向膜製造装
    置の垂直方向から30°ないし60°に設置して液晶表
    示素子を形成することを特徴とする液晶表示素子の配向
    膜製造装置。
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