JP2002365015A - 変位測定センサ及び変位測定装置 - Google Patents

変位測定センサ及び変位測定装置

Info

Publication number
JP2002365015A
JP2002365015A JP2001171476A JP2001171476A JP2002365015A JP 2002365015 A JP2002365015 A JP 2002365015A JP 2001171476 A JP2001171476 A JP 2001171476A JP 2001171476 A JP2001171476 A JP 2001171476A JP 2002365015 A JP2002365015 A JP 2002365015A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
displacement
light receiving
amount
reflected
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001171476A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahisa Tashimo
貴久 田下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Anritsu Corp
Original Assignee
Anritsu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Anritsu Corp filed Critical Anritsu Corp
Priority to JP2001171476A priority Critical patent/JP2002365015A/ja
Publication of JP2002365015A publication Critical patent/JP2002365015A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Measurement Of Optical Distance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 受光素子の境界で結像点を消滅させる。 【解決手段】 変位測定センサ1は、測定対象Wに測定
光を照射する投光部2と、受光領域8aを有する受光素
子8と反射光を受光領域8a上に結像点Pとして形成さ
せる結像レンズ7と反射光を集光し平行にして結像レン
ズ7へ出射する受光レンズ6とを含む受光部5と、を備
える。変位測定センサ1は、測定対象Wの変位に応じた
反射光の光路変化に伴って受光領域8a上を移動する結
像点Pの位置から、測定対象Wの変位を非接触で測定す
るためのセンサである。変位測定センサ1は、受光レン
ズ6と結像レンズ7間に設けられ、測定対象Wの変位に
応じて変化する反射光の入射角に追随して測定光の透過
光量を変動させ、結像点Pがその移動方向X1 ,X2
の受光領域8aの境界B1 ,B2 に接近するに従い、透
過光量を減衰させる光量調整手段10を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投光部からの測定
光を測定対象に照射し、その反射光を受光素子上に結像
させる変位測定センサ、及び、その結像点の移動量から
測定対象の変位量を非接触で測定する変位測定装置に係
り、特に、受光素子の受光領域の境界で、結像点の光量
を減衰させる変位測定センサ及び変位測定装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図36に従来の変位測定装置を示す。変
位測定装置100は、投光部101と受光部104とで
構成される。投光部101は、レーザ光を出射するレー
ザ光源102と、そのレーザ光を受光し、測定対象Wに
照射させる投光レンズ103からなる。
【0003】受光部104は、測定対象Wで反射された
レーザ光を受光する受光レンズ105を有する。この受
光レンズ105は、受光したレーザ光を平行光として出
射する。平行光は結像レンズ106に受光され、受光素
子107上に所定のビーム径を有する結像点Pとして結
像される。
【0004】測定対象Wに凹凸があれば、受光素子10
7上に結像される結像点Pは図中矢印で示すX方向に移
動する。例えば、測定対象Wの基準面W1 より高い凸部
2を照射したときは、結像点Pは、受光素子107の
中心から左方向X1 へ移動する。これに対し、測定対象
Wの基準面W1 より低い凹部W3 を照射したときは、結
像点Pは、受光素子107の中心から右方向X2 へ移動
する。
【0005】受光素子107の両端には、それぞれ電極
端子が設けられている。変位測定装置100では、受光
素子107上の結像点Pの結像位置と両端子までの距離
に基づき、両端子から電流が出力される。変位測定装置
100は、この一対の出力信号から測定対象Wの変位
(凹凸)を測定するものである。
【0006】図37は、受光素子107の受光領域10
7a上に結像された結像点Pとその光量を示している。
この光量分布はガウス形で近似される。同図(a)に示
すように、結像点Pが受光領域107a内に含まれてい
る場合は、光量は、結像点Pの中心に対して左右対称な
凸状の分布となる。このとき、この光量分布の重心位置
と結像点の中心とが一致する。なお、この分布のピーク
から約13. 5%下がったときの幅が結像点のコアのビ
ーム径となる。残りの部分は、結像点のフレアである。
【0007】一方、測定対象Wの変位が凸部W2 よりも
更に上昇して、結像点Pが受光素子107の受光領域1
07aの境界付近で結像されると、同図(b)に示すよ
うに、受光領域107aの境界より内側部分の結像点
P’だけが受光素子57で受光され、受光領域107a
外に到達した結像点は検出されないこととなる。
【0008】同様に、測定対象Wの変位が凹部W3 より
も更に下降して、結像点Pが受光素子107の受光領域
107aの境界付近で結像されると、同図(b)に示す
ように、受光領域107aの境界より内側部分の結像点
P”だけが受光素子107で受光され、受光領域107
a外に到達した結像点は検出されないこととなる。
【0009】したがって、このときの光量分布は、受光
領域107aからはみ出した結像点が切り落とされたよ
うな分布となる。
【0010】しかし、このときの光量分布では、結像点
Pのコア部分がすべて受光されておらず、また、非受光
領域における散乱光により結像点Pのフレア部分が広が
ることとなる。したがって、この光量分布から求められ
る重心位置は、結像点Pの中心と一致せず、この重心位
置を結像点Pの中心として、受光素子57の両電極端子
までの距離が算出されてしまうこととなる。すなわち、
結像点Pと光量重心との位置ずれの分誤差が生じ、誤っ
たままの測定値として使用されてしまうという問題点が
あった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決するため、結像点の光量を減衰させる
ことにより、光量重心との位置ずれが生じた場合でも、
誤差の影響を最小限にして、変位測定の測定精度の向上
を図ることにある。特に、受光領域内でのみ結像点と光
量重心との位置を一致させることにより、更に、変位測
定の測定精度の向上を図ることにある。
【0012】また他の目的は、受光レンズと結像レンズ
との間に光量調整手段を設けることにより、光量調整手
段に平行な測定光が入射され、反射光分布内すべてが光
量調整手段に対し同じ入射角となるため、結像されるビ
ーム径の重心をずらすことなく、光量制御の容易化を図
ることにある。
【0013】更に他の目的は、受光領域の境界に反射光
が到達した場合でも、電気的処理により結像点が検出さ
れないこととすることにより、受光領域上で検出される
結像点はその中心と光量重心が一致したものだけとし、
測定誤差のない高精度な変位測定を図ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】次に、上記の課題を解決
するための手段を説明する。本発明の変位測定センサ
は、請求項1記載のように、測定対象Wに測定光を照射
する投光部2と、受光領域8aを有する受光素子8と、
前記反射光を前記受光領域8a上に結像点Pとして形成
させる結像レンズ7と、前記反射光を集光し平行にして
前記結像レンズ7へ出射する受光レンズ6と、を含む受
光部5と、を備え、前記測定対象Wの変位に応じた前記
反射光の光路変化に伴って前記受光領域8a上を移動す
る前記結像点Pの位置から、前記測定対象Wの変位を非
接触で測定するための変位測定センサであって、前記受
光レンズ6と前記結像レンズ7間に設けられ、前記測定
対象Wの変位に応じて変化する前記反射光の入射角に追
随して前記測定光の透過光量を変動させ、前記結像点P
がその移動方向X1 ,X2 側の前記受光領域8aの境界
1 ,B 2 に接近するに従い、前記透過光量を減衰させ
る光量調整手段10,20,30,40,50,60を
具備することを特徴とする。
【0015】投光部2から測定対象Wに測定光を照射す
る。その反射光は受光レンズ6で受光され平行になる。
平行にされた反射光は、光量調整手段10,20,3
0,40,50,60と透過する。透過した反射光は、
結像レンズ7により受光素子8の受光領域8a上に結像
させ、結像点Pが形成される。
【0016】測定対象Wに変位が生じると、反射光の光
路が変化して受光素子8に導かれる。この反射光の光路
変化により、光量調整手段10に対する反射光の入射角
が変化する。これに追随して、光量調整手段10を透過
する反射光の透過光量が変化する。そして、結像点Pが
その移動方向X1 ,X2 側の受光領域8aの境界B1
2 に接近するに従い、透過光量は減衰する。
【0017】この状態で反射光が受光領域8aに結像さ
れても、減衰された透過光量、即ち、受光領域8aにお
ける受光量が極めて少ないため、その結像点Pと光量重
心との位置ずれが生じた場合でも、誤差の影響が最小限
にとどまり、変位測定の測定精度が向上する。
【0018】また上記請求項1記載の変位測定センサの
光量調整手段10,20,30,40,50,60は、
請求項2記載のように、更に、前記受光領域8aの境界
1,B2 で前記透過光量を0に収束させるように構成
されることを特徴とする。
【0019】この発明によれば、測定対象Wに変位が生
じると、反射光の光路が変化して受光素子8に導かれ
る。この反射光の光路変化により、光量調整手段10,
20,30,40,50,60に対する反射光の入射角
が変化する。これに追随して、光量調整手段10を透過
する反射光の透過光量が変化する。そして、結像点Pが
その移動方向X1 ,X2 側の受光領域8aの境界B1
2 に接近するに従い、透過光量は減衰する。そして、
受光領域8aの境界B1 ,B2 で透過光量が0に収束す
る。即ち、受光領域8aの境界B1 ,B2 では、反射光
は結像されない。従って、結像点Pと光量重心との位置
ずれが生じることはなく、受光領域8a上で結像された
結像点Pは常に光量重心と一致するため、変位測定の測
定精度が更に向上する。
【0020】なお、上記光量調整手段は、偏光ビームス
プリッタ,無偏光ビームスプリッタ,誘電体ビームスプ
リッタ,金属ハーフミラー,コールドミラー等の分光素
子が適用可能である。したがって、このような光学部品
を用いることにより簡単に光量の調整が可能となる。特
に、これらの偏光ビームスプリッタ,無偏光ビームスプ
リッタ,誘電体ビームスプリッタ,金属ハーフミラー,
コールドミラー等の分光素子は、通常透過成分と反射成
分とに分光させる部品であるが、入射角度に依存する光
量減衰特性を利用することで、透過成分と反射成分の光
量の割合を変動させることができる。
【0021】また上記請求項1記載の変位測定センサ
は、請求項3記載のように、更に、前記光量調整手段1
0,20,30,40,50,60に入射された前記反
射光のうち前記光量調整手段10,20,30,40,
50,60で反射される二次反射光を受光し、該二次反
射光の受光量を出力する二次反射光受光部81を具備す
ることを特徴とする。
【0022】本発明によれば、測定対象Wからの反射光
が、光量調整手段10,20,30,40,50,60
に入射されると、光量調整手段10,20,30,4
0,50,60を透過する透過光と、光量調整手段1
0,20,30,40,50,60の分光面で反射され
る二次反射光と、に分光される。透過光は、受光素子8
にて受光され、その受光量は透過光量として出力され
る。一方、二次反射光は、二次反射光受光部81にて受
光され、二次反射光量が出力される。したがって、透過
光量と二次反射光量とからなる測定対象Wからの全反射
光量を得ることができる。
【0023】また本発明の変位測定装置は、請求項4記
載のように、請求項1又は2記載の変位測定センサ1の
前記受光素子8から前記受光領域8a上の前記結像点P
の位置に基づいて出力される出力信号に基づき、前記測
定対象Wの変位を演算する変位演算部75と、予め設定
された光量閾値と前記結像点Pの受光量とを比較し、そ
の比較結果から前記結像点Pの位置を判定する光量判定
部79と、を具備し、前記変位演算部は、前記透過光量
が前記光量閾値以上と判定された場合のみ、前記結像点
Pが前記両境界B1 ,B2 間の受光領域8a内に位置す
るものとして、前記測定対象Wの変位の演算処理を実行
することとしてもよい。
【0024】本発明によれば、受光素子8に反射光が受
光されたとき、光量判定部79は、予め設定された光量
閾値と結像点Pの受光量とを比較する。結像点Pの受光
量が光量閾値未満となる比較結果であるときは、結像点
Pが受光領域8aの境界B1,B2 に交わっているか、
あるいは、受光領域8a外に移動したこととなる。一
方、結像点Pの受光量が光量閾値以上となる比較結果で
あるときは、結像点Pが両境界B1 ,B2 間の受光領域
8a内に位置していると判定される。そして、結像点P
が両境界B1 ,B2 間の受光領域8a内に位置している
と判定されたときのみ測定対象Wの変位の演算処理を実
行する。これにより、変位測定の対象となる結像点P
は、受光領域8a上において結像点Pの中心とその光量
重心が一致したもの、即ち、両境界B1 ,B2 間の受光
領域8a内に位置するものだけとなり、測定誤差のない
変位測定が可能となる。
【0025】また本発明の変位測定装置は、請求項5記
載のように、請求項3記載の変位測定センサ1の前記受
光素子8から前記受光領域8a上の前記結像点Pの位置
に基づいて出力される第一出力信号に基づき、前記測定
対象Wの変位を演算する変位演算部75と、予め設定さ
れた透過率閾値と、前記第一出力信号及び前記二次反射
光受光部81より前記二次反射光の受光量として出力さ
れる第二出力信号から得られる前記反射光の透過率と、
を比較し、その比較結果から前記結像点Pの位置を判定
する透過率判定部85と、を具備し、前記変位演算部7
5は、前記透過率が前記透過率閾値以上と判定された場
合のみ、前記結像点Pが前記両境界B1 ,B2 間の受光
領域8a内に位置するものとして、前記測定対象Wの変
位の演算処理を実行することとしてもよい。
【0026】本発明によれば、受光素子8に反射光が受
光されたとき、透過率判定部85は、予め設定された透
過率閾値と反射光の透過率とを比較する。第一出力信号
は透過光量(受光素子8の受光量)に対応しており、反
射光の透過率は、第一出力信号及び第二出力信号から算
出される。反射光の透過率が透過率閾値未満となる比較
結果であるときは、結像点Pが受光領域8aの境界
1 ,B2 に交わっているか、あるいは、受光領域8a
外に移動したこととなる。
【0027】一方、反射光の透過率が透過率閾値以上と
なる比較結果であるときは、結像点Pが両境界B1 ,B
2 間の受光領域8a内に位置していると判定される。そ
して、結像点Pが両境界B1 ,B2 間の受光領域8a内
に位置していると判定されたときのみ測定対象Wの変位
の演算処理を実行する。これにより、変位測定の対象と
なる結像点Pは、受光領域8a上において結像点Pの中
心とその光量重心が一致したもの、即ち、両境界B1
2 間の受光領域8a内に位置するものだけとなり、測
定誤差のない変位測定が可能となる。
【0028】特に、反射光の透過率は、反射光の全光量
に対する透過光量の割合となるため、反射率が異なる測
定対象Wであっても、反射光の透過率から光量調整手段
10,20,30,40,50,60による反射光の減
衰状態及び結像点Pの位置を把握できることとなる。
【0029】
【発明の実施の形態】まず、第一実施の形態について説
明する。図1は本発明による変位測定センサ1を示す側
面図である。本例は、測定対象Wの基準面Waを最も低
い高さとしたときの例である。変位測定センサ1(1
A)は、投光部2と受光部5とで構成されている。投光
部2は、レーザ光源3と投光レンズ4とを有する。受光
部5は、受光レンズ6と、偏光ビームスプリッタ10
と、結像レンズ7と、受光素子8(PSD)と、で構成
されている。
【0030】レーザ光源3は、測定対象Wに測定光(レ
ーザ光)を照射するものである。Kのレーザ光は、P偏
光成分のみからなる光である。投光レンズ4は、拡散す
るレーザ光を測定対象W上で一点に収束させるためのレ
ンズである。
【0031】受光レンズ6は、測定対象Wから反射した
レーザ光を受光し、平行光として出射するものである。
結像レンズ7は、受光レンズ6と同一の光軸Y上に設け
られている。結像レンズ7は、受光レンズ6側から出射
された平行なレーザ光を受光する。そして、受光したレ
ーザ光を、受光素子8上に所定のビーム径を有する結像
点として結像点Pを形成させる。結像点Pは、測定対象
Wの高さ方向の変位に応じて、図1に示す矢印方向Xに
移動する。
【0032】受光素子8は、例えばPSD(Position Se
nsitive Detector) からなり、受光領域8aにレーザ光
が到達し、結像点Pが形成されると、形成位置に光エネ
ルギーに比例した電荷が発生する。発生した電荷は、光
電流としてPSD両端に設けられている不図示の電極端
子から出力される。出力電流は、結像点Pの形成位置か
ら電極端子までの距離に反比例して出力される。
【0033】偏光ビームスプリッタ10は、立方体形状
の光学部品であり、受光レンズ6及び結像レンズ7と同
一光軸Y上に設けられている。この偏光ビームスプリッ
タ10は、P偏光透過特性を有する。偏光ビームスプリ
ッタ10の入射面10a及び出射面10cは、光軸Yに
対しほぼ直交して設けられている。偏光ビームスプリッ
タ10には、入射面10aから入射されたレーザ光をS
偏光とP偏光とに分光する分光面10bを有する。図1
に示すように、分光面10bは、入射面10aから結像
点Pの移動方向Xに対し、例えば45度傾いて形成され
ている。換言すれば、分光面10bは、測定対象Wの高
さが変位することによって入射するレーザ光の入射角度
が変動する向きに傾いて形成されている。分光面10b
は、入射光を透過光と2次反射光とに分離する。
【0034】次に、本実施の形態の作用について説明す
る。変位測定センサ1Aを測定対象W上に移動させる。
レーザ光源3からレーザ光を照射する。レーザ光は、投
光レンズ4を介して測定対象WにP偏光で照射される。
図2(a)は、レーザ光が測定対象Wの基準面Waの位
置に照射されたときの図である。図2(a)に示すよう
に、レーザ光は測定対象W上で反射する。反射したレー
ザ光は、受光レンズ6に受光され、平行なビームとなっ
て出射される。
【0035】直線偏光が保たれた平行なレーザ光は、偏
光ビームスプリッタ10の入射面10aに対してほぼ垂
直に入射する。そして、入射したレーザ光は、分光面1
0bに対し、入射したレーザ光がすべて透過する入射角
度、例えば45度の入射角度で入射する。このとき、照
射側の直線偏光が透過する特性を持つ分光面10bであ
るので、レーザ光は分光面10bを透過する。透過した
レーザ光は、平行なまま結像レンズ7に入射される。
【0036】結像レンズ7に入射したレーザ光は、受光
素子8の中心に完全な形で結像される。図3(a)に、
このときの受光素子8の受光領域8aに形成された結像
点P及びその光量を示す。この光量分布はガウス形で近
似される。同図(a)に示すように、光量は、結像点P
の中心に対して左右対称な凸状の分布となる。この光量
分布の重心位置と結像点Pの中心とが一致する。
【0037】次に、図2(b)に示すように、レーザ光
源3から照射されたレーザ光が、測定対象Wの基準面W
aよりも高い位置Wbに照射されたとき、反射したレー
ザ光の光路はこれに伴って変化する。反射したレーザ光
は、受光レンズ6により平行光となる。平行にされたレ
ーザ光は、偏光ビームスプリッタ10の入射面10aに
対し、やや斜めに入射される。そして、入射したレーザ
光は若干屈折し、分光面10bに対し、45度よりもや
や大きな入射角度、例えば50度で入射される。
【0038】図4は、偏光ビームスプリッタ10におけ
る分光面10bへの入射角度に対する透過光の光量の特
性を示したグラフである。図2(a)に示すように分光
面10bに対して45度の入射角度でレーザ光が入射さ
れたときの透過光の光量を100%とすると、図4中一
点鎖線で示すように、入射角度が大きくなるにつれ、透
過光の光量が減衰する。これに伴い、反射光の光量が増
加する。したがって、図2(b)の場合は、入射角度が
50度なので、透過光の光量は、45度で入射したとき
の約75%になる。
【0039】約75%に減衰された透過光は、結像レン
ズ7に入射され、受光素子8の受光領域8aの中心と境
界B1 の間に完全な形で結像される。結像点Pは、図2
(a)に比べX1 方向に移動している。このときの受光
状態を図3(b)に示す。この光量分布は上記同様ガウ
ス形で近似される。同図(b)に示すように、光量は、
結像点Pの中心に対して左右対称な凸状の分布となる。
この光量分布の重心位置Gと結像点Pの中心とが一致す
る。
【0040】そして、図2(c)に示すように、投光部
3が更に高い位置Wc にレーザ光を照射したとき、測定
対象Wで反射されたレーザ光の光路は更に変化する。反
射されたレーザ光は、受光レンズ6により平行光とな
る。平行にされたレーザ光は、偏光ビームスプリッタ1
0の入射面10aに対し、更に広角となってに入射され
る。そして、入射したレーザ光は若干屈折し、分光面1
0bに対し、50度よりもやや大きな入射角度、例えば
55度で入射される。
【0041】図4の一点鎖線によりこのときの分光特性
を見ると、分光面10bに対し45度に入射したときを
100%とすると、透過光の光量が0%となる。すなわ
ち、分光面10bに入射されたレーザ光はすべて反射さ
れることとなる。したがって、図2(c)に示すよう
に、透過光は受光素子8の受光領域8aの境界B1 には
到達せず、図3(c)に示すように光量が出力されなく
なる。
【0042】従ってこのように構成された変位測定セン
サ1Aでは、結像点Pが受光領域8a内に完全に形成さ
れるときは、ガウス形の左右対称な凸状波形の光量が検
出され、結像点Pの中心と光量の重心Gが一致する。そ
して、結像点Pがその中心から境界B1 へ移動し、反射
光の分光面10bへの入射角が例えば約50度を超えて
変化したときの反射光の光路で反射光が受光領域8aに
導かれると、光量が急激に減衰する。そして、結像点P
が受光領域8aの境界B1 にかかるような位置で透過光
の光量は0になる。
【0043】よって、不完全な形で結像点Pが形成され
ることがなく、光量波形も左右対称となるので、結像点
Pの中心と光量重心Gとが一致して、電極端子までの距
離が正確に検出でき、結像点Pの位置ずれ誤差のない良
好な変位出力を算出することができる。なお、光量が0
になるとき、測定対象Wの変位は、測定不可として検出
される。
【0044】次に、図4〜図7を用いて、本発明の変位
測定センサの第二実施の形態について説明する。なお、
第一実施の形態と同一部分には同一符号を付し、その説
明を省略する。図5に示すように、本実施の形態の変位
測定センサ1Bでは、偏光ビームスプリッタ20は、第
一実施の形態の偏光ビームスプリッタ10を光軸Y回り
に180度回転させた状態で、受光レンズ6と結像レン
ズ7との間に配置されている。即ち、第一実施の形態の
偏光ビームスプリッタ10の分光面10bと本実施の形
態の偏光ビームスプリッタ20の分光面20bは、光軸
Yに対しほぼ左右対称となっている。
【0045】この実施の形態の作用について説明する。
変位測定センサ1Bを測定対象W上に移動させる。レー
ザ光源3からレーザ光を直線偏光で照射する。レーザ光
は、投光レンズ4を介して測定対象WにP偏光で照射さ
れる。図6(a)は、レーザ光が測定対象Wの基準面W
aの位置に照射されたときの図である。図6(a)に示
すように、レーザ光は測定対象W上で反射する。反射し
たレーザ光は、受光レンズ6に受光され、平行なビーム
となって出射される。
【0046】直線偏光が保たれた平行なレーザ光は、偏
光ビームスプリッタ20の入射面20aに対してほぼ垂
直に入射する。そして、入射したレーザ光は、分光面2
0bに対し、入射したレーザ光がすべて透過する角度、
例えば45度の入射角度で入射する。透過したレーザ光
は、平行なまま結像レンズ7に入射される。
【0047】結像レンズ7に入射したレーザ光は、受光
素子8の中心に完全な形で結像される。図7(a)に、
このときの受光素子8の受光領域8aに形成された結像
点P及びその光量を示す。この光量分布はガウス形で近
似される。同図(a)に示すように、光量は、結像点P
の中心に対して左右対称な凸状の分布となる。この光量
分布の重心位置Gと結像点Pの中心とが一致する。
【0048】次に、図6(b)に示すように、レーザ光
源3から照射されたレーザ光が、測定対象Wの基準面W
aよりも低い位置Wdに照射されたとき、反射されたレ
ーザ光の光路が変化する。反射したレーザ光は、受光レ
ンズ6により平行光となる。平行にされたレーザ光は、
偏光ビームスプリッタ20の入射面20aに対し、やや
斜めに入射される。そして、入射したレーザ光は若干屈
折し、分光面20bに対し、45度よりもやや大きな入
射角度、例えば50度で入射される。
【0049】図4の一点鎖線に示すように、図6(a)
に示すような分光面20bに対して45度の入射角度で
レーザ光が入射されたときの透過光の光量を100%と
すると、入射角度が大きくなるにつれ、透過光の光量が
減衰する。これに伴い、反射光の光量が増加する。した
がって、図6(b)の場合は、入射角度が50度なの
で、透過光の光量は、45度で入射したときの約75%
になる。
【0050】約75%に減衰された透過光は、結像レン
ズ7に入射され、受光素子8の受光領域8aの中心と境
界B2 の間に完全な形で結像される。このときの受光状
態を図7(b)に示す。この光量分布は上記同様ガウス
形で近似される。同図(a)に示すように、光量は、結
像点Pの中心に対して左右対称な凸状の分布となる。こ
の光量分布の重心位置Gと結像点Pの中心とが一致す
る。
【0051】そして、図6(c)に示すように、投光部
3が更に高い位置Weを照射したとき、反射されたレー
ザ光の光路が変化する。測定対象Wで反射されたレーザ
光は、受光レンズ6により平行光となる。平行にされた
レーザ光は、偏光ビームスプリッタ20の入射面20a
に対し、更に広角となってに入射される。そして、入射
したレーザ光は若干屈折し、分光面20bに対し、50
度よりもやや大きな入射角度、例えば55度で入射され
る。
【0052】図4の一点鎖線によりこのときの分光特性
を見ると、分光面20bに対し45度に入射したときに
対して透過光の光量が0%となる。すなわち、分光面2
0bに入射されたレーザ光はすべて反射されることとな
る。したがって、図6(c)に示すように、透過光は受
光素子8の受光領域8aの境界B2 には到達せず、図7
(c)に示すように、光量が出力されなくなる。
【0053】従ってこのように構成された変位測定セン
サ1Bでは、第一実施の形態と同様、結像点Pが受光領
域8a内に完全に形成されるときは、ガウス形の左右対
称な凸状波形の光量が検出され、結像点Pの中心と光量
の重心Gが一致する。そして、結像点Pがその中心から
境界B2 へ移動し、反射光の分光面20bへの入射角が
例えば約50度を超えて変化したときの反射光の光路で
反射光が受光領域8aに導かれると、光量が急激に減衰
する。そして、結像点Pが受光領域8aの境界B2 にか
かるような位置で透過光の光量は0になる。よって、不
完全な形で結像点Pが形成されることがなく、光量波形
も左右対称となるので、結像点Pの中心と光量重心Gと
が一致して、電極端子までの距離が正確に検出でき、結
像点Pの位置ずれ誤差のない良好な変位出力を算出する
ことができる。なお、光量が0になるとき、測定対象W
の変位は、測定不可として検出される。
【0054】次に第三実施の形態について説明する。上
述した第一実施の形態の変位測定センサ1Aでは、偏光
ビームスプリッタ10の分光特性(光量減衰特性)は、
図4の一点鎖線に示すように、反射光の分光面10bへ
の入射角が大きくなると、透過光量が減衰する特性の偏
光ビームスプリッタ10を用いたのに対し、本実施の形
態では、偏光ビームスプリッタ10に換え、図8の一点
鎖線に示すように、図4の一点鎖線の分光特性と左右対
称な分光特性,すなわち、反射光の分光面30bへの入
射角が小さくなると、透過光量が減衰する特性の偏光ビ
ームスプリッタ30を適用した変位測定センサ1Cであ
る(図1及び図9参照)。
【0055】図9(a)に示すように、測定対象Wの基
準面Waの位置にレーザ光が照射されると、反射したレ
ーザ光は、偏光ビームスプリッタ30の分光面30bに
対し45度の入射角で入射される。そして、図8の一点
鎖線に示すように、ほぼ100%透過して結像レンズ7
に入射され、図7(a)に示すように、図3(a)と同
様、受光素子8の中心に完全な形で結像される。
【0056】次に、図9(b)に示すように、レーザ光
源3から照射されたレーザ光が、測定対象Wの基準面W
aよりも低い位置Wdに照射されると、反射したレーザ
光の光路はこれに伴って変化し、偏光ビームスプリッタ
30の分光面30bに対し40度の入射角で入射され
る。偏光ビームスプリッタ30を透過する透過光は、図
8の一点鎖線に示すように、分光面30bに対し45度
の入射角で入射した場合に比べて約75%にまで減衰す
る。そして、図7(b)に示すように、この透過光は、
結像レンズ7に入射され、受光素子8の受光領域8aの
中心と境界B2 の間に完全な形で結像される。結像点P
は、図9(a)に比べX2 方向に移動している。
【0057】そして、図9(c)に示すように、投光部
3が更に低い位置Weにレーザ光を照射したとき、測定
対象Wで反射されたレーザ光の光路は更に変化し、偏光
ビームスプリッタ30の分光面30bに対し35度の入
射角で入射される。図8の一点鎖線によりこのときの分
光特性を見ると、分光面30bに対し45度に入射した
ときに対して透過光の光量が0%となる。すなわち、分
光面30bに入射されたレーザ光はすべて反射されるこ
ととなる。したがって、図9(c)に示すように、レー
ザ光は、受光素子8の受光領域8aの境界B2 には到達
せず、図7(c)に示すように光量が出力されなくな
る。
【0058】次に第四実施の形態について説明する。上
述した第二実施の形態の変位測定センサ1Bでは、偏光
ビームスプリッタ20の分光特性(光量減衰特性)は、
図4の一点鎖線に示すように、反射光の分光面20bへ
の入射角が大きくなると、透過光量が減衰する特性の偏
光ビームスプリッタ20を用いたのに対し、本実施の形
態では、偏光ビームスプリッタ20に換え、図8の一点
鎖線に示すように、図4の一点鎖線の分光特性と左右対
称な分光特性,すなわち、反射光の分光面40bへの入
射角が小さくなると、透過光量が減衰する特性の偏光ビ
ームスプリッタ40を適用した変位測定センサ1Dであ
る(図5及び図10参照)。
【0059】図10(a)に示すように、測定対象Wの
基準面Waの位置に照射されると、反射したレーザ光
は、偏光ビームスプリッタ40の分光面40bに対し4
5度の入射角でに入射される。そして、ほぼ100%透
過して結像レンズ7に入射され、図3(a)に示すよう
に、図7(a)と同様、受光素子8の中心に完全な形で
結像される。
【0060】次に、図10(b)に示すように、レーザ
光源3から照射されたレーザ光が、測定対象Wの基準面
Waよりも低い位置Wdに照射されると、反射したレー
ザ光の光路はこれに伴って変化し、偏光ビームスプリッ
タ40の分光面40bに対し40度の入射角で入射され
る。偏光ビームスプリッタ40を透過する透過光は、図
8の一点鎖線に示すように、分光面40bに対し45度
の入射角で入射した場合に比べて約75%にまで減衰す
る。そして、図3(b)に示すように、偏光ビームスプ
リッタ40を透過したレーザ光は、結像レンズ7に入射
され、受光素子8の受光領域8aの中心と境界B2 の間
に完全な形で結像される。結像点Pは、図10(a)に
比べX1 方向に移動している。
【0061】そして、図10(c)に示すように、投光
部3が更に低い位置Weにレーザ光を照射したとき、測
定対象Wで反射されたレーザ光の光路は更に変化し、偏
光ビームスプリッタ40の分光面40bに対し35度の
入射角で入射される。図8の一点鎖線によりこのときの
分光特性を見ると、分光面40bに対し45度に入射し
たときに対して透過光の光量が0%となる。すなわち、
分光面40bに入射されたレーザ光はすべて反射される
こととなる。したがって、図10(c)に示すように、
レーザ光は、受光素子8の受光領域8aの境界B1 には
到達せず、図3(c)に示すように光量が出力されなく
なる。
【0062】次に本発明の第五実施の形態について説明
する。本実施の形態は、測定対象Wの基準面Waから高
さ方向に上下に変位する例である。なお、第一及び第二
実施の形態と同一部分には同一符号を付し、その説明を
省略する。図11に示すように、本実施の形態の変位測
定センサ1Eでは、第一及び第二実施の形態で用いた、
光軸Y回りにほぼ左右対称とされている一対の偏光ビー
ムスプリッタ10,20を、光軸Y方向に直列に配置し
た構成である。両偏光ビームスプリッタ10,20は、
受光レンズ6と結像レンズ7との間に配置されている。
第一実施の形態で用いた偏光ビームスプリッタ10は受
光レンズ6側(前段側)に配置され、第二実施の形態で
用いた偏光ビームスプリッタ10は結像レンズ7側(後
段側)に配置される。
【0063】次に、本実施の形態の作用について説明す
る。変位測定センサ1Eを測定対象W上に移動させる。
レーザ光源3からレーザ光を照射する。レーザ光は、投
光レンズ4を介して測定対象WにP偏光で照射される。
図12(a)は、レーザ光が測定対象Wの基準面Waの
位置に照射されたときの図である。図12(a)に示す
ように、レーザ光は測定対象W上で反射する。反射した
レーザ光は、受光レンズ6に受光され、平行なビームと
なって出射される。
【0064】直線偏光された平行なレーザ光は、前段の
偏光ビームスプリッタ10の入射面10aに対してほぼ
垂直に入射する。そして、入射したレーザ光は、分光面
10bに対し、入射したレーザ光がすべて透過する入射
角度、例えば45度の入射角度で入射する。このとき、
図4の一点鎖線で示すように、照射側の直線偏光が透過
する特性を持つ分光面10bであるので、レーザ光は、
分光面10bをほぼ100%透過する。
【0065】偏光ビームスプリッタ10から透過した平
行なレーザ光は、後段の偏光ビームスプリッタ20の入
射面20aに対してほぼ垂直に入射する。そして、入射
したレーザ光は、分光面20bに対し、入射したレーザ
光がすべて透過する入射角度、例えば、45度の入射角
度で入射する。このとき、図4の一点鎖線で示すよう
に、照射側の直線偏光が透過する特性を持つ分光面10
bであるので、レーザ光は分光面20bをほぼ100%
透過する。透過したレーザ光は、平行なまま結像レンズ
7に入射される。
【0066】結像レンズ7に入射したレーザ光は、受光
素子8の中心に完全な形で結像される。図3(a)に、
このときの受光素子8の受光領域8aに形成された結像
点P及びその光量を示す。この光量分布はガウス形で近
似される。同図(a)に示すように、光量は、結像点P
の中心に対して左右対称な凸状の分布となる。この光量
分布の重心位置Gと結像点Pの中心とが一致する。
【0067】次に、図12(b)に示すように、レーザ
光源3から照射されたレーザ光が、測定対象Wの基準面
Waよりも高い位置Wbに照射された場合について説明
する。測定対象の基準面Waよりも高い位置Wbにレー
ザ光が照射されると、図12(b)に示すように、反射
したレーザ光の光路が変化する。反射したレーザ光は、
受光レンズ6により平行光となる。平行にされたレーザ
光は、前段の偏光ビームスプリッタ10の入射面10a
に対し、やや斜めに入射される。そして、入射したレー
ザ光は若干屈折し、分光面10bに対し、45度よりも
やや大きな入射角度、例えば50度で入射される。分光
面10bに入射されたレーザ光は、透過光と反射光とに
分光される。図4の一点鎖線に示すように、図12
(a)に示すような各分光面10b,20bに対して4
5度の入射角度でレーザ光が入射されて受光領域8aに
到達したときの透過光の光量を100%とすると、透過
光量は約75%に減衰される。そして、分光面10bを
透過したレーザ光は、出射面10cから若干屈折して平
行なまま出射面10cから出射される。反射光は、側面
10dから出射される。
【0068】前段の偏光ビームスプリッタ10を透過し
たレーザ光は、平行なまま後段の偏光ビームスプリッタ
20の入射面20aに入射される。そして、内部で若干
屈折して、分光面20bに対し、45度よりもやや小さ
な入射角度、例えば40度で入射される。入射されたレ
ーザ光は、分光面20bで、図4の一点鎖線に示すよう
に、40度では100%透過する。透過光は、偏光ビー
ムスプリッタ20の出射面20cから出射され、平行な
まま結像レンズ7に入射される。
【0069】後段の偏光ビームスプリッタ20を透過し
たレーザ光は、結像レンズ7に入射され、受光素子8の
受光領域8aの中心と境界の間に完全な形で結像され
る。結像点Pは、図12(a)に比べて、X2 方向に移
動している。このときの受光状態を図3(b)に示す。
この光量分布は上記同様ガウス形で近似される。同図
(a)に示すように、光量は、結像点の中心に対して左
右対称な凸状の分布となる。この光量分布の重心位置G
と結像点Pの中心とが一致する。
【0070】したがって、測定対象Wからの反射光は、
全反射光量の75%に減衰されて、受光素子8に結像さ
れる。
【0071】次に、図12(c)に示すように、レーザ
光源3から照射された直線偏光のレーザ光が、Wbより
も更に高い位置Wcに照射された場合について説明す
る。測定対象Wの位置Wcで反射したレーザ光の光路
は、図12(c)に示すように、更に変化する。反射し
たレーザ光は、受光レンズ6により平行光となる。平行
にされたレーザ光は、前段の偏光ビームスプリッタ10
の入射面10aに対し、更に広角となってに入射され
る。そして、入射したレーザ光は若干屈折し、分光面1
0bに対し50度よりもやや大きな入射角度、例えば5
5度で入射される。
【0072】図4の一点鎖線によりこのときの分光特性
を見ると、分光面10bに対し45度に入射したときに
対して透過光の光量が0%となる。すなわち、前段の分
光面10bに入射されたレーザ光はすべて反射されるこ
ととなる。したがって、図12(c)に示す点線の光路
のように、透過光は受光素子8の受光領域8aの境界B
1 には到達せず、図3(c)に示すように、光量が出力
されなくなる。
【0073】次に、図12(d)に示すように、レーザ
光源3から照射された直線偏光のレーザ光が、測定対象
Wの基準面Waよりも低い位置Wdに照射された場合に
ついて説明する。測定対象Wの基準面Waよりも低い位
置Wdで反射したレーザ光の光路は、更に変化する。反
射したレーザ光は、受光レンズ6により平行光となる。
平行にされたレーザ光は、偏光ビームスプリッタ10の
入射面10aに対し、やや斜めに入射される。そして、
入射したレーザ光は若干屈折し、分光面10bに対し、
45度よりもやや小さな入射角度、例えば40度で入射
される。分光面10bに入射されたレーザ光は、図4の
一点鎖線に示すように、40度では、100%透過す
る。分光面10bを透過したレーザ光は、若干屈折して
平行なまま出射面10cから出射される。
【0074】前段の偏光ビームスプリッタ10を透過し
たレーザ光は、平行なまま後段の偏光ビームスプリッタ
20の入射面20aに入射される。そして、内部で若干
屈折して、分光面20bに対し、45度よりもやや大き
な入射角度、例えば50度で入射される。入射されたレ
ーザ光は、分光面20bで透過光と反射光とに分光され
る。反射光は、偏光ビームスプリッタ10の側面20d
から出射される。図4の一点鎖線に示すように、図12
(a)に示すように分光面20bに対して45度の入射
角度でレーザ光が入射されて受光領域8aに到達したと
きの透過光の光量を100%とすると、透過光の透過光
量は約75%に減衰される。透過光は、偏光ビームスプ
リッタ20の出射面20cから出射され、平行なまま結
像レンズ7に入射される。
【0075】後段の偏光ビームスプリッタ20を透過し
たレーザ光は、結像レンズ7に入射され、受光素子8の
受光領域8aの中心と境界B2 の間に完全な形で結像さ
れる。結像点Pは、図12(a)に比べてX2 方向に移
動している。このときの受光状態を図7(b)に示す。
この光量分布は上記同様ガウス形で近似される。同図
(a)に示すように、光量は、結像点Pの中心に対して
左右対称な凸状の分布となる。この光量分布の重心位置
Gと結像点Pの中心とが一致する。
【0076】したがって、測定対象Wからの反射光は、
全反射光量の75%に減衰されて、受光素子8に結像さ
れる。
【0077】次に、図12(e)に示すように、レーザ
光源3から照射されたレーザ光が、Wbよりも更に低い
位置Weに照射された場合について説明する。Wbより
も更に低い位置Weに照射されると、反射したレーザ光
の光路は、更に変化する。反射したレーザ光は、受光レ
ンズ6により平行光となる。平行にされたレーザ光は、
前段の偏光ビームスプリッタ10の入射面10aに対
し、更に斜め入射される。そして、入射したレーザ光は
若干屈折し、分光面10bに対し、40度よりもやや小
さな入射角度、例えば35度で入射される。分光面10
bに入射されたレーザ光は、図4に示すように、35度
では100%透過する。分光面10bを透過したレーザ
光は、出射面10cから若干屈折して平行なまま出射面
10cから出射される。反射光は、側面10dから出射
される。
【0078】前段の偏光ビームスプリッタ10を透過し
たレーザ光は、平行なまま後段の偏光ビームスプリッタ
20の入射面20aに入射される。そして、内部で若干
屈折して、分光面20bに対し、45度よりもやや大き
な入射角度、例えば55度で入射される。図4の一点鎖
線によりこのときの分光特性を見ると、分光面20bに
対し45度に入射したときに対して透過光の光量が0%
となる。すなわち、後段の分光面20bに入射されたレ
ーザ光はすべて反射されることとなる。したがって、図
12(e)に示す点線の光路のように、透過光は受光素
子8の受光領域8aの境界B2 には到達せず、図7
(c)に示すように光量が出力されなくなる。
【0079】従ってこのように構成された変位測定セン
サ1Eでは、第一及び第二実施の形態と同様、結像点P
が受光領域8a内に完全に形成されるときは、ガウス形
の左右対称な凸状波形の光量が検出され、結像点Pの中
心と光量の重心Gが一致する。そして、結像点Pがその
中心から境界B1 (又はB2 )へ移動し、反射光の分光
面10b(又は20b)への入射角が例えば約40(又
は50)度を超えて変化したときの反射光の光路で反射
光が受光領域8aに導かれると、図4の一点鎖線で示す
分光特性により、光量が急激に減衰する。そして、結像
点Pが受光領域8aの境界B1 (又はB2 )にかかるよ
うな位置で透過光の光量を0になる。よって、不完全な
形で結像点Pが形成されることがなく、光量波形も左右
対称となるので、結像点Pの中心と光量重心Gとが一致
して、電極端子までの距離が正確に検出でき、結像点P
の位置ずれ誤差のない良好な変位出力を算出することが
できる。なお、光量が0になるとき、測定対象Wの変位
は、測定不可として検出される。
【0080】また、本実施の形態では、ほぼ左右対称な
偏光ビームスプリッタ10を光軸Y回りに直列に配置し
たので、測定対象Wの基準面Waに対し上下いずれの方
向に変位する場合であっても、受光領域8a上における
結像点Pの移動方向X(X1,X2 )の両境界B
(B1 ,B2 )で透過光の光量を0に収束させることが
できる。これにより、第一及び第二実施の形態に比し、
測定レンジを広くとることができることとなる。
【0081】また、本実施の形態においては、偏光ビー
ムスプリッタ10を前段側に配置し、偏光ビームスプリ
ッタ20を後段側に配置したが、図13に示すように、
偏光ビームスプリッタ20を前段側に配置し、偏光ビー
ムスプリッタ10を後段側に配置してもよい。
【0082】更に、本実施の形態においては、偏光ビー
ムスプリッタ10と偏光ビームスプリッタ20を光軸Y
方向に直列に組み合わせて適用したが、一方の偏光ビー
ムスプリッタでX1 方向に結像点を移動させ、他方の偏
光ビームスプリッタでX2 方向に結像点を移動させる組
み合わせであれば良い。例えば、偏光ビームスプリッタ
10と偏光ビームスプリッタ30を光軸Y方向に直列に
組み合わせてもよく、又、偏光ビームスプリッタ20と
偏光ビームスプリッタ40を光軸Y方向に直列に組み合
わせてもよい。更には、偏光ビームスプリッタ30と偏
光ビームスプリッタ40を光軸Y方向に直列に組み合わ
せてもよい。
【0083】なお、上述した第一〜第五実施の形態にお
いては、レーザ光源3からP偏光のレーザ光を測定対象
Wに照射することとしていたため、偏光ビームスプリッ
タ10もこれに対応してP偏光透過特性を有するものを
用いていたが、レーザ光源3から照射されるレーザ光の
偏光成分をS偏光とした場合、偏光ビームスプリッタ1
0もこれに対応してS偏光透過特性を有するものも適用
可能である。
【0084】また、この直線偏光は、図14(a)に示
すように、集光レンズを適用してレーザ光源3であるL
Dそのものの向きを規定してもよく、また、図14
(b)に示すように、集光レンズ及びλ/2板を用いて
直線偏光の向きを規定してもよい。
【0085】なお、上述した第一〜第五実施の形態にお
いては、偏光ビームスプリッタ10〜40の入射面10
a〜40aを光軸Yに対し直交させ、分光面10b〜4
0bを入射面10a〜40aに対し45度に設定した
が、受光領域8aの移動方向X側の境界B1 ,B2 で光
量が0に収束するように配置されていれば、これらの設
定角度に限定されることはない。
【0086】また、図4及び図8に示す偏光ビームスプ
リッタ10〜40の分光特性は、一例であり、受光領域
8aの移動方向X側の境界B1 ,B2 で光量が0に収束
するように配置されていれば、偏光ビームスプリッタの
性能や材質等により図4及び図8に示す特性とは異なる
偏光ビームスプリッタを用いても良い。
【0087】また、上述した第一〜第五実施の形態にお
いては、立方体形状の偏光ビームスプリッタ10〜40
を適用したが、この形状に限定されることはなく、図1
5(第一及び第三実施の形態に対応)、図16(第二及
び第四実施の形態に対応)、図17(第五実施の形態に
対応)に示すように、板状の偏光ビームスプリッタ10
(30),20(40)を適用した変位測定センサであ
ってもよい。
【0088】更に、上述した第一〜第五実施の形態にお
いては、光量調整手段として偏光ビームスプリッタ10
〜40を用いたが、これに限定されることはなく、無偏
光ビームスプリッタを用いてもよい。
【0089】また、図15〜図17に示すように、ビー
ムスプリッタの他、誘電体ビームスプリッタ,金属ハー
フミラー,コールドミラー等、測定対象Wからの反射光
を透過光と二次反射光とに分光する分光面50b,60
bを有するとともに、反射光の入射角度により分光特性
が第一〜第五実施の形態のように変動する板状の分光素
子50,60を適用した変位測定センサ1F,1G,1
Hであってもよい。この場合、投光部2から照射される
測定光は、直線偏光に限定されることはない。
【0090】次に第六実施の形態について説明する。第
一実施の形態〜第五実施の形態では、受光領域8aの移
動方向X側の境界B1 ,B2 において、透過光量が0に
収束するように光量調整手段10〜60を配置した例で
ある。本実施の形態は、第一実施の形態〜第五実施の形
態において、図18に示すように、少なくとも境界
1 ,B2 で透過光量が減衰するように配置されている
例である。
【0091】したがって、図4の二点鎖線に示すよう
に、結像点Pが境界B1 ,B2 に到達するときの分光面
10b,20bに対する入射角が、例えば約10%以下
に減衰するように各偏光ビームスプリッタ10,20が
配置されているものとする。
【0092】同様に、図8の二点鎖線に示すように、結
像点Pが境界B1 ,B2 に到達するときの分光面30
b,40bに対する入射角が、例えば約10%以下に減
衰するように、各偏光ビームスプリッタ30,40が配
置されているものとする。
【0093】以下、第一実施の形態の変位測定センサ1
Aに適用した例について図19及び図20を用いて説明
する。図19(a)に示すように、変位が基準面Waで
あるときは、図20(a)に示すように、結像点Pは受
光領域8aの中央に完全な形で形成される。図19
(b)に示すように、変位がWbに上昇すると、図20
(b)に示すように、結像点Pは完全な形のまま受光領
域8aの中央からX1 方向へ移動する。
【0094】図19(c)に示すように、更に変位がW
cに上昇すると、図20(c)に示すように、結像点P
は更にX1 方向へ移動し、受光領域8aの境界B1 に到
達する。結像点Pが境界B1 に到達すると、図20
(c)に示すように、結像点Pの受光領域8aからはみ
出した部分(図中点線)が受光素子8で検出されず、図
中斜線部分のみが検出されるため、境界B1 上の結像点
Pの光量が格段に減衰する。透過光量が減衰しているの
で、光量分布も小さくなり、境界B1 に亘って受光素子
8上に到達した結像点Pの中心とその光量重心との位置
ずれ誤差が小さくなり、測定誤差を少なくすることがで
きる。
【0095】また、第二実施の形態の変位測定センサ1
Bに適用した例について図21及び図22を用いて説明
する。図21(a)に示すように、変位が基準面Waで
あるときは、図22(a)に示すように、結像点Pは受
光領域8aの中央に完全な形で形成される。図21
(b)に示すように、変位がWdに下降すると、図22
(b)に示すように、結像点Pは完全な形のまま受光領
域8aの中央からX2 方向へ移動する。
【0096】図21(c)に示すように、更に変位がW
eに下降すると、図22(c)に示すように、結像点P
は更にX2 方向へ移動し、受光領域8aの境界B2 に到
達する。図21(c)に示すように、結像点Pが境界B
2 に到達すると、図22(c)に示すように、結像点P
の受光領域8aからはみ出した部分(図中点線)が受光
素子8で検出されず、図中斜線部分のみが検出されるた
め、境界B2 上の結像点Pの光量が格段に減衰する。透
過光量が減衰しているので、光量分布も小さくなり、境
界B2 に亘って受光素子8上に到達した結像点Pの中心
とその光量重心との位置ずれ誤差が小さくなり、測定誤
差を少なくすることができる。
【0097】なお、第三実施の形態の変位測定センサ1
Cについては、図23(a)に示すように、変位が基準
面Waであるときは、図22(a)に示すように、結像
点Pは受光領域8aの中央に完全な形で結像される。図
23(b)に示すように、変位がWdに下降すると、図
22(b)に示すように、結像点Pは完全な形のまま受
光領域8aの中央からX2 方向へ移動する。図23
(c)に示すように、更に変位がWeに下降すると、図
22(c)に示すように、結像点Pは更にX2 方向へ移
動し、受光領域8aの境界B2 に到達する。結像点Pが
境界B2 に到達すると、図22(c)に示すように、結
像点Pの受光領域8aからはみ出した部分(図中点線)
が受光素子8で検出されず、図中斜線部分のみが検出さ
れる。したがって、変位測定センサ1Bに適用した場合
と同様、境界B2 に亘って受光素子8上に到達した結像
点Pの中心とその光量重心との位置ずれ誤差が小さくな
り、測定誤差を少なくすることができる。
【0098】また、第四実施の形態の変位測定センサ1
Dについては、図24(a)に示すように、変位が基準
面Waであるときは、図20(a)に示すように、結像
点Pは受光領域8aの中央に完全な形で結像される。図
24(b)に示すように、変位がWbに上昇すると、図
20(b)に示すように、結像点Pは完全な形のまま受
光領域8aの中央からX1 方向へ移動する。図24
(c)に示すように、更に変位がWcに上昇すると、図
20(c)に示すように、結像点Pは更にX1 方向へ移
動し、受光領域8aの境界B1 に到達する。結像点Pが
境界B1 に到達すると、図20(c)に示すように、結
像点Pの受光領域8aからはみ出した部分(図中点線)
が受光素子8で検出されず、図中斜線部分のみが検出さ
れる。したがって、変位測定センサ1Aに適用した場合
と同様、境界B1 に亘って受光素子8上に到達した結像
点Pの中心とその光量重心との位置ずれ誤差が小さくな
り、測定誤差を少なくすることができる。
【0099】更に、第五実施の形態の変位測定センサ1
Eについては、図25(a)に示すように、変位が基準
面Waであるときは、図20(a)に示すように、結像
点Pは受光領域8aの中央に完全な形で結像される。図
25(b)に示すように、変位がWbに上昇すると、図
20(b)に示すように、結像点Pは完全な形のまま受
光領域8aの中央からX1 方向へ移動する。図25
(c)に示すように、更に変位がWcに上昇すると、図
20(c)に示すように、結像点Pは更にX1 方向へ移
動し、受光領域8aの境界B1 に到達する。結像点Pが
境界B1 に到達すると、図20(c)に示すように、結
像点Pの受光領域8aからはみ出した部分(図中点線)
が受光素子8で検出されず、図中斜線部分のみが検出さ
れる。したがって、変位測定センサ1Aに適用した場合
と同様、境界B1 に亘って受光素子8上に到達した結像
点Pの中心とその光量重心との位置ずれ誤差が小さくな
り、測定誤差を少なくすることができる。
【0100】また、図25(d)に示すように、変位が
基準面WaからWdに下降すると、図22(b)に示す
ように、結像点Pは完全な形のまま受光領域8aの中央
からX2 方向へ移動する。図25(e)に示すように、
更に変位がWeに下降すると、図22(c)に示すよう
に、結像点Pは更にX2 方向へ移動し、受光領域8aの
境界B2 に到達する。結像点Pが境界B2 に到達する
と、図22(c)に示すように、結像点Pの受光領域8
aからはみ出した部分(図中点線)が受光素子8で検出
されず、図中斜線部分のみが検出される。したがって、
変位測定センサ1Bに適用した場合と同様、境界B2
亘って受光素子8上に到達した結像点Pの中心とその光
量重心との位置ずれ誤差が小さくなり、測定誤差を少な
くすることができる。
【0101】なお、第三〜第五実施の形態の他の変位測
定センサ1F〜1Hについては、図示はしないが適用可
能である。
【0102】次に、第七実施の形態について説明する。
本実施の形態は、第六実施の形態の変位測定センサ1の
受光素子8の境界B1 ,B2 に亘って検出された結像点
P(図20(c)及び図22(c)参照)を信号処理す
る変位測定装置の構成である。図26に示す電気的構成
図のように、変位測定装置70は、受光素子8の出力信
号を変換処理する信号変換部71と、制御部74を有す
る。信号変換部71は不図示のケーブルを介して変位測
定センサ1と接続されている。信号変換部71は、一対
の電流電圧変換部72a,72b及びAD変換部73
a,73bとで構成されている。電流電圧変換部72
a,72bは受光素子8から出力される一対の電流信号
をそれぞれ電圧信号に増幅変換する。AD変換部73
a,73bは変換された一対の電圧信号をそれぞれデジ
タル信号に変換し、制御部74に出力する。
【0103】制御部74は、CPUと、RAM,ROM
等のメモリーと、で構成され、メモリー内に格納された
プログラムに従ってCPUに演算処理等を実行させる。
このプログラムは、信号変換部71から出力される一対
のデジタル信号に基づき測定対象Wの変位を演算する変
位演算部75と、受光領域8a上の結像点Pの位置に基
づいて受光素子8から出力される出力信号の透過光量レ
ベルを判定する光量判定部79と、で機能的に構成され
る。
【0104】変位演算部75は、一対のデジタル信号を
加算処理する加算部76と、一対のデジタル信号の差分
を算出する減算部77と、加算部76から出力される加
算信号で、減算部77から出力される減算信号を、除算
する除算部78と、で構成される。
【0105】光量判定部79には、予め所定の光量閾値
が設定されている。この光量閾値は、既知である測定対
象Wの反射率と投光部2の出力に基づいて設定される。
すなわち、予め設定された測定対象Wからの全反射光量
の約10%に設定されている。
【0106】光量判定部79は、光量閾値と結像点Pの
受光量(透過光量)とを比較し、その比較結果から結像
点Pの位置を判定する。結像点Pの受光量が光量閾値未
満となる比較結果であるときは、結像点Pが受光領域8
aの境界B1 ,B2 に交わっているか、あるいは、受光
領域8a外に移動したこととなる。一方、結像点Pの受
光量が光量閾値以上となる比較結果であるときは、結像
点Pが両境界B1 ,B 2 間の受光領域8a内に位置して
いると判定する。この時の判定信号は、除算部78に出
力され、変位測定に用いられる。
【0107】次に、この例の作用について図27のフロ
ーを用いて説明する。図20(a)及び(b),図22
(a)及び(b)に示すように、受光領域8a上に結像
点Pが完全な形で形成された場合について説明する。
【0108】まず、透過光が結像されると受光素子8で
光電変換され、一対の電流信号が出力信号として出力さ
れる。そして、信号変換部71にて一対のデジタル信号
に変換される(ST1)。
【0109】一対のデジタル信号は加算部76及び減算
部77にそれぞれ出力される。加算部76では一対のデ
ジタル信号の加算処理が実行され、加算信号が光量判定
部71へ出力される。この加算信号は変更ビームスプリ
ッタ10を透過した透過光量であり、受光素子8での受
光量である。(ST2)。
【0110】光量判定部71では、このときの加算信号
のレベルを検出し、光量閾値と比較する(ST3)。こ
のとき、加算信号レベルが光量閾値以上となり(ST3
−YES)、結像点Pが両境界B1 ,B2 間の受光領域
8a内に位置していると判定される。そして、変位演算
部75に判定信号として変位実行信号を送出する。変位
演算部75では、変位実行信号を受けると、加算部76
の加算信号と減算部77の除算信号とに基づいて、除算
部78にて除算処理を実行し、測定対象Wの変位を算出
する(ST4)。そして、不図示の表示部に演算結果が
出力表示される(ST5)。
【0111】次に、図20(c),図22(c)に示す
ように、受光領域8aの境界B1 (境界B2 )に亘って
結像点Pが形成された場合について説明する。なお、S
T1及びST2は、上述の図20(a)及び(b),図
22(a)及び(b)に示す受光領域8a上に結像点P
が完全な形で形成された場合と同様であるので省略す
る。
【0112】光量判定部71では、このときの加算信号
のレベルを検出し、光量閾値と比較する(ST3)。こ
のとき、加算信号レベルが光量閾値未満となり(ST3
−NO)、結像点Pが受光領域8aの境界B1 ,B2
交わっているか、あるいは、受光領域8a外に移動した
と判定される(加算信号レベルが0)。そして、変位演
算部75(除算部78)に判定信号として変位実行不可
信号が送出される。変位演算部75では、変位実行不可
信号を受けると、除算部78にて測定対象Wの変位を算
出する除算処理を実行しない(ST6)。そして、不図
示の表示部に演算不可の結果が出力表示される(ST
5)。
【0113】本例によれば、受光素子8に反射光が受光
されたとき、光量判定部79は、予め設定された光量閾
値と、結像点Pの受光量(透過光量)である加算信号
と、を比較する。そして、結像点Pが両境界B1 ,B2
間の受光領域8a内に位置していると判定されたときの
み測定対象Wの変位の演算処理を実行する。これによ
り、変位測定の対象となる結像点Pは、受光領域8a上
において結像点Pの中心とその光量重心が一致したも
の、即ち、両境界B1 ,B2 間の受光領域8a内に位置
するものだけとなり、測定誤差のない変位測定が可能と
なる。なお、上述では、光量閾値を通常の透過光量の1
0%としたが、これに限定されることはなく、任意の値
に設定可能である。
【0114】次に第八実施の形態について説明する。第
八実施の形態は、第六実施の形態の変位測定センサ1
に、光量調整手段10〜60に入射された測定対象Wか
らの反射光が、光量調整手段10〜60で二次反射され
る際の二次反射光を受光する二次反射光受光部81を設
けた構成である。
【0115】図25は、本実施の形態の一例であり、図
19に示す第六実施の形態の変位測定センサ1Aを基に
した図である。ここでは、光量調整手段10〜60とし
て偏光ビームスプリッタ10を例に挙げて説明する。図
25に示すように、変位測定センサ1には、偏光ビーム
スプリッタ10に入射された測定対象Wからの反射光
が、偏光ビームスプリッタ10で二次反射される際の二
次反射光を受光する二次反射光受光部81が設けられて
いる。二次反射光受光部81は、二次反射光の光路上に
設けられる。
【0116】二次反射光受光部81は、結像レンズ81
aとフォトダイオード81bで構成されている。フォト
ダイオード81bは、二次反射光を光電変換し、二次反
射光の受光量に応じた第二出力信号を出力する。
【0117】次に、この例の作用について説明する。図
28(a)に示すように、変位Waの測定対象Wから反
射されたレーザ光は、受光レンズ6を介して偏光ビーム
スプリッタ10の入射面10aに対してほぼ垂直に入射
する。そして、入射したレーザ光は、分光面10bに対
し、入射したレーザ光がすべて透過する入射角度、例え
ば45度の入射角度で入射する。このとき、照射側の直
線偏光が透過する特性を持つ分光面10bであるので、
レーザ光は分光面10bを透過する。透過したレーザ光
は、平行なまま結像レンズ7に入射される。結像レンズ
7に入射したレーザ光は、図20(a)に示すように、
受光素子8の中心に完全な形で結像される。そして、受
光素子8から受光量に対応する出力信号(第一出力信
号)が出力される。
【0118】次に、図28(b)に示すように、変位が
Wbに上昇すると、分光面10bに対する入射角が50
度となる。そして、図4の二点鎖線に示す偏光ビームス
プリッタ10の特性により、偏光ビームスプリッタ10
に入射された反射光が、分光面10bで分光される。分
光された反射成分(二次反射光)は、二次反射光受光部
81で受光され、第二出力信号として出力される。
【0119】更に、図28(c)に示すように、変位が
WbからWcに上昇するに従って、分光面10bに対す
るレーザ光の入射角が増加し、レーザ光は分光面10b
により透過光と二次反射光に分光される。透過光の透過
光量は、レーザ光の分光面10bに対する入射角が増加
するに従って減衰し、移動方向X1 方向へ移動し、結像
点Pが受光領域8aの境界B1 に到達する。一方、透過
光量が減衰するに従って、二次反射光量は増加する。
【0120】このように、測定対象Wから反射されたレ
ーザ光の全反射光量はすべて受光素子8と二次反射光受
光部81により受光されるため、受光素子8から出力さ
れる第一出力信号と二次反射光受光部81から出力され
る第二出力信号とを用いれば、レーザ光の全反射光量に
対する透過光量の割合が検出可能となる。
【0121】なお、本実施の形態は、第六実施の形態の
他の変形例についても適用可能であり、この場合は、偏
光ビームスプリッタから反射される二次反射光の光路上
に二次反射光受光部81を設ければ良い。
【0122】すなわち、第六実施の形態の変位測定セン
サ1Bにおいては、図29に示すように、二次反射光受
光部81が配置される。また、第六実施の形態の変位測
定センサ1Cにおいては、図30に示すように、二次反
射光受光部81が配置される。更に、第六実施の形態の
変位測定センサ1Dにおいては、図31に示すように、
二次反射光受光部81が配置される。また、第六実施の
形態の変位測定センサ1Eにおいては、図31及び図3
2に示すように、一対の二次反射光受光部81,81が
配置される。
【0123】次に第九実施の形態について説明する。第
九実施の形態は、図28〜図33に示すような第八実施
の形態の変位測定センサ1を用い、境界B1 ,B2 にて
検出された結像点Pを信号処理する変位測定装置80の
構成である。本実施の形態の制御部84は、第七実施の
形態の制御部74の光量判定部79に換え、透過率判定
部85を備えた構成である。なお、第七実施の形態の変
位測定装置70と同一部分には同一符号を付し、その説
明を省略する。
【0124】図34に示す電気的構成図のように、変位
測定装置80は、受光素子8の出力信号を変換処理する
信号変換部71と、制御部74を有する。信号変換部7
1は不図示のケーブルを介して変位測定センサ1と接続
されている。本実施の形態の信号変換部71は、更に、
二次反射光受光部81からの出力電流信号を変換するた
めの電流電圧変換部82及びAD変換部83が設けられ
ている。電流電圧変換部82はフォトダイオード81b
から出力される電流信号を電圧信号に増幅変換する。A
D変換部83は変換された電圧信号をデジタル信号に変
換し、制御部74に出力する。
【0125】透過率判定部85は、予め設定された透過
率閾値と、第一出力信号及び第二出力信号から得られる
反射光の透過率と、を比較し、その比較結果から結像点
Pの位置を判定する。
【0126】第一出力信号は透過光量に対応しており、
第二出力信号は二次反射光量に対応している。したがっ
て、測定対象Wからの反射光の透過率は、透過率=透過
光量/(透過光量+二次反射光量)…(1)の式で算出
される。分母の(透過光量+二次反射光量)は、測定対
象Wからの全反射光量である。
【0127】透過率判定部85には、予め所定の透過率
閾値が設定されている。この透過率閾値は、図4の二点
鎖線に示す透過光量が、反射光の入射角に追従して急激
に減衰する透過率、例えば、10%に設定されている。
透過率判定部85は、透過光量の透過率が透過率閾値
(10%)未満のときに、結像点Pが受光領域8aの境
界B1 ,B2 に交わっているか、あるいは、受光領域8
a外に移動したと判定する。一方、反射光の透過率が透
過率閾値(10%)以上となる比較結果であるときは、
結像点Pが両境界B1 ,B2 間の受光領域8a内に位置
していると判定する。この時の判定信号は、変位演算部
75に出力され変位測定に用いられる。
【0128】次に、この例の作用について、第八実施の
形態の変位測定センサ1Aを参照して、図35のフロー
を用いて説明する。まず、図28(a)に示すように、
変位Waの測定対象Wから反射されたレーザ光は、受光
レンズ6を介して偏光ビームスプリッタ10の入射面1
0aに対してほぼ垂直に入射する。そして、入射したレ
ーザ光は、分光面10bに対し、入射したレーザ光がす
べて透過する入射角度、例えば45度の入射角度で入射
し、入射レーザ光はすべて透過する。したがって、二次
反射光受光部81の受光量は0となる(ST0)。透過
光は受光素子8で受光され、図20(a)に示すよう
に、受光領域8aの中心に完全に結像点Pが形成される
(ST1)。
【0129】受光素子8から出力される一対の電流信号
は信号変換部71にてデジタル信号に変換される。一
方、二次反射光受光部81の受光量は0なので、電流電
圧変換部82及びAD変換部83では変換処理は行われ
ず、第二出力信号は出力されない。
【0130】デジタル変換された一対のデジタル信号は
変位演算部75に出力される。一対のデジタル信号は加
算部76及び減算部77にそれぞれ出力される。加算部
76では一対のデジタル信号の加算処理が実行され、加
算信号が光量判定部71へ出力される。この加算信号は
透過光量に対応する。(ST2)。
【0131】そして加算部76にて加算処理され加算信
号が第一出力信号として透過率判定部85に出力され
る。透過率判定部85では、上記(1)式により反射光
の透過率が算出される。第二出力信号は0なので、透過
率は100%となる。このときの算出透過率と、透過率
閾値と、を比較する(ST3A)。
【0132】算出透過率は100%であるため光量閾値
(10%)以上となり(ST3−YES)、結像点Pが
両境界B1 ,B2 間の受光領域8a内に位置していると
判定され、変位演算部75に判定信号として変位実行信
号を送出する。変位演算部75では、変位実行信号を受
けると、除算部78にて除算処理が実行され、測定対象
Wの変位を算出する(ST4)。そして、不図示の表示
部に演算結果が出力表示される(ST5)。
【0133】次に、変位がWaからWbに上昇した場合
について説明する。図28(b)に示すように、変位W
bの測定対象Wから反射されたレーザ光は、受光レンズ
6を介して偏光ビームスプリッタ10の分光面10bに
対し、例えば50度の入射角度で入射する。図4の二点
鎖線に示す分光特性により、入射レーザ光は透過成分
(透過光)と反射成分(二次反射光)とに分光される。
すなわち、透過光は分光面10bに45度の入射角で入
射されたときの透過光量を100%とすると約75%に
減衰する。一方、二次反射光の光量は、減衰分の約25
%である。二次反射光は二次反射光受光部81にて受光
され、受光量に応じた電流信号が出力される(ST
0)。透過光は受光素子8で受光され、図20(b)に
示すように、受光領域8a上に完全に結像点Pが形成さ
れる。そして、一対の電流信号が出力される(ST
1)。
【0134】受光素子8からの一対の電流信号及び二次
反射光受光部81から出力される電流信号は、ともに信
号変換部71にて変換処理される。受光素子8からの一
対の電流信号は一対のデジタル信号として変位演算部7
5に出力される。一方、二次反射光受光部81から出力
される電流信号はデジタル変換され、第二出力信号とし
て透過率判定部85に出力される(ST2)。
【0135】デジタル変換された一対のデジタル信号は
変位演算部75に出力される。一対のデジタル信号は加
算部76及び減算部77にそれぞれ出力される。加算部
76では一対のデジタル信号の加算処理が実行され、受
光素子8からの一対のデジタル信号は加算部76にて加
算処理される。この加算信号は透過光量に対応する第一
出力信号である(ST2)。
【0136】透過率判定部85では、第一出力信号と第
二出力信号とに基づき、反射光の透過率を算出する。す
なわち、上記(1)式に基づき、第一出力信号(透過光
量)を、第一出力信号と第二出力信号(二次反射光量)
を加算した値で、除算する。このときの算出透過率と、
透過率閾値と、を比較する(ST3A)。このとき、算
出透過率は約75%なので光量閾値(10%)以上とな
り(ST3−YES)、結像点Pが両境界B1 ,B2
の受光領域8a内に位置していると判定され、変位演算
部75に判定信号として変位実行信号を送出する。変位
演算部75では、変位実行信号を受けると、除算部78
により、測定対象Wの変位を算出する(ST4)。そし
て、不図示の表示部に演算結果が出力表示される(ST
5)。
【0137】次に、図28(c),図20(c)に示す
ように、変位がWcに上昇した場合について説明する。
図28(c)に示すように、変位Wcの測定対象Wから
反射されたレーザ光は、受光レンズ6を介して偏光ビー
ムスプリッタ10の分光面10bに対し、例えば55度
の入射角度で入射する。図4の二点鎖線に示す分光特性
により、入射レーザ光は透過成分(透過光)と反射成分
(二次反射光)とに分光される。すなわち、透過光は分
光面10bに45度の入射角で入射されたときの透過光
量を100%とすると約5%にまで急激に減衰する。一
方、二次反射光の光量は、減衰分の約95%である。二
次反射光は二次反射光受光部81にて受光され、受光量
に応じた電流信号が出力される(ST0)。透過光は受
光素子8で受光され、図20(c)に示すように、受光
領域8aの境界B1 から外側部分が切り取られた結像点
Pが受光領域8aの境界B1 の内側に形成される。そし
て、一対の電流信号が出力される(ST1)。
【0138】受光素子8からの一対の電流信号及び二次
反射光受光部81から出力される電流信号は、ともに信
号変換部71にて変換処理される。受光素子8からの一
対の電流信号は一対のデジタル信号として変位演算部7
5に出力される。一方、二次反射光受光部81から出力
される電流信号はデジタル変換され、第二出力信号とし
て透過率判定部85に出力される。
【0139】一対のデジタル信号は加算部76及び減算
部77にそれぞれ出力される。受光素子8からの一対の
デジタル信号は加算部76にて加算処理される。この加
算信号は透過光量に対応する第一出力信号である(ST
2)。
【0140】透過率判定部85では、第一出力信号と第
二出力信号とに基づき、反射光の透過率を算出する。す
なわち、上記(1)式に基づき、第一出力信号(透過光
量)を、第一出力信号と第二出力信号(二次反射光量)
を加算した値で、除算する。このときの算出透過率と、
透過率閾値と、を比較する(ST3A)。
【0141】このとき、算出透過率は約5%なので光量
閾値(10%)未満となり(ST3−NO)、結像点P
が受光領域8aの境界B1 に交わっているか、あるい
は、受光領域8a外に移動したと判定され、変位演算部
75に判定信号として変位実行不可信号を送出する。変
位演算部75では、変位実行不可信号を受けると、測定
対象Wの変位を算出処理を実行しない(ST6)。そし
て不図示の表示部に演算不可の結果が出力表示される
(ST5)。
【0142】これにより、変位測定の対象となる結像点
Pは、受光領域8a上において結像点Pの中心とその光
量重心が一致したもの、即ち、両境界B1 ,B2 間の受
光領域8a内に位置するものだけとなり、測定誤差のな
い変位測定が可能となる。換言すれば、結像点Pが受光
領域8aの境界B1 ,B2 に交わっているか、あるい
は、受光領域8a外に移動したと判定されたときは、変
位測定処理から除外することができる。特に、反射光の
透過率は、反射光の全光量に対する透過光量の割合とな
るため、反射率が異なる測定対象Wであっても、偏光ビ
ームスプリッタ10による反射光の減衰状態及び結像点
Pの位置を把握できることとなる。なお、上述では、光
量閾値を全透過光量の10%としたが、これに限定され
ることはなく、任意の値に設定可能である。
【0143】なお、本実施の形態では、図28に示す第
八実施の形態の変位測定センサ1Aを例に挙げて説明し
たが、図29〜図33に示す第八実施の形態の他の変位
測定センサ1B〜1Eについても適用可能である。した
がって、境界B2 側についても同様の効果を得ることが
できる。
【0144】
【発明の効果】以上説明したように本発明による変位測
定センサでは、結像点の光量を減衰させることにより、
光量重心との位置ずれが生じる場合は、誤差の影響を最
小限にし、受光領域内でのみ結像点と光量重心との位置
を一致させ、変位測定の測定の信頼性向上を図ることが
可能となる。特に、受光領域の境界に到達するまでに、
結像点の光量を減衰させることにより、受光領域内の結
像点をすべて光量重心との位置を一致させることがで
き、更に、変位測定の測定の信頼性向上を図ることが可
能となる。
【0145】また、受光レンズと結像レンズとの間に光
量調整手段を設けることにより、光量調整手段に平行な
測定光が入射され、反射光分布内すべてが光量調整手段
に対し同じ入射角となるため、結像されるビーム径の重
心をずらすことなく、光量制御の容易化を図ることが可
能となる。
【0146】更に、電気的処理により両境界間の受光領
域内の結像点のみを測定処理の対象とすることにより、
受光領域上で検出される結像点はその中心と光量重心が
一致したものだけとなり、測定誤差のない高精度な変位
測定を図ることが可能となる。特に、測定対象Wの反射
光の透過率を基準にして結像点の位置を判定することに
より、反射率の異なる測定対象Wにも適用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第一実施の形態の変位測定センサ
を示す概略側面図である。
【図2】本発明による第一実施の形態の変位測定センサ
の受光部における測定光の光路を示す概略側面図であ
る。
【図3】本発明による第一実施の形態及び第三実施の形
態並びに第五実施の形態のにおける変位測定センサの受
光素子における測定光の受光状態及びこれに対応する光
量を示す図である。
【図4】偏光ビームスプリッタに入射されるレーザ光の
入射角度に対する透過光の減衰特性を示す図である。
【図5】本発明による第二実施の形態の変位測定センサ
を示す概略側面図である。
【図6】本発明による第二実施の形態の変位測定センサ
の受光部における測定光の光路を示す概略側面図であ
る。
【図7】本発明による第二及び第三実施の形態並びに第
五実施の形態における変位測定センサの受光素子におけ
る測定光の受光状態及びこれに対応する光量を示す図で
ある。
【図8】第三及び第四実施の形態における変形例の偏光
ビームスプリッタに入射される測定光の入射角度に対す
る透過光の減衰特性を示す図である。
【図9】本発明による第三実施の形態の変位測定センサ
の受光部における測定光の光路を示す概略側面図であ
る。
【図10】本発明による第四実施の形態の変位測定セン
サの受光部における測定光の光路を示す概略側面図であ
る。
【図11】本発明による第五実施の形態の変位測定セン
サを示す概略側面図である。
【図12】本発明による第五実施の形態の変位測定セン
サの受光部における測定光の光路を示す概略側面図であ
る。
【図13】本発明による第五実施の形態の変位測定セン
サの変形例を示す概略側面図である。
【図14】投光部の変形例を示す概略側面図である。
【図15】本発明による第一及び第三実施の形態の変位
測定センサの偏光ビームスプリッタを、板状偏光ビーム
スプリッタ又は板状素子にした例を示す概略側面図であ
る。
【図16】本発明による第二及び第四実施の形態の変位
測定センサの偏光ビームスプリッタを、板状偏光ビーム
スプリッタ又は板状素子にした例を示す概略側面図であ
る。
【図17】本発明による第五実施の形態の変位測定セン
サの偏光ビームスプリッタを、板状偏光ビームスプリッ
タ又は板状素子にした例を示す概略側面図である。
【図18】本発明による第六実施の形態の変位測定セン
サの受光素子における測定光の受光状態及びこれに対応
する光量を示す図である。
【図19】本発明による第六実施の形態の変位測定セン
サ1Aの受光部における測定光の光路を示す概略側面図
である。
【図20】本発明による第六実施の形態における変位測
定センサ1A,1D,1Eの受光素子における測定光の
受光状態及びこれに対応する光量を示す図である。
【図21】本発明による第六実施の形態の変位測定セン
サ1Bの受光部における測定光の光路を示す概略側面図
である。
【図22】本発明による第六実施の形態の変位測定セン
サ1B,1C,1Eの受光素子における測定光の受光状
態及びこれに対応する光量を示す図である。
【図23】本発明による第六実施の形態の変位測定セン
サ1Cの受光部における測定光の光路を示す概略側面図
である。
【図24】本発明による第六実施の形態の変位測定セン
サ1Dの受光部における測定光の光路を示す概略側面図
である。
【図25】本発明による第六実施の形態の変位測定セン
サ1Eの受光部における測定光の光路を示す概略側面図
である。
【図26】本発明による第七実施の形態の変位測定装置
の電気的構成を示す概略機能ブロック図である。
【図27】本発明による第七実施の形態の変位測定装置
のフローチャートである。
【図28】本発明による第八実施の形態の変位測定セン
サ1Aの受光部における測定光の光路を示す概略側面図
である。
【図29】本発明による第八実施の形態の変位測定セン
サ1Bの受光部における測定光の光路を示す概略側面図
である。
【図30】本発明による第八実施の形態の変位測定セン
サ1Cの受光部における測定光の光路を示す概略側面図
である。
【図31】本発明による第八実施の形態の変位測定セン
サ1Dの受光部における測定光の光路を示す概略側面図
である。
【図32】本発明による第八実施の形態の変位測定セン
サ1Eの受光部における測定光の光路を示す概略側面図
である。
【図33】本発明による第八実施の形態の変位測定セン
サ1Eの受光部における測定光の光路を示す概略側面図
である。
【図34】本発明による第九実施の形態の変位測定装置
の電気的構成を示す概略機能ブロック図である。
【図35】本発明による第九実施の形態の変位測定装置
のフローチャートである。
【図36】従来の変位測定装置の概略側面図である。
【図37】従来の変位測定装置の受光素子における測定
光の受光状態及びこれに対応する光量を示す図である。
【符号の説明】
1(1A〜1H)…変位測定センサ 2…投光部 3…レーザ光源 4…投光レンズ 5…受光部 6…受光レンズ 7…結像レンズ 8…受光素子(PSD) 8a…受光領域 10〜40…偏光(又は無偏光)ビームスプリッタ 50,60…板状の分光素子,10b〜60b…分光面 70…変位測定装置 75…変位演算部 79…光量判定部 81…二次反射光受光部, 85…透過率判定部 B(B1 ,B2 )…受光領域の境界 P…結像点 X(X1 ,X2 )…結像点の移動方向 Y…光軸 W…測定対象

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象(W)に測定光を照射する投光
    部(2)と、 受光領域(8a)を有する受光素子(8)と、前記反射
    光を前記受光領域上に結像点(P)として形成させる結
    像レンズ(7)と、前記反射光を集光し平行にして前記
    結像レンズへ出射する受光レンズ(6)と、を含む受光
    部(5)と、を備え、 前記測定対象の変位に応じた前記反射光の光路変化に伴
    って前記受光領域上を移動する前記結像点の位置から、
    前記測定対象の変位を非接触で測定するための変位測定
    センサであって、 前記受光レンズと前記結像レンズ間に設けられ、前記測
    定対象の変位に応じて変化する前記反射光の入射角に追
    随して前記反射光の透過光量を変動させ、前記結像点が
    その移動方向(X1 ,X2 )側の前記受光領域の境界
    (B1 ,B2 )に接近するに従い、前記透過光量を減衰
    させる光量調整手段(10,20)を具備することを特
    徴とする変位測定センサ。
  2. 【請求項2】 前記光量調整手段は、更に、前記受光領
    域の境界(B1 ,B 2 )で前記透過光量を0に収束させ
    るように構成されることを特徴とする請求項1記載の変
    位測定センサ。
  3. 【請求項3】 更に、前記光量調整手段に入射された前
    記反射光のうち前記光量調整手段で反射される二次反射
    光を受光し、該二次反射光の受光量を出力する二次反射
    光受光部(81)を具備することを特徴とする請求項1
    記載の変位測定センサ。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の変位測定センサの
    前記受光素子から前記受光領域上の前記結像点の位置に
    基づいて出力される出力信号に基づき、前記測定対象の
    変位を演算する変位演算部(75)と、 予め設定された光量閾値と前記結像点の受光量とを比較
    し、その比較結果から前記結像点の位置を判定する光量
    判定部(79)と、を具備し、 前記変位演算部は、前記透過光量が前記光量閾値以上と
    判定された場合のみ、前記結像点が前記両境界間の受光
    領域内に位置するものとして、前記測定対象の変位の演
    算処理を実行することを特徴とする変位測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の変位測定センサの前記受
    光素子から前記受光領域上の前記結像点の位置に基づい
    て出力される第一出力信号に基づき、前記測定対象の変
    位を演算する変位演算部(75)と、 予め設定された透過率閾値と、前記第一出力信号及び前
    記二次反射光受光部より前記二次反射光の受光量として
    出力される第二出力信号から得られる前記反射光の透過
    率と、を比較し、その比較結果から前記結像点の位置を
    判定する透過率判定部(85)と、を具備し、 前記変位演算部は、前記透過率が前記透過率閾値以上と
    判定された場合のみ、前記結像点が前記両境界間の受光
    領域内に位置するものとして、前記測定対象の変位の演
    算処理を実行することを特徴とする変位測定装置。
JP2001171476A 2001-06-06 2001-06-06 変位測定センサ及び変位測定装置 Pending JP2002365015A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001171476A JP2002365015A (ja) 2001-06-06 2001-06-06 変位測定センサ及び変位測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001171476A JP2002365015A (ja) 2001-06-06 2001-06-06 変位測定センサ及び変位測定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002365015A true JP2002365015A (ja) 2002-12-18

Family

ID=19013243

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001171476A Pending JP2002365015A (ja) 2001-06-06 2001-06-06 変位測定センサ及び変位測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002365015A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006084331A (ja) * 2004-09-16 2006-03-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd ポリゴンミラーモータの偏心測定装置
JP2008309532A (ja) * 2007-06-13 2008-12-25 Lasertec Corp 3次元測定装置及び検査装置
CN108716887A (zh) * 2018-05-18 2018-10-30 北方民族大学 差分式位移传感器及其测量方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006084331A (ja) * 2004-09-16 2006-03-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd ポリゴンミラーモータの偏心測定装置
JP2008309532A (ja) * 2007-06-13 2008-12-25 Lasertec Corp 3次元測定装置及び検査装置
CN108716887A (zh) * 2018-05-18 2018-10-30 北方民族大学 差分式位移传感器及其测量方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6724490B2 (en) Image capturing apparatus and distance measuring method
US6226076B1 (en) Distance measuring apparatus using pulse light
CN105277125B (zh) 一种测量倾角和位移的系统及方法
CA2025887C (en) Optical gauging apparatus
JPH04115108A (ja) 三次元スキャナ
US6133988A (en) Device for the measurement of distances or of the angle of incidence of a light beam
JP2005045164A (ja) 自動焦点合わせ装置
WO2022048311A1 (zh) 测距装置、测距方法、摄像头及电子设备
CN113465520A (zh) 实现透明材料厚度和倾斜角度测量的系统及方法
JP2017519222A (ja) ビーム誘導光学系から誘導される光線を分析するためのシステム及び方法
KR20150014370A (ko) 고강도의 광빔을 측정하는 시스템 및 방법
JP2002365015A (ja) 変位測定センサ及び変位測定装置
CN115774262B (zh) 盖玻片厚度检测设备、方法、电子设备及存储介质
US6166810A (en) Method and apparatus for determining distance
JP2008249521A (ja) 光学特性測定装置、光学特性測定方法
CN110530514A (zh) 一种降低平衡零拍探测系统光学损耗的装置及方法
KR20140014466A (ko) 디지털 광학 기술을 이용한 두께 측정 장치 및 방법
JP3285769B2 (ja) 屈折率測定方法及びその装置
CN113340424B (zh) 偏振光性能的检测装置及检测方法
TW201018540A (en) Method of focus and automatic focusing apparatus and detecting module thereof
WO2016002443A1 (ja) 距離測定装置および方法
CN106908386B (zh) 光学拾取装置
JPH0560557A (ja) 光学式微小変位測定方法及び装置
JPH11264928A (ja) 合焦装置
RU2422790C1 (ru) Способ измерения коэффициента пропускания объективов