JP2002362480A - 船首用保護装置 - Google Patents

船首用保護装置

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JP2002362480A
JP2002362480A JP2001165698A JP2001165698A JP2002362480A JP 2002362480 A JP2002362480 A JP 2002362480A JP 2001165698 A JP2001165698 A JP 2001165698A JP 2001165698 A JP2001165698 A JP 2001165698A JP 2002362480 A JP2002362480 A JP 2002362480A
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JP
Japan
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bow
protective
belt
hull
front surface
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JP2001165698A
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English (en)
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Hiroshi Fukuyama
拓 福山
Noboru Kawasaki
昇 川崎
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 船首部前面に対してその湾曲形状や傾斜に合
わせて容易に取付けることができ、しかも大きい保護面
積を確保でき、接岸時や接舷時の衝撃吸収および裂傷防
止を確実になし得る船首用保護装置を得る。 【解決手段】 合成樹脂発泡体よりなる芯材7が、ゴム
被覆シートよりなる外皮8により包被され、それぞれ平
面より見て船首部前面に略対応する湾曲形状をなし、上
下に重ね合わされて船首部前面に取付けられる複数の保
護材1〜6と、複数の保護材1〜6を船首部前面の傾斜
に略対応するように位置をずらせて上下に重ね合わせた
状態で全体を結束し一体化する結束用のベルト10と、
結束した複数の各保護材を船首部前面に当接させるよう
に船体に取付ける取付ベルト15、16を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種船体の船首側
からの接岸あるいは接舷時の衝撃吸収および船体の裂傷
防止のための船首用保護装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来よ
り、船体の接岸時あるいは他船への接舷時の衝撃を吸収
し船体の裂傷を防止するための保護材として、舷側等の
船体外周に所謂防舷材が取付けられている。この防舷材
としては、一般に合成ゴム等のゴム系素材より所要のブ
ロック状に加硫成形された成形品よりなるもの、あるい
は車両用のゴムタイヤを利用したもの、さらには肉厚の
大きいゴムシートからなる中空体の内部にポリウレタン
系の発泡体を充填して封入したもの等が知られている。
【0003】ところで、船首部前面は、左右両舷同士が
連接されて、上端部では比較的大きい曲率半径の湾曲形
状をなすとともに、下方に向かって漸次湾曲形状の曲率
半径が小さくなり、かつ内方側へ傾斜した独特な形状を
なしている。
【0004】しかしながら、既存の防舷材は、基本的に
は船体左右の舷側を保護するように比較的単純な立方体
形状をなしているため、船首部前面を保護する場合に
は、複数の防舷材を個々に船体に取付ける必要があり、
その取付けに面倒な作業を要するものであった。
【0005】殊に、前記既存の防舷材は、いずれも製造
上においてはゴム系素材の成形を要し、コスト高である
上、単位面積当たりの重量が重くて取扱い難く、輸送お
よび船体への取付け作業も容易ではない。また、重量が
大きくなればなるほど、船の航行に影響を与えることも
あって、あまり大きいものを取付けることができず、保
護面積が比較的小さいものであり、耐久性はあっても、
船首部前面の保護装置としては満足できるものではな
い。
【0006】本発明は、上記に鑑みてなしたものであ
り、軽量で取扱い易く、船体の船首部前面に対してその
湾曲形状や傾斜に合わせて当接状態に容易に安定性よく
取付けることができ、しかも従来よりも大きい保護面積
を確保でき、船首側からの接岸時や接舷時の船体の衝撃
吸収および船体の裂傷防止を確実になし得る船首用保護
装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の船首用保護装置
は、弾力性を有する合成樹脂発泡体よりなる芯材が外皮
により包被され、それぞれ平面より見て船首部前面に略
対応する湾曲形状をなし、上下に重ね合わされて船首部
前面に取付けられる複数の保護材と、前記複数の保護材
を船首部前面の傾斜に略対応するように位置をずらせて
上下に重ね合わせた状態で全体を結束し一体化する結束
手段と、結束した複数の各保護材を船首部前面に当接さ
せるように船体に取付ける取付手段と、を備えてなるこ
とを特徴とする。
【0008】この船首用保護装置によれば、これを構成
する複数の保護材を結束し一体化した状態で船首部前面
に沿って容易に取付けることができる。特に、前記各保
護材は、外皮により包被したものよりなるので、従来の
ゴム系素材の成形品よりなるものに比して大幅に軽量化
できる。すなわち、この保護材の複数を結束して保護装
置全体を大型のものにしても、重量はそれほど重くなら
ず、船首部前面に対して容易に取り付けることができ
る。またそのため、船の航行に影響を与えることなく大
型化できて、大きい保護面積を確保できることになる。
【0009】しかも、前記各保護材は、船首部前面に略
対応した湾曲形状をなすとともに、船首部前面の傾斜に
略対応するように位置をずらせて結束しているので、下
方に向かって湾曲形状が漸次変化しかつ内方側へ傾斜し
た独特な形状をなす船首部前面に対し、各保護材を具合
よく当接させて取り付けることができる。さらに、船体
によって船首部前面の湾曲形状や傾斜形状が少々変化し
ても、前記各保護材の重ね合わせ形状を変えることによ
り容易に対応できる。
【0010】また、前記各保護材の芯材である合成樹脂
発泡体の弾力性により、接岸時あるいは他船への接舷時
の緩衝性も高めることができる。
【0011】前記各保護材は、それぞれ外皮が断面略四
角形でかつ船首部前面の形状に略対応した湾曲形状をな
して延びる角筒袋状に形成され、この外皮の内部に、弾
力性のある合成樹脂発泡体の板体が幅方向に並列して外
皮の湾曲形状に沿うように装入されてなるものが好まし
い。これにより、各保護材が船首部前面の形状に略対応
した湾曲形状をなすものであっても、また保護材の上下
方向の厚み寸法より、幅方向寸法が大きいものであって
も、芯材としては合成樹脂発泡体の通常の板体を使用し
て、これを前記外皮内に装入することにより湾曲状態に
保持でき、容易にかつコスト安価に製造できる。
【0012】前記結束手段は、合成繊維製のベルトであ
って、左右長さ方向に間隔をおいて複数個所で各保護材
の前面に有するベルト挿通部を通して全体を巻いて結束
するように設けられてなるものとすることができる。こ
れにより、各保護材を確実に結束一体化でき、結束操作
も容易に行える。
【0013】前記取付手段としては、左右長さ方向の所
要の個所で少なくとも最上層の保護材に取着されて船体
の一部に連結される複数本の取付ベルトと、各保護材の
左右両端部から側方に延びる取付ベルトとを設けたもの
が、実施上好ましい。
【0014】すなわち、各保護材の両端部より延びる取
付ベルトを引張して船体の一部に連結固定することによ
り、上下に位置をずらせて結束した各保護材を、ずらせ
た形を保ったままでそれぞれ船首部前面に対し容易に当
接させることができるとともに、少なくとも最上層の保
護材に取着した取付ベルトを船体の一部に連結固定する
ことにより、中央部等の垂れ下がりを防止でき、所定の
取付状態を良好に保持できる。
【0015】前記の保護装置において、少なくとも一つ
の保護材の中央部前面に外皮を保護するプロテクターが
装着されてなるものが好ましく、これにより、接岸時や
接舷時の衝突等による各保護材の外皮の損傷、劣化を防
止でき、耐久性を高めることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
示す実施例に基づいて説明する。
【0017】図1は本発明に係る船首用保護装置全体の
概略を示す斜視図、図2は同保護装置における最上層の
保護材とその下層の保護材とを分離して示す一部を欠截
した斜視図、図3は同保護装置全体の正面図、図4は同
保護装置全体の平面図、図5は前図のX−X線の断面
図、図6は結束部分での一部の拡大断面図である。図示
する実施例の船首用保護装置(A)は、6個の保護材
(1)(2)(3)(4)(5)(6)を上下に重ね合
わせた場合を示している。
【0018】各保護材(1)〜(6)は、それぞれ適度
に弾力性を有する合成樹脂発泡体よりなる芯材(7)を
外皮(8)により包被してなる。外皮は強度のある合成
樹脂のシートや合成繊維の布地等でも使用可能である
が、合成繊維の編織布、帆布等の基布を塩化ビニル樹脂
やゴムで被覆したシートよりなる外皮が好ましい。特に
合成繊維の織布をゴムで被覆したゴム被覆シートが強
度、耐久性の点で好ましい。合成繊維としては、ポリエ
ステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ナイロン等から
なる織布にスチレンブタジエンゴムやエチレンプロピレ
ンターポリマー等を被覆したものがよい。ゴム被覆シー
トの外皮(8)は、被覆層のゴムの特性として柔軟性も
あって、かつ基布の特性として引き裂きにも強く、内部
の合成樹脂発泡体の芯材(7)を良好に保護できる。
【0019】これらの保護材(1)〜(6)は、断面が
横長の略四角形、例えば、上下方向の厚み寸法(T)
(断面の縦寸法)が約100〜150mm、横幅寸法
(W)が300mm前後の断面略四角形で、それぞれ平
面より見て船体(B)の船首部(b1)の前面(b2)
に略対応する湾曲形状をなしている。
【0020】特に、船体(B)の船首部前面(b2)
は、上端部では比較的大きい曲率半径の湾曲形状をなす
とともに、下方に向かって漸次湾曲形状の曲率半径が小
さくなり、かつ内方側へ傾斜した独特な形状をなしてい
るので、前記各保護材(1)〜(6)は、上下に重ね合
わされて船首部前面(b2)に取付けられた状態におい
て、それぞれが当接する位置の船首部前面(b2)の形
状に略対応するように、図のように上層のものから順次
段階的に曲率半径を小さくした湾曲形状をなすように形
成されている。図の場合、最上層の保護材(1)と第2
層の保護材(2)は、同じ曲率半径の湾曲形状をなし、
それより下方の保護材(3)〜(6)の湾曲形状を段階
的に変化させている。
【0021】なお、前記の厚み寸法(T)は、必ずしも
全ての保護材(1)〜(6)を同じにする必要はなく、
例えば最上層の保護材(1)の厚みを他のものより厚く
しておくことができる。
【0022】前記の各保護材(1)〜(6)のそれぞれ
の外皮(8)は、前記のゴム被覆シートを用いて、断面
が横長の略四角形でかつ船首部前面の形状に略対応した
前記湾曲形状をなして延びる角筒袋状に縫製され、この
袋状の外皮(8)の内部に前記合成樹脂発泡体の芯材
(7)を装入することにより、湾曲形状を保持するよう
に形成される。前記の編織布を基布とするゴム被覆シー
トは、引き裂き強度に優れているので縫製が可能であ
り、前記袋状に形成するのは容易である。この際、湾曲
形状の内縁側等の一部を縫製せずに開口させておき、該
開口部から前記芯材(7)を装入した後で縫合し閉塞す
ればよく、容易に包被できる。なお、前記の縫製には強
靱で海水に強いポリエステル系樹脂等の合成繊維糸が用
いられる。特にポリエチレンテレフタレート系合成繊維
がよい。後述の各ベルトの縫着にも同様の糸が使用され
る。
【0023】前記合成樹脂発泡体の芯材(7)として
は、ポリエチレン樹脂及びエチレンを主体とする共重合
体等のポリエチレン系樹脂の発泡体、中でも押出し発泡
成形による発泡体が好適に用いられる。このほか、ポリ
プロピレン系樹脂およびオレフィンを主体とする共重合
体等のポリオレフィン系樹脂の発泡体、その他の適度の
弾力性を有する合成樹脂発泡体を用いることもできる。
これらの合成樹脂発泡体の発泡倍率は、素材の種類や弾
力性に応じて適宜設定でき、ポリエチレン系樹脂の発泡
体の場合、通常5〜30倍、より好ましくは10〜20
倍程度のものが用いられる。
【0024】この合成樹脂発泡体の芯材(7)は、前記
湾曲形の角筒袋状に形成された外皮(8)に対応する形
状に成形しあるいはカットして形成した一体もの、ある
いは左右長さ方向で複数に分割形成した発泡体でもよい
が、実施上は、図示する実施例のように、前記の断面横
長四角形の外皮(8)の上下方向の厚み寸法(T)に相
当する幅、例えば100〜150mmの幅で、所要の厚
みに50mm程度の平板状に押出し発泡成形した所要長
さの前記合成樹脂発泡体の板体(7a)を用い、この板
体(7a)を、素材の持つ弾力性を利用して前記外皮
(8)の前面や背面の湾曲形状に沿うように湾曲させ、
かつ前記外皮(8)の幅方向に層状に並列させて装入す
ることにより、湾曲状態を保持するようにするのが好ま
しい。これにより、保護材(1)〜(6)が船首部前面
(b2)の形状に略対応した湾曲形状をなすものであっ
ても、また保護材(1)〜(6)の幅方向寸法(W)が
上下方向の厚み寸法(T)より大きいものであっても、
芯材(7)としては前記の押出し発泡成形して所要の長
さにカットした平板状の発泡体を使用でき、コスト安価
に製造できることになる。
【0025】前記のように構成される各保護材(1)〜
(6)は、図に示すように前記船首部前面(b2)の傾
斜に略対応するように位置をずらせて上下に重ね合わさ
れた状態で、これら全体が結束手段により結束一体化さ
れて使用される。
【0026】前記のように各保護材(1)〜(6)を位
置をずらせて重ね合わせる際の位置合わせのために、各
保護材(1)〜(6)の上下に相対接する接合面には、
互いに係合自在な絡合パイル面と絡合針面とからなる対
をなす面ファスナー(9a)(9b)が設けられてい
る。例えば、図2のように最上層の保護材(1)の下面
と、第2層の保護材(2)の上面には、左右両側部にそ
れぞれ前記面ファスナー(9a)(9b)が相対向外皮
(8)に縫着されて設けられている。この面ファスナー
(9a)(9b)の大きさ、付設位置は任意に設定でき
る。詳しい説明は省略するが、他の各層の保護材(2)
〜(6)間の接合面にも、前記と同様に面ファスナー
(9a)(9b)が設けられる。
【0027】これにより、各保護材(1)〜(6)を位
置をずらせて重ね合わせる際、各保護材(1)〜(6)
を前記面ファスナー(9a)(9b)同士の係合によ
り、船首部前面(b2)の傾斜に応じた所定のずらし寸
法に位置合わせして仮接合でき、所定の重ね合わせ状態
を保持して結束でき、結束作業を容易に行える。
【0028】前記の結束手段としては、ロープや合成樹
脂製バンド等を使用することも可能であるが、図示する
実施例の場合は、ナイロンやポリエステル等の合成繊維
製の編織物よりなるベルト、特に可撓性があって強靱性
を有するベルト(10)が用いられる。このベルト(1
0)は、湾曲形状の保護材の左右長さ方向に間隔をおい
て複数個所、例えば図のように左右両側部それぞれ2個
所において、各保護材(1)〜(6)の前面に有するベ
ルト挿通部(11)を通して巻きつけることにより、前
記の重ね合わせ状態の保護材の全体を結束するように設
けられる。
【0029】前記のベルト(10)は、前記の結束の際
に両端部同士が結合される。この結合手段として、図の
ようにベルト両端部にリング状連結部材(12)を取着
しておき、該連結部材(12)を通してビニロン製等の
ベルトロープ(13)により結合することができる。こ
のほか、係合自在なベルト用バックルを利用して結合す
ることもできる。
【0030】このようなベルト(10)を用い、重ね合
わせた各保護材(1)〜(6)の前面に有するベルト挿
通部(11)を通して保護材全体を巻くようにして、背
面側で両端部同士を結合することにより、各保護材
(1)〜(6)を容易にかつ体裁よく結束できる。
【0031】前記各保護材(1)〜(6)のベルト挿通
部(11)は、前記ベルト(10)と同素材よりなるベ
ルト部材(14)が該保護材前面に縫着されることによ
り形成される。図の場合、前記ベルト部材(14)を、
保護材前面の長さ方向の略全長に亘って前記ベルト挿通
部(11)に相当する個所を除いて外皮(8)に縫着
し、前記非縫着部を該ベルト部材(14)と外皮(8)
との間を上下方向に開口させることにより、ベルト挿通
部(11)として形成している。
【0032】前記のように結束し一体化した防護材
(1)〜(6)には、これを船体(B)の船首部(b
1)の前面(b2)に取付けるための取付手段が設けら
れる。この取付手段として、ロープ等を利用することも
できるが、図示する実施例の場合、各保護材(1)〜
(6)には、それぞれ左右両端部の前面に結合されて側
方に延びる取付ベルト(15)が設けられるとともに、
最上層の保護材(1)の左右長さ方向の所要の個所、例
えば中央部に少なくとも一つ(好ましくは図のように2
〜4本)の取付ベルト(16)が取着されており、それ
ぞれ船体(B)の一部に、例えば甲板上に突設された枠
金具(17)や取付用金具(18)等に連結固定できる
ように設けられている。
【0033】前記両端部の取付ベルト(15)および中
央部の取付ベルト(16)は、前記結束用のベルト(1
0)と同様に、ナイロンやポリエステル等の合成繊維製
で、可撓性があってかつ高い抗張力を有するベルトから
なり、それぞれ外皮(8)に縫着手段により取着されて
いる。図の場合、両端部の取付ベルト(15)は、前記
ベルト部材(14)の端部にベルト金具(19)を介し
て連結されている。もちろん、この取付ベルト(15)
を直接保護材(1)〜(6)の外皮(8)に縫着してお
くことも、また前記ベルト部材(14)の両端部を側方
に延長して一体に設けることもできる。
【0034】前記各保護材(1)〜(6)の左右両端部
の各取付ベルト(15)は、これを船体(B)の一部に
連結固定する手段として、図のように各ベルト端部が左
右それぞれ一つのリング部材(20)に結合されるとと
もに、該リング部材(20)に連結された締付け用のベ
ルト(21)により、一つにまとめた状態で甲板上の取
付用金具(18)等に連結固定できるように設けられて
いる。これにより、各取付ベルト(15)の連結固定操
作を容易に行える。前記の締付け用のベルト(21)
は、ベルト締め付け治具で適宜締め付け、かつ増締めで
きるように構成されたものよりなる。
【0035】また、前記中央部の取付ベルト(16)
は、ベルト止め具として周知のベルトバックル(22)
が取付られており、該バックル(22)により甲板上の
枠金具(17)等に回して係止した状態で固定できるよ
うになっている。
【0036】前記取付ベルト(15)(16)の船体一
部に対する連結固定手段としては、他の連結治具や手段
を利用することも可能である。
【0037】なお、取付ベルト(16)は、下層の保護
材、例えば最下層の保護材(6)に取着しておき、前面
を回して甲板上の枠金具(17)等に連結固定するよう
に設けることも可能であるが、船首側からの他船等への
衝突によって破断するおそれがあるので、実施上は前記
のように最上層の保護材(1)に取着しておくのが好ま
しい。
【0038】前記の各保護材(1)〜(6)のうちの少
なくとも一つ、好ましくは最上層の保護材(1)を含む
上層側の複数の保護材、例えば図のように上層側の三つ
の保護材(1)〜(3)の中央部の前面には、他船等へ
の衝突時における外皮(8)の損傷等を防止し保護する
ためのプロテクター(23)が装着されている。このプ
ロテクター(23)としては、強度のある合成樹脂材、
好ましくは耐摩耗性に優れる超高分子量ポリエチレンが
使用され、厚み15mm程度の板状に形成されたものよ
りなる。このプロテクター(23)は、図7に示すよう
に、外皮(8)の内側にステンレスや合成樹脂等の補強
板(24)を配して、該補強板(24)との間に外皮
(8)を挟んでボルト等の締結手段(25)により固定
する。
【0039】なお、保護装置(A)として重ね合わせる
保護材の数は、船体の大きさや保護材の寸法等に応じて
任意に設定できるが、通常は3〜8個、好ましくは4〜
6個を組み合わせて使用する。また、各保護材の上下方
向の厚み寸法(T)や横幅寸法(W)及び長さ寸法につ
いても、船体の大きさや船首部前面の形状および保護範
囲等に応じて適宜設定できる。
【0040】上記のように構成された船首用保護装置
(A)は、図8〜図10に示すように、複数の保護材
(1)〜(6)を重ね合わせて結束用のベルト(10)
により結束し一体化した状態で、船首部(b1)の前面
(b2)に装着して使用する。
【0041】この際、各保護材(1)〜(6)の両端部
から延びる取付ベルト(15)を船体(B)の舷側に沿
って引張し、締付け用のベルト(21)を介して甲板上
の取付用金具(18)等に連結固定することにより、船
首部前面(b2)の傾斜に略対応するように位置をずら
せて重ね合わせた各保護材(1)〜(6)を、そのまま
の状態でそれぞれ船首部前面(b2)に対してその形状
に沿うように確実に当接させることができる。また、取
付ベルト(16)を甲板上の枠金具(17)等に係止し
て固定することにより、結束されている各保護材(1)
の垂れ下がりを防止でき、所定の装着状態に保持でき
る。
【0042】特に、前記各保護材(1)〜(6)は、弾
力性のある合成樹脂発泡体の芯材(7)を外皮(8)に
より包被したものよりなるので、従来のゴム系素材の成
形品よりなるものに比して軽量であるため、取扱い易
く、複数の保護材(1)〜(6)を結束して保護装置
(A)の全体を大型のものにしても、重量はそれほど重
くならず、船首部前面に対して容易に取り付けることが
でき、また船の航行に影響を与えることなく、大きい保
護面積を確保できる。しかも、前記各保護材の芯材であ
る合成樹脂発泡体の弾力性により、接岸時あるいは他船
への接舷時の緩衝性も高めることができる。
【0043】
【発明の効果】上記したように、本発明の船首用保護装
置によれば、軽量で取扱い易く、船体の船首部前面に対
してその湾曲形状や傾斜に合わせて添接状態に容易に確
実に安定性よく取付けることができ、しかも従来よりも
大きい保護面積を確保できて、特に船首側からの接岸時
や接舷時の船体の衝撃吸収および船体の裂傷防止を確実
になし得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の船首用保護装置の実施例を示す全体の
概略斜視図である。
【図2】同上の保護装置における最上層の保護材とその
下層の保護材とを分離して示す一部を欠截した斜視図で
ある。
【図3】同上の保護装置の正面図である。
【図4】同上の保護装置の平面図である。
【図5】前図のX−X線の断面図である。
【図6】結束状態を示す一部の拡大断面図である。
【図7】プロテクターの取付状態を示す一部の拡大断面
図である。
【図8】本発明保護装置の使用状態を示す側面図であ
る。
【図9】同上の一部の拡大側面図である。
【図10】同上の一部の拡大平面図である。
【符号の説明】
(A) 船首用保護装置 (B) 船体 (b1) 船首部 (b2) 船首部前面 (1)〜(6) 保護材 (7) 芯材 (7a) 合成樹脂発泡体の板体 (8) 外皮 (9a)(9b) 面ファスナー (10) 結束用のベルト (11) ベルト挿通部 (12) リング状連結部材 (13) ベルトロープ (14) ベルト部材 (15) 取付ベルト (16) 取付ベルト (17) 枠金具 (18) 取付用金具 (19) ベルト金具 (20) リング部材 (21) 締付け用のベルト (22) ベルトバックル (23) プロテクター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川崎 昇 兵庫県神戸市北区鹿の子台北町6−32−14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弾力性を有する合成樹脂発泡体よりなる芯
    材が外皮により包被され、それぞれ平面より見て船首部
    前面に略対応する湾曲形状をなし、上下に重ね合わされ
    て船首部前面に取付けられる複数の保護材と、 前記複数の保護材を船首部前面の傾斜に略対応するよう
    に位置をずらせて重ね合わせた状態で全体を結束し一体
    化する結束手段と、 結束した複数の各保護材を船首部前面に当接させるよう
    に船体に取付ける取付手段と、を備えてなることを特徴
    とする船首用保護装置。
  2. 【請求項2】前記各保護材は、それぞれ外皮が断面略四
    角形でかつ船首部前面の形状に略対応した湾曲形状をな
    して延びる角筒袋状に形成され、この外皮の内部に、弾
    力性のある合成樹脂発泡体の板体が幅方向に並列して外
    皮の湾曲形状に沿うように装入されてなる請求項1に記
    載の船首用保護装置。
  3. 【請求項3】前記結束手段が、合成繊維製のベルトであ
    って、左右長さ方向に間隔をおいて複数個所で各保護材
    の前面に有するベルト挿通部を通して全体を巻回して結
    束するように設けられてなる請求項1または2に記載の
    船首用保護装置。
  4. 【請求項4】前記取付手段として、左右長さ方向の所要
    の個所で少なくとも最上層の保護材に取着されて船体の
    一部に連結される複数本の取付ベルトと、各保護材の左
    右両端部から側方に延びて船体の一部に連結される取付
    ベルトとが設けられてなる請求項1または2に記載の船
    首用保護装置。
  5. 【請求項5】少なくとも一つの保護材の中央部前面に外
    皮を保護するプロテクターが装着されてなる請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の船首用保護装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2427253A (en) * 2005-06-14 2006-12-20 Windcat Workboats Ltd Technique for stabilising a boat against a structure using a fender
WO2011033288A3 (en) * 2009-09-15 2011-09-29 William Jonathan Aldiss Progressive bow transfer apparatus and method
JP2015021241A (ja) * 2013-07-17 2015-02-02 海和テック株式会社 衝撃吸収袋体及びそれを用いた防護柵
WO2020121472A1 (ja) * 2018-12-13 2020-06-18 シバタ工業株式会社 防舷材構造体

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