JP3221307U - 防舷体 - Google Patents

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Abstract

【課題】緩衝体を外装部材に効率的に装着することができかつ緩衝体を確実に保持することが可能な防舷体を提供すること。【解決手段】外装部材100と、緩衝体150とを備え、一方側の端部に前記緩衝体150を出し入れ可能な開口部100Aが開口し内部に収容空間が形成された袋体によって構成され、前記開口部100Aを介して前記緩衝体150を出し入れ可能とされるとともに前記開口部100Aを介して収容した前記緩衝体150を前記収容空間に保持する外装部材本体110と、前記開口部100Aと対応して前記外装部材本体110に接続して配置され、前記開口部100Aを開閉可能に形成された蓋部材120と、前記蓋部材120と前記外装部材本体110とが、前記開口部100Aの周縁部において重なり合う重ね合せ部100Eと、を備えている防舷体10である。【選択図】図1

Description

この考案は、船体に取付けられて、接岸や衝突時における衝撃を緩和する防舷体に関する。
周知のように、接岸時の船舶や係留中の船舶が波や風を受けて揺動する際の衝撃や船体同士が衝突したときの衝撃を緩和し、船体に損傷が生じるのを抑制するために、船体の舷に防舷体が配置される。このような防舷体の一例として、複数の帯部材によって緩衝体が船体に固縛される構成が開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
しかしながら、特許文献1に記載の防舷体は、帯部材が緩衝体の外表部を覆うように緩衝体に掛け回されているため、例えば、他の船舶や構造物が緩衝体に衝突すると、帯部材が損傷して緩衝体の固縛が解除されて、緩衝体が船体から脱落するおそれがあった。
そこで、船体が衝突等をした場合における紐体に対する衝撃を、外装体の外表面で受けることによって緩衝体が船体から脱落することを抑制可能な防舷体が開発されている(例えば、特許文献3参照。)。
実開平1−147196号公報 特開2014−073825号公報 特開2018−095240号公報
しかしながら、特許文献3に記載の防舷体は、緩衝体が確実に保持されて船体から脱落するのを抑制することが可能な点で信頼性が向上しているものの、緩衝体をシート状の外装部材に包み込んで連結紐で結束するので、外装部材に緩衝体を装着するのに時間を要する。そこで、緩衝体を外装部材に効率的に装着することができかつ緩衝体を確実に保持することが可能な技術が望まれる。
本考案は、このような事情を考慮してなされたものであり、緩衝体を外装部材に効率的に装着することができかつ緩衝体を確実に保持することが可能な防舷体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この考案は以下の手段を提案している。
(1)この考案の一態様は、外装部材と、前記外装部材内によって保持する緩衝体と、を備えた防舷体であって、前記外装部材は、筒状部の一方側の端部に前記緩衝体を出し入れ可能とされた開口部が開口し内部に収容空間が形成された袋体によって構成され、前記開口部を介して収容した前記緩衝体を前記収容空間に保持する外装部材本体と、前記開口部と対応して前記外装部材本体に接続して配置され、前記開口部を開閉可能に形成された蓋部材と、前記蓋部材と前記外装部材本体とが、前記開口部の周縁部において重なり合う重ね合せ部と、を備えている。
上記(1)に係る防舷体によれば、外装部材が、筒状部の一方側に開口部が開口され内部に収容空間が形成された袋体によって構成された外装部材本体と、開口部と対応して外装部材本体に接続して配置され開口部を開閉可能に形成された蓋部材と、外装部材本体と蓋部材とが開口部の周縁部において重なり合う重ね合せ部と、を備えているので、収容空間内に収容した緩衝体を確実に保持することができる。また、外装部材の外側に波等が衝突した場合においても、外装部材内に海水が侵入するのが抑制されるので、防舷体の信頼性を向上することができる。
また、緩衝体を開口部を介して外装部材本体内に出し入れ可能とされているので、緩衝体を容易かつ効率的に外装部材内に装着することができる。
その結果、緩衝体を外装部材に効率的に装着することができ、ひいては防舷体の製造やメンテナンスを効率的に行うことができる。
(2)上記(1)に記載の防舷体であって、前記外装部材は、前記重ね合せ部に、面ファスナーが配置されていてもよい。
上記(2)に係る防舷体によれば、重ね合せ部に、面ファスナーが配置されているので、蓋部材が外乱によって開放されるのを抑制することができる。また、蓋部材が位置ずれするのが抑制されるので緩衝体を収容空間内に安定して保持することができる。
また、面ファスナーによる接合を解除することによって蓋部材を開閉することが可能であるので、収容空間内に容易かつ効率的に緩衝体を出し入れすることが可能であり、防舷体の製造やメンテナンス等における作業効率を向上することができる。
(3)上記(1)又は(2)に記載の防舷体は、前記外装部材が、ターポリン製生地により形成されていてもよい。
上記(3)に係る防舷体によれば、外装部材がターポリン製生地により形成されているので、波や衝突時の衝撃によって外装部材が損傷するのを抑制することができる。また、防水性を備えているので、外装部材を通じて海水や雨水が緩衝体に浸入するのを抑制することができる。
(4)上記(1)〜(3)いずれか一項に記載の防舷体は、前記外装部材が、前記蓋部材を前記開口部に押圧して保持する紐体を備えていてもよい。
上記(4)に係る防舷体によれば、外装部材が、蓋部材を開口部に押圧して保持する紐体を備えているので、紐体によって、外装部材と外装部材内に収容した緩衝体を確実に固縛することができる。
(5)上記(4)に記載の防舷体は、前記外装部材が、前記紐体を外方から被覆する外表面被覆部材を備えていてもよい。
上記(5)に係る防舷体によれば、外装部材が、紐体を外方から被覆する外表面被覆部材を備えているので、紐体が外面側に位置されていても紐体が外面に露出することが抑制され、紐体が外力によって損傷するのを抑制することができる。
(6)上記(5)に記載の防舷体は、前記外表面被覆部材が、前記外装部材本体に対して前記紐体が通過する紐体通し孔が形成される部位で縫合されていてもよい。
上記(6)に係る防舷体によれば、外表面被覆部材が、外装部材本体に対して紐体が通過する紐体通し孔が形成される部位で縫合されているので、外装部材本体に対して外表面被覆部材を強固に保持させることができる。また、紐体が紐体通し孔に通されることにより、紐体の位置ずれを抑制するとともに、紐体が損傷するのを効率的に抑制することができる。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の防舷体は、前記緩衝体が、熱可塑性エラストマービーズ発泡体によって形成されていてもよい。
上記(7)に係る防舷体によれば、緩衝体が、熱可塑性エラストマービーズ発泡体によって構成されているので、軽量性、反発性、弾性、柔軟性、復元性、量産性に優れていて、船体が衝撃により損傷するのを効率的に抑制することができる。
また、緩衝体を、熱可塑性エラストマービーズ発泡体を、外装部材と対応する形状に予め成形しておくと、容易かつ効率的に取り扱うことができる点で好適である。
(8)上記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の防舷体は、前記緩衝体が、船体側に位置される第1発泡層と、前記第1発泡層の前記船体側とは反対側に積層される第2発泡層と、を備え、前記第1発泡層と前記第2発泡層とは互いに異なる物性値を有していてもよい。
上記(8)に係る防舷体によれば、緩衝体が、船体側に位置される第1発泡層と、第1発泡層の船体側とは反対側に積層される第2発泡層と、を備え、第1発泡層と第2発泡層とは互いに異なる物性値を有しているので、例えば、外部から受けた衝撃を緩衝するための圧縮に関する物性と衝撃で生じた歪みを復元する際の復元に関する物性等、緩衝体に相反する特性を備えさせることができる。
その結果、緩衝体としての性能及び設計自由度を向上することができる。
この考案に係る防舷体によれば、緩衝体を外装部材に効率的に装着することができかつ緩衝体を確実に保持することができる。
本考案の一実施形態に係る防舷体の概略構成を説明する図であり、蓋部材が開かれた防舷体を内面側から見た分解斜視図である。 一実施形態に係る防舷体の概略構成の一例を説明する図であり、防舷体を外面側から見た斜視図である。 一実施形態に係る防舷体の概略構成を説明する図であり、防舷体を内面側から見た斜視図である。 一実施形態に係る防舷体の概略構成を説明する図であり、防舷体を外面側から見た正面図である。 一実施形態に係る防舷体の概略構成を説明する図であり、防舷体を図4に示す右側から見た側面図である。 一実施形態に係る防舷体の概略構成を説明する図であり、蓋部材を除いた状態の外装部材を平面視した概念図である。 一実施形態に係る防舷体の概略構成を説明する図であり、紐体を通した状態を示す内面側から見た正面図である。 一実施形態に係る防舷体の概略構成を説明する図であり、外装部材を形成する際に適用される縫付けの一例を示す概念図である。 一実施形態に係る防舷体の概略構成を説明する図であり、固縛した状態の防舷体を内面側から見た斜視図である。 一実施形態に係る防舷体を船体に取付けた状態を説明する船体側面から見た概念図である。 一実施形態に係る防舷体を船体に取付けた状態を説明する概念図であり、図10に矢視XI-XIで示す断面図である。 一実施形態に係る防舷体に適用される緩衝体の変形例の概略構成を説明する斜視図である。
〔一実施形態〕
以下、図1〜図11を参照して、本考案の一実施形態に係る防舷体について説明する。
図1〜図7は、本考案の一実施形態に係る防舷体の概略構成の一例を説明する図であり、図1は蓋部材が開かれた防舷体を内面側から見た分解斜視図を、図2は防舷体を外面側から見た斜視図を、図3は防舷体を内面側から見た斜視図を示している。また、図4は防舷体を外面側から見た正面図を、図5は防舷体を図4に示す右側から見た側面図を、図6は蓋部材を除いた状態の外装部材を平面視した概念図を、図7は紐体を通した状態を示す内面側から見た正面図を示している。
図1〜図7において、符号10は防舷体を、符号100は外装部材を、符号150は緩衝体を示している。また、符号Gは船体に取付けられた防舷体10が海水と接する外面側を、符号Nは防舷体10が船体と面する内面側を示している。
防舷体10は、図1に示すように、例えば、外装部材100と、外装部材100の内部に収容された緩衝体150とを備えている。
そして、防舷体10は、船体の舷(側面)に取り付けられて、衝突等によって船体が受けた衝撃を緩和するように構成されている。
なお、防舷体10の外形形状は任意に設定することが可能であるが、この実施形態において、例えば、上下方向の下側半分で外面側Gの位置される外表面10Aが船体が位置される内面側Nに向かって傾斜するテーパを有する略直方体に形成されている。
外装部材100は、図1〜図3、図9〜図11に示すように、例えば、いわゆる袋体からなる外装部材本体110と、外装部材本体110に開閉可能に接続された蓋部材120と、外表面被覆シート(外表面被覆部材)130と、固縛ベルト(紐体)144と、固縛ロープ147(図9参照)と、取付ベルト(図10、図11参照)148とを備えている。
なお、外装部材100の材質については任意に設定することが可能であるが、この実施形態において、外装部材100は、例えば、ターポリン製生地を縫合して一体に形成されている。
ここで、ターポリン製生地とは、例えば、ポリエステル等の樹脂繊維よりなるシートを塩化ビニル等の防水性の高い熱可塑性樹脂よりなるフィルムで挟んで形成された生地であり、強度及び耐水性が優れている。
また、ターポリン製生地としては、充分な強度と耐水性を確保するうえで、例えば、厚さ0.25mm以上であることが好適である。
また、外装部材本体110は、略直方体の袋体に形成され、袋体の上部(一方側)には開口部100Aが形成されている。
この実施形態において、開口部100Aは、例えば、平面視して略矩形(四角形)とされている。
また、外装部材本体110は、内部に緩衝体150を収容、保持するための収容空間100U(図5、図6参照)が形成されている。
そして、収容空間100Uには、開口部100Aを介して緩衝体150を装着可能とされている。
外装部材本体110は、例えば、高さ方向に沿って延在し上方に開口部100Aが形成された筒状の周壁部111と、周壁部111の下部(外装部材本体110を構成する袋体の他方側)に形成された底面壁部112とを備えている。
周壁部111は、例えば、平面視したときに構成される矩形形状の一つの頂点の近傍において、開口部100Aと底面壁部112との間を、上下方向に沿って縫合することにより筒状に形成されている。
なお、周壁部111の構成については任意に設定することが可能であり、周壁部111を構成する生地の端部同士を縫合して形成してもよいし、複数の生地部材を複数箇所で縫合して形成してもよい。
底面壁部112は、例えば、周壁部111の底面側の一辺と接続され、周壁部111を長手方向に沿って見たときに周壁部111がなす矩形形状の閉断面に縫合代を付加した寸法に形成された生地片の3つの辺を周壁部111の底面側に縫合して構成されている。
また、底面壁部112には、例えば、二つの水抜き穴100H(図6参照)が形成されている。
そして、収容空間100U内に海水等が流入した場合に、海水等が水抜き穴100Hを介して収容空間100Uから自重で排出されるようになっている。
なお、水抜き穴100Hの位置、形状、大きさ等の構成については任意に設定してもよい。
蓋部材120は、例えば、開口部100Aを構成する矩形の一辺に接続部100Sを介して接続された天面壁部121と、天面壁部121の周縁部に接続された側面壁部122とを備えている。
側面壁部122は、例えば、防舷体10を船体に取付けた際に船体側に位置される前面壁部122Aと、前面壁部122Aの左右両側に位置される二つの側面壁部122Bとを備えている。
天面壁部121は、この実施形態において、矩形形状の一つの辺が接続部100Sを介して周壁部111と一体に形成されるとともに、他の3つの辺が側面壁部122と一体に接続されている。
前面壁部122A、側面壁部122Bは、それぞれ天面壁部121に対して折り曲げられ、前面壁部122Aの左右両側の縁部と、左右の側面壁部122Bの船体側に位置される縦方向の縁部とが縫合することにより蓋部材120が形成されている。
そして、蓋部材120は、接続部100Sを折り曲げて開口部100Aを閉塞するとともに、接続部100Sを延ばすことによって開口部100Aが開放するように構成されている。
また、蓋部材120は、開口部100Aを閉塞する際に、外装部材本体110を外方から覆うように構成されている。
なお、開口部100Aの周縁部には、周縁部に沿って延在し、開口部100Aの内方側に向かって折り曲げ可能なフラップが形成されていることが好適である。
また、前面壁部122A及び側面壁部122Bは、図1〜図3に示すように、蓋部材120を閉じたときに外装部材本体110の対応する部位に、蓋部材120と外装部材本体110とが重ね合せられることにより重ね合せ部100Eが構成されている。
また、外装部材100は、図1、図3、図5に示すように、外装部材本体110側に配置される面ファスナー101と、蓋部材120側に配置される面ファスナー102とを備えている。
そして、面ファスナー101と面ファスナー102とを密着させることで、重ね合せ部100Eが封止される構成とされている。
面ファスナー101は、例えば、横方向面ファスナー101Aと、縦方向面ファスナー101Bとを備えており、外装部材本体110の外周面の重ね合せ部100Eに縫付けて取付けられている。
横方向面ファスナー101Aは、例えば、外装部材本体110の重ね合せ部100Eの下側縁部より上方(重ね合せ部100Eの内方側)に、横方向に延在して配置されている。
縦方向面ファスナー101Bは、例えば、外装部材本体110の重ね合せ部100Eの外面側Gの縦方向縁部より内面側N(重ね合せ部100Eの内方側)に、横方向面ファスナー101Aの両端部と隣接して配置され、上下方向(縦方向)に延在して配置されている。
面ファスナー102は、例えば、横方向面ファスナー102Aと、縦方向面ファスナー102Bとを備えており、蓋部材120の内面側の重ね合せ部100Eに縫付けて取付けられている。
横方向面ファスナー102Aは、例えば、蓋部材120の側壁部122の重ね合せ部100Eの下側縁部より上方(重ね合せ部100Eの内方側)に、横方向に延在して配置されている。
縦方向面ファスナー102Bは、例えば、蓋部材120の左右の側面壁部122Bの重ね合せ部100Eの外面側Gの縦方向縁部より内面側N(重ね合せ部100Eの内方側)に、横方向面ファスナー102Aの両端部と隣接して配置され、上下方向(縦方向)に延在して配置されている。
なお、面ファスナー101、102の構成、形状、寸法、配置等については任意に設定することが可能である。例えば、面ファスナー101、102として、接合強度や取扱性を考慮するとモヘアタイプを適用することが好適である。
また、外装部材本体110、蓋部材120に対する面ファスナー101、102の取付け方法については、縫付けに限定されることなく、接着、融着等、周知の方法で取付けてもよい。
外表面被覆シート(外表面被覆部材)130は、例えば、外装部材本体110の外表面10Aの面と対応する略矩形形状に形成されたターポリン製の生地によって構成されている。
また、外表面被覆シート130は、図2、図4に示すように、複数の縫合部131によって外装部材本体110の外表面10Aに縫付けられている。
縫合部131は、互いに間隔をあけて縦方向(上下方向)及び横方向に沿って配置されている。
この実施形態において、縫合部131は、図4に示すように、例えば、矩形枠状に形成された枠縫合部131Aと、補強縫合部131Bとを備えている。
枠縫合部131Aは、例えば、周壁部111の外表面10Aと外表面被覆シート130とを枠状に縫合する。
また、補強縫合部131Bは、周壁部111と外表面被覆シート130を枠縫合部131A内で縫合して、周壁部111と外表面被覆シート130の接合を補強する。
具体的には、枠縫合部131Aがなす矩形形状の対向する頂点同士を結ぶ対角線を縫合して構成とされている。
なお、縫合部131の構成については任意に設定することが可能であり、外装部材本体110の外表面10A側の位置に応じて、それぞれの縦方向及び横方向の寸法及び間隔が適宜設定することができる。
また、縫合部131は、図6に示すように、隣接する縫合部131との間に紐体通し孔134が形成されるようになっている。
また、紐体通し孔134は、周壁部111の外表面10Aと外表面被覆シート130との間に形成される。
具体的には、図4に示すように、横方向に隣接する縫合部131と縫合部131との間には、上下方向に沿って延在する縦方向紐体通し孔135(134)が周壁部111の外面側Gと外表面被覆シート130の間に形成される。
また、縦方向紐体通し孔135の数については任意に設定することが可能であるが、この実施形態において、縦方向紐体通し孔135は4本形成されている。
また、縦方向に隣接する縫合部131と縫合部131との間には、横方向に沿って延在する筒状の横方向紐体通し孔136(134)が周壁部111の外面側Gと外表面被覆シート130の間に形成される。
そして、紐体通し孔134には、固縛ベルト144が縦方向及び横方向に沿って収納されるように構成されている。
また、横方向紐体通し孔136の数については任意に設定することが可能であるが、この実施形態において、横方向紐体通し孔136は3本形成されている。
次に、図8を参照して、外装部材100を形成する際に適用される縫付けの一例について説明する。図8は、外装部材100を形成する際に適用される縫付けの一例を示す概念図である。
図8(A)は、例えば、生地の端部を接合して周壁部111を形成する場合や、底面壁部112を周壁部111に接合する場合、蓋部材120の天面壁部121と側壁部材122を接合するのに好適な縫合を示している。
生地の端部(縁部近傍)を縫合する場合は、例えば、接合する縁部近傍に形成した縫合代を収容空間内(又は蓋部材の内側)で対向させて、接合方向(例えば、上下方向)に沿って縫合代を縫合する。
具体的には、図8(A)に示すように、例えば、周壁部111を形成する際には、生地の両端部の縁部近傍に形成した縫合代111A、111Bを収容空間100U側で対向させ、この縫合代111A及び縫合代111Bを開口部100Aから底面壁部112側(又は逆方向に)に向かって、接合部(上下方向)に沿って縫合糸110Sにより縫合して接合する。
このように、周壁部111の縫合部を収容空間100U内に形成することにより、外装部材100が衝突や波等の外乱を受けても縫合部が損傷するのが抑制されるので好適である。
なお、縫合代、縫合糸の構成については任意に設定することが可能であり、縫合代については、例えば、幅を約10mmとすることが好適である。また、縫合糸については、例えば、0番を用いることが好適である。
図8(B)は、例えば、生地を裁断して角部が形成され、角部に縫合代が確保できない場合に、角部に隣接するいずれかの領域の生地の寸法を調整して角部近傍に充分な縫合代を確保することで角部に孔が形成されるのを抑制するのに好適な縫合を示している。
生地の寸法を調整する際には、図8(B)に示すように、例えば、寸法調整により生地を短かくする部分が、外装部材の内方側に折り曲げて折り返し部を形成する。そして、折り返し部の基端部分を縫合して寸法調整する。
具体的には、例えば、蓋部材120を形成する場合に、側壁部122の前面壁部(不図示)122A及び側面壁部122Bの角部近傍に充分な縫合代を形成するために、例えば、天面壁部121の側面壁部122に移る縁部近傍に側壁部122との間に蓋部材内側120Uに折返し部120Cを形成する。
そして、この折返し部120Cを縫合して寸法調整をすることにより、前面壁部(不図示)122Aと側面壁部(不図示)122Bの角部に孔が形成されるのが抑制される。なお、上記折返し部120Cを形成するためには裁断する前に生地を調整する。
このようにして、角部を介して隣接する前面壁部(不図示)122Aと左右の側面壁部(不図示)122Bに接合部分に全長にわたって縫合代とを確保し、図8(A)に示す場合と同様に、縫合代を蓋部材120の蓋部材内側120Uに位置させて接合方向(上下方向)に沿って縫合する。
生地の寸法を調整して角部近傍の縫合代を確保することにより、角部に孔が形成されるのが抑制され、外装部材100が受ける衝撃等の外乱を抑制できる点で好適である。
図8(C)は、例えば、二枚の生地を接合するとともに、これら生地の間に孔を形成するのに好適な縫合を示している。
このような場合、図8(C)に示すように、例えば、二枚の生地を重ね合せて縫合する。このとき、隣接する縫合部131を間隔をあけて形成する。その結果、縫合された二枚の生地の間には、隣接する縫合部131の間に接合方向に沿って紐通し孔(紐体通し孔)135が形成される。
次に、防舷体10を固縛する固縛ベルト(紐体)144について説明する。
固縛ベルト(紐体)144は、図2、図4、図7に示すように、例えば、帯状に形成された縦固縛ベルト(紐体)145と、横固縛ベルト(紐体)146とを備えている。
縦固縛ベルト145は、縦方向紐体通し孔135(134)に通されて、上側部分145A及び下側部分145Bが、縦方向紐体通し孔135の上側及び下側に延在するようになっている。
縦固縛ベルト145は、図7に示すように、上側部分145A及び下側部分145Bに配置された環状部145Dを備えている。
環状部145Dは、上側部分145A及び下側部分145Bの長手方向における端部から一定寸法戻った位置で折り返して端部近傍を縫合して形成されている。
また、縦固縛ベルト145は、例えば、上側部分145A及び下側部分145Bが縦方向紐体通し孔135からそれぞれ約50cmほど延在されている。
そして、上下の環状部145Dが外装部材100の内表面10Bまで回り込むようになっている。
横固縛ベルト146は、縦方向紐体通し孔136(134)に通されて、左側部分146L及び右側部分146Rが、横方向紐体通し孔136の左側及び右側に延在するようになっている。
横固縛ベルト146は、図7に示すように、左側部分146L及び右側部分146Rに配置された環状部146Dを備えている。
環状部146Dは、左側部分146L及び右側部分146Rの長手方向における端部から一定寸法戻った位置で折り返して端部近傍を縫合して形成されている。
また、横固縛ベルト146は、例えば、左側部分146L及び右側部分146Rが横方向紐体通し孔136からそれぞれ約50cmほど延在されている。
そして、左右の環状部146Dが外装部材100の内表面10Bまで回り込むようになっている。
緩衝体150は、この実施形態において、例えば、直方体の発泡体により形成されている(図1参照)。
緩衝体150の構成については任意に設定することが可能であるが、例えば、予め外装部材100の収容空間100Uと対応する形状に成形された熱可塑性エラストマービーズ発泡体等によって構成されていることが好適である。
また、熱可塑性エラストマービーズ発泡体としては、軽量性、反発性、弾性、柔軟性、復元性、量産性等の観点から、例えば、ELASTIL(登録商標、積水化成品工業株式会社製。)が好適である。
なお、緩衝体150の形状、構成については任意に設定することが可能であり、周知の緩衝材料を適用して構成してもよい。
また、予め外装部材100と対応する直方体に成形された熱可塑性エラストマービーズ発泡体によって構成された緩衝体150に代えて、成形されていない熱可塑性エラストマービーズ発泡体を適用して緩衝体を構成してもよいし、熱可塑性エラストマービーズ発泡体からなる複数の部材を組み合わせて外装部材100と対応する形状が形成される緩衝体を用いてもよい。
次に、図9を参照して、固縛した状態の防舷体の概略構成について説明する。
図9は、一実施形態に係る防舷体の概略構成を説明する図であり、固縛した状態の防舷体を船体側に位置される内面側Nから見た斜視図である。符号147は固縛ロープを示している。
防舷体10を船体に取付ける場合には、防舷体10を固縛することが好適である。
防舷体10は、図9に示すように、例えば、外周面を固縛ロープ147によって固縛する。
具体的には、図9に示すように、縦固縛ベルト145の上側部分145A及び下側部分145Bの環状部145Dに固縛ロープ147を通して、固縛ロープ147を引張して緩衝体150に所定の押圧力をかけた状態で縛って上下方向に固縛する。
次いで、固縛ベルト146の左側部分146L及び右側部分146Rの環状部146Dに固縛ロープ147を通して、固縛ロープ147を引張して緩衝体150に所定の横方向の押圧力をかけた状態で縛って横方向に固縛する。
固縛ロープ147の構成は任意に設定することが可能であり、この実施形態においては、例えば、φ8mmのビニロン製ロープが用いられている。なお、周知の種々のロープを用いてもよい。
次に、図10、図11を参照して、防舷体10の使用方法について説明する。
図10、図11は、一実施形態に係る防舷体10を船体に取付けた状態を説明する図であり、図10は船体側面から見た概念図を、図11は図10に矢視XI-XIにより示す断面である。
図10、図11において、符号500は船体を示しており、符号510はバウレールを、符号520はポールを示している。
防舷体10は、図10、図11に示すように、例えば、船体500のデッキの縁部に設けられ前後方向に沿って形成されたバウレール510と、船体500の外面の高さ方向における途中位置に設けられ前後方向に沿って形成されたポール520に巻き付けられて船体500に取付けられる。
なお、防舷体10を船体に取付ける取付部材については任意に設定することが可能であるが、この実施形態では、例えば、ベルト148により取付けられている。
取付ベルト(取付部材)148は、例えば、ベルト本体と、ベルト本体の両端部近傍に設けられたバックル(不図示)とを備えている。
また、取付ベルト148は、例えば、縦方向紐体通し孔135(134)にベルト本体が通されていて、上側部分148A及び下側部分148Bが縦方向紐体通し孔135の上下に露出されている。
一方、上側部分148A及び下側部分148以外の部分は、外表面被覆シート(外表面被覆部材)130の内側(周壁部111との間)に位置されていて、外表面被覆シート130によって被覆されて外部に露出するのが抑制される構成とされている。
その結果、取付ベルト(取付部材)148が損傷するのを抑制することができる。
また、取付ベルト(取付部材)148は、縦方向紐体通し孔135内において上下方向に移動可能とされていて、取付ベルト148の上側部分148A及び下側部分148Bの位置を容易に調整することができる構成とされている。
取付ベルト148の数については任意に設定することが可能であるが、この実施形態において、取付ベルト148は4本用いられている。
そして、ベルト148は、上側部分148Aをバウレール510に巻き付けるようにバウレール510の上側を通してバックルに装着して、バウレール510をこの環状部の内側に位置させることにより防舷体10の上部が船体500に取付けられる。
また、同様にして、下側部分148Bをポール520に巻き付けるようにポール520の下側を通してバックルに装着して、内側にポール520が位置された環状部を形成することにより防舷体10の下部が船体500に取付けられる。
防舷体10は、船体500の前後方向に沿って複数取付けられる。
このように、防舷体10は、上側及び下側が船体に取付けられるので防舷体10が船体500に密着して、防舷体10の内面側Nと船体500との間に隙間が形成されるのが抑制される。
その結果、波が船体500に衝突した際に、船体500と防舷体10の間に海水が浸入するのが抑制されて船体500を安定させることができる。
また、船体500が他の船舶と衝突した場合に、防舷体10が船体500と他の船舶の船体とが直接的に衝突するのを回避することにより、船体500が損傷するのを抑制することができる。
一実施形態に係る防舷体10によれば、緩衝体150を開口部100Aを介して外装部材100内に出し入れすることができるので、緩衝体150を容易かつ効率的に外装部材100内に装着することができる。
その結果、防舷体10の製造やメンテナンスをより効率的に行うことができる。
また、一実施形態に係る防舷体10によれば、外装部材100が、外装部材本体110と蓋部材112とが重なり合う重ね合せ部100Eを備えていて、開口部100Aの周縁部が被覆されるので、収容空間100U内に収容した緩衝体150を確実に保持することができる。
また、一実施形態に係る防舷体10によれば、重ね合せ部100Eを備えているので、外装部材100の外面側Gに波等が衝突した場合においても、外装部材100内に海水が侵入するのが抑制されるので、緩衝体150が損傷、流出するのが抑制され、防舷体10の信頼性を向上することができる。
また、一実施形態に係る防舷体10によれば、重ね合せ部100Eに、面ファスナー101、102が配置されているので、蓋部材120が外乱によって開放されるのを抑制することができる。また、蓋部材120が位置ずれするのが抑制されるので緩衝体150を収容空間100U内に安定して保持することができる。
また、一実施形態に係る防舷体10によれば、面ファスナー101、102による接合を解除することにより蓋部材120を開くことができ、収容空間100U内に容易かつ効率的に緩衝体150を出し入れすることができるので、防舷体10の製造やメンテナンス等における作業効率を向上することができる。
また、一実施形態に係る防舷体10によれば、外装部材100がターポリン製生地により形成されているので、波や衝突時の衝撃によって外装部材100が損傷するのを抑制することができる。また、外装部材100がターポリン製生地により形成されて防水性を備えているので、外装部材100を通じて海水や雨水が緩衝体150に浸入するのを抑制することができる。
また、一実施形態に係る防舷体10によれば、外装部材100が、蓋部材120を開口部100Aに押圧して保持する固縛ベルト144(145、146)を備え、固縛ベルト(紐体)144が外装部材100の外表面10Aに形成された紐通し孔(紐体通し孔)134(135、136)に通されているので、固縛ベルト144によって、外装部材100と緩衝体150を確実に固縛することができる。
また、一実施形態に係る防舷体10によれば、固縛ベルト(紐体)144が紐通し孔134に通されているので、固縛ベルト144が船体500の外面側Gに位置されていても固縛ベルト144が海水等に露出するのが抑制され、固縛ベルト144が損傷するのを抑制することができる。
また、一実施形態に係る防舷体10によれば、外装部材100が、外表面被覆シート130を備えているので、外装部材本体110の外表面10Aが損傷するのを抑制することができる。
また、一実施形態に係る防舷体10によれば、外装部材100が、蓋部材120を開口部100Aに押圧する縦固縛ベルト145を備えているので、外装部材100及び緩衝体150を確実に保持することができる。
また、一実施形態に係る防舷体10によれば、外表面被覆シート130が、外装部材本体110に対して紐体通し孔134(135、136)が形成される部位で縫合されているので、紐体通し孔134(135、136)を効率的に形成することができる。
また、一実施形態に係る防舷体10によれば、緩衝体150が、熱可塑性エラストマービーズ発泡体によって構成されているので、軽量性、反発性、弾性、柔軟性、復元性、量産性に優れていて、船体が衝撃で損傷するのを効率的に抑制することができる。
また、一実施形態に係る防舷体10によれば、取付ベルト148が、紐体通し孔135内において延在方向に移動可能であるので、取付ベルト148の上側部分148A及び下側部分148Bの位置を容易に調整することができる。
その結果、船体500に対する防舷体10の取付け位置を効率的に調整することができる。
〔一実施形態(変形例)〕
次に、図12を参照して、一実施形態に係る防舷体の変形例について説明する。図12は、一実施形態に係る防舷体に適用される緩衝体の変形例の概略構成を説明する斜視図である。図12において、符号160は緩衝体を、符号161は第1発泡層を、符号162は第2発泡層を示している。
緩衝体160は、図12に示すように、例えば、厚さ方向に沿って見たときに、それぞれ略矩形に形成された第1発泡層161と、第2発泡層162とを備え、第1発泡層161と第2発泡層162とが積層された略直方体の二層構造体(積層体)とされている。
この実施形態において、第1発泡層161は船体側に位置される内面側Nに位置され、第2発泡層162は外面側Gに位置される。
また、第1発泡層161、第2発泡層162は、物性値が互いに異なる材料を積層して構成されておりその構成は任意に設定可能であるが、例えば、第1発泡層161及び第2発泡層162の圧縮により生じる圧縮応力及び復元する際に生じる復元応力が互いに異なっていることが好適である。
例えば、第1発泡層161は、発泡倍率が30倍のスチレン改質ポリオレフィン系樹脂の発泡体により形成されていることが好適である。
具体的には、例えば、ピオセラン(登録商標、積水化成品工業製)を適用することが好適である。
また、例えば、第2発泡層162は、発泡倍率が15倍の無架橋高発泡ポリエチレン系樹脂の発泡体により形成されていることが好適である。
具体的には、例えば、ライトロン(登録商標、積水化成品工業製)のボードを適用することが好適である。
また、第1発泡層161の厚さT1の第2発泡層162の厚さT2に対する比率(T1/T2)は任意に設定することが可能であるが、例えば、(0.2≦(T1/T2)≦5.0)に設定することが好適であり、(1.0<(T1/T2)≦5.0)に設定することがより好適である。
上記構成とすることにより、緩衝体160は、第1発泡層161の圧縮応力が、第1発泡層161と同倍の発泡倍率を有した第2発泡層12の圧縮応力よりも高く設定され、第1発泡層161の復元力が、第1発泡層161と同倍の発泡倍率を有した第2発泡層162の復元力よりも低く設定される。
なお、第1発泡層161、第2発泡層162の構成、及び形状については任意に設定することが可能である。例えば、第1発泡層161、第2発泡層162の材質、発泡倍率、厚さT1、T2を上述の構成以外に設定してもよく、0.2>(T1/T2)、又は(T1/T2)>5.0に設定してもよい。
また、第1発泡層161と第2発泡層162の積層体からなる複数の部材片によって緩衝体160構成してもよい。また、第1発泡層161、第2発泡層162に他の発泡層を積層した3層以上の積層体により緩衝体を構成してもよい。
緩衝体160によれば、第1発泡層161と第2発泡層162の圧縮応力に係る物性値及び復元力に係る物性値が互いに異なる値に設定されているので、例えば、防舷体10が外部から衝撃を受けた場合に衝撃が緩和され、衝撃によって生じた歪みを復元する等、緩衝体に対する相反する要求事項を満たすことが可能とされ、緩衝体160としての性能を向上させることができる。
また、第1発泡層161の圧縮応力が第2発泡層162の圧縮応力よりも高く、第1発泡層161の復元力が第2発泡層162の復元力よりも低く設定された圧縮復元力が相互に異なる2つの発泡層によって緩衝体160が構成されているので、船体500に向けて加えられる衝撃を緩衝することと、衝撃によって生じた緩衝体160の歪みを復元することの両立を図ることができる。
圧縮応力のより高い第1発泡層161が外部から衝撃を受ける場合、第1発泡層161は全面で衝撃を受ける。一方、圧縮応力のより低い第2発泡層162が外部から衝撃を受ける場合、第2発泡層162は一部の面で衝撃を受ける。そのため、第1発泡層161が外部から衝撃を受けた場合、第1発泡層161が第2発泡層162を押す力により、第2発泡層162の一部が変形して、第1発泡層161と第2発泡層162が剥離するおそれがある。
しかしながら、緩衝体160は、第1発泡層161が第2発泡層162よりも船体500側に位置するため、第1発泡層161が外部から直接的に衝撃を受けることが抑制される。すなわち、防舷体10が外部から衝撃を受けた場合に、第2発泡層162が衝撃を受け、第2発泡層162が第1発泡層161を押圧する。その結果、第2発泡層162から第1発泡層161に加えられる力を、第1発泡層161の全面で受けることとなり、第1発泡層161と第2発泡層162が剥離することが抑制される。
なお、この考案は上記実施の形態に限定されるものではなく、考案の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。
例えば、上記実施形態においては、外装部材100が、重ね合せ部100Eに面ファスナー101、102が配置されている場合について説明したが、重ね合せ部100Eに面ファスナー101、102を配置するかどうかは任意に設定してよく、例えば、面ファスナー101、102を適用しない構成としてもよいし、面ファスナー101、102に代えて他の接合手段(例えば、接着、樹脂等による由宇着、縫合等)により接合してもよい。
また、上記実施形態においては、外装部材100がターポリン製生地により形成されている場合について説明したが、外装部材100の材質については任意に設定してもよく、ターポリン製生地に代えて周知の他の生地を用いてもよい。
また、上記実施形態においては、外装部材100が外装部材本体110と、蓋部材120とを備え、周壁部111と蓋部材120とが接続部100Sを介して一体に形成されている場合について説明したが、外装部材本体110と蓋部材120を別体で形成して接続してもよい。
また、上記実施形態においては、外装部材本体110が、周壁部111と、底面壁部112とを備え、周壁部111が底面壁部112に縫合されている場合について説明したが、例えば、例えば、樹脂成形等により壁部111と底面壁部112を一体成形することにより袋状に形成してもよい。
また、上記実施形態においては、外装部材100が外表面被覆シート130を備え、周壁部111と外表面被覆シート130の間に紐通し孔(紐体通し孔)134が形成される場合について説明したが、外表面被覆シート130を備えない構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、外装部材100が、紐通し孔135、136(134)に通された固縛ベルト145、146(144)を備え、縦固縛ベルト145、横固縛ベルト146によって防舷体10を固縛するとともに蓋部材120を開口部100Aに押圧する場合について説明したが、防舷体10を外部から固縛するかどうか、固縛ベルト144を備えるかどうか、固縛ベルト144を通す紐通し孔134を形成するかどうかは任意に設定してもよい。
例えば、固縛ベルト144を備える場合に、縦固縛ベルト145、横固縛ベルト146のいずれか一方を備える構成としてもよい。
また、が外装部材100の外面に固縛ベルト144を接合(例えば、縫合)する構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、防舷体10を外部から固縛する場合に帯状の固縛ベルト144(145、146)を用いる場合について説明したが、帯状の固縛ベルト144に代えてロープ等を用いてもよい。
また、上記実施形態においては、緩衝体150が、予め略直方体に成形された熱可塑性エラストマービーズ発泡体によって構成されている場合について説明したが、成形していない熱可塑性エラストマービーズ発泡体によって緩衝体150を構成してもよいし、熱可塑性エラストマービーズ発泡体で形成された複数の緩衝部材を組み合わせて緩衝体150を構成してもよい。
また、上記実施形態においては、緩衝体160が、第1発泡層161が内面側Nに位置され、第2発泡層162が外面側Gに積層される場合につて説明したが、例えば、第1発泡層161が外面側Gに位置されるとともに第2発泡層162が内面側Nに位置されるように緩衝体160を配置してもよい。
また、上記実施形態においては、緩衝体として、緩衝体150、緩衝体160を用いる場合について説明したが、緩衝体150、緩衝体160に代えて周知の緩衝体(例えば、一層の発泡層〜構成された緩衝体等)を用いてもよい。
また、上記実施形態においては、外装部材100を構成する袋体が、筒状体111に底面壁部112が一体に縫合された外装部材本体110を備えている場合について説明したが、例えば、外装部材本体11の筒状体111と底面壁部112とが取り外し可能とされていてもよい。
その他、本考案の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した実施形態を適宜組み合わせて適用してもよい。
G 外面側
N 内面側
10 防舷体
10A 外表面
10B 内表面
100 外装部材
100A 開口部
100E 重ね合せ部
100U 収容空間
100H 水抜き穴
100S 接続部
101 面ファスナー(本体側)
101A 面ファスナー(本体側横方向)
101B 面ファスナー(本体側縦方向)
102 面ファスナー(蓋部材側)
102A 面ファスナー(蓋部材側横方向)
102B 面ファスナー(蓋部材側縦方向)
110 外装部材本体(袋体)
111 周壁部
112 底壁部
120 蓋部材
121 天面壁部
122 側壁部
122A 前面壁部
122B 側面壁部
130 外表面被覆部材
131 紐体通し孔形成縫合
131A 枠縫合部
131B 補強縫合部
134 紐体通し孔
135 紐体通し孔(縦方向)
136 紐体通し孔(横方向)
144 固縛ベルト(紐体)
145 縦固縛ベルト(紐体)
145A 上側部分(縦固縛ベルト)
145B 下側部分(縦固縛ベルト)
145D ロープ用環状部(縦紐体)
146 横固縛ベルト(紐体)
146L 左側部分(横固縛ベルト)
146R 右側部分(横固縛ベルト)
146D ロープ用環状部(縦紐体)
147 固縛ロープ
148 取付ベルト(取付け部材)
150 緩衝体
160 緩衝体
161 第1発泡層
162 第2発泡層
500 船体
510 バウレール
520 ポール

Claims (8)

  1. 外装部材と、
    前記外装部材内によって保持する緩衝体と、
    を備えた防舷体であって、
    前記外装部材は、
    筒状部の一方側の端部に前記緩衝体を出し入れ可能とされた開口部が開口し内部に収容空間が形成された袋体によって構成され、前記開口部を介して収容した前記緩衝体を前記収容空間に保持する外装部材本体と、
    前記開口部と対応して前記外装部材本体に接続して配置され、前記開口部を開閉可能に形成された蓋部材と、
    前記蓋部材と前記外装部材本体とが、前記開口部の周縁部において重なり合う重ね合せ部と、
    を備えている
    ことを特徴とする防舷体。
  2. 請求項1に記載の防舷体であって、
    前記外装部材は、
    前記重ね合せ部に、
    面ファスナーが配置されている
    ことを特徴とする防舷体。
  3. 請求項1又は2に記載の防舷体であって、
    前記外装部材は、
    ターポリン製生地により形成されている
    ことを特徴とする防舷体。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の防舷体であって、
    前記外装部材は、
    前記蓋部材を前記開口部に押圧して保持する紐体を備えている
    ことを特徴とする防舷体。
  5. 請求項4に記載の防舷体であって、
    前記外装部材は、
    前記紐体を外方から被覆する外表面被覆部材を備えている
    ことを特徴とする防舷体。
  6. 請求項5に記載の防舷体であって、
    前記外表面被覆部材は、
    前記外装部材本体に対して前記紐体が通過する紐体通し孔が形成される部位で縫合されている
    ことを特徴とする防舷体。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の防舷体であって、
    前記緩衝体は、
    熱可塑性エラストマービーズ発泡体によって構成されている
    ことを特徴とする防舷体。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の防舷体であって、
    前記緩衝体は、
    船体側に位置される第1発泡層と、前記第1発泡層の前記船体側とは反対側に積層される第2発泡層と、を備え、前記第1発泡層と前記第2発泡層とは互いに異なる物性値を有している
    ことを特徴とする防舷体。
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