JP2002361584A - コミュニケーションロボット - Google Patents

コミュニケーションロボット

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JP2002361584A JP2001171942A JP2001171942A JP2002361584A JP 2002361584 A JP2002361584 A JP 2002361584A JP 2001171942 A JP2001171942 A JP 2001171942A JP 2001171942 A JP2001171942 A JP 2001171942A JP 2002361584 A JP2002361584 A JP 2002361584A
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崇行 神田
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Hiroshi Ishiguro
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 スピーカ44から「抱っこしてね」という音
声を出力して人に接近を促がす。超音波距離センサ18
またはタッチセンサが人の接近を感知すると、頭部42
を上に向けるとともに、上腕32Rおよび32Lならび
に前腕36Rおよび36Lを抱っこの形に可動させる。
さらに、眼カメラ46からの映像に含まれる特徴色を記
憶する。再び人が離れると、眼カメラ46に含まれる特
徴色を検出することによって、抱っこをしてくれた人間
を発見する。 【効果】 動いているカメラで、カメラの映像に含まれ
る人を発見することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コミュニケーション
ロボットに関し、特にたとえば、カメラで周囲にいる人
を発見する、コミュニケーションロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カメラで人を発見する技術とし
て、背景画像を覚えておき、変化があった部分を人と同
定する方法や、決まった色の背景に人を配置し、背景か
ら人を切り出すという方法がある。また、カメラからの
画像に含まれる肌色部分を人と同定する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の背景画像の変化
があった部分を人と同定する方法や特定の色の背景から
人を切り出すという方法は、カメラを固定して行われ
る。したがって、ロボットのカメラのように動き回るカ
メラでは従来の方法が適用できなかった。
【0004】また、肌色部分を人と同定する方法は、遠
距離に位置する人の肌色は面積が小さくなり認識するの
は困難であった。
【0005】それゆえに、この発明の主たる目的は、動
き回るカメラを用いて周囲にいる人を発見できる、コミ
ュニケーションロボットを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この第1の発明は、コミ
ュニケーションを図る機能を備えたコミュニケーション
ロボットであって、カメラ、ロボットと物体との距離を
測定する距離測定手段、距離測定手段が測定した測定値
を閾値と比較する比較手段、比較手段による比較の結
果、測定値が閾値以下であるとカメラからの画像に基づ
いて物体を記憶する記憶手段、およびカメラから得られ
る画像から記憶手段によって記憶された物体を検出する
物体検出手段を備える、コミュニケーションロボットで
ある。
【0007】この第2の発明は、音および動作の少なく
とも一方を用いてコミュニケーションを図るコミュニケ
ーションロボットであって、カメラ、ロボットと物体と
の距離を測定する距離測定手段、距離測定手段が測定し
た測定値を閾値と比較する比較手段、比較手段による比
較の結果、測定値が閾値以下であるとカメラからの画像
に基づいて物体を記憶する記憶手段、比較手段による比
較の結果、測定値が閾値以下であると第1のコミュニケ
ートをする第1コミュニケート手段、カメラから得られ
る画像から記憶手段によって記憶された物体を検出する
物体検出手段、および物体検出手段による物体検出に応
答して第2のコミュニケートをする第2コミュニケート
手段を備え、第1コミュニケート手段および第2コミュ
ニケート手段は、発音表現手段および動作表現手段の少
なくとも一方を含む、コミュニケーションロボットであ
る。
【0008】
【作用】この第1の発明においては、たとえば、人がコ
ミュニケーションロボットに近づくと距離測定手段が人
との距離を測定し、比較手段は人との距離と予め定めら
れた距離(閾値)とを比較する。そして、人との距離が
予め定められた距離以下であると、記憶手段がカメラか
らの画像に含まれるたとえば人の服の色を特徴的な色と
して記憶する。その後、物体検出手段はカメラからの画
像に含まれる記憶手段が記憶している特徴的な色を検出
することによって人を検出する。
【0009】この第2の発明においては、たとえば、人
がコミュニケーションロボットに近づくと距離測定手段
が人との距離を測定し、比較手段は人との距離と予め定
められた距離(閾値)とを比較する。そして、人との距
離が予め定められた距離以下であると、発音表現手段が
たとえば「だいすき」という音声を発生し、動作表現手
段に含まれる腕変位手段が肩関節および肘関節を制御し
て上腕および前腕をたとえば抱っこの形に変位させる
(第1コミュニケート)とともに、記憶手段がカメラか
らの画像に含まれるたとえば人の服の色を特徴的な色と
して記憶する。人はコミュニケーションロボットを抱っ
こしてから遠ざかる。物体検出手段はカメラからの画像
に含まれる記憶手段が記憶している特徴的な色を検出す
ることによって人を検出する。そして、物体検出手段が
人を検出すると、発音表現手段がたとえば「こんにち
は」という音声を発生し、動作表現手段に含まれる頭部
変位手段が首関節を制御して頭部をたとえば下方向に変
位させて人に会釈する(第2コミュニケート)。
【0010】
【発明の効果】この発明によれば、接近してきた人の服
などの特徴色を記憶する。そして、カメラからの映像に
含まれる特徴色を検出することによって人を発見する。
したがって、ロボットに搭載されて動くカメラからの映
像を用いて、人を発見することができる。
【0011】また、人が近づくと、たとえば「だいす
き」という音声を発生して抱っこをせがむ。そしてその
後、抱っこしてくれた人を発見すると「こんにちは」と
いう音声を発生して会釈する。したがって、人に対する
人なつっこさを表現してロボットと人とのコミュニケー
ションをより深めることができる。
【0012】したがって、本発明によれば、人どうしの
コミュニケーションと同じようなコミュニケーションを
ロボットと人との間で実現できる。
【0013】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。
【0014】
【実施例】図1は本発明の全体構成を示しており、同図
を参照して、この実施例のコミュニケーションロボット
(以下、単に「ロボット」ということがある。)10
は、台車12を含み、この台車12の下面には、このロ
ボット10を自律移動させる車輪14が設けられる。こ
の車輪14は、車輪モータ(図3において参照番号「7
0」で示す。)によって駆動され、台車12すなわちロ
ボット10を前後左右任意の方向に動かすことができ
る。なお、図示しないが、この台車12の前面には、衝
突センサ(図2において、参照番号「74」で示す。)
が取り付けられ、この衝突センサは、台車12への人や
他の障害物の接触を検知する。そして、ロボット10の
移動中に障害物との接触を検知すると、直ちに車輪14
の駆動を停止してロボット10の移動を急停止させて衝
突を未然に防ぐ。
【0015】なお、ロボット10の背の高さは、この実
施例では、人、特に子供に威圧感をあたえることがない
ように、100cm程度とされている。ただし、この背
の高さは任意に変更可能である。
【0016】台車12の上には、多角形柱のセンサ取付
パネル16が設けられ、このセンサ取付パネル16の各
面には、超音波距離センサ18が取り付けられる。この
超音波距離センサ18は、取付パネル16すなわちロボ
ット10の周囲の主として人との間の距離を計測するも
のである。
【0017】台車12の上には、さらに、下部が上述の
取付パネル16に囲まれて、ロボット10の胴体が直立
するように取り付けられる。この胴体は下部胴体20と
上部胴体22とから構成され、これら下部胴体20およ
び上部胴体22は、連結部24によって、連結される。
連結部24には、図示しないが、昇降機構が内蔵されて
いて、この昇降機構を用いることによって、上部胴体2
2の高さすなわちロボット10の高さを変化させること
ができる。昇降機構は、後述のように、腰モータ(図3
において参照番号「68」で示す。)によって駆動され
る。上で述べたロボット10の身長100cmは、上部
胴体22をそれの最下位置にしたときの値である。した
がって、ロボット10の身長は100cm以上にするこ
とができる。
【0018】上部胴体22のほぼ中央には、1つの全方
位カメラ26と、1つのマイク28とが設けられる。全
方位カメラ26は、ロボット10の周囲を撮影するもの
で、後述の眼カメラ46と区別される。マイク28は、
周囲の音、とりわけ人の声を取り込む。
【0019】上部胴体22の両肩には、それぞれ、肩関
節30Rおよび30Lによって、上腕32Rおよび32
Lが取り付けられる。肩関節30Rおよび30Lは、そ
れぞれ3軸の自由度を有する。すなわち、肩関節30R
は、X軸,Y軸およびZ軸のそれぞれの軸廻りにおいて
上腕32Rの角度を制御できる。Y軸は、上腕32Rの
長手方向(または軸)に並行な軸であり、X軸およびZ
軸は、そのY軸に、それぞれ異なる方向から直交する軸
である。肩関節30Lは、A軸,B軸およびC軸のそれ
ぞれの軸廻りにおいて上腕32Lの角度を制御できる。
B軸は、上腕32Lの長手方向(または軸)に並行な軸
であり、A軸およびC軸は、そのB軸に、それぞれ異な
る方向から直交する軸である。
【0020】上腕32Rおよび32Lのそれぞれの先端
には、肘関節34Rおよび34Lを介して、前腕36R
および36Lが取り付けられる。肘関節34Rおよび3
4Lは、それぞれ、W軸およびD軸の軸廻りにおいて、
前腕36Rおよび36Lの角度を制御できる。
【0021】なお、上腕32Rおよび32Lならびに前
腕36Rおよび36L(いずれも図1)の変位を制御す
るX,Y,X,W軸およびA,B,C,D軸では、「0
度」がホームポジションであり、このホームポジション
では、上腕32Rおよび32Lならびに前腕36Rおよ
び36Lは下方向に向けられる。
【0022】また、図示しないが、上部胴体22の肩の
部分や上述の上腕32Rおよび32Lならびに前腕36
Rおよび36Lには、それぞれ、タッチセンサが設けら
れていて、これらのタッチセンサは、人がロボット10
のこれらの部位に接触したかどうかを検知する。これら
のタッチセンサも図3において参照番号72で包括的に
示す。
【0023】前腕36Rおよび36Lのそれぞれの先端
には、手に相当する球体38Rおよび38Lがそれぞれ
固定的に取り付けられる。なお、この球体38Rおよび
38Lに代えて、この実施例のロボット10と異なり指
の機能が必要な場合には、人の手の形をした「手」を用
いることも可能である。
【0024】上部胴体22の中央上方には、首関節40
を介して、頭部42が取り付けられる。この首関節40
は、3つの自由度を有し、S軸,T軸およびU軸の各軸
廻りに角度制御可能である。S軸は首から真上に向かう
軸であり、T軸およびU軸は、それぞれ、このS軸に対
して異なる方向で直交する軸である。頭部42には、人
の口に相当する位置に、スピーカ44が設けられ、目に
相当する位置に眼カメラ46が設けられる。スピーカ4
4は、ロボット10が、それの周囲の人に対して音声ま
たは声によってコミュニケーションを図るために用いら
れる。眼カメラ46は、ロボット10に接近した人の顔
や他の部分を撮影してその映像信号を取り込む。ただ
し、スピーカ44は、ロボット10の他の部位たとえば
胴体に設けられてもよい。
【0025】なお、上述の全方位カメラ26および眼カ
メラ46のいずれも、たとえばCCDやCMOSのよう
に個体撮像素子を用いるカメラであってよい。
【0026】図2は図1のロボット10とは異なる構成
のロボット10の主要部の上面図を示しており、上部胴
体22は、前面22a,背面22b,右側面22c,左
側面22d,上面22eおよび底面22fを含み、右側
面22cおよび左側面22dは表面が斜め前方に向くよ
うに形成してもよい。つまり、前面22aの横幅が背面
22bの横幅よりも短く、上部胴体22を上から見た形
状が台形になるように形成される。このような場合、ロ
ボット10の腕は肩関節30Rおよび30Lが支持部8
0Rおよび80Lを介して右側面22cおよび左側面2
2dに取り付けられる。なお、支持部80Rおよび80
Lの表面はそれぞれ右側面22cおよび左側面22dと
平行している。上述したように上腕32RはY軸廻りに
回動可能であり、上腕32LはB軸廻りに回動が可能で
あるが、上腕32Rおよび上腕32Lの回動範囲は、支
持部80Rおよび80Lの表面(取り付け面)によって
規制される。このため、上腕32Rおよび32Lが取り
付け面を超えて回動することはない。
【0027】図2から分かるように、上腕32Rの基端
である肩関節30Rと上腕32Lの基端である肩関節3
0Lとを結ぶ線L1と右側面22c(取り付け面)とが
なす角度θ1は、0°<θ1<90°の条件を満たす。
上述の結線L1と左側面22dとがなす角度θ2もま
た、0°<θ2<90°の条件を満たす。結線L1はロ
ボット10の前方向と直交しているため、右側面22c
に垂直なX軸と前方向とがなす角度θ3は“180°−
θ1”に等しく、左側面22dに垂直なA軸と前方向と
がなす角度θ4も“180°−θ2”に等しい。なお、
角度θ1およびθ2の各々は、好ましくは30°≦θ1
≦70°および30°≦θ2≦70°の条件を満たすの
が良い。さらに、上腕32Rおよび32Lの各々の長さ
を230mmとし、前腕36Rおよび36Lの長さを2
35mmとし、そしてY軸とB軸との間の距離を518
mmとした場合、角度θ1およびθ2は60°とするこ
とが好ましい。このとき、角度θ3およびθ4は120
°となる。
【0028】このようにすれば、上腕32Rおよび32
Lは前方を越えてより内側まで回動できるので、たとえ
W軸およびD軸による腕の自由度がなくてもロボット1
0の腕は前方で交差できる。したがって、腕の自由度が
少ない場合でも正面に位置する人と抱き合うなどの密接
なコミュニケーションを図ることができる。
【0029】図1に示すロボット10の制御系の構成が
図3のブロック図に示される。図3に示すように、この
ロボット10は、全体の制御のためにマイクロコンピュ
ータまたはCPU50を含み、このCPU50には、バ
ス52を通して、メモリ54,モータ制御ボード56,
センサ入力/出力ボード58および音声入力/出力ボー
ド60が接続される。
【0030】メモリ54は、図示しないが、ROMやR
AMを含み、ROMにはこのロボット10の制御プログ
ラムが予め書き込まれているとともに、スピーカ44か
ら発生すべき音声または声の音声データが格納されてい
る。RAMは、一時記憶メモリとして用いられるととも
に、ワーキングメモリとして利用され得る。
【0031】モータ制御ボード56は、たとえばDSP
(Digital Signal Processor)で構成され、各腕や頭部の
各軸モータを制御する。すなわち、モータ制御ボード5
6は、CPU50からの制御データを受け、右肩関節3
0RのX,YおよびZ軸のそれぞれの角度を制御する3
つのモータと右肘関節34Rの軸Wの角度を制御する1
つのモータとの計4つのモータ(図3ではまとめて、
「右腕モータ」として示す。)62の回転角度を調節す
る。また、モータ制御ボード56は、左肩関節30Lの
A,BおよびC軸のそれぞれの角度を制御する3つのモ
ータと左肘関節34LのD軸の角度を制御する1つのモ
ータとの計4つのモータ(図3ではまとめて、「左腕モ
ータ」として示す。)64の回転角度を調節する。モー
タ制御ボード56は、また、頭部42のS,TおよびU
軸のそれぞれの角度を制御する3つのモータ(図2では
まとめて、「頭部モータ」として示す。)66の回転角
度を調節する。モータ制御ボード56は、また、腰モー
タ68、および車輪14を駆動する2つのモータ(図3
ではまとめて、「車輪モータ」として示す。)70を制
御する。
【0032】なお、この実施例の上述のモータは、車輪
モータ70を除いて、制御を簡単化するためにそれぞれ
ステッピングモータまたはパルスモータであるが、車輪
モータ70と同様に、直流モータであってよい。
【0033】センサ入力/出力ボード58も、同様に、
DSPで構成され、各センサやカメラからの信号を取り
込んでCPU50に与える。すなわち、超音波距離セン
サ18の各々からの反射時間に関するデータがこのセン
サ入力/出力ボード58を通して、CPU50に入力さ
れる。また、全方位カメラ26からの映像信号が、必要
に応じてこのセンサ入力/出力ボード58で所定の処理
が施された後、CPU50に入力される。眼カメラ46
からの映像信号も、同様にして、CPU50に与えられ
る。なお、この図3では、図1で説明したタッチセンサ
は、まとめて「タッチセンサ72」として表され、それ
らのタッチセンサ72からの信号がセンサ入力/出力ボ
ード58を介して、CPU50に与えられる。
【0034】なお、スピーカ44には音声入力/出力ボ
ード60を介して、CPU50から、合成音声データが
与えられ、それに応じて、スピーカ44からはそのデー
タに従った音声または声が出力される。そして、マイク
28からの音声入力が、音声入力/出力ボード60を介
して、CPU50に取り込まれる。
【0035】この実施例のロボット10は、「抱っこし
てね」と人に呼びかけて、接近を促がし、接近してきた
人のたとえば服の色を特徴色として記憶する。そして、
周囲にある特徴色を検知することによって人を発見す
る。
【0036】図4および図5に示すフロー図は、ロボッ
ト10が一度抱っこされた人を記憶し、その後で抱っこ
した人を見つけて挨拶をする場合の動作を示す。
【0037】図4の最初のステップS1では、CPU5
0は、メモリ54から、音声入出力ボード60へ、音声
データを送る。したがって、スピーカ44から合成音声
「抱っこしてね」が出力される。
【0038】ステップS3で、CPU50は、ロボット
10の頭部42(図1)を斜め上方向に向けかつ腕を下
方向に向けるように、メモリ54から、角度データをモ
ータ制御ボード56に送る。具体的には、図1に示すU
軸の回転角度を調整するモータに角度「45」を与え、
X軸の回転角度を調整するモータに角度「90」を与
え、A軸の回転角度を調整するモータに角度「80」を
与え、Y軸およびB軸の回転角度を調整するモータに角
度「45」を与え、残りのモータにはすべて「0」を与
える。したがって、このステップS3では、ロボット1
0の頭部42が斜め上を向き、上腕32RがX軸廻りに
90度回転されるとともにY軸廻りに45度回転され、
上腕32LがA軸廻りに80度回転されるとともにB軸
廻りに45度回転される。したがって、上腕32Rおよ
び32Lが前腕36Rおよび36Lと一直線の状態で、
ロボット10の斜め前方に広げられる。その状態はロボ
ット10が「抱っこ」をせがんでいる状態を表現してい
る。
【0039】続くステップS5において、CPU50
は、超音波距離センサ18(図1)からの距離値をセン
サ入力/出力ボード58を介して取り込む。すなわち、
このステップS5では、超音波距離センサ18からの信
号がセンサ入力/出力ボード58に入力される。
【0040】CPU50は、次のステップS7におい
て、センサ入力/出力ボード58から入力された距離デ
ータが所定値以下かどうか判断する。この「距離」が所
定値以下であるということは、人がロボット10に近づ
いたことを意味し、このステップS7で“YES”を判
断すると、ステップS13に進む。一方、ステップS7
で“NO”を判断すると、ステップS9で、CPU50
は台車12の前面の衝突センサ(図示せず)の値を読み
込む。そして、ステップS11において、CPU50は
ステップS9で読み込んだ衝突センサからの値が、「衝
突センサのオン」を示しているかどうか、判断する。そ
して、ステップS11で“YES”を判断すると、すな
わち人がロボット10の台車12の前面に接触したこと
を判断すると、ステップS13に進む。
【0041】ステップS13では眼カメラ46からの映
像信号をセンサ入力/出力ボード58に取り込み、ステ
ップS15ではこのボード58で、映像信号処理するこ
とによって、カメラ画像に含まれるたとえば彩度が20
%以上である特徴的な色を検出し、検出された特徴色を
メモリ54に記憶する。したがって、抱っこをしに近づ
いてきた人のたとえば服の色をロボット10が特徴色と
して記憶する。
【0042】続くステップS17では、CPU50は、
メモリ54から音声入出力ボード60へ、音声データを
送る。したがって、スピーカ44から合成音声「だいす
き」が出力される。
【0043】そしてステップS19では、ロボット10
の頭部42が直立し、前腕36Rおよび35Lを曲げる
ように、メモリ54から、角度データをモータ制御ボー
ド56に送る。具体的には、図1のX軸の回転角度を調
整するモータに角度「90」を与え、A軸の回転角度を
調整するモータに角度「80」を与え、Y軸およびB軸
のモータに角度「45」を与え、W軸およびD軸のモー
タに角度「60」を与え、残りのモータにはすべて角度
「0」を与える。したがって、このステップS117で
は、ロボット10の腕が人を抱くように、前腕36Rお
よび36Lが曲げられる。
【0044】続くステップS21では、再び眼カメラ4
6からの映像信号をセンサ入力/出力ボード58に取り
込んでこのボード58で映像信号を処理し、ステップS
23では取り込んだ画像中にステップS15においてメ
モリ54に記憶した特徴色が含まれているかどうかを判
断する。含まれていないときにはステップS25でCP
U50はモータ制御ボード56に、車輪モータを回転さ
せて台車部が時計回りに30度回転させる角度データを
与える。そして、ステップS21に戻る。一方、ステッ
プS23で画像中に特徴色が含まれていると判断する
と、ステップS27では、CPU50はモータ制御ボー
ド56に、車輪モータを回転させて台車12を、つまり
ロボット10を前進させる。
【0045】次に、ステップS29では、CPU50
は、超音波距離センサ18からの距離値をセンサ入力/
出力ボード58を介して取り込む。そして、ステップS
31では、CPU50は、センサ入力/出力ボード58
から入力された距離データが所定値以下かどうか判断す
る。ステップS31で“NO”を判断すると、ステップ
S21に戻り、眼カメラ46から得られる画像中に特徴
色が含まれているか再び判断する。
【0046】一方、ステップS31で“YES”を判断
すると、つまり近くに抱っこをした人がいると、ステッ
プS33において、CPU50は、メモリ54から、音
声入力/出力ボード60へ、音声データを送る。したが
って、スピーカ44から合成音声「こんにちは」が出力
される。
【0047】最後に、ステップS35で、CPU50
は、ロボット10の頭部42を下に向けるように、メモ
リ54から、角度データをモータ制御ボード56に送
る。具体的には、図1に示すU軸の回転角度を調整する
モータに角度「−45」を与え、残りのモータにはすべ
て角度「0」を与える。したがって、このステップS3
3では、ロボット10の頭部が下を向いてお辞儀をする
格好をとる。
【0048】このようにして図4および図5の実施例で
は、人がロボット10からの「抱っこして」の呼びかけ
に応じて抱っこをしに近づくと、ロボット10は人のた
とえば服の色などの特徴色を覚え、覚えた特徴色を頼り
に抱っこをした人を発見して近づき挨拶をする。
【0049】なお、この実施例は適宜変更して実施する
ことができる。たとえば、上述の実施例では、合成音声
の発生とともに頭部や腕を変位させるジェスチャーによ
ってコミュニケーションをとることとしたが、合成音声
の発生もしくはジェスチャーのどちらかによってコミュ
ニケーションをとるようにしてもよい。
【0050】また、上述の実施例では言語音である合成
音声としたが、これに代えてメロディーや音とすること
もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の全体構成を示す正面図で
ある。
【図2】この発明の一実施例の全体構成を示す上面図で
ある。
【図3】図1の実施例のブロック図である。
【図4】図1の実施例における動作の一部を説明するフ
ロー図である。
【図5】図1の実施例における動作のその他の一部を説
明するフロー図である。
【符号の説明】
10 …コミュニケーションロボット 12 …台車 14 …車輪 18 …超音波距離センサ 20 …下部胴体 22 …上部胴体 30R、L …肩関節 32R、L …上腕 34R、L …肘関節 36R、L …前腕 40 …首関節 42 …頭部 44 …スピーカ 46 …眼カメラ 50 …CPU 54 …メモリ 56 …モータ制御ボード 58 …センサ入出力ボード 60 …音声入出力ボード 62 …右腕モータ 64 …左腕モータ 66 …頭部モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神田 崇行 京都府相楽郡精華町光台二丁目2番地2 株式会社エイ・ティ・アール知能映像通信 研究所内 (72)発明者 小野 哲雄 京都府相楽郡精華町光台二丁目2番地2 株式会社エイ・ティ・アール知能映像通信 研究所内 (72)発明者 石黒 浩 京都府相楽郡精華町光台二丁目2番地2 株式会社エイ・ティ・アール知能映像通信 研究所内 Fターム(参考) 2C150 CA01 CA02 DA06 DA24 DA25 DA26 DA27 DA28 DF03 DF04 DF06 EB01 EC03 EC25 EC28 ED42 ED52 EF07 EF16 EF17 EF23 EF29 EF33 EF36 3C007 AS36 BS27 CS08 KS11 KS31 KS36 KS39 KT02 KT04 KV18 KX02 KX05 WA03 WA16 WB17 WB26 WC30 5B057 BA11 CA01 CA08 CA12 CA16 CH11 DA08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コミュニケーションを図る機能を備えたコ
    ミュニケーションロボットであって、 カメラ、 前記ロボットと物体との距離を測定する距離測定手段、 前記距離測定手段が測定した測定値を閾値と比較する比
    較手段、 前記比較手段による比較の結果、前記測定値が前記閾値
    以下であると前記カメラからの画像に基づいて前記物体
    を記憶する記憶手段、および前記カメラから得られる画
    像から前記記憶手段によって記憶された前記物体を検出
    する物体検出手段を備える、コミュニケーションロボッ
    ト。
  2. 【請求項2】音および動作の少なくとも一方を用いてコ
    ミュニケーションを図るコミュニケーションロボットで
    あって、 カメラ、 前記ロボットと物体との距離を測定する距離測定手段、 前記距離測定手段が測定した測定値を閾値と比較する比
    較手段、 前記比較手段による比較の結果、前記測定値が前記閾値
    以下であると前記カメラからの画像に基づいて前記物体
    を記憶する記憶手段、 前記比較手段による比較の結果、前記測定値が前記閾値
    以下であると第1のコミュニケートをする第1コミュニ
    ケート手段、 前記カメラから得られる画像から前記記憶手段によって
    記憶された前記物体を検出する物体検出手段、および前
    記物体検出手段による物体検出に応答して第2のコミュ
    ニケートをする第2コミュニケート手段を備え、 前記第1コミュニケート手段および前記第2コミュニケ
    ート手段は、発音表現手段および動作表現手段の少なく
    とも一方を含む、コミュニケーションロボット。
  3. 【請求項3】前記発音手段は合成音声を発生する合成音
    発生手段を含む、請求項2記載のコミュニケーションロ
    ボット。
  4. 【請求項4】前記記憶手段は前記カメラからの画像に含
    まれる前記物体の特徴的な色を記憶し、前記物体検出手
    段は前記カメラからの画像に含まれる前記特徴的な色を
    検出する、請求項1ないし3のいずれかに記載のコミュ
    ニケーションロボット。
  5. 【請求項5】前記物体検出手段は前記物体を検出しない
    とき前記カメラの方向を所定の角度だけ変位させるカメ
    ラ変位手段を含む、請求項1ないし4のいずれかに記載
    のコミュニケーションロボット。
  6. 【請求項6】胴体、および前記胴体上に首関節を介して
    取り付けられた頭部をさらに備え、前記動作表現手段
    は、前記首関節を制御して前記頭部の方向を変位させる
    頭部変位手段を含む、請求項2ないし5のいずれかに記
    載のコミュニケーションロボット。
  7. 【請求項7】前記胴体上に肩関節を介して取り付けられ
    た上腕、および前記上腕に肘関節を介して取り付けられ
    た前腕をさらに備え、 前記動作表現手段は、前記肩関節および前記肘関節の少
    なくとも一方を制御して前記上腕および前記前腕の少な
    くとも一方を変位させる腕変位手段を含む、請求項2な
    いし6のいずれかに記載のコミュニケーションロボッ
    ト。
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