JP2002361206A - 温室効果ガスの削減技法 - Google Patents

温室効果ガスの削減技法

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JP2002361206A
JP2002361206A JP2001205406A JP2001205406A JP2002361206A JP 2002361206 A JP2002361206 A JP 2002361206A JP 2001205406 A JP2001205406 A JP 2001205406A JP 2001205406 A JP2001205406 A JP 2001205406A JP 2002361206 A JP2002361206 A JP 2002361206A
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    • Y02W30/78Recycling of wood or furniture waste

Abstract

(57)【要約】 【課題】温室効果ガス発生を削減する技法の開発。 【解決の手段】廃棄物等を主要素材とする環境浄化材を
製造する過程において、焼却に付されてきた廃棄木材あ
るいは可燃性廃棄物等を高温乾留することで炭素系ガス
の発生を抑制し、得られた木炭・活性炭等を、環境浄化
材のなかに閉じこめて非燃料化し焼却できないようにす
る。また、単独使用して吸着性能の劣化した活性炭を可
能な限り再活性化して燃料化焼却率を引き下げる等によ
り温室効果ガスの発生をトータルで削減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木材系廃棄物や可
燃性廃棄物等を焼却処分せずに乾留処分することで温室
効果ガスの発生を抑制する。この乾留によって生ずる大
量の木炭等が燃料として処分されることを避けるために
環境材を製造してこれに閉じ込めようとする技術と、汚
染物質浄化に使用した劣化活性炭の再活性化の繰り返し
による焼却廃棄率低減により温室効果ガスの発生をトー
タルで削減する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】温室効果ガスの抑制は化石燃料消費のリ
ドュース、あるいは、資材のリサイクル・リユーズによ
り資源浪費を抑えて結果的に化石燃料を削減すること等
によって温室効果ガスを間接的に抑えることに重点がお
かれている。また、直接COガスを吸収させる人工植
林と、バイオマスによるメタノール化あるいは燃料電池
の新技術開発等に見られる温室効果ガス発生率の低減化
技術が開発されている。工場排煙等の直接浄化処理には
SOx処理のための石炭火力発電所等に設けられた脱硫
装置があるが、消石灰によるCOガスの処理は副成さ
れるCaCOの用途に問題があり未だ一般化していな
い。乾留技術は年間200万トンに及んだ炭窯による木
炭製造と、石炭乾留による都市ガス製造に活かされてい
たが、石油あるいはNPG等に圧されて無くなり、今日
では鉄鋼業のコークス乾留に見られるぐらいである。ま
た本発明が利用する消石灰とCOガスによる硬化技術
は、原理的には古くから伝わる漆喰壁の硬化技術であ
る。
【0003】
【本発明が解決しようとしている課題】1.廃木材等の
不法焼却を防止する課題。 最も効率的なCOガス吸着方法は消石灰に曝すことで
あるが、消石灰を製造した時点で既にCOガスを放出
しているから温室効果に及ぼす影響は差し引きゼロにな
りトータルでは削減したことにならない。現在、年間に
住宅解体による廃棄木材600万トンのうち60%の3
60万トンが焼却処分されている。廃棄木材に含まれる
炭素分が炭素分子量換算で約42%(144/342:
g/mol)とすると150万トンになり、この炭素分
焼却により、分子量換算3.67倍(44/12:g/
mol)の約550万トンのCOガスを放出している
ことになる。このほか可燃性の廃棄物には製材屑・間伐
材・孟宗竹・街路樹廃材あるいは製紙スラッジ・紙屑・
藁・籾殻・コーヒー/茶殻・おから等々、工業・食品系
を問わず多様にあり、少なくとも1〜2億トンの利用可
能な可燃物が焼却場または処分場に持ち込まれていると
考えられる。この様に大量な廃木材あるいは可燃性廃棄
物等の焼却を乾留に切り替えて、COガス放散を抑制
して温室効果ガスを削減する技法を開発することが本発
明の基本課題である。 2.乾留ガス化反応を抑制する課題。 石炭ガス製造技術は、水性ガス反応・メタン化反応ある
いは発生炉ガス反応を利用して効率的にガスを引き出す
ことにあったが、本発明においては、COガス・CO
ガス・CHガス等の炭素系ガスの発生を最少化すると
ともに木炭生成の歩留をあげるために、これらのガス化
反応をいかに抑制するかが課題になる。 3.木炭・活性炭の用途を開拓する課題。 廃木材等の焼却を乾留に切り替えてCOガスの削減に
成功しても大量に産出される木炭をどのように処理する
かの課題がある。木炭には古くから活性炭に見られるよ
うに、その吸着作用を利用した広範な用途がある。最近
では室内空間の有害ガスや悪臭の吸着、汚水の浄化作
用、あるいは土壌の保水、豪雪地域の融雷等の効果も見
直されてきているが、化石燃料のあまりに急激な普及で
市場も消滅して大量な木炭の処分先がゼロに等しい。 4.木炭・活性炭を非燃料化する課題。 木炭を微粉炭燃料として発電ボイラー等に使用すれば国
内の住宅廃材が何千万トンあろうとも低コストで供給で
きれば容易に消化できるが、燃料として焼却すればCO
ガスの削減に繋がらないので、木炭を何かに閉じこめ
て非燃料化する技法を開発する必要がある。 5.環境材の製造技法を開発する課題。 本発明においては環境材を製造して木炭をこれに閉じ込
めて非燃料化することで温室効果ガスを抑制することに
あるが、この、木炭を閉じこめる環境材の硬化技法が課
題となる。 i.木炭を含有する環境材を焼成によって焼結硬化させ
るとすれば、含まれる木炭の燃焼によるCOガス発生
を避ける必要がある。 ii.焼成に化石燃料を使用すればCOガスが発生す
る。温室効果ガスを抑制するためには、できるだけ化石
燃料を用いることなく環境材を焼結させる必要がある。 iii.環境材の硬化を焼結によらないとすれば、消石
灰を空気中のCOガスと反応させて硬化させる方法が
考えられるが、空気中のそれは僅かに0.035%〜
0.05%であり漆喰壁にように自然放置によって硬化
させることは大量生産に不適応であり、高濃度炭酸水や
ドライアイスを利用することは経済的に負担が大きすぎ
る。 6.廃棄物あるいは温室効果ガスにかかる情報を収集す
る課題。 市場に環境材を大量に供給して木炭を消化するためには
需要者が受け入れやすい低価格が望ましい。そこで考え
られるのが年間数億トン発生していると言われる廃棄物
の活用である。有機質廃材のうちプラスチックスの一部
と無機質廃材の金属を除く大部分が低コストの環境材原
料として利用できる可能性があるが、選別等前処理にコ
ストのかからない廃棄物を大量に手当するには、その立
地した地域ごとに廃棄物情報を収集できるネットの構築
が重要になる。また、既に2000年〜2001年にか
けて環境基本法のもとに、廃棄物処理法・資源有効利用
促進法・建設リサイクル法・食品リサイクル法・グリー
ン購入法等の多くの規制法が出揃い、国・県等の公的支
援・融資制度等の優遇策も一段と整備され、国際的には
気候変動に関する政府間パネル(IPC)の京都議定書
発行に伴うCOガス排出権の動向がある。これら廃棄
物処理にかかる公的支援を環境材の間接コスト削減に結
びつける情報収集がもうひとつの課題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】工場・事業場等から発生
するCOガスを除去するためには、消石灰に吸着させ
ることが効果的であるが、消石灰の製造時にCOガス
を発生しているので地球外から消石灰を輸入しない限り
トータルでは温室効果ガスの削減率はゼロである。本発
明ではこれらの課題を解決するために次のような手段を
とる。 1.COガス発生の削減手段と吸着による回収手段。 (一).木材系廃棄物・可燃性廃棄物等(以下、単に廃
木材等という)を乾留するとき、空気を遮断して還元焔
雰囲気を保ちCOガスの発生を抑え、廃木材等を乾燥
して含有水分を取り除くことで蒸気化を避け、廃木材の
山積みを避けてCOガスの発生を最少化して発生しやす
いCOガスを抑える。また炉内温度を高温に保ち低温で
分解しやすいCOガスあるいはCHガス等を抑え、
ガスとの反応によるCHガスの発生を減らす。以
上の組み合わせによって主としてHガスを発生させる
ことで、COガス、CHガス及びCOガス等の温室
効果ガスの発生を抑制する。 (二).成型品素材に含まれる消石灰に、主として石灰
焼成によって発生したCOガス、あるいは工場排煙に
含まれるCOガスを曝して吸着させ回収削減する。 (三).最後に、前項(二)によって回収されなかった
未浄化のCOガスを、余剰の消石灰乳に曝して吸着さ
せ、可能な限り温室効果ガスを削減する。 2.製造した木炭類燃料化の防止手段。 木炭類は硫黄分を含まず、灰分は1%〜3%であるから
重化石燃料より良質な燃料として使用できるが、これを
燃焼すればトータルでの温室効果ガスの削減率は改善さ
れないので、大部分の活性炭を環境材に閉じ込める方法
を採用し、非燃料化して温室効果ガス抑制を図る。 3.環境材の硬化手段。 セラミックス系環境材を硬化させる一般的手法は焼成に
より焼結することであるがCOガス発生をできるだけ
抑えるために次の三種類の硬化技法を採用する。 (一).廃木材の高温乾留によって生ずるHガス等を
燃料として活用し、成型品に含有する活性炭の燃焼を防
止するために還元焔で焼成して焼結硬化させる。 (二).環境材を焼結によらない場合は、成形品に消石
灰を混合して、COガスを吸着して硬化させる。効率
的な硬化を図るには高濃度のCOガスが望ましいが、
石灰焼成による副生COガスあるいは工場排煙等に含
まれるCOガスを利用する。 (三).高硬度を必要とする場合は、消石灰のCO
ス吸着硬化と、5%〜10%加えたセメント自体の水和
硬化により相乗的に硬度を高める。また水質浄化材の場
合は、セメントの含有する鉄アルミン酸四石灰と製品に
含まれる未硬化消石灰との水中反応を利用して時間の経
過とともに製品硬化をさらに助長する。 4.多品種・高品質・低原価志向の環境材の製造手段。 温室効果ガスを大幅に削減するために乾留量を増やせば
大量な木炭が生成される。このために大量の環境材の製
造が必要になり、その需要を拡大しなければならない。 (一).需要を拡大する多様な環境材の開発。 i.多様な環境材による需要拡大。 大量な需要に期待が持てるものに、湖沼・養魚養殖場等
の水質浄化用がある。あるいは、公共広場の舗石・縁石
ブロック・遊歩道・サイクリングロード等に使用できれ
ばこれも大量需要が期待できる。また、壁・天井等室内
空間浄化用建材を提供すれば室内調湿やホルムアルデヒ
ド等の化学物質対策にもなる。さらに多様な廃棄物素材
の選択と吸着・焼結硬化技法あるいは強度補強材を組み
合わせて多種類の建材を製造して需要を掘りおこす。ま
た、化学関連工場等から発生する有毒・悪臭ガス等の一
般吸着剤あるいは調湿剤等の需要先に見合う品質・価格
の製品を製造することも大型需要の拡大に繋がる。 ii.土壌改良剤あるいは園芸培養土用素材による需要
拡大。 木炭・活性炭等は軽量にして比容積が大きく排水・保水
性・排水性に優れており土壌改良剤あるいは園芸培養土
・肥料素材としての用途も期待できる。 iii.工場排煙浄化材あるいは汚染土壌浄化材による
需要拡大。 吸着により劣化した活性炭の再活性化リユーズシステム
と、場合いによっては高温焼却による排ガスの無毒化が
可能な外部システムとの連携を前提条件として、活性炭
単体で大型工業用炉の排煙処理用または生ゴミ焼却炉の
ダイオキシン等有害ガス吸着用に、またトリ・テトラク
ロロセチレン等市街地汚染土壌浄化用等に販路を開拓す
れば需要は限りなく拡大する。 (二).高品質環境材の開発による需要拡大。 i.大量に生成する活性炭を豊富に使用して環境材の吸
着性能を高める。 ii.無機質微孔質系の珪藻土等を木酢液によって活性
度を高める。 iii.吸着硬化・水和硬化等を活用して低温処理によ
るマイナスイオン発生剤、二酸化チタン系抗菌剤を付与
した環境材を提供する。 (三).需要を拡大する低コスト環境材の開発。 i.運搬費程度のコストにとどめられる廃棄物を選択し
て低コスト化に務める。 ii.木炭の吸着性能を高めるために石灰焼成の高濃度
副成COガスによって低コストで活性炭化する。 iii.焼結を不要とする消石灰による吸着硬化を採用
し自前のCOガスを利用して製品の硬化に費用を掛け
ない。 iv.焼結硬化を必要とする場合は自己調達燃料である
副生Hガス等を活用していずれも燃費を不要にする。 v.工場排煙等浄化により大量に副成されるCaCO
は原料として再使用する。 vi.木酢ガスは木酢液並びに木タールとして有効に活
用する。 vii.生石灰加水による発生熱、活性炭冷却時の交換
熱ならびに木酢ガス分留交換熱等の熱源を素材処理・環
境材製造の乾燥工程に有効に活用する。余剰の熱源は電
気エネルギー転換して工場内の動力源とする。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、温室効果ガス削減の実施例
を表1〜表14及び図1に沿って述べる。 1.廃棄物等素材選択の実施形態。 (一).石灰系廃棄物;廃棄貝殻・大理石廃材を主要
素材とし不足の場合は石灰石で補充する。 (二).木材系廃棄物;住宅廃材・製材屑等を主要素
材とし不足の場合は間伐材・孟宗竹その他で補充する。 (三).可燃性廃棄物;製紙スラッジを素材とし不定
期に藁・籾殻・古畳等を受け入れる。 (四).不燃性廃棄物;石炭灰・焼却場熔融スラグ・
ガラス屑をその粒度と色調あるいは有毒成分の有無によ
って選択する。 (五).微孔質系原料;山元の珪藻土採掘屑を主体に
不足の場合は原石で補充する。 (六).珪酸質系原料;水簸残渣を主要素材とし可塑
性を粘土によって補う。特に白色度を必要としない場合
は鉄分や有機分の多い赤土や休耕田の黒土を用いる。 (七).工場内総廃ガス;廃ガス類も主要な資源とし
て環境材の吸着硬化に有効利用する。 2・廃棄物等素材処理の実施形態。 (一).廃棄貝殻・大理石廃材を焼成炉において空気を
調節して800℃〜1000℃で焼成する。使用する燃
料として木炭乾留の副成Hガス(e)等を用いる。ま
た得られた生石灰(a)に加水して吸着硬化用の消石灰
(c)を得る。また、発生するCOガス(b)は木炭
活性化炉に送る。大理石廃材はシリカ・カルシュウム等
の化学成分を分析して過剰分を珪砂とCaCO(d)
によって基本調合を加減する。 (二).廃木材等を乾留すると、表9〜表13に示すよ
うに様々の反応がおきる。着火後、一部廃木材の自己燃
焼によって乾留が始まってから空気を遮断して廃木材等
の“▲A▼燃焼反応”によるCOガスの発生を抑え
る。次に、乾留炉内温度を800℃〜1000℃の高温
まで可及的短時間で上昇させる。理想的には廃木材乾留
と木炭活性化を同一炉で行い活性炭の出炉直後の高温活
性炉に廃木材を投入して木材の350℃〜500℃間の
“▲B▼熱分解反応”によるCOガスならびにCH
ガス等の発生を抑えHガスの発生を主力とするように
コントロールする。廃木材等を装入前に乾燥して含有水
分の蒸気化を避けて炭素と水蒸気の“▲C▼水性ガス反
応”によるCOガスの発生を抑え、また、この状態のも
とで廃木材の山積みを避けて赤熱炭素とOガスあるい
はCOガスの接触時間を少なくして“▲D▼発生炉ガ
ス反応”をコントロールすることでCOガス発生を可能
な限り減らして、赤熱炭素とCOガスの“▲E▼メタン
化反応”によるCHガスの発生チャンスを減らす。以
上の組み合わせによって温室効果ガスの発生を抑制する
とともに、主としてHガスを発生させて、これを工場
内の焼成炉あるいは乾燥炉等に転送する。また、木酢ガ
ス(g)を冷却分留して木酢液(i)を得る。 (三).前項と同様の操作で、製紙スラッジ、紙屑を乾
留して木炭(f)ならびに木酢ガス(g)を得る。木炭
(f)は木炭活性化炉に、木酢ガス(g)は木酢ガス分
留装置に送る。また、素材により変動する炭化後の化学
成分を把握してシリカ・アルミナ・カルシュウム分の増
減を珪砂・粘土あるいは副生CaCO(d)によって
最後に加減する。 (四).石炭灰、焼却場スラグ、ガラス屑を必要に応じ
て乾燥・粗砕・微粉砕処理して石炭灰等(j)を用意す
る。水質浄化材等用に比重が不足する素材は比重の大き
い珪砂等で置換する。 (五).珪藻土を活性化漕内において副生木酢液(i)
と反応させ、石灰質を溶出して吸着用活性珪藻土等
(k)を得る。用途に応じて鹿沼土等を追加する。 (六).水簸残渣を必要に応じて乾燥・篩い分けして成
型用可塑材の粘土等(l)を得る。可塑性不足分は粘土
等を必要に応じて追加して調合の可塑性を調整する。特
に色調に拘らない場合は赤土・休耕田黒土により代替す
る。 (七).最後に、工場排煙その他の工場内総廃ガスに反
応させた残余のCOガス(b)を、消石灰(c)乳に
より浄化するとき副生したCaCO(d)は環境材原
料及び釉薬原料として還元使用する。 3・環境材製造の実施形態。 (一).湖沼・養殖場用等の水質浄化材(1)製造の実
施形態。 i.表1:p31の調合原料(1)を混合し15〜20
%の水を加え混練して、真空土練機により6cm角、3
列×3段、合計9個の孔を備えたノズルから押し出して
6cm間隔で切断成型する。尚、真空土練機一台稼動に
よる3シフト操業の年間製造能力;27,814トンの
例を表2:p31に示す。ただし製造中のロスを含まな
い能力である。 ii.工場排煙あるいは石灰焼成ガスのCOガス
(b)を導入した吸着硬化装置に、この成型品を装入し
て湖沼・養魚・養殖場等浄化材(1)を硬化して得る。 iii.尚ノズル孔は、角型以外に円形、歯車型、十字
型等異型にして処理中の相互接着を予防し、あるいは表
面積を増やして硬化及び浄化効果を高める。 iv.また本実施例では、水質浄化材を水底に沈積した
ヘドロに混在させ、かつ、流水損失を防止できるように
水簸残渣・珪砂等の高比重原料で調整し製品比重を1.
15g/cc(註:表2)にする。 v.要求される硬化速度と硬度に応じて5%〜10%の
セメントを添加して成型し前ii項により吸着硬化させ
る。 (二).公園・遊歩道用等舗石・縁石ブロック(2)製
造の実施形態。 i.表1:p31の調合原料(2)を混合し加水後、混
練して5cm×高さ11cmのノズル孔4個を並べ真空
土練機により押し出して並煉瓦サイズの22cm間隔で
切断する。尚、必要に応じて同型状の乾式加圧成型品を
成型する。 ii.前項と同様に工場排煙あるいは石灰焼成ガスを導
入したCOガス(b)吸着硬化装置に、この成型品を
装入して吸着硬化させて公園・遊歩道等舗石・縁石ブロ
ックを得る。 iii.必要に応じて強度補強材を添加し、またトルマ
リン・光触媒剤を施す。 (三).室内空間浄化用内装建材・内外装用タイル・パ
ネル等(3)製造の実施形態。 i.表1:p31の調合原料(3)−1を混合し適宜加
水して真空土練機で湿式押出成型、あるいは調合原料
(3)−3を混合・加水し乾式加圧成型によって15c
m×15cm×8mmの成型品を得る。これに釉薬調合
(n)−1あるいは釉薬調合(n)−2のモルタル系釉
薬を木酢液(i)でPH調整して、無機質顔料を加え施
釉するか、あるいは無釉のままで工場排煙または石灰焼
成ガスのCOガス(b)を導入した吸着硬化装置に装
入して吸着硬化させ室内空間浄化用内装建材を製造す
る。 ii.調合原料(3)−2の強度補強材を含まない成型
素材を、湿式押出あるいは乾式加圧成型をした成型品
を、Hガス(e)等を主燃料として800℃〜100
0℃の還元焔雰囲気で焼結硬化させて室内空間浄化用内
装建材あるいは施釉・無釉内外装用タイル等を製造す
る。 iii.調合原料(3)−1あるいは調合原料(3)−
3に、すさ、ロックウール屑、メタルラス等の強度補強
材を加えて曲げ強度を強化した大型パネルを成型し、必
要に応じて、釉薬調合(n)−1あるいは釉薬調合
(n)−2を施釉して、これを吸着硬化あるいは焼結硬
化させて室内空間浄化用大型パネル、あるいは内外装用
大型パネル、または内外装用大型タイル等を製造する。 iv.調合原料(3)−3を湿式押出あるいは乾式加圧
成型して、これに薬調合(n)−1または調合(n)−
2に無機質顔料を加えて施釉した施釉タイルを、または
調合原料(3)−3に無機質顔料を加えて成型した無釉
タイルを、吸着硬化あるいは焼結硬化させて多色系内外
装用施釉タイルおよび純白色系内外装用無釉タイルを製
造する。 v.釉薬調合(n)−1に無機質顔料、トルマリンによ
るマイナスイオン発生剤を、あるいはアパタイトと二酸
化チタンによる光触媒溶剤を加えて、調合原料(3)−
1あるいは調合原料(3)−3の成型品に施こして吸着
硬化させ室内環境改善促進建材を製造する。 (四).大型環境材製造の実施形態。 前(一)項〜(三)項において、特に大型環境材を所望
する場合は、表7;例2、例3:p33に示すように、
粘土類の替わりにセメントを硬化材として用い振動プレ
スあるいは型枠成型してからCOガス(b)により吸
着硬化させ、必要に応じて水蒸気養生して硬度を増す。
また、コンクリート打ち工法により直接現場施工する。 (五).汚水浄化剤・有毒ガス吸着剤・調湿剤等(4)
製造の実施形態。 表1:p31の調合原料(4)を、使用条件に適合する
形状とサイズに合わせて湿式押出成型あるいは乾式加圧
成型により成型し、前項と同様に、吸着硬化あるいは焼
結硬化させて汚水処理剤・有毒ガス吸着剤・調湿剤等を
製造する。 (六).土壌改良剤・園芸培養土素材等(5)製造の実
施形態。 活性炭(h)あるいは木炭(f)はその保水・吸着・保
栄養あるいは土壌の軽量化特性を活かして、土壌改良剤
・園芸培養土等(5)の素材として活用する。また生石
灰(a)・消石灰(c)・CaCO(d)等を土壌酸
性の中和剤とし、活性珪藻土(j)、活性鹿沼土、焼成
蛭石等を併行生産して園芸土用等素材とする等の用途を
広げて製造設備の有効な活用と素材原料在庫のバランス
を保つ。 4.活性炭(h)による工場排煙浄化の実施形態。 (一).前項3;環境材の製造(一)項〜(四)項にお
いて発生した廃ガスを、活性炭(h)あるいは活性珪藻
土(k)等を装入した工場排煙浄化装置導入して浄化す
る。 (二).前項(一)に使用して汚染された活性炭(h)
あるいは活性珪藻土(k)等を木炭活性化炉において繰
り返し再活性化して使用する。外部の熔銑炉・化石燃料
ボイラー等の有毒ガス成分の浄化に使用した活性炭
(h)あるいは活性珪藻土(k)等の再活性化も同様に
処理する。 (三).最後に、吸着効力の低下した活性炭(h)なら
びに活性珪藻土(k)等はこれを熔銑炉等の1200℃
以上の高温焼成炉用微粉炭燃料として燃焼させて含まれ
ている有毒ガスを分解する。尚、劣化活性炭の焼却処理
は木炭乾留による温室効果ガスの抑制効果が帳消しされ
ることになるが、繰り返し再活性化して活性炭の燃料転
化比率を低下させたのちに処理される温室効果ガス抑制
のなかで最低許容される例外措置であり、最終的に燃料
として活用することで環境材製造利益獲得の一助とす
る。
【0006】
【発明の効果】本発明は、環境材の製造をつうじて温室
効果ガスの発生を削減する一連の流れのなかで、下記の
1項〜7項に述べるような「一石数鳥」効果を生みだす
ことができる。 1.多様な廃棄物の資源再循環化の効果。 2000年〜2001年にかけて環境基本法のもとに循
環型社会形成推進の基本的枠組みが完了して廃棄物規制
強化と有効活用奨励の体制が環境省によって整備され
た。さらに京都議定書の削減目標を前提にして経済産業
省が2001年夏を目途にエネルギー政策の見直しを進
めているなど企業はその対策を迫られている。本発明は
このような厳しい社会環境を逆手にとって、廃棄物のリ
サイクルにより温室効果ガスの削減を図り、高利益を保
証する環境材製造事業を提唱するものである。本発明は
表1:p31に示すように、大部分の廃棄物を環境材の
素材として活用するが、最も重要な素材は木材系廃棄物
を高温乾留した活性炭(h)であり多種類の環境材に
おいてこれを活用する。また製紙スラッジ・紙屑・繊維
屑・古畳・藁・籾殻・おから等々の可燃性廃棄物も高
温乾留して活性炭(h)化して活用する。次に重要な素
材は、廃棄貝殻・大理石廃材等の石灰系廃棄物であっ
て大部分の吸着硬化型環境材に利用される。また、石炭
灰・石膏屑・ガラス屑・陶器屑等の廃棄物、最近脚光を
浴びている高温焼却ガス化溶融炉のセラミック化スラッ
ジ等々の不燃性廃棄物も品質の安定した増量材として
使用される。その他、珪砂を多量に含んだ水簸残渣や粘
土礦山の低可塑性フケ等の珪酸質系原料等が環境材の比
重調整材として利用される。 2.廃棄物活用と環境材製造の効果。 埋め立て廃棄あるいは焼却されて環境汚染源となってい
る廃棄物を原料素材として活用して環境材を製造し、汚
染されている環境をこの環境材によって浄化する相乗効
果が生みだせる。 (一).湖沼・養魚養殖場等水質浄化材(1)製造の効
果。 年々発展する牡蠣・帆立貝あるいは真珠貝の養殖事業に
とって廃棄される貝殻の処理が課題となってきている。
表1:p31の原料調合(1)に示すように、水質浄化
材原料の消石灰と副生CaCOの素材は殆んど無価値
の廃棄貝殻であり、廃木材も焼却に付されてきた大半の
廃木材が運搬費程度のコストで入手可能であろう。粘土
類は赤土か休耕田の黒土で代替でき、押出成型の可能な
範囲で削減できるから、コンクリート製品と変わらない
低コストの原料で水質浄化材を製造することができる。
また、表2:p31〜表4:p32に示すように、歩留
を考慮しない理論値のみの計算によれば、廃棄貝殻7,
517トンを焼成・加水して消石灰5,563トンを得
る。一方、養殖場周辺において廃棄を予定されている廃
木材等12,837トンを活用し活性炭8,344トン
を得て、これによる水質浄化材を年間27,814トン
製造して養殖場の水質改善ができる。また、廃木材等を
焼却しないことによるCOガス削減量30,596ト
ン(表4:p32)が温室効果ガスの抑制に貢献する。
ちなみに、この比重1.15の水質浄化材は約24万立
方メートルの容積であるから厚さ24cmでこれを河口
にばら撒けば、例えば河口幅百メートルの大河であって
も上流に向けて百メートルの流域に毎年バラ撒まくこと
のできる容量である。本発明の実施例における年間費用
等を、一般材を使用した環境材ならびに同じ形状の一般
セメント製品のそれを“金額”によって比較(表6;例
1:p32)すると下記のような経済効果がある。だだ
し処理・製造中の素材・製品や副生成物・ガス等のロス
の発生を考慮しない単純計算による。 i.調合原料(1)の場合;原料費は3,517円/ト
ン(表5;合計(A):p32、)で、平成12年度調
査;中小企業原価指標に示すセメント製品製造業の直接
原料比率34.5%と粗利益率9.5%を援用して試算
すると、表6;例1:p32に示すように、総原価が1
トンあたり10,194円、販売価格は11,263円
で、僅か1基の真空土練機で年間売上高313,27
0,000円、年間粗利益29,724,000円をあ
げる新規事業が立ち上げられる。また、このデータは水
質浄化材に30%の活性炭を使用しても一般セメント製
品と変わらない低廉な金額であることを示している。 ii.また、水質浄化材の原料を、廃棄物を使用しない
で一般市場品によって充当すれば、原料は同じ調合で3
2,100円(表5;例1:p32、合計(B))にな
る。これを先例の直接原料比率34.5%と粗利益率
9.5%を援用して試算すると表6;例1:p32に示
すように、販売価格は1トンあたり102,797円に
なり、浄化材年間予算総額は約9.2倍の2,895,
250,000円かかる大事業計画になってしまうこと
になる。 iii.また養殖企業団体等が海辺の廃棄貝殻や近辺の
廃木材を活用して自主生産し、総原価で水質浄化材をば
ら撒くとすれ粗利益の9.5%を除いた総原価約28
3,500,000円の予算があれば、100×100
メートル四方の内湾や湖沼の水質改善ができ、廃棄材を
リサイクルして環境汚染防止に協力するうえに温室効果
ガスの抑制に貢献することができる。環境問題の解決に
政府も積極的な施策を講じようとしているので、公的支
援を考慮に入れればあながち実行不可能な金額ではない
ものと思われる。また、後述する単体活性炭の製造販売
による利益によってこの水質浄化にかかる総費用をカバ
ーすることも不可能ではない。また一般コンクリートの
材料費と比較して、30%の活性炭を含んだ本発明の原
料費が同額であるから環境材のなかでは稀有の価格であ
ると言えよう。セメントのなかった明治時代初期に築か
れた石灰と粘土による炭酸硬化ブロック材による海岸堤
防が未だ常滑に残っていることからみても、コンクリー
ト製品市場分野に水質浄化機能を付加した製品を参入さ
せる可能性も充分にあると考える。この様に本発明によ
れば、処置に困る廃棄貝殻と可燃性廃棄物等を用いて、
海辺の環境を改善しながら養殖場の水質環境浄化を図る
とともに温室効果ガス削減に貢献する一石数鳥の効果が
得られる。また、後述の6項に記述したように、近い将
来、京都議定書の国際温室効果ガス排出量取引制度の導
入が現実のものとなれば、温室効果ガス発生の抑制行為
そのものが付加的経済効果を生む可能性もある。尚、こ
の水質浄化材の製造において石灰焼成により発生する
4,961トンのCOガスは表3及び表4(p32)
に示すように、消石灰8,344トンが硬化するなかで
吸着され、その量はCOガスと等量の4,961トン
である。“気”−“固”間の接触不完全による未反応の
消石灰も、時間の経過とともにCOガスを消石灰が吸
着するから、ガス量精算上では石灰焼成は温室効果ガス
発生の増加にはならない。実施例の乾留技法は複雑にみ
えるが、要は昔日の石炭ガス製造においてガス収量の増
加を図った裏技術と言えるもので、炭素系のガス類をで
きるだけ発生させない技術である。たとえ、ガス発生量
が予期に反して増えたとしても、この浄化による副生成
ガスを吸着硬化用あるいは熱源として活用したあと工場
排煙とともに浄化されるから問題にならないし、副生成
物の需要増からガス発生増を目論むこともあるだろうか
らこの浄化に必要な活性炭と消石灰の供給が鍵を握って
いる。また、本項の水質浄化材の製造は比較的高度の技
術的を必要としないのでセラミックスに無関係の養殖業
界においても容易に導入できる利点がある。 (二).公園・遊歩道等舗石・縁石ブロック(2)製造
の効果。 消石灰をCOガスによって硬化させる非焼結型建材の
硬化後の肌合いは、かつて、山村農家の土間に見られた
“たたき”の肌触りを持っている。これを公園広場や遊
歩道あるいは最近各地に設けられているランニングコー
ス等に敷設すれば裸足で歩行してもノンスリップでソフ
トな感触の路面が得られる。また非焼成であることは、
トルマリンを添加しても劣化することがなく、マイナス
イオンによる森林浴硬化機能を添えた公園広場や遊歩道
を施工することができる。公園・遊歩道等の建設資材は
量的にかなりの需要が見込めるので活性炭等の需要増加
により廃棄木材焼却による温室効果ガス発生がより一層
削減できる。また、セメントを硬化材として一般コンク
リート製と同様な製品が製造できるので、公園・遊歩道
等の限られたエリアに拘ることなく相当部分のコンクリ
ート市場に環境改善性能を加味した製品を供給すること
ができる。 (三).壁・天井等室内空間浄化用タイル(3)製造の
効果。 室内空間の湿気・悪臭の吸着や化学ガスいわゆるシック
ハウス症候群対策のための活性炭利用が注目されてきて
いる。籠盛一杯の木炭にはトイレの臭いを吸着するだけ
の効力があり長時間の効果が期待できる。また前項と同
様に非燃焼が基本であるからトルマリンを添加して室内
でマイナスイオンによる森林浴硬化を楽しむことができ
る。あるいは成型品に経済産業省名古屋工業技術研究所
が開発したアパタイトと二酸化チタンを組合はせた塗料
を沁みこませて吸着硬化することで、室内空間の汚れや
雑菌、たばこの臭い等を「光触媒効果」によって清浄化
することもできる。また、廃棄物素材の活性炭による墨
色をもつ建材は灰色基調になる。本発明では釉薬調合
(n)−1(有色釉)あるいは(n)−2(純白釉)の
釉薬を成型品表面に施釉して、前者はCOガスによる
吸着硬化、後者はHガスによる焼結硬化を図ることに
より多彩な建材が得られ多様な需要に応えられる。ま
た、セメントを硬化材として使用すれば打放し工法によ
る外壁または大型コンクリートパネルとして外壁に施工
できるので、内外装建築材に拘ることなく相当部分のコ
ンクリート市場に環境改善を加味した製品供給が期待で
きる。 (四).土壌改良剤・園芸土用等素材に用いる消石灰・
活性炭等の使用効果。 木炭及び活性炭は排水性・多孔保水性・保栄養性があり
土壌を軽量化する。また石灰系の生石灰・消石灰・Ca
caoは酸性土壌の中和用土壌改良剤として有用であ
り、多様な処理素材のなかで在庫バランスが崩れて余剰
在庫が発生しても土壌改良剤として大量に外部販売する
ことが可能である。また、活性珪藻土のほかに鹿沼土・
軽石・溶岩等の保水性・通気性材あるいはピートの腐食
質性・酸性転換性能または焼成蛭石の塩基吸収能・排水
・保水・無菌性能等、ポバールの粒団形成能等を適宜組
み合わせ、最近豊富に出まわりつつあるコンポスト・厩
肥等を加えて多彩な園芸用培養土を開発することも容易
である。 (五).工業排煙浄化・汚染土壌浄化用等の活性炭の再
生使用効果。 本発明の温室効果ガス抑制を意義あらしめるためには大
量の廃木材・可燃性廃棄物を乾留することが必要にな
る。これによって大量に生成する活性炭は(一)〜
(四)項で消費されるが、さらに余剰の活性炭を製造し
て、これを充填した浄化装置に工場排煙等を送入してS
ox,oxその他の有害ガスの吸着に活用する。活性炭
の吸着性能を維持するために素材処理工程の活性化炉を
活用して繰り返し活性化することになるが、活性炭の再
生化は1〜2時間で済み木炭乾留操作の完了後の高温炉
に投入して再活性化を図れるから余りコストはかからな
い。また、再三使用し吸着汚染されて性能の劣化した活
性炭は、最後に高温燃焼用の微粉炭燃料として活用す
る。活性炭の供給が大量であればあるほど石炭火力発電
や鉄鋼精錬等あるいは市街地汚染土壌の大量需要に対応
しやすいので、この需給チャネルができれば活性炭の利
益で環境材にかかる相対コストを低減でき、廃木材等の
乾留処理が促進されて温室効果ガス発生の抑制に大きな
効果を発揮する。 3.廃棄物活用による経済効果。 以下、具体的に本実施例のうち、水質浄化材製造にかか
る経済効果を“金額”によって示す。 (一).廃棄貝殻を利用することの経済効果。 i.市場から直接入手する消石灰と、無価値の廃棄貝殻
から得た消石灰との価格差は1トンあたり14,500
円(表5;例1:p32)である。年間環境材製造量2
7,814トンの消石灰30%調合で、表3;例1:p
32に示す様に8,344トンを必要とするから12
0,990,000円が廃棄貝殻を活用した原料費の経
済効果である。 ii.同じく主原料の一つである副生Cacaoの代
わりに、石灰石粉を直接市場から手当して環境材原料に
した場合と、これを廃棄貝殻焼成による副生Cacao
を20%使用する経済効果は、Cacaoが副生成
物であるから経費無視すれば石灰石粉の購入分55,6
20,000円の差益が生まれる。 (二).廃木材を利用することの経済効果。 重要原料である活性炭(但し木炭価格)を市場から1ト
ンあたり80,000円(表5;例1:p32)で入手
する場合と廃木材を使用して自家生産する1,714円
との原料価格差は1トンあたり78,286円である。
30%調合の使用量8,344トン(表3;例1:p3
2)にこれを乗ずると53,218,000円が廃木材
を活用した原料費の経済効果である。 (三).代替粘土を利用することの経済効果。 本実施例において粘土は表5;例1:p32に示すよう
に原料調合率20%で8,000円、原料コスト45%
を占める負担の重い素材である。この粘土は成型が可能
な可塑性さえ付与できれば、硬化は消石灰の吸着硬化に
頼るので、鉄分・石灰あるいは有機分の多い粘土であっ
ても使用できる。工場近辺の赤土・火山灰土・休耕田の
黒土等を500円で入手できれば、その価格差7,50
0円の5,563トン(表3;例1:p32)で41,
722,500円が代替粘土を利用することの経済効果
である。 4.発生する副生成物と発生熱エネルギー活用の経済効
果。 (一).副生成物活用の経済効果。 廃棄材の処理過程で生成する副生成物にはCaCO
COガス、Hガス等がある。 i.CaCOは工場内総排煙の浄化処理に伴う副生成
物であり、インバランスに副生されると過剰在庫を招き
木炭類と同様に環境材製造全体に悪影響を及ぼすことに
なる。本発明はこのCaCOを環境材(1)〜(4)
の原料として活用でき、土壌改良・園芸土用等素材
(5)の製造においても重要原料として使用することが
できる。ただし、先述の実施例においては、この排煙浄
化によりCaCOの完全回収した場合は年間11,2
76トン(表4)発生するが、製品の吸着率が100%
のときは消石灰のCOガス吸着量4,961トンによ
るCaCOの副生量は等量の11,276トンになっ
て発生率ゼロの計算になる。換言すれば環境材の表面か
ら或る部分の消石灰のみを硬化させて、水質浄化材のC
aCO必要量の5,563トン(表3)は意識的に副
生させることで市中の代替石灰石粉末の購入を控えるこ
とが経済的になる。例えば市場において単価10,00
0円の石灰石粉末で手当てして20%添加するコスト負
担増は55,620,000円(表5:p32)にも及
ぶが、上記のように計画的にCaCOを副生させれば
原料費は帳消しされて原価ゼロとして計算できる。尚、
万一不足した場合の石灰石粉末の代替充当は製造及び品
質に何らの影響も及ぼさない。 ii.COガスは石灰焼成による副生成物が主体であ
り本発明では重要な役割をもっている。即ち、廃木材等
を乾留した木炭の活性促進あるいは使用済み活性炭の再
活性化に活用され、(1)項〜(4)項における成型品
に含まれる消石灰のCOガス吸着硬化促進材となる。
処理工程内を循環し作用を終えた余剰のCOガスは最
後に他の工場排煙や焼成排気ガスとともに消石灰乳を満
たした浄化装置において吸着洗浄させてCaCO副生
するとともに、COガスの放出を最低限にコントロー
ルすることができる。本実施例の吸着硬化用COガス
年間需要4,961トン(表4:p32)を市場のドラ
イアイスや高濃度炭酸水に頼ることは常識を超えてコス
ト的に不可能なことであり、その経済効果には敢えて触
れない。 iii.木炭乾留時に発生したHガスは、(イ)乾留
炉の着火、(ロ)活性化炉の着火および(ハ)炉内温度
維持、(ニ)石灰焼成及び、(ホ)壁・天井等室内空間
浄化用タイルの焼結、(ヘ)汚水処理・有毒ガス吸着剤
・乾燥・防湿剤等の焼結、(ト)環境材原料の乾燥ある
いは(チ)蛭石焼成等焼成の主要燃料として活用でき
る。ただし、高圧ガスタンクの設置を考慮しない場合
は、Hガスは爆発しやすいので貯蔵しないで、(イ)
から順次消費してゆき、余剰のガスは種火を付けた端末
の設備装置等で消費し尽くす。 iv.その他、木炭乾留による木酢ガス(g)は冷却分
留して木酢液(i)を得て、これに微孔質系廃棄物を
曝して吸着活性度を高めるのに役立てることができる。
また木酢液を一昼夜保持した沈殿木タールは木材防腐剤
として有用であり、残余の木酢液は稀釈して土壌改良・
園芸土用等素材に浸ませて有効に活用できるので廃棄に
よる汚水問題は生じない。 (二).発生熱エネルギー源活用の経済効果。 乾留炉内には表10:p35〜表14;p36に示すよ
うに多様なガス反応があり、発生熱エネルギー源とし
て、Hガスと発生を抑えきれなかった少量のCH
ス、COガス等がある。また、生石灰の加水による消石
灰の生成熱が無視できない。 i.Hガスは代表的高カロリー燃料(表12:p3
6)であり、実施例によるHガスの発生量は、廃木材
処理量19,867トンの5.3%で1,046トンに
達し、LPG換算して2,983トンでその年間換算金
額は20,880,000円(表11:p36)に及
ぶ。 ii.そのほか発生を抑えきれなかったCOガスとCH
ガス等は操作を“近似高温乾留”(表11)として計
算すると、それぞれ929トンと1697トンを発生し
て、LPG換算で1,033トンと328トン、即ち、
7,228,000円と2,297,000円の経済効
果を生み出す。 iii.CaOに加水すると消石灰1トンあたり318
4kcal(表12;p36)の熱エネルギーを発生す
る。本実施例の消石灰製造量8,344トンの発生する
熱量は2,657万kcal、LPG換算して2,22
1トンの15,540,000円(表11)になり無視
できない熱源である。 iii.以上i項〜ii項の燃焼熱量およびiii項の
生成熱量は年間合計で約7,854万kcalになり、
これをLPGに換算すると6,565トン、金額換算で
約45,950,000円になる。廃棄貝殻7,517
トンの焼成にかかるLPG消費を1トン当り100kg
としてもその消費量は僅かに750トンであり、焼結硬
化は一部の建材製品に摘要されるのみであるから大半の
熱エネルギーが余剰になる。この熱エネルギーを活用
し、高圧蒸気を発生させてセメント添加製品の水和養生
あるいは電気エネルギーに転換をして機械装置の運転に
向けることになろう。特に熱エネルギー転換技術は日進
月歩を遂げており、高温廃熱回収を目指した酸化物熱発
電用発電素子等の開発が進み、高温炉内から直接エネル
ギー転換することを合わせて、そう遠くない将来、高率
な電力転換を期待できるかもしれない。 iv.また、活性炭の冷却や木酢ガスを冷却分留すると
きも熱源が得られるので、これらを熱交換して熱風・熱
水に換えて素材処理および製品原料の乾燥用熱源として
活用できる。 5.工場から放出される有害排煙浄化における経済効
果。 消石灰乳によるCOガスの吸着に加えて、活性炭等を
活用して排出ガスの最終出口に浄化装置を設置すること
で、工程内に発生する総ての廃気ガスならびに工場排煙
の有害ガスを低コストで一括浄化することができる。こ
れらの浄化をつうじて汚染された活性炭は繰り返し活性
化炉で再生して吸着性能を回復させるが、劣化した活性
炭は高温焼却処理する。この場合COガスの発生は避
けられないが、再々使用することで燃料化率を引き下げ
て温室効果ガスの発生率を下げる。本実施例の活性炭製
造量8,344トンの、10%の800トンを有害ガス
除去に利用し年間数回浄化して最終的に焼却すれば、発
生するCOガス2,936トン(mol比3.67
倍)が温室効果ガスの増加分である。ただし、廃木材直
接焼却と本実施例の温室効果ガス抑制量の差は28,1
17トン(表11;)であるから僅か10.4%の増加
に留まる。この焼却処分する発熱量7,872kcal
/トン(表12)の活性炭800トンの燃焼熱量は63
0万kcalに達しLPGに換算して526トン、約
3,000,000円の付加価値を生むことになる。 6.工場排煙及び汚染土壌浄化に使用する活性炭単体製
造の経済効果。 活性炭の原料素材は廃木材ばかりでなく製材屑・間伐材
・街路樹廃材等々がある。建設リサイクル法で建設工事
会社などに建築物の解体や廃棄物のリサイクル義務づけ
が本格化すると比較的回収の容易な素材になろう。最近
では手入れの行き届かない孟宗竹による農園侵食・植林
樹木枯れ被害あるいは地滑りの多発等の災害による環境
破壊が報じられている。間伐をして竹林を活性化し、ま
た、地上約1.5メートルで筍を切断しておけば伐採・
搬出が容易になり、1年に20〜30メートル成長する
孟宗竹はエンドレスの安定した供給源になる。その地域
に即した情報収集に努め、近隣農家との連携を密にすれ
ば安定的供給源を得ることは差ほど困難なことではなか
ろう。活性炭素材等が豊富に入手できればさらにこれの
増産を図る。例えば全国に環境材製造の小拠点を廃木材
等の集荷しやすい立地に設けて、現在焼却されている3
60万トンの廃木材の10%、36万トンを処理したと
すると12万6千トンの活性炭が得られる。この活性炭
を普通木炭の最低小売価格(300円/3kg)の20
%、1トンあたり20,000円で販売すると仮定して
その売上高は2,526,000,000円余の高額な
ものになる。また、吸着性能の劣化した活性炭を1トン
2,500円で処理するとして、年間製造を1回転分再
活性化するだけで本業の水質浄化材売上高313,20
0,000円を超える315,000,000円にな
る。再活性化にかかるCOガスや活性温度維持用H
ガス燃料は無料であるからこの大部分は利益である。ま
た、廃木材を36万トン乾留すればH・CH・CO
ガス等の副生成ガスの総熱量が22億kcal、LPG
換算18万6千トンの1,300,000,000円の
経済価値が生まれる。大量の活性炭を製造し、乾留と活
性炭の再生化を含めて切れ目なく乾留炉・活性化炉を運
転すれば、安定的にH・CH・COガス等の副生成
ガスが得られる。これを電気エネルギー転換技術とその
売電体制が整備されて換金できれば、譬え20%のエネ
ルギー効率であっても260,000,000円の価値
を生み出すことになる。本業の水質浄化材売上高と比較
にならない経済効果を生みだすことができ、環境材製造
事業を経営するうえで無視することのできない副生成物
の活用方法である。換言すれば、本発明の温室効果ガス
削減の事業計画は、廃木材等活性炭素材の集荷が順調に
進められるか否かにかかっていることを意味している。 7.容易な温室効果ガス削減量の算出。 温室効果ガス削減義務を求めた京都議定書はCOガス
等の排出権(先進国間排出量取引)を取り上げている。
そのなかで植林によるCOガス吸収総量の取り扱い問
題は未整合であるが、既に、東電あるいは中電等の電力
会社がオーストラリアにおいて試験植林による「炭素排
出権」の試験的取引を始めている。また、鋸屑等製材屑
のバイオマス代替燃料による「排出削減クレジット」を
オーストラリア州政府の認可のもとで試験的に購入する
段階にきている。植林した樹木は、青葉からCOガス
を吸収するが根から酸素を吸収してCOガスを放出す
るし落葉も根元で腐葉すればCOガスを放出する。バ
イオマスによりメタンガスやメタノールを取り出すとき
はCOガスの発生はコントロールされるが、発電や自
動車の燃料として使用すればHガス以外はCOガス
を発生することになるし、残渣にセルロースが残ればこ
れを処理するときCOガスを発生する、等々、温室効
果ガス削減量は把握しにくい。本発明では乾留して発生
するCOガス・COガスあるいはCHガスをガス分
析計によって直接検知できるし、木炭の収率からも換算
できるので温室効果ガスの削減効果の証明は容易にでき
る。温室効果ガスの削減をさらに効果のあるものにする
ためには、より大量の廃木材等を乾留する必要がある。
廃棄物焼却炉あるいは火力発電炉・鉄鋼精銑炉等の重化
石燃料を使用する大型工業炉用排ガス浄化用に低コスト
の活性炭を提供できれば、温室効果ガスの削減効果をさ
らに上乗せできる。この場合、木炭活性化炉を活用した
アフターサービスによって、劣化した活性炭を低価格で
再活性化して焼却廃棄頻度を減らすことで温室効果ガス
の発生率を抑えることができる。 8.本発明の効果の要約。 以上に説明した〔本発明の効果〕を要約すると以下のと
おりである。 I.環境材製造による総合効果。 ;可燃性・不燃性廃棄物等の再資源化が図れるので
「資源循環社会の実現」の一端を担うことができる。 ;一方で廃棄物のリサイクルを図り、他方で環境材に
よる浄化が図れるで二重の「環境改善」ができる。 ;従来少なかった活性炭を豊富に含む「高品質環境
材」が安く提供できる。 ;環境材製造時の副生成物や反応熱エネルギー等を無
駄なく利用できるので「省資源・省エネ」が図れる。 ;工場から放出される有害排煙や汚水浄化により「大
気汚染物質の削減」に貢献できる。 ;従来焼却処理されていた可燃性廃棄物の温室効果ガ
ス発生を抑制できるので「地球温暖化の防止」に貢献で
きる。 ;外部廃棄物の「リサイクル」・「リユーズ」、内部
廃棄物の「リジュース」の完全実施と、内部廃棄ガスの
「ゼロ・エミッション」がほぼ実現できる。 II.環境材製造における個別効果。 ;多様な廃棄物素材のなかから原料素材を自由に選択
できるので低コストの環境材を生産できる。 ;大部分の環境材を、副生するCOガスにより吸着
硬化させるので製品を硬化させるための燃費が不要であ
る。 ;硬化用COガスは工場排煙あるいは石灰焼成ガス
を利用するのでコストがかからない。 ;焼成硬化が必要なときは副生Hガスを利用できる
のでコストがかからない。また燃焼時COガスが発生
しない。 ;廃木材乾留により大量に発生する可燃性ガスを有効
に活用すれば燃料あるいは電動力等の購入が不要にな
る。 ;消石灰やCacaoを主原料として建材需要の多
い漆喰壁調の白色系内外装材が安価に製造できる。 ;消石灰の発生COガスは吸着硬化によって回収さ
れるので温室効果ガスの発生増には繋がらない。 ;低温にて吸着硬化させるので、マイナスイオン発生
あるいは光触媒浄化機能を有する室内空間環境浄化材の
製造ができる。 ;同じく低温にて吸着硬化させるので、すさ、ロック
ウール・メタルラス等の可燃性・熔融性補強材を添加し
た大型パネルの製造ができる。 ▲10▼;同じく一般コンクリートと同様な製造技法が
導入でき、またコンクリートと変わらない施工方法が採
用できる。 ▲11▼;廃棄材処理・環境材製造設備に概共用性があ
るので環境材の需要変化に対して柔軟に対応できる。 ▲12▼;湿式・乾式の成型2技法と吸着・焼結の硬化
技法ならびにセメント混合による振動・型枠流込み成型
ならびに水和硬化等の多様な組み合わせによって、市場
が要望する大半の環境材の製造に対応できる。 ▲13▼;廃棄物処理工程・環境材製造工程ともに単純
にして先端的技術を必要としないのでセラミックス未経
験者にも容易に運用できる。 ▲14▼;設備装置のユニット化がし易いので廃棄材発
生地点あるいは環境材使用現場に設置することで廃棄物
あるいは環境材の運搬費を節減しやすい。 ▲15▼;環境改善推進のための国・県等の環境事業支
援低利資金の活用ができ、場合いによってはグリーン購
入法による環境材の政府優先調達の恩恵が受けられ、ま
た将来の課題として排出権取引による付加価値創造の機
会に恵まれる等の、本業の環境材製造利益プラスアルフ
ァのメリットが得られる。 9.温室効果ガス排出量取引制度にかかる付加効果。 1997年度における日本のCOガス総排出量12.
31億トンの内、発電所・精油所等エネルギー転換部
門;3.57億トン、セメント工場ほか工業部門;3.
85億トン、石灰工業等プロセス部門;0.59億トン
の三部門のみで合計排出量は8.01億トン(総排出量
の65.1%)である。オランダの排出権購入単価をこ
れに当て嵌めると、年間8,010億円をこの三部門だ
けで無駄に放出していることになる。排出量取引をめぐ
る国際取引の試行が中電や東電において既に始められて
いるところから見ても、21世紀は地球温暖化防止のた
めの国際的環境ビジネスが幕開きした世紀であると言え
よう。気候変動枠組み条約(COP)契約会議議長の新
提案では、日本の主張する杉・檜等の管理森林による抑
制効果が軽視され、自然森林による炭素固定量を大きく
査定して京都議定書離脱宣言をした米国を取り込もうと
している。これによると2008〜2012年の温室効
果ガス削減義務は1990年排出基準量より、米国が−
7.0%から−2.8%に、カナダが−6.0%から−
0.1%に緩和されるが、日本は−6.0%から−5.
2%への僅か0.8%の緩和しか認められず、ほとんど
を新たな対策で達成しなければならない苦しい立場に立
たされることになる。欧米先進国に比べてオイルショッ
ク以来、既に省エネが進み排気ガスを削減してきたが、
民生部門のエネルギー消費増によって、温室効果ガスの
総排出量が1997年には1990年比で+11.7%
増加しているのが我が国の実情である。地球温暖化防止
や資源循環型社会の実現にはライフスタイルの変更が重
要になるが、浪費になれた国民一人ひとりの意識を変え
ることは、この長期不況下においてさえ11.7%のエ
ネルギー消費増を招いている現状から見ても余り期待が
持てない。結局、企業にしわ寄せがゆくことになる。2
008〜2012年までに−5.2%削減すると言うこ
とは、1990年の排出量にもどすためには、自然増の
11.7%を加えた16.9%を削減してようやく達成
できることになる。経済産業省はこうした事態に対処す
るため、2001年夏を目途に議定書の削減目標を前提
にエネルギー政策の見直しを進めていると言う。今後は
新たな国際監視のもとで温室効果ガス抑制の先進EU諸
国の政策や制度にもたれて、発電所・精油所などエネル
ギー転換部門、セメント工場など大規模産業部門あるい
は石灰石焼成プロセス部門へのCOガス削減義務付け
などの厳しい政策が盛られてくることになろう。今後紛
れもなく厳しくなる温室硬化ガス抑制に対する企業の対
応策として本発明を採用し、石灰系廃棄物を発生してい
る地域に全国的な小拠点を設けて、付近で排出される廃
木材等を処理して環境材を製造するなかでの温室効果ガ
スの抑制分を、その企業が排出する温室効果ガスの総量
から差し引くことができれば、間接的にその分量だけ総
量規制から免れることができる。また将来の「炭素排出
権・排出削減クレジット」市場の登場に対応して、排出
削減量の売り手側にまわる効果を期待できる。既に、温
室効果ガス発生抑制行為を排出権として売買する証券市
場が、イギリス・オーストリア・カナダ等に誕生してい
る。また、EU委員会は2005年までに域内での温室
効果ガス排出量取引制度を構築する予定であり、オラン
ダは既にチェコなど東欧三カ国と計400万トンの排出
枠を71,000,000ギルダーで購入する協定を結
んだと新聞報道されている。これによる排出権の経済価
値は日本円に換算して1トンあたり1,000円であ
る。本実施例の温室効果ガス削減量28,117トン
(表11;p36)にこれを当て嵌めれば、年間に約3
0,500,000円の付加価値が創出されることにな
り半端な金額ではない。これに加えて、本実施例の水質
浄化材製造にみられるように、廃棄場の物理的エリアの
確保と、悪臭に悩まされる廃棄貝殻の処理ができて、し
かも水質浄化により母貝の被害が軽減されれば本発明の
経済効果はさらに増幅されることになる。京都メカニズ
ムでは、「排出量取引」は先進・東欧55ケ国間など具
体的な削減義務を負う国の間で行い、価格は各国間で決
めることにしている。その内、最大の「売り手」は経済
崩壊で排出ガスが1990年に比べて30%近く減った
ロシアなどで日本は大口の買い手にまわると見られてい
ると言う。ちなみに興銀の試算によれば2008年以降
の排出権価値を23兆円と見積もっている。将に、“一
大産業”の出現に匹敵する規模である。米国が気候変動
枠組み条約(COP)からの離脱を一方的に宣言したの
は米国産業堺の圧力によるものと言われているが、“京
都”の冠を戴く日本が京都議定書から離脱して米国の後
追いすることは不可能である。この様な深刻な情勢のな
かで、電力会社等大量に温室効果ガスを排出している大
手企業の国際的排出権買い漁りを国がただ傍観している
とは考えられない。未だ定かではないが、米国における
企業間の排出権取引が我が国にも認知されるようなこと
になれば、国内にも排出権取引市場が誕生してくるに違
いない。この事は排出権売買により利益を生みだせる時
代が来るかも知れないことを意味している。たとえ国内
取引が認められなくても、京都議定書が先進国間取引を
認めていることは崩れそうにないので、本発明による温
室効果ガスの抑制が排出権として認められれば、これも
厳しい温室効果ガス削減を迫られている欧州先進国に販
売できる可能性がある。そうなれば排出権の売りの利益
と買いの損失が企業間に倍の損益格差を生み、環境志向
経営をめざす企業にとって本発明が少なからざる経済効
果をもたらすものと考える。 10.環境材製造の利益管理。 以上、温室効果ガスの削減によって積極的に利益を生み
だすことに視点をおいて本発明の効果を説明した。その
ために、廃棄物利用による環境材原材料費の削減効果及
び副生成物再使用により付加される経済効果を敢えて
“金額”で表示した。本発明の優位性は廃棄物を活用す
ることで多様にして低コストの環境材が創造できること
にあるが、これがウイークポイントにもなる。それは
“廃棄物”がメインの製造物ではなく、本来発生して欲
しくない不肖の“産物”だからである。大部分が廉価で
有り、あるいは運送費と廃棄費用をかけてでも処理しな
ければならない廃棄物であるが、数量・品質を供給側に
保証させ辛いことである。例えば、本実施例の活性炭素
材費は1トンあたり僅か1,714円(表7;p33)
であるが、品質や供給量が不安定であれば経営に重大な
影響を及ぼすことになる。これを経営トップが一々采配
を振るうのでは小回りの効く中小・小規模企業的規模と
言へども経営が成りたたない。このようなルーティング
ワークは前述の孟宗竹林開発に見られるように、現場事
情に精しいスタッフのイニシャティブで事故発生以前
に、安定的購買体制を構築して危機に対応できる態勢を
整えることが望ましい。また、廃棄物の収集管理や処
理、あるいは環境材の製造・管理ばかりでなく、環境材
の販路を開発する販売部を含めて、現場を預かるスタッ
フの全員参加による利益志向の経営体制を構築する必要
がある。このために、本発明者はこの出願と併行して、
先願した「多品種生産方式の利益管理システム」(特願
2000−315883)の技法と、この発明技法を組
み合わせて車の両輪とすることで、温室効果ガス削減事
業の利益創出を確実なものにするためのプロトタイプの
作成に執りかかった。先願の技法とは、個別素材・製品
にかかる処理・加工等の工程別個別原価・損益を把握
し、これをベースにした取引価格を設定して、各工程及
び部門間に社内取引制度を導入する。この擬似分社化し
た架空の会社単位によって、担当する職場の利益を明確
にすることでスタッフたち全員に経営者意識をもたせる
技法である。例えば活性炭製造部門は、廃木材のより安
価で品質の安定した素材情報をスタッフたち自身により
自発的に収集し活性炭の収率をあげて利益の向上を図
る。これに所定の利益を上乗せして成型工程に販売し、
成型工程は次の硬化工程に販売する。これを同様に製造
部が販売部に販売する。この様にして各工程・製造部・
販売部等スタッフたちが、持ち場の損益を彼等自身で判
定できるような、制度化された個別原価・損益の計算技
法と、利益策定用のシミュレーションシステムを用意し
て彼等自身による利益策定を支援する。また、個別製品
の損益を明示して販売部スタッフの行う販売計画シミュ
レーションシステムあるいはセールスマンに達成利益に
よる業績評価システムを用意する一方で、経営トップの
ための、中・長期利益計画あるいは新規設備投資計画、
例えば副生Hガス等による電気エネルギー転換の投下
資金回収計画の策定ができる意思決定支援用システムな
ど、利益志向経営支援のための十数種類のシミュレーシ
ョンシステムを用意している。変動要因の多い廃棄物
と、用途・仕様の多様な環境材に対して、それぞれの担
当部署において臨機応変に対応できる経営・管理情報を
提供するのが、procon21qcシステム、即ち、
先願の「多品種生産方式の利益管理システム」である。
また、このシステムは、廃棄物を求めて全国に散在する
それぞれの拠点の損益のみならず、出先拠点をイントラ
ネットで結び、管理条件の異なる各拠点が他の拠点と情
報を交換しあい、これによって現場管理者の情報をより
高度化して利益志向化を促進するシステムである。この
スタッフたちの努力に報いる、目標管理に基づく成果主
義的賃金管理制度も用意されている。環境問題を社会的
責務と受け身に感じている企業経営者にとって、本発明
が利益のあげられる新事業として理解され、積極的に温
室効果ガスの削減に参画できる経営体制構築の支援をし
てゆきたいと言うのがこのダブル出願の狙いである。本
発明者はこの発明を「コロンブスの卵」であると考えて
いる。卵が立つ筈がないという男の前でコロンブスは底
の部分をつぶして立てた。「それなら俺にもできる」と
言う男に彼は「人のマネなら誰でもできます」とたしな
めたという。「誰でも気が付きそうで気が付かない」所
にコロンブスの卵の原理がある。炭窯での木炭乾留技術
や活性化技術、あるいはこれを利用すれば有害ガスが吸
着できることは「誰でも知っている」が、温室効果ガス
を削減できる原理が潜んでいることに「誰も気が付かな
かった」ことはコロンブスの卵の原理に等しい。その原
理が廃棄物に結びつき本発明の経済効果を生む源泉とな
り、これが製造原価を安くして環境材製造事業をより安
定なものにするものと確信する。
【手続補正書】
【提出日】平成13年8月31日(2001.8.3
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】追加
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 平面図;(フローチャート)
【1】廃棄物素材処理・環境材製造工程・活性炭再処理
・温室効果ガス削減の流れ図。
【符号の説明】 ※ 廃棄物等の種類。 ;石灰系廃棄物;廃棄貝殻・大理石廃材ならびに石灰
石。 ;工場内総排気ガス;工場排煙・その他の排ガス等。 ;木材系廃棄物;住宅廃材・製材屑・孟宗竹.街路樹
廃材等。 ;可燃性廃棄物;スラッジ・紙屑・古畳・藁・籾殻・
茶殻・おから等。 ;不燃性廃棄物;石炭灰・スラグ・石膏・ガラス・陶
器屑等。 ;微孔軽質系原料:珪藻土・鹿沼土・ゼオライトパー
ライト・蛭石等。 ;計算質系原料:水簸残渣・粘土・カオリン・セメン
ト砂等々の廃棄物素 材に無機質原料を必要に応じて最小限度活用する。 ※ 廃棄物の処理済原料・複生成物・燃料ならびに工場
内排煙等の活用。 (a);CaO (b);COガス
(c);消石灰 (d);CaCO (e);Hガス等
(f);木炭 (h);活性炭 (i);木酢液
(j);石炭灰等 (k);活性珪藻土 (l);粘土等
(m);工場排煙 (p);転換熱源 (q)浄化排煙、等々 ※ 得られた環境材の種類。 (1);湖沼・海産品養殖場等水質浄化材等 (2);公園・遊歩道等舗石・縁石ブロック等 (3);室内空間浄化用内装建材・内外装用タイル・パ
ネル等 (4);汚水処理・有害ガス吸着剤・調湿剤等 (5);土壌改良剤・園芸培養土素材等 (6);工場排煙浄化材・汚染土壌浄化材等 ※ 上記、廃棄物の素材処理、ならびに、工場内排煙浄
化による廃ガス処理工程と、これによって産み出される
原料を活用して製造する環境材の製造工程、ならびに、
活性炭の再生処理工程等々、の一連の工程に於いて、ト
ータルで温室効果ガスを削減するシステムを図示したも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 53/50 B01J 20/20 B 4H026 53/56 D 53/62 20/30 53/70 C02F 11/10 Z 53/81 11/12 A B01J 20/12 C09K 17/02 H 20/14 17/06 H 20/20 17/32 H C10B 53/02 20/30 C09K 101:00 C02F 11/10 B09B 3/00 303H 11/12 ZAB C09K 17/02 303M 17/06 Z 17/32 303A C10B 53/02 303D // C09K 101:00 B01D 53/34 135Z 124Z 123Z 129A 134E Fターム(参考) 4D002 AA02 AA09 AA12 AA21 BA03 BA04 DA05 DA12 DA41 DA47 EA07 4D004 AA02 AA04 AA12 AA18 AA19 BA02 BA04 BA10 CA04 CA24 CA26 CA42 CB04 CB12 CB31 CC20 4D059 AA30 BB05 BD19 4G066 AA04B AA05B AA17B AA43B AA63B AA70B AA73B AA73C AA78B CA02 CA23 CA28 CA43 DA02 DA08 FA03 FA27 4H012 JA02 JA13 4H026 AA01 AA03 AA04 AA10 AB01 AB03 AB04

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】本発明は主として廃棄物を素材とする環境
    改善材(以下単に環境材という)を製造する過程におい
    て温室効果ガスの発生を削減する技法である。図1に
    “廃棄物素材前処理・環境材製造工程・活性炭再処理・
    温室効果ガス削減の流れ”を示す。 1.廃棄物素材の前処理。 (一).帆立・牡蠣・真珠貝等の廃棄貝殻、石灰石採掘
    場屑・大理石切断片屑等の石灰系廃棄物を焼成して生
    石灰(a)とCOガス(b)を得、生石灰(a)に加
    水して環境材硬化用の消石灰(c)を得る。 (二).工場排煙ならびに工場内総廃ガスのCO
    ス(b)と石灰焼成の副生COガス(b)を消石灰
    (c)乳に曝して洗浄・浄化し、副成したCaCO
    (d)を環境材の原料とする。 (三).住宅廃材、製材屑、間伐材、孟宗竹、街路樹廃
    材等の木材系廃棄物を乾燥して、乾留炉内に装入し可
    及的短時間昇温により高温乾留してCOガス(b)・
    CHガスの等の分解ガス発生を抑制し主としてH
    ス(e)発生を促進する。また、炉内の廃木材は厚層積
    載を避けて発生炉ガス反応及び水性ガス反応を抑えてC
    Oガスの発生を抑制し、同時に赤熱炭素とCOガスの接
    触によるメタンガス反応を抑制してCHガスの発生を
    抑える。ついで、乾留を終えた炉内にCOガス(b)
    を封入して空気遮断のもとで赤熱木炭に曝して活性化し
    活性炭(h)を得る。また、Hガス(e)を主とする
    排気ガスとともに出る木酢ガス(g)は冷却分留して木
    酢液(i)を得る。 (四).スラッジ、紙屑、古畳、藁・籾殻、茶殻、おか
    ら等の可燃性廃棄物を同じく乾留・活性化してH
    ス(e)等、ならびに活性化炭(h)および木酢液
    (i)を得る。 (五).石炭灰、鉱滓・焼却スラグ、石膏・ガラス・陶
    器屑等の不燃性廃棄物を必要に応じて乾燥・粉砕して
    石炭灰等(j)の環境材原料とする。 (六).珪藻土、鹿沼土、イモゴライト、ゼオライト等
    の微孔質系無機質原料に木酢液(i)を反応させ石灰
    質を溶出して活性珪藻土(k)等の微孔質系原料を得
    る。 (七).粘土、カオリン、珪砂等の窯業系水簸残渣ある
    いは廃泥等を必要に応じて細石・ごみ等を篩い分けして
    乾燥し、成型用可塑性原料の粘土等(l)とする。 2.環境材の製造技法。 (一).湖沼・養殖場等水質浄化材(1)の製造技法。 i.消石灰(c)、木炭(f)、活性炭(h)、活性珪
    藻土等(k)、石炭灰等(j)、粘土等(l)、ならび
    に副成CaCO(d)(以下、纏めて廃棄物素材等と
    いう)の一部あるいは全部を混合し、湿式押出成型した
    後切断して、工場排煙(m)その他の廃ガス等のCO
    ガス(b)を充満した吸着硬化装置において硬化(以
    下、単に吸着硬化という)させて水質浄化材を製造す
    る。 ii.必要に応じて、粘土等(l)に替えてセメントを
    混合し、型枠成型あるいは振動成型により成型して、セ
    メントの水和硬化とCOガス(b)の吸着硬化、ある
    いは水蒸気養生硬化を付加して水質浄化材を製造する。
    特に大型環境材を所望する場合はコンクリート工法によ
    り現場において直接型枠に流し込んで施工する。 (二).公園・遊歩道等舗石・縁石ブロック(2)の製
    造技法。 i.廃棄物素材等の一部あるいは全部を調合・押出成型
    ・切断し、吸着硬化させて舗石・縁石ブロック等を製造
    する。尚、必要に応じて乾式加圧成型品を製造する。 ii.粘土等(l)に替えてセメントを混合し、前項と
    同様に成型・硬化させて公園・遊歩道等用舗石・縁石ブ
    ロック等を製造する。特に大型環境材を所望する場合は
    コンクリート工法により現場において直接型枠に流し込
    んで施工する。 (三).室内空間浄化用内装建材及び内外装用タイル・
    パネル等(3)の製造技法。 i.廃棄物素材等の一部あるいは全部を加水・混練して
    湿式押出成型、または乾燥・調合して乾式加圧成型した
    成型品を吸着硬化させて内外装用建材を製造する。 ii.廃棄物素材等の一部あるいは全部を加水・混練し
    て湿式押出成型、あるいは乾燥・調合して乾式加圧成型
    した成型品を、Hガス(e)を主燃料とする焼成炉に
    おいて焼結して硬化(以下、単に焼結硬化という)させ
    て内外装用建材を製造する。 iii.廃棄物素材等の一部あるいは全部の原料に、す
    さ・ロックウール屑等を混合し、あるいは網状のメタル
    ラス等を埋め込み、これを成型し吸着硬化させて内外装
    用大型パネルを製造する。 iv.廃棄物素材等の白色系原料を主体にした成型品を
    そのまま、あるいは白色系原料に顔料を加えて成型し、
    吸着硬化あるいは焼結硬化させて白色ならびに多色系無
    釉内外装タイルを製造する。あるいは無機顔料を添加し
    た多色モルタル系釉薬を施し、吸着硬化あるいは焼結硬
    化させて施釉内外装タイルを製造する。 iv.成型用素材あるいは成型品に必要に応じて少量の
    トルマリン系マイナスイオン発生剤、あるいは二酸化チ
    タン・アパタイト系光触媒剤を施し、吸着硬化させて環
    境浄化機能を高めた施釉・無釉の内外装建材を製造す
    る。 vii.必要に応じて、粘土等(l)に替えてセメント
    を混合し、前項と同様に成型・硬化させて内外装パネル
    等を製造する。特に大型工事を必要とする場合はコンク
    リート工法により現場において直接型枠に流し込んで施
    工する。 (四).汚水処理剤・有害ガス吸着剤・調湿剤等(4)
    の製造技法。 i.廃棄物素材等の一部あるいは全部を混練あるいは混
    合して湿式押出成型あるいは乾式加圧成型したのち、吸
    着硬化あるいは焼結硬化させて一般汚水処理剤・有毒ガ
    ス吸着剤・調湿剤等を製造する。 ii.必要に応じて、粘土等(l)に替えてセメントを
    混合し、前項と同様に成型・硬化させて一般汚水処理剤
    ・有毒ガス吸着剤・調湿剤等を製造する。 (五).土壌改良剤・園芸培養土素材等(5)の製造技
    法。 以上の廃棄物素材処理あるいは製造において過剰な中間
    原料在庫は製造に支障をきたすので、余剰の消石灰
    (c)、CaCO(d)は即効性中和剤と遅効性中和
    剤として土壌改良剤(5)、ならびに、活性炭(h)・
    活性珪藻土等(k)は保水・保栄養・土壌軽量化素材と
    し、必要に応じて鹿沼土・焼成蛭石・ピート・コンポス
    ト・厩肥等を混合して園芸培養土素材等(5)を製造す
    ること個別原料素材在庫の融通性確保を図る。 3.余剰COガス・工場排煙(m)等の吸着ならびに
    浄化技法。 (一).焼却される運命にある木材系廃棄物および可
    燃性廃棄物等を乾燥して乾留炉内における含有水分の
    蒸気化を最少化させ、また空気を遮断し積載層を小幅に
    装入して高温乾留し、主としてHガスを発生させCO
    ガス(b)・COガス・CHガス等の炭素系ガスの
    発生を抑える。 (二).COガス(b)を含む工場排煙(m)ならび
    に石灰焼成ガスに含まれるCOガス(b)を吸着硬化
    用装置内に装入して、成形品に含まれる消石灰(c)に
    よりCOガス(b)を吸着回収する。 (三).成型品の硬化と木炭の活性化に活用した残余の
    COガス(b)、および工場排煙(m)ならびに工場
    内のその他の燃焼廃ガス等に含まれる、COガス
    (b)及びSOx、Noxその他の有害ガスを消石灰
    (c)乳ならびに活性炭(h)および活性珪藻土等
    (k)によって吸着してから浄化排煙(q)として放出
    する。 4.環境材製造にかかる副生成物の活用。 (一).空気遮断して高温乾留することで発生させたH
    ガス(e)等を乾留炉ならびに活性炉の着火燃料、な
    らびに着火後の炉内の脱酸素燃料、および活性炭活性化
    炉の高温維持用燃料として用いる。また、石灰系廃棄物
    の焼成炉用燃料ならびに壁・天井等室内空間浄化用タ
    イル(3)等の焼結用燃料として活用する。 (二).石灰焼成により発生したCOガス(b)等
    を、空気を遮断した活性化炉内に送入して木炭(f)を
    活性化する。また吸着硬化装置に送入して成型品を吸着
    硬化させる。 (三).乾留炉に発生する木酢ガス(g)を冷却分留し
    た木酢液(i)を微孔質系原料に浸し、微細孔に含ま
    れる石灰分を溶解して吸着性を高めた活性珪藻土等
    (k)を得る。また、壁・天井等室内空間環境材(3)
    に施釉する場合の釉薬(n)−1および(n)−2のP
    H調整剤として木酢ガス(g)を使用する。また、木酢
    液(i)を一晩放置して沈殿分離した木タールは木材防
    腐剤として活用する。 (四).CaO(a)に加水して消石灰(c)を製造す
    るとき発生する生成熱、活性炭冷却交換熱ならびに木酢
    ガス(g)を冷却分留する交換熱を転換熱源(p)とし
    て熱水・熱風・高圧蒸気・電気エネルギー等に換えて、
    素材処理および製品製造工程のエネルギー源として活用
    する。 (五).消石灰(c)およびCaCO(d)は即効性
    中和剤ならびに遅効性中和剤として土壌改良剤を、ま
    た、活性炭(h)、活性珪藻土等(k)は保水・保栄養
    ・土壌軽量化素材とし、これに必要に応じて、活性化鹿
    沼土・焼成蛭石・ピート・コンポスト・厩肥等を混合し
    て園芸培養土素材を製造する 5.活性炭の非燃料化技法と劣化活性炭焼却廃棄率の低
    減技法。 (一).乾留によりCOガス(b)の発生を抑制して
    も生成した木炭(f)・活性炭(h)等を燃料として使
    用すれば温室効果ガスの削減に繋がらない。これを予防
    するため2項において製造する環境材のなかに閉じ込め
    ることで非燃料化して焼却によるCOガス(b)の発
    生を抑える。 (二).工場内に発生する排煙(m)等を浄化して吸着
    性能の劣化した活性炭(h)等は、これを繰り返し活性
    化炉にもどして再活生し焼却廃棄の比率を低減する。 (三)単体で出荷した工場排煙浄化材・汚染土壌浄化材
    等(6)の浄化に使用した活性炭(h)等は、同様の処
    理が可能な循環型契約システムを設け、繰返し活性化炉
    において再生して可能な限り焼却廃棄を抑える。等々の
    一部または全部を組合はせた、焼却廃棄されている温室
    効果ガスの発生をトータルで削減する技法である。尚、
    本発明では環境材の原料となる基礎素材に廃棄物を活用
    しているが、〔特許請求の範囲〕は廃棄物の活用に限定
    することを意図するものではなく、環境材の製造に不利
    益をもたらす事態が発生したときは通常原料を代替利用
    することもある。また、利用する廃棄物等の種類は廃棄
    物入手の立地条件と経済性において取捨選択されるもの
    で、列記した総ての廃棄物を使用するものでないことは
    申すまでもない。また、環境材の成型方法を湿式押出成
    型あるいは乾式加圧成型または型枠・振動成型等のうち
    いずれを採用するかの成型技法、あるいは環境材硬化の
    ために吸着硬化あるいは焼結硬化または水和硬化のいず
    れを選ぶかの硬化技法は、主として求める環境材の用
    途、性能、サイズ、色合い等によって決定される。ま
    た、木炭乾留・木炭活性化・石灰焼成等の処理温度なら
    びに製品焼結の焼成温度あるいは処理時間等は、その採
    用する廃棄物素材の性状、求める製品の調合・品質等に
    よって定められるもので本発明の〔特許請求の範囲〕に
    おいてはその巾を特定しない。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005052692A (ja) * 2003-08-04 2005-03-03 Kangen Yoyu Gijutsu Kenkyusho:Kk バイオマス資源を有効利用するための処理システム及び処理方法
JP2005205123A (ja) * 2004-01-21 2005-08-04 Ito Tatamiten:Kk 廃畳・廃竹などの炭化物並びにその利用法
US7683005B2 (en) 2005-12-22 2010-03-23 Fujitsu Limited Photocatalyst, manufacturing method therefor and articles comprising photocatalyst
JP6028186B1 (ja) * 2015-10-23 2016-11-16 村上産業株式会社 イグサ炭化物、イグサ活性炭

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