JP2002359532A - Agc制御方法 - Google Patents

Agc制御方法

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JP2002359532A
JP2002359532A JP2001165232A JP2001165232A JP2002359532A JP 2002359532 A JP2002359532 A JP 2002359532A JP 2001165232 A JP2001165232 A JP 2001165232A JP 2001165232 A JP2001165232 A JP 2001165232A JP 2002359532 A JP2002359532 A JP 2002359532A
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agc
gain
state
control
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Application number
JP2001165232A
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English (en)
Inventor
Takeshi Tominaga
剛 冨永
Tomoichi Hamada
倫一 濱田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィードバックループの過渡応答特性を改善
した高速で安定なAGC制御が行え、また、AGC制御
専用のプリアンブル区間を必要としないAGC制御方法
を得る。 【解決手段】 受信信号の信号レベルを検出し、その受
信信号の信号レベルが所定の一定値となるように可変利
得増幅器11の利得を制御する際に、AGC初期引き込
み状態時に可変利得増幅器11の利得を最大値付近また
は最小値付近に設定し、その後、可変利得増幅器11の
利得を最大値付近に設定した場合には利得制御方向を減
少方向に、最小値付近に設定した場合には利得制御方向
を増加方向の一方向に固定する。また、ベースバンド処
理部16からの制御情報により、AGC初期引き込み制
御とAGC追従制御を切り換える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はフィードバック方
式のAGC制御方法に関し、特にフィードバックループ
のループ応答によるAGC誤制御を低減したAGC制御
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1はこの発明および従来のAGC制御
方法が適用されるAGC制御装置を示すブロック図であ
る。図において、1はアンテナ、2は受信処理部であ
る。11は可変利得増幅器、12はA/D変換器、13
はディジタル・シグナル・プロセッサ(以下DSPとい
う)であり、14はこのDSP13によるAGC処理部
である。
【0003】次に動作について説明する。図1に示され
たAGC制御装置に適用される従来のAGC制御方法で
は、アンテナ1にて受信された受信信号が受信処理部2
に送られ、その可変利得増幅器11で増幅される。この
可変利得増幅器11の出力信号をA/D変換器12でデ
ィジタル信号に変換してDSP13に送る。DSP13
では、当該DSP13によるAGC処理部14におい
て、ディジタル信号に変換された受信信号の信号レベル
を検出し、フィードバックループにより可変利得増幅器
11の利得制御方向を双方向に制御する。すなわち、こ
の利得制御方向は減少方向および増加方向のいずれの方
向にも制御される。
【0004】なお、このような従来のAGC制御方法が
開示された文献としては、例えば、WO 99/345
06号公報などがある。
【0005】また、上記WO 99/34506号公報
には、バースト信号の先頭でAGC制御の制御速度を高
速にし、その後は低速なAGC制御を行う、従来のバー
スト信号に対するAGC制御方法についても開示されて
いる。
【0006】さらに、特開平10−32443号公報に
も、これらとは別の、従来のAGC制御方法が開示され
ている。この特開平10−32443号公報に記載され
たAGC制御方法は、受信信号の信号レベルがAGC制
御の閾値以下となった場合にAGC制御速度を最小と
し、その後、時間の経過とともにAGC制御速度を上昇
させてゆくものである。このAGC制御方法において
は、AGC制御量にあわせてAGC制御速度を可変とす
ることによって、高速な応答と低歪みとを実現してい
る。
【0007】なお、このようなAGC制御方法について
の開示がなされた文献としては、これら以外にも、例え
ば、特開平11−27192号公報、特開平11−16
3782号公報などがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のAGC制御方法
は以上のように構成されているため、高速なAGC制御
を実現しようとした場合、フィードバックループの過渡
応答により受信レベルが不安定なものとなり、また、こ
のフィードバックループの過渡応答を考慮した設計は複
雑になって、可変利得増幅器11等で高速なデバイスが
要求されるなどの課題があった。
【0009】また、バースト信号に対するAGC制御に
て、バースト信号の先頭で高速なAGC制御を行った場
合、この区間での情報伝送は不可能となるため、その区
間がAGC制御のためだけに用いられるAGC用プリア
ンブル区間31となり、情報伝送量が減少するという課
題もあった。
【0010】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、高速で安定なAGC制御を行うA
GC制御方法を得ることを目的とする。
【0011】また、この発明は、TDMA通信システム
に合わせてバースト単位でのAGC制御を行うのではな
く、TDMA同期状態に合わせたAGC制御を実施する
ことにより、AGC制御専用のプリアンブル区間を必要
としないAGC制御方法を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係るAGC制
御方法は、受信信号の信号レベルを検出し、当該信号レ
ベルが所定の一定値となるように利得調整器の利得を制
御する際に、AGC初期引き込み状態時に利得調整器の
利得を最大値付近または最小値付近に設定し、その後、
その利得制御方向を最大値付近から下げる方向または最
小値付近から上げる方向の一方向に固定して、利得調整
器の利得を制御するようにしたものである。
【0013】この発明に係るAGC制御方法は、利得調
整器の利得制御方向を一方向へ固定して制御するとき、
受信信号の信号レベルのピーク値が所定の一定値となる
よう制御するようにしたものである。
【0014】この発明に係るAGC制御方法は、受信信
号がバースト信号である場合に、ピーク値の検出周期
を、最小バースト単位とするようにしたものである。
【0015】この発明に係るAGC制御方法は、AGC
初期引き込みによって受信信号の信号レベルが所定の値
に達した後、利得調整器の利得制御方向を双方向に切り
換えるAGC追従状態へ遷移するようにしたものであ
る。
【0016】この発明に係るAGC制御方法は、AGC
初期引き込みによって受信信号が復調可能な信頼性に達
した後、利得調整器の利得制御方向を双方向に切り換え
るAGC追従状態へ遷移するようにしたものである。
【0017】この発明に係るAGC制御方法は、バース
ト信号に対してAGC初期引き込み専用のAGC用プリ
アンブル区間を設けて、このAGC用プリアンブル区間
では利得調整器の利得制御方向を一方向に固定し、その
後の区間では双方向に切り換えるAGC追従状態へ遷移
するようにしたものである。
【0018】この発明に係るAGC制御方法は、TDM
A通信システムにて、その無線子局が無線基地局と同期
状態になるまでは、利得調整器の利得制御方向を一方向
に固定し、同期後は利得制御方向を双方向に切り換える
AGC追従状態へ遷移するようにしたものである。
【0019】この発明に係るAGC制御方法は、AGC
追従状態に遷移した後、受信信号の信号レベルを所望の
値へ制御することが不可能になった場合に、AGC初期
引き込み状態へ自動的に遷移するようにしたものであ
る。
【0020】この発明に係るAGC制御方法は、AGC
追従状態に遷移した後、受信信号が復調不可能な状態と
なった場合に、AGC初期引き込み状態へ自動的に遷移
するようにしたものである。
【0021】この発明に係るAGC制御方法は、AGC
追従状態に遷移した後、無線基地局と無線子局との同期
状態が断となった場合に、AGC初期引き込み状態へ自
動的に遷移するようにしたものである。
【0022】この発明に係るAGC制御方法は、同期バ
ースト区間のみで受信信号の信号レベルを検出し、AG
C制御を実施するようにしたものである。
【0023】この発明に係るAGC制御方法は、AGC
制御速度を可変とし、利得調整器の利得制御方向を一方
向に固定した場合には高速に、双方向とした場合には低
速になるようにしたものである。
【0024】この発明に係るAGC制御方法は、指向性
アンテナのアンテナ軸方向を調整するときに、利得調整
器の利得制御方向を一方向に固定して、利得調整器の利
得を制御するようにしたものである。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1によるA
GC制御方法が適用されるAGC制御装置を示すブロッ
ク図である。図において、1は当該無線通信システムの
受信信号の受信を行うアンテナである。2はこのアンテ
ナ1で受信された受信信号の信号レベルが所定の一定値
になるように制御する、このAGC制御装置の主体とな
る受信処理部である。
【0026】また、この受信処理部2内において、11
はアンテナ1で受信された無線通信システムの受信信号
の利得を調整する利得調整器としての可変利得増幅器
で、この可変利得増幅器11は可変減衰器で代替するこ
とも可能である。12は可変利得増幅器11で利得調整
が行われた受信信号を、アナログ信号からディジタル信
号に変換するA/D変換器である。13はDSPであ
り、14はA/D変換器12によって変換された受信信
号の信号レベルを検出し、その信号レベルが所定の一定
値となるように可変利得増幅器11の利得を制御する、
このDSP13によるAGC処理部である。受信処理部
2は、これら可変利得増幅器11、A/D変換器12、
DSP13によるAGC処理部14とを備えている。
【0027】次に動作について説明する。可変利得増幅
器11において受信信号を設定された利得で増幅し、こ
の増幅された受信信号をA/D変換器12でディジタル
信号に変換する。DSP13のAGC処理部14ではこ
の受信信号の信号レベルを検出し、検出した信号レベル
が所定の一定値となるように可変利得増幅器11の利得
を制御する。その際、AGC初期引き込み時に可変利得
増幅器11の利得を最大値付近または最小値付近に設定
し、その後、その利得制御方向を、一方向(利得を最大
値付近に設定した場合には減少方向、最小値付近に設定
した場合には増加方向)に固定することにより、フィー
ドバックループの過渡応答による影響を低減している。
また、上記AGC初期引き込み状態において所望の信号
レベルに引き込んだ後AGC追従状態に遷移して、可変
利得増幅器11の利得制御方向を減少方向と増加方向と
を切り換える双方向とする。
【0028】次に、AGC初期引き込み時に可変利得増
幅器11の利得制御方向を減少方向に固定した場合のA
GC制御について説明する。ここで、図2はそのような
利得制御方向を減少方向に固定した場合の、受信信号の
振幅の遷移を示す波形図である。図において、21は可
変利得増幅器11の利得制御方向を減少方向に固定した
場合の受信信号である。22はこの受信信号21の信号
レベルのピーク値に対する閾値であり、23は受信信号
21の信号レベルの平均値に対する閾値である。24は
可変利得増幅器11の利得制御方向が減少方向のみの一
方向に固定された利得制御減少方向固定区間であり、2
5は可変利得増幅器11の利得制御方向が減少方向と増
加方向の双方向に切り換えられる利得制御双方向区間で
ある。
【0029】可変利得増幅器11の利得制御方向が減少
方向のみの利得制御減少方向固定区間24はAGC初期
引き込み時の状態であり、A/D変換器12によってデ
ィジタル信号に変換された受信信号21の信号レベルの
ピーク値を閾値22と比較する。比較の結果、受信信号
21の信号レベルのピーク値が閾値22となるまで、可
変利得増幅器11の利得を減少させる。この可変利得増
幅器11の利得制御方向が減少方向のみの利得制御減少
方向固定区間24では、AGC制御速度を高速とするこ
とで初期引き込み時間を短縮することができる。
【0030】また、可変利得増幅器11の利得制御方向
が双方向の利得制御双方向区間25はAGC追従状態で
あり、A/D変換器12によりディジタル信号に変換さ
れた受信信号21の信号レベルの平均値を閾値23と比
較する。この比較により、受信信号21の信号レベルの
平均値が閾値23と等しくなるように可変利得増幅器1
1の利得を調整して設定する。この可変利得増幅器11
の利得制御方向が双方向である利得制御双方向区間25
では、AGC制御速度を低速とすることで安定したAG
C制御を実現することができる。
【0031】ここで、図3はこの発明の実施の形態1に
よるAGC制御方法における、そのような場合の処理手
順を示すフローチャートである。まず、AGC初期引き
込み状態において、A/D変換器12によりディジタル
信号に変換された受信信号の信号レベルのピーク値Rx
pと比較する閾値Thpを、ステップST11にて設定
し、ステップST12で可変利得増幅器11の利得を最
大値付近に設定する。次にステップST13において受
信信号21の信号レベルのピーク値Rxpと、ステップ
ST11で設定された閾値Thpとを比較する。その結
果、ピーク値Rxpが閾値Thp以上であればステップ
ST14に分岐し、ピーク値Rxpが閾値Thp未満で
あればステップST15に分岐する。このように、可変
利得増幅器11の利得制御方向を減少方向に固定する際
に、AGC制御に使用する受信信号の信号レベルを一定
周期でリセットしたピーク値を使用している。
【0032】上記ステップST14においては、可変利
得増幅器11の利得を下げた後、処理をステップST1
3に戻す。このAGC初期引き込み状態における、ステ
ップST13とステップST14のループ周期を早くす
ることによりAGC制御を高速化することができる。ま
た、ステップST15においては、A/D変換器12に
よりディジタル信号に変換された受信信号の信号レベル
の平均値Rxaと比較する閾値Thaを設定してこのA
GC初期引き込み状態を終了し、処理をAGC追従状態
に遷移させる。
【0033】次に、AGC追従状態において、受信信号
の信号レベルの平均値RxaとステップST15で設定
した閾値ThaとをステップST21で比較する。比較
の結果、平均値Rxaが閾値Tha以上の時にはステッ
プST22に、平均値Rxaが閾値Tha未満の時には
ステップST23にそれぞれ分岐する。ステップST2
2では可変利得増幅器11の利得を下げた後、ステップ
ST24に分岐し、ステップST23では可変利得増幅
器11の利得を上げた後、ステップST24に分岐す
る。ステップST24では平均値Rxaと閾値Thaの
差分の絶対値と、AGC制御範囲の限界Thdとを比較
する。
【0034】その結果、平均値Rxaと閾値Thaの差
分の絶対値が限界Thd未満の場合には、処理をステッ
プST21に処理を戻してAGC追従状態を維持する。
このAGC追従状態の、ステップST21,ステップS
T22,ステップST23,ステップST24のループ
周期を遅くすることで、より安定したAGC制御を可能
とする。また、平均値Rxaと閾値Thaの差分の絶対
値が限界Thd以上となって、受信信号の信号レベルが
所望の値に制御できなくなった場合には、AGC追従状
態を終了し、再度ステップST11に戻って、AGC初
期引き込みから自動的に処理を開始する。
【0035】次に、AGC初期引き込み時に可変利得増
幅器11の利得制御方向を増加方向に固定した場合のA
GC制御について説明する。ここで、図4はそのような
利得制御方向を増加方向に固定した場合の、受信信号の
振幅の遷移を示す波形図である。図において、26は可
変利得増幅器11の利得制御方向を増加方向に固定した
場合の受信信号であり、27は受信信号26の信号レベ
ルのピーク値に対する閾値、28は受信信号26の信号
レベルの平均値に対する閾値である。29は可変利得増
幅器11の利得制御方向が増加方向のみの一方向に固定
された利得制御増加方向固定区間である。なお、25は
図2に同一符号を付して示したものと同等の、可変利得
増幅器11の利得制御双方向区間である。
【0036】可変利得増幅器11の利得制御方向が増加
方向のみの一方向の利得制御増加方向固定区間29はA
GC初期引き込み時の状態で、A/D変換器12によっ
てディジタル信号に変換された、利得制御方向を増加方
向に固定した場合の受信信号26の信号レベルのピーク
値を閾値27と比較する。その結果、受信信号26の信
号レベルのピーク値が閾値27となるまで、可変利得増
幅器11の利得を増加させる。この可変利得増幅器11
の利得制御方向が増加方向のみの一方向である利得制御
増加方向固定区間29では、AGC制御速度を高速とす
ることで初期引き込み時間を短縮することができる。
【0037】また、可変利得増幅器11の利得制御方向
が双方向の利得制御双方向区間25はAGC追従状態
で、A/D変換器12によりディジタル信号に変換され
た受信信号26の信号レベルの平均値を閾値28と比較
する。その結果、受信信号26の信号レベルの平均値が
閾値28となるように可変利得増幅器11の利得を増加
/減少させる。この可変利得増幅器11の利得制御方向
が双方向の利得制御双方向区間25では、AGC制御速
度を低速とすることで安定したAGC制御を実現するこ
とができる。
【0038】ここで、図5はこの発明の実施の形態1に
よるAGC制御方法における、そのような場合の処理手
順を示すフローチャートである。まず、AGC初期引き
込み状態において、A/D変換器12によりディジタル
信号に変換された受信信号の信号レベルのピーク値Rx
pと比較する閾値Thpを、ステップST31にて設定
し、ステップST32で可変利得増幅器11の利得を最
小値付近に設定する。次にステップST33において受
信信号の信号レベルのピーク値Rxpと閾値Thpを比
較する。その結果、ピーク値Rxpが閾値Thp未満で
あればステップST34に分岐し、ピーク値Rxpが閾
値Thp以上であればステップST35に分岐する。こ
のように、可変利得増幅器11の利得制御方向を増加方
向に固定する際に、AGC制御に使用する受信信号の信
号レベルを一定周期でリセットしたピーク値を使用して
いる。
【0039】ステップST34では可変利得増幅器11
の利得を上げた後、処理をステップST33に戻す。こ
のAGC初期引き込み状態における、ステップST33
とステップST34のループ周期を早くすることにより
AGC制御を高速化する。また、ステップST35では
A/D変換器12によりディジタル信号に変換された受
信信号の信号レベルの平均値Rxaと比較する閾値Th
aを設定して、処理をAGC追従状態に遷移させる。
【0040】なお、AGC追従状態においては、AGC
初期引き込み時に可変利得増幅器11の利得制御方向を
減少方向に固定した場合と全く同様に動作し、各処理ス
テップには図3と同一符号が付されている。この場合
も、ステップST21,ステップST22,ステップS
T23,ステップST24のループ周期を遅くすること
で、より安定したAGC制御を可能とする。また、平均
値Rxaと閾値Thaの差分の絶対値が限界Thd以上
になって、受信信号の信号レベルが所望の値に制御でき
なくなった場合には、AGC追従状態を終了し、再度ス
テップST11に戻って、AGC初期引き込みから自動
的に処理を開始する。
【0041】このように、この可変利得増幅器11の利
得制御方向を一方向(減少方向もしくは増加方向)に固
定する際に、AGC制御に使用する受信信号の信号レベ
ルの検出を一定周期でリセットするピーク値が使用され
ている。なお、そのとき受信信号がバースト信号であっ
た場合には、ピーク値の検出周期を最小バースト単位と
する。
【0042】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、可変利得増幅器11の利得制御方法を、AGC初期
引き込み時に一方向に固定することにより、フィードバ
ックループの過渡応答による影響が低減できて、受信信
号の急激な変化によるAGC過渡応答の影響が回避可能
となり、AGC制御に受信信号の受信レベルのピーク値
を使用しているので、A/D変換器12の入力範囲内に
上記受信レベルを制御可能にすることができ、最小バー
スト単位で信号レベルを検出しているので、受信レベル
の検出効率が向上するなどの効果が得られる。また、A
GC制御速度を、AGC初期引き込み状態時に高速化す
ることで初期引き込み時間を短縮し、AGC追従状態時
に低速化することでAGC制御を安定化し、さらに、A
GC初期引き込みで受信信号の受信レベルが所望の値に
達するとAGC追従状態に遷移するため、受信レベルの
緩やかな変動に追従可能となり、AGC制御の精度が向
上し、その後、所望の信号レベルに制御不能となるとA
GC初期引き込み状態に再度切り換えているので、AG
C制御をリセットするタイミングを持つことができて自
己復旧が可能となり、そのタイミングを受信レベルとす
ることによりAGC制御の効率がよくなるなどの効果が
得られる。
【0043】実施の形態2.図6はこの発明の実施の形
態2によるAGC制御方法が適用されるAGC制御装置
を示すブロック図であり、相当部分には図1と同一符号
を付してその説明を省略する。図において、15はA/
D変換器12でディジタル信号に変換された受信信号を
復調してベースバンド信号を再生する、DSP13によ
る復調器であり、16はこの復調器15で再生されたベ
ースバンド信号の誤り検出等のベースバンド処理を行
う、DSP13によるベースバンド処理部である。3は
DSP13により、AGC処理部14とともに、これら
復調器15、ベースバンド処理部16が形成されている
点で、図1に示した実施の形態1のそれとは異なる受信
処理部である。
【0044】次に動作について説明する。ここで、上記
実施の形態1ではAGC初期引き込み状態からAGC追
従状態への遷移条件を受信信号の信号レベルによって行
っていたが、この実施の形態2では復調器15で再生さ
れたベースバンド信号をベースバンド処理部16に送
り、誤り検出等のベースバンドの処理を行っている。ベ
ースバンド処理の結果、ベースバンド信号に誤りが有る
場合にはAGC初期引き込み状態を維持し、誤りが無く
なった時点でAGC追従状態へ遷移する。これによっ
て、受信データの処理に適応したAGC制御を行う。
【0045】次に、AGC初期引き込み状態時に可変利
得増幅器11の利得制御方向を減少方向に固定した場合
のAGC制御について説明する。ここで、図7はこの実
施の形態2によるAGC制御方法において、利得制御方
向を減少方向に固定した場合の処理手順を示すフローチ
ャートである。
【0046】まず、AGC初期引き込み状態において、
A/D変換器12によりディジタル信号に変換された受
信信号レベルのピーク値Rxpと比較する閾値Thp
を、ステップST41にて設定する。次にステップST
42において、可変利得増幅器11の利得を最大値付近
に設定した後、ステップST43で受信信号の信号レベ
ルのピーク値Rxpと閾値Thpとの比較を行う。比較
の結果、ピーク値Rxpが閾値Thp以上であればステ
ップST44に分岐して、可変利得増幅器11の利得を
下げた後、ステップST45に進む。また、ピーク値R
xpが閾値Thp未満であればそのままステップST4
5に分岐する。
【0047】ステップST45では、復調器15の復調
データに誤りがあるか否かの判定を行い、誤りがあれば
ステップST43へ処理を戻してAGC初期引き込み状
態を維持する。一方、誤りが無かった場合は、ステップ
ST46に分岐して、A/D変換器12によりディジタ
ル信号に変換された受信信号レベルの平均値Rxaと比
較する閾値Thaを設定し、AGC追従状態に遷移す
る。このAGC初期引き込み状態における、ステップS
T43〜ステップST45のループ周期を早くすること
によりAGC制御を高速化する。
【0048】次に、AGC追従状態において、受信信号
の信号レベルの平均値であるRxaとステップST46
で設定した閾値ThaとをステップST51で比較し、
平均値Rxaが閾値Tha以上の時にはステップST5
2に、平均値Rxaが閾値Tha未満の時にはステップ
ST53にそれぞれ分岐する。ステップST52では可
変利得増幅器11の利得を下げた後に、ステップST5
3では可変利得増幅器11の利得を上げた後に、それぞ
れステップST54に進む。ステップST54では、復
調器15の復調データに誤りがあるか否かの判定を行
い、復調データに誤りがなければステップST51へ処
理を戻してAC追従状態を維持する。このAGC追従状
態の、ステップST51,ステップST52,ステップ
ST53,ステップST54のループ周期を遅くするこ
とで、より安定したAGC制御を可能とする。また、復
調データに誤りのある状態、すなわち、受信信号の復調
が不可能になった場合には、AGC追従状態を終了し、
再度ステップST41に戻って、AGC初期引き込みか
ら自動的に処理を再開する。
【0049】次に、AGC初期引き込み時に可変利得増
幅器11の利得制御方向を増加方向に固定した場合のA
GC制御について説明する。ここで、図8はこの発明の
実施の形態2によるAGC制御方法における、そのよう
な場合の処理手順を示すフローチャートである。
【0050】まず、AGC初期引き込み状態において、
A/D変換器12によりディジタル信号に変換された受
信信号レベルのピーク値Rxpと比較する閾値Thpを
ステップST61で設定し、ステップST62で可変利
得増幅器11の利得を最小値付近に設定する。次にステ
ップST63において、受信信号レベルのピーク値Rx
pと閾値Thpを比較する。その結果、ピーク値Rxp
が閾値Thp未満であればステップST64に分岐し
て、可変利得増幅器11の利得を上げた後、ステップS
T65に進む。また、ピーク値Rxpが閾値Thp以上
であればそのままステップST65に進む。
【0051】ステップST65では、復調器15の復調
データに誤りがあるか否かの判定を行い、誤りがあれば
ステップST63へ処理を戻してAGC初期引き込み状
態を維持する。一方、誤りが無かった場合は、ステップ
ST66に分岐して、A/D変換器12によりディジタ
ル信号に変換された受信信号レベルの平均値Rxaと比
較する閾値Thaを設定し、AGC追従状態に遷移す
る。このAGC初期引き込み状態における、ステップS
T63〜ステップST65のループ周期を早くすること
によりAGC制御を高速化する。
【0052】なお、AGC追従状態においては、AGC
初期引き込み時に可変利得増幅器11の利得制御方向を
減少方向に固定した場合と全く同様に動作し、各処理ス
テップには図7と同一符号が付されている。この場合
も、ステップST51,ステップST52,ステップS
T53,ステップST54のループ周期を遅くすること
で、より安定したAGC制御を可能とする。また、その
後、復調データに誤りのある状態が一定時間、限界Th
d以上になると、AGC追従状態を終了し、ステップS
T41より自動的にAGC初期引き込みを再開する。
【0053】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、AGC初期引き込みで受信信号が復調可能な信頼性
に達した後、AGC追従状態に遷移するため、切り換え
の閾値を復調データの誤り率とすることができて、効率
よくAGC制御状態を切り換えることが可能となり、そ
の後、復調不能になるとAGC初期引き込み状態に再度
切り換えているので、AGC制御をリセットするタイミ
ングを持つことができて自己復旧が可能となり、そのタ
イミングを復調データの誤り率とすることによりAGC
制御の効率がよくなるなどの効果が得られる。
【0054】実施の形態3.なお、上記実施の形態1お
よび実施の形態2では、受信信号の信号レベルあるいは
復調データの誤りを検出することで、AGC初期引き込
み状態とAGC追従状態を切り換えるものを示したが、
バースト信号に対してはAGC制御専用のAGC用プリ
アンブル区間を設け、そのAGC用プリアンブル区間で
は可変利得増幅器の利得制御方向を固定して高速なAG
C制御を行うようにしてもよい。
【0055】図9はそのようなこの実施の形態3による
AGC制御方法における、バースト信号受信時のバース
トフォーマットを示す説明図である。図において、31
はバースト信号の受信時に対して設けられた、AGC制
御専用のAGC用プリアンブル区間であり、32はこの
AGC用プリアンブル区間31後に設けられたデータ区
間である。AGC用プリアンブル区間31はAGC初期
引き込み区間として、可変利得増幅器11の利得制御方
向を減少あるいは増加の一方向に固定し、データ区間3
2はAGC追従区間として、可変利得増幅器11の利得
制御方向を減少および増加の双方向に切り換える。この
AGC初期引き込み区間であるAGC用プリアンブル区
間31においては高速なAGC制御を行い、AGC追従
区間であるデータ区間32の信号に対しては低速なAG
C制御を行う。このことによりバースト信号の変動に対
応したAGC制御を行う。
【0056】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、バースト信号に対してAGC初期引き込み専用のA
GC用プリアンブル区間31を設け、この区間内では可
変利得増幅器11の利得制御方向を固定しているので、
バースト信号の変動に対応したAGC制御が可能とな
り、バースト単位で受信信号の信号レベルに対応したA
GC制御を行えるという効果が得られる。
【0057】実施の形態4.また、上記実施の形態3で
はバースト信号に対してAGC制御専用のAGC用プリ
アンブル区間31で、AGC初期引き込み制御を行い、
その後のデータ区間32でAGC追従制御を行うものを
示したが、TDMA通信システムの無線子局において、
TDMA同期状態遷移にそったAGC制御を実施するこ
とにより、AGC用プリアンブル区間31を必要としな
いバースト信号に対するAGC制御を行うことも可能で
ある。
【0058】図10はそのようなAGC制御方法が適用
されたTDMA通信システムの構成を示すブロック図で
ある。図において、5は当該TDMA通信システムの無
線基地局であり、6はこの無線基地局5と無線通信を行
う当該TDMA通信システムの複数の無線子局である。
1は各無線子局6に接続されたアンテナであり、4は各
無線子局6内に備えられた受信処理部である。
【0059】また、図11は上記各無線子局6の受信処
理部4の内部構成を示すブロック図であり、相当部分に
は図6と同一符号を付してその説明を省略する。図にお
いて、17はTDMA通信システムにおける同期状態を
監視する、DSP13によるTDMA処理部である。受
信処理部4はベースバンド処理器16に代えてこのTD
MA処理部17を備えている点で、図6に示した受信処
理部3とは異なっている。
【0060】次に動作について説明する。この実施の形
態4においては、無線子局6は内蔵する受信処理部4の
TDMA処理部17によって、無線基地局5との同期状
態を監視している。その監視結果としての同期状態の情
報は、TDMA処理部17よりAGC処理部14に伝達
される。AGC処理部14はこのTDMA処理部17か
らの同期状態の情報よりTDMA同期状態にそったAG
C制御を実施する。
【0061】ここで、図12はこの実施の形態4におけ
るTDMAフレームフォーマットを示す説明図であり、
図13はTDMA同期状態の遷移を示す説明図である。
図12において、41はこのTDMA通信システムで用
いられているTDMAフレームであり、42はこのTD
MAフレーム41の同期バースト区間である。また、図
13において、51は同期断、52は前方保護、53は
同期、54は後方保護の各状態である。
【0062】図12に示すように、TDMA通信システ
ムにおいて、各無線子局6はTDMAフレーム41中の
同期バースト区間42を使用して、無線基地局5に対し
て同期する。その際、無線子局6は図13に示す同期断
51、前方保護52、同期53、後方保護54の各状態
を遷移し、受信処理部4におけるTDMA処理部17に
よってその同期状態を監視している。この同期状態に合
わせて、同期断51、前方保護52の状態においては、
可変利得増幅器11の利得制御方向を一方向に固定し
て、実施の形態1に示したAGC初期引き込み状態の制
御を行う。また、同期53の状態においては、可変利得
増幅器11の利得制御方向を双方向として、実施の形態
1に示したAGC追従状態の制御を行う。さらに、後方
保護54の状態においてはAGC制御を停止する。な
お、その際、図13における「AGC制御を初期状態か
ら実施」とは、前方保護52あるいは後方保護54の状
態から同期断51の状態へ遷移した場合に、AGC制御
を最初から自動的に開始することを意味している。
【0063】このように、TDMA通信システムでバー
スト信号を送受信する無線子局において、同期53の状
態となるまでは可変利得増幅器11の利得制御方向を、
減少方向もしくは増大方向のいずれか一方向に固定し、
同期53の状態になった後は可変利得増幅器11の利得
制御方向を減少と増大の双方向に切り換えることによ
り、受信信号の信号レベルの変動に対応したAGC制御
を行う。また、同期53の状態になった後、同期断51
の状態になると、再度AGC初期引き込み状態に自動的
に遷移し、可変利得増幅器11の利得制御方向を減少も
しくは増大のいずれか一方向に固定する。
【0064】ここで、上記AGC初期引き込み状態にお
いて、ステップST13による受信信号のピーク値と閾
値の比較と、ステップST14またはST64による可
変利得増幅器11の利得の制御は最小バースト単位で行
う。これにより、AGC初期引き込み速度と制御精度を
向上させることができる。
【0065】また上記AGC追従状態では、同期バース
ト区間42においてのみ受信信号の信号レベルの検出を
行って、AGC制御を実施している。このように、同期
バースト区間42のみをAGC制御区間の制御とした場
合、同期バースト区間42は受信タイミングが既知であ
るため、バーストごとにAGC制御を行う必要がなくな
り、AGC制御が簡略化される。
【0066】以上のように、この実施の形態4によれ
ば、無線子局が無線基地局と同期状態になるとAGC追
従状態に遷移するため、AGC用プリアンブル区間31
を必要としないAGC制御が可能となり、低速な可変利
得増幅器11を用いても、効率のよいAGC制御が可能
となり、その後、同期断の状態になるとAGC初期引き
込み状態に再度切り換えているので、AGC制御をリセ
ットするタイミングを持つことができて自己復旧が可能
となり、そのタイミングを無線子局の同期状態とするこ
とにより適用するシステムに対応させることが可能とな
り、また、可変利得増幅器11の利得制御を最小バース
ト単位で行うことにより、AGC初期引き込み速度と制
御精度を向上させることができ、同期バースト区間42
のみの制御とすることで、AGC制御が簡略化されるな
どの効果が得られる。
【0067】実施の形態5.なお、この発明によるAG
C制御方法は、無線子局が指向性アンテナを有する無線
通信システム、例えばFWAシステムにも適用可能であ
る。図14はこの発明の実施の形態5によるAGC制御
方法が適用されるFWAシステムの構成を示すブロック
図である。図において、7は当該FWAシステムの無線
基地局であり、8はこの無線基地局7と無線通信を行う
FWAシステムの無線子局である。9は各無線子局8に
接続された指向性アンテナであり、3は各無線子局8内
に備えられた受信処理部である。なお、受信処理部3は
図6にその内部構成を示したDSP13によるベースバ
ンド処理部16を備えたものである。
【0068】次に動作について説明する。図14に示す
FWAシステムにおいては、無線子局8に接続された指
向性アンテナ9のアンテナ軸方向を、無線基地局7に対
して調整する必要がある。このアンテナ軸方向の調整に
際して受信レベルが急激に変化する。この受信レベルの
急激な変化に応答するようなAGC制御を実現するため
に、実施の形態1で示した可変利得増幅器11の利得制
御方向を一方向に固定することと、一定時間でAGC制
御を初期状態にリセットするタイマー制御を行うことに
よりアンテナ軸方向の調整を可能としている。なお、こ
の場合、1対1または1対他のFWAシステムのいずれ
にも適用可能である。
【0069】以下、上記指向性アンテナ9のアンテナ軸
調整時に可変利得増幅器11の利得制御方向を減少方向
に固定した場合について、図15に示すフローチャート
を参照しながら、また、上記指向性アンテナ9のアンテ
ナ軸調整時に可変利得増幅器11の利得制御方向を増加
方向に固定した場合について、図15に示すフローチャ
ートを参照しながら説明する。
【0070】まず、可変利得増幅器11の利得制御方向
を減少方向に固定した場合には、その動作は図15のフ
ローチャートに示す手順となる。すなわち、A/D変換
器12によりディジタル信号に変換された受信信号の信
号レベルのピーク値Rxpと比較する閾値Thpを、ス
テップST71において設定し、ステップST72にて
タイマーを0にすることにより、タイマー制御を開始す
る。次にステップST73に進んで、可変利得増幅器1
1の利得を最大値付近に設定し、ステップST74で受
信信号の信号レベルのピーク値Rxpと閾値Thpとを
比較する。その結果、ピーク値Rxpが閾値Thp以上
であればステップST75に分岐し、可変利得増幅器1
1の利得を下げた後、ステップST76に進む。一方、
ピーク値Rxpが閾値Thp未満であればそのままステ
ップST76に分岐する。ステップST76ではタイマ
ー値と一定期間Trを比較して、タイマー値が、一定期
間Tr未満であればステップST74に、一定期間Tr
以上であればステップST72に処理を戻す。
【0071】次に、可変利得増幅器11の利得制御方向
を増加方向に固定した場合には、その動作は図16のフ
ローチャートに示す手順となる。すなわち、A/D変換
器12によりディジタル信号に変換された受信信号の信
号レベルのピーク値Rxpと比較する閾値Thpを、ス
テップST81で設定し、ステップST82にてタイマ
ーを0にすることにより、タイマー制御を開始する。次
にステップST83に進んで、可変利得増幅器11の利
得を最小値付近に設定し、ステップST84で受信信号
の信号レベルのピーク値Rxpと閾値Thpを比較す
る。その結果、ピーク値Rxpが閾値Thp未満であれ
ばステップST85に分岐し、可変利得増幅器11の利
得を上げた後、ステップST86に進み、ピーク値Rx
pが閾値Thp以上であればそのままステップST86
に分岐する。ステップST86ではタイマー値と一定期
間Trを比較して、タイマー値が、一定期間Tr未満で
あればステップST84に、一定期間Tr以上であれば
ステップST82に処理を戻す。
【0072】このように、タイマー値が一定期間Trで
ある間、可変利得増幅器11の利得制御方向を一方向
(減少方向もしくは増加方向)に固定することで、急激
な受信信号の変化に対応する。
【0073】以上のように、この実施の形態5によれ
ば、可変利得増幅器11の利得制御方向を一方向に固定
し、一定時間ごとに初期状態にリセットしながら利得調
整器の利得を制御しているので、可変利得増幅器や受信
レベル測定器どに高速応答可能なものを使用することな
く、指向性アンテナのアンテナ軸方向の調整などのよう
な急激な受信信号の変化に対応できるという効果が得ら
れる。
【0074】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、無線
通信システムにおける受信信号レベルを検出し、受信レ
ベルが所定の一定値となるように可変利得増幅器を制御
するAGC制御装置において、AGC制御での初期引き
込み時に可変利得増幅器の利得を最大値付近または最小
値付近に設定し、その後に利得制御方向を最大値付近か
ら下げる方向または最小値付近から上げる方向の一方向
に固定するように構成したので、受信信号の急激な変化
によるAGC過渡応答の影響を回避することが可能なA
GC制御方法が得られるという効果がある。
【0075】この発明によれば、可変利得増幅器の利得
制御方向を一方向に固定して制御するとき、受信信号レ
ベルのピーク値が所定の一定値となる制御を行うように
構成したので、受信信号レベルをA/D変換器の入力範
囲内に制御可能になるという効果がある。
【0076】この発明によれば、受信信号がバースト信
号の場合はピーク値の検出周期を最小バースト単位とす
るように構成したので、受信レベルを効率よく検出でき
るという効果がある。
【0077】この発明によれば、AGC制御での初期引
き込みで、受信信号が所望のレベルまで達した後、可変
利得増幅器の制御方向を双方向としたAGC制御に切り
換えるように構成したので、穏やかな受信レベルの変動
に追従可能となり、またAGC制御の精度が向上するな
どの効果がある。
【0078】この発明によれば、AGC制御での初期引
き込みで、受信信号が復調可能な信頼性まで達した後、
可変利得増幅器の制御方向を双方向としたAGC制御に
切り換えるように構成したので、AGC制御状態を切り
換える閾値を復調データの誤りとすることにより、AG
C制御状態を効率よく切り換えることができるという効
果がある。
【0079】この発明によれば、バースト信号に対して
はAGC初期引き込み専用のAGC用プリアンブル区間
を設け、このAGC用プリアンブル区間では可変利得増
器の利得制御方向を固定し、その他の区間では利得制御
方向を双方向とするように構成したので、バースト単位
で受信信号の信号レベルが異なるシステムへの適用が可
能になるという効果がある。
【0080】この発明によれば、TDMA方式での無線
システムの無線子局において、同期状態となるまでは可
変利得増幅器の利得制御方向を固定し、同期後は利得制
御方向を双方向とするAGC制御を行うように構成した
ので、低速な利得調整器を用いても効率のよいAGC制
御が可能となるため、システムを安価に構築できるとい
う効果がある。
【0081】この発明によれば、可変利得増幅器の利得
制御方向を双方向にした後、受信信号が所望レベルの範
囲外となった場合に、再度AGC初期引き込み状態に自
動的に切り換えるように構成したので、自己復旧可能な
システムが構築でき、AGC制御のリセットタイミング
を受信信号の信号レベルとすることにより、効率の高い
AGC制御を行うことができるという効果がある。
【0082】この発明によれば、可変利得増幅器の利得
制御方向を双方向にした後、受信信号が復調不可能とな
った場合は再度AGC初期引き込み状態に自動的に切り
換えるように構成したので、自己復旧可能なシステムが
構築でき、AGC制御のリセットタイミングを復調デー
タの誤り率とすることにより、効率の高いAGC制御を
行うことができるという効果がある。
【0083】この発明によれば、可変利得増幅器の利得
制御方向を双方向にした後、同期状態が断となった場合
は再度AGC初期引き込み状態に自動的に切り換えるよ
うに構成したので、自己復旧可能なシステムが構築で
き、AGC制御のリセットタイミングを無線子局の同期
状態とすることにより、適用するシステムに容易に対応
させることが可能になるという効果がある。
【0084】この発明によれば、同期バースト区間にお
いてのみ受信信号の信号レベルの検出を行って、AGC
制御を実施するように構成したので、バーストごとにA
GC制御を実施する必要がなくなり、AGC制御の簡易
化をはかることができるという効果がある。
【0085】この発明によれば、可変利得増幅器の利得
制御方向を固定した場合はAGC制御速度を高速とし、
利得制御方向を双方向とする場合にはAGC制御速度を
低速とするように構成したので、AGC初期引き込み状
態時には初期引き込み時間が短縮され、AGC追従状態
時にはAGC制御が安定化するという効果がある。
【0086】この発明によれば、受信信号レベルが急激
に変化する場合に、利得制御方向を一定の方向に固定し
て利得制御器の利得を制御するように構成したので、高
速応答可能な機器を使用することなく、指向性アンテナ
のアンテナ軸方向の調整などのような急激な受信信号の
変化に対応できるシステムを構築できるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1および従来のAGC
制御方法が適用されるAGC制御装置を示すブロック図
である。
【図2】 この発明の実施の形態1から実施の形態4に
おいて、利得制御方向を減少方向に固定した場合の受信
信号の振幅遷移を示す波形図である。
【図3】 実施の形態1によるAGC制御方法にて、利
得制御方向を減少方向に固定した場合の処理手順を示す
フローチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態1から実施の形態4に
おいて、利得制御方向を増加方向に固定した場合の受信
信号の振幅遷移を示す波形図である。
【図5】 実施の形態1によるAGC制御方法にて、利
得制御方向を増加方向に固定した場合の処理手順を示す
フローチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態2によるAGC制御方
法が適用されるAGC制御装置を示すブロック図であ
る。
【図7】 実施の形態2によるAGC制御方法にて、利
得制御方向を減少方向に固定した場合の処理手順を示す
フローチャートである。
【図8】 実施の形態2によるAGC制御方法にて、利
得制御方向を増加方向に固定した場合の処理手順を示す
フローチャートである。
【図9】 この発明の実施の形態3によるバースト信号
時のバーストフォーマットを示す説明図である。
【図10】 この発明の実施の形態4によるAGC制御
方法が適用されるTDMA通信システムを示すブロック
図である。
【図11】 実施の形態4において用いられるAGC制
御装置の構成例を示すブロック図である。
【図12】 実施の形態4におけるTDMAフレームフ
ォーマットを示す説明図である。
【図13】 実施の形態4におけるTDMA同期状態の
遷移を示す説明図である。
【図14】 この発明の実施の形態5によるAGC制御
方法が適用されるFWAシステムを示すブロック図であ
る。
【図15】 この発明の実施の形態5におけるAGC制
御方法にて、利得制御方向を減少方向に固定した場合の
処理手順を示すフローチャートである。
【図16】 この発明の実施の形態5におけるAGC制
御方法にて、利得制御方向を増加方向に固定した場合の
処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 アンテナ、2,3,4 受信処理部、5,7 無線
基地局、6,8 無線子局、9 指向性アンテナ、11
可変利得増幅器(利得調整器)、12 A/D変換
器、13 DSP、14 AGC処理部、15 復調
器、16 ベースバンド処理部、17 TDMA処理
部、21,26 受信信号、22,23,27,28
閾値、24 利得制御減少方向固定区間、25 利得制
御双方向区間、29 利得制御増加方向固定区間、31
AGC用プリアンブル区間、32 データ区間、41
TDMAフレーム、42 同期バースト区間、51
同期断の状態、52 前方保護の状態、53 同期の状
態、54 後方保護の状態。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J100 JA01 KA01 LA09 LA11 QA01 SA02 5K061 AA11 AA13 BB12 CC02 CC08 CC52 CD04 JJ06

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 利得調整器にて利得調整が行われた無線
    通信システムの受信信号を、A/D変換器でディジタル
    信号に変換し、AGC処理部が、前記A/D変換器によ
    って変換された受信信号の信号レベルを検出し、当該信
    号レベルが所定の一定値となるように前記利得調整器の
    利得を制御するAGC制御方法において、 AGC初期引き込み状態時に、前記利得調整器の利得を
    最大値付近または最小値付近に設定し、 その後、前記利得調整器の利得制御方向を、前記最大値
    付近から下げる方向または前記最小値付近から上げる方
    向の一方向に固定して制御することを特徴とするAGC
    制御方法。
  2. 【請求項2】 利得調整器の利得制御方向を一方向に固
    定して制御するとき、A/D変換器によってディジタル
    信号に変換された受信信号の信号レベルのピーク値が所
    定の一定値となるよう制御することを特徴とする請求項
    1記載のAGC制御方法。
  3. 【請求項3】 受信信号がバースト信号であった場合
    に、ピーク値の検出周期を、最小バースト単位としたこ
    とを特徴とする請求項2記載のAGC制御方法。
  4. 【請求項4】 AGC初期引き込み状態時にて利得調整
    器で利得調整された受信信号の信号レベルが所望の値に
    達した後、AGC追従状態に遷移して利得調整器の利得
    制御方向を双方向に切り換えることを特徴とする請求項
    1記載のAGC制御方法。
  5. 【請求項5】 AGC初期引き込み状態時にて利得調整
    器で利得調整された受信信号が復調可能な信頼性に達し
    た後、AGC追従状態に遷移して利得調整器の利得制御
    方向を双方向に切り換えることを特徴とする請求項1記
    載のAGC制御方法。
  6. 【請求項6】 バースト信号の受信時において、AGC
    制御専用のAGC用プリアンブル区間を設け、 前記AGC用プリアンブル区間ではAGC初期引き込み
    状態となって利得調整器の利得制御方向を一方向に固定
    し、 前記AGC用プリアンブル区間後はAGC追従状態に遷
    移して、前記利得調整器の利得制御方向を双方向に切り
    換えることを特徴とする請求項1記載のAGC制御方
    法。
  7. 【請求項7】 無線通信システムとして、無線基地局と
    無線子局の間でTDMA方式によりバースト信号を送受
    信するTDMA通信システムを用い、 前記無線子局において、前記無線基地局と同期状態とな
    るまではAGC初期引き込み状態となって利得調整器の
    利得制御方向を一方向に固定し、 前記無線基地局と同期状態となった後はAGC追従状態
    に遷移して、利得調整器の利得制御方向を双方向に切り
    換えることを特徴とする請求項1記載のAGC制御方
    法。
  8. 【請求項8】 AGC初期引き込み状態時において利得
    調整器で利得調整された受信信号の信号レベルが所望の
    値に達してAGC追従状態に遷移し、利得調整器の利得
    制御方向を双方向に切り換えた後に、前記受信信号の信
    号レベルが所望の値へ制御不可能な状態になった場合、 再度、前記AGC初期引き込み状態へ自動的に遷移し
    て、前記利得調整器の利得を、利得制御方向を一方向に
    固定して制御することを特徴とする請求項1記載のAG
    C制御方法。
  9. 【請求項9】 AGC初期引き込み状態時において利得
    調整器で利得調整された受信信号が復調可能な信頼性に
    達してAGC追従状態に遷移し、利得調整器の利得制御
    方向を双方向に切り換えた後に、前記受信信号が復調不
    可能な状態になった場合、 再度、前記AGC初期引き込み状態へ自動的に遷移し
    て、前記利得調整器の利得を、利得制御方向を一方向に
    固定して制御することを特徴とする請求項1記載のAG
    C制御方法。
  10. 【請求項10】 TDMA方式によりバースト信号を送
    受信する無線通信システムの無線子局が無線基地局と同
    期状態となってAGC追従状態に遷移し、利得調整器の
    利得制御方向を双方向に切り換えた後に、前記無線基地
    局と無線子局との同期状態が断となった場合、 再度、AGC初期引き込み状態へ自動的に遷移して、前
    記利得調整器の利得を、利得制御方向を一方向に固定し
    て制御することを特徴とする請求項7記載のAGC制御
    方法。
  11. 【請求項11】 TDMA方式による無線通信システム
    の同期バースト区間においてのみ受信信号の信号レベル
    の検出を行って、AGC制御を実施することを特徴とす
    る請求項7記載のAGC制御方法。
  12. 【請求項12】 AGC初期引き込み状態と、AGC追
    従状態時とでAGC制御速度を可変としたことを特徴と
    する請求項4から請求項7のうちのいずれか1項記載の
    AGC制御方法。
  13. 【請求項13】 無線子局が指向性アンテナを有する無
    線通信システムを用い、利得調整器にて利得調整が行わ
    れた無線通信システムの受信信号を、A/D変換器でデ
    ィジタル信号に変換し、AGC処理部が、前記A/D変
    換器によって変換された受信信号の信号レベルを検出
    し、当該信号レベルが所定の一定値となるように前記利
    得調整器の利得を制御するAGC制御方法において、前
    記指向性アンテナのアンテナ軸方向を調整するときに、 前記利得調整器の利得を最大値付近または最小付近に設
    定し、その後前記利得調整器の利得制御方向を前記最大
    値付近から下げる方向または前記最小値付近から上げる
    方向の一方向に固定して前記利得調整器の利得を制御す
    ることを特徴とするAGC制御方法。
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