JP2002357777A - 光変調装置及びその製造方法 - Google Patents

光変調装置及びその製造方法

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JP2002357777A
JP2002357777A JP2001165142A JP2001165142A JP2002357777A JP 2002357777 A JP2002357777 A JP 2002357777A JP 2001165142 A JP2001165142 A JP 2001165142A JP 2001165142 A JP2001165142 A JP 2001165142A JP 2002357777 A JP2002357777 A JP 2002357777A
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manufacturing
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bonding
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Ryuichi Kurosawa
龍一 黒沢
Shinichi Kamisuke
真一 紙透
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い信頼性で容易に基板間の接合を行える光
変調装置及びその製造方法を提供することにある。 【解決手段】 光変調装置の製造方法は、駆動電極13
0と微小ミラー220との電位差により生じる静電気力
により、微小ミラー220を傾斜駆動させる光変調装置
を製造する方法であって、駆動電極130が形成される
第1基板100Aと、微小ミラー220が形成される第
2基板200Aと、のそれぞれの接合面をエッチングし
て、結合力が発現するように活性化させることと、第1
及び第2基板100A、200Aを、重ね合わせること
で接合することと、を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光変調装置及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【発明の背景】光変調装置は、微小ミラーと駆動電極と
の電位差により生じる静電気力により、微小ミラーを傾
斜駆動させ、これにより光源からの光を変調する。光変
調装置として、例えば、多数の微小ミラーがマトリクス
状に配置された構造を有するDMD(Digital Micromir
ror Device)が知られている。DMDによれば、高解像
度、高輝度の大画面を提供できる。このため、DMD
は、プロジェクター等の投写型画像装置に使用されてい
る。
【0003】光変調装置は、微小ミラーを有するミラー
基板が、駆動電極を有する電極基板に接合された構造を
有する。ミラー基板及び電極基板は、加熱し電圧を加え
て、両者の界面に静電引力を生じさせて接合する陽極接
合で固定されることが知られている。
【0004】しかしながら、陽極接合では、高温に加熱
し、高電圧を印加する工程が伴うため、電極基板又はミ
ラー基板にダメージを与えることがあった。特に、電極
基板に半導体素子を形成した場合、高温に加熱すること
で半導体素子が損傷することがあった。また、電極基板
及びミラー基板の熱膨張率が互いに大きく異なる場合に
は、加熱及びその後の冷却によって、各基板の接合界面
が歪むことがあった。
【0005】本発明は、この問題点を解決するためのも
のであり、その目的は、高い信頼性で容易に基板間の接
合を行える光変調装置及びその製造方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】(1)本発明に係る光変
調装置の製造方法は、駆動電極と微小ミラーとの電位差
により生じる静電気力により、前記微小ミラーを傾斜駆
動させる光変調装置を製造する方法であって、前記駆動
電極が形成される第1基板と、前記微小ミラーが形成さ
れる第2基板と、のそれぞれの接合面をエッチングし
て、結合力が発現するように活性化させることと、前記
第1及び第2基板を、重ね合わせることで接合すること
と、を含む。
【0007】本発明によれば、第1及び第2基板の接合
面を活性化させ、両者を重ねることで接合する。これに
よれば、各基板を高温に加熱しなくても接合することが
できる。そのため、各基板に対する熱ストレスを抑える
ことができる。さらに、加熱及び冷却工程を必須としな
いので、各基板の熱膨張率の違いで接合界面が歪むこと
もない。また、各基板の接合面の原子が結合力を有する
状態で接合されるため、両者を強固に接合することがで
きる。したがって、各基板の接合部の剥離や破壊が発生
するのを防止することができる。
【0008】(2)この光変調装置の製造方法におい
て、前記エッチング工程で、不活性ガスのビームを照射
してエッチングしてもよい。
【0009】(3)本発明に係る光変調装置の製造方法
は、駆動電極と微小ミラーとの電位差により生じる静電
気力により、前記微小ミラーを傾斜駆動させる光変調装
置を製造する方法であって、前記駆動電極が形成される
第1基板と、前記微小ミラーが形成される第2基板と、
を接着剤を介在させることで接合することを含む。
【0010】本発明によれば、第1及び第2基板を接着
剤を介在させることで接合する。これによれば、仮に各
基板を加熱するとしても、接着剤の接着力を発現させる
温度の加熱で済むので、各基板に対する熱ストレスを抑
えることができる。また、接着剤を設けるだけなので、
簡単な工程で各基板を接合することができる。
【0011】(4)この光変調装置の製造方法におい
て、前記接着剤の材料は、ベンゾシクロブテンであって
もよい。
【0012】(5)この光変調装置の製造方法におい
て、前記第1基板は、前記第2基板の前記微小ミラーを
傾斜駆動させるときの支点となる支持部を有し、前記第
2基板は、前記微小ミラーを傾斜駆動させるときの軸と
なる軸部を有し、前記接合工程で、前記第1基板の前記
支持部の自由端を、前記第2基板の前記軸部に接合して
もよい。
【0013】(6)この光変調装置の製造方法におい
て、前記接着剤を前記第2基板に設けてもよい。
【0014】これによれば、第2基板には支持部が形成
されないので、接着剤を表面に均一に設けることができ
る。
【0015】(7)この光変調装置の製造方法におい
て、前記第2基板は、前記微小ミラーを傾斜駆動させる
ときの支点となる支持部と、前記微小ミラーを傾斜駆動
させるときの軸となり前記支持部に固定された軸部と、
を有し、前記接合工程で、前記第2基板の前記支持部の
自由端を、前記第1基板に接合してもよい。
【0016】(8)この光変調装置の製造方法におい
て、前記接着剤を前記第1基板に設けてもよい。
【0017】これによれば、第1基板には支持部が形成
されないので、接着剤を表面に均一に設けることができ
る。
【0018】(9)この光変調装置の製造方法におい
て、前記第1基板は、シリコン基板であってもよい。
【0019】(10)この光変調装置の製造方法におい
て、前記第2基板は、前記微小ミラーが形成された第1
層と、前記第1層のベースとなる第2層と、前記第1及
び第2層の間に位置し前記第2層を除去するときのスト
ッパーとなる第3層と、を含み、前記接合工程後に、前
記第3層をストッパーとして前記第2層を除去すること
をさらに含んでもよい。
【0020】これによれば、第3層をストッパーとして
ベースとなる第2層を除去している。そのため、第2層
を除去するときに第3層で第1層を保護するので、微小
ミラーが損傷するのを防ぐことができる。
【0021】(11)本発明に係る光変調装置は、上記
方法から製造されてなる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について図面を参照して説明する。ただし、本発明は、
以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0023】(第1の実施の形態)図1〜図11は、本
発明を適用した第1の実施の形態に係る光変調装置及び
その製造方法を説明する図である。
【0024】(光変調装置の構造)図1は、本実施形態
に係る光変調装置の分解斜視図である。光変調装置1
は、電極基板100、ミラー基板200、カバーガラス
基板300を備える。
【0025】ミラー基板200の材料は、例えば、単結
晶シリコンである。ミラー基板200は、枠部210内
にマトリクス状に配列された複数の微小ミラー220を
備える。なお、微小ミラー220の配列は、マトリクス
状に限られず、光変調装置1の用途に応じて、例えば、
一ライン状等、任意に配列することができる。
【0026】微小ミラー220の平面形状は、例えば、
一辺の長さ15μmの四角形をしている。光変調装置1
をプロジェクター等の投写型画像装置に使用する場合、
一つの微小ミラー220が一画素として機能する。一方
向に沿って並ぶ微小ミラー220同士は、軸部230に
より連結されている。軸部230は、微小ミラー220
を傾斜駆動させるときの軸となる。つまり、微小ミラー
220は、軸部230を軸として、矢印A方向及びB方
向にねじれる。これにより、微小ミラー220は、矢印
A方向及び矢印B方向にそれぞれ、例えば、約10度傾
くことができる。図2は、図1に示すマトリクス状に配
列された複数の微小ミラー220の一部を示している。
微小ミラー220は、軸部230と接続される部分の両
側にスリット240が形成されている。スリット240
により微小ミラー220の傾斜駆動を容易にしている。
【0027】次に、図1に示す電極基板100について
説明する。電極基板100の材料は、例えばシリコンで
あってもよい。本実施の形態によれば、後述するよう
に、電極基板100及びミラー基板200を、高温に加
熱しなくても接合することができる。そのため、例え
ば、電極基板100として、シリコン基板に半導体素子
が形成されたものを使用しても、接合時の加熱で半導体
素子が損傷することを防止できる。なお、電極基板10
0は、例えばガラス基板などのシリコン以外の材料で形
成してもよい。
【0028】電極基板100は、凹領域110及びその
四方に位置する側壁部120を備える。凹領域110に
は、マトリクス状に配列された複数の駆動電極130が
形成されている。駆動電極130は、微小ミラー220
の裏面と対向した位置にあり、微小ミラー220を傾斜
駆動させる電極となる。二つの駆動電極130が一つの
微小ミラー220を駆動させる電極となる。例えば、微
小ミラー220−1で説明すると、駆動電極130−
1、130−2が微小ミラー220−1を駆動させる電
極となる。
【0029】複数の駆動電極130のうち、軸部230
が延びる方向とほぼ直角の方向に並ぶ駆動電極130同
士は、配線140により電気的に共通接続されている。
配線140は、導電層をパターニングすることにより、
駆動電極130と同時に形成される。
【0030】凹領域110には、柱状をした複数の支持
部150が形成されている。支持部150の高さは、側
壁部120の高さと同じである。支持部150は、微小
ミラー220を傾斜駆動させるときの支点となる。な
お、支持部150は、ミラー基板200の軸部230に
形成されていてもよい。
【0031】支持部150は、軸部230と固定され
る。一部の軸部230は、枠部210と固定される。例
えば、軸部230(230−1〜230−4)により接
続される微小ミラー220(220−1〜220−3)
で説明すると、軸部230−1は支持部150−1、軸
部230−2は支持部150−2、軸部230−3は支
持部150−3、軸部230−4は枠部210、にそれ
ぞれ固定される。
【0032】ミラー基板200は、枠部210と側壁部
120において、電極基板100と接合される。このと
き、各支持部150は、対応する各軸部230と接合さ
れる。枠部210には、カバーガラス基板300が接合
される。
【0033】(微小ミラーの傾斜駆動の原理)次に、微
小ミラー220の傾斜駆動の原理を説明する。図3は、
光変調装置1において、微小ミラー220−1が配置さ
れている部分の断面図である。微小ミラー220−1の
表面には、シリコン酸化層225を介して反射層227
が形成され、微小ミラー220−1の裏面には、絶縁層
221が形成されている。
【0034】微小ミラー220は、後で説明するよう
に、SOI基板を用いて作製される。SOI基板のシリ
コン単結晶層が微小ミラー220となり、SOI基板の
シリコン酸化層がシリコン酸化層225となる。反射層
227は、光を反射する性質を有すればよく、その材料
としては、例えば、アルミニウム、金、銀がある。絶縁
層221は、微小ミラー220が駆動電極130とショ
ートするのを防ぐ機能を有する。微小ミラー220に絶
縁層221を形成する代わりに、駆動電極130の表面
に絶縁層を形成してもよい。絶縁層221として、例え
ば、TEOSや熱酸化膜のようなシリコン酸化層やシリ
コン窒化層がある。微小ミラー220が駆動電極130
とショートする問題が生じなければ、絶縁層221は不
要である。
【0035】なお、微小ミラー220はシリコン単結晶
層なので、反射層としても機能することができる。よっ
て、微小ミラー220自体で光を反射させる場合、反射
層227は不要である。シリコン酸化層225は透明な
ので、除去しなくてもよいが、微小ミラー220に要求
される特性に応じて除去してもよい。
【0036】図4(A)及び図4(B)は、図3に示す
微小ミラー220−1が傾斜している状態を示す断面図
である。微小ミラー220−1にバイアス電圧Vaが印
加された状態で、例えば、駆動電極130−1にプラス
電圧を印加し、駆動電極130−2にマイナス電圧を印
加する。これにより、微小ミラー220−1と駆動電極
130−1との間に反発の静電気力が作用し、かつ、微
小ミラー220−1と駆動電極130−2との間に吸引
の静電気力が作用するので、微小ミラー220−1は、
図4(A)に示すように傾斜駆動される。これは、光が
所定位置に向けて反射されるON状態である。一方、駆
動電極130−1、130−2に印加される電圧の極性
を逆転することで、微小ミラー220−1は、図4
(B)に示すように傾斜駆動される。これは、光が所定
位置とは異なる方向に反射されるOFF状態である。本
実施形態では、ON状態とOFF状態の切替時間を変化
させることで、例えば、256階調表示が可能となって
いる。
【0037】(光変調装置の製造方法)本実施形態に係
る光変調装置1は、電極基板100となる第1基板と、
ミラー基板200となる第2基板と、をそれぞれ作製
し、これらを接合することにより製造される。この製造
には、例えば、シリコンマイクロマシーン技術が用いら
れる。
【0038】まず、電極基板100となる第1基板の製
造について説明する。図5(A)〜図5(D)は、これ
を説明するための工程図である。
【0039】図5(A)に示すように、電極基板100
のベースとなるシリコン基板160を準備する。シリコ
ン基板160には、図示しない半導体素子が形成されて
いてもよい。あるいは、電極基板100のベースとなる
基板として、ガラス基板を準備してもよい。
【0040】シリコン基板160上にレジストR1を塗
布し、フォトリソグラフィによりレジストR1に所定の
パターニングをする。レジストR1をマスクとして、シ
リコン基板160を、例えば、水酸化カリウム水溶液に
よりウエットエッチングすることにより、凹領域110
を形成する。シリコン基板160のうち、レジストR1
でマスクされた部分が側壁部120となる。側壁部12
0の高さ、言い換えれば、凹領域110の深さは、例え
ば、2μmである。
【0041】図5(B)に示すように、シリコン基板1
60の全面に、駆動電極となる導電層170を形成す
る。導電層170の厚さは、例えば、0.1μm〜0.
2μmである。導電層170としては、例えば、ITO
のような透明導電材料でもよいし、金やクロムでもよ
い。導電層170は、蒸着法、スパッタ法又はイオンプ
レーティング法等により形成することができる。
【0042】図5(C)に示すように、導電層170上
にレジストR2を塗布し、フォトリソグラフィによりレ
ジストR2に所定のパターニングをする。レジストR2
をマスクとして、導電層170を例えば、ドライエッチ
ングすることにより、導電層170をパターニングす
る。これにより、駆動電極130が形成される。導電層
170のパターニングはウェットエッチングでも可能で
ある。
【0043】図5(D)に示すように、駆動電極130
上のレジストR2を除去することで、電極基板100と
なる第1基板100Aが完成する。なお、第1基板10
0Aの駆動電極130が形成された面が、後述する第2
基板200Aとの接合面となる。
【0044】次に、図6(A)〜図7(D)に示すよう
に、ミラー基板200となる第2基板の製造について説
明する。図6(A)〜図6(D)の工程図の断面は、図
2のX−X線に沿った方向と同じ方向で切断した面であ
る。図7(A)〜図7(D)の工程図の断面は、図2の
Y−Y線に沿った方向と同じ方向で切断した面である。
【0045】図6(A)及び図7(A)に示すように、
シリコン基板250、シリコン酸化層225、シリコン
単結晶層260が順に積層された構造のSOI基板を準
備する。シリコン単結晶層260は第1層の一例であ
り、本実施の形態では、微小ミラー、軸部及び支持部が
形成される。シリコン基板250は第2層の一例であ
り、シリコン単結晶層260のベースとなる。シリコン
単結晶層260は非常に薄いので、ベースとなる層が必
要となる。シリコン酸化層225は第3層の一例であ
り、シリコン基板250を除去するときのストッパーと
なる。
【0046】シリコン単結晶層260には、微小ミラ
ー、支持部及び軸部が形成される。シリコン単結晶層2
60の厚さは、微小ミラー及び軸部の厚さと支持部の高
さを考慮して定められ、例えば、2μm〜4μmであ
る。なお、シリコン基板250の厚さは、例えば、52
5μm〜600μmである。シリコン酸化層225の厚
さは、例えば、0.1μm〜0.5μmである。SOI
基板の代わりに、SOS基板を用いることもできる。
【0047】図6(B)及び図7(B)に示すように、
シリコン単結晶層260上にレジストR3を塗布し、フ
ォトリソグラフィによりレジストR3に所定のパターニ
ングをする。レジストR3をマスクとして、例えば、異
方性のドライエッチングを用いて、シリコン単結晶層2
60の上部をパターニングすることにより、支持部28
0を形成する。支持部280は、図1に示す支持部15
0と同じ機能を有し、微小ミラー220を傾斜駆動させ
るときの支点となる。図1では、電極基板100に支持
部150が形成されているが、図6(B)及び図7
(B)に示すように、ミラー基板200に支持部280
を形成してもよい。
【0048】図6(C)及び図7(C)に示すように、
シリコン単結晶層260を覆うようにレジストR4を塗
布し、フォトリソグラフィによりレジストR4に所定の
パターニングをする。レジストR4をマスクとして、例
えば、異方性のドライエッチングを用いて、シリコン単
結晶層260の下部をパターニングすることにより、微
小ミラー220及び軸部230を形成する。そして、レ
ジストR4を除去する。
【0049】図6(D)及び図7(D)に示すように、
SOI基板に対して、例えば、ドライの熱酸化をする。
微小ミラー220、軸部230、支持部280はシリコ
ンからできているので、これらの表面には、熱シリコン
酸化層からなる絶縁層221が形成される。絶縁層22
1の厚さは、例えば、0.1μm〜0.12μmであ
る。なお、ドライの熱酸化の代わりに、CVD法により
絶縁層221を形成してもよい。この方法により形成さ
れる絶縁層としては、例えば、TEOSのようなシリコ
ン酸化層やシリコン窒化層がある。
【0050】以上により、ミラー基板200となる第2
基板200Aが完成する。第2基板200Aは、微小ミ
ラー220が形成されたシリコン単結晶層260と、ベ
ースとなるシリコン基板250と、シリコン単結晶層2
60とシリコン基板250との間に位置しシリコン基板
250を除去するときにストッパーとなるシリコン酸化
層225と、を含む。そして、第2基板200Aのう
ち、微小ミラー220を有するシリコン単結晶層260
が形成された面が、第1基板100Aとの接合面とな
る。
【0051】これによれば、微小ミラー220、軸部2
30、支持部280が破損しにくくなる。つまり、シリ
コン単結晶層260の厚みは、例えば、2μm〜4μm
と非常に小さいので、シリコン基板250がないと、微
小ミラー220等は容易に破損する。第2基板200A
は、シリコン単結晶層260とシリコン基板250が積
層する構造をしているので、微小ミラー220等が破れ
る等による破損は生じにくい。
【0052】次に、第1基板100A(電極基板)及び
第2基板200A(ミラー基板)を接合する。本実施の
形態では、表面活性化接合(SAB:Surface Activate
d Bonding)によって、両者を接合する。ここで、図8
は、表面活性化接合を説明する図である。また、図9
(A)〜図10(D)は、第1及び第2基板100A、
200Aを接合する工程以降の工程を示す図である。図
9(A)〜図9(D)の工程図の断面は、図2のX−X
線に沿った方向と同じ方向で切断した面である。図10
(A)〜図10(D)の工程図の断面は、図2のY−Y
線に沿った方向と同じ方向で切断した面である。
【0053】まず、図8に示すように、第1及び第2基
板100A、200Aを、真空装置400内にセットす
る。図示するように、第1基板100Aの接合面と、第
2基板200Aの接合面と、が互いに対向するようにセ
ットしてもよい。こうすれば、両方の基板の接合面を活
性化した後、そのまま一方の基板を他方の基板に位置合
わせして重ね合わせることができる。なお、真空装置4
00にセットする前に、第1基板100Aの接合面及び
第2基板200Aの接合面を、洗浄することが好まし
い。これによって、各基板の表面に付着した微細なパー
ティクルを除去して、接合界面に未接合部が発生するの
を防止できる。
【0054】第1及び第2基板100A、200Aをセ
ットした後、真空装置400内の気体を排出して、その
圧力を大気圧よりも低くする。例えば、真空装置400
内の圧力を、1×10-6Pa程度に至るまで排気しても
よい。
【0055】そして、第1基板100Aの接合面及び第
2基板200Aの接合面を、アルゴンなどの不活性ガス
のビームを照射することによってエッチングする。例え
ば、上下に対をなして設けられた複数の高速原子ビーム
源410、420(FAB:Fast Atom Beam Source)
によって、各基板にアルゴンの原子ビーム412、42
2を照射する。その場合、ビームのパワー及び照射角並
びにエッチング量を適切に制御する。こうして、各基板
の表面に付着した酸化物や気体分子などの層を除去する
ことができる。これによって、第1基板100Aの接合
面及び第2基板200Aの接合面は、他の原子との強力
な結合力を有するように活性化される。
【0056】各基板の表面の酸化物などの層を除去する
手段は限定されず、例えば逆スパッタでエッチングして
もよい。また、第1及び第2基板100A、200Aの
接合面の全体をエッチングしてもよく、あるいは、接合
面のうち接合部となる部分をエッチングしてもよい。
【0057】その後、シリンダ430によって、いずれ
か一方の基板(図8では第2基板200A)を、他方の
基板(図8では第1基板100A)に向けて加圧するこ
とで、両者を真空中において重ね合わせる。こうして、
図9(A)及び図10(A)に示すように、第1及び第
2基板100A、200Aの両者間において、原子間の
結合が形成される。加圧時の圧力は、第1及び第2基板
100A、200Aのサイズや材料などによって適切な
値を選べばよい。あるいは、第1及び第2基板100
A、200Aを重ね合わせるだけで接合できれば、シリ
ンダ430で加圧しなくてもよい。例えば、第1及び第
2基板100A、200Aの接合部が、シリコン同士の
接合であれば、加圧しなくても接合することが可能であ
る。
【0058】上述した工程は、常温で行ってもよい。す
なわち、表面活性化接合を適用することで、第1及び第
2基板100A、200Aを、高温に加熱しなくても接
合することができる。したがって、第1及び第2基板1
00A、200Aに熱ストレスによるダメージを与えず
に接合を図ることができる。
【0059】図9(A)及び図10(A)に示すよう
に、第1層であるシリコン単結晶層260と駆動電極1
30とが対向するように、第1及び第2基板100A、
200Aは接合される。第1層であるシリコン単結晶層
260には、微小ミラー220、軸部230、支持部2
80が形成されている。そして、第2基板200Aの支
持部28の自由端281が第1基板100Aに接合され
ている。
【0060】本実施の形態によれば、第1基板100A
(電極基板)及び第2基板200A(ミラー基板)の接
合面を活性化させ、両者を重ねることで接合する。これ
によれば、各基板を高温に加熱しなくても接合すること
ができる。そのため、各基板に対する熱ストレスを抑え
ることができる。さらに、加熱及び冷却工程を必須とし
ないので、各基板の熱膨張率の違いで接合界面が歪むこ
ともない。また、各基板の接合面の原子が結合力を有す
る状態で接合されるため、両者を強固に接合することが
できる。したがって、各基板の接合部の剥離や破壊が発
生するのを防止することができる。
【0061】また、上述のように第2基板200Aに微
小ミラー220を形成した後、第2基板200Aを第1
基板100Aに接合すれば、第1基板100Aが無駄に
なるのを防ぐことができる。つまり、第2基板200A
を第1基板100Aに接合した後、第2基板200Aに
微小ミラーを形成する場合、不良の微小ミラーが形成さ
れると、第2基板200Aのみならず第1基板100A
も無駄になるのである。あるいは、第1及び第2基板1
00A、200Aを接合した後に、第2基板200Aの
第1層260に微小ミラー220を形成しても構わな
い。
【0062】図9(B)及び図10(B)に示すよう
に、第2層の一例であるシリコン基板250を除去す
る。この除去には、例えば、ウエットエッチング、ドラ
イエッチング、研磨が用いられる。いずれの場合も、シ
リコン基板250の除去のとき、シリコン酸化層225
がストッパーとなる。よって、微小ミラー220、軸部
230、支持部280が形成されたシリコン単結晶層2
60がダメージを受けるのを防ぐことができる。従っ
て、光変調装置の歩留まりを高くすることが可能とな
る。
【0063】まず、ウエットエッチングの場合について
説明する。接合された状態の第1及び第2基板100
A、200Aを、例えば、1〜40重量%の濃度のKO
H水溶液に入れる。KOH水溶液の濃度は、10重量%
前後が最適である。このエッチングの反応式は下記のと
おりである。
【0064】 Si+2KOH+H2O→K2SiO3+2H2 KOH水溶液によるシリコン基板250のエッチングレ
ートは、シリコン酸化層225のエッチングレートより
相当大きいので、シリコン酸化層225がエッチングの
ストッパーとして機能する。
【0065】シリコン酸化層225があるので、KOH
水溶液が駆動電極130の配置されている空間に入り込
むのを防ぐことができる。シリコン酸化層225がない
と、KOH水溶液により駆動電極130がダメージを受
けるのである。なお、この工程で用いられるエッチング
液としては、KOH水溶液以外に、TMAH(テトラメ
チルアンモニウムハイドロオキサイド)水溶液、EDP
(エチレンジアミン−ピロカテコール−ジアジン)水溶
液またはヒドラジン水溶液などがある。ウェットエッチ
ングによれば、バッチ処理が可能なので、光変調装置の
生産性を向上させることができる。
【0066】ウエットエッチングの工程を行う場合に
は、第1基板100Aは、ガラス基板であることが好ま
しい。あるいは、第1基板100Aの外側の表面がシリ
コン酸化層などで覆われていることが好ましい。こうす
ることで、第1基板100Aを保護することができる。
なお、このことは、以下に示すドライエッチングの工程
でも同様である。
【0067】次に、ドライエッチングの場合について説
明する。接合された状態の第1及び第2基板100A、
200Aをチャンバー内に入れる。チャンバー内に、例
えば、圧力390PaのXeF2を60秒間導入する。
このエッチングの反応式は下記のとおりである。
【0068】2XeF2+Si→2Xe+SiF4 XeF2によるドライエッチングによれば、シリコン基
板250のエッチングレートは、シリコン酸化層225
のエッチングレートより相当大きいので、シリコン酸化
層225がエッチングのストッパーとして機能する。こ
のエッチングはプラズマによるものでないので、第1及
び第2基板100A、200Aにダメージが及びにく
い。なお、XeF2の代わりに、例えば、CF4やSF6
によるプラズマエッチングを用いることもできる。
【0069】ウェットエッチングの場合、第1基板10
0Aや第2基板200Aにピンホールなどの欠陥がある
と、エッチング液が駆動電極130や支持部280が形
成されている領域に入り込み、これにより駆動電極13
0や支持部280がダメージを受けることがある。ドラ
イエッチングの場合、エッチング液を用いないので、こ
のようなことを防ぐことができる。
【0070】研磨については、半導体の分野で使用され
る通常の研磨であり、説明を省略する。
【0071】あるいは、ウエットエッチング、ドライエ
ッチング、研磨のうち、いずれかを組み合わせてシリコ
ン基板250を除去してもよい。例えば、研磨によりシ
リコン基板250の一部を除去した後、ウエットエッチ
ング又はドライエッチングにより、シリコン基板250
の残りの部分を除去してもよい。研磨のほうがエッチン
グよりもシリコン基板250を削る速度が大きく、エッ
チングのほうが研磨よりもシリコン基板250を高精度
で削ることができる。したがって、研磨によってシリコ
ン基板250の大部分を速やかに除去し、エッチングに
よってシリコン基板250の残りの部分をシリコン単結
晶260にダメージを与えることなく高精度に除去する
ことができる。 また、シリコン酸化層225をストッ
パーとしてシリコン基板250を除去するので、微小ミ
ラー220の表面粗さが大きくなるのを防ぐことができ
る。そのため、反射率が高い微小ミラーを備えた光変調
装置を作製することができる。
【0072】図9(C)及び図10(C)に示すよう
に、シリコン酸化層225上に、例えば、スパッタリン
グにより、アルミニウムからなる反射層227を形成す
る。反射層227の厚みとしては、例えば、0.1μm
〜0.2μmである。
【0073】次に、反射層227上にレジストR6を塗
布し、フォトリソグラフィによりレジストR6に所定の
パターニングをする。レジストR6をマスクとして、反
射層227及びシリコン酸化層225に、例えば、異方
性のドライエッチングをする。これにより、反射層22
7がパターニングされるとともに、微小ミラー220が
他の微小ミラー220と分離される。そして、レジスト
R6を除去する。第1基板100Aは電極基板100と
なる。微小ミラー220、軸部230、支持部280及
び枠部210により、ミラー基板200が構成される。
【0074】図9(D)及び図10(D)に示すよう
に、カバーガラス基板300を第2基板200の枠部2
10に取り付けることにより、光変調装置1が完成され
る。カバーガラス基板300は、例えば接着剤によって
第2基板200に取り付けてもよい。
【0075】微小ミラー220の表面を反射層とする場
合は、反射層227を形成することを省略してもよい。
シリコン酸化層225は透明なので、除去しなくてもよ
いが、微小ミラー220に要求される特性に応じて除去
してもよい。この場合、駆動電極130等がエッチング
液によりダメージを受けるのを防ぐために、シリコン酸
化層225除去には、ドライエッチングが好ましい。
【0076】なお、図7(B)及び図7(C)に示すよ
うに、軸部230と支持部280とは、シリコン単結晶
層260をパターニングすることにより形成されるの
で、軸部230と支持部280とを強固に結合させるこ
とができる。このため、微小ミラー220の傾斜駆動の
とき、軸部230と支持部280との結合部290(図
10(D))に応力が集中しても、結合部290は破壊
しにくい。よって、耐久性に優れた光変調装置となる。
【0077】図11に示すように、第1及び第2基板1
00A、200Aの接合形態の変形例として、接着剤4
40を介在させることで各基板を接合してもよい。ここ
で、図11は、図2のX−X線に沿った方向と同じ方向
で切断した面である。
【0078】接着剤440は、第1基板100A又は第
2基板200Aのいずれか一方に設けてもよく、それら
の両方に設けてもよい。接着剤440は、第1基板10
0Aの接合面及び第2基板200Aの接合面のうち、少
なくとも接合部となる部分に設ける。例えば、接着剤4
40を第1基板100Aに設ける場合には、第1基板1
00Aのうち、第2基板200Aの支持部280が接合
される部分を含む領域に設ける。あるいは、接着剤44
0を第2基板200Aに設ける場合には、第2基板20
0Aのうち支持部280の自由端281を含む領域に設
ける。あるいは、第1基板100A又は第2基板200
Aの接合面の全体に設けても構わない。
【0079】図示するように、接着剤440を、第1基
板100Aの接合面に設けることが好ましい。これによ
れば、第1基板100Aには凸部となる支持部が形成さ
れていないため、接着剤440を第1基板100Aの表
面に均一に設けることができる。なお、接着剤440
は、第1基板100Aの凹領域110だけでなく、その
四方に位置する側壁部120に至るまで設けてもよい。
【0080】接着剤440は、第1基板100Aの接合
面に、スピンコート法によって設けてもよい。すなわ
ち、ペースト状の接着剤440を第1基板100Aに滴
下した後、第1基板100Aを高速で回転させて接着剤
440を表面に均一に塗布する。そして、第1基板10
0Aと第2基板200Aとを、接着剤440を介在させ
て重ね合わせ、接着剤440を硬化させるためのエネル
ギーを加える。例えば、接着剤440を加熱することで
硬化させてもよい。その後、第1及び第2基板100
A、200Aを冷却した後、上述したように光変調装置
を製造するためその他の工程を行う(図9(B)及び図
10(B)など参照)。
【0081】接着剤440の材料として、ベンゾシクロ
ブテンを使用してもよい。スピンコート法を適用する場
合、ベンゾシクロブテンを滴下した後、第1基板100
Aを約5000rpmで、約30秒間、回転させて均一
に塗布してもよい。その後の硬化させる工程では、第1
及び第2基板100A、200Aを、約250℃で約1
時間、加熱することで両者を接合してもよい。これによ
れば、第1及び第2基板100A、200Aの加熱温度
は、例えば陽極接合で加熱する温度よりも低温であるの
で、接合時の加熱で第1及び第2基板100A、200
Aに対する熱ストレスを抑えることができる。特に、第
1基板100Aとして、シリコン基板に半導体素子が形
成されたものを使用しても、接合時の加熱で半導体素子
が損傷することを防止できる。
【0082】上述の他に、接着剤440の材料として、
例えば塗布シリコン酸化膜(SOG:Spin On Glas
s)、ポリイミド樹脂などを使用してもよい。また、接
着剤440は、常温でペースト状のものを使用してもよ
く、フィルム状のものを使用してもよい。
【0083】本変形例によれば、第1基板100A(電
極基板)及び第2基板(ミラー基板)を接着剤440を
介在させることで接合する。これによれば、仮に各基板
を加熱するとしても、接着剤440の接着力を発現させ
る温度の加熱で済むので、各基板に対する熱ストレスを
抑えることができる。また、接着剤440を設けるだけ
なので、簡単な工程で各基板を接合することができる。
【0084】(第2の実施の形態)図12(A)〜図1
7は、本発明を適用した第2の実施の形態に係る光変調
装置及びその製造方法を説明する図である。本実施の形
態では、第1の実施の形態で説明した内容のうち、いず
れかを選択的に適用することができる。本実施の形態で
は、第1基板100Bに支持部150を形成する。
【0085】まず、電極基板100となる第1基板の製
造について説明する。図12(A)〜図12(D)は、
これを説明するための工程図である。
【0086】図12(A)に示すように、シリコン基板
160上にレジストR7を塗布し、フォトリソグラフィ
によりレジストR7に所定のパターニングをする。レジ
ストR7をマスクとして、例えば、CHF3によるエッ
チングにより、シリコン基板160を選択的に削ること
により、支持部150及び凹領域110を形成する。
【0087】図12(B)に示すように、シリコン基板
160の全面に、駆動電極となる導電層170を形成す
る。
【0088】図12(C)に示すように、導電層170
をパターニングすることにより、駆動電極130が形成
される。
【0089】図12(D)に示すように、駆動電極13
0上のレジストR2を除去することで、電極基板100
となる第1基板100Bが完成する。支持部150は自
由端151を有し、後で述べるように、自由端151は
軸部230に固定される。
【0090】次に、図13(A)〜図14(C)に示す
ように、ミラー基板200となる第2基板の製造につい
て説明する。図13(A)〜図13(C)の工程図の断
面は、第1の実施の形態で説明した図2のX−X線に沿
った方向と同じ方向で切断した面である。図14(A)
〜図14(C)の工程図の断面は、第1の実施の形態で
説明した図2のY−Y線に沿った方向と同じ方向で切断
した面である。
【0091】図13(A)及び図14(A)に示すよう
に、シリコン基板250、シリコン酸化層225、シリ
コン単結晶層260が順に積層された構造のSOI基板
を準備する。本実施の形態では、シリコン単結晶層26
0に支持部を形成しない。このため、シリコン単結晶層
260の厚みは、例えば、2μmであり、微小ミラー2
20の厚みと同じである。
【0092】図13(B)及び図14(B)に示すよう
に、SOI基板に対してドライの熱酸化をする。これに
より、シリコン単結晶層260の表面には、熱シリコン
酸化層からなる絶縁層221が形成される。なお、ドラ
イの熱酸化の代わりに、CVD法により絶縁層221を
形成してもよい。
【0093】絶縁層221上にレジストR8を塗布し、
フォトリソグラフィによりレジストR8に所定のパター
ニングをする。レジストR8をマスクとして、異方性の
ドライエッチングを用いて、シリコン単結晶層260を
パターニングすることにより、微小ミラー220及び軸
部230を形成する。
【0094】図13(C)及び図14(C)に示すよう
に、レジストR4を除去する。以上により、ミラー基板
200となる第2基板200Bが完成する。
【0095】次に、第1基板100B(電極基板)及び
第2基板200B(ミラー基板)を接合する。ここで、
図15(A)〜図16(D)は、第1及び第2基板10
0B、200Bを接合する工程以降の工程を示す図であ
る。図15(A)〜図15(D)の工程図の断面は、第
1の実施の形態で示した図2のX−X線に沿った方向と
同じ方向で切断した面である。図16(A)〜図16
(D)の工程図の断面は、第1の実施の形態で示した図
2のY−Y線に沿った方向と同じ方向で切断した面であ
る。
【0096】第1及び第2基板100B、200Bを、
表面活性化接合によって接合してもよい。表面活性化接
合の構成及び効果は、上述の実施の形態で説明した通り
である。
【0097】図15(A)及び図16(A)に示すよう
に、第1層であるシリコン単結晶層260と駆動電極1
30とが対向するように、第1及び第2基板100B、
200Bは接合される。第1層であるシリコン単結晶層
260には、微小ミラー220、軸部230が形成され
ている。そして、第1基板100Bの支持部150の自
由端151は軸部230に接合されている。
【0098】図15(B)及び図16(B)に示すよう
に、第2層の一例であるシリコン基板250を除去す
る。この除去には、例えば、ウエットエッチング、ドラ
イエッチング、研磨が用いられる。いずれの場合も、シ
リコン基板250の除去のとき、シリコン酸化層225
がストッパーとなる。
【0099】図15(C)及び図16(C)に示すよう
に、シリコン酸化層225上に反射層227を形成す
る。そして、レジストR6をマスクとして、反射層22
7及びシリコン酸化層225に異方性のドライエッチン
グをする。これにより、反射層227がパターニングさ
れるとともに、微小ミラー220が他の微小ミラー22
0と分離される。そして、レジストR6を除去する。第
1基板100Bは、支持部150を含む電極基板100
となる。微小ミラー220、軸部230及び枠部210
により、ミラー基板200が構成される。
【0100】図15(D)及び図16(D)に示すよう
に、カバーガラス基板300を第2基板200の枠部2
10に取り付けることにより、光変調装置1が完成され
る。
【0101】図17に示すように、本実施の形態におい
ても、第1及び第2基板100B、200Bの接合形態
の変形例として、接着剤440を介在させることで各基
板を接合してもよい。ここで、図17は、第1の実施の
形態で示した図2のX−X線に沿った方向と同じ方向で
切断した面である。
【0102】図示するように、接着剤440を、第2基
板200Bの接合面に設けてもよい。これによれば、第
2基板200Bには凸部となる支持部が形成されていな
いため、接着剤440を第2基板200Bの表面に均一
に設けることができる。なお、接着剤440による接合
の構成及び効果は、上述の実施の形態で説明した通りで
ある。
【0103】本実施の形態においても、上述の実施の形
態と同様に、第1及び第2基板100B、200Bの接
合部の剥離や破壊が発生するのを防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明を適用した第1の実施の形態に
係る光変調装置を示す図である。
【図2】図2は、本発明を適用した第1の実施の形態に
係る光変調装置の一部を示す図である。
【図3】図3は、本発明を適用した第1の実施の形態に
係る光変調装置の一部を示す図である。
【図4】図4(A)及び図4(B)は、本発明を適用し
た第1の実施の形態に係る光変調装置の一部を示す図で
ある。
【図5】図5(A)から図5(D)は、本発明を適用し
た第1の実施の形態に係る光変調装置の製造方法を示す
図である。
【図6】図6(A)から図6(D)は、本発明を適用し
た第1の実施の形態に係る光変調装置の製造方法を示す
図である。
【図7】図7(A)から図7(D)は、本発明を適用し
た第1の実施の形態に係る光変調装置の製造方法を示す
図である。
【図8】図8は、本発明を適用した第1の実施の形態に
係る光変調装置の製造方法を示す図である。
【図9】図9(A)から図9(D)は、本発明を適用し
た第1の実施の形態に係る光変調装置の製造方法を示す
図である。
【図10】図10(A)から図10(D)は、本発明を
適用した第1の実施の形態に係る光変調装置の製造方法
を示す図である。
【図11】図11は、本発明を適用した第1の実施の形
態に係る光変調装置の製造方法を示す図である。
【図12】図12(A)から図12(D)は、本発明を
適用した第2の実施の形態に係る光変調装置の製造方法
を示す図である。
【図13】図13(A)から図13(C)は、本発明を
適用した第2の実施の形態に係る光変調装置の製造方法
を示す図である。
【図14】図14(A)から図14(C)は、本発明を
適用した第2の実施の形態に係る光変調装置の製造方法
を示す図である。
【図15】図15(A)から図15(D)は、本発明を
適用した第2の実施の形態に係る光変調装置の製造方法
を示す図である。
【図16】図16(A)から図16(D)は、本発明を
適用した第2の実施の形態に係る光変調装置の製造方法
を示す図である。
【図17】図17は、本発明を適用した第2の実施の形
態に係る光変調装置の製造方法を示す図である。
【符号の説明】
1 光変調装置 100 電極基板 100A、100B 第1基板 110 凹領域 120 側壁部 130 駆動電極 140 配線 150 支持部 151 自由端 160 シリコン基板 170 導電層 200 ミラー基板 200A、200B 第2基板 210 枠部 220 微小ミラー 221 絶縁層 225 シリコン酸化層 227 反射層 230 軸部 240 スリット 250 シリコン基板 260 シリコン単結晶層 280 支持部 281 自由端 290 結合部 300 カバーガラス基板 422 ビーム 440 接着剤 R1〜R8 レジスト

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動電極と微小ミラーとの電位差により
    生じる静電気力により、前記微小ミラーを傾斜駆動させ
    る光変調装置を製造する方法であって、 前記駆動電極が形成される第1基板と、前記微小ミラー
    が形成される第2基板と、のそれぞれの接合面をエッチ
    ングして、結合力が発現するように活性化させること
    と、 前記第1及び第2基板を、重ね合わせることで接合する
    ことと、 を含む光変調装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光変調装置の製造方法に
    おいて、 前記エッチング工程で、不活性ガスのビームを照射して
    エッチングする光変調装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 駆動電極と微小ミラーとの電位差により
    生じる静電気力により、前記微小ミラーを傾斜駆動させ
    る光変調装置を製造する方法であって、 前記駆動電極が形成される第1基板と、前記微小ミラー
    が形成される第2基板と、を接着剤を介在させることで
    接合することを含む光変調装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の光変調装置の製造方法に
    おいて、 前記接着剤の材料は、ベンゾシクロブテンである光変調
    装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の光変調装置の製造方法において、 前記第1基板は、前記第2基板の前記微小ミラーを傾斜
    駆動させるときの支点となる支持部を有し、 前記第2基板は、前記微小ミラーを傾斜駆動させるとき
    の軸となる軸部を有し、 前記接合工程で、前記第1基板の前記支持部の自由端
    を、前記第2基板の前記軸部に接合する光変調装置の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3又は請求項4のいずれかを引用
    する請求項5記載の光変調装置の製造方法において、 前記接着剤を前記第2基板に設ける光変調装置の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
    の光変調装置の製造方法において、 前記第2基板は、前記微小ミラーを傾斜駆動させるとき
    の支点となる支持部と、前記微小ミラーを傾斜駆動させ
    るときの軸となり前記支持部に固定された軸部と、を有
    し、 前記接合工程で、前記第2基板の前記支持部の自由端
    を、前記第1基板に接合する光変調装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項3又は請求項4のいずれかを引用
    する請求項7記載の光変調装置の製造方法において、 前記接着剤を前記第1基板に設ける光変調装置の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項8のいずれかに記載
    の光変調装置の製造方法において、 前記第1基板は、シリコン基板である光変調装置の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 請求項1から請求項9のいずれかに記
    載の光変調装置の製造方法において、 前記第2基板は、前記微小ミラーが形成された第1層
    と、前記第1層のベースとなる第2層と、前記第1及び
    第2層の間に位置し前記第2層を除去するときのストッ
    パーとなる第3層と、を含み、 前記接合工程後に、前記第3層をストッパーとして前記
    第2層を除去することをさらに含む光変調装置の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項1から請求項10のいずれかに
    記載の方法から製造されてなる光変調装置。
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