JP2002357128A - ガスタービン機関の再始動方法及びそれに用いる再始動装置 - Google Patents

ガスタービン機関の再始動方法及びそれに用いる再始動装置

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JP2002357128A JP2001162700A JP2001162700A JP2002357128A JP 2002357128 A JP2002357128 A JP 2002357128A JP 2001162700 A JP2001162700 A JP 2001162700A JP 2001162700 A JP2001162700 A JP 2001162700A JP 2002357128 A JP2002357128 A JP 2002357128A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機関が熱い状態、出力軸が回転状態において
も始動モータを用いた再始動が可能になるガスタービン
機関の再始動方法及びそれに用いる再始動装置を提供
し、ガスタービン機関における再始動時間を短縮する。 【解決手段】 ガスタービン機関21の再始動におい
て、ガスタービン機関21の回転速度が、自立回転速度
より小さくかつ点火開始時回転速度より小さくなったな
ら始動モータ27を運転させかつ点火栓41をONす
る。点火栓41のONの後、燃料遮断弁47を開く。燃
料遮断弁47を開いた後、始動モータ27を用いたガス
タービン機関21の回転速度が所定の回転速度に達した
時点で燃料の流量を制限する。着火の後に点火栓41を
OFFする。ガスタービン機関21の回転速度が、自立
回転速度より大きくなったなら始動モータ27を停止さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機関停止途中にお
ける再始動時間を短縮するガスタービン機関の再始動方
法及びそれに用いる再始動装置に関し、さらに詳しく
は、高温な機関に対する過剰な燃料供給を制御するとと
もに、回転中の機関出力軸への始動モータの接続を可能
にすることにより再始動時間の短縮を図る改良技術に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガスタービン機関における燃料の
供給には、油圧式ガバナと機械式燃料制御弁とが用いら
れていた。ガスタービン機関において、始動及び加速時
の燃料の流量制御は、空気圧縮機の吐出圧力に比例して
これら油圧式ガバナと機械式燃料制御弁とを動作させる
ことにより行っている。そして、油圧式ガバナは、設定
回転数に対し燃料の量を調整する一通りの制御しか設定
できず、その設定は、ガスタービン機関が冷たい状態で
始動されるときを基準に設定されていた。
【0003】また、従来、ガスタービン機関を始動させ
るための始動モータは、ピニオンギアを噛み合わせるこ
とにより始動回転力をガスタービン機関に伝達してい
た。図6に示すように、始動モータ1は、ケーシング3
内に回転自在に支持された回転子(アマチュア)5と、
ケーシング3内でこの回転子5の外周を包囲して固設さ
れた固定コイル7と、回転子5へ電力を供給するブラシ
9と、ブラシ9へ電源を接続するコンタクター11と、
回転子5の軸端に固設されたピニオン13とにより概略
構成される。始動モータ1は、一般的に始動スイッチが
ONされることにより、マグネチックスイッチの吸引力
でピニオン13を飛び出させ、減速機を介してガスター
ビン機関の出力軸に噛み合わせることで、始動回転力を
伝達するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たように、油圧式ガバナは、設定回転数に対し燃料の量
を調整する一通りの制御しか設定できない。そして、そ
の設定は、ガスタービン機関の冷たい状態で始動される
ときを基準に設定されている。このため、ガスタービン
機関の運転が停止した直後或いは停止途中で再始動する
と、タービン内部が高温状態のところに、冷たい状態で
設定した多量の燃料が供給されるので、異常燃焼を起こ
して排気温度が高くなり、保護装置の設定値に達してし
まいガスタービン機関がトリップ(停止)したり、異常
音が発生したりしてしまう問題が生じた。そのため、ガ
スタービン機関は、停止してからある程度冷却するまで
時間を要する必要があった。
【0005】また、従来の始動モータは、ピニオンを噛
み合わせることにより減速機を介してガスタービン機関
を始動させていたため、不噛み合い防止のため、ガスタ
ービン機関が完全に停止した状態を確認してからでなく
ては始動モータを運転させることができず、これによっ
ても、ガスタービン機関が停止してから再始動開始まで
時間を要することになった。
【0006】そこで本発明は、上記状況に鑑みてなされ
たもので、機関が高温な状態、出力軸が回転状態におい
ても始動モータを用いた再始動が可能になるガスタービ
ン機関の再始動方法及びそれに用いる再始動装置を提供
し、もって、ガスタービン機関における再始動時間の短
縮を図ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】次に、上記の課題を解決
するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照し
て説明する。この発明の請求項1記載のガスタービン機
関21の再始動方法は、機関停止途中における再始動時
間を短縮するガスタービン機関21の再始動方法であっ
て、前記ガスタービン機関21の回転速度が、自立回転
速度より小さくかつ点火開始時回転速度より小さくなっ
たなら始動モータ27を運転させかつ点火栓41をON
する手順と、前記点火栓41のONの後、燃料遮断弁4
7を開く手順と、前記燃料遮断弁47を開いた後、前記
始動モータ27を用いた前記ガスタービン機関21の回
転速度が所定の回転速度に達した時点で燃料の流量を制
限する手順と、着火の後に前記点火栓41をOFFする
手順と、前記ガスタービン機関21の回転速度が、自立
回転速度より大きくなったなら前記始動モータ27を停
止させる手順と、を含むことを特徴としている。
【0008】このガスタービン機関21の再始動方法で
は、ガスタービン機関21の機関停止途中、すなわち、
機関の完全停止前においても、ガスタービン機関21の
回転速度が所定速度になったなら始動モータ27が運転
される。そして、この始動モータ27を用いたガスター
ビン機関21の回転速度が所定の回転速度に達した時点
で、燃料の流量が制限される。従って、機関が熱い状態
においても排気温度上昇トリップ(排気温度上昇による
機関停止)に至らないように燃料の流量が制御され、異
常燃焼が回避されてガスタービン機関21の再始動が可
能になる。これにより、ガスタービン機関21の機関停
止途中からの始動モータ27を用いた再始動が可能にな
り、ガスタービン機関21が冷却されるまでの待機時間
が不要になって、ガスタービン機関21の再始動時間が
短縮される。
【0009】請求項2記載のガスタービン機関21の再
始動方法は、前記点火栓41をOFFした後、前記ガス
タービン機関21の回転速度が所定の回転速度以上に達
しないように燃料の流量を制限する手順を含むことを特
徴とする。
【0010】このガスタービン機関21の再始動方法で
は、点火前において排気温度上昇トリップに至らないよ
うに燃料の流量が制御される基本的な流量制御に加え
て、点火栓41をOFFした後においても、ガスタービ
ン機関21の回転速度が所定の回転速度以上に達しない
ように燃料制限が行われ、点火栓OFFから自立運転ま
での間においても燃料の流量が制御され、排気温度上昇
トリップの確実な回避が可能になる。着火の後、排気温
度上昇トリップ発生の確率が低下すれば、燃料の流量制
御を行わず、ガスタービン機関21を自立運転まで移行
させ、さらなる再始動時間の短縮が可能になる。しか
し、これは一方で、排気温度上昇トリップを発生させる
要因を残すことになるが、この発明では、このような状
況下においてもキメ細かな流量制御を行うことにより、
排気温度上昇トリップ発生のリスクが回避される。
【0011】請求項3記載のガスタービン機関21の再
始動装置55は、機関停止途中における再始動時間を短
縮するガスタービン機関21の再始動装置55であっ
て、前記ガスタービン機関21の出力軸に始動回転力を
入力する始動モータ27と、該始動モータ27と前記出
力軸の間に介装され該始動モータ27から前記出力軸へ
の方向には回転を伝達し前記出力軸から該始動モータ2
7への方向には空転するワンウェイクラッチ25と、制
御信号の入力によって前記ガスタービン機関21への燃
料の流量を制限する電気式燃料制御弁49と、前記出力
軸の回転速度を検出し該検出回転速度値に応じて点火栓
41へON・OFF信号、前記始動モータ27へ発停信
号、及び前記電気式燃料制御弁49へ弁開度制御信号を
送出する制御装置51と、を具備したことを特徴とす
る。
【0012】このガスタービン機関21の再始動装置5
5では、ガスタービン機関21への燃料の流量を制限す
る電気式燃料制御弁49が設けられ、この電気式燃料制
御弁49の弁開度が、出力軸の回転速度に応じて、制御
装置51によって制御される。従って、ガスタービン機
関21の機関停止途中、すなわち、機関が熱い状態にお
いても、燃料の流量が制限されることで、排気温度上昇
トリップが回避されながら、再始動が可能になる。つま
り、冷たい状態で設定された多量の燃料が供給されるこ
とによる異常燃焼が回避される。また、始動モータ27
と出力軸の間にワンウェイクラッチ25が介装され、出
力軸から始動モータ27へは回転力が伝達されないの
で、機関停止途中の任意な時期においても始動モータ2
7と出力軸との接続が可能になる。従って、出力軸から
始動モータ27へ回転が伝達されることによる始動モー
タ27の破損を考慮せずに接続が可能になる。これによ
り、機関停止途中における再始動が可能になり、ガスタ
ービン機関21の再始動時間が短縮されることになる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るガスタービン
機関の再始動方法及びそれに用いる再始動装置の好適な
実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本
発明に係る再始動装置のブロック図、図2は図1に示し
たワンウェイクラッチを備えた始動モータの概略構成
図、図3はワンウェイクラッチの断面図、図4はワンウ
ェイクラッチのトルク伝達状態を(a)、非接続状態を
(b)に示した要部拡大図である。
【0014】ガスタービン機関21には減速装置23が
接続され、減速装置23はガスタービン機関21の出力
軸に後述の始動モータからの始動回転力を伝達するよう
に構成されている。この減速装置23にはワンウェイク
ラッチ25が設けられ、ワンウェイクラッチ25は始動
モータ27からの始動回転力を減速装置23に一方向で
伝達するようになっている。
【0015】すなわち、始動モータ27は、図2に示す
ように、ケーシング29内に回転自在に支持された回転
子(アマチュア)31と、ケーシング29内でこの回転
子31の外周を包囲して固設された固定コイル33と、
回転子31へ電力を供給するブラシ35とにより概略構
成される。この始動モータ27の始動モータ出力軸27
aは、上記したワンウェイクラッチ25を介して減速装
置23の回動軸に接続されている。
【0016】ワンウェイクラッチ25は、図3に示すよ
うに、相対回転可能に同一回転軸上に設けられた内輪2
5aと外輪25bとを備え、この内輪25aと外輪25
bとの間に、カムとして作用する断面が空豆形状に似た
複数の輪止め25cが配設されている。そして、一方向
に回転するときには図4(a)に示すように、輪止め2
5cが立って内輪25aと外輪25bとを相対回転不能
に規制し、逆回転に回るときには図4(b)に示すよう
に、輪止め25cが寝て空転するようになっている。
【0017】この実施の形態によるワンウェイクラッチ
25は、一方向、すなわち、始動モータ27から減速装
置23の回動軸への方向には回転を伝達し、減速装置2
3の回動軸から始動モータ出力軸27aへの方向には空
転するようになっている。これにより、始動モータ27
は、ガスタービン機関21によって回転されることな
く、始動回転力をガスタービン機関21へ伝達できるよ
うになっている。
【0018】減速装置23の回動軸には図示しない被駆
動装置37である発電機、ポンプ、又は圧縮機等が接続
されている。すなわち、ガスタービン機関21は、減速
装置23を介して駆動力を被駆動装置37へ出力すると
ともに、減速装置23を介して始動モータ27からの始
動回転力が入力されるようになっている。
【0019】ガスタービン機関21には点火栓41が設
けられ、点火栓41は後述の制御装置によって点火時期
が制御される。ガスタービン機関21には回転速度検出
器43と排気温度検出器45が設けられ、これら回転速
度検出器43及び排気温度検出器45は後述の制御装置
に接続されて、それぞれの検出値を制御装置へ送出する
ようになっている。
【0020】また、ガスタービン機関21には燃料遮断
弁47が接続され、燃料遮断弁47は図示しない燃料タ
ンクから供給されるガスタービン機関21への燃料の供
給を遮断可能にしている。また、ガスタービン機関21
への燃料供給管にはこの燃料遮断弁47に直列に電気式
燃料制御弁としての燃料制御弁49が設けられ、燃料制
御弁49は制御信号が入力されることにより弁開度を可
変させて、ガスタービン機関21への燃料供給量を自在
に増減調整できるようになっている。
【0021】なお、この実施の形態では、燃料遮断弁4
7と燃料制御弁49とを別体で設けたが、流路遮断機能
を有する燃料制御弁を一つ設けるものであってもよい。
この場合には、一つの燃料制御弁によって、燃料の供給
・遮断、及び流量制御が行われることになる。
【0022】上記した始動モータ27,点火栓41,回
転速度検出器43,排気温度検出器45,燃料遮断弁4
7,燃料制御弁49にはガスタービン制御装置51が電
気的に接続されている。この制御装置51としては、プ
ログラマブル・コントローラを好適に用いることができ
る。制御装置51は、上記各検出器43,45からの検
出信号に基づき、所定の制御出力信号を、被制御機器で
ある点火栓41,始動モータ27,燃料遮断弁47,燃
料制御弁49へ送出するようになっている。なお、制御
装置51としては、上記のプログラマブル・コントロー
ラの他に、演算処理を行わず検出入力信号に応じて所定
の制御信号を出力するシーケンサー、又は検出入力信号
に応じて内部プログラムを用いて演算処理を行い、その
演算結果による制御信号を出力するCPU等を用いても
よい。
【0023】本実施の形態では、排気温度検出器45,
回転速度検出器43,燃料遮断弁47,燃料制御弁4
9,及び制御装置51によって、電気式ガバナを構成し
ている。この電気式ガバナは、後述する動作の手順で詳
述するように、ガスタービン機関21の出力軸回転速度
や排気温度を検出し、この検出値に応じて点火栓41へ
のON・OFF信号、始動モータ27への発停信号、及
び電気式燃料制御弁(燃料制御弁49)への弁開度制御
信号等を送出するようになっている。
【0024】これら排気温度検出器45,回転速度検出
器43,燃料遮断弁47,燃料制御弁49,制御装置5
1に加え、点火栓41,ワンウェイクラッチ25,始動
モータ27を構成要素して本実施の形態による再始動装
置55が構成されている。
【0025】次に、上記のように構成された再始動装置
55を用いたガスタービン機関21の再始動方法の手順
を図5に基づき説明する。図5は本発明に係るガスター
ビン機関の再始動方法の手順を説明する流れ図である。
【0026】ここでは、ガスタービンを定格回転速度で
運転している状態から、燃料の供給を遮断し、ガスター
ビンの回転速度が低下して、その後停止するまでの間
に、再度ガスタービンを始動する場合を例に、ガスター
ビン機関の再始動方法の手順を説明する。
【0027】まず、ガスタービン機関21の再始動とな
ると(st1)、ガスタービンの回転速度が自立回転速
度が否かが判断される(st3)。この判断は、回転速
度検出器43から回転速度検出値を入力した制御装置5
1によって行われる。なお、回転速度とは、ガスタービ
ン機関21が回転する速度であり、自立回転速度とは、
ガスタービン機関21が始動モータ27の力を借りず、
機関のみで立ち上がり可能な速度である。
【0028】回転速度が自立回転速度より大きい場合に
は、再びst3に戻ってその判別を繰り返す。一方、回
転速度が自立回転速度より小さいと判断されたなら、排
気温度検出器45から入力される検出値によって、制御
装置51が再始動開始温度を監視する(st5)。この
監視では、具体的に、排気温度検出値が記憶される。ま
た、排気温度の検出は、排気温度を測定することにより
行われる。この再始動開始温度は、後述する着火の判断
の際等に使用される。
【0029】次いで、回転速度が点火開始速度より大き
いか否かが判断される(st7)。点火開始速度は、点
火動作を始める速度で、一般的に定格回転速度の40%
程度が目安となるが、機関によって種々に異なる。ガス
タービンの回転速度がこの点火開始速度より大きい場合
には、再びst3に戻り、上記の手順を繰り返す。一
方、ガスタービンの回転速度が点火開始速度より小さい
と判断されたなら、制御装置51によって始動モータ2
7へ運転指令を送出する(st9)とともに、点火栓4
1をONする(st11)。
【0030】次いで、制御装置51は、燃料遮断弁47
へ弁開放信号を送出する(st13)。続いて、制御装
置51は、燃料制御弁49へ所定の開度指令を送出する
(st15)。再始動装置55では、具体的に、ガスタ
ービンの回転数が定格回転数の60%程度となった時
に、開度指令を送出する燃料制御モードへ移行される。
この開度は、ガスタービン機関21の回転速度が所定の
回転速度以上に達しない燃料を供給する値となってい
る。より具体的には、制御装置51から4〜20mAの
制御信号電圧が燃料制御弁49に印加されることで制御
がなされる。ここで、「所定の回転速度」とは、ガスタ
ービン機関21が異常燃焼を起こして排気温度が高くな
り、保護装置の設定値に達してガスタービン機関がトリ
ップ(停止)したり、異常音が発生したりしない回転速
度を言う。
【0031】次いで、着火したか否かが判断される(s
t17)。この着火は、上記した再始動開始温度に対す
る現時点(st17の時点)での温度上昇幅によって判
断される。
【0032】ここで、着火が確認されず、所定の時間が
経過したと判断された場合には(st19)、異常処理
がなされる(st21)。また、st19において、所
定の時間が経過していないと判断された場合には、再び
st15へと処理が戻される。
【0033】一方、st17において、着火したと判断
されたなら、制御装置51によって点火栓41がOFF
される(st23)。次いで、制御装置51は、燃料制
御弁49へ所定の開度指令を送出する(st25)。こ
の開度は、上記した値と同様である。
【0034】このように、本実施の形態による手順で
は、点火前において排気温度上昇トリップに至らないよ
うに燃料の流量が制御される基本的な流量制御(st1
5)に加えて、点火栓41をOFFした後においても、
ガスタービン機関の回転速度が所定の回転速度以上に達
しないように燃料制限(st25)が行われ、点火栓4
1のOFFから自立運転までの間においても燃料の流量
が制御され、排気温度上昇トリップが確実に回避され
る。
【0035】すなわち、着火の後、排気温度上昇トリッ
プ発生の確率が低下すれば、燃料の流量制御を行わず、
ガスタービン機関21を自立運転まで移行させ、さらな
る再始動時間の短縮が可能になる。しかし、これは一方
で、排気温度上昇トリップを発生させる要因を残すこと
になる。この発明では、その状況下においてもキメ細か
な流量制御を行うことにより、排気温度上昇トリップ発
生のリスクが回避されるようになっている。
【0036】次いで、回転速度が、自立回転速度より大
きいか否かが判断される(st27)。ガスタービンの
回転速度が自立回転速度より小さい場合、所定の時間が
経過したか否かが判断され(st29)、所定の時間が
経過した場合、異常処理がなされる(st31)。ま
た、st29において、所定の時間が経過していないと
判断された場合には、再びst25へと処理が戻され
る。
【0037】一方、st27において、ガスタービンの
回転速度が自立回転速度より大きいと判断された場合に
は、制御装置51によって始動モータ27へ駆動停止命
令が送出れる(st33)。これにより、ガスタービン
機関21が自立運転され(st35)、再始動が完了す
ることになる。
【0038】このように、本発明に係る再始動装置55
を用いたガスタービン機関21の再始動方法によれば、
ガスタービン機関21の機関停止途中、すなわち、機関
の完全停止前においても、ガスタービン機関21の回転
速度が所定速度になったなら始動モータ27が運転され
る。そして、この始動モータ27を用いたガスタービン
機関21の回転速度が所定の回転速度に達した時点で、
燃料の流量が制限される。
【0039】つまり、機関が熱い状態においても排気温
度上昇トリップ(排気温度上昇による機関停止)に至ら
ないように燃料の流量が制御され、異常燃焼が回避され
てガスタービン機関21の再始動が可能になる。
【0040】また、始動モータ27と出力軸の間にワン
ウェイクラッチ25を介装したので、機関停止途中の任
意な時期において始動モータ27と出力軸とを接続状態
とすることができ、機関停止途中における再始動を可能
にすることができる。これにより、ガスタービン機関2
1が冷却されるまでの待機時間が不要になって、ガスタ
ービン機関21の再始動時間を短縮することができるよ
うになる。
【0041】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
るガスタービン機関の再始動方法によれば、ガスタービ
ン機関の機関停止途中においても、ガスタービン機関の
回転速度が所定速度になったなら始動モータを運転さ
せ、この始動モータを用いたガスタービン機関の回転速
度が所定の回転速度に達した時点で燃料の流量を制限す
るようにしたので、機関が熱い状態においても排気温度
上昇トリップに至らないように燃料の流量が制御され、
異常燃焼を回避してガスタービン機関を再始動させるこ
とができる。これにより、ガスタービン機関が完全停止
しなくても始動モータを用いた再始動が可能になり、ガ
スタービン機関の再始動時間を短縮することができる。
【0042】また、本発明に係るガスタービン機関の再
始動装置によれば、ガスタービン機関への燃料の流量を
制限する電気式燃料制御弁を設け、この電気式燃料制御
弁の弁開度を、出力軸の回転速度に応じて、制御装置に
よって制御するようにしたので、ガスタービン機関の機
関停止途中、すなわち、機関が熱い状態においても、燃
料の流量を制限して、排気温度上昇トリップを回避しな
がらの再始動が可能になる。また、始動モータと出力軸
の間にワンウェイクラッチを介装し、出力軸から始動モ
ータへは回転力が伝達されないようにしたので、機関停
止途中の任意な時期において始動モータと出力軸とを接
続状態とすることができる。この結果、機関停止途中に
おける再始動が可能になり、ガスタービン機関の再始動
時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る再始動装置のブロック図である。
【図2】図1に示したワンウェイクラッチを備えた始動
モータの概略構成図である。
【図3】ワンウェイクラッチの断面図である。
【図4】ワンウェイクラッチのトルク伝達状態を
(a)、非接続状態を(b)に示した要部拡大図であ
る。
【図5】本発明に係るガスタービン機関の再始動方法の
手順を説明する流れ図である。
【図6】ピニオンを介してガスタービン機関に接続され
る始動モータの概略構成図である。
【符号の説明】
21…ガスタービン機関 25…ワンウェイクラッチ 27…始動モータ 41…点火栓 47…燃料遮断弁 49…電気式燃料制御弁(燃料制御弁) 51…制御装置 55…再始動装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑原 聡吾 新潟県北蒲原郡聖籠町東港5−2756−3 株式会社新潟鉄工所原動機カンパニー新潟 ガスタービン工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関停止途中における再始動時間を短縮
    するガスタービン機関の再始動方法であって、 前記ガスタービン機関の回転速度が、自立回転速度より
    小さくかつ点火開始時回転速度より小さくなったなら始
    動モータを運転させかつ点火栓をONする手順と、 前記点火栓のONの後、燃料遮断弁を開く手順と、 前記燃料遮断弁を開いた後、前記始動モータを用いた前
    記ガスタービン機関の回転速度が所定の回転速度に達し
    た時点で燃料の流量を制限する手順と、 着火の後に前記点火栓をOFFする手順と、 前記ガスタービン機関の回転速度が、自立回転速度より
    大きくなったなら前記始動モータを停止させる手順と、 を含むことを特徴とするガスタービン機関の再始動方
    法。
  2. 【請求項2】 前記点火栓をOFFした後、前記ガスタ
    ービン機関の回転速度が所定の回転速度以上に達しない
    ように燃料の流量を制限する手順を含むことを特徴とす
    る請求項1記載のガスタービン機関の再始動方法。
  3. 【請求項3】 機関停止途中における再始動時間を短縮
    するガスタービン機関の再始動装置であって、 前記ガスタービン機関の出力軸に始動回転力を入力する
    始動モータと、 該始動モータと前記出力軸の間に介装され該始動モータ
    から前記出力軸への方向には回転を伝達し前記出力軸か
    ら該始動モータへの方向には空転するワンウェイクラッ
    チと、 制御信号の入力によって前記ガスタービン機関への燃料
    の流量を制限する電気式燃料制御弁と、 前記出力軸の回転速度を検出し該検出回転速度値に応じ
    て点火栓へON・OFF信号、前記始動モータへ発停信
    号、及び前記電気式燃料制御弁へ弁開度制御信号を送出
    する制御装置と、 を具備したことを特徴とするガスタービン機関の再始動
    装置。
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