JP2002356053A - インクジェット用紙 - Google Patents
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Abstract
印刷においてインク吸収性、画像再現性に優れ、且つ熱
転写式印刷においてインク転写性に優れ、印刷濃度階調
性、ドット再現性ともに良好であるとともに、オフセッ
ト印刷においてもインク受理性に優れる、多目的なイン
クジェット用紙を提供することである。 【解決手段】 本発明に係るインクジェット用紙は、
支持体上の少なくとも片面に、顔料とバインダーを主成
分とする1層以上の記録層を設けたインクジェット記録
シートにおいて、前記顔料の平均粒子径は5μm以上で
あり、且つ式1で定義される該顔料の平均細孔容積は
1.8ml/g以上であり、前記バインダーは親水性バ
インダーと親油性バインダーとからなり、前記記録層表
面の、30kg/cm2、100msにおける動的平滑
値が2.4μm以下であることを特徴とする。
Description
リンターにおける画像再現性に優れ、且つ熱溶融型熱転
写プリンター及びオフセット印刷においても優れた適性
を持つインクジェット用紙に関する。
歩とその低価格化によってデジタル画像の取り扱いが極
めて容易になり、それに伴って高性能なパーソナルプリ
ンターが開発されて広く普及しており、銀塩写真並みの
フルカラー印刷を手軽に行なうことが可能になった。現
在、パーソナルプリンターとして最も普及しているのは
インクジェットプリンターであり、インクジェット方式
の利点としては、多色化が容易なこと、高速印刷が可能
であること、非接触型で低騒音であること、装置が小型
で安価なことが挙げられる。
は、以下の通りである。すなわち、シアン、マゼンタ、
イエロー、ブラック等の各色のインクを、サーマル方式
やピエゾ方式等によってノズルから微小な液滴として吐
出し、記録媒体上に画像を形成せしめる。
るが、写真のような高精細画像を記録する場合や、郵便
物やポスターのように屋外で風雨にさらされる可能性の
ある場合は、支持体上に多孔性白色顔料とポリビニルア
ルコール等の水性バインダーからなるインク受理層を設
けて優れた画像再現性と高い耐候性を付与した、いわゆ
るインクジェット専用紙が使用される。
クジェット方式のほかに、記録画像の階調再現性や色再
現の安定性に優れていることから、熱溶融型熱転写プリ
ンターも市場において一定のシェアを確保している。
下の通りである。すなわち、シアン、マゼンタ、イエロ
ー、ブラック等のインク層を塗布した各色のインクリボ
ン(インクシート)と受像紙(熱転写紙)を密着させて
サーマルヘッドに通し、そこで熱が加えられ、インク成
分が受像紙に加熱溶融転写されるというものである。
利用可能であるが、より優れた印刷濃度階調性や低エネ
ルギー領域における忠実なドットの再現性を得るために
は、熱転写記録専用紙が必要となる。
し、その専用紙の需要が増加するにつれ、各専用紙は他
との差別化を図るために表面にイラストや模様等をあら
かじめ印刷したり、またインクジェット用葉書のように
末端ユーザーが印刷業者に持ちこんで印刷を施す場合が
増え、これらを想定したオフセット印刷適性も求められ
るようになってきた。
紙が存在しているが、例えばオフィス等で複数方式のプ
リンターを併用している場合は、それぞれの専用紙を揃
えておくのは非常に不便であるし、また非効率的である
ため、様々の印刷方式にも優れた適性を持つ複合的専用
紙が切望されている。
ては、発色が鮮やかであること、滲みが少なく解像度が
高いこと、インク吸収速度が速いこと、耐候性に優れる
こと等が挙げられる。この場合、塗工層は高い液体吸収
能を必要とされるため、主成分として平均粒径が数μm
〜十数μmの合成非晶質シリカ等の多孔性顔料を用いた
マットタイプのインクジェット専用紙が一般的である。
は、サーマルヘッドとインクリボンとの密着性を高める
ために表面の平滑性が高いこと、転写時の熱を逃がさな
いために熱伝導率が低いこと、溶融されたインクの受理
性に優れること等が挙げられる。これらの特性を付与す
るために、塗工層には粒径0.1〜数μmのクレー、焼
成クレー、炭酸カルシウム等の無機顔料や、プラスチッ
クピグメント等の有機顔料が用いられる。
ては、印刷時に塗工層が脱落してブランケットを汚さな
いために表面強度が強いこと、ブランケットとの密着性
を高めるために平滑性が高いこと、油性インクの受理性
に優れること、インク乾燥性が良く、裏移りが発生しな
いこと、等が挙げられる。この場合に用いられる顔料と
しては、クレー、炭酸カルシウム、サチンホワイト、酸
化チタン、プラスチックピグメント等が挙げられる。
いてはインクの吸収性が良いことが前提であるから使用
する顔料は多孔質である必要があるが、そこで熱転写印
刷やオフセット印刷に十分な平滑性を得る目的で平均粒
子径の細かい顔料を用いると、粒子を繋ぎ止めるバイン
ダーが著しく消費されるため、塗工層の表面強度が低下
して顔料が脱落し、プリンターの内部やオフセット印刷
のブランケットを汚す。また、表面強度を重視して平均
粒子径の粗い顔料を用いると、熱転写印刷やオフセット
印刷の際にインクリボンやブランケットとの十分な密着
性を得られず、印刷部の白抜けやトラッピングムラを生
じる。
ェット専用紙をスーパーカレンダー等で表面を平滑化す
ることによって一定の熱転写適性向上が図れることは一
般に知られているが、十分な熱転写適性を得ようとする
と非常に高い線圧をかけなければならず、同時に記録層
内部の細孔が潰されるためにインクジェットインクの吸
収性が悪化する上、なお熱転写適性も十分とは言えな
い。
プの他に、アルミナやコロイダルシリカのようなインク
親和性のある微細顔料を用いてキャストドラムの鏡面を
写し取ったり、通常のインク受理層の上にインク吸収性
樹脂層を設けるなどして表面に高い平滑性と光沢を持た
せた、いわゆる光沢紙タイプもある。しかしながら、前
者は塗工層強度が弱く、オフセット印刷の際に塗工層が
剥離してしまい、後者は樹脂層が親水性ポリマーである
ため、熱転写印刷及びオフセット印刷におけるインク受
理性に著しく劣る。
層に特定の吸油量をもつ焼成カオリンを用いる方法(特
開平11−105440号公報)や、樹脂を主成分とし
た記録層に微小な気泡を内在させる方法(特開平11−
11030号公報)が提案されているが、これらのイン
クジェット適性はインクジェット専用紙と比較して大き
く劣る。
ェット式プリンターの適性を高いレベルで備え、且つ熱
転写式プリンター適性及びオフセット印刷適性にも優れ
る複合的専用紙は未だ存在しない。本発明は、インクジ
ェット印刷においてインク吸収性、画像再現性に優れ、
且つ熱転写式印刷においてインク転写性に優れ、印刷濃
度階調性、ドット再現性ともに良好であるとともに、オ
フセット印刷においてもインク受理性に優れる、多目的
なインクジェット用紙を提供することを目的とする。
成、特に親水性バインダーと親油性バインダーの構成比
率を規定することにより、インクジェット適性、熱転写
適性及びオフセット適性をさらに向上させた多目的なイ
ンクジェット用紙を提供するものである。
規定することにより、インクジェット印刷においてイン
ク吸収容量の不足によるインクの溢れ、滲み、発色ムラ
等の発生を防止し、一方、塗工層の過多による塗工層強
度低下の防止、塗工層の脱落によるプリンタ内部やオフ
セット印刷の版の汚れ防止、及びインクジェット印刷時
のドット径の小径化による発色濃度の低下防止を図った
多目的なインクジェット用紙を提供するものである。
紙であっても、熱転写式プリンターにも使用可能な用紙
として用途を提案するものである。
紙であっても、オフセット印刷をすることが可能な用紙
として用途を提案するものである。さらに、インクジェ
ット用紙であっても、オフセット印刷可能でしかも熱転
写式プリンターにも使用可能な用紙として用途を提案す
るものである。
ット用紙は、支持体上の少なくとも片面に、顔料とバイ
ンダーを主成分とする1層以上の記録層を設けたインク
ジェット記録シートにおいて、前記顔料の平均粒子径は
5μm以上であり、且つ下記式1で定義される該顔料の
平均細孔容積は1.8ml/g以上であり、前記バイン
ダーは親水性バインダーと親油性バインダーとからな
り、前記記録層表面の、30kg/cm2、100ms
における動的平滑値が2.4μm以下であることを特徴
とする。
000 但し、式1において、Dは平均細孔直径[Å]、Saは
比表面積[m2/g]を示す。
粒度測定機によるもの、平均細孔直径とは水銀ポロシメ
ーターを用いた水銀圧入法によるもの、比表面積とは窒
素吸着によるBET比表面積をそれぞれ意味する。
孔容積と熱転写印刷適性及びオフセット印刷適性が相関
すること、及びその理由が記録層表面の動的平滑性に有
ることを発見して本発明に至った。すなわち、細孔容積
が大きい顔料を含有する塗工層は、ベック平滑度のよう
な気体漏洩によって測定される平滑性が低くとも動的平
滑性が高い。そして該記録層の30kg/cm2、10
0msにおける動的平滑値が2.4μm以下である場合
に、優れた熱転写印刷適性及びオフセット印刷適性を得
られることを見出した。
と、熱転写印刷やオフセット印刷に十分な表面強度を得
られない。また、十分な表面強度及びインク受理性を得
るため、平均粒子径が5μm以上の顔料を用いたとして
も、平均細孔容積が1.8ml/g未満であると十分な
動的平滑性が得られず、熱転写印刷やオフセット印刷に
おいてインクの受理不良が発生する。しかし本発明の如
く、該顔料の粒径が5μm以上で、なお且つ平均細孔容
積が1.8ml/g以上の顔料を用いれば十分な動的平
滑性を得ることができる。これにより表面強度、インク
受理性及び動的平滑性が確保できるため、インクジェッ
ト印刷、熱転写印刷及びオフセット印刷についてそれぞ
れの適性を両立させることが出来る。但し、該顔料の平
均粒子径が5μm以上であって平均細孔容積が1.8m
l/g以上であっても、基材の種類や塗工時及び後処理
等の条件によって30kg/cm2、100msにおけ
る動的平滑値が2.4μmを超える場合には、熱転写印
刷やオフセット印刷において満足な結果は得られない。
水性バインダーと親油性バインダーとにより形成して、
所望の動的平滑値を得て、インクジェット適性、熱転写
適性及びオフセット適性の調和を図る。
記バインダーは、重量比率で(親水性バインダー:親油
性バインダー)=(45:55)〜(20:80)であ
ることが好ましい。
顔料を繋ぎ止めるバインダーとしては、ポリビニルアル
コール等の親水性バインダーや、エチレン酢酸ビニル樹
脂、アクリル樹脂、スチレンブタジエン樹脂等の親油性
バインダーが一般的に用いられているが、本発明におい
ては、バインダーの構成を、重量比率で(親水性バイン
ダー:親油性バインダー)=(45:55)〜(20〜
80)の範囲に規定することにより、インクジェット適
性、熱転写適性及びオフセット適性をさらに向上させる
ことが出来る。なお、親水性樹脂の比率がこれより高い
場合には熱転写式プリンターのインク受理性及びオフセ
ットインクの受理性が損なわれ、受理不良による印刷部
の白抜けやトラッピングむら、印刷濃度の低下が生ず
る。また、親油性樹脂の比率がこれより高い場合には水
性のインクジェットインクの吸収性が低下する。従っ
て、バインダーの構成を、重量比率で(親水性バインダ
ー:親油性バインダー)=(45:55)〜(20〜8
0)の範囲に規定することがより好ましい。
記記録層の塗工量は、不揮発分で6〜25g/m2であ
ることが好ましい。
インクジェット印刷においては、インク吸収容量の不足
によりインクの溢れ、滲み、発色ムラ等を生じうる。塗
工量が25g/m2より多い場合には、塗工層強度が低
下し、塗工層が脱落することによりプリンタ内部やオフ
セット印刷の版を汚し、またインクジェット印刷時には
ドット径が小さすぎるために発色濃度の低下を招く。し
たがって、本発明に係るインクジェット用紙では、前記
記録層の塗工量を上記の範囲にすることがより好まし
い。
写式プリンターによる印刷の用紙として用いられること
を特徴とする。
セット印刷の用紙として用いられることを特徴とする。
は、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸
カルシウム、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、二
酸化チタン、焼成クレー、酸化亜鉛、硫酸バリウム、タ
ルク、シリカ、アルミナ、珪酸リチウム、珪藻土、炭酸
マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウ
ム、マイカ、天然ゼオライト、合成ゼオライト、擬ベー
マイト、ハイドロキシアパタイト、層間化合物等の無機
顔料や、アクリル/メタクリル系樹脂、スチレン系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ブタジエン系樹脂、シリコン
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、尿素樹脂、エポキシ
樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の単体または共
重合体からなる球状あるいは不定形の有機顔料を用いる
ことができる。以上のような顔料の中でも、必要な細孔
容積を得るために多孔性合成非晶質シリカや多孔性合成
非晶質アルミナ等が好ましい。それらの製造法について
は限定されない。また、これらの顔料にカップリング剤
や有機物による表面改質や、金属イオン交換法、気相蒸
着法や液相析出法による表面処理など、多元的な機能性
を付与させるための表面処理を施してもかまわない。ま
た、要求される品質を得るためにこれらの顔料を2種類
以上組み合わせて使用してもかまわない。
のようなものが挙げられる。例えば、ポリビニルアルコ
ール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース
誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、
ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、
でんぷん、変性でんぷん、アルギン酸ソーダ、ポリスチ
レンスルホン酸ソーダ、カゼイン、ゼラチン、テルペン
等がある。このうち、バインダー力やピグメントとの親
和性、及び塗料調製の容易さといった観点から、ポリビ
ニルアルコールの使用がより好ましい。この場合、ケン
化度や重合度等は特に限定されない。
のようなものが挙げられる。例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポ
リエチレン酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリア
クリルアミド、ポリアクリル酸エチル、ポリメタクリル
酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリテトラフルオロ
エチレン、ポリ弗化ビニリデン、ポリブタジエン、ポリ
イソプレン、ポリクロロプレン、ナイロン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
カーボネート、ポリアセタール、ポリビスクロロメチル
オキサシクロブタン、ポリフェニレンオキサイド、ポリ
スルフォン、ポリ−p−キシリレン、ポリイミド、ポリ
ベンズイミダゾール、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、スチレン−ブタジエン共重合体、変性スチレン−ブ
タジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重
合体、メチルメタアクリレート−ブタジエン共重合体、
アクリル酸エステル−メタアクリル酸エステル共重合
体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、アクリ
ル−酢酸ビニル共重合体、でんぷん−アクリロニトリル
グラフトポリマー等を例示することができる。このう
ち、バインダー力やインクジェットインクとの親和性の
観点から、ポリ酢酸ビニルもしくはポリエチレン酢酸ビ
ニルの使用がより好ましい。また、これらの重合度やT
g(ガラス転移温度)は限定されない。
分散剤、消泡剤、pH調整剤、潤滑剤、湿潤剤、離型
剤、保水剤、増粘剤、界面活性剤、防腐剤、柔軟剤、ワ
ックス、導電防止剤、帯電防止剤、サイズ剤、耐水化
剤、染料固着剤、可塑剤、蛍光増白剤、着色顔料、着色
染料、流動改良剤、印刷適性向上剤、還元剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、香料、脱臭剤等を適宜選定して添加
することができる。また例えばシリカスラリーに含有さ
せる、あるいはバインダーに含有させる等、これらを添
加する場所、方法については限定されない。
液を一般の塗工機、例えば、ブレードコーター、ロール
コーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、リ
ップコーター、カーテンコーター、ダイコーター、チャ
ンブレックスコーターなどによってオフマシンあるいは
オンマシンで、片面あたりの乾燥塗工量が6〜25g/
m2となるように単層あるいは多層塗工する。記録層
は、支持体上の片面若しくは両面に形成する。
の上質紙や中質紙及び板紙、レジンコート紙、樹脂フィ
ルム、不織布等が挙げられ本発明では限定されないが、
インクジェットインクの吸収性、平滑性、クッション
性、断熱性、カラーの塗工適性を具備したものを使用す
ることが好ましい。
乾燥、ドラム乾燥等が挙げられるが、本発明においては
特に限定されるものではない。
で、必要に応じてキャレンダー処理を行っても良い。キ
ャレンダーは、スーパーキャレンダー、マシンキャレン
ダー、ソフトキャレンダー等が挙げられるが、この方式
は特に限定されない。
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。また、例中の「部」及び「%」は特に断らない限り
「重量部」及び「重量%」を示す。
のパルプスラリーに、パルプに対し、カチオン澱粉0.
8%、タルク5%、硫酸バンド0.3%、中性ロジンサ
イズ剤0.25%を添加し調製した紙料を長網式抄紙機
で抄紙し、米坪180g/m 2の原紙を得た。 <記録層用塗工液の調製>平均粒径9μm、平均細孔容積
2.0ml/gの合成非晶質シリカ(商品名:サイロジ
ェットP409、グレースデビソン社製)100部に、
pH調整剤として酢酸0.2部を添加し、カウレス分散
機で20%の顔料スラリーを調製した。この顔料スラリ
ーにポリビニルアルコール15部(商品名:PVA−1
17、クラレ社製)とポリエチレン酢酸ビニル35部
(商品名;スミカフレックス450、住友化学社製)及
び染料固着剤10部(商品名;SR1001、住友化学
社製)を添加・攪拌し、さらに水を添加し、固形分濃度
が18%の塗工液を得た。 <記録層の形成>得られた塗工液を、上記の原紙に片面乾
燥塗工量が10g/m2となるようにエアナイフコータ
ーで塗工し、エアドライヤーで熱風乾燥した。さらに、
ソフトカレンダーを用いて線圧30kg/cm、25
℃、1ニップ1パスの条件で表面処理を行った。得られ
た記録用紙を実施例1とした。
容積1.8ml/gの合成非晶質シリカ(商品名:サイ
ロイドED5、グレースデビソン社製)を用いた以外
は、実施例1と同様にして、得られた記録用紙を実施例
2とした。
細孔容積1.8ml/gの合成非晶質シリカ(商品名:
サイロイドED3、グレースデビソン社製)を用いた以
外は、実施例1と同様にして、得られた記録用紙を実施
例3とした。
2.5部、ポリエチレン酢酸ビニルを27.5部とした
以外は、実施例1と同様にして、得られた記録用紙を実
施例4とした。
部、ポリエチレン酢酸ビニルを40部とした以外は、実
施例1と同様にして、得られた記録用紙を実施例5とし
た。
た以外は実施例1と同様にして、得られた記録用紙を実
施例6とした。
以外は実施例1と同様にして、得られた記録用紙を実施
例7とした。
部、ポリエチレン酢酸ビニルを25部とした以外は、実
施例1と同様にして、得られた記録用紙を実施例8とし
た。
部、ポリエチレン酢酸ビニルを45部とした以外は、実
施例1と同様にして、得られた記録用紙を実施例9とし
た。
した以外は、実施例1と同様にして、得られた記録用紙
を実施例10とした。
容積1.6ml/gの合成非晶質シリカ(商品名:サイ
ロイド222、グレースデビソン社製)を用いた以外
は、実施例1と同様にして、得られた記録用紙を比較例
1とした。
容積1.2ml/gの合成非晶質シリカ(商品名:サイ
ロイド74X5500、グレースデビソン社製)を用い
た以外は、実施例1と同様にして、得られた記録用紙を
比較例2とした。
細孔容積1.6ml/gの合成非晶質シリカ(商品名:
ミズカシルP78A、水澤化学工業社製)を用いた以外
は、実施例1と同様にして、得られた記録用紙を比較例
3とした。
容積1.2ml/gの合成非晶質シリカ(商品名:サイ
ロイド72W、グレースデビソン社製)を用いた以外
は、実施例1と同様にして、得られた記録用紙を比較例
4とした。
以外は、実施例1と同様にして、得られた記録用紙を比
較例5とした。
インクジェット用紙について、表1に記録層の表面物性
を、表2にインクジェット印刷適性及び熱転写印刷評価
結果を示す。
は、20℃−65%RHの環境下で24時間調湿後、そ
れぞれ下記の方法により、評価を行った。 <記録層表面の動的平滑性評価>得られた塗工紙の動的平
滑性を、マイクロトポグラフ(東洋精機社製)にて測定
した。 <インクジェット画像再現性>市販のフルカラーインクジ
ェットプリンター(商品名:PM−770C、エプソン
社製)を用いて、写真画像を印刷した。画像細部の潰れ
や境界部の滲み、発色の鮮やかさ、インク吸収速度を目
視観察してインクジェット画像再現性を評価した。 <熱転写印刷インク受理性>市販のフルカラー熱転写プリ
ンター(商品名:MD−5000、アルプス電気社製)
を用いて、写真画像を印刷した。ハーフトーン部での印
刷濃度ムラや印刷濃度階調性の状況を目視観察すること
によって評価した。 <オフセット印刷インク受理性>RI印刷試験機を使用
し、オフセット印刷用インキ(商品名:レオエコー紅、
東洋インキ社製)を0.4ml用いて30rpmで1回
刷り、インクの乗り及び受理ムラを目視評価した。 <表面強度>RI印刷試験機を使用し、タックインク(商
品名:SMXタックバリュー15、東洋インキ社製)を
0.4ml用いて60rpmで3回刷り、印刷ロールへ
の塗工層の転移の程度を目視評価した。
述することにした。 ◎…優れている、○…良い(実用レベル)、△…やや劣
る(実用下限レベル)、×…劣る(実用に適さない)
すると、どの実施例においても、インクジェット画像再
現性、熱転写印刷適性、インク受理性、オフセット印刷
インク受理性及び表面強度を兼ね備えたインクジェット
用紙であることがわかる。なお、実施例1と実施例8を
比較すると、実施例8は(親水性バインダー/親油性バ
インダー)比率について親水性バインダーが多いため、
熱転写印刷適性、インク受理性については実施例1がよ
り良好である。実施例1と実施例9を比較すると、実施
例9は(親水性バインダー/親油性バインダー)比率に
ついて親油性バインダーが多いため、水性のインクジェ
ットインクの吸水性については実施例1がより良好であ
る。実施例1と実施例10を比較すると、実施例10は
塗工量が25g/m2を超えたため、塗工層強度、発色
濃度の点から実施例1がより好ましい。
機顔料細孔容積が1.8ml/g未満と小さいために充
分な動的平滑性が得られず、熱転写印刷やオフセット印
刷においてインクの受理不良が発生した。比較例4で
は、無機顔料平均粒径が5μm未満と小さく、しかも無
機顔料細孔容積が1.8ml/g未満と小さいためにバ
インダーが消費されてしまい、充分な動的平滑性を得て
いるにもかかわらず、表面強度が劣った。したがって、
オフセット印刷用紙時に塗工層が脱落してブランケット
を汚してしまう。比較例5では、塗工量が6g/m2未
満であるため、インクジェット印刷において、インク吸
収容量の不足によりインクの溢れ、滲み、発色ムラ等を
生じた。また、充分な動的平滑性が得られなかった。
ット印刷においてインク吸収性、画像再現性に優れ、且
つ熱転写式印刷においてインク転写性に優れ、印刷濃度
階調性、ドット再現性ともに良好であるとともに、オフ
セット印刷においてもインク受理性に優れる、多目的な
インクジェット用紙を提供することができた。
成、特に親水性バインダーと親油性バインダーの最適構
成比率を規定したので、インクジェット適性、熱転写適
性及びオフセット適性をさらに向上させた多目的なイン
クジェット用紙を提供することができた。
を規定したので、インクジェット印刷においてインク吸
収容量の不足によるインクの溢れ、滲み、発色ムラ等の
発生を防止し、一方、塗工層の過多による塗工層強度低
下の防止、塗工層の脱落によるプリンタ内部やオフセッ
ト印刷の版の汚れ防止、及びインクジェット印刷時のド
ット径の小径化による発色濃度の低下防止を図った多目
的なインクジェット用紙を提供することができた。
ト用紙であっても、熱転写式プリンターにも使用可能な
用紙として新たな用途を提案することが出来た。
ト用紙であっても、オフセット印刷をすることが可能な
用紙として新たな用途を提案することができた。さら
に、インクジェット用紙であっても、オフセット印刷可
能でしかも熱転写式プリンターにも使用可能な用紙とし
て新たな用途を提案することができた。
Claims (5)
- 【請求項1】支持体上の少なくとも片面に、顔料とバイ
ンダーを主成分とする1層以上の記録層を設けたインク
ジェット記録シートにおいて、 前記顔料の平均粒子径は5μm以上であり、且つ下記式
1で定義される該顔料の平均細孔容積は1.8ml/g
以上であり、前記バインダーは親水性バインダーと親油
性バインダーとからなり、前記記録層表面の、30kg
/cm2、100msにおける動的平滑値が2.4μm
以下であることを特徴とするインクジェット用紙。 【式1】平均細孔容積V[ml/g]=D・Sa/40
000 但し、式1において、Dは平均細孔直径[Å]、Saは
比表面積[m2/g]を示す。 - 【請求項2】前記バインダーは、重量比率で(親水性バ
インダー:親油性バインダー)=(45:55)〜(2
0:80)であることを特徴とする請求項1記載のイン
クジェット用紙。 - 【請求項3】前記記録層の塗工量は、不揮発分で6〜2
5g/m2であることを特徴とする請求項1又は2記載
のインクジェット用紙。 - 【請求項4】熱転写式プリンターによる印刷の用紙とし
て用いられることを特徴とする請求項1、2又は3記載
のインクジェット用紙。 - 【請求項5】オフセット印刷の用紙として用いられるこ
とを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のインクジ
ェット用紙。
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