JP2002355048A - リボヌクレオチド還元酵素r1とその阻害ペプチド - Google Patents
リボヌクレオチド還元酵素r1とその阻害ペプチドInfo
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Abstract
の阻害ペプチドのスクリーニングを行った。 【解決手段】リボヌクレオチド還元酵素(RNR−1)
が紡錘体活性化に関与することを明らかにしたので、任
意に紡錘体活性化を引き起こすことができる試薬として
使用できる。また、RNR−1の紡錘体活性化を抑制す
るペプチドの発明を提供する。
Description
還元酵素R1の紡錘極体活性化作用とその阻害ペプチド
のアミノ酸配列に関する。
基に区別なく、リボヌクレオチド2リン酸のリボースの
2位のOH基を還元して、デオキシリボース体を合成す
ることが知られており(Elledge,ST.at el,333-339,15,
BioEsays,1993/Takeda,S. at el,4173-4187,11,Molecul
ar Biology of the Cell,2000)、この酵素はDNA生合
成及びDNA修復上の重要酵素である。リボヌクレオチ
ド還元酵素(RNR)は、85KDaの大きいサブユニ
ット(RNR−R1)と45KDaの小さいサブユニッ
ト(RNR−R2)から成り、この2つのサブユニット
が相互作用して共同で機能していることが予想されてい
る。
機能は、DNA生合成及びDNA修復に関係しているこ
とが知られているだけで、それ以外の機能は予想されて
いなかった。本発明において、発明者は細胞分裂の際に
起こる紡錘極体活性・微小管中心体活性に必須なタンパ
クとして、このリボヌクレオチド還元酵素の大きなサブ
ユニットであるRNR−R1があることを明らかにし
た。紡錘極体は、有糸分裂において、核分裂前期の終わ
りに、核膜が消失するのに先立って現れてくる極帽の繊
維構造をいう。この繊維構造が発達してくると、紡錘形
をした紡錘体となり、染色体が両極に移動する際の場と
して重要な役割を果たす。
機能研究、及び病気に関連する酵素等においては、酵素
活性を喪失させる阻害剤、及び酵素の活性部位に結合す
る抗体若しくは、競争阻害ペプチドは必須であり、その
研究開発が行われている。本発明においても、RNR−
R1による紡錘極体活性・微小管中心体活性を阻害する
競争阻害ペプチドを提供した。
者は、有糸分裂期(M期)の紡錘極体活性・微小管中心
体の活性化に関与するタンパクの同定を試みた。そし
て、従来DNA生合成及びDNA修復に関係しているこ
とが知られているRNR−R1タンパクが同定された。
そして、リコンビナントに作成したRNR−R1タンパ
ク単体においても、同様の紡錘極体活性・微小管中心体
の活性化が起こるか定量的に評価した。また、RNR−
R1タンパクによる紡錘極体活性・微小管中心体の活性
化を阻害する競争阻害ペプチドのスクリーニングを行っ
た。本発明において、これらの阻害効果を定量的に評価
し、阻害ペプチドを提供するものである。さらに、その
阻害ペプチドに対応するRNR−R1タンパクのアミノ
酸配列に変異を加えることで、同様の効果を得ることが
できるか確認し、当該RNR−R1変異タンパクを提供
するものである。
に、本発明では、リボヌクレオチド還元酵素の85KD
aの大きいサブユニット(RNR−R1)が細胞の紡錘
体活性化を引き起こす機能を有することを明らかにし
た。次いで、その単体のタンパクを発現・精製し、細胞
の紡錘極体活性化を引き起こす試薬として提供する。ま
た、使用者が自ら容易に、そのタンパクを得ることがで
きるように、Hisタグ等を付加して、大腸菌・Sf9
細胞等で発現するベクターに挿入したプラスミドとし
て、若しくは、動物細胞・分裂酵母で強制発現できるベ
クターに挿入したプラスミドとして提供するものであ
る。
体活性・微小管中心体の活性化を阻害する競争阻害ペプ
チドをスクリーニングし、阻害効果を有するRNR−R
1タンパクのアミノ酸配列の一部のAsn−Val−A
sn−Pro−Thr−Asp−Leu−Trp−As
p−Trp−Ala−Gluのアミノ酸配列のペプチド
を提供するものである。また、このアミノ酸配列におい
て1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加
されたアミノ酸配列からなるペプチド、又は、これらの
ペプチドのアミノ酸配列を含んだペプチドからなり、R
NR−R1タンパクによる細胞の紡錘極体活性化を抑制
する阻害ペプチドとして提供してもよい。
極体活性・微小管中心体の活性化の阻害化合物を得るた
めに、当該ペプチド若しくは、RNR−R1の当該ペプ
チドに対応するドメイン用いて、スクリーニングする方
法を提供するものである。
のアフリカツメガエルの卵母細胞から、紡錘体活性因子
(SPB Activator)を精製した。プロテアーゼ阻害
剤を添加した注出用溶液XB/EB buffer(10mM HEPES, 70
mM KCl,5.9mM MgCl2,9.5mM EGTA,24mMβ-glycerophosph
ate,35mM sucrose, 0.1mM trolox, pH 7.6)に上記の卵
母細胞を入れ、遠心分離機での処理(10000rpm,10mim,1
6℃)を行う。これにより、卵母細胞から物理的に細胞
質内の抽出液を得ることができる。次に、energy mixtu
reとして(7.5mM ceratine phosphate,1mM ATP, 0.1mM
EGTA, 1mM MgCl2, pH 7.6)を加えて、抽出液のATP濃
度を保持する。その後、遠心分離(15000rpm,15min,4
℃)を行い、その上清を抽出し、再度、その抽出液の1
/2倍量のXB/EB bufferとenergy mixtureを加えて、洗
い作業を行った。最後に、この溶液を遠心分離(80000r
pm,30min,4℃)を行い、その上清を卵母細胞の注出液と
した。
程度のタンパクを得るため、ゲル濾過クロマトグラフィ
ー(HiLoad Superdex 200-pg,Amersham Pharmacia Biot
echLtd.)を行った。この時のランニングバッファーは、
XB/EB(II) buffer(10mM HEPES, 5.9mM MgCl2,1mM EGT
A, 35mM sucrose, 0.1mM trolox, 1mM DDT,pH 7.6)に
タンパク分解酵素阻害剤を添加したものを使用した。そ
の後、20-45%の硫化アムモニウムで、硫安沈殿を行い
タンパクを得た。さらに、タンパク分解酵素阻害剤を添
加したXB/EB(III) buffer(10mM HEPES,5.9mM MgCl2, 1
mM EGTA, 35mM sucrose, 0.1mM trolox, 1mM DDT,pH 7.
6)で、再度サスペンドを行った。このようにした得た
溶液を、陰イオン交換クロマトグラフィー(LiChrosphe
r1000TMAE,Merck)を用いて、0-1.0MのKClの濃度勾
配により、各フラクションを溶出した(紡錘極体活性を
有するのは、0-150mMで溶出したフラクションであっ
た)。この後、その各フラクションに、0.8M (NH4)2SO4
を添加したXB/EB(III) bufferを加えた。これを疎水性
クロマトグラフィー(Phenyl Superose HR5/5,Amersham
Pharmacia Biotech Ltd.)を用いて、0-1.0M (NH4)2SO
4の濃度勾配により、各フラクションを溶出した(紡錘
極体活性を有するのは、320-480mMで溶出したフラクシ
ョンであった)。最後に、この各フラクションにXB/EB(I
II) bufferを加え、再度陰イオン交換クロマトグラフィ
ー(LiChrospher1000TMAE,Merck)を用いて、0-500mMの
KClの濃度勾配により、各フラクションを溶出した。
このようにして精製したタンパク溶液は、1つの大きな
ピークと数本の小さなピークが検出される程度のタンパ
クであった。
・微小管中心体の活性化を引き起こすか否か以下に記載
する方法で評価した。紡錘極体(若しくは中心体)活性
化の測定方法は、間期の分裂酵母細胞を等張条件下で、
細胞壁を消化するZymolyaseで処理し、細胞壁を部分破
壊する。次に、酵母細胞を界面活性剤Triton X-100で処
理をして細胞膜、核膜等を可溶化し、細胞内の可溶性成
分を取り除く。ここで、上述して得た各フラクションを
加え、一定時間の懸濁し、そのタンパク溶液をおおよそ
取り除いた後に、ブタ脳若しくはウシ脳から精製したチ
ューブリンを加えて、再度一定時間の懸濁する。続い
て、上記処理をした酵母細胞を固定し、紡錘極体の構成
成分であるγチューブリン及びαチューブリン抗体を用
いた蛍光抗体法によって、紡錘極体とチューブリンが重
合して形成された微小管を顕微鏡下で、当該微小管を持
つ紡錘極体の割合をカウントした。ここで、紡錘極体活
性化とは、紡錘極体の構成成分であるαチューブリン及
びγチューブリン抗体を用いた蛍光抗体法で、紡錘極体
とチューブリンが重合して形成された微小管が確認され
るものとする(以下に同様である)。一方で、当該活性
がない場合には、微小管はほとんど見えず、γチューブ
リンの存在は確認できるが、そこからのびた微小管もほ
とんど確認できない。
クションの内、フラクション番号45から49では、溶
液のみのコントロールに比して、2.5〜4倍の紡錘極体
活性化能を示した。
部をSDS−ポリアクリルアミドゲルを用いて、電気泳
動にかけ、クマシーブルー染色を行った。脱色後、数本
のみのバンドが検出され、特に85KDa付近のバンド
に注目した。このバンドを切り出し、アミノ酸マイクロ
シークエンスを行い、配列表2及び3に記載した本タン
パク質の一部のアミノ酸配列が決定された。その配列情
報を基に、データーベースからホモロジー検索をした結
果、リボヌクレオチド還元酵素の大きいサブユニット
(RNR−R1)であることが明らかになった。
するために、カエル及びマウスのcDNAライブラリーから
PCR法を用いて、予想される1.6-KbのcDNAを得る
ことができた。
化因子であることを試験した。先ず、単体であるHis-ta
g(6個のHis)が付加したRNR−R1を、BAC-TO-BAC
baculovirus expression system(GIBCO BRL)を用いて作
成した。マウスから得られた全長cDNAを、baculovirus
に特異的なPolyhedrin promotorを有するpFASTBACHベク
ターに挿入した。このプラスミドを、attTn7 target si
teを有するbaculovirus shattle vector (bacmid)及びh
elper plasmidを持つ、DH10BAC大腸菌コンピテントセル
にトランスホームした。次いで、大腸菌内で、pFASTBAC
Hベクターのmini-Tn7 elementが、helper plasmidから
産出された組換えタンパクによって、bacmidのattTn7 t
arget siteに組換えられる。つまり、ここで相同的組換
えによって外来遺伝子をウイルスゲノム中に組込むこと
ができる。そして、このウイルスゲノムであるリコンビ
ナントなbacmidを、上記の大腸菌内から回収した。
ne serum, 50U/ml penicillin及び50ug/ml streptomyci
nを加えたsf900IISFM(GIBCO BRL)液体培地で培養した。
Sf9細胞にCELLFECTIN regent(GIBCO BRL)を用いて、こ
のウイルスゲノムを挿入させた。その後、細胞培地の上
清に出てきたbaculovirusを回収した。この時のウイル
スのタイターは低いので、この回収されたウイルスをさ
らにSf9細胞に感染させた。感染開始から72時間後の
細胞から高いタイターを有するbaculovirusを回収する
ことができ、タンパク発現用のbaculovirusを用意でき
た。このbaculovirusを用いて感染させ、感染開始から
4−5日後に培養プレートから細胞を集めた。この細胞
をPBSでサスペンドして遠心分離を行い、洗い作業を行
った。この細胞を液体窒素して−80℃で保存し、後の
タンパクの回収に使用した。
収について説明する。−80℃で保存した細胞を温度を
上げ溶解し、再度−80℃で凍結するといった凍結溶解
作業を行い、細胞の構造を破壊した。次いで、1%のTr
itonX-100とタンパク分解酵素阻害剤を添加したBinding
buffer(20mM Tris-HCl, 500mM NaCl, 5mM imidazole)
を、上記の処理をした細胞に加え、氷上で1時間放置し
て、細胞膜を溶解させた。その後、ソニケーションによ
り細胞を完全に破壊し、遠心分離(40000g,30min,4℃)
し、その上清液を分離した。他方で予め、2.5mlのPro-B
ond metal affinity resin(Invitrogen)の入ったcolou
mnを、タンパク分解酵素阻害剤を添加したbinding buff
er で平衡化をした後、Wash buffer(20mM Tris-HCl,500
mM NaCl,60mM imidazole)で洗い作業を行い、カラムの
準備をした。このカラムに上記の上清液を流し、imidaz
oleの濃度勾配を用いて精製した。さらに、XB/EB buffe
rで平衡化したmicrospin G-25カラム(Amersham Pharma
cia Biotech Ltd.)を用いて、His-tagの付いたタンパ
ク(His-RNR−R1)を精製した。このようにして、
ほぼ純品であるRNR−R1を得て、以下に行う紡錘極
体活性化の試験に用いた。
するために、上述した酵母細胞の処理を行い、RNR−
R1の添加の影響を、抗αチュブリン抗体で免疫染色す
ることにより、αチュブリンの形態変化、すなわち、紡
錘極体活性化を形態的に確認した。結果は、単体のRN
R−R1の添加によっても、紡錘極体活性化が起こるこ
とが確認された。次に、RNR−R1添加の濃度依存性
による、分裂酵母の紡錘極体活性化を測定した。結果
は、RNR−R1の濃度を高くすると、紡錘極体活性化
が上昇するが、一定以上の濃度からはその上昇が鈍化
し、それ以上の上昇は見られなくなった。この濃度依存
性のデータから、約5uMのRNR−R1添加によっ
て、最大紡錘体活性の半値が求められた(図1−1)。
さらに、RNR−R1投与による紡錘極体活性化のAT
P依存性を測定した。ATP存在下での30uMのRN
R−R1の投与で、ATP非存在下でのRNR−R1の
投与の場合と比して、約2.6倍の紡錘極体活性化の上
昇が示された(図1−2)。尚、ATP投与のみの測定
値は、ATP非存在下でのRNR−R1投与の測定値と
ほぼ同様であり、紡錘極体活性化は見られず、低い値で
あった。これらの実験により、単体のRNR−R1タン
パクを、分裂酵母に作用させることで、紡錘極体活性化
を起こすものであることが明らかになった。さらに、こ
の活性化には、ATPが必須であることが示された。
性化を抑制する阻害ペプチドをスクリーニングした。表
1に示すマウス、ヒト、分裂酵母及びアフリカツメガエ
ルのRNR−R1タンパクの一部のアミノ酸配列を有す
るペプチドを作製した。阻害効果の測定は、高い紡錘極
体活性化能を有する有糸分裂期のカエルの卵母細胞から
注出した200Kのタンパクを含んだフラクションをポ
ジチブコントロールとし、各々のペプチドを1.2mM
を投与して、紡錘極体活性化能の抑制効果を測定した。
体活性の高い抑制効果を示し、X384も比較的高い抑
制効果を示した。また、M572、RNR−C及びM7
83についても紡錘極体活性の抑制効果を有することが
示された(図2−1)。
したPM1の濃度依存的な阻害効果を測定するために、
0mMから1.2mMまでの5点でのそれぞれでのPM
1の濃度で実験を行った。結果は、0.5mM以下のP
M1で十分に、紡錘極体活性の阻害効果を示した(図2
−2)。
母等に挿入・添加することで、微小管中心・紡錘極体が
活性化されるので、そのメカニズムを解明するための研
究試薬として使用できる。この場合、純品としてのタン
パクとして提供してもよく、使用者にそのタンパクを容
易に作成できるように、Hisタグ、GST(glutathi
one S-transferase)及び、MBP(マルトース結合タン
パク)等を付加し、Sf9細胞や大腸菌等で発現するプ
ラスミドにDNAとして挿入したプラスミドとして提供
してもよい。
錘体活性の阻害ペプチドは、RNR−R1に依存する紡
錘極体活性化の細胞メカニズムを解明する、又は細胞分
裂・細胞周期等の研究試薬として広く使用できるもので
ある。この場合も、これらのペプチドの遺伝子を発現ベ
クターに組み込むことで、細胞内でそのペプチドを発現
させてもよい。また、短いペプチドは細胞内で不安定な
ため、GFP等のキャリアタンパク質と結合させること
によって安定性を増すこととしてもよい。
おいて活性が上昇していることから(Weber,G:Biochemi
cal startegy of cancer cells and the design of che
motherapy:GHA.Clowes memorial lecture.Cancer Res 4
3:3466-92,1983)、抗ガン剤の標的の1つとして挙げら
れいる。そこで、阻害ペプチドを細胞内に導入すること
によって、RNR−R1の機能を阻害し、細胞増殖を抑
制する可能性が考えられる。細胞内に当該阻害ペプチド
を導入する方法としては、リポソーム内にペプチドを取
り込ませて、細胞と融合させる、細胞膜を通過できる小
さなタンパク質とカップルさせる、又は、発現ベクター
に遺伝子として挿入する等の方法が挙げられる。ここ
で、発現ベクターを使用する場合は、先と同様に短いペ
プチドは細胞内で不安定なため、GFP等のキャリアタ
ンパク質と結合させることによって安定性を増すことと
してもよい。
ミノ酸配列の内、当該阻害ペプチドの領域を欠損させた
RNR−R1変異体又は、その領域のアミノ酸配列の一
部若しくは、全部に変異を持つRNR−R1変異体を、
細胞内で発現させることによって、細胞の増殖を阻害す
ることができる。又は、これら変異体タンパクをタンパ
ク製剤として同様の効果を得ることが挙げられる。図3
には、RNR−R1変異体に分裂細胞に発現させた場合
に、細胞の増殖の抑制効果を示したものである。この態
様の場合は、上記の細胞増殖の抑制効果の有するRNR
−R1変異体をコードする遺伝子を発現ベクターに挿入
して、遺伝子治療するためのプラスミド又は、研究試薬
としても提供できる。
極体活性化を引き起こす過程で重要なタンパクであるこ
とを初めて明らかにした。本タンパクを用いることで、
任意に紡錘極体活性化を引き起こす試薬として提供でき
る。また、本発明における阻害ペプチドを提供すること
で、RNR−R1による紡錘極体活性化を抑制すること
ができる。この抑制効果は、試験研究目的の他に、RN
R−R1が抗ガン剤の標的分子の1つになっているの
で、腫瘍細胞にこれらのペプチドを発現若しくは、挿入
することで、その細胞増殖を抑制することが挙げられ
る。さらに、本発明における阻害ペプチドが作用するR
NR−R1の当該部位を欠損させたRNR−R1変異タ
ンパク若しくは、このドメインにアミノ酸の置換等の変
異をRNR−R1変異タンパクを、タンパク製剤若しく
は遺伝子治療用ベクターにこれらのタンパクをコードす
る遺伝子を導入しても、同様の効果が得られる。
its Inhibitor <160>3 <210>1 <211>12 <212>PRT <213>Schizosaccharomyces pombe <400>Asn-Val-Asn-Pro-Thr-Asp-Leu-Trp-Asp-Trp-
Ala-Glu <210>2 <211>15 <212>PRT <213>Xenopus <400>Thr-Asp-Ile-Asp-Ala-Ala-Ile-Glu-Thr-Asn-
Leu-Leu-Ser-Glu-Lys <210>3 <211>21 <212>PRT <213>Xenopus <400>Gly-Ala-Phe-Ile-Asp-Gln-Ser-Gln-Ser-Lys-
Asn-Ile-His-Val-Ala-Glu-Pro-Asn-Tyr-Gly-Lys
による紡錘体活性化の濃度依存性を示したグラフ。
るATP依存性を示したグラフ
の紡錘極体活性化における各種ペプチドによる抑制効果
を示したグラフ。
存的な抑制効果を示したグラフ
欠損・置換をしたRNR−R1変異体による分裂酵母の
細胞増殖の影響を示したグラフ。横軸は、培養時間
(時)であり、縦軸は細胞するを示す。○は野生株の分
裂酵母、△は阻害ペプチドに対応する部位を欠損させた
RNR−R1変異タンパクを発現した分裂酵母、□は当
該部位のPro-Thr-Aspのアミノ酸配列をLys-Ile-Tyrに置
換させたをRNR−R1変異タンパクを発現した分裂酵
母。
Claims (8)
- 【請求項1】少なくともリボヌクレオチド還元酵素の8
5KDaの大きいサブユニット(RNR−R1)領域を
有するタンパクを有する、細胞の紡錘極体若しくは中心
体活性化を引き起こす組成物。 - 【請求項2】請求項1のタンパク若しくはこのアミノ酸
配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若
しくは付加された,細胞の紡錘極体若しくは中心体活性
化を引き起こす特徴を持つタンパクのアミノ酸配列をコ
ードする遺伝子を、昆虫細胞、動物細胞、酵母、大腸菌
の発現ベクター若しくは遺伝子治療用ベクターのいずれ
かの発現ベクターに挿入したプラスミド。 - 【請求項3】請求項1又は2に記載のタンパクによる、
細胞の紡錘極体若しくは中心体活性化機能を阻害する特
徴を有する、下記のペプチド又は下記のペプチドを含む
ペプチド。 (1)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるペプ
チド。 (2)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1
若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加され
たアミノ酸配列からなるペプチド。 - 【請求項4】少なくとも請求項3のペプチドをコードす
る遺伝子を昆虫細胞、動物細胞、酵母、大腸菌の発現ベ
クター若しくは遺伝子治療用ベクターに挿入したプラス
ミド。 - 【請求項5】細胞内で安定性を有しながら発現できる請
求項3のペプチドをキャリアータンパク質に結合したタ
ンパク質をコードする遺伝子を昆虫細胞、動物細胞、酵
母、大腸菌若しくは遺伝子治療用ベクター発現ベクター
に挿入したプラスミド。 - 【請求項6】請求項3に記載のペプチド又は、RNR−
R1の当該ペプチドに対応するドメインを用いて、RN
R−R1による紡錘極体若しくは中心体活性化を阻害す
る化合物をスクリーニングする方法。 - 【請求項7】腫瘍細胞の増殖抑制又は紡錘極体若しくは
中心体活性化を阻害する、RNR−R1の請求項3に記
載のアミノ酸配列に対応するドメインの欠損させたRN
R−R1変異体タンパク、又は当該ドメインに1又は2
以上のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたRNR
−R1変異体タンパク。 - 【請求項8】請求項7に記載の変異タンパクをコードす
る遺伝子を昆虫細胞、動物細胞、酵母、大腸菌の発現ベ
クター若しくは遺伝子治療用ベクターのいずれかの発現
ベクターに挿入したプラスミド。
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