JP2002354576A - ノイズキャンセラー装置及びノイズキャンセル方法 - Google Patents

ノイズキャンセラー装置及びノイズキャンセル方法

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JP2002354576A
JP2002354576A JP2001157224A JP2001157224A JP2002354576A JP 2002354576 A JP2002354576 A JP 2002354576A JP 2001157224 A JP2001157224 A JP 2001157224A JP 2001157224 A JP2001157224 A JP 2001157224A JP 2002354576 A JP2002354576 A JP 2002354576A
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noise
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signal
step gain
forgetting factor
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JP2001157224A
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Kazuhiko Ozawa
一彦 小沢
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過去のデータに対する重みを決定する忘却係
数を導入し、またこれを適応制御することで、さらに追
従性を高めることのできるノイズキャンセラー装置を得
る。 【解決手段】 エネルギー波発生手段41、43、44
よりのエネルギー波に基づいて、情報信号に混入するノ
イズ成分と相関のある疑似ノイズ信号を生成する適応フ
ィルタ52、53と、情報信号から疑似ノイズ信号を減
算して、ノイズ成分がキャンセルされた情報信号を得る
減算手段26、27と、ノイズキャンセラー装置におけ
るステップゲイン及び忘却係数を可変する可変ゲイン手
段32、33とを設けてなり、可変ゲイン手段は、駆動
信号源を制御する制御手段46によって制御されるよう
にしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノイズキャンセラ
ー装置及びノイズキャンセル方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、カメラ一体型VTRのように、
内部に、駆動部品を備える再生装置や記録再生装置を有
する電子機器においては、回転ドラムやドラムモータの
回転音や、磁気テープ及び回転磁気ヘッド間の叩き音等
の駆動部品から発生するメカノイズ(機械的雑音)が、
再生装置や記録再生装置において、映像信号と共に、又
は、単独で、記録媒体に記録する音声信号の音声を収音
する内蔵マイクに、ノイズ音として混入されて、そのノ
イズ信号が本来の音声信号と共に記録媒体に記録されて
しまうという問題があった。
【0003】特に近年の電子機器の小型化に伴って、ノ
イズ発生源をマイクに対し隔離することが益々困難にな
ってきている。
【0004】本出願人は、先に、特開平11−2328
02号公報で、カメラ一体型VTRにおけるモード遷移
時、例えば、カメラモードの記録(REC)及び記録ポ
ーズ(REC−PAUSE)間のモード遷移のように、
内部の記録装置や記録再生装置の状態遷移に応じて変化
するメカノイズを、効率よくキャンセルするために、L
MS(最小二乗平均)法による適応信号処理の内部パラ
メータであるステップゲイン(ステップサイズとも呼ば
れる)をモード遷移に応じて可変する技術の提案を行っ
た。
【0005】即ち、この技術は、ノイズが変化した時だ
け、ステップゲインを通常時より大きくして、ノイズに
対する追従性を早めたり、記録モード時だけ、つまりそ
の記録テープを再生した場合にはノイズキャンセルが成
されるようにステップゲインを最適化し、記録時以外の
モードにおいては、ステップゲインをゼロにして追従を
行わないようにすることで、常に記録時のノイズキャン
セル状態をホールドするようにしたものである。
【0006】次に、図1を参照して、音声信号に混入し
たノイズを除去するための一般的なアクティブ・ノイズ
・キャンセラー(ANC:Active Noise Cancellar)の
構成について説明する。主要入力用マイク1によって、
必要とする音声(直線状の実線の矢印にて示す)が収音
されるが、同時にノイズ(波線状の実線の矢印にて示
す)も収音される。従って、マイク1からは、ノイズ信
号が混入した主要音声入力信号Sが得られ、その主要音
声入力信号Sが遅延器3に入力される。
【0007】他方、上述のノイズ信号と相関性の高い参
照入力信号Xが、LMS法による適応信号処理回路5に
入力されるようになされている。この参照入力信号X
に、波線状の破線の矢印にて示すような音声に基づく音
声信号が混入すると、後に述べる加算器6において、本
来の音声信号も相殺されることになるので、特開平11
−232802号公報に記載の発明では、参照入力信号
Xとして、ノイズ発生の基底周波数となるドラム回転基
準信号をマイクロコンピュータ等から得て使用してい
る。
【0008】さて、主要入力信号Sは、遅延器3を通じ
て、加算器6の+側端子に入力される。他方、参照入力
信号Xは適応信号処理回路5によって適応処理されて、
主要入力信号Sに含まれるノイズ信号と近似した疑似ノ
イズ信号が適応出力信号Yとして出力され、その適応出
力信号Yが加算器6の−側端子に入力されて、遅延され
た主要入力信号Sから減算される。
【0009】従って、加算器6からは、ノイズ信号が相
殺された音声信号が得られ、この音声信号が出力端子7
から出力される。この加算器6から出力されたノイズ信
号が相殺された音声信号は、適応信号処理回路5に残差
信号Eとして帰還されて、適応処理に使用される。
【0010】上述した遅延器3の遅延量は、適応信号処
理回路5による処理時間に要する遅延分の補正を含め
て、最もノイズキャンセル効果の上がる遅延時間に設定
される。
【0011】次に、図2を参照して、図1のアクティブ
ノイズキャンセラーにおける適応信号処理回路5の具体
回路を説明する。この適応信号処理のアルゴリズムとし
ては種々の方法が提案されているが、一般に比較的収束
スピードが速く、演算回路規模が小さい最小二乗平均
(LMS:Least Mean Square )法がよく使用されるの
で、ここではLMS法の場合について説明する。このL
MS法は、全て、DSP(デジタル信号処理装置)、デ
ジタルLSIによるハードウェアやマイクロコンピュー
タによるソフトウェアで処理可能である。
【0012】図1の参照入力信号Xに相当する参照入力
信号Xは、破線で囲まれた適応フィルタ10及びLMS
演算処理回路14に入力される。適応フィルタ10は一
般的にはタップ数が数百タップ程度のFIR(有限イン
パルス応答)デジタルフィルタで構成されており、それ
ぞれのタップにある適応フィルタ係数WをLMSアルゴ
リズムに従って、適応的に更新していく。
【0013】この場合の適応フィルタ10は、(m+
1)タップのFIRフィルタである。111 、112
‥‥‥‥、11m は単位サンプリング時間の遅延器であ
る。X 0 、X1 、‥‥‥‥、Xm はそれぞれの遅延が施
された信号を示す。120 、121 、‥‥‥‥、12m
は係数乗算用の乗算器であり、W0 、W1 、‥‥‥‥、
m は、その各乗算器の係数である。乗算器120 、1
1 、‥‥‥‥、12mからの出力は、加算器13によ
って加算されて、その加算出力は適応出力信号Yとして
出力される。従って、適応出力信号Yは、以下に示す数
1の式で表わされる。
【0014】
【数1】
【0015】この数1の式において、jは0、1、‥‥
‥‥、mを示す。
【0016】更に、LMS演算処理回路14では、上述
の参照入力信号Xと残差信号Eから、以下に示す数2の
式に従って、それぞれの適応フィルタ係数W0 、W1
‥‥‥‥、Wm をサンプリング毎に更新していく。
【0017】
【数2】Wk+1 =Wk +2μ・Ek ・Xk
【0018】この数2の式において、それぞれの小文字
kのサフィックスは、時間経過を表わしており、一例と
して、kを単位サンプリングナンバーとし、(k+1)
サンプリング目のWk+1 を現在の適応フィルタ係数とす
れば、Wk はkサンプリング目、つまり1サンプリング
過去の適応フィルタ係数を表わしている。又、μはステ
ップゲインもしくはステップサイズと呼ばれ、LMSア
ルゴリズムにおける収束スピードを決定するパラメータ
であり、その値が大きい程収束が早くなるが収束後の精
度は落ち、逆にその値が小さい程収束は遅くなるが収束
後の精度が上がるため、使用する適応システム条件に応
じて最適化して設定される。又、残差信号Eは、図1の
残差信号Eに相当する。
【0019】このようにLMS演算処理回路14は、適
応フィルタ10における適応フィルタ係数Wを、残差信
号Eに含まれる参照入力信号Xに対し相関の高い信号を
常に最小にするように、数2の式で更新するため、図1
における参照入力信号Xをノイズ信号とすることで、主
要入力信号Sに含まれるノイズ成分を最小にすることが
できる。
【0020】次に、図3を参照して、従来の適応制御ノ
イズキャンセラー(特開平11−232802号公報参
照)について説明する。この図3は、VTR一体型カメ
ラにおける適応制御ノイズキャンセラーの場合である。
【0021】図3において、20、21は内蔵ステレオ
マイクを構成するそれぞれLch(左チャンネル)マイ
ク及びRch(右チャンネル)マイクである。尚、マイ
クの種類や個数は任意である。これらマイク20、21
は、VTR一体型カメラのヘリカルスキャン方式の磁気
記録再生装置に近接して配置されているものとする。
【0022】磁気記録再生装置において、41は回転ド
ラムで、その主面に、例えば、180°の角度割りを以
て、一対の回転磁気ヘッド44が設けられている。そし
て、磁気テープ43が、回転ドラム41及び図示を省略
した固定ドラムに斜めに巻き付けられる如く案内され
る。そして、この磁気記録再生装置よりのノイズ音や振
動が、いわゆるメカノイズとして、通常の音声に混じっ
て、マイク20、21に収音される。このメカノイズ
は、磁気テープ43及び回転磁気ヘッド44の接触時の
叩き音や、回転ドラム41を駆動するドラムモータ42
の電磁音等に起因しており、その発生するメカノイズの
周波数は、ドラムモータ42の回転周波数の高調波とな
る。
【0023】ドラムモータ42の回転の所定の周波数及
び位相を制御するために、マイコン(マイクロコンピュ
ータ)46よりのサーボ信号45がドラムモータ42に
供給され、これによりドラムモータ42は常に一定回転
を保つように制御される。尚、この記録再生装置は図示
したようなVTR装置に限定されるものではなく、サー
ボ信号により制御される駆動装置を持つもの、例えば、
ハードディスク駆動装置や光ディスク駆動装置等のディ
スク駆動装置にも適用可能である。
【0024】この図3において、マイク20、21から
の音声信号及びメカノイズ信号の混合信号が、増幅器
(AMP)22、23によって前段増幅された後、A/
D変換器24、25に供給されて、アナログ−デジタル
変換され、その得られたデジタル信号はメカノイズ低減
処理回路40に入力される。
【0025】メカノイズ低減処理回路40はステレオ2
チャンネルで独立した処理を行っており、たとえばLc
hとRchとでノイズ成分が異なっていても、最適なメ
カノイズ低減処理ができるように構成されている。モノ
ラル信号やLch及びRch信号でノイズ成分がほとん
ど同じである場合には、メカノイズ低減処理回路40は
1チャンネル分の回路にても構成可能である。
【0026】メカノイズ低減処理回路40では、A/D
変換器24、25からのデジタル信号をそれぞれ加算器
26、27の+側端子に入力し、加算器24、25の−
側端子に入力される、後述する適応信号処理によって生
成された疑似ノイズ信号を減算し、それぞれ出力端子3
6、37よりノイズキャンセルされたLch及びRch
出力信号として出力される。更に、このLch及びRc
h出力信号はそれぞれリミッタ34、35に入力され
て、通常は音声のダイナミックレンジに対して、小レベ
ルであるノイズ信号成分のみを適応処理回路に入力する
ために、Lch及びRch出力信号のレベルが大レベル
のとき、リミッタをかける処理が行われて、ステップゲ
イン制御回路(SG)32、33に入力される。
【0027】ステップゲイン制御回路(SG)32、3
3は、上述の数2の式におけるステップゲインμを、リ
ミッタ34、35の出力にそれぞれ乗算する処理を行
う。そして、マイコン46よりのステップゲイン制御信
号48をステップゲイン制御回路(SG)32、33に
供給することによって、ステップゲインμをステップゲ
イン制御信号48により可変できるようにしている。こ
こでは、ステップゲイン制御回路(SG)32、33に
共通のステップゲイン制御信号48を供給して、ステッ
プゲインを制御するようにしているが、Lch、Rch
毎にステップゲインを独立に制御するようにしても良
い。
【0028】更に、ステップゲイン制御回路(SG)3
2、33からの信号は、適応信号処理回路28、29
に、図1における残差信号Eとして入力される。ここで
適応信号処理回路28、29は、図2と同様に構成さ
れ、LMSアルゴリズムで処理される。又、この適応信
号処理回路28、29には、マイコン46より、図1に
おける参照入力信号Xと同様のドラム基準信号47が入
力されるが、このドラム基準信号47は、ドラムモータ
42のサーボ信号45の基底周波数信号であるために、
適応信号処理回路28、29ではこの基準信号に相関の
ある信号成分、即ち、ドラム回転周波数とその高調波成
分がすべて適応処理のターゲットとなる。更に、適応信
号処理回路28、29からの図1における適応出力信号
Yに相当する出力信号は、それぞれスイッチ(SW)3
0、31を介して加算器26、27の−側端子に入力さ
れる。ここでスイッチ(SW)30、31は、加算器2
6、27において減算を行うか行わないかを、マイコン
46よりのキャンセルオンオフ制御信号49で制御し、
必要な時のみオンにして、キャンセルができるようにし
ている。
【0029】図3のように構成された従来の適応制御ノ
イズキャンセラー(メカノイズ低減回路)において、V
TRのモード遷移に合わせてマイコンからステップゲイ
ン制御信号48とキャンセルオンオフ制御信号49を適
宜制御することで、モード遷移時のメカノイズキャンセ
ルを行っていた。
【0030】次に、図4を参照して、VTRのモード遷
移時に発生するノイズと従来のパラメータ制御について
説明する。先ず、図4Aは、VTRモードが記録→記録
ポーズ(一時停止)→記録と遷移した場合のノイズ発生
量について概念的に示している。先ず、記録時は所定の
回転数で回転ドラム41(図3)が回転し、その回転ド
ラム41に取り付けられた回転磁気ヘッド44及び磁気
テープ43が高速で接触するために、回転ドラム41の
回転音並びに磁気テープ43及び回転磁気ヘッド44間
の叩き音の両者が発生する。
【0031】次にモード遷移期間を経て、ポーズモード
に遷移した場合には、磁気テープ保護のためにテープテ
ンション圧が弱まり、発生するノイズはドラム回転音の
みとなって、ノイズ量が減少する。更に、モード遷移期
間を経て、記録モードに遷移した場合には、再び磁気テ
ープがヘッドと接触するために発生するノイズは、ドラ
ム回転音及び磁気テープ43の回転磁気ヘッド44間の
叩き音となり、ノイズ量が増加する。
【0032】次に、このノイズを図3に示した従来の適
応制御ノイズキャンセラーで処理した場合のパラメータ
制御とノイズ量の例を図4B〜Dに示し、以下これを説
明する。図4の例では、常時メカノイズが発生している
ため、図3のスイッチ(SW)30、31は、キャンセ
ルオンオフ制御信号49によって常にキャンセルオン状
態になされている。
【0033】ここでステップゲインμ値がメカノイズキ
ャンセル動作に及ぼす影響を説明する。ステップゲイン
μ値が大きいと適応フィルタの係数更新量が増加し、例
えば、ノイズ量が変化した時の追従性が良くなるが、逆
に係数が収束した後の安定性が悪化する。又、ステップ
ゲインμ値が小さいと適応フィルタの係数更新量が減少
し、ノイズ量が変化した時の追従性は悪化するが、逆に
係数が収束した後の安定性は良好である。
【0034】従って、一般的には図4Bに示すように、
ステップゲインμ(破線で示す)を所定の値に固定し、
この場合には各VTRモードにおいて安定したノイズキ
ャンセルを行うようにステップゲインμを決定するた
め、モード遷移によってノイズ量や、ノイズの帯域が変
化すると、追従するまでにノイズが増加してしまう不具
合が生じてしまう。従って、特開平11−232802
号公報では、図4Cに示すようにステップゲインμの値
をモード遷移時付近のみ大きくして追従を早め、ノイズ
量を抑えるようにしている。
【0035】更に、図4Dではステップゲインμを記録
時のみ所定の値に固定し、それ以外のモードではゼロに
することで、上述した数2の式における右辺の第2項が
ゼロになり、第1項の適応フィルタの係数がホールドさ
れるようにして、係数更新が成されないようにしてい
る。これにより記録時、つまり磁気テープに記録される
音声信号に関しては、常にノイズキャンセルが行われる
ようにしている。
【0036】次に、図5を参照して、VTRモード遷移
と従来のキャンセルオンオフ制御について説明する。図
5Aは、VTRモードが記録→記録待機(停止)→記録
と遷移した場合のノイズ発生量について概念的に示して
いる。先ず、記録時は所定の回転数で回転ドラム41が
回転し、その回転ドラム41に取り付けられた回転磁気
ヘッド44と磁気テープ43とが高速で接触するため
に、回転ドラム41の回転音並びに磁気テープ43及び
回転磁気ヘッド44間の叩き音の両者が発生する。次に
モード遷移期間を経て、記録待機モードに遷移した場合
には、ドラムの回転が停止するためにノイズ発生がなく
なる。更に、モード遷移期間を経て、記録モードに遷移
した場合には、再び磁気テープ43が回転磁気ヘッド4
4と接触するため、発生するノイズはドラム回転音並び
に磁気テープ43及び回転ドラム41間の叩き音の両者
となり、ノイズ量が増加する。
【0037】次に、このノイズを図3に示した従来の適
応制御ノイズキャンセラーで処理した場合のパラメータ
制御とノイズ量の例を、図5B〜Dに示し、以下これを
説明する。先ず、図5Bはステップゲインμ(破線で示
す)を所定の値に固定し、キャンセルオンオフ制御(実
線で示す)を常にキャンセルオン状態にした場合であ
る。この時のノイズ量は、先ず、記録モードから記録待
機モードに遷移した場合は、それまでキャンセルしてい
たドラム回転音並びに磁気テープ43及び回転ドラム4
1間の叩き音の両者が急激になくなるために、それと同
レベルの疑似ノイズ成分だけが残り、記録待機モード中
にノイズゼロ状態まで追従する。又、記録待機モードか
ら記録モードに遷移した場合は、モード遷移中にノイズ
ゼロ状態から、いきなりドラム回転音並びに磁気テープ
43及び回転ドラム41間の叩き音が発生するため、そ
れに追従するまでの間はノイズ量が増加してしまい、記
録モードに遷移しても、しばらくはノイズが発生してし
まう。
【0038】従って、特開平11−232802号公報
の発明では、図5Cに示すようキャンセルオンオフ制御
を記録待機時にキャンセルオフ状態にし、それ以外のモ
ードではキャンセルオン状態にすることで記録待機時の
追従性を早めるようにしている。但し、この例において
は、キャンセルオフ状態で図3のスイッチ(SW)3
0、31をオフにしても、適応信号処理回路28、29
で適応フィルタ係数の更新が続いているために適応動作
としては不安定であり、適応フィルタ係数が誤動作する
可能性が残される。さらに図5Dでは、ステップゲイン
μを記録時以外でゼロにして、記録時の適応フィルタ係
数をホールドすることで、図4Dと同様に記録時、つま
りテープに記録される音声に関しては常にノイズキャン
セルが行われるようにしている。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】従来の適応ノイズキャ
ンセラーにおいては、ステップゲイン制御のみでは急激
なノイズ変化に対しては、過去のデータを引きずってし
まい、追従性において劣るという欠点を有する。
【0040】又、従来の適応ノイズキャンセラーにおい
ては、カメラモードの記録(REC)及び停止(記録待
機)間のモード遷移のように、記録状態のノイズと、ノ
イズが全く発生しない停止モードが切替る場合に、特開
平11−238002号公報では、停止モードにおいて
は、LMS適応信号処理回路の内部フィードバックルー
プを切ってノイズキャンセルオフモードを実現していた
ため、ノイズキャンセルオフモード時に適応フィルタ係
数の乱れが発生し、追従性が劣るという欠点を有する。
【0041】本発明は、過去のデータに対する重みを決
定する忘却係数を導入し、またこれを適応制御すること
で、さらに追従性を高めることのできるノイズキャンセ
ラー装置及びノイズキャンセル方法を提案しようとする
ものである。
【0042】又、本発明は、先のステップゲインと忘却
係数を制御することで、ノイズキャンセルオフモードを
実現し、これによって、適応フィルタ係数の乱れが発生
せず、更に、追従性を高めることのできるノイズキャン
セラー装置及びノイズキャンセル方法を提案しようとす
るものである。
【0043】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、駆動信号
源よりの駆動信号により駆動される、エネルギー波を発
生するエネルギー波発生手段よりのエネルギー波に基づ
いて、情報信号に混入するノイズ成分をキャンセルする
ようにしたノイズキャンセラー装置において、エネルギ
ー波発生手段よりのエネルギー波に基づいて、情報信号
に混入するノイズ成分と相関のある疑似ノイズ信号を生
成する適応フィルタと、情報信号から疑似ノイズ信号を
減算して、ノイズ成分がキャンセルされた情報信号を得
る減算手段と、ノイズキャンセラー装置におけるステッ
プゲイン及び忘却係数を可変する可変ゲイン手段とを設
けてなり、可変ゲイン手段は、駆動信号源を制御する制
御手段によって制御されるようにしたノイズキャンセラ
ー装置である。
【0044】第1の発明によれば、適応フィルタによっ
て、エネルギー波発生手段よりのエネルギー波に基づい
て、情報信号に混入するノイズ成分と相関のある疑似ノ
イズ信号を生成し、減算手段によって、情報信号から疑
似ノイズ信号を減算して、ノイズ成分がキャンセルされ
た情報信号を得、可変ゲイン手段によって、ノイズキャ
ンセラー装置におけるステップゲイン及び忘却係数を可
変し、可変ゲイン手段は、駆動信号源を制御する制御手
段によって制御される。
【0045】第2の発明は、第1の発明のノイズキャン
セラー装置において、可変ゲイン手段は、制御手段より
の、動作モードの遷移期間付近のステップゲインを、動
作モード時付近の所定のステップゲインとは異ならしめ
て、動作モードの遷移期間付近の、ノイズキャンセルの
引き込み速度を、動作モード時付近の引き込み速度より
大きくするようにしたノイズキャンセラー装置である。
【0046】第3の発明は、第2の発明のノイズキャン
セラー装置において、可変ゲイン手段は、制御手段より
の、動作モードの遷移期間付近のステップゲイン及び忘
却係数を、それぞれ動作モード時付近の所定のステップ
ゲイン及び所定の忘却係数とは異ならしめて、動作モー
ドの遷移期間付近の、ノイズキャンセルの引き込み速度
を、動作モード時付近の引き込み速度より大きくするよ
うにしたノイズキャンセラー装置である。
【0047】第4の発明は、第1の発明のノイズキャン
セラー装置において、情報信号に混入した第1のノイズ
成分を有する、第1の動作モードと、第1のノイズ成分
とは異なる第2のノイズ成分を有する、第2の動作モー
ドとの間で、制御手段よりの動作モードが変化する場合
に、可変ゲイン手段は、第2の動作モードではノイズキ
ャンセルの引き込みを停止するように、第2の動作モー
ド時付近のステップゲイン及び忘却係数を、それぞれ第
1の動作モード時付近のステップゲイン及び忘却係数と
は異なるようにしたノイズキャンセラー装置である。
【0048】第5の発明は、第1の発明のノイズキャン
セラー装置において、情報信号に混入した第1のノイズ
成分を有する、第1の動作モードと、情報信号にノイズ
成分を含まない、第3の動作モードとの間で、制御手段
よりの動作モードが変化する場合に、可変ゲイン手段
は、第3の動作モードでは、減算手段において減算する
疑似ノイズ信号をゼロにすることで、ノイズキャンセル
を行わないように、第3の動作モード時付近のステップ
ゲイン及び忘却係数を、それぞれ第1の動作モード時付
近のステップゲイン及び忘却係数とは異ならせるように
したノイズキャンセラー装置である。
【0049】第6の発明は、駆動信号源よりの駆動信号
により駆動される、エネルギー波を発生するエネルギー
波発生手段よりのエネルギー波に基づいて、情報信号に
混入するノイズ成分をキャンセルするようにしたノイズ
キャンセル方法において、エネルギー波発生手段よりの
エネルギー波に基づいて、情報信号に混入するノイズ成
分と相関のある疑似ノイズ信号を適応フィルタを用いて
生成し、情報信号から疑似ノイズ信号を減算して、ノイ
ズ成分がキャンセルされた情報信号を得、ノイズキャン
セル方法におけるステップゲイン及び忘却係数を可変す
るようにしてなり、ステップゲイン及び忘却係数の可変
は、駆動信号源を制御する制御手段によって制御される
ようにしたノイズキャンセル方法である。
【0050】第7の発明は、第6の発明のノイズキャン
セル方法において、ステップゲイン及び忘却係数の可変
は、制御手段よりの、動作モードの遷移期間付近のステ
ップゲインを、動作モード時付近の所定のステップゲイ
ンとは異ならしめて、動作モードの遷移期間付近の、ノ
イズキャンセルの引き込み速度を、動作モード時付近の
引き込み速度より大きくするようにしたノイズキャンセ
ル方法である。
【0051】第8の発明は、第7の発明のノイズキャン
セル方法において、ステップゲイン及び忘却係数の可変
は、制御手段よりの、動作モードの遷移期間付近のステ
ップゲイン及び忘却係数を、それぞれ動作モード時付近
の所定のステップゲイン及び所定の忘却係数とは異なら
しめて、動作モードの遷移期間付近の、ノイズキャンセ
ルの引き込み速度を、動作モード時付近の引き込み速度
より大きくするようにしたノイズキャンセル方法であ
る。
【0052】第9の発明は、第6の発明のノイズキャン
セル方法において、情報信号に混入した第1のノイズ成
分を有する、第1の動作モードと、第1のノイズ成分と
は異なる第2のノイズ成分を有する、第2の動作モード
との間で、制御手段よりの動作モードが変化する場合
に、ステップゲイン及び忘却係数の可変は、第2の動作
モードではノイズキャンセルの引き込みを停止するよう
に、第2の動作モード時付近のステップゲイン及び忘却
係数を、それぞれ第1の動作モード時付近のステップゲ
イン及び忘却係数とは異なるようにしたノイズキャンセ
ル方法である。
【0053】第10の発明は、第6の発明のノイズキャ
ンセル方法において、情報信号に混入した第1のノイズ
成分を有する、第1の動作モードと、情報信号にノイズ
成分を含まない、第3の動作モードとの間で、制御手段
よりの動作モードが変化する場合に、ステップゲイン及
び忘却係数の可変は、第3の動作モードでは、減算する
疑似ノイズ信号をゼロにすることで、ノイズキャンセル
を行わないように、第3の動作モード時付近のステップ
ゲイン及び忘却係数を、それぞれ第1の動作モード時付
近のステップゲイン及び忘却係数とは異ならせるように
したノイズキャンセル方法である。
【0054】
【発明の実施の形態】次に、図6を参照して、本発明の
実施の形態のノイズキャンセラー装置及びノイズキャン
セル方法の例を詳細に説明する。図6において、図3と
対応する部分には、同一符号を付して説明する。図6に
おいて、20、21は内蔵ステレオマイクを構成するそ
れぞれLch(左チャンネル)マイク及びRch(右チ
ャンネル)マイクである。尚、マイクの種類や個数は任
意である。これらマイク20、21は、VTR一体型カ
メラのヘリカルスキャン方式の磁気記録再生装置に近接
して配置されているものとする。
【0055】磁気記録再生装置において、41は回転ド
ラムで、その主面に、例えば、180°の角度割りを以
て、一対の回転磁気ヘッド44が設けられている。そし
て、磁気テープ43が、回転ドラム41及び図示を省略
した固定ドラムに斜めに巻き付けられる如く案内され
る。そして、この磁気記録再生装置よりのノイズ音や振
動が、いわゆるメカノイズとして、通常の音声に混じっ
て、マイク20、21に収音される。このメカノイズ
は、磁気テープ43及び回転磁気ヘッド44の接触時の
叩き音や、回転ドラム41を駆動するドラムモータ42
の電磁音等に起因しており、その発生するメカノイズの
周波数は、ドラムモータ42の回転周波数の高調波とな
る。
【0056】ドラムモータ42の回転の所定の周波数及
び位相を制御するために、マイコン(マイクロコンピュ
ータ)46よりのサーボ信号45がドラムモード42に
供給され、これによりドラムモード42は常に一定回転
を保つように制御される。尚、この記録再生装置は図示
したようなVTR装置に限定されるものではなく、サー
ボ信号により制御される駆動装置を持つもの、例えば、
ハードディスク駆動装置や光ディスク駆動装置等のディ
スク駆動装置にも適用可能である。
【0057】この図6において、マイク20、21から
の音声信号及びメカノイズ信号の混合信号が、増幅器
(AMP)22、23によって前段増幅された後、A/
D変換器24、25に供給されて、アナログ−デジタル
変換され、その得られたデジタル信号はメカノイズ低減
処理回路50に入力される。
【0058】メカノイズ低減処理回路50はステレオ2
チャンネルで独立した処理を行っており、たとえばLc
hとRchとでノイズ成分が異なっていても、最適なメ
カノイズ低減処理処理ができるように構成されている。
モノラル信号やLch及びRch信号でノイズ成分がほ
とんど同じである場合には、1チャンネル分でも構成可
能である。
【0059】メカノイズ低減処理回路50では、A/D
変換器24、25からのデジタル信号をそれぞれ加算器
26、27の+側端子に入力し、加算器24、25の−
側端子に入力される、後述する適応信号処理によって生
成されが疑似ノイズ信号を減算し、それぞれ出力端子3
6、37よりノイズキャンセルされたLch及びRch
出力信号として出力される。更に、このLch及びRc
h出力信号はそれぞれリミッタ34、35に入力され
て、通常は音声のダイナミックレンジに対して、小レベ
ルであるノイズ信号成分のみを適応処理回路に入力する
ために、Lch及びRch出力信号のレベルが大レベル
のとき、リミッタをかける処理が行われて、ステップゲ
イン制御回路(SG)32、33に入力される。
【0060】ステップゲイン制御回路(SG)32、3
3は、上述の数2の式におけるステップゲインμを、リ
ミッタ34、35の出力にそれぞれ乗算する処理を行
う。そして、マイコン46よりのステップゲイン制御信
号48をステップゲイン制御回路(SG)32、33に
供給することによって、ステップゲインμをステップゲ
イン制御信号48により可変できるようにしている。こ
こでは、ステップゲイン制御回路(SG)32、33に
共通のステップゲイン制御信号48で制御するようにし
ているが、Lch、Rch毎に独立に制御するようにし
ても良い。
【0061】更に、ステップゲイン制御回路(SG)3
2、33からの信号は、適応信号処理回路52、53
に、図1における残差信号Eとして入力される。ここで
適応信号処理回路52、53は、図2と同様に構成さ
れ、LMSアルゴリズムで処理される。またこの適応信
号処理回路52、53には、マイコン46より、図1に
おける参照入力信号Xと同様のドラム基準信号47が入
力されるが、このドラム基準信号47は、ドラムモータ
42のサーボ信号45の基底周波数信号であるために、
適応信号処理回路28、29ではこの基準信号に相関の
ある信号成分、即ち、ドラム回転周波数とその高調波成
分がすべて適応処理のターゲットとなる。さらに適応信
号処理回路52、53からの図1における適応出力信号
Yに相当する出力信号は、それぞれ加算器26、27の
−側端子に入力される。
【0062】図6の適応ノイズキャンセラーでは、新た
に忘却係数λを導入し、更に、忘却係数λをマイコン4
6によって可変制御していることに特徴が有り、具体的
には以下の2点で、図3の従来例とは異なっている。
【0063】先ず、1点目は、適応信号処理回路52、
53では以下の数3の式に従って、図2に示した内部の
適応フィルタ係数W0 、W1 、‥‥‥‥、Wm をそれぞ
れ更新していく。
【0064】
【数3】Wk+1 =λ・Wk +2μ・Ek ・Xk
【0065】ここで数3の式は、現在の単位サンプリン
グにおける適応フィルタ係数を、W k+1 とすると、1単
位サンプリング過去の適応フィルタ係数であるWk に係
数λを乗算している。この係数λは忘却係数と呼ばれ、
通常は1よりもわずかに小さい値に設定することで、過
去のデータに対する重みを小さくして、現在から遠ざか
る程過去のデータを棄却するように適応処理を動作させ
ることができる。例えば、適応が十分進んだ段階で数3
の式において残差信号Ek や、参照入力Xk が突然ゼロ
になった場合、例えば、ドラムモータが回転状態から停
止状態にモード遷移して、メカノイズの発生が無くなっ
た場合などでは、数3の式における右辺の第2項はゼロ
になるが、忘却係数λがないと第1項のWk がいつまで
も残り、聴感上で違和感が発生してしまうが、忘却係数
λがあるとWk は徐々に減衰して、最後にゼロになるた
め、このような場合の応答性が従来例よりも改善され
る。しかし、逆にドラムモーターが停止状態から回転状
態にモード遷移した場合には、適応処理の応答性が悪化
するため、忘却係数λは数3の式において、影響の無い
ように1に設定した方が良い。
【0066】次に2点目は、図3のキャンセルオンオフ
制御信号49によるスイッチ(SW)30、31のオン
/オフ切替えをやめており、これをやめることによるメ
リットは、オフ時にフィードバックループが切れないこ
とで適応処理の連続性が保たれることにある。つまりス
イッチ(SW)30、31がオン→オフ→オンと制御さ
れる場合、例えば、ドラムモータが回転状態から停止状
態にモード遷移して、再び回転状態にモード遷移した場
合を考えると、停止状態においては適応処理のターゲッ
トとなるメカノイズの発生がないため、スイッチ(S
W)30、31をオフにする必要性から適応処理のルー
プも同時に切れてしまい、適応フィルタの係数がこの期
間定まらず、この間に係数が大きく変化してしまうと、
再びスイッチ(SW)30、31をONにした時に安定
するまでの応答性が悪化してしまう。
【0067】従って、図6の適応制御ノイズキャンセラ
ーでは、忘却係数λとステップゲインμをマイコン46
より制御して、このフィードバックループを切らずにキ
ャンセルオン/オフを実現している。
【0068】従って、図6においては、マイコン46よ
りメカノイズ低減処理回路50内の適応信号処理回路5
2、53に忘却係数λ制御信号51が入力され、適応信
号処理回路52、53では、数3の式に従い、それぞれ
の適応フィルタの係数Wk に、忘却係数λが単位サンプ
リング毎に乗算される。
【0069】次に、図7を参照して、VTRモード遷移
とパラメータ制御の一例を説明する。図7は図4と同様
のVTRモード遷移時における制御例を示している。本
発明では忘却係数λを新たに導入することで、過去の適
応フィルタ係数の重みを小さくし、現在の適応フィルタ
係数の重みを大きくすることができるため、ノイズが変
化した場合の追従性が改善される。従って、図7Aのモ
ード遷移と発生ノイズ量(図4Aと同じ)に対して、図
7Bでは係数1よりもわずかに小さい値の、所定の忘却
係数λを適応フィルタ係数に乗ずることにより、図4B
と比較してモード遷移時のノイズ量が減少する。
【0070】次に図7Cはステップゲインμ値と忘却係
数λ値を、モード遷移時に制御した場合を示しており、
ステップゲインμはモード遷移時に大きくして追従性を
上げ、逆に忘却係数λは小さくすることで、過去の係数
の忘却を加速して現在の係数に追従し易くしている。こ
れによりノイズ量はモード遷移時においても、殆ど悪化
せず、ノイズの変化に追従することができる。更に、図
7Dは、図4Dのように記録モード時の適応フィルタ係
数を常時ホールドして使用する場合のパラメータ制御方
法であり、この場合には記録モード以外の時は、ステッ
プゲインμをゼロにして適応フィルタ係数の更新を停止
し、忘却係数λを1にして記録モード時の適応フィルタ
係数をホールドするようにしている。
【0071】次に、図8を参照して、VTRモード遷移
とパラメータ制御の他の例を説明する。図8は図4と同
様のVTRモード遷移時における制御例を示している。
先ず、図8Aに示したVTRモード遷移と発生ノイズ量
(図4Aと同じ)に対して、図8BはVTRモードが記
録→記録待機(停止)に遷移した場合には、ステップゲ
インμをゼロにして適応フィルタ係数の更新を停止し、
忘却係数λを小さくして係数の忘却を加速することで、
それまでキャンセルしていたドラム回転音並びに磁気テ
ープ43及び回転磁気ヘッド44間の叩き音が急激にな
くなることによるノイズ変化に追従させ、次に記録待機
→記録と遷移した場合には、ステップゲインμを所定の
値よりも大きくして、適応フィルタ係数の追従性を上
げ、忘却係数λを1にして係数の忘却を停止すること
で、モード遷移中にノイズゼロ状態から急激にドラム回
転音並びに磁気テープ43及び回転磁気ヘッド44間の
叩き音が発生し、ノイズ量が増加する場合でも追従性が
改善されて、図4Bの従来例と比較してノイズ量が減少
する。
【0072】次に図8Cは、記録待機モードではノイズ
発生が無くなるのに合わせて、キャンセルをオフに制御
した場合を示しており、先ず、VTRモードが記録→記
録待機(停止)に遷移した場合には、ステップゲインμ
と忘却係数λの両者をゼロにして適応動作を停止するこ
とで、図6の適応信号処理回路52、53の適応出力は
ゼロとなるためキャンセルオフが実現され、それまでキ
ャンセルしていたドラム回転音並びに磁気テープ43及
び回転磁気ヘッド44間の叩き音が急激になくなること
によるノイズ変化に追従できる。次に記録待機→記録と
遷移した場合には、ステップゲインμを所定の値よりも
大きくして適応フィルタ係数の追従性を上げ、忘却係数
λを1にして係数の忘却を停止することで、モード遷移
中にノイズゼロ状態から急激にドラム回転音とヘッド叩
き音が発生して、ノイズ量が増加する場合でも追従する
ことができ、これによりノイズ量はモード遷移時におい
てもほとんど悪化せず、ノイズの変化に追従し、記録待
機モードではノイズ量もゼロにすることができ、さらに
従来例のキャンセルオンオフ制御にあったフィードバッ
クループが切れることによる不具合もない。
【0073】次に、図8Dは、従来例のような記録モー
ド時のノイズをホールドする場合の制御方法であり、ま
ずVTRモードが記録→記録待機(停止)に遷移した場
合にはモード遷移開始時に記録モードのノイズをホール
ドするためステップゲインμをゼロにし、同時に忘却係
数λを1にすることで記録モード時の適応フィルタ係数
がホールドされ、この状態からさらに記録待機→記録と
モード遷移した場合には、記録開始時にステップゲイン
μと忘却係数λを所定の記録時の値に解除することで、
それまでホールドされていた適応フィルタ係数による適
応出力が出力され、記録モードでは常時一定のノイズキ
ャンセルが成される。
【0074】このように本発明においては従来のステッ
プゲインλの制御に加えて、忘却係数λを制御すること
で、従来例以上に適応処理の追従性を改善することが可
能になる。
【0075】上述の実施の形態のノイズキャンセラー装
置及びノイズキャンセル方法によれば、下記の種々の効
果が得られる。
【0076】 カメラ一体型VTRのマイクと記録再
生装置が比較的近接配置される場合において、記録再生
装置から発生するメカノイズが、マイクに混入する場合
に、記録再生装置のモード遷移でメカノイズのレベルや
性質が変化しても、効率の良い適応処理によるノイズキ
ャンセルが可能となる。
【0077】 特開平11−232802号公報にお
ける適応処理のパラメータであるステップゲインとキャ
ンセルオンオフの制御例に対して、新たに忘却係数を導
入することで過去に対して現在の適応フィルタ係数に重
みをおくことができ、ノイズ変化に対しての追従性が改
善され、さらに制御するパラメータ数も変わらないた
め、マイコン処理も複雑にならない。
【0078】 従来例におけるキャンセルオンオフ制
御は、適応処理におけるフィードバックループを切って
オフモードにするため、オフの間に適応フィルタの係数
があらぬ値に飛びやすく、再び適応処理を開始したと
き、安定するまでに時間がかかっていたが、忘却係数を
制御することでフィードバックループを切らずに適応処
理をオフにすることができ、適応処理の追従性が改善さ
れる。
【0079】 すべてデジタル処理でできるため、D
SPやLSIによるハードウェアーやマイコン等による
ソフトウェアでも実現が容易であり、今後の半導体微細
化、高密度化、メモリー高容量化により、回路規模の増
加はほとんど問題とならずに実現が可能になる。
【0080】本発明は、ビデオカメラにおける内蔵マイ
クのノイズキャンセル処理に適用したが、一般的に適応
フィルタを採用した適応信号処理にも応用が可能であ
り、さらにLMSアルゴリズム以外のRLS(Recursive
Least Square )アルゴリズム等において使用可能であ
る。
【0081】本発明は、ビデオカメラ等のVTR一体型
カメラ以外にも、ハードディスクや光ディスク等のディ
スク記録装置をもつ機器にも応用が可能である。
【0082】
【発明の効果】第1の発明によれば、駆動信号源よりの
駆動信号により駆動される、エネルギー波を発生するエ
ネルギー波発生手段よりのエネルギー波に基づいて、情
報信号に混入するノイズ成分をキャンセルするようにし
たノイズキャンセラー装置において、エネルギー波発生
手段よりのエネルギー波に基づいて、情報信号に混入す
るノイズ成分と相関のある疑似ノイズ信号を生成する適
応フィルタと、情報信号から疑似ノイズ信号を減算し
て、ノイズ成分がキャンセルされた情報信号を得る減算
手段と、ノイズキャンセラー装置におけるステップゲイ
ン及び忘却係数を可変する可変ゲイン手段とを設けてな
り、可変ゲイン手段は、駆動信号源を制御する制御手段
によって制御されるようにしたので、過去のデータに対
する重みを決定する忘却係数を導入し、これを適応制御
することで、追従性を高めることができ、又、ステップ
ゲインと忘却係数を制御することで、ノイズキャンセル
オフモードを実現し、これによって、適応フィルタ係数
の乱れが発生せず、更に、追従性を高めることのできる
ノイズキャンセラー装置を得ることができる。
【0083】第2の発明によれば、第1の発明のノイズ
キャンセラー装置において、可変ゲイン手段は、制御手
段よりの、動作モードの遷移期間付近のステップゲイン
を、動作モード時付近の所定のステップゲインとは異な
らしめて、動作モードの遷移期間付近の、ノイズキャン
セルの引き込み速度を、動作モード時付近の引き込み速
度より大きくするようにしたので、第1の発明の効果に
加えて、定常時のノイズキャンセルはステップゲインを
小さくして、外乱による影響(ノイズ以外の情報信号を
キャンセルすること)を少なくできると共に、モード遷
移によるノイズ変化時はステップゲインを大きくするこ
とで、ノイズ変化に迅速に追従することのできるノイズ
キャンセラー装置を得ることができる。
【0084】第3の発明によれば、第2の発明のノイズ
キャンセラー装置において、可変ゲイン手段は、制御手
段よりの、動作モードの遷移期間付近のステップゲイン
及び忘却係数を、それぞれ動作モード時付近の所定のス
テップゲイン及び所定の忘却係数とは異ならしめて、動
作モードの遷移期間付近の、ノイズキャンセルの引き込
み速度を、動作モード時付近の引き込み速度より大きく
するようにしたので、第2の発明の効果に加えて、忘却
係数を制御することによって、ノイズ変化以前の適応状
態を忘却することができ、これによって、ノイズが大き
く変化する場合、突然ノイズが無くなった場合等のノイ
ズ変化に一層迅速に追従することのできるノイズキャン
セラー装置を得ることができる。
【0085】第4の発明によれば、第1の発明のノイズ
キャンセラー装置において、情報信号に混入した第1の
ノイズ成分を有する、第1の動作モードと、第1のノイ
ズ成分とは異なる第2のノイズ成分を有する、第2の動
作モードとの間で、制御手段よりの動作モードが変化す
る場合に、可変ゲイン手段は、第2の動作モードではノ
イズキャンセルの引き込みを停止するように、第2の動
作モード時付近のステップゲイン及び忘却係数を、それ
ぞれ第1の動作モード時付近のステップゲイン及び忘却
係数とは異なるようにしたので、第1の発明の効果に加
えて、第1の動作モードではノイズキャンセルの引き込
みを行うが、第2の動作モードではノイズキャンセルの
引き込みを行わないようにすることで、第1の動作モー
ドでのノイズキャンセルの引き込みを安定化することの
できるノイズキャンセラー装置を得ることができる。
【0086】第5の発明によれば、第1の発明のノイズ
キャンセラー装置において、情報信号に混入した第1の
ノイズ成分を有する、第1の動作モードと、情報信号に
ノイズ成分を含まない、第3の動作モードとの間で、制
御手段よりの動作モードが変化する場合に、可変ゲイン
手段は、第3の動作モードでは、減算手段において減算
する疑似ノイズ信号をゼロにすることで、ノイズキャン
セルを行わないように、第3の動作モード時付近のステ
ップゲイン及び忘却係数を、それぞれ第1の動作モード
時付近のステップゲイン及び忘却係数とは異ならせるよ
うにしたので、第1の発明の効果に加えて、ノイズが間
欠的に発生する場合に、ノイズが発生しないときに適応
ループが切られないことになり、これによって、安定に
ノイズキャンセルを行うことのできるノイズキャンセラ
ー装置を得ることができる。
【0087】第6の発明によれば、駆動信号源よりの駆
動信号により駆動される、エネルギー波を発生するエネ
ルギー波発生手段よりのエネルギー波に基づいて、情報
信号に混入するノイズ成分をキャンセルするようにした
ノイズキャンセル方法において、エネルギー波発生手段
よりのエネルギー波に基づいて、情報信号に混入するノ
イズ成分と相関のある疑似ノイズ信号を適応フィルタを
用いて生成し、情報信号から疑似ノイズ信号を減算し
て、ノイズ成分がキャンセルされた情報信号を得、ノイ
ズキャンセル方法におけるステップゲイン及び忘却係数
を可変するようにしてなり、ステップゲイン及び忘却係
数の可変は、駆動信号源を制御する制御手段によって制
御されるようにしたので、過去のデータに対する重みを
決定する忘却係数を導入し、これを適応制御すること
で、追従性を高めることができ、又、ステップゲインと
忘却係数を制御することで、ノイズキャンセルオフモー
ドを実現し、これによって、適応フィルタ係数の乱れが
発生せず、更に、追従性を高めることのできるノイズキ
ャンセル方法を得ることができる。
【0088】第7の発明によれば、第6の発明のノイズ
キャンセル方法において、ステップゲイン及び忘却係数
の可変は、制御手段よりの、動作モードの遷移期間付近
のステップゲインを、動作モード時付近の所定のステッ
プゲインとは異ならしめて、動作モードの遷移期間付近
の、ノイズキャンセルの引き込み速度を、動作モード時
付近の引き込み速度より大きくするようにしたので、第
6の発明の効果に加えて、定常時のノイズキャンセルは
ステップゲインを小さくして、外乱による影響(ノイズ
以外の情報信号をキャンセルすること)を少なくできる
と共に、モード遷移によるノイズ変化時はステップゲイ
ンを大きくすることで、ノイズ変化に迅速に追従するこ
とのできるノイズキャンセル方法を得ることができる。
【0089】第8の発明によれば、第7の発明のノイズ
キャンセル方法において、ステップゲイン及び忘却係数
の可変は、制御手段よりの、動作モードの遷移期間付近
のステップゲイン及び忘却係数を、それぞれ動作モード
時付近の所定のステップゲイン及び所定の忘却係数とは
異ならしめて、動作モードの遷移期間付近の、ノイズキ
ャンセルの引き込み速度を、動作モード時付近の引き込
み速度より大きくするようにしたので、第7の発明の効
果に加えて、忘却係数を制御することによって、ノイズ
変化以前の適応状態を忘却することができ、これによっ
て、ノイズが大きく変化する場合、突然ノイズが無くな
った場合等のノイズ変化に一層迅速に追従することので
きるノイズキャンセル方法を得ることができる。
【0090】第9の発明によれば、第6の発明のノイズ
キャンセル方法において、情報信号に混入した第1のノ
イズ成分を有する、第1の動作モードと、第1のノイズ
成分とは異なる第2のノイズ成分を有する、第2の動作
モードとの間で、制御手段よりの動作モードが変化する
場合に、ステップゲイン及び忘却係数の可変は、第2の
動作モードではノイズキャンセルの引き込みを停止する
ように、第2の動作モード時付近のステップゲイン及び
忘却係数を、それぞれ第1の動作モード時付近のステッ
プゲイン及び忘却係数とは異なるようにしたので、第6
の発明の効果に加えて、第1の動作モードではノイズキ
ャンセルの引き込みを行うが、第2の動作モードではノ
イズキャンセルの引き込みを行わないようにすること
で、第1の動作モードでのノイズキャンセルの引き込み
を安定化することのできるノイズキャンセル方法を得る
ことができる。
【0091】第10の発明によれば、第6の発明のノイ
ズキャンセル方法において、情報信号に混入した第1の
ノイズ成分を有する、第1の動作モードと、情報信号に
ノイズ成分を含まない、第3の動作モードとの間で、制
御手段よりの動作モードが変化する場合に、ステップゲ
イン及び忘却係数の可変は、第3の動作モードでは、減
算する疑似ノイズ信号をゼロにすることで、ノイズキャ
ンセルを行わないように、第3の動作モード時付近のス
テップゲイン及び忘却係数を、それぞれ第1の動作モー
ド時付近のステップゲイン及び忘却係数とは異ならせる
ようにしたので、第6の発明の効果に加えて、ノイズが
間欠的に発生する場合に、ノイズが発生しないときに適
応ループが切られないことになり、これによって、安定
にノイズキャンセルを行うことのできるノイズキャンセ
ル方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のアクティブノイズキャンセラーを示すブ
ロック線図である。
【図2】図1のアクティブノイズキャンセラーにおける
適応信号処理回路を示すブロック線図である。
【図3】従来の適応制御ノイズキャンセラーを示すブロ
ック線図である。
【図4】VTRモード遷移と従来のパラメータ制御を示
すタイミングチャートである。
【図5】VTRモード遷移と従来のキャンセルオフ制御
を示すタイミングチャートである。
【図6】本発明の実施の形態の適応制御ノイズキャンセ
ラーの例を示すブロック線図である。
【図7】本発明の実施の形態の適応制御ノイズキャンセ
ラーにおけるVTRモード遷移とパラメータ制御の一例
を示すタイミングチャートである。
【図8】本発明の実施の形態の適応制御ノイズキャンセ
ラーにおけるVTRモード遷移とパラメータ制御の他の
例を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
20、21 マイク、22、23 増幅器、24、25
A/D変換器、26、27 加算器、32、33 ス
テップゲイン制御回路、34、35 リミッタ、41
回転ドラム、42 ドラムモータ、43 磁気テープ、
44 回転磁気ヘッド、46 マイコン(マイクロコン
ピュータ)、50 ノイズ低減処理回路、52、53
適応信号処理回路。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動信号源よりの駆動信号により駆動さ
    れる、エネルギー波を発生するエネルギー波発生手段よ
    りのエネルギー波に基づいて、情報信号に混入するノイ
    ズ成分をキャンセルするようにしたノイズキャンセラー
    装置において、 上記エネルギー波発生手段よりのエネルギー波に基づい
    て、上記情報信号に混入するノイズ成分と相関のある疑
    似ノイズ信号を生成する適応フィルタと、 上記情報信号から上記疑似ノイズ信号を減算して、ノイ
    ズ成分がキャンセルされた情報信号を得る減算手段と、 上記ノイズキャンセラー装置におけるステップゲイン及
    び忘却係数を可変する可変ゲイン手段とを設けてなり、 上記可変ゲイン手段は、上記駆動信号源を制御する制御
    手段によって制御されるようにしたことを特徴とするノ
    イズキャンセラー装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のノイズキャンセラー装
    置において、 上記可変ゲイン手段は、上記制御手段よりの、動作モー
    ドの遷移期間付近のステップゲインを、上記動作モード
    時付近の所定のステップゲインとは異ならしめて、上記
    動作モードの遷移期間付近の、ノイズキャンセルの引き
    込み速度を、上記動作モード時付近の引き込み速度より
    大きくするようにしたことを特徴とするノイズキャンセ
    ラー装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のノイズキャンセラー装
    置において、 上記可変ゲイン手段は、上記制御手段よりの、上記動作
    モードの遷移期間付近のステップゲイン及び忘却係数
    を、それぞれ上記動作モード時付近の所定のステップゲ
    イン及び所定の忘却係数とは異ならしめて、上記動作モ
    ードの遷移期間付近の、ノイズキャンセルの引き込み速
    度を、上記動作モード時付近の引き込み速度より大きく
    するようにしたことを特徴とするノイズキャンセラー装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のノイズキャンセラー装
    置において、 上記情報信号に混入した第1のノイズ成分を有する、第
    1の動作モードと、上記第1のノイズ成分とは異なる第
    2のノイズ成分を有する、第2の動作モードとの間で、
    上記制御手段よりの動作モードが変化する場合に、上記
    可変ゲイン手段は、上記第2の動作モードではノイズキ
    ャンセルの引き込みを停止するように、上記第2の動作
    モード時付近のステップゲイン及び忘却係数を、それぞ
    れ上記第1の動作モード時付近のステップゲイン及び忘
    却係数とは異なるようにしたことを特徴とするノイズキ
    ャンセラー装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のノイズキャンセラー装
    置において、 上記情報信号に混入した第1のノイズ成分を有する、第
    1の動作モードと、上記情報信号にノイズ成分を含まな
    い、第3の動作モードとの間で、上記制御手段よりの動
    作モードが変化する場合に、上記可変ゲイン手段は、上
    記第3の動作モードでは、上記減算手段において減算す
    る疑似ノイズ信号をゼロにすることで、ノイズキャンセ
    ルを行わないように、上記第3の動作モード時付近のス
    テップゲイン及び忘却係数を、それぞれ上記第1の動作
    モード時付近のステップゲイン及び忘却係数とは異なら
    せるようにしたことを特徴とするノイズキャンセラー装
    置。
  6. 【請求項6】 駆動信号源よりの駆動信号により駆動さ
    れる、エネルギー波を発生するエネルギー波発生手段よ
    りのエネルギー波に基づいて、情報信号に混入するノイ
    ズ成分をキャンセルするようにしたノイズキャンセル方
    法において、 上記エネルギー波発生手段よりのエネルギー波に基づい
    て、上記情報信号に混入するノイズ成分と相関のある疑
    似ノイズ信号を適応フィルタを用いて生成し、 上記情報信号から上記疑似ノイズ信号を減算して、ノイ
    ズ成分がキャンセルされた情報信号を得、 上記ノイズキャンセル方法におけるステップゲイン及び
    忘却係数を可変するようにしてなり、 上記ステップゲイン及び忘却係数の可変は、上記駆動信
    号源を制御する制御手段によって制御されるようにした
    ことを特徴とするノイズキャンセル方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のノイズキャンセル方法
    において、 上記ステップゲイン及び忘却係数の可変は、上記制御手
    段よりの、動作モードの遷移期間付近のステップゲイン
    を、上記動作モード時付近の所定のステップゲインとは
    異ならしめて、上記動作モードの遷移期間付近の、ノイ
    ズキャンセルの引き込み速度を、上記動作モード時付近
    の引き込み速度より大きくするようにしたことを特徴と
    するノイズキャンセル方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のノイズキャンセル方法
    において、 上記ステップゲイン及び忘却係数の可変は、上記制御手
    段よりの、上記動作モードの遷移期間付近のステップゲ
    イン及び忘却係数を、それぞれ上記動作モード時付近の
    所定のステップゲイン及び所定の忘却係数とは異ならし
    めて、上記動作モードの遷移期間付近の、ノイズキャン
    セルの引き込み速度を、上記動作モード時付近の引き込
    み速度より大きくするようにしたことを特徴とするノイ
    ズキャンセル方法。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載のノイズキャンセル方法
    において、 上記情報信号に混入した第1のノイズ成分を有する、第
    1の動作モードと、上記第1のノイズ成分とは異なる第
    2のノイズ成分を有する、第2の動作モードとの間で、
    上記制御手段よりの動作モードが変化する場合に、上記
    ステップゲイン及び忘却係数の可変は、上記第2の動作
    モードではノイズキャンセルの引き込みを停止するよう
    に、上記第2の動作モード時付近のステップゲイン及び
    忘却係数を、それぞれ上記第1の動作モード時付近のス
    テップゲイン及び忘却係数とは異なるようにしたことを
    特徴とするノイズキャンセル方法。
  10. 【請求項10】 請求項6に記載のノイズキャンセル方
    法において、 上記情報信号に混入した第1のノイズ成分を有する、第
    1の動作モードと、上記情報信号にノイズ成分を含まな
    い、第3の動作モードとの間で、上記制御手段よりの動
    作モードが変化する場合に、上記ステップゲイン及び忘
    却係数の可変は、上記第3の動作モードでは、上記減算
    する疑似ノイズ信号をゼロにすることで、ノイズキャン
    セルを行わないように、上記第3の動作モード時付近の
    ステップゲイン及び忘却係数を、それぞれ上記第1の動
    作モード時付近のステップゲイン及び忘却係数とは異な
    らせるようにしたことを特徴とするノイズキャンセル方
    法。
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