JP2002353896A - 光送信装置 - Google Patents

光送信装置

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JP2002353896A JP2001154195A JP2001154195A JP2002353896A JP 2002353896 A JP2002353896 A JP 2002353896A JP 2001154195 A JP2001154195 A JP 2001154195A JP 2001154195 A JP2001154195 A JP 2001154195A JP 2002353896 A JP2002353896 A JP 2002353896A
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克宏 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光強度変調器および光位相変調器の位相関係
が常に一定値となるように制御するフィードバック制御
系を備えた光送信装置を得ること。 【解決手段】 ミキサ10が、光位相変調器(PM)3
および光強度変調器(AM)5に印加するクロック信号
間の位相を比較する。その位相比較結果に基づき自動遅
延補償回路(ADC)12が両信号間の位相関係が一定
値となるように、移相器(Δφ)13の移相量を制御す
る。以上の動作が繰り返されて、光位相変調器(PM)
3および光強度変調器(AM)5に印加するクロック信
号間の位相関係が一定値に維持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光位相変調器お
よび光強度変調器を備えた光送信装置に関し、特に光強
度変調器および光位相変調器の位相関係が常に一定値と
なるように制御するフィードバック制御系を備えた光送
信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、波長多重長距離光通信システ
ムにおける光送信装置では、たとえば、図5に示すよう
に、伝送距離の拡張を目的としたビット同期位相変調方
式が用いられている。図5は、従来の光位相変調器およ
び光強度変調器を備える光送信装置の構成を示すブロッ
ク図である(文献「プリチャープを用いた高信号光強
度、狭チャネル間隔100Gb/s(5Gp/s×20
波長)・9,500kmWDV伝送実験(1998年電
子情報通信学会総合大会講演論文集・通信2 B−10
−111)」に示された、光位相変調器および光強度変
調器を備える光送信装置を用いた波長多重長距離光通信
システムの構成を参照)。
【0003】伝送距離の拡張には、信号波形の歪みの原
因となる自己位相変調(SPM)と群速度分散(GVD)
との相乗効果であるSPM−GVD効果の低減が重要で
ある。SPM−GVD効果の低減技術としてプリチャー
プ技術があり、このプリチャープ技術として、ビット同
期位相変調方式は波長分散による波形劣化を抑圧する有
効な方法として知られている。上記文献では、SPM−
GVD効果の低減技術であるプリチャープ技術を用いて
信号光強度を高める可能性等についての検討結果が報告
されている。
【0004】図5において、上述した光送信装置を有し
た光通信システムは、送信系が、SPM−GVD効果を
評価するための単チャネル伝送系(Measured ch)と、
波長多重伝送系(other channeles)と、両系からの多
波長光信号を多重する光多重装置(MUX)105とで
構成されている。
【0005】単チャネル伝送系(Measured ch)は、連
続光を出力する光源(LD)101と、光源(LD)1
01からの連続光を5Gb/sのRZデータ信号によっ
て強度変調する光強度変調器(AM)102と、光強度
変調器(AM)102の出力光信号を5GHzのクロッ
ク信号によって位相変調する光位相変調器(PM)10
3と、光位相変調器(PM)103の出力光信号に分散
補償を施して光多重装置(MUX)105に伝達する分
散補償ファイバ(DCF)104とを備えている。
【0006】波長多重伝送系(other channeles)は、連
続光を出力する複数の光源(LD)106と、複数の光
源(LD)106からの連続光を5Gb/sのRZデー
タ信号によって強度変調する光強度変調器(AM)10
7と、光強度変調器(AM)107の出力光信号を5G
Hzのクロック信号によって位相変調する光位相変調器
(PM)108と、光位相変調器(PM)108の出力
光信号に遅延を与えて光多重装置(MUX)105に伝
達する光遅延器(Δφ)109とを備えている。
【0007】光多重装置(MUX)105が出力する多
波長光信号は、光スイッチ110を介して光カプラ11
1に入力し、長距離伝送路112と受信系とに分岐出力
される。受信系は、光カプラ111からの多波長光信号
を1波長毎に分離する光分離装置(DMUX)113
と、光分離装置(DMUX)113が分離出力する光信
号に分散補償を施して出力する分散補償ファイバ(DC
F)114と、分散補償ファイバ(DCF)114の出
力を受ける光受信器(OR)115とを備えている。
【0008】また、長距離伝送路112は、中継増幅器
116と伝送路(SMF)117が交互に所定数配置さ
れ、光カプラ111からの多波長光信号を中継伝送し、
光スイッチ118を介して光カプラ111に入力するよ
うになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図5に示し
た構成において、単チャネル伝送系(Measured ch)を
例に挙げると、光強度変調器(AM)102に印加され
るデータ信号と、光位相変調器(PM)103に印加さ
れるクロック信号とが特定の位相関係に設定されている
場合には、光ファイバ伝播に伴う符号間干渉が抑圧され
ることが知られている。したがって、光強度変調器(A
M)102に印加するデータ信号と、光位相変調器(P
M)103に印加するクロック信号との位相関係は、常
に一定値に保たれなければならない。
【0010】しかし、図5では、ビット同期位相変調を
実現するための構成は開示されているが、光強度変調器
(AM)102に印加するデータ信号と、光位相変調器
(PM)103に印加するクロック信号との位相関係を
監視し、その位相関係を一定値に保つための制御が実現
されていないので、信号品質を保持することが困難とな
る場合がある。
【0011】具体的に、光強度変調器(AM)102お
よび光位相変調器(PM)103の駆動回路では増幅器
が用いられ、この種の増幅器での伝播遅延時間は、動作
状態によって変化する可能性がある。この場合、環境温
度の変化に伴い、たとえば、光位相変調器(PM)10
3に印加するクロック信号を増幅する増幅器での伝播遅
延時間が変化することが懸念される。一般に、増幅器の
伝播遅延時間は、典型的には環境温度の変化によって5
〜10ps程度変化する。図5に示すように、ビットレ
ートが5Gb/s程度の低速である場合、1ビットに与
えられるタイムスロットは、200psであるので、増
幅器での伝播遅延時間の温度依存性は無視できる程度の
影響といえる。
【0012】ところが、近年、光通信に用いられるビッ
トレートは40Gb/s程度にまで上昇しており、1ビ
ットに与えられるタイムスロットは25psにまで狭く
なっている。25psのタイムスロットに対して増幅器
での伝播遅延時間の環境温度依存性は無視できない値で
ある。そのため、40Gb/s程度の高ビットレートで
は、光強度変調器(AM)102に印加するデータ信号
と、光位相変調器(PM)103に印加するクロック信
号との位相関係が一定値に保たれず、増幅器での伝播遅
延時間に起因する伝送特性劣化が生じるという問題があ
る。
【0013】この発明は、上記に鑑みてなされたもの
で、光位相変調器および光強度変調器を備える光送信装
置において、光強度変調器および光位相変調器の位相関
係が常に一定値となるように制御することができる光送
信装置を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明にかかる光送信装置は、光源と出力端子と
の間に任意の順序で配置されている光位相変調器および
光強度変調器と、前記光位相変調器に印加する第1クロ
ック信号と前記光強度変調器に印加する第2クロック信
号との位相関係を検出する位相比較手段と、前記位相比
較手段が検出する信号に基づいて、前記第1クロック信
号および第2クロック信号間の位相関係が一定値となる
ように、前記第1クロック信号または前記第2クロック
信号に与える遅延量を制御する遅延制御手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0015】この発明によれば、第1クロック信号と第
2クロック信号は、共にクロック源を出たクロック信号
が増幅器で増幅されたものであり、増幅器の温度依存性
による伝播遅延の影響を受けている。そこで、まず、位
相比較手段にて光位相変調器に印加する第1クロック信
号と光強度変調器に印加する第2クロック信号との位相
関係が検出される。次いで、遅延制御手段にて、位相比
較手段が検出する信号に基づいて、第1クロック信号お
よび第2クロック信号間の位相関係が一定値となるよう
に、第1クロック信号または第2クロック信号に与える
遅延量が制御される。以上の動作が繰り返されることに
より、第1クロック信号および第2クロック信号間の位
相関係が常に一定値となるように制御される。
【0016】つぎの発明にかかる光送信装置は、光源と
出力端子との間に任意の順序で配置されている光位相変
調器および光強度変調器と、前記出力端子に送出される
光変調出力信号の一部を電気変換した電気信号に含まれ
るクロック成分と、前記光位相変調器に印加する第1ク
ロック信号または前記光強度変調器に印加する第2クロ
ック信号との位相関係を検出する位相比較手段と、前記
第1位相比較手段が検出する信号に基づいて、前記第1
クロック信号および第2クロック信号間の位相関係が一
定値となるように、前記第1クロック信号または前記第
2クロック信号に与える遅延量を制御する遅延制御手段
とを備えたことを特徴とする。
【0017】この発明によれば、第1クロック信号と第
2クロック信号は、共にクロック源を出たクロック信号
が増幅器で増幅されたものであり、増幅器の温度依存性
による伝播遅延の影響を受けている。クロック成分は、
第1クロック信号と第2クロック信号の位相特性をその
まま具備している。そこで、まず、位相比較手段にて、
出力端子へ送出される光変調出力信号の一部を電気変換
した電気信号に含まれるクロック成分と光位相変調器に
印加する第1クロック信号との位相関係、または、その
クロック成分と光強度変調器に印加する第2クロック信
号との位相関係が検出される。次いで、遅延制御手段に
て、位相比較手段が検出する信号に基づいて、第1クロ
ック信号および第2クロック信号間の位相関係が一定値
となるように、第1クロック信号または第2クロック信
号に与える遅延量が制御される。以上の動作が繰り返さ
れることにより、第1クロック信号および第2クロック
信号間の位相関係が常に一定値となるように制御され
る。
【0018】つぎの発明にかかる光送信装置は、光源と
出力端子との間に任意の順序で配置されている光位相変
調器および2つの光強度変調器と、前記光位相変調器に
印加する第1クロック信号と前記2つの光強度変調器の
一方に印加する第2クロック信号との位相関係を検出す
る第1位相比較手段と、前記第1位相比較手段が検出す
る信号に基づいて、前記第1クロック信号および第2ク
ロック信号間の位相関係が一定値となるように、前記第
1クロック信号または前記第2クロック信号に与える遅
延量を制御する第1遅延制御手段と、第3クロック信号
に同期してデータ信号を前記2つの光強度変調器の他方
に印加するデータ入力手段と、前記第1クロック信号と
前記第2クロック信号の一方と前記第3クロック信号と
の位相関係を検出する第2位相比較手段と、前記第2位
相比較手段が検出する信号に基づいて、前記第1クロッ
ク信号と前記第2クロック信号の一方と前記第3クロッ
ク信号との位相関係が一定値となるように、前記第3ク
ロック信号に与える遅延量を制御する第2遅延制御手段
とを備えたことを特徴とする。
【0019】この発明によれば、第1クロック信号と第
2クロック信号と第3クロック信号は、共にクロック源
を出たクロック信号が増幅器で増幅されたものであり、
増幅器の温度依存性による伝播遅延の影響を受けてい
る。そこで、まず、第1位相比較手段にて光位相変調器
に印加する第1クロック信号と2つの光強度変調器の一
方に印加する第2クロック信号との位相関係が検出され
る。次いで、第1遅延制御手段にて、第1位相比較手段
が検出する信号に基づいて、第1クロック信号および第
2クロック信号間の位相関係が一定値となるように、第
1クロック信号または第2クロック信号に与える遅延量
が制御される。並行して、第2位相比較手段にて、第1
クロック信号と第2クロック信号の一方と第3クロック
信号との位相関係が検出される。次いで、第2遅延制御
手段にて、第2位相比較手段が検出する信号に基づい
て、第1クロック信号と第2クロック信号の一方と第3
クロック信号との位相関係が一定値となるように、第3
クロック信号に与える遅延量が制御される。以上の動作
が繰り返されることにより、例えば第1クロック信号を
基準にして、第1クロック信号および第2クロック信号
間の位相関係が常に一定値となるように制御され、同時
に第1クロック信号および第3クロック信号間の位相関
係が常に一定値となるように制御される。その結果、第
3クロック信号に同期して入力されるデータ信号の伝送
品質が良好に維持される。なお、データ信号には、RZ
形式が用いられる。
【0020】つぎの発明にかかる光送信装置は、光源と
出力端子との間に任意の順序で配置されている光位相変
調器および2つの光強度変調器と、前記光位相変調器に
印加する第1クロック信号と前記2つの光強度変調器の
一方に印加する第2クロック信号との位相関係を検出す
る第1位相比較手段と、前記第1位相比較手段が検出す
る信号に基づいて、前記第1クロック信号および第2ク
ロック信号間の位相関係が一定値となるように、前記第
1クロック信号または前記第2クロック信号に与える遅
延量を制御する第1遅延制御手段と、第3クロック信号
に同期してデータ信号を前記2つの光強度変調器の他方
に印加するデータ入力手段と、前記出力端子に送出され
る光変調出力信号の一部を電気変換した電気信号に含ま
れるクロック成分と、前記第1クロック信号または前記
第2クロック信号との位相関係を検出する第2位相比較
手段と、前記第2位相比較手段が検出する信号に基づい
て、前記第1クロック信号と前記第2クロック信号の一
方と前記第3クロック信号との位相関係が一定値となる
ように、前記第3クロック信号に与える遅延量を制御す
る第2遅延制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】この発明によれば、第1クロック信号と第
2クロック信号と第3クロック信号は、共にクロック源
を出たクロック信号が増幅器で増幅されたものであり、
増幅器の温度依存性による伝播遅延の影響を受けてい
る。クロック成分は、それらクロック信号の位相特性を
そのまま具備している。そこで、まず、第1位相比較手
段にて光位相変調器に印加する第1クロック信号と2つ
の光強度変調器の一方に印加する第2クロック信号との
位相関係が検出される。次いで、第1遅延制御手段に
て、第1位相比較手段が検出する信号に基づいて、第1
クロック信号および第2クロック信号間の位相関係が一
定値となるように、第1クロック信号または第2クロッ
ク信号に与える遅延量が制御される。並行して、第2位
相比較手段にて、第1クロック信号と第2クロック信号
の一方とクロック成分との位相関係が検出される。次い
で、第2遅延制御手段にて、第2位相比較手段が検出す
る信号に基づいて、第1クロック信号と第2クロック信
号の一方と第3クロック信号との位相関係が一定値とな
るように、第3クロック信号に与える遅延量が制御され
る。以上の動作が繰り返されることにより、例えば第1
クロック信号を基準にして、第1クロック信号および第
2クロック信号間の位相関係が常に一定値となるように
制御され、同時に第1クロック信号および第3クロック
信号間の位相関係が常に一定値となるように制御され
る。その結果、第3クロック信号に同期して入力される
データ信号の伝送品質が良好に維持される。なお、デー
タ信号には、RZ形式が用いられる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この
発明にかかる光送信装置の好適な実施の形態を詳細に説
明する。
【0023】実施の形態1.図1は、この発明の実施の
形態1である光送信装置の構成を示すブロック図であ
る。図1において、この光送信装置は、連続光を出力す
る光源(CW)1と、光変調器に印加するクロック信号
を供給するクロック源(CLK)2と、光位相変調器
(PM)3と、光位相変調器駆動用の狭帯域増幅器4
と、光強度変調器(AM)5と、光強度変調器駆動用の
狭帯域増幅器6と、分配器7,8,9と、ミキサ10
と、ローパスフィルタ(LPF)11と、自動遅延補償
回路(ADC:Auto Delay Compensation)12と、移
相器(Δφ)13と、出力端子14とを備えている。
【0024】クロック源(CW)2からのクロック信号
は、分配器7にて2分岐され、一方は狭帯域増幅器4に
与えられ、他方は移相器(Δφ)13に与えられてい
る。狭帯域増幅器4の出力は、分配器8で2分岐され、
一方は光移相変調器3に与えられ、他方はミキサ10に
与えられている。また、移相器(Δφ)13の出力は、
狭帯域増幅器6に与えられ、狭帯域増幅器6の出力は、
分配器9にて、光強度変調器(AM)5とミキサ10と
に2分岐されている。
【0025】ミキサ10は、狭帯域増幅器4の出力(光
位相変調器(PM)3に印加するクロック信号)と狭帯
域増幅器6の出力(光強度変調器(AM)5に印加する
クロック信号)との位相を比較し、位相差および位相の
進遅を示す信号をローパスフィルタ(LPF)11に与
える。
【0026】ローパスフィルタ(LPF)11は、ミキ
サ10の出力信号から低周波成分を抽出し、自動遅延補
償回路(ADC)12に与える。自動遅延補償回路(A
DC)12は、ローパスフィルタ(LPF)11の出力
信号に従って移相器(Δφ)13の移相量を制御する。
【0027】これにより、光強度変調器(AM)5に印
加するクロック信号の位相が、光位相変調器(PM)3
に印加するクロック信号の位相と一致するように、狭帯
域増幅器6に与えられるクロック信号の遅延量が制御さ
れる。その結果、所定の伝送品質が得られる光変調信号
が出力端子14から送出されることになる。
【0028】つぎに、図1および図2を参照して、実施
の形態1の動作を説明する。図2は、ミキサ10の動作
を説明する図である。図2(1)は、狭帯域増幅器4の
出力信号である光位相変調器駆動信号の波形図である。
図2(2)は、狭帯域増幅器6の出力信号である光強度
変調器駆動信号の波形図である。図2(3)は、ミキサ
10の出力信号、すなわち、ローパスフィルタ(LP
F)11の出力信号の波形図である。
【0029】この実施の形態1では、光位相変調器(P
M)3が光強度変調器(AM)5の前に置かれているの
で、光位相変調器(PM)3の入力位相を基準に光強度
変調器(AM)5の入力位相を制御するようにしてい
る。
【0030】ここで、図2(1)および図2(2)に示
すように、光位相変調器駆動信号と光強度変調器駆動信
号との位相差がθ(t)であるとすると、クロック周波
数ω 1を用いて、光位相変調器駆動信号(ミキサ10の
一方の入力信号)は、A×sinω1tと表せる。また、光
強度変調器駆動信号(ミキサ10の他方の入力信号)
は、B×sin(ω1t+θ(t))と表せる。この場合、ロ
ーパスフィルタ(LPF)11の出力は、AB×cosθ
(t)となる。
【0031】狭帯域増幅器6での伝播遅延時間の変化に
より、位相差θ(t)が初期位相差から変化すると、ロ
ーパスフィルタ(LPF)11の出力レベルが初期位相
差に対応した初期値レベルから変化する。ローパスフィ
ルタ(LPF)11の実際の出力レベルと初期値レベル
との大小関係は、位相差θ(t)の初期位相差からのず
れ方向、つまり狭帯域増幅器4での伝播遅延時間に対す
る狭帯域増幅器6での伝播遅延時間の進遅に対応してい
る。
【0032】自動遅延補償回路(ADC)12は、位相
差θ(t)の初期値に対応するローパスフィルタ(LP
F)11の初期値出力レベルを予め保持しており、ロー
パスフィルタ(LPF)11の出力レベルが、初期値出
力レベルを保ち一定値となるように移相器(Δφ)13
での移相量制御を行う。
【0033】その結果、移相器(Δφ)13では、狭帯
域増幅器4での伝播遅延時間に対する狭帯域増幅器6で
の伝播遅延時間の進遅に対応した移相量制御が行われる
ので、図2(3)に示すように、ミキサ10から、狭帯
域増幅器4,6間での伝播遅延時間の位相差θ(t)を
一定値である初期位相差に向かわせる信号が出力され
る。
【0034】以上の動作が繰り返されることにより、狭
帯域増幅器4から出力されるクロック信号と狭帯域増幅
器6から出力されるクロック信号と間の位相関係が常に
一定値となるように制御される。
【0035】この実施の形態1では、光強度変調器に印
加するクロック信号と光位相変調器に印加するクロック
信号の位相関係を監視し、一定の位相関係を維持させ得
るフィードバック制御が行えるようにしているので、光
強度変調器および光位相変調器に印加するクロック信号
間の位相関係が常に一定値となるように制御することが
できる。なお、光位相変調器および光強度変調器の配置
順序は任意でよい。
【0036】実施の形態2.図3は、この発明の実施の
形態2である光送信装置の構成を示すブロック図であ
る。なお、図3では、図1で示した構成と同一要素には
同一符号が付されている。ここでは、この実施の形態2
に係る部分を中心に説明する。この点は、以下の実施の
形態においても同様である。
【0037】上述した実施の形態1では、光変調器に対
する印加クロック信号の一部を用いて位相比較する構成
を示したが、この実施の形態2では、位相比較信号の一
方に光変調出力信号の一部を用いるようにしている。
【0038】すなわち、図3に示すように、図1で示し
た分配器9を省略して狭帯域増幅器6の出力を直接光強
度変調器(AM)5に与えるようにし、光強度変調器
(AM)5と出力端子14との間に光カプラ17が設け
られ、光カプラ17の他方の分岐光を電気変換するフォ
トダイオード18が設けられている。フォトダイオード
18の出力信号は、ミキサ10に与えられている。
【0039】この実施の形態2では、ミキサ10は、光
位相変調器(PM)3の駆動信号(狭帯域増幅器4から
出力されるクロック信号)とフォトダイオード18の出
力信号(光変調出力信号の一部を電気変換した信号)に
含まれるクロック成分との位相比較を行うようになって
いる。
【0040】したがって、実施の形態2では、一方の位
相比較信号として光変調出力信号の一部を用いて、狭帯
域増幅器の温度特性に起因する両光変調器間での位相ず
れを検出し、それを一定値である初期位相差に維持させ
得るフィードバック制御が行えるので、実施の形態1と
同様に、光強度変調器および光位相変調器に印加するク
ロック信号間の位相関係が常に一定値となるよう制御す
ることができる。
【0041】実施の形態3.図4は、この発明の実施の
形態3である光送信装置の構成を示すブロック図であ
る。この実施の形態3では、光位相変調器と2つの光強
度変調器を備える光送信装置としている。
【0042】すなわち、図4に示すように、この実施の
形態3では、図1に示した構成において、光強度変調器
(AM)5と出力端子14との間に、さらにデータ変調
用の光強度変調器21が追加して設けられ、それに伴い
制御系等が追加して設けられている。
【0043】追加された制御系等は、分配器7に代えた
3分岐の分配器22と、狭帯域増幅器4と分配器8との
間に設けた分配器23と、狭帯域増幅器24と、移相器
(Δφ)25と、分配器26と、ミキサ27と、ローパ
スフィルタ(LPF)28と、自動遅延補償回路(AD
C)29と、データ入力端子30と、遅延フリップフロ
ップ(D/FF)31と、広帯域増幅器32とを備えて
いる。
【0044】クロック源(CW)2からのクロック信号
は、分配器22にて3分岐され、狭帯域増幅器4と移相
器(Δφ)13と追加された狭帯域増幅器24とに与え
られている。狭帯域増幅器4の出力は、追加された分配
器23で2分岐され、分配器8と追加されたミキサ27
とに与えられている。狭帯域増幅器24の出力は、移相
器(Δφ)25を介して分配器26に入力し、分配器2
6において2分岐され、ミキサ27と遅延フリップフロ
ップ(D/FF)31とに入力される。
【0045】ここで、遅延フリップフロップ(D/F
F)31は、データ入力端子30に印加されるNRZ形
式のデータ信号を、移相器(Δφ)25が出力するクロ
ック信号に同期して取り込む。広帯域増幅器32は、遅
延フリップフロップ(D/FF)31の出力信号を適宜
レベルに増幅して光強度変調器(AM)21に印加す
る。光強度変調器(AM)21は、広帯域増幅器32が
出力するクロック信号に同期したデータ信号によって光
強度変調器(AM)5が出力する強度変調光信号を変調
し、出力端子14に送出する。
【0046】以上の動作過程において、ミキサ27は、
狭帯域増幅器4の出力信号(光位相変調器(PM)3に
印加するクロック信号)と移相器(Δφ)25の出力信
号(光強度変調器(AM)21に印加するクロック信
号)との位相を比較し、位相差および位相の進遅を示す
信号をローパスフィルタ(LPF)28に与える。
【0047】ローパスフィルタ(LPF)28は、ミキ
サ27の出力信号から低周波成分を抽出し、自動遅延補
償回路(ADC)29に与える。自動遅延補償回路(A
DC)29は、ローパスフィルタ(LPF)28の出力
信号に従って移相器(Δφ)25の移相量を制御する。
【0048】その結果、移相器(Δφ)25の出力信号
(光強度変調器(AM)21に印加するクロック信号)
の位相が、光位相変調器(PM)3に印加するクロック
信号の位相と一定の関係を維持するように、光強度変調
器(AM)21に印加するクロック信号の遅延量が制御
される。これにより、出力端子14には、NRZ形式と
比べて長距離伝送に優れたビット同期ずれのないRZ形
式の位相変調信号が得られる。
【0049】この実施の形態3では、データ変調用の光
強度変調器が増えた場合においても、各強度変調器に印
加するクロック信号の位相と光位相変調器に印加するク
ロックの位相とに一定の位相関係を維持させ得るフィー
ドバック制御が行えるようにしているので、光強度変調
器および光位相変調器に印加する信号間の位相関係が常
に一定値となるように制御することができる。
【0050】なお、この実施の形態3では、実施の形態
1の構成に光強度変調器を追加した場合を示したが、実
施の形態2においても同様に光強度変調器を追加して構
成することができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、光位相変調器および光強度変調器に印加するクロッ
ク信号間の位相関係を監視し、その位相関係が常に一定
値となるようにするフィードバック制御が行えるように
したので、光強度変調器および光位相変調器に印加する
クロック信号を増幅する増幅器の伝播遅延時間による送
信信号の品質劣化を抑圧することができるという効果を
奏する。
【0052】つぎの発明によれば、光変調出力信号の一
部を電気変換した電気信号に含まれるクロック成分と光
位相変調器および光強度変調器の一方に印加するクロッ
ク信号との位相関係を監視し、その監視結果に基づき、
光強度変調器および光位相変調器に印加するクロック信
号間の位相関係が常に一定値となるようにするフィード
バック制御が行えるにようしたので、光強度変調器およ
び光位相変調器に印加するクロック信号を増幅する増幅
器の伝播遅延時間による送信信号の品質劣化を抑圧する
ことができるという効果を奏する。
【0053】つぎの発明によれば、光位相変調器と2つ
の光強度変調器を備える場合において、例えば、光位相
変調器に印加するクロック信号に対して、2つの光強度
変調器にそれぞれ印加するクロック信号との位相関係を
それぞれ監視し、それを一定値にすべく2つの光強度変
調器に印加するクロック信号に与える遅延量をそれぞれ
制御するようにしたので、光強度変調器および光位相変
調器に印加する信号を増幅する増幅器の伝播遅延時間に
よる送信信号の品質劣化を抑圧することができる効果を
奏するとともに、送信データを光強度変調器を用いてR
Z形式化することができるので、NRZ形式と比べて長
距離伝送に優れたビット同期ずれのない位相変調信号が
生成できるという効果を奏する。
【0054】つぎの発明によれば、光位相変調器と2つ
の光強度変調器を備える場合において、例えば、光位相
変調器に印加するクロック信号と第1光強度変調器に印
加するクロック信号との位相関係を監視しそれを一定値
にすべく第1光強度変調器に印加するクロック信号に与
える遅延量を制御するとともに、光位相変調器に印加す
るクロック信号と光変調出力信号の一部を電気変換した
電気信号に含まれるクロック成分との位相関係を監視し
それを一定値にすべく第2光強度変調器に印加するクロ
ック信号に与える遅延量を制御するようにしたので、光
強度変調器および光位相変調器に印加する信号を増幅す
る増幅器の伝播遅延時間による送信信号の品質劣化を抑
圧することができるという効果を奏するとともに、送信
データを光強度変調器を用いてRZ形式化することがで
きるので、NRZ形式と比べて長距離伝送に優れたビッ
ト同期ずれのない位相変調信号が生成できるという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1である光送信装置の
構成を示すブロック図である。
【図2】 図1に示したミキサの動作を説明する図であ
る。
【図3】 この発明の実施の形態2である光送信装置の
構成を示すブロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態3である光送信装置の
構成を示すブロック図である。
【図5】 従来の光位相変調器および光強度変調器を備
える光送信装置の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 光源(CW)、2 クロック源(CLK)、3 光
位相変調器、4 狭帯域増幅器、5 光強度変調器、6
狭帯域増幅器、7,8,9 分配器、10ミキサ、1
1 ローパスフィルタ、12 自動遅延補償回路(AD
C)、13移相器、14 出力端子、17 光カプラ、
18 フォトダイオード、21 光強度変調器、22,
23,26 分配器、24 狭帯域増幅器、25 移相
器、27 ミキサ、28 ローパスフィルタ、29 自
動遅延補償回路(ADC)、30 データ入力端子、3
1 遅延フリップフロップ(D/FF)、32 広帯域
増幅器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04B 10/142 10/152 10/26 10/28 (72)発明者 清水 克宏 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 小林 由紀夫 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2H079 BA01 BA03 FA01 5K002 AA01 AA02 CA01 CA14 DA05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と出力端子との間に任意の順序で配
    置されている光位相変調器および光強度変調器と、 前記光位相変調器に印加する第1クロック信号と前記光
    強度変調器に印加する第2クロック信号との位相関係を
    検出する位相比較手段と、 前記位相比較手段が検出する信号に基づいて、前記第1
    クロック信号および第2クロック信号間の位相関係が一
    定値となるように、前記第1クロック信号または前記第
    2クロック信号に与える遅延量を制御する遅延制御手段
    と、 を備えたことを特徴とする光送信装置。
  2. 【請求項2】 光源と出力端子との間に任意の順序で配
    置されている光位相変調器および光強度変調器と、 前記出力端子に送出される光変調出力信号の一部を電気
    変換した電気信号に含まれるクロック成分と、前記光位
    相変調器に印加する第1クロック信号または前記光強度
    変調器に印加する第2クロック信号との位相関係を検出
    する位相比較手段と、 前記第1位相比較手段が検出する信号に基づいて、前記
    第1クロック信号および第2クロック信号間の位相関係
    が一定値となるように、前記第1クロック信号または前
    記第2クロック信号に与える遅延量を制御する遅延制御
    手段と、 を備えたことを特徴とする光送信装置。
  3. 【請求項3】 光源と出力端子との間に任意の順序で配
    置されている光位相変調器および2つの光強度変調器
    と、 前記光位相変調器に印加する第1クロック信号と前記2
    つの光強度変調器の一方に印加する第2クロック信号と
    の位相関係を検出する第1位相比較手段と、 前記第1位相比較手段が検出する信号に基づいて、前記
    第1クロック信号および第2クロック信号間の位相関係
    が一定値となるように、前記第1クロック信号または前
    記第2クロック信号に与える遅延量を制御する第1遅延
    制御手段と、 第3クロック信号に同期してデータ信号を前記2つの光
    強度変調器の他方に印加するデータ入力手段と、 前記第1クロック信号と前記第2クロック信号の一方と
    前記第3クロック信号との位相関係を検出する第2位相
    比較手段と、 前記第2位相比較手段が検出する信号に基づいて、前記
    第1クロック信号と前記第2クロック信号の一方と前記
    第3クロック信号との位相関係が一定値となるように、
    前記第3クロック信号に与える遅延量を制御する第2遅
    延制御手段と、を備えたことを特徴とする光送信装置。
  4. 【請求項4】 光源と出力端子との間に任意の順序で配
    置されている光位相変調器および2つの光強度変調器
    と、 前記光位相変調器に印加する第1クロック信号と前記2
    つの光強度変調器の一方に印加する第2クロック信号と
    の位相関係を検出する第1位相比較手段と、 前記第1位相比較手段が検出する信号に基づいて、前記
    第1クロック信号および第2クロック信号間の位相関係
    が一定値となるように、前記第1クロック信号または前
    記第2クロック信号に与える遅延量を制御する第1遅延
    制御手段と、 第3クロック信号に同期してデータ信号を前記2つの光
    強度変調器の他方に印加するデータ入力手段と、 前記出力端子に送出される光変調出力信号の一部を電気
    変換した電気信号に含まれるクロック成分と、前記第1
    クロック信号または前記第2クロック信号との位相関係
    を検出する第2位相比較手段と、 前記第2位相比較手段が検出する信号に基づいて、前記
    第1クロック信号と前記第2クロック信号の一方と前記
    第3クロック信号との位相関係が一定値となるように、
    前記第3クロック信号に与える遅延量を制御する第2遅
    延制御手段と、 を備えたことを特徴とする光送信装置。
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