JP2002353226A - 熱処理装置及び熱処理方法 - Google Patents

熱処理装置及び熱処理方法

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JP2002353226A JP2002073382A JP2002073382A JP2002353226A JP 2002353226 A JP2002353226 A JP 2002353226A JP 2002073382 A JP2002073382 A JP 2002073382A JP 2002073382 A JP2002073382 A JP 2002073382A JP 2002353226 A JP2002353226 A JP 2002353226A
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Hisashi Otani
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラスなど耐熱性の低い基板を用いた半導体
装置の製造工程において、基板を変形させることなく、
短時間の熱処理で半導体膜に添加した不純物元素の活性
化や、半導体膜のゲッタリング処理をする方法と、その
ような熱処理を可能とする熱処理装置を提供することを
目的とする。 【解決手段】 反応管の上流側からガスを供給する手段
と、反応管の上流側においてガスを加熱する手段と、反
応管の下流側において被処理基板を保持する手段と、前
記ガスを前記反応管の下流側から上流側へ循環させる手
段とを備えている。被処理基板の加熱に用いたガスを循
環させることにより、ガスを加熱する電力を節約するこ
とができる。循環するガスの一部は排気されても良い
が、新たに導入されるガスを予熱するための熱源として
利用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱処理方法及びそ
れを適用した熱処理装置に関する。特に本発明は、ラン
プなどを用いた発熱体からの輻射によりガスを加熱し、
加熱されたガスにより被処理基板又は被処理基板上の形
成物を加熱する熱処理方法及び熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造工程には、半導体又は
半導体基板に対する酸化、拡散、ゲッタリング、イオン
注入後の再結晶化などを目的とした熱処理が組み込まれ
ている。これらの熱処理を行う装置の代表例として、ホ
ットウオール型の横型又は縦型のファーネスアニール炉
が知られている。
【0003】横型又は縦型のファーネスアニール炉は、
多数の基板を一括して処理するバッチ型の装置である。
例えば、縦型のファーネスアニール炉は、石英で形成さ
れたサセプタに基板を水平かつ平行に載置して、上下駆
動するエレベータにより反応管への出し入れを行ってい
る。ベルジャー型の反応管の外周部にはヒーターが設置
され、当該ヒーターにより基板を加熱する構成となって
いる。その構成上、所定の加熱温度に達するまでの昇温
時間及び、取り出し可能な温度まで冷却する降温時間は
比較的長い時間が必要となっている。
【0004】しかしながら、集積回路に用いるMOSト
ランジスタなどは、その微細化に伴って極めて精密な加
工精度が要求されている。特に、浅い接合の形成には不
純物の拡散を最低限にとどめる必要がある。前述のファ
ーネスアニール炉のように昇温及び降温に時間がかかる
工程は、浅い接合の形成を困難にしている。
【0005】瞬間熱アニール(Rapid Thermal Anneal:
以下、RTAと記す)法は急速加熱及び急速冷却を行う
熱処理技術として開発されたものである。RTA法は赤
外線ランプなどを用いて基板又は基板上の形成物を急速
に加熱し、短時間で熱処理を行うことを可能としてい
る。
【0006】一方、薄膜トランジスタ(Thin Film Tran
sistor:以下、TFTという)は、ガラス基板上に直接
集積回路形成することが可能な技術として注目されてい
る。その技術は、液晶表示装置など新しい電子装置への
応用開発が進められている。特に、ガラス基板上に形成
した多結晶半導体膜にソース及びドレイン領域などの不
純物領域を形成するTFTは、活性化や、歪みを緩和す
るための熱処理が必要となっている。しかし、ガラス基
板は歪み点がせいぜい600〜700℃程度であり、耐
熱性が悪く、熱衝撃により簡単に割れてしまうという欠
点を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の縦型又は横型の
ファーネスアニール炉では、集積回路を形成するための
基板が半導体であれ、ガラス又はセラミックのような材
料であれ、基板のサイズが大型化すると、熱処理温度の
均一性を確保することが難しくなる。基板内及び基板間
の温度の均一性を確保するためには、反応管内に流すガ
スの流体としての特性を考えて水平かつ平行に載置する
被処理基板の間隔(ピッチ)を広くする必要がある。例
えば、基板の一辺が500mmを超えると、基板間隔は3
0mm以上開ける必要があるとされている。
【0008】従って、被処理基板が大型化すると、必然
的に装置が大型化してしまう。また、大量の基板を一括
して処理するため、それだけで重量が増し、被処理基板
を載置するためのサセプタも強固なものとする必要があ
る。そのために、さらに重量が増し、被処理基板を搬出
入する機械の動作も遅くなる。さらに、熱処理装置が占
める床面積の増大のみでなく、床の耐荷重を確保するた
めに建物の建築コストにまで影響を及ぼす。このよう
に、装置の大型化は悪循環を及ぼす。
【0009】一方、RTA法は枚葉式の処理が前提であ
り、装置の荷重が極端に増すということはない。しか
し、被処理基板及びその上の形成物の特性により、加熱
手段として用いるランプ光の吸収率に差異が生じる。例
えば、ガラス基板上に金属配線のパターンが形成されて
いる場合には、金属配線が優先的に加熱され、局所的に
歪みが生じて、ひいてはガラス基板が割れてしまうとい
った現象が発生する。そのために、熱処理に当たって
は、昇温速度を調整するなど複雑な制御が要求される。
【0010】本発明は、上記問題点を解決することを目
的とし、ガラスなど耐熱性の低い基板を用いた半導体装
置の製造工程において基板を変形させることなく、短時
間の熱処理で半導体膜に添加した不純物元素の活性化や
ゲッタリング処理をする方法及び、そのような熱処理を
可能とする熱処理装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明における第1の構成の熱処理装置は、反応
管の上流側からガスを供給する手段と、反応管の上流側
においてガスを加熱する手段と、反応管の下流側におい
て被処理基板を保持する手段と、ガスを反応管の下流側
から上流側へ循環させる手段とを備えている。
【0012】上記構成の他に、ガスを吸入する吸気部
と、吸入したガスを排気する排気部とを備えた反応管
と、反応管内において吸入したガスを加熱する加熱手段
と、加熱されたガスを反応管内に配置される被処理基板
に供給する手段と、排気部から排出したガスを吸気部へ
循環させる手段とを備えていても良い。
【0013】反応管は内壁からの汚染を防ぐため、石英
又はセラミックで形成する。加熱手段はハロゲンラン
プ、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、高圧ナト
リウムランプ、キセノンランプから選ばれた一種又は複
数種を適用するが、当該ランプからの輻射光で直接ガス
を加熱すると効率が悪くなる。好ましくは、加熱手段を
発熱手段と、該発熱手段からの熱輻射を吸収する吸熱体
とを組み合わせて形成する。この組合せにより、吸熱体
に輻射光を吸収させて加熱することにより、そこからの
熱伝導によってガスを加熱することができる。吸熱体が
ガスと接する面積を大きくすることにより、熱の伝達効
率を良くすることができる。
【0014】また、被処理基板の加熱に用いたガスを循
環させることにより、ガスを加熱する電力を節約するこ
とができる。循環するガスの一部は排気されても良い
が、新たに導入されるガスを予熱するための熱源として
利用することができる。
【0015】加熱され、循環するガスによる予熱効果を
積極的に利用する構成として、反応管の上流側から熱交
換器を介してガスを供給する手段と、反応管の上流側に
てガスを加熱する手段と、反応管の下流側にて被処理基
板を保持する手段と、ガスを反応管の下流側から熱交換
器へ供給する手段とを備えた熱処理装置とすることもで
きる。
【0016】また、上記構成の他に、ガスを吸入する吸
気部と、吸入したガスを排気する排気部とを有する反応
管と、吸気部の前段に設けられた熱交換器と、熱交換器
を通してガスを供給する手段と、反応管内において、吸
入したガスを加熱する加熱手段と、加熱手段により加熱
されたガスを反応管内に配置される被処理基板に供給す
る手段と、排気部から排出したガスを熱交換器に供給す
る手段とを備えていても良い。
【0017】複数の処理室を設け、加熱されたガスを熱
効率良く利用する形態としては、基板を保持して熱処理
を行う処理室が設けられ、加熱手段により加熱されたガ
スを処理室に供給して基板を加熱する熱処理装置であっ
て、処理室を複数個設け、該処理室に順次加熱されたガ
スを流すことにより複数枚の基板を同時に熱処理するこ
とが可能な熱処理装置である。複数の処理室間を順次流
れるガスは、その温度が一定となるように各処理室間に
補助的な加熱手段を設けても良い。循環する加熱された
ガスは熱交換器を介して新たに導入されるガスを加熱す
る熱源として利用することもできる。
【0018】このような機能を有する第2の構成の熱処
理装置は、ガス供給手段が熱交換器を介して第1のガス
加熱手段の導入口と接続し、第1の処理室の導入口が第
1のガス加熱手段の排出口と接続し、第1の処理室の排
出口が第2のガス加熱手段と導入口と接続し、第2の処
理室の導入口が第2のガス加熱手段の排出口と接続し、
第2の処理室の排出口が熱交換器に接続し、加熱手段に
より加熱されたガスを熱源として基板を加熱するもので
ある。
【0019】上記構成の他に、ガス供給手段から供給さ
れるガスを熱交換器を介して第1の加熱手段に供給し、
第1の加熱手段により加熱したガスを第1の処理室に供
給し、第1の処理室に供給したガスを第2の加熱手段に
供給し、第2の加熱手段により加熱したガスを第2の処
理室に供給し、第2の処理室に供給したガスを熱交換器
に供給してガス供給手段から供給されるガスを加熱する
ための熱源として用い、加熱手段により加熱されたガス
を熱源として基板を加熱するものである。
【0020】処理室は内壁からの汚染を防ぐため石英又
はセラミックで形成する。第1の処理室と第2の処理室
とをガス管で接続し、加熱手段により加熱されたガスを
第1の処理室から第2の処理へ流すことにより、ガスを
加熱するためのエネルギーを節約することができる。勿
論、この間にガスの温度は低下するので、第1の処理室
と第2の処理室との間にはガス加熱手段を設け、処理室
間に流れるガスの温度が一定となるようにする。
【0021】ガス管で接続する処理室の数は任意なもの
とすることができる。即ち、本発明の熱処理装置の他の
構成は、n個(n>2)の処理室とガス加熱手段とを有
し、第m(1≦m≦(n−1))の処理室の導入口が第
mのガス加熱手段の排出口と接続し、第nの処理室の導
入口が第nのガス加熱手段の排出口と接続し、第nの処
理室の排出口が熱交換器に接続し、加熱手段により加熱
されたガスを熱源として基板を加熱する熱処理装置であ
る。
【0022】上記構成の他に、n個(n>2)の処理室
とガス加熱手段とを有し、第m(1≦m≦(n−1))
の加熱手段により加熱したガスを第mの処理室に供給
し、第mの処理室に供給したガスを第m+1の加熱手段
により加熱して第m+1の処理室に供給し、第nの処理
室に供給したガスを熱交換器に供給し、ガス供給手段か
ら供給されるガスを加熱するための熱源として用い、加
熱手段により加熱されたガスを熱源として基板を加熱す
る熱処理装置である。
【0023】また、ガス供給手段は、加熱用のガスとし
て、ガス加熱手段に接続する第1のガス供給手段と、冷
却用のガスとして各処理室に接続する第2のガス供給手
段とを備えた構成とすることができる。加熱用のガス
と、冷却用のガスとを別系統として供給することによ
り、被処理体の加熱に要する時間と、冷却に要する時間
とを短縮することができ、スループットを向上させるこ
とができる。
【0024】このような本発明の熱処理装置の構成は、
第1のガス供給手段と、ガス加熱手段と、複数の処理室
を有し、第1のガス供給手段はガス加熱手段を介して複
数の処理室を直列に連結する配管に接続し、第2のガス
供給手段は、複数の処理室のそれぞれに並列に連結する
配管に接続し、加熱手段により加熱されたガスを熱源と
して基板を加熱するものである。
【0025】加熱したガスで被処理基板を加熱すること
により、被処理基板上に形成物の材質に影響されず、均
一性良く加熱することができる。それにより、局所的な
歪みを発生させることなく熱処理をすることが可能で、
ガラスなども脆い基板でも急速加熱による熱処理を完遂
することが容易となる。
【0026】本発明における第1の構成の熱処理装置を
用いた熱処理方法は、反応管の上流側からガスを供給
し、その上流側に設けられた加熱手段によりガスを加熱
して下流側に流し、当該ガスを反応管の下流側から上流
側へ循環させながら反応管の下流側に設けられた被処理
基板を加熱する方法である。
【0027】また、上記方法の他に、反応管の吸気部か
らガスを供給し、反応管内に設けられた加熱手段により
ガスを加熱して下流側へ流し、反応管の排気部から当該
ガスを排気した後再度吸気部から供給し、ガスを循環さ
せながら反応管内に配置された被処理基板を加熱する方
法である。
【0028】加熱したガスで被処理基板を加熱すること
により、被処理基板上に形成物の材質に影響されず、均
一性良く加熱することができる。それにより、局所的な
歪みを発生させることなく熱処理をすることが可能で、
ガラスなども脆い基板でも急速加熱による熱処理を完遂
することが容易となる。
【0029】本発明の第2の構成を備えた熱処理装置に
よる熱処理方法は、ガス供給手段から熱交換器を介して
第1のガス加熱手段にガスを供給し、第1のガス加熱手
段によりガスを加熱し、加熱された当該ガスを第1の処
理室に供給し、第1の処理室から排出されたガスを第2
のガス加熱手段により加熱し、加熱された当該ガスを第
2の処理室に供給し、第2の処理室から排出された排出
されたガスを熱交換器に供給する、加熱手段により加熱
されたガスを熱源として処理室に配置された基板を加熱
する熱処理方法である。
【0030】また、上記方法の他に、n個(n>2)の
処理室とガス加熱手段によって、第m(1≦m≦(n−
1))の加熱手段により加熱したガスを第mの処理室に
供給し、第mの処理室に供給したガスを第m+1の加熱
手段により加熱して第m+1の処理室に供給し、第nの
処理室に供給したガスを熱交換器に供給し、ガス供給手
段から供給されるガスを加熱するための熱源として用
い、n個の処理室に配置された基板を加熱する熱処理方
法である。
【0031】また、上記方法の他に、第1のガス供給手
段から熱交換器を介して第1のガス加熱手段にガスを供
給し、第1のガス加熱手段によりガスを加熱し、加熱さ
れた当該ガスを第1の処理室に供給し、第1の処理室か
ら排出されたガスを第2のガス加熱手段により加熱し、
加熱された当該ガスを第2の処理室に供給する加熱期間
と、第2のガス供給手段から加熱手段を介さずに第1の
処理室及び第2の処理室にガスを供給して、当該処理室
に配置された基板を冷却する冷却期間とを有する熱処理
方法である。
【0032】また、上記方法の他に、n個(n>2)の
処理室とガス加熱手段によって、第1のガス供給手段か
ら供給される加熱用ガスを、第m(1≦m≦(n−
1))の加熱手段により加熱したガスを第mの処理室に
供給し、第mの処理室に供給したガスを第m+1の加熱
手段により加熱して第m+1の処理室に供給し、第nの
処理室に供給したガスを熱交換器に供給し、ガス供給手
段から供給されるガスを加熱するための熱源として用
い、n個の処理室に配置された基板を加熱する加熱期間
と、第2のガス供給手段から供給される冷却用ガスを、
n個の処理室に供給して、当該処理室に配置された基板
を冷却する冷却期間とを有する熱処理方法である。
【0033】上記発明の構成にあるように加熱されたガ
スを用いることで、金属、半導体、絶縁体などで所定の
パターンが形成されたガラス基板であっても、局所的な
熱歪みを生じさせることなく均一に加熱することが可能
となる。さらに、加熱されたガスを循環させることで熱
効率が向上し、熱処理に要する消費エネルギーを低減す
ることができる。
【0034】本発明において適用されるガスは、窒素ま
たは希ガスによる不活性気体、或いは水素などの還元性
気体、或いは酸素、亜酸化窒素、二酸化窒素などの酸化
性気体を適用することができる。
【0035】窒素または希ガスによる不活性気体を用い
れば、非晶質半導体膜の結晶化のための熱処理、ゲッタ
リングを目的とした熱処理、イオン注入又はイオンドー
ピング(質量分離することなくイオンを注入する方法)
後の再結晶化及び活性化を目的とした熱処理に適用する
ことができる。
【0036】水素などの還元性気体として、水素又は不
活性気体で希釈された水素を用いると、半導体の欠陥
(ダングリングボンド)を補償することを目的とした水
素化処理を行うことができる。
【0037】酸素、亜酸化窒素、二酸化窒素などの酸化
性気体を用いると、半導体基板又は半導体膜に酸化膜を
形成することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]以下、本発明の実
施の形態を図1及び図2を用いて説明する。図1は本発
明の熱処理方法を適用した熱処理装置の一実施形態を示
す断面図であり、図2はそれに対応する上面図を示して
いる。対応を明瞭にするために、図1及び図2において
共通する符号を用いている。
【0039】図1及び図2に示す熱処理装置は、反応管
1101に発熱体1102と吸熱体1104から成る加
熱手段1105、発熱体の制御装置1103、ガス供給
手段1109、1110、圧力制御弁1111が備えら
れている。
【0040】反応管は内壁からの汚染を防ぐため、石英
又はセラミックを用いる。石英は反応管材質として通常
よく用いられる部材である。また、基板のサイズが大型
化した場合には、そのサイズに合わせて石英で反応管を
形成するのは難しいので、その場合にはセラミックを適
用すれば良い。
【0041】加熱手段1105において、発熱体110
2にはハロゲンランプ、メタルハライドランプ、高圧水
銀ランプ、高圧ナトリウムランプ、キセノンランプなど
を用いる。発熱体の制御装置1103はこの発熱体11
02を所定の温度、又は所定の熱輻射が得られるように
制御するためのものである。ガスはこの発熱体1102
の輻射を吸収して、または発熱体1102とガスが接し
て加熱される。また、同図にあるように、発熱体110
2の周囲に石英、SiC、Siなどで形成される吸熱体
1104を設け、発熱体1102からの輻射を一旦吸熱
体1104で吸収し、吸熱体1104からの熱伝導によ
りガスを加熱しても良い。この時、吸熱体1104の表
面にフィンを設け、ガスとの接触面積を大きくするよう
な構造としておくことが望ましい。このように、加熱手
段1105は反応管1101の上流側に設けられる。
【0042】オリフィス板1106、1107は、発熱
体1102が設けられた領域と、基板1120が設置さ
れる領域との間に設けられる。これらのオリフィス板1
106、1107には細孔が設けられ、ガスの流速及び
流れる方向を制御する目的で設けられている。オリフィ
ス板1106はガスを発熱体1102が設置された領域
に滞留させる目的をもって設置され、オリフィス板11
07は基板1102と垂直方向からガスを流入させるた
めに設けている。
【0043】ガスはガス供給手段1109からノズル1
108により熱交換器1119を介して吸気部1112
に導かれ、反応管1101内に導入される。反応管11
01に導入されたガスは発熱体1102が設けられた領
域、オリフィス板1106、1107を通過して、反応
管1101の下流側に位置する排気部1113から排出
される。排出されたガスは、連結間管1114により上
流側に戻され、熱交換器1119を通って吸気部111
2から再度反応管1101に流入する。こうして循環す
るようになっている。また、一部は圧力制御弁1111
から外部へ放出される。圧力制御弁1111は所定の圧
力に反応管1101内を保持するために設ける。
【0044】熱交換器1119では加熱されたガスが循
環し、ノズル1108を加熱することにより、ガス供給
手段1109から供給されるガスをあらかじめ予熱する
ことができる。吸気部1112において、ノズル110
8の先端からガスを噴射することにより、同図で示す矢
印の方向に対流が発生し、循環して熱交換器1119に
戻ってきた加熱されたガスの一部が再度吸気部1112
から反応管1101に流入する。
【0045】勿論、循環するガスは当初の温度よりも低
くなるが、このような閉じた系とすることで熱効率を高
め、消費する電力を節約することができる。連結管11
14の外周にはヒーター1116を設けておいても良い
(1115はヒーターの電源である)。
【0046】被処理基板1120は反応管内で保持手段
1117上に設置する。保持手段1117の構造は被処
理基板1120との接触面積を極力小さくする構成とす
る。反応管1101の一端はゲートバルブ1118が設
けられ、開閉させることにより被処理基板の出し入れを
行っている。被処理基板1120はカセット1122に
載置され、反応管1101への搬出入は搬送手段112
1により行う。搬送手段1121、カセット1122
は、周辺環境から被処理基板1120が汚染されるのを
防ぐため、清浄な空気を送風するクリーンユニット11
23の下に設置することが望ましい。
【0047】以下に、熱処理の手順の一例を示す。被処
理基板が保持手段1117にセットされ、ゲートバルブ
を閉じた後、ガス供給手段から加熱用のガスを供給す
る。反応管内に供給したガスを充満させ置換するまで保
持した後、加熱手段1105によりガスを加熱する。加
熱されたガスはオリフィス板1106、1107を通過
して、被処理基板1120に照射され加熱する。その
後、ガスを排気部1113から熱交換器1119を通過
して再度吸気部1112から反応管1101内に供給さ
れる。この加熱されたガスに循環により被処理基板11
20の熱処理を行う。
【0048】所定の時間が経過した後、加熱手段110
5によるガスの加熱を終了させる。そして、被処理基板
1120を冷却するために冷却用のガスをガス供給手段
1110からガスを供給する。この冷却用ガスを流入さ
せることにより、反応管内のガスの温度が低下して、被
処理基板1120の温度を低下させることができる。そ
の後、ゲートバルブ1118を開け、搬送手段により被
処理基板1120を取り出す。以上のようにして、被処
理基板1120の熱処理を短時間で行うことができる。
【0049】本発明の熱処理方法及びそれを適用した熱
処理装置はバッチ処理を前提としているが、ガスを加熱
して被処理基板を直接加熱するため比較的短時間で昇温
させ、また、高温状態の被処理基板を室温程度のガスで
冷却することにより速やかに降温させることができる。
勿論、ガラスなど熱衝撃に弱い基板を用いる場合には注
意が必要であるが、従来のRTAにおけるように、ラン
プ光により数マイクロ秒〜数秒の瞬間加熱とは異なり、
急激な加熱により基板を破壊してしまうことはない。
【0050】加熱又は冷却に用いるガスは、熱処理の用
途によって選択することができる。窒素または希ガスに
よる不活性気体を用いれば、非晶質半導体膜の結晶化の
ための熱処理、ゲッタリングを目的とした熱処理、イオ
ン注入又はイオンドーピング(質量分離することなくイ
オンを注入する方法)後の再結晶化及び活性化を目的と
した熱処理に適用することができる。水素などの還元性
気体として、水素又は不活性気体で希釈された水素を用
いると、半導体の欠陥(ダングリングボンド)を補償す
ることを目的とした水素化処理を行うことができる。酸
素、亜酸化窒素、二酸化窒素などの酸化性気体を用いる
と、半導体基板又は半導体膜に酸化膜を形成することが
できる。
【0051】処理能力を向上させるためには、図3に示
す構成を適用することができる。図3において、反応管
1201〜1204は図1と同様なものとする。加熱手
段1208及びその制御装置1207、圧力制御弁12
12、ガス供給手段1209、1211が備えられてい
る。
【0052】熱交換器は反応管と1対1で対応させる必
要はなく、同図で示すように、熱交換器1205に反応
管1201、1202を、熱交換器1206に反応管1
203、1204を対応させても良い。複数の反応管に
おいて同じ温度で熱処理を行うことを前提にすれば、こ
のような構成も可能である。それぞれの反応管にはガス
供給手段1209からノズル1210を介してガスが供
給される。その他、搬送手段1213、カセット121
4は図1と同様なものが採用される。
【0053】図3に示す構成の熱処理装置は、反応管1
201、1202と反応管1203、1204とで異な
る温度で、かつ、異なる時間で熱処理をすることを可能
にしている。
【0054】また、図4で示す熱処理装置は、熱交換器
を省略した形態を示している。ここでは、反応管130
1、1302において、加熱手段1305、制御装置1
307、を共通なものとしている。また、反応管130
3、1304において加熱手段1306、制御装置13
07を共通にしている。その他、圧力制御弁1312、
ガス供給手段1310、1311が備えられている。
【0055】図4では熱交換器が省略されて示されてい
るが、ガス供給手段1310から加熱用にガスを供給
し、加熱手段1305、1306内の発熱体1308、
1309で加熱されたガスを循環させる構成は、図1と
同様である。その他、搬送手段1313、カセット13
14は図1と同様なものが採用される。
【0056】図5は複数の反応管を備えた熱処理装置の
構成を示している。反応管1401、加熱手段141
1、制御装置1410、ガス供給手段1412、141
4、熱交換器1413は図1又は図3、図4で説明する
構成のいずれか一つを採用することが可能である。同様
に反応管1402、加熱手段1416、制御装置141
5、ガス供給手段1417、1419、熱交換器141
8が備えられている。搬送手段1403はカセット14
04から被処理体を各反応管に搬出入するためのもので
ある。1406a〜1406cも被処理体を備えたカセ
ットであり、搬送手段1405によりカセット1404
に被処理体を供給する。
【0057】図5は大量バッチ処理方式による熱処理装
置の構成の一例を示したが、この構成及び配置に限定さ
れる必要はなく、その他任意の配置をとることも可能で
ある。本実施の形態で示す熱処理装置は、バッチ処理の
方式であり、加熱したガスにより被処理基板を加熱する
方式なので、基板のサイズが大型化しても均一性良く熱
処理をすることができる。例えば、一辺の長さが100
0mmを超える基板の熱処理に対しても適用することがで
きる。
【0058】このような本発明の熱処理方法及びそれを
用いた熱処理装置の特徴は、被処理基板の形態や大きさ
の制約を受けない。枚葉処理により、被処理基板が大型
化しても頑強なサセプタを必要とせず、その分だけ小型
化を図ることができる。また、加熱手段も大規模なもの
は必要とせず、消費電力を節約することができる。
【0059】[実施の形態2]図10は本発明の熱処理方
法を適用した熱処理装置の一実施形態を示す断面図であ
る。本発明の熱処理装置には複数のガス供給手段と、複
数のガス加熱手段と、複数の処理室と熱交換器が備えら
れている。
【0060】第1のガス供給手段106と熱交換器11
3と第1のガス加熱手段108はガス管10、11によ
り接続されている。第1のガス供給手段106から供給
されたガスは熱交換器113であらかじめ予熱をして第
1の加熱手段108に供給する。第1に加熱手段108
では所定の温度にガスを加熱する。
【0061】第1の加熱手段108の排出口はガス管1
2により第1の処理室101に設けられた導入口に接続
され、加熱されたガスを供給する。第1の処理室101
内には基板保持手段115と、基板に加熱されたガスを
吹き付けるシャワー板116が設けられている。また、
供給されたガスは第1の処理室101に設けられた排出
口から排出される。
【0062】処理室は加熱したガスを導入した際に壁材
からの汚染を防ぐため、石英又はセラミックを用いて形
成する。また、基板のサイズが大型化した場合には、そ
のサイズに合わせて石英で処理室を形成するのは難しい
ので、その場合にはセラミックを適用すれば良い。保持
手段115の構造は基板との接触面積を極力小さくする
構成とする。処理室101に供給されたガスは、シャワ
ー板116を通過して基板に吹き付けられる。シャワー
板116には細かい開口が所定の間隔で形成され、加熱
されたガスが均一に基板に吹き付けられるようにされて
いる。シャワー板116を設けることで基板の面積が大
きくなっても均一性良く加熱することができる。
【0063】このような処理室の構成は、第2の処理室
102、第3の処理室103、第4の処理室104、第
5の処理室105において同様である。
【0064】第1の処理室101に供給された加熱され
たガスは基板保持手段115上に置かれた基板117の
加熱に利用され、その後、第2の処理室102に供給し
て再び基板の加熱に用いる。この過程でガスの温度は低
下するので、第2の加熱手段109により所定の温度と
なるように制御する。ガス管13は第1の処理室101
に設けられた排出口と第2の加熱手段109の導入口と
接続し、ガス管14は第2の加熱手段109の排出口と
第2の処理室102に設けられた導入口とを接続してい
る。図示しないが、これらのガス管には保温手段が設け
られていても良い。
【0065】同様にして、第2の処理室102に供給さ
れた加熱されたガスは、基板の加熱に利用された後、ガ
ス管15により第3のガス加熱手段110に供給され、
ガス管16により第3の処理室103に供給される。第
3の処理室103に供給された加熱されたガスは、ガス
管17により第4のガス加熱手段111に供給され、ガ
ス管18により第4の処理室104に供給される。第4
の処理室104に供給された加熱されたガスは、ガス管
19により第5のガ加熱手段112に供給され、ガス管
20により第5の処理室105に供給される。
【0066】ここで、第2の処理室102と第3の処理
室103の間には第3のガス加熱手段110を間に挿ん
でガス管15、16により接続されている。第3の処理
室103と第4の処理室104の間には第4のガス加熱
手段111を間に挿んでガス管17、18により接続さ
れている。第4の処理室104と第5の処理室105の
間には第5のガス加熱手段112を間に挿んでガス管1
9、20により接続されている。
【0067】このように、第1のガス供給手段106か
ら供給されたガスは、ガス加熱手段により加熱され、第
1の処理室から第5の処理室まで連続的に供給される。
各処理室の間にはガス加熱手段が設けられ、各処理室に
供給するガスの温度が同じになるようにしている。勿
論、処理室の数は必要に応じて任意の数を設置すれば良
く、本実施の形態で示す数に限定されるものではない。
【0068】基板は一つの処理室に一枚づつ設置する。
各処理室をガス管で直列に接続して、連続的に加熱され
たガスを流すことにより、使用するガスの量を節約する
ことができ、また加熱に必要とするエネルギーを節約す
ることができる。
【0069】第2のガス供給手段107は複数個配置さ
れた各処理室に並列にガスを供給する配管22に接続さ
れている。第2のガス供給手段107は加熱された処理
室又は処理基板を冷却するために供給する。供給するの
に適した温度は任意に設定するが、室温程度であっても
構わない。供給されたガスはドレイン管23により処理
室の外部へ排出される。
【0070】熱交換器113は、第1のガス供給手段1
06により供給されるガスをあらかじめ予熱するために
設けたものである。第5の処理室105から排出された
ガスの熱により、第1のガス供給手段から供給されるガ
スを加熱する。第5の処理室105の設けられた排出口
からガス管21により熱交換器113に接続されてい
る。第5の処理室105から排出されたガスは排出され
るが、この熱交換器を通すことにより冷却される。その
熱により供給するガスを加熱する。こうして、ガスを加
熱するために必要とするエネルギーを節約することがで
きる。
【0071】この熱交換器の一例を図13に示す。熱交
換器には高温のガスが流れ込み、図示するようなフィン
が設けられた配管402と、冷えた(通常は室温程度)
ガスが流れ込み、同様にフィンが設けられた配管401
とが設置してある。その筐体400内には熱を伝達する
媒質としてオイル403が充填されている。フィンは熱
交換効率を向上させるために設けられ、このような構成
により、高温のガスはオイル403に熱を伝達し、低温
化されて排出される。その熱により低温のガスは熱交換
器を通過することにより加熱される。ここでは、熱交換
器の簡単な一例を示したが、本発明に熱処理装置に適用
可能な熱交換器の構成は、図13に限定されず他の構成
を採用しても良い。
【0072】図12は、ガス加熱手段の構成の一例を示
す。図12において、ガスを通過させるシリンダー30
1の内側に吸熱体303が設けられている。吸熱体30
3は、高純度のチタンやタングステン、又は炭化珪素や
石英、珪素で形成されたものが採用される。シリンダー
301は透光性の石英などで形成され、その外側に設け
られた光源302の輻射により吸熱体303を加熱す
る。ガスは吸熱体303に接触して加熱されるが、光源
をシリンダー301の外部に設けることにより汚染が防
止され、通過させる気体の純度を維持することができ
る。筐体300の内側は真空に排気し、断熱効果を高め
ても良い。
【0073】次に、図10に示す構成の熱処理装置を用
いた熱処理の手順の一例を示す。第1の処理室101〜
第5の処理室105のそれぞれに基板が保持手段上に配
置された後、第1のガス供給手段106からガスを供給
する。各処理室内や配管内を置換するまでガスは加熱す
ることなく暫く流す。その後、第1のガス加熱手段10
8、第2のガス加熱手段109、第3のガス加熱手段1
10、第4のガス加熱手段111、第5のガス加熱手段
112によりガスを加熱する。加熱された処理室内のガ
スはシャワー板を介して基板に吹き付けられ、基板を加
熱する。加熱されたガスは各処理室を一巡して熱交換器
に供給される。そして、第1のガス供給手段106から
供給されるガスを暖める熱源として利用する。
【0074】所定の時間が経過した後、ガス加熱手段1
08〜112によるガスの加熱を終了させる。そして、
基板を冷却するために冷却用のガスを第2のガス供給手
段107からガスを供給する。この冷却用ガスを流入さ
せることにより、処理室内のガスの温度が低下して、基
板の温度を下げることができる。その後、基板を取り出
すことにより本発明の熱処理装置を用いた熱処理が終了
する。
【0075】処理室と基板の大きさにより、処理室に挿
入することができる基板の枚数は変化するが、一つの処
理室に一枚の基板を挿入することを基本とすると、1回
の熱処理で処理できる基板の枚数は処理室の数で決ま
る。
【0076】また、使用するガスを節約し、熱効率を向
上させるためには、処理室の内容積を可能な限り小さく
することが望ましい。処理室内の寸法は、基板の大きさ
と、基板を出し入れする搬送手段の動作範囲により決定
される。搬送手段が基板を出し入れするためには10mm
程度の動作範囲を要求されるので、処理室の一方の寸法
は、基板の厚さと搬送手段の最低動作範囲により決定さ
れる。
【0077】本発明の熱処理方法及びそれを適用した熱
処理装置はバッチ式の処理を前提としているが、ガスを
加熱して被処理基板を直接加熱するため比較的短時間で
昇温させ、また、高温状態の被処理基板を室温程度のガ
スで冷却することにより速やかに降温させることができ
る。勿論、ガラスなど熱衝撃に弱い基板を用いる場合に
は注意が必要であるが、従来のRTAにおけるように、
ランプ光により数マイクロ秒〜数秒の瞬間加熱とは異な
り、急激な加熱により基板を破壊してしまうことはな
い。
【0078】加熱又は冷却に用いるガスは、熱処理の用
途によって選択することができる。窒素または希ガスに
よる不活性気体を用いれば、非晶質半導体膜の結晶化の
ための熱処理、ゲッタリングを目的とした熱処理、イオ
ン注入又はイオンドーピング(質量分離することなくイ
オンを注入する方法)後の再結晶化及び活性化を目的と
した熱処理に適用することができる。水素などの還元性
気体として、水素又は不活性気体で希釈された水素を用
いると、半導体の欠陥(ダングリングボンド)を補償す
ることを目的とした水素化処理を行うことができる。酸
素、亜酸化窒素、二酸化窒素などの酸化性気体を用いる
と、半導体基板又は半導体膜に酸化膜を形成することが
できる。
【0079】以上説明した、本発明の熱処理方法を適用
した熱処理装置は、さまざまな被処理物の熱処理に適用
することができる。例えば、集積回路を形成する半導体
基板の熱処理、TFTを形成した絶縁基板の熱処理、金
属基板の熱処理などに適用することができる。例えば、
TFTを形成するガラス基板の熱処理に適用することが
できる。その基板のサイズは、600×720mmのみで
なく1200×1600mmなどを適用したとしても、均
一性よく基板を加熱することができる。また、基板を保
持する治具を大型化する必要もない。
【0080】[実施の形態3]図8を用いて本発明の熱処
理方法の一態様を説明する。図1で示す熱処理装置を用
い、熱処理における時間経過(手順)を図8に示す。加
熱用及び冷却用ガスとして窒素(N2)を用いる。ま
た、発熱体にはハロゲンランプを用いる。
【0081】被処理基板は搬送手段によりカセットから
反応管内にセットされ、その後ゲートバルブを閉じる。
その間、反応管内にはガス供給手段から窒素が供給され
続け、外気の混入が最小限となるよう配慮しておく。ゲ
ートバルブを閉じた後、その窒素流量を増加させ、反応
管内を窒素で充満させ置換する。
【0082】そして、窒素流量を増加させ、発熱体であ
るハロゲンランプを点灯させ、窒素を加熱する。加熱す
る温度は発熱体に供給する電力、或いはその電力と窒素
の供給量により調節することができる。加熱温度は概略
100〜1000℃程度まで可能である。
【0083】加熱した窒素で反応管の下流側に置かれた
被処理基板を加熱し、熱処理を行う。その時間は任意な
ものとする。排気部に達した窒素の温度は低下するが、
循環させて再度発熱体により加熱し、被処理体の加熱に
用いる。その後、ハロゲンランプを消灯するまでの期間
が実質的な熱処理期間となる。
【0084】ハロゲンランプを消灯した後、ガス供給手
段より冷却用窒素を供給し、被処理基板の温度を下げ
る。この時、加熱用窒素の流量はそのまま一定を保つ
か、或いは低下させても良い。いずれにしても、ハロゲ
ンランプは消灯しているので、反応管内の窒素の温度は
低下し、それと伴に被処理基板の温度も低下する。降温
の速度は最初急激であり、その後除々に低下する。凡そ
200℃以下となれば、ゲートバルブを開けて被処理基
板を取り出す。その段階になれば、冷却用窒素の供給は
止めても良い。
【0085】このような一連の処理を一サイクルとし、
繰り返すことで多数の基板を連続して処理することがで
きる。
【0086】[実施の形態4]図11は本発明の熱処理装
置の一態様を示す。図11において第1の処理室201
には第1のガス加熱手段207が対応して設けられ、第
2の処理室202には第2のガス加熱手段208が対応
して設けられ、第3の処理室203には第3のガス加熱
手段209が対応して設けられ、第4の処理室204に
は第4のガス加熱手段210が対応して設けられてい
る。また、第1のガス供給手段205、第2のガス供給
手段206、熱交換器211、除害手段212が設けら
れ、これらの配管は実施の形態で説明する熱処理装置と
同様な構成となっている。
【0087】第1のガス供給手段205は加熱用のガス
を供給する。第2のガス供給手段206は冷却用のガス
を供給するものである。
【0088】各処理室にはカセット214に保持された
基板215が搬送手段213により搬送され、保持手段
216上に載置される。各処理室はゲートバルブの開閉
により基板を出し入れする。
【0089】図14は複数の処理室を備えた熱処理装置
の構成を示している。処理室501、502、第1のガ
ス供給手段506、509、第2のガス供給手段50
7、510、ガス加熱手段508、511が設けられて
いる。処理室501、502は複数段重ねられていても
良く、それに対応してガス加熱手段が設けられている。
そのような構成は図11を参照すれば良い。バッファー
カセット503は処理室から搬出した熱処理済みの基板
を一端保持するものであり、ここで基板をさらに冷却す
る。カセット505a〜505cは基板を保持及び輸送
に際し適用されるものである。基板は搬送手段504に
より、カセット505a〜505c、処理室501、5
02、バッファーカセット503間を移動させるために
用いる。
【0090】処理室の段数は、熱処理に要する時間と、
搬送手段の動作速度(即ち基板を移動させられる可能な
速度)により決めることができる。タクトタイムが10
分程度であれば、処理室501、502には3〜10段
を設置することができる。
【0091】図14は大量バッチ処理方式による熱処理
装置の構成の一例を示したが、この構成及び配置に限定
される必要はなく、その他任意の配置をとることも可能
である。ここで示す熱処理装置は、バッチ処理の方式で
あり、加熱したガスにより被処理基板を加熱する方式な
ので、基板のサイズが大型化しても均一性良く熱処理を
することができる。例えば、一辺の長さが1000mmを
超える基板の熱処理に対しても適用することができる。
【0092】このような本発明の熱処理方法及びそれを
用いた熱処理装置の特徴は、被処理基板の形態や大きさ
の制約を受けない。枚葉処理により、被処理基板が大型
化しても頑強なサセプタを必要とせず、その分だけ小型
化を図ることができる。また、加熱手段も大規模なもの
は必要とせず、消費電力を節約することができる。
【0093】[実施の形態5]半導体膜の結晶化及びゲッ
タリングに伴う熱処理を、本発明の熱処理方法及びそれ
を適用した熱処理装置を用いて行う一例を図6を用いて
説明する。
【0094】図6(A)において、基板600はその材
質に特段の限定はないが、好ましくはバリウムホウケイ
酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラス、或いは石英など
を用いることができる。基板600の表面には、ブロッ
キング層601として無機絶縁膜を10〜200nmの厚
さで形成する。好適なブロッキング層の一例は、プラズ
マCVD法で作製される酸化窒化シリコン膜であり、S
iH4、NH3、N2Oから作製される第1酸化窒化シリ
コン膜を50nmの厚さに形成し、SiH4とN2Oから作
製される第2酸化窒化シリコン膜を100nmの厚さに形
成したものを適用する。ブロッキング層601はガラス
基板に含まれるアルカリ金属がこの上層に形成する半導
体膜中に拡散しないために設けるものであり、石英を基
板とする場合には省略することも可能である。
【0095】ブロッキング層601の上に形成する非晶
質構造を有する半導体膜(第1の半導体膜)602は、
シリコンを主成分とする半導体材料を用いる。代表的に
は、非晶質シリコン膜又は非晶質シリコンゲルマニウム
膜などが適用され、プラズマCVD法や減圧CVD法、
或いはスパッタ法で10〜100nmの厚さに形成する。
良質な結晶を得るためには、非晶質構造を有する半導体
膜502に含まれる酸素、窒素などの不純物濃度を5×
1018/cm3以下に低減させておくと良い。これらの不純
物は非晶質半導体の結晶化を妨害する要因となり、また
結晶化後においても捕獲中心や再結合中心の密度を増加
させる要因となる。そのために、高純度の材料ガスを用
いることはもとより、反応室内の鏡面処理(電界研磨処
理)やオイルフリーの真空排気系を備えた超高真空対応
のCVD装置を用いることが望ましい。
【0096】その後、非晶質構造を有する半導体膜60
2の表面に、結晶化を促進する触媒作用のある金属元素
を添加する。半導体膜の結晶化を促進する触媒作用のあ
る金属元素としては鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コ
バルト(Co)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(R
h)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリ
ジウム(Ir)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(A
u)などであり、これらから選ばれた一種または複数種
を用いることができる。代表的にはニッケルを用い、重
量換算で1〜100ppmのニッケルを含む酢酸ニッケル
塩溶液をスピナーで塗布して触媒含有層603を形成す
る。ニッケルの含有量が多い程短時間で結晶化を遂行す
ることができる。
【0097】この場合、当該溶液の馴染みをよくするた
めに、非晶質構造を有する半導体膜602の表面処理と
して、オゾン含有水溶液で極薄い酸化膜を形成し、その
酸化膜をフッ酸と過酸化水素水の混合液でエッチングし
て清浄な表面を形成した後、再度オゾン含有水溶液で処
理して極薄い酸化膜を形成しておく。シリコンなど半導
体膜の表面は本来疎水性なので、このように酸化膜を形
成しておくことにより酢酸ニッケル塩溶液を均一に塗布
することができる。
【0098】勿論、触媒含有層603はこのような方法
に限定されず、スパッタ法、蒸着法、プラズマ処理など
により形成しても良い。また、触媒含有層603は非晶
質構造を有する半導体膜602を形成する前、即ちブロ
ッキング層601上に形成しておいても良い。
【0099】非晶質構造を有する半導体膜602と触媒
含有層603とを接触した状態を保持したまま結晶化の
ための熱処理を行う。熱処理は図10で示す構成の熱処
理装置を用いる。図15はその熱処理の過程を説明する
グラフであり、以下そのグラフを参照してこの熱処理過
程を説明する。
【0100】加熱用のガスには窒素、アルゴンなどを用
いることができる。非晶質半導体膜が形成された基板6
00は搬送手段によりカセットから反応管内にセットさ
れ、その後ゲートバルブを閉じる。その間、反応管内に
はガス供給手段から窒素が供給され続け、外気の混入が
最小限となるよう配慮しておく。ゲートバルブを閉じた
後、その窒素流量を増加させ、反応管内を窒素で充満さ
せ置換する。
【0101】そして、窒素流量を増加させ、ガス加熱手
段により供給される窒素ガスを第1の温度に加熱する。
加熱する温度は発熱体に供給する電力、或いはその電力
と窒素の供給量により調節することができる。ここで
は、第1の温度として550±50℃とし基板を加熱す
る(図15で示す昇温1の段階)。この温度に昇温する
ために必要な時間は2分で済む。
【0102】基板が第1の温度になったら、その状態を
3分保持する。この段階で、非晶質半導体膜に結晶核が
形成される(図15で示す核形成の段階)。その後、結
晶化をするために第2の温度に加熱する。加熱用の窒素
ガスを675±25℃にして基板を加熱する(図15で
示す昇温2の段階)。第2の温度に達したらその温度を
5分間保持して結晶化を行う(図15で示す結晶化の段
階)。勿論、これまでの期間、加熱用の窒素ガスは供給
を続ける。
【0103】所定の時間が過ぎたら、加熱用の窒素ガス
の供給を止め、冷却用の窒素ガスを供給する。それは室
温程度で窒素ガスで良い。すると基板は急速に冷却され
る(図15で示す降温の段階)。この時間は3分程度で
ある。300℃程度まで基板が冷えたら搬送手段により
基板を処理室から取り出し、バッッファーカセットに基
板を移載する。ここでさらに150℃以下にまで基板を
冷却する(図16で示す移載の段階)。その後、カセッ
トに基板を移載することにより結晶化のための熱処理が
終了する。
【0104】基板を熱処理装置に搬入し、熱処理してか
ら取り出すまでの時間は13分である。このように本発
明の熱処理装置及び熱処理方法を用いることにより、結
晶化のための熱処理をきわめて短時間で行うことができ
る。
【0105】こうして、図6(B)に示す結晶構造を有
する半導体膜(第1の半導体膜)604を得ることがで
きる。
【0106】さらに結晶化率(膜の全体積における結晶
成分の割合)を高め、結晶粒内に残される欠陥を補修す
るためには、図6(C)で示すように結晶構造を有する
半導体膜604に対してレーザー光を照射することも有
効である。レーザーには波長400nm以下のエキシマレ
ーザー光や、YAGレーザーの第2高調波、第3高調波
を用いる。いずれにしても、繰り返し周波数10〜10
00Hz程度のパルスレーザー光を用い、当該レーザー光
を光学系にて100〜400mJ/cm2に集光し、90〜9
5%のオーバーラップ率をもって結晶構造を有する半導
体膜604に対するレーザー処理を行っても良い。
【0107】このようにして得られる結晶構造を有する
半導体膜(第1の半導体膜)605には、触媒元素(こ
こではニッケル)が残存している。それは膜中において
一様に分布していないにしろ、平均的な濃度とすれば、
1×1019/cm3を越える濃度で残存している。勿論、こ
のような状態でもTFTをはじめ各種半導体素子を形成
することが可能であるが、以降に示す方法でゲッタリン
グにより当該元素を除去する。
【0108】まず、図6(D)に示すように結晶構造を
有する半導体膜605の表面に薄いバリア層606を形
成する。バリア層の厚さは特に限定されないが、簡便に
はオゾン水で処理することにより形成されるケミカルオ
キサイドで代用しても良い。また、硫酸、塩酸、硝酸な
どと過酸化水素水を混合させた水溶液で処理しても同様
にケミカルオキサイドを形成することができる。他の方
法としては、酸化雰囲気中でのプラズマ処理や、酸素含
有雰囲気中での紫外線照射によりオゾンを発生させて酸
化処理を行っても良い。また、クリーンオーブンを用
い、200〜350℃程度に加熱して薄い酸化膜を形成
しバリア層としても良い。或いは、プラズマCVD法や
スパッタ法、蒸着法などで1〜5nm程度の酸化膜を堆積
してバリア層としても良い。
【0109】その上にプラズマCVD法やスパッタ法で
半導体膜(第2の半導体膜)607を25〜250nmの
厚さで形成する。代表的には非晶質シリコン膜を選択す
る。この半導体膜607は後に除去するので、結晶構造
を有する半導体膜605とエッチングの選択比を高くす
るため、密度の低い膜としておくことが望ましい。例え
ば、非晶質シリコン膜をプラズマCVD法で形成する場
合には、基板温度を100〜200℃程度として、膜中
に水素を25〜40原子%含ませておく。スパッタ法を
採用する場合も同様であり、基板温度を200℃以下と
してアルゴンと水素の混合ガスでスパッタすることによ
り水素を多量に膜中に含ませることができる。また、ス
パッタ法やプラズマCVD法で成膜時に希ガス元素を添
加させておくと、膜中に希ガス元素を同時に取り込ませ
ることができる。こうして取り込まれる希ガス元素をも
っても、ゲッタリングサイトを形成することができる。
【0110】その後、イオンドープ法又はイオン注入法
により、半導体膜607に希ガス元素が1×1020
2.5×1022/cm3の濃度で含まれるように添加する。
加速電圧は任意なものとするが、希ガス元素であるため
注入される希ガスのイオンが半導体膜607とバリア層
606を通り抜け、一部が結晶構造を有する半導体膜6
05にまで達しても構わない。希ガス元素は半導体膜中
でそれ自体は不活性であるため、半導体膜605の表面
近傍において1×1013〜1×1020/cm3程度の濃度で
含まれている領域があっても、素子特性にさほど影響は
ない。また、半導体膜607を形成する段階で希ガス元
素を添加しておいても良い。
【0111】希ガス元素としてはヘリウム(He)、ネ
オン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(K
r)、キセノン(Xe)から選ばれた一種または複数種
を用いる。本発明はゲッタリングサイトを形成するため
にこれら希ガス元素をイオンソースとして用い、イオン
ドープ法或いはイオン注入法で半導体膜に注入する。こ
れら希ガス元素のイオンを注入する意味は二つある。一
つは注入によりダングリングボンドを形成し半導体膜に
歪みを与えることであり、他の一つは半導体膜の格子間
に当該イオンを注入することで歪みを与えることであ
る。不活性ガスのイオンを注入はこの両者を同時に満た
すことができるが、特に後者はアルゴン(Ar)、クリ
プトン(Kr)、キセノン(Xe)などシリコンより原
子半径の大きな元素を用いた時に顕著に得られる。
【0112】ゲッタリングを確実に成し遂げるにはその
後熱処理をすることが必要となる。図16はその熱処理
の過程を説明するグラフであり、以下そのグラフを参照
してこの熱処理過程を説明する。熱処理は同様に本発明
の熱処理装置を用いる。また、多数の基板を効率良く処
理するためには図14のように構成した装置を用いるこ
とが望ましい。加熱用のガスには窒素、アルゴンなどを
用いることができる。
【0113】加熱用のガスには窒素、アルゴンなどを用
いることができる。図6(D)の構造が形成された基板
600は搬送手段によりカセットから反応管内にセット
され、その後ゲートバルブを閉じる。その間、反応管内
にはガス供給手段から窒素が供給され続け、外気の混入
が最小限となるよう配慮しておく。ゲートバルブを閉じ
た後、その窒素流量を増加させ、反応管内を窒素で充満
させ置換する。
【0114】そして、窒素流量を増加させ、ガス加熱手
段により供給される窒素ガスを第3の温度に加熱する。
加熱する温度は発熱体に供給する電力、或いはその電力
と窒素の供給量により調節することができる。ここで
は、第3の温度として675±25℃とし、基板を加熱
する(図16で示す昇温の段階)。この温度に昇温する
のに必要な時間は2分である。
【0115】基板が第3の温度になったら、その状態を
3分保持する。これによりゲッタリングが成される(図
16で示すゲッタリングの段階)。ゲッタリングは、被
ゲッタリング領域(捕獲サイト)にある触媒元素が熱エ
ネルギーにより放出され、拡散によりゲッタリングサイ
トに移動する。従って、ゲッタリングは処理温度に依存
し、より高温であるほど短時間でゲッタリングが進むこ
とになる。図6(E)において矢印で示すように、触媒
元素が移動する方向は半導体膜の厚さ程度の距離であ
り、ゲッタリングは比較的短時間で完遂する。
【0116】所定の時間が過ぎたら、加熱用の窒素ガス
の供給を止め、冷却用の窒素ガスを供給する。それは室
温程度の窒素ガスで良い。すると基板は急速に冷却され
る(図16で示す降温の段階)。この時間は3分程度で
ある。300℃程度まで基板が冷えたら搬送手段により
基板を処理室から取り出し、バッッファーカセットに基
板を移載する。ここでさらに150℃以下にまで基板を
冷却する図16で示す移載の段階)。その後、カセット
に基板を移載することによりゲッタリングのための熱処
理が終了する。
【0117】基板を熱処理装置に搬入し、熱処理してか
ら取り出すまでの時間は9分である。このように本発明
の熱処理装置及び熱処理方法を用いることにより、ゲッ
タリングのための熱処理をきわめて短時間で行うことが
できる。
【0118】尚、この熱処理によっても1×1020/cm3
以上の濃度で希ガス元素を含む半導体膜607は結晶化
することはない。これは、希ガス元素が上記処理温度の
範囲においても再放出されず膜中に残存して、半導体膜
の結晶化を阻害するためであると考えられる。
【0119】その後、非晶質半導体607を選択的にエ
ッチングして除去する。エッチングの方法としては、C
lF3によるプラズマを用いないドライエッチング、或
いはヒドラジンや、テトラエチルアンモニウムハイドロ
オキサイド(化学式 (CH34NOH)を20〜30
%、好ましくは25%の濃度含む水溶液を用い、50℃
に加熱して行うことにより容易に除去することができ
る。この時バリア層606はエッチングストッパーとな
り、殆どエッチングされずに残る。バリア層606はそ
の後フッ酸により除去すれば良い。
【0120】こうして図6(F)に示すように触媒元素
の濃度が1×1017/cm3以下にまで減じられた結晶構造
を有する半導体膜608を得ることができる。こうして
形成された結晶構造を有する半導体膜608は、触媒元
素の作用により細い棒状又は細い扁平棒状結晶として形
成され、その各々の結晶は巨視的に見ればある特定の方
向性をもって成長している。このような結晶構造を有す
る半導体膜608はTFTの活性層のみでなく、フォト
センサや太陽電池の光電変換層にも適用することができ
る。
【0121】[実施の形態6]実施の形態5により作製さ
れる半導体膜を用いてTFTを作製する方法を図7を用
いて説明する。本実施の形態にて説明するTFTの作製
工程においても本発明の熱処理方法及び熱処理装置を用
いるこができる。
【0122】まず、図7(A)において、アルミノホウ
ケイ酸ガラスまたはバリウムホウケイ酸ガラスなどによ
る透光性の基板700上に実施の形態4で作製された半
導体膜から、島状に分離された半導体膜702、703
を形成する。また、基板700と半導体膜との間には、
窒化シリコン、酸化シリコン、窒化酸化シリコンから選
ばれた一つまたは複数種を組み合わせた第1絶縁膜70
1を50〜200nmの厚さで形成する。
【0123】その後、図7(B)に示すように、そし
て、第2絶縁膜704を80nmの厚さで形成する。第2
絶縁膜704はゲート絶縁膜として利用するものであ
り、プラズマCVD法またはスパッタ法を用いて形成す
る。第2絶縁膜704として、SiH4とN2OにO2
添加させて作製する酸化窒化シリコン膜は膜中の固定電
荷密度を低減させることが可能となり、ゲート絶縁膜と
して好ましい材料である。勿論、ゲート絶縁膜はこのよ
うな酸化窒化シリコン膜に限定されるものでなく、酸化
シリコン膜や酸化タンタル膜などの絶縁膜を単層または
積層構造として用いても良い。
【0124】第2絶縁膜704上にゲート電極を形成す
るための第1導電膜を形成する。第1導電膜の種類に限
定はないが、アルミニウム、タンタル、チタン、タング
ステン、モリブデンなどの導電性材料またはこれらの合
金を適用することができる。このような材料をもちいた
ゲート電極の構造は、窒化タンタル又は窒化チタンとタ
ングステン又はモリブデンタングステン合金の積層構
造、タングステンとアルミニウム又は銅の積層構造など
を採用することができる。アルミニウムを用いる場合に
は、耐熱性を高めるためにチタン、スカンジウム、ネオ
ジウム、シリコン、銅などを0.1〜7重量%添加した
ものを用いる。第1の導電膜は300nmの厚さで形成す
る。
【0125】その後、レジストパターンを形成し、ゲー
ト電極705、706を形成する。また、図示しない
が、ゲート電極に接続する配線も同時に形成することが
できる。
【0126】図7(C)に示すように、このゲート電極
をマスクとして、自己整合的にn型半導体領域707、
708を形成する。ドーピングはイオン注入法又はイオ
ンドーピング法(ここでは、質量分離しないイオンを注
入する方法をいう)で燐を注入する。この領域の燐濃度
は1×1020〜1×1021/cm3の範囲となるようにす
る。
【0127】続いて、図7(D)に示すように一方の半
導体膜703を覆うマスク709を形成し、半導体膜7
02にp型半導体領域710を形成する。添加する不純
物は硼素を用い、n型を反転するために燐よりも1.5
〜3倍の濃度で添加する。この領域の燐濃度は1.5×
1020〜3×1021/cm3の範囲となるようにする。
【0128】その後、図7(E)に示すように酸化窒化
シリコン膜または窒化シリコン膜から成る第3絶縁膜7
11をプラズマCVD法で50nmの厚さに形成する。
【0129】そして、n型及びp型の半導体領域の結晶
性の回復と、活性化のために熱処理を行う。熱処理は、
図1で示す構成の熱処理装置を用い、実施の形態3で示
す手順により行うことができる。また、多数の基板を効
率良く処理するためには図3又は図4の装置を用いても
良いし、図10又は図11の構成の装置を用いても良
い。
【0130】加熱用のガスには窒素、アルゴンなどを用
いることができる。活性化は、ガスを450〜700℃
の温度に加熱して、10〜3600秒の熱処理を行う。
また、ガスに水素を添加した還元雰囲気としても良い。
添加した水素により水素化を同時に行うこともできる。
【0131】ガラス基板上にゲート電極が形成された状
態でRTA法による熱処理を行った場合には、ゲート電
極がランプ光の輻射を選択的に吸収して、局所的に加熱
されガラス基板を破損してしまう場合がある。本発明に
よる熱処理はガスによる加熱であるためそのような影響
がない。
【0132】図7(F)に示す第4絶縁膜712は、酸
化シリコン膜、酸化窒化シリコンで形成する。または、
ポリイミドまたはアクリルなどの有機絶縁物材料で形成
し表面を平坦化しても良い。
【0133】次いで、第4絶縁膜712の表面から各半
導体膜の不純物領域に達するコンタクトホールを形成
し、Al、Ti、Taなどを用いて配線を形成する。図
7(F)において713、714はソース線またはドレ
イン電極となる。こうしてnチャネル型TFTとpチャ
ネル型TFTを形成することができる。ここではそれぞ
れのTFTを単体として示しているが、これらのTFT
を使ってCMOS回路やNMOS回路、PMOS回路を
形成することができる。
【0134】[実施の形態7]本発明の熱処理方法及それ
を適用した熱処理装置において、加熱するガスに不活性
ガスと、酸素、亜酸化窒素、二酸化窒素から選ばれた一
種を混合し、酸化性ガスとすることで、半導体の表面に
酸化膜を形成することが可能である。
【0135】図9はその一例であり、加熱用のガスとし
て窒素に酸素を1〜30%混合し、850〜1000℃
の熱処理を行うことにより、単結晶シリコン基板に素子
分離用のフィールド酸化膜やゲート絶縁膜を形成するこ
とができる。
【0136】図9(A)において、比較的高抵抗(例え
ば、n型、10Ωcm程度)の単結晶シリコンから成る基
板801に、nウエル802、pウエル803を形成す
る。その後、フィールド酸化膜805を加熱用のガスと
して酸素と窒素の混合ガスを用い、本発明の熱処理方法
を用いて形成する。このとき、ボロン(B)を選択的に
イオン注入法により半導体基板に導入し、チャネルスト
ッパーを形成しても良い。加熱温度は800〜1000
℃とする。
【0137】そして、同様にゲート絶縁膜となる酸化シ
リコン膜806の形成を行う。フィールド酸化膜80
5、酸化シリコン膜806の形成に用いる装置は、図1
又は図3、又は図4に示す構成の装置のどれを用いても
良い。
【0138】続いて、図9(B)で示すようにゲート用
の多結晶シリコン膜をCVD法により100〜300nm
の厚さで形成する。このゲート用の多結晶シリコン膜
は、低抵抗化するために予め1021/cm3程度の濃度でリ
ン(P)をドープしておいても良いし、多結晶シリコン
膜を形成した後で濃いn型不純物を拡散させても良い。
ここでは、さらに低抵抗化するためにこの多結晶シリコ
ン膜上にシリサイド膜を50〜300nmの厚さで形成す
る。シリサイド材料は、モリブデンシリサイド(MoS
ix)、タングステンシリサイド(WSix)、タンタ
ルシリサイド(TaSix)、チタンシリサイド(Ti
Six)などを適用することが可能であり、公知の方法
に従い形成すれば良い。そして、この多結晶シリコン膜
とシリサイド膜をエッチングしてゲート807、808
を形成する。ゲート807、808は、多結晶シリコン
膜807a、808aとシリサイド膜807b、808
bの2層構造を有している。
【0139】その後、図9(C)に示すように、サイド
ウオール816、817を形成し、イオン注入法により
nチャネル型MOSトランジスタのソース及びドレイン
領域820、pチャネル型MOSトランジスタのソース
及びドレイン領域824を形成する。勿論、これらのソ
ース及びドレイン領域の再結晶化及び活性化を目的とし
た熱処理にも本発明の熱処理方法及び熱処理装置を適用
することができる。加熱温度は700〜1000℃、好
ましくは950℃となるように加熱用の窒素ガスを加熱
手段により加熱する。この熱処理によって、不純物が活
性化し、ソース及びドレイン領域の低抵抗化が図られ
る。
【0140】このようにして、nチャネル型MOSトラ
ンジスタ331とpチャネル型MOSトランジスタ33
0が完成する。本実施形態で説明したトランジスタの構
造はあくまで一実施形態であり、図9に示した作製工程
及び構造に限定される必要はない。これらのトランジス
タを使ってCMOS回路やNMOS回路、PMOS回路
を形成することができる。また、シフトレジスタ、バッ
ファ、サンプリング、D/Aコンバータ、ラッチ、など
の各種回路を形成することが可能であり、メモリ、CP
U、ゲートアレイ、RISCなどの半導体装置を作製す
ることができる。そしてこのような回路は、MOSで構
成されることにより高速動作が可能であり、また、駆動
電圧を3〜5Vとして低消費電力化をすることもでき
る。
【0141】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
被処理基板の熱処理を、被処理基板の形態や大きさの制
約を受けることはなく、被処理基板が大型化しても頑強
なサセプタを必要とせず、その分だけ小型化を図ること
ができる。本発明の熱処理方法及びそれを適用した熱処
理装置は、バッチ処理の方式であり、加熱したガスによ
り被処理基板を加熱する方式なので、基板のサイズが大
型化しても均一性良く熱処理をすることができ、一辺の
長さが1000mmを超える基板の熱処理に対しても適用
することができる。そのための、加熱手段も大規模なも
のは必要とせず、小電力化を図った熱処理装置を実現す
ることができる。
【0142】被処理基板に対する熱処理は、非晶質半導
体膜の結晶化、ゲッタリング、不純物の活性化、水素
化、半導体表面の酸化などを行うことができる。このよ
うな処理を半導体素子の製造工程に組み入れることによ
り、大面積基板に集積回路を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の熱処理方法を適用した熱処理装置の
一実施形態を示す断面構造図。
【図2】 本発明の熱処理方法を適用した熱処理装置の
一実施形態を示す上面構造図。
【図3】 本発明の熱処理方法を適用した熱処理装置の
一実施形態を示す断面構造図。
【図4】 本発明の熱処理方法を適用した熱処理装置の
一実施形態を示す断面構造図。
【図5】 本発明の熱処理方法を適用した熱処理装置の
一実施形態を示す断面構造図。
【図6】 本発明の熱処理方法及び熱処理装置を適用し
た、半導体膜を作製工程を説明する断面図。
【図7】 本発明の熱処理方法及び熱処理装置を適用し
た、TFTを作製工程を説明する断面図。
【図8】 本発明の熱処理方法を説明する概念図。
【図9】 本発明の熱処理方法及び熱処理装置を適用し
た、半導体基板の熱処理工程を説明する断面図。
【図10】 本発明の熱処理方法を適用した熱処理装置
の一実施形態を示す断面構造図。
【図11】 本発明の熱処理方法を適用した熱処理装置
の一実施形態を示す断面構造図。
【図12】 本発明の熱処理装置に適用可能なガス加熱
手段の一例を説明する図。
【図13】 本発明の熱処理装置に適用可能な熱交換器
の一例を説明する図。
【図14】 本発明の熱処理方法を適用した熱処理装置
の一実施形態を示すレイアウト図。
【図15】 本発明の熱処理方法を用いた結晶化工程に
おける基板温度の変化を説明するグラフ。
【図16】 本発明の熱処理方法を用いたゲッタリング
工程における基板温度の変化を説明するグラフ。
【符号の説明】
101 第1の処理室、102 第2の処理室、103
第3の処理室、104第4の処理室、105 第5の
処理室、106 第1のガス供給手段、107 第2の
ガス供給手段、108 第1のガス加熱手段、109
第2のガス加熱手段、110 第3のガス加熱手段、1
11 第4のガス加熱手段、112 第5のガス加熱手
段、113 熱交換器、114 除害手段、115基板
保持手段、116 シャワー板 1101 反応管、1105 加熱手段、1106、1
107 オリフィス板、1109 ガス供給手段、11
10 冷却用ガス供給手段、1112 吸気部、111
3 排気部、1114 連結管、1116 ヒーター、
1121 搬送手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/31 H01L 21/31 E Fターム(参考) 5F045 AA20 BB08 DP04 EE01 EK01 5F052 AA02 AA11 AA24 BB02 BB07 CA09 CA10 DA02 DA03 DB03 DB05 DB07 EA12 EA16 FA06 JA01 JA04 JA08 JA09

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反応管と、前記反応管の上流側からガスを
    供給する手段と、前記反応管の上流側において前記ガス
    を加熱する手段と、前記反応管の下流側において被処理
    基板を保持する手段と、前記ガスを前記反応管の下流側
    から上流側へ循環させる手段とを備えたことを特徴とす
    る熱処理装置。
  2. 【請求項2】反応管と、前記反応管の上流側からガスを
    供給する手段と、前記反応管の上流側に設けられた発熱
    手段と、該発熱手段からの熱輻射を吸収する吸熱体と、
    前記反応管の下流側において被処理基板を保持する手段
    と、前記ガスを前記反応管の下流側から排気した後再度
    上流側から供給させる循環手段とを備えたことを特徴と
    する熱処理装置。
  3. 【請求項3】ガスを吸入する吸気部と吸入した前記ガス
    を排気する排気部とを備えた反応管と、前記反応管内に
    おいて吸入した前記ガスを加熱する加熱手段と、前記加
    熱手段により加熱された前記ガスを前記反応管内に配置
    される被処理基板に供給する手段と、前記排気部から排
    出した前記ガスを前記吸気部へ循環させる手段とを備え
    たことを特徴とする熱処理装置。
  4. 【請求項4】ガスを吸入する吸気部と吸入した前記ガス
    を排気する排気部とを備えた反応管と、前記反応管内に
    おいて吸入した前記ガスを加熱する発熱手段と、該発熱
    手段からの熱輻射を吸収する吸熱体とから成る加熱手段
    と、前記加熱手段により加熱された前記ガスを前記反応
    管内に配置される被処理基板に供給する手段と、前記排
    気部から排出した前記ガスを前記吸気部へ循環させる手
    段とを備えたことを特徴とする熱処理装置。
  5. 【請求項5】反応管と、前記反応管の上流側から熱交換
    器を介してガスを供給する手段と、前記反応管の上流側
    において前記ガスを加熱する手段と、前記反応管の下流
    側において被処理基板を保持する手段と、前記ガスを前
    記反応管の下流側から前記熱交換器へ供給する手段とを
    備えたことを特徴とする熱処理装置。
  6. 【請求項6】ガスを吸入する吸気部と、吸入した前記ガ
    スを排気する排気部とを有する反応管と、前記吸気部の
    前段に設けられた熱交換器と、前記熱交換器を通してガ
    スを供給する手段と、前記反応管内において吸入した前
    記ガスを加熱する加熱手段と、前記加熱手段により加熱
    された前記ガスを前記反応管内に配置される被処理基板
    に供給する手段と、前記排気部から排出した前記ガスを
    前記熱交換器に供給する手段とを備えたことを特徴とす
    る熱処理装置。
  7. 【請求項7】加熱手段により加熱されたガスを熱源とし
    て基板を加熱する熱処理装置であって、ガス供給手段が
    熱交換器を介して第1のガス加熱手段の導入口と接続
    し、第1の処理室の導入口が前記第1のガス加熱手段の
    排出口と接続し、前記第1の処理室の排出口が第2のガ
    ス加熱手段の導入口と接続し、第2の処理室の導入口が
    前記第2のガス加熱手段の排出口と接続し、前記第2の
    処理室の排出口が熱交換器に接続していることを特徴と
    する熱処理装置。
  8. 【請求項8】加熱手段により加熱されたガスを熱源とし
    て基板を加熱する熱処理装置であって、n個(n>2)
    の処理室とガス加熱手段とを有し、第m(1≦m≦(n
    −1))の処理室の導入口が第mのガス加熱手段の排出
    口と接続し、第nの処理室の導入口が第nのガス加熱手
    段の排出口と接続し、前記第nの処理室の排出口が熱交
    換器に接続していることを特徴とする熱処理装置。
  9. 【請求項9】加熱手段により加熱されたガスを熱源とし
    て基板を加熱する熱処理装置であって、第1のガス供給
    手段と、ガス加熱手段と、複数の処理室を有し、第1の
    ガス供給手段はガス加熱手段を介して前記複数の処理室
    を直列に連結する配管に接続し、前記第2のガス供給手
    段は、前記複数の処理室のそれぞれに並列に連結する配
    管に接続していることを特徴とする熱処理装置。
  10. 【請求項10】請求項1乃至請求項9のいずれか一にお
    いて、前記ガスとして窒素または希ガスが適用されてい
    ることを特徴とする熱処理装置。
  11. 【請求項11】請求項1乃至請求項9のいずれか一にお
    いて、前記ガスとして還元性ガスが適用されていること
    を特徴とする熱処理装置。
  12. 【請求項12】請求項1乃至請求項9のいずれか一にお
    いて、前記ガスとして酸化性ガスが適用されていること
    を特徴とする熱処理装置。
  13. 【請求項13】反応管の上流側からガスを供給し、前記
    反応管の上流側に設けられた加熱手段により前記ガスを
    加熱して下流側に流し、前記ガスを前記反応管の下流側
    から上流側へ循環させながら前記反応管の下流側に設け
    られた被処理基板を加熱することを特徴とする熱処理方
    法。
  14. 【請求項14】反応管の上流側からガスを供給し、前記
    反応管の上流側に設けられた発熱手段と該発熱手段の熱
    輻射を吸収する吸熱体とにより前記ガスを加熱して下流
    側へ流し、前記ガスを前記反応管の下流側から排気した
    後、再度上流側から供給し、循環させながら前記反応管
    の下流側に保持された被処理基板を加熱することを特徴
    とする熱処理方法。
  15. 【請求項15】反応管の吸気部からガスを供給し、前記
    反応管の上流側に設けられた発熱手段と該発熱手段の熱
    輻射を吸収する吸熱体とにより前記ガスを加熱して下流
    側へ流し、前記反応管の排気部から排気されたガスを前
    記吸気部へ供給し、循環させながら前記加熱されたガス
    により前記反応管内に配置された被処理基板を加熱する
    ことを特徴とする熱処理方法。
  16. 【請求項16】加熱手段により加熱されたガスを熱源と
    して処理室に配置された基板を加熱する熱処理方法であ
    って、ガス供給手段から熱交換器を介して第1のガス加
    熱手段にガスを供給し、第1のガス加熱手段によりガス
    を加熱し、加熱された当該ガスを第1の処理室に供給
    し、前記第1の処理室から排出されたガスを第2のガス
    加熱手段により加熱し、加熱された当該ガスを第2の処
    理室に供給し、前記第2の処理室から排出された排出さ
    れたガスを熱交換器に供給することを特徴とする熱処理
    方法。
  17. 【請求項17】加熱手段により加熱されたガスを熱源と
    して処理室に配置された基板を加熱する熱処理方法であ
    って、n個(n>2)の処理室とガス加熱手段によっ
    て、第m(1≦m≦(n−1))の加熱手段により加熱
    したガスを第mの処理室に供給し、前記第mの処理室に
    供給したガスを第m+1の加熱手段により加熱して第m
    +1の処理室に供給し、第nの処理室に供給したガスを
    熱交換器に供給し、ガス供給手段から供給されるガスを
    加熱するための熱源として用い、前記n個の処理室に配
    置された基板を加熱することを特徴とする熱処理方法。
  18. 【請求項18】加熱手段により加熱されたガスを熱源と
    して処理室に配置された基板を加熱する熱処理方法であ
    って、第1のガス供給手段から熱交換器を介して第1の
    ガス加熱手段にガスを供給し、第1のガス加熱手段によ
    りガスを加熱し、加熱された当該ガスを第1の処理室に
    供給し、前記第1の処理室から排出されたガスを第2の
    ガス加熱手段により加熱し、加熱された当該ガスを第2
    の処理室に供給する加熱期間と、第2のガス供給手段か
    ら加熱手段を介さずに前記第1の処理室及び第2の処理
    室にガスを供給して、当該処理室に配置された基板を冷
    却する冷却期間とを有することを特徴とする熱処理方
    法。
  19. 【請求項19】加熱手段により加熱されたガスを熱源と
    して処理室に配置された基板を加熱する熱処理方法であ
    って、n個(n>2)の処理室とガス加熱手段によっ
    て、第1のガス供給手段から供給される加熱用ガスを、
    第m(1≦m≦(n−1))の加熱手段により加熱した
    ガスを第mの処理室に供給し、前記第mの処理室に供給
    したガスを第m+1の加熱手段により加熱して第m+1
    の処理室に供給し、第nの処理室に供給したガスを熱交
    換器に供給し、ガス供給手段から供給されるガスを加熱
    するための熱源として用い、前記n個の処理室に配置さ
    れた基板を加熱する加熱期間と、第2のガス供給手段か
    ら供給される冷却用ガスを、前記n個の処理室に供給し
    て、当該処理室に配置された基板を冷却する冷却期間と
    を有することを特徴とする熱処理方法。
  20. 【請求項20】請求項13乃至請求項19のいずれか一
    において、前記ガスは、窒素または希ガスを用いること
    特徴とする熱処理方法。
  21. 【請求項21】請求項13乃至請求項19のいずれか一
    において、前記ガスは、還元性ガスを用いることを特徴
    とする熱処理方法。
  22. 【請求項22】請求項13乃至請求項19のいずれか一
    において、前記ガスは、酸化性ガスを用いることを特徴
    とする熱処理方法。
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