JP2002350424A - 廃液検査薬及びそれを用いた廃液検査装置 - Google Patents
廃液検査薬及びそれを用いた廃液検査装置Info
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- JP2002350424A JP2002350424A JP2002075236A JP2002075236A JP2002350424A JP 2002350424 A JP2002350424 A JP 2002350424A JP 2002075236 A JP2002075236 A JP 2002075236A JP 2002075236 A JP2002075236 A JP 2002075236A JP 2002350424 A JP2002350424 A JP 2002350424A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 工場等の排水及び廃液に含まれる重金属類、
有害有機化合物、農薬、環境ホルモン及び遺伝子組換細
胞などを迅速かつ簡便に検査することができる廃液検査
薬及びそれを用いた廃液検査装置の提供。 【解決手段】 廃液に添加されて使用され、棒状体と、
該棒状体に結合し該廃液中に含まれる捕捉対象物を特異
的に捕捉する捕捉構造体とを有してなることを特徴とす
る廃液検査薬及びそれを用いた廃液検査装置である。該
廃液検査薬は両親媒性であり、構造性発色を示すことが
好適である。
有害有機化合物、農薬、環境ホルモン及び遺伝子組換細
胞などを迅速かつ簡便に検査することができる廃液検査
薬及びそれを用いた廃液検査装置の提供。 【解決手段】 廃液に添加されて使用され、棒状体と、
該棒状体に結合し該廃液中に含まれる捕捉対象物を特異
的に捕捉する捕捉構造体とを有してなることを特徴とす
る廃液検査薬及びそれを用いた廃液検査装置である。該
廃液検査薬は両親媒性であり、構造性発色を示すことが
好適である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工場等の排水及び
廃液の安全性を簡便かつ確実に検査することができる廃
液検査薬及びそれを用いた廃液検査装置に関する。
廃液の安全性を簡便かつ確実に検査することができる廃
液検査薬及びそれを用いた廃液検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、工場、事業場などから排出される
産業廃棄物の増大が社会問題として顕在化してきてい
る。その産業廃棄物の中でも特に、廃液は排出量が大き
いことから早急に効果的な減少対策が必要とされてい
る。
産業廃棄物の増大が社会問題として顕在化してきてい
る。その産業廃棄物の中でも特に、廃液は排出量が大き
いことから早急に効果的な減少対策が必要とされてい
る。
【0003】工業廃液の代表的なものとしては、金属、
ガラス、樹脂、プリント基板の洗浄工程での洗浄液やす
すぎ水、又はメッキ工程などから発生する現像廃液など
がある。また、一方生活廃液としては、食堂より排出さ
れる食品廃液などが代表的である。これらは何れも成分
中に有機物を含んでおり、膜処理方法や活性炭処理方法
又は微生物を利用した処理方法などにより自然系に戻さ
れている。
ガラス、樹脂、プリント基板の洗浄工程での洗浄液やす
すぎ水、又はメッキ工程などから発生する現像廃液など
がある。また、一方生活廃液としては、食堂より排出さ
れる食品廃液などが代表的である。これらは何れも成分
中に有機物を含んでおり、膜処理方法や活性炭処理方法
又は微生物を利用した処理方法などにより自然系に戻さ
れている。
【0004】従来、これらの廃液検査、特に重金属を測
定するには、酸性条件下で試料を蒸発濃縮又は溶媒抽出
を行った後、原子吸光光度法により検液中の目的元素の
濃度を求めている。
定するには、酸性条件下で試料を蒸発濃縮又は溶媒抽出
を行った後、原子吸光光度法により検液中の目的元素の
濃度を求めている。
【0005】しかしながら、前記原子吸光光度法は、目
的元素ごとに用いる光源が異なり、前処理操作や分析法
も異なるため、全般に操作は煩雑であり、分析結果が得
られるまでに時間がかかり、自動計測も困難であるとい
う問題がある。
的元素ごとに用いる光源が異なり、前処理操作や分析法
も異なるため、全般に操作は煩雑であり、分析結果が得
られるまでに時間がかかり、自動計測も困難であるとい
う問題がある。
【0006】このように、工場等の排水及び廃液の安全
性を簡便かつ迅速に検査することが強く望まれている。
性を簡便かつ迅速に検査することが強く望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達
成することを課題とする。即ち、本発明は、工場等の排
水及び廃液に含まれる重金属類、有害有機化合物、農薬
及び遺伝子組換細胞などを迅速かつ簡便に検査すること
ができる廃液検査薬及びそれを用いた廃液検査装置を提
供することを目的とする。
状況下、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達
成することを課題とする。即ち、本発明は、工場等の排
水及び廃液に含まれる重金属類、有害有機化合物、農薬
及び遺伝子組換細胞などを迅速かつ簡便に検査すること
ができる廃液検査薬及びそれを用いた廃液検査装置を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は下記の通りである。 <1> 廃液に添加されて使用され、棒状体と、該棒状
体に結合し該廃液中に含まれる捕捉対象物を特異的に捕
捉する捕捉構造体とを有してなることを特徴とする廃液
検査薬である。 <2> 両親媒性である前記<1>に記載の廃液検査薬
である。 <3> 捕捉構造体が棒状体の一端に結合された前記<
1>又は<2>に記載の廃液検査薬である。 <4> 捕捉構造体が棒状体の周側面に結合された前記
<1>から<3>のいずれかに記載の廃液検査薬であ
る。 <5> 捕捉が物理吸着及び化学吸着のいずれかである
前記<1>から<4>のいずれかに記載の廃液検査薬で
ある。 <6> 棒状体が、らせん状有機分子である前記<1>
から<5>のいずれかに記載の廃液検査薬である。 <7> らせん状有機分子がα−ヘリックス・ポリペプ
チド、DNA及びアミロースのいずれかである前記<6
>に記載の廃液検査薬である。 <8> 棒状体の長さが810nm以下である前記<1
>から<7>のいずれかに記載の廃液検査薬である。 <9> 構造性発色を示す前記<8>に記載の廃液検査
薬である。 <10> 捕捉構造体が廃液に親性がある前記<1>か
ら<9>のいずれかに記載の廃液検査薬である。 <11> 捕捉対象物が、重金属類、有害有機化合物、
農薬、環境ホルモン及び遺伝子組換細胞から選ばれる少
なくとも1種である前記<1>から<10>のいずれか
に記載の廃液検査薬である。 <12> 捕捉対象物が、該捕捉対象物と共に存在する
物質である前記<1>から<11>のいずれかに記載の
廃液検査薬である。 <13> 捕捉対象物を捕捉すると構造性発色する前記
<1>から<12>のいずれかに記載の廃液検査薬であ
る。 <14> 捕捉対象物を捕捉すると沈殿する前記<1>
から<12>のいずれかに記載の廃液検査薬である。 <15> 捕捉対象物を捕捉するとゲル化する前記<1
>から<12>のいずれかに記載の廃液検査薬である。 <16> 長さが810nm以下である棒状体と、該棒
状体に結合し被検液中に含まれる捕捉対象物を特異的に
捕捉する捕捉構造体とを有し、かつ、膜状に配向させる
ことにより構造性発色を示す廃液検査薬と、該廃液検査
薬と試料とを接触させるための添加手段と、捕捉対象物
を捕捉した前記膜状廃液検査薬の構造性発色による波長
の変化を測定する発色波長測定手段とを備えたことを特
徴とする廃液検査装置である。 <17> 前記廃液検査薬が更に両親媒性であり、前記
添加手段が該廃液検査薬を油相と共に、水性の試料に添
加して廃液検査薬と試料とを接触させる添加手段である
前記<16>に記載の廃液検査装置である。 <18> 棒状体と、該棒状体に結合し被検液中に含ま
れる捕捉対象物を特異的に捕捉する捕捉構造体とを有
し、かつ、両親媒性である廃液検査薬を水晶発振子又は
表面弾性波(SAW)素子に膜状に付着結合させてなる
バイオセンサーと、該バイオセンサーに捕捉対象物が捕
捉された際の質量変化又は粘弾性変化を周波数として発
振する発振回路と、該発振回路から発振された前記振動
の周波数を計測する周波数カウンターとを備えたことを
特徴とする廃液検査装置。 <19> 前記廃液検査薬を水晶発振子又は表面弾性波
(SAW)素子に単分子膜状に付着させた前記<18>
に記載の廃液検査装置である。 <20> 前記廃液検査薬を水晶発振子又は表面弾性波
(SAW)素子に二分子膜状に付着させた前記<18>
に記載の廃液検査装置である。
の手段は下記の通りである。 <1> 廃液に添加されて使用され、棒状体と、該棒状
体に結合し該廃液中に含まれる捕捉対象物を特異的に捕
捉する捕捉構造体とを有してなることを特徴とする廃液
検査薬である。 <2> 両親媒性である前記<1>に記載の廃液検査薬
である。 <3> 捕捉構造体が棒状体の一端に結合された前記<
1>又は<2>に記載の廃液検査薬である。 <4> 捕捉構造体が棒状体の周側面に結合された前記
<1>から<3>のいずれかに記載の廃液検査薬であ
る。 <5> 捕捉が物理吸着及び化学吸着のいずれかである
前記<1>から<4>のいずれかに記載の廃液検査薬で
ある。 <6> 棒状体が、らせん状有機分子である前記<1>
から<5>のいずれかに記載の廃液検査薬である。 <7> らせん状有機分子がα−ヘリックス・ポリペプ
チド、DNA及びアミロースのいずれかである前記<6
>に記載の廃液検査薬である。 <8> 棒状体の長さが810nm以下である前記<1
>から<7>のいずれかに記載の廃液検査薬である。 <9> 構造性発色を示す前記<8>に記載の廃液検査
薬である。 <10> 捕捉構造体が廃液に親性がある前記<1>か
ら<9>のいずれかに記載の廃液検査薬である。 <11> 捕捉対象物が、重金属類、有害有機化合物、
農薬、環境ホルモン及び遺伝子組換細胞から選ばれる少
なくとも1種である前記<1>から<10>のいずれか
に記載の廃液検査薬である。 <12> 捕捉対象物が、該捕捉対象物と共に存在する
物質である前記<1>から<11>のいずれかに記載の
廃液検査薬である。 <13> 捕捉対象物を捕捉すると構造性発色する前記
<1>から<12>のいずれかに記載の廃液検査薬であ
る。 <14> 捕捉対象物を捕捉すると沈殿する前記<1>
から<12>のいずれかに記載の廃液検査薬である。 <15> 捕捉対象物を捕捉するとゲル化する前記<1
>から<12>のいずれかに記載の廃液検査薬である。 <16> 長さが810nm以下である棒状体と、該棒
状体に結合し被検液中に含まれる捕捉対象物を特異的に
捕捉する捕捉構造体とを有し、かつ、膜状に配向させる
ことにより構造性発色を示す廃液検査薬と、該廃液検査
薬と試料とを接触させるための添加手段と、捕捉対象物
を捕捉した前記膜状廃液検査薬の構造性発色による波長
の変化を測定する発色波長測定手段とを備えたことを特
徴とする廃液検査装置である。 <17> 前記廃液検査薬が更に両親媒性であり、前記
添加手段が該廃液検査薬を油相と共に、水性の試料に添
加して廃液検査薬と試料とを接触させる添加手段である
前記<16>に記載の廃液検査装置である。 <18> 棒状体と、該棒状体に結合し被検液中に含ま
れる捕捉対象物を特異的に捕捉する捕捉構造体とを有
し、かつ、両親媒性である廃液検査薬を水晶発振子又は
表面弾性波(SAW)素子に膜状に付着結合させてなる
バイオセンサーと、該バイオセンサーに捕捉対象物が捕
捉された際の質量変化又は粘弾性変化を周波数として発
振する発振回路と、該発振回路から発振された前記振動
の周波数を計測する周波数カウンターとを備えたことを
特徴とする廃液検査装置。 <19> 前記廃液検査薬を水晶発振子又は表面弾性波
(SAW)素子に単分子膜状に付着させた前記<18>
に記載の廃液検査装置である。 <20> 前記廃液検査薬を水晶発振子又は表面弾性波
(SAW)素子に二分子膜状に付着させた前記<18>
に記載の廃液検査装置である。
【0009】本発明の廃液検査薬は、廃液に添加されて
使用され、棒状体と、該棒状体に結合し該廃液中に含ま
れる捕捉対象物を特異的に捕捉する捕捉構造体とを有す
る。前記廃液検査薬は、廃液に添加されて使用され、棒
状体と、該棒状体に結合し該廃液中に含まれる捕捉対象
物を特異的に捕捉する捕捉構造体とを有することによ
り、工場等の排水及び廃液に含まれる重金属類、有害有
機化合物、農薬及び遺伝子組換細胞などを迅速かつ簡便
に検査することができる。
使用され、棒状体と、該棒状体に結合し該廃液中に含ま
れる捕捉対象物を特異的に捕捉する捕捉構造体とを有す
る。前記廃液検査薬は、廃液に添加されて使用され、棒
状体と、該棒状体に結合し該廃液中に含まれる捕捉対象
物を特異的に捕捉する捕捉構造体とを有することによ
り、工場等の排水及び廃液に含まれる重金属類、有害有
機化合物、農薬及び遺伝子組換細胞などを迅速かつ簡便
に検査することができる。
【0010】本発明の廃液検査装置の第一の態様は、長
さが810nm以下である棒状体と、該棒状体に結合し
被検液中に含まれる捕捉対象物を特異的に捕捉する捕捉
構造体とを有し、かつ、膜状に配向させることにより構
造性発色を示す廃液検査薬と、該廃液検査薬と試料とを
接触させるための添加手段と、捕捉対象物を捕捉した前
記膜状廃液検査薬の構造性発色による波長の変化を測定
する発色波長測定手段とを備えている。
さが810nm以下である棒状体と、該棒状体に結合し
被検液中に含まれる捕捉対象物を特異的に捕捉する捕捉
構造体とを有し、かつ、膜状に配向させることにより構
造性発色を示す廃液検査薬と、該廃液検査薬と試料とを
接触させるための添加手段と、捕捉対象物を捕捉した前
記膜状廃液検査薬の構造性発色による波長の変化を測定
する発色波長測定手段とを備えている。
【0011】前記膜状に配向させた廃液検査薬は、モル
フォ蝶翅の鱗粉の発色基本原理である多層薄膜干渉理論
に基づく構造性発色を示す。前記膜状廃液検査薬の捕捉
構造体が捕捉対象物を特異的に捕捉した際の屈折率又は
長さの変化による構造性発色に基づく波長変化を測定す
ることにより、捕捉対象物の存在を検査することがで
き、排水処理のモニタリングが可能となる。
フォ蝶翅の鱗粉の発色基本原理である多層薄膜干渉理論
に基づく構造性発色を示す。前記膜状廃液検査薬の捕捉
構造体が捕捉対象物を特異的に捕捉した際の屈折率又は
長さの変化による構造性発色に基づく波長変化を測定す
ることにより、捕捉対象物の存在を検査することがで
き、排水処理のモニタリングが可能となる。
【0012】本発明の廃液検査装置の第二の態様は、棒
状体と、該棒状体に結合し被検液中に含まれる捕捉対象
物を特異的に捕捉する捕捉構造体とを有し、かつ、両親
媒性である廃液検査薬を水晶発振子又は表面弾性波(S
AW)素子に膜状に付着結合させてなるバイオセンサー
と、該バイオセンサーに捕捉対象物が捕捉された際の質
量変化又は粘弾性変化を周波数として発振する発振回路
と、該発振回路から発振された前記振動の周波数を計測
する周波数カウンターとを備えている。これにより、前
記バイオセンサーを構成する廃液検査薬の捕捉構造体が
捕捉対象物を特異的に捕捉した際の質量変化又は粘弾性
変化を周波数として高感度に短時間で検出できるもので
ある。
状体と、該棒状体に結合し被検液中に含まれる捕捉対象
物を特異的に捕捉する捕捉構造体とを有し、かつ、両親
媒性である廃液検査薬を水晶発振子又は表面弾性波(S
AW)素子に膜状に付着結合させてなるバイオセンサー
と、該バイオセンサーに捕捉対象物が捕捉された際の質
量変化又は粘弾性変化を周波数として発振する発振回路
と、該発振回路から発振された前記振動の周波数を計測
する周波数カウンターとを備えている。これにより、前
記バイオセンサーを構成する廃液検査薬の捕捉構造体が
捕捉対象物を特異的に捕捉した際の質量変化又は粘弾性
変化を周波数として高感度に短時間で検出できるもので
ある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳しく
説明する。本発明の廃液検査薬10は、図1に一例とし
て示したように、廃液に添加されて使用され、棒状体1
と、該棒状体1に結合し該廃液中に含まれる捕捉対象物
を特異的に捕捉する捕捉構造体2とを有する。なお、図
1では、捕捉構造体2は棒状体1の一端に結合されてい
るが、棒状体1の周側面に結合させることもできる。こ
の場合、棒状体の周側面に複数の捕捉構造体を結合させ
ることも可能である。
説明する。本発明の廃液検査薬10は、図1に一例とし
て示したように、廃液に添加されて使用され、棒状体1
と、該棒状体1に結合し該廃液中に含まれる捕捉対象物
を特異的に捕捉する捕捉構造体2とを有する。なお、図
1では、捕捉構造体2は棒状体1の一端に結合されてい
るが、棒状体1の周側面に結合させることもできる。こ
の場合、棒状体の周側面に複数の捕捉構造体を結合させ
ることも可能である。
【0014】<棒状体>前記棒状体としては、棒状であ
れば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することが
でき、棒状無機物、棒状有機物のいずれであってもよい
が、棒状有機物であるのが好ましい。
れば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することが
でき、棒状無機物、棒状有機物のいずれであってもよい
が、棒状有機物であるのが好ましい。
【0015】前記棒状有機物としては、例えば、生体高
分子、多糖類などが挙げられる。前記生体高分子として
は、例えば、繊維状蛋白、α−ヘリックス・ポリペプチ
ド、核酸(DNA、RNA)などが好適に挙げられる。
該繊維状蛋白としては、例えば、α−ケラチン、ミオシ
ン、エピダーミン、フィブリノゲン、トロポマイシン、
絹フィブロイン等のα−ヘリックス構造を有するものが
挙げられる。前記多糖類としては、例えば、アミロース
などが好適に挙げられる。
分子、多糖類などが挙げられる。前記生体高分子として
は、例えば、繊維状蛋白、α−ヘリックス・ポリペプチ
ド、核酸(DNA、RNA)などが好適に挙げられる。
該繊維状蛋白としては、例えば、α−ケラチン、ミオシ
ン、エピダーミン、フィブリノゲン、トロポマイシン、
絹フィブロイン等のα−ヘリックス構造を有するものが
挙げられる。前記多糖類としては、例えば、アミロース
などが好適に挙げられる。
【0016】前記棒状有機物の中でも、安定に棒状を維
持することができ、また、目的に応じて内部に他の物質
をインターカレートさせることができる点で、分子がら
せん構造を有するらせん状有機分子が好ましく、該らせ
ん状有機分子には、上述したものの内、α−ヘリックス
・ポリペプチド、DNA、アミロースなどが該当する。
持することができ、また、目的に応じて内部に他の物質
をインターカレートさせることができる点で、分子がら
せん構造を有するらせん状有機分子が好ましく、該らせ
ん状有機分子には、上述したものの内、α−ヘリックス
・ポリペプチド、DNA、アミロースなどが該当する。
【0017】〔α−ヘリックス・ポリペプチド〕前記α
−ヘリックス・ポリペプチドは、ポリペプチドの二次構
造の一つであり、アミノ酸3.6残基ごとに1回転(1
らせんを形成)し、4番目ごとのアミノ酸のイミド基
(−NH−)とカルボニル基(−CO−)との間に螺旋
軸とほぼ平行な水素結合を作り、7アミノ酸を一単位と
して繰り返すことによりエネルギー的に安定な構造を有
している。
−ヘリックス・ポリペプチドは、ポリペプチドの二次構
造の一つであり、アミノ酸3.6残基ごとに1回転(1
らせんを形成)し、4番目ごとのアミノ酸のイミド基
(−NH−)とカルボニル基(−CO−)との間に螺旋
軸とほぼ平行な水素結合を作り、7アミノ酸を一単位と
して繰り返すことによりエネルギー的に安定な構造を有
している。
【0018】前記α−ヘリックス・ポリペプチドのらせ
ん方向としては、特に制限はなく、右巻きであってもよ
いし、左巻きであってもよい。なお、天然には安定性の
点から前記らせん方向が右巻きのものしか存在しない。
ん方向としては、特に制限はなく、右巻きであってもよ
いし、左巻きであってもよい。なお、天然には安定性の
点から前記らせん方向が右巻きのものしか存在しない。
【0019】前記α−ヘリックス・ポリペプチドを形成
するアミノ酸としては、α−ヘリックス構造を形成可能
であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択するこ
とができるが、該α−ヘリックス構造を形成し易いもの
が好ましく、このようなアミノ酸としては、例えば、ア
スパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu)、ア
ルギニン(Arg)、リジン(Lys)、ヒスチジン
(His)、アスパラギン(Asn)、グルタミン(G
ln)、セリン(Ser)、スレオニン(Thr)、ア
ラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Le
u)、イソロイシン(Ile)、システイン(Cy
s)、メチオニン(Met)、チロシン(Tyr)、フ
ェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)
などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用さ
れてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
するアミノ酸としては、α−ヘリックス構造を形成可能
であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択するこ
とができるが、該α−ヘリックス構造を形成し易いもの
が好ましく、このようなアミノ酸としては、例えば、ア
スパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu)、ア
ルギニン(Arg)、リジン(Lys)、ヒスチジン
(His)、アスパラギン(Asn)、グルタミン(G
ln)、セリン(Ser)、スレオニン(Thr)、ア
ラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Le
u)、イソロイシン(Ile)、システイン(Cy
s)、メチオニン(Met)、チロシン(Tyr)、フ
ェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)
などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用さ
れてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
【0020】前記α−ヘリックス・ポリペプチドの親性
としては、前記アミノ酸を適宜選択することにより、親
水性、疎水性、両親媒性のいずれにも変え得るが、前記
親水性とする場合、前記アミノ酸としては、セリン(S
er)、スレオニン(Thr)、アスパラギン酸(As
p)、グルタミン酸(Glu)、アルギニン(Ar
g)、リジン(Lys)、アスパラギン(Asn)、グ
ルタミン(Gln)などが好適に挙げられ、前記疎水性
とする場合、前記アミノ酸としては、フェニルアラニン
(Phe)、トリプトファン(Trp)、イソロイシン
(Ile)、チロシン(Tyr)、メチオニン(Me
t)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)などが挙
げられる。
としては、前記アミノ酸を適宜選択することにより、親
水性、疎水性、両親媒性のいずれにも変え得るが、前記
親水性とする場合、前記アミノ酸としては、セリン(S
er)、スレオニン(Thr)、アスパラギン酸(As
p)、グルタミン酸(Glu)、アルギニン(Ar
g)、リジン(Lys)、アスパラギン(Asn)、グ
ルタミン(Gln)などが好適に挙げられ、前記疎水性
とする場合、前記アミノ酸としては、フェニルアラニン
(Phe)、トリプトファン(Trp)、イソロイシン
(Ile)、チロシン(Tyr)、メチオニン(Me
t)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)などが挙
げられる。
【0021】また、前記α−ヘリックス・ポリペプチド
においては、該α−ヘリックスを形成する前記アミノ酸
における、ペプチド結合を構成しないカルボキシル基
を、エステル化することにより疎水性にすることがで
き、一方、該エステル化されたカルボキシル基を加水分
解することにより親水性にすることができる。
においては、該α−ヘリックスを形成する前記アミノ酸
における、ペプチド結合を構成しないカルボキシル基
を、エステル化することにより疎水性にすることがで
き、一方、該エステル化されたカルボキシル基を加水分
解することにより親水性にすることができる。
【0022】前記アミノ酸としては、L−アミノ酸、D
−アミノ酸、これらの側鎖部分が修飾された誘導体など
のいずれであってもよい。
−アミノ酸、これらの側鎖部分が修飾された誘導体など
のいずれであってもよい。
【0023】前記α−ヘリックス・ポリペプチドにおけ
るアミノ酸の結合個数(重合度)としては、特に制限は
なく目的に応じて適宜選択することができるが、10〜
5000であるのが好ましい。前記結合個数(重合度)
が、10未満であると、ポリアミノ酸が安定なα−ヘリ
ックスを形成できなくなることがあり、5000を超え
ると、垂直配向させることが困難となることがある。
るアミノ酸の結合個数(重合度)としては、特に制限は
なく目的に応じて適宜選択することができるが、10〜
5000であるのが好ましい。前記結合個数(重合度)
が、10未満であると、ポリアミノ酸が安定なα−ヘリ
ックスを形成できなくなることがあり、5000を超え
ると、垂直配向させることが困難となることがある。
【0024】前記α−ヘリックス・ポリペプチドの具体
例としては、例えば、ポリ(γ−メチル−L−グルタメ
ート)、ポリ(γ−エチル−L−グルタメート)、ポリ
(γ−ベンジル−L−グルタメート)、ポリ(L−グル
タミン酸−γ−ベンジル)、ポリ(n−ヘキシル−L−
グルタメート)等のポリグルタミン酸誘導体、ポリ(β
−ベンジル−L−アスパルテート)等のポリアスパラギ
ン酸誘導体、ポリ(L−ロイシン)、ポリ(L−アラニ
ン)、ポリ(L−メチオニン)、ポリ(L−フェニルア
ラニン)、ポリ(L−リジン)−ポリ(γ−メチル−L
−グルタメート)などのポリペプチド、が好適に挙げら
れる。
例としては、例えば、ポリ(γ−メチル−L−グルタメ
ート)、ポリ(γ−エチル−L−グルタメート)、ポリ
(γ−ベンジル−L−グルタメート)、ポリ(L−グル
タミン酸−γ−ベンジル)、ポリ(n−ヘキシル−L−
グルタメート)等のポリグルタミン酸誘導体、ポリ(β
−ベンジル−L−アスパルテート)等のポリアスパラギ
ン酸誘導体、ポリ(L−ロイシン)、ポリ(L−アラニ
ン)、ポリ(L−メチオニン)、ポリ(L−フェニルア
ラニン)、ポリ(L−リジン)−ポリ(γ−メチル−L
−グルタメート)などのポリペプチド、が好適に挙げら
れる。
【0025】前記α−ヘリックス・ポリペプチドとして
は、市販のものであってもよいし、公知文献等に記載の
方法に準じて適宜合成乃至調製したものであってもよ
い。
は、市販のものであってもよいし、公知文献等に記載の
方法に準じて適宜合成乃至調製したものであってもよ
い。
【0026】前記α−ヘリックス・ポリペプチドの合成
の一例として、ブロックコポリペプチド〔ポリ(L−リ
ジン)25−ポリ(γ−メチル−L−グルタメート)
60〕PLLZ25−PMLG60の合成をここで示す
と次の通りである。即ち、ブロックコポリペプチド〔ポ
リ(L−リジン)25−ポリ(γ−メチル−L−グルタ
メート)60〕PLLZ25−PMLG60は、下記式
で示したように、n−ヘキシルアミンを開始剤として用
い、Nε−カルボベンゾキシ L−リジン Nα−カル
ボキシ酸無水物(LLZ−NCA)の重合を行い、続け
てγ−メチル L−グルタメート N−カルボキシ酸無
水物(MLG−NCA)の重合を行うことにより合成す
ることができる。
の一例として、ブロックコポリペプチド〔ポリ(L−リ
ジン)25−ポリ(γ−メチル−L−グルタメート)
60〕PLLZ25−PMLG60の合成をここで示す
と次の通りである。即ち、ブロックコポリペプチド〔ポ
リ(L−リジン)25−ポリ(γ−メチル−L−グルタ
メート)60〕PLLZ25−PMLG60は、下記式
で示したように、n−ヘキシルアミンを開始剤として用
い、Nε−カルボベンゾキシ L−リジン Nα−カル
ボキシ酸無水物(LLZ−NCA)の重合を行い、続け
てγ−メチル L−グルタメート N−カルボキシ酸無
水物(MLG−NCA)の重合を行うことにより合成す
ることができる。
【0027】
【化1】
【0028】前記α−ヘリックス・ポリペプチドの合成
は、上記方法に限られず、遺伝子工学的方法により合成
することもできる。具体的には、前記目的とするポリペ
プチドをコードするDNAを組み込んだ発現ベクターに
より宿主細胞を形質転換し、この形質転換体を培養する
こと等により製造することができる。前記発現ベクター
としては、例えば、プラスミドベクター、ファージベク
ター、プラスミドとファージとのキメラベクター、など
が挙げられる。前記宿主細胞としては、大腸菌、枯草菌
等の原核微生物、酵母菌等の真核微生物、動物細胞など
が挙げられる。
は、上記方法に限られず、遺伝子工学的方法により合成
することもできる。具体的には、前記目的とするポリペ
プチドをコードするDNAを組み込んだ発現ベクターに
より宿主細胞を形質転換し、この形質転換体を培養する
こと等により製造することができる。前記発現ベクター
としては、例えば、プラスミドベクター、ファージベク
ター、プラスミドとファージとのキメラベクター、など
が挙げられる。前記宿主細胞としては、大腸菌、枯草菌
等の原核微生物、酵母菌等の真核微生物、動物細胞など
が挙げられる。
【0029】また、前記α−ヘリックス・ポリペプチド
は、α−ケラチン、ミオシン、エピダーミン、フィブリ
ノゲン、トロポマイシン、絹フィブロイン等の天然の繊
維状蛋白からそのα−ヘリックス構造部分を切り出すこ
とにより調製してもよい。
は、α−ケラチン、ミオシン、エピダーミン、フィブリ
ノゲン、トロポマイシン、絹フィブロイン等の天然の繊
維状蛋白からそのα−ヘリックス構造部分を切り出すこ
とにより調製してもよい。
【0030】〔DNA〕前記DNAは、1本鎖DNAで
あってもよいが、安定に棒状を維持することができ、内
部に他の物質をインターカレートできる等の点で2本鎖
DNAであるのが好ましい。前記2本鎖DNAは、一つ
の中心軸の回りに、右巻きらせん状の2本のポリヌクレ
オチド鎖が互いに逆方向に延びた状態で位置して形成さ
れた2重らせん構造を有する。
あってもよいが、安定に棒状を維持することができ、内
部に他の物質をインターカレートできる等の点で2本鎖
DNAであるのが好ましい。前記2本鎖DNAは、一つ
の中心軸の回りに、右巻きらせん状の2本のポリヌクレ
オチド鎖が互いに逆方向に延びた状態で位置して形成さ
れた2重らせん構造を有する。
【0031】前記ポリヌクレオチド鎖は、アデニン
(A)、チミン(T)、グアニン(G)及びシトシン
(C)の4種類の核酸塩基で形成されており、前記ポリ
ヌクレオチド鎖において前記核酸塩基は、中心軸に対し
て垂直な平面内で互いに内側に突出した形で存在して、
いわゆるワトソン−クリック型塩基対を形成し、アデニ
ンに対してはチミンが、グアニンに対してはシトシン
が、それぞれ特異的に水素結合している。その結果、前
記2本鎖DNAにおいては、2本のポリペプチド鎖が互
いに相補的に結合している。
(A)、チミン(T)、グアニン(G)及びシトシン
(C)の4種類の核酸塩基で形成されており、前記ポリ
ヌクレオチド鎖において前記核酸塩基は、中心軸に対し
て垂直な平面内で互いに内側に突出した形で存在して、
いわゆるワトソン−クリック型塩基対を形成し、アデニ
ンに対してはチミンが、グアニンに対してはシトシン
が、それぞれ特異的に水素結合している。その結果、前
記2本鎖DNAにおいては、2本のポリペプチド鎖が互
いに相補的に結合している。
【0032】前記DNAは、公知のPCR(Polym
erase Chain Reaction)法、LC
R(Ligase chain Reaction)
法、3SR(Self−sustained Sequ
ence Replication)法、SDA(St
rand Displacement Amplifi
cation)法等により調製することができるが、こ
れらの中でもPCR法が好適である。
erase Chain Reaction)法、LC
R(Ligase chain Reaction)
法、3SR(Self−sustained Sequ
ence Replication)法、SDA(St
rand Displacement Amplifi
cation)法等により調製することができるが、こ
れらの中でもPCR法が好適である。
【0033】また、前記DNAは、天然の遺伝子から制
限酵素により酵素的に直接切り出して調製してもよい
し、遺伝子クローニング法により調製してもよいし、化
学合成法により調製してもよい。前記遺伝子クローニン
グ法の場合、例えば、正常核酸を増幅したものをプラス
ミドベクター、ファージベクター、プラスミドとファー
ジとのキメラベクター等から選択されるベクターに組み
込み、大腸菌、枯草菌等の原核微生物、酵母等の真核微
生物、動物細胞などから選択される増殖可能な任意の宿
主に導入することにより前記DNAを大量に調製するこ
とができる。
限酵素により酵素的に直接切り出して調製してもよい
し、遺伝子クローニング法により調製してもよいし、化
学合成法により調製してもよい。前記遺伝子クローニン
グ法の場合、例えば、正常核酸を増幅したものをプラス
ミドベクター、ファージベクター、プラスミドとファー
ジとのキメラベクター等から選択されるベクターに組み
込み、大腸菌、枯草菌等の原核微生物、酵母等の真核微
生物、動物細胞などから選択される増殖可能な任意の宿
主に導入することにより前記DNAを大量に調製するこ
とができる。
【0034】前記化学合成法としては、例えば、トリエ
ステル法、亜リン酸法などのような、液相法又は不溶性
の担体を使った固相合成法などが挙げられる。前記化学
合成法の場合、公知の自動合成機等を用い、1本鎖のD
NAを大量に調製した後、アニーリングを行うことによ
り、2本鎖DNAを調製することができる。
ステル法、亜リン酸法などのような、液相法又は不溶性
の担体を使った固相合成法などが挙げられる。前記化学
合成法の場合、公知の自動合成機等を用い、1本鎖のD
NAを大量に調製した後、アニーリングを行うことによ
り、2本鎖DNAを調製することができる。
【0035】〔アミロース〕前記アミロースは、高等植
物の貯蔵のためのホモ多糖類であるデンプンを構成する
D−グルコースがα−1,4結合で直鎖状につながった
らせん構造を有する多糖である。前記アミロースの分子
量としては、数平均分子量で、数千〜15万程度が好ま
しい。前記アミロースは、市販のものであってもよい
し、公知の方法に従って適宜調製したものであってもよ
い。なお、前記アミロースは、その一部にアミロペクチ
ンが含まれていても構わない。
物の貯蔵のためのホモ多糖類であるデンプンを構成する
D−グルコースがα−1,4結合で直鎖状につながった
らせん構造を有する多糖である。前記アミロースの分子
量としては、数平均分子量で、数千〜15万程度が好ま
しい。前記アミロースは、市販のものであってもよい
し、公知の方法に従って適宜調製したものであってもよ
い。なお、前記アミロースは、その一部にアミロペクチ
ンが含まれていても構わない。
【0036】前記棒状体の長さとしては、特に制限はな
く目的に応じて適宜選択することができるが、構造性発
色を生じさせる観点からは、810nm以下であるのが
好ましく、10nm〜810nmであるのがより好まし
い。前記棒状体の径としては、特に制限はないが、前記
α−ヘリックス・ポリペプチドの場合には0.8〜2.
0nm程度である。
く目的に応じて適宜選択することができるが、構造性発
色を生じさせる観点からは、810nm以下であるのが
好ましく、10nm〜810nmであるのがより好まし
い。前記棒状体の径としては、特に制限はないが、前記
α−ヘリックス・ポリペプチドの場合には0.8〜2.
0nm程度である。
【0037】前記棒状体は、その全部が疎水性又は親水
性であってもよく、また、その一部が疎水性又は親水性
であり、他の部分が該一部と逆の親性を示す両親媒性で
あってもよい。前記棒状体が前記両親媒性であると、油
相−水相界面での配向、油層又は水相中での分散、等が
容易である点で有利である。前記両親媒性の棒状体の場
合、疎水性を示す部分及び親水性を示す部分の数として
は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することがで
きる。また、この場合、疎水性を示す部分と親水性を示
す部分とが交互に位置していてもよいし、いずれかの部
分が棒状体の一端部にのみ位置していてもよい。
性であってもよく、また、その一部が疎水性又は親水性
であり、他の部分が該一部と逆の親性を示す両親媒性で
あってもよい。前記棒状体が前記両親媒性であると、油
相−水相界面での配向、油層又は水相中での分散、等が
容易である点で有利である。前記両親媒性の棒状体の場
合、疎水性を示す部分及び親水性を示す部分の数として
は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することがで
きる。また、この場合、疎水性を示す部分と親水性を示
す部分とが交互に位置していてもよいし、いずれかの部
分が棒状体の一端部にのみ位置していてもよい。
【0038】<捕捉構造体>前記捕捉構造体としては、
前記捕捉対象物を捕捉することができれば特に制限はな
く、目的に応じて適宜選択することができる。
前記捕捉対象物を捕捉することができれば特に制限はな
く、目的に応じて適宜選択することができる。
【0039】前記捕捉の態様としては、特に制限はない
が、物理吸着、化学吸着などが挙げられる。これらは、
例えば、水素結合、分子間力(ファン・デル・ワールス
力)、配位結合、イオン結合、共有結合などにより形成
され得る。
が、物理吸着、化学吸着などが挙げられる。これらは、
例えば、水素結合、分子間力(ファン・デル・ワールス
力)、配位結合、イオン結合、共有結合などにより形成
され得る。
【0040】前記捕捉構造体の具体例としては、例え
ば、包接化合物(以下「ホスト」と称することがあ
る)、抗体、核酸、重金属と親和性を有する蛋白質(メ
タロチオネイン又はチオネイン様蛋白質)、ホルモンレ
セプター、レクチン、生理活性物質受容体などが好適に
挙げられる。これらの中でも、任意の配線を容易に形成
することができる点で、核酸が好ましく、1本鎖DN
A、RNAがより好ましい。なお、これらの捕捉構造体
の捕捉対象物としては、前記包接化合物の場合にはゲス
ト(包接される成分)であり、前記抗体の場合には抗原
であり、前記核酸の場合には核酸、チューブリン、キチ
ン等であり、前記ホルモンレセプターの場合にはホルモ
ンであり、前記レクチンの場合には糖等であり、前記生
理活性物質受容体の場合には生理活性物質である。
ば、包接化合物(以下「ホスト」と称することがあ
る)、抗体、核酸、重金属と親和性を有する蛋白質(メ
タロチオネイン又はチオネイン様蛋白質)、ホルモンレ
セプター、レクチン、生理活性物質受容体などが好適に
挙げられる。これらの中でも、任意の配線を容易に形成
することができる点で、核酸が好ましく、1本鎖DN
A、RNAがより好ましい。なお、これらの捕捉構造体
の捕捉対象物としては、前記包接化合物の場合にはゲス
ト(包接される成分)であり、前記抗体の場合には抗原
であり、前記核酸の場合には核酸、チューブリン、キチ
ン等であり、前記ホルモンレセプターの場合にはホルモ
ンであり、前記レクチンの場合には糖等であり、前記生
理活性物質受容体の場合には生理活性物質である。
【0041】〔包接化合物〕前記包接化合物としては、
分子認識能(ホスト−ゲスト結合能)を有する限り特に
制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例
えば、筒状(一次元)の空洞を有するもの、層状(二次
元)の空洞を有するもの、かご状(三次元)の空洞を有
するもの、などが好適に挙げられる。
分子認識能(ホスト−ゲスト結合能)を有する限り特に
制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例
えば、筒状(一次元)の空洞を有するもの、層状(二次
元)の空洞を有するもの、かご状(三次元)の空洞を有
するもの、などが好適に挙げられる。
【0042】前記筒状(一次元)の空洞を有する包接化
合物としては、例えば、尿素、チオ尿素、デオキシコー
ル酸、ジニトロジフェニル、ジオキシトリフェニルメタ
ン、トリフェニルメタン、メチルナフタリン、スピロク
ロマン、PHTP(ペルヒドロトリフェニレン)、セル
ロース、アミロース、シクロデキストリン(但し、溶液
中では前記空洞がかご状)、フェニルホウ酸などが挙げ
られる。
合物としては、例えば、尿素、チオ尿素、デオキシコー
ル酸、ジニトロジフェニル、ジオキシトリフェニルメタ
ン、トリフェニルメタン、メチルナフタリン、スピロク
ロマン、PHTP(ペルヒドロトリフェニレン)、セル
ロース、アミロース、シクロデキストリン(但し、溶液
中では前記空洞がかご状)、フェニルホウ酸などが挙げ
られる。
【0043】前記尿素の捕捉対象(前記ゲスト)として
は、例えば、n−パラフィン誘導体などが挙げられる。
は、例えば、n−パラフィン誘導体などが挙げられる。
【0044】前記チオ尿素の捕捉対象(前記ゲスト)と
しては、例えば、分岐状又は環状の炭化水素などが挙げ
られる。
しては、例えば、分岐状又は環状の炭化水素などが挙げ
られる。
【0045】前記デオキシコール酸の捕捉対象(前記ゲ
スト)としては、例えば、パラフィン類、脂肪酸、芳香
族化合物などが挙げられる。
スト)としては、例えば、パラフィン類、脂肪酸、芳香
族化合物などが挙げられる。
【0046】前記ジニトロジフェニルの捕捉対象(前記
ゲスト)としては、例えば、ジフェニル誘導体などが挙
げられる。
ゲスト)としては、例えば、ジフェニル誘導体などが挙
げられる。
【0047】前記ジオキシトリフェニルメタンの捕捉対
象(前記ゲスト)としては、例えば、パラフィン類、n
−アルケン類、スクアレンなどが挙げられる。
象(前記ゲスト)としては、例えば、パラフィン類、n
−アルケン類、スクアレンなどが挙げられる。
【0048】前記トリフェニルメタンの捕捉対象(前記
ゲスト)としては、例えば、パラフィン類などが挙げら
れる。
ゲスト)としては、例えば、パラフィン類などが挙げら
れる。
【0049】前記メチルナフタリンの捕捉対象(前記ゲ
スト)としては、例えば、C16までのn−パラフィン
類、分岐状パラフィン類などが挙げられる。
スト)としては、例えば、C16までのn−パラフィン
類、分岐状パラフィン類などが挙げられる。
【0050】前記スピロクロマンの捕捉対象(前記ゲス
ト)としては、例えば、パラフィン類などが挙げられ
る。
ト)としては、例えば、パラフィン類などが挙げられ
る。
【0051】前記PHTP(ペルヒドロトリフェニレ
ン)の捕捉対象(前記ゲスト)としては、例えば、クロ
ロホルム、ベンゼン、各種高分子物質などが挙げられ
る。
ン)の捕捉対象(前記ゲスト)としては、例えば、クロ
ロホルム、ベンゼン、各種高分子物質などが挙げられ
る。
【0052】前記セルロースの捕捉対象(前記ゲスト)
としては、例えば、H2O、パラフィン類、CCl4、
色素、ヨウ素などが挙げられる。
としては、例えば、H2O、パラフィン類、CCl4、
色素、ヨウ素などが挙げられる。
【0053】前記アミロースの捕捉対象(前記ゲスト)
としては、例えば、脂肪酸、ヨウ素などが挙げられる。
としては、例えば、脂肪酸、ヨウ素などが挙げられる。
【0054】前記シクロデキストリンは、デンプンのア
ミラーゼによる分解で生成する環状のデキストリンであ
り、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリ
ン、γ−シクロデキストリンの3種が知られている。本
発明においては、前記シクロデキストリンとして、これ
らの水酸基の一部を他の官能基、例えば、アルキル基、
アリル基、アルコキシ基、アミド基、スルホン酸基など
に変えたシクロデキストリン誘導体も含まれる。
ミラーゼによる分解で生成する環状のデキストリンであ
り、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリ
ン、γ−シクロデキストリンの3種が知られている。本
発明においては、前記シクロデキストリンとして、これ
らの水酸基の一部を他の官能基、例えば、アルキル基、
アリル基、アルコキシ基、アミド基、スルホン酸基など
に変えたシクロデキストリン誘導体も含まれる。
【0055】前記シクロデキストリンの捕捉対象(前記
ゲスト)としては、例えば、チモール、オイゲノール、
レゾルシン、エチレングリコールモノフェニルエーテ
ル、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン等
のフェノール誘導体、サリチル酸、パラオキシ安息香酸
メチル、パラオキシ安息香酸エチル等の安息香酸誘導体
及びそのエステル、コレステロール等のステロイド、ア
スコルビン酸、レチノール、トコフェロール等のビタミ
ン、リモネン等の炭化水素類、イソチオシアン酸アリ
ル、ソルビン酸、ヨウ素分子、メチルオレンジ、コンゴ
ーレッド、2−p−トルイジニルナフタレン−6−スル
ホン酸カリウム塩(TNS)などが挙げられる。
ゲスト)としては、例えば、チモール、オイゲノール、
レゾルシン、エチレングリコールモノフェニルエーテ
ル、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン等
のフェノール誘導体、サリチル酸、パラオキシ安息香酸
メチル、パラオキシ安息香酸エチル等の安息香酸誘導体
及びそのエステル、コレステロール等のステロイド、ア
スコルビン酸、レチノール、トコフェロール等のビタミ
ン、リモネン等の炭化水素類、イソチオシアン酸アリ
ル、ソルビン酸、ヨウ素分子、メチルオレンジ、コンゴ
ーレッド、2−p−トルイジニルナフタレン−6−スル
ホン酸カリウム塩(TNS)などが挙げられる。
【0056】前記フェニルホウ酸の捕捉対象(前記ゲス
ト)としては、例えば、ブドウ糖等が挙げられる。
ト)としては、例えば、ブドウ糖等が挙げられる。
【0057】前記層状(二次元)の包接化合物として
は、例えば、粘土鉱物、グラファイト、スメクタイト、
モンモリロナイト、ゼオライトなどが挙げられる。
は、例えば、粘土鉱物、グラファイト、スメクタイト、
モンモリロナイト、ゼオライトなどが挙げられる。
【0058】前記粘土鉱物の捕捉対象(前記ゲスト)と
しては、例えば、親水性物質、極性化合物などが挙げら
れる。
しては、例えば、親水性物質、極性化合物などが挙げら
れる。
【0059】前記グラファイトの捕捉対象(前記ゲス
ト)としては、例えば、O、HSO4 −、ハロゲン、ハ
ロゲン化物、アルカリ金属などが挙げられる。
ト)としては、例えば、O、HSO4 −、ハロゲン、ハ
ロゲン化物、アルカリ金属などが挙げられる。
【0060】前記モンモリロナイトの捕捉対象(前記ゲ
スト)としては、例えば、ブルシン、コデイン、o−フ
ェニレンジアミン、ベンジジン、ピペリジン、アデニ
ン、グイアニン及びこれらのリポシドなどが挙げられ
る。
スト)としては、例えば、ブルシン、コデイン、o−フ
ェニレンジアミン、ベンジジン、ピペリジン、アデニ
ン、グイアニン及びこれらのリポシドなどが挙げられ
る。
【0061】前記ゼオライトの捕捉対象(前記ゲスト)
としては、例えば、H2Oなどが挙げられる。
としては、例えば、H2Oなどが挙げられる。
【0062】前記かご状(三次元)の包接化合物として
は、例えば、ヒドロキノン、気体水化物、トリ−o−チ
モチド、オキシフラバン、ジシアノアンミンニッケル、
クリプタンド、カリックスアレン、クラウン化合物など
が挙げられる。
は、例えば、ヒドロキノン、気体水化物、トリ−o−チ
モチド、オキシフラバン、ジシアノアンミンニッケル、
クリプタンド、カリックスアレン、クラウン化合物など
が挙げられる。
【0063】前記ヒドロキノンの捕捉対象(前記ゲス
ト)としては、例えば、HCl、SO 2、アセチレン、
希ガス元素などが挙げられる。
ト)としては、例えば、HCl、SO 2、アセチレン、
希ガス元素などが挙げられる。
【0064】前記気体水化物の捕捉対象(前記ゲスト)
としては、例えば、ハロゲン、希ガス元素、低級炭化水
素などが挙げられる。
としては、例えば、ハロゲン、希ガス元素、低級炭化水
素などが挙げられる。
【0065】前記トリ−o−チモチドの捕捉対象(前記
ゲスト)としては、例えば、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、クロロホルムなどが挙げられる。
ゲスト)としては、例えば、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、クロロホルムなどが挙げられる。
【0066】前記オキシフラバンの捕捉対象(前記ゲス
ト)としては、例えば、有機塩基などが挙げられる。
ト)としては、例えば、有機塩基などが挙げられる。
【0067】前記ジシアノアンミンニッケルの捕捉対象
(前記ゲスト)としては、例えば、ベンゼン、フェノー
ルなどが挙げられる。
(前記ゲスト)としては、例えば、ベンゼン、フェノー
ルなどが挙げられる。
【0068】前記クリプタンドの捕捉対象(前記ゲス
ト)としては、例えば、NH4+、各種金属イオンなど
が挙げられる。
ト)としては、例えば、NH4+、各種金属イオンなど
が挙げられる。
【0069】前記カリックスアレンは、フェノールとホ
ルムアルデヒドとから適当な条件で合成されるフェノー
ル単位をメチレン基で結合した環状オリゴマーであり、
4〜8核体が知られている。これらの内、p−t−ブチ
ルカリックスアレン(n=4)の捕捉対象(前記ゲス
ト)としては、例えば、クロロホルム、ベンゼン、トル
エンなどが挙げられる。p−t−ブチルカリックスアレ
ン(n=5)の捕捉対象(前記ゲスト)としては、例え
ば、イソプロピルアルコール、アセトンなどが挙げられ
る。p−t−ブチルカリックスアレン(n=6)の捕捉
対象(前記ゲスト)としては、例えば、クロロホルム、
メタノールなどが挙げられる。p−t−ブチルカリック
スアレン(n=7)の捕捉対象(前記ゲスト)として
は、例えば、クロロホルムなどが挙げられる。
ルムアルデヒドとから適当な条件で合成されるフェノー
ル単位をメチレン基で結合した環状オリゴマーであり、
4〜8核体が知られている。これらの内、p−t−ブチ
ルカリックスアレン(n=4)の捕捉対象(前記ゲス
ト)としては、例えば、クロロホルム、ベンゼン、トル
エンなどが挙げられる。p−t−ブチルカリックスアレ
ン(n=5)の捕捉対象(前記ゲスト)としては、例え
ば、イソプロピルアルコール、アセトンなどが挙げられ
る。p−t−ブチルカリックスアレン(n=6)の捕捉
対象(前記ゲスト)としては、例えば、クロロホルム、
メタノールなどが挙げられる。p−t−ブチルカリック
スアレン(n=7)の捕捉対象(前記ゲスト)として
は、例えば、クロロホルムなどが挙げられる。
【0070】前記クラウン化合物としては、電子供与性
のドナー原子として酸素を持つクラウンエーテルのみで
はなく、そのアナログとして窒素、硫黄などのドナー原
子を環構造構成原子として持つ大環状化合物を含み、ま
た、クリプタンドを代表する2個以上の環よりなる複環
式クラウン化合物も含まれ、例えば、シクロヘキシル−
12−クラウン−4、ジベンゾ−14−クラウン−4、
t−ブチルベンゾ−15−クラウン−5、ジベンゾ−1
8−クラウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン
−6、18−クラウン−6、トリベンゾ−18−クラウ
ン−6、テトラベンゾ−24−クラウン−8、ジベンゾ
−26−クラウン−6などが挙げられる。
のドナー原子として酸素を持つクラウンエーテルのみで
はなく、そのアナログとして窒素、硫黄などのドナー原
子を環構造構成原子として持つ大環状化合物を含み、ま
た、クリプタンドを代表する2個以上の環よりなる複環
式クラウン化合物も含まれ、例えば、シクロヘキシル−
12−クラウン−4、ジベンゾ−14−クラウン−4、
t−ブチルベンゾ−15−クラウン−5、ジベンゾ−1
8−クラウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン
−6、18−クラウン−6、トリベンゾ−18−クラウ
ン−6、テトラベンゾ−24−クラウン−8、ジベンゾ
−26−クラウン−6などが挙げられる。
【0071】前記クラウン化合物の捕捉対象(前記ゲス
ト)としては、例えば、Li,Na、K等のアルカリ金
属、Mg、Ca等のアルカリ土類金属などの各種金属イ
オン、NH4+、アルキルアンモニウムイオン、グアニ
ジウムイオン、芳香族ジアゾニウムイオンなどが挙げら
れ、該クラウン化合物はこれらと錯体を形成する。ま
た、該クラウン化合物の捕捉対象(前記ゲスト)として
は、これら以外にも、酸性度が比較的大きいC−H(ア
セトニトリル、マロンニトリル、アジポニトリルな
ど)、N−H(アニリン、アミノ安息香酸、アミド、ス
ルファミド誘導体など)、O−H(フェノール、酢酸誘
導体など)ユニットを有する極性有機化合物などが挙げ
られ、該クラウン化合物はこれらと錯体を形成する。
ト)としては、例えば、Li,Na、K等のアルカリ金
属、Mg、Ca等のアルカリ土類金属などの各種金属イ
オン、NH4+、アルキルアンモニウムイオン、グアニ
ジウムイオン、芳香族ジアゾニウムイオンなどが挙げら
れ、該クラウン化合物はこれらと錯体を形成する。ま
た、該クラウン化合物の捕捉対象(前記ゲスト)として
は、これら以外にも、酸性度が比較的大きいC−H(ア
セトニトリル、マロンニトリル、アジポニトリルな
ど)、N−H(アニリン、アミノ安息香酸、アミド、ス
ルファミド誘導体など)、O−H(フェノール、酢酸誘
導体など)ユニットを有する極性有機化合物などが挙げ
られ、該クラウン化合物はこれらと錯体を形成する。
【0072】前記包接化合物の空洞の大きさ(径)とし
ては、特に制限はなく目的に応じて適宜選定することが
できるが、安定した分子認識能(ホスト−ゲスト結合
能)を発揮し得る観点からは0.1nm〜2.0nmで
あるのが好ましい。前記包接化合物(ホスト)と前記ゲ
ストとの混合比率(モル比)としては、該包接化合物の
種類、該ゲストの種類などによって異なり一概には規定
できないが、通常、包接化合物:ゲスト成分=1:0.
1〜1:10であり、包接化合物:ゲスト成分=1:
0.3〜1:3が好ましい。
ては、特に制限はなく目的に応じて適宜選定することが
できるが、安定した分子認識能(ホスト−ゲスト結合
能)を発揮し得る観点からは0.1nm〜2.0nmで
あるのが好ましい。前記包接化合物(ホスト)と前記ゲ
ストとの混合比率(モル比)としては、該包接化合物の
種類、該ゲストの種類などによって異なり一概には規定
できないが、通常、包接化合物:ゲスト成分=1:0.
1〜1:10であり、包接化合物:ゲスト成分=1:
0.3〜1:3が好ましい。
【0073】〔抗体〕前記抗体としては、標的抗原(捕
捉対象物)と特異的に抗原抗体反応を生じるものであれ
ば特に制限されず、多クローン性抗体であっても、単ク
ローン性抗体であってもよく、更にはIgG、IgM、
IgE、IgGのFab’、Fab、F(ab’)2な
ども使用することができる。前記標的抗原としては、特
に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、
例えば、血漿蛋白、腫瘍マーカー、アポ蛋白、ウイル
ス、自己抗体、凝固・線溶因子、ホルモン、血中薬物、
HLA抗原などが挙げられる。
捉対象物)と特異的に抗原抗体反応を生じるものであれ
ば特に制限されず、多クローン性抗体であっても、単ク
ローン性抗体であってもよく、更にはIgG、IgM、
IgE、IgGのFab’、Fab、F(ab’)2な
ども使用することができる。前記標的抗原としては、特
に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、
例えば、血漿蛋白、腫瘍マーカー、アポ蛋白、ウイル
ス、自己抗体、凝固・線溶因子、ホルモン、血中薬物、
HLA抗原などが挙げられる。
【0074】前記血漿蛋白としては、例えば、免疫グロ
ブリン(IgG,IgA,IgM,IgD,IgE)、
補体成分(C3,C4,C5,C1q)、CRP、α1
−アンチトリプシン、α1−マイクログロブリン、β2
−マイクログロブリン、ハプトグロビン、トランスフェ
リン、セルロプラスミン、フェリチンなどが挙げられ
る。
ブリン(IgG,IgA,IgM,IgD,IgE)、
補体成分(C3,C4,C5,C1q)、CRP、α1
−アンチトリプシン、α1−マイクログロブリン、β2
−マイクログロブリン、ハプトグロビン、トランスフェ
リン、セルロプラスミン、フェリチンなどが挙げられ
る。
【0075】前記腫瘍マーカーとしては、例えば、α−
フェトプロテイン(AFP)、癌胎児性抗原(CE
A)、CA19−9、CA125、CA15−3、SC
C抗原、前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)、PIV
KA−II、γ−セミノプロテイン、TPA、エラスタ
ーゼI、神経特異エノラーゼ(NSE)、免疫抑制酸性
蛋白(IAP)などが挙げられる。
フェトプロテイン(AFP)、癌胎児性抗原(CE
A)、CA19−9、CA125、CA15−3、SC
C抗原、前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)、PIV
KA−II、γ−セミノプロテイン、TPA、エラスタ
ーゼI、神経特異エノラーゼ(NSE)、免疫抑制酸性
蛋白(IAP)などが挙げられる。
【0076】前記アポ蛋白としては、例えば、アポA−
I、アポA−II、アポB、アポC−II、アポC−I
II、アポEなどが挙げられる。
I、アポA−II、アポB、アポC−II、アポC−I
II、アポEなどが挙げられる。
【0077】前記ウイルス抗原としては、例えば、B型
肝炎ウイルス(HBV)関連抗原、C型肝炎ウイルス
(HVC)関連抗原、HTLV−I、HIV、狂犬病ウ
イルス、インフルエンザウイルス、風疹ウイルスなどが
挙げられる。前記HCV関連抗原としては、例えば、H
CVc100−3リコビナント抗原、pHCV−31リ
コビナント抗原、pHCV−34リコビナント抗原など
が挙げられ、それらの混合物が好ましく使用できる。前
記HIV関連抗原としては、ウイルス表面抗原などが挙
げられ、例えば、HIV−I env.gp41リコビ
ナント抗原、HIV−I env.gp120リコビナ
ント抗原、HIV−Igag.p24リコビナント抗
原、HIV−II env.p36リコビナント抗原な
どが挙げられる。また、ウイルス以外の感染症として
は、MRSA、ASO、トキソプラズマ、マイコプラズ
マ、STDなどが挙げられる。
肝炎ウイルス(HBV)関連抗原、C型肝炎ウイルス
(HVC)関連抗原、HTLV−I、HIV、狂犬病ウ
イルス、インフルエンザウイルス、風疹ウイルスなどが
挙げられる。前記HCV関連抗原としては、例えば、H
CVc100−3リコビナント抗原、pHCV−31リ
コビナント抗原、pHCV−34リコビナント抗原など
が挙げられ、それらの混合物が好ましく使用できる。前
記HIV関連抗原としては、ウイルス表面抗原などが挙
げられ、例えば、HIV−I env.gp41リコビ
ナント抗原、HIV−I env.gp120リコビナ
ント抗原、HIV−Igag.p24リコビナント抗
原、HIV−II env.p36リコビナント抗原な
どが挙げられる。また、ウイルス以外の感染症として
は、MRSA、ASO、トキソプラズマ、マイコプラズ
マ、STDなどが挙げられる。
【0078】前記自己抗体としては、例えば、抗マイク
ロゾーム抗体、抗サイログロブリン抗体、抗核抗体、リ
ュウマチ因子、抗ミトコンドリア抗体、ミエリン抗体な
どが挙げられる。
ロゾーム抗体、抗サイログロブリン抗体、抗核抗体、リ
ュウマチ因子、抗ミトコンドリア抗体、ミエリン抗体な
どが挙げられる。
【0079】前記凝固・線溶因子としては、例えば、フ
ィブリノゲン、フィブリン分解産物(FDP)、プラス
ミノゲン、α2−プラスミンインヒビター、アンチトロ
ンビンIII、β−トロンボグロブリン、第VIII因
子、プロテインC、プロテインSなどが挙げられる。
ィブリノゲン、フィブリン分解産物(FDP)、プラス
ミノゲン、α2−プラスミンインヒビター、アンチトロ
ンビンIII、β−トロンボグロブリン、第VIII因
子、プロテインC、プロテインSなどが挙げられる。
【0080】前記ホルモンとしては、例えば、下垂体ホ
ルモン(LH、FSH、GH、ACTH、TSH、プロ
ラクチン)、甲状腺ホルモン(T3、T4、サイログロ
ブリン)、カルシトニン、副甲状腺ホルモン(PT
H)、副腎皮質ホルモン(アルドステロン、コルチゾー
ル)、性腺ホルモン(hCG、エストロゲン、テストス
テロン、hPL)、膵・消化管ホルモン(インスリン、
C−ペプチド、グルカゴン、ガストリン)、その他(レ
ニン、アンジオテンシンI,II、エンケファリン、エ
リスロポエチン)などが挙げられる。
ルモン(LH、FSH、GH、ACTH、TSH、プロ
ラクチン)、甲状腺ホルモン(T3、T4、サイログロ
ブリン)、カルシトニン、副甲状腺ホルモン(PT
H)、副腎皮質ホルモン(アルドステロン、コルチゾー
ル)、性腺ホルモン(hCG、エストロゲン、テストス
テロン、hPL)、膵・消化管ホルモン(インスリン、
C−ペプチド、グルカゴン、ガストリン)、その他(レ
ニン、アンジオテンシンI,II、エンケファリン、エ
リスロポエチン)などが挙げられる。
【0081】前記血中薬物としては、例えば、カルバマ
ゼピン、プリミドン、バルプロ酸等の抗てんかん薬、ジ
ゴキシン、キニジン、ジギトキシン、テオフィリン等の
循環器疾患薬、ゲンタマイシン、カナマイシン、ストレ
プトマイシン等の抗生物質などが挙げられる。
ゼピン、プリミドン、バルプロ酸等の抗てんかん薬、ジ
ゴキシン、キニジン、ジギトキシン、テオフィリン等の
循環器疾患薬、ゲンタマイシン、カナマイシン、ストレ
プトマイシン等の抗生物質などが挙げられる。
【0082】このような標的抗原を含む検体としては、
例えば、細菌、ウイルス等の病原体、生体から分離され
た血液、唾液、組織病片等、或いは糞尿等の排泄物が挙
げられる。更に、出生前診断を行う場合は、羊水中に存
在する胎児の細胞や、試験管内での分裂卵細胞の一部を
検体とすることもできる。また、これらの検体は直接、
又は必要に応じて遠心分離操作等により沈渣として濃縮
した後、例えば、酵素処理、熱処理、界面活性剤処理、
超音波処理、或いはこれらの組み合わせ等による細胞破
壊処理を予め施したものを使用することができる。
例えば、細菌、ウイルス等の病原体、生体から分離され
た血液、唾液、組織病片等、或いは糞尿等の排泄物が挙
げられる。更に、出生前診断を行う場合は、羊水中に存
在する胎児の細胞や、試験管内での分裂卵細胞の一部を
検体とすることもできる。また、これらの検体は直接、
又は必要に応じて遠心分離操作等により沈渣として濃縮
した後、例えば、酵素処理、熱処理、界面活性剤処理、
超音波処理、或いはこれらの組み合わせ等による細胞破
壊処理を予め施したものを使用することができる。
【0083】〔重金属と親和性を有する蛋白質〕前記蛋
白質は多くの重金属、特に亜鉛、カドミウム、銅、水銀
などに高い親和性を示す低分子量(約6000〜130
00)の蛋白質であり、動物の肝臓、腎臓、その他の組
織中に存在し、最近では微生物体内にも存在することが
見出されている。また、これらの蛋白質は、システイン
含有量が多く、芳香族の残基を殆ど含まないアミノ酸分
布を呈しており、生体内においてカドミウム、水銀など
の解毒化機能を有する物質であるとともに、亜鉛,銅な
ど生体に必須の微量金属の貯蔵と、生体内における分布
にも関与している重要な物質である。
白質は多くの重金属、特に亜鉛、カドミウム、銅、水銀
などに高い親和性を示す低分子量(約6000〜130
00)の蛋白質であり、動物の肝臓、腎臓、その他の組
織中に存在し、最近では微生物体内にも存在することが
見出されている。また、これらの蛋白質は、システイン
含有量が多く、芳香族の残基を殆ど含まないアミノ酸分
布を呈しており、生体内においてカドミウム、水銀など
の解毒化機能を有する物質であるとともに、亜鉛,銅な
ど生体に必須の微量金属の貯蔵と、生体内における分布
にも関与している重要な物質である。
【0084】<捕捉対象物>前記捕捉対象物が、重金属
類、有害有機化合物、農薬、環境ホルモン及び遺伝子組
換細胞から選ばれる少なくとも1種であることが好まし
い。前記捕捉対象物は、検出の最終的な標的物質である
必要はなく、検出の最終的な標的物質と共に存在する物
質であってもよい。
類、有害有機化合物、農薬、環境ホルモン及び遺伝子組
換細胞から選ばれる少なくとも1種であることが好まし
い。前記捕捉対象物は、検出の最終的な標的物質である
必要はなく、検出の最終的な標的物質と共に存在する物
質であってもよい。
【0085】前記重金属類としては、例えば、アルキル
水銀化合物(R−Hg)、水銀又はその化合物(H
g)、カドミウム又はその化合物(Cd)、鉛又はその
化合物(Pb)、六価クロム(Cr6+)、銅又はその
化合物(Cu)、亜鉛又はその化合物(Zn)、シア
ン、六価クロム、砒素、セレン、マンガン、ニッケル、
鉄、亜鉛、セレン、スズなどが挙げられる。
水銀化合物(R−Hg)、水銀又はその化合物(H
g)、カドミウム又はその化合物(Cd)、鉛又はその
化合物(Pb)、六価クロム(Cr6+)、銅又はその
化合物(Cu)、亜鉛又はその化合物(Zn)、シア
ン、六価クロム、砒素、セレン、マンガン、ニッケル、
鉄、亜鉛、セレン、スズなどが挙げられる。
【0086】前記有害有機化合物としては、例えば、シ
アン化合物、フェノール類、ジクロロメタン、アンモニ
ア、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジ
クロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、
1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロ
ロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレ
ン、ベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、ダイオキシ
ン、PCB,DDT、DESなどが挙げられる。
アン化合物、フェノール類、ジクロロメタン、アンモニ
ア、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジ
クロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、
1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロ
ロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレ
ン、ベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、ダイオキシ
ン、PCB,DDT、DESなどが挙げられる。
【0087】前記農薬としては、例えば、有機燐、1,
3−ジクロロプロペン、チラウム、シマジン、チオベン
カルブなどが挙げられる。
3−ジクロロプロペン、チラウム、シマジン、チオベン
カルブなどが挙げられる。
【0088】前記環境ホルモンとしては、例えば、ビス
フェノールA、ノニルフェノール、フタル酸エステル
類、有機スズ化合物、DDT、PCB、ダイオキシン類
などが挙げられる。
フェノールA、ノニルフェノール、フタル酸エステル
類、有機スズ化合物、DDT、PCB、ダイオキシン類
などが挙げられる。
【0089】前記遺伝子組換細胞としては、例えば、ト
ウモロコシ、イネ、トマトなどが挙げられる。
ウモロコシ、イネ、トマトなどが挙げられる。
【0090】そして、得られる前記棒状体に、前記捕捉
対象物を特異的に捕捉可能な捕捉構造体を結合させるこ
とにより本発明の廃液検査薬が得られる。
対象物を特異的に捕捉可能な捕捉構造体を結合させるこ
とにより本発明の廃液検査薬が得られる。
【0091】前記結合方法は、前記捕捉構造体と前記棒
状体とに応じて適宜選択することができるが、エステル
結合やアミド結合等の共有結合を利用する方法、タンパ
ク質をアビジン標識し、ビオチン化した捕捉構造体と結
合させる方法、タンパク質をストレプトアビジン標識
し、ビオチン化した捕捉構造体と結合させる方法等の公
知の方法が使用できる。
状体とに応じて適宜選択することができるが、エステル
結合やアミド結合等の共有結合を利用する方法、タンパ
ク質をアビジン標識し、ビオチン化した捕捉構造体と結
合させる方法、タンパク質をストレプトアビジン標識
し、ビオチン化した捕捉構造体と結合させる方法等の公
知の方法が使用できる。
【0092】前記共有結合法としては、ペプチド法、ジ
アゾ法、アルキル化法、臭化シアン活性化法、架橋試薬
による結合法、ユギ(Ugi)反応を利用した固定化
法、チオール・ジスルフィド交換反応を利用した固定化
法、シッフ塩基形成法、キレート結合法、トシルクロリ
ド法、生化学的特異結合法などが挙げられるが、好まし
くは共有結合などのより安定した結合には、チオール基
とマレイミド基の反応、ピリジルジスルフィド基とチオ
ール基の反応、アミノ基とアルデヒド基の反応などを利
用して行うことができ、公知の方法あるいは当該分野の
当業者が容易になしうる方法、さらにはそれらを修飾し
た方法の中から適宜選択して適用できる。これらのなか
でも、より安定した結合を形成できる化学的結合剤・架
橋剤などが使用される。
アゾ法、アルキル化法、臭化シアン活性化法、架橋試薬
による結合法、ユギ(Ugi)反応を利用した固定化
法、チオール・ジスルフィド交換反応を利用した固定化
法、シッフ塩基形成法、キレート結合法、トシルクロリ
ド法、生化学的特異結合法などが挙げられるが、好まし
くは共有結合などのより安定した結合には、チオール基
とマレイミド基の反応、ピリジルジスルフィド基とチオ
ール基の反応、アミノ基とアルデヒド基の反応などを利
用して行うことができ、公知の方法あるいは当該分野の
当業者が容易になしうる方法、さらにはそれらを修飾し
た方法の中から適宜選択して適用できる。これらのなか
でも、より安定した結合を形成できる化学的結合剤・架
橋剤などが使用される。
【0093】このような化学的結合剤・架橋剤として
は、カルボジイミド、イソシアネート、ジアゾ化合物、
ベンゾキノン、アルデヒド、過ヨウ素酸、マレイミド化
合物、ピリジルジスルフィド化合物などが挙げられる。
好ましい試薬としては、例えばグルタルアルデヒド、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
チオシアネート、N,N’−ポリメチレンビスヨードア
セトアミド、N,N’−エチレンビスマレイミド、エチ
レングリコールビススクシニミジルスクシネート、ビス
ジアゾベンジジン、1−エチル−3−(3−ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミド、スクシンイミジル 3
−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPD
P)、N−スクシンイミジル 4−(N−マレイミドメ
チル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMC
C)、N−スルホスクシンイミジル 4−(N−マレイ
ミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、
N−スクシンイミジル (4−ヨードアセチル)アミノ
ベンゾエート、N−スクシンイミジル 4−(1−マレ
イミドフェニル)ブチレート、イミノチオラン、S−ア
セチルメルカプトコハク酸無水物、メチル−3−(4’
−ジチオピリジル)プロピオンイミデート、メチル−4
−メルカプトブチリルイミデート、メチル−3−メルカ
プトプロピオンイミデート、N−スクシンイミジル−S
−アセチルメルカプトアセテートなどが挙げられる。
は、カルボジイミド、イソシアネート、ジアゾ化合物、
ベンゾキノン、アルデヒド、過ヨウ素酸、マレイミド化
合物、ピリジルジスルフィド化合物などが挙げられる。
好ましい試薬としては、例えばグルタルアルデヒド、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
チオシアネート、N,N’−ポリメチレンビスヨードア
セトアミド、N,N’−エチレンビスマレイミド、エチ
レングリコールビススクシニミジルスクシネート、ビス
ジアゾベンジジン、1−エチル−3−(3−ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミド、スクシンイミジル 3
−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPD
P)、N−スクシンイミジル 4−(N−マレイミドメ
チル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMC
C)、N−スルホスクシンイミジル 4−(N−マレイ
ミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート、
N−スクシンイミジル (4−ヨードアセチル)アミノ
ベンゾエート、N−スクシンイミジル 4−(1−マレ
イミドフェニル)ブチレート、イミノチオラン、S−ア
セチルメルカプトコハク酸無水物、メチル−3−(4’
−ジチオピリジル)プロピオンイミデート、メチル−4
−メルカプトブチリルイミデート、メチル−3−メルカ
プトプロピオンイミデート、N−スクシンイミジル−S
−アセチルメルカプトアセテートなどが挙げられる。
【0094】<廃液検査薬>前記廃液検査薬は、前記捕
捉構造体に前記捕捉対象物が捕捉されることにより、廃
液検査薬の光の屈折率、透過率、質量、粘弾性、などの
性質が変化するため、この変化を検出することにより、
捕捉対象物の検出に利用することができる。前記検出方
法は、目的に合わせて適宜選択することができるが、例
えば、肉眼により色の変化を観察する、分光光度計によ
り波長の変化を検出する、水晶発振子や表面弾性波(S
AW)素子等の周波数の発振を周波数カウンターにより
検出する等の方法により、行うことができる。
捉構造体に前記捕捉対象物が捕捉されることにより、廃
液検査薬の光の屈折率、透過率、質量、粘弾性、などの
性質が変化するため、この変化を検出することにより、
捕捉対象物の検出に利用することができる。前記検出方
法は、目的に合わせて適宜選択することができるが、例
えば、肉眼により色の変化を観察する、分光光度計によ
り波長の変化を検出する、水晶発振子や表面弾性波(S
AW)素子等の周波数の発振を周波数カウンターにより
検出する等の方法により、行うことができる。
【0095】前記廃液検査薬は単体でも用いることがで
きるが、単体で用いる場合には、捕捉対象物を含む溶媒
の表面や、前記溶媒と前記溶媒とは逆の親性を有する液
体との境界に、単層状又は複層状に配向させて用いるこ
とが波長の変化を検出し易い点で好ましい。
きるが、単体で用いる場合には、捕捉対象物を含む溶媒
の表面や、前記溶媒と前記溶媒とは逆の親性を有する液
体との境界に、単層状又は複層状に配向させて用いるこ
とが波長の変化を検出し易い点で好ましい。
【0096】また、例えば、ラングミュア・ブロジェッ
ト(LB)法などにより垂直配向させて基板上に単分子
膜、二分子膜等の膜状に形成して用いることもできる。
前記廃液検査薬は、視認性、識別性等の観点からは構造
性発色を示し得るのが好ましい。
ト(LB)法などにより垂直配向させて基板上に単分子
膜、二分子膜等の膜状に形成して用いることもできる。
前記廃液検査薬は、視認性、識別性等の観点からは構造
性発色を示し得るのが好ましい。
【0097】前記構造性発色は、モルフォ蝶翅の鱗粉の
発色基本原理である多層薄膜干渉理論に基づき、前記膜
に電場、磁場、温度、光(例えば自然光、赤外線光、紫
外線光)などの外部刺激を与えたときに、該膜の厚みと
その屈折率に応じて特定波長の光が反射する結果、該膜
の表面で生ずる発色であり、前記外部刺激によりカメレ
オンの表皮のようにその色調が任意に制御され得る。
発色基本原理である多層薄膜干渉理論に基づき、前記膜
に電場、磁場、温度、光(例えば自然光、赤外線光、紫
外線光)などの外部刺激を与えたときに、該膜の厚みと
その屈折率に応じて特定波長の光が反射する結果、該膜
の表面で生ずる発色であり、前記外部刺激によりカメレ
オンの表皮のようにその色調が任意に制御され得る。
【0098】ここで、前記構造性発色の原理について下
記に示す。図2及び図3に示すように、前記棒状体の膜
に光が照射された際に該膜による干渉光の波長(λ)
は、下記式(1)に示す条件で強められ、下記式(2)
に示す条件で弱められる。
記に示す。図2及び図3に示すように、前記棒状体の膜
に光が照射された際に該膜による干渉光の波長(λ)
は、下記式(1)に示す条件で強められ、下記式(2)
に示す条件で弱められる。
【0099】
【数1】
【0100】前記式(1)及び前記式(2)において、
λは、干渉光の波長(nm)を意味し、αは、前記膜へ
の光の入射角(度)を意味し、tは、単一の膜の厚み
(nm)を意味し、lは、膜の数を意味し、nは、膜の
屈折率を意味し、mは、1以上の整数を意味する。
λは、干渉光の波長(nm)を意味し、αは、前記膜へ
の光の入射角(度)を意味し、tは、単一の膜の厚み
(nm)を意味し、lは、膜の数を意味し、nは、膜の
屈折率を意味し、mは、1以上の整数を意味する。
【0101】前記構造性発色は、前記廃液検査薬を膜状
に配向させることにより得ることができる。前記単一の
膜の厚みとしては、810nm以下であるのが好まし
く、10nm〜810nmであるのがより好ましい。前
記厚みを適宜変更することにより、前記構造性発色の色
(波長)を変化させることができる。前記膜は、単分子
膜であってもよいし、該単分子膜による積層膜であって
もよい。
に配向させることにより得ることができる。前記単一の
膜の厚みとしては、810nm以下であるのが好まし
く、10nm〜810nmであるのがより好ましい。前
記厚みを適宜変更することにより、前記構造性発色の色
(波長)を変化させることができる。前記膜は、単分子
膜であってもよいし、該単分子膜による積層膜であって
もよい。
【0102】前記単分子膜又はそれによる前記積層膜
は、例えば、ラングミュア−ブロジェット法(LB法)
に従って形成することができ、その際、公知のLB膜形
成装置(例えば、日本レーザー&エレクトロニクス・ラ
ボラトリーズ社製のNL−LB400NK−MWCなど
が好適に挙げられる)を使用することができる。
は、例えば、ラングミュア−ブロジェット法(LB法)
に従って形成することができ、その際、公知のLB膜形
成装置(例えば、日本レーザー&エレクトロニクス・ラ
ボラトリーズ社製のNL−LB400NK−MWCなど
が好適に挙げられる)を使用することができる。
【0103】前記単分子膜の形成は、例えば、親油性
(疎水性)若しくは両親媒性の前記棒状体を水面上(水
相上)に浮かした状態で、又は、親水性若しくは両親媒
性の前記棒状体を油面上(油相上)に浮かした状態で、
即ち、図4に示すように、棒状体1を配向させた状態で
押出部材60を用いて基板50上に形成することができ
る。この操作を繰り返すことにより、基板50上に該単
分子膜を任意の数だけ積層した前記積層膜を形成するこ
とができる。なお、前記単分子膜又は前記積層膜が基板
50に固定されていると、該単分子膜又は積層膜による
構造性発色が安定して発現される点で好ましい。
(疎水性)若しくは両親媒性の前記棒状体を水面上(水
相上)に浮かした状態で、又は、親水性若しくは両親媒
性の前記棒状体を油面上(油相上)に浮かした状態で、
即ち、図4に示すように、棒状体1を配向させた状態で
押出部材60を用いて基板50上に形成することができ
る。この操作を繰り返すことにより、基板50上に該単
分子膜を任意の数だけ積層した前記積層膜を形成するこ
とができる。なお、前記単分子膜又は前記積層膜が基板
50に固定されていると、該単分子膜又は積層膜による
構造性発色が安定して発現される点で好ましい。
【0104】このとき、基板50としては、特に制限は
なく、目的に応じてその材質、形状、大きさ等を適宜選
択することができるが、その表面は、適宜、棒状体1が
付着乃至結合し易くする目的で予め表面処理を行ってお
くのが好ましく、例えば、棒状体1(例えばα−ヘリッ
クス・ポリペプチド)が親水性である場合には、オクタ
デシル・トリメチルシロキサンなどを用いた親水化処理
等の表面処理を予め行っておくのが好ましい。
なく、目的に応じてその材質、形状、大きさ等を適宜選
択することができるが、その表面は、適宜、棒状体1が
付着乃至結合し易くする目的で予め表面処理を行ってお
くのが好ましく、例えば、棒状体1(例えばα−ヘリッ
クス・ポリペプチド)が親水性である場合には、オクタ
デシル・トリメチルシロキサンなどを用いた親水化処理
等の表面処理を予め行っておくのが好ましい。
【0105】なお、両親媒性の棒状体の単分子膜を形成
する際に、該棒状体を油相又は水相上に浮かべた状態と
しては、図5に示す通り、前記水相又は油相上で、棒状
体1の親油性部(疎水性部)1a同士が互いに隣接して
配向し、親水性部1b同士が互いに隣接して配向してい
る。
する際に、該棒状体を油相又は水相上に浮かべた状態と
しては、図5に示す通り、前記水相又は油相上で、棒状
体1の親油性部(疎水性部)1a同士が互いに隣接して
配向し、親水性部1b同士が互いに隣接して配向してい
る。
【0106】以上は前記棒状体が単分子膜の平面方向に
配向(横に寝た状態)した単分子膜又はそれによる積層
膜の例であるが、該棒状体が単分子膜の厚み方向に配向
(立設した状態)した単分子膜は、例えば、以下のよう
にして形成することができる。即ち、図6に示すよう
に、まず、両親媒性の棒状体1(α−ヘリックス・ポリ
ペプチド)を水面上(水相上)に浮かした状態(横に寝
た状態)で、該水(水相)のpHを12程度のアルカリ
性にする。すると、棒状体1(α−ヘリックス・ポリペ
プチド)における親水性部1bが、そのα−ヘリックス
構造が解けてランダムな構造をとる。このとき、棒状体
1(α−ヘリックス・ポリペプチド)における親油性部
(疎水性部)1aはα−ヘリックス構造を維持したまま
である。次に、該水(水相)のpHを5程度の酸性にす
る。すると、棒状体1(α−ヘリックス・ポリペプチ
ド)における親水性部1bが、再びα−ヘリックス構造
をとるようになる。このとき、棒状体1(α−ヘリック
ス・ポリペプチド)に対し、該棒状体1(α−ヘリック
ス・ポリペプチド)に当接させた押圧部材をその側面か
らエアーの圧力で押すと、該棒状体1は該水(水相)に
対し立設した状態のままその親水性部1bが水相中でそ
の水面と略直交する方向に向かってα−ヘリックス構造
をとるようになる。そして、図4を用いて上述したよう
に、棒状体1(α−ヘリックス・ポリペプチド)を配向
させた状態で押出部材60を用いて基板50上に押し出
すことにより基板50上に単分子膜を形成することがで
きる。この操作を繰り返すことにより、基板50上に該
単分子膜を任意の数だけ積層した前記積層膜を形成する
ことができる。
配向(横に寝た状態)した単分子膜又はそれによる積層
膜の例であるが、該棒状体が単分子膜の厚み方向に配向
(立設した状態)した単分子膜は、例えば、以下のよう
にして形成することができる。即ち、図6に示すよう
に、まず、両親媒性の棒状体1(α−ヘリックス・ポリ
ペプチド)を水面上(水相上)に浮かした状態(横に寝
た状態)で、該水(水相)のpHを12程度のアルカリ
性にする。すると、棒状体1(α−ヘリックス・ポリペ
プチド)における親水性部1bが、そのα−ヘリックス
構造が解けてランダムな構造をとる。このとき、棒状体
1(α−ヘリックス・ポリペプチド)における親油性部
(疎水性部)1aはα−ヘリックス構造を維持したまま
である。次に、該水(水相)のpHを5程度の酸性にす
る。すると、棒状体1(α−ヘリックス・ポリペプチ
ド)における親水性部1bが、再びα−ヘリックス構造
をとるようになる。このとき、棒状体1(α−ヘリック
ス・ポリペプチド)に対し、該棒状体1(α−ヘリック
ス・ポリペプチド)に当接させた押圧部材をその側面か
らエアーの圧力で押すと、該棒状体1は該水(水相)に
対し立設した状態のままその親水性部1bが水相中でそ
の水面と略直交する方向に向かってα−ヘリックス構造
をとるようになる。そして、図4を用いて上述したよう
に、棒状体1(α−ヘリックス・ポリペプチド)を配向
させた状態で押出部材60を用いて基板50上に押し出
すことにより基板50上に単分子膜を形成することがで
きる。この操作を繰り返すことにより、基板50上に該
単分子膜を任意の数だけ積層した前記積層膜を形成する
ことができる。
【0107】前記構造性発色を示す単層膜又は積層膜を
得ることができる前記廃液検査薬としては、例えば、両
親媒性である廃液検査薬が挙げられ、棒状体が、αへリ
ックス・ポリペプチドである両親媒性の廃液検査薬が好
ましい。
得ることができる前記廃液検査薬としては、例えば、両
親媒性である廃液検査薬が挙げられ、棒状体が、αへリ
ックス・ポリペプチドである両親媒性の廃液検査薬が好
ましい。
【0108】本発明の廃液検査薬は、捕捉対象物を捕捉
すると沈殿又はゲル化するものであってもよい。
すると沈殿又はゲル化するものであってもよい。
【0109】本発明の廃液検査薬の使用方法は、特に制
限されないが、工場等から排出される廃液に廃液検査薬
を添加し、この廃液検査薬が捕捉対象物を捕捉すること
による構造性発色の色調の変化、又は波長変化を測定す
ることにより廃液中に捕捉対象物が存在することを確認
することができる。なお、本発明の廃液検査薬は、安定
な乳液のまま廃液などに添加し色調の変化、又は波長変
化を測定することが好ましい。
限されないが、工場等から排出される廃液に廃液検査薬
を添加し、この廃液検査薬が捕捉対象物を捕捉すること
による構造性発色の色調の変化、又は波長変化を測定す
ることにより廃液中に捕捉対象物が存在することを確認
することができる。なお、本発明の廃液検査薬は、安定
な乳液のまま廃液などに添加し色調の変化、又は波長変
化を測定することが好ましい。
【0110】具体的には、捕捉構造体として重金属と親
和性を有する蛋白質(メタロチオネイン又はチオネイン
様蛋白質)を用い、これを棒状体に結合させた廃液検査
薬を用いると廃液中の重金属類(亜鉛、カドミウム、
銅、水銀など)を検出することができる。
和性を有する蛋白質(メタロチオネイン又はチオネイン
様蛋白質)を用い、これを棒状体に結合させた廃液検査
薬を用いると廃液中の重金属類(亜鉛、カドミウム、
銅、水銀など)を検出することができる。
【0111】また、捕捉構造体としてクラウンエーテル
化合物を用い、これを棒状体に結合させた廃液検査薬を
用いると廃液中のLi,Na、K等のアルカリ金属、M
g、Ca等のアルカリ土類金属などの各種金属イオンを
検出することができる。
化合物を用い、これを棒状体に結合させた廃液検査薬を
用いると廃液中のLi,Na、K等のアルカリ金属、M
g、Ca等のアルカリ土類金属などの各種金属イオンを
検出することができる。
【0112】また、捕捉構造体としてシクロデキストリ
ンを用い、これを棒状体に結合した廃液検査薬を用いる
と、廃液中の有害有機化学物質などの存在を確認するこ
とができる。
ンを用い、これを棒状体に結合した廃液検査薬を用いる
と、廃液中の有害有機化学物質などの存在を確認するこ
とができる。
【0113】また、捕捉構造体としてビスフェノール
A、ノニルフェノール、フタル酸エステル類等の環境ホ
ルモンに対する抗体を用い、これを棒状体に結合した廃
液検査薬を用いると、廃液中の環境ホルモンの存在を確
認することができる。
A、ノニルフェノール、フタル酸エステル類等の環境ホ
ルモンに対する抗体を用い、これを棒状体に結合した廃
液検査薬を用いると、廃液中の環境ホルモンの存在を確
認することができる。
【0114】<廃液検査装置>本発明の第1の態様に係
る廃液検査装置は、該棒状体に結合し被検液中に含まれ
る捕捉対象物を特異的に捕捉する捕捉構造体とを有し、
かつ、膜状に配向させることにより構造性発色を示す廃
液検査薬と、該廃液検査薬と試料とを接触させるための
添加手段と、捕捉対象物を捕捉した前記膜状廃液検査薬
の構造性発色による波長の変化を測定する発色波長測定
手段とを備えている。
る廃液検査装置は、該棒状体に結合し被検液中に含まれ
る捕捉対象物を特異的に捕捉する捕捉構造体とを有し、
かつ、膜状に配向させることにより構造性発色を示す廃
液検査薬と、該廃液検査薬と試料とを接触させるための
添加手段と、捕捉対象物を捕捉した前記膜状廃液検査薬
の構造性発色による波長の変化を測定する発色波長測定
手段とを備えている。
【0115】前記被検液としては、検査対象となってい
る捕捉対象物を含むものであれば特に制限はなく、例え
ば河川水、工場等からの廃液などが挙げられる。前記添
加手段としては、一定量の廃液検査薬を試料に添加する
手段又は、一定量の試料を廃液検査薬に添加する手段で
あれば、特に制限はないが、前記廃液検査薬の量は、膜
状に配向させることにより構造性発色を検出し易い量に
設定することが好ましい。
る捕捉対象物を含むものであれば特に制限はなく、例え
ば河川水、工場等からの廃液などが挙げられる。前記添
加手段としては、一定量の廃液検査薬を試料に添加する
手段又は、一定量の試料を廃液検査薬に添加する手段で
あれば、特に制限はないが、前記廃液検査薬の量は、膜
状に配向させることにより構造性発色を検出し易い量に
設定することが好ましい。
【0116】前記廃液検査装置の好ましい態様のひとつ
としては、前記廃液検査薬が更に両親媒性であり、前記
添加手段が、該廃液検査薬を油相と共に、水性の試料に
添加して廃液検査薬と試料とを接触させる添加手段であ
る廃液検査装置である。
としては、前記廃液検査薬が更に両親媒性であり、前記
添加手段が、該廃液検査薬を油相と共に、水性の試料に
添加して廃液検査薬と試料とを接触させる添加手段であ
る廃液検査装置である。
【0117】この場合、廃液検査薬が両親媒性であるた
め、油相と水相との界面で廃液検査薬が垂直配向して膜
状となり、構造性発色による波長の変化が測定し易い点
で好ましい。
め、油相と水相との界面で廃液検査薬が垂直配向して膜
状となり、構造性発色による波長の変化が測定し易い点
で好ましい。
【0118】本発明の第二の態様に係る廃液検査装置
は、前記本発明の廃液検査薬を水晶発振子又は表面弾性
波(SAW)素子に膜状に付着結合させてなるバイオセ
ンサーと、該バイオセンサーを構成する廃液検査薬の捕
捉結合体に捕捉対象物が結合した際の質量変化又は粘弾
性変化を周波数として発振する発振回路と、該発振回路
から発振された前記振動の周波数を計測する周波数カウ
ンターとを備えたものである。
は、前記本発明の廃液検査薬を水晶発振子又は表面弾性
波(SAW)素子に膜状に付着結合させてなるバイオセ
ンサーと、該バイオセンサーを構成する廃液検査薬の捕
捉結合体に捕捉対象物が結合した際の質量変化又は粘弾
性変化を周波数として発振する発振回路と、該発振回路
から発振された前記振動の周波数を計測する周波数カウ
ンターとを備えたものである。
【0119】この場合、廃液検査薬を水晶発振子又は表
面弾性波(SAW)素子に対し単分子膜状に付着結合さ
せるか、又は二分子膜状に付着結合させることが好まし
い。また、周波数カウンターとしては、水晶発振子又は
表面弾性波(SAW)素子からの周波数を正確に測定で
きるものであれば特に限定されない。
面弾性波(SAW)素子に対し単分子膜状に付着結合さ
せるか、又は二分子膜状に付着結合させることが好まし
い。また、周波数カウンターとしては、水晶発振子又は
表面弾性波(SAW)素子からの周波数を正確に測定で
きるものであれば特に限定されない。
【0120】前記水晶発振子は、薄い水晶板の表面と裏
面とに金属電極を蒸着したものである。この水晶発振子
20の一例を図7に示す。図7Aが平面図、図7Bが正
面図である。水晶板21の表面に電極12が、裏面に電
極14が蒸着されている。電極12、14からは左側に
電極が伸びており、その左端の部分を図示省略したクリ
ップ型のリード線を接続して、図示を省略している交流
電源に接続する。ここで、電極12、14の間に交流電
界を印加すると逆圧電効果により、水晶板21は一定周
期の振動を発生する。
面とに金属電極を蒸着したものである。この水晶発振子
20の一例を図7に示す。図7Aが平面図、図7Bが正
面図である。水晶板21の表面に電極12が、裏面に電
極14が蒸着されている。電極12、14からは左側に
電極が伸びており、その左端の部分を図示省略したクリ
ップ型のリード線を接続して、図示を省略している交流
電源に接続する。ここで、電極12、14の間に交流電
界を印加すると逆圧電効果により、水晶板21は一定周
期の振動を発生する。
【0121】前記水晶発振子20の表面には図示を省略
しているが、廃液検査薬膜が付着結合されている。この
廃液検査薬膜の捕捉結合体が捕捉対象物を特異的に捕捉
し、該捕捉した捕捉対象物の質量だけ水晶発振子20の
表面の質量が変化するため、共振周波数が変化する。
しているが、廃液検査薬膜が付着結合されている。この
廃液検査薬膜の捕捉結合体が捕捉対象物を特異的に捕捉
し、該捕捉した捕捉対象物の質量だけ水晶発振子20の
表面の質量が変化するため、共振周波数が変化する。
【0122】ここで、厚み方向に垂直な平面に平行な振
動をする水晶発振子20の表面に被覆した廃液検査薬膜
の質量変化と共振周波数の変化量には、下記式(3)の
関係があり、質量変化を共振周波数の変化量で検出する
ことができる。例えば、9MHzの共振周波数の振動子
では(面積約0.5cm2)1μgの質量増加により、
400Hzの周波数低下を得ることができる。 ΔF=−2.3×106(F2・ΔW/A) (3) 但し、Fは水晶発振子の共振周波数(MHz)を意味
し、ΔFは質量変化による共振周波数の変化量(Hz)
を意味し、ΔWは膜の質量変化(g)を意味し、Aは膜
の表面積(cm2)を意味する。
動をする水晶発振子20の表面に被覆した廃液検査薬膜
の質量変化と共振周波数の変化量には、下記式(3)の
関係があり、質量変化を共振周波数の変化量で検出する
ことができる。例えば、9MHzの共振周波数の振動子
では(面積約0.5cm2)1μgの質量増加により、
400Hzの周波数低下を得ることができる。 ΔF=−2.3×106(F2・ΔW/A) (3) 但し、Fは水晶発振子の共振周波数(MHz)を意味
し、ΔFは質量変化による共振周波数の変化量(Hz)
を意味し、ΔWは膜の質量変化(g)を意味し、Aは膜
の表面積(cm2)を意味する。
【0123】図8に廃液検査装置の一例を示す。水晶発
振子20(表面に廃液検査薬10が膜状に結合されてい
る)は水晶発振子取付アームに取り付けられ恒温ヒート
ブロック23中の溶液に浸されている。恒温ヒートブロ
ック23は溶液の温度を一定に保つためのものである。
溶液は攪拌機(スターラー)24により攪拌される。ま
た、サンプルインジェクション25は溶液中に計測すべ
き試料を注入する。発振回路26は、水晶発振子20の
電極12、14に交流電界を印加して水晶発振子20を
発振させる。発振回路26の発振周波数はカウンター2
7によりカウントされ、コンピュータ28により解析さ
れ、被検液中の捕捉対象物の質量が表示される。
振子20(表面に廃液検査薬10が膜状に結合されてい
る)は水晶発振子取付アームに取り付けられ恒温ヒート
ブロック23中の溶液に浸されている。恒温ヒートブロ
ック23は溶液の温度を一定に保つためのものである。
溶液は攪拌機(スターラー)24により攪拌される。ま
た、サンプルインジェクション25は溶液中に計測すべ
き試料を注入する。発振回路26は、水晶発振子20の
電極12、14に交流電界を印加して水晶発振子20を
発振させる。発振回路26の発振周波数はカウンター2
7によりカウントされ、コンピュータ28により解析さ
れ、被検液中の捕捉対象物の質量が表示される。
【0124】このように、廃液検査薬の捕捉結合体に捕
捉対象物が特異的に捕捉されることにより、前記廃液検
査薬の質量が変化し、この質量変化を水晶発振子がとら
えて周波数に変換するので、この周波数変化を周波数カ
ウンターで測定することにより、特異的に捕捉対象物の
存在の有無を検査することができる。また、予め既知量
の捕捉対象物を用いて検量線を作成することにより、試
料中の検出又は定量すべき捕捉対象物濃度を検出又は定
量することができる。
捉対象物が特異的に捕捉されることにより、前記廃液検
査薬の質量が変化し、この質量変化を水晶発振子がとら
えて周波数に変換するので、この周波数変化を周波数カ
ウンターで測定することにより、特異的に捕捉対象物の
存在の有無を検査することができる。また、予め既知量
の捕捉対象物を用いて検量線を作成することにより、試
料中の検出又は定量すべき捕捉対象物濃度を検出又は定
量することができる。
【0125】次に、前記表面弾性波(SAW)素子と
は、固体の表面に一対の櫛形電極を設け、電気信号を表
面弾性波(固体表面を伝わる音波、超音波)に変換し
て、対向する電極まで伝達し、再び電気信号として出力
する素子であり、刺激に対応して特定の周波数の信号を
取り出すことができる。圧電効果を示すタンクル酸リチ
ウム、ニオブ酸リチウムなどの強誘電体や、水晶、酸化
亜鉛薄膜などが材料とされる。
は、固体の表面に一対の櫛形電極を設け、電気信号を表
面弾性波(固体表面を伝わる音波、超音波)に変換し
て、対向する電極まで伝達し、再び電気信号として出力
する素子であり、刺激に対応して特定の周波数の信号を
取り出すことができる。圧電効果を示すタンクル酸リチ
ウム、ニオブ酸リチウムなどの強誘電体や、水晶、酸化
亜鉛薄膜などが材料とされる。
【0126】前記SAWは、媒質の表面に沿って伝搬
し、媒質内部では指数関数的に減少する弾性波である。
SAWは伝搬エネルギーが媒質表面に集中するので、媒
質表面の変化を敏感に検出することができ、水晶発振子
と同様に表面の質量変化により、SAW伝搬速度が変化
する。一般に、SAW伝搬速度は発振回路を用いて発振
周波数の変化として測定されている。発振周波数の変化
は次式で与えられる。 Δf=(k1 +k2)f2hρ−k2f2h[(4μ/
Vr 2)(λ+μ/λ+2μ)] 但し、k1 ,k2 は定数を意味し、hは固定化した膜の
厚さを意味し、ρは膜の密度を意味し、λ,μは膜のL
ame定数を意味し、VrはSAW伝搬速度を意味す
る。
し、媒質内部では指数関数的に減少する弾性波である。
SAWは伝搬エネルギーが媒質表面に集中するので、媒
質表面の変化を敏感に検出することができ、水晶発振子
と同様に表面の質量変化により、SAW伝搬速度が変化
する。一般に、SAW伝搬速度は発振回路を用いて発振
周波数の変化として測定されている。発振周波数の変化
は次式で与えられる。 Δf=(k1 +k2)f2hρ−k2f2h[(4μ/
Vr 2)(λ+μ/λ+2μ)] 但し、k1 ,k2 は定数を意味し、hは固定化した膜の
厚さを意味し、ρは膜の密度を意味し、λ,μは膜のL
ame定数を意味し、VrはSAW伝搬速度を意味す
る。
【0127】図9は表面弾性波(SAW)素子の要部構
成の一例を示す模式平面図である。この図9において、
このSAW素子センサ30は、STカットの水晶製の共
振周波数90MHzを持つSAW素子に、金電極38と
その両端に櫛型電極36、及び点線で示した表面波伝播
領域37に廃液検査薬からなる膜(図示せず)を形成し
てあり、各櫛型電極36から高周波増幅器35を経て周
波数カウンター39に接続され、試料中の捕捉対象物の
質量が表示されるように構成されている。
成の一例を示す模式平面図である。この図9において、
このSAW素子センサ30は、STカットの水晶製の共
振周波数90MHzを持つSAW素子に、金電極38と
その両端に櫛型電極36、及び点線で示した表面波伝播
領域37に廃液検査薬からなる膜(図示せず)を形成し
てあり、各櫛型電極36から高周波増幅器35を経て周
波数カウンター39に接続され、試料中の捕捉対象物の
質量が表示されるように構成されている。
【0128】前記廃液検査薬の捕捉結合体により被検液
中の捕捉対象物が特異的に捕捉されることにより、前記
廃液検査薬の質量又は粘弾性が変化し、この質量変化又
は粘弾性変化を表面弾性波(SAW)素子がとらえ周波
数に変換するので、この周波数変化を周波数カウンター
で測定することにより、特異的に捕捉対象物の存在の有
無を検査することができる。
中の捕捉対象物が特異的に捕捉されることにより、前記
廃液検査薬の質量又は粘弾性が変化し、この質量変化又
は粘弾性変化を表面弾性波(SAW)素子がとらえ周波
数に変換するので、この周波数変化を周波数カウンター
で測定することにより、特異的に捕捉対象物の存在の有
無を検査することができる。
【0129】また、予め既知量の捕捉対象物を用いて検
量線を作成することにより、試料中の検出又は定量すべ
き捕捉対象物を検出又は定量することができる。
量線を作成することにより、試料中の検出又は定量すべ
き捕捉対象物を検出又は定量することができる。
【0130】前記バイオセンサーを構成する水晶発振子
又は表面弾性波(SAW)素子の電極上に廃液検査薬を
化学的に結合・固定する方法としては、特に制限はな
く、目的に応じて適宜選定することができる。例えば、
共有結合などの化学的結合により行うことができる。
又は表面弾性波(SAW)素子の電極上に廃液検査薬を
化学的に結合・固定する方法としては、特に制限はな
く、目的に応じて適宜選定することができる。例えば、
共有結合などの化学的結合により行うことができる。
【0131】前記共有結合法としては、特に制限はな
く、上記廃液検査薬における捕捉結合体と棒状体との結
合に用いたものと同じものを適宜選択して用いることが
できる。具体的には、前記廃液検査薬の末端にチオール
基を導入したものを合成し、その溶液中に水晶発振子又
は表面弾性波(SAW)素子を一定時間浸漬・反応させ
る。次いで該溶液から廃液検査薬が化学的に結合・固定
したバイオセンサーを取り出し、乾燥させる方法などが
挙げられる。このチオール基としてはS−トリチル−3
−メルカプトプロピルオキシ−β−シアノエチル−N,
N−ジイソプロピルアミノホスホルアミダイドなどが包
含され、該廃液検査薬の末端へのチオール基の導入はホ
スホルアミダイド法により行うことができる。
く、上記廃液検査薬における捕捉結合体と棒状体との結
合に用いたものと同じものを適宜選択して用いることが
できる。具体的には、前記廃液検査薬の末端にチオール
基を導入したものを合成し、その溶液中に水晶発振子又
は表面弾性波(SAW)素子を一定時間浸漬・反応させ
る。次いで該溶液から廃液検査薬が化学的に結合・固定
したバイオセンサーを取り出し、乾燥させる方法などが
挙げられる。このチオール基としてはS−トリチル−3
−メルカプトプロピルオキシ−β−シアノエチル−N,
N−ジイソプロピルアミノホスホルアミダイドなどが包
含され、該廃液検査薬の末端へのチオール基の導入はホ
スホルアミダイド法により行うことができる。
【0132】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0133】(実施例1)t−ブチルベンゾ−15−ク
ラウン−5クラウンを開始剤として用い、γ−メチル−
L−グルタミン−N−カルボキシ酸無水物の重合を行
い、下記式で示した分子認識能を有するt−ブチルベン
ゾ−15−クラウン−5(CR)を分子鎖末端に配した
ポリペプチド(PMG−CR)を調製した。
ラウン−5クラウンを開始剤として用い、γ−メチル−
L−グルタミン−N−カルボキシ酸無水物の重合を行
い、下記式で示した分子認識能を有するt−ブチルベン
ゾ−15−クラウン−5(CR)を分子鎖末端に配した
ポリペプチド(PMG−CR)を調製した。
【0134】
【化2】
【0135】このポリペプチドを乳化分散させた廃液検
査薬を用いて、Li,Na、K等のアルカリ金属、M
g、Ca等のアルカリ土類金属などの各種金属イオンを
含む被検液を添加し、構造性発色による波長の変化を分
光光度計を用いて測定したところ、被検液を添加しない
ものに比べて顕著な波長の変化が見られた。
査薬を用いて、Li,Na、K等のアルカリ金属、M
g、Ca等のアルカリ土類金属などの各種金属イオンを
含む被検液を添加し、構造性発色による波長の変化を分
光光度計を用いて測定したところ、被検液を添加しない
ものに比べて顕著な波長の変化が見られた。
【0136】(実施例2)n−ヘキシルアミンを開始剤
として用い、Nε−カルボベンゾキシ L−リジン N
α−カルボキシ酸無水物(LLZ−NCA)の重合を行
い、続けてγ−メチル L−グルタメート N−カルボ
キシ酸無水物(MLG−NCA)の重合を行うことによ
りPLLZ部の重合度が2000、PMLG部の重合度
が600のブロックコポリペプチドPLLZ2000−
PMLG600を調製した。その後、PMLGセグメン
トを部分的に加水分解してL−グルタミン酸(LGA)
とすることでα−ヘリックスコポリペプチドPLLZ
250−P(MLG420/LGA180)を調製し
た。
として用い、Nε−カルボベンゾキシ L−リジン N
α−カルボキシ酸無水物(LLZ−NCA)の重合を行
い、続けてγ−メチル L−グルタメート N−カルボ
キシ酸無水物(MLG−NCA)の重合を行うことによ
りPLLZ部の重合度が2000、PMLG部の重合度
が600のブロックコポリペプチドPLLZ2000−
PMLG600を調製した。その後、PMLGセグメン
トを部分的に加水分解してL−グルタミン酸(LGA)
とすることでα−ヘリックスコポリペプチドPLLZ
250−P(MLG420/LGA180)を調製し
た。
【0137】このα−ヘリックスコポリペプチドにアビ
ジンを導入し、ビオチンで標識したチオネイン様蛋白質
(J.Ferment.Bioeny.Vol.67
(4).p266−273,1989に記載の方法で作
製)とをビオチン−アビジン結合を介して結合させて廃
液検査薬を調製した。
ジンを導入し、ビオチンで標識したチオネイン様蛋白質
(J.Ferment.Bioeny.Vol.67
(4).p266−273,1989に記載の方法で作
製)とをビオチン−アビジン結合を介して結合させて廃
液検査薬を調製した。
【0138】次に、該廃液検査薬を水面上(水相上)に
浮かした状態(横に寝た状態)で、該水(水相)のpH
を12程度のアルカリ性にする。すると、該廃液検査薬
における親水性部が、そのα−ヘリックス構造が解けて
ランダムな構造をとる。このとき、該廃液検査薬におけ
る疎水性部はα−ヘリックス構造を維持したままであ
る。次に、該水(水相)のpHを5程度の酸性にする。
すると、該廃液検査薬における親水性部が、再びα−ヘ
リックス構造をとるようになる。このとき、該廃液検査
薬に対し、該廃液検査薬に当接させた押圧部材をその側
面からエアーの圧力で押すと、該廃液検査薬は該水(水
相)に対し立設した状態のままその親水性部が水相中で
その水面と略直交する方向に向かってα−ヘリックス構
造をとるようになる。そして、上述したように、該廃液
検査薬を配向させた状態で押出部材を用いて基板(板状
体)上に押し出すことにより基板(板状体)上に該廃液
検査薬を立設させた単分子膜を形成することができる。
なお、この操作は、LB膜形成装置(日本レーザー&エ
レクトロニクス・ラボラトリー社製、NL−LB400
NK−MWC)を使用して行った。この単分子膜の厚み
を算出すると約16nmであった。
浮かした状態(横に寝た状態)で、該水(水相)のpH
を12程度のアルカリ性にする。すると、該廃液検査薬
における親水性部が、そのα−ヘリックス構造が解けて
ランダムな構造をとる。このとき、該廃液検査薬におけ
る疎水性部はα−ヘリックス構造を維持したままであ
る。次に、該水(水相)のpHを5程度の酸性にする。
すると、該廃液検査薬における親水性部が、再びα−ヘ
リックス構造をとるようになる。このとき、該廃液検査
薬に対し、該廃液検査薬に当接させた押圧部材をその側
面からエアーの圧力で押すと、該廃液検査薬は該水(水
相)に対し立設した状態のままその親水性部が水相中で
その水面と略直交する方向に向かってα−ヘリックス構
造をとるようになる。そして、上述したように、該廃液
検査薬を配向させた状態で押出部材を用いて基板(板状
体)上に押し出すことにより基板(板状体)上に該廃液
検査薬を立設させた単分子膜を形成することができる。
なお、この操作は、LB膜形成装置(日本レーザー&エ
レクトロニクス・ラボラトリー社製、NL−LB400
NK−MWC)を使用して行った。この単分子膜の厚み
を算出すると約16nmであった。
【0139】得られた廃液検査薬からなる単分子膜を形
成した基板を、重金属(カドミウム)を含む溶液中に配
置し、構造性発色による波長の変化を分光光度計を用い
て測定したところ、ポリペプチドに、上記チオネイン様
蛋白質を結合させてない廃液検査薬に比べて顕著な波長
の変化が見られた。
成した基板を、重金属(カドミウム)を含む溶液中に配
置し、構造性発色による波長の変化を分光光度計を用い
て測定したところ、ポリペプチドに、上記チオネイン様
蛋白質を結合させてない廃液検査薬に比べて顕著な波長
の変化が見られた。
【0140】(実施例3)実施例2において、基板(板
状体)上に廃液検査薬が立設した単分子膜を構造単位と
し、これを2層積層することにより、廃液検査薬が二分
子膜状に立設した基板を調製した。この基板を重金属
(カドミウム)を含む溶液中に配置し、構造性発色によ
る波長の変化を分光光度計を用いて測定したところ、ポ
リペプチドに、上記チオネイン様蛋白質を結合させてな
い廃液検査薬に比べて顕著な波長の変化が見られた。
状体)上に廃液検査薬が立設した単分子膜を構造単位と
し、これを2層積層することにより、廃液検査薬が二分
子膜状に立設した基板を調製した。この基板を重金属
(カドミウム)を含む溶液中に配置し、構造性発色によ
る波長の変化を分光光度計を用いて測定したところ、ポ
リペプチドに、上記チオネイン様蛋白質を結合させてな
い廃液検査薬に比べて顕著な波長の変化が見られた。
【0141】(実施例4)水晶発振子(ATカット、面
積0.5cm2、基本周波数9MHz)に面積0.2c
m2の金電極及び金メッキを施したリード線を取り付け
たものを水晶発振子電極として用いた。
積0.5cm2、基本周波数9MHz)に面積0.2c
m2の金電極及び金メッキを施したリード線を取り付け
たものを水晶発振子電極として用いた。
【0142】前記水晶発振子電極をアミノプロピルトリ
エトキシシラン(チッソ社製)を用い、この1体積%水
溶液に室温で1時間浸漬した後、純水中で20kHzの
超音波を30分間照射することによって洗浄し、余分な
アミノプロピルトリエトキシシランを除去した。次に、
水晶発振子電極を110℃の温度下で20分間加熱処理
することによってアミノプロピルトリエトキシシランと
水晶発振子の表面との間に共有結合を形成させた。
エトキシシラン(チッソ社製)を用い、この1体積%水
溶液に室温で1時間浸漬した後、純水中で20kHzの
超音波を30分間照射することによって洗浄し、余分な
アミノプロピルトリエトキシシランを除去した。次に、
水晶発振子電極を110℃の温度下で20分間加熱処理
することによってアミノプロピルトリエトキシシランと
水晶発振子の表面との間に共有結合を形成させた。
【0143】次に、この水晶発振子を1体積%のグルタ
ールアルデヒド水溶液に1時間浸漬することにより、グ
ルタールアルデヒドとアミノプロピルトリエトキシシラ
ンとの間に共有結合を形成した後、水晶発振子を純水中
で20kHzの超音波を30分間照射することによって
洗浄し、余分なグルタールアルデヒドを除去した。この
水晶発振子電極を実施例1で作製した廃液検査薬を含む
100mlのpH7.2のリン酸緩衝液中に2時間浸漬
した。これにより廃液検査薬がグルタールアルデヒドを
介して水晶発振子に固定された。未反応の廃液検査薬
は、pH7.2のリン酸緩衝液で洗浄することにより除
去した。
ールアルデヒド水溶液に1時間浸漬することにより、グ
ルタールアルデヒドとアミノプロピルトリエトキシシラ
ンとの間に共有結合を形成した後、水晶発振子を純水中
で20kHzの超音波を30分間照射することによって
洗浄し、余分なグルタールアルデヒドを除去した。この
水晶発振子電極を実施例1で作製した廃液検査薬を含む
100mlのpH7.2のリン酸緩衝液中に2時間浸漬
した。これにより廃液検査薬がグルタールアルデヒドを
介して水晶発振子に固定された。未反応の廃液検査薬
は、pH7.2のリン酸緩衝液で洗浄することにより除
去した。
【0144】次に、作製した水晶発振子を図8に示した
廃液検査装置に取り付け、リン酸緩衝液に重金属(カド
ミウム)を含む溶媒を所定量添加し、10分間の周波数
変化量を調べた。1分間以内に発振周波数の変化量がほ
ぼ飽和になった。重金属(カドミウム)を含む溶媒を添
加したものは、添加しなかったものに比べて明らかな発
振周波数の低下が見られた。また、重金属(カドミウ
ム)の添加量を増加させると、発振周波数が一定の割合
で減少していくことが認められた。
廃液検査装置に取り付け、リン酸緩衝液に重金属(カド
ミウム)を含む溶媒を所定量添加し、10分間の周波数
変化量を調べた。1分間以内に発振周波数の変化量がほ
ぼ飽和になった。重金属(カドミウム)を含む溶媒を添
加したものは、添加しなかったものに比べて明らかな発
振周波数の低下が見られた。また、重金属(カドミウ
ム)の添加量を増加させると、発振周波数が一定の割合
で減少していくことが認められた。
【0145】(実施例5)実施例4において、水晶発振
子の代わりに図9に示したSTカットの発振周波数が1
0.3MHzの表面弾性波(SAW)素子を用いた以外
は、実施例3と同様にして廃液検査装置を組み立てた。
リン酸緩衝液に重金属(カドミウム)を含む溶媒を所定
量添加し、10分間の周波数変化量を調べた。1分間以
内に発振周波数の変化量がほぼ飽和になった。重金属
(カドミウム)を含む溶媒を添加したものは、添加しな
かったものに比べて明らかな発振周波数の低下が見られ
た。また、重金属(カドミウム)の添加量を増加させる
と、発振周波数が一定の割合で減少していくことが認め
られた。
子の代わりに図9に示したSTカットの発振周波数が1
0.3MHzの表面弾性波(SAW)素子を用いた以外
は、実施例3と同様にして廃液検査装置を組み立てた。
リン酸緩衝液に重金属(カドミウム)を含む溶媒を所定
量添加し、10分間の周波数変化量を調べた。1分間以
内に発振周波数の変化量がほぼ飽和になった。重金属
(カドミウム)を含む溶媒を添加したものは、添加しな
かったものに比べて明らかな発振周波数の低下が見られ
た。また、重金属(カドミウム)の添加量を増加させる
と、発振周波数が一定の割合で減少していくことが認め
られた。
【0146】
【発明の効果】本発明によれば、全般に操作が簡便であ
り、工場等の排水及び廃液に含まれる有害な重金属類、
シアン化合物、有害化学物質及び遺伝子組換細胞などを
迅速かつ簡便に検査することができる。
り、工場等の排水及び廃液に含まれる有害な重金属類、
シアン化合物、有害化学物質及び遺伝子組換細胞などを
迅速かつ簡便に検査することができる。
【図1】図1は、本発明の一実施例に係る廃棄検査薬の
模式図である。
模式図である。
【図2】図2は、構造性発色の原理を説明する説明図で
ある。
ある。
【図3】図3は、同模式図である。
【図4】図4は、本発明の機能性分子による単分子膜の
形成を示す概略説明図である。
形成を示す概略説明図である。
【図5】図5は、両親媒性の機能性分子が水(水相)上
で配向している状態の一例を示す概略説明図である。
で配向している状態の一例を示す概略説明図である。
【図6】図6は、両親媒性の機能性分子を水(水相)上
で立設させる方法の一例を示す概略説明図である。
で立設させる方法の一例を示す概略説明図である。
【図7】図7は、水晶発振子の一例を示し、図7Aは平
面図、図7Bは正面図である。
面図、図7Bは正面図である。
【図8】図8は、廃液検査装置の一例を示す概略図であ
る。
る。
【図9】図9は、表面弾性波(SAW)素子を示す模式
平面図である。
平面図である。
1 棒状体 2 捕捉構造体 10 廃液検査薬
Claims (20)
- 【請求項1】 廃液に添加されて使用され、棒状体と、
該棒状体に結合し該廃液中に含まれる捕捉対象物を特異
的に捕捉する捕捉構造体とを有してなることを特徴とす
る廃液検査薬。 - 【請求項2】 両親媒性である請求項1に記載の廃液検
査薬。 - 【請求項3】 捕捉構造体が棒状体の一端に結合された
請求項1又は2に記載の廃液検査薬。 - 【請求項4】 捕捉構造体が棒状体の周側面に結合され
た請求項1から3のいずれかに記載の廃液検査薬。 - 【請求項5】 捕捉が物理吸着及び化学吸着のいずれか
である請求項1から4のいずれかに記載の廃液検査薬。 - 【請求項6】 棒状体が、らせん状有機分子である請求
項1から5のいずれかに記載の廃液検査薬。 - 【請求項7】 らせん状有機分子がα−ヘリックス・ポ
リペプチド、DNA及びアミロースのいずれかである請
求項6に記載の廃液検査薬。 - 【請求項8】 棒状体の長さが810nm以下である請
求項1から7のいずれかに記載の廃液検査薬。 - 【請求項9】 構造性発色を示す請求項8に記載の廃液
検査薬。 - 【請求項10】 捕捉構造体が廃液に親性がある請求項
1から9のいずれかに記載の廃液検査薬。 - 【請求項11】 捕捉対象物が、重金属類、有害有機化
合物、農薬、環境ホルモン及び遺伝子組換細胞から選ば
れる少なくとも1種である請求項1から10のいずれか
に記載の廃液検査薬。 - 【請求項12】 捕捉対象物が、該捕捉対象物と共に存
在する物質である請求項1から11のいずれかに記載の
廃液検査薬。 - 【請求項13】 捕捉対象物を捕捉すると構造性発色す
る請求項1から12のいずれかに記載の廃液検査薬。 - 【請求項14】 捕捉対象物を捕捉すると沈殿する請求
項1から12のいずれかに記載の廃液検査薬。 - 【請求項15】 捕捉対象物を捕捉するとゲル化する請
求項1から12のいずれかに記載の廃液検査薬。 - 【請求項16】 長さが810nm以下である棒状体
と、該棒状体に結合し被検液中に含まれる捕捉対象物を
特異的に捕捉する捕捉構造体とを有し、かつ、膜状に配
向させることにより構造性発色を示す廃液検査薬と、該
廃液検査薬と試料とを接触させるための添加手段と、捕
捉対象物を捕捉した前記膜状廃液検査薬の構造性発色に
よる波長の変化を測定する発色波長測定手段とを備えた
ことを特徴とする廃液検査装置。 - 【請求項17】 前記廃液検査薬が更に両親媒性であ
り、前記添加手段が該廃液検査薬を油相と共に、水性の
試料に添加して廃液検査薬と試料とを接触させる添加手
段である請求項16に記載の廃液検査装置。 - 【請求項18】 棒状体と、該棒状体に結合し被検液中
に含まれる捕捉対象物を特異的に捕捉する捕捉構造体と
を有し、かつ、両親媒性である廃液検査薬を水晶発振子
又は表面弾性波(SAW)素子に膜状に付着結合させて
なるバイオセンサーと、該バイオセンサーに捕捉対象物
が捕捉された際の質量変化又は粘弾性変化を周波数とし
て発振する発振回路と、該発振回路から発振された前記
振動の周波数を計測する周波数カウンターとを備えたこ
とを特徴とする廃液検査装置。 - 【請求項19】 前記廃液検査薬を水晶発振子又は表面
弾性波(SAW)素子に単分子膜状に付着させた請求項
18に記載の廃液検査装置。 - 【請求項20】 前記廃液検査薬を水晶発振子又は表面
弾性波(SAW)素子に二分子膜状に付着させた請求項
18に記載の廃液検査装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002075236A JP2002350424A (ja) | 2001-03-23 | 2002-03-18 | 廃液検査薬及びそれを用いた廃液検査装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001-86318 | 2001-03-23 | ||
JP2001086318 | 2001-03-23 | ||
JP2002075236A JP2002350424A (ja) | 2001-03-23 | 2002-03-18 | 廃液検査薬及びそれを用いた廃液検査装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002350424A true JP2002350424A (ja) | 2002-12-04 |
Family
ID=26611984
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002075236A Pending JP2002350424A (ja) | 2001-03-23 | 2002-03-18 | 廃液検査薬及びそれを用いた廃液検査装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002350424A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008089580A (ja) * | 2006-09-08 | 2008-04-17 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 水銀含有量測定素子、水銀含有量測定装置及び水銀の含有量測定方法 |
JP2010217022A (ja) * | 2009-03-17 | 2010-09-30 | Shinshu Univ | カリックスレゾルシンアレン系複合材料およびそれを用いたセンサー素子、センサー |
-
2002
- 2002-03-18 JP JP2002075236A patent/JP2002350424A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008089580A (ja) * | 2006-09-08 | 2008-04-17 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 水銀含有量測定素子、水銀含有量測定装置及び水銀の含有量測定方法 |
JP2010217022A (ja) * | 2009-03-17 | 2010-09-30 | Shinshu Univ | カリックスレゾルシンアレン系複合材料およびそれを用いたセンサー素子、センサー |
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