JP2002350345A - 脂溶性物質を含有する粉体の水に対する不溶性度の測定方法 - Google Patents

脂溶性物質を含有する粉体の水に対する不溶性度の測定方法

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JP2002350345A
JP2002350345A JP2001160068A JP2001160068A JP2002350345A JP 2002350345 A JP2002350345 A JP 2002350345A JP 2001160068 A JP2001160068 A JP 2001160068A JP 2001160068 A JP2001160068 A JP 2001160068A JP 2002350345 A JP2002350345 A JP 2002350345A
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water
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Toshiki Mori
俊樹 森
Hiroyuki Monoe
宏幸 物江
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便な操作で、再現性よく、レチノイド及び
/又はカロチノイドを含有し、保護コロイドをマトリッ
クスとして有する粉体の水への不溶性度を定量的に評価
する方法を提供する。 【解決手段】 マトリックスとなる保護コロイド物質に
脂溶性物質が保持されてなる粉体の水に対する不溶性度
の測定を、(a)該粉末を水と混合して得られた混合液
に対し、混合液から固形分を捕集し且つ粉体から遊離し
た脂溶性物質を捕集しないように濾過処理を施して濾液
を得、(b)得られた濾液の光透過率を測定することに
より行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マトリックスとな
る保護コロイド物質にレチノイドやカロチノイド等の脂
溶性物質が保持されてなる粉体の水に対する不溶性度を
測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビタミンAアセテートなどのレチノイド
(脂溶性ビタミン)やβ−カロチンなどのカロチノイド
は、生理活性物質あるいは天然着色料として食品や動物
飼料用の添加物として従来より幅広く使用されている。
【0003】ところで、レチノイドやカロチノイドは、
熱や酸素の影響によって容易に変質し、その生理活性や
着色能等が低下しやすい化合物であるため、それらが添
加される食品や動物飼料の加工条件下においてそれらの
生理活性や着色能等が維持されるように、一般に糖、ゼ
ラチン、デンプン、アラビアゴム、デキストリン、疎水
性珪酸などの保護コロイド物質からなるマトリックス中
に、通常0.1〜10μmの微小粒子サイズで埋め込ま
れた形状の粉体として調製される(特公平4−2868
4号公報、特公昭46−17154号公報、特公昭54
−18331号公報等参照)。しかし、これら公報に記
載の方法で作成された粉体は水に可溶性であるために、
その粉体を食品や動物飼料などに添加する場合、加工処
理時の熱や他の配合飼料に含まれる水分によって粉体が
崩壊し、有効成分であるレチノイドやカロチノイドが粉
体から遊離し、その有効活性量が低下するという問題が
ある。
【0004】そこで、近年では、レチノイドやカロチノ
イドなどを始めとする脂溶性物質を保護コロイド物質に
保持させてなる粉末に対し、水中乃至熱水中でも崩壊し
ないことが要求されるようになっており、このような要
求に応えた粉体の製造方法として以下の(1)〜(4)
の方法が提案されている。
【0005】(1)脂溶性ビタミン及び/又はカロチノ
イド、水、ゼラチン及び糖を含有する乳濁液を液滴に変
え且つそれらを永続的に確立した微粒子状態に変え、得
られる粒子を分離する工程からなり、そして該粒子を約
90〜約180℃の温度で熱処理することを特徴とする
方法(特開昭63−258807号公報(特許第254
6838号)参照); (2)脂溶性ビタミン及び/又はカロチノイド、水、ゼ
ラチン、デンプン及び還元糖に加えてアミノ化合物を含
有する乳濁液を液滴に変え、得られた液滴をデンプン粉
末中に捕集することによって微粒子を形成し、得られた
微粒子を約60〜180℃の温度で熱処理することを特
徴とする方法(特開平6−65062号公報(特許第2
519008号)参照); (3)脂溶性ビタミン及び/又はカロチノイド、JIS
K6503に規定された方法で測定したpHが2〜5
であるゼラチン、還元糖、デンプン及び水を含有する乳
濁液を液滴に変え、該液滴をデンプン粉末中に捕集する
ことによって微粒子を形成し、得られた微粒子を45℃
〜85℃で加熱処理する方法(特開平11−10633
3号公報参照); 及び (4)脂溶性ビタミン及び/又はカロチノイド、JIS
K6503に規定された方法で測定したpHが2〜
4.6であるゼラチン、サッカロース、デンプン及び水
を含有する乳濁液を液滴に変え、該液滴をデンプン粉末
中に捕集することによって微粒子を形成し、得られた微
粒子を120℃〜170℃で加熱処理する方法(特開平
11−12165号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、得られ
た粉体の水に対する不溶性の程度について、(1)の方
法を記載した公報には、「この方法で交さ結合させた小
球は沸騰水に不溶性であり」と、(2)の方法を記載し
た公報には、「このようにして製造された粉末は煮沸水
中でもはや分散しない」と、そして上記(3)及び
(4)の方法を記載した公報には『「熱水中でも崩壊し
ない」とは、得られた粉末を沸騰水中に入れて3分間経
過した後であっても、該粉末中の有効成分が水中に溶出
しない状態をいう』と、記載されているにすぎず、得ら
れた粉体の水に対する不溶性の程度に関する定量的な記
載のみならずその測定手法に関する具体的な記載も存在
しないため、製造した粉体が完全に水に対し不溶性であ
るか、どの程度が不溶性であるか、あるいは完全に可溶
性であるかどうかを定量的に測定し評価することができ
ず、製造した粉末製品に品質差が生じる要因となってい
た。
【0007】また、上記した方法では、粉体が水に対し
可溶性である状態から水に対し不溶性である状態へ至る
までの変化を定量的に測定し評価することができないの
で、水に対し不溶性である粉体の最適な製造条件を決定
する際にも問題が生じる。すなわち、上記した方法で
は、粉体を水へ不溶化させるための処理としていずれも
加熱を伴うので、加熱が長時間に至る場合には、熱によ
りレチノイド及び/又はカロチノイドの活性が劣化する
おそれがある。
【0008】以上のような問題は、レチノイドやカロチ
ノイド以外のトコフェロール、ステロイド等の脂溶性物
質を保護コロイドに保持させてなる粉体にも生じる問題
である。
【0009】本発明の目的は、マトリックスとなる保護
コロイド物質にレチノイドやカロチノイド等の脂溶性物
質が保持されてなる粉体の水に対する不溶性度を、簡便
な操作で再現性よく且つ定量的に評価できる測定方法を
提供することである。
【0010】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、マトリック
スとなる保護コロイド物質にレチノイドやカロチノイド
等の脂溶性物質が保持されてなる粉体を水に混合した場
合、粉体の水に対する不溶性度が低い場合には粉体の保
護コロイド物質のマトリックス構造が壊れて保護コロイ
ド物質で保持されていない遊離の脂溶性物質量が混合物
中に増えること;一方、粉体の水に対する不溶性度が高
い場合には、粉体の保護コロイド物質のマトリックス構
造が壊れにくく、従って保護コロイド物質で保持されて
いない遊離の脂溶性物質量が混合物中に相対的に少なく
なること;粉体を水と混合して得られた混合液に対し、
混合液から固形分を捕集し且つ粉体から遊離した脂溶性
物質を捕集しないように濾過処理を施して得た濾液は、
遊離した脂溶性物質による濁りが生じていること;そし
て、その濁りの程度は、濾液の光透過率を測定すること
により容易に定量できること、を見出し、本発明を完成
した。
【0011】すなわち、本発明は、マトリックスとなる
保護コロイド物質に脂溶性物質が保持されてなる粉体の
水に対する不溶性度の測定方法であって、以下の工程
(a)及び(b): (a)該粉体を水と混合して得られた混合液に対し、混
合液から固形分を捕集し且つ粉体から遊離した脂溶性物
質を捕集しないように濾過処理を施して濾液を得る工
程; (b)工程(a)で得られた濾液の光透過率を測定する
工程 を有する測定方法を提供する。
【0012】なお、本明細書において、「粉体が水に不
溶性である」とは、粉体を所定の温度の水と混合した際
に、水により粉体全体が崩壊せず、粉体の形状が保持さ
れることを意味する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、マトリックスとなる保
護コロイド物質に脂溶性物質が保持されてなる粉体の水
に対する不溶性度の測定方法である。以下の工程(a)
及び(b)を含む。各工程毎に説明する。
【0014】なお、本発明の測定方法の測定対象である
粉体は、レチノイドやカロチノイドだけでなく、トコフ
ェロール、ステロイド等の脂溶性物質の固体状、半固体
状又は液状微粒子を保護コロイド物質のマトリックス中
に保持した粉体である。脂溶性物質の微粒子の大きさや
粉体自体の大きさ、更に、粉体中の脂溶性物質の配合量
や保護コロイド物質の配合量については、粉体の使用目
的(食品添加用、動物飼料添加用等)に応じて適宜決定
することができる。
【0015】本発明の測定方法の測定対象である粉体に
おいては、脂溶性物質の微粒子の大きさは30μm以下
であることが好ましく、一方、粉体自体の大きさは30
μmを超える大きさであることが好ましい。
【0016】また、粉体のマトリックスを構成する保護
コロイド物質としては、保護コロイド物質として通常用
いられるもの、例えば、糖、ゼラチン、デンプン、アラ
ビアゴム、デキストリン、疎水性珪酸等が挙げられる。
【0017】なお、粉体には、必要に応じて公知の抗酸
化剤、例えば、エトキシキン、ビタミンE、BHT等を
配合してもよい。
【0018】工程(a) 粉体を水と混合して得られた混合液に対し、混合液から
固形分(主に崩壊していない粉体)を捕集し且つ粉体か
ら遊離した脂溶性物質を捕集しないように濾過処理を施
して濾液を得る。
【0019】この工程において、粉体と水とを混合する
際に、粉体と水との配合比には特に制限はないが、粉体
が十分に分散しうる量の水を通常使用する。混合時の温
度、湿度、撹拌状態についても特に制限はなく、粉体の
製造条件や粉体の使用目的に応じて適宜決定することが
できる。
【0020】また、この工程において、混合液から固形
分を捕集し且つ粉体から遊離した脂溶性物質を捕集しな
いように濾過処理を施して濾液を調製する場合、捕集す
べき固形分の大きさと濾材を通過させるべき遊離した脂
溶性物質粒子の大きさとの間の粒子保持能を示す濾材を
使用して、減圧濾過処理、常圧濾過処理あるいは加圧濾
過処理を行う。得られた濾液は、遊離した脂溶性物質微
粒子が水に懸濁して濁った状態となる。
【0021】なお、濾材の種類に特に制限はなく、ケイ
ソウ土等の粒状濾材;多孔性金属板、磁器等の固体成型
濾材;綿、羊毛、合成繊維、ガラス繊維等の織布;濾
紙、セルロースパルプ、濾過板、フィルターカートリッ
ジなど、濾過能を有する材料を用いることができる。
【0022】工程(b) 次に、工程(a)で得られた濾液の光透過率を測定す
る。濾液の光透過率を測定することにより、濾液中に懸
濁している脂溶性物質濃度を測定することができる。こ
れは、濾液の濁った状態の程度と濾液中に懸濁している
脂溶性物質濃度との間に正の相関関係が存在するからで
ある。従って、水に対する不溶性度が高い粉体を処理し
て得られる濾液の光透過率は高くなり、一方、水に対す
る不溶性度が低い、即ち、水との混合により粉体全体が
崩壊しやすく、粉体形状が保たれ難い粉体を処理して得
られる濾液を測定した場合には、その光透過率は低くな
る。
【0023】なお、この工程において、光透過率の測定
に使用する光としては、脂溶性物質により吸収されな
い、あるいは吸収される度合いの少ない波長の単一光又
は混合波長光を使用することが好ましい。この理由は、
脂溶性物質の光吸収ピーク波長から選ばれる波長の光を
使用すると、脂溶性物質にも光が無視できない程度に吸
収されてしまうため、光透過量が濾液中に懸濁した状態
の脂溶性物質の濃度を正確に反映しなくなるためであ
る。例えば、脂溶性物質がレチノイド及びカロチノイド
の少なくともいずれかである場合は、波長600〜15
00nmの範囲の光の中から選択することが好ましい。
【0024】光透過率の測定に使用する分光光度計又は
測定セルについては、公知のものから適宜選択して使用
することができる。
【0025】以上説明した本発明の測定方法を、水に対
する不溶性度が未知である粉体に対して適用することに
より、その粉体の水に対する不溶性度を評価することが
可能となる。
【0026】また、本発明の測定方法を実施するに際し
ては、例えば異なる製造条件での粉体の水に対する不溶
性の程度を比較する場合や、水に対し不溶性である粉体
の最適な製造条件を決定する場合(即ち、粉体を水に対
し不溶化させるための処理として加熱処理を行う際の、
加熱時間と粉体の水に対する不溶化の程度との関係を調
べる場合)等において、各測定値(光透過率)を一義的
に比較できるようにする観点から、上記した前処理及び
測定における各種条件をできる限り一定とすることが好
ましい。特に、前処理である工程(a)における粉体の
秤取量、水の添加量、撹拌条件、加熱の有無、加熱の程
度、加熱時間、加熱を停止した後に放置する時間、濾過
の際に用いる濾材の種類及び粒子保持径などの条件、測
定に用いる分光光度計の機種、測定セルの種類、測定に
用いる光の波長などの各種の測定条件を一定として行う
ことが好ましい。
【0027】次に、本発明の測定方法を、脂溶性物質と
してレチノイド又はカロチノイドを使用した場合を例に
とり、より詳しく説明する。
【0028】工程(a′) ゼラチンなどの保護コロイド物質のマトリックス中にレ
チノイド及び/又はカロチノイドが保持された粉体の所
定量、好ましくは0.01g〜1gの量を秤量する。こ
の粉体に対して1〜5000質量倍、好ましくは5〜5
00質量倍の水を加えて沸騰するまで加熱し、0.1〜
10分の範囲、好ましくは0.5〜3分の範囲の間、沸
騰状態を維持する。その後、加熱を中止して混合液の温
度が50℃以下、好ましくは30℃以下になるまで放置
した後、粒子保持能0.1〜30μm、好ましくは0.
5〜20μmを有する濾材で濾過して、固形分を分離し
て濾液を得る。ここで、濾材の粒子保持能が0.1μm
以下の場合は、加熱によって崩壊した保護コロイド物質
のマトリックス構造から遊離するレチノイド及び/又は
カロチノイドも濾過操作で除去され、一方、30μmを
越える場合には、加熱によって崩壊したマトリックス構
造を構成する保護コロイド物質の一部が得られる濾液に
混入して、いずれの場合も本発明の測定方法における測
定値(光透過率)の再現性に悪影響を与える。
【0029】なお、レチノイドとしては、例えばビタミ
ンAアセテート、ビタミンAパルミテート、ビタミンA
酸などが例示され、カロテノイドとしては、β−カロチ
ン、カンタキサンチン、アスタキサンチン、アポカロテ
ナールなどが例示される。
【0030】また、レチノイド及び/又はカロチノイド
を含有し、保護コロイドをマトリックスとして有する粉
体、好ましくは熱水中でも崩壊しないように処理を施し
た粉体は、例えば特開昭63−258807号公報(特
許第2546838号)、特開平6−65062号公報
(特許第2519008号)、特開平11−10633
3号公報、特開平11−12165号公報に従って製造
することができるが、これら以外の方法で製造した粉体
も測定の対象とできる。
【0031】工程(b′) 次に、波長600〜1500nm、好ましくは800〜
1100nmの範囲から選ばれる波長を有する単一光又
は混合波長光を用いて、工程(a′)で得られた濾液の
濁りの状態を光透過率を指標として測定する。ここで、
600nmよりも小さい波長、及び1500nmよりも
大きい波長の光を用いた場合には、測定する光透過率の
値がレチノイド及び/又はカロチノイドが有する光吸収
特性に影響されるため、粉体の水への不溶性と相関関係
のある有効な測定値を得ることができない。
【0032】以上説明した工程(a′)及び工程
(b′)からなる測定方法によれば、レチノイド又はカ
ロチノイドを保護コロイド物質に保持された粉体の水に
対する不溶性度を評価することができる。また、工程
(a′)及び工程(b′)からなる測定方法を実施する
に際しては、例えば異なる製造条件での粉体の水に対す
る不溶性の程度を比較する場合や、水に対し不溶性であ
る粉体の最適な製造条件を決定する場合(即ち、粉体を
水に対し不溶化させるための処理として加熱処理を行う
際の、加熱時間と粉体の水に対する不溶化の程度との関
係を調べる場合)等において、各測定値(光透過率)を
一義的に比較できるようにする観点から、上記した前処
理及び測定における各種条件をできる限り一定とするこ
とが好ましい。特に、前処理である工程(a′)におけ
る粉体の秤取量、水の添加量、撹拌条件、加熱の有無、
加熱の程度、加熱時間、加熱を停止した後に放置する時
間、濾過の際に用いる濾材の種類及び粒子保持径などの
条件、測定に用いる分光光度計の機種、測定セルの種
類、測定に用いる光の波長などの各種の測定条件を一定
として行うことが好ましい。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるもの
ではない。
【0034】参考例1 (以下の実施例に使用する粉体の製造)水200kg
に、酸性ゼラチン(pH4.3)75kg、デンプン5
kg、砂糖68kgを投入し、得られた混合液を60℃
で攪拌した。この混合液に、溶解したビタミンAアセテ
ート40kg(290万IU/g)、エトキシキン12
kgを添加し、ホモジナイザーを用いて60℃で2分間
乳化した。得られた乳化液を、アセチル化デンプンの粉
末を200g/m3の割合で分散させている温度20℃
の乾燥空気中に、噴霧ノズル(口径:1.5mm)から
2MPaの圧力で噴霧して、微粒子を得た。
【0035】得られた微粒子を、流動層式乾燥器中に導
入し、100℃の乾燥空気で5時間乾燥して、ビタミン
Aアセテートを含有する粉体(A)110kg(ビタミ
ンAアセテート含有量:44万IU/g)を得た。な
お、この粉体(A)の一部を取って水を加え、3分間煮
沸したところ、粉体は速やかに崩壊し、白濁した溶液と
なった。
【0036】得られた粉体(A)のうち30kgを流動
層式乾燥器中に入れ、加熱した乾燥空気を用いて、粉体
温度が145℃となるようにして5分間加熱後、急速に
冷却し、粉体(B)29.1kg(ビタミンAアセテー
ト含有量:43.9万IU/g)を得た。なお、この粉
体(B)の一部を取って水を加え、3分間煮沸したが、
粉体は僅かに膨潤しただけでその形状は保たれ、また水
溶液の濁りなどはほとんど見られなかった。
【0037】さらに、得られた粉体(A)のうち30k
gを流動層式乾燥器中に入れ、加熱した乾燥空気を用い
て、粉体温度が145℃となるようにして3分間加熱
後、急速に冷却し、粉体(C)29.2kg(ビタミン
Aアセテート含有量:43.8万IU/g)を得た。な
お、この粉体(C)の一部を取って水を加え、3分間煮
沸したところ、粉体形状の一部が崩壊し、水溶液が少し
白濁した。
【0038】実施例1 (水不溶性粉体(B)の不溶性度測定)参考例1で得ら
れた粉体(B)0.20gと、水8mlを試験管に入れ
た。この試験管を振り混ぜながら沸騰状態まで加熱して
1分の間、沸騰状態を保持した後、加熱を中止して5分
間放置した。この時、試験管内の粉体は加熱処理前に比
べて若干膨潤は見られるが、形状は保たれていた。この
混合物を直径8cmの漏斗に取り付けた濾紙(WHAT
MAN社製 No.1(JIS規格:JIS P380
1=1種:粒子保持能11μm))で濾過し、固形部分
を分離した。
【0039】次に、得られた濾液を分光光度計(島津製
作所製UV−1600、石英セル:L=10mm)で1
000nmの波長の光を用いて光透過率を測定したとこ
ろ、96.0%であった。従って、粉体(B)の水に対
する不溶性度は96.0%と判断される。
【0040】実施例2 (水可溶性粉体(A)の不溶性度測定)参考例1で得ら
れた粉体(A)0.20gと、水8mlを試験管に入れ
た。この試験管を振り混ぜながら沸騰状態まで加熱して
1分の間、沸騰状態を保持した後、加熱を中止して5分
間放置した。この時、試験管内には粉体は崩壊して見ら
れず、白濁状態の水溶液となっていた。この混合物を径
8cmの漏斗に取り付けた濾紙(WHATMAN社製
No.1(JIS規格:JIS P3801=1種:粒
子保持能11μm))で濾過し、固形部分を分離した。
【0041】得られた濾液を分光光度計(島津製作所製
UV−1600、石英セル:L=10mm)で1000
nmの波長の光を用いて光透過率を測定したところ、
1.5%であった。従って、粉体(A)の水に対する不
溶性度は1.5%と判断される。
【0042】実施例3 (加熱による不溶化処理の時間と透過率(水不溶性度)
の関係)参考例1で得られた粉体(A)20gを、直径
7cmのグラスフィルターにいれ、下部のガラス管部か
ら温度140℃の熱風を入れて加熱した。加熱時間の経
過に伴って粉体の一部をサンプリングし、実施例1と同
様の方法で前処理を行って、得られた濾液の1000n
mの波長を用いたときの光透過率を測定した。その結果
を表1及び図1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1及び図1から分かるように、加熱時間
が長くなるにつれ、透過率が増大しており、不溶性度が
高まっていることが分かる。従って、本発明の測定方法
は、粉体の最適不溶化条件の条件出しに有用となる。
【0045】実施例4 (水不溶性度が不明である粉体(C)の測定)参考例1
で得られた粉体(C)0.20gと、水8mlを試験管
に入れた。この試験管を振り混ぜながら加熱して沸騰状
態まで加熱して1分の間、沸騰状態を保持した後、加熱
を中止して5分間放置した。この時、試験管内では粉体
の一部が崩壊して、溶液の部分は若干白濁していた。こ
の混合液を径8cmの漏斗に取り付けた濾紙(WHAT
MAN社製 No.1(JIS規格:JIS P380
1=1種:粒子保持能11μm))で濾過し、固形部分
を分離した。
【0046】得られた濾液を分光光度計(島津製作所製
UV−1600、石英セル:L=10mm)で1000
nmの波長の光を用いて光透過率を測定したところ、6
2.6%であった。従って、この粉体(C)の水に対す
る不溶性度は62.6%と判断される。
【0047】
【発明の効果】本発明の測定方法によれば、簡便な操作
で、再現性よく、レチノイド及び/又はカロチノイドを
含有し、保護コロイドをマトリックスとして有する粉体
の水への不溶性度を定量的に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】粉体の不溶化処理時間と光透過率(水不溶性
度)との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G052 AA06 AA40 AB11 AD29 EA00 FD09 GA11 2G059 AA05 BB06 BB09 CC19 CC20 DD16 EE01 EE11 HH01 HH02 HH06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックスとなる保護コロイド物質に
    脂溶性物質が保持されてなる粉体の水に対する不溶性度
    の測定方法であって、以下の工程(a)及び(b): (a)該粉体を水と混合して得られた混合液に対し、混
    合液から固形分を捕集し且つ粉体から遊離した脂溶性物
    質を捕集しないように濾過処理を施して濾液を得る工
    程; (b)工程(a)で得られた濾液の光透過率を測定する
    工程 を有する測定方法。
  2. 【請求項2】 脂溶性物質がレチノイド及びカロチノイ
    ドの少なくともいずれかである場合に、工程(a)にお
    いて、粒子保持能が0.1〜30μmの範囲である濾材
    を用いて混合液を濾過し、且つ工程(b)において、波
    長600〜1500nmの範囲から選ばれる波長の光を
    用いて濾液の光透過率を測定する請求項1記載の測定方
    法。
  3. 【請求項3】 工程(a)において、混合液を沸騰加熱
    した後に濾過処理する請求項2記載の測定方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006275672A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 流動型蓄熱材の状態測定装置及び方法
CN107024435A (zh) * 2017-03-30 2017-08-08 江苏省农业科学院 与色差关联的黄肉桃果肉β‑胡萝卜素含量和类胡萝卜素总量预测的方法

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