JP2002349369A - 蓄熱装置を備えた内燃機関 - Google Patents

蓄熱装置を備えた内燃機関

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JP2002349369A
JP2002349369A JP2001160883A JP2001160883A JP2002349369A JP 2002349369 A JP2002349369 A JP 2002349369A JP 2001160883 A JP2001160883 A JP 2001160883A JP 2001160883 A JP2001160883 A JP 2001160883A JP 2002349369 A JP2002349369 A JP 2002349369A
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heat
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JP2001160883A
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Kunihiko Hayashi
邦彦 林
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓄熱タンクに蓄えた熱を効率的に利用して吸
気通路内のガスを昇温させることのできる蓄熱装置を備
えた内燃機関を提供する。 【解決手段】 エンジン10は、冷却水循環通路PW、
蓄熱タンク21および吸気迂回通路PG等を主要構成要
素として含む蓄熱装置100を搭載する。蓄熱装置10
0では、吸気通路の一部を蓄熱タンク21内に直接引き
込み、同タンク21内に貯留された熱水と直接熱交換を
行って昇温させる構成を適用している。このため、蓄熱
タンク21に蓄えられた熱を吸気通路内のガス(吸気、
混合気)に伝搬する過程で、外部に損失する熱量は最小
限に留まる。また、吸気通路内のガスと、蓄熱タンク2
1に貯留された熱水とを熱交換させる構造(熱交換通路
PGc)が蓄熱タンク21の内部に構築されているた
め、エンジン10に付随する装置としての収納性や搭載
性にも優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機関運転に伴って
発生する熱を一時的に蓄え、低温条件下での機関運転等
に利用する蓄熱装置を備えた内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車等の車両に搭載される内
燃機関にとって、燃焼室周辺の温度が所定温に達してい
ない状態(冷間状態)での機関運転は、燃焼室に供給さ
れる燃料が十分に霧化されないこと等の不具合を生じさ
せ、排気特性(エミッション)や燃費性能を悪化させて
しまうため好ましくない。
【0003】しかし実際のところ、一時的な機関停止後
における再始動時のような場合は例外として、機関運転
を開始する際には毎回のように、機関始動時から暖機完
了時までの期間は冷間状態で機関運転を行わざるをえな
い。
【0004】こうした問題に対し、内燃機関が運転中に
発する熱を、所定の蓄熱装置に蓄えておき、冷間状態に
ある機関に放出する機能を有する蓄熱装置が知られてい
る。
【0005】例えば特開平10−71837号公報に記
載された装置は、当該機関の放熱によって熱せられた冷
却水の一部を機関停止後、蓄熱タンク(魔法瓶と同様の
保温機能を有する容器)に貯留しておき、次回の機関始
動時において冷却系(当該機関の冷却通路)に解放する
ことで、当該機関の即効暖機の性能を高めている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、始動時にお
ける内燃機関の運転状態の安定性を決定づける要因とし
て、温度条件に関する最も重要な因子は、機関燃焼に供
されるガス、すなわち吸入空気や混合気の温度である。
このため、上記公報に記載された装置では、機関始動
時、蓄熱装置に蓄えた冷却水(熱水)を当該機関の吸気
通路に優先的に循環させ、当該吸気通路内を通過するガ
スを積極的に暖める構成を採用している。
【0007】しかしながら、上記公報記載の装置では、
蓄熱装置に蓄えられた熱水が吸気通路の達するまでに失
う熱量(熱損失)が大きく、吸気や混合気の温度を効率
的に高めることが困難であった。
【0008】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであり、蓄熱タンクに蓄えた熱を効率的に利用して
吸気通路内のガスを昇温させることのできる蓄熱装置を
備えた内燃機関を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、機関運転に伴って発生する熱を熱媒体を
通じて回収する熱回収手段と、前記回収された熱を蓄え
るとともに、機関吸気通路の少なくとも一部に介在する
蓄熱タンクとを有してなる蓄熱装置を内燃機関に備える
ことを要旨とする。
【0010】同構成によれば、蓄熱タンクに蓄えられた
熱を効率的に吸気に伝搬させることができるようにな
り、しかも、蓄熱タンクに蓄えられた熱の損失は最小限
に抑制される。
【0011】また、前記熱媒体は、当該機関の冷却水又
は潤滑油であるのが好ましい。
【0012】当該機関の冷却水や潤滑油は、高い流動性
を有し、また大きな熱容量を有することから、大量の熱
を移送すること、或いは蓄えることを可能とするばかり
でなく、当該機関の温度調整や潤滑を行うべく、必然的
に用いられるものである。よって同構成によれば、蓄熱
タンクに蓄えられた熱の損失を最小限に抑制しつつ、し
かも同タンクに蓄えられた熱を効率よく吸気に伝搬させ
る作用を容易に得ることができる上、構成要素の付加を
最小限に抑えることができ、製造コストや搭載性の面で
も優れる。
【0013】また、前記蓄熱タンクが介在する前記機関
吸気通路の少なくとも一部を通過するガスの流量を制御
する流量制御機構を有するのが好ましい。
【0014】同構成によれば、蓄熱タンクに蓄えられた
熱の損失を最小限に抑制しつつ、しかも同タンクに蓄え
られた熱を効率的に吸気に伝搬させるといった当該装置
の機能が一層向上するようになる。
【0015】また、前記流量制御機構は、前記蓄熱タン
クが介在する前記機関吸気通路の少なくとも一部を通過
するガスの流れを発生させるポンプ機能を有してなるの
が好ましい。
【0016】同構成によれば、蓄熱タンクの介在によっ
て生じる機関吸気通路の流路抵抗を、好適に低減若しく
は消失させることができるようになる。
【0017】また、前記機関吸気通路のうち前記蓄熱タ
ンクが介在する部分は、その部分を通過する吸気と、前
記蓄熱タンク内の熱媒体との間で熱交換を生じさせる機
能を備えるのが好ましい。
【0018】また、前記機関吸気通路のうち前記蓄熱タ
ンクが介在する部分は、他の部分に比し、単位通路長あ
たりの通路表面積が大きく形成されることにより、その
部分を通過する吸気と、前記蓄熱タンク内の熱媒体との
間で熱交換を生じさせることとするのが好ましい。
【0019】同構成によれば、前記蓄熱タンクを介して
機関燃焼に供される吸気の温度を効率的に上昇させるこ
とができるようになる。
【0020】また、前記機関吸気通路のうち前記蓄熱タ
ンクが介在する部分は、前記蓄熱装置内において所定容
積の吸気を貯留する吸気貯留部を形成することとしても
よい。
【0021】同構成によれば、前記蓄熱タンクを介する
ことによって昇温する吸気にとって、その獲得熱量が好
適に高まるとともに、当該蓄熱タンクから送り出される
時点における温度の平均化(安定化)も図られる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる蓄熱装置を
備えた内燃機関を車載用エンジンに適用した一実施の形
態について、図面を参照して説明する。
【0023】図1には、本実施の形態にかかる車載用エ
ンジン(以下、エンジンという)10の概略構成を示
す。
【0024】同図1に示すように、エンジン10の外郭
は、シリンダブロック10aを下段、シリンダヘッド1
0bを上段とし、両部材10a,10bが互いに閉じ合
わされたかたちで形成される。
【0025】シリンダブロック10aに形成された気筒
12内には、エンジン10の出力軸9の回転と連動して
上下動するピストン13が取り付けられている。ピスト
ン13の頭上には燃焼室11が形成される。燃焼室11
内の空間は、吸気バルブ14及び排気バルブ15を介し
てそれぞれ吸気ポート16及び排気ポート17と連通し
ており、機関運転時には、吸気ポート16を通じた混合
気の導入や、排気ポート17を通じた排ガスの排出が行
われる。吸気ポート16に接続された吸気管40は、エ
ンジン10の搭載される車両(図示略)の外部から新気
を導入し、吸気ポート16に送り込む。吸気ポート16
及び吸気管40は、ともに吸気通路の一部をなす。吸気
ポート16に取り付けられた燃料噴射弁18は、周知の
電子制御装置(図示略)からの指令信号に基づき燃料を
噴射供給する。電子制御装置は、中央処理装置(CP
U)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセ
スメモリ(RAM)及びバックアップRAM、タイマー
カウンタ等を備え、これら各部と、A/D変換器を含む
外部入力回路と、外部出力回路とが双方向性バスにより
接続されて構成される論理演算回路を備え、上記燃料噴
射に関する制御の他、エンジン1の運転状態を決定づけ
る各種制御を実施する。燃料噴射弁18によって噴射供
給された燃料は、吸気ポート16内で霧化し、新気とと
もに混合気を形成しつつ燃焼室11内に取り込まれる。
そして、これも電子制御装置の指令信号に基づいて駆動
するイグナイタ19が、適宜のタイミングで点火プラグ
19aに通電を行うことで、燃焼室11内に取り込まれ
た混合気が燃焼に供される。すなわち、エンジン10
は、吸気ポート16を通じて供給される混合気(外気と
燃料との混合ガス)を爆発・燃焼させることにより、そ
の出力軸9に回転駆動力を得る。
【0026】次に、本実施の形態にかかるエンジン10
の冷却系の一部として、とくに機関始動時等、エンジン
10が比較的低温状態にある場合にエンジン10自体の
温度、若しくはエンジン10の機関燃焼に供される混合
気の温度を上昇させる機能を担う蓄熱装置について説明
する。
【0027】蓄熱装置100は、冷却水循環通路PW、
蓄熱タンク21および吸気迂回通路PG等を主要構成要
素として含む。
【0028】冷却水循環通路PWは、エンジン10や蓄
熱タンク21の他、各種熱交換器(図示略)の間で熱媒
体としての冷却水を循環させる通路である。蓄熱タンク
21は、冷却水循環通路PWから引き込んだ所定量の冷
却水を保温した状態で蓄えておき、適宜の時期に再放出
することのできる容器である。蓄熱タンク21の内部空
間と、冷却水循環通路PWの通路空間とは相互に連通し
ている。吸気迂回通路PGは、吸気管40や吸気ポート
16とともに吸気通路の一部をなす。この吸気迂回通路
PGは、所定の条件下において、吸気管40内のガスの
少なくとも一部を引き込み、蓄熱タンク21内に蓄えら
れた冷却水(熱水)と熱交換を行わせた後、吸気ポート
16に戻す機能を担う。
【0029】ここで、蓄熱装置100を構成するこれら
冷却水循環通路PW、蓄熱タンク21および吸気迂回通
路PGについて、各々の構造や機能を詳しく説明する。
【0030】(冷却水循環通路の構造及び機能)冷却水
循環通路PWは、吸気ポート側冷却水通路PWa、排気
ポート側冷却水通路PWb、シリンダブロック側冷却水
通路PWc、蓄熱用冷却水通路PWdおよび暖機用冷却
水通路PWe等によって構成される。
【0031】吸気ポート側冷却水通路PWa及び排気ポ
ート側冷却水通路PWbは、シリンダヘッド10b内に
おいて吸気ポート16及び排気ポート17の近傍に形成
されている。一方、シリンダブロック側冷却水通路PW
cは、シリンダブロック10a内において気筒12の外
周を取り巻くように形成され、いわゆるウォータジャケ
ットをなしている。蓄熱用冷却水通路PWdは、シリン
ダブロック側冷却水通路PWc及び蓄熱タンク21間を
連絡する。暖機用冷却水通路PWeは、蓄熱タンク21
及び吸気ポート側冷却水通路PWa間を連絡する。冷却
水循環通路PW内における冷却水の流動方向は、図1中
に矢指する通りである。すなわち、蓄熱タンク21から
放出された冷却水(熱水)は、暖機用冷却水通路PWe
を通じて先ず吸気ポート側冷却水通路PWaに導入され
る。吸気ポート側冷却水通路PWa内を流通した冷却水
は、排気ポート側冷却水通路PWbやシリンダブロック
側冷却水通路PWcに分散しつつ、エンジン10内を循
環する。エンジン10内を循環した冷却水の一部は、シ
リンダブロック側冷却水通路PWcを介して蓄熱用冷却
水通路PWdに流れ込み、同通路PWdを通じて蓄熱タ
ンク21内に戻される。こうした冷却水循環通路PW内
における冷却水の流れは、基本的には蓄熱用冷却水通路
PWdの通路途中に設けられたウォータポンプ22のポ
ンプ機能によって発生し、また、その流量調整は、制御
弁23による蓄熱用冷却水通路PWdの開閉を通じて行
われる。ウォータポンプ22及び制御弁23は、何れも
電子制御装置の指令信号に基づいて作動する。ちなみ
に、エンジン10内を循環する冷却水は、図示しない他
の冷却水通路を介し、ラジエータ(図示略)や暖房用ヒ
ータ(図示略)等、各種熱交換器との間で適宜循環を行
うが、これら各種熱交換器や他の冷却水通路に関するこ
こでの詳しい説明は、割愛する。
【0032】(蓄熱タンクの構造および機能)蓄熱タン
ク21は、所定量の冷却水を外部から断熱した状態で貯
留する機能を有する。すなわち、図1中の概略的な内部
構造に示されるように、蓄熱タンク21は、ハウジング
21aと、同ハウジング21a内に収納された冷却水収
容部21bとを備えた二重構造を有する。ハウジング2
1a及び冷却水収容部21bの間隙はほぼ真空状態に保
たれ、冷却水収容部21bの内部空間と外部とを断熱状
態に保つ。冷却水収容部21b内には、蓄熱用冷却水通
路PWdから送られてくる冷却水を同収容部21b内に
導入するための導入管21cと、同収容部21b内の冷
却水を暖機用冷却水通路PWeに排出するための排出管
21dとが設けられている。なお、冷却水収容部21b
内において導入管21cの途中に設けられた逆止弁21
eは、蓄熱用冷却水通路PWdから蓄熱タンク21内に
向かう冷却水の流れのみを許容し、逆流を規制する。ま
た、排出管21dの途中に設けられた逆止弁21fは、
蓄熱タンク21内から暖機用冷却水通路PWeに向かう
冷却水の流れのみを許容し、逆流を規制する。
【0033】(吸気迂回通路の構造および機能)吸気迂
回通路PGは、吸気管40が途中から分岐し、蓄熱タン
ク21内を通って再び吸気ポート16に合流するといっ
た通路形態を有しており、その構成要素は、蓄熱タンク
導入通路(吸気管40及び蓄熱タンク21間を連絡する
通路)PGa、リターン通路PGb(蓄熱タンク21及
び吸気ポート16間を連絡する通路)および熱交換通路
(蓄熱タンク21内に設けられた通路)PGcに大別さ
れる。
【0034】吸気管40から吸気迂回通路PGに導入さ
れた吸気は、蓄熱タンク21内の熱交換通路PGcを通
過することにより、蓄熱タンク21内に蓄えられた冷却
水(熱水)と熱交換された後、リターン通路PGbを通
じて移送され、放出管41を介して吸気ポート16内に
送り込まれる。こうした吸気迂回通路PG内における吸
気の流れは、基本的には蓄熱タンク導入通路PGaの通
路途中に設けられたエアポンプ31のポンプ機能によっ
て発生する。エアポンプ31は、電子制御装置の指令信
号に基づいて作動する。また、吸気管40から蓄熱タン
ク導入通路PGaに導入される吸気の流量調整は、切替
弁32を通じて行われる。切替弁32は、吸気管40か
ら蓄熱タンク導入通路PGaが分岐する分岐点におい
て、蓄熱タンク導入通路PGaに導入される吸気と、蓄
熱タンク導入通路PGaに導入されない吸気との分配比
率を可変とする機能を備える。切替弁32は、電子制御
装置の指令信号に基づいて作動する。また、冷却水収容
部21b内において、熱交換通路PGcに設けられた逆
止弁33,34は、蓄熱タンク導入通路PGaから熱交
換通路PGcに向かう吸気の流れ、および熱交換通路P
Gcからリターン通路PGbに向かう吸気の流れのみを
許容し、逆流を規制する。
【0035】このように構成された蓄熱装置100は、
電子制御装置を通じてウォータポンプ22、制御弁2
3、エアポンプ31及び切替弁32等を作動させること
により、冷却水循環通路PW内の冷却水の挙動と、吸気
迂回通路内の吸気の挙動とを併せて制御する。
【0036】次に、上記蓄熱装置100が冷却水循環通
路PW内の冷却水の挙動と、吸気迂回通路PG内の吸気
の挙動とをどのように制御するのかその具体的な態様に
ついて説明する。
【0037】エンジン10の運転中、その機関温度(若
しくは冷却水の温度)が所定値以上である場合、蓄熱装
置100は制御弁23を開弁し、且つウォータポンプ2
2を作動することによって、エンジン10内で熱せられ
た冷却水を継続的に蓄熱タンク21内に供給する。言い
換えると、蓄熱タンク21内の冷却水と、エンジン10
内で昇温された冷却水との入れ換えを継続的に行う。
【0038】エンジン10が運転を停止する場合、或い
はその機関温度(若しくは冷却水の温度)が所定値を下
回った場合、蓄熱装置100は制御弁23を閉弁し、且
つウォータポンプ22の作動を停止することによって、
蓄熱タンク21内に蓄えられている冷却水を、外部と断
熱された状態(保温状態)で貯留する。
【0039】そして、低温状態にあるエンジン10が始
動を行う場合には、蓄熱装置100は制御弁23を開弁
し、且つウォータポンプ22を作動することにより、蓄
熱タンク21内に保温状態で貯留されている冷却水(熱
水)を、エンジン10に送り込むことにより、エンジン
10の暖機を促進する。またこのとき、吸気ポート側冷
却水通路PWaへの熱水供給を優先的に行うことで、特
に機関始動時における混合気の燃焼状態の安定性を決定
づける吸気ポート16の温度を積極的に上昇させる。
【0040】一方、吸気ポート16内における吸気の温
度が所定値よりも低く、しかもその温度が蓄熱タンク2
1内に蓄えられた冷却水の温度よりも低い場合、蓄熱装
置100は、切替弁32を操作するとともに、エアポン
プ31を作動して、吸気管40内を流れる吸気の一部若
しくは全部を吸気迂回通路PGに導入する。この結果、
蓄熱タンク21の介在によって加熱された吸気が吸気ポ
ート16内に放出され、燃料噴射弁18から噴射された
燃料と混ざり合い(混合気を形成し)、機関燃焼に供さ
れる。このように、加熱された吸気が吸気ポート内に直
接導入されることにより、エンジン10の温度が十分に
高くなっていない条件下であれ、噴射供給された燃料の
霧化が効率的に促されるようになり、低温条件下におけ
るエンジン10の燃焼状態が改善されるようになる。
【0041】ここで、従来の蓄熱装置では、蓄熱タンク
に蓄えられた冷却水(熱水)を吸気ポート近傍に流し、
吸気ポートの構成部材に接触させることで間接的に吸気
ポート内のガスを加熱する構成を適用していた。こうし
た従来の装置構成によっても、吸気ポート内壁の壁温が
上昇することで、同内壁に燃料が付着しにくくなるとい
った効果や、蓄熱タンクから供給された冷却水の熱が同
内壁を介して伝搬し、吸気ポート内のガスの温度を上昇
させるといった効果は得られる。しかし、吸気ポート内
のガスの温度を上昇させるに際し、蓄熱タンクに蓄えら
れた高温の冷却水を一旦エンジンに移送し、吸気ポート
等の構成部材を介して同ポート内のガスに伝搬させる過
程を伴っていたため、吸気ポート等の構成部材や移送通
路を通じて放散する熱量(熱損失)が大きかった。
【0042】この点、本実施の形態にかかる蓄熱装置1
00では、吸気通路の一部を蓄熱タンク21内に直接引
き込み、同タンク21内に貯留された熱水と直接熱交換
を行って昇温させる構成を適用している。従って、蓄熱
タンク21に蓄えられた熱を吸気通路内のガス(吸気、
混合気)に伝搬する過程で、外部に損失する熱量は最小
限に留まる。
【0043】また、蓄熱タンク21に蓄えられた熱水を
直接循環させて吸気ポート等を暖める構成のように、吸
気ポートを昇温する過程で低温の熱媒体と高温の熱媒体
とが混ざり合い、その昇温効果(効率)を低下させるよ
うなこともない。
【0044】しかも、蓄熱タンク21に貯留された熱水
をエンジン10(吸気ポート16の近傍等)に循環させ
ることによって得られる暖機作用も、従来の装置と同様
確保される。このため、吸気ポート16内における燃料
霧化の促進作用と、吸気ポート16内壁への燃料付着の
抑制作用とが相乗的に機能し、良質な混合気が形成され
やすくなる。
【0045】また、吸気通路内のガスと、蓄熱タンク2
1に貯留された熱水とを熱交換させる構造(熱交換通路
PGc)が蓄熱タンク21の内部に構築されているた
め、エンジン10に付随する装置としての収納性や搭載
性にも優れる。
【0046】また、蓄熱タンク21に貯留された熱水
は、吸気や混合気に比べ比熱が十分大きいため、熱交換
通路PGcへの吸気の流入による熱水の温度下降量は小
さく、また熱水を消費するということもない。このた
め、吸気(混合気)に対する昇温効果を長時間保持する
ことができる。もちろん、熱交換通路PGcへの吸気の
流入複数回に亘って断続的に実施するような場合には、
その実施可能回数(実施の機会)が増大する。
【0047】また、熱交換通路PGcへの吸気の流入
は、エアポンプ31により能動的に行われるため、混合
気の昇温が効率的に行われることになり、且つ、その制
御性にも優れることになる。なお、このエアポンプ31
の駆動力としては、電動式モータ等を活用することとし
てもよいし、例えばギア機構等を用いることによりエン
ジン10の出力軸9の回転力を活用することとしてもよ
い。
【0048】よって、エンジン10の始動時における機
関燃焼の状態の安定化が図られ、排気特性や燃費が向上
するようになる。
【0049】なお、上記実施の形態において、蓄熱タン
ク21内の熱交換通路PGcは、同通路PGc内を流れ
る吸気と、蓄熱タンク21内の熱水との間で熱交換を行
わせる機能を有する旨言及した。熱交換通路PGcにこ
のような熱交換機能を発揮させるためには、例えば蓄熱
タンク21内の熱水から熱交換通路PGcへの実質的な
放熱面を大きくする(例えば、ハニカム状や適宜の立体
形状等に通路を形成することで、単位通路長あたりの通
路表面積を大きくする)こと、また、熱交換通路PGc
を形成する通路壁の厚みを薄くして、通路PGc内の吸
気と、通路外の熱水との間で効率的に熱交換が行われる
ようにすることが好ましい。
【0050】(他の実施の形態)また、図2に示すよう
に、冷却水収容部21bの内部構造の他の形態として、
熱交換通路PGcの通路途中に、所定量のガスを収容で
きる容器50、言い換えれば熱交換通路PGcの通路断
面を肥大させたものを設け、例えばエンジン10の運転
停止後、蓄熱タンク21内に所定量の吸気を保温状態で
貯留しておき、次回始動時、吸気ポートに放出させるよ
うにしてもよい。このような構成を適用すれば、吸気ポ
ートへ供給するガス(吸気)の昇温に要する時間が省か
れ、低温状態での始動時等における機関の燃焼状態の安
定化が一層効率的に行われる。なお、この場合、容器5
0内には、昇温されたガス(吸気)の保温性を高めるべ
く、ガスよりも比熱の大きな材料を蓄熱材51として設
けることとしてもよい。
【0051】さらに、同図2に示すような立体形状(或
いはハニカム状)の容器50が冷却水収容部21bに設
置されることで、同収容部21b内での冷却水の混合が
抑制されることになる。このため、蓄熱タンク21内に
おいて、排出管21dを通じて排出される相対的に高温
の冷却水(熱水)と、導入管21cを通じ新たに導入さ
れる相対的に低温の冷却水とが成層した状態を保持する
ため、蓄熱タンク21がエンジン10に熱水を送り出す
ことのできる持続時間も長くなる。
【0052】また、図3に示すように、容器50を、吸
気と冷却水とを熱交換させる機能を有する部位(熱交換
部)52と、当該熱交換部52において昇温された吸気
を保温状態で貯留しておく部位(吸気貯留部)53とに
区画する構成を適用してもよい。なお、吸気貯留部53
内に蓄熱材51を設けることとしてもよいことは、図2
に示した熱交換通路PGcの構成と同様である。
【0053】なお、上記各実施の形態においては、蓄熱
タンク21に貯留し、始動時等における機関暖機を促す
べくエンジン10内を循環させる熱媒体として、冷却水
を適用することとしたが、これに替え、潤滑油を適用し
ても上記各実施の形態と同等若しくはこれに準ずる効果
を奏することはできる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
蓄熱タンクに蓄えられた熱を効率的に吸気に伝搬させる
ことができるようになり、しかも、蓄熱タンクに蓄えら
れた熱の損失は最小限に抑制される。
【0055】また、蓄熱タンクに蓄えられた熱の損失を
最小限に抑制しつつ、しかも同タンクに蓄えられた熱を
効率よく吸気に伝搬させる作用を容易に得ることができ
る上、構成要素の付加を最小限に抑えることができ、製
造コストや搭載性の面でも優れる。
【0056】また、蓄熱タンクに蓄えられた熱の損失を
最小限に抑制しつつ、しかも同タンクに蓄えられた熱を
効率的に吸気に伝搬させるといった当該装置の機能が一
層向上するようになる。
【0057】また、蓄熱タンクの介在によって生じる機
関吸気通路の流路抵抗を、好適に低減若しくは消失させ
ることができるようになる。
【0058】また、蓄熱タンクを介して機関燃焼に供さ
れる吸気の温度を効率的に上昇させることができるよう
になる。
【0059】また、蓄熱タンクを介することによって昇
温する吸気にとって、その獲得熱量が好適に高まるとと
もに、当該蓄熱タンクから送り出される時点における温
度の平均化(安定化)も図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるエンジンシステ
ムの概要を示す略図。
【図2】本発明の他の実施の形態にかかる蓄熱タンクの
主要内部構造を斜視的に示す略図。
【図3】本発明の他の実施の形態にかかる蓄熱タンクの
一部を斜視的に示す略図。
【符号の説明】
1 エンジン 9 出力軸 10 エンジン 10a シリンダブロック 10b シリンダヘッド 11 燃焼室 12 気筒 13 ピストン 14 吸気バルブ 16 吸気ポート(吸気通路の一部を構成) 17 排気ポート 18 燃料噴射弁 19 イグナイタ 19a 点火プラグ 21 蓄熱タンク 21a ハウジング 21b 冷却水収容部 21c 導入管 21d 排出管 21e,21f,33,34 逆止弁 22 ウォータポンプ 23 制御弁 31 エアポンプ 32 切替弁(流量制御機構) 40 吸気管(吸気通路の一部を構成) 41 放出管 50 容器 51 蓄熱材 52 熱交換部 53 吸気貯留部 100 蓄熱装置 PGa 蓄熱タンク導入通路(吸気通路の一部を構成) PGb リターン通路(吸気通路の一部を構成) PGc 熱交換通路(吸気通路の一部を構成) PW 冷却水循環通路 PWa 吸気ポート側冷却水通路 PWb 排気ポート側冷却水通路 PWc シリンダブロック側冷却水通路 PWd 蓄熱用冷却水通路 PWe 暖機用冷却水通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 31/16 F02M 31/16 E F 35/10 311 35/10 311B 311D F02N 17/04 F02N 17/04 A 17/06 17/06 D Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関運転に伴って発生する熱を熱媒体を
    通じて回収する熱回収手段と、前記回収された熱を蓄え
    るとともに、機関吸気通路の少なくとも一部に介在する
    蓄熱タンクとを有してなる蓄熱装置を備えた内燃機関。
  2. 【請求項2】 前記熱媒体は、当該機関の冷却水又は潤
    滑油であることを特徴とする請求項1記載の蓄熱装置を
    備えた内燃機関。
  3. 【請求項3】 前記蓄熱タンクが介在する前記機関吸気
    通路の少なくとも一部を通過するガスの流量を制御する
    流量制御機構を有することを特徴とする請求項1又は2
    記載の蓄熱装置を備えた内燃機関。
  4. 【請求項4】 前記流量制御機構は、前記蓄熱タンクが
    介在する前記機関吸気通路の少なくとも一部を通過する
    ガスの流れを発生させるポンプ機能を有してなることを
    特徴とする請求項3記載の蓄熱装置を備えた内燃機関。
  5. 【請求項5】 前記機関吸気通路のうち前記蓄熱タンク
    が介在する部分は、その部分を通過する吸気と、前記蓄
    熱タンク内の熱媒体との間で熱交換を生じさせる機能を
    備えることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の
    蓄熱装置を備えた内燃機関。
  6. 【請求項6】 前記機関吸気通路のうち前記蓄熱タンク
    が介在する部分は、他の部分に比し、単位通路長あたり
    の通路表面積が大きく形成されることにより、その部分
    を通過する吸気と、前記蓄熱タンク内の熱媒体との間で
    熱交換を生じさせることを特徴とする請求項5記載の蓄
    熱装置を備えた内燃機関。
  7. 【請求項7】 前記機関吸気通路のうち前記蓄熱タンク
    が介在する部分は、前記蓄熱装置内において所定容積の
    吸気を貯留する吸気貯留部を形成することを特徴とする
    請求項1〜6の何れかに記載の蓄熱装置を備えた内燃機
    関。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011196239A (ja) * 2010-03-18 2011-10-06 Mitsubishi Motors Corp エンジンの吸気温度制御装置
CN112302780A (zh) * 2020-10-30 2021-02-02 安庆中船柴油机有限公司 一种船用柴油机的冷却系统

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