JP2002345102A - 誘導性負荷の駆動回路 - Google Patents

誘導性負荷の駆動回路

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JP2002345102A JP2001147585A JP2001147585A JP2002345102A JP 2002345102 A JP2002345102 A JP 2002345102A JP 2001147585 A JP2001147585 A JP 2001147585A JP 2001147585 A JP2001147585 A JP 2001147585A JP 2002345102 A JP2002345102 A JP 2002345102A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リレー等の誘導性負荷の異常判定の誤りを低
減する。 【解決手段】 インバータ部230から高周波ノイズ
が、高圧系電源ラインと、SMR(システム・メイン・
リレー)2への負荷配線250との間の静電結合等を介
して、負荷配線250・グラウンド間の浮遊容量255
に誘導される。誘導された高周波ノイズは、消弧用の早
切り回路130の検波作用により直流成分を発生させ、
この直流成分が浮遊容量255とSMR2のソレノイド
との並列共振系を振動させて低周波ノイズを発生させ
る。この低周波ノイズがインテリジェントMOS120
の負荷電圧監視用のコンパレータ126の基準電圧を超
えると、SMR2の異常の誤判定を引き起こす場合があ
る。負荷配線250に対し、浮遊容量255と並列に低
周波ノイズ低減用のコンデンサ160を接続すること
で、その低周波ノイズのレベルを低減し、異常誤判定を
防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車等に搭
載されたリレー等の誘導性負荷を駆動する駆動回路に関
し、特にその誘導性負荷の異常の判定に対するノイズの
影響の低減のための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ハイブリッド車や電気自動車等では、イ
ンバータ等のモータ駆動系とバッテリとの間の接続を開
閉するためにメインリレーが用いられている。このメイ
ンリレーは、ECU(電子制御ユニット)内のリレー制
御機構により開閉制御される。ここで、リレーには、オ
ープン(不導通)異常やショート(導通)異常などの異
常があり、このような異常は車両の状態に悪影響をもた
らす。そこで、リレー制御機構は、オープン異常やクロ
ーズ異常を検知し、異常を検知すると異常検知信号を出
力するなどして所定の異常時動作が実行されるようにし
ている。これらの異常の検知は、リレー制御機構からメ
インリレーへの駆動信号出力を監視することにより行わ
れる。例えば、リレー制御機構が駆動指令を出していな
いにも拘わらず、駆動信号出力がハイ(H)レベルであ
った場合、オープン異常と判定される。
【0003】ここで、ハイブリッド車等には、モータ駆
動のためのインバータやDC−DCコンバータ等のスイ
ッチング回路が設けられており、これはメインリレーを
介してリレー制御機構に対し、静電結合等により電気的
に結合している。インバータ等には、モータ駆動のため
の高電圧・大電力が印加され、しかもそれがPWM制御
などのために高速スイッチングされるので、かなり高レ
ベルの、例えば10MHzなどといった高周波が発生す
る。この高周波は、電気的に結合されたリレー制御機構
の駆動信号出力に対してノイズとして作用する。このた
め、従来から、その駆動信号出力と、その信号のハイ・
ロー判定のための比較器との間に低域通過フィルタ成分
を設けることにより、その高周波ノイズがリレー異常の
判定に影響を与えないようにしている。
【0004】リレー等の誘導性負荷の制御についての高
周波ノイズ対策に関するものとして、特開平8−223
36号公報に示される技術がある。この文献には、自動
車の電磁アクチュエータや電磁弁などの誘導性負荷を駆
動する駆動装置において、電流経路のスイッチングによ
る高周波ノイズを除去するために、フライバック回路内
にノイズ除去用のコンデンサを設ける手法が開示されて
いる。また、特開平11−136801号公報には、電
気自動車において、モータ駆動用のインバータのスイッ
チングノイズが、ラジオ等の補機への低圧電源線に流れ
込むのを回避するために、バッテリからインバータへの
高圧電源線をバッテリからシールドする手法が開示され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】リレー等の誘導性の負
荷を駆動するリレー制御機構等の駆動回路では、その負
荷のインダクタンスと、駆動回路からその負荷までの配
線の浮遊容量などの影響により、上記高周波ノイズから
低周波ノイズ(例えば数十kHz)を誘起してしまう場
合がある。
【0006】ところが、上記従来技術は、いずれも高周
波ノイズに対する配慮は行っているものの、それから誘
起される低周波ノイズについては考慮を払っていない。
例えば、上述のリレー制御機構の場合、そのような低周
波ノイズは低域通過フィルタで十分減衰させることがで
きず、リレー異常の誤判定を誘発する可能性がある。
【0007】本発明は、このような問題に鑑みなされた
ものであり、リレー等の誘導性の負荷の駆動回路におい
て、高周波ノイズに起因する低周波ノイズによる該負荷
の異常判定の誤判定を低減するための技術を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る駆動回路は、誘導性の負荷を駆動する
駆動回路であって、前記負荷の駆動終了時に前記負荷の
電磁エネルギーを放出するための消弧手段を備え、前記
負荷への駆動電力供給のための配線の電圧を監視して負
荷異常を判定する駆動回路において、前記配線に対する
当該駆動回路の出力に対し、前記負荷への前記配線に関
する浮遊容量と並列に、所定の容量を接続したことを特
徴とする。
【0009】ここで、誘導性の負荷とは例えばリレー、
アクチュエータなどである。消弧手段はその検波作用に
より外来の高周波ノイズから直流成分を発生させる。こ
の直流成分が、誘導性の負荷とこれに対する配線の浮遊
容量とにより構成される共振系を振動させることで低周
波ノイズが発生し、これが負荷異常の誤判定の一因とな
る。本発明では、浮遊容量と並列に所定の容量を接続す
ることで、負荷への配線の浮遊容量に誘導される高周波
ノイズのレベルを低減し、この高周波ノイズから最終的
に誘起される低周波ノイズのレベルを低減する。低周波
ノイズのレベル低減により、低周波ノイズによる誤判定
を防止又は低減できる。
【0010】好適な態様では、前記駆動回路は、前記配
線の電圧レベルが所定の許容範囲から逸脱したことをも
って負荷異常と判定し、前記浮遊容量に対して並列に接
続する所定の容量は、前記配線に電気的に結合されるノ
イズ源からの高周波ノイズを起因として、前記消弧手
段、前記誘導性の負荷及び前記浮遊容量の作用によって
発生される低周波ノイズのレベルが前記許容範囲以内と
なるように設定される。
【0011】また、別の好適な態様では、前記誘導性の
負荷は、車両に装備されるリレー又はアクチュエータで
あり、前記浮遊容量は、当該車両のワイヤハーネスと車
体との間に形成される浮遊容量である。
【0012】また、別の好適な態様では、前記誘導性の
負荷は、車両に装備されるリレー又はアクチュエータで
あり、前記ノイズ源は、当該車両に装備された大電力ス
イッチング回路である。
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0013】ハイブリッド車や電気自動車等の電源断続
用のメインリレーの駆動回路において、インバータ等の
スイッチング回路が発する高周波ノイズから、低周波ノ
イズが誘起され、それが該駆動回路におけるリレーの異
常判定に影響を与えるメカニズムを、図1を参照して説
明する。
【0014】図1は、このようなメインリレーの駆動回
路周りの等価回路を示す図である。図において、駆動回
路としてのECU(電子制御ユニット)10は、誘導性
負荷20の駆動制御を行う。誘導性負荷20は、この場
合、インバータ等のモータ駆動系とバッテリとの間の接
続を開閉するためのメインリレーである。ECU10自
体は、このような誘導性負荷20の制御の他にも様々な
制御機能を実行しうるが、ここでは本発明と関連する誘
導性負荷20の制御に関する構成要素のみ図示してい
る。
【0015】ECU10において、CPU(中央演算処
理装置)11は、各種制御のための処理を実行する装置
であり、本実施形態との関連では、誘導性負荷20への
駆動信号INの生成、及び誘導性負荷20のオープン異
常やショート異常の判定やその判定に応じた異常通知信
号の出力などの処理などを行う。駆動信号INは、スイ
ッチ素子ドライブ段13のアンプで増幅され、駆動スイ
ッチ素子15のゲートに供給される。駆動スイッチ素子
15は、誘導性負荷20に対する駆動電力の供給・遮断
を制御する素子であり、例えばMOS型トランジスタで
構成される。駆動スイッチ素子15は、駆動信号INが
例えばハイの場合にゲートを開き、電源16からの例え
ば12Vの駆動電流を誘導性負荷20に供給する。コン
パレータ17は、駆動スイッチ素子15の出力から誘導
性負荷20への配線21の電圧(電位)を所定の基準電
圧(しきい値電位)と比較し、その比較結果をステータ
ス信号STとして出力する。例えば、駆動信号INがハ
イで、駆動スイッチ素子15のゲートがオープンして、
誘導性負荷20に対して駆動電力が供給されているとき
には、配線21の電圧は基準電圧よりも高くなり、ステ
ータス信号STはハイとなる。CPU11は、このステ
ータス信号STと、自分が行っている駆動スイッチ制御
の状態(例えば駆動信号INがハイか否かなど)との整
合性を検査するなどして、誘導性負荷20(例えばリレ
ー)にオープン異常やショート異常が生じていないかど
うかを判定する。フリーホイールダイオード19は、誘
導性負荷20の駆動が終了した時に、それまでに誘導性
負荷20に蓄積された電磁エネルギーを迅速に放出する
ことで、リレーを素早く切り換えたり、スイッチ素子の
破損等を防止したりといった機能を果たす。この機能は
消弧機能とも呼ばれる。
【0016】高周波ノイズ源26は、ハイブリッド車の
場合はモータ・ジェネレータの駆動制御のためのインバ
ータ、DC−DCコンバータ等の高電圧・大電力のスイ
ッチング回路である。この高周波ノイズ源26は、メイ
ンリレー等の誘導性負荷20と電気的に結合されてい
る。浮遊容量22は、ECU10から誘導性負荷20へ
の負荷配線21とグラウンド(GND)電位(ハイブリ
ッド車の場合、車体の電位)との間に生じている浮遊容
量である。
【0017】このような回路において、高周波ノイズ源
26により生じた高周波ノイズから低周波ノイズが生
じ、負荷異常の誤判定を招来する仕組みは以下の通りで
ある。
【0018】まず、高周波ノイズ源26では、インバー
タ等のスイッチングに伴い、それらインバータ等の構成
素子の浮遊容量、配線インダクタンスにより、例えば1
0MHz、数十Vpp(ボルト・ピーク・トゥ・ピーク)
の高周波のリンギングノイズが発生する。図2(a)
は、この高周波ノイズの波形の例を示す。この波形にお
いて、バーストの繰り返し周波数は10kHz程度であ
り、個々のバースト内のノイズが例えば10MHzの高
周波となっている。
【0019】この高周波ノイズは、メインリレー(誘導
性負荷20)とスイッチング回路(高周波ノイズ源)と
をつなぐ高圧系電源ラインや、それらスイッチング回路
内の内部配線などに誘導して重畳する。そして、高周波
ノイズは、その高圧系電源ラインとメインリレーの励磁
ワイヤ(すなわち配線21)との間の静電結合容量(例
えば数十pF)やインバータ等の低圧系制御信号ライン
とリレー例示ワイヤの静電結合容量(図1では、これら
を合わせて結合容量24として示す)を介し、励磁ワイ
ヤ・グラウンド間の浮遊容量22(例えば約500p
F)に静電誘導する。この場合、ECU10が非接続状
態のときに浮遊容量22に誘導されるノイズは、例えば
約10MHz、10〜20Vppのバースト波である。
【0020】ECU10の出力端子が接続(スイッチ素
子15が導通)されると、ECU10内のスイッチ素子
15及びフリーホイールダイオード19により、その約
10MHzの高周波成分が検波され、DC(直流)成分
が発生する。このDC成分が、メインリレー(誘導性負
荷20)のインダクタンスと浮遊容量22との並列共振
系により、低周波(例えば約30kHz)の共振を引き
起こす。この共振による低周波成分が配線21に重畳す
る。この低周波ノイズは、モータ駆動等のための高電圧
・大電力のスイッチング回路からの高レベルの高周波ノ
イズから誘起されるので、かなり高レベルのノイズとな
る。図2(b)は、リレー励磁ライン(配線21)への
出力の電圧波形の例であり、これは駆動スイッチ素子1
5がOFF(すなわちリレーが非駆動、すなわち不導通
の時)時の波形である。この図に示されるように、配線
21への出力の電圧には、約10MHzのバースト性の
高周波ノイズ成分と、約30kHzの低周波ノイズ成分
が重畳している。図2(b)に示される3.6Vレベル
の破線は、コンパレータ17の基準電圧を示している。
【0021】ECU10内では、この配線21への出力
端子の電圧をコンパレータ17で監視しているが、出力
端子からコンパレータ17までの間には従来より低域通
過フィルタ(LPF)成分が設けられている。このた
め、配線21への出力の電圧に重畳した約10MHzの
高周波ノイズ成分は減衰され、電圧監視には影響を及ぼ
さない。
【0022】これに対し、この高周波ノイズから誘起さ
れた約30kHzの低周波ノイズ成分はLPF成分では
あまり減衰されないので、レベルが基準電圧を超えてし
まい、コンパレータ17が、ロー(L)レベルを出力す
べきところを、ハイ(H)レベルを出力するケースが出
てくる。例えば、図2の例では、リレー非駆動状態の場
合なので、配線21の電圧は基準電圧より低くなってい
るべきであり、コンパレータ17の出力はLになってい
るべきである。ところが、同図(b)に示すように低周
波ノイズ成分のレベルが基準電圧レベル(破線)を超え
ている部分があり、この部分ではコンパレータ17の出
力(ステータス信号ST)がHレベルとなる(図2
(c)参照)。この場合、CPU11は、ステータス信
号STがLレベルであるべきところが実際にはHレベル
なので、リレー(誘導性負荷20)のオープン異常と判
定してしまう。このとき、実際にはリレーは非駆動状態
なので、オープン異常との判定は誤判定である。
【0023】以上、高周波ノイズに誘起された低周波ノ
イズによる異常誤判定の発生メカニズムを説明した。こ
のような誤判定を防止又は低減するため、本実施形態の
回路では、ECU10の励磁出力のための配線21とグ
ラウンドとの間に、配線21の浮遊容量22と並列に、
十分な容量を持ったコンデンサを設ける。
【0024】例えば、このコンデンサの容量が浮遊容量
22と同等以上であれば、そのコンデンサを設けない場
合に浮遊容量22に流れ込んでいた電流の半分以上がそ
のコンデンサに流れ込み、浮遊容量22に流れ込む電流
の量は半分以下となるので、浮遊容量22に誘導される
バースト性の高周波(約10MHz)ノイズの振幅が半
分以下になる。
【0025】ここで、ECU10のスイッチ素子15と
フリーホイールダイオード19によりその高周波ノイズ
が検波されることで発生するDC成分のレベルは、その
高周波ノイズの振幅にほぼ比例する。また、このDC成
分から、誘導性負荷20と浮遊容量22の並列共振系に
より発生する低周波ノイズの振幅は、そのDC成分にほ
ぼ比例する。
【0026】したがって、浮遊容量22に並列に付加し
たコンデンサにより高周波ノイズの振幅が半分以下とす
れば、最終的に誘起される低周波ノイズの振幅も半分以
下とすることができる。例えば図2に示した例では、低
周波ノイズのレベルが半減すれば、コンパレータ17の
基準電圧を超えることはないので、異常の誤検出が防止
される。
【0027】なお、浮遊容量22に対して並列に追加す
るコンデンサの容量の例として、浮遊容量22と同等以
上の場合を例示したが、もちろんこれは一例に過ぎな
い。原理的には、誘起される低周波ノイズのレベルが、
配線21への出力電圧を監視する手段(コンパレータ1
7)の基準電圧以下となるよう、浮遊容量22への電流
を分流できるだけの容量であればよい。誤判定防止のた
めに必要な容量は、起因となるノイズ源26の高周波ノ
イズのレベル、浮遊容量22の容量、コンパレータ17
の基準電圧などを考慮して、また必要に応じて実験など
を行うことにより、適切に定めることができる。
【0028】図3は、高周波ノイズのレベルと、これか
ら誘起される低周波ノイズのレベルとの相関関係を示す
図である。この相関関係は実験により求めたものである
が、高周波ノイズのレベルが下がると、それにほぼ比例
して低周波ノイズのレベルが下がっているのが分かる。
これからも、DC成分の元になる浮遊容量22に誘導さ
れた高周波ノイズ成分のレベルを下げることにより、そ
れに応じて低周波ノイズを低減することができることが
分かる。
【0029】以上説明したように、メインリレー等の誘
導性負荷への負荷配線への出力に対し、その負荷配線周
りの浮遊容量と並列に、低周波ノイズレベルを基準電圧
以下とするのに十分な容量を接続することにより、誘導
性負荷の異常判定の誤りを防止又は低減することができ
る。
【0030】なお、異常判定の誤り防止は、コンパレー
タ17の出力とCPU11との間に低域通過フィルタを
設けることによっても実現可能であるが、この方式では
実際に異常があった場合、その異常検出のタイミングに
遅れが生じ、異常検出性能の低下を来す。これに対し、
本実施形態の方式によれば、異常検出性能の低下を招来
することなく、異常誤検出を防止又は低減することがで
きる。
【0031】また、以上では、フリーホイールダイオー
ド19が設けられている場合を例に取ったが、この代わ
りにフリーホイールダイオード以外の消弧手段を備える
ような場合でも、本実施形態の方式が適用可能であるこ
とは明らかであろう。
【0032】次に、以上説明した方式を適用したハイブ
リッド車のモータ駆動系の回路の例を、図4を参照して
説明する。
【0033】図4に示す回路構成において、SMRアセ
ンブリ200は、メインバッテリ210と、モータ・ジ
ェネレータ240側とを結ぶ高圧系電源ラインの接続・
遮断のための、SMR1〜3の3つのシステム・メイン
・リレー(SMR)を内蔵したユニットである。SMR
3は負極側、SMR2が正極側のリレーであり、電源ラ
イン接続状態ではこれらが両リレーが接続状態となって
いる。ただし、電源ライン遮断状態からこれら両リレー
を接続すると、瞬間的に大電流が流れてヒューズが溶断
するおそれがあるので、SMR2を接続する前に、抵抗
と直列に設けられたSMR1をまず接続して大電流を防
止し、その後SMR2を接続し、SMR1を遮断すると
いう手順をとっている。メインバッテリ210は、電池
ECU215により制御されている。DC−DCコンバ
ータ220は、メインバッテリ210の電圧を降圧して
12Vの補機電源を得るためのものである。インバータ
部230は、供給された高圧直流電力をスイッチングし
て三相交流を生成し、モータ・ジェネレータ240に供
給したり、その逆にモータ・ジェネレータ240が発電
した電力を直流に変換してメインバッテリ210側に供
給したりする。なお、このような回路構成は周知のもの
なので、説明は以上にとどめる。
【0034】ハイブリッドECU100は、このSMR
1〜3の駆動制御のために、インテリジェントMOS1
20及び140を備えている。インテリジェントMOS
120及び140は、駆動スイッチ素子124、スイッ
チ素子ドライブ段122及びコンパレータ126を備え
たデバイスであり、これらは図1の等価回路の駆動スイ
ッチ素子15、スイッチ素子ドライブ段13及びコンパ
レータ17に対応している。インテリジェントMOS1
20はSMR2の制御のためのものであり、そこから出
力される負荷配線250はSMR2のソレノイドに接続
されている。一方インテリジェントMOS140はSM
R1,3の制御のためのものであり、出力端子に接続さ
れた負荷配線260はSMR1,3に接続されている
(図では配線の図示を省略している)。これら各インテ
リジェントMOS120,140はCPU110に接続
され、このCPU110から駆動信号INを受けたり、
CPU110にステータス信号STを供給したりする。
CPU110は、図1のCPU11に対応している。
【0035】インテリジェントMOS140からSMR
1,3への負荷配線260とグランド電位(車体)との
間にフリーホイールダイオード150が設けられてお
り、MOS140の出力端子OUTの電位を−1V程度
にクランプする。したがって、SMR1,3への励磁電
流の供給を遮断すると、そのSMR1,3が蓄えている
電磁エネルギーがフリーホイールダイオード150によ
り約1Vの電圧降下で放出される。
【0036】インテリジェントMOS120の出力端子
に接続された負荷配線250には、グラウンド(この場
合は車体)との間に早切り回路130が設けられてい
る。この早切り回路130は、基本的にはフリーホイー
ルダイオード150と同様、SMR2への励磁電流供給
切断時に消弧機能を果たすためのものである。ただし、
早切り回路130は、約−10〜−20Vといった大き
いクランプ電圧を負荷配線250に設定することで、フ
リーホイールダイオード150よりもはるかに素早い電
磁エネルギー放出を実現する。SMR2への負荷配線2
50に早切り回路130が設けられるのは、SMR2が
メインのリレー(SMR1と比べての場合)であり、イ
グニッションスイッチのオフ時に、このSMR2を切断
してSMR3のみを接続状態とし、インバータ部230
内の電解コンデンサの電荷を抜き取るべくインバータ部
230を駆動する制御が行われ、この時SMR2から多
量の電磁エネルギーを素早く放出させる必要があるため
である。ツェナーダイオード132は、そのクランプ電
圧に対応した降伏電圧のものが用いられる。通常時(例
えばSMR2駆動時)は早切り回路130のPNP型の
スイッチ134はオフ状態であるが、インテリジェント
MOS120のスイッチ素子124をオフすると、早切
り回路130のグラウンド端子と負荷配線側端子との間
の大きな電位差ができてツェナーダイオード132が降
伏して電流が流れ、これによりスイッチ134がオンす
ることで比較的大きな電流が早切り回路130内を流
れ、これによりSMR2のソレノイドの電磁エネルギー
が素早く放出される。
【0037】上述のイグニッションスイッチオフ時の運
転モードでは、SMR2が遮断(不導通)状態となるべ
く制御しているので、負荷配線250の電圧は、インテ
リジェントMOS120の電圧監視の基準電圧より低く
なっているべきであるが、このときインバータ部230
が運転されるので、その高速スイッチングによる高周波
ノイズから、上述したメカニズムで負荷配線250に低
周波ノイズが誘起される。すなわち、インバータ部23
0のスイッチング素子部分Aは約10MHzの高周波ノ
イズの発生源であり、このノイズが高圧系電源ラインや
DC−DCコンバータ220内の部分Bによるフィルタ
効果、SMR2近傍の高圧系電源ラインと負荷配線25
0(励磁ライン)との間の浮遊容量によるクロストーク
などにより、負荷配線250の浮遊容量255に高周波
ノイズを誘導する。そして、この高周波ノイズから、早
切り回路130とスイッチング素子124の検波動作に
よりDC成分を発生させ、これが浮遊容量255とSM
R2のインダクタンスによる並列共振系を振動させるこ
とにより、負荷配線250に低周波ノイズを誘起する。
この低周波ノイズにより、インテリジェントMOS12
0及びCPU110が、SMR2のオープン異常と誤判
定するおそれがある。
【0038】そこで、本実施形態では、このような誤判
定を防ぐため、負荷配線250に対して、その負荷配線
250とグラウンドとの間の浮遊容量255と並列に、
低周波ノイズ低減用のコンデンサ160の設けた。この
コンデンサ160により、上述の仕組みにより、低周波
ノイズのレベルが低減され、SMR2の異常判定の誤り
を低減することができる。なお、このコンデンサ160
を、低周波ノイズのレベルが、コンパレータ126によ
る負荷電圧レベル判定の基準電圧より小さくなるのに十
分なだけの容量とすれば、誤判定を防止することができ
る。
【0039】なお、図4の例では、SMR2への負荷配
線250に対してのみ低周波ノイズ低減用のコンデンサ
160を設けたが、これは配線の取り回しの仕方やリレ
ー接続モードの関係で、SMR1や3の負荷配線260
には問題となるような高レベルの低周波ノイズが誘起さ
れないためである。したがって、逆にSMR1,3への
負荷配線260にも高レベルの低周波ノイズが現れるよ
うな場合には、負荷配線260に対し、同様の低周波ノ
イズ低減用のコンデンサを設けることも好適である。
【0040】以上の例では、ハイブリッド車や電気自動
車等のモータ(及び/又はジェネレータ)駆動用の高圧
系電源ラインをオン・オフするリレーの駆動回路を例に
とって説明したが、本実施形態の方式は、このようなリ
レー以外の誘導性負荷の駆動回路に適用可能である。す
なわち、誘導性負荷のオープン異常、ショート異常など
の異常を、その負荷へ電力を供給する配線の電圧を監視
してそれが所定の許容範囲にあるかどうかに基づき判定
する回路において、外来の高周波ノイズからその配線の
負荷容量に低周波ノイズが誘起されるようなものであれ
ば、本実施形態の方式を利用することで誤判定を防止又
は低減できる。例えば、車両エンジンのインジェクタソ
レノイド等を駆動するアクチュエータ駆動回路にも、駆
動終了時のソレノイドの電磁エネルギー放出のために消
弧回路が設けられたものがある(例えば特開平10−3
11238号公報)。このような駆動回路でも、上記実
施形態同様、近傍から高周波ノイズが誘導すれば、消弧
回路の検波作用によりDC成分が発生し、それが負荷配
線の浮遊容量とソレノイドとの共振系により低周波ノイ
ズを誘導して誤判定を招く場合があり得るので、本実施
形態の方式を適用することが有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の手法の対象となる駆動回路とそれ
に関連する要素群からなる等価回路を示す図である。
【図2】 異常誤判定が起こる場合の、ノイズ源からの
高周波ノイズ、誘起される低周波ノイズ、及びリレーの
ステータス信号の波形の例を示す図である。
【図3】 高周波ノイズのレベルと、これから誘起され
る低周波ノイズのレベルとの相関関係を示す図である。
【図4】 本発明を適用したハイブリッド車のモータ駆
動系の回路を概略的に示す図である。
【符号の説明】
100 ハイブリッドECU、110 CPU、120
インテリジェントMOS、124 駆動スイッチング
素子、126 コンパレータ、130 早切り回路、1
60 低周波ノイズ低減用のコンデンサ、200 SM
R(システム・メイン・リレー)アセンブリ、210
メインバッテリ、230 インバータ部、240 モー
タ・ジェネレータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H115 PA03 PA08 PG04 PI16 PU21 PV02 PV09 PV23 SE10 TO13 TR03 TU05 TW08 TZ16 5J055 AX25 AX54 AX66 BX16 CX28 DX10 DX12 EX07 EX12 EX21 EY01 EY12 EY21 EZ10 EZ39 FX12 FX17 FX35 GX01 GX04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導性の負荷を駆動する駆動回路であっ
    て、前記負荷の駆動終了時に前記負荷の電磁エネルギー
    を放出するための消弧手段を備え、前記負荷への駆動電
    力供給のための配線の電圧を監視して負荷異常を判定す
    る駆動回路において、 前記配線に対する当該駆動回路の出力に対し、前記負荷
    への前記配線に関する浮遊容量と並列に、所定の容量を
    接続したことを特徴とする誘導性負荷の駆動回路。
  2. 【請求項2】 前記駆動回路は、前記配線の電圧レベル
    が所定の許容範囲から逸脱したことをもって負荷異常と
    判定し、 前記浮遊容量に対して並列に接続する所定の容量は、前
    記配線に電気的に結合されるノイズ源からの高周波ノイ
    ズを起因として、前記消弧手段、前記誘導性の負荷及び
    前記浮遊容量の作用によって発生される低周波ノイズの
    レベルが前記許容範囲以内となるように設定されてい
    る、 ことを特徴とする請求項1記載の駆動回路。
  3. 【請求項3】 前記誘導性の負荷は、車両に装備される
    リレー又はアクチュエータであり、前記浮遊容量は、当
    該車両のワイヤハーネスと車体との間に形成される浮遊
    容量である、請求項1又は2に記載の駆動回路。
  4. 【請求項4】 前記誘導性の負荷は、車両に装備される
    リレー又はアクチュエータであり、前記ノイズ源は、当
    該車両に装備された大電力スイッチング回路である、請
    求項1又は2に記載の駆動回路。
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