JP2002344325A - 符号化装置及び方法、並びに記録媒体 - Google Patents

符号化装置及び方法、並びに記録媒体

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JP2002344325A
JP2002344325A JP2001150042A JP2001150042A JP2002344325A JP 2002344325 A JP2002344325 A JP 2002344325A JP 2001150042 A JP2001150042 A JP 2001150042A JP 2001150042 A JP2001150042 A JP 2001150042A JP 2002344325 A JP2002344325 A JP 2002344325A
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    • H04B1/66Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission for reducing bandwidth of signals; for improving efficiency of transmission

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  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フレーム境界部における境界ノイズを低減す
る。 【解決手段】 Lチャネルの信号10aとRチャネルの
信号10bとは、減算器11bで減算され、乗算器11
d,11eに入力される。乗算器11dでは、前のフレ
ームにおいて計算されたチャネル混合比を用いて混合出
力信号が生成され、乗算器11eでは、現フレームにお
いて計算されたチャネル混合比を用いて混合出力信号が
生成される。混合出力信号は、それぞれ、スペクトル変
換部12b,12cでスペクトル変換され、量子化器1
3b,13cで量子化される。比較器15は、量子化器
13b,13cにおける量子化誤差を比較し、量子化器
13cにおける量子化誤差が量子化器13bにおける量
子化誤差よりも所定数倍以上大きいときには、量子化器
13bの量子化出力を選択するように、スイッチ16を
制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる高能率符
号化によって入力信号の符号化を行い、伝送、記録、再
生し、復号して、再生信号を得る場合に用いて好適な符
号化装置及び方法、並びに記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、音響信号或いは音声情報の如き信
号(以下、オーディオ信号という。)の高能率符号化の
手法としては種々知られており、例えば、時間軸上のオ
ーディオ信号を所定時間単位でブロック化し、このブロ
ック毎の時間軸の信号を周波数軸上の信号に変換(スペ
クトル変換)して複数の周波数帯域に分割し、各帯域毎
に符号化するブロック化周波数帯域分割方式であるいわ
ゆる変換符号化や、時間軸上のオーディオ信号をブロッ
ク化しないで、複数の周波数帯域に分割して符号化する
非ブロック化周波数帯域分割方式であるいわゆる帯域分
割符号化(サブ・バンド・コーディング:SBC)等を
挙げることができる。また、上述した帯域分割符号化と
変換符号化とを組み合わせた高能率符号化の手法も考え
られている。この場合には、例えば、帯域分割符号化で
帯域分割を行った後、各帯域毎の信号を周波数軸上の信
号にスペクトル変換し、このスペクトル変換された各帯
域毎に符号化が施される。
【0003】これらの符号化手法は、複数のチャネルか
ら構成される音響信号の各チャネルに対しても適用する
ことが可能である。例えば、左側のスピーカに対応する
Lチャネル、右側のスピーカに対応するRチャネルのそ
れぞれに適用することができる。また、Lチャネル、R
チャネルそれぞれの信号を加えることによって得られた
(L+R)/2の信号に対して適用することも可能であ
る。また、(L+R)/2の信号と(L−R)/2の信
号に対して上述した各手法を用いて符号化することも可
能である。なお、1チャネルの信号を符号化する場合の
データ量は、2チャネルの信号をそれぞれ独立に符号化
する場合の半分ですむので、記録媒体に信号を記録する
場合、1チャネルのモノラル信号で記録するモードと2
チャネルのステレオ信号で記録するモードとの両者を設
け、長時間の記録が必要な場合にはモノラル録音として
記録できるように規格を設定するという方法がよく採ら
れている。
【0004】この他にも、符号化効率を高める手法は次
々と開発されており、従って、新たに開発された符号化
手法を組み込んだ規格を採用すれば、より長時間の記録
が可能になったり、同じ記録時間であればより音質の高
い音響(オーディオ)信号を記録することが可能にな
る。
【0005】ここで、上述したような規格を決定する際
には、将来的に規格が変更又は拡張される場合のことを
考慮して、予め記録媒体に対して規格に関するフラグ情
報等を記録できる余地を残しておく方法がよく採られ
る。すなわち、例えば、最初に規格化を行う場合には1
ビットのフラグ情報として「0」を記録しておくように
し、規格変更を行う場合にはそのフラグ情報に「1」を
記録する。変更後の規格に対応した再生装置は、このフ
ラグ情報が「0」であるか「1」であるかをチェック
し、もし「1」ならば、変更後の規格に基づいて記録媒
体から信号を読み出し再生する。フラグ情報が「0」の
場合には、もしその再生装置が最初に定められた規格に
も対応しているのであれば、その規格に基づいて記録媒
体から信号を読み出して再生し、対応していないのであ
れば信号再生を行わない。
【0006】なお、本件出願人は、先に、特願平9−4
2514号の明細書及び図面にて、エンコーダによって
その大きさが制御不可能なフレーム毎に多チャネルの信
号を符号化する際に、一旦定められた規格(以下、旧規
格という。)で符号化すべきチャネルの信号を、そのフ
レームにおいて割当可能な最大ビット数よりも少ないビ
ット数で符号化し、そのようにしてできたフレーム内の
空き領域に他のチャネルの符号化信号を配置することに
より、旧規格対応の再生装置(以下、旧規格対応再生装
置)でも少数のチャネルの信号を再生できるようにする
とともに、新しい規格(以下、新規格という。)に対応
した再生装置(以下、新規格対応再生装置という。)を
用いることで、より多くのチャネルの信号が再生できる
ようにする技術を提案している。
【0007】この方法によれば、旧規格対応再生装置で
は再生しないチャネルの信号の符号化方法を旧規格の符
号化方法よりも符号化効率のよいものとすることによ
り、多チャネル信号を符号化することによって生じる音
質劣化を軽減することが可能である。この方法において
旧規格対応再生装置が再生可能な領域にA=(L+R)
/2の信号を、旧規格対応再生装置では再生しない領域
にB=(L−R)/2の信号を記録することにより、旧
規格対応再生装置ではモノラル信号Aを再生し、新規格
対応再生装置ではA,Bチャネルからステレオ信号L,
Rを再生することが可能となる。
【0008】また、本件出願人は、先に、特願平9−9
2448号の明細書及び図面にて、旧規格対応再生装置
が再生しない領域の信号を(L−R)/2,L,Rの中
から選択することにより、符号化の際に問題となる量子
化誤差の影響を軽減することを可能とする技術を提案し
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、規格拡張に
よってより多チャネルの信号を再生するとともに旧規格
対応再生装置でも少ないチャネルの再生を可能とするよ
うな信号符号化装置を用いて規格拡張を行い、ステレオ
信号を再生する場合、ステレオ信号の種類によっては符
号化により生じる量子化雑音が問題となる場合がある。
【0010】そこで、本件出願人は、先に、特開平11
−32399号公報(以下、文献1という。)にて、複
数のチャネル信号の混合比を計算し、この混合比に基づ
いて複数のチャネル信号を一定区間(フレーム)毎に混
合し、混合されたチャネル信号から複数のチャネル信号
に対応する複数の処理信号を生成し、複数の処理信号を
それぞれ符号化することにより、符号化、復号を行った
場合に復号信号にて生じる量子化誤差が音質に与える影
響を軽減させる技術を提案している。
【0011】この文献1における符号化装置では、例え
ばステレオ信号のL,Rの信号は、チャネル混合比R_
mを用いて混合され、以下の式(1)、式(2)に示す
ようなA,Bチャネルとして生成される。
【0012】A=(L+R)/2 ・・・(1) B=(L-R)(1-R_m)(1+R_m)/2 ・・・(2) 式(2)において、R_mは、以下の式(3)に示すチ
ャネル相関係数R_cに基づいて生成される。 R_c=S_lr/(S_l*S_r) ・・・(3) 式(3)において、S_l,S_rは、それぞれL,R
チャネルの標準偏差を示し、S_lrは、L,Rチャネ
ルの共分散を示す。チャネル相関係数R_cは、量チャ
ネルの増減状態が完全に等しければ1.0、完全に逆で
あれば−1.0、相関が全くなければ0に近い値とな
る。すなわち、モノラル信号であればR_cは、1.0
となり、逆位相の信号であればR_cは、−1.0とな
る。なお、一般のステレオ信号であれば、R_cは、
0.5以上となる場合が多い。
【0013】このチャネル相関係数R_cに基づいてチ
ャネル混合比R_mが決定され、このチャネル混合比R
_mに基づいて、上述したA,Bチャネルの信号が生成
される。
【0014】文献1においては、このように生成された
A,Bチャネルの信号をそれぞれ符号化することによ
り、符号化、復号化を行った場合に復号化信号にて生じ
る量子化誤差が音質に与える影響を軽減させることがで
きる。
【0015】しかしながら、上述の文献1の手法では、
チャネル混合比R_mは、一定区間毎に不連続に導出さ
れているため、ある一定条件を満たす入力信号において
音質上深刻な問題が発生することがある。つまり、文献
1では、一定区間(フレーム)を変換して得られるスペ
クトルを符号化する区間毎に、すなわち、j番目のフレ
ームに対してチャネル混合比R_m(j)が決定され
る。このため、一定の波形が規則正しく連続的に続いて
いるような場合において、チャネル混合比R_m(j)
をフレーム毎に変化させてしまうと、符号化装置側でフ
レーム境界部に不連続的成分が発生する。これが量子化
されて符号化されるため、復号化装置側で完全な復元が
不可能となり、ノイズとして知覚できるレベルまで量子
化誤差が大きくなってしまう。このような入力信号の例
としては、例えばベース等の楽器や、時報のように単一
周波数で構成されるような信号が挙げられる。
【0016】本発明は、このような従来の実情に鑑みて
提案されたものであり、符号化側で入力信号の特性をフ
レーム毎に逐次監視することで、復号化側で発生するノ
イズを効果的に抑制する符号化装置及びその方法、並び
に符号化された信号を記録する記録媒体を提供すること
を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明に係る符号化装置は、複数のチャネル信
号をある一定区間毎に混合した混合出力信号の符号化を
行う符号化装置であって、前の区間において求められた
上記複数のチャネル信号の相関係数を用いて計算された
出力係数をそのまま現在の区間の上記混合出力信号の出
力係数とする第1の処理手段と、現在の区間において求
められた上記複数のチャネル信号の相関係数を用いて計
算された出力係数を上記混合出力信号の出力係数とする
第2の処理手段と、上記第1の処理手段からの上記混合
出力信号がスペクトル変換された信号を量子化する第1
の量子化手段と、上記第2の処理手段からの上記混合出
力信号がスペクトル変換された信号を量子化する第2の
量子化手段と、上記第1の量子化手段における量子化誤
差と上記第2の量子化手段における量子化誤差との比較
結果に基づいて、上記第1の量子化手段の出力又は上記
第2の量子化手段の出力を選択するように制御する選択
制御手段と、上記選択制御手段により選択された上記第
1の量子化手段の出力又は上記第2の量子化手段の出力
を符号化する符号化手段とを備えることを特徴としてい
る。
【0018】ここで、上記選択制御手段は、上記第2の
量子化手段における量子化誤差が上記第1の量子化手段
における量子化誤差の所定数倍よりも大きいときに、上
記第1の量子化手段の出力を選択するように制御する。
【0019】このような符号化装置は、前の区間におい
て求められた複数のチャネル信号の相関係数を用いて計
算された出力係数をそのまま現在の区間の出力係数とす
る場合の量子化誤差と現在の区間において求められた複
数のチャネル信号の相関係数を用いて計算された出力係
数を出力係数とする場合の量子化誤差とを比較し、その
比較結果に応じた量子化出力を選択する。
【0020】また、上述した目的を達成するために、本
発明に係る符号化装置は、複数のチャネル信号をある一
定区間毎に混合した混合出力信号の符号化を行う符号化
装置であって、上記複数のチャネル信号の規則特性に基
づいて、上記複数のチャネル信号における出力係数の変
動の可否を判別する判別手段と、上記判別手段における
判別結果に基づいた出力係数を上記混合出力信号の出力
係数とする処理手段と、上記処理手段からの上記混合出
力信号がスペクトル変換された信号を量子化する量子化
手段と、上記量子化手段により量子化された信号を符号
化する符号化手段とを備えることを特徴としている。
【0021】ここで、上記判別手段は、上記複数のチャ
ネル信号が規則性を有する場合には、上記出力係数の変
動を許可せず、上記複数のチャネル信号が規則性を有さ
ない場合には、上記出力係数の変動を許可する。
【0022】また、上記処理手段では、上記判別手段に
より上記出力係数の変動が許可されない場合には、前の
区間において求められた上記複数のチャネル信号の相関
係数を用いて計算された出力係数をそのまま現在の区間
の上記混合出力信号の出力係数とし、上記判別手段によ
り上記混合係数の変動が許可される場合には、現在の区
間において求められた上記複数のチャネル信号の相関係
数を用いて計算された出力係数を上記混合出力信号の出
力係数とする。
【0023】なお、上記規則特性としては、例えば、上
記複数のチャネル信号における各ピークから次のピーク
までの区間長の規則性や上記複数のチャネル信号がゼロ
レベルと交差する位置であるゼロクロス位置から次の当
該位置までの区間長の規則性が挙げられる。
【0024】このような符号化装置では、複数のチャネ
ル信号が規則性を有する場合には、前の区間において求
められた複数のチャネル信号の相関係数を用いて計算さ
れた出力係数をそのまま現在の区間の混合出力信号の出
力係数とし、複数のチャネル信号が規則性を有さない場
合には、現在の区間において求められた上記複数のチャ
ネル信号の相関係数を用いて計算された出力係数を混合
出力信号の出力係数とする。
【0025】また、上述した目的を達成するために、本
発明に係る符号化装置は、複数のチャネル信号をある一
定区間毎に混合した混合出力信号の符号化を行う符号化
装置であって、現在の区間における上記複数のチャネル
信号の相関係数と過去及び/又は未来の区間における上
記複数のチャネル信号の相関係数とを平均化して新たな
相関係数を決定する相関係数決定手段と、上記新たな相
関係数により求められた出力係数を上記混合出力信号の
出力係数とする処理手段と、上記処理手段からの混合出
力信号がスペクトル変換された信号を量子化する量子化
手段と、上記量子化手段により量子化された信号を符号
化する符号化手段とを備えることを特徴としている。
【0026】このような符号化装置では、現在の区間に
おける複数のチャネル信号の相関係数と過去及び/又は
未来の区間における複数のチャネル信号の相関係数とを
平均化して新たな相関係数が決定され、新たな相関係数
を用いて計算された出力係数が混合出力信号の出力係数
とされ、この混合出力信号が量子化され、符号化され
る。
【0027】また、上述した目的を達成するために、本
発明に係る符号化方法は、複数のチャネル信号をある一
定区間毎に混合した混合出力信号の符号化を行う符号化
方法であって、前の区間において求められた上記複数の
チャネル信号の相関係数を用いて計算された出力係数を
そのまま現在の区間の上記混合出力信号の出力係数とす
る第1の処理工程と、現在の区間において求められた上
記複数のチャネル信号の相関係数を用いて計算された出
力係数を上記混合出力信号の出力係数とする第2の処理
工程と、上記第1の処理工程からの上記混合出力信号が
スペクトル変換された信号を量子化する第1の量子化工
程と、上記第2の処理工程からの上記混合出力信号がス
ペクトル変換された信号を量子化する第2の量子化工程
と、上記第1の量子化工程における量子化誤差と上記第
2の量子化工程における量子化誤差との比較結果に基づ
いて上記第1の量子化工程の出力又は上記第2の量子化
工程の出力を選択するように制御する選択制御工程と、
上記選択制御工程にて選択された上記第1の量子化工程
の出力又は上記第2の量子化工程の出力を符号化する符
号化工程とを有することを特徴としている。
【0028】ここで、上記選択制御工程では、上記第2
の量子化工程における量子化誤差が上記第1の量子化工
程における量子化誤差の所定数倍よりも大きいときに、
上記第1の量子化工程の出力を選択するように制御され
る。
【0029】このような符号化方法では、前の区間にお
いて求められた上記複数のチャネル信号の相関係数を用
いて計算された出力係数をそのまま現在の区間の出力係
数とする場合の量子化誤差と現在の区間において求めら
れた上記複数のチャネル信号の相関係数を用いて計算さ
れた出力係数を出力係数とする場合の量子化誤差とが比
較され、その比較結果に応じた量子化出力が選択され
る。
【0030】また、上述した目的を達成するために、本
発明に係る符号化方法は、複数のチャネル信号をある一
定区間毎に混合した混合出力信号の符号化を行う符号化
方法であって、上記複数のチャネル信号の規則特性に基
づいて、上記複数のチャネル信号における出力係数の変
動の可否を判別する判別工程と、上記判別工程における
判別結果に基づいた出力係数を上記混合出力信号の出力
係数とする処理工程と、上記処理工程からの上記混合出
力信号がスペクトル変換された信号を量子化する量子化
工程と、上記量子化工程にて量子化された信号を符号化
する符号化工程とを有することを特徴としている。
【0031】ここで、上記判別工程では、上記複数のチ
ャネル信号が規則性を有する場合には、上記出力係数の
変動が許可されず、上記複数のチャネル信号が規則性を
有さない場合には、上記出力係数の変動が許可される。
【0032】また、上記処理工程では、上記判別工程に
て上記混合係数の変動が許可されない場合には、前の区
間において求められた上記複数のチャネル信号の相関係
数を用いて計算された出力係数がそのまま現在の区間の
上記混合出力信号の出力係数とされ、上記判別工程にて
上記混合係数の変動が許可される場合には、現在の区間
において求められた上記複数のチャネル信号の相関係数
を用いて計算された出力係数が上記混合出力信号の出力
係数とされる。
【0033】なお、上記規則特性としては、例えば、上
記複数のチャネル信号における各ピークから次のピーク
までの区間長の規則性や上記複数のチャネル信号がゼロ
レベルとクロスする位置であるゼロクロス位置から次の
当該位置までの区間長の規則性が挙げられる。
【0034】このような符号化方法では、複数のチャネ
ル信号が規則性を有する場合には、前の区間において求
められた複数のチャネル信号の相関係数を用いて計算さ
れた出力係数がそのまま現在の区間の混合出力信号の出
力係数とされ、複数のチャネル信号が規則性を有さない
場合には、現在の区間において求められた複数のチャネ
ル信号の相関係数を用いて計算された出力係数が混合出
力信号の出力係数とされる。
【0035】また、上述した目的を達成するために、本
発明に係る符号化方法は、複数のチャネル信号をある一
定区間毎に混合した混合出力信号の符号化を行う符号化
方法であって、現在の区間における上記複数のチャネル
信号の相関係数と過去及び/又は未来の区間における上
記複数のチャネル信号の相関係数とを平均化して新たな
相関係数を決定する相関係数決定工程と、上記新たな相
関係数により求められた出力係数を上記混合出力信号の
出力係数とする処理工程と、上記処理工程からの上記混
合出力信号がスペクトル変換された信号を量子化する量
子化工程と、上記量子化工程にて量子化された信号を符
号化する符号化工程とを有することを特徴としている。
【0036】このような符号化方法では、現在の区間に
おける複数のチャネル信号の相関係数と過去及び/又は
未来の区間における複数のチャネル信号の相関係数とを
平均化して新たな相関係数が決定され、新たな相関係数
を用いて計算された出力係数が混合出力信号の出力係数
とされ、この混合出力信号が量子化され、符号化され
る。
【0037】また、上述した目的を達成するために、本
発明に係る記録媒体は、符号化した信号を記録した記録
媒体であって、複数のチャネル信号をある一定区間毎に
混合した混合出力信号の符号化が行われ、前の区間にお
いて求められた上記複数のチャネル信号の相関係数を用
いて計算された出力係数をそのまま現在の区間の上記混
合出力信号の出力係数とする第1の処理工程と、現在の
区間において求められた上記複数のチャネル信号の相関
係数を用いて計算された出力係数を上記混合出力信号の
出力係数とする第2の処理工程と、上記第1の処理工程
からの上記混合出力信号がスペクトル変換された信号を
量子化する第1の量子化工程と、上記第2の処理工程か
らの上記混合出力信号がスペクトル変換された信号を量
子化する第2の量子化工程と、上記第1の量子化工程に
おける量子化誤差と上記第2の量子化工程における量子
化誤差との比較結果に基づいて上記第1の量子化工程の
出力又は上記第2の量子化工程の出力を選択するように
制御する選択制御工程と、上記選択制御工程にて選択さ
れた上記第1の量子化工程の出力又は上記第2の量子化
工程の出力を符号化する符号化工程とを有する符号化方
法によって符号化して生成された符号列を記録してなる
ことを特徴としている。
【0038】ここで、上記選択制御工程では、上記第2
の量子化工程における量子化誤差が上記第1の量子化工
程における量子化誤差の所定数倍よりも大きいときに、
上記第1の量子化工程の出力を選択するように制御され
る。
【0039】このような記録媒体には、前の区間におい
て求められた上記複数のチャネル信号の相関係数を用い
て計算された出力係数がそのまま現在の区間の出力係数
とされる場合の量子化誤差と現在の区間において求めら
れた上記複数のチャネル信号の相関係数を用いて計算さ
れた出力係数を出力係数とする場合の量子化誤差とが比
較され、その比較結果に応じた量子化出力が選択されて
符号化された信号が記録される。
【0040】また、上述した目的を達成するために、本
発明に係る記録媒体は、符号化された信号を記録した記
録媒体であって、複数のチャネル信号をある一定区間毎
に混合した混合出力信号の符号化が行われ、上記複数の
チャネル信号の規則特性に基づいて、上記複数のチャネ
ル信号における出力係数の変動の可否を判別する判別工
程と、上記判別工程における判別結果に基づいた出力係
数を上記混合出力信号の出力係数とする処理工程と、上
記処理工程からの上記混合出力信号がスペクトル変換さ
れた信号を量子化する量子化工程と、上記量子化工程に
て量子化された信号を符号化する符号化工程とを有する
符号化方法によって符号化して生成された符号列を記録
してなることを特徴としている。
【0041】ここで、上記判別工程では、上記複数のチ
ャネル信号が規則性を有する場合には、上記出力係数の
変動が許可されず、上記複数のチャネル信号が規則性を
有さない場合には、上記出力係数の変動が許可される。
【0042】また、上記処理工程では、上記判別工程に
て上記出力係数の変動が許可されない場合には、前の区
間において求められた上記複数のチャネル信号の相関係
数を用いて計算された出力係数がそのまま現在の区間の
上記混合出力信号の出力係数とされ、上記判別工程にて
上記混合係数の変動が許可される場合には、現在の区間
において求められた上記複数のチャネル信号の相関係数
を用いて計算された出力係数が上記混合出力信号の出力
係数とされる。
【0043】なお、上記規則特性としては、例えば、上
記複数のチャネル信号における各ピークから次のピーク
までの区間長の規則性や上記複数のチャネル信号がゼロ
レベルと交差する位置であるゼロクロス位置から次の当
該位置までの区間長の規則性が挙げられる。
【0044】このような記録媒体には、複数のチャネル
信号が規則性を有する場合には、前の区間において求め
られた複数のチャネル信号の相関係数を用いて計算され
た出力係数がそのまま現在の区間の出力係数とされ、複
数のチャネル信号が規則性を有さない場合には、現在の
区間において求められた上記複数のチャネル信号の相関
係数を用いて計算された出力係数が混合出力信号の出力
係数とされ、この混合出力信号が量子化され符号化され
た符号列が記録される。
【0045】また、上述した目的を達成するために、本
発明に係る記録媒体は、符号化された信号を記録した記
録媒体であって、現在の区間における上記複数のチャネ
ル信号の相関係数と過去及び/又は未来の区間における
上記複数のチャネル信号の相関係数とを平均化して新た
な相関係数を決定する相関係数決定工程と、上記新たな
相関係数により求められた出力係数を上記混合出力信号
の出力係数とする処理工程と、上記処理工程からの上記
混合出力信号がスペクトル変換された信号を量子化する
量子化工程と、上記量子化工程にて量子化された信号を
符号化する符号化工程とを有する符号化方法によって符
号化して生成された符号列を記録してなることを特徴と
している。
【0046】このような記録媒体には、現在の区間にお
ける複数のチャネル信号の相関係数と過去及び/又は未
来の区間における複数のチャネル信号の相関係数とを平
均化して新たな相関係数が決定され、新たな相関係数に
より求められた混合係数を用いて計算された出力係数が
混合出力信号の出力係数とされ、この混合出力信号が量
子化され、符号化された符号化列が記録される。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明す
る。
【0048】先ず、本実施の形態の説明の前に、本件出
願人が先に出願した特開平11−32399号公報(以
下、文献1という。)における符号化装置について説明
する。
【0049】文献1の符号化装置では、図1に示すよう
に、入力された信号波形110aを変換回路111aに
よって信号周波数成分110bに変換し、得られた各周
波数成分110bを信号成分符号化回路111bによっ
て符号化し、その後、符号列生成回路111cにおい
て、上記信号成分符号化回路111bにて生成された符
号化信号110cから符号列110dを生成する。
【0050】また、変換回路111aにおいては、図2
に示すように、入力信号120aを帯域分割フィルタ1
12aによって2つの帯域に分割し、得られた2つの帯
域の信号120b,120cをMDCT等を用いた順ス
ペクトル変換回路112b,112cによりスペクトル
信号成分120d,120eに変換する。なお、入力信
号120aは、図1の信号波形110aに対応し、ま
た、スペクトル信号成分120d,120eは、図1の
信号周波数成分110bに対応している。この図2に示
す構成を有する変換回路111aでは、上記2つの帯に
分割された信号120b,120cの帯域幅が入力信号
120aの帯域幅の1/2となっており、入力信号12
0aが1/2に間引かれている。もちろん、変換回路1
11aとしては、この具体例以外にも多数考えられ、例
えば、入力信号を直接、MDCTによってスペクトル信
号に変換するものでもよいし、MDCTではなく、DF
TやDCTによって変換するものであってもよい。
【0051】詳しい説明は省略するが、図1に示すよう
な符号化装置では、規格拡張によってより多チャネルの
信号を再生するとともに旧規格対応再生装置でも少ない
チャネルの再生を可能とするような規格拡張を行い、ス
テレオ信号を再生する場合、ステレオ信号の種類によっ
ては符号化により生じる量子化雑音が問題となる場合が
ある。
【0052】そこで、文献1では、図3に示すような符
号化装置を提案している。この図3に示す符号化装置に
おいては、左側のスピーカに対応するLチャネルの入力
信号210a及び右側のスピーカに対応するRチャネル
の入力信号210bは、適応チャネル変換回路202a
によって、後述するように適応的なチャネル変換が行わ
れて混合出力信号であるA信号210c及びB信号21
0dに変換される。上記A信号210cは第一符号化回
路202bに、上記B信号210dは第二符号化回路2
02cに送られる。上記第一符号化回路202b及び第
二符号化回路202cは図1の信号成分符号化回路11
1bと同じ構成を有するものであり、第一符号化回路2
02bによって符号列210eが生成され、第二符号化
回路202cによって符号列210fが生成され、共に
符号列生成回路202dに供給され、符号列生成回路2
02dによって符号列210gが生成、出力される。
【0053】図3の適応チャネル変換回路202aの具
体的構成を図4に示す。図3のLチャネルの入力信号2
10aとRチャネルの入力信号210bとにそれぞれ対
応する入力信号220aと220bとは、チャネル相関
係数算出回路203a及びチャネル混合回路203bへ
供給される。チャネル相関係数算出回路203aでは、
入力信号220a及び220bのチャネル相関係数R_
cが、以下に示す式(4)により算出される。
【0054】R_c=S_lr/(S_l*S_r) ・・・(4) ここで、式(4)において、S_l,S_rは、L,R
チャネルの標準偏差を示し、S_lrは、L,Rチャネ
ルの共分散を示す。チャネル相関係数は−1.0から
1.0の範囲をとり、両チャネルの増減状態が完全に等
しければ1.0、完全に逆であれば−1.0となり、相
関が全くなければ0に近い値になる。すなわち、両チャ
ネルが等しいモノラル信号ではチャネル相関係数R_c
が1.0となり、逆位相のステレオ信号ではチャネル相
関係数R_cが−1.0となる。一般のステレオ信号で
は、R_cが0.5以上となる状態が比較的多く存在す
る。
【0055】チャネル相関係数算出回路203aにおい
て求められたチャネル相関係数R_cは、信号220c
としてチャネル混合比決定回路203cに送られる。
【0056】チャネル混合比決定回路203cでは、チ
ャネル相関係数R_cからチャネル混合比R_mが決定
される。
【0057】ここで、図5には、チャネル混合比決定回
路203cにおいて上記チャネル混合比R_mを決定す
る際のフローチャートの具体的一例を示している。
【0058】この図5において、先ず、ステップS30
1では上記チャネル相関係数算出回路203aから供給
されたチャネル相関係数R_cの絶対値|R_c|を求
める。続いてステップS302では、|R_c|が0.
5未満であるか否かの判断を行い、0.5未満であれば
ステップS303に進み、そうでなければステップS3
05に進んでR_mとして0.0を設定する。
【0059】ステップS303では|R_c|が0.3
未満であるか否かの判断を行い、0.3未満であればス
テップS304に進み、そうでなければステップS30
6に進んでR_mとして0.125を設定する。
【0060】ステップS304では|R_c|が0.1
未満であるか否かの判断を行い、0.1未満であればス
テップS308に進み、R_mとして0.5を設定す
る。ステップS304において|R_c|が0.1未満
でないときには、ステップS307に進み、R_mとし
て0.25を設定する。
【0061】この具体例では、チャネル相関係数の絶対
値|R_c|が小さいほどチャネル混合比R_mの値が
大きくなるように選び、且つ、R_mの値は0.0から
0.5の範囲で選択されるように構成されるが、これら
の数値は適用するシステムにおいて最適な値を任意に設
定することが可能である。
【0062】再び図4に戻って、上記チャネル混合比決
定回路203cにおいて求められたチャネル混合比R_
mは、信号220dとしてチャネル混合回路203bに
送られる。このチャネル混合回路203bでは、入力信
号220a,220bを上記チャネル混合比R_mに基
づいて混合処理し、その混合処理した後のL,Rチャネ
ル信号220e,220fを出力する。これら混合処理
した後のL,Rチャネル信号220e,220fは、チ
ャネル変換回路203dに送られる。
【0063】チャネル変換回路203dでは、以下に示
すようなチャネル変換処理が行われる。すなわち、チャ
ネル変換回路203dでは、チャネル混合回路203b
からのL’チャネルの信号220eとR’チャネルの信
号220fを、(L’+R’)/2に相当する信号22
0g及び(L’−R’)/2に相当する信号220hに
それぞれ変換する。これら、(L’+R’)/2の信号
220g及び(L’−R’)/2の信号220hは、そ
れぞれ対応する上述した図3の第一符号化回路202
b、第二符号化回路202cに送られることになる。
【0064】なお、図4では、チャネル混合回路203
bとチャネル変換回路203cにて別々に処理する例を
挙げたが、これらの処理は、まとめて同時に処理するこ
とも可能である。すなわち、チャネル混合回路203b
とチャネル変換回路203cとをまとめてチャネル混合
・変換回路として構成することも可能である。
【0065】このようなチャネル混合・変換回路の具体
的構成を図6に示す。この図6において、信号250
a,250bは、図4のL,Rチャネルの入力信号22
0a,220bにそれぞれ対応している。
【0066】上記Lチャネルの信号250aとRチャネ
ルの信号250bとは、加算器206aに入力されて加
算される。上記加算器206aの出力信号250cは乗
算器206cに入力されて出力係数である1/2が乗算
され、信号250eとして出力される。
【0067】一方、上記Lチャネルの信号250aとR
チャネルの信号250bとは、減算器206bに入力さ
れて減算される。上記減算器206bの出力信号250
dは乗算器206dに入力されて出力係数である(1−
R_m)/(1+R_m)/2が乗算され、信号250
fとして出力される。
【0068】このように、L,Rチャネルの入力信号2
50a,250bに対して、図6のチャネル混合・変換
回路からの出力信号250e,250fをそれぞれA,
Bチャネルとすると、図6のチャネル混合・変換回路で
は、結局、以下の式(5)、式(6)に示す計算がなさ
れることになる。
【0069】A=(L+R)/2 ・・・(5) B=(L-R)(1-R_m)(1+R_m)/2 ・・・(6) 文献1においては、このように生成されたA,Bチャネ
ルの信号をそれぞれ符号化することにより、符号化、復
号化を行った場合に復号化信号にて生じる量子化誤差が
音質に与える影響を軽減させることができる。
【0070】ところで、上述した文献1における適応チ
ャネル変換回路202aでは、L,Rチャネルの相関の
みに着目しているが、さらなる高性能化には、それとは
別に入力信号の時間的特性の変化、すなわちフレーム毎
の信号の規則性、特性の変化をも調べる必要性がある。
以下、詳しく説明する。
【0071】図7、図8は、j番目のフレームにおける
(1-R_m(j))/(1+R_m(j)) / 2の値をjがJ−1からJ+
2の範囲で示したものである。R_m(j)は、フレー
ム毎に独立に求められているため、図7、図8のように
フレーム間で数値が異なることがある。量子化精度が無
限大であれば、復号化側で符号化側と全く逆の操作を行
うことで、信号は完全に復元可能である。しかし実際に
は量子化精度は有限であるため、符号化側において、こ
のフレーム境界部で予め何らかの補間操作をしないと明
らかに境界ノイズが発生する。
【0072】このため、通常これらのフレーム境界部で
は、図9に示すような、N次の勾配を持った曲線又は直
線によって補間操作を施すことが有効である。この補間
操作によって、境界ノイズを効果的に低減することが可
能となる。
【0073】復号化側では、これと全く逆の復元操作を
行うため、量子化精度が無限と考えれば入力信号は完全
に復元が可能である。しかし、実際には、高い圧縮率を
実現する際に用いられる技術であり、そこまで高い量子
化精度を得ることは事実上不可能である。このため、N
次の勾配を持った曲線又は直線によって補間操作を施し
た場合にも境界ノイズが発生する。
【0074】この境界ノイズは、通常のスペクトルを量
子化した際に生じるノイズレベル以下に抑制されている
場合には問題とならないが、以下のような場合に境界ノ
イズが問題となる。以下では、簡単のため、(1-R_m(j))
/(1+R_m(j)) / 2の値が図8のように変化する場合にお
ける境界ノイズ発生について説明する。
【0075】図10(A)は、上述した図6における出
力信号250dを模式的に表現した図である。図10
(A)から分かるように、図6における(L−R)信
号、すなわち、減算器206bによって得られる段階で
の信号には、不連続的成分を発生する要素がない。しか
し、図6における乗算器206dによって、出力信号2
50dに対してフレーム毎に異なるチャネル混合比R_
m(j)が掛け合わせられて信号250fとなる。図1
0(B)は、この信号250fを模式的に表現した図で
ある。このように、フレーム毎に異なるチャネル混合比
R_m(j)が掛け合わせられるため、図10(B)に
示すように、フレーム境界部に不連続部分が生じる。
【0076】符号化側では、この信号250fを{J−
1,J},{J,J+1}というようにフレームをまと
めてMDCT(変形離散コサイン変換)等で有限の精度
で量子化、符号化が行われるため、符号化側では出力信
号250dを完全に復元することはできない。なお、ス
ペクトル変換は、MDCTに限定されないが、以下で
は、フレームをスペクトルに変換する場合にMDCTを
用いるものとして説明を行う。
【0077】図6の逆操作を行う復号化側のチャネル分
離回路の具体的例を図11に示す。なお、図11では、
説明の便宜上、冗長な構成としている。その他の復号化
側の回路構成は、符号化側と全く逆の操作を行うもので
あるため説明を省略する。
【0078】復号化側ではまず符号列をほどいてMDC
T係数を復元し、逆MDCT操作によって信号300
a,300bを得る。信号300a,300bは、それ
ぞれ乗算器301a,301bに入力される。なお、こ
の信号300a,300bは、図6の符号化側における
信号250e,250fに相当する。
【0079】乗算器301aでは、信号300aを(1
/2)−1倍して、信号300cとして出力する。一
方、乗算器301bでは、信号300bを((1-R_m)/(1
+R_m)/2)−1倍して、信号300dとして出力する。
この信号300c,300dは、上述した図6における
出力信号250c,250dに相当する。なお、図6に
おける信号250dは、信号(L−R) であり、図1
1における信号300dは、それを量子化、逆量子化し
て得られた信号(L−R)’である。
【0080】信号300cと信号300dとは加算器3
01cに入力されて加算される。上記加算器301cの
出力信号300eは、乗算器301eに入力されて1/
2倍され、信号300gとして出力される。また、信号
300cと信号300dとは減算器301dに入力され
て減算される。上記減算器301dの出力信号300f
は、乗算器301fに入力されて1/2倍され、信号3
00hとして出力される。
【0081】ここで、図11における信号300bを図
12(A)に、信号300dを図12(B)に示す。
【0082】図12(A)に示す信号300bは、符号
化、復号化における量子化精度が無限であれば、上述し
た図10(B)に示す信号250fに完全に一致する。
しかし、実際には量子化精度が有限であるため、信号3
00bは、量子化誤差を含んでおり、図11の乗算器3
01bを用いて信号300dを復元すると、図12
(B)に示すように、接続部で歪みが生じるようにな
る。
【0083】図10(A)に示す信号と図12(B)に
示す信号との差分を模式的に表した図を図13に示す。
図13に示すように、復号化された信号では、フレーム
境界毎に不連続的で大きな誤差が発生している。この誤
差は、上述した図9のようにN次の勾配を持った曲線又
は直線によって補間操作を施した場合にも発生する。
【0084】この誤差は、フレーム境界全てにおいて問
題となる訳ではないが、ある一定条件下では、このフレ
ーム境界部における境界ノイズが知覚され、音質上の問
題となる場合がある。以下、具体的に説明する。
【0085】図14(A)では、スペクトルの分布が平
坦であり、境界ノイズのエネルギーレベルがスペクトル
の量子化ノイズレベル以下であるため、境界ノイズは、
マスクされ、これを知覚することは不可能である。しか
し、図14(B)に示すように、単一周波数のみで構成
されるようなトーン性の高い信号の場合には、図中矢印
で示すように、境界ノイズをマスクする周波数成分が存
在しない領域が存在するため、境界ノイズが知覚され、
音質上の問題となる。すなわち、境界ノイズが問題とな
るのは、境界ノイズがもつスペクトル成分をマスクする
スペクトル成分がない場合である。
【0086】そこで、本実施の形態における符号化装置
は、上記境界ノイズを抑制するために、境界ノイズがも
つスペクトル成分をマスクする信号がない場合を符号化
側で連続的に自動で判別し、そのような場合にはチャネ
ル混合比R_m(j)の変動を禁止する。
【0087】本実施の形態における基本的な境界ノイズ
対策のフローチャートを図15に示す。先ず、ステップ
S1において、R_m(J)=R_m(J−1)と固定
して混合した信号をスペクトルAに変換する。また、ス
テップS2において、通常の処理で求められたR_m
(J)を用いて混合した信号をスペクトルBに変換す
る。
【0088】次に、この混合して得たスペクトルBと混
合しないで得たスペクトルAとを比較した後、混合を許
すか否かの判断をマスキングモデルを用いて決定する。
このマスキングモデルには、聴覚上の最小可聴域限界や
他の様々なモデルを任意に用いてよいが、最も単純な手
法として、スペクトルを量子化した際に発生する量子化
ノイズレベルを基準とする手法がある。これは、スペク
トルAを量子化した際に発生する量子化誤差QAと、ス
ペクトルBを量子化した際に発生する量子化誤差QBと
を比較し、QBがQAに比べてどの程度大きくなってい
るかを調べる手法である。QBとQAがほぼ等しいレベ
ルの量子化誤差を持っている場合には、境界ノイズは高
い確率で知覚されない。このように、精密なマスキング
モデルを用意しない場合でも、単純な比較のみで境界ノ
イズの対策を行うことが出来る。
【0089】ステップS3では、スペクトルAを量子化
した際に発生する量子化レベルQAと、スペクトルBを
量子化した際に発生する量子化レベルQBとを比較す
る。QBがQAのα倍よりも大きければ、ステップS4
に進み、R_m(j)の変動を禁止する、すなわちスペ
クトルAを符号化して終了する。ステップS3におい
て、QBがQAのα倍よりも大きくなければ、ステップ
S5に進み、R_m(j)の変動を許可する、すなわち
スペクトルBを符号化して終了する。なお、ステップS
3における係数αは、実際に試聴などをして決定しても
よく、また、既に存在する精密なマスキングモデルを用
いて決定してもよい。
【0090】上述の手法を実現する回路構成を模式的に
表した図を図16に示す。なお、図16は、図15の処
理を実現するために必要な部分を抽出したものであり、
実際の構成は、これに限定されるものではない。
【0091】図16において、J番目のフレームにおけ
るLチャネルの信号10aとRチャネルの信号10bと
は加算器11aに入力されて加算される。上記加算器1
1aの出力信号10cは、乗算器11cに入力されて出
力係数である1/2が乗算され、信号10eとして出力
される。
【0092】一方、J番目のフレームにおけるLチャネ
ルの信号10aとRチャネルの信号10bとは減算器1
1bに入力されて減算される。上記減算器11bの出力
信号11dは、乗算器11d及び乗算器11eに供給さ
れる。乗算器11dでは、信号10dに対して出力係数
である(1-R_m(J-1))/(1+R_m(J-1)) / 2が乗算されて信
号10fとして出力される。すなわち、乗算器11dで
はR_m(J)=R_m(J−1)と固定される。一
方、乗算器11eでは、信号10dに対して出力係数で
ある(1-R_m(J))/(1+R_m(J)) / 2が乗算されて信号10
gとして出力される。すなわち、乗算器11eでは通常
の処理で得られたR_m(J)が用いられる。
【0093】混合出力信号である信号10e,10f,
10gは、それぞれスペクトル変換部12a,12b,
12cに入力されてスペクトル変換され、その出力信号
10h,10i,10jは、量子化器13a,13b,
13cに入力される。
【0094】量子化器13aでは、信号10hが量子化
され、信号10kとして後段に出力される。一方、量子
化器13bでは、信号10iが量子化され、信号10m
として出力される。信号10iと信号10mとは、減算
器14aに入力され、量子化器13bにおける量子化誤
差が信号10pとして比較器15に供給される。同様
に、量子化器13cでは、信号10jが量子化され、信
号10nとして出力される。信号10jと信号10nと
は、減算器14bに入力され、量子化器13cにおける
量子化誤差が信号10qとして比較器15に供給され
る。
【0095】比較器15では、信号10pと信号10q
とが比較される。すなわち、上述したように、例えば、
信号10qが信号10pのα倍よりも大きいか否かが比
較される。信号10qが信号10pのα倍よりも大きい
場合には、比較器15は、R_m(J)の変動を禁止す
るように、すなわち、信号10mを選択するように、ス
イッチ16を制御する。また、信号10qが信号10p
のα倍よりも大きくない場合には、比較器15は、R_
m(J)の変動を許可するように、すなわち、信号10
nを選択するように、スイッチ16を制御する。スイッ
チ16により、信号10mと信号10nとの何れかが後
段に出力される。
【0096】なお、図16において、スペクトル変換の
前までは、図6に示したチャネル混合・変換回路に相当
し、スペクトル変換以降は、図3に示した第一符号化回
路202b及び第二符号化回路202cの前段に相当す
る。
【0097】ところで、上述した方法では、チャネル混
合比R_m(j)を設定するために、チャネル混合及び
スペクトル変換の操作が複数回必要であり、演算量が多
くなる。そこで、以下に示す方法では、入力信号の規則
性を調べることによって、境界ノイズが知覚されるか否
かの判断を行う。
【0098】具体的には、この方法では、入力信号のピ
ーク位置から次のピーク位置までの区間を調べ、その区
間長がどのように変化するかを利用する。トーン性が高
い場合とは、時間信号において一定の形の波形が規則正
しく並んでいる場合であり、規則正しく波形が並んでい
れば、それらのピークからピークまでの区間は一定に近
くなる。ピーク位置は、微分法によって簡単に求めるこ
とが可能で、あるピーク位置から次のピーク位置への区
間がフレーム内で一定とみなすことができれば、トーン
性が高い、すなわち、境界ノイズがもつスペクトル成分
をマスクするスペクトル成分がない領域が存在する場合
と判定することが可能となる。
【0099】この方法のフローチャートを図17に示
す。先ず、ステップS10において、フレーム内のピー
クからピークまでの区間を検出する。このピーク位置
は、上述したように、微分法によって求めることが可能
である。
【0100】次にステップS11において、ピークから
次のピークまでの区間がフレーム内でほぼ一定、すなわ
ち周期性が高いとみなすことができるか否かが判別され
る。ステップS11において、ピークから次のピークま
での区間がフレーム内で一定とみなすことができる場合
には、ステップS12に進んでチャネル混合比R_m
(j)の変動を不許可とした後、ステップS14に進
む。ステップS11において、ピークから次のピークま
での区間がフレーム内で一定とみなすことができない場
合には、ステップS13に進んでチャネル混合比R_m
(j)の変動を許可した後、ステップS14に進む。
【0101】ステップS14では、チャネル混合比R_
m(j)に基づいてチャネル混合・変換処理された信号
がスペクトル変換される。スペクトル変換された信号
は、続くステップS15において、符号化されて処理を
終了する。
【0102】なお、入力信号の規則性は、上述したよう
なピークからピークまでの区間長に基づいて判定する場
合に限定されず、単に信号がゼロラインをクロスするze
ro-cross位置から次のzero-cross位置までの区間長がほ
ぼ一定の場合に、入力信号が規則性を持っていると判定
するようにしても構わない。
【0103】このように、ピークからピークまでの区間
長又はzero-cross位置を調べることでも、トーン性が高
いか否かを簡易的に調べることができる。この方法を使
用することで、少ない演算量で境界ノイズが知覚されな
いチャネル混合比R_m(j)の値を設定することが可
能となる。
【0104】この場合、符号化装置は、図18に示すよ
うに、入力信号の規則性を調べることによってチャネル
混合比R_m(j)の変動を許可するか否かを判別する
判別部21を備える。
【0105】判別部21は、Lチャネルの信号20aと
Rチャネルの信号20bとを入力し、上述したように入
力信号の規則性を調べ、入力信号のトーン性が高い場合
には、チャネル混合比R_m(j)の変動を許可しない
制御信号を適応チャネル変換回路22に供給し、入力信
号のトーン性が高い場合には、チャネル混合比R_m
(j)の変動を許可する制御信号を適応チャネル変換回
路22に供給する。
【0106】判別部21以外の動作については、図3に
示した符号化装置と同様であるため、説明を省略する。
【0107】なお、境界ノイズをより効果的に抑制する
ためには、以下の2つの処理と上述した図17の処理と
を併せて行うことが有効である。これにより、境界ノイ
ズが発生するフレームを効果的に減少させることが可能
となる。
【0108】先ず第1の処理として、図19のフローチ
ャートに示すような平均化処理を行う。すなわち、フレ
ーム毎に独立にチャネル混合比R_m(j)を導出する
のではなく、数フレーム前からのチャネル相関係数R_
c(j)を平均化してR_c(ave)を求め、これを
使ってチャネル混合比R_m(j)を決定するようにす
る。平均化によってチャネル混合比R_m(j)の変動
が少なくなるため、境界ノイズが知覚されるフレームが
減少する。
【0109】図19において、ステップS20では、J
番目のフレームについて、チャネル相関係数R_c
(J)の絶対値|R_c(J)|を算出する。次にステ
ップS21では、Nフレーム分のチャネル相関係数|R
_c(J)|を平均化して|R_c(ave)|を算出
する。なお、ステップS21では、現在のフレームと過
去のフレームとを平均化しているが、これに限定され
ず、現在のフレームと過去及び/又は未来のフレームと
を平均化すればよい。
【0110】続いてステップS22では、|R_c(a
ve)|が0.5未満であるか否かの判断を行い、0.
5未満であればステップS23に進み、そうでなければ
ステップS25に進んでR_mとして0.0を設定す
る。
【0111】ステップS23では|R_c|が0.3未
満であるか否かの判断を行い、0.3未満であればステ
ップS24に進み、そうでなければステップS26に進
んでR_mとして0.125を設定する。
【0112】ステップS24では|R_c|が0.1未
満であるか否かの判断を行い、0.1未満であればステ
ップS28に進み、R_mとして0.5を設定する。ス
テップS24において|R_c|が0.1未満でないと
きには、ステップS27に進み、R_mとして0.25
を設定する。
【0113】このように、図19に示す第1の処理は、
基本的に図5に示した処理と同様であり、チャネル混合
比決定回路にて行われる。この第1の処理では、チャネ
ル相関係数R_cを求める際にのみ、複数のフレームに
またがってR_c(j)を平均してR_c(ave)を
求め、このR_c(ave)からチャネル混合比R_m
(j)を求めることでR_m(j)の変動を抑制するこ
とにより、境界ノイズが発生するフレームを効果的に減
少させることが可能となる。
【0114】第2の処理としては、チャネル相関係数R
_c、チャネル混合比R_mを求めるために特化した混
合信号を用意する。すなわち、図20に示すように、適
応チャネル変換回路におけるチャネル相関係数算出回路
32の前部に予備混合回路31を付加する。
【0115】Lチャネルの入力信号30aとRチャネル
の入力信号30bとは、予備混合回路31及びチャネル
混合回路33へ供給される。予備混合回路31では、入
力信号30a,30bに対して後述するような予備混合
が施され、信号30c,30dとしてチャネル相関係数
算出回路32に供給される。
【0116】チャネル相関係数算出回路32では、信号
30c,30dのチャネル相関係数R_cが算出され
る。チャネル相関係数検出回路32において求められた
チャネル相関係数R_cは、信号30eとしてチャネル
混合比決定回路34に送られる。
【0117】チャネル混合比決定回路34では、チャネ
ル相関係数R_cからチャネル混合比R_mが決定され
る。チャネル混合比決定回路34において求められたチ
ャネル混合比R_mは、信号30fとしてチャネル混合
回路33に送られる。
【0118】チャネル混合回路33では、入力信号30
a,30bを上記チャネル混合比R_mに基づいて混合
処理し、その混合処理した後のL,Rチャネル信号30
g,30hを出力する。これら混合処理した後のL,R
チャネル信号30g,30hは、チャネル変換回路35
に送られる。チャネル変換回路35では、上述したよう
なチャネル変換処理が施され、信号30i,30jが出
力される。
【0119】このような予備混合回路31の具体的構成
を図21に示す。この図21において、信号40a,4
0bは、図20におけるL,Rチャネルの入力信号30
a,30bにそれぞれ対応している。
【0120】Lチャネルの信号40aは、乗算器41で
Y倍されて、信号40cとして加算器45に入力される
と共に、乗算器43でZ倍されて、信号40eとして加
算器46に入力される。一方、Rチャネルの信号40b
は、乗算器42でZ倍されて、信号40dとして加算器
45に入力されると共に、乗算器44でY倍されて、信
号40fとして加算器46に入力される。
【0121】加算器45では、信号40cと信号40d
とが加算され、図20の信号30cに対応する信号40
gとして出力される。また、加算器46では、信号40
eと信号40fとが加算され、図20の信号30dに対
応する信号40hとして出力される。
【0122】このように、予備混合回路31では、L,
Rチャネルの信号を予め一定量のY,Z倍して混合して
得られる信号40g,40hを生成する。なお、この
Y,Zは、例えばYとZの比が9:1程度に設定され
る。チャネル相関係数R_c(j),チャネル混合比R
_m(j)は、この出力40g,40hからチャネル相
関係数算出回路32、チャネル混合比決定回路34にお
いて決定される。この予備混合によって、チャネル相関
係数R_c(j),チャネル混合比R_m(j)の変動
が従来より小さくなるため、R_m(j)の切り替わる
確率が減少する。これにより、チャネル混合比決定回路
34での混合の際に、フレーム境界での不連続的成分が
発生し難くなり、結果として境界ノイズの発生が減少す
る。なお、実際に符号化されるスペクトルは、混合しな
い入力信号30a,30bからスペクトル変換して得ら
れるため、L,Rチャネル間で信号の漏れは発生しない
という大きな利点がある。
【0123】以上説明した符号化装置で符号化されて生
成された符号は、符号列として記録媒体に記録される。
この記録媒体としては、ランダムアクセス可能なもので
あれば、光ディスク等の記録媒体に限らず、半導体メモ
リ等も使用可能である。
【0124】なお、本発明は上述した実施の形態のみに
限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範
囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【0125】例えば、上述の説明では、入力信号のトー
ン性を調べる際に、ピークからピークまでの区間長又は
zero-cross位置を調べたが、これに限定されるものでは
なく、例えば、帯域分割されたバンド毎のエネルギを調
べることによって、入力信号のトーン性を調べるように
してもよい。すなわち、帯域分割されたバンドのうちの
1つのエネルギが他のバンドのエネルギよりも所定以上
大きい場合にはトーン性が高いとし、チャネル混合比R
_mの変動を許可しないようにしてもよい。
【0126】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る
符号化装置は、複数のチャネル信号をある一定区間毎に
混合した混合出力信号の符号化を行う符号化装置であっ
て、前の区間において求められた上記複数のチャネル信
号の相関係数を用いて計算された出力係数をそのまま現
在の区間の上記混合出力信号の出力係数とする第1の処
理手段と、現在の区間において求められた上記複数のチ
ャネル信号の相関係数を用いて計算された出力係数を上
記混合出力信号の出力係数とする第2の処理手段と、上
記第1の処理手段からの上記混合出力信号がスペクトル
変換された信号を量子化する第1の量子化手段と、上記
第2の処理手段からの上記混合出力信号がスペクトル変
換された信号を量子化する第2の量子化手段と、上記第
1の量子化手段における量子化誤差と上記第2の量子化
手段における量子化誤差との比較結果に基づいて、上記
第1の量子化手段の出力又は上記第2の量子化手段の出
力を選択するように制御する選択制御手段と、上記選択
制御手段により選択された上記第1の量子化手段の出力
又は上記第2の量子化手段の出力を符号化する符号化手
段とを備えることを特徴としている。
【0127】ここで、上記選択制御手段は、上記第2の
量子化手段における量子化誤差が上記第1の量子化手段
における量子化誤差の所定数倍よりも大きいときに、上
記第1の量子化手段の出力を選択するように制御する。
【0128】このような符号化装置によっては、前の区
間において求められた上記複数のチャネル信号の相関係
数を用いて計算された出力係数をそのまま現在の区間の
出力係数とする場合の量子化誤差と現在の区間において
求められた上記複数のチャネル信号の相関係数を用いて
計算された出力係数を出力係数とする場合の量子化誤差
とを比較し、その比較結果に応じた量子化出力を選択す
ることで、フレーム境界部における境界ノイズを低減す
ることができる。
【0129】また、本発明に係る符号化装置は、複数の
チャネル信号をある一定区間毎に混合した混合出力信号
の符号化を行う符号化装置であって、上記複数のチャネ
ル信号の規則特性に基づいて、上記複数のチャネル信号
における出力係数の変動の可否を判別する判別手段と、
上記判別手段における判別結果に基づいた出力係数を上
記混合出力信号の出力係数とする処理手段と、上記処理
手段からの上記混合出力信号がスペクトル変換された信
号を量子化する量子化手段と、上記量子化手段により量
子化された信号を符号化する符号化手段とを備えること
を特徴としている。
【0130】ここで、上記判別手段は、上記複数のチャ
ネル信号が規則性を有する場合には、上記出力係数の変
動を許可せず、上記複数のチャネル信号が規則性を有さ
ない場合には、上記出力係数の変動を許可する。
【0131】また、上記処理手段では、上記判別手段に
より上記出力係数の変動が許可されない場合には、前の
区間において求められた上記複数のチャネル信号の相関
係数を用いて計算された出力係数をそのまま現在の区間
の上記混合出力信号の出力係数とし、上記判別手段によ
り上記出力係数の変動が許可される場合には、現在の区
間において求められた上記複数のチャネル信号の相関係
数を用いて計算された出力係数を上記混合出力信号の出
力係数とする。
【0132】なお、上記規則特性としては、例えば、上
記複数のチャネル信号における各ピークから次のピーク
までの区間長の規則性や上記複数のチャネル信号がゼロ
レベルと交差する位置であるゼロクロス位置から次の当
該位置までの区間長の規則性が挙げられる。
【0133】このような符号化装置によっては、複数の
チャネル信号が規則性を有する場合には、前の区間にお
いて求められた複数のチャネル信号の相関係数を用いて
計算された出力係数をそのまま現在の区間の混合出力信
号の出力係数とし、複数のチャネル信号が規則性を有さ
ない場合には、現在の区間において求められた複数のチ
ャネル信号の相関係数を用いて計算された出力係数を混
合出力信号の出力係数とすることで、少ない演算量でフ
レーム境界部における境界ノイズを低減することができ
る。
【0134】また、本発明に係る符号化装置は、複数の
チャネル信号をある一定区間毎に混合した混合出力信号
の符号化を行う符号化装置であって、現在の区間におけ
る上記複数のチャネル信号の相関係数と過去及び/又は
未来の区間における上記複数のチャネル信号の相関係数
とを平均化して新たな相関係数を決定する相関係数決定
手段と、上記新たな相関係数により求められた出力係数
を上記混合出力信号の出力係数とする処理手段と、上記
処理手段からの混合出力信号がスペクトル変換された信
号を量子化する量子化手段と、上記量子化手段により量
子化された信号を符号化する符号化手段とを備えること
を特徴としている。
【0135】このような符号化装置によっては、現在の
区間における複数のチャネル信号の相関係数と過去及び
/又は未来の区間における複数のチャネル信号の相関係
数とを平均化して新たな相関係数が決定され、新たな相
関係数により求められた出力係数が混合出力信号の出力
係数とされ、この混合出力信号が量子化され、符号化さ
れることで、出力係数の変動が抑制され、フレーム境界
部における境界ノイズを低減することができる。
【0136】また、本発明に係る符号化方法は、複数の
チャネル信号をある一定区間毎に混合した混合出力信号
の符号化を行う符号化方法であって、前の区間において
求められた上記複数のチャネル信号の相関係数を用いて
計算された出力係数をそのまま現在の区間の上記混合出
力信号の出力係数とする第1の処理工程と、現在の区間
において求められた上記複数のチャネル信号の相関係数
を用いて計算された出力係数を上記混合出力信号の出力
係数とする第2の処理工程と、上記第1の処理工程から
の上記混合出力信号がスペクトル変換された信号を量子
化する第1の量子化工程と、上記第2の処理工程からの
上記混合出力信号がスペクトル変換された信号を量子化
する第2の量子化工程と、上記第1の量子化工程におけ
る量子化誤差と上記第2の量子化工程における量子化誤
差との比較結果に基づいて上記第1の量子化工程の出力
又は上記第2の量子化工程の出力を選択するように制御
する選択制御工程と、上記選択制御工程にて選択された
上記第1の量子化工程の出力又は上記第2の量子化工程
の出力を符号化する符号化工程とを有することを特徴と
している。
【0137】ここで、上記選択制御工程では、上記第2
の量子化工程における量子化誤差が上記第1の量子化工
程における量子化誤差の所定数倍よりも大きいときに、
上記第1の量子化工程の出力を選択するように制御され
る。
【0138】このような符号化方法によっては、前の区
間において求められた上記複数のチャネル信号の相関係
数を用いて計算された出力係数がそのまま現在の区間の
出力係数とされる場合の量子化誤差と現在の区間におい
て求められた上記複数のチャネル信号の相関係数を用い
て計算された出力係数が出力係数とされる場合の量子化
誤差とが比較され、その比較結果に応じた量子化出力が
選択されることで、フレーム境界部における境界ノイズ
を低減することができる。
【0139】また、本発明に係る符号化方法は、複数の
チャネル信号をある一定区間毎に混合した混合出力信号
の符号化を行う符号化方法であって、上記複数のチャネ
ル信号の規則特性に基づいて、上記複数のチャネル信号
における出力係数の変動の可否を判別する判別工程と、
上記判別工程における判別結果に基づいた出力係数を上
記混合出力信号の出力係数とする処理工程と、上記処理
工程からの上記混合出力信号がスペクトル変換された信
号を量子化する量子化工程と、上記量子化工程にて量子
化された信号を符号化する符号化工程とを有することを
特徴としている。
【0140】ここで、上記判別工程では、上記複数のチ
ャネル信号が規則性を有する場合には、上記出力係数の
変動が許可されず、上記複数のチャネル信号が規則性を
有さない場合には、上記出力係数の変動が許可される。
【0141】また、上記処理工程では、上記判別工程に
て上記出力係数の変動が許可されない場合には、前の区
間において求められた上記複数のチャネル信号の相関係
数を用いて計算された出力係数がそのまま現在の区間の
上記混合出力信号の出力係数とされ、上記判別工程にて
上記出力係数の変動が許可される場合には、現在の区間
において求められた上記複数のチャネル信号の相関係数
を用いて計算された出力係数が上記混合出力信号の出力
係数とされる。
【0142】なお、上記規則特性としては、例えば、上
記複数のチャネル信号における各ピークから次のピーク
までの区間長の規則性や上記複数のチャネル信号がゼロ
レベルとクロスする位置であるゼロクロス位置から次の
当該位置までの区間長の規則性が挙げられる。
【0143】このような符号化方法によっては、複数の
チャネル信号が規則性を有する場合には、前の区間にお
いて求められた上記複数のチャネル信号の相関係数を用
いて計算された出力係数がそのまま現在の区間の混合出
力信号の出力係数とされ、複数のチャネル信号が規則性
を有さない場合には、現在の区間において求められた上
記複数のチャネル信号の相関係数を用いて計算された出
力係数が混合出力信号の出力係数とされることで、少な
い演算量でフレーム境界部における境界ノイズを低減す
ることができる。
【0144】また、本発明に係る符号化方法は、複数の
チャネル信号をある一定区間毎に混合した混合出力信号
の符号化を行う符号化方法であって、現在の区間におけ
る上記複数のチャネル信号の相関係数と過去及び/又は
未来の区間における上記複数のチャネル信号の相関係数
とを平均化して新たな相関係数を決定する相関係数決定
工程と、上記新たな相関係数により求められた出力係数
を上記混合出力信号の出力係数とする処理工程と、上記
処理工程からの上記混合出力信号がスペクトル変換され
た信号を量子化する量子化工程と、上記量子化工程にて
量子化された信号を符号化する符号化工程とを有するこ
とを特徴としている。
【0145】このような符号化方法によっては、現在の
区間における複数のチャネル信号の相関係数と過去及び
/又は未来の区間における複数のチャネル信号の相関係
数とを平均化して新たな相関係数が決定され、新たな相
関係数により求められた出力係数が混合出力信号の出力
係数とされ、この混合出力信号が量子化され、符号化さ
れることで、出力係数の変動が抑制され、フレーム境界
部における境界ノイズを低減することができる。
【0146】また、本発明に係る記録媒体は、符号化し
た信号を記録した記録媒体であって、複数のチャネル信
号をある一定区間毎に混合した混合出力信号の符号化が
行われ、前の区間において求められた上記複数のチャネ
ル信号の相関係数を用いて計算された出力係数をそのま
ま現在の区間の上記混合出力信号の出力係数とする第1
の処理工程と、現在の区間において求められた上記複数
のチャネル信号の相関係数を用いて計算された出力係数
を上記混合出力信号の出力係数とする第2の処理工程
と、上記第1の処理工程からの上記混合出力信号がスペ
クトル変換された信号を量子化する第1の量子化工程
と、上記第2の処理工程からの上記混合出力信号がスペ
クトル変換された信号を量子化する第2の量子化工程
と、上記第1の量子化工程における量子化誤差と上記第
2の量子化工程における量子化誤差との比較結果に基づ
いて上記第1の量子化工程の出力又は上記第2の量子化
工程の出力を選択するように制御する選択制御工程と、
上記選択制御工程にて選択された上記第1の量子化工程
の出力又は上記第2の量子化工程の出力を符号化する符
号化工程とを有する符号化方法によって符号化して生成
された符号列を記録してなることを特徴としている。
【0147】ここで、上記選択制御工程では、上記第2
の量子化工程における量子化誤差が上記第1の量子化工
程における量子化誤差の所定数倍よりも大きいときに、
上記第1の量子化工程の出力を選択するように制御され
る。
【0148】このような記録媒体には、前の区間におい
て求められた複数のチャネル信号の相関係数を用いて計
算された出力係数がそのまま現在の区間の出力係数とさ
れる場合の量子化誤差と現在の区間において求められた
上記複数のチャネル信号の相関係数を用いて計算された
出力係数が出力係数とされる場合の量子化誤差とが比較
され、その比較結果に応じた量子化出力が選択されるこ
とで、フレーム境界部における境界ノイズが低減された
符号列が記録される。
【0149】また、本発明に係る記録媒体は、符号化さ
れた信号を記録した記録媒体であって、複数のチャネル
信号をある一定区間毎に混合した混合出力信号の符号化
が行われ、上記複数のチャネル信号の規則特性に基づい
て、上記複数のチャネル信号における出力係数の変動の
可否を判別する判別工程と、上記判別工程における判別
結果に基づいた出力係数を上記混合出力信号の出力係数
とする処理工程と、上記処理工程からの上記混合出力信
号がスペクトル変換された信号を量子化する量子化工程
と、上記量子化工程にて量子化された信号を符号化する
符号化工程とを有する符号化方法によって符号化して生
成された符号列を記録してなることを特徴としている。
【0150】ここで、上記判別工程では、上記複数のチ
ャネル信号が規則性を有する場合には、上記出力係数の
変動が許可されず、上記複数のチャネル信号が規則性を
有さない場合には、上記出力係数の変動が許可される。
【0151】また、上記処理工程では、上記判別工程に
て上記出力係数の変動が許可されない場合には、前の区
間において求められた上記複数のチャネル信号の相関係
数を用いて計算された出力係数がそのまま現在の区間の
上記混合出力信号の出力係数とされ、上記判別工程にて
上記出力係数の変動が許可される場合には、現在の区間
において求められた上記複数のチャネル信号の相関係数
を用いて計算された出力係数が上記混合出力信号の出力
係数とされる。
【0152】なお、上記規則特性としては、例えば、上
記複数のチャネル信号における各ピークから次のピーク
までの区間長の規則性や上記複数のチャネル信号がゼロ
レベルと交差する位置であるゼロクロス位置から次の当
該位置までの区間長の規則性が挙げられる。
【0153】このような記録媒体には、複数のチャネル
信号が規則性を有する場合には、前の区間において求め
られた複数のチャネル信号の相関係数を用いて計算され
た出力係数がそのまま現在の区間の混合出力信号の出力
係数とされ、複数のチャネル信号が規則性を有さない場
合には、現在の区間において求められた複数のチャネル
信号の相関係数を用いて計算された出力係数が混合出力
信号の出力係数とされることで、少ない演算量でフレー
ム境界部における境界ノイズを低減することができる符
号化方法によって符号化された符号列が記録される。
【0154】また、本発明に係る記録媒体は、符号化さ
れた信号を記録した記録媒体であって、現在の区間にお
ける上記複数のチャネル信号の相関係数と過去及び/又
は未来の区間における上記複数のチャネル信号の相関係
数とを平均化して新たな相関係数を決定する相関係数決
定工程と、上記新たな相関係数により求められた出力係
数を上記混合出力信号の出力係数とする処理工程と、上
記処理工程からの上記混合出力信号がスペクトル変換さ
れた信号を量子化する量子化工程と、上記量子化工程に
て量子化された信号を符号化する符号化工程とを有する
符号化方法によって符号化して生成された符号列を記録
してなることを特徴としている。
【0155】このような記録媒体には、現在の区間にお
ける複数のチャネル信号の相関係数と過去及び/又は未
来の区間における複数のチャネル信号の相関係数とを平
均化して新たな相関係数が決定され、新たな相関係数に
より求められた出力係数が混合出力信号の出力係数とさ
れ、この混合出力信号が量子化され、符号化されること
で、出力係数の変動が抑制され、フレーム境界部におけ
る境界ノイズを低減することができる符号化方法によっ
て符号化された符号列が記録される。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の符号化装置の回路構成の例を説明する図
である。
【図2】同符号化装置における変換回路の構成を説明す
る図である。
【図3】従来の符号化装置の回路構成の他の例を説明す
る図である。
【図4】同符号化装置における適応チャネル変換回路の
構成を説明する図である。
【図5】同符号化装置におけるチャネル混合比決定回路
における処理を説明するフローチャートである。
【図6】同符号化装置におけるチャネル混合回路とチャ
ネル変換回路とを合わせたチャネル混合・変換回路の構
成を説明する図である。
【図7】従来の符号化装置において、チャネル混合比が
フレーム毎に変動する例を説明する図である。
【図8】従来の符号化装置において、フレーム境界部に
不連続部分が生じる例を説明する図である。
【図9】同不連続部分をN次の勾配を持った直線で補間
する例を説明する図である。
【図10】チャネル混合比が乗算されることでフレーム
境界部に不連続部分が生じる例を説明する図であり、同
図(A)は、チャネル混合比が乗算される前の信号波形
を示し、同図(B)は、チャネル混合比が乗算された後
の信号波形を示す。
【図11】従来の復号化装置におけるチャネル分離回路
の構成を説明する図である。
【図12】同チャネル分離回路において信号が完全に復
元されない例を説明する図であり、同図(A)は、復元
前の信号波形を示し、同図(B)は、復元後の接続部に
歪みが生じた信号波形を示す。
【図13】符号化前の信号と復号化後の信号とで、フレ
ーム境界毎に誤差が生じる例を説明する図である。
【図14】トーン性の高い信号により境界ノイズが生じ
る例を説明する図であり、同図(A)は、スペクトルの
分布が平坦な信号を示し、同図(B)は、トーン性の高
い信号を示す。
【図15】本実施の形態の符号化装置において境界ノイ
ズを抑制する手法の一例を説明するフローチャートであ
る。
【図16】同符号化装置の構成の一部を模式的に説明す
る図である。
【図17】同符号化装置において、入力信号の規則特性
を調べることによって境界ノイズを抑制する手法を説明
するフローチャートである。
【図18】入力信号の規則特性を調べる判別部を備えた
符号化装置の構成を説明する図である。
【図19】チャネル相関係数の平均化を行うことでチャ
ネル混合比の変動を抑制する手法を説明するフローチャ
ートである。
【図20】チャネル相関係数及びチャネル混合比を求め
るための予備混合回路を備えた符号化装置の構成の一部
を説明する図である。
【図21】同予備混合回路の構成を説明する図である。
【符号の説明】
11c,11d,11e 乗算器、12a,12b,1
2c スペクトル変換部、13a,13b,13c 量
子化器、15 比較器、16 スイッチ、21判別部、
31 予備混合回路

Claims (51)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のチャネル信号をある一定区間毎に
    混合した混合出力信号の符号化を行う符号化装置であっ
    て、 前の区間において求められた上記複数のチャネル信号の
    相関係数を用いて計算された出力係数をそのまま現在の
    区間の上記混合出力信号の出力係数とする第1の処理手
    段と、 現在の区間において求められた上記複数のチャネル信号
    の相関係数を用いて計算された出力係数を上記混合出力
    信号の出力係数とする第2の処理手段と、 上記第1の処理手段からの上記混合出力信号がスペクト
    ル変換された信号を量子化する第1の量子化手段と、 上記第2の処理手段からの上記混合出力信号がスペクト
    ル変換された信号を量子化する第2の量子化手段と、 上記第1の量子化手段における量子化誤差と上記第2の
    量子化手段における量子化誤差との比較結果に基づい
    て、上記第1の量子化手段の出力又は上記第2の量子化
    手段の出力を選択するように制御する選択制御手段と、 上記選択制御手段により選択された上記第1の量子化手
    段の出力又は上記第2の量子化手段の出力を符号化する
    符号化手段とを備えることを特徴とする符号化装置。
  2. 【請求項2】 上記選択制御手段は、上記第2の量子化
    手段における量子化誤差が上記第1の量子化手段におけ
    る量子化誤差の所定数倍よりも大きいときに、上記第1
    の量子化手段の出力を選択するように制御することを特
    徴とする請求項1記載の符号化装置。
  3. 【請求項3】 左右のチャネル信号の和に基づく中間部
    信号と差に基づく側部信号とを符号化する符号化装置で
    あって、 上記第1の処理手段及び上記第2の処理手段は、上記側
    部信号に対して上記出力係数を乗算することにより上記
    混合出力信号を得ることを特徴とする請求項1記載の符
    号化装置。
  4. 【請求項4】 上記相関係数は、上記複数のチャネル信
    号の標準偏差と共分散とから求めることを特徴とする請
    求項1記載の符号化装置。
  5. 【請求項5】 上記チャネル信号は、音響信号であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の符号化装置。
  6. 【請求項6】 複数のチャネル信号をある一定区間毎に
    混合した混合出力信号の符号化を行う符号化装置であっ
    て、 上記複数のチャネル信号の規則特性に基づいて、上記複
    数のチャネル信号における出力係数の変動の可否を判別
    する判別手段と、 上記判別手段における判別結果に基づいた出力係数を上
    記混合出力信号の出力係数とする処理手段と、 上記処理手段からの上記混合出力信号がスペクトル変換
    された信号を量子化する量子化手段と、 上記量子化手段により量子化された信号を符号化する符
    号化手段とを備えることを特徴とする符号化装置。
  7. 【請求項7】 上記判別手段は、上記複数のチャネル信
    号が規則性を有する場合には、上記出力係数の変動を許
    可せず、上記複数のチャネル信号が規則性を有さない場
    合には、上記出力係数の変動を許可することを特徴とす
    る請求項6記載の符号化装置。
  8. 【請求項8】 上記処理手段では、上記判別手段により
    上記出力係数の変動が許可されない場合には、前の区間
    において求められた上記複数のチャネル信号の相関係数
    を用いて計算された出力係数をそのまま現在の区間の上
    記混合出力信号の出力係数とし、上記判別手段により上
    記出力係数の変動が許可される場合には、現在の区間に
    おいて求められた上記複数のチャネル信号の相関係数を
    用いて計算された出力係数を上記混合出力信号の出力係
    数とすることを特徴とする請求項7記載の符号化装置。
  9. 【請求項9】 上記規則特性は、上記複数のチャネル信
    号における各ピークから次のピークまでの区間長の規則
    性であることを特徴とする請求項6記載の符号化装置。
  10. 【請求項10】 上記規則特性は、上記複数のチャネル
    信号がゼロレベルと交差する位置であるゼロクロス位置
    から次の当該位置までの区間長の規則性であることを特
    徴とする請求項6記載の符号化装置。
  11. 【請求項11】 左右のチャネル信号の和に基づく中間
    部信号と差に基づく側部信号とを符号化する符号化装置
    であって、 上記処理手段は、上記側部信号に対して上記出力係数を
    乗算することにより上記混合出力信号を得ることを特徴
    とする請求項6記載の符号化装置。
  12. 【請求項12】 上記相関係数は、上記複数のチャネル
    信号の標準偏差と共分散とから求めることを特徴とする
    請求項8記載の符号化装置。
  13. 【請求項13】 上記チャネル信号は、音響信号である
    ことを特徴とする請求項6記載の符号化装置。
  14. 【請求項14】 複数のチャネル信号をある一定区間毎
    に混合した混合出力信号の符号化を行う符号化装置であ
    って、 現在の区間における上記複数のチャネル信号の相関係数
    と過去及び/又は未来の区間における上記複数のチャネ
    ル信号の相関係数とを平均化して新たな相関係数を決定
    する相関係数決定手段と、 上記新たな相関係数により求められた出力係数を上記混
    合出力信号の出力係数とする処理手段と、 上記処理手段からの混合出力信号がスペクトル変換され
    た信号を量子化する量子化手段と、 上記量子化手段により量子化された信号を符号化する符
    号化手段とを備えることを特徴とする符号化装置。
  15. 【請求項15】 左右のチャネル信号の和に基づく中間
    部信号と差に基づく側部信号とを符号化する符号化装置
    であって、 上記処理手段は、上記側部信号に対して上記出力係数を
    乗算することにより上記混合出力信号を得ることを特徴
    とする請求項14記載の符号化装置。
  16. 【請求項16】 上記相関係数は、上記複数のチャネル
    信号の標準偏差と共分散とから求めることを特徴とする
    請求項14記載の符号化装置。
  17. 【請求項17】 上記チャネル信号は、音響信号である
    ことを特徴とする請求項14記載の符号化装置。
  18. 【請求項18】 複数のチャネル信号をある一定区間毎
    に混合した混合出力信号の符号化を行う符号化方法であ
    って、 前の区間において求められた上記複数のチャネル信号の
    相関係数を用いて計算された出力係数をそのまま現在の
    区間の上記混合出力信号の出力係数とする第1の処理工
    程と、 現在の区間において求められた上記複数のチャネル信号
    の相関係数を用いて計算された出力係数を上記混合出力
    信号の出力係数とする第2の処理工程と、 上記第1の処理工程からの上記混合出力信号がスペクト
    ル変換された信号を量子化する第1の量子化工程と、 上記第2の処理工程からの上記混合出力信号がスペクト
    ル変換された信号を量子化する第2の量子化工程と、 上記第1の量子化工程における量子化誤差と上記第2の
    量子化工程における量子化誤差との比較結果に基づいて
    上記第1の量子化工程の出力又は上記第2の量子化工程
    の出力を選択するように制御する選択制御工程と、 上記選択制御工程にて選択された上記第1の量子化工程
    の出力又は上記第2の量子化工程の出力を符号化する符
    号化工程とを有することを特徴とする符号化方法。
  19. 【請求項19】 上記選択制御工程では、上記第2の量
    子化工程における量子化誤差が上記第1の量子化工程に
    おける量子化誤差の所定数倍よりも大きいときに、上記
    第1の量子化工程の出力を選択するように制御されるこ
    とを特徴とする請求項18記載の符号化方法。
  20. 【請求項20】 左右のチャネル信号の和に基づく中間
    部信号と差に基づく側部信号とを符号化する符号化方法
    であって、 上記第1の処理工程及び上記第2の処理工程では、上記
    側部信号に対して上記出力係数が乗算されることで上記
    混合出力信号が得られることを特徴とする請求項18記
    載の符号化方法。
  21. 【請求項21】 上記相関係数は、上記複数のチャネル
    信号の標準偏差と共分散とから求められることを特徴と
    する請求項18記載の符号化方法。
  22. 【請求項22】 上記チャネル信号は、音響信号である
    ことを特徴とする請求項18記載の符号化方法。
  23. 【請求項23】 複数のチャネル信号をある一定区間毎
    に混合した混合出力信号の符号化を行う符号化方法であ
    って、 上記複数のチャネル信号の規則特性に基づいて、上記複
    数のチャネル信号における出力係数の変動の可否を判別
    する判別工程と、 上記判別工程における判別結果に基づいた出力係数を上
    記混合出力信号の出力係数とする処理工程と、 上記処理工程からの上記混合出力信号がスペクトル変換
    された信号を量子化する量子化工程と、 上記量子化工程にて量子化された信号を符号化する符号
    化工程とを有することを特徴とする符号化方法。
  24. 【請求項24】 上記判別工程では、上記複数のチャネ
    ル信号が規則性を有する場合には、上記出力係数の変動
    が許可されず、上記複数のチャネル信号が規則性を有さ
    ない場合には、上記出力係数の変動が許可されることを
    特徴とする請求項23記載の符号化方法。
  25. 【請求項25】 上記処理工程では、上記判別工程にて
    上記出力係数の変動が許可されない場合には、前の区間
    において求められた上記複数のチャネル信号の相関係数
    を用いて計算された出力係数がそのまま現在の区間の上
    記混合出力信号の出力係数とされ、上記判別工程にて上
    記出力係数の変動が許可される場合には、現在の区間に
    おいて求められた上記複数のチャネル信号の相関係数を
    用いて計算された出力係数が上記混合出力信号の出力係
    数とされることを特徴とする請求項24記載の符号化方
    法。
  26. 【請求項26】 上記規則特性は、上記複数のチャネル
    信号における各ピークから次のピークまでの区間長の規
    則性であることを特徴とする請求項23記載の符号化方
    法。
  27. 【請求項27】 上記規則特性は、上記複数のチャネル
    信号がゼロレベルとクロスする位置であるゼロクロス位
    置から次の当該位置までの区間長の規則性であることを
    特徴とする請求項23記載の符号化方法。
  28. 【請求項28】 左右のチャネル信号の和に基づく中間
    部信号と差に基づく側部信号とを符号化する符号化方法
    であって、 上記処理工程では、上記側部信号に対して上記出力係数
    が乗算されることにより上記混合出力信号が得られるこ
    とを特徴とする請求項23記載の符号化方法。
  29. 【請求項29】 上記相関係数は、上記複数のチャネル
    信号の標準偏差と共分散とから求められることを特徴と
    する請求項25記載の符号化方法。
  30. 【請求項30】 上記チャネル信号は、音響信号である
    ことを特徴とする請求項23記載の符号化方法。
  31. 【請求項31】 複数のチャネル信号をある一定区間毎
    に混合した混合出力信号の符号化を行う符号化方法であ
    って、 現在の区間における上記複数のチャネル信号の相関係数
    と過去及び/又は未来の区間における上記複数のチャネ
    ル信号の相関係数とを平均化して新たな相関係数を決定
    する相関係数決定工程と、 上記新たな相関係数により求められた出力係数を上記混
    合出力信号の出力係数とする処理工程と、 上記処理工程からの上記混合出力信号がスペクトル変換
    された信号を量子化する量子化工程と、 上記量子化工程にて量子化された信号を符号化する符号
    化工程とを有することを特徴とする符号化方法。
  32. 【請求項32】 左右のチャネル信号の和に基づく中間
    部信号と差に基づく側部信号とを符号化する符号化方法
    であって、 上記処理工程では、上記側部信号に対して上記出力係数
    が乗算されることにより上記混合出力信号が得られるこ
    とを特徴とする請求項31記載の符号化方法。
  33. 【請求項33】 上記相関係数は、上記複数のチャネル
    信号の標準偏差と共分散とから求められることを特徴と
    する請求項31記載の符号化方法。
  34. 【請求項34】 上記チャネル信号は、音響信号である
    ことを特徴とする請求項31記載の符号化方法。
  35. 【請求項35】 符号化した信号を記録した記録媒体で
    あって、 複数のチャネル信号をある一定区間毎に混合した混合出
    力信号の符号化が行われ、 前の区間において求められた上記複数のチャネル信号の
    相関係数を用いて計算された出力係数をそのまま現在の
    区間の上記混合出力信号の出力係数とする第1の処理工
    程と、 現在の区間において求められた上記複数のチャネル信号
    の相関係数を用いて計算された出力係数を上記混合出力
    信号の出力係数とする第2の処理工程と、 上記第1の処理工程からの上記混合出力信号がスペクト
    ル変換された信号を量子化する第1の量子化工程と、 上記第2の処理工程からの上記混合出力信号がスペクト
    ル変換された信号を量子化する第2の量子化工程と、 上記第1の量子化工程における量子化誤差と上記第2の
    量子化工程における量子化誤差との比較結果に基づいて
    上記第1の量子化工程の出力又は上記第2の量子化工程
    の出力を選択するように制御する選択制御工程と、 上記選択制御工程にて選択された上記第1の量子化工程
    の出力又は上記第2の量子化工程の出力を符号化する符
    号化工程とを有する符号化方法によって符号化して生成
    された符号列を記録してなることを特徴とする記録媒
    体。
  36. 【請求項36】 上記選択制御工程では、上記第2の量
    子化工程における量子化誤差が上記第1の量子化工程に
    おける量子化誤差の所定数倍よりも大きいときに、上記
    第1の量子化工程の出力を選択するように制御されるこ
    とを特徴とする請求項35記載の記録媒体。
  37. 【請求項37】 左右のチャネル信号の和に基づく中間
    部信号と差に基づく側部信号とが符号化されて生成され
    た符号列が記録され、 上記第1の処理工程及び上記第2の処理工程では、上記
    側部信号に対して上記出力係数が乗算されることにより
    上記混合出力信号が得られることを特徴とする請求項3
    5記載の記録媒体。
  38. 【請求項38】 上記相関係数は、上記複数のチャネル
    信号の標準偏差と共分散とから求められることを特徴と
    する請求項35記載の記録媒体。
  39. 【請求項39】 上記チャネル信号は、音響信号である
    ことを特徴とする請求項35記載の記録媒体。
  40. 【請求項40】 符号化された信号を記録した記録媒体
    であって、 複数のチャネル信号をある一定区間毎に混合した混合出
    力信号の符号化が行われ、 上記複数のチャネル信号の規則特性に基づいて、上記複
    数のチャネル信号における出力係数の変動の可否を判別
    する判別工程と、 上記判別工程における判別結果に基づいた出力係数を上
    記混合出力信号の出力係数とする処理工程と、 上記処理工程からの上記混合出力信号がスペクトル変換
    された信号を量子化する量子化工程と、 上記量子化工程にて量子化された信号を符号化する符号
    化工程とを有する符号化方法によって符号化して生成さ
    れた符号列を記録してなることを特徴とする記録媒体。
  41. 【請求項41】 上記判別工程では、上記複数のチャネ
    ル信号が規則性を有する場合には、上記出力係数の変動
    が許可されず、上記複数のチャネル信号が規則性を有さ
    ない場合には、上記出力係数の変動が許可されることを
    特徴とする請求項40記載の記録媒体。
  42. 【請求項42】 上記処理工程では、上記判別工程にて
    上記出力係数の変動が許可されない場合には、前の区間
    において求められた上記複数のチャネル信号の相関係数
    を用いて計算された出力係数がそのまま現在の区間の上
    記混合出力信号の出力係数とされ、上記判別工程にて上
    記出力係数の変動が許可される場合には、現在の区間に
    おいて求められた上記複数のチャネル信号の相関係数を
    用いて計算された出力係数が上記混合出力信号の出力係
    数とされることを特徴とする請求項41記載の記録媒
    体。
  43. 【請求項43】 上記規則特性は、上記複数のチャネル
    信号における各ピークから次のピークまでの区間長の規
    則性であることを特徴とする請求項40記載の記録媒
    体。
  44. 【請求項44】 上記規則特性は、上記複数のチャネル
    信号がゼロレベルと交差する位置であるゼロクロス位置
    から次の当該位置までの区間長の規則性であることを特
    徴とする請求項40記載の記録媒体。
  45. 【請求項45】 左右のチャネル信号の和に基づく中間
    部信号と差に基づく側部信号とが符号化されて生成され
    た符号列が記録され、 上記処理工程では、上記側部信号に対して上記出力係数
    が乗算されることにより上記混合出力信号が得られるこ
    とを特徴とする請求項40記載の記録媒体。
  46. 【請求項46】 上記相関係数は、上記複数のチャネル
    信号の標準偏差と共分散とから求められることを特徴と
    する請求項42記載の記録媒体。
  47. 【請求項47】 上記チャネル信号は、音響信号である
    ことを特徴とする請求項40記載の記録媒体。
  48. 【請求項48】 符号化された信号を記録した記録媒体
    であって、 現在の区間における上記複数のチャネル信号の相関係数
    と過去及び/又は未来の区間における上記複数のチャネ
    ル信号の相関係数とを平均化して新たな相関係数を決定
    する相関係数決定工程と、 上記新たな相関係数により求められた出力係数に基づい
    て、上記混合出力信号の出力係数が制御される処理工程
    と、 上記処理工程からの上記混合出力信号がスペクトル変換
    された信号を量子化する量子化工程と、 上記量子化工程にて量子化された信号を符号化する符号
    化工程とを有する符号化方法によって符号化して生成さ
    れた符号列を記録してなることを特徴とする記録媒体。
  49. 【請求項49】 左右のチャネル信号の和に基づく中間
    部信号と差に基づく側部信号とが符号化されて生成され
    た符号列が記録され、 上記処理工程では、上記側部信号に対して上記出力係数
    が乗算されることにより上記混合出力信号が得られるこ
    とを特徴とする請求項48記載の記録媒体。
  50. 【請求項50】 上記相関係数は、上記複数のチャネル
    信号の標準偏差と共分散とから求められることを特徴と
    する請求項48記載の記録媒体。
  51. 【請求項51】 上記チャネル信号は、音響信号である
    ことを特徴とする請求項48記載の記録媒体。
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