JP2002341137A - 光学フィルム、偏光子保護フィルムおよび偏光板 - Google Patents

光学フィルム、偏光子保護フィルムおよび偏光板

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JP2002341137A
JP2002341137A JP2001142483A JP2001142483A JP2002341137A JP 2002341137 A JP2002341137 A JP 2002341137A JP 2001142483 A JP2001142483 A JP 2001142483A JP 2001142483 A JP2001142483 A JP 2001142483A JP 2002341137 A JP2002341137 A JP 2002341137A
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JP
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thermoplastic resin
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weight
group
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JP2001142483A
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Toshihiko Hikita
敏彦 疋田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リターデーションが小さく、光学特性に優れ
たフィルムを提供すること。 【解決手段】 (A)側鎖に置換または非置換イミド基
を有する熱可塑性樹脂、(B)側鎖に置換または非置換
フェニル基およびニトリル基を有する熱可塑性樹脂、
(C)無機顔料、有機顔料より選択される一種類以上の
顔料を含有する樹脂組成物を用いて、黄色度が1.5以
下、ヘイズが1%以下、全光線透過率が85%以上であ
るフィルムを得る。このフィルムは、偏光子保護フィル
ムなどの光学用途に有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明な光学フィル
ムに関する。特に、本発明は光学特性に優れ、各種の光
学用途において有用なフィルムに関する。具体的には、
本発明は、実質的に位相差を有さないフィルムに関す
る。実質的に位相差を有さないフィルムは、偏光子保護
フィルムなどに有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器はますます小型化し、ノ
ート型パソコン、ワードプロセッサ、携帯電話、携帯情
報端末に代表されるように、軽量・コンパクトという特
長を生かした液晶表示装置が多く用いられるようになっ
てきている。これら液晶表示装置は、偏光フィルムに始
まり、その表示品位を保つ為に各種フィルムが用いられ
ている。また、携帯情報端末や携帯電話向けに液晶表示
装置を更に軽量化する目的で、ガラス基板の代わりに樹
脂フィルムを用いたプラスチック液晶表示装置も実用化
されている。
【0003】液晶表示装置のように、偏光を取り扱う場
合、用いる樹脂フィルムは光学的に透明および表面が平
滑である事の他に、光学的な均質性が求められる。ガラ
ス基板を樹脂フィルムに代えたプラスチック液晶表示装
置用のフィルム基板の場合、複屈折と厚みの積で表され
る位相差が小さいことが要求される。さらに、外部の応
力等によりフィルムの位相差が変化しにくい事が要求さ
れる。
【0004】しかし、溶融押出法にてフィルムを製作す
る場合、押出機内にて樹脂が劣化し、フィルムが着色す
る、あるいは、光学的に透明なフィルムが得られないと
いった問題がある。
【0005】他方、フィルムの透明性などの光学特性
は、フィルムの材料中の添加剤の配合に大きく影響を受
ける。フィルムの光学特性には、一般に、材料の均一性
が高度に影響する。このため、微量の不純物が混合され
ると、光学特性が損なわれる場合が多い。通常の光学用
途以外のフィルム一般に用いられる各種添加剤をそのま
ま、光学用フィルムに用いると、通常、光学特性が低下
してしまって、光学用フィルムとして用いることが困難
になる。光学特性が低下しない程度に、それらの添加剤
の添加量を減らす場合には、その添加剤の添加効果が得
られにくくなる。
【0006】従って、光学用途のフィルムにおける適切
な添加剤を見出すことは、当業者にとって極めて困難で
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
課題を解決する為になされたものであり、透明性および
光学特性に優れた光学用フィルムおよびそのフィルムを
製造するための樹脂組成物を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の構
造と組成を有する重合体および顔料を含む組成物を用い
ることにより、上記課題を解決できることを見出した。
そして、位相差が生じにくく、光学的特性に優れたフィ
ルムが得られることを見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明によれば、(A)側鎖に
置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂、
(B)側鎖に置換または非置換フェニル基と基を有する
熱可塑性樹脂ならびに(C)無機顔料および有機顔料よ
り選択される一種類以上の顔料を含有する樹脂組成物か
らなるフィルムが提供される。そして本発明のフィルム
は、波長515nmの光に対する位相差値が3nm以下
である。
【0010】なお本明細書中においては、側鎖に置換ま
たは非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂を「熱可塑性
樹脂A」という。また側鎖に置換または非置換フェニル
基と基を有する熱可塑性樹脂を「熱可塑性樹脂B」とい
う。
【0011】具体的には、本発明によれば、以下のフィ
ルムおよび偏光板が提供される。
【0012】(1) 光学フィルムであって、(A)側
鎖に置換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂、
(B)側鎖に置換または非置換フェニル基と基を有する
熱可塑性樹脂、および(C)無機顔料および有機顔料よ
り選択される一種類以上の顔料を含有するフィルム用樹
脂組成物からなり、そして波長515nmの光に対する
リターデーション値が3nm以下である、フィルム。
【0013】(2) 前記顔料の含有量が前記熱可塑性
樹脂(A)および(B)の総重量に対して0.01〜1
重量%である、上記項(1)に記載のフィルム。
【0014】(3) 前記顔料が群青、紺青、フタロシ
アニンブルー、ジオキサンバイオレット、ペリノンまた
はペリレンである、上記項(1)または(2)に記載の
フィルム。
【0015】(4) 上記項(1)に記載のフィルムで
あって、前記熱可塑性樹脂(A)が、式(1)で表され
る繰り返し単位および式(2)で表される繰り返し単位
を有し、ここで式(1)の繰り返し単位の含有率が該熱
可塑性樹脂(A)の総繰り返し単位を基準として30〜
80モル%であり、式(2)の繰り返し単位の含有率が
該熱可塑性樹脂(A)の総繰り返し単位を基準として7
0〜20モル%であり、前記熱可塑性樹脂(B)が、式
(3)で表される繰り返し単位および式(4)で表され
る繰り返し単位を有し、該熱可塑性樹脂(B)中の総繰
り返し単位を基準として、式(3)の繰り返し単位の含
有率が20〜50重量%であり、式(4)の繰り返し単
位の含有率が50〜80重量%であり、該熱可塑性樹脂
(A)の量と熱可塑性樹脂(B)の量との合計を基準と
して、該熱可塑性樹脂(A)の含有率が50〜80重量
%であり、かつ該熱可塑性樹脂(B)の含有率が20〜
50重量%である、フィルム。
【0016】
【化5】 (式(1)において、R1 、R2 およびR3 は、それぞ
れ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示
す。)
【0017】
【化6】 (式(2)において、Rは、水素、炭素数1〜18のア
ルキル基、または炭素数3〜12のシクロアルキル基を
示す。)
【0018】
【化7】 (式(3)において、R4 およびR5 は、それぞれ独立
に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示す。)
【0019】
【化8】 (式(4)において、R6およびR7 は、それぞれ独立
に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示し、R8
は、水素、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン基、水
酸基、アルコキシ基、もしくはニトロ基を示す。) (5) 一軸または二軸延伸フィルムである、上記項
(1)または(2)に記載のフィルム。
【0020】(6) 偏光子保護フィルムである、上記
項(1)〜(5)のいずれか1項に記載のフィルム。
【0021】(7) 偏光子と、該偏光子の少なくとも
片面に積層された偏光子保護フィルムとを有する偏光板
であって、該偏光子フィルムが、上記項(6)に記載の
フィルムである、偏光板。
【0022】さらに本発明によれば、以下の方法が提供
される: (8) 上記項(1)に記載のフィルムの製造方法であ
って、(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する
熱可塑性樹脂、(B)側鎖に置換または非置換フェニル
基と基を有する熱可塑性樹脂、および(C)無機顔料お
よび有機顔料より選択される一種類以上の顔料を含有す
るフィルム用樹脂組成物から、未延伸フィルムを成形す
る工程、および一軸または二軸に延伸する工程を包含す
る、方法。
【0023】
【発明の実施の形態】(本発明の構成)本発明のフィル
ムは、(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有する
熱可塑性樹脂、(B)側鎖に少なくとも置換または非置
換フェニル基およびニトリル基を有する熱可塑性樹脂、
ならびに(C)無機顔料および有機顔料より選択される
一種類以上の顔料を含有する樹脂組成物から作られる。
【0024】なお、本明細書中においては、上記熱可塑
性樹脂Aが共重合体樹脂である場合、この共重合体を、
「熱可塑性共重合体A」ともいう。また本明細書中にお
いては、上記熱可塑性樹脂Bが共重合体である場合、こ
の共重合体を、「熱可塑性共重合体B」ともいう。
【0025】(熱可塑性樹脂A)本発明に用いられる熱
可塑性樹脂Aは、側鎖に置換または非置換イミド基を有
する熱可塑性樹脂である。ここで、熱可塑性樹脂Aの主
鎖は、任意の熱可塑性樹脂の主鎖であり得る。例えば、
炭素のみからなる主鎖であってもよく、または炭素以外
の原子が炭素間に挿入される主鎖であってもよい。ある
いは炭素以外の原子からなる主鎖であってもよい。好ま
しくは、炭素のみからなる主鎖である。例えば、炭化水
素またはその置換体であり得る。具体的には例えば、主
鎖は、付加重合により得られる主鎖であり得る。具体的
には例えば、ポリオレフィンまたはポリビニルである。
【0026】また、主鎖は、縮合重合により得られる主
鎖であってもよい。例えば、エステル結合、アミド結合
などで得られる主鎖であり得る。
【0027】好ましくは、主鎖は、置換ビニルモノマー
を重合させて得られるポリビニル骨格である。
【0028】熱可塑性樹脂Aに置換もしくは非置換のイ
ミド基を導入する方法としては、従来公知の任意の方法
が可能である。例えば、置換もしくは非置換のイミド基
を有するモノマーを重合することにより、置換もしくは
非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂を得てもよい。
また例えば、各種モノマーを重合して主鎖を形成した
後、側鎖に置換もしくは非置換のイミド基を導入しても
よい。例えば、置換もしくは非置換のイミド基を有する
化合物を側鎖にグラフトさせてもよい。
【0029】イミド基が置換基で置換されている場合、
当該置換基としては、イミド基の水素を置換し得る従来
公知の置換基が使用可能である。具体的には例えば、ア
ルキル基などである。
【0030】好ましくは、熱可塑性樹脂Aは、少なくと
も1種のオレフィン(アルケン)から誘導される繰り返
し単位と少なくとも1種の置換あるいは非置換マレイミ
ド構造を有する繰り返し単位とを含有する共重合体(二
元もしくはそれ以上の多元共重合体)である。
【0031】上記オレフィン・マレイミド共重合体は、
公知の方法で合成され得る。例えば、特開平5−591
93号公報、特開平5−195801号公報、特開平6
−136058号公報および特開平9−328523号
公報に記載されているように、二種類の単量体を直接共
重合する方法、一方の単量体を重合して得られた重合体
に他方の単量体をグラフト共重合する方法、後述する前
駆重合体に対して高分子反応によりイミド結合を導入す
る方法などの各種方法により得ることができる。
【0032】特に好ましくは、熱可塑性樹脂Aは、下記
式(1)で表される少なくとも1種のオレフィン(アル
ケン)から誘導される繰り返し単位と下記式(2)で表
される少なくとも1種の置換あるいは非置換マレイミド
構造を有する繰り返し単位を含有する。
【0033】
【化9】 (式(1)において、R1、R2およびR3は、それぞれ
独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示す。
アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜4であり、より
好ましくは、1〜2であり、特に好ましくは1であ
る。)
【0034】
【化10】 (式(2)において、Rは、水素、炭素数1〜18のア
ルキル基、または炭素数3〜12のシクロアルキル基を
示す。アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜4であ
り、より好ましくは、1〜2であり、特に好ましくは1
である。シクロアルキル基の炭素数は、好ましくは3〜
9であり、より好ましくは、4〜7である。) ここで、式(1)の繰り返し単位の含有量は、好ましく
は、該熱可塑性樹脂Aの総繰り返し単位を基準として、
20〜70モル%である。より好ましくは、40〜60
モル%であり、さらに好ましくは、45〜55モル%で
ある。
【0035】式(2)の繰り返し単位の含有量は、該熱
可塑性樹脂Aの総繰り返し単位を基準として、好ましく
は30〜80モル%である。より好ましくは、40〜6
0モル%であり、さらに好ましくは、45〜55モル%
である。式(2)の繰り返し単位の含有率が少なすぎる
か、または多すぎる場合、得られるフィルムの耐熱性お
よび機械的強度が低下しやすい。
【0036】熱可塑性樹脂Aは、式(1)の繰り返し単
位と式(2)の繰り返し単位とを主成分として含むこと
が特に好ましい。1つの実施態様では、式(1)の繰り
返し単位と式(2)の繰り返し単位との合計が、熱可塑
性樹脂A中の50モル%以上であり、好ましくは、70
モル%以上である。より好ましくは、80モル%以上で
あり、さらに好ましくは、90モル%以上である。
【0037】好ましい実施態様では、式(1)の繰り返
し単位と式(2)の繰り返し単位との和は100%であ
る。しかし、必要に応じて、後述する第3の繰り返し単
位を用いてもよい。
【0038】第3の繰り返し単位を用いる場合、第3の
繰り返し単位は、熱可塑性共重合体Aの総繰り返し単位
を基準として、好ましくは30モル%以下であり、より
好ましくは20モル%以下であり、さらに好ましくは1
5モル%以下であり、特に好ましくは10モル%以下で
ある。第3の繰り返し単位が多すぎる場合には、上記式
(1)で表される繰り返し単位および式(2)で表され
る繰り返し単位の性能が充分に得られにくい。
【0039】また、第3の繰り返し単位を用いる場合、
第3の繰り返し単位は、熱可塑性共重合体Aの総繰り返
し単位を基準として、好ましくは1モル%以上であり、
より好ましくは2モル%以上であり、さらに好ましくは
3モル%以上であり、特に好ましくは5モル%以上であ
る。第3の繰り返し単位が少なすぎる場合には、組成物
全体として、第3の繰り返し単位による性能が充分に得
られにくい。
【0040】なお、第3の繰り返し単位を用いる場合に
おいても、式(1)の繰り返し単位と式(2)の繰り返
し単位との比率は、第3の繰り返し単位が存在しない場
合と同様の比率とすることが好ましい。
【0041】(式(1)の繰り返し単位)式(1)の繰
り返し単位(すなわち、オレフィン単位)を提供するオ
レフィンは、下記式(5)で表される。
【0042】
【化11】 (ここで、R1、R2およびR3は、式(1)と同じであ
る。) 好ましいオレフィン系単量体の例は、イソブテン、2−
メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、2−
メチル−1−ヘキセン、2−メチル−1−ヘプテン、2
−メチル−1−ヘプテン、1−イソオクテン、2−メチ
ル−1−オクテン、2−エチル−1−ペンテン、2−エ
チル−2−ブテン、2−メチル−2−ペンテン、および
2−メチル−2−ヘキセン等である。イソブテンが最も
好ましい。これらのオレフィンは、単独で用いてもよ
く、あるいは2種以上を組合せて用いてもよい。
【0043】(式(2)の繰り返し単位)上記式(2)
の繰り返し単位(マレイミド単位)は、対応するマレイ
ミド化合物から誘導することができる。そのようなマレ
イミド化合物は、下記式(6)で表される:
【0044】
【化12】 (ここで、Rは、式(2)と同様である。) このようなマレイミド化合物の好ましい例を挙げると、
マレイミド、並びに、N−メチルマレイミド、N−エチ
ルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−i−
プロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−
s−ブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N
−n−ペンチルマレイミド、N−n−ヘキシルマレイミ
ド、N−n−ヘプチルマレイミド、N−n−オクチルマ
レイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマ
レイミド、N−シクロプロピルマレイミド、N−シクロ
ブチルマレイミド、N−シクロペンチルマレイミド、N
−シクロヘキシルマレイミド、N−シクロヘプチルマレ
イミド、およびN−シクロオクチルマレイミド等のN−
置換マレイミドである。N−メチルマレイミドが最も好
ましい。
【0045】これらのマレイミド化合物は、単独で用い
てもよく、または2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。マレイミド化合物としては、N−置換マレイミドが
好ましい。すなわち、式(6)において、Rが水素以外
の基である化合物が特に好ましい。例えば、N−メチル
マレイミドなどである。N−置換マレイミドにおいて、
好ましいN置換基の例は、メチル、エチル、n−プロピ
ル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチ
ル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘ
プチル、n−オクチル、ラウリル、ステアリル、シクロ
プロピル、シクロブチル、およびシクロヘキシル等であ
る。
【0046】(第3の繰り返し単位)本発明に用いる熱
可塑性共重合体Aは、上記オレフィン単位およびマレイ
ミド単位以外に、第3の繰り返し単位として、他の共重
合性単量体を1種以上含有することができる。例えば、
ビニル系単量体を含有することができる。そのような共
重合性単量体には、アクリル酸メチルやアクリル酸ブチ
ルのようなアクリル酸系単量体、メタクリル酸メチルお
よびメタクリル酸シクロヘキシルのようなメタクリル酸
系単量体、酢酸ビニル等のビニルエステル単量体、メチ
ルビニルエーテルのようなビニルエーテル単量体等のビ
ニル単量体、並びに無水マレイン酸のような不飽和二重
結合を有する酸無水物、スチレンやα−メチルスチレ
ン、p−メトキシスチレン等の置換または非置換スチレ
ン系単量体等が含まれる。これらの第3の繰り返し単位
は、1種類の単量体であってもよく、2種以上の単量体
を組み合わせて第3の繰り返し単位としてもよい。フィ
ルムの光学的特性を著しく著しく損なわない程度に第3
の繰り返し単位を含有させることにより、熱可塑性共重
合体Aの耐熱性を向上させたり、機械的強度を増大させ
たりすることができる。
【0047】(熱可塑性樹脂Aの重合方法)熱可塑性樹
脂Aは、例えば、上記オレフィンとマレイミド化合物と
を既知の重合方法で重合させることにより製造すること
ができる。この重合には、グラフト重合も含まれる。あ
るいは、熱可塑性樹脂Aは、上記オレフィンとマレイン
酸もしくは無水マレイン酸とを常法に従って重合させて
前駆重合体を製造し、これにアミン化合物を反応させて
前駆重合体の無水マレイン酸部位をイミド化させること
によっても製造することができる。その場合に使用する
アミン化合物としては、上記式(2)のマレイミド単位
におけるイミド部位に対応するアミンが含まれる。より
具体的には、式R−NH2(ただし、Rは、式(2)に
同じ。)で表されるアミン化合物が用いられ得る。例え
ばメチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、
i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、s−ブチルア
ミン、t−ブチルアミン、およびシクロヘキシルアミン
等のアルキルアミンやアンモニアの他、ジメチル尿素、
ジエチル尿素等を好ましく用いることができる。この場
合にも、上記式(1)の繰り返し単位および式(2)の
繰り返し単位を有する熱可塑性樹脂が得られる。
【0048】熱可塑性共重合体Aは、ランダム共重合
体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、または交互
共重合体のいずれであってもよい。交互共重合体である
ことが好ましい。熱可塑性共重合体Aは、より好ましく
は、マレイミド単位として、式(2)におけるRがメチ
ル基、エチル基、イソプロピル基およびシクロヘキシル
基から選ばれたアルキル基である少なくとも1種のマレ
イミド単位を含有し、オレフィン単位として、式(1)
におけるR1が水素であり、R2およびR3がそれぞれメ
チル基である少なくとも1種のオレフィン単位を含有す
る熱可塑性共重合体である。これらの製造方法は、例え
ば、特開平5−59193号公報、特開平5−1958
01号公報、特開平6−136058号公報および特開
平9−328523号公報にも記載されている。
【0049】ここで、本明細書中でモノマーについて
「単位」という場合には、当該モノマーが重合した後に
残る残基のことをいう。具体的には、「マレイミド単
位」とは、用いられた1つのマレイミド分子が重合した
後に残る残基をいう。同様に「オレフィン単位」とは、
用いられた1つのオレフィンモノマーが重合した後に残
る残基をいう。
【0050】さらに好ましくは、熱可塑性共重合体A
は、マレイミド単位としてN−メチルマレイミド単位を
含有し、オレフィン単位としてイソブチレン単位を含有
する。熱可塑性共重合体Aは、N−置換マレイミドとイ
ソブテンとの交互共重合体であることが特に好ましい。
【0051】本発明に用いられ得る熱可塑性共重合体
(A)において、マレイミド単位の含有率は、30モル
%以上80モル%未満である事が好ましい。マレイミド
単位の含有率が多すぎるか、または少なすぎる場合、得
られるフィルムの耐熱性や機械的強度が損なわれやす
い。マレイミド単位の含有率は、より好ましくは、40
モル%以上60モル%以下である。第3繰り返し単位を
添加する場合には、その含有率が、5モル%以上30モ
ル%以下である事が好ましい。5モル%以上10モル%
以下である事がより好ましい。熱可塑性共重合体(A)
の残りは、好ましくはオレフィン単位である。熱可塑性
共重合体(A)は、マレイミド単位とオレフィン単位と
を主成分として含む事が特に好ましい。1つの実施態様
では、マレイミド単位とオレフィン単位との合計が、熱
可塑性共重合体(A)中の50モル%以上であり、好ま
しくは、70モル%以上である。より好ましくは、80
モル%以上であり、さらに好ましくは、90モル%以上
である。
【0052】(分子量)熱可塑性樹脂Aは、1×103
以上の重量平均分子量を有することが好ましい。より好
ましくは、1×104以上である。
【0053】熱可塑性樹脂Aは、5×106以下の重量
平均分子量を有することが好ましい。より好ましくは、
5×105以下である。
【0054】熱可塑性樹脂Aのガラス転移温度は、80
℃以上であることが耐熱性の点で好ましい。より好まし
くは100℃以上であり、更に好ましくは130℃以上
である。
【0055】また、別の好ましい、側鎖に置換または非
置換イミド基を有する熱可塑性樹脂Aとして、グルタル
イミド系熱可塑性樹脂を用いることができる。グルタル
イミド系樹脂は、特開平2−153904号公報等に記
載されているように、グルタルイミド構造単位とアクリ
ル酸メチルまたはメタクリル酸メチル構造単位とを有す
る。
【0056】下記一般式(20)で表される繰り返し単
位を有するグルタルイミド系樹脂が、好ましく使用され
得る。
【0057】
【化13】 (式中において、R40は水素またはメチルであり、R50
は水素または炭素数1〜8のアルキル基、シクロアルキ
ル基またはアリール基を示す。Rは前記式(2)と同様
である。) 上記グルタルイミド系樹脂中には必要に応じ第3の単量
体が共重合されていてもかまわない。好ましい第3の単
量体の例としては、ブチルアクリレートなどのアクリル
系単量体、スチレン、置換スチレン、またはα−メチル
スチレンなどのスチレン系単量体、アクリロニトリルま
たはメタクリロニトリル等のニトリル系単量体、あるい
は、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニル
マレイミドなどのマレイミド系単量体を用いることがで
きる。また、これらの第3の単量体は、グルタルイミド
系樹脂と直接共重合されても良い。また、グルタルイミ
ド系樹脂とグラフト共重合されてもかまわない。
【0058】好ましいイミド基の含有量は、イミド基を
有する繰り返し単位の存在率として、グルタルイミド系
樹脂中の繰り返し単位の総量のうちの40〜80モル%
である。これらのグルタルイミド系樹脂の例は、例え
ば、米国特許4246374号などに開示されている。
【0059】(熱可塑性樹脂B)本発明に用いられる熱
可塑性樹脂Bは、置換または非置換フェニル基とニトリ
ル基とを側鎖に有する熱可塑性樹脂である。ここで、熱
可塑性樹脂Bの主鎖は、任意の熱可塑性樹脂の主鎖であ
り得る。例えば、炭素のみからなる主鎖であってもよ
く、または炭素以外の原子が炭素間に挿入される主鎖で
あってもよい。あるいは炭素以外の原子からなる主鎖で
あってもよい。好ましくは、炭素のみからなる主鎖であ
る。例えば、炭化水素またはその置換体であり得る。具
体的には例えば、主鎖は、付加重合により得られる主鎖
であり得る。具体的には例えば、ポリオレフィンまたは
ポリビニルである。
【0060】また、主鎖は、縮合重合により得られる主
鎖であってもよい。例えば、エステル結合、アミド結合
などで得られる主鎖であり得る。
【0061】好ましくは、主鎖は、置換ビニルモノマー
を重合させて得られるポリビニル骨格である。
【0062】熱可塑性樹脂Bに置換または非置換フェニ
ル基を導入する方法としては、従来公知の任意の方法が
可能である。例えば、置換または非置換フェニル基を有
するモノマーを重合することにより、置換または非置換
フェニル基を有する熱可塑性樹脂を得てもよい。また例
えば、各種モノマーを重合して主鎖を形成した後、側鎖
に置換または非置換フェニル基を導入してもよい。例え
ば、置換もしくは非置換のフェニル基を有する化合物を
側鎖にグラフトさせてもよい。
【0063】フェニル基が置換基で置換されている場
合、当該置換基としては、フェニル基の水素を置換し得
る従来公知の置換基および置換位置が使用可能である。
具体的には置換基は、例えば、アルキル基などである。
【0064】熱可塑性樹脂Bにニトリル基を導入する方
法としては、従来公知の任意の方法が可能である。例え
ば、ニトリル基を有するモノマーを重合することによ
り、ニトリル基を有する熱可塑性樹脂を得てもよい。ま
た例えば、各種モノマーを重合して主鎖を形成した後、
側鎖にニトリル基を導入してもよい。例えば、ニトリル
基を有する化合物を側鎖にグラフトさせてもよい。
【0065】本発明に用いられる熱可塑性樹脂Bは、好
ましくは、不飽和ニトリル化合物から誘導される繰り返
し単位(ニトリル単位)とスチレン系化合物から誘導さ
れる繰り返し単位(スチレン系単位)とを含む共重合体
(二元もしくは三元以上の多元共重合体)である。従っ
て、アクリロニトリル・スチレン系の共重合体を好まし
く用いることができる。
【0066】熱可塑性共重合体Bは、不飽和ニトリル単
位とスチレン系単位とを主成分として含むことが特に好
ましい。不飽和ニトリル単位とスチレン系単位との合計
が、熱可塑性共重合体Bの70重量%以上であることが
好ましい。より好ましくは80重量%以上であり、さら
に好ましくは90重量%であり、特に好ましくは95重
量%以上である。1つの好ましい実施態様では、式
(7)の繰り返し単位と式(8)の繰り返し単位との和
は100%である。しかし、必要に応じて、後述する第
3の繰り返し単位を用いてもよい。
【0067】(ニトリル化合物)不飽和ニトリル化合物
としては、シアノ基および反応性二重結合を有する任意
の化合物が使用可能である。
【0068】上記の好ましい熱可塑性共重合体Bを構成
する不飽和ニトリル化合物の好ましい例を挙げると、例
えば、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルのよ
うなα−置換不飽和ニトリル、ならびにフマロニトリル
のようなα,β−二置換オレフィン性不飽和結合を有す
るニトリル化合物である。より好ましくは、不飽和ニト
リル化合物は、アクリロニトリルである。
【0069】(スチレン系化合物)スチレン系化合物と
しては、フェニル基および反応性二重結合を有する任意
の化合物が使用可能である。
【0070】上記の好ましい熱可塑性共重合体Bを構成
するスチレン系化合物としては、例えば、スチレン、ビ
ニルトルエン、メトキシスチレンまたはクロロスチレン
等の非置換または置換スチレン系化合物、および、α−
メチルスチレン等のα−置換スチレン系化合物を用いる
ことができる。より好ましい実施態様では、スチレン系
化合物は、スチレンである。
【0071】特に好ましい実施態様では、熱可塑性樹脂
Bは、下記式(7)で示される不飽和ニトリル単位と下
記式(8)で示されるスチレン系単位を含む。
【0072】
【化14】 (式7において、R4およびR5は、それぞれ独立に、水
素または炭素数1〜8のアルキル基を示す。アルキル基
の炭素数は、好ましくは1〜4であり、より好ましく
は、1〜2である。)
【0073】
【化15】 (式8において、R6およびR7は、それぞれ独立に、水
素または炭素数1〜8のアルキル基を示し、R8は、水
素、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン、水酸基、ア
ルコキシ基またはニトロ基を示す。アルキル基の炭素数
は、好ましくは1〜4であり、より好ましくは、1〜3
である。さらに好ましくは、1〜2である。アルコキシ
基の炭素数は、好ましくは、1〜20であり、より好ま
しくは、1〜8であり、さらに好ましくは、1〜4であ
る。)。
【0074】熱可塑性樹脂B中の総繰り返し単位を基準
として、式(7)の繰り返し単位は、好ましくは、10
〜70重量%であり、より好ましくは20〜60重量%
であり、さらに好ましくは20〜50重量%である。特
に好ましくは20〜40重量%である。最も好ましく
は、20〜30重量%である。なおさら好ましくは、2
0〜30重量%である。きわめて好ましくは20〜29
重量%である。最も好ましくは、20〜28重量%であ
る。
【0075】熱可塑性樹脂B中の総繰り返し単位を基準
として、式(8)の繰り返し単位は、好ましくは、30
〜70重量%であり、より好ましくは40〜80重量%
であり、さらに好ましくは50〜80重量%である。特
に好ましくは60〜80重量%である。最も好ましく
は、70〜80重量%である。
【0076】(第3の繰り返し単位)熱可塑性共重合体
Bは、上記ニトリル単位とスチレン系単位以外に、第3
の繰り返し単位として、必要に応じて、他の共重合性単
量体を含有していてもかまわない。そのような第3の繰
り返し単位には、好ましくは、ブチルアクリレート等の
アクリル系単量体、エチレンおよびプロピレン等のオレ
フィン系単量体が挙げられる。これらの単量体を1種ま
たは2種以上を共重合させることにより、得られたフィ
ルムの可撓性を向上させることができる。また、第3の
繰り返し単位としては、N−置換マレイミドを用いるこ
ともできる。N−置換マレイミド、特にフェニルマレイ
ミドを共重合成分として用いることにより、樹脂の耐熱
性を向上させることができる。
【0077】第3の繰り返し単位を用いる場合、第3の
繰り返し単位は、熱可塑性共重合体Bの重量を基準とし
て、好ましくは30重量%以下であり、より好ましくは
20重量%以下であり、さらに好ましくは15重量%以
下であり、特に好ましくは10重量%以下である。第3
の繰り返し単位が多すぎる場合には、上記式(1)で表
される繰り返し単位と式(2)で表される繰り返し単位
との性能が充分に得られにくい。
【0078】また、第3の繰り返し単位を用いる場合、
第3の繰り返し単位は、熱可塑性共重合体Bの重量を基
準として、好ましくは1重量%以上であり、より好まし
くは2重量%以上であり、さらに好ましくは3重量%以
上であり、特に好ましくは5重量%以上である。第3の
繰り返し単位が少なすぎる場合には、組成物全体とし
て、第3の繰り返し単位による性能が充分に得られにく
い。
【0079】なお、第3の繰り返し単位を用いる場合に
おいても、式(7)の繰り返し単位と式(8)の繰り返
し単位との比率は、第3の繰り返し単位が存在しない場
合と同様の比率とすることが好ましい。
【0080】(熱可塑性樹脂Bの重合方法)熱可塑性樹
脂Bは、上述した単量体を直接共重合させることにより
得られ得る。スチレン系化合物の重合体および不飽和ニ
トリル化合物の重合体の一方に、他方をグラフト共重合
させてもよい。また、ゴム弾性を有するアクリル系重合
体にスチレン系化合物および不飽和ニトリル系化合物を
グラフト重合させることにより好ましい樹脂を得ること
ができる。
【0081】特に好ましい熱可塑性樹脂は、不飽和ニト
リル化合物としてアクリロニトリルを含有し、スチレン
系化合物としてスチレンを含有する共重合体である。こ
れらの共重合体はAS樹脂またはAAS樹脂などとして
知られている。
【0082】本発明に用いられる熱可塑性共重合体
(B)において、熱可塑性樹脂中の不飽和ニトリル系繰
り返し単位の含有量としては20〜60重量%が好まし
く、スチレン系繰り返し単位の含有量は、40〜80重
量%が好ましい。不飽和ニトリル単位とスチレン系単位
の比率は、好ましくは、前者が20〜50重量%であ
り、後者が50〜80重量%であり、より好ましくは、
前者が20〜40重量%であり、後者が60〜80重量
%である。特に、前者が20〜30重量%で、後者が7
0〜80重量%の場合は更に好ましい結果を与える。ス
チレン系化合物やニトリル系化合物の成分が多すぎるか
または少なすぎる場合には、フィルム中の分子の配向に
よる位相差が大きくなりやすく、また熱可塑性樹脂
(A)との相溶性が乏しくなり、光学材料等に用いる場
合、透明性に優れたフィルムを得る事が難しくなる。
【0083】熱可塑性樹脂Bは、1×103以上の重量
平均分子量を有することが好ましい。より好ましくは、
1×104以上である。
【0084】熱可塑性樹脂Bは、5×106以下の重量
平均分子量を有することが好ましい。より好ましくは、
5×105以下である。重量平均分子量が大きすぎる
と、フィルムの成形性が低下しやすい。
【0085】(熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとの混
合比)本発明の組成物に用いる熱可塑性樹脂(A)と熱
可塑性樹脂(B)との比率は、熱可塑性樹脂(A)10
〜90重量%に対して、熱可塑性樹脂(B)10〜90
重量%の割合で配合する事が好ましい。熱可塑性樹脂
(A)40〜85重量%に対して、熱可塑性樹脂(B)
15〜60重量%の割合で配合する事がより好ましい。
熱可塑性樹脂(A)50〜80重量%に対して、熱可塑
性樹脂(B)20〜50重量%の割合で配合する事がさ
らに好ましく、熱可塑性樹脂(A)65〜75重量%に
対して、熱可塑性樹脂(B)25〜35重量%の割合は
特に好ましい。熱可塑性樹脂(B)が多すぎるかまたは
少なすぎる場合、延伸フィルムにした際に、平面方向ま
たは厚み方向の位相差が大きくなる恐れがある。また、
熱可塑性樹脂(B)の配合率が多すぎると、得られるフ
ィルムの透明性が低下し易い。
【0086】本発明に用いられる熱可塑性樹脂(A)お
よび(B)を上記割合で配合する事により、フィルムの
平面方向および厚み方向の両方において位相差が極めて
小さい延伸フィルムとする事ができる。好ましい実施態
様において、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)
との和は組成物中の樹脂の合計のうちの100重量%で
ある。特に好ましい混合比は熱可塑性樹脂(A)および
熱可塑性樹脂(B)の種類に依存する。一般的には、使
用する熱可塑性樹脂(B)および(A)に含まれるフェ
ニル基モル数Pに対する熱可塑性樹脂(A)および
(B)に含まれるイミド基モル数Iの比(I/P比)が
0.7以上である事が好ましく、0.9以上である事が
より好ましく、さらに好ましくは、1.0以上である。
また、2.9以下である事が好ましく、2.6以下であ
る事がより好ましく、さらに好ましくは2.4以下であ
る。1つの実施態様では、I/P比を1.3〜2.0と
する事が好ましく、1.5〜1.9とする事がより好ま
しい。N−メチルマレイミドとイソブテンの交互重合体
を熱可塑性樹脂(A)として選択し、アクリロニトリル
とスチレンの共重合体を熱可塑性樹脂(B)として選択
した場合の熱可塑性樹脂(A):熱可塑性樹脂(B)の
重量比は50:50〜80:20が好ましく、65:3
5〜75:25がより好ましい。熱可塑性樹脂(B)中
のアクリロニトリル成分の量は20〜30重量%が好ま
しく、25〜29重量%がより好ましい。
【0087】(顔料)上記熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑
性樹脂Bを含む樹脂組成物からなるフィルムにおいて、
本発明においては、無機顔料および有機顔料より選択さ
れる一種類以上の顔料Cが添加される。
【0088】顔料としては、公知の任意の有機顔料およ
び無機顔料が使用され得る。なお、カーボンブラック
は、本明細書中では、便宜上、無機顔料に分類する。
【0089】本発明で使用する無機顔料の例としては、
例えば、群青、紺青が挙げられる。
【0090】本発明で使用する有機顔料の例としては、
例えば、フタロシアニンブルー、ジオキサンバイオレッ
ト、ペリノンまたはペリレンが挙げられる。
【0091】さらに本発明で使用する顔料は前記顔料を
単独で用いても良く、また2種以上組み合わせて用いる
ことも可能である。
【0092】本発明で使用する好ましい顔料は、前記熱
可塑性樹脂組の屈折率に近いため、ヘイズが低くなる群
青である。
【0093】さらに本発明のフィルムにおける顔料Cの
添加量は、波長515nmの光に対するフィルムのリタ
ーデーション値が3nmを超えないように選択される。
具体的には、顔料Cの添加量は、前記熱可塑性樹脂組を
基準として、好ましくは、0.01〜1重量%である。
より好ましくは、0.02〜0.5重量%であり、さら
に好ましくは0.05〜0.3重量%である。顔料の添
加量が少な過ぎる場合には、フィルムの黄色味改善の効
果が得られにくい。また顔料の添加量が多過ぎる場合に
は、顔料が配向しやすく、その結果として位相差が発現
しやすく、また、フィルムが大きく着色してしまいやす
く、光学フィルムとして満足な性能を示さないフィルム
になりやすい。
【0094】上記好ましい顔料組成を適宜選択する事に
より、前述した複屈折性能と同時に、黄色度およびヘイ
ズが低く、かつ、全光線透過率が高い未延伸フィルムお
よび延伸フィルムを得る事ができる。具体的には、例え
ば、好ましい実施態様では、黄色度が1.5以下のフィ
ルムが容易に得られ、より好ましい実施態様では、1.
3以下のフィルムが得られる。また、好ましい実施態様
では、ヘイズが1%以下のフィルムが容易に得られ、よ
り好ましい実施態様では、0.5%以下のフィルムが得
られる。さらに、全光線透過率が85%以上のフィルム
が容易に得られ、より好ましい実施態様では、88%以
上のフィルムが得られる。黄色度が1.5以下、ヘイズ
が1%以下、かつ全光線透過率が85%以上のフィルム
であれば、各種光学用途の高性能フィルムとして使用で
きる。
【0095】(他の配合材料)本発明のフィルムは、必
要に応じて、可塑剤、熱安定剤、加工性改良剤、紫外線
吸収剤、またはフィラー等の公知の添加剤、あるいは上
記熱可塑性樹脂以外の樹脂を含有してもよい。例えば、
上記熱可塑性樹脂AおよびBに加えて、熱可塑性樹脂A
およびB以外の樹脂を加えてもよい。なお、本明細書中
では、このような、熱可塑性樹脂Aおよび熱可塑性樹脂
B以外の樹脂を、「第4成分の樹脂」ともいう。
【0096】好ましい実施態様においては、熱可塑性樹
脂Aと熱可塑性樹脂Bとの和は組成物中の樹脂の合計量
のうちの100重量%である。しかし、必要に応じて、
上記第4成分の樹脂を用いてもよい。
【0097】未延伸のフィルムの機械的特性を向上させ
るために可塑剤や可撓性を有する高分子などをフィルム
を調製するための樹脂組成物に添加してもよい。しかし
これらの材料を用いると、ガラス転移温度が低下して耐
熱性が損なわれる虞があり、あるいは透明性が損なわれ
る等の虞がある。このため、これらの可塑剤または可撓
性高分子を用いる場合、その添加量は、フィルムの性能
を妨げない量とするべきである。好ましくは、樹脂組成
物中の10重量%以下である。より好ましくは、5重量
%以下であり、さらに好ましくは3重量%以下である。
【0098】熱可塑性樹脂Aのイミド含有率が高い場
合、具体的には、例えば、熱可塑性樹脂Aのマレイミド
単位の含有率が40モル%以上であるような場合には、
得られるフィルムは硬く脆くなる傾向にあるため、少量
の可塑剤を加えれば、フィルムの応力白化や裂けを防止
することができるので有効である。このような可塑剤と
しては、従来公知の可塑剤が使用可能である。
【0099】(フィラー)必要に応じて、本発明のフィ
ルムには、フィルムの滑り性を改善する目的で、または
他の目的でフィラーを含有させても良い。フィラーとし
ては、フィルムに用いられる従来公知の任意のフィラー
が使用可能である。フィラーは、無機の微粒子であって
もよく、または有機の微粒子であってもよい。無機微粒
子の例としては、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アル
ミニウム、および酸化ジルコニウムなどの金属酸化物微
粒子、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、
ケイ酸アルミニウム、およびケイ酸マグネシウムなどの
ケイ酸塩微粒子、ならびに炭酸カルシウム、タルク、ク
レイ、焼成カオリン、およびリン酸カルシウムなどが挙
げられる。有機微粒子の例としては、シリコン系樹脂、
フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、および架橋スチレン系
樹脂などの樹脂微粒子を挙げることができる。
【0100】フィラーは、フィルムの光学特性を著しく
著しく損なわない範囲で添加される。好ましくは、樹脂
組成物中に10重量%以下である。
【0101】(紫外線吸収剤)本発明のフィルムには、
必要に応じて紫外線吸収剤を含有させることができる。
フィルムに紫外線吸収剤を含有させれば、フィルムの耐
候性が向上する。さらに、そのフィルムを用いる液晶表
示装置の耐久性も改善することができるので、実用上好
ましい。従来公知の任意の紫外線吸収剤が、本発明のフ
ィルムに使用可能である。紫外線吸収剤の具体例として
は、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p
−クレゾール、および2−ベンゾトリアゾール−2−イ
ル−4,6−ジ−t−ブチルフェノール等のベンゾトリ
アゾール系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−
1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシ
ル)オキシ]−フェノールなどのトリアジン系紫外線吸
収剤、ならびにオクタベンゾン等のベンゾフェノン系紫
外線吸収剤等が挙げられる。
【0102】また、本発明のフィルムには、必要に応じ
て、紫外線吸収剤以外の光安定剤を添加することができ
る。具体的には、例えば、2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾ
エート等のベンゾエート系光安定剤、またはビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケー
ト等のヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤を使用
することができる。
【0103】(リターデーション)本発明においては、
例えば、上記した樹脂組成物において、熱可塑性樹脂A
と熱可塑性樹脂Bと顔料との配合を適切に選択すれば、
溶剤キャスト法、さらに溶融押出法等のいずれの製造方
法であっても、また未延伸フィルムもしくは延伸フィル
ムのいずれであっても、リターデーションが3nm以下
であるフィルムを得ることができる。
【0104】本発明におけるリターデーションは、波長
515nmの可視光を用いて、入射角0゜(フィルムの
法線方向)で測定した面内のリターデーションの値であ
る。
【0105】フィルムのリターデーションが大きすぎる
場合、例えば、3nmを越える場合は、そのリターデー
ションに応じてフィルムが着色し、色ムラや画像ムラが
生じやすい。フィルムのリターデーションは、好ましく
は2.8nm以下である。より好ましくは2.5nm以
下である。さらに好ましくは2.2nm以下である。
【0106】本発明によれば、上述したような好ましい
組成を適宜選択することにより、また全光線透過率が高
く、かつヘーズが小さいフィルムを得ることができる。
熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとの組成比を適切に調
節すれば、得られるフィルム中の分子の配向による位相
差が小さくなり得るからである。
【0107】(黄色度)上述した配合を適宜調節するこ
とにより、本発明のフィルムは、好ましくは、1.5以
下の黄色度を有するように調製され得る。黄色度は、よ
り好ましくは、1.4以下であり、さらに好ましくは、
1.3以下である。このような樹脂組成物において、黄
色度が1.5より高い場合は、フィルムに黄色味が生じ
やすい。特に、黄色度が1.5よりも大きいかまたは
1.5よりも小さいかは重要な問題である。黄色度が
1.5よりも大きい場合にはフィルムを実質的に光学用
途に用いることが困難となり、光学用途のフィルムの歩
留まりが著しく低下する。黄色度が1.5よりも小さい
場合には、フィルムを光学用途へ応用することが容易で
あり、光学用途のフィルムの歩留まりが著しく向上す
る。
【0108】(樹脂組成物の調製)本発明に用いる樹脂
組成物を得る方法としては、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性
樹脂Bと顔料とを混合してフィルム成形機に投入し得る
状態とすることができる限り、公知の任意の方法が採用
され得る。
【0109】例えば、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂B
と顔料を単に混合することにより樹脂組成物を得る方
法、ならびに熱可塑性樹脂AおよびBおよび顔料を熱溶
融混練して樹脂組成物を得る方法などが挙げられる。
【0110】本発明に用いる樹脂組成物は、必要に応じ
て、可塑剤、熱安定剤、加工性改良剤、紫外線吸収剤、
またはフィラー等の公知の添加剤、あるいは上記熱可塑
性樹脂A、熱可塑性樹脂Bおよび顔料C以外の樹脂を
「第4成分の樹脂」として含有してもよい。
【0111】未延伸のフィルムの機械的特性を向上させ
るために可塑剤や可撓性を有する高分子などをフィルム
を調製するための樹脂組成物に添加してもよい。しかし
これらの材料を用いると、ガラス転移温度が低下して耐
熱性が損なわれる虞があり、あるいは透明性が損なわれ
る等の虞がある。このため、これらの可塑剤または可撓
性高分子を用いる場合、その添加量は、フィルムの性能
を妨げない量とするべきである。好ましくは、樹脂組成
物中の10重量%以下である。より好ましくは、5重量
%以下であり、さらに好ましくは3重量%以下である。
【0112】熱可塑性樹脂Aのイミド含有率が高い場
合、具体的には、例えば、熱可塑性樹脂Aのマレイミド
単位の含有率が40モル%以上であるような場合には、
得られるフィルムは硬く脆くなる傾向にあるため、少量
の可塑剤を加えれば、フィルムの応力白化や裂けを防止
することができるので有効である。このような可塑剤と
しては、従来公知の可塑剤が使用可能である。例えば、
アジピン酸ジ−n−デシルなどの脂肪族二塩基酸系可塑
剤やリン酸トリブチルなどのリン酸エステル系可塑剤な
どが例示され得る。可塑剤は上記のフィルム配合材料1
00重量部に対して、好ましくは、20重量部以下の範
囲で添加される。より好ましくは、10重量部以下であ
る。添加量が多すぎると、添加剤がブリードしてロール
表面を汚染したり、連続的にロールフィルムを取得でき
ないおそれがある。
【0113】上記第4成分の樹脂とは、上記熱可塑性樹
脂AおよびBおよび顔料C以外の樹脂をいう。第4成分
の樹脂は熱可塑性樹脂であってもよく、熱硬化性樹脂で
あってもよい。好ましくは熱可塑性樹脂である。また、
第4成分の樹脂は単独の樹脂であってもよく、または複
数種類の樹脂のブレンドであってもよい。第4成分の樹
脂を用いる場合の使用量は、樹脂組成物中に使用される
樹脂の合計、すなわち、熱可塑性樹脂A、熱可塑性樹脂
B、顔料Cならびに第4成分の樹脂の合計量のうちの3
0重量%以下であることが好ましく、より好ましくは2
0重量%以下であり、さらに好ましくは10重量%以下
である。また、使用される樹脂の合計量のうちの1重量
%以上であることが好ましく、より好ましくは2重量%
以上であり、さらに好ましくは3重量%以上である。
【0114】第4成分の樹脂が多すぎる場合には、熱可
塑性樹脂AおよびBの性能が充分に発揮されにくい。ま
た、熱可塑性樹脂AおよびBとの相溶性が低い樹脂を多
く用いると、得られるフィルムの光学的性能が低下しや
すい。第4成分の樹脂が少なすぎる場合には、第4成分
の樹脂の添加効果が得られにくい。
【0115】なお、第4成分の樹脂を用いる場合であっ
ても、熱可塑性樹脂Aと、熱可塑性樹脂Bとの配合比
は、第4成分の樹脂を用いない場合と同様に、前述した
比率であることが好ましい。
【0116】(フィルム成形方法)本発明のフィルムを
成形する方法としては、従来公知の任意の方法が可能で
ある。例えば、溶液流延法や溶融押出法等が挙げられ
る。その何れをも採用する事ができるが、溶剤を使用し
ない溶融押出法の方が、地球環境上や作業環境上、ある
いは製造コストの観点から好ましい。
【0117】本明細書においては、上記溶融押出法で成
形されたフィルムを、溶液流延法等の他の方法で成形さ
れたフィルムと区別する必要がある場合には、「溶融押
出フィルム」と表現する。
【0118】好ましい実施形態においては、フィルム化
の前に、用いる熱可塑性樹脂を予備乾燥しておく。予備
乾燥は、例えば、原料をペレット等の形態にして、熱風
乾燥機等で行われる。予備乾燥は、押し出される樹脂の
発砲を防ぐ事ができるので非常に有用である。次に、上
記熱可塑性樹脂は押出機に供給される。押出機内で加熱
溶融された熱可塑性樹脂は、ギヤポンプやフィルターを
通して、Tダイに供給される。ギヤーポンプの使用は、
樹脂の押出量の均一性を向上させ、厚みムラを低減させ
る効果が高く、非常に有用である。また、フィルターの
使用は、樹脂中の異物を除去し、欠陥の無い外観に優れ
たフィルムを得るのに有用である。さらに好ましい実施
態様においては、Tダイから押し出されるシート状の溶
融樹脂を2つの冷却ドラムで挟み込んで冷却し、光学用
フィルムが成膜される。2つの冷却ドラムの内、一方
が、表面が平滑な剛体性の金属ドラムであり、もう一方
が、表面が平滑な弾性変形可能な金属製弾性外筒を備え
たフレキシブルドラムであるのが特に好ましい。剛体性
のドラムとフレキシブルなドラムとで、Tダイから押し
出されるシート状の溶融樹脂を挟み込んで冷却して成膜
する事により、表面の微小な凹凸やダイライン等が矯正
されて、より表面の平滑な、厚みむらが5μm以下であ
るフィルムを得る事ができるので特に有用である。な
お、冷却ドラムは、「タッチロール」あるいは「冷却ロ
ール」と呼ばれる事があるが、本明細書中における用語
「冷却ドラム」とは、これらのロールを包含する。Tダ
イから押し出されるシート状の溶融樹脂を剛体性のドラ
ムとフレキシブルなドラムとで挟み込みながら冷却し、
フィルムを成形する場合、一方のドラムが弾性変形可能
であったとしても、何れのドラム表面も金属である為
に、薄いフィルムを成形する場合、ドラムの面同士が接
触してドラム外面に傷がつき易い、あるいは、ドラムそ
のものが破損し易い。従って、成形するフィルムの厚み
は10μm以上である事が好ましく、50μm以上であ
る事がより好ましく、さらに好ましくは80μm以上、
特に好ましくは100μm以上である。また、Tダイか
ら押し出されるシート状の溶融樹脂を剛体性のドラムと
フレキシブルなドラムとで挟み込みながら冷却し、フィ
ルムを成形する場合、フィルムが厚いと、フィルムの冷
却が不均一になり易く、光学的特性が不均一になり易
い。従って、フィルムの厚みは200μm以下である事
が好ましく、さらに好ましくは、170μm以下であ
る。
【0119】なお、これより薄いフィルムを製造する場
合の実施態様としては、このような挟み込み成形で比較
的厚みの厚い原料フィルムを得た後、一軸延伸あるいは
二軸延伸して所定の厚みのフィルムを製造する事が好ま
しい。実施態様の1例を挙げれば、このような挟み込み
成形で厚み150μmの原料フィルムを製造した後、縦
横二軸延伸により、厚み40μmの光学用フィルムを製
造する事ができる。
【0120】(延伸方法)本発明のフィルムを製造する
際には、好ましくは、フィルム製造用樹脂組成物は、通
常、未延伸状態の原料フィルムに成形され、さらに必要
に応じて一軸延伸あるいは二軸延伸が行われて、延伸フ
ィルムとされる。
【0121】本明細書中では、説明の便宜上、上記樹脂
組成物をフィルム状に成形した後、延伸を施す前のフィ
ルムを「原料フィルム」または未延伸フィルムと呼ぶ。
【0122】本発明のフィルムは、原料フィルムの状態
で、即ち、未延伸フィルムの状態で最終製品とする事が
できる。また、一軸延伸フィルムの状態で最終製品とす
る事ができる。さらに、延伸工程を組み合わせて行って
二軸延伸フィルムとしても良い。
【0123】延伸を行う事により、機械的特性が向上す
る。従来のフィルムでは、延伸処理を行った場合に位相
差の発生を避ける事が困難であった。しかし、本発明の
特に好ましい樹脂組成物を用いて成形されたフィルム
は、延伸処理を施しても位相差が実質的に発生しないと
いう利点を有する。フィルムの延伸は、原料フィルムを
成形した後、直ぐに連続的に行っても良い。ここで、上
記「原料フィルム」の状態が瞬間的にしか存在しない場
合があり得る。瞬間的にしか存在しない場合には、その
瞬間的な、フィルムが形成された後延伸されるまでの状
態を原料フィルムという。また、原料フィルムとは、そ
の後延伸されるのに充分な程度にフィルム状になってい
れば良く、完全なフィルムの状態である必要はなく、勿
論、完成したフィルムとしての性能を有さなくても良
い。また、必要に応じて、原料フィルムを成形した後、
一旦フィルムを保管もしくは移動し,その後フィルムの
延伸を行っても良い。
【0124】原料フィルムを延伸する方法としては、従
来公知の任意の延伸方法が採用され得る。具体的には、
例えば、テンターを用いた横延伸、ロールを用いた縦延
伸、およびこれらを逐次組み合わせた逐次二軸延伸等が
ある。また、縦と横を同時に延伸する同時二軸延伸方法
も採用可能である。ロール縦延伸を行った後、テンター
による横延伸を行う方法を採用しても良い。
【0125】本発明においては、フィルムを延伸するに
あたって、フィルムを一旦、延伸温度より0.5〜5℃
高い温度まで予熱し、しかる後、延伸温度まで冷却して
延伸する事が好ましい。さらに好ましくは、延伸温度よ
り1〜3℃高い温度まで一旦予熱した後、延伸温度まで
冷却して延伸する事が好ましい。予熱温度が高すぎると
フィルムがロールに貼り付いたり、あるいは自重で弛む
等の弊害が発生しやすい。また、予熱温度が延伸温度と
あまり変わらないと延伸前のフィルムの厚み精度を維持
しにくくなり、あるいは厚みムラが大きくなりやすく、
厚み精度が低下しやすい。結晶性の熱可塑性樹脂の場合
には、延伸に際してネッキング現象を利用する事ができ
るので、その場合には、延伸によって厚み精度が改善さ
れる。一方、本発明に用いられる非晶性熱可塑性樹脂の
場合には、延伸に際してネッキング現象が利用が困難で
あるので、厚み精度を維持あるいは改善する為にはこの
ような温度管理が特に重要である。
【0126】フィルムの延伸温度および延伸倍率は、得
られたフィルムの機械的強度および表面性、厚み精度を
指標として適宜調整する事ができる。延伸温度の範囲
は、DSC法によって求めたフィルムのガラス転移温度
をTgとしたときに、好ましくは、Tg−30℃〜Tg
+30℃の範囲である。より好ましくは、Tg−20℃
〜Tg+20℃の範囲である。さらに好ましくは、Tg
以上Tg+20℃以下の範囲である。延伸温度が高すぎ
る場合、得られたフィルムの厚みムラが大きくなり易い
上に、伸び率や引裂伝播強度、耐揉疲労等の力学的性質
の改善も不十分になり易い。また、フィルムがロールに
粘着するトラブルが起こり易い。逆に、延伸温度が低す
ぎる場合、延伸フィルムのヘーズが大きくなり易く、ま
た、極端な場合には、フィルムが裂ける、割れる等の工
程上の問題を引き起こし易い。好ましい延伸倍率は、延
伸温度にも依存するが、1.1倍から3倍の範囲で選択
される。より好ましくは、1.3倍〜2.5倍である。
さらに好ましくは、1.5倍〜2.3倍である。該熱可
塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)と安定剤(C)と
を前述した好ましい混合範囲に調整し、適切な延伸条件
を選択する事により、実質的に複屈折を生じさせる事な
く、また、ヘーズの増大を実質的に伴わない、厚みムラ
の小さなフィルムを容易に得る事ができる。好ましく
は、1.3倍以上、より好ましくは1.5倍以上延伸す
る事により、フィルムの伸び率、引裂伝播強度および耐
揉疲労等の力学的性質が大幅に改善され、さらに、厚み
ムラが5μm以下であり、複屈折が実質的にゼロ、ヘー
ズが1%以下のフィルムを得る事ができる。
【0127】本発明の延伸フィルム厚みは、好ましくは
10μmから200μmであり、より好ましくは20μ
mから150μmであり、さらに好ましくは30μmか
ら100μmである。これより厚いフィルムを成形する
には、未延伸フィルムとして200μmを越すフィルム
が必要であり、その場合には、フィルムの冷却が不均一
になり、光学的均質性等が低下するので好ましくない。
これより薄いフィルムを成形すると、延伸倍率が過大に
なり、ヘイズが悪化する等の弊害がある。
【0128】本発明のフィルムのガラス転移温度は80
℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。さら
に好ましくは、130℃以上である。ガラス転移温度の
上限は特にないが、過度の高ガラス転移温度は延伸処理
を困難化、あるいは延伸処理設備の高価格化の恐れがあ
る為、250℃以下が好ましく、200℃以下がより好
ましい。
【0129】(表面処理)本発明の光学用フィルムは、
必要によりフィルムの片面あるいは両面に表面処理を行
う事ができる。表面処理方法としては、例えば、コロナ
処理、プラズマ処理、紫外線照射およびアルカリ処理等
が挙げられる。特に、フィルム表面にコーティング加工
等の表面加工が施される場合や、粘着剤により別のフィ
ルムがラミネートされる場合には、相互の密着性を上げ
る為の手段として、フィルムの表面処理を行う事が好ま
しい。コロナ処理が特に好適な方法である。好ましい表
面処理の程度は、50dyn/cm以上である。上限は
特に定められないが、表面処理の為の設備等の点から、
80dyn/cm以下である事がより好ましい。
【0130】また本発明の光学用フィルムの表面には、
必要に応じハードコート層等のコーティング層を形成す
る事ができる。また本発明の光学用フィルムは、コーテ
ィング層を介して、または、介さずにスパッタリング法
等によりインジウムスズ酸化物系等の透明導電層を形成
する事ができ、プラスチック液晶表示装置の電極基板や
タッチパネルの電極基板として用いる事もできる。
【0131】(用途)本発明の光学用フィルムは、その
まま最終製品として各種用途に使用する事ができる。あ
るいは各種加工を行って、種々の用途に使用できる。特
に優れた光学的均質性、透明性、低複屈折性等を利用し
て光学的等方フィルム、偏光子保護フィルムや透明導電
フィルム等液晶表示装置周辺等の公知の光学的用途に好
適に用いる事ができる。
【0132】本発明の光学用フィルムは、偏光子に貼り
合わせて使用する事ができる。即ち、偏光子保護フィル
ムとして使用する事ができる。ここで、偏光子として
は、従来公知の任意の偏光子が使用可能である。具体的
には、例えば、延伸されたポリビニルアルコールにヨウ
素を含有させて偏光子を得る事ができる。偏光子に適切
な接着剤を用いて本発明のフィルムを貼合せれば、偏光
板を得ることが出来る。
【0133】偏光子保護フィルムは、偏光子の片面また
は両面に積層される。一般的には、偏光子の両側に偏光
子保護フィルムが積層される。
【0134】1つの実施態様においては、偏光子保護フ
ィルムを有する偏光板に、さらに位相差フィルムが積層
される。例えば、偏光子の両側に偏光子保護フィルムが
積層され、さらに位相差フィルムが積層されれば、
(1)偏光子保護フィルム、(2)偏光子、(3)偏光
子保護フィルム、(4)位相差フィルムの順に積層され
た4層の積層体が得られる。このような4層の構成を採
用できる例としては、例えば、円偏光板および楕円偏光
板などが挙げられる。
【0135】接着剤の種類にも依存するが、表面処理を
施した本発明のフィルムは、ポリビニルアルコールとの
接着強度を、好ましくは50Kg/cm2以上、より好
ましくは100Kg/cm2以上、特に好ましくは20
0Kg/cm2以上とすることが可能である。特に、本
発明のフィルムは、適度な水蒸気透過率を有するため、
ポリビニルアルコール系の水系接着剤も好適に用いるこ
とができる。
【0136】
【実施例】以下、本発明を実施例にて具体的に説明する
が、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0137】フィルムの各物性値は以下のようにして測
定した。
【0138】<ヘイズ>JIS K7105−1981
の6.4記載の方法により、日本電色工業(株)製濁度
計NDH−300Aを用いて測定した。
【0139】<全光線透過率>JIS K7105−1
981の5.5記載の方法により、日本電色工業(株)
製濁度計NDH−300Aを用いて測定した。
【0140】<位相差>平面方向の位相差は、オーク製
作所(株)顕微偏光分光光度計TFM−120AFTを
用いて、測定波長515nmで測定した。厚み方向の位
相差は、上記装置を用いて515nmの測定波長で位相
差の角度依存性を測定し、nx、ny、nzを求め、別
途フィルム厚みdを測定し、下記式を用いて厚み方向の
位相差を計算した。
【0141】[厚み方向の位相差]= |(nx+n
y)/2−nz|×d <黄色度>JIS K7105−1981の6.3記載
の方法により、日本電色工業(株)製分光式色差計SE
−2000を用いて測定した。
【0142】(実施例1)イソブテンとN−メチルマレ
イミドからなる交互共重合体(N−メチルマレイミド含
量50モル%、ガラス転移温度157℃)65重量部
と、アクリルニトリルの含量が27重量%であるアクリ
ルニトリル・スチレン共重合体35重量部と、群青0.
05重量部を押出機にてペレットにしたものを、100
℃で5時間乾燥後、40mm単軸押出機と400mm幅
のTダイを用いて270℃で押出し、シート状の溶融樹
脂を冷却ドラムで冷却して幅約300mm、厚み150
μmのフィルムを得た。このフィルムの黄色度は1.
2、ヘイズは0.3%、全光線透過率は92.0%、平
面方向の位相差は2nm、厚み方向の位相差は3nmで
あった。
【0143】(実施例2)顔料として、群青0.1重量
部を使用した以外は実施例1と同様に実施した。得られ
たフィルムの黄色度は1.25、ヘイズは0.40%、
全光線透過率は91.5%、平面方向の位相差は2n
m、厚み方向の位相差は3nmであった。
【0144】(実施例3)顔料として、フタロシアニン
ブルー0.1重量部を使用した以外は実施例1と同様に
実施した。得られたフィルムの黄色度は1.3、ヘイズ
は0.40%、全光線透過率は91.5%、平面方向の
位相差は2nm、厚み方向の位相差は3nmであった。
【0145】(実施例4)顔料として、ペリレン0.1
重量部を使用した以外は実施例1と同様に実施した。得
られたフィルムの黄色度は1.28、ヘイズは0.70
%、全光線透過率は91.5%、平面方向の位相差は2
nm、厚み方向の位相差は3nmであった。
【0146】(実施例5)顔料として、群青0.5重量
部を使用した以外は実施例1と同様に実施した。得られ
たフィルムの黄色度は1.48、ヘイズは0.80%、
全光線透過率は90.3%、平面方向の位相差は2n
m、厚み方向の位相差は3nmであった。
【0147】(実施例6)顔料として、群青0.002
重量部を使用した以外は実施例1と同様に実施した。得
られたフィルムの黄色度は1.53、ヘイズは0.6
%、全光線透過率は90.5%、位相差は2nmであっ
た。
【0148】(実施例7)実施例1で作成したフィルム
を、縦延伸機の予熱ロールで145℃に予熱した後一旦
143℃に冷却し、延伸ロールで1.8倍に延伸した。
次いで、横延伸機の予熱ゾーンで147℃に予熱した
後、145℃の延伸ゾーンで1.8倍に延伸して、逐次
二軸延伸フィルムを得た。このフィルムの厚みは45μ
mであり、黄色度は0.50、ヘイズは0.15%、全
光線透過率は92.0%、平面方向の位相差は2nm、
厚み方向の位相差は3nmであった。
【0149】(実施例8)実施例1で作成したフィルム
を、縦延伸機の予熱ロールで143℃に予熱した後、同
じ温度の延伸ロールで1.8倍に延伸した。次いで、横
延伸機の予熱ゾーンで145℃に予熱した後、同じ温度
の延伸ゾーンで1.8倍に延伸して、逐次二軸延伸フィ
ルムを得た。このフィルムの厚みは45μmであり、黄
色度は0.50、ヘイズは0.15%、全光線透過率は
92.0%、平面方向の位相差は2nm、厚み方向の位
相差は3nmであった。
【0150】(比較例1)顔料を使用しなかった事以外
は実施例1と同様に実施した。得られたフィルムの黄色
度は1.58、ヘイズは0.71%、全光線透過率は9
0.2%、平面方向の位相差は2nm、厚み方向の位相
差は3nmであった。
【0151】(比較例2)顔料として、群青3重量部を
使用した以外は実施例1と同様に実施した。得られたフ
ィルムのヘイズは3%、全光線透過率は88%、位相差
は10nmであった。またフィルム全体が青色に強く着
色していた。
【0152】
【発明の効果】本発明によれば、(A)側鎖に置換また
は非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂、(B)側鎖に
置換または非置換フェニル基およびニトリル基を有する
熱可塑性樹脂、および(C)無機顔料、有機顔料より選
択される一種類以上の顔料を含有する樹脂組成物を用い
る事により、黄色味が少なく、光学特性に優れた光学フ
ィルムを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/00 C08K 5/00 C08L 23/02 C08L 23/02 25/00 25/00 33/18 33/18 35/00 35/00 101/02 101/02 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA25 BB12 BB28 BB34 BB36 BB39 BB61 BC03 BC22 4F071 AA04 AA14 AA22 AA31 AA34 AA36 AB00 AC00 AE09 AF29 AF30 AF31 AH19 BB07 BB08 BC01 4F210 AA13 AA20 AB12 AG01 AH73 QA02 QA03 QC01 QC05 QG01 4J002 BB171 BB181 BB191 BC042 BC062 BC082 BC092 BC102 BC112 BG092 BG102 BH021 EU026 FD010 FD050 FD096 GF00 GP00 4J100 AA06P AA08P AA15P AB01P AB02P AB04P AB07P AB08P AM02Q AM07Q AM43Q AM45Q AM47Q BA03P BA05P BA41P BC02Q BC03Q BC04Q CA04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学フィルムであって、(A)側鎖に置
    換または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂、(B)
    側鎖に置換または非置換フェニル基と基を有する熱可塑
    性樹脂、および(C)無機顔料および有機顔料より選択
    される一種類以上の顔料を含有するフィルム用樹脂組成
    物からなり、そして波長515nmの光に対するリター
    デーション値が3nm以下である、フィルム。
  2. 【請求項2】 前記顔料の含有量が前記熱可塑性樹脂
    (A)および(B)の総重量に対して0.01〜1重量
    %である、請求項1に記載のフィルム。
  3. 【請求項3】 前記顔料が群青、紺青、フタロシアニン
    ブルー、ジオキサンバイオレット、ペリノンまたはペリ
    レンである、請求項1または2に記載のフィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のフィルムであって、 前記熱可塑性樹脂(A)が、式(1)で表される繰り返
    し単位および式(2)で表される繰り返し単位を有し、
    ここで式(1)の繰り返し単位の含有率が該熱可塑性樹
    脂(A)の総繰り返し単位を基準として30〜80モル
    %であり、式(2)の繰り返し単位の含有率が該熱可塑
    性樹脂(A)の総繰り返し単位を基準として70〜20
    モル%であり、 前記熱可塑性樹脂(B)が、式(3)で表される繰り返
    し単位および式(4)で表される繰り返し単位を有し、
    該熱可塑性樹脂(B)中の総繰り返し単位を基準とし
    て、式(3)の繰り返し単位の含有率が20〜50重量
    %であり、式(4)の繰り返し単位の含有率が50〜8
    0重量%であり、 該熱可塑性樹脂(A)の量と熱可塑性樹脂(B)の量と
    の合計を基準として、該熱可塑性樹脂(A)の含有率が
    50〜80重量%であり、かつ該熱可塑性樹脂(B)の
    含有率が20〜50重量%である、フィルム。 【化1】 (式(1)において、R1 、R2 およびR3 は、それぞ
    れ独立に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示
    す。) 【化2】 (式(2)において、Rは、水素、炭素数1〜18のア
    ルキル基、または炭素数3〜12のシクロアルキル基を
    示す。) 【化3】 (式(3)において、R4およびR5は、それぞれ独立
    に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示す。) 【化4】 (式(4)において、R6およびR7は、それぞれ独立
    に、水素または炭素数1〜8のアルキル基を示し、R8
    は、水素、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン基、水
    酸基、アルコキシ基、もしくはニトロ基を示す。)
  5. 【請求項5】 一軸または二軸延伸フィルムである、請
    求項1または2に記載のフィルム。
  6. 【請求項6】 偏光子保護フィルムである、請求項1〜
    5のいずれか1項に記載のフィルム。
  7. 【請求項7】 偏光子と、該偏光子の少なくとも片面に
    積層された偏光子保護フィルムとを有する偏光板であっ
    て、該偏光子フィルムが、請求項6に記載のフィルムで
    ある、偏光板。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載のフィルムの製造方法で
    あって、(A)側鎖に置換または非置換イミド基を有す
    る熱可塑性樹脂、(B)側鎖に置換または非置換フェニ
    ル基と基を有する熱可塑性樹脂、および(C)無機顔料
    および有機顔料より選択される一種類以上の顔料を含有
    するフィルム用樹脂組成物から、未延伸フィルムを成形
    する工程、および一軸または二軸に延伸する工程を包含
    する、方法。
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