JP2002340784A - 構造部材の寿命管理方法および寿命管理システム - Google Patents

構造部材の寿命管理方法および寿命管理システム

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JP2002340784A
JP2002340784A JP2001146918A JP2001146918A JP2002340784A JP 2002340784 A JP2002340784 A JP 2002340784A JP 2001146918 A JP2001146918 A JP 2001146918A JP 2001146918 A JP2001146918 A JP 2001146918A JP 2002340784 A JP2002340784 A JP 2002340784A
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Japan
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life
management method
hardness
structural member
life management
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JP2001146918A
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English (en)
Inventor
Motoji Tsubota
基司 坪田
Yoshinori Katayama
義紀 片山
Mitsuharu Nakamura
光晴 中村
Kazuo Hasegawa
一生 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マルテンサイト系またはフェライト系のステ
ンレス鋼を使用した機器の破損を未然に防止する。 【解決手段】 構造部材のステンレス鋼の供用開始前の
機械的特性値ならびに過去の使用時間および温度履歴を
入力し、あらかじめ求めた温度および時間の関数として
得られた、材料の劣化の程度を示す材料劣化度を用い
て、現在の機械的特性を求め、求められた機械的特性が
予め定められた限界値を超えたかどうかにより構造部材
の寿命判定をする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ステンレス鋼を
用いて構成される構造部材の寿命管理方法および寿命管
理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】マルテンサイト系ステンレス鋼は高強度
で耐食性に優れることから、各種弁の弁棒、回転機軸材
等の腐食環境中で高応力を要求される部材に多用されて
いる。また、フェライト系ステンレス鋼は耐食性・加工
性に優れることから、熱交換器の伝熱管等に使用されて
いる。
【0003】フェライト系ステンレス鋼およびマルテン
サイト系ステンレス鋼は、通常11%−30%のCr、
0−10%のNi、0−5%のMo、Nb、Ti、Cu、
0.15%以下のCおよび不可避的に含まれるP、S、
Mn、Siおよびその他元素を含有し、残りFeからな
る合金である。
【0004】いくつかの研究(文献例1:"Thermal Agi
ng Behavior of Martensitic Stainless Steel" M.Tsub
ota, K.Tajima, K.Hattori, H.Sakamoto、Internati
onalNuclear Power Plant Aging Symposium, USNRC, Be
thesda, Maryland, Aug. 30, (1988)、文献例2:"Chara
cterization of Long Term Aged Martensitic Stainles
s Steels" M.Tsubota, K.Hattori, T.Okada、5th Inte
rnational Symposiumon Environmental Degradation of
Materials in Nuclear Power Systems-Water Reactor,
Montrey, California, Aug. 30, (1991). 他)によ
り、これらの合金を300℃近傍の温度域において長時
間使用すると脆化し、また応力腐食割れ感受性を有する
ようになることが明らかとなった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の合金を使用した
部材の脆化または応力腐食割れに基づく破損を防止する
従来の方法は、機器の定期検査期間に超音波探傷、染色
探傷等の非破壊検査を実施し、割れの有無を確認し、割
れが発生していれば交換し、発生が無ければ使用を継続
するという方法によっていた。本系合金の劣化は靭性低
下を伴うため、微小な割れを発見する必要がある。しか
し、従来の非破壊検査では検査者の熟練度により結果が
異なり、また非破壊検査手法により割れの検出限界が存
在することから、破損前に割れの発生を発見することは
困難であった。
【0006】本発明は、部材の劣化の度合いを数値計算
により、あるいは測定により求めた機械的特性値から、
割れ発生の可能性の有無を診断し、マルテンサイト系ま
たはフェライト系のステンレス鋼を使用した機器の破損
を未然に防止する方法およびシステムを提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するものであって、請求項1の発明は、フェライト系
またはマルテンサイト系のステンレス鋼を用いて構成さ
れる構造部材の寿命管理方法において、前記構造部材の
ステンレス鋼の供用開始前の機械的特性値ならびに過去
の使用時間および温度履歴を入力し、あらかじめ求めた
温度および時間の関数として得られた、材料の劣化の程
度を示す材料劣化度を用いて、現在の機械的特性を求
め、求められた機械的特性が予め定められた限界値を超
えたかどうかにより前記構造部材の寿命判定をするこ
と、を特徴とする。請求項1の発明によれば、マルテン
サイト系またはフェライト系のステンレス鋼を使用した
機器の破損を未然に防止することができる。
【0008】また、請求項2の発明は、請求項1に記載
の寿命管理方法において、将来の温度履歴を予測し、そ
の予測される温度履歴に基づいて、前記構造部材の余寿
命を推定すること、を特徴とする。請求項2の発明によ
れば、請求項1の発明の作用・効果が得られるほか、余
寿命を推定することができる。
【0009】また、請求項3の発明は、請求項2に記載
の寿命管理方法において、推定された前記余寿命に基づ
いて該構造部材の代替品との交換時期を決定し、この交
換時期に合わせて該代替品を製造すること、を特徴とす
る。請求項3の発明によれば、請求項2の発明の作用・
効果が得られるほか、代替品の製造・交換をスムーズに
行うことができる。
【0010】また、請求項4の発明は、請求項1ないし
3のいずれかに記載の寿命管理方法において、前記関数
は、前記構造部材のステンレス鋼を製造する際に同時に
製造された材料を用いた測定結果により作成するもので
あること、を特徴とする。請求項4の発明によれば、請
求項1ないし3のいずれかの発明の作用・効果が得られ
るほか、材料劣化度の関数を確実に求めておくことがで
きる。
【0011】また、請求項5の発明は、請求項1ないし
4のいずれかに記載の寿命管理方法において、前記フェ
ライト系またはマルテンサイト系のステンレス鋼は、1
1%以上30%以下のCr、10%以下のNi、5%以
下のMo、Nb、Ti、Cu、0.15%以下のCおよび
不可避的に含まれるP、S、Mn、Siおよびその他元
素を含有し、残りFeからなるものであること、を特徴
とする。
【0012】また、請求項6の発明は、請求項1ないし
5のいずれかに記載の寿命管理方法において、前記構造
部材は複数あって、前記供用開始前の機械的特性値、過
去の使用時間および温度履歴並びに前記関数を、前記複
数の構造部材のそれぞれに対応して記憶されたデータと
して抽出すること、を特徴とする。請求項6の発明によ
れば、請求項1ないし5のいずれかの発明の作用・効果
が得られるほか、必要なデータを容易に抽出することが
できる。
【0013】また、請求項7の発明は、請求項6に記載
の寿命管理方法において、前記構造部材はプラントの構
造部材であり、前記供用開始前の機械的特性値、過去の
使用時間および温度履歴の少なくとも一部は前記プラン
トの固有データとして記憶されたデータから抽出するこ
と、を特徴とする。請求項7の発明によれば、請求項6
の作用・効果が得られるほか、必要なデータを容易に抽
出することができる。
【0014】また、請求項8の発明は、請求項1ないし
7のいずれかに記載の寿命管理方法において、前記機械
的特性値は材料特性変化の活性化エネルギを基礎とした
材料特性であることを特徴とする。請求項8の発明によ
れば、請求項1ないし7のいずれかの発明の作用・効果
が得られるほか、材料の劣化を適切に評価することがで
きる。
【0015】また、請求項9の発明は、フェライト系ま
たはマルテンサイト系のステンレス鋼を用いて構成され
る構造部材の寿命管理方法において、前記構造部材のス
テンレス鋼の現在の機械的特性としての硬さを測定し、
あらかじめ温度および時間の関数として求めた硬さの変
化の関数に基づいて、前記現在の硬さと、将来の温度変
化の予測とから将来の硬さの変化の予測を行い、前記予
測された硬さの変化が予め定めた限界値を超えるまでの
期間として前記構造部材の余寿命を予測すること、を特
徴とする。
【0016】請求項9の発明によれば、硬さを実測する
ことによって、確実に、マルテンサイト系またはフェラ
イト系のステンレス鋼を使用した機器の破損を未然に防
止することができる。
【0017】また、請求項10の発明は、請求項1ない
し9のいずれかに記載の寿命管理方法において、前記寿
命決定のための機械的特性値を予め硬さに換算し、供用
開始前の硬さおよび過去の使用時間および温度履歴を入
力し、あらかじめ求めた温度と時間の関数として得られ
た材料劣化度を用いて、現在の硬さを求め、求められた
硬さが予め定められた値以上となったときに当該材料が
寿命に達した判断することを特徴とする。請求項10の
発明によれば、請求項1ないし9のいずれかの発明の作
用・効果が得られるほか、硬さを用いて適切な判断をす
ることができる。
【0018】また、請求項11の発明は、請求項1ない
し10のいずれかに記載の寿命管理方法において、前記
機械的特性値を予め硬さに換算し、供用開始前の硬さお
よび過去の使用時間および温度履歴を入力し、あらかじ
め求めた温度と時間の関数として得られた材料劣化度を
用いて、現在の硬さを求め、求められた硬さが予め定め
られた値以下であった場合、寿命として設定した材料特
性値に到達する時間を推定することを特徴とする。
【0019】また、請求項12の発明は、請求項1ない
し11のいずれかに記載の寿命管理方法において、前記
機械的特性値を予め硬さに換算し、硬さ試験によって測
定された現在の硬さが予め定められた値以上となったと
きに当該材料から構成される部品を交換することを判断
することを特徴とする。
【0020】また、請求項13の発明は、請求項1ない
し12のいずれかに記載の寿命管理方法において、前記
機械的特性値が、耐力、引張り強さ、伸び、絞り、衝撃
値、破壊靭性値のうちいずれか一つ以上であること、を
特徴とする。
【0021】また、請求項14の発明は、請求項1ない
し14のいずれかに記載の寿命管理方法に用いる寿命管
理システムである。請求項14の発明によれば、マルテ
ンサイト系またはフェライト系のステンレス鋼を使用し
た機器の破損を未然に防止することができる。
【0022】また、請求項15の発明は、フェライト系
またはマルテンサイト系のステンレス鋼を用いて構成さ
れる構造部材の寿命管理システムにおいて、前記構造部
材のステンレス鋼の供用開始前の機械的特性値ならびに
過去の使用時間および温度履歴を入力する手段と、前記
ステンレス鋼の材料劣化の程度を示す材料劣化度を温度
および時間の関数として記憶する手段と、前記供用開始
前の機械的特性値ならびに過去の使用時間および温度履
歴と前記関数とから現在の材料劣化度を求め、この材料
劣化度と前記供用開始前の機械的特性値に基づいて現在
の機械的特性を求める手段と、前記求められた現在の機
械的特性が、予め定められた限界値を超えたかどうかに
より前記構造部材の寿命判定をする手段と、を有するこ
と、を特徴とする寿命管理システムである。請求項15
の発明によれば、マルテンサイト系またはフェライト系
のステンレス鋼を使用した機器の破損を未然に防止する
ことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]図1に本発
明の基本的な方法を示す。例えば素材購入時に添付され
るミルシートに記載された材料の初期の機械的特性値
(以下、単に特性値ともいう)、あるいは検査記録等に
記載された供用開始前の特性値Poおよび当該部材の使
用時間tおよび温度履歴Tを寿命推定システムに入力す
る。寿命推定システムはあらかじめ得られた使用時間t
と劣化度αとの関係を示す温度ごと(T1、T2、T3
・・・)の劣化度推定曲線と判断ルーチンからなってい
る。
【0024】ここに、劣化度αは、材料の使用後の特性
値Pと初期の特性値Poとの比P/Poであって、初期
には1である。また、「特性値」は、例えば、硬さ、耐
力、引張り強さである。これらの特性値は、図1に示す
ように、時間経過とともに増大する。
【0025】寿命推定システムでは、入力された使用温
度(例えばT1)から劣化度推定曲線を選択し、使用時
間(例えばt1)に対応した劣化度α1を決定する。劣化
度α 1を、入力された初期特性値Poに乗じ、t1時間使
用後の特性値Pを算出する。
【0026】求められた特性値Pと予め定められた限界
値Pcとの大小を比較し、特性値Pが限界値Pc以上と
なったときに当該部材は寿命に達したため当該材から構
成される部品交換要と判断し、特性値Pが限界値Pc未
満となったときに当該部材は寿命に達していないため当
該材から構成される部品交換不要と判断する。
【0027】なお、以上の説明では「特性値」は時間経
過とともに増大するとした。このほかに、時間経過とと
もに減少する特性値として、衝撃値、破壊靭性値(K,
J)、伸び、絞り等がある。このような特性値を使用す
る場合は、以上の説明とはPとPcとの関係が逆にな
る。以下の実施例でも同様である。
【0028】[第2の実施の形態]第2の実施の形態の
構成を図2に示す。第2の実施の形態は第1の実施の形
態と同様、求められた特性値Pと予め定められた限界値
Pcとの大小を比較し, 特性値Pが限界値Pc以上とな
ったときに当該部材は寿命に達したため当該材から構成
される部品交換要と判断するが、特性値Pが限界値Pc
未満となった場合、余寿命を算出するための余寿命推定
ルーチンが付属する。
【0029】寿命は特性値Pと限界値Pcが等しくなっ
た時点と定義され、Pc=P=α・Poから、寿命時
点での劣化度α=Pc/Poを計算し、寿命推定シス
テムに入力する。寿命推定システムでは入力された使用
温度(例えばT1)から劣化度推定曲線を選択し、劣化
度αに対応した時間tを決定する。tとt1から
余寿命t=t−t1が算出される。
【0030】[第3の実施の形態]第3の実施の形態の
構成を図3に示す。第3の実施の形態は第1、第2の実
施の形態と同様、求められた特性値Pと予め定められた
限界値Pcとの大小を比較し、特性値Pが限界値Pc以
上となったときに当該部材は寿命に達したため当該材か
ら構成される部品交換要と判断する。交換要と判断され
た場合、後述の第4の実施の形態に記載の部品管理シス
テム等によって、管理されたデータベースから当該部品
の図面、製品仕様、製造仕様等を検索するとともに、出
図を行い、取替部品を製作し機器を復旧する。
【0031】[第4の実施の形態]第4の実施の形態の
構成を図4、5に示す。第4の実施の形態は、図5に例
を示す材料データ(製造メーカ、ミルシート番号、化学
成分、機械的性質Po、他)、設計・製造データ(製造
時期、製造者、設計仕様Pc、設計図面番号、製造要
領、他)、使用条件データ(プラント名、使用場所、使
用温度T、使用期間t、他)および部品を特定するため
の管理番号からなる部品管理システムで、寿命推定に必
要な数値を提供すると共に、第3の実施の形態で示した
部品取替に必要な情報を提供する。
【0032】[第5の実施の形態]第5の実施の形態の
構成を図6に示す。第5の実施の形態は第4の実施の形
態の部品管理システムのうち、使用条件データ(使用温
度T、使用期間t、他)をプラントに設置されたオンラ
インモニタあるいはプラントにおいて記録された情報か
ら供給を受けることによって、寿命推定に必要な数値を
提供すると共に、第3の実施の形態で示した部品取替に
必要な情報を提供する。
【0033】[第6の実施の形態]マルテンサイト系お
よびフェライト系ステンレス鋼に生じる劣化挙動は金属
母相に形成される微細析出層(α’相)の析出によって
生じる。この析出は熱活性化過程であることから、析出
に必要な温度Tと時間tの関係は第(1)式で記述され
る。 t=A・exp(Q/RT) ・・・(1) ここで、(A:定数、R:気体定数、Q:活性化エネル
ギ)である。
【0034】寿命推定システムで使用する劣化度推定曲
線を得るには図7(a)に示すように、指標とする機械
的特性(P:例えば硬さ)の変化を異なった複数の温度
(例えばT1、T)で採取する。変化する機械的特性
Pを初期値Poで除し、温度TとTにおける劣化度
推定曲線(図7(b))を得る。ここで同様の劣化度
α’に対しては、第(1)式が成り立つことから、それ
ぞれの温度において以下の第(2)、第(3)式が成り
立つ。
【0035】 t1=A・exp(Q/RT1) ・・・(2) t2=A・exp(Q/RT2) ・・・(3) 第(2)、第(3)式から、この劣化事象に関する活性
化エネルギQが求まる。 Q=R(log t1−log t2)/(1/T1−1/T2) ・・・(4)
【0036】得られたQと実際に測定により求まった劣
化度推定曲線(図7(c)の曲線I)とから、実際に測
定していない温度Tにおける劣化度α’に対応する時
間t3が、第(5)式によって求まる。 log t3 = log t1 − (Q/R)(1/T1−1/T3) ・・・(5)
【0037】上述のように、マルテンサイト系およびフ
ェライト系ステンレス鋼の金属母相に形成される微細析
出層(α’相)の析出の活性化エネルギQを用いること
によって、あらゆる温度条件における寿命推定曲線を得
ることが可能であり、第6の実施の形態は上記方法によ
って得た劣化度推定曲線を利用することを特徴としてい
る。
【0038】[第7の実施の形態]本実施の形態では、
劣化の指標(特性値)として硬さを用い、供用後(途
中)の材料の硬さを実際に測定する(図略)。
【0039】脆化を評価する指標は一般的には衝撃値、
破壊靭性などであるが、これらはいずれも破壊試験が必
要であり、当該部品を損傷無しに測定することはできな
い。ここで、硬さと他の機械的特性値(例えば耐力、引
張り強さ、衝撃値、破壊靭性値 他)は1対1に対応し
ていることから、硬さを脆化の指標とすることが可能で
ある(例えば、特開平11−326578号公報参
照)。硬さは測定に際して、圧痕を生じるが、測定荷重
を変化させることで、機器に有害な欠陥となることを避
けることができる。
【0040】また、硬さは磁気あるいは超音波によっ
て、圧痕を生じさせること無く測定可能である。さら
に、応力腐食割れ感受性と硬さの間に相関があることも
わかっており、硬さは応力腐食割れ感受性の指標として
も使用可能である。
【0041】例えば第1の実施の形態で現在の特性値
(硬さ)Pを実測する場合は、これを直接、寿命決定条
件Pcと比較することにより、交換の要否を判断でき
る。したがってこの場合は、初期特性値Po、機器運転
記録、劣化度推定曲線は不要である。
【0042】また、第2の実施の形態で現在の特性値
(硬さ)Pを実測する場合は、現在の交換の要否判断に
は、機器運転記録、劣化度推定曲線等は不要であるが、
将来の残留寿命の評価のために劣化度推定曲線等を用い
ることになる。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、マ
ルテンサイト系またはフェライト系のステンレス鋼を使
用した機器の破損を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る材料劣化寿命管理方法の第1の実
施の形態を示すフロー図。
【図2】本発明に係る材料劣化寿命管理方法の第2の実
施の形態を示すフロー図。
【図3】本発明に係る材料劣化寿命管理方法の第3の実
施の形態を示すフロー図。
【図4】本発明に係る材料劣化寿命管理方法の第4の実
施の形態を示すフロー図。
【図5】図4の材料劣化寿命管理方法で使用される部品
管理システムの例を示すブロック図。
【図6】本発明に係る材料劣化寿命管理方法の第5の実
施の形態を示すフロー図。
【図7】本発明に係る材料劣化寿命管理方法の第6の実
施の形態で使用される特性図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 光晴 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 長谷川 一生 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 2G050 AA01 BA10 BA12 CA10 EA01 EB10 2G055 AA03 AA12 BA11 BA14 BA15 CA07 DA08 EA04 EA07 EA08 FA01 FA05

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェライト系またはマルテンサイト系の
    ステンレス鋼を用いて構成される構造部材の寿命管理方
    法において、 前記構造部材のステンレス鋼の供用開始前の機械的特性
    値ならびに過去の使用時間および温度履歴を入力し、 あらかじめ求めた温度および時間の関数として得られ
    た、材料の劣化の程度を示す材料劣化度を用いて、現在
    の機械的特性を求め、 求められた機械的特性が予め定められた限界値を超えた
    かどうかにより前記構造部材の寿命判定をすること、 を特徴とする寿命管理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の寿命管理方法におい
    て、将来の温度履歴を予測し、その予測される温度履歴
    に基づいて、前記構造部材の余寿命を推定すること、を
    特徴とする寿命管理方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の寿命管理方法におい
    て、推定された前記余寿命に基づいて該構造部材の代替
    品との交換時期を決定し、この交換時期に合わせて該代
    替品を製造すること、を特徴とする寿命管理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の寿
    命管理方法において、前記関数は、前記構造部材のステ
    ンレス鋼を製造する際に同時に製造された材料を用いた
    測定結果により作成するものであること、を特徴とする
    寿命管理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の寿
    命管理方法において、前記フェライト系またはマルテン
    サイト系のステンレス鋼は、11%以上30%以下のC
    r、10%以下のNi、5%以下のMo、Nb、Ti、
    Cu、0.15%以下のCおよび不可避的に含まれるP、
    S、Mn、Siおよびその他元素を含有し、残りFeか
    らなるものであること、を特徴とする寿命管理方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の寿
    命管理方法において、前記構造部材は複数あって、前記
    供用開始前の機械的特性値、過去の使用時間および温度
    履歴並びに前記関数を、前記複数の構造部材のそれぞれ
    に対応して記憶されたデータとして抽出すること、を特
    徴とする寿命管理方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の寿命管理方法におい
    て、前記構造部材はプラントの構造部材であり、前記供
    用開始前の機械的特性値、過去の使用時間および温度履
    歴の少なくとも一部は前記プラントの固有データとして
    記憶されたデータから抽出すること、を特徴とする寿命
    管理方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の寿
    命管理方法において、前記機械的特性値は材料特性変化
    の活性化エネルギーを基礎とした材料特性であることを
    特徴とする寿命管理方法。
  9. 【請求項9】 フェライト系またはマルテンサイト系の
    ステンレス鋼を用いて構成される構造部材の寿命管理方
    法において、 前記構造部材のステンレス鋼の現在の機械的特性として
    の硬さを測定し、 あらかじめ温度および時間の関数として求めた硬さの変
    化の関数に基づいて、前記現在の硬さと、将来の温度変
    化の予測とから将来の硬さの変化の予測を行い、 前記予測された硬さの変化が予め定めた限界値を超える
    までの期間として前記構造部材の余寿命を予測するこ
    と、 を特徴とする寿命管理方法。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれかに記載の
    寿命管理方法において、前記寿命決定のための機械的特
    性値を予め硬さに換算し、供用開始前の硬さおよび過去
    の使用時間および温度履歴を入力し、あらかじめ求めた
    温度と時間の関数として得られた材料劣化度を用いて、
    現在の硬さを求め、求められた硬さが予め定められた値
    以上となったときに当該材料が寿命に達した判断するこ
    とを特徴とする寿命管理方法。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれかに記載
    の寿命管理方法において、前記機械的特性値を予め硬さ
    に換算し、供用開始前の硬さおよび過去の使用時間およ
    び温度履歴を入力し、あらかじめ求めた温度と時間の関
    数として得られた材料劣化度を用いて、現在の硬さを求
    め、求められた硬さが予め定められた値以下であった場
    合、寿命として設定した材料特性値に到達する時間を推
    定することを特徴とする寿命管理方法。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれかに記載
    の寿命管理方法において、前記機械的特性値を予め硬さ
    に換算し、硬さ試験によって測定された現在の硬さが予
    め定められた値以上となったときに当該材料から構成さ
    れる部品を交換することを判断することを特徴とする寿
    命管理方法。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし12のいずれかに記載
    の寿命管理方法において、前記機械的特性値が、耐力、
    引張り強さ、伸び、絞り、衝撃値、破壊靭性値のうちい
    ずれか一つ以上であること、を特徴とする寿命管理方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし14のいずれかに記載
    の寿命管理方法に用いる寿命管理システム。
  15. 【請求項15】 フェライト系またはマルテンサイト系
    のステンレス鋼を用いて構成される構造部材の寿命管理
    システムにおいて、 前記構造部材のステンレス鋼の供用開始前の機械的特性
    値ならびに過去の使用時間および温度履歴を入力する手
    段と、 前記ステンレス鋼の材料劣化の程度を示す材料劣化度を
    温度および時間の関数として記憶する手段と、 前記供用開始前の機械的特性値ならびに過去の使用時間
    および温度履歴と前記関数とから現在の材料劣化度を求
    め、この材料劣化度と前記供用開始前の機械的特性値に
    基づいて現在の機械的特性を求める手段と、 前記求められた現在の機械的特性が、予め定められた限
    界値を超えたかどうかにより前記構造部材の寿命判定を
    する手段と、 を有すること、を特徴とする寿命管理システム。
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