JP2002338416A - カルシウム液の製造方法、及び同液を用いる抗菌方法 - Google Patents

カルシウム液の製造方法、及び同液を用いる抗菌方法

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JP2002338416A JP2001142722A JP2001142722A JP2002338416A JP 2002338416 A JP2002338416 A JP 2002338416A JP 2001142722 A JP2001142722 A JP 2001142722A JP 2001142722 A JP2001142722 A JP 2001142722A JP 2002338416 A JP2002338416 A JP 2002338416A
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Yutaka Yamashita
豊 山下
Masafumi Kakimoto
雅史 柿本
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HOKKAIDO KYODO SEKKAI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 濾過や遠心分離などの新たな操作・工程は必
要とせず、白濁がなく且つ抗菌性が高いカルシウム液の
製造方法、及び同液を用いる抗菌方法を提供する。 【解決手段】 貝殻を焼成して得られた生石灰0.2〜
20質量部を入れた透水性の生地で形成された容器を、
水100質量部に浸漬して静置、又は攪拌し、前記生石
灰を水に溶解させる、吸光度計で測定した可視領域にお
ける白濁度が0.1以下であり、且つpHが10以上で
あるカルシウム液の製造方法であって、前記透水性の生
地が目開き0.01〜1000μmの布地又は紙地であ
るカルシウム液の製造方法、及び同液を用いる抗菌方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貝殻を焼成して得
られた生石灰を水に溶解させるカルシウム液の製造方
法、及び同液を食品用抗菌剤として用いる抗菌方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】O−157や黄色ブドウ球菌などによる
食中毒事故が大型化・頻発化するなかで、食品業界では
なお一層食品衛生に対する関心が高まり、販売している
食品の安全性と日持ちの確保・延長は最も重要な課題と
なっている。
【0003】また、食品の中には加熱殺菌ができない
か、あるいは加熱すると食品の商品価値が著しく低下し
てしまうような食品もある。このようなことから、食品
業界では、加熱以外の方法いわゆる非加熱の微生物制御
技術の開発が求められている。
【0004】食品の殺菌や日持ち向上技術には、エタノ
ール、次亜塩素酸ナトリウム、酢酸等の有機酸、並び
に、ソルビン酸及びソルビン酸塩などの多数の食品添加
物を用いる技術がある。これらの食品添加物において、
近年、化学合成品を嫌う消費者の嗜好の変化に対処し
て、食品業界では天然物由来の食品添加物を使用する傾
向が高まっている。
【0005】この様な食品の殺菌や日持ち向上技術の環
境のなかで、貝殻を焼成して得られる生石灰、消石灰
(貝殻石灰)には、使用法によっては食品の殺菌・日持
ち向上効果があることが見いだされた。しかも、この貝
殻石灰は、天然物由来のものであり、安全性も高いた
め、食品業界では食品のカルシウム強化効果と併せて殺
菌・日持ち向上効果も期待して使用されてきた。この従
来技術の一例として、国際公開特許公報WO93/11
670がある。
【0006】しかし、貝殻石灰を水に溶解して「カルシ
ウム液」として使用する場合、貝殻石灰をそのまま水に
攪拌混合してカルシウム液を調製するだけでは、貝殻石
灰の粉体粒子がカルシウム液中に浮遊し白濁する問題が
ある。
【0007】なお、白濁しないカルシウム液を得るため
には、白濁したカルシウム液中に浮遊、又は沈殿した貝
殻石灰の粉体粒子を濾過や遠心分離などにより除去する
必要があり、新たな操作・工程が加わる問題がある。
【0008】別分野の技術ではあるが、本発明者等の属
する研究グループは、貝殻を焼成して得られた生石灰を
用いた、河川、湖沼、養殖漁場等の水のpHを調整する
方法を開発し、特許を取得した(特許第3144499
号)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は上記問題
を解決するために種々検討した結果、貝殻を焼成して得
られた生石灰を入れた透水性の生地で形成された容器
を、水に浸漬して静置若しくは攪拌し、前記生石灰を水
に溶解させること、又は貝殻を焼成して得られた生石灰
を充填したカラムに通水して得た溶出液をカルシウム液
とすることにより、濾過や遠心分離などの新たな操作・
工程は必要とせず、白濁しないカルシウム液を得ること
ができることを知得し、更に得られたカルシウム液は食
品用抗菌剤として適していることを知得し、本発明を完
成するに至った。
【0010】よって、本発明の目的とするところは、上
記問題を解決した、食品用抗菌剤としてのカルシウム液
の製造方法、及び同液を用いる抗菌方法を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、以下に記載するものである。
【0012】〔1〕 貝殻を焼成して得られた生石灰
0.2〜20質量部を入れた透水性の生地で形成された
容器を、水100質量部に浸漬して静置、又は攪拌し、
前記生石灰を水に溶解させる、吸光度計で測定した可視
領域における白濁度が0.1以下であり、且つpHが1
0以上であるカルシウム液の製造方法であって、前記透
水性の生地が目開き0.01〜1000μmの布地又は
紙地であるカルシウム液の製造方法。
【0013】〔2〕 貝殻を焼成して得られた生石灰を
充填したカラムに通水して得た溶出液をカルシウム液と
する、吸光度計で測定した可視領域における白濁度が
0.1以下であり、且つpHが10以上であるカルシウ
ム液の製造方法。
【0014】〔3〕 貝殻を焼成して得られた生石灰の
平均粒径が1mm以上である〔1〕又は〔2〕に記載の
カルシウム液の製造方法。
【0015】〔4〕 カラムへの通水におけるSV値が
100〜2500Hr-1である〔2〕に記載のカルシウ
ム液の製造方法。
【0016】〔5〕 〔1〕乃至〔4〕の何れかの製造
方法で製造されたカルシウム液を食品用抗菌剤として用
いる抗菌方法。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】
【発明の実施の形態】水に溶解してカルシウム液を得る
生石灰の原料である貝殻としては、何れの貝殻でも用い
ることができ、ほたて貝、かき、あこや貝、あさり貝、
バカ貝、赤貝等の貝殻が例示できる。これらの貝殻のう
ちでも、貝殻の入手の容易さ等から、ほたて貝殻が特に
好ましいものである。
【0019】粒度調整した貝殻は、800℃以上、好ま
しくは1000〜1200℃で焼成することで貝殻生石
灰を得る。焼成温度が800℃未満では焼成が不十分で
未反応の炭酸カルシウムが多く残っており、好ましくな
い。
【0020】貝殻を焼成する装置として、従来よりロー
タリーキルンやコマ型焼成炉等が用いられている。これ
らの装置は一般に焼成物を急冷するタイプであるため、
得られる貝殻生石灰は消化速度の速いものが多い。
【0021】この従来の焼成方法に対して、本発明に用
いる貝殻生石灰の焼成方法は、冷却時に徐冷しており、
全消化反応時間が60分以上の消化速度の遅い、すなわ
ち崩壊性の低い貝殻生石灰を得ることが好ましい。
【0022】なお、全消化反応時間とは、消化反応性試
験装置を用いて、水温40℃の水380mlに、3.3
5mm篩通過試料生石灰を手早く調製し、室温になるま
で気密容器の中に入れていた生石灰76gを入れ、温度
計の読みが3回続けて0.5℃以内の変化になるまで温
度を読み取り、この3回の読みの最初の時間を全消化反
応時間とする、アメリカ材料規格協会の定めるASTM
C110−76aに準ずる測定方法で測定した消化反
応時間である。
【0023】上記の貝殻生石灰は、生石灰の水への溶解
時におけるpHの上昇速度がそれほど遅くならない限
り、透水性の生地で形成された容器から粒子が漏出して
カルシウム液を白濁しにくくするために、その粒度は大
きいほど好ましい。よって、平均粒子径で1mm以上が
好ましく、2〜30mmが更に好ましい。そのため、焼
成、冷却後の貝殻生石灰は、必要に応じて篩うことによ
り、上記所望の粒度にすることが好ましい。
【0024】また、焼成、冷却後の貝殻生石灰は、貝殻
中の有機物が熱分解されて除去され、白色乃至黄色味の
色をしており、主成分は酸化カルシウムである。
【0025】本発明のカルシウム液の製造方法における
一形態は、上記貝殻生石灰0.2〜20質量部を入れた
透水性の生地で形成された容器を、水100質量部に浸
漬して静置、又は攪拌し、前記生石灰を水に溶解させる
ことにより、吸光度計で測定した可視領域における白濁
度が0.1以下、好ましくは0.05以下であり、且つ
pHが10以上、好ましくは11以上であるカルシウム
液を製造する方法である。
【0026】なお、上記透水性の生地は目開き0.01
〜1000μmの布地、紙地、金属製の生地、又はプラ
スチック製の生地であることが好ましい。
【0027】この透水性の生地で形成された容器として
は、茶パック、コーヒーパック等の袋状のもの、並び
に、5A濾紙、5C濾紙、ガーゼ等を袋状にしたものな
どが例示される。また、透水性を調節するため、上記布
地又は紙地を複数枚重ねて用いても良い。
【0028】本発明のカルシウム液の製造方法における
別の形態は、上記貝殻生石灰を充填したカラムに通水し
て溶出液を得、この溶出液をカルシウム液とする、吸光
度計で測定した可視領域における白濁度が0.1以下、
好ましくは0.05以下であり、且つpHが10以上、
好ましくは11以上であるカルシウム液の製造方法であ
る。なお、カラムへの通水におけるSV値は100〜2
500Hr-1であることが好ましく、300〜1200
Hr-1であることが更に好ましい。
【0029】図1は、本発明のカルシウム液の製造に用
いる装置の一例であって、貝殻生石灰を充填したカラム
を示す概略図である。
【0030】図1のカラム2において、塩化ビニルパイ
プ4の底部6、頂部8には、それぞれガラス管10、1
2を貫通させたゴム栓14、16が嵌合されている。塩
化ビニルパイプ4底部6のゴム栓14の上面には茶パッ
ク、濾紙などの透水性シート18を載置し、この透水性
シート18の上に貝殻生石灰20を充填している。
【0031】22はガラス管12に接続された塩化ビニ
ルチューブホースであり、この塩化ビニルチューブホー
ス22から貝殻生石灰20に水が供給され、生成したカ
ルシウム液がガラス管10から溶出される。
【0032】以上のようにして溶出されたカルシウム液
は、製造過程においては濾過や遠心分離などの新たな操
作・工程を必要とせず、得られた液は抗菌性が高く且つ
白濁がないので、食品用抗菌剤として適したものであ
る。
【0033】図2は、本発明のカルシウム液を製造し、
得られたカルシウム液を用いて食品の抗菌を行う装置の
一例を示す概略図である。
【0034】図2において、32は貝殻生石灰を充填し
たカラムである。34は、カラム32への水供給用配管
であり、36は、カラム32から生成溶出されたカルシ
ウム液の水槽38への送液用配管である。水槽38には
所定水位にカルシウム液40が張られている。
【0035】この水槽38中のカルシウム液40に、キ
ャベツ等の食品42を浸漬し、殺菌処理を行う。所定時
間浸漬後、食品42はカルシウム液40から取り出さ
れ、次の処理すべき食品をカルシウム液40に浸漬す
る。
【0036】水槽38中のカルシウム液40は、pHを
10以上、好ましくは11以上に維持するため、断続
的、又は連続的に所定の流量で抜き出され、循環用配管
44、水供給用配管34を経て、繰り返しカラム32に
通され、循環される。
【0037】食品42のカルシウム液40からの取出し
に際しては、食品42に同伴されてカルシウム液40の
一部が水槽38から持ち去られる。このとき、46の矢
印に示すようにカルシウム液40の水位が低下する。水
位を一定に維持するため、断続的、又は連続的に水供給
用配管34から、カラム32に水を供給し、カルシウム
液を補給する。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例により、具体的且つ詳
細に説明するが、本発明は実施例により限定されるもの
ではない (実施例1乃至23)表1及び2に示す条件に従って、
透水性の生地で形成された容器に茶パック、コーヒーパ
ック、5A濾紙、又は5C濾紙を用い、この透水性の生
地で形成された容器内に表1及び2に示す粒度の貝殻生
石灰を、表1及び2に示す添加率入れた。添加率とは、
後記の水槽の水に対する貝殻生石灰の添加率である。
【0039】この貝殻生石灰入りの透水性の生地で形成
された容器を、水500mLが入った水槽に入れ、表1
及び2に示す回数「5分攪拌」を行った。5分攪拌にお
いて、透水性の生地で形成された容器が茶パック又はコ
ーヒーパックの場合、透水性の生地で形成された容器を
水槽の底に沈め、5分間静置(5分攪拌が0回のとき)
後、又は攪拌羽根により所定回数5分攪拌して静置(5
分攪拌が1回以上のとき)後、得られたカルシウム液を
「5分時溶液」としてpH値、白濁度を測定し、表1及
び2に示す結果を得た。
【0040】透水性の生地が5A濾紙又は5C濾紙の場
合、透水性の生地で形成された容器を水槽に吊し、5分
間静置(5分攪拌が0回のとき)後、又はマグネチック
スタラーにより所定回数5分攪拌して静置(5分攪拌が
1回以上のとき)後、得られたカルシウム液を「5分時
溶液」としてpH値、白濁度を測定し、表2に示す結果
を得た。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】表1及び2に示すように、実施例1乃至2
3の何れにおいても、得られたカルシウム液はpHが1
0以上、白濁度が0.1以下と、食品用抗菌剤として適
していることが認められた。
【0044】(実施例24)貝殻生石灰10gを、目開
き800μmの市販ガーゼ(日本薬局方ガーゼタイプ
I)にて8重に包み上部を縛り、茶パック様形態の透水
性の生地で形成された容器とした。
【0045】この貝殻生石灰入りの透水性の生地で形成
された容器を、蒸留水1000mLが入った水槽に吊
し、マグネチックスタラーにより攪拌混合しながら24
Hr放置し、ガーゼ8重包みでのカルシウム液(カルシ
ウム液A)を調製した。得られたカルシウム液Aは、白
濁度0.01未満の濁りのない液で、pHは12.3で
あった。
【0046】市販キャベツを5〜6cm角に切ったもの
20gを、上記カルシウム液A200g中に30分間浸
漬した後、生理食塩水で10%乳剤になるようストマッ
ク処理し一般生菌数を測定した。その結果を表3に示
す。
【0047】(実施例25)貝殻生石灰10gを、5A
濾紙を2重に包み、更に目開き800μmの市販ガーゼ
(日本薬局方ガーゼタイプI)にて2重に包み上部を縛
り、茶パック様形態の透水性の生地で形成された容器と
した。
【0048】この貝殻生石灰入りの透水性の生地で形成
された容器を、蒸留水1000mLが入った水槽に吊
し、マグネチックスタラーにより攪拌混合しながら24
Hr放置し、5A濾紙2重包み・ガーゼ2重包みでのカ
ルシウム液(カルシウム液B)を調製した。得られたカ
ルシウム液Bは、白濁度0.01未満の濁りのない液
で、pHは12.0であった。
【0049】市販キャベツを5〜6cm角に切ったもの
20gを、上記カルシウム液B200g中に30分間浸
漬した後、生理食塩水で10%乳剤になるようストマッ
ク処理し一般生菌数を測定した。その結果を表3に示
す。
【0050】(比較例1)市販キャベツを5〜6cm角
に切ったもの20gを、水道水200g中に30分間浸
漬した後、生理食塩水で10%乳剤になるようストマッ
ク処理し一般生菌数を測定した。その結果を表3に示
す。
【0051】
【表3】
【0052】表3に示されるように、キャベツにおける
生菌数は、浸漬時間30分において、水のみに浸漬した
場合は、殆ど減少しなかったのに対し、5A濾紙2重包
み・ガーゼ2重包みカルシウム液(カルシウム液B)で
の浸漬の場合は50分の1、ガーゼ8重包みカルシウム
液(カルシウム液A)での浸漬の場合は100分の1と
激減していることが解る。
【0053】以上の実施例24及び25、並びに比較例
1における結果は、以下の検討例1乃至6における生菌
数の変化の評価と符合する。
【0054】(検討例1乃至9)生菌数1.8×106
個/mLの大腸菌を含有する大腸菌含有水(ニュートリ
エントブロース)7mLに、粒度150μm以下の貝殻
生石灰、粒度40μm以下の貝殻消石灰、又は貝殻未焼
成物を表4に示す添加率添加し、30℃で48時間振盪
して培養し、抗菌効果を調べ、その結果を表4に示す。
【0055】
【表4】
【0056】表4に示すように、培養後のニュートリエ
ントブロースのpHが10.1〜12.1のとき、抗菌
効果が認められた。すなわち、pHが10以上、好まし
くは11以上のカルシウム液では、抗菌性が認められ
る。
【0057】(実施例26乃至29)図1に示す貝殻生
石灰を充填したカラムを用い、通水試験を行った。
【0058】透水性シート18は目開き44μmの金網
を用い、貝殻生石灰20は粒度10mm以上のものを表
5に示す添加量カラム2に充填し、この貝殻生石灰20
に表5に示す流量の水道水を通水して生成させたカルシ
ウム液をガラス管10から溶出させた。
【0059】なお、図1のカラム2のおいて、塩化ビニ
ルパイプ4は内径×外径が40mmφ×48mmφ、ゴ
ム栓14、16は最大径×最小径が45mmφ×40m
mφ、ガラス管は外径が7mmφ、塩化ビニルチューブ
ホースは内径×外径が6mmφ×8mmφ若しくは6m
mφ×9mmφのものを用いた。
【0060】また、塩化ビニルパイプ4における貝殻生
石灰の充填高さは、生石灰添加量10g、30g及び5
0gについて、それぞれ21mm、46mm及び80m
mであった。
【0061】この通水試験において溶出したカルシウム
液は、何れの溶出分も濁りはなく、白濁度で0.01未
満であった。
【0062】また、通水時間に対する溶出カルシウム液
のpH変化を表5及び図2に示し、同溶出カルシウム液
の温度変化を表5に示す。
【0063】なお、カラム2における水道水の通水にお
けるSV値は、実施例26で4545Hr-1、実施例2
7で2076Hr-1、実施例28で1194Hr-1、実
施例29で597Hr-1であった。
【0064】
【表5】
【0065】表5及び図2に示すように、実施例26乃
至29の何れにおいても溶出液のpHは、通水時間1分
で10以上の値が得られ、特にSV値が2000Hr-1
以下の場合は通水時間が5分以上のときでも溶出液のp
Hは10以上であり好ましいものである。
【0066】
【発明の効果】本発明のカルシウム液の製造方法によれ
ば、貝殻を焼成して得られた生石灰を入れた透水性の生
地で形成された容器を水に浸漬して静置若しくは攪拌
し、前記生石灰を水に溶解させること、又は貝殻を焼成
して得られた生石灰を充填したカラムに通水して得た溶
出液をカルシウム液としているので、濾過や遠心分離な
どの新たな操作・工程は必要とせず、白濁しないカルシ
ウム液を得ることができる。
【0067】また、本発明の製造方法で得られたカルシ
ウム液は、白濁がなく且つ抗菌性が高いので、食品用抗
菌剤として適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカルシウム液の製造に用いる装置の一
例であって、貝殻生石灰を充填したカラムを示す概略図
である。
【図2】本発明のカルシウム液を製造し、得られたカル
シウム液を用いて食品の抗菌を行う装置の一例を示す概
略図である。
【図3】実施例26乃至29において、通水時間に対す
る溶出カルシウム液のpH変化を示すグラフである。
【符号の説明】
2 カラム 4 塩化ビニルパイプ 6 塩化ビニルパイプの底部 8 塩化ビニルパイプの頂部 10、12 ガラス管 14、16 ゴム栓 18 透水性シート 20 貝殻生石灰 22 塩化ビニルチューブホース 32 カラム 34 水供給用配管 36 送液用配管 38 水槽 40 カルシウム液 42 食品 44 循環用配管 46 水位の低下を示す矢印
フロントページの続き (72)発明者 柿本 雅史 北海道江別市文京台緑町589番地4 北海 道立食品加工研究センター内 Fターム(参考) 4B021 LW02 MC01 MK08 MP08 4H011 AA02 BA01 BB18 BC18 DA15 DD07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貝殻を焼成して得られた生石灰0.2〜
    20質量部を入れた透水性の生地で形成された容器を、
    水100質量部に浸漬して静置、又は攪拌し、前記生石
    灰を水に溶解させる、吸光度計で測定した可視領域にお
    ける白濁度が0.1以下であり、且つpHが10以上で
    あるカルシウム液の製造方法であって、前記透水性の生
    地が目開き0.01〜1000μmの布地又は紙地であ
    るカルシウム液の製造方法。
  2. 【請求項2】 貝殻を焼成して得られた生石灰を充填し
    たカラムに通水して得た溶出液をカルシウム液とする、
    吸光度計で測定した可視領域における白濁度が0.1以
    下であり、且つpHが10以上であるカルシウム液の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 貝殻を焼成して得られた生石灰の平均粒
    径が1mm以上である請求項1又は2に記載のカルシウ
    ム液の製造方法。
  4. 【請求項4】 カラムへの通水におけるSV値が100
    〜2500Hr-1である請求項2に記載のカルシウム液
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れかの製造方法で製
    造されたカルシウム液を食品用抗菌剤として用いる抗菌
    方法。
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JP7465466B2 (ja) 2020-03-23 2024-04-11 有限会社▲吉▼正織物工場 精練した絹糸、絹織物及び絹編物の製造方法

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