JP2002335992A - 光学活性4−ヒドロキシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン−7−オンの製造方法 - Google Patents

光学活性4−ヒドロキシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン−7−オンの製造方法

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JP2002335992A JP2001153762A JP2001153762A JP2002335992A JP 2002335992 A JP2002335992 A JP 2002335992A JP 2001153762 A JP2001153762 A JP 2001153762A JP 2001153762 A JP2001153762 A JP 2001153762A JP 2002335992 A JP2002335992 A JP 2002335992A
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JP2001153762A
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Hiromasa Kiyota
洋正 清田
Takayuki Oritani
隆之 折谷
Rumi Ueda
留美 上田
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】光学活性4−ヒドロキシ−6−オキサビシクロ
[3.2.1]オクト−2−エン−7−オンを高収率か
つ高い光学純度で、工業的に有利に製造する方法を提供
する。 【解決手段】 式1で示される(±)−(1S,4R
,5R)−4−ヒドロキシ−6−オキサビシクロ
[3.2.1]オクト−2−エン−7−オンを、不斉ア
シル化能を有する酵素の存在下に一般式2で示されるカ
ルボン酸エステルと反応させ、得られる一般式3で示さ
れる(A):(−)−(1S,4R,5R)−4−アシ
ルオキシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクト−
2−エン−7−オンおよび(B):(+)−(1R,4
S,5S)−4−ヒドロキシ−6−オキサビシクロ
[3.2.1]オクト−2−エン−7−オンの混合物か
ら該(A)を分離するか、または上記の混合物から該
(B)を分離し、次いで加溶媒分解することを特徴とす
る標記光学活性化合物の製造方法。 (式中、RはHまたはclを、Rはアルキル基また
はアルケニル基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は(+)−(1R,4
S,5S)−または(−)−(1S,4R,5R)−4
−ヒドロキシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オク
ト−2−エン−7−オンの製造方法に関する。本発明に
よって得られる(+)−(1R,4S,5S)−4−ヒ
ドロキシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクト−
2−エン−7−オンは、抗生物質であるエナシロキシン
IIaや免疫抑制物質であるFK−506、ラパマイシ
ンなどの合成中間体として有用である。また、(−)−
(1S,4R,5R)−4−ヒドロキシ−6−オキサビ
シクロ[3.2.1]オクト−2−エン−7−オンは、
例えば多くの植物体内に分布し、芳香族化合物の生合成
重要中間体であるシキミ酸の合成中間体として有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】4−ヒドロキシ−6−オキサビシクロ
[3.2.1]オクト−2−エン−7−オンの製造方法
としては、3−シクロヘキセンカルボン酸をヨードラク
トン化した後、ヨウ化水素をアンチ脱離させて生じた二
重結合をエポキシ化し、続いてエポキシ環をアリルアル
コールに異性化して、ラセミ体(±)−(1S,4R
,5R)−4−ヒドロキシ−6−オキサビシクロ
[3.2.1]オクト−2−エン−7−オンを得る方法
[ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサエテ
ィー(Journal of American Ch
emical Society)、第106巻、785
4項(1984年)参照]が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、(+)−(1
R,4S,5S)−または(−)−(1S,4R,5
R)−4−ヒドロキシ−6−オキサビシクロ[3.2.
1]オクト−2−エン−7−オンの製造方法は知られて
いない。本発明の目的は、(+)−(1R,4S,5
S)−または(−)−(1S,4R,5R)−4−ヒド
ロキシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクト−2
−エン−7−オンを高収率かつ高い光学純度で、工業的
に有利に製造し得る方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、式(1)
【0005】
【化10】
【0006】(式中、*は相対立体配置を表す。)で示
される(±)−(1S,4R,5R)−4−ヒド
ロキシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクト−2
−エン−7−オン(以下、アルコール(1)と略記す
る)を、不斉アシル化能を有する酵素の存在下に一般式
(2)
【化11】 (式中、Rは水素原子または塩素原子を表し、R
置換基を有していてもよいアルキル基またはアルケニル
基を表す。)で示されるカルボン酸エステル(以下、カ
ルボン酸エステル(2)と略記する)と反応させ、得ら
れる一般式(3)
【0007】
【化12】 (式中、Rは前記定義のとおり。)で示される(−)
−(1S,4R,5R)−4−アシルオキシ−6−オキ
サビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン−7−オン
(以下、光学活性エステル(3)と略記する)および式
(4)
【0008】
【化13】
【0009】で示される(+)−(1R,4S,5S)
−4−ヒドロキシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]
オクト−2−エン−7−オン(以下、光学活性アルコー
ル(4)と略記する)の混合物から光学活性アルコール
(4)を分離することを特徴とする光学活性アルコール
(4)の製造方法、ならびに アルコール(1)を、不斉アシル化能を有する酵素の
存在下、カルボン酸エステル(2)と反応させ、得られ
る光学活性エステル(3)および光学活性アルコール
(4)の混合物から光学活性エステル(3)を分離し、
得られた光学活性エステル(3)を加溶媒分解すること
を特徴とする式(5)
【0010】
【化14】
【0011】で示される(−)−(1S,4R,5R)
−4−ヒドロキシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]
オクト−2−エン−7−オン(以下、光学活性アルコー
ル(5)と略記する)の製造方法を提供することにより
達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】上記一般式中、Rが表すアルキ
ル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基などが挙げられ
る。これらのアルキル基は置換基を有していてもよく、
かかる置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子などが挙げら
れる。
【0013】Rが表すアルケニル基としては、例えば
エテニル基、プロペニル基(1−プロペニル基、2−プ
ロペニル基)、イソプロペニル基などが挙げられる。
【0014】まず、本発明について説明する。カルボ
ン酸エステル(2)としては、例えば酢酸ビニル、酢酸
プロペニル、酢酸トリクロロエチル、クロロ酢酸ビニ
ル、クロロ酢酸プロペニル、クロロ酢酸トリクロロエチ
ルなどが使用される。カルボン酸エステルの使用量は、
アルコール(1)に対して0.5〜10当量の範囲であ
るのが好ましい。
【0015】不斉アシル化能を有する酵素としては、キ
ャンディダ属シリンドラセア種(Candida cy
lindracea)の微生物が生産する酵素、キャン
ディダ属アンタークティカ種(Candida ant
arctica)の微生物が生産する酵素またはトリコ
デルマ属ビリデ種(Trichoderma viri
de)の微生物が生産する酵素などが使用可能であり、
例えばキャンディダ属シリンドラセア種の微生物が生産
するリパーゼMY(名糖産業株式会社製)、キャンディ
ダ属アンタークティカ種の微生物が生産するキラザイム
L−2(ロシュ・タイアグノスティックス株式会社
製)、キラザイムL−2(ロシュ・ダイアグノスティッ
クス株式会社製)などが使用される。これらの中でも、
リパーゼMYを使用するのが、アルコール(1)に含ま
れる光学活性アルコール(5)を優先的にアシル化し、
光学活性エステル(3)を効率的に与えることから好ま
しい。酵素の使用量は、通常アルコール(1)に対して
0.01〜200重量%の範囲であるのが好ましく、
0.1〜100重量%の範囲であるのがより好ましい。
【0016】反応は、溶媒の存在下に行うのが好まし
い。溶媒としては、例えばジメチルスルホキシドなどの
スルホキシド;ジメチルホルムアミドなどのアミド;ジ
エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチル
メチルエーテルなどのエーテル;アセトニトリルなどの
ニトリル;アセトンなどのケトン;トルエン、ヘキサン
などの炭化水素などが使用される。これらの溶媒は単独
で用いても、2種以上を混合して使用してもよい。これ
らの中でも、ジイソプロピルエーテルを使用するのが好
ましい。溶媒の使用量は、特に制限されないが、通常ア
ルコール(1)に対して5〜100重量倍の範囲である
のが好ましく、10〜50重量倍の範囲であるのがより
好ましい。
【0017】反応温度は、−30〜40℃の範囲である
のが好ましく、10〜30℃の範囲であるのがより好ま
しい。反応時間は、アルコール(1)と酵素の使用量
比、使用する溶媒の種類などによっても異なるが、通常
1時間〜1週間の範囲であるのが好ましい。
【0018】反応は、アルコール(1)、カルボン酸エ
ステル(2)および酵素、必要に応じて溶媒を混合し、
所定温度で撹拌することにより行う。反応はバッチ方式
で実施してもよいし、固定化された酵素を用いて連続方
式で実施してもよい。
【0019】このようにして得られた光学活性エステル
(3)および光学活性アルコール(4)の混合物からの
光学活性アルコール(4)の分離は、通常の有機化合物
の単離・精製に用いられる方法と同様にして行うことが
できる。例えば、反応混合物から酵素を濾別し、濾液を
濃縮して得られた濃縮液をカラムクロマトグラフィーな
どで精製する。得られた光学活性アルコール(4)は、
必要に応じて再結晶を行うことにより、さらに純度を向
上させることができる。
【0020】次に、本発明について説明する。アルコ
ール(1)を、不斉アシル化能を有する酵素の存在下に
カルボン酸エステル(2)と反応させ、光学活性エステ
ル(3)および光学活性アルコール(4)の混合物を得
る工程は、本発明と共通しており、前記したとおりに
行うことができる。
【0021】光学活性エステル(3)および光学活性ア
ルコール(4)の混合物からの光学活性エステル(3)
の分離は、通常の有機化合物の単離・精製に用いられる
方法と同様にして行うことができる。例えば、反応混合
物から酵素を濾別し、濾液を濃縮して得られた濃縮液を
カラムクロマトグラフィーなどで精製する。
【0022】光学活性エステル(3)の加溶媒分解反応
は、リパーゼ、エステラーゼなどの酵素を用いて実施す
ることができる。かかる酵素としては、例えばキャンデ
ィダ属シリンドラセア種の微生物が生産するリパーゼ、
キャンディダ属アンタークティカ種の微生物が生産する
リパーゼ、トリコデルマ属ビリデ種の微生物が生産する
リパーゼまたは豚肝臓由来のエステラーゼなどが使用さ
れる。触媒の使用量は、通常、光学活性エステル(3)
に対して0.01〜200重量%の範囲であるのが好ま
しく、0.1〜100重量%の範囲であるのがより好ま
しい。
【0023】反応は、水;メタノール、エタノール、n
−プロパノール、n−ブタノールなどのアルコール;ま
たは水とアルコールの混合物の存在下に行う。水、アル
コールまたはこれらの混合物の使用量は特に制限されな
いが、通常、光学活性エステル(3)に対して0.5〜
100重量%の範囲であるのが好ましく、1〜20重量
%の範囲であるのがより好ましい。
【0024】反応は、さらに反応に悪影響を与えない溶
媒を存在させていてもよく、かかる溶媒としては、例え
ばジメチルスルホキシドなどのスルホキシド;ジメチル
ホルムアミドなどのアミド;ジエチルエーテル、ジイソ
プロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテルなどのエ
ーテル;アセトニトリルなどのニトリル;アセトンなど
のケトン;トルエン、ヘキサンなどの炭化水素などが使
用される。これらの溶媒は単独で用いても、2種以上を
混合して使用してもよい。これらの中でも、ジメチルス
ルホキシドまたはジイソプロピルエーテルを使用するの
が好ましい。溶媒の使用量は、特に制限されないが、通
常光学活性エステル(3)に対して5〜100重量倍の
範囲であるのが好ましく、10〜40重量倍の範囲であ
るのがより好ましい。
【0025】反応は、反応液のpHを4〜8の範囲に保
つのが、酵素のエステル加溶媒分解能を効率的に発現さ
せる観点から好ましい。pHの調節は、反応系にリン酸
緩衝液、酢酸緩衝液などの緩衝液を共存させるか、オー
トビュレットなどを用いて水酸化ナトリウムなどの塩基
性化合物の水溶液を反応系中に添加することなどにより
行うことができる。緩衝液を用いる場合、その使用量は
特に制限されないが、通常、光学活性エステル(3)に
対して1〜100重量倍の範囲であるのが好ましく、1
0〜40重量倍の範囲であるのがより好ましい。
【0026】反応温度は、−20〜40℃の範囲である
のが好ましく、10〜30℃の範囲であるのがより好ま
しい。反応時間は、光学活性エステル(3)と酵素の使
用量比、使用する溶媒、緩衝液の種類などによっても異
なるが、通常1時間〜1週間の範囲であるのが好まし
い。
【0027】反応は、水、アルコールまたはこれらの混
合物および酵素、必要に応じて溶媒の存在下に光学活性
エステル(3)を所定温度でpH調節下に撹拌すること
により行う。反応はバッチ方式で実施してもよいし、固
定化された酵素を用いて連続方式で実施してもよい。
【0028】このようにして得られた光学活性アルコー
ル(5)の反応混合物からの単離は、通常の有機化合物
の単離・精製に用いられる方法と同様にして行うことが
できる。例えば、反応混合物から酵素を濾別し、濾液を
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、酢酸エチ
ルなどで抽出し、抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、飽和塩化ナトリウム水溶液などで洗浄して、無水硫
酸マグネシウムなどで乾燥し、濃縮後、得られた濃縮液
をカラムクロマトグラフィーなどで精製する。この際
に、ラクトンが加溶媒分解され、ヒドロキシ酸を副生す
る場合においても、希塩酸で後処理することにより光学
活性アルコール(5)を再生させることができる。ま
た、得られた光学活性アルコール(5)は、必要に応じ
て再結晶を行うことにより、さらに純度を向上させるこ
とができる。
【0029】なお、本発明の出発原料であるアルコール
(1)は、3−シクロヘキセンカルボン酸をヨードラク
トン化した後、ヨウ化水素をアンチ脱離させて生じた二
重結合をエポキシ化し、続いてエポキシ環をアリルアル
コールに異性化することにより容易に製造することがで
きる[ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサ
エティー(J.Am.Chem.Soc.)、第106
巻、7854項(1984年)参照]。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はかかる実施例により何ら限定されるもの
ではない。
【0031】実施例1 (±)−(1S,4R,5R)−4−ヒドロキシ
−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン
−7−オン(1.00g、7.14mmol)、酢酸ビ
ニル(922mg,10.7mmol)およびジイソプ
ロピルエーテル(50ml)を混合し、酵素としてリパ
ーゼMY(名糖産業株式会社製、500mg)を加え
て、0℃で5日間撹拌した。反応液をセライトで濾過
し、濾液を減圧下に濃縮し、得られた濃縮液をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー[展開溶媒:ヘキサン/酢
酸エチル=3/2(容量比)]で精製し、無色油状物と
して、(+)−(1R,4S,5S)−4−ヒドロキシ
−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン
−7−オンおよび下記の物性を有する(−)−(1S,
4R,5R)−4−アセトキシ−6−オキサビシクロ
[3.2.1]オクト−2−エン−7−オン(472m
g、2.59mmol、収率36%、光学純度:64%
e.e.)を得た。得られた(+)−(1R,4S,5
S)−4−ヒドロキシ−6−オキサビシクロ[3.2.
1]オクト−2−エン−7−オンを、さらにヘキサン/
イソプロピルアルコールより再結晶することにより、下
記の物性を有する(+)−(1R,4S,5S)−4−
ヒドロキシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクト
−2−エン−7−オン(599mg、4.28mmo
l、収率60%、光学純度:37%e.e.)を得た。
【0032】(+)−(1R,4S,5S)−4−ヒド
ロキシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクト−2
−エン−7−オン; [α]:+194゜(c=1.01、CHCl) IR νmax(cm−1、film): 3425
(s),3000(s),1770(s),1215
(s) H−NMR(CDCl、TMS、ppm) δ:
2.16(1H,d,J=11.5Hz),2.33
(1H,m),2.80(1H,br.s,OH),
3.00(1H,dd,J=4.5,7.1Hz),
4.28(1H,m),4.72(1H,m),5.8
4(1H,ddd,J=9.3,3.3,1.8H
z),6.27(1H,ddd,J=9.3,7.3,
1.0Hz)
【0033】IRおよびH−NMRスペクトルは対応
する(±)−体と一致した。なお、得られた化合物の光
学純度は、対応する安息香酸エステルに誘導した後、高
速液体クロマトグラフィー[カラム:Chiralce
l OB−H、φ4.6mm × 250mm[ダイセ
ル化学工業株式会社製]、溶離液:ヘキサン/2−プロ
パノール=10:1(容量比)、流速0.5ml/分、
検出器:UV254nm]で分析した。
【0034】(−)−(1S,4R,5R)−4−アセ
トキシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクト−2
−エン−7−オン; [α]:−322゜(c=1.05、CHCl) IR νmax(cm−1、film): 1780
(s),1735(s),1225(s) H−NMR(CDCl、TMS、ppm) δ:
1.34(3H,s,2−Me),1.40(3H,
m),1.70(1H,m),1.90(1H,m),
2.08(3H,s,CHC=O),4.01(1
H,d,J=12Hz,CHO),4.45(1H,
d,J=12Hz,CHO)
【0035】IRおよびH−NMRスペクトルは対応
する(±)−体と一致した。なお、得られた化合物の光
学純度は、高速液体クロマトグラフィー[カラム:Ch
iralcel OB−H、φ4.6mm × 250
mm[ダイセル化学工業株式会社製]、溶離液:ヘキサ
ン/2−プロパノール=10:1(容量比)、流速1.
0ml/分、検出器:UV230nm]で分析した。
【0036】実施例2 (±)−(1S,4R,5R)−4−ヒドロキシ
−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン
−7−オン(502mg、3.58mmol)、酢酸ビ
ニル(461mg,5.36mmol)およびジイソプ
ロピルエーテル(10ml)を混合し、酵素としてリパ
ーゼMY(名糖産業株式会社製、100mg)を加え
て、25℃で7日間撹拌した。反応液をセライトで濾過
し、濾液を減圧下に濃縮し、得られた濃縮液をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー[展開溶媒:ヘキサン/酢
酸エチル=3/2(容量比)]で精製し、無色油状物と
して、(+)−(1R,4S,5S)−4−ヒドロキシ
−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン
−7−オンおよび下記の旋光度を有する(−)−(1
S,4R,5R)−4−アセトキシ−6−オキサビシク
ロ[3.2.1]オクト−2−エン−7−オン(232
mg、1.28mmol、収率36%、光学純度:59
%e.e.)を得た。得られた(+)−(1R,4S,
5S)−4−ヒドロキシ−6−オキサビシクロ[3.
2.1]オクト−2−エン−7−オンを、さらにヘキサ
ン/イソプロピルアルコールより再結晶することによ
り、下記の旋光度を有する(+)−(1R,4S,5
S)−4−ヒドロキシ−6−オキサビシクロ[3.2.
1]オクト−2−エン−7−オン(270mg、1.9
3mmol、収率54%、光学純度:38.5%e.
e.)を得た。
【0037】(+)−(1R,4S,5S)−4−ヒド
ロキシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクト−2
−エン−7−オン; [α]:+174゜(c=1.04、CHCl
【0038】(−)−(1S,4R,5R)−4−アセ
トキシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクト−2
−エン−7−オン; [α]:−257゜(c=1.06、CHCl
【0039】実施例3 (±)−(1S,4R,5R)−4−ヒドロキシ
−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン
−7−オン(101mg、0.720mmol)、クロ
ロ酢酸ビニル(138mg,1.15mmol)および
ジイソプロピルエーテル(5ml)を混合し、酵素とし
てキラザイムL−2(ロシュ・ダイアグノスティックス
株式会社製、100mg)を加えて、25℃で8時間撹
拌した。反応液をセライトで濾過し、濾液を減圧下に濃
縮し、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー[展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/2(容
量比)]で精製し、無色油状物として、(+)−(1
R,4S,5S)−4−ヒドロキシ−6−オキサビシク
ロ[3.2.1]オクト−2−エン−7−オンおよび下
記の旋光度を有する(−)−(1S,4R,5R)−4
−クロロアセトキシ−6−オキサビシクロ[3.2.
1]オクト−2−エン−7−オン(72.6mg、0.
33mmol、収率46%、光学純度:48%e.
e.)を得た。得られた(+)−(1R,4S,5S)
−4−ヒドロキシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]
オクト−2−エン−7−オンを、さらにヘキサン/イソ
プロピルアルコールより再結晶することにより、下記の
旋光度を有する(+)−(1R,4S,5S)−4−ヒ
ドロキシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクト−
2−エン−7−オン(44.2mg、0.32mmo
l、収率44%、光学純度:66%e.e.)を得た。
【0040】(+)−(1R,4S,5S)−4−ヒド
ロキシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクト−2
−エン−7−オン; [α]:−247゜(c=1.03、CHCl
【0041】(−)−(1S,4R,5R)−4−クロ
ロアセトキシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オク
ト−2−エン−7−オン; [α]:−247゜(c=1.03、CHCl
【0042】実施例4 実施例1の方法で得られた(−)−(1S,4R,5
R)−4−アセトキシ−6−オキサビシクロ[3.2.
1]オクト−2−エン−7−オン(471mg、2.5
9mmol)、リパーゼMY(200mg)、リン酸緩
衝液(pH7.0,4ml)およびジメチルスルホキシ
ド水溶液(55%v/v、4.9ml)を混合し、25
℃で20時間撹拌した。反応液を濾過した後、濾液をジ
エチルエーテル(20ml)で抽出した。抽出液を水
(10ml)および飽和塩化ナトリウム水溶液(10m
l)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下
に濃縮し、得られた濃縮液をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー[展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=7/1
(容量比)]で精製することにより、下記の物性を有す
る(−)−(1S,4R,5R)−4−ヒドロキシ−6
−オキサビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン−7
−オン(170mg、1.21mmol、収率46.7
%、光学純度:97%e.e.)を得た。
【0043】 [α]:−460゜(c=1.05、CHCl) IR νmax(cm−1、film): 3425
(s),3000(s),1770(s),1215
(s) H−NMR(CDCl、TMS、ppm) δ:
2.16(1H,d,J=11.5Hz),2.33
(1H,m),2.80(1H,br.s,OH),
3.00(1H,dd,J=4.5,7.1Hz),
4.28(1H,m),4.72(1H,m),5.8
4(1H,ddd,J=9.3,3.3,1.8H
z),6.27(1H,ddd,J=9.3,7.3,
1.0Hz)
【0044】このものをヘキサン/イソプロピルアルコ
ールより再結晶することにより、下記の旋光度を有する
(−)−(1S,4R,5R)−4−ヒドロキシ−6−
オキサビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン−7−
オン(光学純度99.1%e.e.)を得た。
【0045】 [α]:−478゜(c=1.00、CHCl
【0046】実施例5 実施例2の方法で得られた(−)−(1S,4R,5
R)−4−アセトキシ−6−オキサビシクロ[3.2.
1]オクト−2−エン−7−オン(201mg、1.1
0mmol)、リパーゼMY(200mg)、リン酸緩
衝液(pH7.0,5ml)およびジイソプロピルエー
テル(5ml)を混合し、25℃で3時間撹拌した。反
応液を濾過した後、濾液をジエチルエーテル(10m
l)で抽出した。抽出液を水(5ml)および飽和塩化
ナトリウム水溶液(5ml)で洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、減圧下に濃縮し、得られた濃縮液をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー[展開溶媒:ヘキサ
ン/酢酸エチル=7/1(容量比)]を用いて精製し、
次いで得られた粗(−)−(1S,4R,5R)−4−
ヒドロキシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクト
−2−エン−7−オンをヘキサン/酢酸エチルより再結
晶することにより、下記の旋光度を有する(−)−(1
S,4R,5R)−4−ヒドロキシ−6−オキサビシク
ロ[3.2.1]オクト−2−エン−7−オン(94.
0mg、0.671mmol、収率60.9%、光学純
度:91%e.e.)を得た。
【0047】 [α]:−435゜(c=1.02、CHCl
【0048】実施例6 実施例3の方法で得られた(−)−(1S,4R,5
R)−4−クロロアセトキシ−6−オキサビシクロ
[3.2.1]オクト−2−エン−7−オン(30.7
mg、0.142mmol)、キラザイムL−2(ロッ
シュ・ダイアグノスティクス株式会社製、30mg)、
リン酸緩衝液(pH7.0,1.5ml)およびジイソ
プロピルエーテル(5ml)を混合し、25℃で20時
間撹拌した。反応液をセライトで濾過した後、濾液の有
機層と水層を分離し、水層をジエチルエーテル(10m
l)で抽出した。この抽出液と先の有機層を合わせ、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液(3ml)および飽和塩化
ナトリウム水溶液(5ml)で洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、減圧下に濃縮し、得られた濃縮液をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー[展開溶媒:ヘキサ
ン/酢酸エチル=7/1(容量比)]を用いて精製する
ことにより、無色油状物として、下記の旋光度を有する
(−)−(1S,4R,5R)−4−ヒドロキシ−6−
オキサビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン−7−
オン(2.5mg、0.018mmol、収率13%、
光学純度:60%e.e.)を得た。
【0049】 [α]:−312゜(c=0.125、CHCl
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、(+)−(1R,4
S,5S)−または(−)−(1S,4R,5R)−4
−ヒドロキシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オク
ト−2−エン−7−オンを高収率かつ高い光学純度で、
工業的に有利に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 留美 宮城県仙台市青葉区八幡1−7−12−206 Fターム(参考) 4B064 AE59 BH01 BH02 BH04 CA21 CB26 CD08 CD27 CE08 CE10 DA01 4C062 JJ10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) 【化1】 (式中、*は相対立体配置を表す。)で示される(±)
    −(1S,4R,5R)−4−ヒドロキシ−6−
    オキサビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン−7−
    オンを、不斉アシル化能を有する酵素の存在下に一般式
    (2) 【化2】 (式中、Rは水素原子または塩素原子を表し、R
    置換基を有していてもよいアルキル基またはアルケニル
    基を表す。)で示されるカルボン酸エステルと反応さ
    せ、得られる一般式(3) 【化3】 (式中、Rは前記定義のとおり。)で示される(−)
    −(1S,4R,5R)−4−アシルオキシ−6−オキ
    サビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン−7−オン
    および式(4) 【化4】 で示される(+)−(1R,4S,5S)−4−ヒドロ
    キシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクト−2−
    エン−7−オンの混合物から該(+)−(1R,4S,
    5S)−4−ヒドロキシ−6−オキサビシクロ[3.
    2.1]オクト−2−エン−7−オンを分離することを
    特徴とする上記の(+)−(1R,4S,5S)−4−
    ヒドロキシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクト
    −2−エン−7−オンの製造方法。
  2. 【請求項2】 式(1) 【化5】 (式中、*は相対立体配置を表す。)で示される(±)
    −(1S,4R,5R)−4−ヒドロキシ−6−
    オキサビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン−7−
    オンを、不斉アシル化能を有する酵素の存在下に一般式
    (2) 【化6】 (式中、Rは水素原子または塩素原子を表し、R
    置換基を有していてもよいアルキル基またはアルケニル
    基を表す。)で示されるカルボン酸エステルと反応さ
    せ、得られる一般式(3) 【化7】 (式中、Rは前記定義のとおり。)で示される(−)
    −(1S,4R,5R)−4−アシルオキシ−6−オキ
    サビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン−7−オン
    および式(4) 【化8】 で示される(+)−(1R,4S,5S)−4−ヒドロ
    キシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクト−2−
    エン−7−オンの混合物から該(−)−(1S,4R,
    5R)−4−アシルオキシ−6−オキサビシクロ[3.
    2.1]オクト−2−エン−7−オンを分離し、得られ
    た(−)−(1S,4R,5R)−4−アシルオキシ−
    6−オキサビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン−
    7−オンを加溶媒分解することを特徴とする式(5) 【化9】 で示される(−)−(1S,4R,5R)−4−ヒドロ
    キシ−6−オキサビシクロ[3.2.1]オクト−2−
    エン−7−オンの製造方法。
  3. 【請求項3】 不斉アシル化能を有する酵素が、キャン
    ディダ属シリンドラセア種(Candida cyli
    ndracea)の微生物が生産する酵素、キャンディ
    ダ属アンタークティカ種(Candida antar
    ctica)の微生物が生産する酵素またはトリコデル
    マ属ビリデ種(Trichoderma virid
    e)の微生物が生産する酵素である請求項1または請求
    項2に記載の製造方法。
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