JP2002335162A - 復号装置及び復号方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】特定記号が任意に混在する符号化データ群のす
べてを順次検索する方法に代わる高速検索を可能にし、
特定記号の検索および解析時間の短縮を図り、信号処理
部が必要とする特定記号を速やかに参照する。 【解決手段】検索すべき特定記号を指定する検索記号テ
ーブル１３１と、指定された特定記号を検索する複数の
記号検索部１２１、１２２、１２３、…１２９と、記号
検索手段により検索された特定記号に関する情報を記録
する記号テーブル作成部１３２と、を具備し、複数の記
号検索手段が、符号化データ群１１０を記号検索手段と
同数の検索範囲に分割し、分割された前記検索範囲のそ
れぞれについて検索記号指定手段で指定された特定記号
を検索する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は圧縮された画像デー
タ等の符号化データに混在するデータ開始位置や終了位
置、あるいは復号方式の設定情報等を示す特定記号を検
索して復号する復号装置及び復号方法に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】画像データのデータ量は文書等に比べて
非常に大きいため、格納したり伝送したりするときに、
データ量を圧縮する符号化技術が広く利用されている。
これらの符号化データにはデータ開始位置や終了位置、
あるいは復号方式の設定情報等を示す特定記号が混在す
る。これらの特定記号を効率的に検索する方法は、画像
データの処理能力を向上させる有利な方法として注目さ
れている。

【０００３】図６は、符号化データ中の特定記号を検索
する従来の復号装置の構成を示すブロック図である。図
６の装置において、特定記号が任意に混在する符号化デ
ータ群６１０に対して、記号解析部６２０において特定
記号が検索され、その結果が信号処理部６３０に送ら
れ、符号化データの復号処理が行われる。

【０００４】記号解析部６２０は、特定記号を検索する
記号検索部６２１、検索する特定記号を保持する検索記
号テーブル６２２、検索された特定記号を記録する確定
記号テーブル６２３及びデータを一時保管するデータ保
持部６２４により構成される。信号処理部６３０は確定
記号テーブル６２３を参照して復号処理を行う。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術においては、特定記号を検索する際に、圧縮デー
タと特定記号が混在する符号化データ群の最初から最後
までをすべて検索する必要があり、さらに符号化データ
群中で複数回繰り返される特定記号もあるため、検出し
た場所、順番及び個数等の情報を記憶しておく必要もあ
り、記号解析に長時間を要するという問題を有してい
た。

【０００６】また、上記従来技術においては、例えば、
信号処理部が特定記号を入力パラメータとして用いて分
岐や演算処理を行う場合に、記号解析部による記号検索
の終了後でないと信号処理部の状態を遷移させることが
できず、途中で特定記号を用いて分岐もしくは演算処理
を行うことができなかった。

【０００７】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
で、特定記号が任意に混在する符号化データ群の最初か
ら最後までのすべてを順次検索する方法に代えて、符号
化データ群を複数の検索範囲に分割して同時並行検索す
ることを可能にし、特定記号の検索及び解析時間の短縮
を図り、信号処理部が必要とする特定記号を速やかに参
照できるようにする復号装置及び復号方法を提供するこ
とを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１に係る
復号装置は、符号化データ群（データ群１１０）中に任
意に混在する特定記号を検索して符号化データの復号処
理をする復号装置において、検索すべき特定記号を指定
する検索記号指定手段（検索記号テーブル１３１）と、
指定された特定記号を検索する複数の記号検索手段（記
号検索部１２１、１２２、１２３、…１２９）と、前記
記号検索手段により検索された特定記号に関する情報を
記録する記号テーブル作成手段（記号テーブル作成部１
３２）と、を具備し、前記複数の記号検索手段が、前記
符号化データ群を前記記号検索手段と同数の検索範囲に
分割し、分割された前記検索範囲のそれぞれについて前
記検索記号指定手段で指定された特定記号を検索する、
ことを特徴とする。

【０００９】請求項１記載の復号装置によれば、符号化
データ群を複数の検索範囲に分割し、それぞれの検索範
囲を受け持つ複数個の記号検索手段が特定記号を同時に
並行して検索することにより、特定記号の検索及び解析
時間の短縮を図ることができ、その結果を記号テーブル
作成手段が記録し、信号処理部が必要とする特定記号を
速やかに参照できるようにすることで、復号処理の高速
化を図ることができる。

【００１０】本発明の請求項２に係る復号装置は、請求
項１記載の復号装置において、前記記号テーブル作成手
段が、特定記号が検索される度に、検索された情報に基
づき並べ替え処理を行うものである。

【００１１】請求項２記載の復号装置によれば、記号テ
ーブル作成手段が検索された情報に基づき常に記録する
情報を並べ替え処理することにより、信号処理部が必要
とする特定記号を速やかに参照することを可能にし、復
号処理の高速化を図ることができる。

【００１２】本発明の請求項３に係る復号装置は、請求
項２記載の復号装置において、前記並べ替え処理の根拠
として参照される情報が、検索された特定記号が示す目
的種別情報とするものである。

【００１３】請求項３記載の復号装置によれば、検索さ
れた特定記号が示す種別情報に基づいて常に記録する情
報を並べ替え処理することにより、信号処理部が処理目
的に応じて必要とする特定記号を速やかに参照すること
を可能にし、復号処理の個別処理の高速化を図ることが
できる。

【００１４】本発明の請求項４に係る復号方法は、符号
化データ群中に任意に混在する特定記号を検索して符号
化データの復号処理をする復号方法において、検索すべ
き特定符号を指定し、前記符号化データ群を複数個の検
索範囲に分割し、前記分割されたそれぞれの検索範囲に
おいて前記指定された特定記号を並行して検索し、前記
検索された特定記号に関する情報を復号処理の参照用の
記録するものである。

【００１５】請求項４記載の復号方法によれば、符号化
データ群を複数の検索範囲に分割し、それぞれの検索範
囲において特定記号を同時に並行して検索することによ
り、特定記号の検索及び解析時間の短縮を図ることがで
き、その結果を用いて復号処理をすることにより、復号
処理の高速化を図ることができる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図１は本発明の一実施の形
態に係る復号装置の構成を示すブロック図である。

【００１７】図１において、符号化データ群１１０は、
別の装置あるいは手段によって生成され、信号処理部１
４０によって復号可能な、符号化データと制御用の特定
記号が混在するデータ群（例えば、Ｈ．２６１、Ｈ．２
６３、ＭＰＥＧ１／２、ＪＰＥＧ等の標準規格に基づく
動画や静止画の圧縮画像）である。

【００１８】記号解析部１２０は、記号検索部１から記
号検索部ｎまでの１２１、１２２、１２３、…１２９、
検索記号テーブル１３１、記号テーブル作成部１３２、
確定記号テーブル１３３及びデータ保持部１３４から構
成される。

【００１９】検索記号テーブル１３１は、記号解析部１
２０において検索すべき一般に複数の特定記号を指定す
るテーブルであり、例えば、スタートコード等の特定記
号が検出したい順番に記載されている。

【００２０】ｎ個の記号検索部１２１〜１２９は、符号
化データ群１１０をｎ個に分割した各々の検索範囲を読
み出し、それぞれの検索範囲において検索記号テーブル
１３１で指定された特定記号を検索し、検索結果を記号
テーブル作成部１３２に出力する。

【００２１】また、記号検索部１２１〜１２９は、ある
種の特定記号が検索により発見済みであることを示す情
報を保持し、さらに各記号検索部間でその情報を共有
し、その特定記号が発見済みの場合は、それ以上は検索
しないようにする手段を有する。

【００２２】記号テーブル作成部１３２は、記号検索部
１２１〜１２９から出力される特定記号の検索結果を、
検出された順番あるいは特定記号の情報種別に順位付け
を行ない、さらに特定記号の付加情報、例えば検出時刻
や識別番号などを付加し、確定記号テーブル１３３に記
録する。

【００２３】データ保持部１３４は、記号検索部による
検索において特定記号でないと判別されたデータ、すな
わち符号化されたデータを一時的に保管する。

【００２４】信号処理部１４０は、確定記号テーブル１
３３に記録された特定記号の検索情報を読み出し、また
データ保持部１３４から特定記号以外のデータを読み出
し、検索された特定記号の情報に基づいて符号化データ
の復号処理を行う。

【００２５】図２は、以上のように構成された復号装置
の動作を説明するフローチャートである。図２におい
て、まず、符号化データ群１１０を複数の検索範囲に分
割するため、その個数と検索サイズを記号検索部の個数
に応じて決定するための初期化を行う（Ｓ２０１）。

【００２６】続いて記号検索部の初期化設定に基づき、
検索記号テーブル１３１の特定記号の指定に従い、検索
記号検索部１２１〜１２９による符号化データ群１１０
の各々の検索範囲に対する記号検索を行う。このとき特
定記号ではないデータはデータ保持部に保管し、特定記
号を検出すると確定記号テーブル１３３及び検索記号テ
ーブル１３１を更新する（Ｓ２０２）。

【００２７】検索範囲の記号検索を完了した記号検索部
は次の検索範囲に切り替える（Ｓ２０３）。次に、検索
記号テーブルにまだ検索すべき特定記号があり、かつ記
号検索部が検索範囲をすべて検索完了していない場合、
すなわちすべての符号化データ群の記号解析を完了して
いない場合を判定する（Ｓ２０４）。記号解析を完了し
ていない場合は、Ｓ２０１以降の処理を繰り返す。検索
すべき特定記号の検索を完了している場合は、確定記号
テーブルの情報に基づき信号処理部１４０が復号処理を
行ない動作を完了する（Ｓ２０５）。

【００２８】図３は、図２のＳ２０１における記号検索
部の初期化動作を説明するフローチャートである。図３
において、まず、記号検索部が検索できる最小サイズＸ
ｍｉｎを仮の検索サイズｘとし（Ｓ３０１）、符号化デ
ータ群の総データ数Ｐを仮の検索サイズｘで除算し、整
数商ｙ＝Ｐ／ｘを求める（Ｓ３０２）。

【００２９】商ｙが記号解析部が保有する記号検索部の
最大値Ｎｍａｘより小さい場合は（Ｓ３０３）、商ｙが
整数商なので１を加えて、検索範囲の個数ｎをｎ＝ｙ＋
１として決定する（Ｓ３０５）。これより、仮の検索サ
イズｘを記号検索のサイズｍとして確定する（Ｓ３０
６）。

【００３０】また、Ｓ３０２における除算結果で、商ｙ
が最大値Ｎｍａｘ以上になった場合は（Ｓ３０４）、仮
の検索サイズｘに１を加算し、商ｙが最大値Ｎｍａｘよ
り小さくなるまで（Ｓ３０２）、Ｓ３０３を繰り返す。

【００３１】最後に、ｎ番目の検索範囲となる符号化デ
ータ群の終端部は半端なサイズになるため、他の検索範
囲と同じサイズｍになるように補正を加えておく（Ｓ３
０７）。以上により、記号検索部の初期化を完了し、検
索範囲の個数ｎ、記号検索のサイズｍを検索情報とす
る。

【００３２】図４は、図２のＳ２０２における確定記号
テーブルの作成動作を説明するフローチャートである。
図４はｎ個の記号検索部に共通の説明であり、前提とし
て、記号検索部は初期化で求められた個数のｎ個が存在
し、符号化データ群１１０は初期化で求められた検索サ
イズｍの検索範囲に分割されているものとする。

【００３３】まず、符号化データ群の検索範囲からデー
タを特定記号と同じデータ長で読み出し（Ｓ４０１）、
それが特定記号であるか否かを記号の一部に共通する値
から判定する（Ｓ４０２）。その結果、何等かの特定記
号であることを示す値が含まれていれば、それを確定さ
せるため検索記号テーブル全体と照合し（Ｓ４０４）、
該当する特定記号があればそれを確定させ（Ｓ４０
５）、確定した特定記号を検索記号テーブルから除外す
る（Ｓ４０６）。続いて、特定記号の発見時間やアドレ
ス情報などの情報を付加し（Ｓ４０７）、確定記号テー
ブル上に配列する（Ｓ４０８）。

【００３４】Ｓ４０２で特定記号でないと判定された場
合は、そのデータをデータ保持部１３４に一次保管す
る。Ｓ４０４で特定記号テーブルに該当するものが無い
場合は、そのデータは無視される。最後に検索範囲のす
べてのデータを検索するまで上記動作を繰り返す（Ｓ４
０９）。

【００３５】図５は確定記号テーブルに記録される情報
の構成例を示す図である。図５において、記号検索によ
り確定した特定記号に対して、特定記号の発見時間やア
ドレス情報などの情報が付加情報として付加されてい
る。

【００３６】図５において、５０１は検出した順番を示
す検出番号を先頭に付加したモデルである。また、５０
２は検出番号の他に、制御情報と時間情報を先頭に付加
したモデルである。ここでの制御情報とは、例えば、そ
の特定記号の内容を無視する制御情報や他の制御情報と
連結していることを意味する制御情報など、それぞれの
特定記号の定義だけでは示すことができない付加情報で
ある。

【００３７】さらに、５０３は上記の付加情報を特定記
号の途中に挿入した場合のモデルである。このとき制御
情報の内容には、特定記号の途中挿入箇所がどこである
かを示す情報が含まれている。

【００３８】このように確定記号テーブルは特定記号に
付加情報を付加することにより、様々な情報を関連付け
ることが可能である。これにより信号処理部での効率的
な処理や、中断、再開など通常では得られない制御を行
うことができ、信号処理の高効率化を図ることができ
る。

【００３９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数の記号検索手段を備えることにより、符号化データ
群を複数の検索範囲に分割し、分割した各々の検索範囲
から特定記号を同時並行して検索することにより、復号
処理の高速化及び高効率化を図ることができる。さら
に、発見された特定記号を定常的に並べ替えて記憶する
手段を設けることにより、より高速化及び高効率化が可
能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態に係る復号装置の構成を
示すブロック図である。

【図２】本発明の復号装置の動作を説明するフローチャ
ートである。

【図３】本発明の復号装置における記号検索部の初期化
動作を説明するフローチャートである。

【図４】本発明の復号装置における確定記号テーブルの
作成動作を説明するフローチャートである。

【図５】本発明における確定記号テーブルに記録される
情報の構成例を示す図である。

【図６】従来の復号装置の構成を示すブロック図であ
る。

【符号の説明】

１１０、６１０ 符号化データ群 １２０、６２０ 記号解析部 １２１、１２２、１２３、１２９、６２１ 記号検索部 １３１、６２２ 検索記号テーブル １３２ 記号テーブル作成部 １３３、６２３ 確定記号テーブル １３４、６２４ データ保持部 １４０、６３０ 信号処理部 ５０１、５０２、５０３ 確定記号テーブルの記録情報
構成例

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 符号化データ群中に任意に混在する特定
   記号を検索して符号化データの復号処理をする復号装置
   において、 検索すべき特定記号を指定する検索記号指定手段と、 指定された特定記号を検索する複数の記号検索手段と、 前記記号検索手段により検索された特定記号に関する情
   報を記録する記号テーブル作成手段と、を具備し、 前記複数の記号検索手段が、前記符号化データ群を前記
   記号検索手段と同数の検索範囲に分割し、分割された前
   記検索範囲のそれぞれについて前記検索記号指定手段で
   指定された特定記号を検索する、ことを特徴とする復号
   装置。
2. 【請求項２】 前記記号テーブル作成手段が、特定記号
   が検索される度に、検索された情報に基づき並べ替え処
   理を行うことを特徴とする請求項１記載の復号装置。
3. 【請求項３】 前記記号テーブル作成手段が、特定記号
   が検索される度に、検索された特定記号が示す種別情報
   に基づき並べ替え処理を行うことを特徴とする請求項２
   記載の復号装置。
4. 【請求項４】 符号化データ群中に任意に混在する特定
   記号を検索して符号化データの復号処理をする復号方法
   において、 検索すべき特定符号を指定し、 前記符号化データ群を複数個の検索範囲に分割し、 前記分割されたそれぞれの検索範囲において前記指定さ
   れた特定記号を並行して検索し、 前記検索された特定記号に関する情報を復号処理の参照
   用に記録する、ことを特徴とする復号方法。