JP2002334602A - 発光装置 - Google Patents

発光装置

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JP2002334602A
JP2002334602A JP2002056031A JP2002056031A JP2002334602A JP 2002334602 A JP2002334602 A JP 2002334602A JP 2002056031 A JP2002056031 A JP 2002056031A JP 2002056031 A JP2002056031 A JP 2002056031A JP 2002334602 A JP2002334602 A JP 2002334602A
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久則 杉浦
Hisahide Wakita
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光素子の表面積を飛躍的に大きくして、単
位面積あたりの電流量を低減し、高輝度用途においても
長寿命の光源を提供する。 【解決手段】 一対の電極と、前記電極間に配置した発
光層とを備えた発光素子が、基材上に複数配設され、前
記発光素子の発光面が前記基材に対して立ち上がり方向
に位置している発光装置であって、前記発光素子を帯
状、短冊状、筒状、柱状又は多孔状に形成する。また、
前記発光素子は、各発光素子を複数個積層してなる積層
型発光素子であってもよく、前記発光素子の発光層は、
有機材料からなり、また、異なる発光色を有する複数の
有機材料を含むことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶等のディスプ
レイ用バックライト、室内照明等の照明、又はテレビ等
のディスプレイに用いられる発光装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、有機材料を発光材料とする有機発
光素子について多くの研究報告がなされている。例え
ば、アプライド・フィジックス・レターズ、第51巻9
13頁1987年等である。有機発光素子は面発光とい
う特徴を有し、特に最近では40lm/Wを超える高効
率の有機発光素子が報告され始めた。例えば、平成12
年度応用物理学会春期年会(31a−H−3)等であ
る。これらの研究を元に、従来にはなかった面発光体を
用いた照明装置やディスプレイへの期待が高まってい
る。
【0003】従来の光源は、フィラメントを用いた電球
と、放電現象を利用したランプ等の球状あるいは棒状の
形態であるため、照明器具として用いる場合、主に上方
へ出る光を反射させて下方へ送る反射傘を設けた直接照
明と、光を拡散したり、まぶしさを和らげるため反射皿
を設けた間接照明の2つに分類することができる。一
方、エレクトロルミネッセンス(EL)パネルは面発光
という特徴を有し、これを用いることにより新たな照明
としての展開や、ディスプレイ用光源としての応用が期
待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ELパネルは無機EL
素子と有機EL素子に大別することができるが、有機E
L素子の特徴として、無機EL素子よりも低電圧で駆動
ができ、高効率発光するという利点がある。また、発光
ダイオード(LED)と比較した場合も効率に遜色はな
く、作製が簡易であることから、将来の光源として期待
されている。
【0005】しかしながら、有機EL素子は高輝度用途
において寿命が短いという欠点がある。これは、効率の
点において80lm/W以上の高効率発光する蛍光灯に
比較すれば劣るため、高輝度用途においてはより負荷の
かかった状態での使用を余儀なくされるからである。
【0006】このように、従来の平面構造のままで有機
EL素子を用いたのでは、高輝度用途に耐えうる光源と
しては、寿命が足りないという問題があった。
【0007】一方、有機EL素子の発光面から得られる
光束を増やすためには、表面積を大きくする方法をとる
ことができる。また、有機EL素子の表面積を大きくす
ると光の取り出し効率の改善もある。表面積を大きくす
るためには、例えば、図7に示した発光素子70のよう
に基板71の表面を凹凸に形成する方法、あるいは陽極
72を凹凸にパターニングする方法等があり、その上に
引き続き発光層73、陰極74を形成する。また、図8
に示すように、平面状又は凹凸状の発光素子81、8
2、83を積層して積層型発光素子80を形成する方法
もある。
【0008】しかし、これらの従来の方法では、有機E
L素子の表面積は従来の2〜3倍程度にとどまり、表面
積を飛躍的に増加させることはできないという問題があ
る。
【0009】本発明は前記従来の問題を解決するために
なされたものであり、発光素子の表面積を飛躍的に大き
くすることにより、単位面積あたりの電流量を低減し、
高輝度用途においても長寿命の光源を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の発光装置は、一対の電極と、前記電極間に
配置した発光層とを備えた発光素子が、基材上に複数配
設された発光装置であって、前記発光素子の発光面が前
記基材に対して立ち上がり方向に位置していることを特
徴とする。
【0011】また、本発明の発光装置は、前記発光素子
を帯状に形成することができる。
【0012】また、本発明の発光装置は、前記発光素子
を短冊状に形成することができる。
【0013】また、本発明の発光装置は、前記発光素子
を筒状又は柱状に形成することができる。
【0014】また、本発明の発光装置は、前記発光素子
を多孔状に形成することができる。
【0015】また、本発明の発光装置は、各発光素子を
複数個積層してなる積層型発光素子を用いることができ
る。
【0016】また、本発明の発光装置は、前記発光素子
の発光層が有機材料から形成されていてもよい。
【0017】また、本発明の発光装置は、前記発光素子
の発光層が異なる発光色を有する複数の有機材料を含ん
でいてもよい。
【0018】また、本発明の発光装置は、前記有機材料
が分散されていてもよい。
【0019】また、本発明の発光装置は、前記有機材料
がそれぞれの発光色毎に島状に配置されていてもよい。
【0020】また、本発明の発光装置は、前記発光素子
の発光層が複数の層からなり、それぞれの層は異なる発
光色を有する有機材料からなる層であってもよい。
【0021】また、本発明の発光装置は、前記発光素子
の発光層にホール輸送層を積層していてもよい。
【0022】また、本発明の発光装置は、前記発光素子
の発光層に電子輸送層を積層していてもよい。
【0023】さらに、本発明の発光装置は、一対の電極
と、前記電極間に配置した発光層とを備えた発光素子を
10〜500個積層してなる積層型発光素子を備えたこ
とを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0025】本発明の発光装置は、一対の電極と、前記
電極間に配置した発光層とを備えた発光素子が基材上に
複数配設され、前記発光素子の発光面が前記基材に対し
て立ち上がり方向に位置している。これにより、発光素
子の表面積を飛躍的に大きくすることができ、照度を向
上させることができる。ここで、発光素子の発光面の立
ち上がり方向は、基材面に対して約5〜90°の角度と
することができる。
【0026】具体的には、発光素子を、例えば、帯状、
短冊状、筒状、柱状、多孔状等に形成し、発光素子の発
光面を基材に対して立ち上がり方向にして複数配設すれ
ばよい。また、帯状発光素子を巻き取る、重ねるなどの
多重構造に形成して配設してもよい。更に、発光素子が
配設される基材の部分を反射材とすることにより、より
照度を向上させることができる。
【0027】一方、発光素子の表面積の拡張は、点灯さ
せるための電流の増大を招く。従って、高輝度用途にお
いて平面構造の発光素子では多量の電流が必要となる。
一般に、発光素子の電流−輝度特性は、図9に示すよう
になり、高輝度領域では3倍の電流消費に対し、3L−
L’の輝度の損失が生じる。しかし、本発明によれば、
発光面積を飛躍的に増加させることができるので、光束
を増やすことができ、発光素子の単位面積あたりの電流
量を減らすことができる。図9のグラフを輝度と電流に
対する輝度の変化率、即ち輝度と電流効率とのグラフに
書き直すと図10のようになる。
【0028】図10に示すように高輝度発光時の電流効
率の低下が著しい。そこで、電流に対する輝度の変化率
の高い低輝度領域で動作出力される発光素子の表面積を
増加させることにより、より発光素子の発光効率が高
く、かつ、高い照度が得られることがわかる。これは、
駆動電流で考えると、発光素子に流すことができる最大
の電流値よりも小さい電流値で発光素子を駆動すること
である。具体的には、ほぼ最大の電流値の50%以下が
望ましく、40%又は30%以下であればさらに望まし
い。このように本発明の発光装置は、低輝度かつ低消費
電力でも高い照度を与えることができる。
【0029】なお、最大の電流値とは、発光素子の電流
・電圧特性において電圧を増加したときに電流の増加し
なくなる電圧領域における電流値と考えてもよい。図1
0に示す発光特性のグラフは一例であるが、一般的に輝
度が零に限りなく近づくと電流効率は最大値を示す。本
実施の形態で述べる電流に対する輝度の変化率の最大値
とは、1cd/m2における電流効率を指し、この値に
対して1/3以上となる低輝度領域において動作出力を
行う。また一般的に、発光素子の寿命は発光輝度に反比
例するが、低輝度領域を利用することにより発光素子の
長寿命化の効果も発現される。
【0030】本発明で用いる発光素子としては、通常の
一般的な構成の発光素子を用いることができる。従っ
て、陽極/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(DH構成)の他、陽極/ホール輸送層/発光層/陰極
(SH−A構成)、陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(SH−B構成)、陽極/発光層/陰極(単層構成)等
が可能である。また、各発光素子を複数個積層して一つ
の積層型発光素子を形成してもよい。
【0031】上記発光素子に用いられる基板は、上述し
た基本構成の積層薄膜を担持できるものであれば良く、
これらの基本構成はいずれも基板上に積層される。基板
と対向する側から光を取り出す場合は特に材質、形態等
に制限はない。基板側から光を取り出す場合、上記各層
内で生じた発光を取り出せるように透明ないし半透明の
材料であれば良く、コーニング1737等のガラス、あ
るいはポリエステル、その他の樹脂フィルム等を用い
る。
【0032】発光素子は、少なくとも一方の電極を透明
ないし半透明にすることにより、面発光を取り出すこと
が可能となる。通常、正孔注入電極としての陽極にはI
TO(インジウム錫酸化物)膜を用いることが多い。他
に、酸化錫、Ni、Au、Pt、Pd等が陽極として用
いられる。ITO膜の形成には、その透明性を向上さ
せ、あるいは抵抗率を低下させる目的で、スパッタリン
グ、エレクトロンビーム蒸着、イオンプレーティング等
の成膜方法が採用されている。また、膜厚は必要とされ
るシート抵抗値と可視光透過率から決定されるが、発光
素子では比較的駆動電流密度が高いため、シート抵抗値
を小さくするため100nm以上の厚さで用いられるこ
とが多い。電子注入電極としての陰極には、Tangら
の提案したMgAg合金あるいはAlLi合金など、仕
事関数が低く電子注入障壁の低い金属と、比較的仕事関
数が大きく安定な金属との合金が用いられることが多
い。また、仕事関数の低い金属を有機層側に成膜し、こ
の低仕事関数金属を保護する目的で、仕事関数の大きな
金属を厚く積層してもよく、Li/Al、LiF/Al
のような積層電極を用いることができる。前記積層型発
光素子とする場合には、両方の電極を透明又は半透明と
する必要がある。この時の陰極は、上記ITO膜の他、
酸化錫、Ni、Au、Pt、Pd、MgAg合金、Ag
PdCu合金等の薄膜を用いることができる。発光材料
が有機材料である場合には、有機層が損傷を受ける恐れ
があることから、ジリチウムフタロシアニン等のフタロ
シアニン誘導体や、ピラザボール誘導体とアルカリ金属
の混合層等を設けることが好ましい。これらの陰極の形
成には蒸着法やスパッタリング法が好ましい。
【0033】ホール輸送層を構成する材料としては、ト
リフェニルアミンを基本骨格として持つ誘導体が好まし
い。例えば、テトラフェニルベンジジン化合物、トリフ
ェニルアミン3量体、トリフェニルアミン4量体、ベン
ジジン2量体が挙げられる。また、トリフェニルジアミ
ン誘導体、あるいはMTPD(N,N’−ジフェニル−
N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビ
フェニル−4,4’−ジアミン)でもよい。特に、トリ
フェニルアミン4量体が好ましい。
【0034】電子輸送層を構成する材料としては、トリ
ス(8−キノリノラト)アルミニウム(以下、Alqと
いう)が好ましい。他の例として、トリス(4−メチル
−8−キノリノラト)アルミニウム等の金属錯体、3−
(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマ
リン等が挙げられる。電子輸送層の膜厚は、10〜10
00nmとすることが好ましい。
【0035】本発明で用いる発光層を構成する材料とし
ては、上記Alqやその誘導体の他、4,4’−ビス
(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル、テトラフェ
ニルポルフィン等の低分子材料、ポリ(p−フェニレン
ビニレン)、ポリフルオレン等の高分子材料を用いるこ
とができる。また、発光効率の改善や、発光色を変化さ
せるため、レーザー色素などの発光材料をドープしても
よく、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム、
2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチ
ルポルフィリン白金(II)等の燐光発光性の重金属錯
体を用いてもよい。なお、ホール輸送能や電子輸送能の
改善のため、上記ホール輸送材料や電子輸送材料が混合
して存在してもよい。さらに、無機蛍光体等を用いても
よく、高分子マトリックス中に分散するなどして塗布形
成することもできる。発光層は、赤、青、緑、黄等、各
色を発する単一材料のみであってもよく、同一層に複数
の材料を含有させて混合色を取り出すこともできる。ま
た、例えばCRT等の表示装置のように、同一層を島状
に分離して発光色ごとに配置してもよい。さらには、そ
れぞれの発光色ごとに層を分離して積層し、それぞれの
層からの発光色を重ね合わせる積層構成としてもよい。
【0036】上述のホール輸送層、電子輸送層、発光層
の各層については、アモルファス状態の均質な膜を形成
することが望ましく、真空蒸着法による成膜が好まし
い。さらに、真空中で連続して各層を形成することによ
り、各層間の界面に不純物が付着するのを防ぐことによ
って、動作電圧の低下、高効率化、長寿命化といった特
性の改善を図ることができる。また、これら各層を真空
蒸着法により形成するにあたり、一層に複数の化合物を
含有させる場合、化合物を入れた各ボートを個別に温度
制御して共蒸着することが好ましいが、あらかじめ混合
したものを蒸着しても良い。さらに、この他の成膜方法
として、溶液塗布法、ラングミュア・ブロジェット(L
B)法などを用いることもできる。溶液塗布法ではポリ
マー等のマトリクス物質中に各化合物を分散させる構成
としても良い。
【0037】また、本発明で上記発光素子を配設する基
材としては、アクリル、塩化ビニル、ポリプロピレン、
ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂、メラミン、フェノ
ール樹脂等の熱硬化性樹脂、ガラス、又はステンレス等
の金属材料等を用いることができる。
【0038】さらに、一対の電極と、前記電極間に配置
した発光層とを備えた発光素子を10〜500個積層し
てなる積層型発光素子を備えた発光装置とすることによ
り、発光素子の表面積を飛躍的に大きくでき、単位面積
あたりの電流量を低減して高輝度用途においても長寿命
の光源を提供することができる。
【0039】本実施の形態の発光装置は、上記高効率の
発光素子を用いることにより、面発光の新規な光源とし
て新たな照明空間を創出することができる。また、液晶
ディスプレイ等の表示装置においても、白色光源あるい
は単色光源等のバックライトとして適用することができ
る。さらに、テレビ等のディスプレイにも用いることが
できる。
【0040】
【実施例】次に具体的な実施例に基づいてさらに本発明
を詳細に説明する。
【0041】(実施例1)縦1m、横1m、厚み0.3
mmのポリカーボネート基板に、透明陽極としてITO
を成膜した後、発光層としてポリ(p−フェニレンビニ
レン)を80nmの厚さに塗布し、電子注入陰極として
Caを10nmの厚さに蒸着し、さらに陰極としてAl
を100nmの厚さに蒸着して、発光フィルムを作成し
た。この発光フィルムを縦5cm、横30cmの帯状に
切り出し、帯状発光素子を作成した。次に、図1に示す
ように、この帯状発光素子10の長手方向を、金属反射
面を有する縦30cm、横25cmのアクリル樹脂製の
基材11の溝状固定具(図示せず。)に差し込んで固定
して、本発明の発光装置12を作成した。この時、帯状
発光素子の発光面が前記基材に対して垂直方向に位置す
るように配設した。また、各帯状発光素子の配置間隔は
5mmとし、配置枚数は50枚とした。
【0042】本発光装置の発光効率は15lm/Wであ
り、面光源として光らせた単一発光素子の発光効率に比
べて約1.5倍の高効率化が実現できた。これは、本発
明で用いた発光素子の端面発光の影響によるものであ
る。また、光源としての領域面積(基材の面積)は75
0cm2であるのに対し、発光素子の発光面の総面積は
7500cm2であり、10倍の面積増加を図ることが
できた。これにより、各発光素子の発光輝度を1/10
としても所望の照度を得ることができた。
【0043】また、有機発光素子の特性として、低輝度
側ほど電流効率(cd/A)が高いことから、本発光装
置は長寿命化の効果もある。即ち、1m離れた法線照度
を100lxとしたときの本発光装置の寿命は1200
0時間であり、縦30cm、横25cmの面発光素子で
同一の照度を得たときの約13倍の寿命であった。
【0044】部分照明、間接照明といった用途では、本
実施例のように発光装置は10cmオーダーの大きさか
ら、1mオーダーの大きさまで作成可能となる。本発明
によれば、例えば壁面、天井面といった大面積を覆う形
態をとることができ、10mオーダーでも作成可能であ
る。この時の帯状発光素子の長軸方向の長さは、取り付
ける基材の大きさに合せて任意に設定することができ、
波状、渦巻き状などの取り付け形態により、十分な長さ
を確保することができる。なお、短軸方向の長さは基材
の大きさの20%程度までとすることが好ましい。
【0045】(実施例2)縦30cm、横40cm、厚
み0.5mmのガラス基板に、透明陽極としてITOを
成膜した後、N,N’−ビス(4’−ジフェニルアミノ
−4−ビフェニリル)−N,N’−ジフェニルベンジジ
ンからなる50nmの厚さのホール輸送層を形成し、続
いて発光層として4,4’−ビス(カルバゾール−9−
イル)−ビフェニルとトリス(2−フェニルピリジン)
イリジウムとを95:5の質量比で30nmの厚さに蒸
着し、ブロッキング層として(ビフェニル−4−オラ
ト)ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウ
ムを10nmの厚さに蒸着し、電子輸送層としてトリス
(8−キノリノラト)アルミニウムを20nmの厚さに
蒸着し、さらに厚さ1nmのLiと厚さ100nmのA
lからなる積層陰極を形成して、発光板を作成した。こ
の発光板を縦0.8cm、横1.2cmの短冊状に切り
出し、短冊状発光素子を作成した。次に、図2に示すよ
うに、この短冊状発光素子20の短軸方向を、金属反射
面を有する縦3cm、横4cmのアクリル樹脂製の基材
21の溝状固定具(図示せず。)に差し込んで固定し
て、本発明の発光装置22を作成した。この時、短冊状
発光素子の発光面が前記基材に対して垂直方向に位置す
るように配設した。また、各短冊状発光素子は、短軸方
向の間隔を2mm、発光面側の間隔を10mmとして3
列に配置し、配置枚数は63枚とした。
【0046】本発光装置の発光効率は30lm/Wであ
り、面光源として光らせた単一発光素子の発光効率に比
べて約1.6倍の高効率化が実現できた。これは、本発
明で用いた発光素子の端面発光の影響によるものであ
る。また、光源としての領域面積(基材の面積)は12
cm2であるのに対し、発光素子の発光面の総面積は6
0.5cm2であり、約5倍の面積増加を図ることがで
きた。これにより、各発光素子の発光輝度を1/5とし
ても所望の照度を得ることができた。
【0047】また、有機発光素子の特性として、低輝度
側ほど電流効率(cd/A)が高いことから、本発光装
置は長寿命化の効果もある。即ち、1m離れた法線照度
を100lxとしたときの本発光装置の寿命は1500
0時間であり、縦3cm、横4cmの面発光素子で同一
の照度を得たときの約6倍の寿命であった。
【0048】本実施例は小型の発光光源に対する適用で
あるが、実施例1と同様に大きな照明用途としても用い
ることができる。いずれの場合も、短冊状の長軸方向
は、基材の大きさの20%程度までとすることが好まし
い。
【0049】(実施例3)内径2mm、長さ50cm、
厚み0.2mmのストロー状のポリカーボネートに、透
明陽極としてITOを成膜した後、オリゴチオフェンの
塗液中に浸漬してディップコートにより発光層を形成
し、乾燥後に透明陰極として厚さ10nmのMgAg合
金(MgとAgの質量比は10:1)と厚さ100nm
のITOからなる積層電極を形成し、さらに保護膜とし
て厚さ1μmのSiNを成膜して、発光管を作成した。
この発光管を1cmの長さの筒状に切り出し、筒状発光
素子を作成した。次に、図3に示すように、この筒状発
光素子30を、金属反射面を有する縦3cm、横3cm
のステンレス製の基材31に設けた円柱状突起の固定具
(図示せず。)に差し込んで固定して、本発明の発光装
置32を作成した。各筒状発光素子は、5mmのピッチ
で7列に配置し、配置数は49個とした。
【0050】本発光装置の発光効率は8lm/Wであ
り、面光源として光らせた単一発光素子の発光効率に比
べて約1.5倍の高効率化が実現できた。これは、本発
明で用いた発光素子の端面発光の影響によるものであ
る。また、光源としての領域面積(基材の面積)は9c
2であるのに対し、発光素子の発光面の総面積は3
6.9cm2であり、約4倍の面積増加を図ることがで
きた。これにより、各発光素子の発光輝度を1/4とし
ても所望の照度を得ることができた。
【0051】また、有機発光素子の特性として、低輝度
側ほど電流効率(cd/A)が高いことから、本発光装
置は長寿命化の効果もある。即ち、1m離れた法線照度
を100lxとしたときの本発光装置の寿命は8000
時間であり、縦3cm、横3cmの面発光素子で同一の
照度を得たときの約4倍の寿命であった。
【0052】本実施例ではストロー状のポリカーボネー
トを使用したが、柱状のものを使用してもよい。また、
その材質はガラスであってもよく、金属であってもよ
い。金属の場合はそれ自体を電極とすることができる。
【0053】(実施例4)半径2mmの円形状で深さ
1.5cmの穴を1mm間隔で形成した多孔状基板を、
ポリカーボネートで成型加工した。この多孔状基板の穴
を有する面に厚さ200nmのAlを蒸着し、引き続き
厚さ1nmのLiを蒸着して陰極とした。続いて、電子
輸送層としてトリス(8−キノリノラト)アルミニウム
を40nmの厚さに蒸着し、ブロッキング層として(ビ
フェニル−4−オラト)ビス(2−メチル−8−キノリ
ノラト)アルミニウムを10nmの厚さに蒸着し、発光
層として4,4’−ビス(カルバゾール−9−イル)−
ビフェニルとトリス(2−フェニルピリジン)イリジウ
ムとを95:5の質量比で30nmの厚さに蒸着し、
N,N’−ビス(4’−ジフェニルアミノ−4−ビフェ
ニリル)−N,N’−ジフェニルベンジジンからなる5
0nmの厚さのホール輸送層を形成した。さらに、透明
陽極としてITOを成膜した後、保護膜として厚さ1μ
mのSiNを成膜し、最後にシクロオレフィンポリマー
で多孔状基板の穴を充填して、多孔状発光素子を有する
発光板を作成した。この発光板を縦6cm、横6cmの
角形に切り出し、本発明の発光装置を作成した。
【0054】本発光装置の発光効率は22lm/Wであ
り、光源としての領域面積(多孔状基板の面積)は36
cm2であるのに対し、本発光装置の発光面の総面積は
171.6cm2であり、約4.8倍の面積増加を図る
ことができた。これにより、平面基板を用いたときに比
べて、発光輝度を1/5としても所望の照度を得ること
ができた。
【0055】また、有機発光素子の特性として、低輝度
側ほど電流効率(cd/A)が高いことから、本発光装
置は長寿命化に対しても効果が大きい。即ち、1m離れ
た法線照度を100lxとしたときの本発光装置の寿命
は8500時間であり、縦6cm、横6cmの平面発光
素子で同一の照度を得たときの約4倍の寿命であった。
【0056】(他の実施例)図4は、実施例1で作製し
た帯状発光素子40を巻き取って多重構造に形成し、そ
の帯状発光素子40を基材41の上に配設して本発明の
発光装置42としたものである。
【0057】また、図5は、実施例1で作製した帯状発
光素子50を大きく巻き取って多重構造に形成し、その
帯状発光素子50を基材51の上に配設して本発明の発
光装置52としたものである。
【0058】さらに、図6は、実施例1で作製した帯状
発光素子60を複数重ねて多重構造に形成し、その帯状
発光素子60を基材61の上に配設して本発明の発光装
置62としたものである。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の発光装置
は、一対の電極と、前記電極間に配置した発光層とを備
えた発光素子が、基材上に複数配設され、前記発光素子
の発光面を前記基材に対して立ち上がり方向に位置させ
ることにより、発光素子の表面積を大きくして、単位面
積あたりの電流量を低減し、高輝度用途においても長寿
命の光源を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】帯状発光素子を用いた本発明の発光装置の外観
図である。
【図2】短冊状発光素子を用いた本発明の発光装置の外
観図である。
【図3】筒状発光素子を用いた本発明の発光装置の外観
図である。
【図4】帯状発光素子を巻き取って多重構造とした本発
明の発光装置の外観図である。
【図5】帯状発光素子を大きく巻き取って多重構造とし
た本発明の発光装置の外観図である。
【図6】帯状発光素子を重ねて多重構造とした本発明の
発光装置の外観図である。
【図7】凹凸状発光フィルムを用いた従来の発光素子の
断面図である。
【図8】積層型の従来の発光素子の断面図である。
【図9】発光素子の電流−輝度特性を示す図である。
【図10】発光素子の輝度−電流効率特性を示す図であ
る。
【符号の説明】
10,20,30,40,50,60,70 発光素子 11,21,31,41,51,61 基材 12,22,32,42,52,62 発光装置 71 基板 72 陽極 73 発光層 74 陰極 80 積層型発光素子 81,82,83 発光素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉浦 久則 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 脇田 尚英 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB02 AB03 AB11 DB03

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極と、前記電極間に配置した発
    光層とを備えた発光素子が、基材上に複数配設された発
    光装置であって、前記発光素子の発光面が前記基材に対
    して立ち上がり方向に位置していることを特徴とする発
    光装置。
  2. 【請求項2】 前記発光素子が、帯状に形成されている
    請求項1に記載の発光装置。
  3. 【請求項3】 前記発光素子が、短冊状に形成されてい
    る請求項1に記載の発光装置。
  4. 【請求項4】 前記発光素子が、筒状又は柱状に形成さ
    れている請求項1に記載の発光装置。
  5. 【請求項5】 前記発光素子が、多孔状に形成されてい
    る請求項1に記載の発光装置。
  6. 【請求項6】 前記発光素子が、各発光素子を複数個積
    層してなる積層型発光素子である請求項1に記載の発光
    装置。
  7. 【請求項7】 前記発光素子の発光層が、有機材料から
    なる請求項1に記載の発光装置。
  8. 【請求項8】 前記発光素子の発光層が、異なる発光色
    を有する複数の有機材料を含む請求項1に記載の発光装
    置。
  9. 【請求項9】 前記有機材料が、分散されている請求項
    7に記載の発光装置。
  10. 【請求項10】 前記有機材料が、それぞれの発光色毎
    に島状に配置されている請求項8に記載の発光装置。
  11. 【請求項11】 前記発光素子の発光層が複数の層から
    なり、それぞれの層は異なる発光色を有する有機材料か
    らなる層である請求項1に記載の発光装置。
  12. 【請求項12】 前記発光素子の発光層にホール輸送層
    を積層した請求項1に記載の発光装置。
  13. 【請求項13】 前記発光素子の発光層に電子輸送層を
    積層した請求項1に記載の発光装置。
  14. 【請求項14】 一対の電極と、前記電極間に配置した
    発光層とを備えた発光素子を10〜500個積層してな
    る積層型発光素子を備えたことを特徴とする発光装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005350361A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Canon Inc 細孔を有する有機金属錯体の配向膜およびその製造方法
JP2006302582A (ja) * 2005-04-18 2006-11-02 Sony Corp バックライト装置およびカラー液晶表示装置
JP2009205809A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Panasonic Electric Works Co Ltd 照明装置
JP2012524368A (ja) * 2009-04-17 2012-10-11 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 高い明度を有する、透明な有機発光デバイス
JP2015215995A (ja) * 2014-05-09 2015-12-03 株式会社小糸製作所 車輌用灯具

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