JP2002334220A - 商業手形分析装置、ポートフォリオ作成装置、方法及び記録媒体 - Google Patents

商業手形分析装置、ポートフォリオ作成装置、方法及び記録媒体

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JP2002334220A
JP2002334220A JP2001137351A JP2001137351A JP2002334220A JP 2002334220 A JP2002334220 A JP 2002334220A JP 2001137351 A JP2001137351 A JP 2001137351A JP 2001137351 A JP2001137351 A JP 2001137351A JP 2002334220 A JP2002334220 A JP 2002334220A
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JP2001137351A
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Hideki Aihara
秀樹 合原
Kazuji Fukuda
和司 福田
Kuniko Tokita
邦子 時田
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MUFG Bank Ltd
Original Assignee
Bank of Tokyo Mitsubishi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の条件を満たす最適なポートフォリオを
作成する。 【解決手段】 複数の商業手形から手形残高の全額又は
一部を各々抽出して組み合わせることで商業手形のポー
トフォリオを作成するにあたり、ポートフォリオの金額
規模Sとして、最適と推定される値より明らかに小さい
初期値SINITを代入し(168)、金額規模S及び集中度の
上限CMAXに基づき個々の商業手形の手形残高からの抽
出金額の上限CAPを求め(170)、上限CAPを適用し
たときのポートフォリオの金額規模SAを求め(172〜18
4)、金額規模Sと金額規模SAを比較して演算結果が収
束したか否か判定する(186)。収束していない場合はS
AをSに代入し、(170)以降の処理を繰り返す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は商業手形分析装置,
ポートフォリオ作成装置、方法及び記録媒体に係り、特
に、商業手形群に対して統計的な分析を行う商業手形分
析装置、商業手形のポートフォリオを作成するポートフ
ォリオ作成装置、前記商業手形分析装置に適用可能な商
業手形分析方法、前記ポートフォリオ作成装置に適用可
能なポートフォリオ作成方法、コンピュータを前記商業
手形分析装置として機能させるためのプログラムが記録
された記録媒体、及び、コンピュータを前記ポートフォ
リオ作成装置として機能させるためのプログラムが記録
された記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、資金調達の一手段として注目を浴
びている「債権流動化」は、企業が保有する資産をオフ
バランス化し、金融商品化して投資家に売却する資金調
達の方法であり、自己資本比率や負債比率の改善にも繋
がるという利点を有している。一方、近年のBIS(自
己資本比率)規制により、国際活動を行なう金融機関に
対しては所定比率以上の自己資本の保有が求められてお
り、金融機関の自己資本比率改善の一手段として、金融
機関が保有している商業手形等の一般貸付債権を流動化
することも行われている。
【0003】なお、参考までに特開平11−96247
号公報には、手形を用いない決済方式である一括ファク
タリング方式において、売掛債権買取資金を当該売掛債
権を流動化することにより調達しようとする場合に、タ
イムリーな資金調達を可能とし、事務手続きの負担を軽
減するための技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】金融機関が保有する一
般貸付債権の流動化は、流動化対象の個々の債権の信用
力に基づいて多数の債権をプールして流動化する、所謂
「多数債権型」が一般的であるが、本願出願人は、クレ
ジットデリバティブの考え方を応用し、金融機関が保有
している商業手形を参照債務とする債権契約(クレジッ
ト・プロテクション)を投資家との間で締結する、とい
う流動化手法を新たに開発した。
【0005】具体的には、保有している商業手形群から
金融機関が商業手形のポートフォリオを作成し、この商
業手形のポートフォリオで所定期間内に生じる損失につ
いて、一定の劣後額(この部分を劣後部分という)まで
は金融機関が負担し、劣後額を越える損失が生じた場合
には投資家に負担を求めると共に、劣後部分を越える部
分(優先部分という)の信用リスクを投資家が負担する
対価として、金融機関が投資家にプレミアムを支払うも
のである。このクレジット・プロテクションによれば、
投資家への商業手形の譲渡を伴わずに商業手形の保有リ
スクを移転することができる。
【0006】但し、クレジット・プロテクションについ
ても、投資家による投資を喚起するために、金融機関が
作成した商業手形のポートフォリオに対して格付け機関
に格付け(信用リスクの評価)を行ってもらい、ポート
フォリオに対する格付けを信用リスクの判断材料として
投資家に提供する必要がある。ポートフォリオに対する
格付けのランクは、クレジット・プロテクションにおけ
る劣後額やプレミアムを左右する非常に重要な事項であ
り、格付けに際しては、「多数債権型」のように個々の
手形債務者(割引依頼人・振出人)の信用力をチェック
する必要はないものの、統計的な分析を用いてポートフ
ォリオ全体の信用リスクを推定する必要がある。
【0007】このため金融機関としては、ポートフォリ
オの作成にあたり、まず金融機関自身が保有する全ての
商業手形から或る商業手形群に対して各種の統計的な分
析を行い、分析結果を格付け機関に提出することで、商
業手形群全体の信用リスクの推定を依頼する。そして、
より高ランクの格付けが得られる商業手形のポートフォ
リオが具備しているべき条件について格付け機関より教
示を受け、教示を受けた条件を満たすようにポートフォ
リオを作成することが望ましい。
【0008】ここで、商業手形の決済及び買戻しができ
ない状態になること(以下、デフォルトという)は、商
業手形を振出した手形振出人の破綻に伴って手形振出人
による手形の決済が困難になり、かつ該商業手形を金融
機関に持ち込んだ割引依頼人の破綻に伴って割引依頼人
による手形買戻債務の履行も困難になることによって発
生するので、手形振出人及び割引依頼人の少なくとも一
方が関連している商業手形(例えば単一の法人の別の事
業所(例えば本社と支社)によって振出されるか、割引
依頼がなされた商業手形)についてはデフォルトが同時
に発生する可能性が高い。
【0009】このため、商業手形群の信用リスクを推定
するにあたっては、上記のようにデフォルトが同時に発
生する可能性が高い商業手形の存在を考慮した分析も行
うことが望ましい。しかしながら、金融機関が保有して
いる商業手形は例えば数十万枚等の膨大な数に上り、手
形振出人や割引依頼人の数も膨大な数に上ると共に、相
互に関連する手形振出人、割引依頼人の関係について
も、例えば同一法人の本社と支社以外にも、親会社と子
会社であったり、その他の関連会社であったり等のよう
に関係の深さも一定ではない。このため、デフォルトが
同時に発生する可能性が高い商業手形の存在を考慮した
適切な分析を行うことは困難であるのが実情であった。
【0010】また、高ランクの格付けが得られる商業手
形のポートフォリオが具備しているべき条件は、具体的
には「ポートフォリオ全体の金額規模に対する個々の商
業手形の金額比率の上限を所定値以下に抑制する」とい
う形で与えられる。一方、金融機関としては、作成する
ポートフォリオに対して「金額規模をなるべく大きくす
る」という条件を課すことにより、保有している商業手
形群全体の金額規模に対し、クレジット・プロテクショ
ンによって流動化する部分の金額規模をなるべく大きく
したい、という要求もある。
【0011】しかし、先にも述べたように、金融機関が
保有している商業手形は膨大な数に上るので、上記のよ
うな条件を満たしたポートフォリオの作成には、多大な
困難が伴うことが容易に推察でき、最適なポートフォリ
オを容易に作成できる技術の確立が求められていた。
【0012】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、デフォルトが同時に発生する可能性が高い商業手形
の存在を考慮した商業手形群の適切な分析が可能な商業
手形分析装置、方法及び記録媒体を得ることが第1の目
的である。
【0013】また本発明は、所定の条件を満たす最適な
ポートフォリオを容易に作成できるポートフォリオ作成
装置、方法及び記録媒体を得ることが第2の目的であ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の目的を達成するた
めに請求項1記載の発明に係る商業手形分析装置は、相
互に関連する手形支払人の関係が予め定められた複数種
の関係区分のうちの何れに属するかを表す支払人関係区
分情報、及び、相互に関連する割引依頼人の関係が前記
複数種の関係区分のうちの何れに属するかを表す依頼人
関係区分情報の少なくとも一方を記憶する第1記憶手段
と、分析対象の商業手形群を構成する各商業手形につい
て、金額を表す情報と、手形支払人及び割引依頼人の少
なくとも一方を表す情報を各々記憶する第2記憶手段
と、商業手形の金額を統合すべき手形支払人又は割引依
頼人の関係を前記関係区分で指定するための指定手段
と、前記第1記憶手段に記憶されている支払人関係区分
情報又は依頼人関係区分情報に基づいて、前記第2記憶
手段に記憶されている各商業手形の金額のうち、手形支
払人が前記指定手段を介して指定された関係区分に相当
する関係を有している複数の商業手形の金額、又は割引
依頼人が前記指定された関係区分に相当する関係を有し
ている複数の商業手形の金額を、単一のグループ銘柄に
統合する第1統合手段と、前記商業手形群全体の金額規
模に対する、前記第1統合手段による統合を経た商業手
形の各銘柄毎の金額の比率を演算する第1演算手段と、
前記第1演算手段による演算結果を出力する第1出力手
段と、を含んで構成されている。
【0015】請求項1記載の発明では、相互に関連する
手形支払人(約束手形における手形振出人、為替手形に
おける手形引受人)の関係が予め定められた複数種の関
係区分のうちの何れに属するかを表す支払人関係区分情
報、及び、相互に関連する割引依頼人の関係が前記複数
種の関係区分のうちの何れに属するかを表す依頼人関係
区分情報の少なくとも一方が第1記憶手段に記憶されて
いる。なお、複数種の関係区分としては、例えば「本人
(個人、法人の何れでも可)」「本人取引と別に管理す
べき支社/本社や工場」「子会社/親会社」「関連会
社」「本人の連帯保証人」「本人(法人)の役員及びそ
の家族」等の関係区分を用いることができる。また、上
記以外の別の関係区分を用いても良い。
【0016】また、第2記憶手段には、分析対象の商業
手形群を構成する各商業手形について、金額を表す情報
と、手形支払人及び割引依頼人の少なくとも一方を表す
情報を各々記憶する。また分析対象の商業手形群は、例
えば金融機関が保有する全ての商業手形から成る商業手
形群であってもよいし(この場合「手形の金額」として
は手形残高を用いることができる)、複数の商業手形か
ら手形残高の全額又は一部を各々抽出して組み合わせる
ことで作成した商業手形のポートフォリオであってもよ
い(この場合「手形の金額」としては手形残高からの抽
出金額を用いることができる)。
【0017】また請求項1記載の発明では、商業手形の
金額を統合すべき手形支払人又は割引依頼人の関係が指
定手段を介して前記関係区分で指定され、第1統合手段
は、第1記憶手段に記憶されている支払人関係区分情報
又は依頼人関係区分情報に基づいて、第2記憶手段に記
憶されている各商業手形の金額のうち、手形支払人が指
定手段を介して指定された関係区分に相当する関係を有
している複数の商業手形の金額、又は割引依頼人が前記
指定された関係区分に相当する関係を有している複数の
商業手形の金額を、単一のグループ銘柄に統合する。
【0018】複数の商業手形のデフォルトが同時に発生
する確率は、それぞれの商業手形の手形支払人又は割引
依頼人の関係に大きく依存するが、上記のように、請求
項1記載の発明では、商業手形の金額を統合すべき手形
支払人又は割引依頼人の関係を指定可能とされており、
商業手形の金額を統合すべき手形支払人又は割引依頼人
の関係として、例えば先に一例として挙げた複数種の関
係区分のうち「本人」及び「本人取引と別に管理すべき
支社/本社や工場」が指定された場合には、単一の法人
内の本社や支社、工場で振出又は引受されるか、又は割
引依頼がなされた複数の商業手形についてのみ、単一の
グループ銘柄として金額が統合されることになる。
【0019】また、商業手形の金額を統合すべき手形支
払人又は割引依頼人の関係として、例えば先に一例とし
て挙げた複数種の関係区分のうち「本人」「本人取引と
別に管理すべき支社/本社や工場」「子会社/親会社」
及び「関連会社」が各々指定された場合には、単一の企
業グループ内の各法人の本社や支社、工場で振出又は引
受されるか、又は割引依頼がなされた全ての商業手形
が、単一のグループ銘柄として金額が統合されることに
なる。
【0020】そして請求項1記載の発明では、商業手形
群全体の金額規模に対する、第1統合手段による統合を
経た商業手形の各銘柄(この銘柄には、単一の商業手形
から成る銘柄や複数の商業手形から成る銘柄、上述した
グループ銘柄等が含まれる)毎の金額の比率が第1演算
手段によって演算され、第1演算手段による演算結果が
第1出力手段によって出力される(第1統合手段による
統合を経た商業手形の各銘柄毎の金額や、手形支払人及
び割引依頼人の少なくとも一方の名称等も併せて出力す
るようにしてもよい)。
【0021】従って、請求項1記載の発明によれば、商
業手形の金額を統合すべき手形支払人又は割引依頼人の
関係を適切に指定し、出力された演算結果を参照するこ
とにより、分析対象の商業手形群に対し、デフォルトが
同時に発生する可能性が高い商業手形の存在を考慮した
適切な分析を行うことができる。
【0022】第2の目的を達成するために請求項2記載
の発明に係るポートフォリオ作成装置は、商業手形群を
構成する各商業手形から手形支払人又は割引依頼人が同
一である個別銘柄毎に残高の全額又は一部を抽出して組
み合わせることによって作成したポートフォリオ全体の
金額規模に対し、前記個別銘柄毎の抽出金額が占める比
率の最大値を設定するための設定手段と、ポートフォリ
オ作成対象の商業手形群の個別銘柄毎の残高を表す個別
銘柄残高情報を記憶する第3記憶手段と、与えられたポ
ートフォリオ全体の金額規模と前記設定手段を介して設
定された比率の最大値に基づいて、各個別銘柄の残高か
ら抽出可能な上限金額を演算する第2演算手段と、前記
個別銘柄残高情報に基づいて、各個別銘柄のうち、残高
が前記第2演算手段によって演算された上限金額に満た
ない個別銘柄については残高の全額を抽出し、残高が前
記上限金額以上の個別銘柄については残高から上限金額
を抽出して組み合わせることで商業手形のポートフォリ
オを作成したときの、ポートフォリオ全体の金額規模を
演算する第3演算手段と、前記第2演算手段に金額規模
の初期値を与えた後に、前記第3演算手段によって演算
された金額規模を第2演算手段に与えた金額規模と比較
することで、金額規模の演算結果が収束したか否かを判
定し、金額規模の演算結果が収束していないと判断した
場合には第3演算手段によって演算された金額規模を第
2演算手段に与えることを繰り返す制御手段と、前記制
御手段によって金額規模の演算結果が収束したと判断さ
れたときのポートフォリオを特定するための情報を出力
する第2出力手段と、を含んで構成されている。
【0023】請求項2記載の発明では、作成するポート
フォリオが満たすべき条件の1つとして、商業手形群を
構成する各商業手形から手形支払人又は割引依頼人が同
一である個別銘柄毎に残高の全額又は一部を抽出して組
み合わせることによって作成したポートフォリオ全体の
金額規模に対し、前記個別銘柄毎の抽出金額が占める比
率の最大値が設定手段を介して設定される。また、ポー
トフォリオ作成対象の商業手形群の個別銘柄毎の残高を
表す個別銘柄残高情報が第3記憶手段に記憶される。
【0024】また第2演算手段は、与えられたポートフ
ォリオ全体の金額規模と設定手段を介して設定された比
率の最大値に基づいて、各個別銘柄の残高から抽出可能
な上限金額を演算し、第3演算手段は、個別銘柄残高情
報に基づいて、各個別銘柄のうち、残高が第2演算手段
によって演算された上限金額に満たない個別銘柄につい
ては残高の全額を抽出し、残高が第2演算手段によって
演算された上限金額以上の個別銘柄については残高から
前記上限金額を抽出して組み合わせることで商業手形の
ポートフォリオを作成したときの、ポートフォリオ全体
の金額規模を演算する。
【0025】また制御手段は、第2演算手段に金額規模
の初期値(例えば最適なポートフォリオのおおよその金
額規模に対し、明らかに小さい又は明らかに大きい値)
を与えた後に、第3演算手段によって演算された金額規
模を第2演算手段に与えた金額規模と比較することで、
金額規模の演算結果が収束したか否かを判定し、金額規
模の演算結果が収束していないと判断した場合には第3
演算手段によって演算された金額規模を第2演算手段に
与えることを繰り返す。
【0026】これにより、第3演算手段による金額規模
の演算結果は、第2演算手段に与えた金額規模に対し、
当初は所定値以上の差が生ずることになるが、第3演算
手段によって演算された金額規模を第2演算手段に与え
ることが繰り返されることで、第3演算手段によって演
算された金額規模は最適なポートフォリオ(ポートフォ
リオ全体の金額規模に対する個別銘柄毎の抽出金額が占
める比率の最大値が設定された最大値に一致しかつ全体
の金額規模が最大のポートフォリオ)の金額規模に近づ
いていき、最終的には、最適なポートフォリオの金額規
模に一致又は略一致する値に収束する。
【0027】そして、制御手段によって金額規模の演算
結果が収束したと判断されたときのポートフォリオを特
定するための情報(例えば第2演算手段によって演算さ
れた上限金額及び第3演算手段によって演算された金額
規模を表す情報のみであってもよいし、ポートフォリオ
を構成する各商業手形又は個別銘柄毎の抽出金額や、ポ
ートフォリオ全体の金額規模に対する個別銘柄毎の抽出
金額の比率を表す情報等が付加されていてもよい)が第
2出力手段によって出力されることになる。
【0028】このように、請求項2記載の発明によれ
ば、作成するポートフォリオが満たすべき条件として、
ポートフォリオ全体の金額規模に対する個別銘柄毎の抽
出金額の比率の最大値を設定手段を介して設定すれば、
上述した簡易なアルゴリズムに基づいて、設定した条件
を満たす最適なポートフォリオが作成されるので、ポー
トフォリオ作成対象の商業手形群を構成する商業手形の
数が非常に多い場合にも、所定の条件を満たす最適なポ
ートフォリオを容易に作成することができる。
【0029】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、ポートフォリオ作成対象の商業手形群を構
成する各商業手形について、残高を表す情報と、手形支
払人及び割引依頼人の少なくとも一方を表す情報を各々
記憶する第4記憶手段と、相互に関連する手形支払人を
関連付ける情報、及び、相互に関連する割引依頼人を関
連付ける情報の少なくとも一方を記憶する第5記憶手段
と、前記第4記憶手段に記憶されている各商業手形の残
高のうち、手形支払人が前記第5記憶手段に記憶されて
いる情報によって関連付けられている複数の商業手形の
残高、又は割引依頼人が前記第5記憶手段に記憶されて
いる情報によって関連付けられている複数の商業手形の
残高を単一のグループ銘柄に統合し、前記個別銘柄残高
情報として前記第3記憶手段に記憶させる第2統合手段
と、を更に備えたことを特徴としている。
【0030】請求項3記載の発明では、ポートフォリオ
作成対象の商業手形群を構成する各商業手形について、
残高を表す情報と、手形支払人及び割引依頼人の少なく
とも一方を表す情報が第4記憶手段に各々記憶されてお
り、相互に関連する複数の手形支払人を関連付ける情
報、及び相互に関連する複数の割引依頼人を関連付ける
情報の少なくとも一方が第5記憶手段に記憶されてい
る。また第2統合手段は、第4記憶手段に記憶されてい
る各商業手形の残高のうち、手形支払人が第5記憶手段
に記憶されている情報によって関連付けられている複数
の商業手形の残高、又は割引依頼人が第5記憶手段に記
憶されている情報によって関連付けられている複数の商
業手形の残高を単一のグループ銘柄に統合し、個別銘柄
残高情報として第3記憶手段に記憶させる。
【0031】請求項2記載の発明に係る第3演算手段
は、第3記憶手段に記憶された個別銘柄残高情報を用い
て前述の処理を行うので、第2統合手段による統合を経
た情報に基づいて商業手形のポートフォリオが作成され
ることになる。従って、請求項3記載の発明によれば、
ポートフォリオ作成対象の商業手形の中に、デフォルト
が同時に発生する可能性が高い商業手形が存在している
場合にも、これらを単一のグループ銘柄(商業手形のグ
ループ)として扱って(ポートフォリオ全体の金額規模
に対する統合後の各銘柄毎の抽出金額の比率が設定した
最大値を越えないように)ポートフォリオを作成するこ
とができる。
【0032】請求項4記載の発明に係る商業手形分析方
法は、相互に関連する手形支払人の関係が予め定められ
た複数種の関係区分のうちの何れに属するかを表す支払
人関係区分情報、及び、相互に関連する割引依頼人の関
係が前記複数種の関係区分のうちの何れに属するかを表
す依頼人関係区分情報の少なくとも一方を第1記憶手段
に記憶しておくと共に、分析対象の商業手形群を構成す
る各商業手形について、金額を表す情報と、手形支払人
及び割引依頼人の少なくとも一方を表す情報を第2記憶
手段に各々記憶しておく第1のステップ、商業手形の金
額を統合すべき手形支払人又は割引依頼人の関係を前記
関係区分で指定する第2のステップ、前記第1記憶手段
に記憶されている支払人関係区分情報又は依頼人関係区
分情報に基づいて、前記第2記憶手段に記憶されている
各商業手形の金額のうち、手形支払人が前記指定した関
係区分に相当する関係を有している複数の商業手形の金
額、又は割引依頼人が前記指定した関係区分に相当する
関係を有している複数の商業手形の金額を、単一のグル
ープ銘柄に統合する第3のステップ、前記商業手形群全
体の金額規模に対する、前記第3のステップにおける統
合を経た商業手形の各銘柄毎の金額の比率を演算する第
4のステップ、及び、前記第4のステップにおける演算
結果を出力する第5のステップから成るので、請求項1
記載の発明と同様に、デフォルトが同時に発生する可能
性が高い商業手形の存在を考慮した商業手形群の適切な
分析を行うことができる。
【0033】請求項5記載の発明に係るポートフォリオ
作成方法は、商業手形群を構成する各商業手形から手形
支払人又は割引依頼人が同一である個別銘柄毎に残高の
全額又は一部を抽出して組み合わせることによって作成
したポートフォリオ全体の金額規模に対し、前記個別銘
柄毎の抽出金額が占める比率の最大値を設定すると共
に、ポートフォリオ作成対象の商業手形群の個別銘柄毎
の残高を表す個別銘柄残高情報を第3記憶手段に記憶し
ておく第1のステップ、与えられたポートフォリオ全体
の金額規模と前記設定した比率の最大値に基づいて、各
個別銘柄の残高から抽出可能な上限金額を演算する第1
の演算、及び、前記個別銘柄残高情報に基づいて、各個
別銘柄のうち、残高が前記第2演算手段によって演算さ
れた上限金額に満たない個別銘柄については残高の全額
を抽出し、残高が前記上限金額以上の個別銘柄について
は残高から上限金額を抽出して組み合わせることで商業
手形のポートフォリオを作成したときの、ポートフォリ
オ全体の金額規模を演算する第2の演算を、金額規模の
初期値を与えて順次行った後に、前記第2の演算で演算
した金額規模を前記与えた金額規模と比較することで、
金額規模の演算結果が収束したか否かを判定し、金額規
模の演算結果が収束していないと判断した場合には第2
の演算で演算した金額規模を与えて前記第1の演算及び
前記第2の演算を順次行うことを繰り返す第2のステッ
プ、及び、前記第2のステップで金額規模の演算結果が
収束したと判断されたときのポートフォリオを特定する
ための情報を出力する第3のステップから成るので、請
求項2記載の発明と同様に、所定の条件を満たす最適な
ポートフォリオを容易に作成することができる。
【0034】請求項6記載の発明に係る記録媒体は、相
互に関連する手形支払人の関係が予め定められた複数種
の関係区分のうちの何れに属するかを表す支払人関係区
分情報、及び、相互に関連する割引依頼人の関係が前記
複数種の関係区分のうちの何れに属するかを表す依頼人
関係区分情報の少なくとも一方が第1記憶手段に記憶さ
れており、分析対象の商業手形群を構成する各商業手形
について、金額を表す情報と、手形支払人及び割引依頼
人の少なくとも一方を表す情報が第2記憶手段に各々記
憶されている状態で、商業手形の金額を統合すべき手形
支払人又は割引依頼人の関係が前記関係区分で指定され
た後に、コンピュータに所定の処理を実行させるための
プログラムが記録された記録媒体であって、前記所定の
処理は、前記第1記憶手段に記憶されている支払人関係
区分情報又は依頼人関係区分情報に基づいて、前記第2
記憶手段に記憶されている各商業手形の金額のうち、手
形支払人が前記指定した関係区分に相当する関係を有し
ている複数の商業手形の金額、又は割引依頼人が前記指
定した関係区分に相当する関係を有している複数の商業
手形の金額を、単一のグループ銘柄に統合する第1のス
テップ、前記商業手形群全体の金額規模に対する、前記
第1のステップにおける統合を経た商業手形の各銘柄毎
の金額の比率を演算する第2のステップ、及び、前記第
2のステップにおける演算結果を出力する第3のステッ
プを含むことを特徴としている。
【0035】請求項6記載の発明に係る記録媒体には、
上記第1乃至第3のステップを含む所定の処理、すなわ
ちコンピュータを、請求項1に記載の商業手形分析装置
として機能させるためのプログラムが記録されているの
で、コンピュータが前記記録媒体に記録されたプログラ
ムを読み出して実行することにより、請求項1記載の発
明と同様に、デフォルトが同時に発生する可能性が高い
商業手形の存在を考慮した商業手形群の適切な分析を行
うことができる。
【0036】請求項7記載の発明に係る記録媒体は、商
業手形群を構成する各商業手形から手形支払人又は割引
依頼人が同一である個別銘柄毎に残高の全額又は一部を
抽出して組み合わせることによって作成したポートフォ
リオ全体の金額規模に対し、前記個別銘柄毎の抽出金額
が占める比率の最大値が設定されると共に、ポートフォ
リオ作成対象の商業手形群の個別銘柄毎の残高を表す個
別銘柄残高情報が第3記憶手段に記憶されている状態
で、コンピュータに所定の処理を実行させるためのプロ
グラムが記録された記録媒体であって、前記所定の処理
は、与えられたポートフォリオ全体の金額規模と前記設
定された比率の最大値に基づいて、各個別銘柄の残高か
ら抽出可能な上限金額を演算する第1の演算、及び、前
記個別銘柄残高情報に基づいて、各個別銘柄のうち、残
高が前記第2演算手段によって演算された上限金額に満
たない個別銘柄については残高の全額を抽出し、残高が
前記上限金額以上の個別銘柄については残高から上限金
額を抽出して組み合わせることで商業手形のポートフォ
リオを作成したときの、ポートフォリオ全体の金額規模
を演算する第2の演算を、金額規模の初期値を与えて順
次行った後に、前記第2の演算で演算した金額規模を前
記与えた金額規模と比較することで、金額規模の演算結
果が収束したか否かを判定し、金額規模の演算結果が収
束していないと判断した場合には第2の演算で演算した
金額規模を与えて前記第1の演算及び前記第2の演算を
順次行うことを繰り返す第1のステップ、及び、前記第
1のステップで金額規模の演算結果が収束したと判断さ
れたときのポートフォリオを特定するための情報を出力
する第2のステップを含むことを特徴としている。
【0037】請求項7記載の発明に係る記録媒体には、
上記第1及び第2のステップを含む所定の処理、すなわ
ちコンピュータを、請求項2に記載のポートフォリオ作
成装置として機能させるためのプログラムが記録されて
いるので、コンピュータが前記記録媒体に記録されたプ
ログラムを読み出して実行することにより、請求項2記
載の発明と同様に、所定の条件を満たす最適なポートフ
ォリオを容易に作成することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態の一例を詳細に説明する。なお、本発明では、商
業手形の1つである約束手形における手形振出人、同じ
く商業手形の1つである為替手形における手形引受人を
「手形支払人」と総称しているが、以下では説明を簡単
にするために約束手形を扱う場合について説明し、「手
形支払人」を手形振出人と称する。但し、本発明は為替
手形についても同様に扱うことが可能であることは言う
までもない。
【0039】図1には、金融機関の各種業務のうち商業
手形に関する業務を支援するために金融機関に設置され
たコンピュータ・システム10が示されている。なお、
金融機関に設置された実際のコンピュータ・システム
は、図1に示した構成に加えて、他の業務を支援するた
めの多数台のコンピュータを含んで構成されている。
【0040】本実施形態に係るコンピュータ・システム
10は、金融機関のうち商業手形を取り扱う部署に設置
された端末装置12と、前記部署における商業手形(商
手)取扱業務を支援する処理を行うホスト・コンピュー
タ14と、金融機関が保有している商業手形群をクレジ
ット・プロテクションによって流動化するための業務を
支援する処理(商手流動化処理)を行う商手流動化サー
バ16と、ホスト・コンピュータ14及び商手流動化サ
ーバ16を相互に接続するイントラネット18と、を含
んで構成されている。なお、以下では「商業手形」を必
要に応じて「商手」と称する。
【0041】ホスト・コンピュータ14は汎用の大型コ
ンピュータから成り、CPU14A、ROM14B、R
AM14C、入出力ポート14Dを備え、これらはアド
レスバス、データバス、制御バス等のバス14Eを介し
て互いに接続されている。入出力ポート14Dには、各
種の入出力機器として、イントラネット18に接続され
た通信制御装置(例えばルータ)20、ディスプレイ2
2、マウス24、キーボード26、HDD28が各々接
続されている。なお、端末装置12は通信回線を介して
ホストコンピュータ14の通信制御装置20に接続され
ている。
【0042】また、商手流動化サーバ16はワークステ
ーション又はパーソナル・コンピュータ(PC)から成
り、CPU16A、ROM16B、RAM16C、入出
力ポート16Dを備え、これらがアドレスバス、データ
バス、制御バス等のバス16Eを介して互いに接続され
て構成されている。入出力ポート16Dには、各種の入
出力機器として、イントラネット18に接続された通信
制御装置(例えばルータ)40、ディスプレイ42、マ
ウス44、キーボード46、プリンタ47、HDD4
8、CD−ROMからの情報の読み出しを行うCD−R
OMドライブ50、及びCD−Rへの情報の書込みを行
うCD−Rドライブ52が各々接続されている。
【0043】商手流動化サーバ16には、商手流動化処
理を商手流動化サーバ16のCPU16Aによって実行
するための商手流動化プログラムがHDD48にインス
トールされている。商手流動化プログラムは、請求項4
記載の発明に係る商業手形分析方法が適用された名寄せ
分析処理(この処理は商手流動化処理の一部)を商手流
動化サーバ16のCPU16Aによって実行するための
名寄せ分析プログラム、及び、請求項5記載の発明に係
るポートフォリオ作成方法が適用されたポートフォリオ
作成処理(この処理も商手流動化処理の一部)を商手流
動化サーバ16のCPU16Aによって実行するための
ポートフォリオ作成プログラムを含んで構成されてい
る。商手流動化サーバ16は、CPU16Aが名寄せ分
析プログラムを実行することで請求項1記載の商業手形
分析装置として機能し、CPU16Aがポートフォリオ
作成プログラムを実行することで請求項2に記載のポー
トフォリオ作成装置として機能する。
【0044】名寄せ分析プログラム及びポートフォリオ
作成プログラムを含む商手流動化プログラムを商手流動
化サーバ16にインストール(移入)するには幾つかの
方法があるが、例えば商手流動化プログラムをセットア
ッププログラムと共にCD−ROM56に記録してお
き、CD−ROM56を商手流動化サーバ16のCD−
ROMドライブ50にセットし、CPU16Aに対して
前記セットアッププログラムの実行を指示すれば、CD
−ROM56から商手流動化プログラムが順に読み出さ
れ、読み出された商手流動化プログラムがHDD48に
順に書き込まれることで、名寄せ分析プログラム及びポ
ートフォリオ作成プログラムを含む商手流動化プログラ
ムのインストールが行われる。上記の態様において、C
D−ROM56は請求項6及び請求項7に記載の記録媒
体に対応している。
【0045】次に本実施形態の作用として、まずホスト
・コンピュータ14で行われる処理について説明する。
ホスト・コンピュータ14のHDD28には、金融機関
が保有している商業手形群の各商業手形に関する様々な
情報を記憶するための商手データベース(DB)が記憶
されている。商手取扱部署(金融機関の営業店及び事務
センタ)における商手取扱業務は端末装置12を用いて
行われ、割引依頼人によって金融機関に新たに商業手形
が持ち込まれ、金融機関に対して割引依頼がなされる
と、商手取扱部署では持ち込まれた商業手形に関する各
種の情報(実行日、取引種類、店舗識別情報、取引先
(割引依頼人)識別情報、取引番号、貸出残高(手形残
高)、利率、決済期日、手形交換所、取引銀行、支払人
(手形振出人)識別情報等)を端末装置12を介して入
力する。端末装置12を介して入力された情報はホスト
・コンピュータ14へ送信され、ホスト・コンピュータ
14は端末装置12から受信した情報をHDD28の商
手DBに新規登録する。
【0046】また、金融機関が保有している特定の商業
手形が決済されたり、手形振出人の破綻やそれ以外の事
情により割引依頼人によって買戻されたり、或いは前記
特定の商業手形にデフォルトが発生した等のように、金
融機関が割引を実行して保有している特定の商業手形に
何らかの異動が発生した場合、商手取扱部署では、前記
特定の商業手形についての異動内容を表す情報を端末装
置12を介して入力する。この情報もホスト・コンピュ
ータ14へ送信され、ホスト・コンピュータ14は、H
DD28の商手DBに登録されている情報を端末装置1
2から受信した情報に応じて変更する。このように、商
手DBに登録されている情報は、商手取扱部署が行う商
手取扱業務にリンクして適宜更新される。
【0047】また商手DBには、金融機関に過去に持ち
込まれた商業手形及び金融機関が現在保有している商業
手形について、持ち込んだ割引依頼人に関する各種の属
性情報(例えば識別情報、名称、住所、格付け等)を記
憶するための顧客属性DBも記憶されている。この顧客
属性DBも、商手取扱部署が端末装置12を介して該当
する情報を入力することによって情報の登録・更新等が
行われる。
【0048】更に商手DBには、例として次の表1にも
示すように、顧客属性DBに情報が登録されている割引
依頼人のうち、他の割引依頼人と関連のある割引依頼人
について、関連の有る割引依頼人(表1における「関連
先」)及び関連の有る割引依頼人との関係(表1におけ
る「関係区分」)が各々設定された依頼人名寄せ情報が
記憶されている。この情報の入力は、商業手形の割引実
行前でも実行後でも可能である。なお本実施形態では、
表1にも示すように、関連先との関係を「本人」「本人
別勘定」「別管理要の支社・工場」「関係団体(本人の
健保・共済会・労組・任意団体等)」「子会社」「役員
及びその家族」「連帯保証人」「関連会社(子会社・親
会社除く)」「親会社」の9種類に分類しており、「関
係区分」を表す情報として、関連先との関係が前記9種
類の関係の何れに属するかを表すコード情報を用いてい
る。
【0049】
【表1】
【0050】一方、商手流動化サーバ16のHDD48
には流動化DBが記憶されている。この流動化DBは、
ホスト・コンピュータ14のHDD28の商手DBに記
憶されている様々な情報のうち商手流動化処理に必要な
情報のみが記憶されている。ホスト・コンピュータ14
では、商手流動化サーバ16の流動化DBに記憶されて
いる情報を商手DBに記憶されている情報と同期(一
致)させるために、各種情報を商手流動化サーバ16へ
定期的にダウンロードする。
【0051】すなわち、ホスト・コンピュータ14は、
金融機関が保有している商業手形群の各商業手形のう
ち、商手取扱部署における商手取扱業務によって異動が
生じた商業手形に関する情報を商手DBから毎日抽出
し、商手流動化サーバ16へダウンロードする。またホ
スト・コンピュータ14は、金融機関が現在保有してい
る各商業手形を持ち込んだ割引依頼人の顧客属性情報を
週1回程度の頻度で商手DBから抽出し、依頼人名寄せ
情報を付加して商手流動化サーバ16へダウンロードす
る。更にホスト・コンピュータ14は、商手DBと流動
化DBとで情報の整合がとれているか(取引先毎(割引
依頼人毎)の残高が一致しているか)を商手流動化サー
バ16でチェックするために、該当する情報を月1回程
度の頻度で商手DBから抽出し、商手流動化サーバ16
へダウンロードする。
【0052】商手流動化サーバ16はホスト・コンピュ
ータ14からダウンロードされた情報に基づいて流動化
DBに記憶されている情報を更新すると共に、月1回程
度の頻度で流動化DBに記憶されている情報のチェック
を行う。
【0053】なお、HDD48の流動化DBに記憶され
ている情報は、請求項1に記載の第2記憶手段に記憶さ
れている情報、請求項3に記載の第4記憶手段に記憶さ
れている情報に対応しており、HDD48は請求項1,
4,6に記載の第2記憶手段、請求項3に記載の第4記
憶手段に各々対応している。また、ダウンロードされた
情報に基づいて流動化DBに記憶されている情報を更新
する処理は、請求項4に記載の第1のステップのうち第
2記憶手段に情報を記憶させる処理に対応している。
【0054】ところで、金融機関が保有する各商業手形
は割引依頼人によって持ち込まれた手形であり、金融機
関は各商業手形を振出した手形振出人とは直接の取引を
行っていないため、商手DBに記憶されている顧客属性
DBには割引依頼人の属性情報のみ記憶されており、顧
客属性情報と共にホスト・コンピュータ14から商手流
動化サーバ16に送信される名寄せ情報についても、関
連の有る割引依頼人相互を関係付ける依頼人名寄せ情報
のみである。
【0055】このため、商手流動化サーバ16のオペレ
ータは、手形振出人に関して名寄せ分析処理(後述)を
行うことを可能とするために、金融機関が保有している
各商業手形の手形振出人のうち、他の手形振出人と関連
のある手形振出人について、先の表1と同様に、関連の
有る手形振出人及び関連の有る手形振出人との関係区分
をキーボード46を介して入力する。オペレータによっ
て入力された情報は振出人名寄せ情報として商手流動化
サーバ16のHDD48に記憶される(図1参照)。
【0056】なお、振出人名寄せ情報は請求項1に記載
の支払人関係区分情報に対応しており、請求項1に記載
の依頼人関係区分情報に対応する依頼人名寄せ情報につ
いても、ホスト・コンピュータ14からダウンロードさ
れることでHDD48に記憶される。従って、HDD4
8は請求項1,4,6に記載の第1記憶手段及び請求項
3に記載の第5記憶手段に対応している。また、HDD
48に振出人名寄せ情報及び振出人名寄せ情報を記憶さ
せる処理は、請求項4に記載の第1のステップにおけ
る、第1記憶手段に情報を記憶させる処理に対応してい
る。
【0057】次に、商手流動化サーバ16で行われる商
手流動化処理について説明する。金融機関が保有してい
る商業手形群をクレジット・プロテクションによって流
動化する場合、金融機関としては、まず自身が保有する
全ての商業手形から或る商業手形群に対して各種の統計
的な分析を行い、分析結果を格付け機関に提出する必要
がある。
【0058】商手流動化処理は、流動化DBに記憶され
ている情報に基づき、金融機関が保有している商業手形
群に対して各種の統計的分析(例えば決済情報集計、銀
行別分析、交換所別分析、割引依頼人別分析、振出人別
分析、格付け機関が定めた業種別の分析等)を行う機能
を有しており、提供可能な機能が一覧表示されたメイン
メニュー画面(図示省略)をディスプレイ42に表示し
ている状態で、「分析」と表記されたボタンがマウス4
4又はキーボード46を介してオペレータにより選択さ
れると、例として図2に示すような分析条件選択画面を
ディスプレイ42に表示する。
【0059】図2に示すように、この分析条件選択画面
では「格付け機関用」と表記されたボタン70が画面最
上部に配置されており、オペレータがマウス44等を操
作してボタン70をクリックすると、格付け機関に提出
するための各種分析が選択肢として一覧表示され、オペ
レータが所望の分析を選択すると、選択された分析が実
行されるようになっている。分析条件選択画面の下方側
には分析結果表示欄72が設けられており、分析結果は
この表示欄72に表示される。表示欄72の上方には、
分析対象の期間を設定するための期間設定欄74が設け
られている。商手流動化処理による分析は、オペレータ
が期間設定欄74に設定した期間を対象として実行され
る。
【0060】また、本実施形態では、互いに関連する手
形振出人が振出した商業手形、又は互いに関連する割引
依頼人によって割引依頼がなされた商業手形を統合(本
実施形態ではこれを「名寄せ」という)して分析するこ
とも可能とされており、表示欄72の上方には、オペレ
ータが名寄せの条件を指定するための名寄せ指定欄76
が設けられている。名寄せ指定欄76は、手形振出人及
び割引依頼人に対応して「個別」「本社」「子会社含
む」と表記された選択欄が各々設けられて構成されてい
る。
【0061】なお、各選択欄のうち、「個別」は本人
(表1に示す関係区分のコードで"00"及び"01")につい
てのみ名寄せを行うことを意味し、「本社」は単一の法
人内の本支社(表1に示す関係区分のコードで"00","0
1","02")について名寄せを行うことを意味し、「子会
社含む」は本支社及び関連会社(表1に示す関係区分の
コードで"00","01","02","04","08")について名寄せを
行うことを意味している。オペレータがマウス44等を
操作しこれらの選択欄の中から所望の欄を選択すること
で名寄せの条件が指定される。この場合、マウス44は
請求項1に記載の指定手段として機能することになる。
また、名寄せの条件の指定は請求項4に記載の第2のス
テップに対応している。
【0062】オペレータにより、名寄せ指定欄76を介
して名寄せの条件が指定され、実行すべき分析として
「割引依頼人別分析」又は「手形振出人別分析」が選択
された場合には、CPU16Aが名寄せ分析プログラム
を実行することにより、商手流動化サーバ16で名寄せ
分析処理(請求項4に記載の商業手形分析方法が適用さ
れた処理)が行われる。以下、この名寄せ分析処理につ
いて、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0063】ステップ100では、オペレータが指定し
た名寄せの条件を表す名寄せ指定情報を取り込む。な
お、この名寄せ指定情報は、割引依頼人及び手形振出人
の何れに対して名寄せを行うかを表す「名寄せ種別」
と、名寄せを行う関係区分をコードで表す「名寄せ条
件」で構成されている。ステップ102では取り込んだ
「名寄せ種別」に基づいて、割引依頼人及び手形振出人
の何れに対して名寄せを行うかを判定する。
【0064】割引依頼人に対して名寄せを行う場合には
ステップ104へ移行し、ホスト・コンピュータ14か
ら受信することでHDD48に記憶されている依頼人名
寄せ情報を取り込む。また、手形振出人に対して名寄せ
を行う場合にはステップ106へ移行し、オペレータに
よって該当する情報が入力されることでHDD48に記
憶されている振出人名寄せ情報を取り込む。
【0065】ステップ108では、ステップ104又は
106で取り込んだ名寄せ情報から1レコードの情報
(単一の割引依頼人又は手形振出人の情報)を取り出
し、次のステップ110では、取り出した1レコードの
情報に設定されている関係区分が「名寄せ条件」に一致
しているか否かを判定する。判定が否定された場合に
は、取り出した1レコードの情報に設定されている「本
人」と「関連先」の関係区分は今回の名寄せ対象ではな
いと判断できるので、ステップ120へ移行する。
【0066】一方、ステップ110の判定が肯定された
場合には、取り出した情報に設定されている「本人」と
「関連先」の関係区分は今回の名寄せ対象であると判断
できるので、ステップ112へ移行し、設定されている
関係区分に基づき、「本人」及び「関連先」の一方を
「子」、他方を「親」とする名寄せグループを生成す
る。ステップ114では、既に生成した名寄せグループ
を対象として「親」が同一で「子」が異なる名寄せグル
ープを検索し、次のステップ116では、該当する名寄
せグループが抽出されたか否か判定する。
【0067】判定が否定された場合にはステップ120
へ移行するが、判定が肯定された場合にはステップ11
8へ移行し、ステップ112で生成した名寄せグループ
を抽出した名寄せグループと統合した後にステップ12
0へ移行する。ステップ120では、先に取り込んだ名
寄せ情報の全レコードの情報を参照したか否か判定す
る。判定が否定された場合にはステップ108へ戻って
次の1レコードの情報の取り出しを行い、ステップ12
0の判定が肯定される迄ステップ108〜ステップ12
0を繰り返す。
【0068】一例として、ステップ104又は106で
取り込んだ名寄せ情報が図4の左端に示す内容であり、
名寄せ条件として「本支社」が指定された場合には、上
述した処理により、図4の略中央に示すように、「関係
区分」が"04"及び"08"以外の各レコードが名寄せグルー
プとして生成され、生成された名寄せグループのうち、
「子:B、親:A」のグループと「子:C、親:A」の
グループが統合されることになる。また、同一の名寄せ
情報に対し、名寄せ条件として「関係会社」が指定され
た場合には、図5の略中央に示すように、全てのレコー
ドが名寄せグループとして生成され、生成された名寄せ
グループのうち、親がAで子がB,C,Oの各グループ
が統合され、親がBで子がD,Pの各グループが統合さ
れ、親がJで子がG,Zの各グループが統合され、親が
Gで子がH,X,Yの各グループが統合されることにな
る。
【0069】ステップ120の判定が肯定されるとステ
ップ122へ移行し、ステップ108〜ステップ120
の処理によって生成された名寄せグループから単一の名
寄せグループを取り出し、次のステップ124では、取
り出した名寄せグループにおける「親」が「子」として
設定されているか、又は取り出した名寄せグループにお
ける「子」が「親」として設定されている他の名寄せグ
ループを検索する。そしてステップ126では、該当す
る名寄せグループが抽出されたか否かを判定する。
【0070】判定が否定された場合にはステップ130
へ移行するが、判定が肯定された場合にはステップ12
8へ移行し、ステップ122で取り出した名寄せグルー
プを抽出した名寄せグループと統合した後にステップ1
30へ移行する。ステップ130では、全ての名寄せグ
ループに対して上記処理を行ったか否か判定する。判定
が否定された場合にはステップ122に戻り、ステップ
130の判定が肯定される迄ステップ122〜ステップ
130を繰り返す。
【0071】これにより、前述した図4の例では、図4
の略中央に示す8個の名寄せグループが、A,B,C,
D,E,Fから成る名寄せグループと、G,H,I,J
から成る名寄せグループの2個に統合されることにな
る。個々の名寄せグループ内の各要素(割引依頼人又は
手形振出人に相当)は何れも「本支店」に含まれる関係
区分で相互に関連付けられており、個々の名寄せグルー
プを単位として、同一の名寄せグループに属する各要素
に係る商業手形を統合することにより、名寄せ条件「本
支店」に合致する名寄せを行うことができる。
【0072】また、前述した図5の例では、図5の略中
央に示す8個の名寄せグループが、A,B,C,O,
D,P,E,Fから成る名寄せグループと、G,H,
I,J,Z,X,Yから成る名寄せグループの2個に統
合されることになる。個々の名寄せグループ内の各要素
は何れも「関連会社」に含まれる関係区分で相互に関連
付けられており、個々の名寄せグループを単位として、
同一の名寄せグループに属する各要素に係る商業手形を
統合することにより、名寄せ条件「関連会社」に合致す
る名寄せを行うことができる。
【0073】ステップ130の判定が肯定されるとステ
ップ132へ移行し、上記処理によって最終的に生成さ
れた各名寄せグループに対して名称を付与すると共に、
各名寄せグループに対応する手形残高の積算値をクリア
し、更に商業手形群の金額規模積算値もクリアする。
【0074】次のステップ134では、流動化DBに記
憶されている分析対象の商業手形群(この場合は金融機
関が保有する全ての商業手形から成る商業手形群)のデ
ータから、単一の商業手形のデータを取り出す。ステッ
プ136では、ステップ134で取り出したデータのう
ち、指定された名寄せ種別に対応する識別情報(「名寄
せ種別」が割引依頼人であれば割引依頼人識別情報、
「名寄せ種別」が手形振出人であれば手形振出人識別情
報)を参照し、各名寄せグループの中に、該識別情報に
よって特定される割引依頼人又は手形振出人が要素とし
て含まれている名寄せグループが有るか否かを検索す
る。そしてステップ138では該当する名寄せグループ
が発見されたか否かを判定する。
【0075】判定が肯定された場合にはステップ140
へ移行し、ステップ134で取り出したデータのうち手
形残高として設定されている金額を、ステップ136で
発見された名寄せグループに対応する手形残高の積算値
に積算する。また、ステップ138の判定が否定された
場合にはステップ142へ移行し、ステップ134で取
り出したデータ(指定された名寄せ種別に対応する識別
情報、手形残高等)を単独で記憶する。また、次のステ
ップ144では、ステップ134で取り出したデータの
うち手形残高として設定されている金額を、分析対象の
商業手形群の金額規模積算値に積算する。
【0076】次のステップ146では分析対象の商業手
形群の全ての商業手形に対してステップ134〜ステッ
プ146の処理を行ったか否か判定する。判定が否定さ
れた場合にはステップ134に戻り、ステップ134〜
ステップ146を繰り返す。これにより、分析対象の商
業手形群のうち、指定された名寄せ種別に対応する割引
依頼人又は手形振出人が、指定された名寄せ条件に含ま
れる関係区分で相互に関連付けられている複数の商業手
形(同一の名寄せグループに対応する商業手形)が、単
一の商業手形グループ(グループ銘柄)として手形残高
が統合(合算)されると共に、分析対象の商業手形群の
金額規模(全ての商業手形の手形残高の総計)も求ま
る。このように、ステップ100〜ステップ146は請
求項1に記載の第1統合手段に対応しており、請求項4
に記載の第3のステップ、請求項6に記載の第1のステ
ップにも対応している。
【0077】ステップ146の判定が肯定されるとステ
ップ148へ移行し、手形残高が統合された商業手形の
各グループ及びステップ142でデータを単独で記憶し
た全ての商業手形について、分析対象の商業手形群の金
額規模に対する手形残高の比率(集中度)を各々演算す
る。このステップ148は請求項1に記載の第1演算手
段に対応しており、請求項4に記載の第4のステップ、
請求項6に記載の第2のステップにも対応している。
【0078】そして次のステップ150では、ステップ
148で演算した集中度を、割引依頼人又は手形振出人
の名称、手形残高と対応付けて名寄せ分析結果として出
力する。この出力は、例えば分析条件選択画面の分析結
果表示欄72に表示することで行ってもよいし、プリン
タ47によって紙等の記録媒体に記録することで行って
もよいし、CD−Rドライブ52によってCD−R58
(図1参照)に書き込むことで行ってもよいし、他のア
プリケーション・ソフトが取り扱い可能な特定のデータ
形式に変換してHDD48に書き込むことで行うように
してもよい。ステップ150は請求項1に記載の第1出
力手段に対応しており、請求項4に記載の第5のステッ
プ、請求項6に記載の第3のステップにも対応してい
る。
【0079】上記処理により、例えば分析対象の商業手
形群のデータが図6(A)に示すようなデータであり、
この商業手形群に対して「名寄せ種別:割引依頼人、名
寄せ条件:本支社」という条件で名寄せ分析を行った場
合には、図6(A)に示す各割引依頼人のうち「Y社」
及び「Y社広島支社」のデータが「Y本支社」として統
合されると共に、「Z社」及び「Z社横浜支社」のデー
タが「Z本支社」として統合されることで、図6(B)
に示すような名寄せ分析結果が出力されることになる。
【0080】また、同一のデータに対して「名寄せ種
別:割引依頼人、名寄せ条件:関連会社」という条件で
名寄せ分析を行った場合には、図6(A)に示す各割引
依頼人のうち「Y社」、「Y社広島支社」及び「Y金属
販売」のデータが「Yグループ」として統合され、「X
社」及び「Xリース社」のデータが「Xグループ」とし
て統合され、「Z社」及び「Z社横浜支社」のデータが
「Zグループ」として統合されることで、図6(C)に
示すような名寄せ分析結果が出力されることになる。
【0081】上記の名寄せ分析結果を参照することで、
デフォルトが同時に発生する可能性が高い商業手形の存
在を考慮した分析を行うことができる。また、名寄せ分
析において、単一の商業手形として手形残高が統合され
る個々の商業手形に同時にデフォルトが発生するリスク
は名寄せ条件によって相違するが、本実施形態に係る名
寄せ分析では、複数種の名寄せ条件の中から任意の名寄
せ条件を選択可能であるので、適切な名寄せ条件を選択
して名寄せ分析の実行を指示し、出力された名寄せ分析
結果を参照したり、或いは複数種の名寄せ条件を各々指
定して名寄せ分析の実行を複数回指示し、出力された複
数の名寄せ分析結果の参照及び相互比較を行う等によ
り、デフォルトが同時に発生する可能性が高い商業手形
の存在を考慮した分析を、より精度良く行うことができ
る。
【0082】金融機関は、保有している全ての商業手形
から或る商業手形群に対し、上述した名寄せ分析を含む
各種の統計的分析を行い、分析結果を格付け機関に提出
して商業手形群全体の信用リスクの推定を依頼する。そ
して、特定の手形振出人によって振出された、或いは特
定の割引依頼人によって割引依頼がなされた商業手形の
手形残高が突出している(集中度が高い)等の理由で、
保有している商業手形群全体に対しては高いランクの格
付けが得られない場合、保有している商業手形群をクレ
ジット・プロテクションによって流動化するにあたり、
より有利な条件での商業手形の流動化を目指し、より高
いランクの格付けが得られる商業手形のポートフォリオ
が具備しているべき条件について格付け機関より教示を
受ける。
【0083】高ランクの格付けが得られる商業手形のポ
ートフォリオが具備しているべき条件は、具体的には
「ポートフォリオ全体の金額規模に対する個々の商業手
形の金額比率の上限(集中度の上限)を所定値(例えば
0.066%)以下に抑制する」という形で与えられる。一
方、金融機関としては、保有している商業手形群全体の
金額規模に対し、クレジット・プロテクションによる流
動化の対象としてのポートフォリオの金額規模をなるべ
く大きくすることを所望している。
【0084】このため、上記の条件が与えられると、商
業手形の最適なポートフォリオを作成するために、オペ
レータは商手流動化サーバ16に対して商業手形のポー
トフォリオの作成を指示し、CPU16Aがポートフォ
リオ作成プログラムを実行することで、商手流動化サー
バ16によってポートフォリオ作成処理(請求項5に記
載のポートフォリオ作成方法が適用された処理)が行わ
れる。以下、このポートフォリオ作成処理について、図
7のフローチャートを参照して説明する。
【0085】ステップ160では、作成する商業手形の
ポートフォリオに対し、オペレータにより「個別」以外
の名寄せ条件での名寄せ処理の実行が指定されたか否か
判定する。判定が否定された場合にはステップ161へ
移行し、「名寄せ条件:個別(本人についてのみ名寄せ
を行う)」として(なお、名寄せ種別としては予め設定
された種別を用いる)名寄せ処理(図3のステップ10
0〜ステップ146と同様の処理)を行った後にステッ
プ164へ移行する。これにより、手形振出人又は割引
依頼人が同一の商業手形が単一の商業手形のグループ
(個別銘柄)として統合される。
【0086】一方、ステップ160の判定が肯定された
場合にはステップ162へ移行し、指定された名寄せ条
件(「個別」以外)・名寄せ種別で名寄せ処理(図3の
ステップ100〜ステップ146と同様の処理)を行っ
た後にステップ164へ移行する。なお、ステップ16
2は請求項3に記載の第2統合手段に対応している。ス
テップ161又はステップ162の処理結果はHDD4
8に記憶される。この処理結果は、請求項2,3,5,
7に記載の個別銘柄残高情報に各々対応しており、HD
D48は請求項2,3,5,7に記載の第3記憶手段に
各々対応している。また、ステップ161,162は請
求項5に記載の第1のステップのうち第3記憶手段に個
別銘柄残高情報を記憶させる処理にも対応している。
【0087】ステップ164では、商業手形のポートフ
ォリオ全体の金額規模に対する個々の商業手形の手形残
高からの抽出金額Eの比率の最大値(集中度の上限)C
MAXを入力するようオペレータに要請し、次のステップ
166では集中度の上限CMA Xが入力される迄待機す
る。
【0088】オペレータがキーボード46等を操作し、
格付け機関から教示を受けた集中度の上限CMAXを入力
すると(この場合、キーボード46は請求項2に記載の
設定手段として機能すると共に、この集中度の上限C
MAXの入力は請求項5に記載の第1のステップにおける
「抽出金額の比率の最大値を設定する」ことに対応して
いる)ステップ166の判定が肯定されてステップ16
8へ移行し、商業手形のポートフォリオの金額規模Sと
して、予め定めた初期値SINITを代入する(S←
INIT)。なお、初期値SINITとしては、例えば最適な
ポートフォリオのおおよその金額規模に対し、明らかに
小さい又は明らかに大きい値を用いることができるが、
本実施形態では一例として明らかに小さい値を用いてい
る。
【0089】次のステップ170では、現在のポートフ
ォリオの金額規模S及び集中度の上限CMAXに基づい
て、ポートフォリオ作成対象の商業手形群の個々の商業
手形の手形残高から抽出する上限金額CAPを次式によ
って求める。CAP←S・CMAXこのステップ170は
請求項2に記載の第2演算手段に対応しており、請求項
5に記載の第2のステップ及び請求項7に記載の第1の
ステップにおける第1の演算にも対応している。なお、
本実施形態では、金融機関が保有する全ての商業手形の
うち、債務者による利払いが延滞している商業手形及び
利払いがされていない商業手形を除いた商業手形群を、
ポートフォリオ作成対象の商業手形群としている。
【0090】前述のように、本実施形態ではポートフォ
リオの金額規模の初期値として、最適なポートフォリオ
のおおよその金額規模に対して明らかに小さい値を用い
ているので、上限金額CAPの演算結果も、例として図
8(C)に「(1)」と表記した破線で示すように、最適
なポートフォリオにおける上限金額(図では「最適ポー
トフォリオのCAPライン」と表記して示す)よりも明
らかに小さい金額となる。なお、図8(C)に示す曲線
は、ポートフォリオ作成対象の商業手形群の個々の商業
手形を手形残高の降順に並べたとき(図8(A)参照)
の、個々の商業手形の手形残高を結んだラインを表し、
このライン及び縦横の座標軸を外形線とする図形のうち
「(1)」の破線よりも下側の部分の面積は、ポートフォ
リオの金額規模(の初期値)に対応している。
【0091】ステップ172ではポートフォリオの金額
規模の積算値SAをクリア(0に)する。ステップ17
4では、ポートフォリオ作成対象の商業手形群のデータ
(先のステップ161又はステップ162の処理結果)
から単一の商業手形のデータを取り出す。ステップ17
6では、ステップ174で取り出したデータに設定され
ている手形残高が、先のステップ170で演算した上限
金額CAPよりも小さいか否か判定する。
【0092】判定が肯定された場合にはステップ178
へ移行し、ステップ174でデータを取り出した商業手
形からの抽出金額Eとして手形残高の全額を設定し、抽
出金額Eを商業手形のデータと対応付けて記憶する。ま
た、ステップ176の判定が否定された場合にはステッ
プ180へ移行し、ステップ174でデータを取り出し
た商業手形からの抽出金額Eとして上限金額CAPを設
定し、抽出金額Eを商業手形のデータと対応付けて記憶
する。また、次のステップ182では、ステップ178
又はステップ180で設定した抽出金額Eをポートフォ
リオの金額規模の積算値SAに積算する。
【0093】ステップ184では、ポートフォリオ作成
対象の商業手形群の全ての商業手形に対してステップ1
74以降の処理を行ったか否か判定する。判定が否定さ
れた場合にはステップ174に戻り、ステップ174〜
ステップ184の処理を繰り返す(なお、ステップ17
8,180では各商業手形について前回記憶した抽出金
額Eを上書きして記憶する)。これにより、ポートフォ
リオ作成対象の商業手形群の全ての商業手形について上
限金額CAPを上限として手形残高を抽出してポートフ
ォリオを作成したときのポートフォリオの金額規模(積
算値SA)が求まることになる。
【0094】なお、上述したステップ172〜ステップ
184は請求項2に記載の第3演算手段に対応してお
り、請求項5に記載の第2のステップ及び請求項7に記
載の第1のステップにおける第2の演算にも対応してい
る。また、ステップ162の名寄せ処理が行われた場合
には、名寄せ後のデータを用いて上記の処理が行われる
ことになるので、請求項3に記載の第3演算手段に対応
することになる。
【0095】ステップ184の判定が肯定されるとステ
ップ186へ移行し、当初の金額規模Sと上記の処理に
よって求まったポートフォリオの金額規模の積算値SA
との差の絶対値が所定金額(例えば10,000円)以下か否
か判定する。判定が否定された場合にはステップ188
へ移行し、金額規模の積算値SAを金額規模Sに代入し
てステップ170に戻る。これにより、ステップ170
以降の処理が繰り返され、更新された金額規模Sに基づ
いて上限金額CAP及び金額規模積算値SAが再度演算
されることになる。なお、ステップ186,188はス
テップ168と共に請求項2に記載の制御手段に対応し
ており、請求項5に記載の第2のステップ、請求項7に
記載の第1のステップにも対応している。
【0096】本実施形態では、商業手形のポートフォリ
オの金額規模Sの初期値として、最適なポートフォリオ
のおおよその金額規模に対して明らかに異なる(明らか
に小さい)値を用いているので、ポートフォリオの金額
規模Sに対し、金額規模の積算値SAの演算結果は、当
初は所定金額よりも明らかに大きな差が生ずることにな
るが、上記のように金額規模の積算値SAの演算結果を
金額規模Sに代入して上限金額CAP及び金額規模積算
値SAを演算することを繰り返すことにより、例として
図8(C)に(2),(3),(4)と表記した破線で示すよう
に、上限金額CAP及び金額規模積算値SAの演算結果
が、最適なポートフォリオ(ポートフォリオの金額規模
Sに対する個々の商業手形からの抽出金額Eの比率の最
大値が設定された集中度の上限CMAXに一致しかつ金額
規模Sが最大のポートフォリオ)における上限金額CA
P及び金額規模Sに近づいていき、最終的には、最適な
ポートフォリオにおける上限金額CAP及び金額規模S
に略一致する値に収束することになる。
【0097】上限金額CAP及び金額規模積算値SAの
演算結果が収束することでステップ186の判定が肯定
された場合には、最適なポートフォリオが作成されたと
判断できるのでステップ190へ移行し、ポートフォリ
オの金額規模Sとして最終的に得られた金額規模の積算
値SAを出力すると共に、ステップ178又はステップ
180で各商業手形について各々記憶した抽出金額Eを
出力し、ポートフォリオ作成処理を終了する。ステップ
190は請求項2に記載の第2出力手段に対応してお
り、請求項5に記載の第3のステップ、請求項7に記載
の第2のステップにも対応している。
【0098】なお、この出力についても、例えばディス
プレイ42に表示することで行ってもよいし、プリンタ
47によって紙等の記録媒体に記録することで行っても
よいし、CD−Rドライブ52によってCD−R58
(図1参照)に書き込むことで行ってもよいし、他のア
プリケーション・ソフトが取り扱い可能な特定のデータ
形式に変換してHDD48に書き込むことで行ってもよ
い。
【0099】上記のポートフォリオ作成処理により、特
定の手形振出人又は特定の割引依頼人に偏ることなく
(特定の手形振出人によって振出された又は特定の割引
依頼人によって割引依頼がなされた商業手形からの抽出
金額が集中度の上限CMAXに相当する金額を越えること
なく)、高ランクの格付けを取得可能で、かつ金額規模
が最大の商業手形のポートフォリオが得られる。また、
図7のステップ162で名寄せ処理を行った場合には、
特定の本支社グループや関連会社のグループへの偏りも
除去された(集中度の上限CMAXを満足する)ポートフ
ォリオを得ることができる。
【0100】そして、このポートフォリオを用いること
で、より有利な条件(例えば劣後部分が小さくプレミア
ムとして支払う金額が少額等)の債権契約(クレジット
・プロテクション)を投資家との間で締結できると共
に、保有している商業手形群の金額規模に対し流動化で
きる金額規模の比率を高くすることができる。
【0101】また、本実施形態に係る商手流動化サーバ
16は、金融機関が保有している商業手形群の各商業手
形のうち、商手取扱部署における商手取扱業務によって
異動が生じた商業手形に関する情報がホスト・コンピュ
ータ14から毎日ダウンロードされるので、商手流動化
サーバ16を用いることで、上述した商業手形群の分析
やポートフォリオの作成のみならず、金融機関が保有し
ている全ての商業手形の決済状況の把握、クレジット・
プロテクションによって流動化した商業手形の管理も容
易に行うことができる。
【0102】なお、上記では名寄せ条件として本人の
み、本支社、関連会社の3種類を用意した例を説明した
が、これに限定されるものではなく、表1に記した関係
区分を利用すれば別の名寄せ条件やより多数の名寄せ条
件を設けることも可能であり、また、表1に記した関係
区分自体も適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0103】また、上記では金融機関が保有する全ての
商業手形を分析対象として名寄せ分析を行う場合を説明
したが、分析対象は上記に限定されるものではなく、複
数の商業手形から手形残高の全額又は一部を各々抽出し
て組み合わせることで作成した商業手形のポートフォリ
オを対象として名寄せ分析を行ってもよい。
【0104】また、上記では本発明に係る処理を含む商
手流動化処理を行う商手流動化サーバ16を、手形取扱
業務を支援する処理を行うホスト・コンピュータ14と
別に設けた例を説明したが、これに限定されるものでは
なく、これらの処理を単一のコンピュータで行うように
してもよいし、商手流動化処理を行うための情報を管理
するコンピュータ(本実施形態では商手流動化サーバ1
6)と通信回線を介して接続された別のコンピュータ
(例えばLANで接続されたクライアント・コンピュー
タ)で本発明に係る商手流動化処理等を行う構成を採用
してもよい(この場合、本発明に係る商業手形分析装置
及びポートフォリオ作成装置が複数台のコンピュータに
よって実現されることになる)。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように請求項1、請求項4
及び請求項6記載の発明は、相互に関連する手形支払人
の関係が複数種の関係区分のうちの何れに属するかを表
す情報及び相互に関連する割引依頼人の関係が複数種の
関係区分のうちの何れに属するかを表す情報の少なくと
も一方を記憶しておき、分析対象の商業手形群を構成す
る各商業手形の金額のうち、手形支払人が指定された関
係区分に相当する関係を有している複数の商業手形の金
額、又は割引依頼人が指定された関係区分に相当する関
係を有している複数の商業手形の金額を単一のグループ
銘柄に統合し、商業手形群全体の金額規模に対する前記
統合を経た各銘柄毎の金額の比率を演算して出力するの
で、デフォルトが同時に発生する可能性が高い商業手形
の存在を考慮した商業手形群の適切な分析が可能にな
る、という優れた効果を有する。
【0106】請求項2、請求項5及び請求項7記載の発
明は、与えられたポートフォリオ全体の金額規模と設定
された個別銘柄毎の比率の最大値に基づいて、各個別銘
柄の残高から抽出する上限金額を演算し、各個別銘柄の
うち、残高が上限金額に満たない個別銘柄については残
高の全額を抽出し、残高が上限金額以上の個別銘柄につ
いては残高から上限金額を抽出して組み合わせることで
商業手形のポートフォリオを作成したときの、ポートフ
ォリオ全体の金額規模を演算することを、金額規模の初
期値を与えた後に、演算した金額規模を与えた金額規模
と比較することで演算結果が収束したか否かを判定し、
演算結果が収束していないと判断した場合には演算した
金額規模を与えることを繰り返し、演算結果が収束した
ときのポートフォリオを特定するための情報を出力する
ので、所定の条件を満たす最適なポートフォリオを容易
に作成できる、という優れた効果を有する。
【0107】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、ポートフォリオ作成対象の商業手形群を構
成する各商業手形の残高のうち、手形支払人が関連付け
らている複数の商業手形の金額、又は割引依頼人が関連
付けられている複数の商業手形の金額を単一のグループ
銘柄に統合し、個別銘柄残高情報として記憶させるの
で、上記効果に加え、ポートフォリオ作成対象の商業手
形の中に、デフォルトが同時に発生する可能性が高い商
業手形が存在している場合にも、これらを単一の商業手
形として扱ってポートフォリオを作成することができ
る、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係るコンピュータ・システムの
概略構成を示すブロック図である。
【図2】 分析条件選択画面の一例を示すイメージ図で
ある。
【図3】 名寄せ分析処理の内容を示すフローチャート
である。
【図4】 名寄せ条件が「本支社」の場合の名寄せグル
ープの生成を説明するための概念図である。
【図5】 名寄せ条件が「関連会社」の場合の名寄せグ
ループの生成を説明するための概念図である。
【図6】 (A)は元データの一例、(B)は名寄せ条
件が「本支社」の場合の名寄せ分析結果の一例、(C)
は名寄せ条件が「関連会社」の場合の名寄せ分析結果の
一例を各々示すイメージ図である。
【図7】 ポートフォリオ作成処理の内容を示すフロー
チャートである。
【図8】 ポートフォリオの作成を説明するための概念
図である。
【符号の説明】
10 コンピュータ・システム 14 ホスト・コンピュータ 16 商手流動化サーバ 18 イントラネット 42 ディスプレイ 46 キーボード 48 HDD 50 CD−ROMドライブ 56 CD−ROM
フロントページの続き (72)発明者 時田 邦子 東京都千代田区丸の内2−7−1 株式会 社東京三菱銀行内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に関連する手形支払人の関係が予め
    定められた複数種の関係区分のうちの何れに属するかを
    表す支払人関係区分情報、及び、相互に関連する割引依
    頼人の関係が前記複数種の関係区分のうちの何れに属す
    るかを表す依頼人関係区分情報の少なくとも一方を記憶
    する第1記憶手段と、 分析対象の商業手形群を構成する各商業手形について、
    金額を表す情報と、手形支払人及び割引依頼人の少なく
    とも一方を表す情報を各々記憶する第2記憶手段と、 商業手形の金額を統合すべき手形支払人又は割引依頼人
    の関係を前記関係区分で指定するための指定手段と、 前記第1記憶手段に記憶されている支払人関係区分情報
    又は依頼人関係区分情報に基づいて、前記第2記憶手段
    に記憶されている各商業手形の金額のうち、手形支払人
    が前記指定手段を介して指定された関係区分に相当する
    関係を有している複数の商業手形の金額、又は割引依頼
    人が前記指定された関係区分に相当する関係を有してい
    る複数の商業手形の金額を、単一のグループ銘柄に統合
    する第1統合手段と、 前記商業手形群全体の金額規模に対する、前記第1統合
    手段による統合を経た商業手形の各銘柄毎の金額の比率
    を演算する第1演算手段と、 前記第1演算手段による演算結果を出力する第1出力手
    段と、 を含む商業手形分析装置。
  2. 【請求項2】 商業手形群を構成する各商業手形から手
    形支払人又は割引依頼人が同一である個別銘柄毎に残高
    の全額又は一部を抽出して組み合わせることによって作
    成したポートフォリオ全体の金額規模に対し、前記個別
    銘柄毎の抽出金額が占める比率の最大値を設定するため
    の設定手段と、 ポートフォリオ作成対象の商業手形群の個別銘柄毎の残
    高を表す個別銘柄残高情報を記憶する第3記憶手段と、 与えられたポートフォリオ全体の金額規模と前記設定手
    段を介して設定された比率の最大値に基づいて、各個別
    銘柄の残高から抽出可能な上限金額を演算する第2演算
    手段と、 前記個別銘柄残高情報に基づいて、各個別銘柄のうち、
    残高が前記第2演算手段によって演算された上限金額に
    満たない個別銘柄については残高の全額を抽出し、残高
    が前記上限金額以上の個別銘柄については残高から上限
    金額を抽出して組み合わせることで商業手形のポートフ
    ォリオを作成したときの、ポートフォリオ全体の金額規
    模を演算する第3演算手段と、 前記第2演算手段に金額規模の初期値を与えた後に、前
    記第3演算手段によって演算された金額規模を第2演算
    手段に与えた金額規模と比較することで、金額規模の演
    算結果が収束したか否かを判定し、金額規模の演算結果
    が収束していないと判断した場合には第3演算手段によ
    って演算された金額規模を第2演算手段に与えることを
    繰り返す制御手段と、 前記制御手段によって金額規模の演算結果が収束したと
    判断されたときのポートフォリオを特定するための情報
    を出力する第2出力手段と、 を含むポートフォリオ作成装置。
  3. 【請求項3】 ポートフォリオ作成対象の商業手形群を
    構成する各商業手形について、残高を表す情報と、手形
    支払人及び割引依頼人の少なくとも一方を表す情報を各
    々記憶する第4記憶手段と、 相互に関連する手形支払人を関連付ける情報、及び、相
    互に関連する割引依頼人を関連付ける情報の少なくとも
    一方を記憶する第5記憶手段と、 前記第4記憶手段に記憶されている各商業手形の残高の
    うち、手形支払人が前記第5記憶手段に記憶されている
    情報によって関連付けられている複数の商業手形の残
    高、又は割引依頼人が前記第5記憶手段に記憶されてい
    る情報によって関連付けられている複数の商業手形の残
    高を単一のグループ銘柄に統合し、前記個別銘柄残高情
    報として前記第3記憶手段に記憶させる第2統合手段
    と、 を更に備えたことを特徴とする請求項2記載のポートフ
    ォリオ作成装置。
  4. 【請求項4】 相互に関連する手形支払人の関係が予め
    定められた複数種の関係区分のうちの何れに属するかを
    表す支払人関係区分情報、及び、相互に関連する割引依
    頼人の関係が前記複数種の関係区分のうちの何れに属す
    るかを表す依頼人関係区分情報の少なくとも一方を第1
    記憶手段に記憶しておくと共に、分析対象の商業手形群
    を構成する各商業手形について、金額を表す情報と、手
    形支払人及び割引依頼人の少なくとも一方を表す情報を
    第2記憶手段に各々記憶しておく第1のステップ、 商業手形の金額を統合すべき手形支払人又は割引依頼人
    の関係を前記関係区分で指定する第2のステップ、 前記第1記憶手段に記憶されている支払人関係区分情報
    又は依頼人関係区分情報に基づいて、前記第2記憶手段
    に記憶されている各商業手形の金額のうち、手形支払人
    が前記指定した関係区分に相当する関係を有している複
    数の商業手形の金額、又は割引依頼人が前記指定した関
    係区分に相当する関係を有している複数の商業手形の金
    額を、単一のグループ銘柄に統合する第3のステップ、 前記商業手形群全体の金額規模に対する、前記第3のス
    テップにおける統合を経た商業手形の各銘柄毎の金額の
    比率を演算する第4のステップ、 及び、前記第4のステップにおける演算結果を出力する
    第5のステップから成る商業手形分析方法。
  5. 【請求項5】 商業手形群を構成する各商業手形から手
    形支払人又は割引依頼人が同一である個別銘柄毎に残高
    の全額又は一部を抽出して組み合わせることによって作
    成したポートフォリオ全体の金額規模に対し、前記個別
    銘柄毎の抽出金額が占める比率の最大値を設定すると共
    に、ポートフォリオ作成対象の商業手形群の個別銘柄毎
    の残高を表す個別銘柄残高情報を第3記憶手段に記憶し
    ておく第1のステップ、 与えられたポートフォリオ全体の金額規模と前記設定し
    た比率の最大値に基づいて、各個別銘柄の残高から抽出
    可能な上限金額を演算する第1の演算、及び、前記個別
    銘柄残高情報に基づいて、各個別銘柄のうち、残高が前
    記第2演算手段によって演算された上限金額に満たない
    個別銘柄については残高の全額を抽出し、残高が前記上
    限金額以上の個別銘柄については残高から上限金額を抽
    出して組み合わせることで商業手形のポートフォリオを
    作成したときの、ポートフォリオ全体の金額規模を演算
    する第2の演算を、金額規模の初期値を与えて順次行っ
    た後に、前記第2の演算で演算した金額規模を前記与え
    た金額規模と比較することで、金額規模の演算結果が収
    束したか否かを判定し、金額規模の演算結果が収束して
    いないと判断した場合には第2の演算で演算した金額規
    模を与えて前記第1の演算及び前記第2の演算を順次行
    うことを繰り返す第2のステップ、 及び、前記第2のステップで金額規模の演算結果が収束
    したと判断されたときのポートフォリオを特定するため
    の情報を出力する第3のステップから成るポートフォリ
    オ作成方法。
  6. 【請求項6】 相互に関連する手形支払人の関係が予め
    定められた複数種の関係区分のうちの何れに属するかを
    表す支払人関係区分情報、及び、相互に関連する割引依
    頼人の関係が前記複数種の関係区分のうちの何れに属す
    るかを表す依頼人関係区分情報の少なくとも一方が第1
    記憶手段に記憶されており、分析対象の商業手形群を構
    成する各商業手形について、金額を表す情報と、手形支
    払人及び割引依頼人の少なくとも一方を表す情報が第2
    記憶手段に各々記憶されている状態で、商業手形の金額
    を統合すべき手形支払人又は割引依頼人の関係が前記関
    係区分で指定された後に、コンピュータに所定の処理を
    実行させるためのプログラムが記録された記録媒体であ
    って、 前記所定の処理は、 前記第1記憶手段に記憶されている支払人関係区分情報
    又は依頼人関係区分情報に基づいて、前記第2記憶手段
    に記憶されている各商業手形の金額のうち、手形支払人
    が前記指定した関係区分に相当する関係を有している複
    数の商業手形の金額、又は割引依頼人が前記指定した関
    係区分に相当する関係を有している複数の商業手形の金
    額を、単一のグループ銘柄に統合する第1のステップ、 前記商業手形群全体の金額規模に対する、前記第1のス
    テップにおける統合を経た商業手形の各銘柄毎の金額の
    比率を演算する第2のステップ、 及び、前記第2のステップにおける演算結果を出力する
    第3のステップを含むことを特徴とする記録媒体。
  7. 【請求項7】 商業手形群を構成する各商業手形から手
    形支払人又は割引依頼人が同一である個別銘柄毎に残高
    の全額又は一部を抽出して組み合わせることによって作
    成したポートフォリオ全体の金額規模に対し、前記個別
    銘柄毎の抽出金額が占める比率の最大値が設定されると
    共に、ポートフォリオ作成対象の商業手形群の個別銘柄
    毎の残高を表す個別銘柄残高情報が第3記憶手段に記憶
    されている状態で、コンピュータに所定の処理を実行さ
    せるためのプログラムが記録された記録媒体であって、 前記所定の処理は、 与えられたポートフォリオ全体の金額規模と前記設定さ
    れた比率の最大値に基づいて、各個別銘柄の残高から抽
    出可能な上限金額を演算する第1の演算、及び、前記個
    別銘柄残高情報に基づいて、各個別銘柄のうち、残高が
    前記第2演算手段によって演算された上限金額に満たな
    い個別銘柄については残高の全額を抽出し、残高が前記
    上限金額以上の個別銘柄については残高から上限金額を
    抽出して組み合わせることで商業手形のポートフォリオ
    を作成したときの、ポートフォリオ全体の金額規模を演
    算する第2の演算を、金額規模の初期値を与えて順次行
    った後に、前記第2の演算で演算した金額規模を前記与
    えた金額規模と比較することで、金額規模の演算結果が
    収束したか否かを判定し、金額規模の演算結果が収束し
    ていないと判断した場合には第2の演算で演算した金額
    規模を与えて前記第1の演算及び前記第2の演算を順次
    行うことを繰り返す第1のステップ、 及び、前記第1のステップで金額規模の演算結果が収束
    したと判断されたときのポートフォリオを特定するため
    の情報を出力する第2のステップを含むことを特徴とす
    る記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013218748A (ja) * 2005-12-20 2013-10-24 Bgc Partners Inc 複合取引注文の処理システム及び方法
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