JP2002332298A - 肺胞界面活性タンパク質 - Google Patents

肺胞界面活性タンパク質

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JP2002332298A JP2002113971A JP2002113971A JP2002332298A JP 2002332298 A JP2002332298 A JP 2002332298A JP 2002113971 A JP2002113971 A JP 2002113971A JP 2002113971 A JP2002113971 A JP 2002113971A JP 2002332298 A JP2002332298 A JP 2002332298A
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ティー. ホワイト ロバート
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Douglas I Buckley
アイ. バックリー ダグラス
Robert M Scarborough
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、特定の形態のヒトSP−18および
SP−5由来のタンパク質。コードされた配列の類似体
であるこれらのタンパク質のいくつかは、天然タンパク
質に比べて凝集性が著しく減少、すなわち、分子内およ
び分子間の相互作用、主に共有結合のジスルフィドに起
因する凝集が減少している。本発明のSP−5由来ペプ
チドは、天然ポリペプチドの生物学的活性のみならず化
学的および物理的安定性もまた保持している。 【解決手段】ASP活性を有し、かつ以下の配列を持つ
精製ポリペプチドまたは薬学的に許容され得るその塩あ
るいはアミド: X-AA28-AA29-AA30-AA31-AA32-AA33-AA34-AA35-Leu-Leu-
Ile-Z-Z-Z-Z-Z-Z-Leu-Ile-Z-Z-Z-Ile-Z-Gly-Ala-Leu-Le
u-Met-Y。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の呼吸疾患の
治療に有用な肺胞界面活性タンパク質(ASP)一般に
関する。
【0002】
【従来の技術】ヒトの肺は多数の小さな嚢すなわち肺胞
よりなり、この肺胞中で血液と肺の気室との間でガスが
交換される。健康な個体では、この交換は、II型の肺
胞細胞のミクロソーム膜中で合成されるタンパク質含有
界面活性複合体の存在により媒介される。この複合体が
適正なレベルで存在しない場合には、肺は適切に機能し
得ない。すなわち、肺胞が排気中に崩壊し、そして引き
続く吸気により再膨張し得ない。従って、この複合体の
合成不全を治療せずに放置すると、死または重度の身体
的損傷を引き起こし得る。界面活性複合体のレベルが不
十分な例として最も多く報告された症例は、未熟児また
は複合妊娠(complicated pregnan
cies)後に生まれた乳児に起こり、呼吸窮迫症候群
(RDS)として広く知られている。この症候群の広く
公表されている形態はヒアリン膜症、または特発性RD
Sと呼ばれている。RDSは現在米国および他の先進国
の幼児の死亡および罹患の最大の原因であり、診断およ
び治療に向けて多大な努力がなされている。現在の治療
は、機械的な(加圧)換気に集中しており、この方法は
良くても侵襲性の一時しのぎの方法に過ぎず、肺の損傷
および例えば気管支肺形状異常症、間質性気腫、および
気胸症などの合併症を含む他の有害な副作用をもたらす
ことが多い。この治療を用いると、精神遅滞が起こる場
合もある。(Hallman,M.ら、Pediatr
ic Clinics of North Ameri
ca(1982)29:1057−1075。) 界面活性物質の置換によりこの症候群を治療する試みが
限定されたものであるがなされている。この方法は一般
に、投与は1回だけでよいため優良な方法であり、損傷
の可能性は低減する。例えば、Fujiwaraら、L
ancet(1980)1:55は、ウシの肺由来のタ
ンパク質欠損の界面活性物質調製物を使用し、一方、H
allman,Mら、Pediatrics(198
3)71:473−482はヒトの羊水から単離した界
面活性物質を使用して、限られた数の乳児の治療を行
い、ある程度の成功を治めている。Clementsの
米国特許第4,312,860号は、タンパク質を含有
しない合成界面活性物質を開示し、データは示していな
いがこの方法に有用であるとしている。要約すると、界
面活性物質置換は臨床的に広く使用されてはいない。
【0003】好適な界面活性置換物質は、肺の界面活性
複合体自体である。この複合体、はアポタンパク質、大
量に存在する2つのりん脂質(ジパルミトイルホスホコ
リン(DPPC)およびホスファチジルーグリセロール
(PG))、極めて僅かな量で存在するいくつかの脂質
成分、およびカルシウムイオンからなる。アポタンパク
質は、分子量32,000ダルトンのタンパク質、およ
び約10,000ダルトンの疎水性の強いタンパク質を
含有する(King,R.J.ら、Am JPhysi
o1(1973)224:788−795)。この3
2,000ダルトンのタンパク質はグリコシル化され、
ヒドロキシプロリンを含有する。
【0004】界面活性物質置換療法の進歩が制限されて
いる主な理由は、複合体のタンパク質部分が入手し得な
いためであった。置換療法は、脂質成分単独を使用する
試みに集中しており、このような治療の成績は、アポタ
ンパク質の添加により著しく向上し得るようである(H
allman,Mら、Pediatric Clini
cs of North America(1982)
(前出))。しかし、現在のところ、これらのタンパク
質は正常なヒト成人の肺から、および羊水からしか入手
し得ない。効率的な単離方法によっても、十分な供給を
提供し得ない。従って、単独でまたは複合体の飽和りん
脂質部分との結合で使用するための、実用的な量のアポ
タンパク質を製造する方法の実現が望まれている。
【0005】関連するPCT特許出願第WO86/03
408号は、約32kdのヒトASPタンパク質の組み
換えによる製造、種々のイヌASPタンパク質をコード
するDNA配列の回収、および約10kdの分子量のヒ
トASPタンパク質グループの1つの代表例の回収を開
示している。十分な治療に使用するために「10K」グ
ループの効率的な製造が必要であることが現在では明白
である。
【0006】1987年11月5日に公表された別の関
連するPCT特許出願第WO87/06588号は、こ
れら10Kタンパク質およびこれらをコードするDNA
に関するさらなる記載を与えている。該出願の表1およ
び2は、イヌおよびヒトのSP−18由来タンパク質の
前駆体をコードする全長cDNAを示している。成熟ヒ
トタンパク質は、この全長配列のコドン201でコード
されるフェニルアラニン残基から開始されることが記載
されている。哺乳類および細菌の細胞の両方の中での、
SP−18前駆体の発現のためのベクターの構築が詳細
に記載されている。哺乳類の細胞中での全長前駆体の発
現は、43kdおよび25kdの前駆体タンパク質を与
えることが、SDS−PAGEで判明した。この25k
dの生成物は、この配列内にコードされたPhe−20
1からGlu−381にわたる、181アミノ酸配列の
グリコシル化した形態であると記載されている。
【0007】前駆体の成熟形態のより均一な製造に有用
となり得る開裂部位を提供するためのヒトタンパク質の
特定の改変した形態もまた記載されている。SP−18
cDNAの細菌による発現もまた記載されている。
【0008】PCT特許出願第WO87/06588の
図5および6は、SP−5と命名された5kd−8kd
の分子量が小さい方のタンパク質の前駆体をコードする
2つのcDNAクローンのDNAおよび推定アミノ酸配
列を示している。SP−18cDNAと同様に、これら
のクローンは、単離された5kd−8kdの分子量が小
さい方のタンパク質の前駆体をコードすることが開示さ
れている。推定のN−末端は、この配列のコドン24お
よび25のPheまたはGlyであると述べられてい
る。これらのタンパク質の成熟C−末端は、8kdタン
パク質ではGln−108であり、そして5kdタンパ
ク質ではGlu−80またはThr−65であると推定
されている。哺乳類および細菌の細胞中でのこのcDN
Aの発現もまた記載されている。
【0009】上記の2つのPCT出願、WO86/03
408およびWO87/06588を本明細書では参考
文献として援用する。
【0010】本出願は、肺胞界面活性タンパク質として
有効な種々のSP−5関連ペプチドを記載する。これら
のSP−5類似体および断片は、化学合成により、また
は組換法により調製し得、呼吸器疾患および徴候(sy
mptomologies)の治療に有用な肺胞界面活
性タンパク質に属する特定の構成物を提供する。
【0011】本出願の親出願である米国特許出願第07
/117,009号もまた、10Kグループのタンパク
質を幾分詳細に記載している。その出願の開示の全体を
本明細書ではに参考文献として援用し、本明細書では明
確に記載または説明していない物質は該出願を参考とさ
れたい。本出願は、ヒトSP−5タンパク質のさらなる
研究に基づき、特に、ASP活性を有することが判明し
たタンパク質の類似体に関する。本出願で記載し、特許
請求した類似体は、天然ポリペプチドの安定性および生
物学的活性を保持しているのに加え、天然の5kdタン
パク質よりも凝集しにくい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特定の形態
のヒトSP−18およびSP−5由来のタンパク質を提
供する。コードされた配列の類似体であるこれらのタン
パク質のいくつかは、天然タンパク質に比べて、凝集性
が著しく減少している。すなわち、分子内および分子間
の相互作用、主として共有結合のジスルフィドに起因す
る凝集が減少している。そのため、これらの類似体の抽
出および精製は、天然ポリペプチドと比べて非常に容易
である。
【0013】本発明のSP−5由来のペプチドは、ヒト
SP−5の長さおよびアミノ酸配列の両方を改変し得た
ものであるが、天然ポリペプチドの生物学的活性のみな
らず化学的および物理的安定性を保持している。
【0014】本発明の別の局面では、呼吸窮迫症候群の
治療用の、SP−18および/またはSP−5関連ペプ
チドを含有するように処方された、薬学的組成物が提供
される。本発明は、SP−18および/またはSP−5
関連ペプチドの投与により呼吸窮迫症候群の治療方法を
も包含する。
【0015】
【発明を解決するための手段】本発明は、ASP活性を
有し、かつ以下の配列を持つ精製ポリペプチドまたは薬
学的に許容され得るその塩あるいはアミド:
【0016】
【化1】 ここで、AA28はCysあるいはSer、AA29はCy
sあるいはSer、AA30はProあるいはAla、A
31はVa1あるいはGln、AA32はHisあるいは
Lys、AA33はLeuあるいはAla、AA34はLy
sあるいはGln、AA35はArgあるいはGln、Z
は、ValあるいはIleのいずれか、YはOH、Gl
y−OH、Gly−Leu−OH、Gly−Leu−H
is−OH、あるいはGly−Leu−His−Y1
ここで、Y1は、図3の60〜74位のアミノ酸に相当
する1〜15個のアミノ酸のC末端伸長配列、そしてX
は、HあるいはH−AA27−、H−AA26−AA27−、
あるいはX’−AA26−AA27−、ここで、AA27は、
ProあるいはAla、AA26は、IleあるいはSe
r、そしてX’は、Hあるいは図3の1〜25位のアミ
ノ酸に相当する1〜25個のアミノ酸のN末端伸長配
列;ここで、条件として、XがPhe−Gly−Ile
−Proのとき、YはHis−Y1であり、ここでY1
60〜66位のアミノ酸のC末端伸長配列であり、そし
てすべてのZはValであり、AA28−AA35は−Cy
s−Cys−Pro−Val−His−Leu−Lys
−Arg−(配列番号5)および(配列番号6)となり
得ない、ポリペプチドまたはその塩あるいはアミドを提
供する。
【0017】1つの実施形態において、上記ポリペプチ
ドは、上記YがGly−Leu−OHあるいはGly−
Leu−His−Y1であり得る。
【0018】別の実施形態において、上記Xは、H、A
27−、AA26−AA27−、Gly−AA26−AA
27−、あるいはPhe−Gly−AA26−AA27−であ
り得る。
【0019】さらに別の実施形態において、上記Xは、
H、AA27−、AA26−AA27−、Gly−AA26−A
27−、あるいはPhe−Gly−AA26−AA27−で
あり得る。
【0020】なお別の実施形態において、上記AA28
よびAA29の両方は、Serであり得る。
【0021】なおさらに別の実施形態において、上記A
27およびAA30の両方は、Alaであり得る。
【0022】さらなる実施形態において、上記AA31
Gln、AA32はLys、そしてAA33はAlaであり
得る。
【0023】本発明はまた、以下から選択されるアミノ
酸配列を有するポリペプチドを提供する:
【0024】
【化2】
【0025】1つの局面において、本発明は、以下のア
ミノ酸配列を有するポリペプチドを提供する: Gly−Ile−Pro−Ser−Ser−Pro−V
al−His−Leu−Lys−Arg−Leu−Le
u−Ile−Val−Val−Val−Val−Val
−Val−Leu−Ile−Val−Val−Val−
Ile−Val−Ala−Leu−Leu−Met−G
ly−Leu−His(配列番号:39)。
【0026】別の局面において、本発明は、以下のアミ
ノ酸配列を有するポリペプチドを提供する: Gly−Ile−Pro−Ser−Ser−Pro−V
al−His−Leu−Lys−Arg−Leu−Le
u−Ile−Val−Val−Val−Val−Val
−Val−Leu−Ile−Val−Val−Val−
Ile−Val−Gly−Ala−Leu−Leu−M
et−Gly−Leu(配列番号40)。
【0027】本発明はまた、哺乳類の呼吸逼迫症(RD
S)を治療するのに有効な製薬組成物であって、上記ポ
リペプチドを薬学的に許容され得る賦形剤との混合で含
有する製薬組成物を提供する。
【0028】本発明はさらに、哺乳類の呼吸逼迫症(R
DS)を治療する方法を提供し、この方法は、そのよう
な治療を必要とする哺乳類に上記ポリペプチドを有効量
与えることを包含する。
【0029】本発明はまた、上記ペプチドをコードする
DNAから実質的になる、単離された形態の組換えDN
Aを提供する。
【0030】本発明は、組換え宿主中に形質転換された
場合に、上記DNAを発現し得る発現系を含むDNAも
また提供する。
【0031】1つの実施形態において、本発明は、上記
の発現系で形質転換された組換え宿主を提供する。
【0032】本発明は、以下の配列のペプチドまたはそ
の塩あるいはアミドを産生する方法を提供し、この方法
は、
【0033】
【化3】 ここで、AA28はCysあるいはSer、AA29はCy
sあるいはSer、AA30はProあるいはAla、A
31はVa1あるいはGln、AA32はHisあるいは
Lys、AA33はLeuあるいはAla、AA34はLy
sあるいはGln、AA35はArgあるいはGln、Z
は、Va1あるいは11eのいずれか、YはOH、Gl
y−OH、Gly−Leu−OH、Gly−Leu−H
is−OH、あるいはGly−Leu−His−Y1
ここで、Y1は、図3の60〜74位のアミノ酸に相当
する1〜15個のアミノ酸のC末端伸長配列、そしてX
は、HあるいはH−AA27−、H−AA26−AA27−、
あるいはX’−AA26−AA27−からなる群から選択さ
れるアミノ酸配列、ここで、AA27は、Proあるいは
Ala、AA26は、IleあるいはSer、そしてX’
は、Hあるいは図3の1〜25位のアミノ酸に相当する
1〜25個のアミノ酸のN末端伸長配列;ここで、条件
として、XがPhe−Gly−Ile−Proのとき、
YはHis−Y1であり、ここでY1は60〜66のアミ
ノ酸のC末端配列であり、すべてのZはValであり、
AA28−AA35は−Cys−Cys−Pro−Val−
His−Leu−LYs−Arg−となり得ず、上記細
胞を培養する工程、およびペプチドを回収する工程を含
む。
【0034】本発明はまた、ASP活性を有し、そして
図3の201位から、275−281位のアミノ酸とし
て示された配列を持つ、精製されたポリペプチドを提供
する。
【0035】
【発明の実施の形態】(定義)本明細書で用いる用語、
「肺胞界面活性タンパク質(ASP)」は、肺胞界面活
性複合体に関連し、以下に定義するASP活性を有する
アポタンパク質を意味する。試験したすべての種のAS
Pは、本明細書で「32K ASP」と呼ばれる、比較
的高分子量(ほぼ32kd)の1またはそれ以上の構成
成分、および、本明細書で「10K ASP」と呼ばれ
る、比較的低分子量(約5−20kd)の疎水性の強い
構成成分を1またはそれ以上包含するようである。(K
ing,R.J.ら,J Appl Physio1
(1977)42:483−491;Phizacke
rley,P.J.R.,Biochem J(197
9)183:731−736)。
【0036】哺乳類に存在することが知られている界面
活性タンパク質の性質に関する、さらなる議論が、第W
O87/06588号に見られる。それに記載されてい
ることを要約すると、「10K」グループのタンパク質
は、2つの異なるDNAによってコードされた前駆体に
由来する。SP−18と呼ばれるこれらのDNAの一方
のセットは、ゲル上の約18kdに現れる、タンパク質
の前駆体をコードするが、還元条件下では、10kdの
分子量を示す。SP−5と呼ばれるもう一方のDNA
は、ゲル上で8kdまたは5kdの分子量を示すタンパ
ク質の前駆体をコードする。本出願の発明は、SP−1
8およびSP−5の前駆体タンパク質によって生成する
ペプチドに関連した特定のペプチドに関する。
【0037】あるタンパク質の「ASP活性」は、脂質
のみ、または、脂質および他のタンパク質と共に組み合
わされた場合に、Robertson,B.,Lung
(1980)158:57−68のインビボアッセイで
活性を示す能力と定義される。このアッセイでは、評価
すべき試料を、帝王切開術によって未熟児の状態で出産
させたウサギの胎児または子羊の胎児に、気管内チュー
ブを通して投与する。(これらの「未熟児」は自身のA
SPを欠き、人工呼吸器で維持されている。)肺の伸縮
性、血液ガスおよび人工呼吸器の圧力の測定により、活
性の指数を得る。例えば、King,R.J.ら,Am
J Physio1(1972)223:715−7
26に記載の、または、HawgoodらのPCT出願
第WO87/06588号に記載され、説明されている
インビトロアッセイにより、活性の予備評価を行い得
る。後者は、タンパク質をリン脂質小胞調製物と混合し
た時の、空気−水の界面の表面張力の直接測定を利用し
ている。本明細書に記載し、特許請求した、SP−18
およびSP−5由来ペプチドは、すべてASP活性を示
す。
【0038】本発明の「hSP−5由来ペプチド」は、
図1および2に示すヒトSP−5DNAによってコード
されたアミノ酸配列に基づくペプチド、特に、図3に示
す前駆体アミノ酸配列の部分をコードし、且つ、上記で
定義したASP活性を有する部分を含む。これらのSP
−5ペプチドあるいは薬学的に許容され得るその塩ある
いはアミドは以下のアミノ酸配列で定義される:
【0039】
【化4】 ここで、AA28はCysあるいはSer、AA29はCy
sあるいはSer、AA30はProあるいはAla、A
31はValあるいはGln、AA32はHisあるいは
Lys、AA33はLeuあるいはAla、AA34はLy
sあるいはGln、AA35はArgあるいはGln、Z
は、ValあるいはIleのいずれか・YはOH、Gl
y−OH、Gly−Leu−OH、Gly−Leu−H
is−OH、あるいはGly−Leu−His−Y1
ここで、Y1は、図3の60〜74位のアミノ酸に相当
する1〜15個のアミノ酸のC末端伸長配列、そしてX
は、HあるいはH−AA27−、H−AA26−AA27−、
あるいはX’−AA26−AA27−、ここで、AA27は、
ProあるいはAla、AA26は、IleあるいはSe
r、そしてX’は、Hあるいは図3の1〜25位のアミ
ノ酸に相当する1〜25個のアミノ酸のN末端伸長配
列;ここで、条件として、XがPhe−Gly−Ile
−Proのとき、YはHis−Y1であり、ここでY1
60〜66位のアミノ酸のC末端伸長配列であり、そし
てすべてのZはValであり、AA28−AA35は−Cy
s−Cys−Pro−Val−His−Leu−Lys
−Arg−。
【0040】上記のグループ中hSP−5由来ペプチド
のYの、好適な実施態様は、Gly−Leu−OH、ま
たはGly−Leu−His−Y1である。但しY1は、
図3で60−74の番号を付した15個のアミノ酸に対
応するC末端伸張部である。Xの好適な実施態様は、
H、H−AA27−、H−AA26−AA27−、Gly−A
26−AA27−または、Phe−Gly−AA26−AA
27−である。
【0041】以下に述べるように、上記のグループ内の
特に好適なSP−5類似体は、AA 28およびAA29が両
方Serのものである。いかなる理論にも束縛されるこ
とを望まないが、これらの部位の、2つの天然Cys残
基をSerで置換すると、分子内および分子間ジスルフ
ィド結合が減少し、従って、タンパク質の凝集が減少す
ることを本発明の発明者は実証した。
【0042】本発明の「hSP−18由来ペプチド」
は、図4に示すアミノ酸配列を有するペプチドを含む。
図4は、201位から275−281位のカルボキシ末
端までにわたるヒトクローン#3を示す。特に好適なも
のは、201−279位にわたるSP−18タンパク質
である。
【0043】(タンパク質の生産)本発明のhSP−1
8およびhSP−5由来ペプチドの、より短い形態のも
のは、固相ペプチド合成、または、他の標準的ペプチド
合成手段によって、調製し得る。これらのペプチドはま
た、組換えベクターおよび宿主を用いて簡便に製造し得
る。
【0044】ベクターの構築、細胞の形質転換、形質転
換細胞中での発現、等に用いられる技術のほとんどは、
当該分野で広く実施されており、ほとんどの当業者は、
特定の条件および方法を記載した標準的な手引書を熟知
している。本発明のペプチドに用いられる方法の例は、
特に、第WO86/03408号および第WO87/0
6588号に実際的に記載されている。
【0045】特に哺乳類系および細菌系および酵母系を
含む様々な宿主体系で、発現を行ない得る。加えて、他
の細胞系も当該分野で使用可能になり、例えば、バキュ
ロウィルスベクターが、昆虫の細胞内でタンパク質をコ
ードする遺伝子を発現するために用いられている。以下
に述べる発現系は、本発明の例示を目的とするものであ
り、当業者は、様々な発現系が使用され得ることを理解
している。
【0046】cDNAまたはゲノムDNAの回収、およ
び/または合成方法の使用によって、様々なhSP−5
およびhSP−18由来ペプチドをコードするヌクレオ
チド配列が得られ、様々な系中で、これらのヌクレオチ
ド配列を発現し得る。原核系が用いられる場合は、適切
な対照配列と共にイントロンを含有しないコード配列を
用いるべきである。上記のASPタンパク質のいづれに
対応するcDNAクローンは、適切な制限酵素で切り出
し、このような発現のための原核ベクターに連結され得
るか、または、合成のコード配列が使用され得る。AS
PゲノムDNAを原核系で発現させるためには、部位特
異変異誘発により、または、cDNAの対応部分を回収
し、それらをイントロン含有ゲノム配列で置換すること
により、DNAからイントロンを除去する修飾をすべき
である。イントロンを含有しないコードDNAを次に、
原核発現用の発現ベクターに連結する。
【0047】例示するように、ゲノム配列、cDNA配
列、または合成(または一部合成)ASPコード配列
は、イントロンをプロセッシング可能な発現系、通常、
哺乳類の宿主細胞培養系に、直接使用し得る。このよう
な発現を実施するために、ゲノム配列または他の配列
を、適合性のある細胞内でこれらの配列の発現を調節す
る制御可能な哺乳類プロモーターの下流に連結され得
る。
【0048】組換え体産生に加えて、SP−5コードタ
ンパク質に関連するタンパク質のような、長さの十分短
い、本発明のタンパク質は、標準タンパク質合成方法に
よって調製し得る。
【0049】(タンパク質の回収)ASPタンパク質
は、成熟タンパク質もしくは融合タンパク質として産生
され得、または分泌するためにシグナル配列をプロセシ
ングし得る細胞中で、シグナル配列と共に産生され得
る。タンパク質が分泌されると、精製の困難性が最小限
になるため、時として有利な場合がある。従って、適切
なプロセッシングをし得る細胞中で、天然のシグナル配
列のコドンを含むヒトASP遺伝子を発現させることが
好ましい。培養された哺乳類細胞は、シグナル配列を有
する異種の哺乳類タンパク質を開裂し、プロセシング
し、それらを培地中に分泌することが示されている(M
cComick,F.ら、Mol Cell Bio1
(1984)4:166)。
【0050】培地に分泌されると、ASPタンパク質
は、標準タンパク質精製技術により回収される。比較的
少数のタンパク質が、培地に分泌され、そこで分泌され
たタンパク質の大部分は、すでにASPであるため、精
製工程は簡略化される。方法はより困難であるが、融合
または成熟の形態で細胞内に生産される細胞の音波処理
物または溶解産物からこのタンパク質を精製すること
は、当該技術分野で公知の手段である。このような方法
の1つを以下に例示する。
【0051】(ASP活性のアッセイ)表面張力を減少
させる(表面圧力を増加させることと同義)ことによ
り、ASPタンパク質が水/空気の界面に膜を形成する
能力を評価するインビトロの試験法が考案された。これ
らの方法を用いた研究が、単離された天然の10Kのイ
ヌASPに関して行われた(Benson, B.J.
ら、Prog RespRes(1984)18:83
−92;Hawgood、S.らBiochemist
ry(1985)24:184−190)。これらの方
法はまた、個々の合成ペプチドおよび組み換えペプチド
にも適用される。インビボでの界面活性物質複合体の機
能は、表面張力を減少させるために、空気/水の界面に
膜を形成することであるため、インビトロのモデルの表
面で脂質またはリポタンパク質の拡がりにより生成する
膜の形成を促進するASPタンパク質の能力は、明かに
その有用性と関連している。
【0052】WO87/06588号のセクションD.
10に詳述されている、インビボのモデルもまた使用さ
れる。
【0053】(投与及び使用)精製されたタンパク質お
よび類似体は、小児または成人の呼吸窮迫症候群の治療
のために投与されるのに適切な薬学組成物に、単独でお
よび組み合わせて使用され得る。本発明の組成物はま
た、肺炎および気管支炎のような関連の呼吸疾患を治療
するのに有用である。この複合体は、約50%からほぼ
100%(wt/wt)の脂質および50%から1%未
満のASPを含み、好ましくはASPが、複合体の5%
から20%である。脂質部分の70%から90%(wt
/wt)がDPPCであり、その残りの部分が、不飽和
ホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロール、
トリアシルグリセロール類、パルミチン酸、パルミトイ
ルオレイルホスホグリセリド(POPG)、またはその
混合物であるのが好ましい。複合体は、ASP溶液と脂
質リポソームの懸濁液とを混合させるか、または洗浄剤
または有機溶媒の存在下に直接脂質タンパク質溶液を混
合することにより形成される。次いで、洗浄剤または溶
剤は、透析または蒸発により除去され得る。
【0054】複合体を構築するために肺洗浄物からの天
然の脂質成分を用い、それに適切な量のASPタンパク
質を補給することが可能であるが、合成脂質を使用する
ことが明らかに好ましい。第1に、自明なことである
が、十分な供給が問題なためである。第2に、調製物の
純度および、天然の脂質が単離される肺に存在し得る感
染性のタンパク質を含む、外来タンパク質による汚染が
ないことは、合成調製物でのみ保証される。もちろん、
有効な複合体の再構成は、合成成分を使用する方がより
困難である。
【0055】好ましいASP組成物は、単離された10
K混合物との複合体、SP−5−もしくはSP−18−
がコードするタンパク質単独、単独または組合せた活性
SP−5類似体、10Kおよび32K混合物の複合体、
またはSP−18もしくはSP−5−関連タンパク質と
32K混合物との複合体を含む。後者の場合、好ましい
タンパク質比、すなわち32K:10Kもしくは32
K:SP−18もしくは32K:SP−5−は、通常、
3:1から200:1の範囲、好ましくは約10:1か
ら5:1の範囲である。32Kタンパク質は、リン脂質
小胞の水性懸濁液に水溶液で直接加え得る。10Kタン
パク質は疎水性が強いため、クロロホルムのような有機
溶媒の溶液中の脂質に加えられ、溶媒を蒸発させ、次い
で、水和により水小疱を再形成させる。
【0056】界面活性複合体を投与するために、10K
タイプに32Kタンパク質を添加すると、相乗効果があ
るように思われる。すなわち、32Kおよび10Kタイ
プのタンパク質を組み合わせると、10Kタンパク質単
独の場合に必要なタンパク質濃度よりも低い濃度で所望
の活性を示す。従って、本発明の好ましい方法では、投
与される界面活性複合体は、有効な量の10K混合物ま
たは個々のSP−5またはSP−18タンパク質、また
は本発明のhSP−5またはhSP−18由来のペプチ
ドと、32KのASPとの混合物を含む。もちろん、個
体のhSP−5またはhSP−18由来のペプチド混合
物が使用され得る。特に好ましい組成物は、全組成物の
通常50%からほぼ100%の範囲の適切な量の脂質成
分と共に、上記のような32K:10K比のタイプのタ
ンパク質を含む。
【0057】複合体を含む組成物は、気管内投与に適切
な、すなわち、一般に脂質懸濁液、乾燥粉末「ダス
ト」、またはエアロゾルが好ましい。直接気管内投与す
るためには、複合体は、例えば水、生理食塩水、デキス
トロースまたはグリセロール等の適切な賦形剤を含む液
体中に懸濁される。組成物はまた、例えば酢酸ナトリウ
ムまたはリン酸ナトリウム等のpH緩衝剤のような無毒
性補助物質を少量含み得る。「ダスト」を調製するため
に、上記のように任意に混合された複合体を、凍結乾燥
し、次いで乾燥粉末として回収する。
【0058】エアロゾル投与に用いる場合には、複合体
は、付加的な界面活性剤および噴射剤と共に、微細に分
割された形態で供給される。投与され得る典型的な界面
活性剤は、脂肪酸およびエステルであるが、本発明の場
合、界面活性剤複合体の他の成分のDPPCおよびPG
を用いるのが好ましい。有用な噴射剤は、通常、通常条
件で気体であり、加圧下で凝縮される。低級アルカンお
よびフレオン(Freon)のようなフッ素化アルカン
が使用され得る。エアロゾルは、適切なバルブを備えた
コンテナー中に充填し放出されるまで、加圧下に成分を
維持する。
【0059】界面活性複合体は、気管内挿入管、エアロ
ゾル投与、または吸気中への懸濁液またはダストの噴霧
による、等の投与形態に応じて適切に投与される。体重
1kg当り約0.1mgと200mgとの間、好ましく
は50−60mgの量の複合体が一回の投与で投与され
る。新生児に使用する場合は、一回の投与で一般に十分
である。成人では、再構成された複合体が、示された欠
損レベルを補うのに十分な量、投与される(Hallm
an、M.ら、J Clinical Investi
gation(1982)70:673−682)。
【0060】さらに、本願に記載のhSP−18−およ
びhSP−5−由来のぺプチドを含む1つまたはそれ以
上のASPタンパク質が、他の生物学的に活性で重要な
分子を、肺および/または肺を通じて血管系に運搬する
ためのキャリヤーまたはビヒクルとして使用され得る。
後者の場合、身体の他の器官にとって重要な物質の運搬
がなされ得る。
【0061】本発明は、好ましい特定の実施態様に関連
させて記載しているが、上記の説明および以下の実施例
は、本発明を例示することを目的とし、本発明の範囲を
限定するものではない。本発明の範囲内にある他の局
面、利点および改変は、本発明が関連する当業者に自明
である。
【0062】
【実施例】(調製A) (哺乳類ASPタンパク質の単離)WO86/0340
8およびWO87/06588に記載されているよう
に、イヌ、ヒトおよびウシASPタンパク質を精製した
形態で得たが、これらの出願願書には、ヒトおよびイヌ
の32Kのタンパク質をコードするDNA、並びにヒト
およびイヌのSP−18タンパク質をコードするDNA
が回収され開示された。ヒトASPのSP−5前駆体タ
ンパク質をコードする、完全なcDNA配列の2つの改
変型が、WO87/06588に記載されているように
回収されており、本願の図1および2に示すように再生
される。
【0063】(実施例1:単離された10Kタンパク質
のN末端およびC末端の同定) 5kdタンパク質:10K混合物中の5kdタンパク質
のカルボキシ末端は、このタンパク質が分子量約20,
500ダルトンの大きな前駆体に由来しているため、確
認が難しい。単離された、天然のイヌタンパク質の質量
スペクトル分析では、図5のイヌタンパク質のアミノ酸
配列において示したように、明らかにカルボキシ末端が
His−59であることが示された。ヒトの肺洗浄液か
ら単離された天然SP−5タンパク質の、酵素開裂フラ
グメントのアミノ酸配列分析では、カルボキシ末端がL
eu−58にあることが示された(Johansso
n,J.ら、FEBSLetters, 232, N
o. 1(1988), 61−64参照)。イヌの天
然型SP−5およびヒトの天然型SP−5を質量スペク
トルによって再分析すると、観察される分子量は、Le
u−58にカルボキシ末端を有する種類と一致する。こ
の種類は、(イヌではAA−28の、ヒトではAA−2
8,29の)システイン残基がチオエステル結合を介し
てパルミチル化されている。パルミチル基を除去するた
めに、還元剤によってこの天然型を処理し、次に質量ス
ペクトル分析およびHPLC分析を行って、これらの種
類が存在することが確認された。従って、本発明の好ま
しいアナログは、図1、2および3に示すように、Le
u−58またはHis−59にカルボキシル末端を有し
得る。組換え産生技術を用いて、本願の発明者らは、L
eu−58とHis−59の双方にカルボキシル末端を
有するSP−5アナログを生成し、本明細書に説明す
る、インビトロおよびインビボ両方のアッセイで、それ
らが本質的に同等であるということを示した。特に、比
較して同等であるということが示されたアナログは、ア
ミノ酸末端をGly−25に、Ser残基をAA−28
およびAA−29に、そしてカルボキシル末端をLeu
−58またはHis−59に有するヒトSP−5アナロ
グタンパク質である。
【0064】ヒト5kdタンパク質のN−末端は、アミ
ノ酸の直接配列決定によってフェニルアラニン(図3に
示すように、24位において)であることがわかるが、
25位のグリシンおよび26位のイソロイシンを代わり
にN末端として有する先端切断型もまた見いだされた。
【0065】18kdタンパク質:10K混合物中の1
8kdタンパク質のカルボキシ末端を、アミノ酸組成定
量と、N末端から始まるタンパク質のアミノ酸配列決定
と、カルボキシペプチダーゼY消化(タンパク質のC末
端からアミノ酸を開裂させる酵素)と、質量スペクトル
とを用いて分析した。図6に、ヒトおよびイヌのタンパ
ク質のアミノ酸配列を示す。
【0066】臭化シアンによるメチオニンでの開裂の
後、イヌおよびウシ18kdタンパク質の配列分析を行
うと、イヌタンパク質のC末端はHis−279に、ウ
シタンパク質のC末端はSer−278にあることが示
された。カルボキシペプチダーゼYを用いた酵素分析で
は、Leu−275が、イヌおよびウシタンパク質両方
のC末端であった。イヌタンパク質の質量スペクトル分
析では、C末端はArg−276であり、臭化シアン開
裂の後のアミノ酸配列決定によって予測されるところに
よると、小さな配列がHis−279に伸びている。要
するに、カルボキシ末端はイヌタンパク質においてはH
is−279に近く、類推すると、ヒト18kdタンパ
ク質においてはMet−279に近い。上記の結果に基
づくと、特定の調製物および種類に応じて、タンパク質
の先端切断型のC末端、および先端切断型またはゆらぎ
型N末端が存在すると思われる。従って、本願の発明者
らは、特定の種類について、おそらく多数のC末端が存
在すると仮定する。図6に示すように、ヒトタンパク質
の推定N−末端は、WO87/06588に記載されて
いるように201位のフェニルアラニンである。カルボ
キシ末端は、同様に図6に示すように、279位のメチ
オニンコドンに近い。
【0067】(調製B) (哺乳類発現のためのベクター構築)本明細書に開示さ
れるhSP−18由来タンパク質およびhSP−5由来
タンパク質は、組換え技術を用いて調製され得る。イン
トロンを含むDNAをプロセシングすることもできる、
哺乳類細胞中で様々なASPをコードする配列を発現さ
せるのに適したベクターが構築された。これらのベクタ
ーにおいては、WO87/06588に記載されている
ように、メタロチオネインII(hMTII)コントロ
ール配列によって発現が調節される。この公開出願で
は、宿主ベクターpMT、pMT−Apo、pMT−S
V(9)、pMT−SV(10)、およびpMT−Ap
o10の調製を詳細に記載している。これらのベクター
はすべて挿入部位を有しており、メタロチオネインプロ
モーターの制御下にコードする配列を置くことができ
る。名称に”Apo”のつくベクターは、挿入領域の下
流のApoAI遺伝子に伴う、3’末端調節シグナルを
も含んでいる。名称に”9”または”10”がつくベク
ターは、作動可能なSV−40ウイルスエンハンサーを
も含んでいる。
【0068】上記公開出願に記載されているように、p
MTApo10をBamHIで消化し、平滑化し、SP
−18前駆体をコードする1275bpのクローン#3
から得たcDNA配列(平滑末端フラグメント)に連結
した。このことは、ヌクレオチド663位のBamHI
部位を避けつつ、EcoRI/BamHI(パーシャ
ル)フラグメントをcDNA#3から単離し、これをE
coRI/BamHI消化pUC9にサブクローニング
することによって行われた。所望のフラグメントをEc
oRIおよびHindIIIで取り出し、クレノウで平
滑化し、そしてpMTApo10に挿入した。得られた
ベクターであるpMT(E):SP−18−40kを、
CHO細胞に形質転換した。これらの形質転換細胞の培
養物中でプロモーターを誘導することにより、25kd
および43kdタンパク質が産生された。これらのタン
パク質はヒト18kd ASPに対する抗血清で免疫沈
降される。前駆体の残基336−353に伸びるペプチ
ドに対する抗血清を用いたウエスタンブロットにかける
と、25kdおよび43kdタンパク質が検出された。
25kd生成物は、N結合グリコシル化部位を有する、
Phe−201:Leu−381に伸びる、181個の
アミノ酸配列を示すと考えられている。さらにWO87
/06587に記載されているように、SP−18をコ
ードするDNAを含有するアナログベクターを構築し、
このベクターは、明らかにCHO細胞中で全長配列から
産生された前駆体タンパク質の、インビトロでの開裂の
ための部位を提供する、標準部位特異的突然変異導入の
技術を用いて作られた。このような構築物の1つにおい
て、381個のアミノ酸前駆体を改変して、Gln−1
99:Gln−200およびArg−286:Ser−
187のそれぞれを、Asn:Glyに置き換えて、
(AsnとGlyとの間を開裂する)ヒドロキシルアミ
ンによって開裂可能な部位を得た。このようにして生成
したヒドロキシルアミンによる前駆体の開裂部によっ
て、推定される成熟形態が生じる。この成熟型は、アミ
ノ末端に付加的gly残基を有し、Asn残基に変換さ
れた推定カルボキシ末端Arg−286を有する。別の
構築物では、Phe−201およびSer−87がAs
p残基に変換されている。酸を用いた(AspとPro
との間の)開裂によって、N末端Phe−201がな
く、カルボキシ末端に付加的Asp残基を有する、SP
−18タンパク質の成熟形態が生じる。別の構築物で
は、Glu残基の後を開裂するStaph V8ペプチ
ダーゼを用いて、インビトロで、前駆体をより緩やかな
酵素工程によって処理することができる。Glu−25
1をAspに変換することによって、Glu−198お
よびGlu−291の天然Glu残基が利用される。4
3kd前駆体は、Staph V8で開裂され、アミノ
末端に付加Gln−Glnを持ち、カルボキシ末端にP
ro−Thr−Gly−Gluを有する推定の成熟SP
−18タンパク質が生ずる。さらに別の構築物では、G
lu残基が200位および/または287位に位置させ
られ得る。
【0069】同様の方法で、図1および図2に示す、S
P−5クローンの平滑化EcoRI挿入物をBamHI
消化pMT−Apo10内に入れ、pMT(E):SP
−5ベクターを得、CHO細胞に形質転換した。
【0070】(実施例2:hSP−18由来ペプチドお
よびhSP−5由来ペプチドをコードするDNAの哺乳
類発現)本明細書に説明する、本発明のhSP−5由来
タンパク質およびhSP−18由来タンパク質をコード
するDNA配列を、BamHI消化pMT−Apo10
に入れ、適切な発現ベクターが得られる。好ましくは、
所望のタンパク質をコードするDNAを、CHO細胞に
おいて有効なシグナル配列へ、作動可能に連結する。挿
入された配列のCHO細胞への形質転換および発現は、
下記のように行われる。
【0071】チャイニーズハムスター卵巣(CHO)−
K1細胞を、10%の胎児仔牛血清を添加した、クーン
のF12培地とDME21培地との1:1混合物からな
る培地で増殖させる。成分細胞は、目的のベクターおよ
びpSV2:NEO(Southern, P.ら、J
Mol Appl Genet(1982)1:32
7−341)によって同時形質転換される。pSV2:
NEOは、ネオマイシンアナログG418に対する耐性
を与える機能的遺伝子を含有している。一般的な形質転
換においては、0.5μgのpSV2:NEOおよび5
μg以上の発現ベクターDNAが、100mmディッシ
ュの細胞に付与される。Wigler,M.ら、Cel
l(1979)16:777−785のプロトコルによ
る、リン酸カルシウムとDNAの同時沈澱法では、DN
Aに4時間曝した後、15%グリセロールを含むPBS
での2分間の「ショック」が用いられる。
【0072】簡単に言うと、細胞を1/10集密で接種
し、1晩増殖させ、PBSで2回洗浄し、CaPO4
DNA同時沈澱を含有する0.5mlのへペス緩衝生理
食塩水内に15分間置き、そして10mlの培地を加え
る。培地を吸引によって除去し、1.5〜3分間、15
%グリセロールを含むPBSに置き換える。ショックを
受けた細胞を洗浄し、培養培地を加える。MT−II制
御発現が誘導されるまで、培地は10%のFBSを有す
る1:1のF12/DMEM21を含有する。1日後、
細胞を1mg/mlのG418に曝し、G418耐性の
コロニーのプールを得る。所望のプラスミドの安定した
遺伝形質も有する、うまく形質転換した細胞を、クロー
ン単離の精製のために、低濃度で培養する。
【0073】所望のタンパク質の産生について、まずプ
ールとして、その後多重ウェルプレートで単離されたク
ローンとして、形質転換細胞をアッセイする。培養アッ
セイレベルは、ある程度ウェルの大きさによる。例え
ば、24ウェルプレートの結果を、96ウェルプレート
の結果とは直接には比較しない。プレートアッセイによ
って、満足のいくレベルでタンパク質を産生しているこ
とがわかったクローンを、次にローターボトルでの製造
作業で成長させることができる。一般に、スケールアッ
プを行うと、産生のレベルは上がる。このため、一般に
100〜200以上の個々のクローンが、プレート上で
の様々なスクリーニング法によってアッセイされ、最も
高い生成を示したもののうち5〜10個が、製造条件下
(ローターボトル)でアッセイされる。
【0074】形質転換された細胞のプールを多重ウェル
プレートで成長させ、5x10-5から1x10-4の亜鉛
イオン濃度に曝し、所望のASPタンパク質の産生を誘
導する。
【0075】10%FBSを含有する、マッコイの5A
培地で成長する個々の細胞株の半集密単層を、リン酸緩
衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、10%FBSと、1
x10-4塩化亜鉛と、0.25mMのアスコルビン酸ナ
トリウムとを含有するマッコイの培地でならす(ref
ed)。(アスコルビン酸塩は、プロリン残基のヒドロ
キシル化に役立つ。)誘導後24時間で、細胞をPBS
で洗浄し、塩化亜鉛およびアスコルビン酸塩を含有す
る、血清フリーのマッコイ培地でならす(refe
d)。12時間後、馴化培地を回収する。
【0076】(調製C) (細菌発現ベクター)WO87/06588号に記載さ
れたように、ASPタンパク質のグリコシル化されてい
ない形態は、バクテリア中で生成され得る。SP−18
タンパク質では、遺伝子は、発現して例えばmet−に
続く201−381残基で表される181アミノ酸前駆
体を生成するか、または15個残基のβ−ガラクトシダ
ーゼリーダーを有する、ヒドロキシルアミンで開裂し得
る融合タンパク質前駆体として生成され得る。ATGに
先立つ、cDNAのアミノ酸201−381をコードす
る改変cDNA #3は、Trp−調節ベクターpTr
p−233のEcoRI部位とHindIII部位との
間に挿入し、pTrp−20を得る。これはWO87/
06588号に記載されている。この構築物は分子量2
0kdのタンパク質を生成する。pBGal宿主ベクタ
ーに類似した構築物であるpBGal−20は、ヒドロ
キシルアミン感受性のAsn−Glyのダブレットを通
して15個残基のβ−ガラクトシダーゼリーダーと融合
した、SP−18 cDNA #3とおなじ配列を含有
し、MW=22kdの融合タンパク質を生成する。
【0077】pTrp−20およびpBGal−20プ
ラスミドを用いて、E.coliW3110をアンピシ
リン耐性に形質転換する。M9培地(1xM9塩、0.
4%グルコース、2mg/mlチアミン、200μg/
mlのMgSO4・7H20、0.5%カザミノ酸)で速
やかに増殖する、pTrp−20/W3110またはp
BGal−20/W3110の培養物を、100μg/
m1のIAA(3−β−インドールアクリレート、シグ
マI−1625)で処理してtrpプロモーターを誘発
する。WO87/06588号はまた、バクテリアに発
現させる開裂部位を提供する、改変されたSP−18タ
ンパク質配列をコードするベクターを開示する。pTr
p−20において、Arg−286:Ser−287を
コードするコドンは、Asn−Glyをコードするよう
に変化されて;ヒドロキシルアミン感受性の開裂部位を
導入するか、またはSer−287のコドンをAspの
コドンに置き換えて、その結果、酸感受性のAsp−P
ro開裂部位を生じるか、またはGlu−251のコド
ンがAspのコドンに置き換えられ、所定のタンパク質
を開裂することなくGlu−291においてStaph
V8で開裂されるようにした。これらの構築物は、2
87−381または291−381のアミノ酸配列を有
するSP−18を生成することが予想された。また、p
Trp−20およびpBGal−20の両方において、
3’末端配列から推定されるカルボキシ末端Arg−2
86までの配列を削除して停止コドンに置換されてお
り、SP−18コドンの201−286位を表すペプチ
ドを生成すると推定された。しかしながら、どちらの構
築物も、誘発後に適当なサイズの標識されたタンパク質
を生成しなかった。
【0078】SP−5由来のタンパク質に関連して、W
O87/06588号は、pTrp−20と同様にAT
Gに続くGly−25から、Sp−5「前駆体」のIl
e−197まで伸びるcDNA #18のフラグメント
を、EcoRI/HindIII消化したpTrp−2
33に挿入してpTrp−5を作製すること、およびp
BGal宿主ベクターに挿入してpBGal−5を作製
することを記載している。ここでSP−5配列は、ヒド
ロキシルアミン感受性のAsn−Glyを通してβ−ガ
ラクトシダーゼリーダーと融合している。これらのベク
ターは推定では、25−197に及ぶSP−5由来のタ
ンパク質を生成する。同様に、この構築物から予想され
るタンパク質のStaph V8による、Phe−24
に続くGluおよびGlu−66での開裂は、24−6
6位置にわたるSP−5由来のペプチドを生じるであろ
う。
【0079】これらの構築物はすべてE.coli W
3110に変換され、上述のように発現される。
【0080】(実施例3:細菌におけるhSP−18お
よびhSP−5誘導のタンパク質の生成)hSP−18
およびhSP−5由来のペプチドを、上流に安定化配列
を有する開裂可能な融合タンパク質として発現すること
は有益である。1988年8月11日に出願された、同
一譲受人による米国特許出願番号231,224号に
は、引例としてここに包含されるが、hSP−18また
はhSP−5ペプチドの特定部分をコードするDNAと
結合した、クロラムフェニコールアセチルトランスフェ
ラーゼ(CAT)をコードする遺伝子の一部を含有する
数種のベクターの構築物が記載されている。SP−5由
来のペプチドの35個のアミノ酸をコードするベクタ
ー、すなわち、6個のアミノ酸リンカー、Ser−As
p−Pro−Glu−Phe−Asnを通してCATと
結合したhSP−5(24−59)を例示している。上
記に引用された出願に記載されているように、これらの
ベクターは以下のように調製される。
【0081】SP−18由来のタンパク質およびSP−
5由来のタンパク質を有するベクターは、ヒト心房のナ
トリウム排せつ増加性ペプチド(hANP)をコードす
る挿入部を用いて構築した宿主ベクターから得られる。
この中間ベクター、pChNF109は以下のように構
築される。
【0082】発現ベクターpChNF109は、エンド
プロテイナーゼのGlu−Cのタンパク質分解性開裂部
位を含有する、241個のアミノ酸のCAT−hANP
ハイブリッドタンパク質をコードする。CATおよびh
ANPのDNAおよびコードされたアミノ酸配列は、第
7図に示されている。CAT遺伝子の大部分(アミノ酸
1−210)は、リンカー遺伝子(5個のアミノ酸)を
通して、上述のようにhANP(102−126)遺伝
子および開裂部位(26個のアミノ酸)インフレームで
結合している。このベクターは、プラスミドpTrp2
33、pCAT21、およびphNF75から構築され
た。これらは、それぞれプラスミドバックボーンおよび
trpプロモーター−オペレー夕ー、CAT遺伝子、そ
してhANP(102−126)遺伝子および開裂部位
を提供した。
【0083】プラスミドpTrp233は、WO87/
06588号に記載された。プラスミドpCAT21
は、CAT遺伝子(トランスポゾンTn9から、Alt
onおよびVapnek,Nature(1979)2
82:864−869)を、trpプロモ一夕ー−オペ
レー夕ーのコントロール下になるように、pTrp23
3に挿入することによって構築された。プラスミドpA
L13ATCAT(Tn9を含有するプラスミドであ
り、1987年9月11日に出願された、同時係属中の
米国出願番号095,742に開示され、引例としてこ
こに包含されている)を、NdeIおよびHindII
Iで消化し、CAT遺伝子を(NdeI部位でコードさ
れた開始Met残基とともに)含む、およそ750bp
のNdeI−HindIIIフラグメントを、アガロー
スゲル電気泳動を用いて精製した。CAT遺伝子は、T
4 DNAリガーゼを用いて、NdeI/HindII
I消化したpTrp233と結合し、その結果生じるプ
ラスミドpCAT21を、E.coli MC1061
から単離した。
【0084】タンパク質分解性開裂部位に後続する合成
hANP遺伝子を、プラスミドpBgal(Shine
ら,Nature(1980)285:456)に挿入
することによってプラスミドphNF75を構築した。
8個のオリゴデオキシリボヌクレオチドを、エンドプロ
テイナーゼのGlu−C開裂部位に続く合成hANP
(102−126)遺伝子に組み込んだ。この合成遺伝
子は、BamHI消化したpTrp233と結合した。
hANP遺伝子の3’末端において、隣接するHind
III、BamHIおよびEcoRI部位を与える方向
に挿入部を有するプラスミドphNF73は、Hind
IIIおよびPvuIIとの消化によって生成したフラ
グメントのサイズによって同定した。プラスミドphN
F73をEcoRIで消化し、ポリアクリルアミドゲル
電気泳動を用いて、hANP遺伝子を精製し、さらにそ
の遺伝子を、EcoRI消化したpBgalと結合し
て、phNF75を得た。
【0085】発現ベクターpChNF109は、CA
T、hANPおよびタンパク質分解性開裂部位を含有す
るDNAフラグメント、およびリンカー配列を、プラス
ミドpTrp233へ挿入することによって構築した。
プラスミドphNF75を、EcoRIおよびHind
IIIで消化し、hANPを含む、約80bpのEco
RI−HindIIIフラグメントを、ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動によって精製し、EcoRI/Hin
dIII消化したpTrp233と連結してphNF8
7を得た。pCAT21はScaIで消化し、BamH
I合成リンカー(5’−CGGATCCG−3’)は平
滑末端に結合した。その結合物をBamHIで消化し、
約740bpのBamHIフラグメントをアガロースゲ
ル電気泳動によって精製した。BamHIカセットとB
amHI消化したプラスミドphNF87とを結合して
pChNF109を得た。このpChNF109は、h
ANP遺伝子に先行するエンドプロテイナーゼのGlu
−C開裂部位にインフレームで融合したCAT遺伝子を
有する。
【0086】pChNF109内のhANPをコードす
る配列を、SP−5およびSP−18配列に置き換える
ことによって、ヒトSP−5由来ペプチドおよびヒトS
P−18由来ペプチドは、細菌のCATの一部との融合
物として発現する。その界面活性ペプチドは、ヒドロキ
シルアミン感受性のアスパラギン−グリシン結合を通し
て、CAT配列のカルボキシル末端と結合している。C
AT−界面活性物質融合物は、細菌のベクターpTrp
233のトリプトファンプロモー夕ーから発現される。
【0087】(発現ベクターpC210SP−B)SP
−18発現ベクターpC210SP−Bは、ヒドロキシ
ルアミン感受性開裂部位を含む7個のアミノ酸のリンカ
ーを通してCATの210個のアミノ酸がSP−18の
76個のアミノ酸に結合している、293残基の融合タ
ンパク質をコードする。ヒドロキシルアミンによる融合
物の開裂によって、SP−18の76残基を含む77個
のアミノ酸のSP−18生成物、およびアミノ末端のグ
リシン残基が放出される。
【0088】pC210SP−Bを構築するために、h
ANP配列を含む短いEcoRI−HindIIIセグ
メントをpChNF109から除去し、ヌクレオチド
(nt)643のPstI部位からnt804のSph
I部位まで伸長するヒトSP−18 cDNA #3
(表3)の一部分によって置換した。EcoRI部位
を、ヒドロキシルアミン感受性開裂部位および成熟SP
−18のアミノ末端残基をコードする2つの相補的オリ
ゴヌクレオチド oligo #2307:5’−AAT TCA AC
G GTT TCC CCA TTC CTC TCC
CCT ATT GCT GGC TCT GCA−
3’(配列番号:18) および oligo #2308: 5’−GAC CCA G
CA ATAGGG GAG AGG AAT GGG
GAA ACC GTT G−3’(配列番号:1
9) を通してPstI部位に結合させた。SphI部位を、
SP−18ペプチドのカルボキシ末端残基をコードする
2組目のの相補的ヌクレオチド oligo #3313: 5’−AGC TTA C
CG GAGGAC GAG GCG GCA GAC
CAG CTG GGG CAGCAT G−3’
(配列番号:20) および oligo #3314: 5’−CTG CCC C
AG CTGGTC TGC CGC CTC GTC
CTC CGG TA−3’(配列番号:21) を通して、pTrp233のHindIII部位に結合
させた。
【0089】この発現プラスミドを使用してE.col
i株W3110をアンピシリン耐性に形質転換した。M
9培地中で速やかに増殖するpC210SP−B/W3
110の培養物を、25μg/mlのIAA(3−βイ
ンドールアタリレート、シグマI−1625)とし、t
rpプロモーターを誘導した。誘導から1時間後まで
に、まだ増殖し続けている細胞内部の位相差顕微鏡検査
により、屈折性の細胞質封入体が認められた。誘導の5
時間後、1 O.D.550に相当する細胞を遠心分離に
よってペレット化し、12%SDS−ポリアクリルアミ
ドゲル中での電気泳動に用いるために、SDSサンプル
緩衝液中で5分間沸騰して、次にクマシーブルーで染色
した。CAT:SP−18融合タンパク質の推定分子量
は、45,000ダルトンである。ハイブリッドCA
T:SP−18タンパク質は、誘導した培養物中の15
−20%の総細胞タンパク質のを含有すると推定され
た。
【0090】(pC210SP−C)251残基の融合
タンパク質のアミノ酸配列がプラスミドpC210SP
−C内にコードされている。CATの210個のアミノ
酸は、6個のアミノ酸のリンカーを通して成熟SP−5
の35個のアミノ酸に結合している。SP−5は総融合
物の14%を含む。
【0091】第8図に、pC210SP−Cの挿入部の
ヌクレオチド配列が示されている。このヌクレオチド配
列では、SP−18配列を含むpC210SP−BのE
coRI−HindIIIフラグメントが、ヌクレオチ
ド123のApaLI部位からヌクレオチド161のA
vaII部位まで伸長した、ヒトSP−5 cDNA#
18のセグメントによって置換されている。CATベク
ターのEcoRI部位を、ヒドロキシルアミン感受性開
裂部位、および成熟SP−5のアミノ末端残基をコード
する2つの相補的オリゴヌクレオチド oligo #2462:5’−AAT TCA AC
G GCATTC CCT GCT GCC CAG−
3’(配列番号:22) および oligo #2463:5’−TGC ACT GG
G CAGCAG GGA ATG CCG TTG−
3’(配列番号:23) を通して、SP−5のApaLI部位に結合させた。S
P−5のAvaII部位を、成熟SP−5のカルボキシ
末端残基および停止コドンをコードする2組目の相補的
ヌクレオチド oligo #2871:5’−AGC TTA GT
G GAGACC CAT GAG CAG GGC
TCC CAC AAT CACCAC GAC GA
T GAG−3’(配列番号:24) および oligo #2872:5’−GTC CTC AT
C GTCGTG GTG ATT GTG GGA
GCC CTG CTC ATGGGT CTC CA
C TA−3’(配列番号:25) を通して、pC210SP−BのHindIII部位に
結合させた。
【0092】(pC179SP−C)pC179SP−
Cによってコードされる217残基の融合タンパク質の
アミノ酸配列は、第8図に示す配列をわずかに改変した
ものである。pC179SP−Cにおいて、CATの1
79個のアミノ酸を、3個のアミノ酸(Glu、Ph
e、Asn)のリンカーを通して成熟SP−5の35個
のアミノ酸に結合させる。SP−5は、総融合物の16
%を含む。
【0093】pC179SP−Cを構築するために、C
AT配列の一部をpC210SP−Cから除去した。p
C210SP−Cから始めて、nt603のNcoI部
位(第8図)からnt728のEcoRI部位まで伸長
するDNAフラグメントを除去し、NcoIおよびEc
oRIの粘着末端を、2つの相補的オリゴヌクレオチド oligo #3083:5’−CAT GGG CA
A ATATTA TAC GCA AG−3’(配列
番号:26) および oligo #3084:5’−AAT TCT TG
C GTATAA TAT TTG CC−3’(配列
番号:27) によって再結合させた。要するに、ベクターpC179
SP−Cによってコードされる新しい融合タンパク質に
おいてはCATの31残基、およびリンカーポリペプチ
ドの3残基が欠失している。
【0094】(pC149SP−C)pC149SP−
Cによってコードされる187残基の融合タンパク質の
アミノ酸配列は、図8に示される配列が僅かに改変され
たものである。プラスミドpC149SP−Cにおい
て、CATの149個のアミノ酸は3個のアミノ酸(G
lu、Phe、Asn)からなるリンカーによってSP
−5の35個のアミノ酸に結合させる。SP−5は総融
合タンパク質の18.7%を含む。
【0095】pC149SP−Cを構築するために、n
t523のDdeI部位(図8)からnt728のEc
oRI部位へ伸長されたpC210SP−CのCATセ
グメントの一部分を取り除き、2本の相補的オリゴヌク
レオチド(oligo#3082:5’−TCA GC
C AAT CCC G−3’(配列番号:28)ol
igo#3081:5’−AAT TCG GGA T
TG GC−3’(配列番号:29))の1組で置換し
た。得られた配列を図9に示す。
【0096】(pC106SP−C)pC106SP−
Cによってコードされる144残基の融合タンパク質の
アミノ酸配列は、図8に示される配列が僅かに改変され
たものである。プラスミドpC106SP−Cにおい
て、CATの106個のアミノ酸は3個のアミノ酸(G
lu、Phe、Asn)からなるリンカーによってSP
−5の35個のアミノ酸に結合させる。SP−5は総融
合タンパク質の24%を含む。
【0097】アニーリングしたあと相同性領域を介して
連結した2組の相補的オリゴヌクレオチド(oligo
#3079:5’−AAT TCC GTA TGG
CAA TGA AAG ACG GTG AGC T
GG TGA TAT GGG ATA GTG TT
C ACC CTT GT−3’(配列番号:30)を
0ligo#3085:5’−ACA CTA TCC
CAT ATC ACC AGC TCA CCG
TCT TTC ATT GCC ATA CGG−
3’(配列番号:31)とアニーリングし;oligo
#3080:5’−TAC ACC GTT TTC
CAT GAG CAA ACT GAAACG TT
T TCA TCG CTC TGG G−3’(配列
番号:32)をoligo#3078:5’−AAT
TCC CAG AGC GATGAA AAC GT
T TCA GTT TGC TCA TGG AAA
ACG GTG TAA CAA GGG TGA−
3’(配列番号:33)とアニーリングした)でpC2
10SP−CのE.coRIフラグメントを置換するこ
とにより、pC106SP−Cを構築した。各SP−5
発現ベクターを使用してE.coliのW3110株を
アンピシリン耐性に形質転換した。発現株の急速な増殖
培養物を上述のように誘導した。誘導より1時間後まで
に、さらに増殖を続ける細胞内で屈折性の細胞質封入体
が位相差顕微鏡によって観察された。誘導の5時間後、
1 O.D.550に相当する細胞を遠心によりペレット
化し、次に12%SDS−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動用にSDSサンプルバッファー中で5分間煮沸し、
続いてクマシーブルーで染色した。これらのベクターか
ら適切な分子量のタンパク質が得られた。各ベクターに
よって生産されたハイブリッドCAT:SP−5タンパ
ク質は、誘導された培養物中の総細胞タンパク質の15
−20%を含むと推定される。
【0098】(SP−5DNAの改変)hSP−5アナ
ログをコードする改変された配列を得るために、部位特
異的変異誘発を使用し得る。例えば、pC149SP−
Cを出発物質として、図9に示すBamHI/Hind
IIIフラグメントを切り出し、mp8にクローニング
した。この挿入断片について次に、図に示すようにプラ
イマー5’−GTG−CAC−TGG−GGA−GGA
−GGG−AAT−GCC−3’(配列番号:34)を
用いて部位特異的変異誘発を行う。この結果、成熟タン
パク質の28位および29位のシステインのコドンがこ
れらの位置でそれぞれセリンのコドンに改変される。次
に、変異したBamHI/HindIIIフラグメント
を単離し、その後発現ベクターpTrp233に連結し
もどす。
【0099】次に例えばC149SP−Cあるいは対応
する変異ベクターのような構築物でE.coliを形質
転換し、この形質転換細胞を標準的な技法を用いて培養
する。培養物をIAAで処理することによってtrpプ
ロモーターを誘導し、所望のSP−5由来のペプチドを
コードする遺伝子の発現が得られる。
【0100】次に細菌細胞をホモジナイザーに通して溶
解する。この処置によって放出される不溶性封入体を5
000rpmで30分間遠心することによって、あるい
は0.1ミクロンのMillipore Durapo
reメンブレンで濾過することによって回収する。得ら
れる封入体を1%トリトンX−100で、あるいは1.
0M塩酸グアニジン、10mM EDTA、20mMト
リス−塩酸、pH8.0中で3回洗浄し、上述の遠心あ
るいは濾過によって100mMを回収する。封入体をp
H8.0の20mMトリス−塩酸、6Mの塩酸グアニジ
ン、50mMのDTTに15−25ng/mlの濃度で
溶解する。
【0101】遠心によって不溶性物質を取り除いた後、
SP−5−由来のペプチドを含む融合タンパク質を等量
の6M塩酸グアニジン中等容量のヒドロキシルアミン
(2M)、0.2M K2CO3を含有する50mM D
TTを加えることにより開裂する。開裂は48時間行
う。溶液を塩酸グアニジンの濃度が1.2Mになるよう
に(5倍)、pH8.0の10mMトリス、20mM
DTTで希釈する。このことにより開裂反応中のタンパ
ク質が沈澱し、この沈澱物を遠心により集める。
【0102】次にSP−由来のペプチドを、多量の残り
のタンパク質から100mM DTTを含むクロロホル
ム:メタノール(1:1 v:v)溶液を用いて抽出す
る。SP−5由来のペプチドが1mg/mlになるよう
にこの溶液の十分量を沈澱物に加え、室温で6時間この
物質を抽出する。次に不溶性物質を取り除くために抽出
物を遠心する。
【0103】次にこの遠心の上清を、抽出物中のSP−
5ペプチド1mgあたりスルホ−プロピルセルロース
(0.04mlのスルホ−プロピルセルロース)と混合
する。塩酸を用いて抽出物を酸性にし、5mMの濃度に
する。一晩SP−5と結合させた後、スルホ−プロピル
セルロースを19部のクロロホルム、19部のメタノー
ル、および2部の0.1N塩酸を含むバッファー(洗浄
バッファー)で徹底的に洗浄する。固体DTTで50m
MのDTT濃度に調整し、2Mの酢酸ナトリウムバッフ
ァーのストック溶液を加えてpH4の20mMの酢酸ナ
トリウムとした洗浄バッファー溶液でさらに洗浄する。
次にSP−5ペプチドを、50mMのDTTを含みpH
6の2Mの酢酸ナトリウムのストック溶液を加えること
により50mM酢酸ナトリウムpH6に調整した洗浄バ
ッファーで溶出する。SP−セルロースを濾過によって
取り除く。精製の最終工程は、溶出液として上述の洗浄
バッファーを使用した、セファデックスLM−60での
ゲル浸透クロマトグラフィーである。
【0104】(実施例4:合成ペプチド)ヒトSP−5
によりコードされた混合物に基づく種々の合成ペプチド
が標準的な技法を用いて合成されている。図3に関して
は、以下のペプチドが固相ペプチド合成を用いて合成さ
れている: (1)hSP−5(24−74)、すなわち、24位の
Pheで始まり74位のGlyで終わる; (2)hSP−5(34−74)、すなわち、34位の
Lysで始まり74位のGlyで終わる;および (3)hSP−5(24−61)、すなわち、24位の
Pheで始まり61位のSerで終わる。
【0105】hSP−5(24−74): Phe−Gly−Ile−Pro−Cys−Cys−P
ro−Val−His−Leu−Lys−Arg−Le
u−Leu−Ile−Val−Val−Val−Val
−Val−Leu−Ile−Val−Val−Val−
Ile−Val−Gly−Ala−Leu−Leu−M
et−Gly−Leu−His−Met−Ser−Gl
n−Lys−His−Thr−Glu−Met−Val
−Leu−Glu−Met−Ser−Ile−Gly
(配列番号:5)および(配列番号:6) hSP−5(34−74): Lys−Arg−Leu−Leu−Ile−Val−V
al−Val−Val−Val−Leu−Ile−Va
l−Val−Val−Ile−Val−Gly−Ala
−Leu−Leu−Met−Gly−Leu−His−
Met−Ser−Gln−Lys−His−Thr−G
lu−Met−Val−Leu−Glu−Met−Se
r−Ile−Gly hSP−5(24−61): Phe−Gly−Ile−Pro−Cys−Cys−P
ro−Val−His−Leu−Lys−Arg−Le
u−Leu−Ile−Val−Val−Val−Val
−Val−Leu−Ile−Val−Val−Val−
Ile−Val−Gly−Ala−Leu−Leu−M
et−Gly−Leu−His−Met−Ser。
【0106】合成ペプチドは、Applied Bio
systems 430Aペプチド合成機を用いて、標
準t−BOC固相ペプチド合成法により調製する。使用
する保護基は:Cys−4−メチルベンジル、His−
−Boc、Lys−−2−クロロCBZ、Arg−−ト
シルである。樹脂をBoc−Ser(OBzl)−O−
PAM樹脂上に構築した(0.5mmol、0.72m
当量/負荷g)。Boc−His(Boc)−OHを、
左右対称形の無水物として用いて、すべての残基を二重
に結合したHOBTエステルおよびHis残基と単独で
結合した。残基12にArgを添加する前に樹脂を取り
除いた。この樹脂は、ほとんどの側鎖が保護されておら
ず、真性PTHアミノ酸として働くので、この時点で気
相シークエンサー中で配列決定し得る。配列がほぼ均一
であることを確認した後、合成を終了した。樹脂を開裂
し、すべての保護基を標準的なHF開裂条件を用いて取
り除く。1gのペプチド樹脂に、1.5mlのアニソー
ル、0.25mlの硫化メチルエチルおよび15mlの
蒸留したHFを加え、標準的なKel−F HF開裂装
置で開裂を行う。開裂は30分間103Cで行われ、次
いで、03Cでさらに30分行った。凝集を最小限にす
るためHfを即座にすばやく除去した。しかしながら、
開裂混合物から再溶解し得る選択されたペプチドはほん
の少量であるので、ある程度の凝集はなお起こる。HF
除去の後、樹脂−ペプチド混合物はエーテルおよびクロ
ロホルムで交互に洗浄され乾燥された。ペプチドは標準
水抽出を用いては可溶化され得ず、メタノール/クロロ
ホルム/HClで可溶化することにより樹脂から分離し
なければならない。
【0107】75%トリフルオロ酢酸に溶解した後、各
ペプチドを精製した。精製の好適な方法は、0.5%
HClを含むクロロホルムおよびメタノール(1:1
v/v溶液でLH−60カラムを用いたゲル濾過であ
る。各合成ペプチドは実施例5のようにインビトロおよ
びインビボ活性を試験した。
【0108】(実施例5:合成ペプチドの活性)PCT
公開WO87/06588のセクションD.9および
D.10でそれぞれ述べられている手順で、インビトロ
およびインビボ活性が評価された。
【0109】ペプチド34〜74は、インビトロでのリ
ン脂質フィルム拡散で効果がなく、この結果から予想さ
れるように、また未成熟ウサギ肺で効果がなかった。従
って、活性を最大にするにはN末端アミノ酸が必要なよ
うである。
【0110】ペプチド24〜74は、C末端伸長ペプチ
ドで、インビトロで空気−水界面の表面張力の低下およ
び動物における適度な肺機能作用のいずれにおいても極
めて有効でった。表1において、Pinsは、肺で表面張
力を低下させることにおいて界面活性剤調合物がどの程
度有効であるかの指標である。この張力低下は、吸気酸
素圧の低下により示される。ペプチド24〜74は、対
照生理食塩水溶液に比較して極めて効果的であり、ポジ
ィティブ対照のウサギ界面活性剤とほぼ同じ効果であ
る。天然5kdタンパク質が、対照界面活性剤と同程度
に効果的であることは注目すべきである。
【0111】
【表1】 10、20および30分でのPins値は、6−7mls
/kg体重の肺の一回換気容量を維持するのに必要な吸
気圧(cm H2O)である。(換気装置への圧力が低
い程良い)ペプチド24〜61は、インビボで天然界面
活性剤と同程度に効果的であることが見い出された。事
実、ある動物の実験で、Pinsは、24〜61で処理さ
れた動物では界面活性剤対照におけるより低かった。す
べての場合で、リン脂質混合物は、DPPC:卵PG
(7:3,w/w)であり、PL対タンパク質の比率は
10:1であった。ペプチドは、以下に述べるように別
の脂質と共に投与されるのが好ましく、それ故、表2に
まとめられた実験では、10wt.%パルミチン酸が調
合物中に取り込まれている。このように、調合物はDP
PC:PG:ペプチド:脂肪酸は重量比で約10:1:
1:1であった。
【0112】
【表2】 すべての場合において、24〜61合成ペプチドは、重
量比PL:パルミチン酸:合成ペプチド(10:1:
1)で混合した。リン脂質(PL)は、重量比でDPP
C:PG(7:3)である。
【0113】(実施例6:追加のhSP−5由来のペプ
チド)次のような本発明のSP−5由来のペプチドが実
施例3のCAT融合法または、固相合成により合成さ
れ、そしてASP活性を試験した: (1)hSP−5(28〜59)、即ち、Cys−28
で始まりそしてHis−59で終わる; (2)hSP−5(30〜59)、即ち、Pro−30
で始まりそしてHis−59で終わる。
【0114】(3)D5K#1:(S2829−hSP−
5(24〜59))、即ち、hSP−C(24〜59)
に相当するが、28位および29位のシステインがセリ
ンで置換されている(配列番号:35); (4)D5K#2:(A27282930−hSP−5
(24〜59))、即ち、Phe−24で始まり、Hi
s−59で終わり、28位および29位のシステインが
セリンで、そして27位および30位のプロリンがアラ
ニンで置換されている(配列番号:36);そして (5)D5K#3:(S26272829303132
33−hSP−5(25〜59))、Gly−25で始
まり、His−59でおわり、26から33のアミノ酸
が置換されている(配列番号:37)。
【0115】可溶化の後、各ペプチドは上記で述べたよ
うに精製した。各合成ペプチドは上記の手順でインビト
ロおよびインビボ活性を試験した。
【0116】図10は対照を表し、DPPC:PGおよ
びパルミチン酸塩と共にで処方された(DPPC:P
G:パルミチン酸:タンパク質の比は約7:3:1:
0.5)完全な長さのヒト5kdタンパク質に関して得
られた、時間に対する表面圧のグラフ表示である。図1
1は同様に同じ成分(7:3:1:1)で処方された完
全な長さのヒト5kdタンパク質でpH7.5および3
7℃で試験して得られた結果を表す。
【0117】合成ペプチドhSP−5(28〜59)
は、図12に表された対照実験におけるようにDPP
C:PGおよびパルミチン酸塩と共にで処方され、天然
ペプチドで観察されたのと同じ初期拡散速度を示した。
【0118】SP−5由来の合成ペプチドhSP−5
(30〜59)は活性が減り(図13)、この活性の喪
失は特異的に28位および29位のシステイン残基の欠
失よるものでないことは、これらシステイン残基がセリ
ンで置換されたD5K#1合成ペプチド(S28,S29
hSP−5(24−59))が、完全な活性を示す(図
15)ことにより示唆される。この結果は特定残基の喪
失よりむしろポリペプチド長さの減少が、ASP活性の
喪失になることを示している。
【0119】D5K#1ペプチド(S28,S29−hSP
−5(24〜59))は、実施例2で述べたように組み
換え法により生産され、精製された。組み換えSP−5
ペプチド(S28,S29−hSP−5(24〜59))
は、インビトロアッセイの標準プロトコールに次のよう
な修正を加えて試験した:リン脂質調合物を7部のDP
PC:3部POPGとした。ここでPOPGは(パルミ
トイル−オレオイルPG)である。最終調合物は、20
重量部リン脂質混合物:1重量部タンパク質である。S
er−Serアナログは、インビトロで活性が高く、少
なくともインビボで精製ウサギ界面活性剤と同定度に有
効であった。
【0120】D5K#1合成ペプチド(S28,S29−h
SP−5(24〜59))ペプチドアナログもまた、以
下に示されるように、WO87/06588で提示され
た手法に従って試験した時にインビボで活性であった。 D5K#1 S2829−hSP−5(24〜59)(c
ys−−>ser変換) 30分でのPins
【0121】
【表3】 組み換えS28,S29−hSP−5(24〜59)はま
た、インビボで試験され、そして少なくとも精製ウサギ
界面活性剤と同程度に効果的である。
【0122】ペプチドS28,S29−hSP−5(25〜
59)は、実施例3で述べたようにバクテリアを用いて
組み換え法により生産され、そして精製された。部位特
異的突然変異導入の標準手法を用いて、このペプチドの
ためのベクターがHis(59)のコドンを欠失するよ
うに改変された。ベクターはペプチドS28,S29−hS
P−5(24〜58)を組み換え法により生産するのに
使用された。組み換えペプチドS28,S29−hSP−5
(24〜59)、およびhSP−5(24〜59)、即
ち、Ser−Ser変異のないペプチドは、インビトロ
アッセイの標準プロトコールを次のように修正して用い
て一緒に試験した:リン脂質調合物は、7部DPPC:
3部POPGである。最終調合物は、20重量部リン脂
質混合物:1重量部タンパク質である。図17に示され
た表面圧の重ねられたプロットは、Ser−Serアナ
ログは、インビトロで、少なくとも天然配列を持つ対応
組み換えタンパク質と同程度に有効であることを示す。
【0123】S28,S29−hSP−5(24〜59)は
また、同じ修正をしたインビトロアッセイで試験した。
表面圧のプロットは、図18に示すように、His(5
9)の除去によってタンパク質の効力が変化しないこと
を示している。
【0124】組み換え法により生産されたペプチド
28,S29−hSP−5(24〜59)、S28,S29
hSP−5(25〜58)および、hSP(25〜5
9)は、インビボで試験され、そして単離されたウザキ
界面活性剤と比較した。結果を以下に示す: 30分でのPins: ウザキ界面活性剤 17.5 cm H2O S28,S29−hSP−5(24〜59) 16.0 cm H2O S28,S29−hSP−5(25〜58) 16.0 cm H2O hSP(25〜59) 16.0 cm H2O 特定のアミノ末端配列が完全な活性のための必要条件で
はないことがさらに、D5K#2およびD5K#3の分
析により示唆された。これらのペプチドは、アミノ末端
領域でより範囲の広い置換が行われており、インビトロ
で完全な活性を保持している(図15および16)。
【0125】本発明者らが本発明の方法に有用であると
信じる他のペプチドは、図3に示されるヒトSP−5が
コードするタンパク質の31−61、30−61、28
−61および26−61ペプチドである。
【0126】ヒトSP−18およびヒトSP−5由来の
様々な特定のペプチドが、肺胞界面タンパク質(AS
P)活性を有している。これらのペプチドは、合成法あ
るいは組換え技術によって調製される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ヒトSP−5由来のタンパク質(配列
番号:1)および(配列番号:2)をコードするcDN
AのDNA配列および推定されるアミノ酸配列を示す。
【図2】図2は、ヒトSP−5由来タンパク質(配列番
号:3)および(配列番号:4)をコードする類似のc
DNA変異体を示す。
【図3】図3は、印で示したN末端およびC末端を有す
る、SP−5DNAのコドン1−74でコードされるア
ミノ酸配列(配列番号:5)および(配列番号:6)で
ある。
【図4−1】図4は、SP−18前駆タンパク質(配列
番号:7)および(配列番号:8)をコードするヒトc
DNA#3である。
【図4−2】図4は、SP−18前駆タンパク質(配列
番号:7)および(配列番号:8)をコードするヒトc
DNA#3である。
【図5】図5は、印で示したN末端およびC末端を有す
る、イヌの5kdタンパク質のアミノ酸配列(配列番
号:9)である。
【図6】図6は、10K ASP混合物(配列番号:1
0)および(配列番号:11)中のヒトおよびイヌの1
8kdタンパク質の相関を示す。
【図7】図7は、クロラムフェニコールアミノトランス
フェラーゼ(CAT)およびヒト心房性ナトリウム利尿
タンパク質(hANP)(配列番号:12)および(配
列番号:13)のDNAおよびアミノ酸配列を示す。
【図8】図8は、pC210SP−C(配列番号:1
4)および(配列番号:15)中への挿入物をコードす
るタンパク質を示す。
【図9】図9は、CAT−SP−5融合タンパク質(配
列番号:16)および(配列番号:17)をコードする
pC149SP−CのBamHI/HindIII挿入
物である。
【図10】図10から18は、ASP活性を調べる標準
テストで種々のポリペプチドに関して得られたインビト
ロの試験結果をグラフで示したものである。図10およ
び11は全長ヒト5kdタンパク質を用いて行った対照
試験の結果を示し、一方、図12から18は、タンパク
質の種々の類似体により得られた結果を示す。
【図11】図10から18は、ASP活性を調べる標準
テストで種々のポリペプチドに関して得られたインビト
ロの試験結果をグラフで示したものである。図10およ
び11は全長ヒト5kdタンパク質を用いて行った対照
試験の結果を示し、一方、図12から18は、タンパク
質の種々の類似体により得られた結果を示す。
【図12】図10から18は、ASP活性を調べる標準
テストで種々のポリペプチドに関して得られたインビト
ロの試験結果をグラフで示したものである。図10およ
び11は全長ヒト5kdタンパク質を用いて行った対照
試験の結果を示し、一方、図12から18は、タンパク
質の種々の類似体により得られた結果を示す。
【図13】図10から18は、ASP活性を調べる標準
テストで種々のポリペプチドに関して得られたインビト
ロの試験結果をグラフで示したものである。図10およ
び11は全長ヒト5kdタンパク質を用いて行った対照
試験の結果を示し、一方、図12から18は、タンパク
質の種々の類似体により得られた結果を示す。
【図14】図10から18は、ASP活性を調べる標準
テストで種々のポリペプチドに関して得られたインビト
ロの試験結果をグラフで示したものである。図10およ
び11は全長ヒト5kdタンパク質を用いて行った対照
試験の結果を示し、一方、図12から18は、タンパク
質の種々の類似体により得られた結果を示す。
【図15】図10から18は、ASP活性を調べる標準
テストで種々のポリペプチドに関して得られたインビト
ロの試験結果をグラフで示したものである。図10およ
び11は全長ヒト5kdタンパク質を用いて行った対照
試験の結果を示し、一方、図12から18は、タンパク
質の種々の類似体により得られた結果を示す。
【図16】図10から18は、ASP活性を調べる標準
テストで種々のポリペプチドに関して得られたインビト
ロの試験結果をグラフで示したものである。図10およ
び11は全長ヒト5kdタンパク質を用いて行った対照
試験の結果を示し、一方、図12から18は、タンパク
質の種々の類似体により得られた結果を示す。
【図17】図10から18は、ASP活性を調べる標準
テストで種々のポリペプチドに関して得られたインビト
ロの試験結果をグラフで示したものである。図10およ
び11は全長ヒト5kdタンパク質を用いて行った対照
試験の結果を示し、一方、図12から18は、タンパク
質の種々の類似体により得られた結果を示す。
【図18】図10から18は、ASP活性を調べる標準
テストで種々のポリペプチドに関して得られたインビト
ロの試験結果をグラフで示したものである。図10およ
び11は全長ヒト5kdタンパク質を用いて行った対照
試験の結果を示し、一方、図12から18は、タンパク
質の種々の類似体により得られた結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ブラッドリー ジェイ. ベンソン アメリカ合衆国 カリフォルニア 94127 サンフランシスコ,クレスタ ビスタ 170 (72)発明者 ロバート ティー. ホワイト アメリカ合衆国 カリフォルニア 94538 フレモント,マリゴールド ドライブ 41600 (72)発明者 ジェイムズ ダブリュー. シリング ジ ュニア アメリカ合衆国 カリフォルニア 94301 パロ アルト,バイロン ストリート 247 (72)発明者 ダグラス アイ. バックリー アメリカ合衆国 カリフォルニア 94062 ウッドサイド,ブルックウッド ロード 215 (72)発明者 ロバート エム. スカーボロー アメリカ合衆国 カリフォルニア 94002 ベルモント,ベルモント キャニオン ロード 2544 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA80 CA04 DA02 DA06 EA04 GA11 HA01 4C084 AA07 BA01 BA19 BA23 NA14 ZA59 4H045 AA10 BA18 BA19 BA20 CA40 DA50 EA20 FA74 GA01 GA22 GA23

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ASP活性を有し、かつ以下の配列を持
    つ精製ポリペプチドまたは薬学的に許容され得るその塩
    あるいはアミド: X-AA28-AA29-AA30-AA31-AA32-AA33-AA34-AA35-Leu-Leu-
    Ile-Z-Z-Z-Z-Z-Z-Leu-Ile-Z-Z-Z-Ile-Z-Gly-Ala-Leu-Le
    u-Met-Y, ここで、AA28はCys、 AA29はCys、 AA30はProあるいはAla、 AA31はValあるいはGln、 AA32はHisあるいはLys、 AA33はLeuあるいはAla、 AA34はLysあるいはGln、 AA35はArgあるいはGln、 ZはValあるいはIleのいずれか、 YはOH、Gly-OH、あるいはGly-Leu-OH、そしてXはH、
    あるいはH−AA27−、H−AA26−AA27−、および
    X’−AA26−AA27−からなる群から選択されるアミ
    ノ酸配列であり、 ここで、AA27はProあるいはAla、 AA26はIleあるいはSer、そしてX’は、HあるいはMe
    t-Asp-Val-Gly-Ser-Lys-Glu-Val-Leu-Met-Glu-Ser-Pro-
    Pro-Asp-Tyr-Ser-Ala-Ala-Pro-Arg-Gly-Arg-Phe-Glyの
    アミノ酸に相当する1〜25個のアミノ酸のN末端伸長
    配列;ここで、条件として、XがPhe-Gly/Arg-Ile-Pro
    であり、YはGly-Leu-OHであり、そして全てのZはVal
    であるならば、AA28−AA35は、-Cys-Cys-Pro-Val-H
    is-Leu-Lys-Arg-(配列番号5)および(配列番号6)
    となり得ない、ポリペプチドまたは薬学的に許容され得
    るその塩あるいはアミド。
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