JP2002331354A - 微細な等軸晶組織を有する鋳造体の製造方法 - Google Patents
微細な等軸晶組織を有する鋳造体の製造方法Info
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- JP2002331354A JP2002331354A JP2001138422A JP2001138422A JP2002331354A JP 2002331354 A JP2002331354 A JP 2002331354A JP 2001138422 A JP2001138422 A JP 2001138422A JP 2001138422 A JP2001138422 A JP 2001138422A JP 2002331354 A JP2002331354 A JP 2002331354A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】微細な等軸晶組織を有する鋳造体の製造方法を
提供する。 【解決手段】鋳型内に充填した溶湯を下部から上部に向
かって冷却して凝固界面における溶湯の温度勾配が1〜
20未満℃/cmとなるように凝固界面を徐々に上方に
移動させながら、同時に前記溶湯を充填した鋳型に、最
大角加速度:5πrad/sec2以上、回転角度:5
〜45度未満の正回転を加えたのち引き続いて同じ条件
の逆回転を加える正逆回転を繰り返す水平連続反転振
動、または最大角加速度:5πrad/sec2以上、
回転角度:5〜45度未満の回転を加えたのち停止し引
き続いて同じ条件で同一方向に回転する回転と停止を繰
り返す水平断続正転振動を付加することを特徴とする。
提供する。 【解決手段】鋳型内に充填した溶湯を下部から上部に向
かって冷却して凝固界面における溶湯の温度勾配が1〜
20未満℃/cmとなるように凝固界面を徐々に上方に
移動させながら、同時に前記溶湯を充填した鋳型に、最
大角加速度:5πrad/sec2以上、回転角度:5
〜45度未満の正回転を加えたのち引き続いて同じ条件
の逆回転を加える正逆回転を繰り返す水平連続反転振
動、または最大角加速度:5πrad/sec2以上、
回転角度:5〜45度未満の回転を加えたのち停止し引
き続いて同じ条件で同一方向に回転する回転と停止を繰
り返す水平断続正転振動を付加することを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、微細な等軸晶組
織を有する鋳造体をマイクロポロシティ欠陥を発生させ
ることなく簡単に製造する方法およびその方法で作製し
た鋳造体に関するものである。
織を有する鋳造体をマイクロポロシティ欠陥を発生させ
ることなく簡単に製造する方法およびその方法で作製し
た鋳造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、均一な膜厚の金属薄膜を形成す
るための手段として、金属ターゲットを用いてスパッタ
リングを行なうことにより形成する方法が知られてお
り、このターゲットは微細な等軸晶組織を有するほど高
強度となり、またスパッタリングに際して均一な膜厚の
薄膜が得られ、しかもパーティクル(ターゲットから飛
散する粒子がクラスター化して基板上に直接付着した粒
子)やスプラッシュ(ターゲットの液滴が飛散して付着
した粒子)の発生が少ないといわれている。かかる微細
な等軸晶組織を有するスパッタリングターゲットを製造
するには、まず、溶解した金属溶湯を鋳造してインゴッ
トを作製し、このインゴットを熱間鍛造した後、冷間鍛
造と焼鈍を繰り返し行なうことにより結晶粒を微細化
し、最後に歪取り焼鈍を行なった後、所定の寸法形状に
加工してターゲットに仕上げる方法が知られている。
るための手段として、金属ターゲットを用いてスパッタ
リングを行なうことにより形成する方法が知られてお
り、このターゲットは微細な等軸晶組織を有するほど高
強度となり、またスパッタリングに際して均一な膜厚の
薄膜が得られ、しかもパーティクル(ターゲットから飛
散する粒子がクラスター化して基板上に直接付着した粒
子)やスプラッシュ(ターゲットの液滴が飛散して付着
した粒子)の発生が少ないといわれている。かかる微細
な等軸晶組織を有するスパッタリングターゲットを製造
するには、まず、溶解した金属溶湯を鋳造してインゴッ
トを作製し、このインゴットを熱間鍛造した後、冷間鍛
造と焼鈍を繰り返し行なうことにより結晶粒を微細化
し、最後に歪取り焼鈍を行なった後、所定の寸法形状に
加工してターゲットに仕上げる方法が知られている。
【0003】また、疲労破壊を起こしやすいタービンブ
レードの根元部分は、組織を微細な等軸晶組織として疲
労強度を高める工夫がなされているが、根元部分を微細
な等軸晶組織にするには溶湯を電磁撹拌する方法が知ら
れている。
レードの根元部分は、組織を微細な等軸晶組織として疲
労強度を高める工夫がなされているが、根元部分を微細
な等軸晶組織にするには溶湯を電磁撹拌する方法が知ら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、微細な
等軸晶組織を有する鋳造体を作製する方法が知られてい
るが、インゴットに鍛造および熱処理を繰り返し施す
と、鍛造中に割れが発生するなどして歩留まりが悪く、し
かもコストが高くつく欠点がある。また、鋳型内の溶湯
に電磁撹拌を施す方法は、得られた鋳造体にマイクロポ
ロシティ欠陥が発生するので特に過酷な条件で使用され
る鋳造体の製造には好ましくない。
等軸晶組織を有する鋳造体を作製する方法が知られてい
るが、インゴットに鍛造および熱処理を繰り返し施す
と、鍛造中に割れが発生するなどして歩留まりが悪く、し
かもコストが高くつく欠点がある。また、鋳型内の溶湯
に電磁撹拌を施す方法は、得られた鋳造体にマイクロポ
ロシティ欠陥が発生するので特に過酷な条件で使用され
る鋳造体の製造には好ましくない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、微細な等
軸晶組織を有しかつマイクロポロシティ欠陥のない鋳造
体を簡単に製造する方法を開発すべく研究を行なった。
その結果、鋳型内の溶湯を下部から上部に向かって冷却
して凝固界面を底部から上方に向かって上昇させるブリ
ッジマン法において、(イ)鋳型内に充填した溶湯を下
部から上部に向かって冷却して凝固界面における溶湯の
温度勾配が1〜20未満℃/cmとなるように凝固界面
を徐々に上方に移動させながら、同時に前記溶湯を充填
した鋳型に、最大角加速度:5πrad/sec2以
上、回転角度:5〜45度未満の正回転を加えたのち引
き続いて同じ条件の逆回転を加える正逆回転を繰り返す
水平連続反転振動を付加すると、微細な等軸晶組織を有
する鋳造体を作製することができる、(ロ)鋳型内に充
填した溶湯を下部から上部に向かって冷却して凝固界面
における溶湯の温度勾配が1〜20未満℃/cmとなる
ように凝固界面を徐々に上方に移動させながら、同時に
前記溶湯を充填した鋳型に、最大角加速度:5πrad
/sec2以上、回転角度:5〜45度未満の回転を加
えたのち停止し引き続いて同じ条件で同一方向に回転す
る回転と停止を繰り返す水平断続正転振動を付加する
と、微細な等軸晶組織を有する鋳造体を作製することが
できる、という研究結果が得られたのである。
軸晶組織を有しかつマイクロポロシティ欠陥のない鋳造
体を簡単に製造する方法を開発すべく研究を行なった。
その結果、鋳型内の溶湯を下部から上部に向かって冷却
して凝固界面を底部から上方に向かって上昇させるブリ
ッジマン法において、(イ)鋳型内に充填した溶湯を下
部から上部に向かって冷却して凝固界面における溶湯の
温度勾配が1〜20未満℃/cmとなるように凝固界面
を徐々に上方に移動させながら、同時に前記溶湯を充填
した鋳型に、最大角加速度:5πrad/sec2以
上、回転角度:5〜45度未満の正回転を加えたのち引
き続いて同じ条件の逆回転を加える正逆回転を繰り返す
水平連続反転振動を付加すると、微細な等軸晶組織を有
する鋳造体を作製することができる、(ロ)鋳型内に充
填した溶湯を下部から上部に向かって冷却して凝固界面
における溶湯の温度勾配が1〜20未満℃/cmとなる
ように凝固界面を徐々に上方に移動させながら、同時に
前記溶湯を充填した鋳型に、最大角加速度:5πrad
/sec2以上、回転角度:5〜45度未満の回転を加
えたのち停止し引き続いて同じ条件で同一方向に回転す
る回転と停止を繰り返す水平断続正転振動を付加する
と、微細な等軸晶組織を有する鋳造体を作製することが
できる、という研究結果が得られたのである。
【0006】この発明は、かかる研究結果に基づいてな
されたものであって、(1)鋳型内に充填した溶湯を下
部から上部に向かって冷却して凝固界面における溶湯の
温度勾配が1〜20未満℃/cmとなるように凝固界面
を徐々に上方に移動させながら、同時に前記溶湯を充填
した鋳型に、最大角加速度:5πrad/sec2以
上、回転角度:5〜45度未満の正回転を加えたのち引
き続いて同じ条件の逆回転を加える正逆回転を繰り返す
水平連続反転振動を付加する微細な等軸晶組織を有する
鋳造体の製造方法、(2)鋳型内に充填した溶湯を下部
から上部に向かって冷却して凝固界面における溶湯の温
度勾配が1〜20未満℃/cmとなるように凝固界面を
徐々に上方に移動させながら、同時に前記溶湯を充填し
た鋳型に、最大角加速度:5πrad/sec2以上、
回転角度:5〜45度未満の回転を加えたのち停止し引
き続いて同じ条件で同一方向に回転する回転と停止を繰
り返す水平断続正転振動を付加することにより形成する
微細な等軸晶組織を有する鋳造体の製造方法、に特徴を
有するものである。
されたものであって、(1)鋳型内に充填した溶湯を下
部から上部に向かって冷却して凝固界面における溶湯の
温度勾配が1〜20未満℃/cmとなるように凝固界面
を徐々に上方に移動させながら、同時に前記溶湯を充填
した鋳型に、最大角加速度:5πrad/sec2以
上、回転角度:5〜45度未満の正回転を加えたのち引
き続いて同じ条件の逆回転を加える正逆回転を繰り返す
水平連続反転振動を付加する微細な等軸晶組織を有する
鋳造体の製造方法、(2)鋳型内に充填した溶湯を下部
から上部に向かって冷却して凝固界面における溶湯の温
度勾配が1〜20未満℃/cmとなるように凝固界面を
徐々に上方に移動させながら、同時に前記溶湯を充填し
た鋳型に、最大角加速度:5πrad/sec2以上、
回転角度:5〜45度未満の回転を加えたのち停止し引
き続いて同じ条件で同一方向に回転する回転と停止を繰
り返す水平断続正転振動を付加することにより形成する
微細な等軸晶組織を有する鋳造体の製造方法、に特徴を
有するものである。
【0007】この発明の微細な等軸晶組織を有する鋳造
体の製造方法において、鋳型に水平回転振動を与えなが
ら鋳型内に装入した溶湯を下部から上部に向かって冷却
することにより凝固界面を徐々に上方に移動させると共
に、溶湯の入った鋳型の水平回転振動を最大角加速度:
5πrad/sec2以上の回転を加えたのち停止し引
き続いて同じ条件で逆方向の回転を加える連続反転振動
または同一方向の回転を間欠的に付与する断続正転振動
を加える理由は、鋳型の最大角加速度が5πrad/s
ec2未満では樹枝状晶となって微細な等軸晶とならな
いので好ましくないという理由によるものである。しか
し、最大角加速度が100πrad/sec2を越える
ようになると、鋳型そのものが振動に耐えきれず、破損
することが多くなるので好ましくない。したがって、最
大角加速度は5πrad/sec2〜100πrad/
sec2の範囲内とすることが好ましく、最大角加速度
は10π〜50πrad/sec2の範囲内とすること
が一層好ましい。
体の製造方法において、鋳型に水平回転振動を与えなが
ら鋳型内に装入した溶湯を下部から上部に向かって冷却
することにより凝固界面を徐々に上方に移動させると共
に、溶湯の入った鋳型の水平回転振動を最大角加速度:
5πrad/sec2以上の回転を加えたのち停止し引
き続いて同じ条件で逆方向の回転を加える連続反転振動
または同一方向の回転を間欠的に付与する断続正転振動
を加える理由は、鋳型の最大角加速度が5πrad/s
ec2未満では樹枝状晶となって微細な等軸晶とならな
いので好ましくないという理由によるものである。しか
し、最大角加速度が100πrad/sec2を越える
ようになると、鋳型そのものが振動に耐えきれず、破損
することが多くなるので好ましくない。したがって、最
大角加速度は5πrad/sec2〜100πrad/
sec2の範囲内とすることが好ましく、最大角加速度
は10π〜50πrad/sec2の範囲内とすること
が一層好ましい。
【0008】また、前記最大角加速度:5πrad/s
ec2以上を保ちつつ回転角度を5度未満とすると柱状
晶が形成されるので好ましくなく、一方、回転角度を4
5度以上とすると一方向凝固柱状晶となって微細な等軸
晶組織を形成しなくなるので好ましくない。したがっ
て、微細な等軸晶組織を有する鋳造体の鋳造時は回転角
度を5〜45度未満とする必要がある。微細な等軸晶組
織を有する鋳造体の鋳造時の回転角度は5〜30度の範
囲内にあることが一層好ましい。さらに、微細な等軸晶
組織を有する鋳造体の鋳造時における鋳型内溶湯の凝固
界面における溶湯の温度勾配は1〜20未満℃/cmで
あることが一層好ましく、5〜10℃/cmであること
が一層好ましい。
ec2以上を保ちつつ回転角度を5度未満とすると柱状
晶が形成されるので好ましくなく、一方、回転角度を4
5度以上とすると一方向凝固柱状晶となって微細な等軸
晶組織を形成しなくなるので好ましくない。したがっ
て、微細な等軸晶組織を有する鋳造体の鋳造時は回転角
度を5〜45度未満とする必要がある。微細な等軸晶組
織を有する鋳造体の鋳造時の回転角度は5〜30度の範
囲内にあることが一層好ましい。さらに、微細な等軸晶
組織を有する鋳造体の鋳造時における鋳型内溶湯の凝固
界面における溶湯の温度勾配は1〜20未満℃/cmで
あることが一層好ましく、5〜10℃/cmであること
が一層好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明の微細な等軸晶組織を有
する鋳造体の製造方法を図面に基づいて説明する。この
方法を実施するための鋳造装置が図1の断面概略図に示
されている。図1において、1は鋳型、2はエレベータ
シャフト、3はチルプレート、4は加熱炉、5は耐熱カ
バー、6は冷却水流通キャビティ、7は保持板、8は鋳
型固定具である。エレベータシャフト2は、昇降可能で
あり、正逆回転および断続回転が可能であり、かつ回転
加速度を付与することが可能となっている。さらにエレ
ベータシャフト2にはチルプレート3に冷却水を供給す
る冷却水供給孔10が設けられている。チルプレート3
はこのエレベータシャフト2の上端に設けられており、
チルプレート3の内部には冷却水で冷却するための冷却
水流通キャビティ6が設けられている。冷却水流通キャ
ビティ6に供給する冷却水は冷却水供給孔10から供給
される。加熱炉4は円筒状構造を有しており、鋳型1を
覆って鋳型1内の溶湯9を溶融状態に保つことができる
ようになっている。加熱炉4は抵抗炉または誘導炉のい
ずれでも良い。加熱炉4の上部には耐熱カバー5が設け
られており、耐熱カバー5で覆うことにより加熱炉4内
の温度を高温に維持できるようになっている。この加熱
炉4および耐熱カバー5は保持板7で支持されている。
保持板7の直下には水冷コイル13が設けられている。
する鋳造体の製造方法を図面に基づいて説明する。この
方法を実施するための鋳造装置が図1の断面概略図に示
されている。図1において、1は鋳型、2はエレベータ
シャフト、3はチルプレート、4は加熱炉、5は耐熱カ
バー、6は冷却水流通キャビティ、7は保持板、8は鋳
型固定具である。エレベータシャフト2は、昇降可能で
あり、正逆回転および断続回転が可能であり、かつ回転
加速度を付与することが可能となっている。さらにエレ
ベータシャフト2にはチルプレート3に冷却水を供給す
る冷却水供給孔10が設けられている。チルプレート3
はこのエレベータシャフト2の上端に設けられており、
チルプレート3の内部には冷却水で冷却するための冷却
水流通キャビティ6が設けられている。冷却水流通キャ
ビティ6に供給する冷却水は冷却水供給孔10から供給
される。加熱炉4は円筒状構造を有しており、鋳型1を
覆って鋳型1内の溶湯9を溶融状態に保つことができる
ようになっている。加熱炉4は抵抗炉または誘導炉のい
ずれでも良い。加熱炉4の上部には耐熱カバー5が設け
られており、耐熱カバー5で覆うことにより加熱炉4内
の温度を高温に維持できるようになっている。この加熱
炉4および耐熱カバー5は保持板7で支持されている。
保持板7の直下には水冷コイル13が設けられている。
【0010】前記鋳造装置を用いて微細な等軸晶組織を
有する鋳造体を製造するには、エレベータシャフト2を
下降させ、鋳型1をチルプレート3の上に載せ、鋳型固
定具8により鋳型1をチルプレート3に固定し、次にエ
レベータシャフト2を上昇させて加熱炉4内に挿入し設
置したのち鋳型1を加熱する。鋳型1の内部に予め用意
された溶湯9を注入すると、注入した溶湯9は冷却水供
給孔10から供給された冷却水により予め冷却されてい
るチルプレート3により冷却され、鋳型1の底部に結晶
粒の微細なチル晶層が生成する。引き続いて鋳型1およ
びチルプレート3に最大角加速度:5πrad/sec
2以上であって回転角度が5〜45度未満の条件で水平
回転振動させる連続反転振動またはインターバルな同一
方向回転の断続正転振動を付与し、同時に加熱炉4を徐
々に上昇させるかまたはエレベータシャフト2を徐々に
降下させて鋳型1を加熱炉4から抜き出しながら鋳型内
の溶湯を下部から上部に向かって冷却し、凝固界面にお
ける溶湯の温度勾配を1〜20未満℃/cmとなるよう
に冷却させると、微細な等軸晶組織を有する鋳造体が得
られる。
有する鋳造体を製造するには、エレベータシャフト2を
下降させ、鋳型1をチルプレート3の上に載せ、鋳型固
定具8により鋳型1をチルプレート3に固定し、次にエ
レベータシャフト2を上昇させて加熱炉4内に挿入し設
置したのち鋳型1を加熱する。鋳型1の内部に予め用意
された溶湯9を注入すると、注入した溶湯9は冷却水供
給孔10から供給された冷却水により予め冷却されてい
るチルプレート3により冷却され、鋳型1の底部に結晶
粒の微細なチル晶層が生成する。引き続いて鋳型1およ
びチルプレート3に最大角加速度:5πrad/sec
2以上であって回転角度が5〜45度未満の条件で水平
回転振動させる連続反転振動またはインターバルな同一
方向回転の断続正転振動を付与し、同時に加熱炉4を徐
々に上昇させるかまたはエレベータシャフト2を徐々に
降下させて鋳型1を加熱炉4から抜き出しながら鋳型内
の溶湯を下部から上部に向かって冷却し、凝固界面にお
ける溶湯の温度勾配を1〜20未満℃/cmとなるよう
に冷却させると、微細な等軸晶組織を有する鋳造体が得
られる。
【0011】実施例1 図1に示される装置を用意し、この装置のチルプレート
に鋳型をセットし、鋳型固定具により鋳型をチルプレー
トに固定し、鋳型をNi−10%Co−10%W−8.
3%Cr−5.5%Al−3.0%Ta−1.5%Hf
−1.0%Ti−0.7%Mo−0.15%C−0.0
5%Zr−0.005%Bからなる組成のNi基合金
(以下、Mar−M247合金という)の融点以上の温
度に加熱保持し、Mar−M247合金を溶解して得ら
れた溶湯を鋳型に注入した。
に鋳型をセットし、鋳型固定具により鋳型をチルプレー
トに固定し、鋳型をNi−10%Co−10%W−8.
3%Cr−5.5%Al−3.0%Ta−1.5%Hf
−1.0%Ti−0.7%Mo−0.15%C−0.0
5%Zr−0.005%Bからなる組成のNi基合金
(以下、Mar−M247合金という)の融点以上の温
度に加熱保持し、Mar−M247合金を溶解して得ら
れた溶湯を鋳型に注入した。
【0012】引き続いて、チルプレートに冷却水を流し
ながらエレベータシャフトを表1に示される最大角加速
度、回転角度および周波数で溶湯を鋳型と共に連続反転
振動させ、同時に凝固界面における温度勾配が表1に示
される値となるように加熱炉および冷却コイルを引き上
げ、それによって微細な等軸晶組織を有する鋳造体を形
成する本発明法1〜4および比較法1〜2を実施した。
さらに鋳型内の溶湯を電磁撹拌することにより微細な等
軸晶組織を有する鋳造体を形成する従来法を実施した。
ながらエレベータシャフトを表1に示される最大角加速
度、回転角度および周波数で溶湯を鋳型と共に連続反転
振動させ、同時に凝固界面における温度勾配が表1に示
される値となるように加熱炉および冷却コイルを引き上
げ、それによって微細な等軸晶組織を有する鋳造体を形
成する本発明法1〜4および比較法1〜2を実施した。
さらに鋳型内の溶湯を電磁撹拌することにより微細な等
軸晶組織を有する鋳造体を形成する従来法を実施した。
【0013】これら本発明法1〜4、比較法1〜2およ
び従来法で得られた鋳造体について、断面の組織を10
倍の金属顕微鏡写真に撮り、それぞれの写真から平均結
晶粒径を求め、さらにマイクロポロシティ欠陥の有無を
観察し、その結果を表1に示した。
び従来法で得られた鋳造体について、断面の組織を10
倍の金属顕微鏡写真に撮り、それぞれの写真から平均結
晶粒径を求め、さらにマイクロポロシティ欠陥の有無を
観察し、その結果を表1に示した。
【0014】
【表1】
【0015】表1に示される結果から、本発明法1〜4
は、従来法と同様に微細な等軸晶組織が得られるが、本
発明法1〜4で得られた微細な等軸晶組織を有する鋳造
体は、従来法で得られた鋳造体に比べて、マイクロポロ
シティ欠陥が発生することがなく、優れていることが分
かる。しかし、この発明の条件から外れた条件の比較法
1〜2で製造した鋳造体は、好ましくない現象が現れる
ことが分かる。
は、従来法と同様に微細な等軸晶組織が得られるが、本
発明法1〜4で得られた微細な等軸晶組織を有する鋳造
体は、従来法で得られた鋳造体に比べて、マイクロポロ
シティ欠陥が発生することがなく、優れていることが分
かる。しかし、この発明の条件から外れた条件の比較法
1〜2で製造した鋳造体は、好ましくない現象が現れる
ことが分かる。
【0016】実施例2 実施例1で用意した鋳型にMar−M247合金の溶湯
を充填し、表2に示される最大角加速度および回転角度
で回転させ、表2に示される時間停止させたのち同一方
向に再び表2に示される最大角加速度および回転角度で
回転させるインターバルな断続正転振動を付与し、同時
に表2に示される凝固界面の温度勾配となるように加熱
炉および冷却コイルを引き上げることにより本発明法5
〜8および比較法3〜4を実施した。
を充填し、表2に示される最大角加速度および回転角度
で回転させ、表2に示される時間停止させたのち同一方
向に再び表2に示される最大角加速度および回転角度で
回転させるインターバルな断続正転振動を付与し、同時
に表2に示される凝固界面の温度勾配となるように加熱
炉および冷却コイルを引き上げることにより本発明法5
〜8および比較法3〜4を実施した。
【0017】これら本発明法5〜8および比較法3〜4
で得られた微細な等軸晶組織を有する鋳造体について、
実施例1と同様にして、鋳造体の断面の組織を10倍の
金属顕微鏡写真に撮り、それぞれの写真から平均結晶粒
径を求め、さらにマイクロポロシティ欠陥の有無を観察
し、その結果を表2に示した。
で得られた微細な等軸晶組織を有する鋳造体について、
実施例1と同様にして、鋳造体の断面の組織を10倍の
金属顕微鏡写真に撮り、それぞれの写真から平均結晶粒
径を求め、さらにマイクロポロシティ欠陥の有無を観察
し、その結果を表2に示した。
【0018】
【表2】
【0019】表2に示される結果から、本発明法5〜8
は、実施例1の表1に示される従来法とほぼ同様に微細
な等軸晶組織を有する鋳造体が得られるが、従来法のよ
うにマイクロポロシティ欠陥が発生することがなく、優
れていることが分かる。
は、実施例1の表1に示される従来法とほぼ同様に微細
な等軸晶組織を有する鋳造体が得られるが、従来法のよ
うにマイクロポロシティ欠陥が発生することがなく、優
れていることが分かる。
【0020】
【発明の効果】この発明の方法によると、マイクロポロ
シティ欠陥が発生することがなく全体に亘って微細な等
軸晶組織を有する鋳造体を簡単な方法で提供することが
でき、産業上優れた効果をもたらすものである。
シティ欠陥が発生することがなく全体に亘って微細な等
軸晶組織を有する鋳造体を簡単な方法で提供することが
でき、産業上優れた効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の微細な等軸晶組織を有する鋳造体の
製造方法を説明するための断面概略説明図である。
製造方法を説明するための断面概略説明図である。
1:鋳型、 2:エレベータシャフト、 3:チルプレ
ート、 4:加熱炉、5:耐熱カバー、 6:冷却水流
通キャビティ、 7:保持板、 8:鋳型固定具、
9:溶湯、 10:冷却水供給孔、 11:水冷コイル
ート、 4:加熱炉、5:耐熱カバー、 6:冷却水流
通キャビティ、 7:保持板、 8:鋳型固定具、
9:溶湯、 10:冷却水供給孔、 11:水冷コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 脇田 三郎 埼玉県大宮市北袋町1−297 三菱マテリ アル株式会社総合研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】鋳型内に充填した溶湯を下部から上部に向
かって冷却して凝固界面における溶湯の温度勾配が1〜
20未満℃/cmとなるように凝固界面を徐々に上方に
移動させながら、同時に前記溶湯を充填した鋳型に、最
大角加速度:5πrad/sec2以上、回転角度:5
〜45度未満の正回転を加えたのち引き続いて同じ条件
の逆回転を加える正逆回転を繰り返す水平連続反転振動
を付加することを特徴とする微細な等軸晶組織を有する
鋳造体の製造方法。 - 【請求項2】鋳型内に充填した溶湯を下部から上部に向
かって冷却して凝固界面における溶湯の温度勾配が1〜
20未満℃/cmとなるように凝固界面を徐々に上方に
移動させながら、同時に前記溶湯を充填した鋳型に、最
大角加速度:5πrad/sec2以上、回転角度:5
〜45度未満の回転を加えたのち停止し引き続いて同じ
条件で同一方向に回転する回転と停止を繰り返す水平断
続正転振動を付加することを特徴とする微細な等軸晶組
織を有する鋳造体の製造方法。 - 【請求項3】請求項1または2記載の方法により作製し
た一方向凝固柱状晶の成長方向に対して垂直な断面にお
ける平均結晶粒径が1000μm以下の微細な等軸晶組
織を有する鋳造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001138422A JP2002331354A (ja) | 2001-05-09 | 2001-05-09 | 微細な等軸晶組織を有する鋳造体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001138422A JP2002331354A (ja) | 2001-05-09 | 2001-05-09 | 微細な等軸晶組織を有する鋳造体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002331354A true JP2002331354A (ja) | 2002-11-19 |
Family
ID=18985364
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001138422A Withdrawn JP2002331354A (ja) | 2001-05-09 | 2001-05-09 | 微細な等軸晶組織を有する鋳造体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002331354A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1859879A1 (en) * | 2005-03-15 | 2007-11-28 | The Japan Steel Works, Ltd. | Method of casting and casting apparatus |
US7712511B2 (en) | 2005-03-15 | 2010-05-11 | The Japan Steel Works, Ltd. | Casting method and casting apparatus |
JP2014131816A (ja) * | 2012-11-06 | 2014-07-17 | Howmet Corp | 鋳造方法、装置及び製品 |
CN114273625A (zh) * | 2021-12-27 | 2022-04-05 | 北京科技大学 | 一种小型热作模具钢浇铸成型装置 |
-
2001
- 2001-05-09 JP JP2001138422A patent/JP2002331354A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1859879A4 (en) * | 2005-03-15 | 2009-03-04 | Japan Steel Works Ltd | METHOD OF CASTING AND CASTING DEVICE |
US7712511B2 (en) | 2005-03-15 | 2010-05-11 | The Japan Steel Works, Ltd. | Casting method and casting apparatus |
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