JP2002330504A - 車上主体型自動列車制御装置 - Google Patents

車上主体型自動列車制御装置

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JP2002330504A JP2001134288A JP2001134288A JP2002330504A JP 2002330504 A JP2002330504 A JP 2002330504A JP 2001134288 A JP2001134288 A JP 2001134288A JP 2001134288 A JP2001134288 A JP 2001134288A JP 2002330504 A JP2002330504 A JP 2002330504A
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Akira Hosokawa
明良 細川
Hisashi Nakayama
恒 中山
Yoshiharu Shimadachi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 列車の運転効率の向上。 【解決手段】 地上装置6は、列車が停止すべきブロッ
ク番号と自ブロック番号を、ブロック、ATC受電器
9、ATC受信部3を介してATC制御部4に送信し、
ATC制御部4は、自列車が走行中の位置を、トランス
ポンダ地上子7からトランスポンダ車上子8を介して読
みとり、位置レジスタに格納した位置情報を速度パルス
を用いて常に更新することで認識するとともに、トラン
スポンダ地上子7の位置情報が位置レジスタに格納され
ていないときは、地上装置から送信される自ブロック番
号のブロックの末端を自列車位置とする。列車ごとにか
つブロックごとに予め設定された停止のための速度パタ
ーンがデータベースとしてメモリ45に保持され、AT
C制御部4は、地上装置6から受信した停止ブロック番
号に対応する速度パターンを読みだして前記認識してい
る自列車位置から定まる許容速度と自列車速度の差に応
じてブレーキ指令を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は自動列車制御装置に
係り、特に、先行列車がある場合などの、列車を減速さ
せる速度制御を行う場合に列車側が主体となって速度制
御を行う車上主体型自動列車制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の鉄道車両用自動列車制御装置(以
下、ATC装置という)では、列車が走るレールがある
長さごとに電気的に区分されてブロックが形成され、地
上装置が各ブロックごとに、列車に対して許容速度を指
示する信号を送信している。列車上には、各列車にそれ
ぞれ車上装置が設置され、この車上装置はこの許容速度
を指示する信号を軌道回路を介して受信し、受信した許
容速度と自列車速度を比較する。自列車速度が許容速度
を超えると、車上装置は自動的にブレーキ指令をブレー
キ装置に対して与え、列車速度を自動的に許容速度以内
に制御している。列車が走っているレールの、該列車進
行方向前方に別の列車(先行列車)が走っている(ある
いは停止している)場合、地上装置は後を走っている列
車(続行列車)が、先行列車が走っている(あるいは停
止している)ブロック(在線ブロック)に近づくにつれ
て、続行列車に対して低い許容速度の信号を与える。
【0003】地上装置が指示する許容速度は、同じブロ
ックでは変化しないから、続行列車はブロック単位で階
段状の速度制限を受け、先行列車に追突しないように、
先行列車の手前のブロックのレール上に停止するよう制
御される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】運転効率、すなわち運
行本数を増やすこと、列車の平均速度をあげることを考
えると、先行列車と続行列車との間隔は安全を確保し得
る範囲で短いほうが望ましい。
【0005】上記従来の制御方式では、許容速度が階段
状に変化する制御であるため、列車は許容速度がそれま
でよりも低いブロックに進入した場合は、そのブロック
を構成するレール区間の始端で、それまでよりも低い許
容速度を受信し、直ちにブレーキが動作する。したがっ
て列車速度は、列車がそのブロックを構成するレール区
間の末端に達する前に許容速度以下に低下し、作動した
ブレーキは一旦緩むことになる。
【0006】つまり、先行列車との距離を詰めるという
観点からすれば、上記従来の方法は、必要以上に早めに
ブレーキが動作することになっていた。また許容速度が
階段状に変化するようになっているため、階段の数だ
け、何度もブレーキの動作、緩解を繰り返すため、乗り
心地に与える悪影響もあった。
【0007】さらに、ブレーキ性能の異なる複数の車種
の列車が走行する場合、地上装置は各列車のブレーキ性
能を認識できるようになっていないため、地上装置が指
示する許容速度は、その線区を走行する最もブレーキ性
能の低い列車に対しても、安全を保つように配慮されて
いる。すなわち、ブレーキ性能の低い列車のブレーキ距
離を前提に許容速度を決定し、ブレーキ性能の高低に関
係なく、すべての列車に対して一律に許容速度を指示す
るようになっていた。そのため、ブレーキ性能の高い列
車も、ブレーキ性能の低い列車にあわせた走行の仕方に
なってしまうという、運転効率上の無駄があった。
【0008】本発明の目的は、先行列車の存在によって
後続する列車の運行が制約される場合でも、後続する列
車の運転効率を良くすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、地上装置には、列車に対してどこで止ま
るべきかを指示する情報をレールを介して提供する機能
を、車上装置には、この情報によって指定された位置に
停止するためには、どのような速度で走行することが必
要かを自列車の位置をもとに判断して必要に応じてブレ
ーキを掛ける機能を、それぞれもたせるようにするとと
もに、自列車の位置が確認できない場合に車上装置が自
列車の位置を暫定的に設定するようにしたものである。
【0010】すなわち、上記目的を達成する本発明は、
地上装置は、列車が停止すべきブロック番号(停止ブロ
ック番号)を軌道回路を介して車上装置に送信するとと
もに、停止ブロック番号が送信されるブロックの番号
を、前記停止ブロック番号に併せて自ブロック番号とし
て車上装置に送信する。車上装置は、トランスポンダ地
上子から読み出された位置情報を位置情報メモリに保持
し、位置情報メモリのデータを車軸の回転に応じて出力
される速度パルスに基づいて更新して常に自列車が走行
中の位置を認識する。トランスポンダ地上子から読み出
された位置情報が位置情報メモリに格納されていない間
は、地上装置から送信される自ブロック番号で指定され
るブロックに列車が位置するものとし、そのブロックの
列車進行方向末端から予め指定された特定距離だけ離れ
た位置を自列車位置と認識する。車上装置はまた、列車
ごとにかつブロックごとに予め設定された速度パターン
(当該列車のブレーキ性能を十分に発揮することを前提
として当該列車の最高速度から減速して当該ブロックの
指定の位置で停止する減速過程を示す位置―許容速度パ
ターン)をデータベースとしてメモリに保持し、地上装
置から受信した停止ブロック番号に対応する速度パター
ンを読み出す。車上装置は、読み出した速度パターンと
前記認識している自列車位置から定まる許容速度に自列
車速度を対比し、許容速度と自列車速度の偏差に応じて
ブレーキ指令を出力して列車の速度を制御し、停止すべ
きブロック内に列車を停止させる。
【0011】具体的には、上記目的を達成する本発明の
第1の手段は、電気的に区分されてそれぞれブロックを
構成するレールに、列車が停止すべきブロックを指定す
る情報と、該情報が送出されるブロックの番号とを含む
ディジタル信号を送出する地上装置と、前記レールに沿
って互いに間隔をおいて配置され、その位置を表す情報
が読み出し可能に格納されているトランスポンダ地上子
と、列車上に配置された、前記レールに送出された信号
を受信して出力するATC受信手段、前記トランスポン
ダ地上子に格納された位置を表す情報を読み込んで出力
するトランスポンダ受信手段、列車の車軸に結合され車
軸の回転に応じて速度パルスを発信する速度発電機、前
記ATC受信手段の出力と前記トランスポンダ受信手段
の出力と速度パルスに基づいてブレーキ指令を出力する
ATC制御部を有してなる車上装置と、を含んで構成さ
れた車上主体型自動列車制御装置において、前記ATC
制御部は、複数のブロックそれぞれに1対1に対応して
設定された速度パターンであって、列車が該対応するブ
ロックに停止する場合の停止までの各位置における許容
速度をあらわすものである速度パターンを、前記対応す
るブロックを特定する情報に組み合わせて格納するメモ
リと、前記トランスポンダ受信手段が出力した位置情報
を格納する位置情報メモリとを備え、該位置情報メモリ
に格納された位置情報を前記速度パルスに基づいて更新
して自列車位置を認識し、前記ATC受信手段が受信し
た停止すべきブロックを指定する情報に基づいて、指定
されたブロックに対応する速度パターンを前記メモリか
ら読み出し、読み出した速度パターンと前記認識してい
る自列車位置に基づいてその位置における許容速度を算
出し、算出した許容速度と自列車速度の偏差に応じてブ
レーキ指令を出力し、前記位置情報メモリに前記トラン
スポンダ受信手段が出力した位置情報を格納されていな
いとき、前記地上装置から送信されるブロック番号で特
定されるブロックを自列車位置のブロックとし、該ブロ
ックの末端から予め設定された特定距離だけ離れた位置
を自列車位置と認識するように構成されていることを特
徴とする。
【0012】前記第1の手段において、前記ATC制御
部を、速度パターンに基づいて算出した許容速度と予め
設定された制限速度のうちのいずれか低いほうの速度を
取りだし、該取出した速度と自列車速度の偏差に応じて
ブレーキ指令を出力するよう構成してもよい。この場
合、前記許容速度を算出するのに使った速度パターンに
含まれている制限速度を用いるのが望ましい。
【0013】また、電気的に区分されてそれぞれブロッ
クを構成するレールから、列車が停止すべきブロックを
指定する情報と、該情報が送出されるブロックの番号と
を含むディジタル信号を受信して出力するATC受信手
段と、前記レールに沿って互いに間隔をおいて配置され
たトランスポンダ地上子から、該トランスポンダ地上子
の位置を表す情報を読み込んで出力するトランスポンダ
受信手段と、列車の車軸に結合され車軸の回転に応じて
速度パルスを発信する速度発電機と、前記ATC受信手
段の出力と前記トランスポンダ受信手段の出力と速度パ
ルスに基づいてブレーキ指令を出力するATC制御部を
有してなる、車上主体型自動列車制御装置の車上装置に
おいて、前記ATC制御部を、複数のブロックそれぞれ
に1対1に対応して設定された速度パターンであって、
列車が該対応するブロックに停止する場合の停止までの
各位置における許容速度をあらわすものである速度パタ
ーンを、前記対応するブロックを特定する情報に組み合
わせて格納するメモリと、前記トランスポンダ受信手段
が出力した位置情報を格納する位置情報メモリとを備
え、該位置情報メモリに格納された位置情報を前記速度
パルスに基づいて更新して自列車位置を認識し、前記A
TC受信手段が受信した停止すべきブロックを指定する
情報に基づいて、指定されたブロックに対応する速度パ
ターンを前記メモリから読み出し、読み出した速度パタ
ーンと前記認識している自列車位置に基づいてその位置
における許容速度を算出し、算出した許容速度と自列車
速度の偏差に応じてブレーキ指令を出力し、前記位置情
報メモリに前記トランスポンダ受信手段が出力した位置
情報を格納されていないとき、前記地上装置から送信さ
れるブロック番号で特定されるブロックを自列車位置の
ブロックとし、該ブロックの末端から予め設定された特
定距離だけ離れた位置を自列車位置と認識するように構
成してもよい。
【0014】上述の手段を適用することにより、列車は
それぞれのブレーキ性能に見合った減速度の速度パター
ンが示されるから、ブレーキが断続的に作動するのでは
なくて、列車停止まで連続的に作動するようになる。し
たがって、ブレーキの作動開始時期が後にずれ、ブレー
キが作動しない期間が長くなり平均運行速度が向上する
とともに、停止までのブレーキ距離が短くなり列車運転
間隔を小さくして運行本数を増すことができ、運転効率
が良くなる。本発明を実際に適用するには、自列車の位
置を常に認識しておく必要があるが、トランスポンダ地
上子からの位置情報が得られていない場合でも、仮の位
置設定を行うようにしたので、安全、かつ円滑に速度制
御を実施できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
について図面を用いて説明する。
【0016】図1に本実施の形態の要部構成を示す。図
示の実施の形態は、地上装置、車上装置、トランスポン
ダ地上子7及びブロックを含んで構成されている。
【0017】車上装置は、ATC制御部4、ブレーキ装
置5、速度発電機10、トランスポンダ車上子8とトラ
ンスポンダ受信部2からなるトランスポンダ受信手段、
及びATC受電器9とATC受信部3からなるATC受
信手段を含んで構成されている。
【0018】ATC制御部4は、図12に示すように、
検索処理部4A,自列車速度算出部4B、比較処理部4
C、メモリ45及び位置情報メモリである位置レジスタ
41を備えている。
【0019】速度発電機10は、列車の車輪の回転数に
応じた速度パルスをATC制御部4に出力する。ATC
受電器9はブロック(レール)に流れる信号を検出して
ATC受信部3に出力する。ATC受信部3はATC受
電器9から入力された信号を復調してATC制御部4に
出力する。トランスポンダ車上子8は、トランスポンダ
地上子7の信号を受信してトランスポンダ受信部2に出
力し、トランスポンダ受信部2はトランスポンダ車上子
8から入力された信号を地点情報に変換して、ATC制
御部4に出力する。メモリ45には、ブロック番号の並
びを特定できる情報、すなわちブロック接続情報42
と、各ブロックの長さに関する情報、すなわちブロック
長情報43と、各ブロック番号に対応して設定された速
度パターンとが、格納されている。
【0020】ATC制御部4は、トランスポンダ受信部
2から入力された地点情報、ATC受信部3から入力さ
れた地上装置からの情報、速度発電機10から入力され
る速度パルス及びメモリ45に格納されている情報に基
づいて、自列車の速度が許容速度を越えていないかどう
かを判断し、必要に応じてブレーキ信号を出力する。ブ
レーキ装置5は、ATC制御部4から入力されるブレー
キ信号に応じてブレーキを作動させる。
【0021】トランスポンダ地上子7は、レールに沿っ
て間隔をおいて配置され、当該トランスポンダ地上子7
が配置された場所のブロック番号と、そのトランスポン
ダ地上子7が配置されている位置からそこのブロックを
構成するレール区間の終端までの距離(ブロック内残距
離)を、データとして格納している。このデータは、列
車の進行とともにトランスポンダ地上子7の近くを通過
するトランスポンダ車上子8に送信される。
【0022】地上装置6は車上に与える情報を生成し、
それをデジタル信号としてレールに流すように構成さ
れ、図3に示すように、地上制御部6Aと、この地上制
御部6Aと各ブロックを個別に接続する通信線と、各通
信線に介装された送受信部6Bと、を含んでいる。地上
制御部6Aは、ブロックに列車がいるかどうかを前記通
信線を介して検知し、列車がいた場合、当該通信線に介
装された送受信部6Bに、ブロックへの情報送信を指示
する。情報送信を指示された送受信部6Bは、当該ブロ
ックの番号(自ブロック番号)と、地上制御部6Aから
伝達された停止ブロック番号を含む信号を、当該ブロッ
クに送信する。
【0023】以下、上記構成の自動列車制御装置の動作
の概要を説明する。
【0024】地上装置は、ブロックを介して車上装置に
自ブロック番号と停止ブロック番号を送信し、車上装置
は、受信した停止ブロック番号に基づいてブロック番号
ごとに設定された速度パターンをメモリ45から読み出
す。車上装置はトランスポンダ地上子7から伝達される
ブロック番号とブロック内残距離及び速度発電機10の
速度パルスに基づいて自列車位置を常に認識しており、
前記読み出した速度パターンにおける自列車位置での速
度(許容速度)と、速度発電機10から得られる現在の
自列車速度を比較する。車上装置は、速度パターンにお
ける自列車位置での速度と現在の自列車速度の差に応じ
て異なる強さのブレーキ指令をブレーキ装置5に出力
し、受信した停止ブロック番号のレール区間で停止する
ように列車速度を制御する。
【0025】次ぎに、上記動作の詳細について更に説明
する。
【0026】まず、車上装置の位置認識の方法について
説明する。トランスポンダ地上子7は,図3に示すよう
に、レールに沿って所々に設置され、そのトランスポン
ダ地上子が設置されたブロック番号(図3では4T)
と、当該ブロックの終端からトランスポンダ地上子7ま
での距離Lが、トランスポンダ車上子8による読み出し
が可能なデータとして地上子内に記憶されている。トラ
ンスポンダ車上子8がトランスポンダ地上子7の直上を
通過すると、それらの情報がトランスポンダ車上子8に
読み込まれる。車上のATC制御部4内には、自列車の
位置の記憶、更新のため位置レジスタ41が設けられて
おり、この位置レジスタ41は、ブロック番号と、ブロ
ック内残距離とを格納するようになっている。トランス
ポンダ車上子8がトランスポンダ地上子7の直上を通過
するとき、トランスポンダ車上子8は、トランスポンダ
地上子7のデータ(前記ブロック番号4Tと距離L)を
読み込む。トランスポンダ車上子8は、読み込んだデー
タをATC制御部4に送り、ATC制御部4は、ブロッ
ク番号と前記距離Lの情報をトランスポンダ車上子8か
ら受けると、図4に示すように、位置レジスタ41内の
ブロック番号とブロック内残距離を、トランスポンダ車
上子8からの情報でセットする。
【0027】ATC制御部4の検索処理部4Aは、速度
発電機10からの速度パルスを取り込み、その速度パル
スを積算することによって列車位置を更新できるように
なっている。したがってその後、列車が進行すると、検
索処理部4Aは、速度発電機から速度パルスを取り込
み、この速度パルスを積算することにより、図5に示す
ように、位置レジスタ41内のブロック内残距離を減算
し、位置レジスタ41の内容を更新してゆく。すなわ
ち、自列車の位置は、位置レジスタ41のブロック番号
とブロック内残距離に格納されたデータとして、リアル
タイムで保持、格納されている。列車が更に進行してゆ
くと、やがて、位置レジスタ41の残距離が0になる、
即ち列車が当該ブロックの終端に達する。
【0028】車上のATC制御部4のメモリ45には、
ブロック番号の並びを特定できる情報、すなわちブロッ
ク接続情報が格納されている。具体的には図6に示すよ
うに、ブロック番号の実際の線路での並び方が分かる情
報、接続情報42がメモリ45の中に記憶されている。
位置レジスタ41のブロック内残距離がゼロになると、
検索処理部4Aは、メモリ45の中に記憶されたブロッ
ク番号の並びに関する情報から、現在の位置レジスタの
ブロック番号の次のブロック番号を検索する。またメモ
リ45の中には図7に示すように、各ブロックの長さに
関する情報、すなわちブロック長情報43も記憶されて
おり、検索処理部4Aの論理により、先ほど検索した新
しいブロック番号のブロックの長さがこの情報から検索
され、新しいブロック番号と、そのブロックの長さが、
図8に示すように、位置レジスタ41に新しい位置情報
としてセットされる。
【0029】このようにして、位置レジスタ41は、列
車の進行に合わせて常に計算、更新される。もし、この
状態で走行中に新たにトランスポンダ地上子7を通過し
た場合、位置レジスタ41は当該トランスポンダ地上子
から得られた情報に書き換えられる。位置レジスタ41
のブロック内残距離は、速度パルスにより更新されるた
め、速度パルスがその速度発電機が結合されている車軸
の車輪の空転や滑走などで、誤差を生ずることもあり得
るが、その場合、次のトランスポンダ地上子7の情報を
受けることにより補正される。
【0030】上述のようにして、自列車の位置は、常
に、走行中のブロック番号と、そのブロック番号で示さ
れるレール区間の末端までの距離(ブロック内残距離)
という形で、ATC制御部4に保持されている。
【0031】次ぎに、地上装置から送信される停止ブロ
ック番号について図3を参照して説明する。地上制御部
6Aは、通信線を介して各ブロックに列車がいるかいな
いかを常時検知しており、あるブロック(図3の例では
2T)に列車Aがいる場合(列車が走行しているか、停
止しているかに関わりなく)、その後方の列車Bがいる
ブロックに接続された通信線に介装された送受信部6B
5に対して、ブロック番号2Tから所定の距離だけ列車
B側に離れたブロックの番号(例えば3T)を送信す
る。送受信部6B5は、受信したブロック番号3Tを停
止ブロック番号とし、自己の属するブロック番号5Tを
自ブロック番号として、停止ブロック番号と自ブロック
番号のデジタル信号を生成し、特定の周波数で変調(M
SK変調)してブロック5Tに出力する。当然、列車A
が存在するブロック2Tに対しても、列車Aの前方にい
る列車の位置で決まる停止ブロック番号と自ブロック番
号2Tが、ブロック2Tに接続された通信線を介して送
受信部6B2から出力される。ブロック5Tに出力され
た信号は、ATC受電器9によりレールから検出され、
ATC受信部3で復調されてATC制御部4に入力され
る。
【0032】ATC制御部4のメモリ45には、停止ブ
ロック番号として指定されるブロック番号毎に、当該列
車が、停止ブロック番号で指定されたブロックのレール
区間で停止するための減速状態を規定する速度パターン
が記憶されている。速度パターンとは、位置と速度の対
の情報であり、指定されたブロックの終端までに列車速
度ゼロにするブレーキ曲線である。この速度パターンは
停止ブロックとして指定されるブロックとその外方一定
距離分の長さに亘って定義されている。一定の長さとは
当該列車が最高速度からブレーキを掛けて止まり得る距
離に余裕を加えたものである。列車が最高速度からブレ
ーキを掛けて止まり得る距離は列車のブレーキ性能、列
車種別、線路の勾配、カーブの程度等により異なる。し
たがって、この速度パターンの形状は、列車ごとに、か
つ停止ブロックごとに設定されている。通常は図11の
(b)のような放物線状であるが、もし、当該区間が下り
勾配の場合は、同じブレーキ性能を仮定した場合、実効
ブレーキ減速度が下り勾配によって低くなってしまうた
め、この場合の速度パターンは(c)に示すように傾き
の低い、言わば「寝た」曲線となる。また、途中に急な
カーブなどがある場合は、その区間に速度制限が加わり
(d)に示すような形状になることもあり得る。これら
の速度パターンはブロック番号ごとにメモリ45に記憶
されている。
【0033】ATC制御部4の検索処理部4Aは、受信
した停止ブロック番号に対応する速度パターン、例えば
図9に示すような速度パターンをメモリ45から読み出
す。検索処理部4Aは、速度パターンを読み出したら、
次に自列車の位置即ち位置レジスタ41の内容から、読
み出した速度パターンの距離軸上のどこに自列車がいる
かを、求める。先に述べたようにメモリ45には、各ブ
ロックの接続情報42と、各ブロックの長さの情報(ブ
ロック長情報43)をも記憶されている。検索処理部4
Aは、停止ブロック番号と自ブロック番号の間にある全
てのブロック番号を検索する。そしてこれらのブロック
の長さを全て検索し、これらの総和を求める。次に位置
レジスタ41のブロック内残距離を加える。この値が停
止ブロックの終端から、自列車位置までの距離になる。
【0034】検索処理部4Aは、この距離を読み出した
速度パタ−ンの距離軸として速度パターンに割り当て、
それに対応する速度を当該速度パターンから求める。こ
こで得られた速度がその時点(その位置)での列車の許
容速度になる。模式的には、図14に示すように、速度
パターン上で自列車の位置を決定し、その位置における
パターン上の速度を許容速度V1として求める。
【0035】得られた許容速度V1は比較処理部4Cに
送られ、速度発電機10から出力された速度パルスに基
づいて自列車速度算出部4Bで算出された自列車速度V
tが、許容速度V1から減算される。比較処理部4C
は、自列車速度Vtと許容速度V1の偏差ΔV(=許容
速度V1−自列車速度Vt)の値に応じて、図15に示
すように、段階的なブレーキ力のブレーキ指令を、ブレ
ーキ装置5に出力する。すなわち、図10に示すよう
に、速度パターンを基準にブレーキの強弱が調整されな
がら、この速度パターンに沿って減速され、ブロック3
Tの終端までに停止するような制御が行われる。
【0036】図15に示すように、自列車速度Vtが許
容速度V1より予め設定された値以上低いとき(ΔV≧
ΔV)には、ブレーキ指令は出力されないが、その差
が小さくなるにつれ徐々に強いブレーキ指令が出力され
るようになっている。自列車速度Vtが速度パターンで
規定される許容速度V1を超過すると、常用最大ブレー
キB7が出力される。このブレーキ出力の結果により、
実速度は速度パターンに沿って減速し、パターンの終端
で実列車速度もゼロとなる。自列車速度Vtが許容速度
V1より低い場合でもブレーキ指令が出力されるのは、
自列車速度Vtが許容速度V1を超過してからブレーキ
をかけるのでは、速度の超過が大きくなること、自列車
速度Vtが許容速度V1を超過してから急に強いブレー
キをかけると衝撃が大きく、不快感を与えること、など
が理由である。
【0037】なお、図13に示すように、通常、制御上
のマージンを持たせるために、速度パターンの終端は、
当該ブロック内残距離「0」の位置ではなく、余裕距離
をとり、ブロック内残距離「Lm」の位置に設定して
いる。これにより距離認識の誤差などに対するマージン
としている。
【0038】図2に、本実施の形態による列車の減速時
の速度パターン(破線)と、従来の段階的な減速パター
ン(実線)を対比して示す。下部に示したのはブレーキ
指令であり、横軸の上側が従来技術の場合、横軸の下側
が本発明の場合である。図から明らかなように、従来技
術の場合、許容速度がブロック単位で出力されるために
許容速度0の信号が早い段階で出されており、このた
め、ブレーキ指令が2回に分かれ、かつ、早い時期にな
って、図のア点で減速が開始される。一方、本発明の場
合、許容速度0の信号は停止位置であるエ点であり、ブ
レーキ指令は減速開始から停止まで中断することなく連
続して出力されている。
【0039】この結果、減速期間中の走行距離が短くて
済むため、減速開始時期が図のイ点となり、従来技術の
場合のア点よりも遅い位置(停止位置に近い点)にな
る。したがって、減速前の速度Vでの走行距離が長く
なり、平均運行速度が高くなる。また、列車停止位置
も、従来技術の場合のウ点に対し、本発明の場合はエ点
となり、先行列車との間隔を短縮できる。
【0040】一方、このシステムでは、電源が遮断され
たら位置レジスタ41のデータはなくなる。したがっ
て、例えば電車が始発駅などで電源投入した直後、ある
いは停電などで列車が停止したのち電源が復旧したとき
は位置未確定であり、トランスポンダ地上子7を通過す
るまでは自列車位置を確定することが出来ない。電源投
入時にたまたまトランスポンダ地上子の直上にいれば別
であるが、一般的には、電源投入直後は自列車位置は不
定のままである。その状態で走行し、トランスポンダ地
上子を通過して初めて自列車位置が認識される。したが
って、電源投入時には自列車の位置が車上装置では認識
されておらず、上述の方法では許容速度の算出ができな
い。
【0041】そこで、本発明においては、電源投入時な
ど、位置未確定の際には、次ぎのような手順で仮位置設
定を行うこととした。すなわち、位置レジスタ41の
「ブロック番号」が図16に示すように地上から送信さ
れる「自ブロック番号」に、「ブロック内残距離」が、
前記「自ブロック番号」で指定されるブロックのレール
の終端から予め設定された距離だけ離れた特定位置に無
条件にセットされる。本実施の形態では、残距離「0」
の特定位置に無条件にセットされる。
【0042】なお、位置レジスタ41の「ブロック内残
距離」に設定する残距離、すなわち自列車が位置するブ
ロックの列車進行方向末端からの距離としては、各停止
ブロックに対応してメモリ45に格納されている速度パ
ターンの終端の残距離(余裕距離Lm)としてセットす
るようにしてもよい。
【0043】ATC制御部4は、速度制御のための速度
パターンとしては、通常どおり、地上装置から送信され
る「停止ブロック番号」で指定されるものを選択する。
そしてこれによって検索された速度パターンの距離軸上
で、自列車位置が位置レジスタ41の「ブロック番号」
で示されるブロックの終端にあるとして決定される速度
を許容速度V1として、前記図15に示す論理に基づい
てブレーキ指令を出力する。
【0044】もし、トランスポンダ地上子を通過する前
に、地上から伝送される停止ブロックが自ブロックであ
った場合、自列車位置はちょうどパターン終端にあるか
ら、速度パターンで規定される速度は「0」であり、ブ
レーキが指令された状態となる。残距離が前記余裕距離
「Lm」に設定された場合でも、速度パターンから算
出される速度は「0」であって、ブレーキが指令された
状態となり、列車は進行できない。しかし、進路が開通
するか先行列車が進んで、停止ブロックが内方(列車進
行方向前方)に移動した場合は、この仮設定した自列車
位置すなわち位置レジスタ41に格納された位置によ
り、通常と同様、パターン検索、パターン参照によっ
て、列車制御が行われる。
【0045】なお、この位置レジスタ41に設定された
位置はあくまで仮位置であるから、一定距離走行する内
にトランスポンダ地上子を通過して位置確定しない場合
は、位置レジスタのデータを消去し、再度自列車位置未
確定にし、非常ブレーキを指令するようにするのが望ま
しい。この場合は一旦停止後、前記電源投入時の手順が
繰り返されるようにすればよい。
【0046】上述の論理にしたがって制御を行うことに
より、自列車の位置が未確定であっても、列車運行の安
全が確保され、制御を円滑に行うことができる。自列車
位置が確定している場合に比べれば、速度は制限を受け
るものの、最初のトランスポンダ地上子まで走行し、ト
ランスポンダ地上子を通過して位置が確定すれば、平常
の制御に遷移させることができる。なお、次のトランス
ポンダを受けるまでに別のブロックに入った場合には、
地上からの受信する「自ブロック番号」が変わるため、
前述と同様な方式によって自列車位置を与え、同様な制
御を継続する。
【0047】また、特定のブロックでの電源投入時のど
の位置未確定の際に、位置レジスタ41の「ブロック番
号」を地上から送信される「自ブロック番号」にセット
し、「ブロック内残距離」に予めメモリ45に備えた該
ブロックに対応した残距離をセットすることもできる。
この場合、この残距離を以後走行に伴ない、速度発電機
の速度パルスを積算して減算し、位置レジスタを更新す
ることであたかも平常の制御として動作する。以後トラ
ンスポンダ地上子7を通過し、平常の制御となる。
【0048】本実施の形態によれば、列車は、当該列車
のブレーキ性能を十分に生かした減速度パターンで、ブ
ロックの区切りと無関係に減速されるから、減速開始後
列車停止までブレーキが解除されることがなく、減速走
行する距離が短縮される。言い換えると、停止のための
ブレ―キングの開始が遅くてすみ、列車の運行平均速度
が高まる。また、先行列車との間隔も詰めることがで
き、運転効率の向上、乗り心地の向上に寄与することが
できるとともに、自列車の位置が未確定であっても、列
車運行の安全が確保され、制御を円滑に行うことができ
る。
【0049】次に図17を参照して本発明の第2の実施
の形態を説明する。本実施の形態が前記第1の実施に形
態と相違するのは、比較処理部4Cが、図17に示すよ
うに、速度パターンから算出された許容速度V1と予め
設定された最低の速度制限値(例えば65km/h)の
うちの低い方の速度を許容速度としてブレーキ指令を出
力するように構成されている点である。他の構成は前記
第1の実施の形態と同じであり、詳細な説明は省略す
る。
【0050】このブレーキ指令出力の論理を図17に示
す。ここで、前記予め定められた一定の速度(例示した
65km/h)というのは、車上装置のメモリ45に記
憶されている本来の速度パターンに含まれる最低の速度
制限値であるが、列車停止のための減速曲線で規定され
る速度ではなく、レールのカーブや分岐の存在など、レ
ールの条件で規定される速度制限値である。例えば、図
11の(d)の領域Sは、レールのカーブがきついため
に、低い速度に制限されている。列車が図11の(d)
のイ点にいて停電し、停電復旧後、電源を入れたとす
る。前記第1の実施の形態の論理に基づき、位置レジス
タに設定される位置が実際のブロックの末端ロ点に設定
され、その時点での停止ブロックに基づく速度カーブが
図11の(d)のような形状であると、列車が実際は図
11の(d)のイ点にいるのに、ブロックの末端(ロ
点)にいるとして速度パターンから速度を算出される。
この場合、算出された速度は実際の位置(イ点)に対応
する速度(速度制限値)よりも高い速度となる。本実施
の形態では、位置レジスタに設定されたロ点に対応する
速度と速度制限値(領域Sに対応する速度)のうち、低
速側の速度(領域Sに対応する速度)を選択することに
より、実際の位置に対応した安全側の制御となる。
【0051】一方、実際は列車が許容速度が高いハ点に
いるのに、前記論理により、低い速度制限値に対応した
速度になるようブレーキ指令が出力される場合がある。
しかしこの場合も、列車位置が確認されていない状態
で、安全側の速度で列車の運行を継続できる効果があ
る。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、列車の平均運行速度を
高めることができ、列車の運転効率を向上させるととも
に、電源投入直後などのトランスポンダ地上子による列
車位置確認ができない場合でも、円滑に列車を制御する
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の全体構成を示すブ
ロック図である。
【図2】従来技術の場合の列車速度の変化と図1に示す
実施の形態の列車速度の変化を対比して示す概念図であ
る。
【図3】図1に示す実施の形態の地上装置の配置例を示
す概念図である。
【図4】図1に示す実施の形態のトランスポンダ地上子
のデータと位置レジスタのデータの関連を示す図であ
る。
【図5】図1に示す実施の形態の速度パルスのデータと
位置レジスタのデータの関連を示す図である。
【図6】図1に示す実施の形態の接続情報の例を示す図
である。
【図7】図1に示す実施の形態のブロック長情報の例を
示す図である。
【図8】図1に示す実施の形態の車上のメモリに格納さ
れたデータと位置レジスタのデータの更新時の関連を示
す図である。
【図9】図1に示す実施の形態の停止ブロックと速度パ
ターンの対応を説明する概念図である。
【図10】図1に示す実施の形態の速度パターンとブレ
ーキ指令の関連の例を示す概念図である。
【図11】図1に示す実施の形態の速度パターンの例を
示す図である。
【図12】図1に示す実施の形態のATC制御部の構成
例を示すブロック図である。
【図13】図1に示す実施の形態の速度パターンと起動
回路の位置の関係の例を示す概念図である。
【図14】図13に示す速度パターンに基づいて許容速
度の検索を行う方法を説明する概念図である。
【図15】図1に示す実施の形態のブレーキ出力の選択
論理を示す概念図である。
【図16】図1に示す実施の形態における電源投入時の
位置レジスタの設定方法を示す概念図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態におけるブレーキ
指令出力の論理を説明する概念図である。
【符号の説明】
1 レール 2 トランスポンダ受信部 3 ATC受信部 4 ATC制御部 4A 検索処理部 4B 自列車速度算出部 4C 比較処理部 5 ブレーキ装置 6 地上装置 6A 制御部 6B2〜6B5 送受信部 7 トランスポンダ地上子 8 トランスポンダ車上子 9 ATC受電器 10 速度発電機 41 位置レジスタ 42 接続情報 43 ブロック長情報 45 メモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和嶋 武典 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所交通システム事業部水戸交通 システム本部内 (72)発明者 嶋田 育男 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所交通システム事業部水戸交通 システム本部内 (72)発明者 細川 明良 東京都渋谷区代々木二丁目2番2号 東日 本旅客鉄道株式会社 (72)発明者 中山 恒 東京都渋谷区代々木二丁目2番2号 東日 本旅客鉄道株式会社 (72)発明者 嶋立 良晴 東京都渋谷区代々木二丁目2番2号 東日 本旅客鉄道株式会社 Fターム(参考) 3D046 AA07 BB18 HH22 JJ05 5H115 PA08 PC02 PG01 QE01 QE10 QN03 QN05 QN06 SF07 SF11 SF18 SF27 SJ07 SL01 TB03 TO23

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気的に区分されてそれぞれブロックを
    構成するレールに、列車が停止すべきブロックを指定す
    る情報と、該情報が送出されるブロックの番号とを含む
    ディジタル信号を送出する地上装置と、前記レールに沿
    って互いに間隔をおいて配置され、その位置を表す情報
    が読み出し可能に格納されているトランスポンダ地上子
    と、前記レールに送出された信号を受信して出力するA
    TC受信手段、前記トランスポンダ地上子に格納された
    位置を表す情報を読み込んで出力するトランスポンダ受
    信手段、列車の車軸に結合され車軸の回転に応じて速度
    パルスを発信する速度発電機、および前記ATC受信手
    段の出力と前記トランスポンダ受信手段の出力と速度パ
    ルスに基づいてブレーキ指令を出力するATC制御部を
    有して列車上に配置された車上装置と、を含んで構成さ
    れた車上主体型自動列車制御装置において、前記ATC
    制御部は、複数のブロックそれぞれに1対1に対応して
    設定された速度パターンであって、列車が該対応するブ
    ロックに停止する場合の停止までの各位置における許容
    速度をあらわすものである速度パターンを、前記対応す
    るブロックを特定する情報に組み合わせて格納するメモ
    リと、前記トランスポンダ受信手段が出力した位置情報
    を格納する位置情報メモリとを備え、該位置情報メモリ
    に格納された位置情報を前記速度パルスに基づいて更新
    して自列車位置を認識し、前記ATC受信手段が受信し
    た停止すべきブロックを指定する情報に基づいて、指定
    されたブロックに対応する速度パターンを前記メモリか
    ら読み出し、読み出した速度パターンと前記認識してい
    る自列車位置に基づいてその位置における許容速度を算
    出し、算出した許容速度と自列車速度の偏差に応じたブ
    レーキ指令を出力し、前記位置情報メモリに前記トラン
    スポンダ受信手段が出力した位置情報が格納されていな
    いとき、前記地上装置から送信されるブロック番号で特
    定されるブロックを自列車位置のブロックとし、該ブロ
    ックの末端から予め設定された特定距離だけ離れた位置
    を自列車位置と認識するように構成されていることを特
    徴とする車上主体型自動列車制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車上主体型自動列車制御
    装置において、前記ATC制御部は、速度パターンと前
    記認識している自列車位置に基づいて算出した許容速度
    と予め設定された制限速度のうちのいずれか低いほうの
    速度を取りだし、該取出した速度と自列車速度の偏差に
    応じてブレーキ指令を出力するよう構成されていること
    を特徴とする車上主体型自動列車制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の車上主体型自動列車制御
    装置において、前記制限速度は、前記速度パターンの一
    部をなすものであることを特徴とする車上主体型自動列
    車制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の車上主体型自動列車制御
    装置において、前記ATC制御部は、ブロック番号に対
    応した該ブロックの末端から予め設定された距離を格納
    するメモリを備え、前記位置情報メモリに前記トランス
    ポンダ受信手段が出力した位置情報が格納されていない
    とき、前記地上装置から送信されるブロック番号で特定
    されるブロックを自列車位置のブロックとし、該ブロッ
    クの末端から予め設定された距離情報を前記メモリから
    読み出し、自列車位置と認識することを特徴とする車上
    主体型自動列車制御装置。
  5. 【請求項5】 電気的に区分されてそれぞれブロックを
    構成するレールから、列車が停止すべきブロックを指定
    する情報と、該情報が送出されるブロックの番号とを含
    むディジタル信号を受信して出力するATC受信手段
    と、前記レールに沿って互いに間隔をおいて配置された
    トランスポンダ地上子から、該トランスポンダ地上子の
    位置を表す情報を読み込んで出力するトランスポンダ受
    信手段と、列車の車軸に結合され車軸の回転に応じて速
    度パルスを発信する速度発電機と、前記ATC受信手段
    の出力と前記トランスポンダ受信手段の出力と速度パル
    スに基づいてブレーキ指令を出力するATC制御部を有
    してなる、車上主体型自動列車制御装置において、前記
    ATC制御部は、複数のブロックそれぞれに1対1に対
    応して設定された速度パターンであって、列車が該対応
    するブロックに停止する場合の停止までの各位置におけ
    る許容速度を表すものである速度パターンを、前記対応
    するブロックを特定する情報に組み合わせて格納するメ
    モリと、前記トランスポンダ受信手段が出力した位置情
    報を格納する位置情報メモリとを備え、該位置情報メモ
    リに格納された位置情報を前記速度パルスに基づいて更
    新して自列車位置を認識し、前記ATC受信手段が受信
    した停止すべきブロックを指定する情報に基づいて、指
    定されたブロックに対応する速度パターンを前記メモリ
    から読み出し、読み出した速度パターンと前記認識して
    いる自列車位置に基づいてその位置における許容速度を
    算出し、算出した許容速度と自列車速度の偏差に応じた
    ブレーキ指令を出力し、前記位置情報メモリに前記トラ
    ンスポンダ受信手段が出力した位置情報が格納されてい
    ないとき、前記地上装置から送信されるブロック番号で
    特定されるブロックを自列車位置のブロックとし、該ブ
    ロックの末端から予め設定された特定距離だけ離れた位
    置を自列車位置と認識するように構成されていることを
    特徴とする車上主体型自動列車制御装置の車上装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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US6671591B2 (en) 2001-06-04 2003-12-30 General Electric Company System and method for monitoring locomotive operation
JP2008042981A (ja) * 2006-08-02 2008-02-21 Hitachi Ltd 列車制御方法及び装置
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