JP2002329689A - ウェーハ研磨ヘッド - Google Patents

ウェーハ研磨ヘッド

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JP2002329689A
JP2002329689A JP2001130097A JP2001130097A JP2002329689A JP 2002329689 A JP2002329689 A JP 2002329689A JP 2001130097 A JP2001130097 A JP 2001130097A JP 2001130097 A JP2001130097 A JP 2001130097A JP 2002329689 A JP2002329689 A JP 2002329689A
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wafer
carrier
polishing
pressure
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JP2001130097A
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English (en)
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Tatsunobu Kobayashi
達宜 小林
Hiroshi Tanaka
弘志 田中
Atsushi Sakamoto
敦 坂本
Toyohisa Kongoji
豊久 金剛寺
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウェーハの径方向の各部でそれぞれ研磨パッ
ドへの当接圧力を良好に調整可能としたウェーハ研磨ヘ
ッドを提供することを目的とする。 【解決手段】 大略円盤形状のキャリア7の下面の周囲
に、この下面に対して上下方向に変位可能にして略円環
形状の支持体8を設ける。さらに、内周部9aでキャリ
ア7の下面及び支持体8の下面を覆った状態で外周部9
bを支持体8に支持されて、内周部9aの下面でウェー
ハWの一面を受け得る第一の可撓膜9と、第一の可撓膜
9の外周を囲むように設けられる略円環形状のリテーナ
リング10とを設ける。キャリア7の下面及び支持体8
の下面と、第一の可撓膜9の上面との間に形成される第
一の流体室11に、その内圧を調整する第一の圧力調整
機構12を接続する。支持体8に、支持体8に下方に向
く背圧を付与するとともにその背圧を圧力を負圧も含め
た範囲で調整可能な支持体押圧機構13を接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウェーハな
どのウェーハ表面を研磨する装置に用いられるウェーハ
研磨ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体の高集積化に伴うパターン
の微細化が進んでおり、特に多層構造の微細なパターン
の形成が容易かつ確実に行われるために、パターンが形
成される半導体ウェーハ自体及びパターンを形成する過
程における半導体ウェーハの表面を極力平坦化させるこ
とが重要となってきている。例えば、パターンの形成は
光リソグラフィを用いて行っているが、パターンが微細
化するにつれて光リソグラフィの焦点深度は浅くなる。
そして、パターンの精度を確保するため、また露光時の
焦点調節を容易にするためには、ウェーハ表面での凹凸
の差を焦点深度以下に納められるようにすること(平坦
化すること)が要求される。また、ベアウェーハの研磨
においても、ウェーハの大径化に伴い、平坦化への要求
が厳しくなってきている。その場合、半導体ウェーハ
(以下、単にウェーハという)の表面を研磨するために
平坦化の度合いが高い化学的機械的研磨法(CMP法)
が脚光を浴びている。
【0003】CMP法とは、SiO2を用いたアルカリ
性スラリーやCeO2を用いた中性スラリー、あるいは
Al23を用いた酸性スラリー、その他の砥粒剤等を用
いたスラリー等を用いて化学的・機械的にウェーハ表面
を研磨し、平坦化する方法である。そして、CMP法を
用いてウェーハの表面を研磨する装置としては、例えば
図7に示されるものがある。
【0004】この研磨装置100は、図7の要部拡大斜
視図に概略的に示すように、中心軸102に取り付けら
れた円板状のプラテン103上に例えば硬質ウレタンか
らなる研磨パッド104が設けられ、この研磨パッド1
04に対向してかつ研磨パッド104に対して、プラテ
ン103の中心軸102から偏心した位置に、ウェーハ
Wを保持するウェーハ研磨ヘッド105(以下、単に研
磨ヘッドとする)を自転可能にして配設したものであ
る。研磨装置100は、研磨ヘッド105によってウェ
ーハWを研磨パッド104の表面に当接させた状態で保
持し、かつウェーハWと研磨パッド104との間に上記
のスラリーSを介在させた状態で研磨パッド104とウ
ェーハWとを相対的に移動させることで、ウェーハWの
片面を研磨するものである。ウェーハWの研磨を行う硬
質ウレタン製などの研磨パッド104上にはスラリーS
を保持する微細な発泡層が多数設けられており、これら
の発泡層内に保持されたスラリーSでウェーハWの研磨
が行われる。ところが、ウェーハWの研磨を繰り返すこ
とで研磨パッド104の研磨面の平坦度が低下したり目
詰まりするために、ウェーハWの研磨精度と研磨効率が
低下するという問題が生じる。そのため従来の研磨装置
100には、例えば図7に示すような研磨パッド104
のコンディショナ107が設けられ、通常は一回研磨を
行う毎に研磨パッド104の表面状態の調整を行って、
ウェーハWを研磨する能力が適正範囲内になるように調
整している(この作業をドレッシングという)。ここ
で、図7で示す研磨装置100は一例であって、研磨ヘ
ッド105を複数設けたものもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、ウェーハの研
磨には複数の要素が複雑に関係しており、単にウェーハ
の全面を均等圧で研磨パッドに当接させるだけではウェ
ーハ全面を高精度な平面に研磨することはできない。例
えば、ウェーハの研磨に作用するスラリーは、研磨ヘッ
ドとプラテンとの相対的な移動に伴ってウェーハの外周
側から供給されるものであるため、ウェーハの内周側に
はスラリーが届きにくく、内周側は外周側に比べて研磨
量が少なくなってしまう。また、ウェーハを研磨パッド
に押し付けた際に、ウェーハの外周側ではウェーハに押
さえつけられた研磨パッドが復元力によってウェーハの
外周縁に沿って盛り上がり、ウェーハの外周縁の研磨に
作用するため、ウェーハの外周縁が過研磨されてふちだ
れが生じてしまう。従来は、ウェーハの外周を囲むよう
にしてリテーナリングを配置し、このリテーナリングに
よって外周縁近傍の研磨パッドを上面から押さえ込むこ
とでウェーハの外周縁近傍での研磨パッドの盛り上がり
を抑えていた。しかし、このようにしてもウェーハの外
周縁とリテーナリングの内周との間に形成される隙間内
で研磨パッドの盛り上がりが生じるので、ウェーハ外周
縁の過研磨を完全に防止することはできなかった。ま
た、リテーナリングは研磨パッドの復元力に打ち勝つだ
けの力で研磨パッドを押さえ込む必要があるが、この力
が強すぎると、研磨パッドにおいてリテーナリングに対
向する部分とその近傍のウェーハの外周縁に対向する部
分が下方に沈み込んでしまい、ウェーハの外周縁で研磨
パッドとの当接圧力が低くなったり、ウェーハの外周縁
が研磨パッドと接触しなくなって、外周縁の研磨量が不
足してしまう。そして、上記した以外にも様々な要素が
ウェーハの研磨に影響して、ウェーハの径方向の各部で
研磨量に差が生じる。
【0006】このため、例えば略円盤形状をなすキャリ
アの下面に可撓膜を張り、さらにこの可撓膜の上面にキ
ャリアと同心状にして複数の仕切りを設けてキャリアと
可撓膜との間に形成される空間を区分して、キャリアの
径方向に複数の流体室を形成するとともに、それぞれの
流体室の内圧を独立して調整可能とした研磨ヘッドがあ
る。この研磨ヘッドは、可撓膜を介してこれら流体室の
内圧をウェーハに加えることでウェーハに研磨圧力を加
えるものであって、各流体室の内圧をそれぞれ調整する
ことで、ウェーハの径方向の各部で研磨圧力を変えられ
るようになっている。しかし、このような研磨ヘッド
は、可撓膜において仕切りが形成される部分に、仕切り
の厚みの分だけウェーハへの押圧力の調整ができない部
分が生じるので、ウェーハ表面に、ウェーハと同心とな
る帯状の研磨不良領域が形成されてしまう。さらに、仕
切り間の間隔をあまり小さくすることはできないため、
ウェーハの狭い範囲に限定して圧力調整を行うことはで
きない。このため、例えばウェーハの外周縁のみに限定
して圧力調整を行うことはできないので、ウェーハの外
周縁の研磨不良を解消することは困難であった。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、ウェーハの径方向の各部でそれぞれ研磨パッ
ドへの当接圧力を良好に調整可能にした研磨ヘッドを提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の研磨ヘッドは、プラテン上に貼付された研
磨パッドの表面に、該研磨パッドに対して相対的に移動
しつつウェーハを押し付けて該ウェーハの研磨を行う研
磨ヘッドであって、大略円盤形状をなすキャリアと、該
キャリアの下面の周囲を囲み、かつ該下面に対して上下
方向に変位可能にして設けられる略円環形状の支持体
と、内周部で前記キャリアの下面及び前記支持体の下面
を覆った状態で外周部を前記支持体に支持されて、前記
内周部の下面で前記ウェーハの一面を受け得る第一の可
撓膜と、前記支持体に保持される前記第一の可撓膜の外
周を囲むように設けられて、前記ウェーハの研磨時には
前記研磨パッドに当接し、前記ウェーハの周囲をおさえ
て係止するリテーナリングとを有し、さらに、前記キャ
リアの下面及び前記支持体の下面と、前記第一の可撓膜
の上面との間に形成される第一の流体室の内圧を調整す
る第一の圧力調整機構と、前記支持体に下方に向く背圧
を付与するとともにその背圧を負圧も含めた範囲で調整
可能な支持体押圧機構とを有していることを特徴として
いる。
【0009】このように構成される研磨ヘッドにおいて
は、第一の可撓膜の下面でウェーハの一面(上面)を受
けて、リテーナリングによってウェーハの外周を係止し
つつウェーハを研磨パッドの表面に当接させ、さらにウ
ェーハと研磨パッドとの間にスラリーを介在させた状態
で研磨パッドとウェーハとを相対的に移動させること
で、ウェーハの他面(下面)が研磨される。この研磨ヘ
ッドは、第一の可撓膜を介して第一の流体室の内圧をウ
ェーハに加えることでウェーハに主たる研磨圧力を付与
しており、この主たる研磨圧力の調整は、第一の圧力調
整機構によって第一の流体室の内圧を調整することによ
って行われる。このようにしてウェーハに主たる研磨圧
力を付与しつつ、支持体押圧機構によって支持体に下方
に向けて正の背圧を加えて、支持体をキャリアの下面よ
りも下方に変位させることで、支持体の下面によって第
一の可撓膜ごしにウェーハの外周側を押圧して、ウェー
ハの外周側に、内周側とは異なる研磨圧力を付与するこ
とができる。支持体によってウェーハの外周側に加えら
れる研磨圧力の調整は、支持体押圧機構による支持体の
押圧力を調整することによって行われる。そして、支持
体の下面の径方向の幅を適宜選択することで、ウェーハ
において支持体に押圧される範囲を適切な範囲に設定す
ることができる。また、この研磨ヘッドでは、支持体押
圧機構によって支持体に負の背圧を付与することで、支
持体をキャリアの下面よりも上方に変位させて、支持体
に支持される第一の可撓膜を、外周側から上方に引き上
げることができる。そして、このようにして第一の可撓
膜の内周部のうち、外周側に位置する部分をウェーハの
外周側から離間させることで、ウェーハにおいて第一の
可撓膜が接する内周部に主たる研磨圧力を付与しなが
ら、第一の可撓膜が接していない外周側に研磨圧力が加
わらないようにすることができる。ここで、支持体を上
方に変位させるにつれて第一の可撓膜は外周側から次第
に上方に引き上げられるので、支持体押圧機構によって
支持体に付与される負の背圧の大きさを調整して支持体
の位置を調整することで、ウェーハにおいて研磨圧力が
加わらない範囲を調節することができる。また、研磨ヘ
ッドにウェーハを装着する際に、支持体押圧機構によっ
て支持体の位置を調整して支持体の下端をキャリアの下
面と同一高さに位置させることで、第一の可撓膜がキャ
リアの下面で支持されて安定するので、ウェーハを安定
して装着することができる。
【0010】この研磨ヘッドは、例えば第一の可撓膜の
外周部を内周部に対して上方に折り返された状態で外周
縁を支持体に支持させ、支持体の外周下部に、下方に突
出して第一の可撓膜の折返し部を受ける突条を全周にわ
たって形成した構成とすることができる。この場合に
は、支持体押圧機構によって支持体に正の背圧を付与し
て、支持体によって第一の可撓膜ごしにウェーハの外周
側に押圧力を加える際に、支持体において突条だけが第
一の可撓膜ごしにウェーハの外周縁に当接することとな
る。そして、支持体押圧機構によって支持体に付与する
背圧を調整することで、ウェーハの外周縁に限定して研
磨圧力を調整することができる。さらに、このように構
成される支持体をキャリアの外周に一体に形成し、支持
体において接続部の肉厚を他の部分に比べて薄く形成し
てもよい。この構成では、支持体押圧機構によって支持
体に背圧が加えられると、接続部が弾性変形し、支持体
は、キャリアとの接続部を支点として外周端を上下方向
に変位させて、支持体の外周下部に形成された突条を、
キャリアの下面に対して上下方向に変位させることとな
る。研磨ヘッドをこのような構成とすることで、支持体
を上下方向に変位させる際に、キャリアと支持体とが干
渉しなくなって、支持体をスムーズに変位させることが
できる。
【0011】また、キャリアを、その外周に、支持体よ
りも上方から外周側に張り出す張り出し部を有する構成
とし、張り出し部の下面にキャリアと同心にして設けら
れる溝と、溝内の空間と外部とを仕切って溝内に第二の
流体室を形成するとともに、下面に支持体が取り付けら
れる第二の可撓膜と、溝内に形成される第二の流体室内
の内圧を調整する第二の圧力調整機構とを設けて、これ
ら溝、第二の可撓膜、第二の圧力調整機構と用いて支持
体押圧機構を構成することができる。この場合には、支
持体押圧機構は、第二の可撓膜を介して第二の流体室の
内圧を支持体に加えることで、支持体に下方に向く背圧
を付与する。そして、第二の流体室の内圧を、負圧も含
めた範囲で調整することで、支持体に加える背圧の大き
さを調整する。そして、第二の流体室の内圧を負圧にす
ることで、支持体に負の背圧を加えて支持体を上方に変
位させることができる。ここで、支持体を、第二の可撓
膜に受圧面積を一定にして取り付けることで、第二の流
体室の内圧を変化させても、支持体に加わる背圧は第二
の流体室の内圧にのみ依存することとなり、支持体に加
える背圧の調整が容易となる。
【0012】また、キャリアの外周面と支持体の内周面
との間に、これらの部材の上下方向の相対的な移動を許
容しつつ、これらの部材を互いに離間する向きに付勢す
る弾性体を介装することで、キャリアの外周面と支持体
の内周面との干渉を防止して、キャリアに対して支持体
を上下方向にスムーズに変位させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】〔第一の実施の形態〕以下、本発
明の第一の実施の形態における研磨ヘッドについて図面
を参照して説明する。図1は本発明の第一の実施の形態
の研磨ヘッドを示す正断面図、図2は図1に示す研磨ヘ
ッドの要部拡大図、図3、図4は本実施形態の研磨ヘッ
ドによるウェーハの研磨の様子を示す正断面図である。
本実施形態にかかる研磨ヘッドは、例えば図7に示す従
来の研磨装置100において研磨ヘッド105と交換し
て用いられるものである。図1において、研磨ヘッド1
は、天板部3及び筒状に形成された周壁部4とからなる
ヘッド本体2と、ヘッド本体2内に張られたダイヤフラ
ム5とを有しており、ダイヤフラム5の下面には、ヘッ
ド本体2と略同心にして固定される中間部材6と、ダイ
ヤフラム5に対して、中間部材6を介して、ヘッド本体
2と略同心にして固定される大略円盤形状のキャリア7
とが設けられている。キャリア7には、キャリア7の下
面の周囲を囲み、かつこの下面に対して上下方向に変位
可能にして設けられる略円環形状の支持体8と、内周部
9aでキャリア7の下面及び支持体8の下面を覆った状
態で外周部9bを支持体8に支持されて、内周部9aの
下面でウェーハWの一面を受け得る第一の可撓膜9と、
支持体8に保持される第一の可撓膜9の外周を囲むよう
に設けられて、ウェーハWの研磨時には研磨パッド10
4(図1では図示せず)に当接し、ウェーハWの周囲を
おさえて係止する略円環形状のリテーナリング10とが
設けられている。ここで、中間部材6、キャリア7、及
びキャリア7に取り付けられる各部材は、ダイヤフラム
5の弾性変形によってヘッド軸線方向に移動可能とされ
ている。そして、キャリア7の下面及び支持体8の下面
と、第一の可撓膜9の上面との間には、第一の流体室1
1が形成されており、第一の流体室11には、その内圧
を調整する第一の圧力調整機構12が接続されている。
また、支持体8には、支持体8に下方に向く背圧を付与
するとともにその背圧を圧力を負圧も含めた範囲で調整
可能な支持体押圧機構13が接続されている。
【0014】ヘッド本体2は、円板状の天板部3と、天
板部3の外周下方に固定された筒状の周壁部4とによっ
て構成されており、ヘッド本体2の下端部は開口されて
中空になっている。天板部3は、研磨装置1に連結され
るためのシャフト部14に同軸に固定されている。シャ
フト部14には、第一、第二、第三の流路15a、15
b、15cが鉛直方向に形成されている。天板部3の下
面には、ヘッド軸線方向に延在するストッパーボルト1
6が設けられている。ストッパーボルト16の下端に
は、側方に突出させて、中間部材6に設けられる内フラ
ンジ6b(後述)と係合され得る段部16aが設けられ
ている。また、周壁部4の内壁下部には全周にわたって
段部4aが形成されている。
【0015】ダイヤフラム5は、例えば繊維補強ゴムな
どの可撓性を有する部材によって構成されており、内周
側が開口される円環形状をなしている。ダイヤフラム5
は、その外周部を略円環形状をなすダイヤフラム固定リ
ング17と周壁部4の段部4aの上面との間に挟み込ん
だ状態で、ダイヤフラム固定リング17をダイヤフラム
固定ボルト17aによって段部4aに螺着することで、
ヘッド本体2に取り付けられている。また、ヘッド本体
2と中間部材6との間の、ダイヤフラム5によって外部
と仕切られてなる空間は、第三の流体室18とされてお
り、第三の流体室18は、シャフト部14に形成された
第三の流路15cを通じて第三の圧力調整機構19に接
続されている。第三の圧力調整機構19は、第三の流体
室18内に流体(例えば空気)を供給または排出するこ
とによって第三の流体室18の内圧を調整するものであ
って、これによってダイヤフラム5の変形とともに変位
する中間部材6、キャリア7、及びキャリア7に取り付
けられる各部材をヘッド軸線方向に変位させる力を調節
している。ここで、第三の圧力調整機構19は、後述す
るように、リテーナリング10を研磨パッド104に押
し付ける力を調節することを主目的としている。
【0016】第三の流体室18内には、シャフト部14
に形成された第一の流路15aと中間部材6に形成され
た第一の流通孔25(後述)とを接続する第一の配管2
0と、シャフト部14に形成された第二の流路15bと
中間部材6に形成された第二の流通孔26(後述)とを
接続する第二の配管21とが設けられている。第一、第
二の配管20、21はそれぞれ少なくとも一部が可撓性
を有する素材からなるものであって、この可撓性を有す
る素材からなる部分は、ダイヤフラム5の変形に伴う中
間部材6のヘッド軸線方向の変位を許容するよう、適度
に弛みをもって設けられている。また、第一の流路15
aには第一の圧力調整機構12が接続されており、第二
の流路15bには第二の圧力調整機構22が接続されて
いる。
【0017】中間部材6は、例えばステンレス鋼、セラ
ミック、アルミ材等からなるものである。ここで、中間
部材6は、外径がヘッド本体2の外径よりも大きい大略
円盤形状をなしており、キャリア7は、ヘッド本体2の
下方で、中間部材6を介してダイヤフラム5に支持され
ている。これによって、キャリア7及びキャリア7に取
り付けられる各部材を、ヘッド本体2に対して、ダイヤ
フラム5を介してヘッド軸線方向にフローティング支持
する構成としながら、この支持構造の外径をキャリア7
の外径よりも小さくすることができ、研磨ヘッド1のウ
ェーハWの外側への張り出しを少なくして、研磨ヘッド
1の設置スペースを小さくすることができる。中間部材
6の上面のうち、ヘッド本体2の開口部分内に位置する
部分には、中間部材6と略同心にして、ヘッド本体2内
に収容される略リング状の突部6aが形成されている。
また、突部6aの内周側には上側凹部Cが形成されて外
周側に比べて一段低く形成されている。そして、上側凹
部Cによって中間部材6の上部に形成される空間も第三
の流体室18とされている。
【0018】突部6aは、ダイヤフラム5の上面に配置
される略円環形状をなす中間部材固定リング24に対し
て間にダイヤフラム5を挟み込んだ状態で中間部材固定
ボルト24aによって螺着されており、これによって中
間部材6はダイヤフラム5の下面に取り付けられる。こ
こで、突部6aが中間部材6の上面(外周側の上面)か
ら突出する高さは、ヘッド本体2の段部4aの、ヘッド
軸線方向の厚みよりも大きくとられており、これによっ
て中間部材6の上面と周壁部4の下端との間には、中間
部材6のヘッド軸線方向への変位を許容する隙間Kが形
成されている。本実施の形態では、中間部材6の外周部
23の上面には、ヘッド本体2と中間部材6との間に形
成される隙間Kを側方から覆う大略円環形状のカバー2
7が設けられている。そして、上側凹部Cの底面中央に
は、中間部材6の下面側まで通じる第一の流通孔25が
形成されており、この第一の流通孔25の上端には第一
の配管20が接続されている。さらに、突部6aの内周
側には、外周部23の下面に形成される逃げ31(後
述)まで通じる第二の流通孔26が形成されており、こ
の第二の流通孔26の突部6a側の端部には第二の配管
21が接続されている。
【0019】また、この突部6aの上端には、内周側に
向けて張り出して、内フランジ6bが全周にわたって形
成されている。内フランジ6bは、ヘッド本体2内に設
けたストッパーボルト16の段部16aと係合され得る
ものであって、ダイヤフラム5が下方にたわんでも、内
フランジ6bとストッパーボルト16の段部16aとが
係合することで、中間部材6のヘッド軸線方向の変位を
適正範囲内に規制し、ダイヤフラム5に過剰な負荷が加
わらないようにしている。
【0020】中間部材6の下面には、中間部材6と略同
心にして、キャリア7に設けられた係合凹部32(後
述)と係合する略円形の係合突部28が形成されてい
る。この係合突部28の外周面は中間部材6の軸線に略
平行な円筒面とされており、また中間部材6の下面のう
ち係合突部28より外周側に位置する面は、中間部材6
の軸線に略直交する平面とされており、これらの面は中
間部材6にキャリア7を取り付ける際の取付基準面とな
る。そして、中間部材6において、係合突部28の付け
根に位置する部分には逃げ31が形成されており、ま
た、係合突部28の下面はキャリア7の後述する係合凹
部33の底面とは非接触状態とされており、これによっ
て中間部材6に対するキャリア7の取付精度が確保され
ている。ここで、中間部材6とキャリア7とは、例えば
ボルト止め等によって接続される。
【0021】キャリア7は、例えばセラミック、または
より軽量なアルミ材等からなるものであって、大略円盤
形状をなし、その上部が下部に対して縮径されて外周上
部に段部7bが形成されるキャリア本体7aと、略平板
の円環形状をなし、内周面32a及び下面の内周縁32
bをキャリア本体7aの段部7bに嵌合させた状態でキ
ャリア本体7aに固定される張り出し部32とを有して
いる。これらキャリア本体7aと張り出し部32とは、
例えばボルト止め等によって固定されている(キャリア
7は、これらキャリア本体7aと張り出し部32とを一
体とした構成としてもよい)。
【0022】キャリア本体7aの下面には、キャリア7
と略同心にして下側凹部37が形成されており、またキ
ャリア本体7aには、下側凹部37から上面(後述する
係合凹部33の底面)の略中央まで通じる第三の流通孔
38が形成されている。張り出し部32は、その上部を
キャリア本体7aの上面よりも上方に突出させて設けら
れており、これによって張り出し部32の内周側の開口
部のうち、キャリア本体7aの上面から突出する部分
が、中間部材6の係合突部28に嵌合する係合凹部33
を形成している。係合凹部33の内周面はキャリア7の
軸線に略平行な円筒面とされており、また、張り出し部
32の上面は、キャリア7の軸線に略直交する平面とさ
れており、これら内周面及び上面は、それぞれ中間部材
6の取付基準面と当接される取付基準面とされている。
そして、キャリア7は、その取付基準面を中間部材6の
取付基準面に面接触させることで、中間部材6と略同心
となるように位置決めされる。
【0023】ここで、これら中間部材6の取付基準面ま
たはキャリア7の取付基準面、もしくはこれら両方に
は、これらの間を気密、液密に封止する封止材36が配
されている。本実施の形態では、封止材36としてOリ
ングが用いられ、中間部材6の取付基準面に、その全周
にわたって封止材36がはめ込まれる溝36aを形成し
ている(溝36aはキャリア7の取付基準面側に設けて
もよい)。同様に、キャリア7において、キャリア本体
7aと張り出し部32との係合部にも、これらの間を気
密、液密に封止する封止材36が配されている。本実施
の形態では、キャリア本体7aの段部7bの外周面に、
その全周にわたって封止材36がはめ込まれる溝36a
を形成している(溝36aは張り出し部32側に設けて
もよい)。
【0024】また、張り出し部32の下面には、キャリ
ア7と同心の溝41が形成されており、さらに張り出し
部32には、溝41の底面から張り出し部32の上面ま
で通じる第四の流通孔42が形成されている。この第四
の流通孔42は、張り出し部32の上面のうち、中間部
材6の逃げ31と対向する位置に開口されている。そし
て、張り出し部32の下面において、溝41よりも外周
側には、キャリア7と略同心にしてリテーナリング10
が着脱を可能にして取り付けられている。リテーナリン
グ10は、張り出し部32に対して例えばボルト止め等
によって接続されている。
【0025】さらに、張り出し部32には、図1及び図
2に示すように、溝41内の空間と外部とを仕切って第
二の流体室44を形成する第二の可撓膜43が取り付け
られている。第二の可撓膜43は、例えばダイヤフラム
5と同じく繊維補強ゴムなどの可撓性を有する素材から
なる略平板円環形状のものであって、内周縁をキャリア
本体7aの段部7bの上面と張り出し部32の下面との
間に挟まれて保持され、外周縁を張り出し部32の下面
とリテーナリング10の上面との間に挟まれて保持され
ることによって、キャリア7の軸線に略直交する面に沿
って張り渡されている。第二の流体室44は、図1に示
すように、第四の流通孔42、第二の流通孔26、第二
の配管21、第二の流路15bを通じて、第二の圧力調
整機構22に接続されている。第二の圧力調整機構22
は、第二の流体室44において流体(例えば空気)の供
給または吸引を行って第二の流体室44の内圧を調整す
るものである。
【0026】図1及び図2に示すように、第二の可撓膜
43の径方向の略中央部には、それぞれ円環平板形状を
なす上側支持リング46及び下側支持リング47とが、
互いの間に第二の可撓膜43を挟み込んだ状態でボルト
止めされている。下側支持リング47は、上下面が略平
行とされており、その下面には、支持体8がボルト止め
等によって固定されている。上側支持リング46の下面
と下側支持リング47の上面とはほぼ同形状とされてお
り、第二の可撓膜43が上下に変位しても、下側支持リ
ング47と第二の可撓膜43との接触面積が変わらない
ようになっている。また、上側支持リング46及び下側
支持リング47は、それぞれ周方向の各部における径方
向の幅が一定とされており、周方向の各部で第二の可撓
膜43との接触面積が変わらないようになっている。こ
のように、支持体8は、上側支持リング46及び下側支
持リング47によって、第二の可撓膜43に対して、受
圧面積を一定にして取り付けられている。本実施の形態
では、上記の溝41、第二、第四の流通孔26、42、
第二の可撓膜43、第二の配管21、第二の圧力調整機
構22、上側、下側支持リング46、47とによって、
支持体押圧機構13を構成している。
【0027】支持体8は、上面が自身の軸線に略直交す
る平面とされ、内周面が自身の軸線に略平行な円筒面と
されている。そして、下面の外周側には、下方に向けて
突出する突条8aがその全周にわたって形成されてい
る。この突部8aは、先端で第一の可撓膜9の折返し部
9c(後述)を受けるものであって、本実施形態では、
その下面を外周側に行くにつれて下方への突出量が増加
する傾斜面としている。ここで、本実施の形態では、支
持体8は、キャリア本体7aとは別体の部材であって、
支持体8は、第二の可撓膜43に取り付けられて、キャ
リア本体7aの外周面に対して摺動することで、キャリ
ア本体7aの下面に対して上下方向に変位可能とされて
いる。
【0028】支持体8には、内周部9aでキャリア本体
7aの下面及び支持体8の下面を覆うとともに、内周部
9aの下面でウェーハWの一面を受け得る第一の可撓膜
9が取り付けられている。第一の可撓膜9は、例えばダ
イヤフラム5と同じく繊維補強ゴムなどの可撓性を有す
る素材からなり、外周部9bを内周部9aに対して上方
に折り返されて、外周部9bを支持体8の上面と下側支
持リング47の下面との間に挟み込まれることで支持体
8に支持されている。本実施の形態では、その折返し部
9cは、支持体8の突条8aの先端によって受けられて
おり、内周部9aは支持体8の下面のう突条8aを除く
他の部分と非接触とされている。
【0029】この第一の可撓膜9によってキャリア本体
7aの下面が覆われることで、第一の可撓膜9とキャリ
ア本体7aの下面との間には、第一の流体室11が形成
される。第一の流体室11は、第一、第三の流通孔2
5、38、第一の配管20、第一の流路15aを通じ
て、第一の圧力調整機構12に接続されている。第一の
圧力調整機構12は、第一の流体室11において流体
(例えば空気)の供給または吸引を行って第一の流体室
11の内圧を調整するものである。第一の圧力調整機構
12は、ウェーハWの研磨時において第一の流体室11
の内圧を上げることで第一の可撓膜9を介してウェーハ
Wの全面を研磨パッド104に向けて均等圧力で押圧
し、また第一の流体室11の内圧を外気圧よりも低下さ
せて第一の可撓膜11をキャリア本体7aの下側凹部3
7内に向けて窪ませることで、第一の可撓膜11をウェ
ーハWを吸着する吸盤として作用させるものである。
【0030】また、第一の圧力調整機構12は、第一の
流体室11の内圧を調整することで、ウェーハWを研磨
パッド104に向けて押圧する力を調節して、ウェーハ
Wをリテーナリング10とは独立してフローティング支
持している。ここで、ウェーハWを研磨パッド104に
押し付ける力は、第一の流体室11の内圧を、キャリア
7に対する反力として取ることで生じており、リテーナ
リング10が研磨パッド104に当接される圧力は、第
一の流体室11の内圧に応じて変化する。第一、第三の
圧力調整機構12、19による第一、第三の流体室1
1、18の内圧の調整は、このような関係を考慮して行
われる。
【0031】このように構成された研磨ヘッド1は、シ
ャフト部14を介して研磨装置に取り付けられる。この
研磨ヘッド1を用いてウェーハWの研磨を行う場合、ま
ずウェーハWは、図示せぬローディング装置等によって
キャリア7の下面に設けられた第一の可撓膜9の下面に
当接される。この状態で、第一の圧力調整機構12によ
って第一の流体室11内の内圧を下げて第一の可撓膜9
を下側凹部37内に向けて窪ませ、ウェーハWを吸着す
る吸盤として作用させることで、ウェーハWの保持を行
う。このとき、支持体押圧機構13によって支持体8の
位置を調整して、図2に示すように支持体8の下端をキ
ャリア本体7aの下面と同一高さに位置させることで、
第一の可撓膜9がキャリア本体7aの下面で支持されて
安定するので、第一の可撓膜9にウェーハWを安定して
装着することができる。
【0032】次に、研磨ヘッド1によってウェーハWを
回転駆動されるプラテン103に張られた研磨パッド1
04の表面に当接させる。ウェーハWはリテーナリング
10によって周囲を係止されつつ、その表面をプラテン
103の上面に貼付された研磨パッド104に当接させ
られる。ここで、研磨パッド104としては、従来より
ウェーハの研磨に使用されていたものであればいずれの
材質のものを用いても良く、例えばポリエステル等から
なる不織布にポリウレタン樹脂等の軟質樹脂を含浸させ
たベロアタイプ研磨パッド、ポリエステル等の不織布を
基材としてその上に発泡ポリウレタン等からなる発泡樹
脂層を形成したスエードタイプ研磨パッド、あるいは独
立発泡させたポリウレタン等からなる発泡樹脂シートが
使用される。
【0033】そして、プラテン103を回転させるとと
もに研磨ヘッド1を自転させ、これと同時に、図示しな
いスラリー供給手段からスラリーを研磨パッド104の
表面やウェーハWの被研磨面に供給させることにより、
ウェーハWが研磨される。ウェーハWの研磨圧力の調整
は、第三の圧力調整機構19によって第三の流体室18
の内圧を調整してキャリア7及びリテーナリング10の
研磨パッド104への押圧圧力を調整し、さらに第一の
圧力調整機構12により第一の流体室11の内圧を調整
して第一の可撓膜9を介してウェーハWに加えられる背
圧を調節することで行われる(この研磨圧力を主たる研
磨圧力とする)。
【0034】そして、ウェーハWの外周縁に限定して主
たる研磨圧力とは異なる研磨圧力を付与する場合には、
ウェーハWの内周側に第一の流体室11の内圧で主たる
研磨圧力を付与しつつ、支持体押圧機構13によって支
持体8に下方に向けて正の背圧を加えて、支持体8をキ
ャリア本体7aの下面よりも下方に変位させる。これに
よって、図3に示すように、支持体8において突条8a
だけが第一の可撓膜9ごしにウェーハWの外周縁に当接
することとなり、突条8aによって第一の可撓膜9ごし
にウェーハWの外周縁が押圧されて、ウェーハWの外周
縁に、内周側とは異なる研磨圧力が付与される。ここ
で、支持体押圧機構13によって支持体8に付与する背
圧を調整することで、ウェーハWの外周縁に付与する研
磨圧力を調整して、ウェーハWの外周縁の研磨量を、ウ
ェーハの内周側の研磨量とは独立して制御することがで
きる。例えば、リテーナリング10が研磨パッド104
を押さえ込む力が強すぎて、研磨パッド104において
リテーナリング10に対向する部分とその近傍のウェー
ハWの外周縁に対向する部分が下方に沈み込んでしま
い、ウェーハWの外周縁の研磨量が不足している場合に
は、支持体8の突条8aによってウェーハWの外周縁を
内周側よりも強い力で押圧することで、ウェーハの外周
縁を研磨パッド104に押し付けてその当接圧力を適正
に維持することができ、ウェーハの外周縁の研磨を良好
に行うことができる。また、突条8aの下面の形状を様
々に変えることで、ウェーハWの外周縁に加えられる圧
力の分布を適正にすることができる。本実施の形態で
は、突条8aの下面を、外周側にいくにつれて下方への
突出量が増加する傾斜面としているので、ウェーハWの
外周縁では、外周側にいくにつれて突条8aから受ける
圧力が強くなる。
【0035】また、この研磨ヘッド1では、支持体押圧
機構13によって支持体8に負の背圧を付与すること
で、図4に示すように、支持体8をキャリア本体7aの
下面よりも上方に変位させて、支持体8に支持される第
一の可撓膜9を上方に引き上げることができる。そし
て、このようにして第一の可撓膜9の内周部9aのう
ち、外周側に位置する部分をウェーハWの外周側から離
間させることで、ウェーハWにおいて第一の可撓膜9が
接する部分に主たる研磨圧力を付与しながら、第一の可
撓膜9が接していない外周側に研磨圧力が加わらないよ
うにすることができる。これによって、ウェーハWにお
いて内周側に比べて外周側の研磨量が多い場合にも、外
周側に加える研磨圧力を下げて、ウェーハWの内周側と
外周側とで研磨量を均一にすることができる。ここで、
支持体8を上方に変位させるにつれて第一の可撓膜9は
外周側から次第に上方に引き上げられるので、支持体押
圧機構13によって支持体8に付与される負の背圧の大
きさを調整して支持体8の位置を調整することで、ウェ
ーハWにおいて研磨圧力が加わらない範囲を調節するこ
とができる。そして、研磨圧力が加わらない範囲をウェ
ーハWの外周縁のみに限定することで、ウェーハWの外
周縁に沿った研磨パッド104の盛り上がりを低減する
とともに、ウェーハWの外周縁に研磨圧力が加わらない
ので、外周縁に過研磨が生じにくくなって、外周縁にふ
ちだれを生じにくくすることができる。
【0036】このように構成される研磨ヘッド1によれ
ば、第一の流体室11の内圧によってウェーハWの内周
側に主たる研磨圧力を付与しつつ、支持体押圧機構13
が支持体8に付与する背圧によって、ウェーハWの外周
縁に限定して、内周側とは異なる研磨圧力を付与するこ
とができ、また、ウェーハWの外周側に研磨圧力が加わ
らないようにすることもできるので、ウェーハWの内周
側と外周縁のそれぞれで研磨パッド104への当接圧力
を良好に調整することができる。
【0037】〔第二の実施の形態〕以下、本発明の第二
の実施の形態における研磨ヘッドについて図面を参照し
て説明する。図5は本発明の第二の実施の形態の研磨ヘ
ッドの要部を示す正断面図である。本発明の第二の実施
の形態にかかる研磨ヘッド51は、第一の実施の形態に
示す研磨ヘッド1において、キャリア本体7aの外周面
7cと支持体8の内周面8bとの間に、これらの部材の
上下方向の相対的な移動を許容しつつ、これらの部材を
互いに離間する向きに付勢する弾性体52を介装したこ
とを特徴としている。弾性体52としては、例えばキャ
リア本体7aの外周面7c全周にわたって形成される溝
52aに嵌合されるゴムリングを採用することができる
(弾性体52は支持体8側に設けてもよい)。このよう
に構成することによって、支持体8の内周面8bがキャ
リア本体7aの外周面7cから離間するように付勢され
ることとなり、支持体8とキャリア本体7aとの干渉
(例えばかじりなど)を防止して、キャリア本体7aに
対して支持体8を上下方向にスムーズに変位させること
ができ、ウェーハWの外周縁の研磨パッド104への当
接圧力を良好に調整することができる。
【0038】〔第三の実施の形態〕以下、本発明の第三
の実施の形態における研磨ヘッドについて図面を参照し
て説明する。図6は本発明の第三の実施の形態の研磨ヘ
ッドの要部を示す正断面図である。本発明の第三の実施
の形態にかかる研磨ヘッド61は、第一の実施の形態に
示す研磨ヘッド1において、キャリア本体7aの外周に
支持体8を一体に形成し、支持体8においてキャリア本
体7aに連なる接続部62の肉厚を、他の部分に比べて
薄く形成したものである。そして、支持体押圧機構13
によって支持体8に背圧を加えることで接続部62が弾
性変形し、支持体8が接続部62を支点として外周端を
上下方向に変位させて、外周下部に設けられた突条8a
が上下方向に変位する。このように構成することで、支
持体8とキャリア本体7aとの干渉を生じさせずに、突
条8aをキャリア本体7aの上下方向にスムーズに変位
させることができ、ウェーハWの外周縁の研磨パッド1
04への当接圧力を良好に調整することができる。
【0039】ここで、上記各実施の形態では、キャリア
7を、ヘッド本体2内に張られたダイヤフラム5に対し
て中間部材6を介して取り付けた例を示したが、これに
限られることなく、中間部材6を省いて、ダイヤフラム
5に直接キャリア7を取り付けた構成としてもよい。こ
の場合、ダイヤフラム5とキャリア7との接続構造、第
一の流体室12と第一の圧力調整機構16との接続構
造、及び第二の流体室48と第二の圧力調整機構49と
の接続構造は、ヘッド本体2に対するキャリア7の変位
を可能とする構造であれば任意の構造を採用することが
できる。また、上記第一、第二の実施の形態では、支持
体8の下面に突条8aを設けた例を示したが、支持体8
の下面を平面としてもよい。この場合には、支持体8の
下面が第一の可撓膜9の内周部9aを介してウェーハW
の外周側に面接触することとなり、支持体押圧機構13
によって支持体8に加える背圧を調整することで、ウェ
ーハWの外周側に内周側とは異なる研磨圧力を付与する
ことができる。そして、支持体8の底面の径方向の幅を
適宜選択することで、ウェーハWにおいて支持体8に押
圧される範囲を適切な範囲に設定することができる。
【0040】
【発明の効果】本発明にかかる研磨ヘッドによれば、第
一の流体室の内圧によってウェーハの内周側に主たる研
磨圧力を付与しつつ、支持体押圧機構によって支持体に
背圧を加えることで、この背圧によってウェーハの外周
側に、内周側とは異なる研磨圧力を付与することができ
る。さらに、支持体押圧機構によって支持体に負の背圧
を付与して、支持体をキャリアの下面よりも上方に変位
させることで、第一の可撓膜の外周部を上方に引き上げ
て、ウェーハにおいて第一の可撓膜が接する部分に主た
る研磨圧力を付与しながら、第一の可撓膜が接していな
い外周側に研磨圧力が加わらないようにすることができ
る。また、支持体押圧機構によって支持体に付与される
負の背圧の大きさを調整して支持体の上方への変位量を
調整することで、支持体に支持される第一の可撓膜の外
周部のうち、ウェーハから離間する範囲を調節して、ウ
ェーハにおいて研磨圧力が加わらない範囲を調節するこ
とができる。このように、本発明にかかる研磨ヘッドに
よれば、ウェーハの内周側と外周側のそれぞれで研磨パ
ッドへの当接圧力を良好に調整することができる。
【0041】ここで、第一の可撓膜の外周部を内周部に
対して上方に折り返された状態で外周縁を支持体に支持
させ、支持体の外周下部に、下方に突出して第一の可撓
膜の折返し部を受ける突条を全周にわたって形成するこ
とで、支持体によって第一の可撓膜ごしにウェーハの外
周側に押圧力を加える際に、支持体において突条だけが
第一の可撓膜ごしにウェーハの外周縁に当接することが
でき、ウェーハの外周縁のみに限定して研磨圧力の調整
を行うことができる。さらに、このように構成される支
持体をキャリアの外周に一体に形成し、支持体において
接続部の肉厚を他の部分に比べて薄く形成することで、
支持体押圧機構によって支持体に背圧が加えられると、
接続部が弾性変形して、支持体の外周下部に形成された
突条を、キャリアの下面に対して上下方向に変位させる
ことができる。これによって、支持体を上下方向に変位
させる際に、キャリアと支持体とが干渉しなくなって、
支持体をスムーズに変位させることができるので、支持
体によるウェーハ外周縁の研磨圧力の調整を良好に行う
ことができる。また、キャリアの外周面と支持体の内周
面との間に、これらの部材の上下方向の相対的な移動を
許容しつつ、これらの部材を互いに離間する向きに付勢
する弾性体を介装することで、キャリアの外周面と支持
体の内周面との干渉を防止して、キャリアに対して支持
体を上下方向にスムーズに変位させることができるの
で、支持体によるウェーハ外周縁の研磨圧力の調整を良
好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施の形態における研磨ヘッ
ドを示す正断面図である。
【図2】 図1に示す研磨ヘッドの要部拡大図である。
【図3】 本実施形態の研磨ヘッドによるウェーハの研
磨の様子を示す正断面図である。
【図4】 本実施形態の研磨ヘッドによるウェーハの研
磨の様子を示す正断面図である。
【図5】 本発明の第二の実施の形態における研磨ヘッ
ドを示す正断面図である。
【図6】 本発明の第三の実施の形態における研磨ヘッ
ドを示す正断面図である。
【図7】 従来の研磨装置の構成を概略的に示す要部拡
大斜視図である。
【符号の説明】
1、51、61 研磨ヘッド 7 キャリア 8 支持体 8a 突条 9 第一の可撓膜 9c 折返し部 10 リテーナリング 11 第一の流体室 12 第一の圧力調整機構 13 支持体押圧機
構 22 第二の圧力調整機構 32 張り出し部 41 溝 44 第二の流体室 43 第二の可撓膜 52 弾性体 62 接続部 103 プラテン 104 研磨パッド W ウェーハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 敦 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 (72)発明者 金剛寺 豊久 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 3C058 AA07 AA12 AB04 BB04 CB01 DA17

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラテン上に貼付された研磨パッドの表
    面に、該研磨パッドに対して相対的に移動しつつウェー
    ハを押し付けて該ウェーハの研磨を行うウェーハ研磨ヘ
    ッドであって、 大略円盤形状をなすキャリアと、 該キャリアの下面の周囲を囲み、かつ該下面に対して上
    下方向に変位可能にして設けられる略円環形状の支持体
    と、 内周部で前記キャリアの下面及び前記支持体の下面を覆
    った状態で外周部を前記支持体に支持されて、前記内周
    部の下面で前記ウェーハの一面を受け得る第一の可撓膜
    と、 前記支持体に保持される前記第一の可撓膜の外周を囲む
    ように設けられて、前記ウェーハの研磨時には前記研磨
    パッドに当接し、前記ウェーハの周囲をおさえて係止す
    るリテーナリングとを有し、 さらに、前記キャリアの下面及び前記支持体の下面と、
    前記第一の可撓膜の上面との間に形成される第一の流体
    室の内圧を調整する第一の圧力調整機構と、 前記支持体に下方に向く背圧を付与するとともにその背
    圧を負圧も含めた範囲で調整可能な支持体押圧機構とを
    有していることを特徴とするウェーハ研磨ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記第一の可撓膜は、前記外周部を前記
    内周部に対して上方に折り返された状態で前記外周部を
    前記支持体に支持されており、 前記支持体の外周下部には、下方に突出して前記第一の
    可撓膜の折返し部を受ける突条が全周にわたって形成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載のウェーハ研磨
    ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記キャリアは、その外周に、前記支持
    体よりも上方から外周側に張り出す張り出し部を有して
    おり、 前記支持体押圧機構が、前記張り出し部の下面に前記キ
    ャリアと同心にして設けられる溝と、 該溝内の空間と外部とを仕切って前記溝内に第二の流体
    室を形成するとともに、下面に前記支持体が取り付けら
    れる第二の可撓膜と、 前記第二の流体室内の内圧を調整する第二の圧力調整機
    構とを有していることを特徴とする請求項1または2に
    記載のウェーハ研磨ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記キャリアと前記支持体とを別部材と
    し、前記キャリアの外周面と前記支持体の内周面との間
    に、これらの部材の上下方向の相対的な移動を許容しつ
    つ、これらの部材を互いに離間する向きに付勢する弾性
    体を介装したことを特徴とする請求項1から3のいずれ
    かに記載のウェーハ研磨ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記キャリアの外周に前記支持体を一体
    に形成し、 該支持体が前記キャリアとの接続部を支点として外周を
    上下方向に変位可能となるよう、前記支持体において前
    記接続部の肉厚を他の部分に比べて薄く形成したことを
    特徴とする請求項3に記載のウェーハ研磨ヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015145054A (ja) * 2014-02-04 2015-08-13 日本碍子株式会社 複合基板の研磨方法及び複合基板

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