JP2002328012A - 三次元形状測定システム - Google Patents

三次元形状測定システム

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JP2002328012A
JP2002328012A JP2001132305A JP2001132305A JP2002328012A JP 2002328012 A JP2002328012 A JP 2002328012A JP 2001132305 A JP2001132305 A JP 2001132305A JP 2001132305 A JP2001132305 A JP 2001132305A JP 2002328012 A JP2002328012 A JP 2002328012A
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dimensional
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JP2001132305A
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Tadashi Fukumoto
忠士 福本
Shigeru Osaki
繁 大崎
Masahiro Ariizumi
昌弘 有泉
Norio Matsunaga
紀雄 松長
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Minolta Co Ltd
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定対象物の三次元形状を正確に測定するこ
と。 【解決手段】 光切断法を用いて測定対象物の三次元形
状を測定する三次元形状測定システム1に2台の三次元
測定器10,20を設置する。三次元測定器10は縦方
向のレーザスリット光L1を横方向に走査させることに
より、測定空間3に配置される測定対象物を測定する。
また三次元測定器20は横方向のレーザスリット光L1
を縦方向に走査させることにより、測定空間3に配置さ
れる測定対象物を測定する。つまり、三次元測定器1
0,20が、異なる方向から光を照射すること、走査方
向の異なる光を照射すること、基線長の方向が非平行状
態となるように設定されること等により、測定対象物に
影が生じることを低減している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、測定対象物の三
次元形状を測定する三次元形状測定システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、レーザ光を利用した光切断法
によって測定対象物の三次元形状を測定する三次元形状
測定システムが知られている。従来の三次元形状測定シ
ステムは、投光部からスリット状のレーザスリット光を
測定対象物に照射するとともに、レーザスリット光の光
束断面において光成分の分布する方向(スリット方向)
と直交する方向にレーザスリット光を走査させ、測定対
象物からの反射光を検出するように構成される。そし
て、その反射光成分から、投光部に対向する面側の測定
対象物の三次元形状が導かれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
三次元形状測定システムは、測定対象物が溝等の複雑な
表面形状を有する場合、投光部からの照射光が適切に到
達せず、その部分に影が発生して形状測定を良好に行う
ことができないという問題がある。
【0004】この問題を解決するために、例えば溝部分
にも適切にレーザスリット光が照射されるように、溝部
分を投光部の正面位置に移動させることも考えられる
が、測定対象物を移動させる場合は、測定対象物を正確
に移動させる移動機構を別途設ける必要がある。また、
測定対象物を正確に移動させることも困難である。
【0005】そこで、この発明は、上記課題に鑑みてな
されたものであって、複数の投光部からレーザ光を照射
することによって、測定対象物に影ができることを低減
し、測定対象物の三次元形状を正確に測定できるように
した三次元形状測定システムを提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、光切断法を用いて測定対
象物の三次元形状を測定する三次元形状測定システムで
あって、第1のレーザ光を前記測定対象物に照射して、
前記第1のレーザ光を前記測定対象物の表面上で第1の
方向に走査させる第1の投光手段と、第2のレーザ光を
前記測定対象物に照射して、前記第2のレーザ光を前記
測定対象物の表面上で前記第1の方向とは異なる第2の
方向に走査させる第2の投光手段と、前記第1のレーザ
光が前記測定対象物で反射する第1の反射光と、前記第
2のレーザ光が前記測定対象物で反射する第2の反射光
とを受光する受光手段と、前記受光手段から得られるデ
ータに基づいて前記測定対象物の三次元形状を求める演
算手段と、を備えている。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の三次元形状測定システムにおいて、前記第1の投光手
段と前記第2の投光手段とがそれぞれ異なる位置に設け
られ、前記測定対象物に対して前記第1のレーザ光と前
記第2のレーザ光とのそれぞれを異なる位置から照射す
ることを特徴としている。
【0008】請求項3に記載の発明は、光切断法を用い
て測定対象物の三次元形状を測定する三次元形状測定シ
ステムであって、第1のレーザ光を前記測定対象物に照
射して、前記測定対象物の表面上を走査させる第1の投
光手段と、第2のレーザ光を前記測定対象物に照射し
て、前記測定対象物の表面上を走査させる第2の投光手
段と、前記第1のレーザ光が前記測定対象物で反射する
第1の反射光と、前記第2のレーザ光が前記測定対象物
で反射する第2の反射光とを受光する受光手段と、前記
受光手段から得られるデータに基づいて前記測定対象物
の三次元形状を求める演算手段と、を備え、前記第1の
投光手段と前記受光手段とを結ぶ第1の基線長の方向
と、前記第2の投光手段と前記受光手段とを結ぶ第2の
基線長の方向とが、非平行状態であることを特徴として
いる。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の三次元形状測定システムにおいて、前記非平行状態
が、直交する状態であることを特徴としている。
【0010】請求項5に記載の発明は、請求項3又は4
に記載の三次元形状測定システムにおいて、前記第1の
投光手段が、前記第1のレーザ光を前記測定対象物の表
面上で第1の方向に走査させ、前記第2の投光手段が、
前記第2のレーザ光を前記測定対象物の表面上で前記第
1の方向とは異なる第2の方向に走査させることを特徴
としている。
【0011】請求項6に記載の発明は、請求項1、2又
は5に記載の三次元形状測定システムにおいて、前記第
1のレーザ光が前記第1の方向と直交する方向に分布す
るスリット光であり、前記第2のレーザ光が前記第2の
方向と直交する方向に分布するスリット光であることを
特徴としている。
【0012】請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6
のいずれかに記載の三次元形状測定システムにおいて、
前記受光手段が、前記第1の反射光を受光する第1の受
光手段と、前記第2の反射光を受光する第2の受光手段
と、を含むことを特徴としている。
【0013】請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7
のいずれかに記載の三次元形状測定システムにおいて、
前記測定対象物を前記第1のレーザ光及び前記第2のレ
ーザ光の照射範囲内で支持し、所定の回転軸を中心に回
動することによって前記測定対象物を前記照射範囲内で
回動させる回転ステージ、をさらに備えることを特徴と
している。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0015】<1.三次元形状測定システム>図1は、
この発明の実施の形態における三次元形状測定システム
1の概略構成を示す斜視図である。図1に示すように、
この三次元形状測定システム1は、第1の三次元測定器
10と第2の三次元測定器20と回転ステージ30とが
基台40上に設置されて構成される測定装置2と、2台
の三次元測定器10,20と回転ステージ30とを制御
するとともに、各三次元測定器10,20から得られる
測定データをデータ処理するように構成されたデータ処
理装置50と、を備える。なお、図1においては、各三
次元測定器10,20を基台40に固定するための固定
部材は図示を省略している。
【0016】測定装置2に含まれる2台の三次元測定器
10,20はそれぞれ同様の構成となっており、双方の
設置位置を入れ替えてもよい。回転ステージ30は任意
の三次元形状を有する測定対象物を設置するためのもの
であり、データ処理装置50によって回転動作及び回転
角が制御される。
【0017】まず、三次元測定器10,20について説
明する。図2は三次元測定器10を示す斜視図である。
図2に示すように、三次元測定器10の正面側には投光
部11と受光部12とが設けられている。投光部11は
投光窓11aと走査光学系11bとを有し、走査光学系
11bはレーザ光源からのレーザ光を光束断面がスリッ
ト状(直線状)となるレーザ光(以下、「レーザスリッ
ト光」という。)L1に変換し、ガルバノミラー等の走
査手段を用いてレーザスリット光L1を所定の走査方向
SCに走査させるように構成されている。図2において
は、投光部11より照射されるレーザスリット光L1の
光成分が水平方向に分布する状態、すなわちレーザスリ
ット光L1のスリット方向が水平方向である状態を示し
ており、走査光学系11bによる走査方向SCは垂直方
向、すなわちスリット方向に直交する方向にレーザスリ
ット光L1を走査させるように構成されている。
【0018】また、受光部12は受光窓12aと受光光
学系12bとを有し、投光部11から照射されるレーザ
スリット光L1が測定対象物で反射する反射光を、受光
窓12aを介して受光光学系12bで受光するように構
成される。受光光学系12bには受光素子としてCCD
撮像素子が配置され、投光部11における走査光学系1
1bと同期して受光光学系12bが制御されることによ
り、レーザスリット光L1の走査位置に対応した測定デ
ータが得られる。
【0019】投光部11と受光部12とは互いに所定の
基線長を隔てて配置され、基線長方向はレーザスリット
光L1の走査方向SCに一致するように構成されてい
る。このように構成されることにより、レーザスリット
光L1の走査位置(照射位置)とCCD撮像素子で受光
される反射光の位置とから、三角測量の原理によって測
定対象物の表面形状に関する測定データが得られること
になる。
【0020】なお、三次元測定器10の背面側には、デ
ータ処理装置50とケーブル接続するためのインタフェ
ース、三次元測定器10に対する各種設定を行うための
操作パネル、測定結果等を表示するための表示部等が設
けられる。また、図2では第1の三次元測定器10につ
いて説明したが、第2の三次元測定器20についても同
様の構成である。
【0021】図1に戻り、三次元形状測定システム1の
測定装置2においては、上述した三次元測定器10,2
0それぞれの基線長の方向が互いにほぼ直交するように
配置されている。第1の三次元測定器10では投光部1
1と受光部12との基線長の方向が水平方向(Y方向)
に設定され、また、第2の三次元測定器20では投光部
21と受光部22との基線長の方向が鉛直方向(Z方
向)から回転ステージ30の位置する側に若干傾斜した
方向に設定されている。つまり、第2の三次元測定器2
0の基線長方向は、Y方向に直交するXZ平面に含まれ
るように設定されている。
【0022】なお、各三次元測定器10,20の受光部
12,22の位置は回転ステージ30の正面位置(より
具体的には回転ステージ30の中心を通るXZ平面内に
含まれる位置)となるように設置される。
【0023】そして第1の三次元測定器10から照射さ
れるレーザスリット光L1はスリット方向がZ方向に平
行な方向に設定され、かつY方向に走査されて、回転ス
テージ30上の測定空間3の全域に対してレーザスリッ
ト光L1が照射されるように構成される。また、第2の
三次元測定器20から照射されるレーザスリット光L2
はスリット方向がY方向に平行な方向に設定され、かつ
Z方向に走査されて、回転ステージ30上の測定空間3
の全域に対してレーザスリット光L2が照射されるよう
に構成される。
【0024】図3及び図4は第1及び第2の三次元測定
器10,20が測定対象物5を測定する状態を示す図で
あり、図3は測定装置2を上方側から見た図であって第
1の三次元測定器10によるレーザスリット光L1の走
査範囲を示しており、図4は測定装置2を横方向側から
見た図であって第2の三次元測定器20によるレーザス
リット光L2の走査範囲を示している。
【0025】まず、図3に示すように第1の三次元測定
器10の走査光学系11bはレーザスリット光L1を走
査範囲R1内で走査させる。この走査範囲R1ではレー
ザスリット光L1が所定の角速度で等角速度走査するよ
うに、ガルバノミラー等の走査手段は走査範囲R1にレ
ーザスリット光L1を導く前に助走運動(所定の角速度
になるまでの加速度運動)を行い、レーザスリット光L
1が走査範囲R1内を走査している間で等角速度運動を
行い、更にレーザスリット光L1が走査範囲R1を通過
した後に惰走運動(停止させるための加速度運動)を行
うように制御される。
【0026】走査範囲R1内において、レーザスリット
光L1は回転ステージ30上の測定対象物5の表面で反
射する。その反射光は受光部12の受光光学系12bで
受光され、測定対象物5の表面形状に応じた電子信号
(測定データ)に変換される。三次元測定器10におい
てはレーザスリット光L1を走査範囲R1内で1回走査
させれば測定データを得ることができ、その測定データ
から三次元測定器10におけるローカル座標系での測定
対象物5の三次元座標を求めることができる。
【0027】第1の三次元測定器10での測定が終了す
ると、次に図4に示すように第2の三次元測定器20の
走査光学系21bがレーザスリット光L2を走査範囲R
2内で走査させる。この場合も上記と同様に、ガルバノ
ミラー等の走査手段は走査範囲R2にレーザスリット光
L2を導く前に助走運動を行い、レーザスリット光L2
が走査範囲R2内を走査している間で等角速度運動を行
い、更にレーザスリット光L2が走査範囲R2を通過し
た後に惰走運動を行うように制御される。
【0028】このレーザスリット光L2も走査範囲R2
内では回転ステージ30上の測定対象物5の表面で反射
する。その反射光は受光部22の受光光学系22bで受
光され、測定対象物5の表面形状に応じた電子信号(測
定データ)に変換される。三次元測定器20においても
レーザスリット光L2を走査範囲R2内で1回走査させ
れば測定データを得ることができ、その測定データから
三次元測定器20におけるローカル座標系での測定対象
物5の三次元座標を求めることができる。
【0029】そして回転ステージ30を回転させて三次
元測定器10,20による測定を再び行えば測定対象物
5の背面側も測定することができ、回転ステージ30の
回転と三次元測定器10,20の測定動作とを繰り返し
行うことによって測定対象物5の全周についての三次元
形状を測定することができる。
【0030】ここで、三次元測定器10,20の位置関
係について説明する。図5及び図6は直方体状の測定対
象物5を測定する場合の測定対象物5とレーザスリット
光との関係を示す図であり、回転ステージ30に設置さ
れた直方体状の測定対象物5を上方側から見た図であ
る。
【0031】まず、図5に示すように、測定対象物5に
対して第1の三次元測定器10の投光部11からレーザ
スリット光L1を走査させる場合、測定対象物5の面5
aには適切にレーザスリット光L1が照射されるが、面
5bにはレーザスリット光L1が照射されない状態にあ
り、面5bの形状は第1の三次元測定器10では測定不
可能な状態となっている。面5a,5bの双方ともに受
光部12の視野範囲内にあるにもかかわらず、面5bの
形状を測定することができない理由は、投光部11が受
光部12から所定の基線長を隔てた位置に配置されるた
め、投光部11からは面5bが面5aの影となるからで
ある。
【0032】次に、図6に示すように、測定対象物5に
対して第2の三次元測定器20の投光部21からレーザ
スリット光L2を走査させる場合、測定対象物5の面5
aに対して適切にレーザスリット光L2が照射されると
ともに、面5bにもレーザスリット光L2が適切に照射
される状態にあり、面5a,5bの双方の形状が第2の
三次元測定器10で測定可能な状態となっている。
【0033】つまり、上述したように、三次元測定器1
0,20のそれぞれの基線長方向を異なる方向(すなわ
ち、非平行状態)に設定し、測定対象物5に対して異な
る方向からレーザスリット光L1,L2を照射すること
により、三次元形状の測定時に影となる部分を減少させ
ることができ、それによって測定対象物5を移動させる
ことなく良好な測定データを得ることが可能になる。な
お、基線長方向をほぼ直交するように構成すれば、三次
元形状の測定時に影となる部分を最も減少させることが
できる。
【0034】また、各三次元測定器10,20の走査方
向SCを互いに直交するように構成することで、同一方
向に対する走査では検出することが困難な表面形状を有
する測定対象物5であっても良好な測定データを得るこ
とが可能になる。
【0035】図7は、三次元形状測定システム1の内部
構成を示すブロック図である。
【0036】第1の三次元測定器10は、上述した投光
部11及び受光部12の他に、データを記憶するための
メモリ等の記憶部13と、三次元測定器10の動作全般
を制御するための制御部14と、受光部12での検出結
果に基づいて測定対象物の形状を表した測定データを求
める演算部15と、データ処理装置50とのデータの入
出力を行うための入出力部16とを備えて構成される。
なお、三次元測定器10で生成される測定データは測定
動作を行う際に設定された測定倍率に関する情報も含む
ように構成され、データ処理装置50においてデータ処
理が行われる際には測定倍率を考慮したデータ処理が行
われる。
【0037】同様に、第2の三次元測定器20も、上述
した投光部21及び受光部22の他に、データを記憶す
るためのメモリ等の記憶部23と、三次元測定器20の
動作全般を制御するための制御部24と、受光部22で
の検出結果に基づいて測定対象物の形状を表した測定デ
ータを求める演算部25と、データ処理装置50とのデ
ータの入出力を行うための入出力部26とを備えて構成
される。なお、三次元測定器20で生成される測定デー
タも測定動作を行う際に設定された測定倍率に関する情
報を含むように構成され、データ処理装置50において
データ処理が行われる際には測定倍率を考慮したデータ
処理が行われる。
【0038】データ処理装置50はいわゆるコンピュー
タ(PC)によって構成され、CPU等によって構成さ
れる制御部51と、メモリや磁気ディスク装置等によっ
て構成される記憶部53と、データの入出力を行う入出
力部56とを備えて構成される。
【0039】制御部51は各三次元測定器10,20の
測定動作を制御し、入出力部56を介して各三次元測定
器10,20から測定データを入力する。また、制御部
51は回転ステージ30に対して制御信号を送出するこ
とによって回転ステージ30の回転角を制御するように
も構成される。
【0040】制御部51は所定のデータ校正プログラム
を実行することによってデータ処理部52としても機能
し、データ校正処理においては三次元形状測定システム
1における一のワールド座標系で表現した三次元形状デ
ータを生成するために、予め各三次元測定器10,20
から得られる測定データを校正するための変換パラメー
タを求める。
【0041】各三次元測定器10,20は設計値に基づ
いて三次元形状測定システム1に設置されるが、設置誤
差等の影響により設計上の理想的な位置や姿勢に設置す
ることができないのが一般的である。このため、各三次
元測定器10,20から得られる測定データを設計値に
基づいてワールド座標系に変換しても正確な三次元形状
データが得られない。そこで、実際に測定対象物の測定
を行う前に、予めデータ校正用対象物を用いて、各三次
元測定器10,20でデータ校正用対象物を測定し、そ
の結果得られた測定データに基づいて、データ処理装置
40が測定データを校正するための変換パラメータを求
めておくように構成される。このデータ校正処理の詳細
については後述する。
【0042】また、データ処理部52は、実際の測定対
象物を測定する測定処理においては予め求めておいた変
換パラメータに基づいて、各三次元測定器10,20か
ら得られる測定データを変換し、測定対象物の表面形状
を一のワールド座標系で表現した三次元形状データを生
成する。
【0043】記憶部53は、データ校正処理の際には中
間段階の各パラメータを記憶するとともに、最終的に生
成される変換パラメータを記憶する。また、制御部51
が実行するプログラムも記憶する。
【0044】入出力部56は、各三次元測定器10,2
0に対して測定動作のための制御信号を出力したり、各
三次元測定器10,20からの測定データを入力する。
また入出力部56はコンピュータ読み取り可能な記録媒
体9からデータを入力することができるようにも構成さ
れ、記録媒体9に上述のデータ校正プログラム等のプロ
グラムが格納されている場合は、データ処理装置50の
制御部51が記録媒体9からそのプログラムを読み取っ
て実行するようにも構成される。
【0045】回転ステージ30は入出力部36と回転制
御部31と回転駆動部32とを備えており、入出力部3
6はデータ処理装置50とデータ通信可能なように構成
される。回転制御部31はデータ処理装置50からの制
御信号によって指示された回転角度に基づいてモータ等
の回転駆動部32を駆動し、回転ステージ30を回転さ
せる。これにより、回転ステージ30上に設置される測
定対象物を回転させることができ、各三次元測定器1
0,20が測定対象物の背面側の形状も測定可能にな
る。
【0046】<2.三次元形状測定システムにおけるデ
ータ校正>次に、三次元形状測定システム1におけるデ
ータ校正処理について説明する。
【0047】データ校正処理の内容には、三次元形状測
定システム1に対して取り付けられた各三次元測定器1
0,20の相対的な位置及び姿勢についてのデータ校正
を行う第1のデータ校正処理と、回転ステージ30を回
転させて測定するために回転軸の位置を求め、その回転
軸を中心に測定データの示す三次元形状を回転移動させ
るようなデータ校正を行う第2のデータ校正処理と、各
三次元測定器10,20から得られた測定データを合成
して一の三次元形状データを生成する際に高精度な合成
処理を行うためのデータ校正を行う第3のデータ校正処
理とがある。
【0048】各校正処理においては校正内容の目的に適
合した校正用対象物を、各三次元測定器10,20で測
定して得られる測定データから変換パラメータが求めら
れる。なお、以下の説明においては、第1の三次元測定
器10についてのローカル座標系をワールド座標系と
し、各校正処理においては各三次元測定器10,20で
得られる測定データをそのワールド座標系において適切
なデータとするための変換パラメータが求められる。
【0049】図8はデータ校正処理のフローチャートで
ある。図8に示すようにデータ校正処理においては、第
1のデータ校正処理(ステップS1)、第2のデータ校
正処理(ステップS2)、第3のデータ校正処理(ステ
ップS3)の順で処理が行われる。
【0050】まず、第1のデータ校正処理について説明
する。図9及び図10は第1のデータ校正処理において
使用されるデータ校正用対象物70を示す図であり、図
9はデータ校正用対象物70の正面図、図10はデータ
校正用対象物70の側面図である。また、図11はデー
タ校正用対象物70を三次元形状測定システム1に設置
した状態を示す図である。
【0051】図9及び図10に示すように、データ校正
用対象物70の正面側には多面体構造となった被測定部
71が設けられ、その被測定部71は支持部材72によ
って支持されている。支持部材72と基台73との間に
は複数のスペーサ板75が設けられており、スペーサ板
75の枚数を変更することにより被測定部71の高さ位
置を調整することが可能なように構成されている。な
お、基台73にはデータ校正用対象物70の持ち運びを
容易にするための把手部79が被測定部71の両端側に
配置されている。したがって、データ校正用対象物70
は、測定空間3における被測定部71の位置を変更する
ことができるように構成されている。
【0052】被測定部71の多面体は各面が平面状に構
成された5面711〜715で構成され、5面のうち互
いに隣接する3平面は1点で交差するように構成されて
いる。被測定部71はデータ校正用対象物70が回転ス
テージ30上に設置された際に、各三次元測定器10,
20から死角になる面がないように構成することが好ま
しい。
【0053】第1のデータ校正処理を行う際には、上記
のようなデータ校正用対象物70を図11に示すような
状態、すなわち被測定部71の各面が各三次元測定器1
0,20によって測定可能な状態となるように設置す
る。
【0054】そして第1のデータ校正処理では、各三次
元測定器10,20で被測定部71を測定し、その結果
得られる測定データにおける同一の頂点(例えば、3面
711,712,713の交点として形成される頂点7
1a)の座標値を一致させるような処理が行われる。よ
り具体的には、第2の三次元測定器20から得られる測
定データをワールド座標系の座標データに座標変換する
ための変換パラメータを求めることが行われる。ただ
し、各三次元測定器10,20の相対的な位置及び姿勢
を考慮した変換パラメータを求めるためには、同一直線
上にない少なくとも3つの頂点を各三次元測定器10,
20で測定することが必要である。そのため、データ校
正用対象物70は被測定部71の高さ位置を変更するこ
とができるように構成され、また図11に示すようにユ
ーザがデータ校正用対象物70のX方向における位置を
移動させることで各三次元測定器10,20からの距離
を変更することができるように構成される。なお、デー
タ校正用対象物70にX方向についての移動機構を設
け、データ処理装置50からの制御信号によって自動的
にデータ校正用対象物70のX方向における位置を変更
させるようにしてもよい。
【0055】図12は第1のデータ校正処理の詳細を示
すフローチャートである。
【0056】まず、ユーザは多面体を備えて構成される
データ校正用対象物70を回転ステージ30上に設置す
る(ステップS100)。このときデータ校正用対象物
70の被測定部71が各三次元測定器10,20に対向
するように配置され、各三次元測定器10,20からの
レーザスリット光が少なくとも互いに隣接する3面に入
射するように配置される。
【0057】そして三次元形状測定システム1において
データ処理装置50が第1の三次元測定器10に対して
測定動作の指令を与え、第1の三次元測定器10による
データ校正用対象物70の測定動作、すなわち第1の三
次元測定器10によるスキャンが行われる(ステップS
102)。このスキャン動作によりデータ校正用対象物
70にはZ方向のレーザスリット光L1がY方向に走査
され、第1の三次元測定器10において測定データが生
成される。第1の三次元測定器10において生成される
測定データは、データ処理装置50に出力される。
【0058】次にステップS104に進み、データ処理
装置50が第1の三次元測定器10のローカル座標系に
おいてデータ校正用対象物70の一の頂点座標を算出す
ることが行われる。このステップS104においては、
図13に示すフローチャートの処理が行われる。
【0059】データ処理装置50においてデータ処理部
52は、第1の三次元測定器10から得られる測定デー
タから、第1の三次元測定器10に関して固有に定義さ
れるローカル座標系についての三次元形状データを生成
する(ステップS130)。このとき、三次元測定器1
0が測定動作を行う際に設定された測定倍率に基づいて
三次元形状データの拡大又は縮小処理が行われ、測定倍
率が変更された状態で測定が行われた場合でも適切な三
次元形状データが生成される。なお、第1の三次元測定
器10における固有のローカル座標系がワールド座標系
となるため、ステップS130においては第1の三次元
測定器10から得られる測定データからワールド座標系
で表現された三次元座標値、すなわち三次元形状データ
が生成されることになる。
【0060】次に、データ処理部52は、データ校正用
対象物70の表面座標から特定の一の頂点(例えば頂点
71a)を形成する3面711,712,713を選択
し、3面711,712,713のそれぞれに含まれる
点の集合を各面について抽出する(ステップS13
2)。具体的な方法として、測定データを2次元画像化
し、各面の交線をエッジ検出によって抽出し、抽出され
た交線によって各面を領域分けする方法や、三次元座標
値において最近接点の3点がなす面の法線ベクトルを求
めて法線ベクトルが同一方向になる点群を抽出する方法
等、種々の公知の方法を用いることができる。
【0061】そして各面について抽出された点群の座標
情報に対して最小2乗法を適用し、3面のそれぞれを表
す方程式を算出する(ステップS134)。そして各面
について導出された3方程式を連立させて解き、3面7
11,712,713によって形成される頂点の座標を
求める(ステップS136)。求められた頂点座標はデ
ータ処理部52から記憶部53に与えられ、記憶部53
に保存される(ステップS138)。
【0062】ここまでの処理が終了すると、第1の三次
元測定器10での処理が終了し、図12のフローチャー
トに戻る。
【0063】次に、三次元形状測定システム1において
データ処理装置50が第2の三次元測定器20に対して
測定動作の指令を与え、第2の三次元測定器20による
データ校正用対象物70の測定動作、すなわち第2の三
次元測定器20によるスキャンが行われる(ステップS
106)。このスキャン動作によりデータ校正用対象物
70にはY方向のレーザスリット光L2がZ方向に走査
され、第2の三次元測定器20において測定データが生
成される。第2の三次元測定器20において生成される
測定データは、データ処理装置50に出力される。
【0064】次にステップS108に進み、データ処理
装置50が第2の三次元測定器20のローカル座標系に
おいてデータ校正用対象物70の一の頂点座標を算出す
ることが行われる。このステップS108においては、
図14に示すフローチャートの処理が行われる。
【0065】データ処理装置50においてデータ処理部
52は、第2の三次元測定器20から得られる測定デー
タから、第2の三次元測定器20に関して固有に定義さ
れるローカル座標系で表現された三次元形状データを生
成する(ステップS140)。このときも、三次元測定
器20が測定動作を行う際に設定された測定倍率に基づ
いて三次元形状データの拡大又は縮小処理が行われ、測
定倍率が変更された状態で測定が行われた場合でも適切
な三次元形状データが生成される。
【0066】次に、データ処理部52は、データ校正用
対象物70の表面座標から特定の一の頂点(例えば頂点
71a)を形成する3面711,712,713を選択
し、3面711,712,713のそれぞれに含まれる
点の集合を各面について抽出する(ステップS14
2)。なお、具体的な方法は、第1の三次元測定器10
について行われる方法と同様である。また、ここで選択
される3面は、図13のフローチャートにおいてステッ
プS132で選択された3面と同一である。
【0067】そして各面について抽出された点群の座標
情報に対して最小2乗法を適用し、3面のそれぞれを表
す方程式を算出する(ステップS144)。そして各面
について導出された3方程式を連立させて解き、3面7
11,712,713によって形成される頂点71aの
座標を求める(ステップS146)。ここで求められる
座標は、第2の三次元測定器20のローカル座標系で表
現された座標である。そして求められた頂点座標はデー
タ処理部52から記憶部53に与えられ、記憶部53に
保存される(ステップS148)。
【0068】ここまでの処理が終了すると、第2の三次
元測定器20での処理が終了し、再び図12のフローチ
ャートに戻る。
【0069】データ処理装置50は頂点座標を3点以上
算出したか否かを判断し(ステップS110)、3点以
上算出している場合は、ステップS114へと処理を進
める。
【0070】一方、3点以上算出していない場合は、デ
ータ校正用対象物70の位置を移動させるようにユーザ
に指示する。これにより、ユーザはデータ校正用対象物
70の位置を移動させ、ステップS104,S108で
座標算出の対象となった頂点の位置を変化させる(ステ
ップS112)。また、ユーザはスペーサ板75の枚数
を変更することで被測定部71の高さ位置を変更するよ
うにしてもよい。また、データ校正用対象物70が移動
機構を備えている場合は、データ処理装置50の制御に
よって自動的にデータ校正用対象物70の位置を移動さ
せるように構成してもよい。さらに、データ処理装置5
0が回転ステージ30を制御することによって回転ステ
ージ30を回転させ、それによってデータ校正用対象物
70の位置を移動させるようにしてもよい。
【0071】そしてステップS102に戻り、頂点71
aの位置が移動した状態でステップS102〜S108
の処理を繰り返し行い、各三次元測定器10,20から
の測定データから同一頂点の頂点座標を算出する。そし
て異なる3つの頂点について、各三次元測定器10,2
0での測定の結果に基づいた座標値を求めると、ステッ
プS114に進む。
【0072】なお、頂点の数は3点に限られるものでは
なく、3点以上であれば何点であってもよい。頂点の数
が増加する程、データ校正の精度は向上するため、高精
度化の観点からはより多くの頂点座標を求めることが好
ましい。その一方で、頂点の数が増加する程、第1のデ
ータ校正処理の処理効率が低下するため、処理効率の観
点からは3点の頂点座標を求めるように構成することが
好ましい。
【0073】ステップS114においてデータ処理部5
2は、第1の三次元測定器10から得られた頂点座標
と、第2の三次元測定器20から得られた頂点座標との
データ組を生成する。このデータ組は同一頂点に対応す
る座標どうしが一組にされるため、ステップS114で
は3組以上のデータ組が生成される。
【0074】そして、データ処理部52は、データ組ご
とに、第2の三次元測定器20のローカル座標系で表現
された頂点座標をワールド座標系に変換するための方程
式を求める(ステップS116)。この方程式には、第
2の三次元測定器20のローカル座標系で表現された頂
点座標をワールド座標系に変換するための変換パラメー
タ(第1の変換パラメータ)が未知数として用いられ
る。この第1の変換パラメータには、頂点座標を三次元
空間で回転移動させるための回転行列と、平行移動させ
るための平行移動行列とが含まれる。
【0075】そしてステップS118においてデータ処
理部52は、データ組ごとに生成される方程式を連立さ
せて解くことにより、第1の変換パラメータの値を求め
る。このようにして生成された第1の変換パラメータを
データ処理部52はデータ処理装置50の記憶部53に
保存する(ステップS120)。
【0076】この第1の変換パラメータを用いて第2の
三次元測定器20から得られる測定データを変換するこ
とにより、ローカル座標系で表現された頂点座標をワー
ルド座標系に変換することができ、各三次元測定器1
0,20の相対的な位置関係及び姿勢関係が補正された
ワールド座標系での形状データになる。
【0077】以上で第1のデータ校正処理が終了する。
この第1のデータ校正処理により、第2の三次元測定器
20から得られる測定データをワールド座標系の座標デ
ータに座標変換するための変換パラメータを求めること
ができる。上記の処理では、第2の三次元測定器20の
ローカル座標系を第1の三次元測定器10のローカル座
標系(ワールド座標系)に変換するように構成されてい
るため、第1の三次元測定器10のローカル座標系とは
別にワールド座標系が設定される場合と比べると、第2
の三次元測定器20から得られる測定データを基準とし
て、第2の三次元測定器20から得られる測定データに
対する第1の変換パラメータだけを求めればよいため、
効率的な処理が可能である。
【0078】また、第1のデータ校正処理では、各三次
元測定器10,20が平面を測定して頂点座標を求める
ような処理形態となっている。各三次元測定器10,2
0が平面を測定する場合は、三次元測定器10,20の
測定倍率が変化しても高精度な測定が可能であるので、
各頂点座標も高精度に求めることが可能である。したが
って、上記のようにして求められた第1の変換パラメー
タは第2の三次元測定器20から得られる測定データを
ワールド座標系のに座標変換するための高精度なパラメ
ータとなる。その結果、三次元形状測定システム1で測
定対象物を測定して得られる三次元形状データも正確な
データとなる。
【0079】また、上述したような多面体構造のデータ
校正用対象物70を用いることにより、比較的簡単にデ
ータ校正用対象物70を作成することができるという利
点もある。例えば球体を用いて球体の中心座標を求める
ようなデータ校正処理の場合には、使用する球体の球面
を高精度に加工するのは困難であり、かつ球体自体が高
価になる。これに対し、上記のような多面体構造のデー
タ校正用対象物70を用いれば、高精度な平面を加工す
るのは比較的容易であり、安価に作成することができる
とともに、信頼性の高いデータ校正用対象物70を実現
することが可能である。
【0080】さらに、各三次元測定器10,20の測定
倍率の影響を受けることがなく、どのような測定倍率で
測定しても高精度に平面を測定することができるので、
高精度なデータ校正が可能になる。
【0081】なお、上記の説明では、ステップS112
でデータ校正用対象物70を移動させる場合を例示した
が、被測定部71が図9のような構造となっている場合
には、各三次元測定器10,20が1回スキャンすれば
4点の頂点座標を求めることができるため、データ校正
用対象物70を移動させることなく必要な頂点数の座標
を導くことができるので、そのような処理手順にしても
よい。
【0082】また、第1のデータ校正処理において使用
するデータ校正用対象物は、多面体構造の少なくとも任
意の3平面が1点(多面体構造での頂点に限らず、仮想
点であってもよい。)で交差するような形状でありさえ
すれば頂点座標を良好に求めることができるので、上述
した構造の多面体に限定されない。
【0083】次に、第2のデータ校正処理について説明
する。図15及び図16は第2のデータ校正処理におい
て使用される回転軸校正用対象物80を示す図であり、
図15は回転軸校正用対象物80を上方側から見た図、
図16は回転軸校正用対象物80の正面図である。ま
た、図15及び図16はともに回転ステージ30上に回
転軸校正用対象物80を設置した状態を示している。
【0084】図15及び図16に示すように、回転軸校
正用対象物80の正面側には鉛直方向(Z方向)に平行
な2平面82,83を有する被測定部81が設けられ、
その被測定部81の下面側が回転ステージ30の上面側
と接触するように設置される。
【0085】被測定部81における各平面82,83の
法線方向は平行でなく、各平面82,83が所定の角度
をなすように設定されている。したがって、被測定部8
1は2平面82,83を延長させると、鉛直方向に平行
な直線(交線)上で交差する。
【0086】このような回転軸校正用対象物80を回転
ステージ30上に設置する際には、2平面82,83の
交線と回転ステージ30の回転軸とが一致するように設
置する。加えて、2平面82,83が各三次元測定器1
0,20から測定可能な向きに設置する。
【0087】そして第2のデータ校正処理では、各三次
元測定器10,20で被測定部81を測定し、その結果
得られる測定データから交線の方程式を求める。交線は
回転ステージ30の回転軸であるため、交線の方程式は
回転ステージ30の回転軸を表す方程式、すなわち回転
軸そのものを表した式となる。そして求められた回転軸
を中心にして座標データを回転移動させるための回転変
換パラメータを求めることが行われる。
【0088】第2のデータ校正処理で回転変換パラメー
タを求めておくことにより、測定対象物を測定して三次
元形状データを生成した際に、その三次元形状データを
回転軸回りに回転させることが可能になる。
【0089】図17は第2のデータ校正処理(ステップ
S2)の詳細を示すフローチャートである。
【0090】まず、ユーザは2平面82,83を備えて
構成される回転軸校正用対象物80を回転ステージ30
上に設置する(ステップS200)。このとき回転軸校
正用対象物80の被測定部81が各三次元測定器10,
20に対向するように配置されるとともに、2平面8
2,83の交線が回転ステージ30の回転軸に一致する
ように配置される。
【0091】データ処理装置50は三次元測定器10,
20のうちから校正対象の三次元測定器を選択する(ス
テップS202)。例えば、最初は第1の三次元測定器
10が校正対象として選択される。
【0092】データ処理装置50は、選択した三次元測
定器10によって回転軸校正用対象物80をスキャン
し、回転軸校正用対象物80の表面形状の読み取り動作
を行う(ステップS204)。
【0093】そしてデータ処理装置50のデータ処理部
52は、三次元測定器10から得られる測定データをワ
ールド座標系の三次元座標値に変換する(ステップS2
06)。このときも、三次元測定器が測定動作を行う際
に設定された測定倍率に基づいて三次元形状データの拡
大又は縮小処理が行われ、測定倍率が変更された状態で
測定が行われた場合でも適切な三次元形状データが生成
される。なお、第1の三次元測定器10のローカル座標
系がワールド座標系であるため、第1の三次元測定器1
0で得られた測定データは第1の三次元測定器10のロ
ーカル座標系で表現するだけで、ワールド座標系の座標
値となる。一方、校正対象が第2の三次元測定器20で
ある場合には、第1のデータ校正処理によって得られた
第1の変換パラメータを用いて、第2の三次元測定器2
0から得られる測定データを変換することにより、ワー
ルド座標系の座標値に簡単に変換することができる。
【0094】そして校正対象の三次元測定器から得られ
た測定データをワールド座標系での座標値に変換する
と、次に、そのワールド座標系での三次元座標値から回
転軸校正用対象物80の2平面82,83を構成する点
群データの抽出が行われる(ステップS208)。すな
わち、平面82に含まれる点群データ、平面83に含ま
れる点群データのそれぞれが抽出される。
【0095】データ処理部52は各面82,83の点群
データから各面82,83の方程式を算出する(ステッ
プS210)。データ処理部52は2平面82,83の
それぞれについて得られる方程式を連立させて解くこと
により、2平面の交線(すなわち回転ステージ30の回
転軸)を示す回転軸方程式を算出する(ステップS21
2)。この回転軸方程式により、ワールド座標系の三次
元空間における回転ステージ30の回転軸の位置を特定
することができる。
【0096】次に、データ処理部52は回転ステージ3
0上面に関する面の方程式を算出する(ステップS21
4)。例えば、第1のデータ校正処理(ステップS1)
を行う際に使用したデータ校正用対象物70に関する既
知データ(既知の形状データ)がある場合、第1のデー
タ校正処理(ステップS1)で測定した頂点座標と、デ
ータ校正用対象物70におけるその頂点の設計上の高さ
位置とに基づいて、回転ステージ30の上面の位置を特
定すれば、その上面を示す方程式を求めることができ
る。なお、他の方法によって、回転ステージ30の上面
に関する方程式を求めてもよい。
【0097】次に、データ処理部52は回転ステージ3
0を回転制御するために予め設定されている回転角度
(制御角度)を記憶部53から読み取る(ステップS2
16)。これにより、三次元形状測定システム1が測定
対象物の全方向から測定する際に、回転ステージ30を
何度ごと回転させて測定対象物を測定するのかを識別す
ることができる。
【0098】そして、データ処理部52は回転角度ごと
に回転軸回りについての回転変換パラメータを求める
(ステップS218)。つまり、回転ステージ30の回
転角度の符号を反転させた角度毎に、上記の回転軸方程
式によって規定される回転軸を中心とした回転変換を行
うための回転変換パラメータを求めるのである。この回
転変換パラメータを用いて測定データを変換することに
より、校正対象として選択された三次元測定器で測定対
象物を測定したときの回転ステージ30の回転角度分だ
け、測定データから導かれる三次元形状を回転させるこ
とができる。
【0099】データ処理部52はステップS218で求
められる回転変換パラメータがどの三次元測定器に対応
するものかを示すために、校正対象の三次元測定器と、
回転角度毎の回転変換パラメータとを対応づけ、データ
処理装置50の記憶部53に保存する(ステップS22
0)。
【0100】そして、データ処理装置50は全ての三次
元測定器10,20について回転変換パラメータの算出
が終了したか否かを判断し(ステップS222)、全て
について終了していれば、第2のデータ校正処理は終了
する。
【0101】一方、終了していない場合は、他の三次元
測定器について回転変換パラメータを求めるべく、ステ
ップS202に戻る。第1の三次元測定器10について
回転変換パラメータが求められた場合は、次に第2の三
次元測定器20についての回転変換パラメータを求める
ために、ステップS202〜S220の処理を繰り返
す。
【0102】第2の三次元測定器20について回転変換
パラメータを求める際、ステップS206で第1のデー
タ校正処理によって得られた第1の変換パラメータを用
いて測定データがワールド座標系に変換され、そのワー
ルド座標系で表現された座標値に基づいて回転変換パラ
メータが求められる。第1の変換パラメータとステップ
S218で求められる回転変換パラメータとを合成する
ことによって、ワールド座標系変換と回転変換とを同時
に行うパラメータ(第2の変換パラメータ)が求められ
る。その時点で第1の変換パラメータは必要でなくな
る。
【0103】このような第2のデータ校正処理では、各
三次元測定器10,20が回転軸校正用対象物の2平面
を測定して回転ステージ30の回転軸を求めるような処
理形態となっている。したがって、高精度な平面の測定
によって回転軸を高精度に求めることができるので、回
転変換パラメータ及び第2の変換パラメータも高精度に
求めることが可能である。その結果、三次元形状測定シ
ステム1で測定対象物の全周を測定して得られる三次元
形状データも正確なデータとなる。
【0104】また、各三次元測定器10,20の測定倍
率の影響を受けることがなく、どのような測定倍率で測
定しても高精度に平面を測定することができるので、高
精度なデータ校正が可能になる。
【0105】なお、第2のデータ校正処理は、三次元形
状測定システム1が回転ステージ30を備えておらず、
測定対象物の正面側三次元形状のみを測定する場合に
は、必要な処理ではない。また、第2のデータ校正処理
において使用される回転軸校正用対象物も上述した内容
のものに限定されるものではない。
【0106】次に、第3のデータ校正処理について説明
する。図18及び図19は第3のデータ校正処理におい
て使用される高精度校正用対象物90を示す図であり、
図18は高精度校正用対象物90を上方側から見た図、
図19は高精度校正用対象物90の正面図である。ま
た、図18及び図19はともに回転ステージ30上に高
精度校正用対象物90を設置した状態を示している。
【0107】図18及び図19に示すように、高精度校
正用対象物90は、多面体構造の被測定部91と、被測
定部91を支持する支持部材92とを備えて構成され、
被測定部91の多面体構造は、CADデータ等の既知デ
ータに基づいて高精度に作成された複数の平面を有す
る。また、支持部材92が回転ステージ30に設置され
る。
【0108】三次元形状測定システム1で実際に測定対
象物を測定し、測定対象物の三次元形状をデータ化する
場合、各三次元測定器10,20から得られる回転角度
ごとの測定データを合成して一の三次元形状データを生
成することが行われる。第3のデータ校正処理は、その
合成処理が高精度に行われるようにするための、各三次
元測定器10,20から得られる測定データの高精度変
換パラメータ(第3の変換パラメータ)を求めることが
行われる。
【0109】第3のデータ校正処理で高精度校正用対象
物90を測定し、その測定データを既知データに近づけ
るような高精度変換パラメータを求めておくことで、測
定対象物を各三次元測定器10,20で測定した測定デ
ータを高精度に合成することが可能になる。
【0110】図20は第3のデータ校正処理(ステップ
S3)の詳細を示すフローチャートである。
【0111】まず、ユーザは図18及び図19のような
高精度校正用対象物90を回転ステージ30上に設置す
る(ステップS300)。このとき高精度校正用対象物
90の被測定部91の中心位置を回転ステージ30の回
転軸が通るように配置することが好ましい。
【0112】データ処理部52は回転ステージ30を回
転制御するために予め設定されている回転角度(制御角
度)を記憶部53から読み取る(ステップS302)。
これにより、三次元形状測定システム1が測定対象物を
全方向から測定する際に、回転ステージ30を何度ごと
回転させて測定対象物を測定するのかを識別することが
できる。そして制御部51は回転ステージ30に対して
制御信号を与え、回転ステージ30を読み取った回転角
度分だけ回転させる(ステップS304)。
【0113】次に、データ処理装置50は三次元測定器
10,20のうちから校正対象となる三次元測定器を選
択する(ステップS306)。例えば、最初は第1の三
次元測定器10が校正対象として選択される。
【0114】データ処理装置50は、選択した三次元測
定器によって高精度校正用対象物90をスキャンし、高
精度校正用対象物90の表面形状の読み取り動作を行う
(ステップS308)。
【0115】データ処理部52は三次元測定器から得ら
れる測定データをワールド座標系の三次元座標値に変換
して保存する(ステップS310)。具体的には、デー
タ処理部52は、校正対象となっている三次元測定器
と、回転ステージ30の現在の回転角度とに基づいて、
第2のデータ校正処理(ステップS2)で得られたワー
ルド座標系変換と回転変換とを行うパラメータを記憶部
53から読み出し、その読み出した変換パラメータを用
いて測定データを変換することで、ワールド座標系での
座標値に変換することができる。なお、このときも、三
次元測定器が測定動作を行う際に設定された測定倍率に
基づいて三次元形状データの拡大又は縮小処理が行わ
れ、測定倍率が変更された状態で測定が行われた場合で
も適切な三次元形状データが生成される。
【0116】そして、データ処理装置50は全ての三次
元測定器10,20で高精度校正用対象物90を測定し
たか否かを判断し(ステップS312)、全ての三次元
測定器10,20で測定が終了した場合はステップS3
14に進む。一方、第1の三次元測定器10での測定が
終了しただけの段階では、続いて第2の三次元測定器2
0での測定を行うべく、ステップS306に戻り、校正
対象として第2の三次元測定器20を選択して、高精度
校正用対象物のスキャン(ステップS308)と、それ
によって得られた測定データをワールド座標系の三次元
座標値に変換するための処理(ステップS310)とが
行われる。
【0117】したがって、ステップS306〜S312
のループ処理により、回転ステージ30の回転角がある
角度に設定されている状態での高精度校正用対象物90
を各三次元測定器10,20で測定することができ、そ
の結果、各三次元測定器10,20で測定した三次元座
標値(三次元形状データ)を生成することができる。
【0118】ステップS314においては、データ処理
装置50は全ての角度で高精度校正用対象物90を測定
したか否かの判断が行われ、全ての角度で高精度校正用
対象物90を測定していない場合はステップS304に
戻って、回転ステージ30を回転駆動し、各三次元測定
器10,20によってその状態の高精度校正用対象物9
0の測定が行われる。したがって、ステップS304〜
S314のループ処理により、高精度校正用対象物90
を所定の回転角度ごとに回転させた状態での測定動作が
行われ、各三次元測定器10,20で所定の回転角度ご
とに測定された三次元形状データが生成される。
【0119】そして、全ての角度での測定が終了する
と、高精度校正用対象物90の全周について測定したこ
とになるため、ステップS316に進み、回転角度ごと
に得られた高精度校正用対象物90の三次元座標値と、
高精度校正用対象物90の既知データとを比較し、測定
によって求められた三次元座標値を既知データに近づけ
るための変換情報が生成される。
【0120】図21は、角度ごとに既知データと比較し
て変換情報を生成する処理(ステップS316)の詳細
を示す図である。データ処理部52は高精度校正用対象
物90の既知データを記憶部53から読み出す(ステッ
プS330)。そしてデータ処理部52は、ステップS
214で求めた回転ステージ30上面に関する方程式と
ステップS212で求めた回転軸方程式とを用いて、そ
の読み出した既知データをワールド座標系の三次元空間
において回転ステージ30上に位置するように配置し、
既知データに基づく三次元座標値を求める(ステップS
332)。そして、各三次元測定器10,20について
得られた回転角度ごとの三次元座標値と、既知データに
基づく三次元座標値とを比較する(ステップS33
4)。ここでの比較は各三次元測定器10,20につい
て得られた回転角度ごとの三次元座標値における一点の
座標値と、それに対応する既知データに基づく三次元座
標値における座標値とを比較することにより行われる。
【0121】次に、データ処理部52は、公知のICP
(Iterative Closest Points)アルゴリズムに基づく演
算を、測定によって求められた三次元座標値の面と既知
データに基づく面との距離が次第に小さくなっていくよ
うに、所定回数反復して行う(ステップS336)。I
CPアルゴリズムは反復演算を繰り返すことにより面と
面との距離が最小になるような座標変換情報を求めるア
ルゴリズムであるが、本システムにおいては予め形状及
びずれの程度が限定できるので反復回数を固定値として
いる。また、処理対象とする点数を反復計算回数に応じ
て変更してもよい。例えば、全部で60回の反復演算を
行う場合、最小の10回は4点を処理対象とし、次の2
0回は10点を処理対象とし、残りの30回は全点を処
理対象とするようにしてもよい。このような工夫によ
り、本システムでは、効率的な処理が実現されている。
【0122】そしてデータ処理部52は、ステップS3
36の反復演算の結果に基づいて、測定によって求めら
れた面と既知データに基づく面との距離を小さくするよ
うな座標変換情報を求める(ステップS338)。座標
変換情報には、回転移動を行うための回転移動行列と、
平行移動を行うための平行移動行列とが含まれる。この
座標変換情報を求めることにより、測定によって求めら
れた面の座標位置を理論的に正確な既知データに基づく
面の位置に近づけることが可能になる。
【0123】そして図20のフローチャートに戻ってス
テップS318に進み、データ処理部52はステップS
316の処理によって求められた変換情報が所定精度以
上の座標変換を行うためのものであるか否かを判断す
る。具体的には、ステップS316の処理において反復
演算が行われた結果、測定データと既知データとの対応
する面どうしの距離が所定の閾値以下となっているか否
かを判断することが行われ、例えば一つでも2面間の距
離が閾値を超えている場合にはエラー処理が行われる
(ステップS320)。
【0124】エラー処理では、例えばデータ処理装置5
0のディスプレイ上にエラー表示を行う等の処理が行わ
れ、それによってユーザは第3のデータ校正処理が正常
に終了されなかったことを知ることができる。この場合
は、第1のデータ校正処理(ステップS1)の手順から
再開することになる。
【0125】一方、ステップS318の判断によって所
定精度以上であると判断された場合はステップS322
に進み、データ処理部52がステップS316において
求められた変換情報と、第2のデータ校正処理(ステッ
プS2)で求められた第2の変換パラメータとの合成変
換パラメータを求め、その合成変換パラメータを高精度
変換パラメータ(第3の変換パラメータ)として決定す
る。この高精度変換パラメータも各三次元測定器につい
て回転ステージ30の回転角度ごとに定められる。
【0126】そして、三次元測定器及び回転角度を対応
づけて、高精度変換パラメータをデータ処理装置50の
記憶部53に保存し(ステップS324)、第3のデー
タ構成処理を終了する。
【0127】複数の三次元測定器で測定対象物を測定し
て三次元形状データを生成する場合、複数の三次元測定
器で測定対象物を測定して得られた測定データを上述の
ICPアルゴリズム等に基づいて合成処理を行うことが
一般的であるが、そのような処理形態では測定対象物を
測定する度に時間のかかる合成演算処理を行うことが必
要になるため、三次元形状データを求めるまでに多大な
時間がかかることになる。この実施の形態では、予め高
精度校正用対象物90を測定し、各三次元測定器10,
20からの測定データを高精度に合成するための高精度
変換パラメータを求めておくため、測定対象物を測定す
る際にはICPアルゴリズム等による繰り返し演算が必
要でなく、高精度変換パラメータを用いて測定データを
変換するだけで各三次元測定器10,20から得られる
測定データの高精度な合成状態が実現されるため、測定
後、三次元形状データが生成されるまでの時間を短縮化
することができる。
【0128】また、2つの測定形状を位置合わせするI
CPアルゴリズムでは、例えば2つの三次元形状データ
が得られた場合、重なり合っている部分を抽出し、それ
らのデータの差(点と対応点との距離)を小さくするよ
うな演算が行われる。しかし、この実施の形態では、各
三次元測定器10,20から得られる三次元形状を理想
的な既知データと比較し、それぞれの三次元形状を理想
的な既知データに近づけるような演算が行われるため、
一般的な場合に比べて理想的な状態に近づけるための高
精度な変換パラメータを求めることができる。換言すれ
ば、第3のデータ校正処理(ステップS3)では、各三
次元測定器10,20が複数の平面を有する高精度校正
用対象物90を測定し、各三次元測定器10,20から
得られる測定データが高精度校正用対象物90の既知デ
ータにより近くなるような合成処理を行い、その合成処
理の結果に基づいて高精度変換パラメータを求めること
が行われるため、測定結果を理論値に近づけるような高
精度変換パラメータが予め求められることになる。
【0129】また、各三次元測定器10,20からの測
定データには測定倍率に関する情報が含まれているた
め、各三次元測定器10,20が異なる測定倍率で高精
度校正用対象物90及び測定対象物を測定したとして
も、測定倍率に応じて測定データの倍率を調整すること
ができるので、合成精度が低下することもない。
【0130】さらに、高精度変換パラメータは、第2の
データ校正処理で得られた第2の変換パラメータ(ワー
ルド座標系変換と回転変換との合成)を含むパラメータ
であるため、高精度変換パラメータが求められれば、第
1及び第2の変換パラメータは必要なものでなくなる。
【0131】なお、上記の説明における第3のデータ校
正処理(ステップS3)は第1及び第2のデータ校正処
理(ステップS1,S2)が行われることを前提とした
処理内容になっているが、それに限定されるものではな
い。例えば、各三次元測定器10,20の組み付け位置
及び姿勢等を測定装置2の既知データから求め、その既
知データに基づいて測定データをワールド座標系の三次
元座標値に変換し、その後、その三次元座標値を高精度
校正用対象物90の設計値に近づけるための変換パラメ
ータを求めるようにしてもよい。ただし、第1及び第2
のデータ校正処理を行わない場合は各三次元測定器1
0,20の組み付け位置や姿勢が設計値から大幅にずれ
ているような場合は、測定データの変換パラメータを正
確に求めることができない可能性が高くなるため、上述
したように第1及び第2のデータ校正処理(ステップS
1,S2)を行った後に、第3のデータ校正処理(ステ
ップS3)を行うことが好ましい。
【0132】以上で、三次元形状測定システム1によ
り、測定対象物を測定する前に予め行っておくデータ校
正処理(図8のフローチャート)が終了する。そして、
図8のフローチャートに示す全ての処理が終了すると、
回転ステージ30を回転させつつ、測定対象物を測定し
て得られる測定データから三次元形状データを生成する
ための変換パラメータが導かれ、データ処理装置50の
記憶部53にその変換パラメータが格納されることにな
る。
【0133】測定対象物の測定の前に予めこのような変
換パラメータを求めておくことにより、三次元形状測定
システム1で測定対象物を測定して三次元形状データを
生成する際の処理の効率化が図られるとともに、生成さ
れる三次元形状データを正確なものにすることができ
る。
【0134】そして、三次元形状測定システム1の測定
装置2においては、測定対象物に影が生じて測定困難な
部分が少ないような状態に構成されているので、三次元
形状測定システム1で測定対象物を測定して得られる三
次元形状データは高精度かつ完全な三次元形状データと
なる。
【0135】<3.測定対象物の測定動作>次に、三次
元形状測定システム1における測定対象物の測定動作に
ついて説明する。なお、この測定動作に先立って上記の
データ校正処理が行われているものとする。
【0136】図22は三次元形状測定システム1におけ
る測定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0137】まず、ユーザは任意の表面形状を有する測
定対象物を回転ステージ30上に設置する(ステップS
400)。続いて、ユーザによって測定動作の指示がな
されると、データ処理部52は回転ステージ30を回転
制御するために予め設定されている回転角度(制御角
度)を記憶部53から読み取る(ステップS402)。
これにより、三次元形状測定システム1が測定対象物を
全方向から測定する際に、回転ステージ30を何度ごと
回転させて測定対象物を測定するのかを識別することが
できる。そして制御部51は回転ステージ30に対して
制御信号を与え、回転ステージ30を読み取った回転角
度分だけ回転させる(ステップS404)。
【0138】次に、データ処理装置50は三次元測定器
10,20のうちから制御対象となる三次元測定器を選
択し、測定動作を行う三次元測定器を特定する(ステッ
プS406)。例えば、最初は第1の三次元測定器10
が制御対象として選択される。
【0139】データ処理装置50は、選択した三次元測
定器によって測定対象物をスキャンし、測定対象物の表
面形状の読み取り動作を行う(ステップS408)。デ
ータ処理部52は三次元測定器から得られる測定データ
をワールド座標系の三次元座標値に変換する(ステップ
S410)。具体的には、データ処理部52は、制御対
象となっている三次元測定器と、回転ステージ30の現
在の回転角度とに基づいて、第3のデータ校正処理(ス
テップS3)で得られた高精度変換パラメータを記憶部
53から読み出し、その高精度変換パラメータを用いて
測定データを変換することで、現在の回転角度に応じた
ワールド座標系での座標値に変換することができる。
【0140】そして、データ処理部52は生成した三次
元座標値のうちから不要部分を削除する(ステップS4
12)。各三次元測定器10,20はレーザスリット光
の照射される領域に物体があればその物体についての測
定データを生成する。このため三次元形状測定システム
1に含まれる回転ステージ30等の三次元形状も測定デ
ータに含まれることになる。このようなデータは測定対
象物の形状ではないため、三次元座標値のうちから不要
部分として削除されることになる。不要部分の特定は、
例えば、図17のフローチャートにおいてステップS2
14で求めた回転ステージ30上面の方程式から特定さ
れ、回転ステージ30の上面よりも下側にある三次元座
標値を無効にすることで不要部分の削除が行われる。ま
た、測定装置2の設計値からワールド座標値における回
転ステージ30の上面位置を推定し、その上面位置より
下側部分を削除するようにしてもよい。この結果、測定
データから求められた三次元座標値には測定対象物に関
するデータのみが含まれることになる。
【0141】そして不要部分の削除された三次元座標値
は、現在の回転角度での測定対象物のみに関する三次元
形状データとなり、その三次元形状データがデータ処理
装置50の記憶部53に保存される(ステップS41
4)。
【0142】データ処理装置50は回転ステージ30が
現在の回転角度にある状態で全ての三次元測定器で測定
対象物を測定したか否かを判断する(ステップS41
6)。そして第1の三次元測定器10での測定が終了し
た段階では、次に第2の三次元測定器20での測定動作
を行うべく、ステップS406に戻って第2の三次元測
定器20を制御対象として選択する。第2の三次元測定
器20による測定動作が終了し、三次元座標値から不要
部分が削除されて記憶部53への保存が終了すると、ス
テップS416において「YES」と判断される。
【0143】次にデータ処理装置50は全ての回転角度
で測定対象物を測定したか否かを判断する(ステップS
418)。つまり、測定対象物の全周につき三次元形状
データが生成されたか否かを判断し、「NO」であれば
ステップS404に戻って回転ステージ30を回転さ
せ、各三次元測定器10,20で測定対象物を別の角度
から測定して三次元形状データを生成することになる
(ステップS406〜S416)。例えば、回転ステー
ジ30を駆動制御する際の回転角度が90°に設定され
ている場合は、ステップS404〜S418のループ処
理が4回繰り返されることにより、測定対象物のほぼ全
周がデータ化されることになる。
【0144】そして全ての回転角度での測定対象物の測
定動作が終了すると、データ処理部52は、各三次元測
定器10,20から回転角度ごとに得られた三次元座標
値(部分的な三次元形状データ)を読み出し、それらを
加算することで測定対象物全体に関する三次元形状デー
タを生成し、記憶部53に保存する(ステップS42
0)。この結果、データ処理装置50の記憶部53には
測定対象物の表面形状に関する三次元形状データが記憶
され、必要に応じて他の外部機器に出力される。
【0145】以上で、三次元形状測定システム1におけ
る測定対象物の測定動作の処理が終了するが、測定動作
において測定データからワールド座標系の三次元座標値
に変換する際(ステップS410)、第3のデータ校正
処理(ステップS3)で得られた高精度変換パラメータ
を用いてデータ変換を行うだけで、高精度な三次元座標
値が得られる。また、高精度変換パラメータを用いるこ
とにより、各三次元測定器10,20で測定対象物を測
定した後に繰り返し演算等を行って形状の合わせ込み処
理を行う必要がなく、高速処理が可能である。
【0146】また、さらに測定動作の高速化を実現しよ
うとする場合には、データ処理装置50が各三次元測定
器10,20と回転ステージ30とを次に示すような形
態で動作制御すればよい。
【0147】図23は、測定動作を高速化するための制
御形態を示すタイムチャートである。図23に示すよう
に、三次元測定器10,20では最初に測定対象物を測
定する際に、プリ測光を行う。そして、測定準備動作が
行われた後、走査開始段階でレーザ光源の点灯が行われ
るとともに、走査手段の助走動作が開始される。助走動
作が完了して、走査範囲内でレーザスリット光の等速運
動が可能になると、測定動作が行われる。測定動作の間
は安定した走査が実現される。そして測定動作が終了す
ると、走査手段による走査運動を停止させるための惰走
動作が行われる。この段階でレーザ光源は消灯される。
そして各三次元測定器10,20での演算処理が行われ
た後、測定データがデータ処理装置50へと出力される
ことになる。
【0148】回転ステージ30を回転させて測定対象物
のほぼ全周を測定する場合には、データ処理装置50は
回転ステージ30の回転ステージ駆動を開始させ、所定
時間内に定められた回転角度分だけ回転させるように構
成されている。
【0149】そして、第1の三次元測定器10から測定
動作を行う場合は、第1の三次元測定器10が走査停止
段階に入ったときに、第2の三次元測定器20の走査開
始を行うように制御する。このように構成すれば、第1
の三次元測定器10からのデータ出力段階が終了した後
に第2の三次元測定器20が測定準備を開始する場合に
比べて、測定動作の効率化を図ることができる。つま
り、第1の三次元測定器10が測定動作(安定走査)の
段階を終了した直後に、第2の三次元測定器20による
測定動作(安定走査)を行うことができるように、第1
の三次元測定器10の動作を並列して第2の三次元測定
器20も動作し、第1の三次元測定器10が動作を行っ
ている間に、第2の三次元測定器20において測定準備
動作(助走段階以前の動作)を完了させておくことで、
三次元形状測定システム1での測定動作を高速化するこ
とができるのである。
【0150】また、回転ステージ30を回転させるタイ
ミングは、第2の三次元測定器20での測定動作が終了
した直後であり、第2の三次元測定器20が惰走段階に
ある間に回転ステージ30を駆動開始し、回転ステージ
30の回転動作が終了した直後に第1の三次元測定器1
0で次の測定動作(安定走査)を行うことができるよう
に準備しておく。
【0151】このようにデータ処理装置50が第1の三
次元測定器10と、第2の三次元測定器20と、回転ス
テージ30とを並列的に動作制御することにより、効率
的な測定動作が可能になる。
【0152】以上説明したように、この実施の形態に示
した三次元形状測定システム1は、測定装置2において
2台の三次元測定器10,20が設置され、それによっ
て回転ステージ30上に設置される測定対象物に測定す
ることのできない部分が生じることを低減している。
【0153】また、測定対象物の測定動作を行う前に三
次元形状測定システム1におけるデータ校正処理を行う
ことで、2台の三次元測定器10,20で測定する測定
データのデータ校正を行い、ワールド座標系での三次元
形状データを求めることができるように構成されてい
る。このため、測定対象物を測定する際にはデータ処理
に時間を要することなく三次元形状データを求めること
が可能となっている。
【0154】そしてデータ校正処理を行う際には、各種
の校正用対象物を使用し、校正用対象物の平面を検出す
るように構成されているので、正確なデータ校正を行う
ことが可能である。また、データ校正処理において三次
元測定器10,20で得られる測定データを高精度に合
成するための高精度変換パラメータが求められるので、
測定対象物を測定した後に時間のかかる合成処理を行う
必要がなく、測定対象物を効率的に求めることが可能で
ある。
【0155】したがって、この実施の形態に説明した三
次元形状測定システム1を用いて測定対象物を測定する
ことにより、測定対象物の表面形状のほぼ全体を測定す
ることができ、高精度かつ高速に三次元形状データを求
めることが可能である。
【0156】<4.変形例>以上、この発明の実施の形
態について説明したが、この発明は上記説明した内容の
ものに限定されるものではない。
【0157】例えば、上記実施の形態においては、2台
の三次元測定器10,20を配置する例について説明し
たが、それに限定されるものではなく、3台以上の複数
の三次元測定器を配置するようにしてもよい。三次元測
定器の数が増加する程、測定対象物の測定不可能な部分
が減少することになり、より好ましい測定結果が得られ
る。
【0158】また、上記実施の形態においては、同様の
構成の三次元測定器を2台配置することについて説明し
たが、それに限定されるものでもない。例えば、図24
に示すように、一の受光部102に対して二の投光部1
03,104を配置し、受光部102が各投光部10
3,104からの照射されたレーザスリット光の反射光
を検出するように構成してもよい。このように構成する
ことによって、受光部の数を1つにすることができるの
で低コストでシステム構築を行うことができる。ただ
し、この場合であっても、各投光部103,104と受
光部102とを結ぶ基線長の方向は異なる方向に設定さ
れることが好ましい。また、この場合の投光部の数も2
個に限定されるものではない。図25は一の受光部10
2に対して複数の投光部103〜106が配置された例
を示しているが、この場合においても各投光部103〜
106と受光部102とを結ぶ基線長の方向はそれぞれ
異なる方向に設定されることが好ましい。
【0159】また、複数台の三次元測定器ではなく、1
台の三次元測定器を用いてもよい。つまり、1台の三次
元測定器を第1の位置に設置し、校正用対象物や測定対
象物を第1の位置から測定した後に、第2の位置に移動
させ、続いて校正用対象物や測定対象物を第2の位置か
ら測定するように構成してもよい。この場合は、三次元
測定器を頻繁に移動させるため、第1の位置及び第2の
位置への取り付け精度を高くする必要がある。
【0160】なお、上記実施の形態においては、測定装
置2に回転ステージ30が設けられ、測定対象物の全周
を測定する例について説明したが、測定対象物の正面側
だけを測定すればよいような場合には、回転ステージ3
0は必須のものではない。
【0161】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、第1の投光手段が、第1のレーザ光を測
定対象物に照射して、測定対象物の表面上で第1の方向
に走査させるように構成され、第2の投光手段が、第2
のレーザ光を測定対象物に照射して、測定対象物の表面
上で第1の方向とは異なる第2の方向に走査させるよう
に構成されているため、第1のレーザ光の走査方向と第
2のレーザ光の走査方向が異なることにより、測定対象
物に影ができることを低減し、測定対象物の三次元形状
を正確に測定することができる。
【0162】請求項2に記載の発明によれば、第1の投
光手段と第2の投光手段とがそれぞれ異なる位置に設け
られ、測定対象物に対して第1のレーザ光と第2のレー
ザ光とのそれぞれを異なる位置から照射するように構成
されているため、走査方向の異なる第1のレーザ光と第
2のレーザ光とが異なる位置から照射されるので、測定
対象物に影ができることを低減し、測定対象物の三次元
形状をより正確に測定することができる。
【0163】請求項3に記載の発明によれば、第1の投
光手段と受光手段とを結ぶ第1の基線長の方向と、第2
の投光手段と受光手段とを結ぶ第2の基線長の方向と
が、非平行状態であるため、測定対象物に影ができるこ
とを低減し、測定対象物の三次元形状を正確に測定する
ことができる。
【0164】請求項4に記載の発明によれば、非平行状
態が直交する状態であるため、測定対象物に影ができる
ことを最も低減することができ、測定対象物の三次元形
状をより正確に測定することができる。
【0165】請求項5に記載の発明によれば、第1の投
光手段が第1のレーザ光を測定対象物の表面上で第1の
方向に走査させ、第2の投光手段が第2のレーザ光を測
定対象物の表面上で第1の方向とは異なる第2の方向に
走査させるように構成されるため、走査方向の異なる第
1のレーザ光と第2のレーザ光とにより、測定対象物に
影ができることをさらに低減することができ、測定対象
物の三次元形状をより正確に測定することができる。
【0166】請求項6に記載の発明によれば、第1のレ
ーザ光が第1の方向と直交する方向に分布するスリット
光であり、第2のレーザ光が第2の方向と直交する方向
に分布するスリット光であるため、走査方向に1回走査
すれば、第1のレーザ光と第2のレーザ光とのそれぞれ
によって測定対象物の測定が可能であり、効率的な三次
元測定ができる。
【0167】請求項7に記載の発明によれば、受光手段
が、第1の反射光を受光する第1の受光手段と、第2の
反射光を受光する第2の受光手段とを含んで構成される
ため、例えば同一構成の三次元測定器を少なくとも2台
使用すれば構成することができる。
【0168】請求項8に記載の発明によれば、測定対象
物を第1のレーザ光及び第2のレーザ光の照射範囲内で
支持し、所定の回転軸を中心に回動することによって測
定対象物を照射範囲内で回動させる回転ステージを備え
るため、測定対象物の全周についての三次元形状を正確
に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態における三次元形状測定
システムの概略構成を示す斜視図である。
【図2】三次元測定器を示す斜視図である。
【図3】三次元測定器が測定対象物を測定する状態を示
す図である。
【図4】三次元測定器が測定対象物を測定する状態を示
す図である。
【図5】測定対象物とレーザスリット光との関係を示す
図である。
【図6】測定対象物とレーザスリット光との関係を示す
図である。
【図7】三次元形状測定システムの内部構成を示すブロ
ック図である。
【図8】データ校正処理のフローチャートである。
【図9】第1のデータ校正処理において使用されるデー
タ校正用対象物を示す図である。
【図10】第1のデータ校正処理において使用されるデ
ータ校正用対象物を示す図である。
【図11】データ校正用対象物を三次元形状測定システ
ムに設置した状態を示す図である。
【図12】第1のデータ校正処理の詳細を示すフローチ
ャートである。
【図13】ステップS104の詳細な処理を示すフロー
チャートである。
【図14】ステップS108の詳細な処理を示すフロー
チャートである。
【図15】第2のデータ校正処理において使用される回
転軸校正用対象物を示す図である。
【図16】第2のデータ校正処理において使用される回
転軸校正用対象物を示す図である。
【図17】第2のデータ校正処理の詳細を示すフローチ
ャートである。
【図18】第3のデータ校正処理において使用される高
精度校正用対象物を示す図である。
【図19】第3のデータ校正処理において使用される高
精度校正用対象物を示す図である。
【図20】第3のデータ校正処理の詳細を示すフローチ
ャートである。
【図21】ステップS316の詳細な処理を示すフロー
チャートである。
【図22】三次元形状測定システムにおける測定処理の
処理手順を示すフローチャートである。
【図23】測定動作を高速化するための制御形態を示す
タイムチャートである。
【図24】投光部及び受光部の構成の変形例を示す図で
ある。
【図25】投光部及び受光部の構成の変形例を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 三次元形状測定システム 2 測定装置 5 測定対象物 9 記録媒体 10,20 三次元測定器 11,21 投光部 12,22 受光部 30 回転ステージ 40 基台 50 データ処理装置 70 データ校正用対象物 71 被測定部 80 回転軸校正用対象物 90 高精度校正用対象物 L1,L2 レーザスリット光 SC 走査方向
フロントページの続き (72)発明者 有泉 昌弘 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 松長 紀雄 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 2F065 AA06 AA53 BB05 DD03 FF01 FF09 GG04 GG22 HH05 HH12 JJ03 JJ26 LL62 PP13 PP22 QQ18 QQ31 RR05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光切断法を用いて測定対象物の三次元形
    状を測定する三次元形状測定システムであって、 第1のレーザ光を前記測定対象物に照射して、前記第1
    のレーザ光を前記測定対象物の表面上で第1の方向に走
    査させる第1の投光手段と、 第2のレーザ光を前記測定対象物に照射して、前記第2
    のレーザ光を前記測定対象物の表面上で前記第1の方向
    とは異なる第2の方向に走査させる第2の投光手段と、 前記第1のレーザ光が前記測定対象物で反射する第1の
    反射光と、前記第2のレーザ光が前記測定対象物で反射
    する第2の反射光とを受光する受光手段と、 前記受光手段から得られるデータに基づいて前記測定対
    象物の三次元形状を求める演算手段と、を備えることを
    特徴とする三次元形状測定システム。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の三次元形状測定システ
    ムにおいて、 前記第1の投光手段と前記第2の投光手段とはそれぞれ
    異なる位置に設けられ、前記測定対象物に対して前記第
    1のレーザ光と前記第2のレーザ光とのそれぞれを異な
    る位置から照射することを特徴とする三次元形状測定シ
    ステム。
  3. 【請求項3】 光切断法を用いて測定対象物の三次元形
    状を測定する三次元形状測定システムであって、 第1のレーザ光を前記測定対象物に照射して、前記測定
    対象物の表面上を走査させる第1の投光手段と、 第2のレーザ光を前記測定対象物に照射して、前記測定
    対象物の表面上を走査させる第2の投光手段と、 前記第1のレーザ光が前記測定対象物で反射する第1の
    反射光と、前記第2のレーザ光が前記測定対象物で反射
    する第2の反射光とを受光する受光手段と、 前記受光手段から得られるデータに基づいて前記測定対
    象物の三次元形状を求める演算手段と、を備え、 前記第1の投光手段と前記受光手段とを結ぶ第1の基線
    長の方向と、前記第2の投光手段と前記受光手段とを結
    ぶ第2の基線長の方向とが、非平行状態であることを特
    徴とする三次元形状測定システム。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の三次元形状測定システ
    ムにおいて、 前記非平行状態は、直交する状態であることを特徴とす
    る三次元形状測定システム。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載の三次元形状測定
    システムにおいて、 前記第1の投光手段は、前記第1のレーザ光を前記測定
    対象物の表面上で第1の方向に走査させ、 前記第2の投光手段は、前記第2のレーザ光を前記測定
    対象物の表面上で前記第1の方向とは異なる第2の方向
    に走査させることを特徴とする三次元形状測定システ
    ム。
  6. 【請求項6】 請求項1、2又は5に記載の三次元形状
    測定システムにおいて、 前記第1のレーザ光は前記第1の方向と直交する方向に
    分布するスリット光であり、前記第2のレーザ光は前記
    第2の方向と直交する方向に分布するスリット光である
    ことを特徴とする三次元形状測定システム。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の三次
    元形状測定システムにおいて、 前記受光手段は、前記第1の反射光を受光する第1の受
    光手段と、前記第2の反射光を受光する第2の受光手段
    と、を含むことを特徴とする三次元形状測定システム。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれかに記載の三次
    元形状測定システムにおいて、 前記測定対象物を前記第1のレーザ光及び前記第2のレ
    ーザ光の照射範囲内で支持し、所定の回転軸を中心に回
    動することによって前記測定対象物を前記照射範囲内で
    回動させる回転ステージ、をさらに備えることを特徴と
    する三次元形状測定システム。
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