JP2002327799A - 紫外線硬化型シリコーンダンピング材並びにこれを用いた光ピックアップにおける対物レンズ駆動機構 - Google Patents

紫外線硬化型シリコーンダンピング材並びにこれを用いた光ピックアップにおける対物レンズ駆動機構

Info

Publication number
JP2002327799A
JP2002327799A JP2001130866A JP2001130866A JP2002327799A JP 2002327799 A JP2002327799 A JP 2002327799A JP 2001130866 A JP2001130866 A JP 2001130866A JP 2001130866 A JP2001130866 A JP 2001130866A JP 2002327799 A JP2002327799 A JP 2002327799A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ultraviolet
filler
damping material
curable silicone
objective lens
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001130866A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Suda
浩司 須田
Shunichi Azuma
俊一 東
Hiroaki Oba
宏昭 大場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Geltec Co Ltd
Original Assignee
Geltec Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Geltec Co Ltd filed Critical Geltec Co Ltd
Priority to JP2001130866A priority Critical patent/JP2002327799A/ja
Publication of JP2002327799A publication Critical patent/JP2002327799A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Mounting And Adjusting Of Optical Elements (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低い紫外線照射量による比較的短時間の照射
時間であっても、樹脂原料の深部まで充分に紫外線が届
いて樹脂原料を均一に硬化することができ、高品質で且
つ生産効率の高い新規な紫外線硬化型シリコーンダンピ
ング材並びにこれを用いた光ピックアップにおける対物
レンズ駆動機構を提供する。 【解決手段】 紫外線硬化型シリコーンダンピング材1
0は、紫外線反応性基を具えた液状のシリコーン樹脂原
料に対し、内部減衰性を高めるための透明なガラス質の
充填剤を充填し、紫外線を照射することによりゲル状に
硬化して得られることを特徴とする。また光ピックアッ
プにおける対物レンズ駆動機構は、駆動コイル4、5を
構成する素線6の端部を引き出し、これをボビンホルダ
7との間に張設することによって対物レンズ2が支持さ
れ、そして該素線6の固定部位には、前記紫外線硬化型
シリコーンダンピング材10が介在することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紫外線硬化型シリコ
ーンダンピング材並びにこれを用いた光ピックアップに
おける対物レンズ駆動機構に関するものであり、特に製
造時において紫外線硬化型シリコーンダンピング材の紫
外線照射時間が少なく済み、紫外線照射量を少なくし、
生産効率を上げることができるとともに、品質が安定し
たものに係るものである。
【0002】
【発明の背景】一般にコンパクトディスクと称されてい
るCDや、ビデオディスク、DVDといった光ディスク
に記録された情報を検出する光ピックアップとしては、
3スポット法、非点収差法及び2軸デバイスといった検
出方式の違いや、フォーカスサーボ及びトラッキングサ
ーボといった対物レンズにおける駆動系の違い等によ
り、種々のタイプのものが開発されている。このうち対
物レンズの駆動系に特徴を持たせた光ピックアップとし
ては、対物レンズの周囲にフォーカス用及びトラッキン
グ用の駆動コイルを配し、バネ部材により対物レンズを
保持する構造のものが開発されている。そして近年では
対物レンズを支持するバネ部材を直接保持するのではな
く、シリコーンゲル等の吸振部材を介して保持すること
がなされている。具体的にはこのような技術を開示した
ものとして、本出願人も開発に関与していた特開平4−
325932号「光ピックアップにおける対物レンズ駆
動機構」がある。
【0003】この光ピックアップに用いる吸振部材の現
在の主流としては、作業性を向上させる目的から紫外線
硬化型のシリコーンゲルが用いられ、且つシリコーン樹
脂原料に対し、内部減衰を高めるための各種の充填剤を
添加して用いている。
【0004】しかしながら、前記内部減衰を高める目的
で用いられている従来の充填剤は、表層の充填剤におい
て、照射した紫外線の多くを散乱・吸収してしまうの
で、多くの紫外線照射量を必要とし、紫外線照射に多く
の時間を費やしていた。もちろん生産効率を高めるため
に紫外線強度を高めることが考えられるが、実際には単
に紫外線強度を高くした場合には、樹脂原料の表面硬化
が即座に進んで、深部まで充分に紫外線が届かなくな
り、結果として深部の硬化が不充分ということになって
しまう。またこのように紫外線の照射を充填剤が妨害す
るため、深部への硬化が不充分であったため、出来上が
った製品の性能のバラツキや温度に対する性能変化とい
う問題点が生じていた。
【0005】
【開発を試みた技術的課題】本発明はこのような背景か
らなされたものであって、低い紫外線照射量による比較
的短時間の照射時間であっても、樹脂原料の深部まで充
分に紫外線が届いて樹脂原料を均一に硬化することがで
き、高品質で且つ生産効率の高い新規な紫外線硬化型シ
リコーンダンピング材並びにこれを用いた光ピックアッ
プにおける対物レンズ駆動機構の開発を試みたものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の
紫外線硬化型シリコーンダンピング材は、紫外線反応性
基を具えた液状のシリコーン樹脂原料に対し、内部減衰
性を高めるためのガラス質の充填剤を充填し、このもの
に紫外線を照射することによりゲル状に硬化させて得ら
れることを特徴として成るものである。
【0007】また請求項2記載の紫外線硬化型シリコー
ンダンピング材は、前記請求項1記載の要件に加え、前
記充填剤は中空であることを特徴として成るものであ
る。
【0008】更に請求項3記載の紫外線硬化型シリコー
ンダンピング材を用いた光ピックアップにおける対物レ
ンズ駆動機構は、対物レンズによってレーザビームを光
ディスク上に集光し、この光ディスクに反射して戻って
きた光を受けて、レーザースポットの位置を調節するフ
ォーカス調整用及びトラッキング調整用の駆動コイルを
具えてなる駆動機構において、前記対物レンズは駆動コ
イルを構成する素線の端部を引き出し、これを保持部材
たるボビンホルダとの間に張設することによって支持さ
れ、なおかつ該素線の固定部位の少なくとも一部には、
ゲル状の紫外線硬化型シリコーンダンピング材が介在す
るものであり、この紫外線硬化型シリコーンダンピング
材は、紫外線反応性基を具えた液状のシリコーン樹脂原
料に対し、内部減衰性を高めるためのガラス質の充填剤
を充填した後、紫外線を照射することによりゲル状に硬
化させて得られるものであることを特徴として成るもの
である。
【0009】更にまた請求項4記載の紫外線硬化型シリ
コーンダンピング材を用いた光ピックアップにおける対
物レンズ駆動機構は、前記請求項3記載の要件に加え、
前記充填剤は中空であることを特徴として成るものであ
る。
【0010】以下まず本発明の紫外線硬化型シリコーン
ダンピング材について説明する。このものは、紫外線反
応性基を具えた液状のシリコーン樹脂原料に対し、内部
減衰性を高めるための充填剤を充填し、紫外線を照射す
ることによりゲル状に硬化して得られるものである。
【0011】そして本発明の特徴として前記充填剤には
ガラス質の充填剤が用いられるものである。更にこの充
填剤としては、比重が1.0程度のシリコーン樹脂原料
とほぼ同じ比重の中空体のものが好ましい。具体的には
0.6〜1.5の範囲、より好ましくは0.8〜1.3
3の範囲の比重のものが好ましい。
【0012】上述したような充填剤を用いた場合には、
まず充填剤が充填された樹脂原料は、比較的中長期の保
存時においても充填剤が容器の底方に沈殿したり、ある
いは上方に浮かんだりせず、均一な混合状態のままであ
る。従って使用する際に改めて攪拌等混合作業を行う必
要がなかったり、あるいは混合作業を行うとしてもごく
短時間で行うことが可能である。また紫外線の照射量が
従来の充填剤の場合と同一量であれば、確実に短い時間
に樹脂原料を内部まで均一に硬化させることができ、生
産効率及び製品品質が向上し、製造コストを低くするこ
とも可能となる。
【0013】以下、本発明の紫外線硬化型シリコーンダ
ンピング材の具体的成分等を説明する。本発明の紫外線
硬化型シリコーンダンピング材を製造するのに用いられ
るシリコーン樹脂原料は、例えば次式[1]で示される
アクリル基またはメタアクリロイル基を分子中に少なく
とも1以上有するオルガノポリシロキサン、
【0014】
【化1】
【0015】〔但し上記式[1]においてR1 は水素ま
たはアルキル基、Rn は(CH2n、1≦n≦20〕 次式[2]で示される不飽和二重結合を含有するオルガ
ノポリシロキサン、
【0016】
【化2】
【0017】〔但し上記式[2]においてR1 は水素ま
たはアルキル基、Rn は(CH2n、1≦n≦10〕
と次式[3]で示されるメルカプトアルキル基を分子中
に少なくとも2以上含有するオルガノポリシロキサンを
混合して作製される。
【0018】
【化3】
【0019】〔但し上記式[3]においてRn は(CH
2n 、1≦n≦10〕 そして上記成分に、充填剤を充填させて、紫外線を照射
して紫外線硬化型シリコーンダンピング材を製造する。
また充填剤の他に、光重合開始剤、酸化防止剤、難燃
剤、顔料等の改質材を、紫外線硬化型シリコーンダンピ
ング材の特性を損なわない範囲内で樹脂原料に配合する
こともできる。
【0020】以下に上述したような同一のシリコーン樹
脂原料において、充填剤のみを変更した場合に得られる
紫外線硬化型シリコーンダンピング材の性能変化の実施
例1〜4及び比較例1〜4について説明する。 〔実施例1〕実施例1は、充填剤として比重1.1、ガ
ラス製の球状中空体のものを用いた。具体的には、この
ような充填剤としてポッターズ・バロティーニ株式会社
製の「中空ガラスビーズHSC110」を用いたもので
ある。このものによれば表1に示されるように比重が樹
脂材料に近いため、一定期間(本実施例では三ヶ月間で
あり、以下の実施例及び比較例に関してもこれと同一期
間で実施した)保管後も充填剤が分離しない。また表1
及び表2に示されるように、平均的に損失係数(tan
δ)が高く優れており、紫外線照射量によって性能に差
異が出ていない。また複素剪断弾性率(G*)は、個々
の具体的な製品により要求される値が変化するものであ
り、一概には数値の高低により製品が優れているか否か
は言及できないが、実施例1によれば、表1及び表3に
示されるように紫外線照射量によって複素剪断弾性率の
性能に差異が出ておらず、複素剪断弾性率が安定した品
質のものが得られている。
【0021】〔実施例2〕実施例2は、充填剤として比
重0.46、ガラス製の球状中空体のものを用いた。具
体的には、このような充填剤として住友スリーエム株式
会社製の「グラスバブルズ;製品タイプK46」を用い
たものである。このものをシリコーン樹脂原料に充填し
た場合、表1に示されるように比重が樹脂材料より軽い
ため、一定期間保管後に充填剤が浮いてしまい分離す
る。また表1及び表2に示されるように、平均的に損失
係数(tanδ)は高い。特に紫外線照射量が少なくて
も損失係数(tanδ)が高いものであり、紫外線照射
量によって性能に差異があまり出ていない。また複素剪
断弾性率(G*)は、表1及び表3に示されるように紫
外線照射量によって性能に差異が出ておらず、複素剪断
弾性率が安定した品質のものが得られている。
【0022】〔実施例3〕実施例3は、充填剤として比
重2.21、石英ガラス製の球状充実体のものを用い
た。具体的には、このような充填剤として株式会社龍森
製の「フューズレックス(登録商標)」を用いている。
このものを用いてシリコーン樹脂原料に混合した場合、
表1に示されるように比重が樹脂材料より重いため、一
定期間保管後に充填剤が沈降してしまい分離する。また
表1、表2及び表3に示されるように、比較例1、2と
比較した場合、平均的に損失係数(tanδ)は高い。
特に紫外線照射量が少なくても損失係数(tanδ)は
高い数値となっている。
【0023】〔実施例4〕実施例4は、充填剤として比
重2.65、石英ガラス製の粉砕状のものを用いた。具
体的には、このような充填剤として株式会社龍森製の
「クリスタライト(登録商標)」を用いている。このも
のを用いてシリコーン樹脂原料に混合した場合、表1に
示されるように比重が樹脂材料より重いため、一定期間
保管後に充填剤が沈降してしまい分離した。また表1、
表2及び表3に示されるように、比較例1、2と比較し
た場合、平均的に損失係数(tanδ)は高い。特に紫
外線照射量が少なくても損失係数(tanδ)は高い数
値となっている。
【0024】〔比較例1〕比較例1は、従来技術を示す
ものであり、充填剤として比重1.33、形状が不定形
のシリコーンレジンを用いた。具体的には、このような
充填剤として日興ファインプロダクツ株式会社製の「メ
チルシリコーンパウダー MSP−150」を用いてい
る。このものによれば表1に示されるように比重が樹脂
材料に近いため、一定期間保管後も充填剤が分離してい
ない。また複素剪断弾性率(G*)は、表1及び表3に
示されるように紫外線照射量によって性能に差異が出る
ものであり、複素剪断弾性率が安定した品質のものを得
るのが難しい。
【0025】〔比較例2〕また比較例2は、充填剤を用
いないで、シリコーン樹脂原料に対し紫外線を照射して
硬化したものである。シリコーン樹脂原料に充填剤を添
加しないと、紫外線の照射による硬化を阻害するものが
ないため、複素剪断弾性率(G*)は、表1及び表3に
示されるように紫外線照射量によって性能に差異が見ら
れない。しかし実際には、複素剪断弾性率の値が低いた
め、充填剤の添加が必要となる。
【0026】〔比較例3〕比較例3は、比較実験例を示
すものであり、前記実施例1のガラス製の球状中空体の
充填剤に対し銀コートが施されたもの(ポッターズ・バ
ロティーニ株式会社製)を充填剤として用いた。比重は
2.75であった。このものをシリコーン樹脂原料に混
合した場合、表1に示されるように比重が樹脂材料より
重いため、一定期間保管後に充填剤が沈降して分離し
た。また照射した紫外線が充填剤により遮られるため、
シリコーン樹脂原料が硬化不良を起こし、従って損失係
数及び複素剪断弾性率の測定実験は行うことができなか
った。
【0027】〔比較例4〕比較例4は、比較実験例を示
すものであり、充填剤として比重が0.70であり、オ
フホワイト色のアルミナシリカケート系のものを用いた
ものである。具体的には、このような充填剤として日本
フィライト株式会社製の「フィライト」を用いている。
このものをシリコーン樹脂原料に充填した場合、表1に
示されるように比重が樹脂材料より軽いため、一定期間
保管後に充填剤が浮いてしまい分離する。また照射した
紫外線が充填剤により遮られるため、シリコーン樹脂原
料が硬化不良を起こし、従って損失係数及び複素剪断弾
性率の測定実験は行うことができなかった。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【発明の実施の形態】次に本発明に係る紫外線硬化型シ
リコーンダンピング材を用いた光ピックアップにおける
対物レンズ駆動機構について、図示の実施の形態に基づ
き説明する。図中符号1に示すものが本発明に係る駆動
機構を適用した駆動装置であって、このものは光ピック
アップの構成部材の一つである対物レンズ2を、光軸方
向並びに光ディスクAの半径方向に駆動する働きをす
る。因みに対物レンズ2は、レーザダイオード等から発
しられたレーザビームを、光ディスクA上に集光し、記
録されている信号検出を行う。
【0032】具体的には駆動装置1は、対物レンズ2を
直接保持するボビン3に対しトラッキング調整用の駆動
コイル4を対物レンズ2を挟んで前後に配し、またフォ
ーカス調整用の駆動コイル5を対物レンズ2直下であっ
て前記トラッキング調整用の駆動コイル4の間に納まる
ように配すと共に、これら駆動コイル4、5を構成する
素線6の端部を引き出し、これらを平面的に見て光ディ
スクAにおけるトラックの接線方向前方及び後方にそれ
ぞれ水平に繰り出し、その端部をボビンホルダ7に固定
してなる。
【0033】またこれら繰り出された素線6のうち、一
方に繰り出された素線6は、ボビンホルダ7の一方の端
部に位置する電子基板8上に直接マウントされ、他方に
繰り出された素線6は、ボビンホルダ7の他方の端部に
刻設されている小孔9にその先端が挿入され、この小孔
9に充填される紫外線硬化型シリコーンダンピング材1
0により間接的にボビンホルダ7に保持されている。
【0034】なお本発明において使用される紫外線硬化
型シリコーンダンピング材10は揮発性の低分子量物の
含有量を低減したものが要求され、更に紫外線硬化型シ
リコーンダンピング材10の原液が低粘度過ぎると、毛
管現象的に細部にまで浸透してしまう危険があり、硬化
するまでの間に流れ出てしまうことも考えられ、また一
方高粘度過ぎると充填個所全体に充分に回り込まない危
険性があり、作業性が悪くなるから、適度に低粘度であ
りチクソ性(チクソトロピーの現象を現わす程度)が高
いものであることが必要である。
【0035】このため紫外線硬化型シリコーンダンピン
グ材10は、前述の実施例1〜4に示したものを適用す
るものであり、すなわち紫外線反応基を具えたシリコー
ン樹脂原料に対し、前記実施例1〜4に示したようなガ
ラス質の充填剤や、適宜改質剤を充填させて、紫外線を
照射して製造する。
【0036】具体的には本実施の形態では前記充填剤と
して、前記実施例1の比重が1.1であり、ガラス製の
球状中空体のものを用いた。このような充填剤としては
前述したようにポッターズ・バロティーニ株式会社製の
「中空ガラスビーズHSC110」を用いることができ
る。このものによれば前記表1に示されるように比重が
樹脂材料に近いため、一定期間保管後も充填剤が分離し
ていない。また前記表1及び表2に示されるように、平
均的に損失係数(tanδ)が高く優れており、紫外線
照射量によって性能に差異が出ない。また複素剪断弾性
率(G*)は、個々の具体的な製品により要求される値
が変化するものであり、一概には数値の高低により製品
が優れているか否かは言及できないが、表1及び表3に
示されるように紫外線照射量によって性能に差異が出て
おらず、複素剪断弾性率が安定した品質のものが得られ
ている。これは、充填剤が紫外線を遮らないため、シリ
コーン樹脂原料の深部までよく紫外線が照射されるため
である。従って、紫外線硬化型シリコーンダンピング材
10の駆動装置1に対する形成が低い紫外線照射量によ
って、短時間の照射時間で形成することができ、品質が
優良であり、生産効率が向上される。なお充填剤として
は、このガラス製の球状中空体のものの他、前述した実
施例2〜4に示した充填剤やその他ガラス質の充填剤を
適用することが可能である。
【0037】そして次にこのようにして成る本発明の紫
外線硬化型シリコーンダンピング材を用いた光ピックア
ップにおける対物レンズ駆動機構の動作原理について説
明する。光ディスクAの所定のポジションにアクセスさ
れた光ピックアップは、光ディスクA上に刻設されてい
るピットからなるトラックにレーザビームを正確に集光
すベく、駆動装置1におけるトラッキング調整用の駆動
コイル4に給電し、対物レンズ2を保持するボビン3
を、光ディスクAの半径方向に移動させてトラッキング
調整を図る。
【0038】次にフォーカス調整用の駆動コイル5に給
電し、対物レンズ2を保持するボビン3を光軸方向に移
動させ、フォーカス調整を図る。なおこれら調整に際し
ては、対物レンズ2を保持するボビン3は、駆動コイル
4、5から引き出された素線6によって支持されている
から、素線6の湾曲に伴って生ずる揺り戻しによる影響
を受けることとなる。しかし本発明にあっては、かかる
素線6の振動をシリコーンゲル10によって減衰してい
るから、その振動は短時間で収束し、対物レンズ2のフ
ォーカス、トラッキンの各調整に支障を与えることはな
い。そして以下同様の動作をくり返しながら、光ディス
クAに記録された情報を次々に読み取っていくのであ
る。
【0039】
【発明の効果】請求項1記載の紫外線硬化型シリコーン
ダンピング材によれば、シリコーン樹脂原料に充填され
る充填剤としてガラス質のものが用いられるため、照射
される紫外線が充填剤により比較的遮られずに深層まで
到達する。このため、低い紫外線照射量で、短時間の照
射であっても紫外線硬化型シリコーンダンピング材10
の樹脂原料を均一に硬化することができる。また充填剤
で紫外線が比較的遮られないため、製品にバラツキが出
ず、均一の性能の製品を提供できる。また短時間で硬化
できるため、生産効率が上がり、製造コストも下げ得
る。
【0040】また請求項2記載の紫外線硬化型シリコー
ンダンピング材によれば、充填剤は中空であるため、紫
外線透過性により優れ、低い紫外線照射量による短時間
の照射で優れた紫外線硬化型シリコーンダンピング材1
0が製造できる。
【0041】更にまた請求項3記載の紫外線硬化型シリ
コーンダンピング材を用いた光ピックアップにおける対
物レンズ駆動機構によれば、対物レンズ2を支持してい
る素線6がゲル状の紫外線硬化型シリコーンダンピング
材10が介在して保持されるものであり、紫外線硬化型
シリコーンダンピング材10を製造するためのシリコー
ン樹脂原料に充填される充填剤としてガラス質のものが
用いられるため、照射される紫外線が充填剤により比較
的遮られずに深層まで到達する。このため、低い紫外線
照射量で、短時間の照射であっても紫外線硬化型シリコ
ーンダンピング材10の樹脂原料を均一に硬化すること
ができる。また充填剤で紫外線が比較的遮られないた
め、製品にバラツキが出ず、均一の性能の製品を提供で
きる。また短時間で硬化できるため、生産効率が上が
り、製造コストも下げ得る。従って例えば車輛上等の振
動が強い個所でのデータの読み取りにも優れ、耐久性が
極めてよい。
【0042】更にまた請求項4記載の紫外線硬化型シリ
コーンダンピング材を用いた光ピックアップにおける対
物レンズ駆動機構によれば、充填剤は中空であるため、
紫外線透過性により優れ、低い紫外線照射量による短時
間の照射で優れた紫外線硬化型シリコーンダンピング材
10が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紫外線硬化型シリコーンダンピング材
を用いた光ピックアップにおける対物レンズ駆動機構を
適用した駆動装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 駆動装置 2 対物レンズ 3 ボビン 4 トラッキング調整用の駆動コイル 5 フォーカス調整用の駆動コイル 6 素線 7 ボビンホルダ 8 電子基板 9 小孔 10 紫外線硬化型シリコーンダンピング材 A 光ディスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/09 G11B 7/09 D (72)発明者 東 俊一 静岡県清水市船越東町180−3 (72)発明者 大場 宏昭 静岡県清水市平川地12−20 Fターム(参考) 2H043 AE02 AE17 3J048 AA02 AC02 BA19 BD01 BD04 BD07 EA07 4F070 AA60 AB10 AB11 AC28 AD03 AE01 HA02 HB01 4J002 CP10W CP10X CP10Y CP14W CP14X CP14Y CP16W CP16X CP16Y DL006 FA106 FD016 GM00 GP00 5D118 AA23 BA01 BB01 EA02 FB04 FB15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線反応性基を具えた液状のシリコー
    ン樹脂原料に対し、内部減衰性を高めるためのガラス質
    の充填剤を充填し、このものに紫外線を照射することに
    よりゲル状に硬化させて得られることを特徴とする紫外
    線硬化型シリコーンダンピング材。
  2. 【請求項2】 前記充填剤は中空であることを特徴とす
    る請求項1記載の紫外線硬化型シリコーンダンピング
    材。
  3. 【請求項3】 対物レンズによってレーザビームを光デ
    ィスク上に集光し、この光ディスクに反射して戻ってき
    た光を受けて、レーザースポットの位置を調節するフォ
    ーカス調整用及びトラッキング調整用の駆動コイルを具
    えてなる駆動機構において、前記対物レンズは駆動コイ
    ルを構成する素線の端部を引き出し、これを保持部材た
    るボビンホルダとの間に張設することによって支持さ
    れ、なおかつ該素線の固定部位の少なくとも一部には、
    ゲル状の紫外線硬化型シリコーンダンピング材が介在す
    るものであり、この紫外線硬化型シリコーンダンピング
    材は、紫外線反応性基を具えた液状のシリコーン樹脂原
    料に対し、内部減衰性を高めるためのガラス質の充填剤
    を充填した後、紫外線を照射することによりゲル状に硬
    化させて得られるものであることを特徴とする紫外線硬
    化型シリコーンダンピング材を用いた光ピックアップに
    おける対物レンズ駆動機構。
  4. 【請求項4】 前記充填剤は中空であることを特徴とす
    る請求項3記載の紫外線硬化型シリコーンダンピング材
    を用いた光ピックアップにおける対物レンズ駆動機構。
JP2001130866A 2001-04-27 2001-04-27 紫外線硬化型シリコーンダンピング材並びにこれを用いた光ピックアップにおける対物レンズ駆動機構 Pending JP2002327799A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001130866A JP2002327799A (ja) 2001-04-27 2001-04-27 紫外線硬化型シリコーンダンピング材並びにこれを用いた光ピックアップにおける対物レンズ駆動機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001130866A JP2002327799A (ja) 2001-04-27 2001-04-27 紫外線硬化型シリコーンダンピング材並びにこれを用いた光ピックアップにおける対物レンズ駆動機構

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002327799A true JP2002327799A (ja) 2002-11-15

Family

ID=18979154

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001130866A Pending JP2002327799A (ja) 2001-04-27 2001-04-27 紫外線硬化型シリコーンダンピング材並びにこれを用いた光ピックアップにおける対物レンズ駆動機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002327799A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011136170A1 (ja) * 2010-04-26 2011-11-03 株式会社スリーボンド 光硬化性シリコーンゲル組成物及びその用途
CN110955011A (zh) * 2018-09-26 2020-04-03 苹果公司 用于致动器阻尼的阻尼器布置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011136170A1 (ja) * 2010-04-26 2011-11-03 株式会社スリーボンド 光硬化性シリコーンゲル組成物及びその用途
US8865787B2 (en) 2010-04-26 2014-10-21 Threebond Fine Chemical Co., Ltd. Photocurable silicone gel composition and application thereof
KR101762990B1 (ko) 2010-04-26 2017-07-28 쓰리본드 화인 케미칼 가부시키가이샤 광경화성 실리콘겔 조성물 및 그의 용도
CN110955011A (zh) * 2018-09-26 2020-04-03 苹果公司 用于致动器阻尼的阻尼器布置
CN110955011B (zh) * 2018-09-26 2022-06-03 苹果公司 用于致动器阻尼的阻尼器布置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1091922C (zh) 光记录介质和制造光记录介质的方法
KR100248096B1 (ko) 광학정보기록매체, 그 제조방법 및 제조장치와 광학정보기록/재생장치
CN101025961B (zh) 光拾取装置及光盘驱动装置
CN1655265A (zh) 制造光学信息记录介质的方法
CN1242568A (zh) 光学记录介质及其制造方法以及光学记录和再现装置
JP2002327799A (ja) 紫外線硬化型シリコーンダンピング材並びにこれを用いた光ピックアップにおける対物レンズ駆動機構
CN100377237C (zh) 光信息记录介质
CN1697040A (zh) 盘驱动单元以及盘记录和/或复制设备
JP2003077184A (ja) 光記録媒体及びその製造方法
CN1435823A (zh) 光盘
US20100137506A1 (en) Process for producing multi-layered information recording medium, signal transfer substrate, and process for producing the signal transfer substrate
JPS59162652A (ja) 光学的に読取り可能な情報デイスク
JP3680057B2 (ja) 記録媒体およびその製造方法
US8685495B2 (en) Method for manufacturing multilayer information recording medium
TWI278856B (en) An optical component fix method
CN1320259A (zh) 光盘及其重放方法和重放装置
US20070210467A1 (en) Apparatus for fabricating cover layer of optical information storage media and operating method of the same
JP3654866B2 (ja) 薄膜接着方法及びそれを利用した光ディスクの接着方法並びにその装置
CN1266683C (zh) 测试盘
KR100750107B1 (ko) 광디스크 제조 방법
JP2007512653A (ja) 光ディスクスピンコーティング用の装置
CN1573989A (zh) 光盘及其生产方法
CN1732524A (zh) 磁盘基板和光盘
JP2023141380A (ja) 光ディスク
JP2011003234A (ja) 光ピックアップ及び光ピックアップ用ホルダ

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20060928

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20061003

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20061108

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070830

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20080515

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091110

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100309