JP2002326785A - 移動式クレーンの安全管理装置 - Google Patents

移動式クレーンの安全管理装置

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JP2002326785A
JP2002326785A JP2002056483A JP2002056483A JP2002326785A JP 2002326785 A JP2002326785 A JP 2002326785A JP 2002056483 A JP2002056483 A JP 2002056483A JP 2002056483 A JP2002056483 A JP 2002056483A JP 2002326785 A JP2002326785 A JP 2002326785A
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Japan
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load factor
load
management device
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mobile crane
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Application number
JP2002056483A
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English (en)
Inventor
Tadakazu Nishikino
宰一 錦野
Nobuhiro Koga
信洋 古賀
Hideaki Ishihara
英明 石原
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Kobelco Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Kobelco Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過負荷判断を容易にしかも正確に行う。 【解決手段】 負荷率管理手段を兼ねる過負荷防止装置
1の演算処理部2において、負荷に関する作業情報に基
づいて負荷率を演算し、その最大のものや大きい順番に
並べる等、負荷率の履歴をデータ記憶部3に記録し、か
つ、表示部4に表示するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は移動式クレーン(ク
ローラ式、ホイール式の双方、及びラチスブーム式、箱
形ブーム式の双方。以下、単にクレーンという)の過負
荷管理を行う移動式クレーンの安全管理装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図13に、本発明の適用対象となるクレ
ーンの一例としてラチスブーム式タワークレーンを示し
ている。
【0003】21はクローラ走行式のベースマシンで、
このベースマシン21にブーム22、このブーム22の
先端にジブ23がそれぞれ取付けられ、図示しないウィ
ンチ、及びこのウィンチから引き出されてブーム、ジブ
23沿いに掛け回された巻上ロープ24、並びに同ロー
プ24によってジブ先端から吊持された吊りフック25
によって荷の上げ下ろし作業が行われる。
【0004】また、ブーム22はブーム起伏ロープ26
及びブームガイライン27によって、ジブ23はジブ起
伏ロープ(それぞれ図示しないウィンチから引き出され
る)28及びジブガイライン29によってそれぞれ起伏
し、これによって作業半径が変化する。
【0005】このタワークレーンを含めて移動式クレー
ンには過負荷防止装置(モーメントリミッタ=ML)が
装備され、作業情報検出手段(ブーム角度検出器、ジブ
角度検出器、ブームガイライン張力検出器、ジブガイラ
イン張力検出器、それにブームまたはジブに備えられた
限界状態検出器、レバー操作量検出器、安全装置解除ス
イッチ等)によって検出される作業情報のうち、負荷に
関する負荷情報に基づいて、実際に作用している荷重
(実荷重)と、そのときの定格総荷重に対する実荷重の
割合である負荷率を演算して表示し、さらにこの負荷率
が、予め過負荷に至る負荷率として設定された値(たと
えば100%)を超えると過負荷状態としてオペレータ
に警告を発し、あるいはクレーン動作を自動停止させる
等の過負荷回避のための制御を行う構成がとられてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、このような過
負荷による作業の中断を避けて作業を効率良く、そして
安全に行うためには、実際に過負荷状態に陥る前に、過
負荷に近づいたことの判断(以下、過負荷判断という)
を的確に行う必要がある。
【0007】ところが、クレーンは、要求される作業仕
様や作業内容によってブーム長、ジブ23の有無、巻上
ロープ24の掛け回し本数、作業姿勢(ブーム角度、吊
り荷重等)が異なり、過負荷因子が多いため、管理者に
よる安全管理やオペレータによる過負荷判断は必ずしも
容易ではなく、とくに経験の浅いオペレータでは正確な
過負荷判断が困難であった。
【0008】このため、過負荷判断の誤りによる事故が
起こる可能性がある。この場合、事故原因を究明する手
がかりはオペレータの記憶と認識しかないため、原因究
明、対応に手間取るという問題があった。
【0009】そこで本発明は、過負荷に至る状況等の作
業状況を正確に記録・管理することができる移動式クレ
ーンの安全管理装置を提供するものである。
【0010】また本発明は、過負荷の管理及び判断を容
易にしかも正確に行うことができる移動式クレーンの安
全管理装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、クレ
ーン複数個所に配設された各部の状態を検出する作業情
報検出手段と、この作業情報検出手段によって検出され
る作業情報が入力される作業情報管理手段とを具備し、
この作業情報管理手段は、上記作業情報と設定値とに基
づいて検出時の作業状態を判別するとともに、上記作業
情報のデータを蓄積して得られる履歴を記録するように
構成されたものである。
【0012】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、作業情報管理手段による判別結果と記録内容とを表
示する表示手段を具備したものである。
【0013】請求項3の発明は請求項1または2の構成
において、作業情報管理手段は、負荷率管理手段とし
て、作業情報に基づいて負荷率を演算するとともに、こ
の演算された負荷率のデータを蓄積して得られる負荷率
の履歴を記憶するように構成されたものである。
【0014】請求項4の発明は、請求項3の構成におい
て、負荷率管理手段は、負荷率が設定値を超える状態と
なったときのみに負荷率をデータとして記録するように
構成されたものである。
【0015】請求項5の発明は、請求項4の構成におい
て、負荷率管理手段は、設定値を超えたときの負荷率
と、この設定値を超える直前の、予め設定された時間内
の負荷率をデータとして記録するように構成されたもの
である。
【0016】請求項6の発明は、請求項3乃至5のいず
れかの構成において、負荷率管理手段は、負荷率のデー
タを、予め定められた基準で順番に並べて記録するよう
に構成されたものである。
【0017】請求項7の発明は、請求項6の構成におい
て、負荷率管理手段は、負荷率のデータを、負荷率の大
きい順に並べてかつ最新の順位に更新しながら記録する
ように構成されたものである。
【0018】請求項8の発明は、請求項7の構成におい
て、負荷率管理手段は、負荷率の大きいものから複数の
順位に限って記録するように構成されたものである。
【0019】請求項9の発明は、請求項3乃至8のいず
れかの構成において、負荷率管理手段は、過去の負荷率
のうち最大のものをデータとして常に記録するように構
成されたものである。
【0020】請求項10の発明は、請求項3乃至9のい
ずれかの構成において、負荷率管理手段は、負荷率が設
定値を超えて再び設定値を下回るまでを一単位として、
複数単位ごとに負荷率の最大値をデータとして記録する
ように構成されたものである。
【0021】請求項11の発明は、請求項3乃至10の
いずれかの構成において、負荷率管理手段は、作業情報
検出手段によって検出される作業情報に基づき、記録さ
れる各負荷率ごとの作業状態を負荷率のデータとともに
記録するように構成されたものである。
【0022】請求項12の発明は、請求項3乃至11の
いずれかの構成において、負荷率管理手段は、負荷率の
データとともに、この負荷率の発生日時を記録するよう
に構成されたものである。
【0023】請求項13の発明は、請求項3乃至12の
いずれかの構成において、負荷率管理手段は、記録した
負荷率の履歴をデータ伝送手段によって外部に出力し得
るように構成されたものである。
【0024】請求項14の発明は、請求項3乃至13の
いずれかの構成において、負荷率管理手段は、データ伝
送手段により、他の移動式クレーンの負荷率情報を取り
込んで記録するように構成されたものである。
【0025】上記構成によると、検出される作業情報と
設定値とに基づいて検出時の作業状態を判別するととも
に、作業情報のデータを蓄積して得られる履歴を記録す
るため、作業状況の把握、管理及び過負荷その他の判断
を容易に、しかも正確に行うことができる。
【0026】このため、過負荷防止に役立つとともに、
事故発生時の原因究明、対応が容易となる。
【0027】とくに請求項2の構成によると、判別結果
と記録内容を表示するため、管理及び判断を、この表示
内容を見ながら一層容易かつ正確に行うことができる。
【0028】この場合、表示手段として、過負荷防止装
置の一部として運転室内に元々装備された表示部や、故
障自己診断等のための油圧や電気信号の状態の表示、警
告メッセージの表示等を行う補機能情報表示装置(クラ
スタゲージと称される)を用いることができる。
【0029】あるいは、作業情報管理手段と、オペレー
タやサービス要員が所持する携帯電話とを無線または有
線で接続し、携帯電話を表示手段として利用するように
構成してもよい。
【0030】さらに、サービス要員が、必要なときだけ
作業情報管理手段に携帯用のモニタを接続し、これに判
別結果と記録内容を表示させるようにしてもよい。
【0031】こうすれば、機械の履歴を外部で把握する
ことができるため、いちいち現場で機械の運転室内に入
って表示部で履歴を確認する必要がなくなり、故障時や
保守時の作業効率を飛躍的に向上させることができる。
【0032】請求項3の構成によると、負荷率管理手段
によって過去の負荷率データの蓄積による負荷率の履歴
を記録し、かつ、表示し得るため、この負荷率履歴をオ
ペレータによる過負荷判断の指標または参考として、正
確に効率良く過負荷判断を行い、作業の安全性を向上さ
せることができる。
【0033】一方、管理者側では、負荷率の履歴を見る
ことで、日頃の作業の内容や傾向(過負荷傾向か否か)
を確認し、高負荷率が続く場合には警告する等、作業の
安全を促すことができるし、事故が発生した場合に過負
荷によるものかどうかの究明が容易となる。
【0034】また、請求項4,5の構成によると、負荷
率が設定値を超える場合、つまり過負荷防止に必要な高
負荷率の履歴のみを選別して記録するため、過負荷判断
及び事故発生時の原因究明をより効率良く行うことがで
きる。とくに請求項5の構成によると、設定値を超える
直前の負荷率をも記録するため、負荷率の推移が明らか
となって過負荷判断、事故原因の究明がより簡単とな
る。
【0035】請求項6〜8の構成によると、負荷率を、
予め定めた基準(請求項7では負荷率の大きい順、請求
項8ではさらにそのうちの複数順位のみ)で順番に並べ
て記録するため、負荷率の整理、把握が容易で過負荷管
理がより効率良く行われる。
【0036】請求項9の構成によると、過去の負荷率の
うち最大のものを常に記録するため、オペレータはこの
最大負荷率を明確な指標としてこれを超えないように操
作することにより、作業の安全を図ることができる。
【0037】請求項10の構成によると、負荷率が一旦
設定値を超えた後、設定値内に戻るまでを一単位として
複数単位ごとに負荷率の最大値を記録し表示するため、
とくに管理者側において、一つのデータだけでなく、過
去作業した中での複数の最大値を把握することで、オペ
レータの作業に対する評価がし易くなるとともに、事故
原因の究明時に、偶発的な事故か常習的な危険操作によ
るものかの判断が容易となる。
【0038】請求項11の構成によると、記録される各
負荷率とともにそのときの作業状態(たとえばブーム角
度が何度か)を記録し表示するため、オペレータ及び管
理者双方が過負荷原因を判断し易くなる。
【0039】請求項12の構成によると、負荷率データ
とともにこの負荷率の発生日時を記録するため、いつど
こでの負荷率かが後日認識し易く、過負荷管理に便利と
なる。
【0040】請求項13の構成によると、記録した負荷
率の履歴をデータ伝送手段によって外部に出力し得るた
め、管理センター等の第三者による過負荷管理が容易と
なる。また、負荷率履歴を管理者側が見易いように並べ
替えたりグラフ表示したりする等、自由にアレンジでき
るとともに、複数の移動式クレーンからデータを収集し
てデータベース化することもできる。
【0041】この場合、データ伝送手段として最も一般
的には、公衆通信網を利用した無線通信装置を用いるこ
とができる。
【0042】あるいは、作業情報管理手段と、オペレー
タが所持する携帯電話とを無線または有線で接続し、携
帯電話から公衆通信網を通じて外部に出力する構成をと
ってもよいし、作業情報をMO、MD、メモリスティッ
ク、コンパクトフラッシュ(登録商標)等の分離可能な
可搬記憶媒体(汎用リムーバブルメディア)に取り出
し、これを管理者側に入力して管理するようにしてもよ
い。
【0043】上記のように作業情報管理手段と携帯電話
を有線で接続し、携帯電話を外部へのデータ伝送手段と
して利用する構成をとると、クレーン側に送受信設備を
設ける必要がないため、機器構成を簡略化できるととも
に、機器コスト、通信費用を安くすることができる。
【0044】請求項14の構成によると、同一現場に複
数の移動式クレーンが配置されている場合に、移動式ク
レーンのオペレータが、同時に他の移動式クレーンの管
理者となり、移動式クレーン同士で過負荷を監視し合う
ことが可能となる。
【0045】また、二台の移動式クレーンで共同して玉
掛け作業を行う場合に、互いの負荷状況をみて他機また
は自機が過負荷状態とならないように操作することもで
きる。さらに、負荷情報を移動式クレーン間で共有し合
う分散管理方式をとることで、集中管理を行う管理セン
ターが不要となる。
【0046】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図によって説
明する。
【0047】第1実施形態(図1〜図3参照) 第1実施形態では、作業情報から負荷率を求めてこれを
記録し、表示する構成をとっている。
【0048】図1において、1は負荷率管理手段を兼ね
る過負荷防止装置で、演算処理部2と、データ記憶部3
と、表示部4、それにブーム長さ、ロープ掛け回し数等
の移動式クレーン仕様に関するデータが入力されるデー
タ入力部5から成り、前記したようにブーム角度検出
器、ジブ角度検出器、ブームガイライン張力検出器等の
作業情報検出手段(図示しない)によって検出される作
業情報がこの過負荷防止装置1の演算処理部2に入力さ
れる。
【0049】演算処理部2は、過負荷防止のための本来
の機能として、作業情報のうち負荷に関する負荷情報に
基づいて実際に作用している荷重(実荷重)Wと、その
ときの定格総荷重WA、それにこの定格総荷重WAに対
する実荷重Wの割合である負荷率Rを演算し、これらを
データ記憶部3に入力する。
【0050】そして、この負荷率Rが、過負荷に至る危
険性のある負荷率として予め設定された値(たとえば1
00%)を超えると、過負荷状態としてオペレータに警
告を発する(たとえば警報ブザーを作動させる)ととも
に、自動停止回路6を作動させて移動式クレーン動作を
自動停止させる等の過負荷防止のための制御を行うよう
に構成されている。
【0051】演算処理部2は、この過負荷防止装置本来
の機能に加えて、負荷率管理のための処理を行う。これ
を図2のフローチャートによって説明する。
【0052】まず、データ記憶部3にデータとして記録
されている、現在までの負荷率の最大値Rmaxを取り
込む(ステップS1)とともに現在の負荷率Rを演算し
(ステップS2)、これらを比較する(ステップS
3)。
【0053】ここで、現在負荷率Rよりも最大負荷率R
maxの方が大きい場合(NOの場合)は、ステップS
4で現状の最大負荷率Rmaxを維持する。
【0054】これに対し、現在負荷率Rの方が大きい場
合(YESの場合)は、最大負荷率Rmaxの値を現在
負荷率Rの値に置き換え(ステップS5)、これをデー
タ記憶部3に書き込む(ステップS6)とともに、表示
部4に表示する(ステップS7)。
【0055】この表示部4には、たとえば図3に示すよ
うに、演算された現在の負荷率を、負荷率の値を目盛り
に表した横向きの棒グラフ表示部分aと数値表示部分b
にモニタ表示するとともに、最大数値表示部分cに過去
最大の負荷率の数値を、それが変わる毎に更新しながら
常にモニタ表示する。
【0056】また、そのときのブーム角度、ブームポイ
ント高さ、実荷重、定格総荷重、作業半径を各作業条件
表示部分d…にモニタ表示する。
【0057】なお、必要に応じてこの表示内容をプリン
トアウトし得るように構成してもよいし、ブーム角度や
ジブ角度等の作業条件を移動式クレーンを象った模式図
で併示してもよい。
【0058】このように、負荷率の履歴、すなわち、負
荷率の変化と過去最大の負荷率をデータ記憶部3に記録
し、表示部4に表示するため、この負荷率履歴をオペレ
ータによる過負荷判断の指標または参考とすることがで
きる。たとえば、経験の浅いオペレータの場合、データ
記憶部3に記憶した過去の負荷率をプリントアウトして
把握し、これら数値あるいは表示された最大負荷率を指
標として、負荷率の目安を立てて操作することにより過
負荷を回避し、作業の安全を図ることができる。
【0059】一方、管理者側では、負荷率のこのような
履歴を見ることで、日頃の作業の内容や傾向を確認し、
高負荷率が続く場合には警告する等、作業の安全を促す
ことができるとともに、事故が発生した場合に過負荷に
よるものかどうかの究明が容易となる。
【0060】第2実施形態(図4,5参照) 第1実施形態(図1〜図3)と比較して、演算処理部2
に日時を記録するためのクロック信号が入力される点、
及び演算処理部2での処理内容のみが異なるため、ここ
ではブロック構成の図示を省略している。
【0061】この第2実施形態においては、負荷率管理
の手法として、データ記憶部3に記録する負荷率データ
の点数を10点とし、この負荷率データを数値の大きい
ものから順番に記録し表示するように構成されている。
【0062】すなわち、図4に示すように、データ記憶
部3に負荷率の大きい順番で記録されている現在の負荷
記録配列(Rmax1〜Rmax10)を取り込む(ス
テップS11)。
【0063】次に、変数を初期化(ステップS12)し
た後、演算された現在の負荷率Rの読み込み(ステップ
S13)が読み込みが行われた後、ステップS14でフ
ラグ(S_flg)の状態判断が行われる。
【0064】ここで0(NO)の場合はステップS15
に、1(YES)の場合はステップS18にそれぞれ進
む。
【0065】ステップS15にて現在の負荷率が予め設
定されている基準負荷率Rminを超えているかどうか
が判断され、超えていない場合、ステップS13に戻
る。
【0066】超えている場合(ステップS15でYES
の場合)は、flg(S_flg)を1にして(ステッ
プS16)、現在負荷率RをRnowと置く(ステップ
S17)。
【0067】そして、ステップS18にて現在負荷率R
とRnowが比較され、Rの方が大きい場合はステップ
S19にてRnowを更新し、常により大きな値をRn
owに置き換える。
【0068】一方、ステップS18にてRの方が小さい
場合は、ステップS20にて現状のRnowが保持され
る。
【0069】負荷率RがRminを超えている間は、ス
テップS21にて常にYESが選択され、ステップS1
3〜ステップS21の間を繰り返し、その間での最大負
荷率Rnowを記録する。
【0070】ステップS21にて負荷率Rが基準負荷率
Rmin以下になると、サンプリングを中止してステッ
プS22へ進み、ここでデータ配列の中の最小値Rma
x10とRnowが比較され、Rnowが小さい場合は
ステップS25でRnowを破棄し、現状のデータ配列
をデータ記憶部3に記録する。
【0071】一方、Rnowが大きい場合は、ステップ
S23において最小値Rmax10を破棄し、Rnow
と残りのRmax1〜Rmax9までの10データを負
荷率の大きい順に配列し直し、ステップS24で新たな
データ配列をデータ記憶部3に書き込むとともに、ステ
ップS26にて表示しているデータ配列を更新する。
【0072】その表示例を図5に示す。ここでは表示部
4での表示内容として、図3の負荷率最大値の表示部分
cに代えて、負荷記録の表示部eが設けられ、ここに1
位から10位までの負荷率ベスト10がそれぞれの日
時、作業半径とともに上から順番に数値で表示されてい
る。
【0073】このように、過去の負荷率を大きさの順で
並べて記録し表示する構成とすれば、過去の負荷率の整
理、把握が容易となり、オペレータは現在の負荷率がベ
スト10表示の上位入りしないように心がけて作業を行
うことになる。
【0074】また、図5のように各負荷率とともにそれ
ぞれの発生日時をも表示することにより、いつ、どこで
の作業時に記録したものかが容易に認識できるため、現
実感が高まり、それだけ過負荷抑止力が強くなる。
【0075】なお、実際の作業は、過負荷防止装置の機
能を解除した状態で行われるため、この解除信号(たと
えば解除スイッチの操作信号)をトリガとして上記した
負荷率の記録、表示を行うようにしてもよい。
【0076】第3実施形態(図6〜図9参照) 第3実施形態においては、図7に示すように、負荷率
が、過負荷に至る負荷率として予め設定した値を超えた
とき(危険信号発生時)から所定時間T′内の値だけで
なく、設定値を超える直前の所定時間T内の負荷率をも
記録し表示するように構成されている。
【0077】また、同実施形態では、図6に示すように
演算処理部2に着脱可能な可搬式記憶媒体(スマートメ
ディア、コンパクトフラッシュ、メモリスティック等の
メモリカード)が外部記憶媒体7として接続されるとと
もに、第2実施形態同様、クロック信号が入力される。
【0078】この実施形態の処理内容を図8のフローチ
ャートによって説明する。
【0079】ステップS101で、図7の危険信号発生
前の時間T秒間の一次記憶に使用されるバッファ(デー
タ記憶部3の一部)の記憶内容をクリアし、続くステッ
プS102でたとえば1秒ごとにデータ取り込み(日時
を含む)、ステップS103でこれらをバッファに記憶
する。
【0080】そして、ステップS104で危険信号の有
無を判断し、危険信号の入力が無ければステップS10
5に進む。
【0081】ステップS105ではT秒間のデータ(T
個)が格納されたかどうかを判断し、T個格納されてい
ない場合はそのままステップS102に戻り、さらにサ
ンプリングを行う。
【0082】既にT個格納されている場合は、ステップ
S105で最も古いデータを削除し、ステップS102
に戻る。ここでサンプリングされた値は最新値としてバ
ッファに記憶される。
【0083】こうして、常に最近のT個のデータが残る
ようにしている。
【0084】一方、ステップS104で危険信号の入力
があると、ステップS107で現在のバッファ内容を危
険信号入力前のデータとして他のバッファに退避させ
る。
【0085】さらに、ステップS108で危険信号が入
力された時点のデータをバッファに記憶し、ステップS
109では1秒ごとにサンプリングを行い、ステップS
110でバッファに記憶していく。
【0086】これがT′秒に達するまで繰り返され、
T′秒分のデータがバッファに格納されると、今までに
格納したデータ(T秒間データ+危険信号入力時データ
+T′秒間データ)を1ファイルとして外部記憶媒体7
に書き込む(ステップS112)。
【0087】なお、危険信号は同時に入力されることも
あるが、バッファを複数セット用意しておけば別々に上
記処理を行うことができる。また、上記説明ではT′秒
間で記録を打ち切っているが、危険信号が消滅するまで
記録を続けることもできるし、全く別の条件(電源遮
断、角度計の異常な変化等)で打ち切ることも可能であ
る。
【0088】このように、負荷率が設定値を超える直前
のデータを、設定値を超えた時点以降のデータと併せて
記録しておけば、どの程度の速度で危険状態に入った
か、どのような操作をしていて危険状態になったか等を
知ることができるため、事故発生時の原因究明をより効
率良く正確に行うことができる。また、無駄な記憶デー
タがないため、記憶容量を減らすこと、あるいは同じ記
憶容量でより詳しいデータを記録することができる。
【0089】また、負荷率データを外部記憶媒体7によ
って外部に取り出すことができるため、管理者側がこの
外部記憶媒体7の内容を取出してチェックすることで、
日々の運転状況(危険作業が無いか等)を容易に把握
し、安全管理を細かく行うことができる。
【0090】また、着脱可能な可搬式記憶媒体を外部記
憶媒体7として用いるため、外部記憶媒体7を過負荷防
止装置1から切り離し、その記憶内容(負荷率データ)
を外部のパソコン等に移し替えることができる。このた
め、内部のデータ記憶部3の記憶容量を小さくすること
ができる。
【0091】しかも、無線通信によって内部記憶データ
を外部に送る方式をとる場合と比較して、設備コスト、
ランニングコストが安くてすむ。
【0092】ところで、データ記憶部3に移動式クレー
ンの制御プログラムを記憶させている場合、特殊な仕様
を追加する際や、他のモデルに使い回す際に、プログラ
ムの書き換えが必要となる。
【0093】この場合、図9に示すようにパソコン8か
らプログラムカード9に制御プログラムを書き込み、こ
のプログラムカード9を外部記憶媒体7と差し替えて過
負荷防止装置1(演算処理部2)に接続し、制御プログ
ラムを書き換えることが可能となる。
【0094】なお、このように外部記憶媒体7とプログ
ラムカード9を別物として扱うようにすれば、これらに
識別記号を書き込んでおき、それぞれの目的に合った処
理のみを実行することが可能となり、不用意な操作によ
って誤った読み書きが行われることを防止できる。
【0095】第4実施形態(図10参照) 第4実施形態においては、複数の移動式クレーンA…の
負荷率データを、集中管理を行う管理センターBの集中
管理部10に送ると同時に他の移動式クレーン(一乃至
複数台)Aの過負荷防止装置1(負荷率管理手段)にも
送り、移動式クレーン同士で情報を共有し合って互いに
過負荷を監視し合う構成をとっている。
【0096】11は各移動式クレーンA…及び管理セン
ターBに設けられたデータ伝送手段としての送受信装
置、12…は移動式クレーン側送受信装置11のアンテ
ナ、13は管理センターBと各移動式クレーンA…との
間の無線中継を行う基地局である。
【0097】こうすれば、同一現場内に複数の移動式ク
レーンが配置されている場合に、移動式クレーン相互間
で負荷状況を客観的に判断し合って危険を知らせ合う
等、共同で安全管理を行うことができる。
【0098】また、二台の移動式クレーンで共同して玉
掛け作業を行う場合に互いの負荷状況をみて他機または
自機が危険状態とならないように制御することもでき
る。
【0099】さらに、ここでは管理センターBによる管
理を併せて行う構成をとっているが、この管理センター
Bを無くし、負荷率情報を複数台の移動式クレーン間で
のみ共有し合う分散管理方式を採用することも可能とな
る。
【0100】なお、移動式クレーンの負荷率情報を携帯
情報端末機(PHS、携帯電話、携帯端末機)で受信し
得るように構成してもよい。こうすれば、遠隔地だけで
なく、近辺の作業員や玉掛け作業時の玉掛け作業員、合
図者が情報を確認し、過負荷を監視することができる。
【0101】他の実施形態 (1)上記実施形態では、移動式クレーンに元々装備さ
れている過負荷防止装置を負荷率管理手段として併用す
る構成をとったが、この負荷率管理手段を過負荷防止装
置とは別に構成し設置してもよい。
【0102】(2)上記実施形態では、クレーンの吊り
作業時の安全に関する指標として負荷率のデータを使用
したが、これに限らず、その他安全装置(たとえば過巻
防止装置のリミットスイッチ信号、ブーム角度、ジブ角
度等の作業状態検出器)の検出信号と、その設定値とを
比較判別した結果でもよい。また、これらのデータを蓄
積してもよいことはいうまでもない。
【0103】(3)安全管理が必要とされる作業状態と
して、クレーン作業時の過負荷状態のほか、分解して搬
送された移動式クレーンを作業現場等で組立てる組立作
業時、組立後のクレーンについて吊り作業が可能な姿勢
までブームまたはジブ等を起立させる自立作業時、及び
この逆の倒伏作業時、分解作業時等があり、それぞれの
作業モードに応じた基準での安全管理を行うことができ
る。
【0104】この場合、上記組立・分解作業時において
は、複数の部位を分解・組立てる際の順番が異なると転
倒や部位の破損を招く可能性があるが、この分解・組立
を正しい順番で安全に行われているかを監視する作業情
報として、各部材に備えられている検出器の接続状況を
示す信号を用いることができる。
【0105】また、各検出器が安全管理装置と接続され
ることによる定格電流を検出し、この信号をもとに接続
手段を判別し、この検出器の信号を作業情報のデータと
して蓄積し、履歴を記録するようにしてもよい。
【0106】さらに、順次組立作業が行われ、複数のセ
ンサで検出される作業信号の組み合わせを安全基準値と
して、次の接続作業を行うための操作を行って良いか否
かが判別される。たとえば、下部走行体の組立が完了し
ているという下部走行体の部材センサの接続信号が揃わ
ない状態で上部旋回体にブームを接続するとそのセンサ
の接続状況及び作業の確認を促す表示が出力されるよう
に構成することができる。
【0107】一方、タワー仕様のブームの自立作業時に
おいては、タワーブームの起伏操作と、このタワージブ
をタワーに係合させるラッチ部材を解放するタイミング
とを管理する作業情報として用いることができる。
【0108】また、タワーブームの角度データと、タワ
ージブの角度データ、及びこのタワージブをタワーに係
合させるラッチ部材に備えられたセンサのデータをそれ
ぞれ判別し、作業情報としてその履歴を記録することが
できる。
【0109】また、図13に示すタワークレーンにおい
ては、作業中にブーム22またはジブ23を巻上過ぎる
ことによる反転事故が発生する場合がある。
【0110】さらに、ブーム自立作業時において、ブー
ム23の起立操作時にジブ起伏ロープ28に過度の張力
が作用しないように同ロープ28の巻取速度を調節する
必要があるが、この操作は熟練を要するため、ロープ張
力が過大になってジブ23が破損する場合がある。
【0111】次に、このようなタワークレーンにおける
ブーム22及びジブ23の反転事故、クレーン自立作業
時のジブ破損事故に関しての作業情報を記録する場合の
具体的な処理例を説明する。
【0112】このブーム反転、ジブ反転、ジブ破損に関
する情報記録の開始条件等の一例を次表に示す。
【0113】
【表1】
【0114】表中、「ブーム上限リミットスイッチ」と
はブーム角度が上限値90゜に達したときにオンとなる
リミットスイッチ、「ジブオフセット角度」とは対地ブ
ーム角度−対地ジブ角度、ジブ上限リミットスイッチと
はジブオフセット角度が最小値(たとえぱ13゜)に達
したときにオンとなるリミットスイッチ、「自動停止解
除スイッチ」とは、過負荷状態でクレーン動作を自動停
止させる機能を解除するスイッチ、「過負荷防止装置セ
ットエラー」とは記憶している間の過負荷防止装置の設
定状態及び過負荷防止装置接続機器の故障(エラー)状
態をそれぞれいう。
【0115】また、各記録における記録開始条件の等
で危険側操作について1秒以上の継続を条件とするの
は、短時間で危険側操作が停止した場合を排除するため
であり、ブーム反転及びジブ反転記録の開始条件として
「上限リミットスイッチオン」と「ブーム角度(ジブ角
度)」の二つを条件とするのは、片方が故障した場合を
考慮してより安全を図ったものである。
【0116】この記録作用の詳細を、ブーム反転記録の
場合を例にとって説明する。
【0117】図11のフローチャートにおいて、まず、
ステップS1でブーム反転記録を開始していないかどう
かが判断され、開始していない場合はステップS2でブ
ーム限リミットスイッチがオンまたはブーム角度が90
゜以上であるかが判断され、YESとなると、ステップ
S3でブーム反転に関する記録を開始する。
【0118】一方、ステップS1でブーム反転記録をす
でに開始していると判断されると、ステップS4で履歴
データがまだ存在していないかどうかが判断され、存在
していない場合はステップS5で危険側レバー操作が1
秒以上継続して行われたか否かが判断される。
【0119】ここでYES(行われた)となると、ステ
ップS6で履歴データ取りが開始されてステップS7
に、ステップS4及びステップS5でNOの場合は直ち
にステップS7にそれぞれ移る。
【0120】ステップS7では、ブーム上限リミットス
イッチがオフでかつブーム角度が90゜未満の状態か否
か、ステップS8ではこの状態が1秒以上継続している
かどうかがそれぞれ判断され、いずれもYESの場合に
危険操作がないとして、ステップS9でブーム反転記録
をやめる。
【0121】このステップS9の後、及びステップS
7、ステップS8でNOの場合にステップS10に移
り、過負荷防止装置の通信異常がないか否かが判断さ
れ、異常があればステップS11でブーム反転記録をや
めた後、異常がなければ直接、図12のステップS12
に移る。
【0122】ステップS12では、履歴データ取りを開
始しているか否かが判断され、YESの場合は、履歴デ
ータ取り(ステップS13)が行われ、この履歴データ
を30個取り終えた後(ステップS14でYES)、履
歴データ取りが終了してエンドとなる。
【0123】一方、ステップS12でNO(履歴データ
取りを開始していない)と判断されると、ステップS1
6で履歴データがすでに存在するのか否かが判断され、
YESで履歴データの記憶媒体への送信(ステップS1
7)、及び履歴データの初期化(ステップS18)が行
われてエンド、ステップS16でNOの場合はそのまま
エンドとなる。
【0124】このような記録を行うことにより、作業中
のブーム反転事故が起こった場合に、事故前の作業状況
を容易に把握し、事故原因の究明と対応を迅速・正確に
行うことができる。
【0125】(4)また、作業情報管理手段の中に故障
予測手段を設け、以下に述べるクレーン各部に備えられ
た機器の動作状態を検出する検出手段からの信号を作業
情報として上述と同様の構成で記録し利用することもで
きる。
【0126】たとえば、設計寿命に基づく故障予測、あ
るいはクレーンに装備されている故障診断装置による故
障信号を基に、オペレータまたは外部に向けて警告を出
力する。
【0127】前記タワークレーンにおけるブーム反転防
止用のブーム上限リミットスイッチが故障した場合を例
にとって説明すると、故障診断装置において、同スイッ
チの出力信号と既知の適正信号(または過去平均信号)
との比較によってリミットスイッチの異常が検知される
と、クレーン側の表示部(クラスタゲージや、図1等に
示す過負荷防止装置1の表示部4)に同リミットスイッ
チの異常、及び保守を要求する警告メッセージを出力す
る。
【0128】同時に、リミットスイッチの異常が検知さ
れる直前にバッファに蓄積されたブーム角度、リミット
スイッチの状態信号、ウィンチ負荷圧信号等の関連項目
の信号の記録を開始するとともに、外部(たとえば図1
0の管理センターBの集中管理部10。以下、この場合
で説明する)に異常を示す信号を送る。
【0129】このような信号を受けた集中管理部10で
は、その異常信号出力前のデータ、出力後のデータから
故障部位を推定し、その情報を機械側にフィードバック
するとともに、事例情報としてデータベース化する。
【0130】集中管理部10における故障部位の推定
は、過去の故障状況とその原因に関するデータベースに
基づく自動検索によって行われ、過去同一症状での故障
原因、対応方法を高得点順に機械側に出力する。
【0131】機械側では、図5の負荷履歴表示と同様に
高得点順に並んでこれらの情報が表示される。
【0132】なお、このリミットスイッチの信号異常の
ケースにおいて、同スイッチの信号とブーム角度の信号
が符合しない場合にブーム角度計またはリミットスイッ
チのいずれかが故障していると推定することが可能であ
る。
【0133】一方、他の故障に関して次のような処理を
行うことができる。
【0134】(イ)過負荷防止装置1の警告ランプのよ
うな重要な表示機器については、使用されるランプの継
続使用時間とメーカー推奨使用時間とを比較し、これら
が一致したときに交換を促す警告メッセージを表示部4
に表示するととともに外部に出力する。
【0135】(ロ)パワーライン系については、作動
油、作動油フィルタ、エアクリーナー等の消耗品の使用
時間、冷却水、油の出入り口温度差(冷却効率)を検出
し、これを設定値と比較して、その差が一定範囲内に近
づいたときに警告信号を機械側及び外部に出力する。
【0136】また、作動油について、その透明度(汚濁
度)をタンクその他に設けた光学センサで検出し、これ
が適正値を超えたときに交換を促すための警告信号を出
力する。あるいは、作動油の汚濁が異常に早い場合は、
減速機やポンプ等の機器類の異常損耗の可能性を推定
し、これを警告する。さらに、作動油の交換が行われた
か否か、作動油の残量を検出し、作動油交換の再警告、
補充の警告信号を出力する。
【0137】一方、フィルタの目詰まりや、冷却水、作
動油の温度を検出して異常発生時に警告信号を出力す
る。また、油圧ポンプ、油圧モータの入口出口の差圧を
検出してアクチュエータの効率(損失効率等)を演算で
求め、これを状態信号として記録するとともに、適正値
から外れたときに警告信号を出力する。
【0138】(ハ)動力・駆動系(油圧ポンプ、油圧ア
クチュエータ)について、機器の振動を検出し、状態信
号として記録するとともに、適正値から外れたときに警
告信号を出力し、保守を促す。
【0139】(ニ)機械駆動部(減速機、アタッチメン
ト、アウトリガ)について、駆動部のアクチュエータの
損失トルクを検出し、これが適正範囲から外れたときに
グリース給脂を促し、あるいは破損を警告する信号を出
力する。
【0140】(ホ)作業系設備(ブーム、ジブ、ウィン
チドラム)について、過負荷防止装置で検出される過負
荷率×時間で疲労状況を測定し、その値が設定値を超え
たときに警告信号を出力する。あるいは、荷重集中部に
応力ゲージを設置して直接応力値を検出し、この応力値
×時間で疲労状況を割り出して適宜警告信号を出力する
ようにしてもよい。
【0141】(ヘ)ロープ系(ロープ、シーブ)につい
て、過負荷防止装置あるいはシーブ軸に設置した荷重計
で荷重を検出し、この荷重と荷重が作用する時間とから
疲労、消耗の度合いを割り出し、これが設定値(解析結
果やベンチテスト、試作試験等の設計時試算情報から決
定される)を超えたときに、交換を促すための警告信号
を出力する。
【0142】あるいは、外的な検出方法として、ロープ
の外形(ロープ径を含む外観形状)を光学センサで検出
し、このロープ外形が基準範囲を超える場合に異常とし
て警告信号を出力する。
【0143】(5)データ伝送手段として、作業情報管
理手段と、オペレータが所持する携帯電話とを無線また
は有線で接続し、携帯電話から公衆通信網を通じて外部
に出力する構成をとってもよいし、作業情報をMO、M
D、メモリスティック、コンパクトフラッシュ等の分離
可能な可搬記憶媒体(汎用リムーバブルメディア)に取
り出し、これを管理者側に入力して管理するようにして
もよい。
【0144】上記のように作業情報管理手段と携帯電話
を有線で接続し、携帯電話を外部へのデータ伝送手段と
して利用する構成をとると、クレーン側にアンテナや通
信機器を設ける必要がないため、機器構成を簡略化でき
るとともに、機器コスト、通信費用を安くすることがで
きる。
【0145】
【発明の効果】上記のように本発明によるときは、検出
される作業情報と設定値とに基づいて検出時の作業状態
を判別するとともに、作業情報のデータを蓄積して得ら
れる履歴を記録するため、作業状況の把握、管理及び過
負荷その他の判断を容易に、しかも正確に行うことがで
きる。
【0146】このため、過負荷防止に役立つとともに、
事故発生時の原因究明、対応が容易となる。
【0147】とくに請求項2の発明によると、判別結果
と記録内容を表示するため、管理及び判断を、この表示
内容を見ながら一層容易かつ正確に行うことができる。
【0148】請求項3の発明によると、負荷率管理手段
によって過去の負荷率データの蓄積による負荷率の履歴
を記録し、かつ、表示し得るため、この負荷率履歴をオ
ペレータによる過負荷判断の指標または参考として、正
確に効率良く過負荷判断を行い、作業の安全性を向上さ
せることができる。
【0149】一方、管理者側では、負荷率の履歴を見る
ことで、日頃の作業の内容や傾向(過負荷傾向か否か)
を確認し、高負荷率が続く場合には警告する等、作業の
安全を促すことができるし、事故が発生した場合に過負
荷によるものかどうかの究明が容易となる。
【0150】また、請求項4,5の発明によると、負荷
率が設定値を超える場合、つまり過負荷防止に必要な高
負荷率の履歴のみを選別して記録するため、過負荷判断
及び事故発生時の原因究明をより効率良く行うことがで
きる。とくに請求項5の発明によると、設定値を超える
直前の負荷率をも記録するため、負荷率の推移が明らか
となって過負荷判断、事故原因の究明がより簡単とな
る。
【0151】請求項6〜8の発明によると、負荷率を、
予め定めた基準(請求項7では負荷率の大きい順、請求
項8ではさらにそのうちの複数順位のみ)で順番に並べ
て記録するため、負荷率の整理、把握が容易で過負荷管
理がより効率良く行われる。
【0152】請求項9の構成によると、過去の負荷率の
うち最大のものを常に記録するため、オペレータはこの
最大負荷率を明確な指標としてこれを超えないように操
作することにより、作業の安全を図ることができる。
【0153】請求項10の発明によると、負荷率が一旦
設定値を超えた後、設定値内に戻るまでを一単位として
複数単位ごとに負荷率の最大値を記録し表示するため、
とくに管理者側において、一つのデータだけでなく、過
去作業した中での複数の最大値を把握することで、オペ
レータの作業に対する評価がし易くなるとともに、事故
原因の究明時に、偶発的な事故か常習的な危険操作によ
るものかの判断が容易となる。
【0154】請求項11の発明によると、記録される各
負荷率とともにそのときの作業状態(たとえばブーム角
度が何度か)を記録し表示するため、オペレータ及び管
理者双方が過負荷原因を判断し易くなる。
【0155】請求項12の発明によると、負荷率データ
とともにこの負荷率の発生日時を記録するため、いつど
こでの負荷率かが後日認識し易く、過負荷管理に便利と
なる。
【0156】請求項13の発明によると、記録した負荷
率の履歴をデータ伝送手段によって外部に出力し得るた
め、管理センター等の第三者による過負荷管理が容易と
なる。また、負荷率履歴を管理者側が見易いように並べ
替えたりグラフ表示したりする等、自由にアレンジでき
るとともに、複数の移動式クレーンからデータを収集し
てデータベース化することもできる。
【0157】請求項14の発明によると、同一現場に複
数の移動式クレーンが配置されている場合に、移動式ク
レーンのオペレータが、同時に他の移動式クレーンの管
理者となり、移動式クレーン同士で過負荷を監視し合う
ことが可能となる。
【0158】また、二台の移動式クレーンで共同して玉
掛け作業を行う場合に、互いの負荷状況をみて他機また
は自機が過負荷状態とならないように操作することもで
きる。さらに、負荷情報を移動式クレーン間で共有し合
う分散管理方式をとることで、集中管理を行う管理セン
ターが不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すブロック構成図で
ある。
【図2】同実施形態における情報処理の流れを説明する
ためのフローチャートである。
【図3】同実施形態における表示部の表示内容を示す図
である。
【図4】本発明の第2実施形態における情報処理の流れ
を説明するためのフローチャートである。
【図5】同実施形態における表示部の表示内容を示す図
である。
【図6】本発明の第3実施形態を示すブロック構成図で
ある。
【図7】同実施形態における処理の概念を示す図であ
る。
【図8】同実施形態における情報処理の流れを説明する
ためのフローチャートである。
【図9】同実施形態において移動式クレーンの制御プロ
グラムを書き替える場合のブロック構成図である。
【図10】本発明の第4実施形態を示すブロック構成図
である。
【図11】本発明の他の実施形態における情報処理の流
れを示すフローチャートである。
【図12】図11のフローチャートの続きのフローチャ
ートである。
【図13】本発明の適用対象例であるタワー移動式クレ
ーンの概略側面図である。
【符号の説明】
1 過負荷防止装置(負荷率管理手段) 2 演算処理部 3 負荷率の履歴を記録するデータ記憶部 4 負荷率の履歴を表示する表示部 7 データ伝送手段としての外部記憶媒体 11 データ伝送手段としての送受信装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石原 英明 兵庫県明石市大久保町八木740番地 コベ ルコ建機株式会社大久保工場内 Fターム(参考) 3F205 AA05 HA10 HB10 HC10

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クレーンの複数個所に配設されて各部の
    状態を検出する作業情報検出手段と、この作業情報検出
    手段によって検出される作業情報が入力される作業情報
    管理手段とを具備し、この作業情報管理手段は、上記作
    業情報と設定値とに基づいて検出時の作業状態を判別す
    るとともに、上記作業情報のデータを蓄積して得られる
    履歴を記録するように構成されたことを特徴とする移動
    式クレーンの安全管理装置。
  2. 【請求項2】 作業情報管理手段による判別結果と記録
    内容とを表示する表示手段を具備したことを特徴とする
    請求項1記載の移動式クレーンの安全管理装置。
  3. 【請求項3】 作業情報管理手段は、負荷率管理手段と
    して、作業情報に基づいて負荷率を演算するとともに、
    この演算された負荷率のデータを蓄積して得られる負荷
    率の履歴を記憶するように構成されたことを特徴とする
    請求項1または2記載の移動式クレーンの安全管理装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の移動式クレーンの安全管
    理装置において、負荷率管理手段は、負荷率が設定値を
    超える状態となったときのみに負荷率をデータとして記
    録するように構成されたことを特徴とする移動式クレー
    ンの安全管理装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の移動式クレーンの安全管
    理装置において、負荷率管理手段は、設定値を超えたと
    きの負荷率と、この設定値を超える直前の、予め設定さ
    れた時間内の負荷率をデータとして記録するように構成
    されたことを特徴とする移動式クレーンの安全管理装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項3乃至5のいずれかに記載の移動
    式クレーンの安全理装置において、負荷率管理手段は、
    負荷率のデータを、予め定められた基準で順番に並べて
    記録するように構成されたことを特徴とする移動式クレ
    ーンの安全管理装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の移動式クレーンの安全管
    理装置において、負荷率管理手段は、負荷率のデータ
    を、負荷率の大きい順に並べてかつ最新の順位に更新し
    ながら記録するように構成されたことを特徴とする移動
    式クレーンの安全管理装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の移動式クレーンの安全管
    理装置において、負荷率管理手段は、負荷率の大きいも
    のから複数の順位に限って記録するように構成されたこ
    とを特徴とする移動式クレーンの安全管理装置。
  9. 【請求項9】 請求項3乃至8のいずれかに記載の移動
    式クレーンの安全管理装置において、負荷率管理手段
    は、過去の負荷率のうち最大のものをデータとして常に
    記録するように構成されたことを特徴とする移動式クレ
    ーンの安全管理装置。
  10. 【請求項10】 請求項3乃至9のいずれかに記載の移
    動式クレーンの安全管理装置において、負荷率管理手段
    は、負荷率が設定値を超えて再び設定値を下回るまでを
    一単位として、複数単位ごとに負荷率の最大値をデータ
    として記録するように構成されたことを特徴とする移動
    式クレーンの安全管理装置。
  11. 【請求項11】 請求項3乃至10のいずれかに記載の
    移動式クレーンの安全管理装置において、負荷率管理手
    段は、作業情報検出手段によって検出される作業情報に
    基づき、記録される各負荷率ごとの作業状態を負荷率の
    データとともに記録するように構成されたことを特徴と
    する移動式クレーンの安全管理装置。
  12. 【請求項12】 請求項3乃至11のいずれかに記載の
    移動式クレーンの安全管理装置において、負荷率管理手
    段は、負荷率のデータとともに、この負荷率の発生日時
    を記録するように構成されたことを特徴とする移動式ク
    レーンの安全管理装置。
  13. 【請求項13】 請求項3乃至12のいずれかに記載の
    移動式クレーンの安全管理装置において、負荷率管理手
    段は、記録した負荷率の履歴をデータ伝送手段によって
    外部に出力し得るように構成されたことを特徴とする移
    動式クレーンの安全管理装置。
  14. 【請求項14】 請求項3乃至13のいずれかに記載の
    移動式クレーンの安全管理装置において、負荷率管理手
    段は、データ伝送手段により、他の移動式クレーンの負
    荷率情報を取り込んで記録するように構成されたことを
    特徴とする移動式クレーンの安全管理装置。
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