JP2002326317A - 衛生用品用裏面シート - Google Patents

衛生用品用裏面シート

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JP2002326317A
JP2002326317A JP2001157575A JP2001157575A JP2002326317A JP 2002326317 A JP2002326317 A JP 2002326317A JP 2001157575 A JP2001157575 A JP 2001157575A JP 2001157575 A JP2001157575 A JP 2001157575A JP 2002326317 A JP2002326317 A JP 2002326317A
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water
layer
back sheet
resin
sanitary
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JP2001157575A
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English (en)
Inventor
Takahiro Shigemitsu
貴裕 重光
Hiroaki Nakagawa
弘章 中川
Akiyo Hashimoto
陽世 橋本
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた水解性及び防漏性を有するとともに、
トイレに流した場合でも、水中でゼリー状の塊になるこ
とがなく、速やかに水解し、さらに浄化槽への負荷が少
ない衛生用品を得るに適する衛生用品用裏面シートを提
供する。又、上記優れた諸特性に加うるに、衛生用品使
用時などに裏面シートの層間の剥離が生じ難く、装着感
に優れる衛生用品を得るに適する衛生用品用裏面シート
を提供する。 【解決手段】 体液吸収性部材が、体液透過性の表面シ
ートと体液不透過性の裏面シートとで挟持されるととも
に包囲され、かつ、裏面シートの体液吸収性部材側とは
反対の面に粘着剤層が形成されてなる衛生用品に使用さ
れる裏面シートであって、体液不透過性の水溶性樹脂か
らなる目止め層の一面に水解性基材が積層一体化され、
他面に環境分解性樹脂層が積層一体化されてなることを
特徴とする衛生用品用裏面シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衛生用品に使用さ
れる裏面シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、生理用ナプキン、オリモノ吸収シ
ート等の衛生用品は、一般に、体液吸収性部材が、体液
透過性の表面シート及び体液不透過性の裏面シートとで
挟持されるとともに包囲され、その裏面シートの外面
に、衛生用品を下着に固定するための粘着剤層が形成さ
れてなる。図3は従来の衛生用品を模式的に示した一部
切欠斜視図であり、図4は図3のA−A線での断面図で
ある。図3及び図4において、符号3は衛生用品であ
り、体液透過性の表面シート31、体液吸収性部材3
2、体液不透過性の裏面シート33及び粘着剤層34が
該順に積層されてなり、粘着剤層34には離型紙35が
仮固定されている。
【0003】上記衛生用品は使用後に廃棄されるが、従
来は、全体として非水解性の部材を含むことが多く、特
に、防漏性が必要とされる裏面シートには非水解性の部
材が使用されることが多く、トイレに流した場合に配管
詰まりが生じるといった問題点があった。
【0004】上記問題点を解決する方法として、例え
ば、特開平5−161672号公報には、全体として水
解性を有し、トイレに流した場合でも水解され、配管詰
まりが生じ難い衛生用品が開示されている。
【0005】しかしながら、上記公報に開示されている
衛生用品は、その裏面シートとして、フッ素系樹脂、シ
リコーン系樹脂、ジメチルシリコーン系樹脂等の非水溶
性材料からなる撥水剤により撥水処理した水解紙を使用
しており、十分な水解性が得られる範囲では、防漏性が
不十分となり易く、水解性と防漏性との両立が難しいと
いった問題点があった。
【0006】又、上記公報に記載の衛生用品は、トイレ
に流した際、その表面シートとして使用されている撥水
処理した樹脂シートが水中でゼリー状の塊になり易く、
浄化槽の負荷が高くなるといった問題点もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点に鑑み、優れた水解性及び防漏性を有するととも
に、トイレに流した場合でも、水中でゼリー状の塊にな
ることがなく、速やかに水解し、さらに浄化槽への負荷
が少ない衛生用品を得るに適する衛生用品用裏面シート
を提供することにある。又、本発明の他の目的は、上記
優れた諸特性に加うるに、衛生用品使用時などに裏面シ
ートの層間の剥離が生じ難く、装着感に優れる衛生用品
を得るに適する衛生用品用裏面シートを提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の衛生用品用裏面
シート(以下、単に「裏面シート」と略記する)は、体
液吸収性部材が、体液透過性の表面シートと体液不透過
性の裏面シートとで挟持されるとともに包囲され、か
つ、裏面シートの体液吸収性部材側とは反対の面に粘着
剤層が形成されてなる衛生用品に使用されるものであ
り、体液不透過性の水溶性樹脂からなる目止め層の一面
に水解性基材が積層一体化され、他面に環境分解性樹脂
層が積層一体化されてなることを特徴とする。
【0009】又、本発明の裏面シートにおいては、さら
に上記水解性基材側に、水溶性樹脂層が積層一体化され
てなることが好ましい。
【0010】図1は、本発明の裏面シートの断面模式図
であり、裏面シート1は、目止め層11の一面に水解性
基材12が積層一体化され、他面に環境分解性樹脂層1
3が積層一体化されてなる。
【0011】本発明で使用される目止め層を構成する水
溶性樹脂としては、層状とした際に体液不透過性を有す
るものであれば如何なる水溶性樹脂であっても良く、特
に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアル
コール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリエ
チレンオキシド、ビニールエーテル系ポリマー等や、こ
れらの変性体等が挙げられ、中でもポリビニルアルコー
ル又はその変性体が好適に用いられる。これらの水溶性
樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用
されても良い。
【0012】上記ポリビニルアルコールの変性体として
は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニ
ルアルコールにエチレンオキシドを付加させたもの、エ
チレン含有量が50モル%未満のエチレン−ビニルアル
コール共重合体等が挙げられる。これらのポリビニルア
ルコールの変性体は、単独で用いられても良いし、2種
類以上が併用されても良い。
【0013】上記エチレン−ビニルアルコール共重合体
のエチレン含有量は、特に限定されるものではないが、
少なくなると得られる裏面シートの耐水性が低下して防
漏性が低下し、多くなると得られる裏面シートの水解性
が低下するので、3〜40モル%であることが好まし
い。
【0014】上記目止め層の坪量は、特に限定されるも
のではないが、小さくなると成膜が困難になり、大きく
なると得られる裏面シートの腰が強くなりすぎ、衛生用
品とした際の装着感が低下するので、例えば、水溶性樹
脂としてポリビニルアルコール又はその変性体を使用す
る場合では、5〜100g/m2 であることが好まし
く、より好ましくは10〜40g/m2 である
【0015】本発明で使用される水解性基材としては、
水解性を有するシート(フィルムも包含する)状のもの
であれば如何なる基材であっても良く、特に限定される
ものではないが、例えば、水中において繊維同士の絡み
合いが解けて繊維が互いに分離した状態となる水解性繊
維からなる繊維体等が挙げられ、中でも水解性繊維から
なる不織布が好適に用いられる。これらの水解性基材
は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用され
ても良い。
【0016】上記水解性繊維としては、特に限定される
ものではないが、例えば、パルプ、レーヨン、キュプ
ラ、綿、麻、羊毛、絹等が挙げられ、中でもパルプが好
適に用いられる。これらの水解性繊維は、単独で用いら
れても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0017】又、上記水解性繊維は、水溶性バインダー
により互いに結着されていても良い。上記水溶性バイン
ダーとしては、特に限定されるものではないが、例え
ば、ポリビニルアルコール、メチルセルロースやヒドロ
キシエチルセルロースなどのセルロース系樹脂、澱粉、
アルギン酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリ
ル酸エステル等が挙げられる。これらの水溶性バインダ
ーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用さ
れても良い。
【0018】又、上記不織布以外に、合成樹脂からなる
短繊維が水溶性バインダーにより互いに結着されてなる
シートなどでも、水解性を有していれば使用できる。上
記合成樹脂としては、特に限定されるものではないが、
例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられ
る。これらの合成樹脂は、単独で用いられても良いし、
2種類以上が併用されても良い。又、水溶性バインダー
としては、上記不織布に用いられるものと同様の各種水
溶性バインダーが挙げられる。これらの水溶性バインダ
ーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用さ
れても良い。
【0019】上記水解性基材の坪量は、特に限定される
ものではないが、少なくなると強度が低下し、加工がし
難くなり、多くなると得られる裏面シートの水解性が低
下するので、10〜100g/m2 であることが好まし
い。
【0020】本発明で使用される環境分解性樹脂層を構
成する環境分解性樹脂としては、光、熱、水分、微生物
等の存在下、自然環境中で分解し得るものであり、層状
とした際には非水溶性又は難水溶性を有し、得られる裏
面シートをトイレに流した際には、浄化槽内で分解され
得るものであれば如何なる樹脂であっても良く、特に限
定されるものではないが、例えば、浄化槽内の微生物等
により分解され得る生分解性樹脂や浄化槽内の多量の水
により分解され得る加水分解性樹脂等が挙げられ、好適
に用いられる。これらの環境分解性樹脂は、単独で用い
られても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0021】上記環境分解性樹脂の分解速度は、特には
限定されるものではなく、浄化槽への負荷が大きくなら
ない程度であれば良い。環境分解性樹脂層は、得られる
裏面シートの目止め層が、衛生用品使用時に体液や汗等
で膨潤又は水溶するのを防止し、又、衛生用品を使用後
に下着などから引き剥がす際の目止め層の凝集破壊を防
止するものであり、複数層積層されていても良い。
【0022】上記環境分解性樹脂の具体例としては、特
に限定されるものではないが、例えば、エチルセルロー
ス、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸セルロース
などのセルロース系樹脂や、熱可塑性ポリウレタン系樹
脂、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバレレ
ート、ポリヒドロキシブチレートとポリヒドロキシバレ
レートとの共重合体、澱粉、キトサン、ポリカプロラク
トン、ポリブチレンサクシネート又はその変性体、ポリ
エチレンサクシネート又はその変性体、ポリ乳酸、芳香
族ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリエステル系樹脂等が
挙げられ、中でも、分解性、非水溶性又は難水溶性等に
優れ、得られる裏面シートをトイレに流しても浄化槽へ
の負荷が小さく、又、衛生用品使用時に目止め層の膨潤
又は水溶を効果的に防止でき、衛生用品を使用後に下着
などから引き剥がす際の目止め層の凝集破壊を効果的に
防止できることから、セルロース系樹脂及び熱可塑性ポ
リウレタン系樹脂が好適に用いられる。又、上記セルロ
ース系樹脂の中でも、エチルセルロースが好適に用いら
れる。これらの環境分解性樹脂は、単独で用いられても
良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0023】上記環境分解性樹脂層には、衛生用品使用
時に、曲げ、剪断、伸び等の外力が加わるため、柔軟性
が必要とされることが多いので、環境分解性樹脂に可塑
剤を添加することが好ましい。
【0024】上記可塑剤としては、特に限定されるもの
ではないが、例えば、植物油、動物油、エステル系化合
物、アミド系化合物、鉱物油、脂肪酸、脂肪族アルコー
ル等が挙げられる。これらの可塑剤は、単独で用いられ
ても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0025】上記植物油としては、特に限定されるもの
ではないが、例えば、ひまし油、大豆油、ヤシ油、亜麻
仁油、綿実油、菜種油、キリ油等が挙げられる。これら
の植物油は、単独で用いられても良いし、2種類以上が
併用されても良い。
【0026】又、上記動物油としては、特に限定される
ものではないが、例えば、牛脂、スクワラン、ラノリン
等が挙げられる。これらの動物油は、単独で用いられて
も良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0027】又、上記エステル系化合物としては、特に
限定されるものではないが、例えば、リン酸トリエチ
ル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェ
ニル、リン酸トリクレシルなどのリン酸エステル、フタ
ル酸ブチルメチル、フタル酸ブチルシクロヘキシル、フ
タル酸ジアミル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジフェニ
ルなどのフタル酸エステル、オレイン酸ブチル、アジピ
ン酸ジイソオクチル、トリエチレングリコールジ−2−
エチルブチラート、ブチルフタリルブチルグリコレート
等が挙げられる。これらのエステル系化合物は、単独で
用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0028】さらに、上記アミド系化合物としては、特
に限定されるものではないが、例えば、p−トルエンス
ルホン酸アミド、エチル−p−トルエンスルホン酸アミ
ド等が挙げられる。これらのアミド系化合物は、単独で
用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0029】上記可塑剤の添加量は、必要に応じて適宜
調整されれば良く、特に限定されるものではないが、少
なくなると十分な可塑化効果を得られず、多くなると環
境分解性樹脂層の強度が低下したり、可塑剤がブリード
アウトし易くなるので、環境分解性樹脂100重量部に
対し、可塑剤0.1〜70重量部であることが好まし
く、より好ましくは1〜60重量部である。
【0030】又、必要に応じて、可塑剤の添加量が異な
る環境分解性樹脂層を複数層積層しても良い。例えば、
後述するように、得られる裏面シートの環境分解性樹脂
層は衛生用品の粘着剤層側に配置されるのが好ましい
が、粘着剤塗工の際、粘着剤層側に可塑剤がブリードア
ウトすると、粘着剤の塗工が困難になるので、環境分解
性樹脂層を複数層とし、粘着剤層と接する最外の環境分
解性樹脂層の可塑剤量を、その他の環境分解性樹脂層の
可塑剤量よりも少なくすることが好ましい。
【0031】上記環境分解性樹脂層の坪量は、特に限定
されるものではないが、小さくなると得られる裏面シー
トの強度が低下し、衛生用品使用時に体の動きにより破
れ易くなり、大きくなると得られる裏面シートの水解性
が低下し、トイレに流した際、浄化槽に到達する前に配
管に詰まり易くなるので、例えば、環境分解性樹脂とし
てエチルセルロースなどのセルロース系樹脂や熱可塑性
ポリウレタン系樹脂を使用する場合では、0.1〜50
g/m2 であることが好ましく、より好ましくは0.5
〜20g/m2 である。
【0032】本発明の裏面シートは、さらに前記水解性
基材側に、水溶性樹脂層が積層一体化されてなることが
好ましい。
【0033】上記水溶性樹脂層を構成する水溶性樹脂と
しては、水溶性を有するものであれば如何なる樹脂であ
っても良く、特に限定されるものではないが、例えば、
ポリビニルアルコール、セルロース系樹脂、澱粉、アル
ギン酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸
エステル等が挙げられ、中でもセルロース系樹脂が好適
に用いられる。これらの水溶性樹脂は、単独で用いられ
ても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0034】上記セルロース系樹脂としては、水溶性を
有するものであれば如何なるセルロース系樹脂であって
も良く、特に限定されるものではないが、例えば、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウ
ム塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等
が挙げられ、中でもメチルセルロースやヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースが好適に用いられる。これらのセ
ルロース系樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類
以上が併用されても良い。
【0035】上記水溶性樹脂層の坪量は、特に限定され
るものではないが、小さくなると当該水溶性樹脂の有す
る保湿効果を十分に得られないため、裏面シートの柔軟
性が十分に向上せず、大きくなると裏面シートの水解性
が低下したり、浄化槽の負荷が大きくなるので、0.0
5〜20g/m2 であることが好ましく、より好ましく
は0.1〜15g/m2 である。
【0036】本発明の裏面シートにおいては、前記目止
め層と前記環境分解性樹脂層とが、アンカーコート剤か
らなるアンカーコート層を介して積層一体化されている
ことが好ましい。上記アンカーコート層を介在させるこ
とにより、目止め層と環境分解性樹脂層との層間接着強
度が向上し、衛生用品の使用条件にかかわらず、目止め
層および環境分解性樹脂層の層間剥離が生じ難くなり、
又、得られる裏面シートの防湿性が向上する。
【0037】図2は、本発明の裏面シートの他の実施例
の断面模式図であり、裏面シート2は目止め層11の一
面に水解性基材12が積層一体化され、他面に環境分解
性樹脂層13が、アンカーコート層21を介して積層一
体化されてなる。
【0038】上記アンカーコート層を構成するアンカー
コート剤としては、特に限定されるものではないが、例
えば、ポリイソシアネート系樹脂、ポリエチレンイミン
系樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリ
アクリルアミン系樹脂、オキサゾリン系樹脂、アルキル
チタネート系樹脂等が挙げられ、中でも、目止め層を構
成する水溶性樹脂との接着性が良く、得られる裏面シー
トの耐水性を向上させる効果が大きいことから、ポリイ
ソシアネート系樹脂が好適に用いられる。これらのアン
カーコート剤は、単独で用いられても良いし、2種類以
上が併用されても良い。
【0039】上記アンカーコート層の坪量は、特に限定
されるものではないが、小さくなるとアンカーコート層
を介在させることによる上記効果を十分に得られず、大
きくなると得られる裏面シートの水解性が低下し、又、
浄化槽の負荷が大きくなるので、0.01〜20g/m
2 であることが好ましく、より好ましくは0.05〜1
0g/m2 である。
【0040】上記アンカーコート層は、前記環境分解性
樹脂層が複数層の場合、環境分解性樹脂層間に介在させ
ても良い。前記可塑剤の含有量が異なる複数の環境分解
性樹脂層の間にアンカーコート層を形成することによ
り、環境分解性樹脂層間の可塑剤の移行を防止すること
ができる。
【0041】本発明の裏面シートの製造方法は、特に限
定されるものではなく、従来公知の任意の方法が採用さ
れて良い。例えば、水解性基材の一面に水溶性樹脂を積
層一体化して目止め層を形成した後、該目止め層に環境
分解性樹脂を、必要に応じてアンカーコート層を介在さ
せて、積層一体化して環境分解性樹脂層を形成し、さら
に好ましくは、水解性基材側に水溶性樹脂を積層一体化
して水溶性樹脂層を形成する方法が挙げられる。
【0042】上記水解性基材と目止め層とを積層一体化
する方法としては、特に限定されるものではないが、例
えば、水解性基材の一面に目止め層を構成する水溶性樹
脂を押出ラミネートする方法、目止め層を構成する水溶
性樹脂をフィルム状に成形し、該フィルム状水溶性樹脂
を水解性基材の一面に接着剤により部分的もしくは全面
的に接着する方法等が挙げられ、中でも、層間接着強度
に優れ、工程も簡易であることから、押出ラミネートに
よる方法が好適に採用される。又、押出ラミネート法で
積層一体化することにより、水解性基材と目止め層とが
全面にわたって一体化されるので、得られる衛生用品を
トイレに流した際、水中で分散し易い水解性基材の分散
力が、目止め層及び環境分解性樹脂層の水分散を促進
し、衛生用品全体が速やかに水分散され易くなる利点も
ある。
【0043】上記目止め層と環境分解性樹脂層とを積層
一体化する方法としては、特に限定されるものではない
が、例えば、目止め層面に環境分解性樹脂を塗布する方
法、環境分解性樹脂をフィルム状に成形し、該フィルム
状環境分解性樹脂を目止め層面に接着剤により部分的も
しくは全面的に接着する方法等が挙げられ、中でも塗布
による方法が好適に採用される。上記塗布の方法として
は、特に限定されるものではないが、例えば、グラビア
ロール法、リバースロール法、トランスファーロール
法、キスロール法、キャスト法、スプレー法、カーテン
法、カレンダー法、エアドクター法、ブレード法、ロッ
ド法、ナイフ法、スクイズ法等が挙げられる。
【0044】又、上記目止め層と環境分解性樹脂層との
間にアンカーコート層を介在させて積層一体化する方法
としては、特に限定されるものではないが、例えば、目
止め層にアンカーコート剤を塗布してアンカーコート層
を形成した後、該アンカーコート層に環境分解性樹脂を
塗布する方法が挙げられる。上記塗布の方法としては、
特に限定されるものではないが、例えば、グラビアロー
ル法、リバースロール法、トランスファーロール法、キ
スロール法、キャスト法、スプレー法、カーテン法、カ
レンダー法、エアドクター法、ブレード法、ロッド法、
ナイフ法、スクイズ法等が挙げられる。
【0045】さらに、水解性基材側に水溶性樹脂層を積
層一体化する方法としては、特に限定されるものではな
いが、例えば、水解性基材の目止め層側とは反対の面に
水溶性樹脂を塗布する方法が挙げられる。上記塗布の方
法としては、特に限定されるものではないが、例えば、
グラビアロール法、リバースロール法、トランスファー
ロール法、キスロール法、キャスト法、スプレー法、カ
ーテン法、カレンダー法、エアドクター法、ブレード
法、ロッド法、ナイフ法、スクイズ法等が挙げられる。
【0046】上記水溶性樹脂の塗布パターンは、特に限
定されるものではなく、例えば、各々独立した塗布部分
が複数存在する不連続パターンや、塗布部分が広い範囲
にわたって繋がっている連続パターン等の如何なる塗布
パターンであっても良い。
【0047】こうして得られる本発明の裏面シートは、
図3及び図4で言う衛生用品3の裏面シート33として
用いられる。即ち、上記裏面シート33と体液透過性の
表面シート31とで、体液吸収性部材32が挟持される
とともに包囲され、かつ、裏面シート33の体液吸収性
部材32側とは反対の面に粘着剤層34が形成され、衛
生用品3とされる。
【0048】上記裏面シートは、水解性基材(水溶性樹
脂層が積層一体化された水解性基材も包含する)が体液
吸収性部材側とされ、環境分解性樹脂層が粘着剤層側と
されるのが好ましい。水解性基材が粘着剤層側とされる
と、衛生用品を使用している間に水解性基材が汗や湿気
等を吸収し、そのため水解性基材の強度が低下し、使用
後に衛生用品を下着などから引き剥がす際に、水解性基
材の強度が粘着剤層と下着との粘着強度よりも弱くなっ
て、水解性基材が材料破壊し、粘着剤層が材料破壊した
若干の水解性基材とともに下着に残る現象、いわゆる糊
残り現象が発生し易くなる。環境分解性樹脂層を粘着剤
層側とすることにより、このような糊残り現象の発生を
防止することができる。
【0049】又、体液吸収性部材のズレを防ぐために、
裏面シートの水解性基材面には例えばマット加工などに
よる凹凸加工が施されていても良い。
【0050】衛生用品を構成する表面シートは、水解性
及び体液透過性を有するシート状のものであれば如何な
るものであっても良く、特に限定されるものではない
が、例えば、水中において繊維同士の絡み合いが解けて
繊維が互いに分離した状態となる水解性繊維からなる繊
維体等が挙げられ、中でも水解性繊維からなる不織布が
好適に用いられる。これらの表面シートは、単独で用い
られても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0051】上記水解性繊維としては、特に限定される
ものではないが、例えば、パルプ、レーヨン、キュプ
ラ、綿、麻、羊毛、絹等が挙げられ、中でもパルプが好
適に用いられる。これらの水解性繊維は、単独で用いら
れても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0052】又、上記水解性繊維は、水溶性バインダー
により互いに結着されていても良い。上記水溶性バイン
ダーとしては、特に限定されるものではないが、例え
ば、ポリビニルアルコール、メチルセルロースやヒドロ
キシエチルセルロースなどのセルロース系樹脂、澱粉、
アルギン酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリ
ル酸エステル等が挙げられる。これらの水溶性バインダ
ーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用さ
れても良い。
【0053】上記表面シートの坪量は、特に限定される
ものではないが、少なくなると強度が低下し、得られる
衛生用品を使用している際に破れ易くなり、多くなると
得られる衛生用品の装着感が低下するので、10〜10
0g/m2 であることが好ましい。
【0054】衛生用品を構成する体液吸収性部材は、水
解性及び体液吸収性を有するものであれば如何なる部材
であっても良く、特に限定されるものではないが、例え
ば、水中において繊維同士の絡み合いが解けて繊維が互
いに分離した状態となる水解性繊維からなる繊維体など
が挙げられ、中でも水解性繊維からなる不織布が好適に
用いられる。これらの体液吸収性部材は、単独で用いら
れても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0055】上記水解性繊維としては、特に限定される
ものではないが、例えば、パルプ、レーヨン、キュプ
ラ、綿、麻、羊毛、絹等が挙げられ、中でもパルプが好
適に用いられる。これらの水解性繊維は、単独で用いら
れても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0056】又、上記水解性繊維は、水溶性バインダー
により互いに結着されていても良い。上記水溶性バイン
ダーとしては、特に限定されるものではないが、例え
ば、ポリビニルアルコール、メチルセルロースやヒドロ
キシエチルセルロースなどのセルロース系樹脂、澱粉、
アルギン酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリ
ル酸エステル等が挙げられる。これらの水溶性バインダ
ーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用さ
れても良い。
【0057】上記体液吸収性部材の坪量は、特に限定さ
れるものではないが、少なくなると得られる衛生用品の
体液吸収性が低下し、多くなると得られる衛生用品の腰
が強くなり過ぎ、装着感が低下するので、15〜100
g/m2 であることが好ましい。
【0058】衛生用品を構成する粘着剤層を形成するた
めに使用される粘着剤としては、従来公知の任意の粘着
剤で良く、特に限定されるものではないが、例えば、ゴ
ム(エラストマー)系粘着剤、アクリル系粘着剤、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体系粘着剤、ポリビニルエーテ
ル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が挙げられる。これ
らの粘着剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上
が併用されても良い。
【0059】上記衛生用品の形状としては、特に限定さ
れるものではないが、一般には、図3の従来の衛生用品
に示されるように、中央部になるに従って徐々に僅かに
幅狭くなるように形成された平面略縦長長方形状の表面
シート31と、該表面シート31と略同一形状の裏面シ
ート33とが、表面シート31及び裏面シート33より
も小さくなされた体液吸収性部材32を表裏から挟みこ
むようにして配置され、これら表面シート31と裏面シ
ート33の対向周縁部同士が熱融着やポリビニルアルコ
ール系接着剤などにより一体化され、さらに、裏面シー
ト33の外側に粘着剤層34が形成され、さらに、該粘
着剤層34が剥離紙35により保護されてなるものが挙
げられる。
【0060】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。
【0061】(実施例1)パルプからなる不織布(坪量
15g/m2 )の一方の面に、オキシアルキレン基変性
ポリビニルアルコールを、その坪量が15g/m2 とな
るように押出ラミネートして目止め層を形成し、該目止
め層に、植物油30重量%を含有させたエチルセルロー
スを、その坪量が3g/m2 となるようにグラビアロー
ル法で塗布した。その後、縦150mm×横54mmの
長方形状にカットして裏面シートを得た。次に、表面シ
ートとしてパルプからなる不織布(坪量30g/m2
縦150mm×横54mmの長方形状)、体液吸収性部
材としてパルプからなる不織布(坪量45g/m2 、縦
100mm×横30mmの長方形状)を用意した。次い
で、上記で得られた裏面シートの不織布側と表面シート
とで体液吸収性部材を挟持した後、裏面シートと表面シ
ートの対向周縁部をポリビニルアルコール系接着剤によ
り接着して体液吸収性部材を包囲し、さらに裏面シート
のエチルセルロース層側に、アクリル系粘着剤を、その
塗布量が10g/m2 となるように略中心2000mm
2 に塗布し、衛生用品を得た。
【0062】(実施例2)パルプからなる不織布(坪量
15g/m2 )の一方の面に、オキシアルキレン基変性
ポリビニルアルコールを、その坪量が15g/m2 とな
るように押出ラミネートして目止め層を形成し、該目止
め層に、熱可塑性ポリウレタン系樹脂を、その坪量が3
g/m2 となるようにグラビアロール法で塗布した。そ
の後、縦150mm×横54mmの長方形状にカットし
て裏面シートを得た。次いで、実施例1の場合と同様の
表面シート及び体液吸収性部材を使用し、上記で得られ
た裏面シートの不織布側と表面シートとで体液吸収性部
材を挟持した後、裏面シートと表面シートの対向周縁部
をポリビニルアルコール系接着剤により接着して体液吸
収性部材を包囲し、さらに裏面シートの熱可塑性ポリウ
レタン系樹脂層側に、アクリル系粘着剤を実施例1の場
合と同様にして塗布し、衛生用品を得た。
【0063】(実施例3)パルプからなる不織布(坪量
15g/m2 )の一方の面に、オキシアルキレン基変性
ポリビニルアルコールを、その坪量が15g/m2 とな
るように押出ラミネートして目止め層を形成し、該目止
め層に、植物油30重量%を含有させたエチルセルロー
スを、その坪量が2g/m2 となるようにグラビアロー
ル法で塗布し、さらに該エチルセルロース層に、熱可塑
性ポリウレタン系樹脂を、その坪量が2g/m2 となる
ようにグラビアロール法で塗布した。その後、縦150
mm×横54mmの長方形状にカットして裏面シートを
得た。次いで、実施例1の場合と同様の表面シート及び
体液吸収性部材を使用し、上記で得られた裏面シートの
不織布側と表面シートとで体液吸収性部材を挟持した
後、裏面シートと表面シートの対向周縁部をポリビニル
アルコール系接着剤により接着して体液吸収性部材を包
囲し、さらに裏面シートの熱可塑性ポリウレタン系樹脂
層側に、アクリル系粘着剤を実施例1の場合と同様にし
て塗布し、衛生用品を得た。
【0064】(実施例4)パルプからなる不織布(坪量
15g/m2 )の一方の面に、オキシアルキレン基変性
ポリビニルアルコールを、その坪量が15g/m2 とな
るように押出ラミネートして目止め層を形成し、該目止
め層に、植物油30重量%を含有させたエチルセルロー
スを、その坪量が2g/m2 となるようにグラビアロー
ル法で塗布し、さらに該エチルセルロース層に、熱可塑
性ポリウレタン系樹脂を、その坪量が2g/m2 となる
ようにグラビアロール法で塗布した。又、該不織布の他
方の面に、メチルセルロースを、その塗布部分の面積率
が35%となるようにグラビアロール法で塗布した。そ
の後、縦150mm×横54mmの長方形状にカットし
て裏面シートを得た。次いで、実施例1の場合と同様の
表面シート及び体液吸収性部材を使用し、上記で得られ
た裏面シートのメチルセルロースが塗布された側と表面
シートとで体液吸収性部材を挟持した後、裏面シートと
表面シートの対向周縁部をポリビニルアルコール系接着
剤により接着して体液吸収性部材を包囲し、さらに裏面
シートの熱可塑性ポリウレタン系樹脂層側に、アクリル
系粘着剤を実施例1の場合と同様にして塗布し、衛生用
品を得た。
【0065】(比較例1)パルプからなる不織布(坪量
15g/m2 )の一方の面に、オキシアルキレン基変性
ポリビニルアルコールを、その坪量が15g/m2 とな
るように押出ラミネートして目止め層を形成した。その
後、縦150mm×横54mmの長方形状にカットして
裏面シートを得た。次いで、実施例1の場合と同様の表
面シート及び体液吸収性部材を使用し、上記で得られた
裏面シートの不織布側と表面シートとで体液吸収性部材
を挟持した後、裏面シートと表面シートの対向周縁部を
ポリビニルアルコール系接着剤により接着して体液吸収
性部材を包囲し、さらに裏面シートの目止め層側に、ア
クリル系粘着剤を実施例1の場合と同様にして塗布し、
衛生用品を得た。
【0066】(比較例2)パルプからなる不織布(坪量
15g/m2 )の一方の面に、オキシアルキレン基変性
ポリビニルアルコールを、その坪量が15g/m2 とな
るように押出ラミネートして目止め層を形成し、該目止
め層に、ジメチルシリコーン系樹脂を、その坪量が3g
/m2 となるようにグラビアロール法で塗布した。その
後、縦150mm×横54mmの長方形状にカットして
裏面シートを得た。次いで、実施例1の場合と同様の表
面シート及び体液吸収性部材を使用し、上記で得られた
裏面シートの不織布側と表面シートとで体液吸収性部材
を挟持した後、裏面シートと表面シートの対向周縁部を
ポリビニルアルコール系接着剤により接着して体液吸収
性部材を包囲し、さらに裏面シートのジメチルシリコー
ン系樹脂層側に、アクリル系粘着剤を実施例1の場合と
同様にして塗布し、衛生用品を得た。
【0067】実施例1〜実施例4、並びに、比較例1及
び比較例2で得られた裏面シートの水解性を以下の方
法で評価した。又、実施例1〜実施例4、並びに、比較
例1及び比較例2で得られた衛生用品の装着感、防
漏性、糊残りの有無を以下の方法で評価した。それら
の結果は表1に示すとおりであった。
【0068】水解性 JIS P−4501「トイレットペーパー」に準拠し
て、裏面シートの水解性(秒)を測定した。
【0069】装着感 衛生用品を実際に装着し、裏面シートの柔軟性による装
着感を下記判定基準により評価した。 〔判定基準〕 ◎:違和感を全く感じなかった。 ○:違和感を殆ど感じなかった。 △:違和感を多少感じたが、実際の使用には問題ない程
度であった。 ×:違和感を感じた。
【0070】防漏性 衛生用品を、表面シートが上になるように水平に載置
し、表面シート上に0.7gの水滴を滴下した。次い
で、滴下から10分後に衛生用品の裏面シート側を目視
で観察し、衛生用品の防漏性を下記判定基準により評価
した。 〔判定基準〕 ○:漏れは確認されなかった。 ×:漏れが確認された。
【0071】糊残りの有無 衛生用品を、その粘着剤塗工面が布側になるようにして
シルク製の布上に載置し、表面シート上に0.7gの水
滴を滴下した。次いで、衛生用品の上から、50g/c
2 の荷重を全体にわたってかけ、温度40℃、湿度9
0%RHの雰囲気下に2時間放置した後、荷重を取り除
いて、衛生用品を布から引き剥がした。衛生用品を引き
剥がした後の布表面を目視で観察し、糊残りの有無を確
認した。
【0072】
【表1】
【0073】表1から明らかなように、本発明による実
施例1〜実施例4の裏面シートは、いずれも優れた水解
性を発現した。又、これらの裏面シートを用いて作製し
た実施例1〜実施例4の衛生用品は、いずれも装着感及
び防漏性に優れ、糊残り現象の発生も認められなかっ
た。
【0074】これに対し、目止め層上に環境分解性樹脂
層を設けなかった比較例1の裏面シートは、水解性は極
めて優れていたものの、この裏面シートを用いて作製し
た比較例1の衛生用品は、防漏性が悪く、糊残り現象の
発生も認められた。又、目止め層上に非水溶性かつ撥水
性のジメチルシリコーン系樹脂層を設けた比較例2の裏
面シートは、水解性が極端に悪く、又、この裏面シート
を用いて作製した比較例2の衛生用品は、アクリル系粘
着剤が裏面シートに密着していなかった。
【0075】
【発明の効果】請求項1〜請求項6のいずれかに記載の
発明による衛生用品用裏面シートは、以上の通りの構成
であるので、水解性基材が起点となって水中で速やかに
水解し、トイレに流した場合でも、水中でゼリー状の塊
になることがなく、優れた水解性を有しており、かつ、
体液不透過性の目止め層及び環境分解性樹脂層により、
優れた防漏性を有している。又、この裏面シートを使用
した衛生用品を使用後に下着などから引き剥がす際に
は、環境分解性樹脂層により、目止め層が体液や汗等に
より膨潤又は水溶することがないので、目止め層が凝集
破壊することがなく、糊残り現象が発生することがな
い。さらに、上記各層は速やかに水溶するか、水溶しな
い場合でも浄化槽において環境分解されるので、浄化槽
への負荷が少ない。
【0076】又、請求項7又は請求項8に記載の発明に
よる衛生用品用裏面シートは、目止め層と環境分解性樹
脂層とがアンカーコート層を介して積層一体化されてい
るので、上記効果に加え、層間の剥離が生じ難く、装着
感に優れる衛生用品を得ることができる。
【0077】さらに、請求項9〜請求項11のいずれか
に記載の発明による衛生用品用裏面シートは、水解性基
材の一面に、目止め層を構成する水溶性樹脂を押出ラミ
ネートしているので、層間接着強度に優れている。
【0078】即ち、本発明の衛生用品用裏面シートは、
優れた水解性及び防漏性を有するとともに、トイレに流
した場合でも、水中でゼリー状の塊になることがなく、
速やかに水解し、さらに浄化槽への負荷が少ない衛生用
品を得るに適する。又、本発明の衛生用品用裏面シート
は、上記優れた諸特性に加うるに、衛生用品使用時など
に裏面シートの層間の剥離が生じ難く、装着感に優れる
衛生用品を得るに適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の衛生用品用裏面シートの実施例を示し
た断面模式図。
【図2】本発明の衛生用品用裏面シートの他の実施例を
示した断面模式図。
【図3】従来の衛生用品を模式的に示した一部切欠斜視
図。
【図4】図3のA−A線での断面図。
【符号の説明】
1、2 衛生用品用裏面シート 11 目止め層 12 水解性基材 13 環境分解性樹脂層 21 アンカーコート層 3 衛生用品 31 表面シート 32 体液吸収性部材 33 裏面シート 34 粘着剤層 35 剥離紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/30 102 A61F 13/18 320 ZBP 383 27/40 Fターム(参考) 4C003 CA04 CA05 CA07 GA04 4F100 AJ04 AJ06A AJ06C AK01A AK01C AK51C AK51G AK54 AL06 AT00B BA03 BA07 BA10C DG15 EH17 EH46 GB66 GB72 JB05B JB09A JB16C JD05A JD14 JL05

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体液吸収性部材が、体液透過性の表面シ
    ートと体液不透過性の裏面シートとで挟持されるととも
    に包囲され、かつ、裏面シートの体液吸収性部材側とは
    反対の面に粘着剤層が形成されてなる衛生用品に使用さ
    れる裏面シートであって、体液不透過性の水溶性樹脂か
    らなる目止め層の一面に水解性基材が積層一体化され、
    他面に環境分解性樹脂層が積層一体化されてなることを
    特徴とする衛生用品用裏面シート。
  2. 【請求項2】 水解性基材側に、水溶性樹脂層が積層一
    体化されてなることを特徴とする請求項1に記載の衛生
    用品用裏面シート。
  3. 【請求項3】 目止め層を構成する水溶性樹脂が、ポリ
    ビニルアルコール又はその変性体であることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載の衛生用品用裏面シー
    ト。
  4. 【請求項4】 環境分解性樹脂層を構成する環境分解性
    樹脂が、セルロース系樹脂であることを特徴とする請求
    項1〜請求項3のいずれか1項に記載の衛生用品用裏面
    シート。
  5. 【請求項5】 環境分解性樹脂層を構成する環境分解性
    樹脂が、熱可塑性ポリウレタン系樹脂であることを特徴
    とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の衛生
    用品用裏面シート。
  6. 【請求項6】 水溶性樹脂層を構成する水溶性樹脂が、
    セルロース系樹脂であることを特徴とする請求項2〜請
    求項5のいずれか1項に記載の衛生用品用裏面シート。
  7. 【請求項7】 目止め層と環境分解性樹脂層とが、アン
    カーコート剤からなるアンカーコート層を介して積層一
    体化されてなることを特徴とする請求項1〜請求項6の
    いずれか1項に記載の衛生用品用裏面シート。
  8. 【請求項8】 アンカーコート層を構成するアンカーコ
    ート剤が、ポリイソシアネート系樹脂からなることを特
    徴とする請求項7に記載の衛生用品用裏面シート。
  9. 【請求項9】 水解性基材の一面に目止め層を構成する
    水溶性樹脂を押出ラミネートした後、該目止め層に環境
    分解性樹脂層を構成する環境分解性樹脂を塗布して得ら
    れたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1
    項に記載の衛生用品用裏面シート。
  10. 【請求項10】 水解性基材の一面に目止め層を構成す
    る水溶性樹脂を押出ラミネートした後、該目止め層にア
    ンカーコート層を構成するアンカーコート剤を塗布し、
    さらに該アンカーコート層に環境分解性樹脂層を構成す
    る環境分解性樹脂を塗布して得られたことを特徴とする
    請求項7又は請求項8に記載の衛生用品用裏面シート。
  11. 【請求項11】 水解性基材の一面に目止め層を構成す
    る水溶性樹脂を押出ラミネートした後、該目止め層にア
    ンカーコート層を構成するアンカーコート剤を塗布し、
    さらに該アンカーコート層に環境分解性樹脂層を構成す
    る環境分解性樹脂を塗布し、さらに水解性基材側に水溶
    性樹脂層を構成する水溶性樹脂を塗布して得られたこと
    を特徴とする請求項7又は請求項8に記載の衛生用品用
    裏面シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008049545A (ja) * 2006-08-23 2008-03-06 Nissha Printing Co Ltd 成形同時加飾用シートおよびこれを用いた加飾成形品の製法
WO2011108375A1 (ja) * 2010-03-05 2011-09-09 ユニ・チャーム株式会社 不透水性及び水解性を有するシート

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