JP2002325798A

JP2002325798A - 使い捨ての体液処理物品

Info

Publication number: JP2002325798A
Application number: JP2001134240A
Authority: JP
Inventors: Sachiyoshi Mishima; 祥宜三嶋; Naoko Ogata; 尚子小形
Original assignee: Unicharm Corp
Current assignee: Unicharm Corp
Priority date: 2001-05-01
Filing date: 2001-05-01
Publication date: 2002-11-12
Anticipated expiration: 2021-05-01
Also published as: JP4008206B2

Abstract

(57)【要約】【課題】体液の縦横方向への流動を防止することがで
き、体液をコアに確実に吸収、保持させることができる
使い捨ての体液処理物品を提供する。【解決手段】体液処理物品１が、肌非当接側に位置す
る液不透過性ベースシート３と、ベースシート３の内面
に取り付けられた吸液性コア４と、肌当接側に位置する
液透過性表面部材２とから構成され、表面部材２が、コ
ア４から上方へ隆起して横方向へ延びるとともに縦方向
へ所与寸法離間して並ぶ複数条の凸部２ａと、凸部２ａ
の間を横方向へ延びる複数条の凹部２ｂと、その厚み方
向へ貫通する多数の開孔部２ｃとを有し、開孔部２ｃ
が、縦方向と横方向とへ所与寸法離間して並んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、使い捨ておむつや
生理用ナプキン、吸収性パッド等の使い捨ての体液処理
物品に関する。

【０００２】

【従来の技術】特開平１１−３１８９７６号公報は、肌
当接側に位置する液透過性表面シートと、肌非当接側に
位置する液不透過性裏面シートと、それらシートの間に
介在する吸液性コアとから構成され、縦方向に前胴周り
域および後胴周り域と、それら胴周り域の間に位置する
股下域とを備え、コアの上部に位置して横方向へ延びる
複数条の凸部が縦方向へ所与寸法離間して並ぶ使い捨て
おむつを開示している。

【０００３】凸部は、吸収性素材とそれを被覆する前記
表面シートとから形成され、おむつの略後半分に位置し
ている。このおむつでは、それら凸部が軟便や水様便等
の流動性排泄物に対する障壁を形成し、排泄物の縦方向
への流動を防止することができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】前記公報に開示のおむ
つは、流動性排泄物の横方向への流動を防止する手段を
有さず、表面シート上を拡散した排泄物がおむつの両側
縁部へ向かって流動することを防ぐことができない。こ
のおむつでは、排泄物がコアの両側縁の外側に漏出して
そこに滞留してしまう場合がある。

【０００５】本発明の課題は、尿や軟便、水様便、経血
等の体液の縦方向と横方向とへの流動を防止することが
でき、体液をコアに確実に吸収、保持させることができ
る使い捨ての体液処理物品を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の前提は、肌非当接側に位置して縦方向へ延び
る両側縁部および横方向へ延びる両端縁部を画成する液
不透過性ベースシートと、前記ベースシートの内面に取
り付けられた吸液性コアと、肌当接側に位置して前記コ
アの少なくとも一部を覆う液透過性表面部材とから構成
され、前記表面部材が、前記コアから上方へ隆起して前
記横方向へ延びるとともに前記縦方向へ所与寸法離間し
て並ぶ複数条の凸部と、前記凸部の間を前記横方向へ延
びる複数条の凹部とを有する使い捨ての体液処理物品で
ある。

【０００７】前記前提における本発明の特徴は、前記表
面部材がその厚み方向へ貫通して体液が通過可能な多数
の開孔部を有し、前記開孔部が前記縦方向と前記横方向
とへ所与寸法離間して並んでいることある。

【０００８】本発明の実施の態様の一例としては、前記
開孔部が前記凹部に形成されて前記横方向へ所与寸法離
間して並んでいる。

【０００９】本発明の実施の態様の他の一例としては、
前記開孔部が前記凸部に形成されて前記横方向へ所与寸
法離間して並び、前記縦方向へ隣り合う前記凸部では、
前記開孔部が前記縦方向へ連なることなく該縦方向へ互
い違いに並んでいる。

【００１０】本発明の実施の態様の他の一例としては、
前記縦方向へ連なる前記開孔部の個数が５〜２５個、前
記横方向へ連なる前記開孔部の個数が２〜１０個の範囲
にあり、前記開孔部の面積が１５〜６００ｍｍ^２の範囲
にある。

【００１１】本発明の実施の態様の他の一例としては、
前記表面部材が多数の親水性繊維と高吸収性ポリマー粒
子とのうちの少なくとも前記親水性繊維からなる繊維集
合物であり、前記親水性繊維の坪量が前記凸部の厚み方
向上方から厚み方向下方へ向かって次第に増加するとと
もに、前記凹部の厚み方向上方から厚み方向下方へ向か
って次第に増加している。

【００１２】本発明の実施の態様の他の一例としては、
前記親水性繊維の坪量が前記凸部の外周面から前記凸部
の厚み方向中央部分に向かって次第に増加している。

【００１３】

【発明の実施の形態】添付の図面を参照し、本発明にか
かる使い捨ての体液処理物品の詳細を、開放型の使い捨
ておむつと生理用ナプキンとを例として説明すると、以
下のとおりである。

【００１４】図１，２は、使い捨ておむつ１の部分破断
斜視図と、図１の表面部材２の斜視図とであり、図３，
４は、図１のＡ−Ａ線矢視断面図と、図１のＢ−Ｂ線矢
視断面図とである。図１，２では、横方向を矢印Ｘで示
し、縦方向を矢印Ｙで示す。なお、表面部材２とベース
シート３との内面とは、コア４に対向する面をいい、そ
れらの外面とは、コア４に非対向の面をいう。

【００１５】おむつ１は、肌当接側に位置する液透過性
表面部材２と、肌非当接側に位置する液不透過性ベース
シート３と、それらの間に介在する吸液性コア４と、実
質的に液不透過性の防漏カフ５とから構成されている。
コア４は、表面部材２とベースシート３との内面に接合
されている。おむつ１は、縦方向に前胴周り域１４およ
び後胴周り域１６と、それら胴周り域１４，１６の間に
位置する股下域１５とを有する。

【００１６】ベースシートは３、互いに重なり合う実質
的に液不透過性の二枚の繊維不織布３ａ，３ｂから形成
され、その平面形状が砂時計型を呈する。ベースシート
３は、横方向へ延びる両端縁部６と縦方向へ延びる両側
縁部７とを画成している。両側縁部７は、股下域１４に
おいて横方向内方へ向かって弧を画いている。

【００１７】両端縁部６には、横方向へ延びる帯状の胴
周り用弾性部材８が伸長状態で取り付けられている。両
側縁部７には、股下域１５を縦方向へ延びる複数条の脚
周り用弾性部材９が伸長状態で取り付けられている。胴
周り用弾性部材８と脚周り用弾性部材９とは、ベースシ
ート３を形成する不織布３ａ，３ｂの間に介在し、それ
ら不織布３ａ，３ｂに固着されている。

【００１８】表面部材２は、多数の親水性繊維からなる
繊維集合物１３であり、縦方向へ長い略矩形を呈する。
表面部材２は、カフ５の間に位置し、股下域１５を中心
に前後胴周り域１４，１６へ向かって延びている。表面
部材２は、コア４から上方へ隆起して横方向へ延びる複
数条の凸部２ａと、凸部２ａの間に位置して横方向へ延
びる複数条の凹部２ｂとを有する。凸部２ａは、縦方向
へ所与寸法離間して並んでいる。

【００１９】表面部材２では、それを形成する親水性繊
維の坪量が凸部２ａの厚み方向上方から厚み方向下方へ
向かって次第に増加するとともに、凹部２ｂの厚み方向
上方から厚み方向下方へ向かって次第に増加している。
表面部材２では、親水性繊維の密度が凸部２ａと凹部２
ｂとの厚み方向上方から厚み方向下方へ向かって次第に
高くなっている。表面部材２の凹部２ｂには、表面部材
２を厚み方向へ貫通する多数の開孔部２ｃが横方向へ所
与寸法離間して並んでいる。

【００２０】表面部材２では、その外面に排泄された尿
や軟便、水様便等の流動性排泄物が表面部材２を透過可
能かつ開孔部２ｃを通過可能である。表面部材２では、
それを形成する親水性繊維の坪量がコア４へ向かって次
第に増加しているので、それに滲入した排泄物が毛細管
現象によって表面部材２の厚み方向上方から厚み方向下
方へ向かって移動する。表面部材２に滲入した排泄物
は、それを透過してコア４に達し、コア４に吸収、保持
されるので、排泄物が表面部材２の外面に逆戻りするこ
とはない。

【００２１】表面部材２では、排泄物が表面部材２に滲
入する以前に、それが表面部材２の外面を拡散したとし
ても、表面部材２の凸部２ａが排泄物に対する障壁とな
るので、排泄物の縦方向への流動を防ぐことができる。
また、表面部材２では、排泄物が凹部２ｂを横方向へ拡
散したとしても、拡散する過程において排泄物が開孔部
２ｃに進入し、開孔部２ｃを通ってコア４に吸収、保持
される。ゆえに、表面部材２では、排泄物の横方向への
流動を防止することができる。

【００２２】表面部材２では、縦方向へ連なる開孔部２
ｃの個数が５〜２５個、横方向へ連なる開孔部２ｃの個
数が２〜１０個の範囲にあることが好ましい。また、表
面部材２では、開孔部２ｃの面積が１５〜６００ｍｍ^２
の範囲にあることが好ましい。開孔部２ｃの面積が１５
ｍｍ^２未満の場合では、排泄物が開孔部２ｃを通過し難
く、排泄物の横方向の拡散を防ぐことができない。開孔
部２ｃの面積が６００ｍｍ^２を超過すると、開孔部２ｃ
の個数にもよるが、表面部材２の大半を開孔部２ｃが占
めることになり、表面部材２に複数条の凸部２ａを形成
することが難しい。

【００２３】おむつ１では、表面部材２の周縁の外側に
排泄物が漏出することはなく、排泄物をコア４に確実に
吸収、保持させることができる。おむつ１では、それを
着用したときに、表面部材２の凸部２ａが着用者の肌に
接触するので、表面部材２の外面全域が着用者の肌に接
触することはなく、着用者の肌に対する表面部材２の接
触面積を少なくすることができる。

【００２４】後胴周り域１６の両側縁部７には、一対の
テープファスナ１０が取り付けられている。前胴周り域
１４におけるベースシート３の外面には、テープファス
ナ１０の止着域となるターゲットテープ１１が取り付け
られている。

【００２５】テープファスナ１０は、後胴周り域１６の
両側縁部７に固着された基端部と、ターゲットテープ１
１に係脱可能に止着する自由端部とを有する。テープフ
ァスナ１０の自由端部には、粘着剤（図示せず）が塗布
されている。自由端部は、表面部材２の外面の側へ向か
って折曲され、カフ５に仮着されている。ターゲットテ
ープ１１は、可撓性を有するプラスチックフィルムから
形成されている。

【００２６】カフ５は、ベースシート３の両側縁部７を
縦方向へ延びている。カフ５は、コア４の両側縁４ｂの
外側近傍を縦方向へ延びる固定縁部５ａと、固定縁部５
ａに並行して縦方向へ延びる自由縁部５ｂと、前後胴周
り域１４，１６に位置しておむつ１の横方向内方へ倒伏
した固定両端部５ｃとを有する。自由縁部５ｂには、縦
方向へ延びる弾性部材１２が伸長状態で取り付けられて
いる。弾性部材１２は、自由縁部５ｂの一部に被覆され
ている。

【００２７】カフ５では、固定縁部５ａから横方向外方
へ側縁部５ｄが延びている。カフ５は、その固定縁部５
ａがベースシート３の側縁部７に固着され、その固定両
端部５ｃがベースシート３の端縁部６に固着されてい
る。

【００２８】図１では、おむつ１が表面部材２を内側に
して縦方向へ湾曲し、カフ５の自由縁部５ｂが縦方向へ
収縮して自由縁部５ｂが表面部材２の上方へ起立してい
る。おむつ１では、起立したカフ５の自由縁部５ｂが排
泄物に対する障壁を形成し、股下域１５における両側縁
部７からの排泄物の漏れを防ぐことができる。

【００２９】おむつ１では、ベースシート３の端縁部６
がコア４の端縁４ａから縦方向外方へ延び、ベースシー
ト３の側縁部７とカフ５の側縁部５ｄとがコア４の側縁
４ｂから横方向外方へ延びている。側縁部７と側縁部５
ｄとは、それら側縁部７，５ｄの互いに重なり合う部分
が固着されている。

【００３０】おむつ１を着用するには、後胴周り域１６
に位置するベースシート３の両側縁部７を前胴周り域１
４に位置するベースシート３の両側縁部７の外側に重ね
合わせ、テープファスナ１０の自由端部をターゲットテ
ープ１１に止着して前後胴周り域１４，１６を連結す
る。前後胴周り域１４，１６が連結されたおむつ１に
は、胴周り開口と、脚周り開口とが画成される。

【００３１】おむつ１では、表面部材２が後胴周り域１
６を除く股下域１５と前胴周り域１４とに位置していて
もよく、表面部材２が前胴周り域１４を除く股下域１５
と後胴周り域１６とに位置していてもよい。また、おむ
つ１では、表面部材２が股下域１５を除く前胴周り域１
４と後胴周り域１６との少なくとも一方に位置していて
もよい。

【００３２】おむつ１では、表面部材２を形成する親水
性繊維の坪量が凸部２ａの厚み方向上方から厚み方向下
方へ向かって次第に増加するとともに、凹部２ｂの厚み
方向上方から厚み方向下方へ向かって次第に増加し、さ
らに、親水性繊維の坪量が凸部２ａの外周面２ｄから凸
部２ａの厚み方向中央部分２ｅに向かって次第に増加し
ていてもよい。

【００３３】図５，６は、生理用ナプキン２０の部分破
断斜視図と、図５の表面部材２４の斜視図とであり、図
７，８は、図５のＣ−Ｃ線矢視断面図と、図５のＤ−Ｄ
線矢視断面図とである。図５，６では、横方向を矢印Ｘ
で示し、縦方向を矢印Ｙで示す。なお、液透過性シート
２１の内面とは、コア２３に対向する面をいい、シート
２１の外面とは、コア２３に非対向の面をいう。

【００３４】ナプキン２０は、肌当接側に位置する液透
過性シート２１と、肌非当接側に位置する液不透過性ベ
ースシート２２と、それらシート２１，２２の間に介在
する吸液性コア２３および液透過性表面部材２４とから
構成されている。コア２３は、ベースシート２３と表面
部材２４との内面に接合されている。表面部材２４は、
液透過性シート２１の内面に固着されている。

【００３５】ナプキン２０は、横方向へ延びる両端縁部
２５と縦方向へ延びる両側縁部２６とを有する。ナプキ
ン２０では、液透過性シート２１とベースシート２２と
の端縁部２１ａ，２２ａがコア２３の端縁２３ａから縦
方向外方へ延び、それら端縁部２１ａ，２２ａの互いに
重なり合う部分が固着されている。ナプキン２０では、
液透過性シート２１とベースシート２２との側縁部２１
ｂ，２２ｂがコア２３の側縁２３ｂから横方向外方へ延
び、それら側縁部２１ｂ，２２ｂの互いに重なり合う部
分が固着されている。ベースシート２２の外面には、ナ
プキン２０をショーツの内側に貼着するための粘着剤
（図示せず）が塗布されている。

【００３６】表面部材２４は、多数の親水性繊維からな
る二つの繊維集合物２７，２８が厚み方向へ重なり合う
二層のもので、縦方向へ長い略矩形を呈する。表面部材
２４は、コア２３から上方へ隆起して横方向へ延びる複
数条の凸部２４ａと、凸部２４ａの間に位置して横方向
へ延びる複数条の凹部２４ｂとを有する。凸部２４ａ
は、縦方向へ所与寸法離間して並んでいる。凸部２４ａ
と凹部２４ｂとには、液透過性シート２１の内面が密着
している。

【００３７】表面部材２４では、その厚み方向下方に位
置する繊維集合物２８の坪量がその厚み方向上方に位置
する繊維集合物２７のそれよりも大きく、繊維集合物２
８の密度が繊維集合物２７のそれよりも高い。繊維集合
物２７では、その坪量が２０〜２００ｇ／ｍ^２の範囲に
あることが好ましく、その密度が０．０００４〜０．０
４ｇ／ｃｍ^３の範囲にあることが好ましい。繊維集合物
２８では、その坪量が１００〜２５０ｇ／ｍ^２の範囲に
あることが好ましく、その密度が０．０１〜０．２５ｇ
／ｃｍ^３の範囲にあることが好ましい。

【００３８】表面部材２４では、コア２３から上方へ延
びる繊維集合物２８の凸条２８ａが表面部材２４の内面
の側からその厚み方向中央部分２４ｄにまで達してい
る。表面部材２４では、繊維集合物２７よりも高密度の
繊維集合物２８の凸条２８ａが芯を形成するので、凸部
２４ａが凹部２４ｂに向かって倒伏し難い。

【００３９】表面部材２４の凸部２４ａと凹部２４ｂと
には、表面部材２４を厚み方向へ貫通する多数の開孔部
２４ｃが形成されている。開孔部２４ｃは、凸部２４ａ
と凹部２４ｂとを横方向へ所与寸法離間して並んでい
る。縦方向へ隣り合う凸部２４ａでは、開孔部２４ｃが
縦方向へ連なることなく縦方向へ互い違いに並んでい
る。表面部材２４では、隣り合う凸部２４ａにおいて開
孔部２４ｃが縦方向へ連なることはなく、凸部２４ａが
経血に対する障壁としての機能を失うことはない。

【００４０】液透過性シート２１の外面に排泄された経
血は、シート２１を透過して表面部材２４の外面に達す
る。表面部材２４の外面に達した経血は、表面部材２４
を透過可能かつ開孔部２４ｃを通過可能である。表面部
材２４では、繊維集合物２８の坪量が繊維集合物２７の
それよりも大きく、繊維集合物２８の密度が繊維集合物
２７のそれよりも高いので、表面部材２４に滲入した経
血が毛細管現象によって繊維集合物２７から繊維集合物
２８に向かって移動する。表面部材２４に滲入した経血
は、それを透過してコア２３に達し、コア２３に吸収、
保持される。

【００４１】表面部材２４では、経血が表面部材２４に
滲入する以前に、それが表面部材２４の外面を拡散した
としても、表面部材２４の凸部２４ａによって経血の縦
方向への流動を防ぐことができる。また、表面部材２４
では、経血が凹部２４ｂを横方向へ拡散したとしても、
拡散する過程において経血が開孔部２４ｃに進入し、開
孔部２４ｃを通ってコア２３に吸収、保持されるので、
経血の横方向への流動を防止することができる。ナプキ
ン２０では、表面部材２４の周縁の外側に経血が漏出す
ることはなく、経血をコア２３に確実に吸収、保持させ
ることができる。

【００４２】表面部材２４では、凸部２４ａに経血が排
泄されたとしても、経血が凸部２４ａに形成された開孔
部２４ｃを通ってコア２３に達し、コア２３に吸収、保
持されるので、経血の凸部２４ａにおける拡散を防止す
ることができる。

【００４３】表面部材２４を形成する親水性繊維には、
親水処理を施した熱可塑性合成樹脂繊維やパルプ繊維、
再生繊維のいずれかまたはそれら繊維の混合物を使用す
ることができる。熱可塑性合成樹脂繊維には、ポリオレ
フィン系、ポリエステル系、ポリアミド系の繊維を使用
することができる。再生繊維には、レーヨンやアセテー
ト等のセルロ−ス系繊維を使用することができる。表面
部材２４では、親水性繊維からなる繊維集合物１３，２
５，２６に高吸収性ポリマー粒子が混入されていてもよ
い。高吸収性ポリマー粒子としては、デンプン系、セル
ロース系、合成ポリマー系のものを使用することができ
る。

【００４４】ベースシート３を形成する繊維不織布３
ａ，３ｂには、疎水性繊維不織布や疎水性繊維不織布を
重ね合わせた２層の不織布を使用することができる。ま
た、ベースシート３には、液不透過性のプラスチックフ
ィルムや疎水性繊維不織布に液不透過性のプラスチック
フィルムを固着した複合シートを使用することができ
る。防漏カフ５には、疎水性繊維不織布を使用すること
ができる。液透過性シート２１には、親水性繊維不織
布、または、微細な多数の開孔を有するプラスチックフ
ィルムを使用することができる。

【００４５】ベースシート３を形成する不織布３ａ，３
ｂや防漏カフ５には、高い耐水性を有するメルトブロー
ン法による繊維不織布を、高い強度を有しかつ柔軟性に
富んだスパンボンド法による繊維不織布で挟んだ複合不
織布を使用することもできる。

【００４６】不織布としては、スパンレース、ニードル
パンチ、メルトブローン、サーマルボンド、スパンボン
ド、ケミカルボンド、エアースルー、の各製法により製
造されたものを使用することができる。不織布の構成繊
維としては、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリ
アミド系、の各繊維、ポリエチレン／ポリプロピレン、
または、ポリエチレン／ポリエステルからなる芯鞘型複
合繊維または並列型複合繊維を使用することができる。

【００４７】コア４，２３は、フラッフパルプと高吸収
性ポリマー粒子との混合物、または、フラッフパルプと
高吸収性ポリマー粒子と熱可塑性合成樹脂繊維との混合
物であり、所要の厚みに圧縮されている。それらコア
４，２３は、その型崩れやポリマー粒子の脱落を防止す
るためにその全体がティッシュペーパーに被覆、接合さ
れていることが好ましい。

【００４８】表面部材２，２４の固着や液透過性シート
２１の固着、コア４，２３の接合、防漏カフ５の固着、
弾性部材の８，９，１２固着には、ホットメルト型接着
剤、または、ヒートシールや超音波接合等の熱による溶
着手段を使用することができる。

【００４９】この発明は、開放型のおむつ１や生理用ナ
プキン２０の他に、前後胴周り域があらかじめ連結され
たパンツ型のおむつやおむつカバーの内側に取り付けて
使用する吸収性パッドにも実施することができる。

【００５０】

【発明の効果】本発明にかかる使い捨ての体液処理物品
によれば、表面部材の凸部が体液の縦方向の流動を防止
するとともに、表面部材に形成された開孔部が体液の横
方向の流動を防止するので、体液が表面部材の外面を拡
散したとしても、体液が表面部材の周縁の外側へ漏出す
ることはない。この物品では、体液が表面部材を透過す
るとともに開孔部を通過してコアに達し、コアに吸収、
保持される。

【００５１】表面部材を形成する親水性繊維の坪量が凸
部と凹部との厚み方向上方から厚み方向下方へ向かって
次第に増加している物品では、表面部材に滲入した体液
が毛細管現象によって表面部材の厚み方向上方から厚み
方向下方へ向かって移動し、コアに吸収、保持されるの
で、体液が表面部材の外面に逆戻りすることはない。

【００５２】開孔部が表面部材の凸部を縦方向へ互い違
いに並んでいる物品では、隣り合う凸部において開孔部
が縦方向へ連なることはないので、凸部が体液に対する
障壁としての機能を失うことはなく、体液の縦方向の流
動を防止することができる。また、この物品では、凸部
に体液が排泄されたとしても、体液が凸部に形成された
開孔部を通ってコアに達し、コアに吸収、保持されるの
で、体液の凸部における拡散を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】おむつの部分破断斜視図。

【図２】図１の表面部材の斜視図。

【図３】図１のＡ−Ａ線矢視断面図。

【図４】図１のＢ−Ｂ線矢視断面図。

【図５】ナプキンの部分破断斜視図。

【図６】図５の表面部材の斜視図。

【図７】図５のＣ−Ｃ線矢視断面図。

【図８】図５のＤ−Ｄ線矢視断面図。

【符号の説明】１使い捨ておむつ（使い捨ての体液処
理物品）２液透過性表面部材２ａ凸部２ｂ凹部２ｃ開孔部２ｄ外周面２ｅ厚み方向中央部分３液不透過性ベースシート４吸液性コア７両端縁部８両側縁部１３繊維集合物２０生理用ナプキン２２液不透過性ベースシート２３吸液性コア２４液透過性表面部材２４ａ凸部２４ｂ凹部２４ｃ開孔部２４ｄ厚み方向中央部分２５両端縁部２６両側縁部２７繊維集合物２８繊維集合物

フロントページの続きＦターム(参考） 3B029 BA02 BA03 BB03 BD12 BD15 4C003 BA02 BA03 HA06 4C098 AA09 CC04 CC05 CC10 CC11 CC15 DD05 DD10 DD25 DD26 DD28

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】肌非当接側に位置して縦方向へ延びる両
側縁部および横方向へ延びる両端縁部を画成する液不透
過性ベースシートと、前記ベースシートの内面に取り付
けられた吸液性コアと、肌当接側に位置して前記コアの
少なくとも一部を覆う液透過性表面部材とから構成さ
れ、前記表面部材が、前記コアから上方へ隆起して前記
横方向へ延びるとともに前記縦方向へ所与寸法離間して
並ぶ複数条の凸部と、前記凸部の間を前記横方向へ延び
る複数条の凹部とを有する使い捨ての体液処理物品にお
いて、前記表面部材が、その厚み方向へ貫通して体液が通過可
能な多数の開孔部を有し、前記開孔部が、前記縦方向と
前記横方向とへ所与寸法離間して並んでいることを特徴
とする前記物品。
【請求項２】前記開孔部が、前記凹部に形成されて前
記横方向へ所与寸法離間して並んでいる請求項１記載の
物品。
【請求項３】前記開孔部が、前記凸部に形成されて前
記横方向へ所与寸法離間して並び、前記縦方向へ隣り合
う前記凸部では、前記開孔部が前記縦方向へ連なること
なく該縦方向へ互い違いに並んでいる請求項１または請
求項２に記載の物品。
【請求項４】前記縦方向へ連なる前記開孔部の個数が
５〜２５個、前記横方向へ連なる前記開孔部の個数が２
〜１０個の範囲にあり、前記開孔部の面積が１５〜６０
０ｍｍ^２の範囲にある請求項１ないし請求項３いずれか
に記載の物品。
【請求項５】前記表面部材が、多数の親水性繊維と高
吸収性ポリマー粒子とのうちの少なくとも前記親水性繊
維からなる繊維集合物であり、前記親水性繊維の坪量
が、前記凸部の厚み方向上方から厚み方向下方へ向かっ
て次第に増加するとともに、前記凹部の厚み方向上方か
ら厚み方向下方へ向かって次第に増加している請求項１
ないし請求項４いずれかに記載の物品。
【請求項６】前記親水性繊維の坪量が、前記凸部の外
周面から前記凸部の厚み方向中央部分に向かって次第に
増加している請求項５記載の物品。