JP2002325647A - 回転椅子の回転規制装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 座部を必要なときに回転不能とすることが可
能であり、また外観性を損なったり、邪魔になることも
ない回転椅子の回転規制装置を提供する。 【解決手段】 脚部１の軸部４に昇降自在なガスシリン
ダー５を備え、軸部の上端部に座部を回転可能に装着し
てなる回転椅子の回転規制装置であって、脚部の非回転
部分（フランジ板９）と、座部と回転に対して一体とな
った回転部分（固定板１０）とを、回転規制手段３で係
脱可能に連結して座部の昇降を許容しつつ座部を回転不
能としてなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、回転椅子の回転規
制装置に係わり、更に詳しくは回転椅子の座部を必要な
ときに回転不能とする回転規制装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、回転椅子の回転規制装置として
は、実開昭４８−７５９０７号公報や実開昭５３−７３
０７号公報に記載されたものが存在する。

【０００３】前述の実開昭４８−７５９０７号公報に記
載のものは、脚部に立設した軸部の上端部に、座部に下
設したパイプを回転可能に外嵌するとともに、該パイプ
に側方からレバー付きの締付具を螺合し、該締付具で前
記軸部の側面を押圧して回転規制するものである。この
場合、締付具のレバーが側方へ大きく突出して外観性を
損なうばかりでなく、邪魔になることもある。また、前
記脚部の軸部は側方からのネジ止めによって多段階に高
さ調節するものであり、ガスシリンダーを備えたもので
はない。

【０００４】また、前述の実開昭５３−７３０７号公報
に記載のものは、脚部に立設した軸部の上端部に、座部
に下設したパイプを回転可能に外嵌するとともに、該パ
イプの下端一部を切欠して脚部の側面を露出させ、そし
て前記パイプの下端部にＵ字状の曲げアームを取り巻く
ように装着するとともに、曲げアームの端部にカムを装
着し、該カムに固定したレバーを押し下げることで、カ
ムを切欠部内で脚部の側面に圧接して回転規制するもの
である。この場合も前記レバーが外観性を損ない、邪魔
になるのである。また、前記軸部にはガスシリンダーを
備えてなく、簡単に座部の高さを調節できる椅子ではな
い。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が前述
の状況に鑑み、解決しようとするところは、脚部の軸部
に昇降自在なガスシリンダーを備え、該軸部の上端部に
座部を回転可能に装着してなる回転椅子において、座部
を必要なときに回転不能とすることが可能であり、また
外観性を損なったり、邪魔になることもない回転椅子の
回転規制装置を提供する点にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題解
決のために、脚部の軸部に昇降自在なガスシリンダーを
備え、該軸部の上端部に座部を回転可能に装着してなる
回転椅子の回転規制装置であって、前記脚部の非回転部
分と、前記座部と回転に対して一体となった回転部分と
を、回転規制手段で係脱可能に連結して該座部の昇降を
許容しつつ該座部を回転不能としてなる回転椅子の回転
規制装置を構成した。

【０００７】具体的には、伸縮可能且つ回転不能なガス
シリンダーを用い、該ガスシリンダーの上端部に取付け
た軸筒を、前記座部に固定した軸受部材にて回転可能に
受けるとともに、前記回転規制手段として前記軸筒に固
定したフランジ板と前記軸受部材の固定板とを規制ネジ
で着脱可能に連結してなるのである。

【０００８】更に、前記ガスシリンダーの上端部に、下
端周囲に前記フランジ板を有する前記軸筒を密嵌する一
方、前記座部の下面に、前記軸筒をスリーブを介して回
転可能に内挿する軸受筒と該軸受筒の下端周囲に位置す
る固定板とを有する前記軸受部材を固定し、前記軸筒を
軸受筒に回転可能に貫通させ且つ抜止めし、互いに対面
する前記回転規制手段としてのフランジ板と固定板とを
規制ネジで着脱可能に連結してなるのである。

【０００９】

【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を添付図
面に基づき更に詳細に説明する。図１〜図３は本発明に
係る回転椅子の回転規制装置の第１実施形態を示し、図
中符号１は脚部、２は座部、３は回転規制手段をそれぞ
れ示している。

【００１０】本実施形態における回転椅子は、脚部１の
軸部４に昇降自在なガスシリンダー５を備え、該軸部４
の上端部に座部２を回転可能に装着してなるものであ
る。そして、前記脚部１の非回転部分と、前記座部２と
回転に対して一体となった回転部分とを、回転規制手段
３で係脱可能に連結して該座部２の昇降を許容しつつ該
座部２を回転不能としてなるのである。

【００１１】更に詳しくは、前記脚部１は、放射状に延
びた複数の支脚６，…の中心部に前記軸部４を立設した
ものであり、該軸部４には伸縮可能且つ回転不能なガス
シリンダー５が内蔵されており、該ガスシリンダー５の
上端部に前記座部２を回転可能に装着している。そし
て、前記ガスシリンダー５の上端部に取付けた軸筒７
を、前記座部２に固定した軸受部材８にて回転可能に受
けるとともに、前記回転規制手段３として前記軸筒７に
固定したフランジ板９と前記軸受部材８の固定板１０と
を規制ネジ１１で着脱可能に連結するのである。ここ
で、前記脚部１の非回転部分とは、前記ガスシリンダー
５に装着した軸筒７のフランジ板９がそれに対応し、前
記座部２と回転に対して一体となった回転部分とは、前
記軸受部材８の固定板１０がそれに対応するのである。

【００１２】更に具体的には、前記座部２の下面には取
付台１２が固定されており、該取付台１２に前記軸受部
材８を固定する。前記軸筒７は、ガスシリンダー５の上
端部に回転不能に密嵌するものであり、その下端周囲に
前記フランジ板９が固定され、上端周囲には抜け止め用
のＣリング１３を嵌着するための環状溝１４が形成され
ている。一方、前記軸受部材８は、断面倒コ字形の固定
部１５と、その下面を形成する固定板１０の中央部に上
下貫通状態で軸受筒１６を固定したものであり、前記固
定部１５の両脚板１７，１７の上端を前記取付台１２の
下面に固着するとともに、前記軸受筒１６の上端を取付
台１２の下面に形成した開口１８に嵌挿状態で固着して
いる。

【００１３】そして、前記ガスシリンダー５の上端部
に、下端周囲に前記フランジ板９を有する前記軸筒７を
密嵌する一方、前記座部２の下面に、前記軸筒７をスリ
ーブ１９を介して回転可能に内挿する軸受筒１６と該軸
受筒１６の下端周囲に位置する固定板１０とを有する前
記軸受部材８を固定し、前記軸筒７を軸受筒１６に回転
可能に貫通させ且つ軸筒７の突出部にリング板２０を嵌
挿した後、環状溝１４にＣリング１３を嵌着して抜止め
する。また、前記軸筒７と軸受部材８とが円滑に回転す
るように、互いの接触部間に前記スリーブ１９を介在さ
せている。ここで、前記スリーブ１９は、前記軸筒７と
軸受筒１６との間に介装する円筒部１９Ａと、前記フラ
ンジ板９と軸受筒１６の下端及び固定板１０との間に介
装するリング部１９Ｂとを一体成形した合成樹脂製の部
材である。

【００１４】そして、前記回転規制手段３は、互いに対
面する前記フランジ板９と固定板１０とを規制ネジ１１
で着脱可能に連結してなる構造である。尚、前記フラン
ジ板９の外周部の一部に突出部９Ａを突設し、該突出部
９Ａに前記規制ネジ１１を挿通するための通孔９Ｂを形
成し、該通孔９Ｂに対応する前記固定板１０には螺孔１
０Ａを形成している。尚、前記回転規制手段３として、
前記フランジ板９と固定板１０とを係脱自在なラッチで
回転不能となして連結することも可能である。

【００１５】通常の状態では、前記規制ネジ１１は外さ
れていて、前記座部２は自由に回転できるのである。そ
して、前記座部２の回転を規制するときには、前記通孔
９Ｂと螺孔１０Ａとの位置を合わせた状態で、下方より
通孔９Ｂに挿通した規制ネジ１１を螺孔１０Ａに螺合し
て、前記フランジ板９と固定板１０とを回転不能に連結
するのである。何れの状態にあっても、前記ガスシリン
ダー５は、先端のピン２１を操作レバー２２で操作する
ことで伸縮し、座部２の高さを調節することができる。

【００１６】次に、本発明の第２実施形態を図４〜図７
に基づいて説明する。本実施形態の場合には、前記軸部
４にガスシリンダー５を回転可能且つ伸縮可能に設けて
あり、該ガスシリンダー５の上端部を座部２の下面に固
定した前記同様の取付台１２に回転不能に固定してい
る。そして、前記回転規制手段３として、前記脚部１の
軸部４の上端部に取付けた受部材２３に設けた上下貫通
のガイド孔２４に、前記取付台１２の底面板２５を利用
して座部２の下面に着脱可能に取付けた垂直な規制杆２
６を、上下スライド可能に挿通した構造を採用してい
る。ここで、前記脚部１の非回転部分とは、前記軸部４
の上端部に取付けた受部材２３がそれに対応し、前記座
部２と回転に対して一体となった回転部分とは、前記取
付台１２の底面板２５及び座部２そのものがそれに対応
する。この場合、座部２に下設した規制杆２６が、軸部
４の上端部に取付けた受部材２３のガイド孔２４に、上
下スライド可能に挿通することで、座部２の回転を規制
するが、座部２の高さ調節はガスシリンダー５を伸縮さ
せることで行うことができる。

【００１７】更に詳しくは、前記受部材２３は、前記軸
部４を取り囲む平面視略Ｃ字形の挟持部２７を有し、該
挟持部２７の両遊端に形成した一対の突片２８，２８を
ボルト・ナットからなる締付具２９で締付けて軸部４に
回転不能且つ着脱可能に取付ける。また、前記受部材２
３には、挟持部２７から側方へ突出した突出部３０を有
し、該突出部３０に前記ガイド孔２４を形成している。
一方、前記取付台１２は、前記底面板２５の両側に上方
へ屈曲形成した取付脚３１，３１を有し、該取付脚３
１，３１を座部２の下面にネジ止めして取付ける。そし
て、前記底面板２５の端部には前記規制杆２６の上端部
を嵌挿する円孔３２が形成され、該円孔３２に下方から
挿通した規制杆２６の上端に突設したネジ部３３を座部
２の下面に設けたナット部３４に螺合して取付ける。

【００１８】本実施形態では、前記軸部４に、足載せ部
材３５を装着している。この足載せ部材３５は、中心部
の装着部３６を前記軸部４に外嵌して取付け、該装着部
３６から放射状に延設した複数の支持杆３７，…の先端
部にリング状の足載せ部３８を連設したものである。
尚、前記座部２を下動させた際には、前記規制杆２６の
下部は、支持杆３７，３７の間の空間内を下動するので
ある。

【００１９】また、図８に示した本発明の第３実施形態
は、前述の第２実施形態の変形例であり、相違する部分
は、回転規制手段３を構成する規制杆２６の下部を、前
記足載せ部材３５の装着部３６に形成した上下貫通のガ
イド孔２４に上下スライド可能に嵌挿した点である。
尚、本実施形態では、２本の前記規制杆２６，２６を座
部２の下面に下設し、それに応じて前記足載せ部材３５
の装着部３６に二つのガイド孔２４，２４を形成してい
る。それ以外は、第２実施形態と同様であるので、その
説明は省略する。

【００２０】また、図示しないが、本発明の第４実施形
態として、前述の第２実施形態のように脚部１の軸部４
に足載せ部材３５を装着し、回転規制手段３として該足
載せ部材３５の適所と座部２の下面適所とにチェーン等
の索体を引っ掛けて座部２の回転を規制する構造も可能
である。但し、前記座部２の高さを調節する際に、索体
の長さも調節する必要がある。

【００２１】

【発明の効果】以上にしてなる請求項１に係る発明の回
転椅子の回転規制装置は、脚部の軸部に昇降自在なガス
シリンダーを備え、該軸部の上端部に座部を回転可能に
装着してなる回転椅子の回転規制装置であって、前記脚
部の非回転部分と、前記座部と回転に対して一体となっ
た回転部分とを、回転規制手段で係脱可能に連結して該
座部の昇降を許容しつつ該座部を回転不能としてなるの
で、座部を必要なときに回転不能とすることができ、着
座状態で座部が不意に回転することがないので、安定し
た着座姿勢が得られるのである。

【００２２】請求項２及び３によれば、座部を必要なと
きに回転不能とすることができるにも係らず、座部の高
さ調節を行うことができ、また回転規制手段が従来のよ
うに外観性を損なったり、邪魔になることもないのであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の回転規制装置の第１実施形態を示す省
略斜視図である。

【図２】同じく要部の分解斜視図である。

【図３】同じく組立てた状態の要部の縦断側面図であ
る。

【図４】本発明の回転規制装置の第２実施形態を示す側
面図である。

【図５】同じく座部の高さを調節する状態を示した部分
破断側面図である。

【図６】同じく要部の分解斜視図である。

【図７】同じく組立てた状態の要部の斜視図である。

【図８】本発明の回転規制装置の第３実施形態を示す省
略斜視図である。

【符号の説明】

１ 脚部 ２ 座部 ３ 回転規制手段 ４ 軸部 ５ ガスシリンダー ６ 支脚 ７ 軸筒 ８ 軸受部材 ９ フランジ板 ９Ａ 突出部 ９Ｂ 通孔 １０ 固定板 １０Ａ 螺孔 １１ 規制ネジ １２ 取付台 １３ Ｃリング １４ 環状溝 １５ 固定部 １６ 軸受筒 １７ 脚板 １８ 開口 １９ スリーブ １９Ａ 円筒部 １９Ｂ リング部 ２０ リング板 ２１ ピン ２２ 操作レバー ２３ 受部材 ２４ ガイド孔 ２５ 底面板 ２６ 規制杆 ２７ 挟持部 ２８ 突片 ２９ 締付具 ３０ 突出部 ３１ 取付脚 ３２ 円孔 ３３ ネジ部 ３４ ナット部 ３５ 足載せ部材 ３６ 装着部 ３７ 支持杆 ３８ 足載せ部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 脚部の軸部に昇降自在なガスシリンダー
   を備え、該軸部の上端部に座部を回転可能に装着してな
   る回転椅子の回転規制装置であって、前記脚部の非回転
   部分と、前記座部と回転に対して一体となった回転部分
   とを、回転規制手段で係脱可能に連結して該座部の昇降
   を許容しつつ該座部を回転不能としてなることを特徴と
   する回転椅子の回転規制装置。
2. 【請求項２】 伸縮可能且つ回転不能なガスシリンダー
   を用い、該ガスシリンダーの上端部に取付けた軸筒を、
   前記座部に固定した軸受部材にて回転可能に受けるとと
   もに、前記回転規制手段として前記軸筒に固定したフラ
   ンジ板と前記軸受部材の固定板とを規制ネジで着脱可能
   に連結してなる請求項１記載の回転椅子の回転規制装
   置。
3. 【請求項３】 前記ガスシリンダーの上端部に、下端周
   囲に前記フランジ板を有する前記軸筒を密嵌する一方、
   前記座部の下面に、前記軸筒をスリーブを介して回転可
   能に内挿する軸受筒と該軸受筒の下端周囲に位置する固
   定板とを有する前記軸受部材を固定し、前記軸筒を軸受
   筒に回転可能に貫通させ且つ抜止めし、互いに対面する
   前記回転規制手段としてのフランジ板と固定板とを規制
   ネジで着脱可能に連結してなる請求項２記載の回転椅子
   の回転規制装置。