JP2002323903A - サーボ装置 - Google Patents

サーボ装置

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JP2002323903A
JP2002323903A JP2001128256A JP2001128256A JP2002323903A JP 2002323903 A JP2002323903 A JP 2002323903A JP 2001128256 A JP2001128256 A JP 2001128256A JP 2001128256 A JP2001128256 A JP 2001128256A JP 2002323903 A JP2002323903 A JP 2002323903A
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disturbance
control signal
focus
servo device
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JP2001128256A
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Hisatoshi Iwazawa
尚俊 岩澤
Daiko Shimizu
大晃 清水
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NEC Corp
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外乱が印加された場合でも、安定した高精度
の追従性を実現する。 【解決手段】 誤差圧縮部13は、フォーカス誤差信号
17に対してリードラグフィルタ処理を施す。非線形コ
ントローラ部21は、位置及び速度の状態に応じて、ゲ
インを切り替え、目標状態からかけ離れているときに
は、高いゲインで制御を行い、目標近辺ではデッドゾー
ンを設け、安定に目標に収束するよう制御する。外乱オ
ブザーバ部20は、フォーカス誤差信号17と制御信号
24とから外乱の状態を推定する。合成器19は、フォ
ーカス誤差を圧縮し、かつ外乱を抑制すべく、誤差圧縮
部13、非線形コントローラ部21及び外乱オブザーバ
部20の各出力を合成して制御信号24を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク装置の
光ヘッドサーボ系等のように高精度高速位置決めが必要
な装置において、移動部材を目標状態に追従させるサー
ボ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11は光ディスク装置における従来の
フォーカスサーボ装置の構成を示すブロック図である。
レーザ光源10から出射されたレーザビーム22は、光
ヘッド9を通過して対物レンズ6によって収束され、光
ディスク1に照射される。レーザビームスポット(レー
ザビームの合焦位置)23のレーザ光軸方向(フォーカ
ス方向)の位置は、フォーカスアクチュエータ18によ
って対物レンズ6をフォーカス方向に駆動することで変
位する。
【0003】スピンドルモータ2は、図示しないスピン
ドルモータコントローラの制御に従って光ディスク1を
回転させる。光ディスク1の情報記録面5上の情報記録
位置は、光ディスク1の反り等の原因により、光ディス
ク1の回転に伴ってフォーカス方向に変動する。そのた
め、レーザビームスポット23を情報記録位置に追従さ
せる目標状態量は、同じく光ディスク1の回転に伴って
変動する。
【0004】従来、光ディスク装置は、レーザビームス
ポット23を情報記録位置に追従させる手段としてフォ
ーカス位置検出部17とフォーカスアクチュエータ18
と誤差圧縮部13とを備えている。フォーカス位置検出
部17は、レーザ光源10、光ヘッド9、光検出器1
1、フォーカス位置誤差検出器12からなる。光ディス
ク1からの戻り光は、対物レンズ6、光ヘッド9を通過
して光検出器11で電気信号に変換され、フォーカス位
置誤差検出器12へ送られる。フォーカス位置誤差検出
器12は、光検出器11の出力信号からフォーカス誤差
信号16を抽出して出力する。
【0005】誤差圧縮部13は、フォーカス誤差信号1
6を制御演算器14に取り込んでリードラグフィルタ処
理を施し、得られた制御信号をパワーアンプ15へ出力
し、フォーカスアクチュエータ18を駆動制御する。フ
ォーカスアクチュエータ18は、対物レンズ6を備えた
ボビンに固定されているコイル7と、コイル7と対向す
るように配置された磁石8とからなる。磁石8から生じ
た磁界中にあるコイル7に通電することで、対物レンズ
6(ボビン)をフォーカス方向に駆動することができ
る。
【0006】以上のような光ディスク装置の光ヘッドサ
ーボ系では、シーク時の自励振動や外界からの振動が発
生すると、安定したトラック追従が実現できず、最悪時
はドライブ性能を維持できず、記録再生に支障を来た
す。従来の光ディスク装置では、量産品のため、安価な
機構システムが求められ、受動的な制御などのロバスト
性に頼る手段が一般的に用いられている。
【0007】しかし、光ディスクの高速大容量化が進む
に従い、各マージンが小さくなる傾向にある。例えば、
光ディスク装置を例にとると、レーザ光源10が赤色レ
ーザから青色レーザに変わり、大容量化が進むと考えら
れるが、フォーカス、トラック、チルトの各方向の許容
誤差は狭まる一方である。したがって、アクチュエータ
の高帯域化と同時にサーボ系の高精度追従が必要とな
り、自励振動あるいは外界からの振動を能動的に抑制し
なければドライブ性能を満たすことは困難になる。特
に、可搬型の光ディスク装置は、外乱を常時受けるた
め、振動を能動的に補償する必要がある。
【0008】従来、外乱を抑制する手段として、外乱オ
ブザーバを用いたサーボ装置が提案されている。また、
光ヘッドサーボの高精度追従を実現する手段として、非
線形フィルタを用いた可変構造型のヘッド位置制御装置
が特開平9−91902号公報で提案されている。この
装置では、ヘッド位置が目標位置を中心とするあらかじ
め設定された範囲外に外れると、目標位置にヘッドを引
き戻そうとする大きな制御信号を発生させることができ
る。また、位置誤差信号等をデットゾーン特性によって
処理することにより、チャタリングの発生を抑制するこ
とができる。これらによって、高い位置決め精度及び高
い外乱抑制性を得ることができるとされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなサーボ装置でも、高速大容量化の進んだ光ディスク
装置、特に外乱を常時受ける可搬型の光ディスク装置で
は、外乱抑制性が不十分であるという問題点があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、
内的外乱あるいは外的外乱が印加された場合でも、より
安定した高精度の追従性を実現することができるサーボ
装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のサーボ装置は、
移動部材の状態量を検出する検出部(17)と、この検
出された状態量の目標状態量に対する誤差を圧縮すべく
第1の制御信号を生成する誤差圧縮部(13)と、前記
検出された状態量の前記目標状態量に対する誤差を圧縮
すべく、前記検出された状態量を非線形処理して第2の
制御信号を生成する非線形コントローラ部(21)と、
前記検出された状態量と移動部材制御信号(24)とか
ら外乱の状態を推定し、推定した外乱量を第3の制御信
号として出力する外乱オブザーバ部(20)と、前記誤
差を圧縮し、かつ外乱を抑制すべく前記第1、第2、第
3の制御信号を合成して前記移動部材制御信号を得る合
成器(19)と、前記移動部材制御信号を基に前記移動
部材を駆動する駆動手段(18)とを有するものであ
る。非線形コントローラ部は、移動部材(光ディスクで
は、対物レンズ)の状態量(位置、速度、加速度)に応
じて、移動部材の各状態量を目標状態量(レーザビーム
スポットが光ディスクの情報記録面上に結像する状態、
すなわち合焦状態に相当する対物レンズの目標状態量)
に追従させる働きがある。従来用いられている線形フィ
ルタの制御では、常時一定のゲインで制御されるが、本
発明の非線形コントローラ部では、非線形フィルタを用
い、状態に応じてゲインも切り替わる構成をとる。具体
的には、位置及び速度の状態に応じて、ゲインを切り替
え、目標状態からかけ離れているときには、高いゲイン
で制御を行い、目標近辺ではデッドゾーンを設け、安定
に目標に収束するよう制御する。外乱オブザーバ部は、
移動部材の外乱を推定する。具体的には、状態量(位
置、速度、加速度)と移動部材制御信号とを入力とし、
光ディスク装置の場合であれば、シーク時の自励振動
や、ビデオカメラあるいは携帯端末等に内蔵される可搬
型装置での外界からの振動による外乱を推定する。誤差
圧縮部は、移動部材を目標状態量に追従させる。従来の
光ディスク装置のフォーカス系、トラック系では位相補
償器が一般的に用いられている。誤差圧縮制御は、記録
再生時にはフォーカス系ではデータ面に光ビームの焦点
を追従させ、トラック系であればトラックに追従させる
よう働く。誤差圧縮部への入力は目標位置に対する誤差
信号で、位相補償器で位相特性を改善し、この信号をア
クチュエータ駆動部へ入力し閉ループを構成すること
で、光ビームの焦点は目標位置に追従する。移動部材制
御信号は、非線形コントローラ部と外乱オブザーバ部と
誤差圧縮部とからの各出力信号を合成することで生成さ
れる。非線形コントローラ部及び誤差圧縮部からの信号
は、移動部材を目標状態量に追従させるよう制御する働
きがある。また、外乱オブザーバからの出力信号は、外
乱を推定した信号であり、移動部材制御信号が外乱の影
響を抑制するよう合成される。
【0011】また、本発明のサーボ装置の1構成例にお
いて、前記非線形コントローラ部は、前記移動部材と目
標位置との相対速度を推定する推定手段(31)と、前
記検出された状態量と前記相対速度とを合成する手段
(33)と、この合成後の信号に非線形フィルタ処理を
施して前記第2の制御信号を生成する非線形処理手段
(34)とを備えるものである。また、本発明のサーボ
装置の1構成例において、前記外乱オブザーバ部は、前
記検出された状態量と前記移動部材制御信号とにオブザ
ーバフィルタ処理を施して前記第3の制御信号を生成す
るオブザーバ処理手段(30)を備えるものである。ま
た、本発明のサーボ装置の1構成例において、前記誤差
圧縮部は、前記検出された状態量にリードラグフィルタ
処理を施して前記第1の制御信号を生成する演算手段
(14)を備えるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施
の形態となる光ディスク装置のフォーカスサーボ装置
(フォーカス追従制御器)の構成を示すブロック図であ
り、図11と同一の構成には同一の符号を付してある。
本実施の形態のフォーカスサーボ装置は、図11のサー
ボ装置に、外乱オブザーバ部20と非線形コントローラ
部21とを加えたものである。
【0013】すなわち、本実施の形態のフォーカスサー
ボ装置は、レーザビームスポット23を情報記録位置に
追従させる手段として、フォーカス位置検出部17とフ
ォーカスアクチュエータ18と誤差圧縮部13と非線形
コントローラ部21とを備えている。光ディスク1から
の戻り光は、対物レンズ6、光ヘッド9を通過して光検
出器11で電気信号に変換され、フォーカス位置誤差検
出器12へ送られる。フォーカス位置誤差検出器12
は、光検出器11の出力信号から、レーザビームスポッ
ト23(焦点位置)と情報記録面5上の情報記録位置と
のフォーカス方向の誤差を示すフォーカス誤差信号16
を抽出して出力する。
【0014】誤差圧縮部13は、フォーカス誤差信号1
6を制御演算器14に取り込んでリードラグフィルタ処
理を施す。非線形コントローラ部21は、非線形フィル
タを用い、状態に応じてゲインも切り替わる構成をと
る。具体的には、位置及び速度の状態に応じて、ゲイン
を切り替え、目標状態からかけ離れているときには、高
いゲインで制御を行い、目標近辺ではデッドゾーンを設
け、安定に目標に収束するよう制御する。外乱オブザー
バ部20は、外乱状態を推定するオブザーバ演算を行
い、推定した外乱の大きさを示す信号を出力する。
【0015】誤差圧縮部13及び非線形コントローラ部
21の出力信号は、レーザビームスポット23を目標状
態量に追従させるよう制御する働きがあるので、誤差圧
縮部13の出力と非線形コントローラ部21の出力と外
乱オブザーバ部20の出力とを合成器19で合成するこ
とにより、所望のフォーカス追従性と外乱抑制性とを得
るための制御信号24を生成することができる。
【0016】パワーアンプ15は、制御信号24を増幅
してフォーカスアクチュエータ18に出力する。フォー
カスアクチュエータ18は、対物レンズ6を備えたボビ
ンに固定されているコイル7と、コイル7と対向するよ
うに配置された磁石8とからなる。磁石8から生じた磁
界中にあるコイル7にパワーアンプ15から電流を供給
することで、対物レンズ6(ボビン)をフォーカス方向
に駆動することができる。
【0017】図2は外乱オブザーバ部20の1構成例を
示すブロック図である。外乱オブザーバ部20は、フォ
ーカス位置誤差検出器12から出力されたフォーカス誤
差信号16と合成器19から出力された制御信号24と
をオブザーバ処理器30に入力し、オブザーバ処理器3
0でオブザーバ演算を行い、演算の結果得られた信号を
合成器19へ出力する。オブザーバ処理器30によるオ
ブザーバ演算は、周波数領域で例えば次式に従う。 F={(s2+as+b)VO−GOcGVI} /{s3+(a+k1O)s2+(ak1O+b+k2O)s+ck3O} ・・・(1)
【0018】式(1)において、Fはオブザーバ処理器
30の出力、VI はフォーカスアクチュエータ18の入
力である電流値、VO はフォーカスアクチュエータ18
の出力である、対物レンズ6のフォーカス方向の変位で
ある。a,b,c,GO ,Gはアクチュエータ物理定数
で、フォーカスアクチュエータ18の構成から物理的に
定まる定数である。k1,k2,k3 は、オブザーバ処理
器30によるオブザーバ演算処理を安定化するための定
数で、オブザーバ演算の安定度及び収束度を決定する。
【0019】また、フォーカスアクチュエータ18の物
理モデルは次式に従う。 VO =(GOcGVI)/(s2+as+b) ・・・(2) 以上のオブザーバ演算の具体的な設計の1例は、極配置
法により求めることが可能である。
【0020】図3は非線形コントローラ部21の1構成
例を示すブロック図である。非線形コントローラ部21
は、速度推定器31、増幅器32、加算器33、非線形
処理器34及び増幅器35からなる。速度推定器31
は、フォーカス誤差信号16を基に、情報記録面5上の
情報記録位置とレーザビームスポット23との相対速度
を推定して、推定した相対速度を示す速度推定信号36
を出力する。
【0021】相対速度の推定方法としては、フォーカス
誤差信号16を微分する方法や、フォーカス誤差信号1
6の一定時間毎の差分をとる方法などが考えられる。ま
た、フォーカス誤差信号16を使用せずに、外乱オブザ
ーバ部20内での演算処理から速度を推定する方法も考
えられる。
【0022】増幅器32は、フォーカス誤差信号16を
所定のゲインで増幅して振幅調整する。加算器33は、
増幅器32から出力された振幅調整されたフォーカス誤
差信号37と、速度推定器31から出力された速度推定
信号36とを加算する。非線形処理器34は、加算器3
3の出力信号を非線形処理して出力する。増幅器35
は、非線形処理器34の出力信号を所定のゲインで増幅
して振幅調整し、合成器19へ送る。
【0023】次に、非線形処理器34における非線形処
理について説明する。本実施の形態の非線形処理は、デ
ッドゾーンを有する可変構造系と呼ばれる処理である。
ここで、フォーカス誤差信号16が示すフォーカス誤差
1 と、速度推定信号36が示す相対速度X2 とを軸と
する図4に示すような平面(以下、フォーカス誤差−相
対速度平面と呼ぶ)を定義する。
【0024】このフォーカス誤差−相対速度平面におい
て、次式で定義するような切り替え線σ+,σ−を設
け、この切り替え線σ+,σ−を境界として非線形処理
器34の動作を切り替えることにより、非線形制御を実
現する。 S11+X2−(σ±)=0 ・・・(3)
【0025】式(3)において、S1 は増幅器32のゲ
インである。次に、非線形処理器34に入力される加算
器33の出力S11+X2 をσとしたとき、この加算器
33の出力σを入力とする次式のような制御則を定義す
る。
【0026】
【数1】
【0027】式(4)において、kは増幅器35のゲイ
ン、uは非線形コントローラ部21(増幅器35)の出
力である。非線形処理器34への入力σが図4のフォー
カス誤差−相対速度平面において切り替え線σ+,σ−
に囲まれた領域内に位置する場合、すなわちσ−≦σ≦
σ+が成立する場合、式(4)により、非線形処理器3
4の出力は0となり、非線形コントローラ部21の出力
uが0となる。この切り替え線σ+,σ−に囲まれた領
域をデッドゾーン40と呼ぶ。
【0028】なお、σ−≦σ≦σ+が成立する場合、非
線形コントローラ部21の出力uは0となるが、フォー
カスアクチュエータ18、光検出器11、フォーカス位
置誤差検出器12、誤差圧縮部13、外乱オブザーバ部
20、非線形コントローラ部21、合成器19及びパワ
ーアンプ15からなるフォーカスサーボループ内に設け
られた誤差圧縮部13及び外乱オブザーバ部20の働き
により、非線形処理器34への入力σがフォーカス誤差
−相対速度平面上で原点に近づくようにフォーカスアク
チュエータ18が制御される。すなわち、フォーカス誤
差X1 、相対速度X2 がそれぞれ0に近づくように制御
される。
【0029】一方、非線形処理器34への入力σがフォ
ーカス誤差−相対速度平面において切り替え線σ+より
外側(原点から離れる方向)に位置する場合、すなわち
σ+<σが成立する場合、式(4)により、非線形処理
器34の出力はσとなり、非線形コントローラ部21の
出力uがkσとなる。同様に、非線形処理器34への入
力σがフォーカス誤差−相対速度平面において切り替え
線σ−より外側に位置する場合、すなわちσ<σ−が成
立する場合、非線形処理器34の出力はσとなり、非線
形コントローラ部21の出力uがkσとなる。
【0030】σ+<σ又はσ<σ−が成立する場合で
は、誤差圧縮部13、外乱オブザーバ部20及び非線形
コントローラ部21の働きにより、非線形処理器34へ
の入力σがフォーカス誤差−相対速度平面上で原点に近
づくようにフォーカスアクチュエータ18が制御され
る。
【0031】σ+<σ又はσ<σ−が成立する場合、以
上のような働きにより、非線形処理器34への入力σが
フォーカス誤差−相対速度平面上で切り替え線σ+,σ
−に近づくよう制御される。入力σがフォーカス誤差−
相対速度平面上で切り替え線σ+又はσ−を越えた場
合、式(4)に従い制御則の切り替えが発生する。
【0032】本実施の形態のようなデッドゾーン40が
ない場合には、チャタリングが発生する。例えば、非線
形処理器34への入力σが左側から切り替え線に近づい
て切り替え線を越えたとき、制御則の切り替えが発生
し、σを切り替え線に引き戻そうとする制御が行われ、
この制御により、σが右側から切り替え線を越えると、
制御則の切り替えが再び発生し、σを切り替え線に引き
戻そうとする制御が行われる。このように、デッドゾー
ン40がない場合、σが切り替え線に近づいたり離れた
りする動作が繰り返されることになる。
【0033】これに対して、本実施の形態では、デッド
ゾーン40を設けることにより、増幅器35のゲインk
をハイゲイン化したとしても、チャタリングの発生を抑
制することができ、σの収束度を高め、かつσを安定的
に原点近傍へ近づけることができる。
【0034】誤差圧縮部13の出力と外乱オブザーバ部
29の出力と非線形コントローラ部21の出力とを合成
器19で合成し、合成器19の出力をパワーアンプ15
を介してフォーカスアクチュエータ18に与え、フォー
カスアクチュエータ18を制御することで、シーク時の
自励振動や外界からの振動を抑圧することができ、フォ
ーカス追従を安定化することが可能である。
【0035】なお、本実施の形態では、合成器19で誤
差圧縮部13、外乱オブザーバ部120及び非線形コン
トローラ部21の各出力を加算処理しているが、これに
限るものではなく、所望のフォーカス追従性及び外乱抑
制性が得られればよく、減算処理してもよい。
【0036】以上のように、本実施の形態のサーボ装置
によれば、従来例に見られる外乱オブザーバ部を単独で
用いるサーボ装置、あるいは耐振制御手段を搭載してい
ないサーボ装置に比べて、優れた外乱抑圧効果が得られ
る。以下、本実施の形態の効果を具体的に示す。
【0037】図5は、耐振制御手段を搭載していないサ
ーボ装置に周波数400Hzの1.0G0−Pの正弦波
状連続外乱を加えた場合のフォーカスアクチュエータ変
位の時間応答を示す波形図である。図6は、外乱オブザ
ーバ部のみを搭載しているサーボ装置に図5と同様の正
弦波状連続外乱を加えた場合のフォーカスアクチュエー
タ変位の時間応答を示す波形図である。図7は、本実施
の形態のサーボ装置に図5と同様の正弦波状連続外乱を
加えた場合のフォーカスアクチュエータ変位の時間応答
を示す波形図である。図5〜図7において、横軸は時
間、縦軸はフォーカス誤差である。さらに、各サーボ装
置に正弦波状連続外乱を加えた場合のフォーカスアクチ
ュエータ変位と外乱抑制効果とを表1にまとめて示す。
【0038】
【表1】
【0039】図5〜図7及び表1から明らかなように、
本実施の形態のサーボ装置を用いた場合、従来のサーボ
装置に比べて、より良好な外乱抑制効果が得られること
が分かる。
【0040】図8は、耐振制御手段を搭載していないサ
ーボ装置に2.5ms幅で1.0G0−Pの半正弦波状
外乱を単発で加えた場合のフォーカスアクチュエータ変
位の時間応答を示す波形図である。図9は、外乱オブザ
ーバ部のみを搭載しているサーボ装置に図8と同様の単
発外乱を加えた場合のフォーカスアクチュエータ変位の
時間応答を示す波形図である。図10は、本実施の形態
のサーボ装置に図8と同様の単発外乱を加えた場合のフ
ォーカスアクチュエータ変位の時間応答を示す波形図で
ある。図8〜図10において、横軸は時間、縦軸はフォ
ーカス誤差である。さらに、各サーボ装置に単発外乱を
加えた場合のフォーカスアクチュエータ変位と外乱抑制
効果とを表2にまとめて示す。
【0041】
【表2】
【0042】図8〜図10及び表2から明らかなよう
に、本実施の形態のサーボ装置を用いた場合、従来のサ
ーボ装置に比べて、より良好な外乱抑制効果が得られる
ことが分かる。以上のように、本実施の形態のサーボ装
置を用いると、連続外乱、単発外乱の何れが加わった場
合でも、従来のサーボ装置に比べて外乱抑制性が向上
し、その結果、外乱に影響されることなく、高い追従性
を得ることができる。
【0043】なお、本実施の形態では、フォーカスサー
ボ装置について説明したが、トラックサーボ装置、チル
トサーボ装置についても同様な構成で実現可能である。
また、本実施の形態では、単軸に対し外乱が発生する場
合を示したが、複数軸、特に光ディスク装置におけるチ
ルト制御系とトラック制御系の干渉を除去する手段とし
ても、本発明は有効である。
【0044】光ディスク装置では、最近の高密度化に伴
い、レーザ光軸4とディスク面とを垂直に保つためのチ
ルトサーボ装置を有するものが存在する。チルトサーボ
装置の構成としては、レールチルト手段を有するものと
アクチュエータチルト手段を有するものとがある。レー
ルチルト手段は、光ヘッド9のケースごとディスク面に
対してチルトを制御する手段で、アクチュエータチルト
手段は、対物レンズ6のチルトをアクチュエータで制御
する手段である。
【0045】アクチュエータチルト手段の場合、チルト
を変化させる動作によって、トラック追従に干渉が発生
することが問題になる。具体的には、チルト角の変化に
伴い、チルトの支点とトラック面までの距離を乗じた分
だけトラック方向のずれが発生することになる。チルト
を変化させる動作周波数が低い周波数(10Hz以下)
であれば、トラックの圧縮率が前記干渉を十分に抑圧で
きる性能がある。しかし、チルトの動作周波数がディス
ク回転数(50Hz)程度になると、トラックの圧縮率
が十分ではなくなり、チルトからの干渉を完全に抑圧で
きない。
【0046】そこで、本実施の形態で説明したサーボ装
置をトラックサーボ装置に適用し、チルトを変化させる
ことによるトラックサーボへの干渉を外乱として扱うこ
とで、トラックサーボへのチルト動作の干渉を抑圧する
ことができ、安定したトラックサーボ系及びチルトサー
ボ系を提供できる。この場合の構成はフォーカスサーボ
と同様であり、誤差圧縮部13及び非線形コントローラ
部21は、図示しないトラック位置検出部で検出された
トラック誤差を圧縮すべく動作する。外乱オブザーバ部
20は、トラック誤差信号と合成器19の出力とを入力
とし、チルト動作からの干渉成分を外乱として推定し、
合成器19でその影響を抑圧するよう信号の合成を行
う。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、誤差圧縮部と非線形コ
ントローラ部と外乱オブザーバ部とを設けることによ
り、目標状態量に対する高精度の追従性と優れた外乱抑
制性とを得ることができる。その結果、従来のサーボ装
置を超える高精度の追従性を外的あるいは内的外乱が印
加された状態でも維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態となる光ディスク装置の
フォーカスサーボ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態における外乱オブザーバ
部の1構成例を示すブロック図である。
【図3】 本発明の実施の形態における非線形コントロ
ーラ部の1構成例を示すブロック図である。
【図4】 フォーカス誤差−相対速度平面を示す図であ
る。
【図5】 耐振制御手段を搭載していない従来のサーボ
装置に連続外乱を加えた場合のフォーカスアクチュエー
タ変位の時間応答を示す波形図である。
【図6】 外乱オブザーバ部のみを搭載している従来の
サーボ装置に連続外乱を加えた場合のフォーカスアクチ
ュエータ変位の時間応答を示す波形図である。
【図7】 本発明の実施の形態のサーボ装置に連続外乱
を加えた場合のフォーカスアクチュエータ変位の時間応
答を示す波形図である。
【図8】 耐振制御手段を搭載していない従来のサーボ
装置に単発外乱を加えた場合のフォーカスアクチュエー
タ変位の時間応答を示す波形図である。
【図9】 外乱オブザーバ部のみを搭載している従来の
サーボ装置に単発外乱を加えた場合のフォーカスアクチ
ュエータ変位の時間応答を示す波形図である。
【図10】 本発明の実施の形態のサーボ装置に単発外
乱を加えた場合のフォーカスアクチュエータ変位の時間
応答を示す波形図である。
【図11】 光ディスク装置の従来のフォーカスサーボ
装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…光ディスク、2…スピンドルモータ、3…スピンド
ルモータ軸、4…レーザ光軸、5…情報記録面、6…対
物レンズ、7…コイル、8…磁石、9…光ヘッド、10
…レーザ光源、11…光検出器、12…フォーカス位置
誤差検出器、13…誤差圧縮部、14…制御演算器、1
5…パワーアンプ、16…フォーカス誤差信号、17…
フォーカス位置検出部、18…フォーカスアクチュエー
タ、19…合成器、20…外乱オブザーバ部、21…非
線形コントローラ部、22…レーザビーム、23…レー
ザビームスポット、24…制御信号、30…オブザーバ
処理器、31…速度推定器、32…増幅器、33…加算
器、34…非線形処理器、35…増幅器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/095 G11B 7/095 G 21/10 21/10 L Fターム(参考) 5D096 AA05 DD09 GG10 KK11 KK12 5D118 AA24 BA01 CA05 CA11 CA13 CD01 5H004 GA07 GB20 HA06 HB06 JB22 KA45 KA65 KA74 KB26 5H303 AA22 BB01 BB06 BB11 CC06 DD04 FF03 KK01 KK10 KK11 KK22 KK24 MM05 QQ03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動部材の状態量を目標状態量に追従さ
    せるサーボ装置において、 移動部材の状態量を検出する検出部と、 この検出された状態量の目標状態量に対する誤差を圧縮
    すべく第1の制御信号を生成する誤差圧縮部と、 前記検出された状態量の前記目標状態量に対する誤差を
    圧縮すべく、前記検出された状態量を非線形処理して第
    2の制御信号を生成する非線形コントローラ部と、 前記検出された状態量と移動部材制御信号とから外乱の
    状態を推定し、推定した外乱量を第3の制御信号として
    出力する外乱オブザーバ部と、 前記誤差を圧縮し、かつ外乱を抑制すべく前記第1、第
    2、第3の制御信号を合成して前記移動部材制御信号を
    得る合成器と、 前記移動部材制御信号を基に前記移動部材を駆動する駆
    動手段とを有することを特徴とするサーボ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のサーボ装置において、 前記非線形コントローラ部は、前記移動部材と目標位置
    との相対速度を推定する推定手段と、前記検出された状
    態量と前記相対速度とを合成する手段と、この合成後の
    信号に非線形フィルタ処理を施して前記第2の制御信号
    を生成する非線形処理手段とを備えることを特徴とする
    サーボ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のサーボ装置において、 前記外乱オブザーバ部は、前記検出された状態量と前記
    移動部材制御信号とにオブザーバフィルタ処理を施して
    前記第3の制御信号を生成するオブザーバ処理手段を備
    えることを特徴とするサーボ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のサーボ装置において、 前記誤差圧縮部は、前記検出された状態量にリードラグ
    フィルタ処理を施して前記第1の制御信号を生成する演
    算手段を備えることを特徴とするサーボ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101120782B1 (ko) * 2004-07-05 2012-03-23 파나소닉 주식회사 광디스크 장치

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