JP2002323377A - 炉内温度測定装置 - Google Patents

炉内温度測定装置

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JP2002323377A
JP2002323377A JP2001128358A JP2001128358A JP2002323377A JP 2002323377 A JP2002323377 A JP 2002323377A JP 2001128358 A JP2001128358 A JP 2001128358A JP 2001128358 A JP2001128358 A JP 2001128358A JP 2002323377 A JP2002323377 A JP 2002323377A
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furnace
cooling
infrared
gas
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JP2001128358A
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Katsuyuki Shirakawa
克行 白川
Mikio Shimokawa
幹男 下川
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Nippon Crucible Co Ltd
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Nippon Crucible Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温の環境下に温度センサを設置しても、温
度測定を可能とし、精度の高い安価な炉内温度測定装置
を提供する。 【解決手段】 炉40内の温度を測定する炉内温度セン
サ部19と、この炉内温度センサ部19に冷却水と冷却
エアーとを供給する給水給気装置35と、これら炉内温
度センサ部19、給水給気装置35を制御する制御装置
5とを備えている。炉内温度センサ部19はさらに電子
回路等を搭載したアッパー部7と、赤外線センサを冷却
する冷却筒11と、この冷却筒11の先端から伸びた支
持部材12と、この支持部材12の先端に設置された測
温ターゲット13を有する。この測温ターゲット13か
らの赤外線放射量から炉内温度を換算する手段による。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気炉、ガス炉、
重油炉などの高温雰囲気炉内の温度を測定する炉内温度
測定装置に関し、詳細には、温度ターゲットからの赤外
線放射量から、高温雰囲気炉内温度を正確に、しかも安
価に測定する炉内温度測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の非接触温度計測装置に
は、例えば、炉壁に熱電対などの測定手段を埋設してお
き、炉内の温度を間接的に測定するものがあった。ま
た、特開平11−44581号公報には、一端を炉壁に
形成された開口部に連通させ、他端に計測窓を設けた筒
状体と、計測窓を介して炉内温度を計測する非接触式の
測温部とを備えてなる非接触式温度計測装置であって、
開口部への融着物を除去すべく、筒状体の内部から開口
部に突出自在な機械的除去手段を設けたものが開示され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の非接触温度
計測装置によれば次のような問題があった。即ち、埋設
式の非接触温度計測装置では、あくまでも炉内の温度を
間接的に測定するものであって、真の炉内温度を得るた
めには何らかの温度補正が必要となって正確な温度を常
に把握することが困難であった。また、炉の内部と測温
部との間には炉壁が存在するため、炉内の温度変化を認
識するのに幾分の時間差が生じ、例えば、羽口から供給
する燃料および酸素量を適切なタイミングで調節するこ
とが困難である等の不都合が生じていた。炉内の温度を
正確に測定するには、例えば、消耗式の熱電対を炉内に
挿入する方法も考えられるが、この場合には、毎回の温
度測定作業が非常に煩雑であるうえに、測定間隔も断続
的にならざるをえず、炉内の温度変形に応じて溶融対象
物の投入量、あるいは羽口からの酸素供給量を適宜増減
させたりするための判断要素とするには不十分であっ
た。また、特開平11−44581号公報に開示された
技術は、計測窓を介して炉内の溶融廃棄物から発せられ
る赤外線の波長等を測定することにより、溶融部の温度
を測定する方法であり、本発明とは異なる手段である。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、高温
の炉内に直接温度センサを挿入しても温度測定を可能と
し、炉内の温度を正確に、しかも安価な手段で24時間
連続して測定できる炉内温度測定装置を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、高温雰囲気炉内に挿入された
炉内温度センサ部により、前記高温雰囲気炉内の温度を
測定する炉内温度測定装置において、前記炉内温度セン
サ部は、筒状の内部を空洞にして該内部に冷却水を循環
する手段を有する冷却筒と、該冷却筒の同心円の略中心
位置に設けた中空の内筒と、該内筒開口部の近傍に設置
し、赤外線を検出する赤外線検出手段と、該赤外線検出
手段の検出面と対向する位置に設けられ周囲温度により
赤外線放射量が変化する測温ターゲットと、を備えると
共に、前記内筒内を通過し、該内筒の開口部から噴出す
る第1冷却ガス及び、前記冷却筒内壁と前記内筒の外壁
の間隙を通過して前記冷却筒の開口部から噴出する第2
冷却ガスを供給するガス供給手段を備えたことを特徴と
する。まず、高温の炉内の温度を正確に、しかも安価な
手段で測定するために解決しなければならないいくつか
の課題を明確にしておく必要がある。
【0005】その1)は、炉内がかなりの高温(100
0℃以上)になるため、それに耐えうる構造、あるいは
材質を有すること。2)は、温度を可能な限り正確に測
定できること。3)は、それら測定装置の信頼性が高
く、メンテナンスコストが安価であることである。1)
について本発明では、高温の炉内に電子部品を直接曝し
て温度を検出することは、現実的に無理である。しかし
炉内の正確な温度はそのような過酷な環境下にあり、特
に炉内のガスや灰等に含まれている。そこで最も炉内温
度として安定している炉内のほぼ中心に、炉内温度に耐
え、且つ炉内ガス耐食性のある材質の測温ターゲット
(ハステロイ材、インコネル材等)を置き、そこから放
射される赤外線を可能な限り離れた場所から検出する手
段が考えられる。そして、その検出手段(赤外線セン
サ)を冷却するために冷却水を循環させた筒内に設置
し、さらに外部から冷却ガスをその赤外線センサの周囲
に噴出してエアーシールを形成し、ある一定の温度(4
0℃以下)に維持する。 2)について本発明では、測温ターゲットを最も炉内温
度として安定している炉内中心付近に設置可能なよう
に、筒から支持部材を伸ばしその先端に測温ターゲット
を設置する。このとき、冷却筒から噴出する冷却ガスに
より、測温ターゲットの表面温度が影響を受けない距離
に離すことが本発明の特徴である。また、赤外線は瞬時
に赤外線センサに到達するため、応答性が良く他のガス
や塵埃の影響を受けにくい。 3)について本発明では、測温ターゲットは炉内温度に
耐える金属片であれば高価な銀製等である必要は無く、
他の金属でも可能であるが、炉内ガスによる腐食を受け
にくい材質でなければならない。また、そこからの赤外
線を検出する赤外線センサは、最も汎用的な部品を使用
でき、しかも冷却されるためコスト的にも信頼性の点で
も優れている。かかる発明によれば、測温ターゲットを
最も正確な炉内温度を形成する炉内中心部に置き、そこ
からの赤外線を検出するセンサを極力測温ターゲットか
ら離して冷却するので、正確な温度を安価に、しかも高
い信頼性を維持して測定可能な炉内温度測定装置を提供
できる。
【0006】また、請求項2の発明では、前記検出手段
は、前記冷却筒開口部面と少なくとも同一面上若しくは
その内側に設置されていることも本発明の有効な手段で
ある。赤外線センサは電子部品であるため、できるだけ
その周囲温度を40℃以下に維持する必要がある。しか
し、だからといって冷却筒の奥に設置すると筒効果(赤
外線が筒の内壁に反射してしまう)のため赤外線検出能
力が劣化する恐れがでてくる。従って、その位置は冷却
筒の開口部に近い内側が好ましい。これにより、冷却効
果が高く、しかも赤外線検出精度が高い赤外線センサの
配置を実現できる。また、請求項3の発明は、前記測温
ターゲットは、前記冷却筒開口部面よりも外側に位置
し、前記第1冷却ガスと前記第2冷却ガスの影響を無視
できる距離に設置されることも本発明の有効な手段であ
る。つまり、測温ターゲットからの赤外線量は、炉内の
温度を正確に反映していることが必要絶対条件である。
その測温ターゲットが冷却ガスにより冷却されるとター
ゲットの温度が下がり、表面から放射される赤外線の放
射量が減少して、それを検出する赤外線センサからのデ
ータが変化してしまい、正確な温度測定ができなくな
る。かかる技術手段によれば、前記で説明した通り、冷
却筒から噴出する冷却ガスにより、測温ターゲットの表
面温度が影響を受けない距離に離すことにより、正確な
炉内温度が測定可能となる。また、請求項4の発明は、
前記測温ターゲットは、前記冷却筒開口部面よりも外側
に位置し、該測温ターゲットの位置を任意に変更可能と
した構造を有することも本発明の有効な手段である。炉
の大きさは千差万別である。その大きさに合わせて測温
ターゲットの支持部材の長さを設定したのでは、多くの
種類の炉内温度センサ部を用意しなければならない。そ
こで、かかる技術手段によれば、センサ部の支持部材の
長さを予め可変できる構造にしておけば各種炉に対応が
可能となる。
【0007】また、請求項5の発明は、前記第1冷却ガ
スと前記第2冷却ガスは、空気若しくは窒素ガスあるい
はアルゴンガス等の不活性ガスからなることも本発明の
有効な手段である。炉内は高温の炎があり、また炉その
ものは密閉された構造である。そのような条件下で、い
かに安全性を確保するかがメーカに問われている。特
に、炉内の急激な圧力の高騰によるガス爆発が最も警戒
しなければならない問題である。しかし、これらの事故
の多くが外部からの要因に負うところが大きい。かかる
技術手段によれば、空気、窒素ガスあるいはアルゴンガ
ス等の不活性ガスは、非可燃性でしかも冷却能力が高い
ガスであり、安全性を維持しながら対象物を冷却するこ
とができる。また、請求項6の発明は、高温雰囲気炉内
に挿入された炉内温度センサ部により、前記高温雰囲気
炉内の温度を測定する炉内温度測定装置において、前記
炉内温度センサ部からの受光赤外線信号を増幅する増幅
回路と、該増幅回路により増幅された信号に基づいて温
度信号を演算処理する演算処理回路と、黒色の測温ター
ゲット近傍の校正用温度信号から、放射率が1.0時の
赤外線信号レベルを発生する制御回路と、前記演算処理
回路から出力された前記温度信号に基づいて温度表示を
する表示回路と、を備えたことを特徴とする。炉内温度
センサ部からの信号は、赤外線センサからの生の信号で
ある。従って、このままでは炉内温度を測定することは
できない。つまり、実際の炉内温度と測温ターゲットが
平衡状態になった時点で、その測温ターゲットからの赤
外線総量を検出して、その信号レベルに測温ターゲット
の放射率を乗算して温度を換算する必要がある(校正が
終了している前提)。かかる発明によれば、測温ターゲ
ットからの赤外線総量さえリニアに検出できれば、瞬時
にしてデータテーブルから演算して炉内温度を正確に測
定できる。
【0008】請求項7の発明は、前記演算処理回路は、
黒色の測温ターゲットからの赤外線放射量と前記校正用
温度信号から換算された放射率が1.0時の赤外線信号
レベルとの差をとり、該差が零になるように調整可能と
したことも本発明の有効な手段である。測温ターゲット
からの赤外線放射率は、黒色が1.0であり、それを基
準にその他の物体表面は1.0以下である。この原理を
利用して黒色の測温ターゲットの赤外線放射総量と温度
との関係を予め調べておき、炉内に設置するときに、黒
色の測温ターゲットの近傍に予め校正された熱電対素子
を設置し、実測温度が表示回路の表示と異なるときは、
演算処理回路内を調整して同じ温度になるようにキャリ
ブレーションする。かかる技術手段によれば、1回のキ
ャリブレーションにより校正が完了し、しかも異なる複
数の放射率の測温ターゲットに対して前記黒色ターゲッ
トのデータにその放射率を乗算するだけで温度が正確に
測定できる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施形
態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載
される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配
置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそ
れのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎな
い。以下、本発明を図面に示した実施形態に基づいて詳
細に説明する。図1は本発明による第1の実施形態の炉
内温度測定装置を示す概略構成図である。この図に示す
炉内温度測定装置20は、炉内温度が1000℃以上に
なる炉40(図4参照)内の温度を測定する炉内温度セ
ンサ部19と、この炉内温度センサ部19に冷却水と冷
却エアーとを供給する給水給気装置35と、これら炉内
温度センサ部19、給水給気装置35を制御する制御装
置5とを備えている。炉内温度センサ部19はさらに電
子回路等を搭載したアッパー部7と、赤外線センサ(図
示は後述する)を冷却する冷却筒11と、この冷却筒1
1の先端から伸びた支持部材12と、この支持部材12
の先端に設置された測温ターゲット13を有する。支持
部材12は、耐熱性の高い部材であれば特に材質を選ば
ない。好ましくは、赤外線放射率の低い材質がよい。ま
た給水給気装置35は液体フロースイッチ2、気体フロ
ースイッチ3により構成されている。そして、炉内温度
センサ部19が炉外に出る部分に前記液体フロースイッ
チ2からの冷却水入口8と、冷却水出口10があり、気
体フロースイッチ3からの冷却ガス入口9、14があ
る。前記液体フロースイッチ2は水槽タンク1から冷却
水を導き、気体フロースイッチ3は図示しないガス供給
体から冷却ガス4を導く。また、前記アッパー部7は図
示しない電子回路を搭載し、コネクタ6により制御装置
5と接続されている。
【0010】次に、本実施形態の炉内温度測定装置の動
作について説明する。まず炉内温度測定装置20は、予
めキャリブレーションが完了しているものとする。制御
装置5によって液体フロースイッチ2、気体フロースイ
ッチ3を制御し、炉内温度センサ部19に冷却水と、冷
却エアーとを供給している状態で炉内温度センサ部19
を先端側から炉40(図4参照)内に挿入して固定した
後、炉内温度センサ部19の先端側に配置された測温タ
ーゲット13を炉内のほぼ中心に設置するため、支持部
材12の長さを調節する。そして、測定開始指示が入力
されたとき、炉内の温度と測温ターゲット13が平衡し
た時点で、冷却筒11内の赤外線センサからの信号を連
続的に制御装置5が読み取り、後述する方法で演算処理
して炉内温度を測定する。図2は、本発明の炉内温度セ
ンサ部19の要部断面図である。その構成は大きく分け
て3つの部分から構成されている。つまり、アッパー部
7と、冷却筒11と、支持部材12に設置された測温タ
ーゲット13である。アッパー部7には、基板16とそ
の基板上に実装されたプリアンプ17と、図示を省略す
るが他の部品がある。また、基板16から信号を制御装
置5に出力したり、制御装置5から電源を供給するコネ
クタ6が実装されている。冷却筒11は、図の断面から
わかる通り、冷却水入り口8から入水した冷却水が冷却
筒11の内側を通り、先端の折り返しルートから冷却筒
11の外側を循環して冷却水出口10から排水される。
詳細は後述する。また、冷却筒11の中心部に中空の内
筒11aがあり、その開口部近傍に赤外線センサ15が
ある。その赤外線センサ15からの信号は、信号線18
を通ってプリアンプ17に接続され、ある一定のレベル
に増幅される。赤外線センサ15は電圧発生タイプや抵
抗値が変化するタイプがあり、それぞれ使い分けられ
る。プリアンプ17の機能は、微弱な信号を増幅した
り、ノイズを除去するための処理を施し、インピーダン
ス変換する機能を有するものである。また、冷却筒11
の付け根に冷却ガス入口9,14がある。さらに、内筒
11aの開口部あるいは付け根から、図示は省略するが
耐熱性の支持部材12が伸び、その先端に測温ターゲッ
ト13が赤外線センサ15の検出面と対向するように設
置されている。
【0011】図3は、本発明の冷却筒11内の冷却水と
冷却ガスの循環ルートを示す図である。この図では冷却
水の流れを通常の矢印で、冷却ガスの流れを先端を塗り
つぶした矢印で表している。水槽タンク1から炉内温度
センサ19に供給される冷却水(例えば、工業用水な
ど)は、フロースイッチ2が制御装置5により制御さ
れ、開放されると冷却水が冷却水入口8から供給され
る。その冷却水22は矢印のように冷却筒11の内側を
循環し、炉で暖められた冷却水はその外側を通り冷却水
出口10より排水される。従って、常に冷却筒11の内
側は最も冷たい冷却水が流れるため、内筒11aの周囲
の温度を奪って一定温度に保つ。さらに、冷却エアー源
から前記炉内温度センサ19に供給される2系統の冷却
エアー(例えば、空気、或は窒素ガスやアルゴンガスな
どの不活性ガスなど)は、開放されると冷却ガス入口1
4からは第1冷却ガス23が、冷却ガス入口9からは第
2冷却ガス24がそれぞれ供給される。第1冷却ガス2
3は、内筒11a内部を流れるため、その開口部近傍に
設置してある赤外線センサ15を冷却すると共に、炉内
の熱風が吹き込むのを防止している。また、第2冷却ガ
ス24は、冷却筒11の内壁と内筒11aの外壁の隙間
を通り、冷却筒11の開口部から抜けるため、炉内の熱
風が冷却筒11と内筒11aに吹き込むのを防止してい
る。またそれと同時に、内筒11aそのものも冷却す
る。このように、冷却水と冷却ガスの2本立てにより、
それぞれの特徴を生かして冷却するため、安定した冷却
効果を発揮することができる。図4は、本発明の炉内温
度測定装置に使われる制御装置のブロック図である。そ
の構成は、高温雰囲気炉内40に挿入された測温ターゲ
ット13から放射された赤外線38を、炉内温度センサ
部19により受光する。そして、その受光赤外線信号を
増幅回路30で増幅する。この増幅回路30により増幅
された信号(W)から温度信号に演算処理する演算処理
回路31と、黒色の測温ターゲット(図示せず)近傍の
校正用温度信号41から、放射率が1.0時の赤外線信
号(W0)を放射率が1.0の信号線36から発生する
制御回路32と、前記演算処理回路31から出力された
温度信号37に基づいて温度表示をする表示回路33
と、制御回路32からの信号により給水給気装置35を
駆動するドライバ34と、放射率の設定とキャリブレー
ション時に外部から受光赤外線信号レベルを調整する操
作パネル39で構成されている。
【0012】次に、図1と併せて参照して制御装置5の
動作について説明する。本発明の炉内温度測定装置は、
測温ターゲットからの赤外線の放射総量が、その周囲温
度により変化する原理に基づいて温度変化を測定する装
置である。そのために基準となる放射率(放射率1.
0)をもつ黒色ターゲットからの赤外線放射総量と、温
度との関係を予め調べておき(図5の51のグラフ)、
それをデータベースとして記憶しておく。そして放射率
が明らかな物体、例えば図5の放射率0.5とした場合
(図5の52のグラフ)、測温ターゲットからの赤外線
放射総量が図のW0であったとき、放射率1.0の換算
温度はT0であることは予め判明しているので、放射率
0.5のときは基準となるグラフ51のデータから演算
処理して換算温度T1を算出することができる。図5
は、赤外線センサ15で受光する赤外線総量Wと、それ
を基に炉内温度センサ部19および演算処理回路31で
算出される換算温度Tの関係の一例を示す模式図であ
る。図の51は放射率1.0の場合の関係式を示し、同
様に52、53は放射率0.5および0.1の場合の関
係式を示している。放射率が低い程、同じ温度における
放射割合は小さいため、同じ赤外線総量W0が検出され
る場合には、対象物質の温度は放射率が低い程T0→T
1→T2のように高いと解釈できることになる。このグ
ラフは制御回路32に演算式または換算テーブルの形で
記憶し、放射率の算出や温度の算出に使用する。
【0013】まず、キャリブレーションの方法について
説明する。キャリブレーションは、装置の立ち上げ前
に、制御装置5が実際の測定データとの間で誤差がある
ことを前提にそれを補正する基準温度測定操作である。
図4の炉40内の測温ターゲット13を公認された校正
用黒体に置き換えて炉内に設置する。そのとき測温ター
ゲット13の近傍に校正済みの熱電対素子を設置し、実
測温度が測定できるようにしておく。その信号は制御装
置5の校正用温度信号線41に接続する。この状態で実
際の測定条件と全く同様の環境で炉内温度測定装置20
を稼動し、炉内温度が平衡状態になるのを見計らい、制
御装置5の表示回路33の温度表示値を観察する。それ
と同時に図示は省略するが、外部の校正済み温度計の値
と比較し、もし異なっていればその温度計と同じになる
ように操作パネル39のダイヤル(図示せず)を操作す
る。そして、同じになったところでダイヤルを固定す
る。この操作により、図5のグラフ51と実測データが
校正されたことになる。
【0014】次に、正規の測定をするために、炉内温度
センサ19の測温ターゲット13をセラミック材やハス
テロン材等の耐食高耐熱物体に置き換える。そして、炉
内温度センサ部19に冷却水と、冷却ガスとを供給す
る。この状態で炉内温度センサ部19を先端側から炉4
0内に挿入して固定した後、炉内温度センサ部19の先
端側に配置された測温ターゲット13を炉内のほぼ中心
に設置するため、支持部材12の長さを調節する。そし
て、測定開始指示が入力されたとき、冷却筒11内の赤
外線センサ15からの信号を増幅回路30が一定のレベ
ルに増幅し、演算処理回路31に入力する。演算処理回
路31は予め測温ターゲット13の放射率が操作パネル
39によりセットされており、制御回路32内に記憶さ
れた放射率1.0のデータをデータ線36から受けて、
そのデータから現在の放射率に演算処理してその演算結
果を温度信号線37から制御回路32に出力する。制御
回路32はそのデータを表示できる信号パターンに変換
して表示回路33に出力する。この一連の動作はリアル
タイムに行っても良いし、ある時間単位でサンプリング
して行っても良い。また、キャリブレーション時の操作
パネル39の設定はダイヤルによる方法に限らず、アナ
ログ的に行っても良い。また、本実施形態のように論理
回路によるハードウェアの方法に限らず、マイクロコン
ピュータによるファームウェア方式で構成しても良い。
【0015】図6は、本発明の第2の実施形態の炉内温
度センサの断面図と支持部材の側面図である。本実施形
態は、さまざまな大きさを持つ炉に対応するために、セ
ンサ部の支持部材の長さを、可変できる構造にしておい
て各種炉に対応を可能としたものである。支持部材以外
は第1の実施形態と同じであるので重複する説明は省略
する。この構成は、測温ターゲット13を先端に設置し
た支持部材12aと、内筒11aに固定された支持部材
12が、2箇所の押さえ具42により狭持されている。
従って、支持部材12aを前後にスライドすれば全体の
長さをその範囲で変えることができる。あるいは、支持
部材の根元を炉内温度センサの外側に出るような構造に
しておき、外側から支持部材をスライドさせて調節して
も良い。従って、本発明の主旨を逸脱しなければ、どの
ような手段方法でも構わない。
【0016】
【発明の効果】以上記載のごとく本発明によれば、請求
項1の発明は、測温ターゲットを最も正確な炉内温度を
形成する炉内中心部に置き、そこからの赤外線を検出す
るセンサを極力測温ターゲットから離して冷却するの
で、正確な温度を安価に、しかも高い信頼性を維持して
測定可能な炉内温度測定装置を提供できる。請求項2の
発明は、冷却効果が高く、しかも赤外線検出精度が高い
赤外線センサの配置を実現できる。請求項3の発明は、
冷却筒から噴出する冷却ガスにより、測温ターゲットの
表面温度が影響を受けない距離に離すので、正確な炉内
温度を測定可能となる。請求項4の発明は、センサ部の
支持部材の長さを予め可変できる構造にしておくので、
各種炉に対応が可能となる。請求項5の発明は、空気、
窒素ガスあるいはアルゴンガス等の不活性ガスを使うた
め、非可燃性でしかも冷却能力が高く、安全性を維持し
ながら対象物を冷却することができる。請求項6の発明
は、測温ターゲットからの赤外線総量さえリニアに検出
できれば、瞬時にしてデータテーブルから演算して炉内
温度を正確に測定できる。請求項7の発明は、1回のキ
ャリブレーションにより校正が完了し、しかも異なる複
数の放射率の測温ターゲットに対して、前記黒色ターゲ
ットのデータにその放射率を乗算するだけで温度が正確
に測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の炉内温度測定装置を
示す概略構成図である。
【図2】本発明の炉内温度センサ部の要部断面図であ
る。
【図3】本発明の冷却筒内の冷却水と冷却ガスの循環ル
ートを示す図である。
【図4】本発明の炉内温度測定装置に使われる制御装置
のブロック図である。
【図5】本発明の受光赤外線総量Wと換算温度Tの関係
の一例を示す模式図である。
【図6】本発明の第2の実施形態の炉内温度センサの要
部断面図と支持部材の側面図である。
【符号の説明】
1 水槽タンク、2 液体フロータンク、3 気体フロ
ータンク、4 冷却ガス、5 制御装置、6 コネク
タ、7 アッパー部、8 冷却水入口、9,14冷却ガ
ス入口、10 冷却水出口、11 冷却筒、12 支持
部材、13 測温ターゲット、19 炉内温度センサ
部、35 給水給気装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温雰囲気炉内に挿入された炉内温度セ
    ンサ部により、前記高温雰囲気炉内の温度を測定する炉
    内温度測定装置において、 前記炉内温度センサ部は、筒状の内部を空洞にして該内
    部に冷却水を循環する手段を有する冷却筒と、該冷却筒
    の同心円の略中心位置に設けた中空の内筒と、該内筒開
    口部の近傍に設置し、赤外線を検出する赤外線検出手段
    と、該赤外線検出手段の検出面と対向する位置に設けら
    れ周囲温度により赤外線放射量が変化する測温ターゲッ
    トと、を備えると共に、 前記内筒内を通過し、該内筒の開口部から噴出する第1
    冷却ガス及び、前記冷却筒内壁と前記内筒の外壁の間隙
    を通過して前記冷却筒の開口部から噴出する第2冷却ガ
    スを供給するガス供給手段を備えたことを特徴とする炉
    内温度測定装置。
  2. 【請求項2】 前記検出手段は、前記冷却筒開口部面と
    少なくとも同一面上若しくはその内側に設置されている
    ことを特徴とする請求項1記載の炉内温度測定装置。
  3. 【請求項3】 前記測温ターゲットは、前記冷却筒開口
    部面よりも外側に位置し、前記第1冷却ガスと前記第2
    冷却ガスの影響を無視できる距離に設置されることを特
    徴とする請求項2記載の炉内温度測定装置。
  4. 【請求項4】 前記測温ターゲットは、前記冷却筒開口
    部面よりも外側に位置し、該測温ターゲットの位置を任
    意に変更可能とした構造を有することを特徴とする請求
    項3記載の炉内温度測定装置。
  5. 【請求項5】 前記第1冷却ガスと前記第2冷却ガス
    は、空気若しくは窒素ガスあるいはアルゴンガス等の不
    活性ガスからなることを特徴とする請求項1〜4記載の
    炉内温度測定装置。
  6. 【請求項6】 高温雰囲気炉内に挿入された炉内温度セ
    ンサ部により、前記高温雰囲気炉内の温度を測定する炉
    内温度測定装置において、 前記炉内温度センサ部からの受光赤外線信号を増幅する
    増幅回路と、該増幅回路により増幅された信号に基づい
    て温度信号を演算処理する演算処理回路と、黒色の測温
    ターゲット近傍の校正用温度信号から、放射率が1.0
    時の赤外線信号レベルを発生する制御回路と、前記演算
    処理回路から出力された前記温度信号に基づいて温度表
    示をする表示回路と、を備えたことを特徴とする炉内温
    度測定装置。
  7. 【請求項7】 前記演算処理回路は、黒色の測温ターゲ
    ットからの赤外線放射量と前記校正用温度信号から換算
    された放射率が1.0時の赤外線信号レベルとの差をと
    り、該差が零になるように調整可能としたことを特徴と
    する請求項6記載の炉内温度測定装置。
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