JP2002322365A - 天然素材複合材料およびこの天然素材複合材料よりなる成形体 - Google Patents

天然素材複合材料およびこの天然素材複合材料よりなる成形体

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JP2002322365A
JP2002322365A JP2001126853A JP2001126853A JP2002322365A JP 2002322365 A JP2002322365 A JP 2002322365A JP 2001126853 A JP2001126853 A JP 2001126853A JP 2001126853 A JP2001126853 A JP 2001126853A JP 2002322365 A JP2002322365 A JP 2002322365A
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bamboo
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natural
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JP2001126853A
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Wataru Tanaka
田中  渉
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性に優れ、成形時に成形体表面に付着す
る茶褐色の汚れのような外観不良が発生せず、天然素材
調の外観や質感を発現し、金型の工夫によってさらなる
高級感が生まれるような天然素材複合材料およびこの天
然素材複合材料を成形してなる成形体を提供することに
ある。 【解決手段】 合計で100重量%の(A)熱可塑性合
成樹脂組成物と(B)竹質系原料(ただし、粉末状ある
いは繊維状あるいはそれらの混合物)、および、上記
(A)と上記(B)の合計100重量部に対して、光安
定剤あるいは紫外線吸収剤あるいは酸化防止剤のうち少
なくとも2種類以上からなる(C)耐候剤0.1〜4重
量部が含有される天然素材複合材料において、上記
(B)の平均粒子径または繊維長が5〜5000μmで
あり、且つ、上記(A)+上記(B)における含有量が
70重量%以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然素材複合材料
およびこの天然素材複合材料よりなる成形体に関し、さ
らに詳しくは、天然素材調の外観や質感を発現し、金型
の工夫によってさらなる高級感が生まれるような天然素
材複合材料およびこの天然素材複合材料より成形してな
る成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、廃棄物処理問題は、廃棄物処分場
の不足や焼却場の立地条件など、地球環境保全の面から
世界的な問題として取り上げられ、最近では廃棄物発生
の抑制や資源のリサイクルに対する法規制など、世界各
国で行政指導が厳しくなっている。特に石油を原料とす
るプラスチックは廃棄の際、埋め立てられているが、容
易に自然分解されないため問題となっている。また埋め
立てずに焼却処分すると多くの熱エネルギーを放出し焼
却炉内を傷める恐れがある。
【0003】このような環境問題がクローズアップされ
る中、天然素材を充填材として利用した高分子系の天然
素材複合材料が注目を集めている。燃焼カロリーが低く
てダイオキシンが発生しない天然素材をプラスチックに
配合し、材料中のプラスチック分を減らすことによっ
て、燃焼性、公害性が低くなるという環境負荷低減効果
を得ることができ、天然素材のみでは不可能な一般プラ
スチック並みの成形加工性を有することから非常にユニ
ークな材料として様々な分野へ採用が拡大している。
【0004】従来から、ジュートなどの麻を強化材とす
る高分子系の天然素材複合材料の研究例は報告されてい
たが、ジュートの吸湿による強度劣化のため、また、主
に母材に不飽和ポリエステルなどの熱硬化性プラスチッ
クを用いた限られた範囲の研究であったことから、実用
には至っていなかった。最近では、成形加工性の良さか
ら、母材は熱可塑性プラスチックが対象になっている。
また、天然素材についても針葉樹、広葉樹、竹、綿など
多岐にわたって検討が行われている。
【0005】これらの中で、既に工業化されている高分
子系の天然素材複合材料として、木質系原料分散型プラ
スチック、竹質系原料分散型プラスチック、紙質系原料
分散型プラスチックなどが挙げられるが、その中でも、
安定供給とコスト面、環境保護の面から、成長の早い竹
を利用した竹質系原料分散型プラスチックが用途を拡大
しつつある。また、木質系原料分散型やコストの面から
故紙を用いることが多い紙質系原料分散型と比べて、着
色が比較的容易であるために、意匠面で優位であるとい
うことも竹質系原料分散型プラスチックの魅力の一つで
ある。
【0006】一方、照明分野においても環境調和型商品
への取組みが加速しつつある。省資源化、再資源化、解
体・廃棄の容易化、省エネルギー化など種々のアセスメ
ント項目に従って検討が行われているが、器具を構成す
るプラスチック材料については、環境に優しい、いわゆ
る「エコマテリアル」への転換が望まれていた。
【0007】さらに、最近では、照明器具に用いる部
材、特に、外観部品に、木や素焼き風の天然素材調の外
観や質感が求められるケースが増えつつあった。ただ
し、これまで外観部品に使用されてきた、例えば、AS
A(アクリロニトリル・スチレン・アクリレート)樹
脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレ
ン)樹脂、PS(ポリスチレン)樹脂等に代表されるプ
ラスチック単体で成形した部材では、天然素材調の外観
を発現させることは非常に困難であり、外観面で安っぽ
さを感じさせるという不具合があった。
【0008】そこで、照明器具部材としても、竹質系原
料分散型プラスチックなどの高分子系の天然素材複合材
料の応用が試みられるようになってきた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな天然素材複合材料においては、照明器具部材として
必要不可欠である実用上の耐候変色性を満足できないこ
とや竹質系原料を単純に配合しただけでは、天然素材調
の外観を発現させることができないといった問題があっ
た。
【0010】しかも、竹繊維は吸湿性が高く、成形材料
中に水分を取り込みやすいものであり、成形材料中に水
分が存在すると、成形時に水分が、竹繊維中にもともと
存在するリグニンというヤニ成分を巻き込んで、結果と
して、茶褐色の汚れのような状態で成形体表面に付着し
外観不良の原因となるものであった。
【0011】本発明は、上述の事実に鑑みてなされたも
のであって、その目的とするところは、耐候性に優れ、
成形時に成形体表面に付着する茶褐色の汚れのような外
観不良が発生せず、天然素材調の外観や質感を発現し、
金型の工夫によってさらなる高級感が生まれるような天
然素材複合材料およびこの天然素材複合材料を成形して
なる、耐候性に優れ、成形時に成形体表面に付着する茶
褐色の汚れのような外観不良が発生せず、天然素材調の
外観や質感を発現し、金型の工夫によってさらなる高級
感が生まれるような成形体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
天然素材複合材料は、合計で100重量%の(A)熱可
塑性合成樹脂組成物と(B)竹質系原料(ただし、粉末
状あるいは繊維状あるいはそれらの混合物)、および、
上記(A)熱可塑性合成樹脂組成物と上記(B)竹質系
原料の合計100重量部に対して、光安定剤あるいは紫
外線吸収剤あるいは酸化防止剤のうち少なくとも2種類
以上からなる(C)耐候剤0.1〜4重量部が含有され
る天然素材複合材料において、上記(B)竹質系原料の
平均粒子径または繊維長が5〜5000μmであり、且
つ、上記(A)熱可塑性合成樹脂組成物+上記(B)竹
質系原料における含有量が70重量%以下であることを
特徴とする。
【0013】本発明の請求項2に係る天然素材複合材料
は、請求項1記載の天然素材複合材料に対して、(D)
外部滑剤または(E)吸湿剤のうち、少なくとも一方を
含有させていることを特徴とする。
【0014】本発明の請求項3に係る天然素材複合材料
は、上記(A)熱可塑性合成樹脂組成物と上記(B)竹
質系原料の合計100重量部に対する上記(D)外部滑
剤の含有量が、0.1〜6重量部であることを特徴とす
る。
【0015】本発明の請求項4に係る天然素材複合材料
は、上記(D)外部滑剤が、アクリル系外部滑剤である
ことを特徴とする。
【0016】本発明の請求項5に係る天然素材複合材料
は、上記(A)熱可塑性合成樹脂組成物と上記(B)竹
質系原料の合計100重量部に対する上記(E)吸湿剤
の含有量が、1〜25重量部であることを特徴とする。
【0017】本発明の請求項6に係る天然素材複合材料
は、上記(E)吸湿剤が、酸化カルシウムであることを
特徴とする。
【0018】本発明の請求項7に係る天然素材複合材料
は、上記(A)熱可塑性合成樹脂組成物が、ABS樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂のいずれか
であることを特徴とする。
【0019】本発明の請求項8に係る天然素材複合材料
は、上記(B)竹質系原料に対して、表面処理剤を含有
させていることを特徴とする。
【0020】本発明の請求項9に係る成形体は、請求項
1ないし請求項8いずれか記載の天然素材複合材料を用
いて金型で成形してなることを特徴とする。
【0021】本発明の請求項10に係る成形体は、上記
金型において、外観に要する部分が、表面粗さRy5μ
m以上に仕上げられたものであることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を詳しく
説明する。
【0023】本発明の天然素材複合材料は、耐候変色性
に優れ、天然素材調の外観を発現するような、合計で1
00重量%の(A)熱可塑性合成樹脂組成物と(B)竹
質系原料と、および、上記(A)熱可塑性合成樹脂組成
物と上記(B)竹質系原料の合計100重量部に対し、
光安定剤あるいは紫外線吸収剤あるいは酸化防止剤のう
ち少なくとも2種類以上からなる(C)耐候剤0.1〜
4重量部が含有され、上記(B)竹質系原料の平均粒子
径または繊維長が5〜5000μmであり、且つ、上記
(A)熱可塑性合成樹脂組成物+上記(B)竹質系原料
における含有量が70重量%以下のものである。
【0024】ここでいう(A)熱可塑性合成樹脂組成物
には、これまで公知の熱可塑性合成樹脂が制限なく使用
できるものである。具体的には、AS樹脂、ABS樹
脂、ASA樹脂、AES樹脂、ポリメチルメタクリレー
ト樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ
エチレン樹脂などが挙げられるものである。そのなかで
も、特に、比重が低く、成形時の流動性がよく、比較的
衝撃強度に優れていることから、ABS樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂、ポリエチレン樹脂が好ましいものである。
【0025】また、上記熱可塑性合成樹脂としては、そ
れ自体単独で成形品を構成することもできるものである
が、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の熱可塑性合
成樹脂(複数可)を混合(アロイ化)して使用してもよ
いものである。また、上記(A)熱可塑性合成樹脂組成
物には、所望により、帯電防止剤、補強用充填材などの
各種添加剤を添加してもよく、それらは公知のものを制
限なく使用することができるものである。
【0026】例えば、無機充填材であれば、その形状と
しては、一例を挙げると、繊維状、粒状、フレーク状な
どの形状の充填材がある。繊維状の充填材としては、ガ
ラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、石膏繊維、シラス
繊維、アスベスト繊維、金属繊維、各種ウィスカーなど
がある。粉・粒状充填材としては、タルク、マイカ、ワ
ラストナイト、カオリン、セリサイト、クレー、ベント
ナイト、アルミナシリケートなどの珪酸塩、アルミナ、
マグネシア、ジルコニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫
酸マグネシウムなどの硫酸塩、その他燐酸カルシウム、
ピロ燐酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、
二硫化モリブデン、窒化珪素、窒化ホウ素、炭化珪素な
どが挙げられるものである。
【0027】これらは、例えば、ガラスバルーン、シラ
スバルーン、カーボンバルーン、中空ガラス繊維などの
ように中空であってもよいものである。これらの無機充
填材は、単独で使用しても複数を混合して使用してもよ
い。また、合成樹脂への分散性や物性を良くするため
に、カップリング剤などの表面処理剤を使用することも
行われるものである。
【0028】ここでいう(B)竹質系原料としては、天
然竹およびその加工材が主成分である。それらの形状と
しては、例えば、繊維状、粒状、粉状などがあるが、所
望の特性が得られれば特に限定しないものである。ま
た、本発明で用いる(B)竹質系原料に対して、合成樹
脂への分散性や物性を良くするために、表面処理剤を含
有させてもよいものである。
【0029】本発明では、上記(A)熱可塑性合成樹脂
組成物と上記(B)竹質系原料の合計100重量部に対
する、(C)耐候剤の含有量は0.1〜4重量部でなけ
ればならないものである。なぜならば、この(C)耐候
剤の含有量が0.1重量部よりも少ない場合は、長期的
な耐候変色性が確保されず、早期に劣化・変色が促進さ
れ、外観品質が低下するものである。また、この(C)
耐候剤の含有量が4重量部よりも多い場合は、耐候性が
これ以上上がらず、コストが高くなるだけである。この
ような理由から、(C)耐候剤の含有量は0.1〜4重
量部でなければならないものである。
【0030】また、上記(C)耐候剤は、例えば、ベン
ゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリシレート
系、シアノアクリレート系、オギザニリド系、トリアジ
ン系などの紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系、ベンゾ
エート系などの光安定剤、フェノール系、リン系、硫黄
系などの酸化防止剤のうち少なくとも2種類以上からな
るものであって、それらはここで挙げた種類以外の公知
のものを制限なく使用することができるものである。
【0031】また、本発明では、合計で100重量%の
(A)熱可塑性合成樹脂組成物と(B)竹質系原料にお
ける成分(B)竹質系原料の平均粒子径または繊維長
は、5〜5000μmであり、且つ、含有量は70重量
%以下でなければならないものである。(B)竹質系原
料の繊維長が5μmよりも小さい場合は、天然素材調の
外観が得られず、外観的に安っぽくなってしまうもので
ある。逆に、(B)竹質系原料の繊維長が5000μm
よりも大きい場合は、ペレット化する場合に同成分
(B)竹質系原料の分散性が著しく低下して、成形材料
として安定して生産することができないものとなる。ま
た、仮にペレット化ができたとしても、成形性(可塑化
安定性、流動性など)が極端に低下するために、実質的
に成形不可能となるものである。
【0032】また、本発明では、成分(B)竹質系原料
の含有量は70重量%以下でなければならないものであ
る。なぜならば、この(B)竹質系原料の含有量が70
重量%よりも多い場合は、ペレット化が困難になるもの
である。また、成形材料として得られたとしても、成形
性(可塑化安定性、流動性など)が極端に低下するため
に、成形品を得ることが難しいものである。さらに、成
形品を得られたとしても機械強度の著しい低下により、
成形体としての実用的な使用は困難を極めるものであ
る。このような理由から、この(B)竹質系原料の含有
量は70重量%以下でなければならない。
【0033】成形時に、成形材料中に存在するリグニン
や水分が原因で、成形品表面に付着する茶褐色の汚れを
抑止するためには、前述の天然素材複合材料に対して、
(D)外部滑剤あるいは(E)吸湿剤のうち少なくとも
一方を含有させることが望ましいものである。
【0034】上記(D)外部滑剤は、材料の可塑化状態
において、材料中に存在するリグニンを捕捉し、成形体
内部に取り込み、成形体表面への露出、あるいは金型表
面への付着を抑制する効果がある。
【0035】また、上記(E)吸湿剤は、上記(B)竹
質系原料と接触する大気中の水分を極端に減らす効果が
あり、成形時に水分が、リグニンを巻き込んで、茶褐色
の汚れのような状態で成形体表面に露出したり、金型表
面へ付着することを抑制するものである。
【0036】上記(A)熱可塑性合成樹脂組成物と上記
(B)竹質系原料の合計100重量部に対する、上記
(D)外部滑剤の含有量は0.1〜6重量部でなければ
ならない。なぜならば、この(D)外部滑剤の含有量が
0.1重量部よりも少ない場合は、材料の可塑化状態に
おいて、材料中に存在するリグニンを捕捉することがで
きず、成形体表面への露出、あるいは金型表面への付着
を抑制することができないものである。逆に、この
(D)外部滑剤の含有量が6重量部よりも多い場合は、
ペレット化する場合に同(D)外部滑剤の分散性が著し
く低下して、成形が困難になるだけでなく、リグニンの
捕捉効果がこれ以上上がらないものである。また、コス
トアップとなるものである。このような理由から、この
(D)外部滑剤の含有量は0.1〜6重量部でなければ
ならないものである。
【0037】また、上記(D)外部滑剤として、炭化水
素系、高級脂肪酸、エステル類、天然ワックス系など公
知のものが制限なく使用することができるものである
が、特に、耐候性に優れたアクリル系外部滑剤を使用す
ることが好ましいものである。
【0038】一方、上記(A)熱可塑性合成樹脂組成物
と上記(B)竹質系原料の合計100重量部に対する、
上記(E)吸湿剤の含有量は1〜25重量部でなければ
ならない。なぜならば、この(E)吸湿剤の含有量が1
重量部よりも少ない場合は、上記(B)竹質系原料と接
触する大気中の水分を極端に減らすことができず、成形
時に水分が、リグニンを巻き込んで、茶褐色の汚れのよ
うな状態で成形体表面に露出したり、金型表面へ付着す
るものである。逆に、この(E)吸湿剤の含有量が25
重量部よりも多い場合は、分散性が著しく低下して、成
形材料として安定して生産することができないものであ
る。また、仮にペレット化ができても、成形性(可塑化
安定性、流動性など)が極端に低下するために、実質的
に成形不可能となるものである。このような理由から、
この(E)吸湿剤の含有量は1〜25重量部でなければ
ならないものである。
【0039】また、上記(E)吸湿剤においても、公知
のものを制限なく使用することができるが、吸湿効果が
高く、コスト面でも有利な酸化カルシウムを使用するこ
とが好ましいものである。
【0040】このような構成で得られた複合材料を成形
することによって、耐候性に優れ、成形時に成形体表面
に付着する茶褐色の汚れのような外観不良が発生せず、
天然素材調の外観や質感を有する成形体を得ることがで
きるものである。
【0041】また、成形体の外観に要する部分を、表面
粗さRy5μm以上に仕上げられた金型で成形すること
によって、さらに天然素材調の外観や質感を高め、高級
感を有する成形体を得ることができるものである。
【0042】以上より、耐候性に優れ、成形時に成形体
表面に付着する茶褐色の汚れのような外観不良が発生せ
ず、天然素材調の外観や質感を発現し、金型の工夫によ
ってさらなる高級感が生まれるような複合材料およびこ
れを成形してなる、耐候性に優れ、成形時に成形体表面
に付着する茶褐色の汚れのような外観不良が発生せず、
天然素材調の外観や質感を発現し、金型の工夫によって
さらなる高級感が生まれるような成形体を得ることがで
きるものである。
【0043】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例について
説明する。
【0044】(実施例1〜7および比較例1〜9)下記
の表1および表2に本発明における天然素材複合材料の
実施例および比較例をそれぞれ示した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】この表1および表2に示した天然素材複合
材料を用いて金型で成形してみて、それぞれ得られたも
のについて下記のような評価を行なった。
【0048】<評価方法> ※耐候性の評価 試験条件は、60℃+400W水銀灯照射で、試験期間
は30日間行った。試験方法としては、熱風循環式恒温
槽内に設置された水銀灯を点灯させた状態でサンプルを
取り付けたドラムを回転させた。評価特性は、色差ΔE
*とし、測定装置としては、色彩色差計(カラーコンピ
ュータSM−7、スガ試験機製)を用いた。 ※外観の評価 射出成形により、□150×150mm、厚さ2mmの
平板を作成してから、天然素材調の外観かどうか、茶褐
色の汚れが付着しているかどうかについて、成形品表面
の目視評価をそれぞれ行った。
【0049】平板を成形する金型のキャビティー部は、
表面粗さRy3.5μmに仕上げられたものと、表面粗
さRy20μmに仕上げられたものを用いた。
【0050】天然素材調の外観 ◎・・・・・天然素材調の外観が認められる ○・・・・・天然素材調の外観がほとんど認められる △・・・・・天然素材調の外観がほとんど認められない ×・・・・・天然素材調の外観が認められない 茶褐色の汚れ付着 ◎・・・・・茶褐色の汚れが認められない ○・・・・・茶褐色の汚れがほとんど認められない △・・・・・茶褐色の汚れがわずかに認められる ×・・・・・茶褐色の汚れが認められる このようにして得られた実施例および比較例の評価結果
を下記の表3および表4にそれぞれ示す。
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】この表3および表4を比べて見ると、耐候
性、外観(天然素材調の外観かどうか、茶褐色の汚れが
付着しているかどうか)の評価項目についていずれも、
実施例1〜7のものは、比較例1〜9のものよりもはる
かに優れていることがわかり、このようなことから、本
発明は、耐候性に優れ、成形時に成形体表面に付着する
茶褐色の汚れのような外観不良が発生しないものである
とともに、天然素材調の外観や質感を発現し、金型の工
夫によってさらなる高級感が生まれるものであるといえ
る。
【0054】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る天然素材複合材
料によると、耐候性に優れ、成形時に成形体表面に付着
する茶褐色の汚れのような外観不良が発生しないもので
あるとともに、天然素材調の外観や質感を発現し、金型
の工夫によってさらなる高級感が生まれるものである。
また、ダイオキシンが発生しないものであり、低公害性
を有している上に、一般プラスチックと比較して、燃焼
カロリーが低く、焼却炉を傷めないものである。さら
に、熱可塑性樹脂の配合量を50重量%未満にすること
で、可燃物として廃棄可能になるものである。そして、
防カビ性を有し、水周りや屋外での使用の際、カビが生
え難くて、その結果、長期にわたり良好な外観を維持す
ることができるものである。
【0055】本発明の請求項2に係る天然素材複合材料
によると、請求項1記載の場合に加えて、(D)外部滑
剤にて材料の可塑化状態において、材料中に存在するリ
グニンを捕捉し、成形体内部に取り込み、成形体表面へ
の露出、あるいは金型表面への付着を抑制する効果があ
る。また、(E)吸湿剤にて(B)竹質系原料と接触す
る大気中の水分を極端に減らす効果があり、成形時に水
分が、リグニンを巻き込んで、茶褐色の汚れのような状
態で成形体表面に露出したり、金型表面へ付着すること
を抑制するものである。
【0056】すなわち、成形時に、成形材料中に存在す
るリグニンや水分が原因で、成形品表面に付着する茶褐
色の汚れを抑止することができるものである。
【0057】本発明の請求項3に係る天然素材複合材料
によると、請求項2記載の場合に加えて、(D)外部滑
剤の分散性を高く維持して、成形を確実に良くするとと
もに、材料の可塑化状態において、材料中に存在するリ
グニンを確実に捕捉することができるものであり、その
結果、成形体表面への露出、あるいは金型表面への付着
をより一層確実に抑制することができるものとなる。
【0058】本発明の請求項4に係る天然素材複合材料
によると、請求項2または請求項3記載の場合に加え
て、アクリル系外部滑剤である(D)外部滑剤にてより
一層確実に耐候性に優れたものとすることができるもの
である。
【0059】本発明の請求項5に係る天然素材複合材料
によると、請求項2ないし請求項4いずれか記載の場合
に加えて、(B)竹質系原料と接触する大気中の水分を
確実に減らすことができ、成形時に水分が、リグニンを
巻き込むことなく、その結果、茶褐色の汚れのような状
態で成形体表面に露出したり、金型表面へ付着するのを
抑止することができるものである。しかも、この適度な
(E)吸湿剤の含有量にて分散性が高く維持されて、成
形材料としてより一層安定して生産することができるも
のとなる。
【0060】本発明の請求項6に係る天然素材複合材料
によると、請求項2ないし請求項5いずれか記載の場合
に加えて、酸化カルシウムである(E)吸湿剤にて吸湿
効果をより一層確実に高くすることができるとともに、
コスト面においても有利なものとすることができるもの
である。
【0061】本発明の請求項7に係る天然素材複合材料
によると、請求項1ないし請求項6いずれか記載の場合
に加えて、このようなABS樹脂、ポリプロピレン樹
脂、ポリエチレン樹脂のいずれかである(A)熱可塑性
合成樹脂組成物にて比重をより一層確実に低くすること
ができるとともに、成形時の流動性をより一層確実に良
くすることができ、しかも、比較的衝撃強度に優れてい
るものとすることができるものである。
【0062】本発明の請求項8に係る天然素材複合材料
によると、請求項1ないし請求項7いずれか記載の場合
に加えて、表面処理剤を含有させている(B)竹質系原
料により、合成樹脂への分散性や物性をより一層確実に
良くすることができるものとなり、その結果、成形材料
としてより一層安定して生産することができるものとな
る。
【0063】本発明の請求項9に係る成形体によると、
耐候性に優れ、成形時に成形体表面に付着する茶褐色の
汚れのような外観不良が発生しないものであるととも
に、天然素材調の外観や質感を発現し、金型の工夫によ
ってさらなる高級感が生まれるものである。また、ダイ
オキシンが発生しないものであり、低公害性を有してい
る上に、一般プラスチックと比較して、燃焼カロリーが
低く、焼却炉を傷めないものである。さらに、熱可塑性
樹脂の配合量を50重量%未満にすることで、可燃物と
して廃棄可能になるものである。そして、防カビ性を有
し、水周りや屋外での使用の際、カビが生え難くて、そ
の結果、長期にわたり良好な外観を維持することができ
るものである。
【0064】本発明の請求項10に係る成形体による
と、請求項9記載の場合に加えて、外観に要する部分が
表面粗さRy5μm以上に仕上げられた金型により、天
然素材調の外観や質感をより一層確実に高めることがで
きるとともに、高級感を有する成形体をより一層確実に
得ることができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/10 C08L 23/10 55/02 55/02 101/00 101/00 Fターム(参考) 4F071 AA01 AA12 AA20 AA33 AA71 AA73 AB18 AC09 AC10 AC12 BA01 BB05 BC07 BC16 4J002 AE03Y AH00X BB02W BB11W BG05Y BN15W DE089 EA008 EE036 EH008 EH127 EN057 EP026 EU176 EU186 FD047 FD056 FD17Y FD178 FD209 GQ00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合計で100重量%の(A)熱可塑性合
    成樹脂組成物と(B)竹質系原料(ただし、粉末状ある
    いは繊維状あるいはそれらの混合物)、および、上記
    (A)熱可塑性合成樹脂組成物と上記(B)竹質系原料
    の合計100重量部に対して、光安定剤あるいは紫外線
    吸収剤あるいは酸化防止剤のうち少なくとも2種類以上
    からなる(C)耐候剤0.1〜4重量部が含有される天
    然素材複合材料において、上記(B)竹質系原料の平均
    粒子径または繊維長が5〜5000μmであり、且つ、
    上記(A)熱可塑性合成樹脂組成物+上記(B)竹質系
    原料における含有量が70重量%以下であることを特徴
    とする天然素材複合材料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の天然素材複合材料に対し
    て、(D)外部滑剤または(E)吸湿剤のうち、少なく
    とも一方を含有させていることを特徴とする天然素材複
    合材料。
  3. 【請求項3】 上記(A)熱可塑性合成樹脂組成物と上
    記(B)竹質系原料の合計100重量部に対する上記
    (D)外部滑剤の含有量が、0.1〜6重量部であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の天然素材複合材料。
  4. 【請求項4】 上記(D)外部滑剤が、アクリル系外部
    滑剤であることを特徴とする請求項2または請求項3記
    載の天然素材複合材料。
  5. 【請求項5】 上記(A)熱可塑性合成樹脂組成物と上
    記(B)竹質系原料の合計100重量部に対する上記
    (E)吸湿剤の含有量が、1〜25重量部であることを
    特徴とする請求項2ないし請求項4いずれか記載の天然
    素材複合材料。
  6. 【請求項6】 上記(E)吸湿剤が、酸化カルシウムで
    あることを特徴とする請求項2ないし請求項5いずれか
    記載の天然素材複合材料。
  7. 【請求項7】 上記(A)熱可塑性合成樹脂組成物が、
    ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂の
    いずれかであることを特徴とする請求項1ないし請求項
    6いずれか記載の天然素材複合材料。
  8. 【請求項8】 上記(B)竹質系原料に対して、表面処
    理剤を含有させていることを特徴とする請求項1ないし
    請求項7いずれか記載の天然素材複合材料。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8いずれか記載の
    天然素材複合材料を用いて金型で成形してなることを特
    徴とする成形体。
  10. 【請求項10】 上記金型において、外観に要する部分
    が、表面粗さRy5μm以上に仕上げられたものである
    ことを特徴とする請求項9記載の成形体。
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