JP2002321362A - インクジェットヘッドの駆動方法 - Google Patents

インクジェットヘッドの駆動方法

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JP2002321362A
JP2002321362A JP2001129780A JP2001129780A JP2002321362A JP 2002321362 A JP2002321362 A JP 2002321362A JP 2001129780 A JP2001129780 A JP 2001129780A JP 2001129780 A JP2001129780 A JP 2001129780A JP 2002321362 A JP2002321362 A JP 2002321362A
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ink
drive
voltage
drive voltage
ink chamber
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JP2001129780A
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English (en)
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Takasumi Wada
孝澄 和田
Yoshiaki Koshiro
良章 小城
Koichi Fujita
浩一 藤田
久 ▲吉▼村
Hisashi Yoshimura
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】インク室およびインク室内の温度を均一化し、
安価な構成で高品位の画質を実現できるインクジェット
ヘッドの駆動方法を提供する。 【解決手段】吐出させるインク室には第1の駆動電圧D
1を印加し、吐出させないインク室には第2の駆動電圧
D2を印加させ、前記第1の駆動電圧D1を、吐出信号
によって選択される第1の駆動波形W1と、非吐出信号
によって選択される第2の駆動波形W2とで構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像信号を並列す
るインク吐出アクチュエーターに印加することにより、
画像信号に応じて選択的にインクの吐出を行い、転写紙
上に高品位の画像を形成するインクジェットヘッドの駆
動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタは、印字対象で
ある画像を構成する画素に対して2値以上の多値化を行
い、その結果得られた画素毎のデータに基づいて、イン
クジェットヘッドを介して吐出されるインク滴を制御す
ることにより、記録媒体上に画像を形成する。そのイン
クジェットヘッドからインクを吐出する方法は、基本的
には、ノズルに至るインク通路において、極めて短時間
にインクを加圧することにより、インク滴をノズルから
吐出させるようにおこなわれる。
【0003】インクに圧力を作用させる方式としては、
電歪素子を用いた方式や加熱により気泡を発生させる方
式がある。このうち、電歪素子として圧電素子を用いた
方法は、電圧に応じた細かい制御が可能であり、圧電素
子自体の寿命が長いことから、デジタルカメラ用の写真
画質を求める高画質普及機から高速ラインヘッド搭載機
まで広く用いられている。
【0004】圧電素子によりアクチュエーターを構成す
る場合に、インク室を形成する壁面を剪断モードによっ
て変形させる方式は、へツドの構成が簡単で長尺化に有
利な特徴を有しているが、圧電素子の容量が大きいこと
から効率的な制御方法が求められていた。
【0005】そこで、特開平6−297708号公報に
は、インク室を拡大する第1の電圧波形とインク室を縮
小する第2の電圧波形を有し、第1の電圧波形印加後、
引き続いて第2の電圧波形を印加することでインクの吐
出を行い、インクの吐出量の補正データに基づいて第2
の電圧波形の電圧値を調整することにより、常に安定し
たインクの吐出を実現する方法が開示されている。
【0006】また、特開平10−157103号公報に
は、画像信号に応じて選択的に駆動電圧を印加できるア
ナログスイッチを備えたチャネルの両側に所定の周期で
駆動波形を印加し、アナログスイッチを備えたチャンネ
ルと両側のチャンネルに印加される駆動電圧の相対的な
電位差によってチャネルを形成する壁部を剪断変形させ
てインクの吐出を行う方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平6−297708号公報に開示された方法では、イ
ンクの吐出時には第1の電圧波形が選択されるが、吐出
しない場合には選択されないことから、吐出回数によっ
てインク吐出チャネル間に温度差が生じることになる。
この方法では、インクの吐出量の補正データに基づいて
第2の電圧波形を調整することについての記載が開示さ
れており、へツド全体の温度制御はできるものの、チャ
ネル間の温度差を解消することはできなかった。
【0008】また、上記特開平10−157103号公
報に開示された方法では、アナログスイッチが接続され
たチャネルは、両側のそれぞれの共通駆動波形に応じて
ONおよびOFFの切り替えが必要になり、アナログス
イッチが発熱するとともに、それぞれの共通駆動波形の
立ち上がりおよび立ち下がりによって生じる誘導電圧に
耐える特性とするため高価なものとなっていた。
【0009】本発明は、このような実情に鑑みてなさ
れ、吐出/非吐出に関わらず、インク室およびインク室
内の温度を均一化し、安価な構成で高品位の画質を実現
できるインクジェットヘッドの駆動方法を提供すること
を目的とする。
【0010】また、本発明は、別に、駆動電圧のアンダ
ーシュートやオーバーシュートを抑制し、安価な構成で
高品位の画質を実現できるインクジェットヘッドの駆動
方法を提供することをも目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
解決するための手段を以下のように構成している。
【0012】(1)圧電部材に形成された複数の溝部を
天壁で覆うことにより前記溝部内にインク室を形成し、
少なくとも前記溝部の両壁面部は天壁、底壁方向に分極
されるとともに、該分極された圧電部材の表面に設けら
れた電極に、駆動電圧を選択的に印加し、該分極された
圧電部材に電界を作用させることにより、該圧電部材に
剪断変形を生じさせ、前記インク室に充填されたインク
に圧力波を作用させてインクの吐出を行うインクジェッ
トヘッドの駆動方法において、前記駆動電圧は吐出イン
ク室に印加される第1の駆動電圧と非吐出インク室に印
加される第2の駆動電圧からなり、前記第1の駆動電圧
は吐出信号によって選択される第1の駆動波形と、非吐
出信号によって選択される第2の駆動波形で構成される
ことを特徴とする。
【0013】この方法のように、インク室を形成する壁
部に電極を設けて、壁面に対して垂直に電界を印加する
と、壁部は、天壁と底壁方向に分極された圧電素子で構
成されていることから、壁面に剪断変形が生じ、印加す
る電界の方向に応じて壁面がインク室に対して凸面状も
しくは凹面状に変形する。このとき、インク室内に圧力
波が形成されインク室内を伝搬する。
【0014】そして、インク室に対して凹面とした後、
凸面に変形させることにより圧力波が増長されインク室
長手方向に設けられたノズル部よりインクが吐出する。
ここで、吐出するインク室に隣接するインク室の片方の
壁面、すなわち吐出するインク室とを仕切る壁面と反対
側の壁面には変形が生じないように電圧を印加すること
で、吐出させたいインク室のみから吐出をおこなうこと
ができる。
【0015】このように、インク室とインク室を仕切る
壁面、そして、壁面の表面に壁面の厚み方向に電界が作
用するように電極を配し、吐出させたいインク室の電極
に第1の駆動電圧の第1の駆動波形を印加し、その印加
終了後に、隣接するインク室に第2の駆動電圧を印加す
ることで、吐出インク室を拡張した(図10(b)参
照)後、縮小する(図10(c)参照)ことにより、イ
ンク室内に大きな圧力波を生じさせることができ、イン
クの吐出を行うことができる。
【0016】このように、吐出させたいインク室と隣接
するインク室を1つのグループとして、各インク室に対
して順次、第1の駆動電圧および第2の駆動電源を印加
することで、壁面を直接駆動手段として用いるきわめて
効率の良いインクジェットの吐出を実現することができ
る。
【0017】また、上述のように、吐出させたいインク
室には第1の駆動電源を印加し、吐出させないインク室
には第2の駆動電源を印加するので、印字/非印字によ
るインク室およびインク室内のインクの温度差を解消で
きるとともに、吐出/非吐出時に印加する駆動電圧生成
手段を1系統とすることができ、安価な構成で高品位な
画像を得ることができる。
【0018】(2)前記第1の駆動電圧および前記第2
の駆動電圧は、アナログスイッチにより選択されるとと
もに、前記第1の駆動電圧は、前記第1の駆動波形もし
くは前記第2の駆動波形と、前記2つの駆動波形が選択
されていないときに選択されるグランドレベルとで構成
されることを特徴とする。
【0019】この方法によれば、図2に示すごとく、電
極は壁部を介して他の電極に容量結合される。ここで、
容量結合される部位は隣接するインク室を仕切る壁部1
3を示し、あるインク室に第1の駆動電圧が印加される
とき、両側のインク室には第2の駆動電圧が印加され
る。
【0020】駆動電圧選択手段63は一つのインク室に
対応した駆動電極について、アナログスイッチ63a、
63b、63cで構成され、第1の駆動電圧D1(63
a)、第2の駆動電圧D2(63c)、グランド(63
b)の一つが印字制御信号、および、画像信号に応じて
選択的に印加される。その駆動波形は図3および図4
(a)に示され、第1の駆動電圧D1による第1の駆動
波形をW1、第2の駆動波形をW2、第2の駆動電源D
2による駆動波形をW3、印字期間をTで示している。
【0021】インク室のインクを吐出させる場合には、
図4(b)のようにn番目の吐出インク室に第1の駆動
波形(W1)を印加した後、第1の駆動波形(W1)の
終了後グランドレベルとすることで(第2の駆動波形
(W2)は形成せず)、隣接するインク室、n−1、n
+1に印加される第2の駆動電圧との相互作用によりイ
ンク室nからインクが吐出される。
【0022】一方、インク室nが印字期間Tであって、
インクが吐出されない場合(図4(c)参照)は、グラ
ンドレベルが選択された後、第1の駆動波形(W1)の
終了後、第1の駆動電圧が選択され、第2の駆動波形
(W2)が形成される。以上のように、本発明の方法に
よれば1系統の駆動電圧から、吐出/非吐出時に印加す
べき電圧を取り出すことができる。なお、グランドレベ
ルとは、インクジェットヘッドの駆動系における基準電
位を示し、接地電位(0V)とは異なる場合もある。
【0023】(3)1つの前記吐出インク室に対して前
記第1の駆動電圧が連続して複数回印加されることを特
徴とする。
【0024】この方法によれば、図7のように、1つの
インク室に対して連続的にインクの吐出を行うことによ
り、インク室内のインク吐出波動が増幅され、後出する
インク滴の速度が速まり前出するインク滴に追いつく結
果、吐出回数に応じた大きさのインク滴を形成すること
ができる。
【0025】(4)前記第1の駆動電圧の第2の駆動波
形の電圧は、1つの印字周期において減少することを特
徴とする。
【0026】この方法によれば、インクの吐出が連続的
に行われる場合においては、壁部13を構成する圧電材
料の発熱が蓄積するが、インクの吐出によって放出され
る熱量も大きくなる。一方、インクが吐出されない場合
においては、第1の駆動電圧の第2の駆動波形と第2の
駆動電圧の相互作用により発熱し、インクが吐出されな
いことから蓄熱されることになる。ここで、第2の駆動
電圧を回数に応じて徐々に下げることで発熱を抑えるこ
とができ、吐出時との発熱量の差を低減することができ
る。
【0027】(5)前記第1の駆動電圧の第2の駆動波
形の位相および/または時間幅は、印字条件に応じて設
定・変更可能であることを特徴とする。
【0028】この方法によれば、インクの吐出時におけ
るインクの粘度は、印字品位に影響を与える。たとえ
ば、低温時にはインクの粘度が高くなり吐出性能が低下
する。このような場合に印字に先立って電圧の印加が十
分に追従できるような波形幅を有する第1の駆動電圧の
第2の駆動波形を印加することで壁部13およびインク
室内のインクを加熱することができる。
【0029】また、ヘッドおよびインクの温度が十分に
高い場合には、電圧の印加が追従できないような時間幅
の駆動波形とすることで、発熱を抑えることができ常に
安定した印字を実現することができる。
【0030】(6)圧電部材に形成された複数の溝部を
天壁で覆うことにより前記溝部内にインク室を形成し、
前記溝部の両壁面部は天壁、底壁方向に分極されるとと
もに、該分極された圧電部材の表面に設けられた電極
に、複数の駆動電圧から所定の駆動電圧を選択的に印加
する駆動電圧選択手段を有し、該分極された圧電部材に
電界を作用させることにより、該圧電部材に剪断変形を
生じさせ、前記インク室に充填されたインクに圧力波を
作用させてインクの吐出を行うインクジェットヘッドに
おいて、前記駆動電圧選択手段は、それぞれの駆動電圧
選択時において10Ω乃至500Ωの抵抗成分を有する
ことを特徴とする。
【0031】インク室の壁部を剪断変形により変形させ
てインクを吐出するインクジェットヘッドの駆動方式で
は、圧電材料である壁部を介して両側に電極が設けられ
ることから、壁部に電気エネルギーが蓄積されることと
なり、それぞれの電極への電圧印加にともなって充放電
が行われる。
【0032】このような方式にあって本発明の方法で
は、充放電によって生じるヘッド近傍に設けられた駆動
電圧印加手段での発熱を抑制する目的で、へツド近傍に
設けられた駆動電圧印加手段は単に複数の駆動電圧の中
から1つの駆動波形を選択して駆動電極に印加するのみ
とし、充放電にともなう電気的エネルギーはヘッドから
離間した印字装置本体側で消費されるようにしている。
【0033】結果的に、壁部電極に印加される駆動電圧
は、印字装置本体に設けられた十分な電気的容量を有す
る駆動電圧発生手段から供給されて、印字信号および印
字タイミングに応じてヘッド近傍で、インク室に対応し
てインク室ごとに設けられた駆動電圧選択手段で駆動電
圧が選択的に印加されることとなる。
【0034】ここで、駆動電極にある駆動電圧の立ち上
がり波形が選択された場合、へツドの壁部は大きな静電
容量を有していることからへツドの駆動電極に一気に電
流が流れ込み駆動電圧印加手段に過大な電流が流れると
ともに、回路のリアクタンス成分によりオーバーシュー
トやアンダーシュートが発生する。
【0035】このような過大な電流は駆動電圧選択手段
の発熱を招くこととなる。また、オーバーシュートやア
ンダーシュートは駆動電圧選択手段をCMOSからなる
素子で構成した場合には所謂ラッチアップが発生し駆動
電圧選択手段の損傷を招くこととなる。
【0036】そこで、この方法では、それぞれのインク
室に対応した駆動電極に対してそれぞれの駆動電圧選択
時に10Ω乃至500Ωの抵抗を設けることにより、駆
動電圧選択手段を流れる電流が制限され、発熱やオーバ
ーシュート/アンダーシュートを抑制することができ、
インクジェットヘッド(プリントヘッド)を安定して
(高速でも)駆動させることができる。
【0037】(7)駆動電圧の立ち上がりおよび立ち下
がり時期は、他の駆動電圧の立ち上がりおよび立ち下が
りの時期と一致しないことを特徴とする。
【0038】この方法によれば、駆動電圧発生手段は、
図22に示すように、トランジスターQ1とQ2が交互
に切り替わることで、それぞれのトランジスターのコレ
クター電位となる。
【0039】例えば駆動波形の立ち上がり時には、トラ
ンジスターQ1、Q2のベースに波形信号が印加される
と、トランジスターQ1がONになるとともにトランジ
スターQ2がOFFとなりトランジスターQ1のコレク
ター電圧が出力される。
【0040】ここで、トランジスターQ1、Q2が切り
替わるときには出力である2つのトランジスターのエミ
ッターは何れのトランジスターもONまたはOFFにな
りきらない状態となる。
【0041】このときに、ヘッドの壁部をはさんで反対
側の駆動電極に駆動電圧の立ち上がりもしくは立ち下が
りが印加されると、静電誘導により電圧が誘起しオーバ
ーシュートやアンダージュートを生じてしまうことにな
る。
【0042】本方法では、それぞれの駆動電圧の立ち上
がりや立ち下がり時期と他の駆動波形の立ち上がりや立
ち下がり時期の間に所定の期間を設けることで、互いの
立ち上がり、立ち下がりに伴うオーバーシュートやアン
ダーシュートを抑制することができる。
【0043】なお、本発明の方法では、駆動電極に対し
て直列に抵抗が挿入されていることから、立ち上がりお
よび立ち下がり波形は僅かに傾きを有しており、インク
吐出のための波動を形成するのに重要な壁部に形成され
る電界が反転する場合、すなわち吐出インク室の駆動電
極の印加電圧が立ち下がり、続いて壁部をはさんで反対
側の駆動電極の印加電圧が立ち上がる場合であっても、
電界は連続的に変化することからインクの吐出性能に影
響を与えることなく駆動させることができる。
【0044】(8)駆動電圧選択手段は、アナログスイ
ッチの集合体で構成し、アナログスイッチの切り替えは
駆動波形の印加前および印加後に行われることを特徴と
する。
【0045】この方法によれば、駆動電圧選択手段は、
インク室壁部が圧電素子で形成されていることから、駆
動時には圧電素子に対して充電及び放電がおこなわれる
ことになり、両極性の選択機能を有することが求められ
る。
【0046】所謂アナログスイッチは両極性の特性を有
し、かつ、アナログスイッチON時においても所定の抵
抗値とすることができる。さらに集積化が容易であり、
本発明のように駆動電圧ゼロ電位のときにスイッチング
を行うことでアナログスイッチでの発熱を抑制すること
ができ、ヘッドの近傍に配置することができ、装置の小
型化を実現することができる。また、ヘッド部の小型軽
量化により印字に伴うヘッド移動時においてもへツドの
振動を抑制することができ高品位の印字ができるという
効果も奏する。
【0047】
【発明の実施形態】以下に、本発明の実施形態に係るイ
ンクジェットヘッドの駆動方法について図面を参照しつ
つ詳細に説明する。
【0048】(実施形態1)図1は、本発明のインクジ
ェットヘッド(プリントヘッド)1の駆動方法を実施す
るための駆動回路のブロック図であり、プリンタ制御基
板7に設けられた駆動波形生成手段73により生成され
た第1の駆動電圧D1および第2の駆動電圧D2を、ア
ナログスイッチ63により選択的に切り替え、インクジ
ェットヘッド1のインク室15を形成する壁部13の表
面に配置された駆動電極14に印加する。
【0049】ここで、インク室15を形成する壁部13
に配設された駆動電極14に電圧を印加すると、壁面に
対して垂直方向に電界が生じる。インクジェットヘッド
1は図9に示すように、圧電材料から成る上基板12と
インク室形成基板11で構成され、壁部13は上基板1
2の方向に分極されている。なお、図8にインク室形成
基板11を示す。図8中、矢印Iはインクの吐出方向で
ある。
【0050】したがって、壁部13上に設けられた駆動
電極14に電圧を印加し、壁部13に電界が作用すると
壁部13に剪断変形が生じ、壁部13は上基板12と圧
着されていることから、印加する電界の方向に応じて壁
面がインク室15に対して凸面もしくは凹面状に変形す
る。
【0051】このとき、インク室15内に圧力波が形成
されインク室15内を伝搬する。ここでインク室15に
対して凹面とした後、凸面に変形させることにより圧力
波が増長されインク室長手方向に設けられたノズル21
よりインクが吐出する。
【0052】ここで、吐出するインク室15に隣接する
インク室15の片方の壁面、すなわち吐出するインク室
15とを仕切る壁面と反対側の壁面に印加される電圧を
調整することで、吐出させたいインク室15のみからイ
ンクの吐出をおこなうことができる。
【0053】このように、インク室15とインク室15
を仕切る壁部13、そして、壁部13の表面に壁部13
の厚み方向に電界が作用するように駆動電極14を配し
(図10(a)参照)、吐出させたいインク室15の駆
動電極14に第1の駆動電圧の第1の駆動波形を印加
し、第1の駆動電圧の第1の駆動波形の印加の終了後
に、隣接するインク室15に第2の駆動電圧を印加する
ことで、吐出インク室を拡張した(図10(b)参照)
後、縮小する(図10(c)参照)ことでインク室15
内に大きな圧力波生じさせることができ、インクの吐出
を行うことができる。なお、第2の駆動電圧の印加が解
除されると、図10(d)に示すように、インク室15
を仕切る壁部13は元の形状に復帰する(図10(a)
の状態)。
【0054】上記のように、吐出させたいインク室15
と隣接するインク室15を1つのグループとして、各イ
ンク室に対して順次、第1の駆動電圧を印加すること
で、壁部13を直接駆動手段として用いるきわめて効率
の良いインクジェットの吐出を実現することができる。
【0055】図2は、駆動波形選択手段を示し、第1の
駆動電圧D1および第2の駆動電圧D2がアナログスイ
ッチ63a、63cで選択的に切り替えられるようにな
っている。また、図3,図4(a)は、駆動波形を示
し、第1の駆動電圧D1による第1の駆動波形をW1、
第2の駆動波形をW2、第2の駆動電源D2による駆動
波形をW3で示し、Tは印字期間を示す。
【0056】第1の駆動電圧D1は印字周期Tの期間内
に第1の駆動波形W1と第2の駆動波形W2を有し、印
字(インク吐出)の場合には第1の駆動波形W1が出力
される期間、アナログスイッチ63aがONとなり、第
1の駆動波形W1が駆動電極14に出力され、第1の駆
動波形W1の終了後、アナログスイッチ63bがONと
なり、駆動電極14はグランドレベルに保持される。
【0057】なお、インク室15は所定の周期で印字周
期と非印字周期をとるが、インク室15が印字周期であ
る期間は、ゲート回路62からの信号により第2の駆動
電圧D2を選択するアナログスイッチ63cは常にOF
Fとなり、第2の駆動電圧D2が駆動電極14に出力さ
れることはない。
【0058】また、非印字周期である期間はアナログス
イッチ63a、およびアナログスイッチ63bは常にO
FFとなり、アナログスイッチ63cのみがONとな
る。この結果、数百ピコファラッドの静電容量を有する
壁部13の駆動電極14には第1の駆動電圧D1、第2
の駆動電圧D2、グランドレベルの何れかが接続される
ことになり、壁部13の反対側の駆動電極14において
駆動波形の立ち上がりや立ち下がりに伴う誘起電圧を減
少させることができる。なお、アナログスイッチ63の
切り替えは第1の駆動電圧D1、第2の駆動電圧D2、
何れの場合もグランドレベルであることが好ましい。
【0059】次に、インクの吐出工程を図4乃至図6を
用いて説明する。図2に示したように、駆動電極14は
壁部13を介して他の駆動電極14に容量結合される。
ここで、容量結合される部位は隣接するインク室15,
15を仕切る壁部13を示し、あるインク室15に第1
の駆動電圧D1が印加されるとき、両側のインク室15
には第2の駆動電圧D2が印加される。
【0060】駆動電圧選択手段63は、一つのインク室
15に対応した駆動電極14について、アナログスイッ
チ63a、63b、63cで構成され、第1の駆動電圧
D1(63a)、第2の駆動電圧D2(63c)、グラ
ンドレベル(63b)の一つが印字制御信号および画像
信号に応じて選択的に印加される。
【0061】インク室15のインクを吐出する場合に
は、図4(b)のように、n番目の吐出インク室に第1
の駆動波形(W1)を印加した後、第1の駆動波形(W
1)の終了後グランドレベルとすることで、隣接するイ
ンク室n−1、n+1に印加される第2の駆動電圧との
相互作用によりインク室nからインクが吐出される。
【0062】一方、インク室nが印字期間であって、イ
ンクが吐出されない場合(図4(c))は、グランドレ
ベルが選択された後、第1の駆動波形(W1)の終了
後、第1の駆動電圧が選択され、第2の駆動波形(W
2)が印加される。なお、図4において、DAは印字/
非印字に対応したアナログスイッチ63aの選択信号を
表しており、ハイレベルのとき第1の駆動電圧D1が選
択され、ローレベルのときアナログスイッチ63bを通
してグランドレベルが選択される。
【0063】インク吐出の場合には、図5のように第1
の駆動電圧D1(実線部)と、第2の駆動電圧D2が印
加され、壁部13を貫く電界VPは正方向から負方向に
一気に変化する。その結果、図10に示すように、電界
が正方向(図10(b))か負方向(図10(c))に
変化し、インク室15(図10インク室a、a′)は拡
大縮小する。これにより、インク室15(図10インク
室a、a′)内に波動が発生しノズル21よりインクが
吐出する。
【0064】一方、非吐出時すなわち第1の駆動電圧D
1の第2の駆動波形(W2)が選択されたときは、図6
のように、壁部13に作用する電界VPは負方向となっ
た後、間をおいて正方向となり、インク室15内のイン
クの波動は小さいものとなりインクの吐出には至らな
い。
【0065】この場合においても、壁部15は図5およ
び図6の電界VPに示される如く同じ回数の変位が生
じ、この結果、発生する壁部13の圧電材料のヒステリ
シス損による発熱量もほぼ等しくなる。なお、第1の駆
動電圧D1の第2の駆動波形(W2)の立ち上がり、立
ち下がりタイミングと第2の駆動電圧の立ち下がりタイ
ミングによって壁部13に作用する電界(図5、図6に
おけるVP)を調整することができ、所望の発熱量とす
ることができる。
【0066】また、別の例として、図7に示すように、
1つのインク室15を複数回駆動することで連続的にイ
ンクの吐出を行うことができる。同じインク室15から
連続吐出を行う場合、インク室15内のインクの波動が
吐出の後に残留することから、後出するインク滴の吐出
波動に重畳し、後出するインク滴の速度が先出するイン
ク滴の速度よりも速くなる。その結果、後出するインク
滴が先出したインク滴に次々と追いつきインク滴が転写
材81(図13参照)に到達する時には一滴のインク滴
となる。
【0067】したがって、第1の駆動波形(W1)の選
択回数に応じてインク滴の大きさを変えることができ
る。なお、図7におけるP1、P2、P3はインク室1
5を印字期間PTとするフェーズ生成手段71からの制
御信号である。
【0068】次いで、以上説明したような駆動方法を実
施するためのインクジェットヘッド1の構成等につい
て、図11ないし図13に基づいて説明する。まず、図
11はインクジェットヘッド1の組み立て構成を示し、
図示のように、インクジェットヘッド1は、インク室形
成基板11の上面に上基板12とインクフィルタ3を積
み重ね状態に載設すると共に、そのインク室形成基板1
1の前面を、複数のノズル(吐出孔)21─を形成した
ノズルプレート2で覆い、各ノズル21をインク室15
に対応させると共に、図12に示すように、ドライバー
ICをフレキシブル基板16を介して駆動電極14(図
10参照)と接続するように構成されている。
【0069】上述のインク室15には、インクタンク4
(図13参照)からインクフィルタ3および上基板12
に形成された孔部12aを経由してインクが供給され、
前述したように、駆動電極14によるインク室15の拡
縮により、ノズルプレート2からインクが吐出される。
なお、図11に示す例では、カラー画像の印刷に用いら
れるイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色の
インクを分離するために、上基板12には、4個の孔部
12aを形成しており、インクフィルタ3は4分割に構
成されている。また、これらの各色の使用頻度を考慮し
て、ブラックのインクに対応する孔部12aの開口面積
及びインクフィルタ3の分割範囲が他よりも広く形成さ
れている。
【0070】図13は、インクジェットヘッド1を具備
したプリンターの一例を示し、そのインクジェットヘッ
ド1の上部にはインクタンク4が着脱自在に搭載され、
図示省略の駆動源により、インクジェットヘッド1は矢
印S方向に往復移動し、給紙トレイ8から一枚ずつ矢印
P方向に繰り出される転写材(印字用紙)81の上に、
インクが吐出され原稿画像が再現・形成される。
【0071】なお、本実施形態の駆動方法を実施するた
めのインクジェットヘッド1は、基本的には、例えば、
図11及び図12に示されるが、これに限定されること
なく、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて設計変更
自由である。また、搭載するプリンターは、例えば、図
13に示されるが、本実施形態の駆動方法を実施するた
めのインクジェットヘッド1は、このようなインクジェ
ット方式のプリンターに限定されることなく、例えば、
電子写真方式とインクジェット方式を併設したプリンタ
ーにも搭載可能なことはいうまでもない。
【0072】(実施形態2)図14は、本発明のインク
ジェットヘッドの駆動方法を実施するための駆動回路の
ブロック図であり、プリンタ制御基板7に設けられた駆
動波形生成手段73により生成された第1の駆動電圧D
1、第2の駆動電圧D2および第3の駆動電圧D3を、
アナログスイッチ63により選択的に切り替え、ブリン
トヘッド1のインク室15を形成する壁部13の表面に
配置された駆動電極14に印加する。ここで、インク室
15を形成する壁部13に配設された駆動電極14に電
圧を印加すると、壁面に対して垂直方向に電界が生じ
る。
【0073】インクジェットヘッド1は、図14に示す
ように、基本的には、圧電材料から成る上基板12とイ
ンク室形成基板11で構成され、壁部13は上基板方向
に分極されている。したがって、壁部13上に設けられ
た駆動電極14に電圧を印加し、壁部13に電界が作用
すると壁部13に剪断変形が生じ、壁部13は上基板1
2と圧着されていることから、印加する電界の方向に応
じて壁面がインク室15に対して凸面もしくは凹面状に
変形する。
【0074】このとき、インク室内に圧力波が形成され
インク室内を伝搬する。そして、インク室15に対して
凹面とした後、凸面に変形させることにより圧力波が増
長されインク室長手方向に設けられたノズル21からイ
ンクが吐出する。ここで、吐出するインク室15に隣接
するインク室15の片方の壁面、すなわち吐出するイン
ク室15とを仕切る壁面と反対側の壁面に印加される電
圧を調整することで、吐出させたいインク室15のみか
らインクの吐出をおこなうことができる。
【0075】このように、インク室15,15間を仕切
る壁部13、そして、壁部13の表面に壁部13の厚み
方向に電界が作用するように駆動電極14を配し、吐出
させたいインク室15の駆動電極14に第1の駆動電圧
を印加し、第1の駆動電圧の駆動波形の終了後に、隣接
するインク室に第3の駆動電圧の駆動波形を印加するこ
とで、吐出インク室を拡張した(図10(b)(前実施
形態と同じ))後、縮小する(図10(c)(前実施形
態と同じ))ことでインク室内に大きな圧力波生じさせ
ることができ、インクの吐出を行うことができる。
【0076】このように、吐出させたいインク室15と
隣接するインク室15を1つのグループとして、各イン
ク室15に対して順次第1の駆動電圧D1を印加するこ
とで、壁部13を直接駆動手段として用いるきわめて効
率の良いインクジェットの吐出を実現することができ
る。なお、本実施形態のインクジェットヘッド1のその
他の構成は、図8〜図10(a)〜図10(d)に示す
前実施形態の構成と同じである。
【0077】図15は、駆動波形選択手段を示し、第1
の駆動電圧D1、第2の駆動電圧D2および第3の駆動
電圧D3が、アナログスイッチ63a、63b、63c
によって選択的に切り替えられるようになっている。ま
た、図16は駆動波形を示し、第1の駆動電圧D1によ
る第1の駆動波形をW21、第2の駆動電圧D2による
第2の駆動波形をW22、第3の駆動電圧D3による第
3の駆動波形をW23で示し、印字期間をTで示す。
【0078】印字周期Tの期間内に印字データに基づい
て吐出が行われる場合には、アナログスイッチ63aが
ONとなり、吐出インク室15に対応した駆動電極14
には第1の駆動電圧D1が印加されるとともに、隣接す
るインク室15に対応した駆動電極14はアナログスイ
ッチ63cがONとなることにより第3の駆動電圧D3
が印加される。
【0079】なお、吐出インク室15に対する印字デー
タが非吐出の場合にはアナログスイッチ63bがONと
なり第2の駆動波形(W22)が印加される。また、イ
ンク室15は所定の周期で印字周期と非印字周期をとる
が、インク室15が印字周期である期間は、ゲート回路
62からの信号により第3の駆動電圧D3を選択するア
ナログスイッチ63cは常にOFFとなり、第3の駆動
電圧D3が駆動電極14に出力されることはない。
【0080】そして、非印字周期である期間はアナログ
スイッチ63a、およびアナログスイッチ63bは常に
OFFとなり、アナログスイッチ63cのみがONとな
る。この結果、数百ピコファラッドの静電容量を有する
壁部13の駆動電極14には第1の駆動電圧D1、第2
の駆動電圧D2、第3の駆動電圧D3の何れかが接続さ
れることになり、壁部13の反対側の駆動電極14にお
いて駆動波形の立ち上がりや立ち下がりに伴う誘起電圧
を減少させることができる。
【0081】次に、インクの吐出工程を図16乃至図2
0に基づいて説明する。図15に示したように、駆動電
極14は壁部13を介して他の駆動電極14に容量結合
される。ここで、容量結合される部位は隣接するインク
室を仕切る壁部13を示し、あるインク室15に第1の
駆動電圧D1が印加されるとき、両側のインク室15に
は第3の駆動電圧D3が印加される。
【0082】駆動電圧選択手段63は、一つのインク室
15に対応した駆動電極14に接続されるアナログスイ
ッチ63a、63b、63cで構成され、第1の駆動電
圧D1(63a)、第2の駆動電圧D2(63b)、第
3の駆動電圧D3(63c)の一つが印字制御信号、お
よび、画像信号に応じて選択的に印加される。
【0083】インク室15のインクを吐出する場合に
は、図19のように、吐出インク室15に第1の駆動電
圧D1を選択し、隣接するインク室15に第3の駆動電
圧D3を選択することで、壁部13には電界VPが作用
し壁部13に剪断変形が生じることによりインクの吐出
が行われる。
【0084】一方、インク室が印字期間Tであって、イ
ンクが吐出されない場合は、図20のように吐出インク
室15は第2の駆動電圧D2が選択されるとともに、隣
接するインク室15は第3の駆動電圧D3が選択され、
壁部13には電界VPが作用するがインク室15内にイ
ンクの吐出波動を形成するには至らずインクの吐出は行
われない。なお、駆動波形の立ち上がり/立ち下がり時
期と壁部13を介して反対側に印加される駆動波形の立
ち上がり/立ち下がり時期が一致すると、図17に示す
ように、図22での駆動電圧供給手段73の出力トラン
ジスターQ1、Q2のスイッチングの遅れに応じて駆動
波形に、対向する駆動波形の立ち上がり/立ち下がりの
静電誘導の作用でオーバーシュートもしくはアンダーシ
ュートが生じることとなる。
【0085】本実施形態では、図18のように、第1の
駆動電圧D1の駆動波形のタイミングパルスClと第3
の駆動電圧D3の駆動波形のタイミングパルスC3を、
駆動波形の立ち下がり/立ち上がり時期において時間差
を設けることで、オーバーシュートを抑制しつつ、図1
9の壁部13における電界VPのような適度な電界勾配
を有する駆動電界を実現している。
【0086】また、本実施形態における別の例として、
図21に示すように、1つのインク室15を複数回駆動
することで連続的にインクの吐出を行うことができる。
同じインク室15から連続吐出を行う場合、インク室1
5内のインクの波動が吐出の後に残留することから、後
出するインク滴の吐出波動に重畳し、後出するインク滴
の速度が先出するインク滴の速度よりも速くなる。
【0087】その結果、後出するインク滴が先出したイ
ンク滴に次々と追いつきインク滴が転写材81に到達す
る時には一滴のインク滴となる。したがって、第1の駆
動波形(W21)の選択回数に応じてインク滴の大きさ
を変えることができる。なお、図21におけるP1、P
2、P3はインク室15を印字期間PTとするフェーズ
生成手段71からの制御信号である。
【0088】以上説明した本実施形態の駆動方法を実施
するためのインクジェットヘッド1の構成は、前実施形
態と同様に、基本的には、例えば、図11及び図12に
示されるが、これに限定されることなく、本発明の要旨
を逸脱しない限りにおいて設計変更自由である。また、
搭載するプリンターは、例えば、図13に示されるが、
本実施形態の駆動方法を実施するためのインクジェット
ヘッド1は、このようなインクジェット方式のプリンタ
ーに限定されることなく、例えば、電子写真方式とイン
クジェット方式を併設したプリンターにも搭載可能なこ
とはいうまでもない。
【0089】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明
は、以下の効果を奏する。請求項1によれば、吐出イン
ク室に第1の駆動電圧が印加されるが、非吐出インク室
にも第2の駆動電圧が印加されるので、印字/非印字に
よるインク室、およびインク室内のインクの温度差を解
消することができるとともに、吐出/非吐出時に印加す
る駆動電圧生成手段を1系統とすることができ、安価な
構成で高品位な画像を得ることができる。
【0090】請求項2によれば、アナログスイッチ、ア
ナログスイッチを制御するゲート回路等は集積回路に収
められるが、アナログスイッチによって選択される電圧
レベルの1つが集積回路内の共通電極であるグランドレ
ベルとすることでインピーダンスを低く抑えることがで
き、駆動電極部におけるグランドレベル選択時の電圧の
変動を抑えることができる。
【0091】請求項3によれば、1つのインク室に対し
て連続的にインクの吐出を行うので、インク室内のイン
ク吐出波動が増幅され、後出するインク滴の速度が速ま
り前出するインク滴に追いつく結果、吐出回数に応じた
大きさのインク滴を形成することができる。
【0092】請求項4によれば、第1の駆動電圧の第2
の駆動波形の電圧を、印加回数に応じて徐々に下げるの
で、発熱を抑えることができ、吐出時との発熱量の差
(温度差)を低減することができる。
【0093】請求項5によれば、第1の駆動電圧の第2
の駆動波形の位相および/または時間幅を、印字条件に
応じて設定・変更可能としたので、必要に応じて、イン
ク室内のインクを加熱したり、発熱を抑えたりすること
ができる。従って、インクの粘度を適切に保持して、常
に、安定した印字を実現することができる。
【0094】請求項6によれば、駆動電圧選択手段が、
それぞれの駆動電圧選択時において所定範囲の抵抗成分
を有するので、駆動電圧選択手段を流れる電流が制限さ
れ、発熱やオーバーシュート/アンダーシュートを抑制
することができ、インクジェットヘッド(プリントヘッ
ド)を高速で安定に駆動させることができる。
【0095】請求項7によれば、それぞれの駆動電圧の
立ち上がりや立ち下がり時期と他の駆動波形の立ち上が
りや立ち下がり時期の間に所定の期間を設けるので、互
いの立ち上がり、立ち下がりに伴うオーバーシュートや
アンダーシュートを抑制することができる。
【0096】請求項8によれば、抵抗成分を、所謂アナ
ログスイッチのON抵抗とすることができるので、駆動
電圧選択手段を極めて小さくすることができ、装置の小
型化を実現することができる。また、ヘッド部の小型軽
量化により、印字に伴うヘッド移動時においてもへツド
の振動を抑制することができ高品位の印字が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る駆動方法を実現する
インクジェットヘッドのブロック構成図である。
【図2】同駆動電圧選択手段のブロック図である。
【図3】同駆動電圧波形を示す図である。
【図4】同印字期間における駆動波形のタイミングチャ
ートである。
【図5】同インク吐出時のインク室壁部への印加電圧の
説明図である。
【図6】同インク非吐出時のインク室壁部への印加電圧
の説明図である。
【図7】同階調印字時のタイミングチャートである。
【図8】同インクジェットヘッドの基板の構成を示す斜
視図である。
【図9】同インクジェットヘッドの断面図である。
【図10】同インクジェットヘッドの吐出時の形状変化
の説明図である。
【図11】同インクジェットヘッドの構成を示す組み立
て図である。
【図12】同インクジェットヘッド部の斜視図である。
【図13】同インクジェットヘッドを搭載したインクジ
ェットプリンタの斜視図である。
【図14】本発明の実施形態2に係る駆動方法を実現す
るインクジェットヘッドのブロック構成図である。
【図15】同駆動電圧選択手段のブロック図である。
【図16】同駆動電圧波形を示す図である。
【図17】同駆動波形の立ち上がり/立ち下がりが一致
した場合のオーバーシュートの発生を示す図である。
【図18】同駆動波形を示す図である。
【図19】同インク吐出時のインク室壁部への印加電圧
を示す図である。
【図20】同インク非吐出時のインク室壁部への印加電
圧を示す図である。
【図21】同階調印字(2階調)を行う場合のタイミン
グチャートである。
【図22】同共通駆動波形の生成および駆動波形選択の
説明図である。
【符号の説明】
1−インクジェットヘッド(プリントヘッド) 14−電極(駆動電極) 15−インク室 63−駆動電圧選択手段 D1−第1の駆動電圧 D2−第2の駆動電圧 D3−第3の駆動電圧 W1−第1の駆動波形 W2−第2の駆動波形 W21−第1の駆動波形 W22−第2の駆動波形 W23−第3の駆動波形 T−印字周期
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 浩一 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 ▲吉▼村 久 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF21 AF99 AG12 AG45 AN01 AR03 AR08 BA14 CA01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電部材に形成された複数の溝部を天壁
    で覆うことにより前記溝部内にインク室を形成し、 少なくとも前記溝部の両壁面部は天壁、底壁方向に分極
    されるとともに、該分極された圧電部材の表面に設けら
    れた電極に、駆動電圧を選択的に印加し、該分極された
    圧電部材に電界を作用させることにより、該圧電部材に
    剪断変形を生じさせ、前記インク室に充填されたインク
    に圧力波を作用させてインクの吐出を行うインクジェッ
    トヘッドの駆動方法において、 前記駆動電圧は吐出インク室に印加される第1の駆動電
    圧と非吐出インク室に印加される第2の駆動電圧からな
    り、前記第1の駆動電圧は吐出信号によって選択される
    第1の駆動波形と、非吐出信号によって選択される第2
    の駆動波形で構成されることを特徴とするインクジェッ
    トヘッドの駆動方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の駆動電圧および前記第2の駆
    動電圧は、アナログスイッチにより選択されるととも
    に、前記第1の駆動電圧は、前記第1の駆動波形もしく
    は前記第2の駆動波形と、前記2つの駆動波形が選択さ
    れていないときに選択されるグランドレベルとで構成さ
    れることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット
    ヘッドの駆動方法。
  3. 【請求項3】 1つの前記吐出インク室に対して前記第
    1の駆動電圧が連続して複数回印加されることを特徴と
    する請求項1または2記載のインクジェットヘッドの駆
    動方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の駆動電圧の第2の駆動波形の
    電圧は、1つの印字周期において減少することを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれかに記載のインクジェッ
    トヘッドの駆動方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の駆動電圧の第2の駆動波形の
    位相および/または時間幅は、印字条件に応じて設定・
    変更可能であることを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれかに記載のインクジェットヘッドの駆動方法。
  6. 【請求項6】 圧電部材に形成された複数の溝部を天壁
    で覆うことにより前記溝部内にインク室を形成し、 前記溝部の両壁面部は天壁、底壁方向に分極されるとと
    もに、該分極された圧電部材の表面に設けられた電極
    に、複数の駆動電圧から所定の駆動電圧を選択的に印加
    する駆動電圧選択手段を有し、 該分極された圧電部材に電界を作用させることにより、
    該圧電部材に剪断変形を生じさせ、前記インク室に充填
    されたインクに圧力波を作用させてインクの吐出を行う
    インクジェットヘッドにおいて、 前記駆動電圧選択手段は、それぞれの駆動電圧選択時に
    おいて10Ω乃至500Ωの抵抗成分を有することを特
    徴とするインクジェットヘッドの駆動方法。
  7. 【請求項7】 駆動電圧の立ち上がりおよび立ち下がり
    時期は、他の駆動電圧の立ち上がりおよび立ち下がりの
    時期と一致しないことを特徴とする請求項6に記載のイ
    ンクジェットヘッドの駆動方法。
  8. 【請求項8】 駆動電圧選択手段はアナログスイッチの
    集合体で構成し、アナログスイッチの切り替えは、駆動
    波形の印加前および印加後に行われることを特徴とする
    請求項6または7に記載のインクジェットヘッドの駆動
    方法。
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