JP2002321294A - 低密度複合成形体及びその製造方法 - Google Patents

低密度複合成形体及びその製造方法

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JP2002321294A
JP2002321294A JP2001167427A JP2001167427A JP2002321294A JP 2002321294 A JP2002321294 A JP 2002321294A JP 2001167427 A JP2001167427 A JP 2001167427A JP 2001167427 A JP2001167427 A JP 2001167427A JP 2002321294 A JP2002321294 A JP 2002321294A
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JP2001167427A
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Shunsuke Shioi
俊介 塩井
Koji Iwasaki
廣司 岩崎
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Oji Packaging Systems Co Ltd
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Oji Packaging Systems Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた緩衝特性を有し、しかも重量物を被緩
衝物とした場合でも変形が極めて少ない、微細成分堆積
タイプの複合成形体及びその効率的製造方法を提供す
る。 【解決手段】 微細成分の集合体として形成された肉厚
の通気性低密度成形体の任意の位置に溝又は孔を設け、
該溝又は孔に発泡する樹脂を充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、荷重に対して変形
の少ない微細成分堆積系の低密度複合成形体及びその効
率的な製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】発泡スチロールは、軽量、優れた強度、
衝撃緩衝特性、断熱性、等の性能の良さと低廉から包装
用緩衝材を始めとして種々の分野に幅広く用いられてき
た。しかし、近年、環境問題への関心が高まるにつれ
て、他の所謂プラスチック製品と同様に、使用後の処理
性を問題視する声が高まっている。即ち、使用した後、
焼却した場合には、高温の発生による炉の損傷、有毒ガ
スの発生が指摘されている。また、埋め立て処理を行っ
た場合は、分解性がなく、さらに嵩張るため、処理場の
不足を招く一因とも考えられている。
【0003】この発泡スチロールの処理上の問題点を解
決するものとして、最近では、パルプ等の微細成分を堆
積させて得られる低密度成形体、具体的には、湿式でパ
ルプを成形型に充填して形成する肉厚の低密度成形体
(商品名グリーンパル:王子製袋製)、乾式でパルプを
成形型に充填して成形する肉厚の低密度成形体(商品名
セルモールド:レンゴー製)、等が注目されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記低密度成
形体のように パルプ等の微細成分を堆積させて得られ
るものは、発泡スチロールのように微細な独立気泡を内
部にもたず通気性の素材であるために、それにかかる荷
重が比較的小さい用途の場合には優れた性能を発揮する
ものの、荷重が大きくなると内部の空気が抜けて大きく
変形して使えないという問題を有していた。例えば、包
装用緩衝材として用いる場合で包まれる商品が比較的軽
量である場合、優れた緩衝特性を発揮し優れた包装材と
なり得るが、包まれる商品が重量物である場合には、そ
の荷重によって成形体の変形が時間の経過とともに徐々
に進むために、包装された商品を数段に重ねて保管する
所謂段積み保管した場合に、その変形によって積荷が傾
き倒れてくることがあるという問題、又、該低密度成形
体を家の床材や暖房用床材、自動車のフロアーの嵩上げ
材、畳の芯材等のように人や家具等が上に乗る形で使用
される場合には、その荷重で凹み等の変形を生じるとい
う問題等である。本発明の目的は、微細成分堆積系であ
りながら大きな荷重に対しても変形が極めて少ない低密
度成形体を提供することにある。また、該成形体を効率
よく製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる現
状に鑑み鋭意検討した結果、低密度成形体に溝や穴等の
凹みを設け、該凹みに特定の補強材を充填するという簡
単な方法によって、軽量を維持したまま荷重に対して変
形の極めて少ない成形体に改良できることを見出し、本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、微細成
分を堆積させて得られた凹みを有する肉厚の低密度成形
体の該凹みに、発泡樹脂を充填することを特徴とする低
密度複合成形体及びその製造方法である。また、該低密
度成形体が、壁面に多数の小孔を有する成形型内にスラ
リーを供給し、スラリーの媒体である水を該小孔から除
去することによってスラリー中の小孔不通過微細成分を
成形型内に堆積させ、その後に乾燥して得られたもので
あることが好ましい。中でも、該低密度成形体の製造に
用いられるスラリーの組成物が550ml以上のカナダ
標準フリーネス(CSF)を有することが好ましい。ま
た、発泡樹脂の充填が、発泡樹脂原液の注入によって行
われることが好ましい。中でも、発泡樹脂原液が硬質ポ
リウレタン発泡原液であることが好ましい。また、該低
密度成形体の微細成分の主原料が繊維であることが好ま
しい。中でも、該繊維が天然有機高分子繊維であること
が好ましい。更に、該天然有機高分子繊維がセルロース
系繊維であることが好ましい。
【0006】本発明の成功の原因は、上記通気性低密度
成形体と発泡系素材を組み合わせることによって、該低
密度成形体のもつ軽量やその他の特長を損なうことな
く、低密度成形体単独では得られなかった特性を引き出
せることを見出した点にある。また、発泡系素材として
ポリウレタン発泡原液を使用した場合、成形体に設けた
溝又は穴に極めて効率よくそれを充填出来ることを見出
した点にある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる低密度成形体
としては、乾式で成形される低密度成形体、例えばセル
モールド(レンゴー製)等を挙げることもできるが、品
質のバラツキが少なく安定したものが得やすい点で、湿
式成形法で得られる低密度成形体が好ましい。
【0008】以下、湿式法による低密度成形体を具体例
として詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるも
のではない。湿式法による低密度成形体は、壁面に多数
の小孔を有する成形型内にスラリーを供給し、該小孔か
らスラリーの媒体である水を除去することによってスラ
リー中の小孔不通過微細成分を成形型内に堆積させて湿
潤状態の成形物を形成し、その後に乾燥処理を施して得
られるものであり、成形型としては、通常一面が開放状
態の凹型成形型が用いられる。成形型には、パルプモー
ルドの成形型の様に小孔を有する金型の表面に15〜2
00メッシュの金網を張りつけた型が通常用いられる。
成形型の小孔としては、通常直径1〜10mmの範囲の
円形のものが用いられる。
【0009】スラリー組成物の主原料には、環境に優し
い天然有機高分子からなる繊維・粗粉・微粒子が通常用
いられるが、他に、合成有機高分子、半合成有機高分
子、無機物質及び有機無機複合材料からなる繊維・粗粉
・微粒子等を主原料にする場合にも本発明の効果が期待
できる。これらの原料は単独使用或いは併用される。中
でも、主原料として好ましいものは、性能の良い成形体
が得られる繊維であり、中でも天然有機高分子繊維は環
境面でも優れているので取り分け好ましい。
【0010】天然有機高分子繊維としては、例えば、
(1)針葉樹、広葉樹をクラフトパルプ化、サルファイ
トパルプ化、アルカリパルプ化等して得られる未晒又は
晒化学パルプ、或いはGP、TMP(サーモメカニカル
パルプ)等の機械パルプ、或いはコットンパルプ、リン
ターパルプ、撥水化、耐水化、硬化の何れかの処理の少
なくとも一つを施したパルプ、同処理を施した古紙パル
プ(特願平10−032920号明細書)、液体アンモ
ニア処理パルプ、マーセル化パルプ、カールドファイバ
ー(米国ウェアハウザー社製、商品名:HBA−FF、
NHB405、NHB416)、特願平10−3779
23号明細書に記載の麻繊維等のセルロース系繊維、
(2)ウールや絹糸やコラーゲン繊維等の蛋白系繊維、
(3)キチン・キトサン繊維やアルギン酸繊維等の複合
糖鎖系繊維等が挙げられる。中でも、セルロース系繊維
は性能的に優れている上に調達が容易であり特に好まし
い。
【0011】スラリー組成物には、成形体の要求特性に
合わせて適宜素材が選択され配合される。成形体の層間
強度を高めたい場合には、パルプ等の天然繊維をサンド
グラインダー等でフィブリル化処理して得られる数平均
繊維長が0.01〜0.80mmの範囲の天然系微細繊
維、或いはポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポ
リエチレン−ポリプロピレン鞘芯繊維、生分解性の脂肪
族ポリエステル繊維等の熱可塑性を有する合成繊維の配
合が有効である。該合成繊維としては、スラリー調製の
際に分散が容易な数平均繊維長が2〜20mmの範囲の
短繊維が特に好ましい。該天然系微細繊維、熱可塑性合
成繊維は単独使用或いは複数種併用され、通常組成物に
対して乾燥重量で2〜40%の範囲で配合される。
【0012】また、特願2000−105555号に記
載の短冊状古紙は性能的に優れており、上記の如きセル
ロース系繊維と併用する素材として好ましいものであ
る。通常組成物に対して乾燥重量で5〜80%の範囲で
配合される。
【0013】スラリー組成物には、必要に応じて他に適
宜、接着剤、耐水化剤、撥水剤、染料、顔料、濾水性向
上剤、PH調整剤、スライムコントロール剤、増粘剤、
防腐剤、防黴剤、抗菌剤、難燃剤、殺鼠剤、防虫剤、保
湿剤、鮮度保持剤、脱酸素剤、発泡剤、界面活性剤、電
磁シールド材、帯電防止剤、防錆剤、芳香剤、消臭剤、
発泡樹脂粉砕物、発泡性や芳香性等の各種マイクロカプ
セル等を選択し配合することができる。これらは複数種
併用することも出来る。
【0014】本発明のスラリー組成物としては、緩衝性
の優れた厚い堆積層の成形体が効率良く造れるカナダ標
準フリーネス550ml以上の濾過性の良好なものが好
ましい。因みに、カナダ標準フリーネスは、JIS−P
−8121に規定されている通常はパルプの濾水性を示
す値であるが、本発明では同測定法でスラリー組成物の
濾水性を判定した。
【0015】スラリーは、通常攪拌機を有する装置でバ
ッチ式或いは連続的に調製される。スラリー形成に用い
られる媒体としては通常水が使用されるが、他に水とア
ルコール(メタノールあるいはエタノール等)の混和液
を使用することができる。スラリーの濃度は、通常乾燥
固形分量が0.05〜10重量%の範囲に調製される
が、分散状態の点で0.05〜3重量%の範囲のものが
好ましい。
【0016】凹型成形型へのスラリーの注入は公知の方
法によって行われる。スラリーの媒体を小孔から除去す
る方法としては、例えば、吸引脱水法、ガス加圧脱水
法、機械加圧脱水法、電機浸透脱水法等があり、これら
を組み合わせることもできる。注入に用いられるスラリ
ーの種類は、通常は一種類であるが、スラリーの注入を
二段階以上に分け、その際に用いるスラリーの組成を変
えることによって、異なる組成の堆積層が順次積層した
状態の成形物を得ることもできる。
【0017】脱水して成形型内に形成された湿潤状態の
成形物は、その後型内で或いは型外に取り出して乾燥処
理が施されるが、寸法精度の良い成形物が得られる型内
乾燥がより好ましい。また、型内乾燥中、或いは乾燥処
理前の成形物に圧縮処理を施すと荷重による変形のより
少ないものが得られるのでより好ましい。乾燥方法とし
ては、例えば熱風乾燥、赤外線乾燥、マイクロウェーブ
乾燥等の公知の方法をとることができる。中でも、加熱
エアーを湿潤状態の成形物に注入する、或いは成形物の
反対側から加熱エアーを入れながら吸引する等して成形
物内部に加熱エアーを強制的に通す熱風通気乾燥は、乾
燥速度が速く効率的である。
【0018】本発明に用いられる成形体の形状は特に限
定されるものではなく、ブロック状、ボード状のものを
挙げることが出来る。その厚さは特に限定されるもので
はないが、通常数mm〜数十cmの範囲のものが用いら
れる。発泡樹脂を充填する凹みとしては、溝、穴が挙げ
られ、該溝、穴は成形体の少なくとも変形を抑制する必
要のある箇所に設けられる。溝、穴は通常非貫通状態で
設けられるが、貫通状態でもかまわない。溝、穴の形
状、幅、深さは特に限定されるものではないが、溝とし
ては通常幅が0.2cm〜5cmの範囲のものが用いら
れる。また、穴としては通常断面積が0.4cm〜2
0cmの範囲のものが用いられる。非貫通状態の溝或
いは穴の場合、通常深さは成形体の厚みの1/3以上で
あることが本発明の効果の点で望ましい。溝、穴をボー
ドに設ける場合、通常一定パターンで設けられるが、本
発明はこれに限定されるものではない。成形体に溝、穴
を設ける方法としては、該形状を有する成形型を用いて
成形と同時に設ける方法以外に、乾燥前或いは乾燥後の
成形体にドリル、グラインダー、チップソー、ウォータ
ージェット等で後加工して設ける方法を取ることができ
る。
【0019】本発明では、成形体に設けた溝や穴等の凹
みに、発泡樹脂を充填して荷重に対して変形の少ない成
形体に改質するが、その方法としては液状の発泡樹脂原
液を溝、穴に注入し固める方法以外に、溝、穴の形状に
予め作成しておいた発泡樹脂成形物を該溝、穴に嵌め込
む方法を採ることも出来る。しかし、作業性及び性能の
点で発泡樹脂原液の注入方法が好ましい。本発明に用い
られる発泡樹脂としては、発泡ポリスチレン、発泡ポリ
エチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリウレタン、生
分解性を有する発泡脂肪属ポリエステル等、当業界公知
のものを挙げることが出来る。中でも、ポリウレタン発
泡原液を注入する方法は極めて簡単な装置で効率よく行
うことが出来るので特に好ましい。取り分けポリウレタ
ン発泡原液として硬質ポリウレタン発泡原液を用いた場
合に性能面で特に優れており好ましい。発泡樹脂の密度
は特に限定されるものではないが、軽量化のためには
0.8g/cm以下が好ましく、0.3g/cm
下が特に好ましい。かくして得られた成形体には、表面
強度アップ等のために噴霧、含浸、塗工等の手段で、澱
粉、PVA、CMC、酢酸ビニール樹脂系エマルジョ
ン、アクリル酸エステル樹脂系エマルジョン、エチレン
−酢酸ビニール共重合エマルジョン、スチレン−ブタジ
エン共重合エマルジョン等の接着剤、或いはパルプ等の
天然繊維をサンドグラインダー等で微細化、フィブリル
化処理して得られる上記の天然系微細繊維等で、表面か
ら処理することができる。また、他に必要に応じて、耐
水化剤、撥水剤、染料、顔料、防腐剤、防黴剤、抗菌
剤、難燃剤、殺鼠剤、防虫剤、鮮度保持剤、脱酸素剤、
電磁シールド剤、帯電防止剤、防錆剤、芳香剤、消臭剤
等を同様の手段によって含有させることができる。表面
強度アップの手段としては、他にフィルム、紙等のシー
トを該成形体の表面に貼り合せることも有効である。
【0020】以下、本発明の実施態様を図面に基づいて
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、ここではパルプスラリーを用いて説明するが、本
発明の原料はこれに限定されるものではない。図1は湿
式成形に用いられる成形型10の斜視図であり、この成
形型10のA−A面での断面図が図2である。使用され
る成形型10は、図1に示すように、二重壁を有する上
部開放系の凹形状のもので、内壁に多数の脱水用小孔1
1を有し、凸部をもつ底面12を有する。また、内外二
重の壁で吸引室13が形成され、外壁底部には吸引口1
4が取付けられている。図3〜図8は、上記成形型10
を使ってなされた本発明の実施態様を断面図で示したも
のである。本発明では、先ず図3に示すように該成形型
10の上に、スラリー溜め用の囲い15がセットされた
後に、成形型10とスラリー溜め用囲い枠15によって
形成されるキャビティー内に、上部のガイド16より濾
水性良好なパルプスラリー17が供給される。次に、図
4に示すように成形型10の下部にある吸引口14から
吸引脱水することにより、成形型内にパルプ堆積物19
が形成される。その際、パルプは図に示すように成形型
の開放面からはみ出して盛り上がるように堆積させられ
る。18は吸引によって滲みだした水滴を示す。
【0021】次に、図5に示すように成形型の開放面か
らはみ出して堆積させた不要部分をチップソー(円盤状
の刃)20で切除する。続いて、図6に示すようにチッ
プソー20による切除で表面が平滑になった湿潤成形物
の該平滑面に、底面が平らで該底面に熱風注入用の多数
の小孔22を有するプレス機上型21を密着させた後
に、上型21の熱風注入口23から熱風を送り込んで乾
燥する。その際、プレス機上型21を使って湿潤成形物
を加圧圧縮して乾燥すると荷重による変形改善の効果が
より顕著なものが得られる。24は乾燥中の成形物であ
る。
【0022】次に、かくして得られた乾燥成形物25
に、図7に示すようにドリル26を用いて円柱状の穴2
7を開け、続いて、図8に示すように該穴27にノズル
28を使ってポリウレタン発泡原液が注入される。図9
は、かくして得られた低密度複合成形体29を示す断面
図である。
【0023】成形体へ溝又は孔を開ける方法としては、
上記のように成形体に切削装置を用いて後加工する方法
以外に、図10の斜視図に示されるような突起31(或
いは板状の構造物)を取り付けた成形型30を用いるこ
とによって、成形と同時に設ける方法をとることができ
る。
【0024】次の図は、本発明の更に別の実施態様を示
すもので、図11はストライプ状の溝33を設けた低密
度ボード32、図12はクロス状の溝35を設けた低密
度ボード34、図13は一定間隔に穴37を設けた低密
度ボード36を示す斜視図である。これらのボードに硬
質ポリウレタン発泡原液を注入して得られた複合ボード
が図14、図15、図16に示されている。以下に実施
例を挙げてより具体的に説明するが、勿論本発明はこれ
らに限定されるものではない。尚、実施例及び比較例に
おいて「部」及び「%」とあるのは特に断らない限り
「重量部」及び「重量%」を示す。
【0025】<実施例1>ジュート麻袋を断裁機で20
cm角に切断した後に、粉砕機(ホーライ製、V−36
0)で粉砕し、続いてグラインダーミル(グローエンジ
ニアリング製、GM4−25)で繊維を柔軟にするため
の処理を施して数平均繊維長8mmの麻繊維を得た。こ
の繊維のカナダ標準フリーネスを測定したところ743
mlであった。また、固形分濃度1%の新聞古紙パルプ
の水スラリーを、平均粒径2mmΦのガラスビーズを8
0%充填した1.5リットル用のサンドグラインダー
(シンマル・エンタープライゼス製、ダイノミルKDL
−PILOT)に350ml/分で導入、通過させるこ
とにより数平均繊維長0.28mmのパルプ系微細繊維
を得た。以上のようにして得られた麻繊維85部(乾燥
重量)とパルプ系微細繊維5部(乾燥重量)に、更に共
重合ポリエステル−ポリエチレンテレフタレート鞘芯繊
維(帝人製、TSF.TJ04CN2.2×5)10部
(乾燥重量)を混合したものに水を加えて固形分濃度を
1.5%に調整し、十分攪拌してスラリーを得た。尚、
このスラリー組成物のカナダ標準フリーネスを測定した
ところ643mlであった。次に、内壁全面に開孔率が
10%になるように直径2mmの円形の小孔を設け、更
に該内壁全面に40メッシュの金網を張りつけた、一辺
が250mmの正方形で50mmの深さのキャビテーを
有し、底面が凹凸部を有する図1の符号10で示すよう
な凹型成形型を用意した。次に、図3のように該成形型
の上にスラリー溜め用囲い枠15を取り付け、成形型1
0とスラリー溜め用の囲い15によって形成されたキャ
ビティー内に、ガイド16より上記スラリーを供給し
た。続いて、図4のように下部の吸引口14から吸引脱
水して、成形型の開放面上に、繊維が盛り上がるように
堆積させた。次に、図5のようにチップソー20を水平
に移動させて堆積物の不要部分を切除して平滑面を形成
し、続いて図6に示すように底面が平らで該底面に多数
の小孔22を有するプレス機上型21を、該平滑面に密
着させた後に、上型の熱風注入口23から熱風を送り込
んで乾燥して成形体を得た。次に、得られた乾燥成形物
に、図7に示すようにドリルを用いて直径8mmの円形
の非貫通孔を複数個開け、続いて、図8に示すように該
孔に硬質ポリイソシアヌレートフォーム原液を注入し発
泡させて該孔を埋め複合成形体を得た。得られた複合成
形体で重量物を梱包し評価した結果、優れた緩衝特性を
有し、荷重に対して極めて変形し難いものであることが
分かった。
【0026】
【発明の効果】上記のように、本発明は、微細成分の集
合体として形成された肉厚の通気性低密度成形体に溝或
いは孔を設け、該溝或いは孔に発泡樹脂を充填して補強
するもので、これによって荷重に対して変形の少ないも
のが効率的に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】湿式成形に用いられる成形型の斜視図である。
【図2】図1の成形型のA−A面での断面図である。
【図3】成形型の上にスラリー溜め用囲い枠をセットし
た後、ガイドよりスラリーを供給して上部まで満たした
状態を示す断面図である。
【図4】図3の状態からスラリーを吸引脱水して、成形
型にパルプを堆積させた状態を示す断面図である。
【図5】成形型の開放面上に堆積した不要部分を、チッ
プソーで切除している状態を示す断面図である。
【図6】成形型内にある湿潤状態のパルプ成形物に、熱
風を注入して乾燥している状態を示す断面図である。
【図7】乾燥成形物に、ドリルを用いて円柱状の穴を開
けている状態を示す断面図である。
【図8】ドリルを用いて開けた穴に、ノズルを使って硬
質ポリウレタン発泡原液を注入している状態を示す断面
図である。
【図9】硬質ポリウレタン発泡原液を注入し硬化させて
得られた複合成形体の断面図である。
【図10】穴形成用の突起を取り付けた成形型を示す斜
視図である。
【図11】ストライプ状の溝を設けた低密度ボードの斜
視図である。
【図12】クロス状の溝を設けた低密度ボードの斜視図
である。
【図13】一定間隔に穴を設けた低密度ボードの斜視図
である。
【図14】ストライプ状の溝に発泡樹脂を充填した低密
度複合ボードの斜視図である。
【図15】クロス状の溝に発泡樹脂を充填した低密度複
合ボードの斜視図である。
【図16】一定間隔の穴に発泡樹脂を充填した低密度複
合ボードの斜視図である。
【符号の説明】
10:凹型成形型、11:小孔、12:成形型底面、1
3:吸引室、14:吸引口、15:スラリー溜め用囲い
枠、16:ガイド、17:パルプスラリー、18:水
滴、19:湿潤状態のパルプ堆積物、20:チップソ
ー、21:プレス機上型、22:小孔、23:熱風注入
口、24:乾燥処理中の成形物、25:乾燥成形物、2
6:ドリル、27:円柱状の穴、28:硬質ポリウレタ
ン発泡原液注入用ノズル、29:複合成形体、30:突
起を取り付けた成形型、31:突起、32:ストライプ
状の溝を設けた低密度ボード、33:ストライプ状に設
けた溝、34:クロス状の溝を設けた低密度ボード、3
5:クロス状に設けた溝、36:一定間隔に穴を設けた
低密度ボード、37:一定間隔に設けられた穴、38:
発泡樹脂をストライプ状の溝に充填したボード、39:
充填した発泡樹脂、40:発泡樹脂をクロス状の溝に充
填したボード、41:充填した発泡樹脂、42:発泡樹
脂を一定間隔の穴に充填したボード、43:充填した発
泡樹脂。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微細成分を堆積させて得られた凹みを有
    する肉厚の低密度成形体の該凹みに、発泡樹脂を充填す
    ることを特徴とする低密度複合成形体及びその製造方
    法。
  2. 【請求項2】 該低密度成形体が、壁面に多数の小孔を
    有する成形型内にスラリーを供給し、スラリーの媒体で
    ある水を該小孔から除去することによってスラリー中の
    小孔不通過微細成分を成形型内に堆積させ、その後に乾
    燥して得られたものである請求項1に記載の低密度複合
    成形体及びその製造方法。
  3. 【請求項3】 該低密度成形体の製造に用いられるスラ
    リーの組成物が550ml以上のカナダ標準フリーネス
    (CSF)を有する請求項2に記載の低密度複合成形体
    及びその製造方法。
  4. 【請求項4】 発泡樹脂の充填が、発泡樹脂原液の注入
    によって行われる請求項1乃至3に記載の低密度複合成
    形体及びその製造方法。
  5. 【請求項5】 発泡樹脂原液が硬質ポリウレタン発泡原
    液である請求項4に記載の低密度複合成形体及びその製
    造方法。
  6. 【請求項6】 該低密度成形体の微細成分の主原料がセ
    ルロース系繊維である請求項1乃至5に記載の低密度複
    合成形体及びその製造方法。
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