JP2002321273A - ブロー成形容器用前成形体並びにその圧縮成形方法及び装置 - Google Patents

ブロー成形容器用前成形体並びにその圧縮成形方法及び装置

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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 局部的に低強度の部分を前成形体(2)に生
成せしめることなく、圧縮成形時の合成樹脂素材(6
4、164、264)の充填量の変動にかかわらず、口
頸部(4)の主要形状及び寸法を一定にせしめ、またブ
ロー成形部(6)の主要形状及び寸法も一定にせしめた
ブロー成形容器用前成形体、並びにその圧縮成形方法及
び装置を提供する。 【解決手段】 成形空洞の容積より大きい容積の合成樹
脂素材を成形型(18、118、218)に供給し、合
成樹脂素材の過剰量に対応する付加部(66、166、
266)を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環状口頸部とこの
口頸部から垂下する有底筒状ブロー成形部とから構成さ
れ、ブロー成形部をブロー成形して容器とする合成樹脂
製前成形体並びにその圧縮成形方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】飲料等のための容器として、ポリエチレ
ンテレフタレートの如き適宜の合成樹脂から形成された
合成樹脂製容器が広く実用に供されている。かような合
成樹脂製容器は、一般に、環状口頸部とこの口頸部から
垂下する有底筒状ブロー成形部とから成る前成形体を射
出成形し、次いでかかる前成形体のブロー成形部をブロ
ー成形或いは延伸ブロー成形することによって製造され
る。前成形体の口頸部は容器の口頸部を規定し、その外
周面には通常サポートリングが形成されている。容器内
に内容物を充填した後に口頸部に蓋を装着して容器を密
封する際には、このサポートリングの下面を支持するこ
とによって容器が保持される。
【0003】而して、合成樹脂製容器の従来の製造様式
には、前成形体の射出成形における成形効率に限度があ
り、高成形効率で前成形体を成形することができない、
という問題がある。高成形効率で前成形体を成形するた
めには、射出成形に代えて圧縮成形を採用することが意
図される。しかしながら、前成形体を圧縮成形する場合
には、次のとおりの解決すべき問題がある。即ち、圧縮
成形の場合には、成形型を閉じて成形型空洞を規定する
前に、成形型に合成樹脂素材を充填することが必要であ
る。かかる合成樹脂素材の充填は、例えば押出機から軟
化或いは溶融状態の合成樹脂素材を押し出し、かかる合
成樹脂素材を押出機の押出口から切り離すことによって
遂行されるが、押出機による押出量の変動等に起因して
合成樹脂素材の充填量を充分精密に制御することは著し
く困難であり、通常の場合、合成樹脂素材の充填量には
0.5乃至1.0%程度の誤差が存在する。かかる合成
樹脂素材量の誤差は、成形型を構成している第一の成形
型手段と第二の成形型手段とを相互に接近する方向に移
動せしめて閉状態にせしめ、両者間にて合成樹脂素材を
圧縮成形した時の、第一の成形型手段と第二の成形型手
段との相互間隔を変動せしめる。それ故に、通常、圧縮
成形された前成形体全体の厚さ、外径等の寸法に若干の
変動を生成せしめる。特に、口頸部の高さ、内外径等の
主要寸法に若干の変動が生成されると、(イ)口頸部に
蓋を装着した時に蓋に配設されているシール手段が密接
せしめられる部位の寸法変動に起因して、所要とおりの
密封特性が達成されない、(ロ)サポートリングの下面
から口頸部の先端までの高さの変動に起因して、口頸部
に蓋を装着する蓋自動装着操作に種々の障害が発生す
る、等の許容し得ない問題が発生する虞が少なくない。
【0004】特開平10−337769号公報には、前
成形体を圧縮成形する際の上述したとおりの問題を解決
するために、前成形体の形態をそのサポートリングの下
面の内周縁部に環状溝が形成された形態にせしめ、合成
樹脂素材の充填量の変動に応じてブロー成形部の肉厚と
共に上記環状溝の深さが変化せしめられるようになすこ
とによって、合成樹脂素材の充填量の変動にかかわら
ず、口頸部の形状及び寸法を一定にせしめる圧縮成形様
式が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然るに、特開平10−
337769号公報に開示されている上述したとおりの
圧縮成形様式も未だ充分に満足し得るものではなく、次
のとおりの問題を有する。即ち、サポートリングに環状
溝が形成される故に、特に環状溝の深さが比較的深い場
合、サポートリング乃至その近傍の強度が過小になり、
ブロー成形に先立って前成形体を延伸する際或いは前成
形体のブロー成形部をブローする際に前成形体が変形乃
至破損されてしまう虞がある。また、ブロー成形部の肉
厚の変動に起因して、最終製品である容器の主部の肉厚
が若干ではあるが変動する。
【0006】本発明は上記事実に鑑みてなされたもので
あり、その主たる技術的課題は、局部的に低強度の部分
を前成形体に生成せしめることなく、合成樹脂素材の充
填量の変動にかかわらず、前成形体の口頸部の主要形状
及び寸法を一定にせしめることができ、そして更に前成
形体のブロー成形部の主要形状及び寸法も一定にせしめ
ることができる、前成形体並びにこれを圧縮成形するた
めの方法及び装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
の結果、成形空洞の容積より大きい容積の合成樹脂素材
を軟化或いは溶融状態で成形型に供給し、合成樹脂素材
の過剰量を成形空洞から流出せしめて前成形体に付加部
を形成することによって、上記主たる技術的課題を達成
することができることを見出した。
【0008】即ち、本発明の一局面によれば、上述した
主たる技術的課題を達成するブロー成形容器用前成形体
として、圧縮成形時に軟化或いは溶融状態で供給される
合成樹脂素材の過剰量に対応する付加部が形成されたブ
ロー成形容器用前成形体が提供される。
【0009】該付加部はブロー成形部下面から下方に突
出する棒状部、或いはサポートリングの外周面でよい。
【0010】本発明の他の局面によれば、上記主たる技
術的課題を達成する圧縮成形方法として、環状口頸部と
該口頸部から垂下する有底筒状ブロー成形部とから構成
され、該ブロー成形部をブロー成形して容器とするブロ
ー成形容器用前成形体を、相対的に移動せしめられる少
なくとも2個の成形型手段を含み、成形型空洞を規定す
る閉状態と該成形空洞を開放する開状態とに設定される
成形型を使用して圧縮成形する方法において、該成形空
洞の容積より大きい容積の合成樹脂素材を軟化溶融状態
で該成形型に供給し、該合成樹脂素材の過剰量を該成形
空洞から流出せしめて、該前成形体に付加部を形成す
る、を特徴とする方法が提供される。
【0011】好ましくは、該成形空洞の一部を、所定圧
力以上の圧力で移動せしめられる退避部材によって規定
し、圧縮せしめられる該合成樹脂素材から加えられる圧
力によって該退避部材を移動せしめることによって該付
加部を形成する。該成形型手段が該閉状態に設定される
直前まで、圧縮せしめられる該合成樹脂素材から該退避
部材に該所定圧力以上の圧力が加えられても該退避部材
を移動不能に保持し、該合成樹脂素材の圧縮成形最終段
階で該付加部を形成するのが好適である。該付加部は該
ブロー成形部の底面から外方に突出する棒状形態でよ
く、該成形型から該前成形体を取り出した後に該付加部
を切除することができる。或いは、該前成形体は該口頸
部の外周面から半径方向外方に張り出すサポートリング
を有し、該付加部は該サポートリングの下面から下方に
突出する筒状形態でよく、該成形型から該前成形体を取
り出した後に該付加部を切除することができる。該前成
形体は該口頸部の外周面から半径方向外方に張り出すサ
ポートリングを有し、該付加部は該サポートリングの外
周面から突出して該サポートリングの外周面を円形から
略楕円形状に変形せしめる形態でもよく、この場合必要
に応じて該成形型から該前成形体を取り出した後に該付
加部を切除することができる。
【0012】本発明の更に他の局面によれば、上記主た
る技術的課題を達成することができる圧縮成形装置とし
て、環状口頸部と該口頸部から垂下する有底筒状ブロー
成形部とから構成され、該ブロー成形部をブロー成形し
て容器とするブロー成形容器用前成形体を圧縮成形する
ための、相対的に移動せしめられる少なくとも2個の成
形型手段を含み、成形型空洞を規定する閉状態と該成形
空洞を開放する開状態とに設定される成形型を具備する
装置において、該2個の成形型手段の一方は、該成形空
洞の一部を規定する初期位置から外方に移動自在に配設
された退避部材を含み、圧縮成形圧力よりも小さい弾性
偏倚圧力で該退避部材を該初期位置に弾性的に維持する
弾性手段が配設されている、ことを特徴とする装置が提
供される。
【0013】該成形型が該閉状態に設定される直前ま
で、該退避部材を該初期位置に移動不能に保持する保持
手段が配設されているのが好適である。好適実施形態に
おいては、該退避部材は該初期位置においては該前成形
体の該ブロー成形部における外底面の一部を規定し、下
方に移動自在である。或いは、該前成形体は該口頸部の
外周面から半径方向外方に張り出すサポートリングを有
し、該退避部材は該初期位置においては該サポートリン
グの底面における環状領域を規定し、下方に移動自在で
ある。他の好適実施形態においては、該前成形体は該口
頸部の外周面から半径方向外方に張り出すサポートリン
グを有し、該退避部材は該初期位置においては該サポー
トリングの外周面の一部を規定する一対の割型部片から
構成されており、該一対の割型部片は該初期位置から半
径方向外方に移動自在である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に従って構成された
ブロー成形容器用前成形体並びにその圧縮成形方法及び
装置の好適実施形態について、添付図面を参照して更に
詳細に説明する。
【0015】図1には、本発明の圧縮成形方法及び装置
の好適実施形態によって成形される前成形体の典型例が
図示されている。ポリエチレンテレフタレートの如き適
宜の合成樹脂から圧縮成形されている、全体を番号2で
示す前成形体は、環状口頸部4とこの口頸部4から垂下
する有底筒状ブロー成形部6とから構成されている。口
頸部4は全体として略円筒形状であり、その外周面上部
には雄螺条8が形成されている。口頸部4の下部には半
径方向外方に突出せしめられた環状サポートリング12
が形成されている。口頸部4に続くブロー成形部6は、
下方に向かって延びる略円筒形状の胴部14と半球状の
底部16とを含んでいる。図1に二点鎖線で示す如く、
ブロー成形部6にはブロー成形が加えられ或いは延伸成
形が加えられた後にブロー成形が加えられ、かくして所
要形状の容器が形成される。
【0016】図2は前成形体を圧縮成形するための圧縮
成形装置を図示している。図示の圧縮成形装置は全体を
番号18で示す成形型を含んでおり、この成形型18は
第一の成形型手段20と第二の成形型手段22とから構
成されている。
【0017】第一の成形型手段20は昇降動せしめられ
る可動基板(図示していない)に装着されている。図示
の実施形態における第一の成形型手段20は、型部材2
4と一対の割型部材26a及び26bとから構成されて
いる。型部材24は上記可動基板に固定されており、比
較的大径の円柱形状の上部28、逆円錐形状の中間部3
0、及び中間部30から下方に垂下する垂下部32を有
する。垂下部32の主部は比較的小径の略円柱形状であ
り、その下端部は半球形状である。後の説明から明確に
理解される如く、型部材24の垂下部32は前成形体2
の内面、即ち口頸部4の内周面と共にブロー成形部6の
内周面及び内底面を規定し、型部材24の中間部30の
下面(即ち中間部30と垂下部32との境界に形成され
ている環状肩面)は口頸部4の上端面を規定する。一
方、一対の割型部材26a及び26bの各々は、半径方
向に移動自在に上記可動基板に装着されている。一対の
割型部材26a及び26bには移動手段(図示していな
い)が付設されており、一対の割型部材26a及び26
bは図2に図示する閉位置とかかる閉位置から半径方向
外方に移動せしめられた開位置との間を移動せしめられ
る。従って、一対の割型部材26a及び26bは可動基
板の昇降動に付随して昇降動せしめられると共に、半径
方向に開閉動せしめられる。図2に図示する閉位置にお
いては、一対の割型部材26a及び26bは協働して略
円筒形状をなす。後の説明から明確に理解される如く、
一対の割型部材26a及び26bは、口頸部4の外周面
と共にサポートリング12の下面における内周縁部を除
く部分を規定する。
【0018】第二の成形型手段22は比較的大径の略円
柱形状である型部材34から構成されており、その上面
中央部には上方に突出する薄肉円筒形状の突出部36が
形成されている。かかる突出部36の内側には下方に延
びる盲穴38が形成されている。後の説明から明らかに
なる如く、突出部36の上端面は、口頸部4のサポート
リング12の下面における内周縁部を規定し、盲穴38
はブロー成形部6の外周面と共に外底面の周縁領域を規
定する(ブロー成形部6の外底面の中央領域は後述する
退避部材によって規定されている)。図示の実施形態に
おいては、支持脚40に支持された静止基板42が配設
されており、型部材34は円筒部材44を介して静止基
板42上に固定されている。
【0019】本発明に従って構成された図示の圧縮成形
装置においては、上記第二の成形型手段22を構成する
型部材34には、盲穴38の底面中央部から型部材34
の下面まで延びる貫通孔46が形成されている。そし
て、この貫通孔46には退避部材48が組み合わされて
いる。退避部材48は貫通孔46内に挿入せしめられて
いる棒状主部50と、この棒状主部50の下端に形成さ
れている中間フランジ部52と、中間フランジ部52か
ら下方に垂下する柱部54と、柱部54の下端に形成さ
れたフランジ部56とを有する。貫通孔46とこれに挿
入される退避部材48の棒状主部50の断面形状は円形
でよく、中間フランジ52は環状でよい。また、柱部5
4は円柱形状でよく、フランジ部56は環状でよい。退
避部材48の柱部54は静止基板42に形成されている
貫通孔に摺動自在に挿通せしめられている。退避部材4
8の中間フランジ部52と静止基板42との間には、柱
部54を囲繞する圧縮コイルばねでよい弾性手段58が
介在せしめられている。この弾性手段58は退避部材4
8を図2に図示する初期位置に弾性的に維持する。図2
に図示する初期位置においては、退避部材48の中間フ
ランジ部52の上面が型部材34の底面に当接せしめら
れ、これによって退避部材48が更に上方に移動するこ
とが阻止される。退避部材48の棒状主部50は貫通孔
46内を延び、その上端面は盲穴38の底面と協働して
ブロー成形部6の外底面を規定する。静止基板42の下
方には保持手段60が配設されている。この保持手段6
0は、上方に突出せしめられるピストン62を有する空
気圧シリンダ機構から構成することができる。保持手段
60が作動せしめられている際には、ピストン62が上
方に突出せしめられ、図2に示す如くピストン62の先
端が退避部材48のフランジ部56に当接せしめられ、
充分に大きな圧力で退避部材48を初期位置に移動不能
に保持する。後に更に言及する如く、保持部材60が非
作動状態にせしめられると、ピストン62が収縮して退
避部材48から下方に離隔せしめられ、従って退避部材
48は弾性手段58の弾性偏倚作用に抗して下方に退避
され得る。
【0020】上述したとおりの圧縮成形装置を使用した
前成形体2の圧縮成形方法について説明すると、圧縮成
形を開始する際には、可動基板を上昇せしめて第一の成
形型手段20を第二の成形型手段22から充分に上方に
離隔せしめられている(例えば図2に図示する位置より
も更に上方に離隔せしめられている)。そして、第二の
成形型手段22の盲穴38内に軟化或いは溶融状態の合
成樹脂素材64が充填される。ポリエチレンテレフタレ
ート等の合成樹脂素材64は、押出機(図示していな
い)の押出口から押し出し、押出口から切り離すことに
よって好都合に充填することができる。当業者には周知
の如く、合成樹脂素材64の充填量を充分精密に制御す
ることは不可能ではないにしても著しく困難であり、通
常0.5乃至1.0%程度の誤差が生じる。本発明に従
う圧縮成形方法においては、可動基板を所定位置まで下
降せしめて第二の成形型手段22に対して第一の成形型
手段20を最終下降位置(即ち図3に図示する位置)ま
で下降せしめて成形型18を閉状態にせしめた時に形成
される成形空洞の容積V1より大きい容積V2(V2>
V1)の合成樹脂素材64を軟化或いは溶融状態で充填
する。換言すれば、合成樹脂素材64の充填量に最大誤
差が発生しても、充填された合成樹脂素材の容積が成形
空洞の容積よりも小さくなることを回避する。
【0021】次いで、可動基板が下降せしめられて、第
二の成形型手段22に対して第一の成形型手段20を下
降せしめられ、第一の成形型手段20の下降に応じて合
成樹脂素材64が漸次圧縮される。この際には、保持手
段60は作動状態にせしめられ、従ってピストン62が
突出せしめられていて、退避部材48は図2に図示する
初期位置に移動不能に保持されている。第一の成形型手
段20が図3に図示する最終下降位置まで下降せしめら
れる直前まで、例えば図3に図示する最終下降位置より
も数mmだけ上方の位置になるまで、保持手段60は作
動状態に設定される。保持手段60による退避部材48
の保持圧力は可動基板の下降による圧縮圧力よりも幾分
大きく設定されており、従って第一の成形型手段20が
図3に図示する最終下降位置まで下降せしめられる直前
までは、退避部材48は初期位置に保持される。例え
ば、合成樹脂素材64に加えられる圧縮圧力が100k
g/cmである場合、保持手段60の保持圧力は12
0kg/cm程度でよい。そして、第一の成形型手段
20が図3に図示する最終下降位置の直前まで下降せし
められると、保持手段60が非作用状態に変更され、ピ
ストン62が収縮されて退避部材48から下方に離隔さ
れて、保持手段60による退避部材48の保持が解除さ
れる。しかる後においては、弾性手段58による退避部
材48の弾性偏倚圧力は合成樹脂素材64に加えられる
圧縮圧力よりも小さく設定されているので、第一の成形
型手段20の下降に応じて、合成樹脂素材64の過剰部
が成形空洞から貫通孔46内に流出せしめられ、これに
よって退避部材48が弾性手段58の弾性偏倚作用に抗
して下降即ち退避せしめられる。合成樹脂素材64に加
えられる圧縮圧力が100kg/cmである場合、弾
性手段58の弾性偏倚圧力は80kg/cm程度でよ
い。充填された合成樹脂素材64の過剰部に応じて退避
部材48が退避され、合成樹脂素材64の過剰部が成形
空洞から貫通孔46内に流出する故に、圧縮成形された
際の前成形体2には、図1に二点鎖線で示す如く、ブロ
ー成形部6の下面から下方に突出する棒状の付加部66
が形成されている。第一の成形型手段20が図3に図示
する最終下降位置まで下降せしめられると、第一の成形
型手段20の一対の割型部材26a及び26bの下面が
第二の成形型手段22の型部材34の上面(突出部36
の周囲に存在する環状上面)に当接せしめられる。
【0022】保持手段60の配設を省略し、従って退避
部材48を初期位置に移動不能に保持することなく合成
樹脂素材64を圧縮する場合にも、最終的には図3に図
示する如くブロー成形部6の下面から下方に突出する棒
状部即ち付加部66を有する前成形体2を成形すること
ができる。しかしながら、本発明者等の経験によれば、
保持手段60の配設を省略した場合には、合成樹脂素材
64の圧縮中に退避部材48が過剰に退避せしめられ、
従って過剰部を越える量の合成樹脂素材64が一旦貫通
孔46内に流出し、圧縮成形の最終段階において貫通孔
46から成形空洞内に逆流せしめられる傾向があり、そ
してかかる逆流に起因して成形された前成形体2に望ま
しくない不均一部位(後のブロー成形の際における亀裂
発生原因となり得る)が生成される虞があることが判明
している。
【0023】上述したとおりにして圧縮成形された前成
形体2が充分に冷却されると、可動基板を上昇せしめ
て、第一の成形型手段20と共に圧縮成形された前成形
体2を上昇せしめて第二の成形型手段22から離脱せし
める。次いで、型部材24と割型部材26とを相対的に
移動して前成形体2を垂下部32から離脱する。その
後、第一の成形型手段20における一対の割型部材26
a及び26bを半径方向外方に移動せしめ、かくして成
形型18から前成形体2を取り出す。しかる後に、前成
形体2に形成されている付加部66を、例えば切断刃に
よって切断することによって切除し、所要形状の前成形
体2にせしめる。かようにして得られる前成形体2は、
成形型18に充填される合成樹脂素材64の充填量にお
ける誤差にもかかわらず、所要形状及び寸法を有する。
【0024】図4及び図5は前成形体2を圧縮成形する
ために使用される圧縮成形装置の他の実施形態を図示し
ている。図4及び図5に図示する圧縮成形装置も全体を
番号118で示す成形型を含んでおり、この成形型11
8は第一の成形型手段120と第二の成形型手段122
とから構成されている。第一の成形型手段120は図2
及び図3に図示する成形型18における第一の成形型手
段20と実質上同一である。
【0025】第二の成形型手段122は比較的大径の略
円柱形状である型部材134から構成されている。この
型部材134の上面中央部には薄肉円筒形状の突出部1
36が形成されている(この突出部136の肉厚は図2
及び図3に図示する型部材34の突出部36の肉厚より
も薄い)。突出部136の内側には下方に延びる盲穴1
38が形成されている。突出部136の上端面は、口頸
部4のサポートリング12の下面における最内周縁部を
規定し、盲穴138はブロー成形部6の外周面と共に外
底面を規定する。かような型部材134は静止基板14
2上に固定されている。
【0026】図4及び図5に図示する第二の成形型手段
122においては、型部材134に退避部材148が付
設されている。この退避部材148は型部材134の突
出部136に昇降自在に被嵌せしめられている薄肉円筒
形状部150を有する。薄肉円筒形状部150の内径は
型部材134の突出部136の外径と実質上同一であ
る。型部材134の上面には環状ブロック153が固定
されており、かかる環状ブロック153には周方向に間
隔をおいて半径方向に延びる複数個の開口155が形成
されている。一方、退避部材148には、薄肉円筒形状
部150の下端部から周方向に間隔をおいて半径方向に
延びる複数個の放射状部152が形成されており、かか
る放射状部152の各々は環状ブロック153に形成さ
れている開口155の各々を貫通して延びている。型部
材134には、更に、その外周面中間部から半径方向外
方に張り出す環状フランジ157が形成されている。そ
して、退避部材148の放射状部152の各々の下面外
側部と環状フランジ157との間には、圧縮コイルばね
でよい弾性手段158が介在せしめられている。かかる
弾性手段158は退避部材148を図4に図示する初期
位置に弾性的に維持する。図4に図示する初期位置にお
いては、退避部材148の放射状部152が環状ブロッ
ク153に形成されている開口155の上壁面に当接せ
しめられ、これによって退避部材148が更に上方に移
動することが阻止される。退避部材148が初期位置に
位置せしめられている時には、薄肉円筒形状部150は
型部材134の突出部136に沿って延在し、薄肉円筒
形状部150の上端面は突出部136の上端面と同一高
さに位置して協働し、前成形体2の口頸部4に形成され
るサポートリング12の下面の外周縁部を規定する。第
二の成形型手段122には、更に、保持手段160も配
設されている。この保持手段160は、退避部材148
の放射状部152の各々に関連せしめて配設された複数
個の空気圧シリンダ機構から構成されている。空気圧シ
リンダ機構の静止シリンダ161は静止基板142の下
面に固定されており、空気圧シリンダ機構のピストン1
62は静止基板142及び環状フランジ157に形成さ
れている貫通穴を通って、そして更に弾性手段158を
構成する圧縮コイルばねの中心部を通って上方に突出せ
しめられている。保持手段160を構成する空気圧シリ
ンダ機構が作動せしめられている際には、ピストン16
2の先端が初期値に位置せしめられている退避部材14
8の放射状部152の下面に当接せしめられており、充
分に大きな圧力で退避部材148を初期位置に移動不能
に保持する。保持手段160を構成する空気圧シリンダ
機構が非作動状態にせしめられると、図5に図示する如
くピストン162が収縮して退避部材148の放射状部
152が下方に離隔せしめられ、従って退避部材148
は弾性手段158の弾性偏倚作用に抗して下方に退避さ
れ得る。
【0027】図4及び図5に図示する圧縮成形装置を使
用した前成形体2の圧縮成形方法においても、可動基板
を下降せしめて、第二の成形型手段122に対して第一
の成形型手段120を下降せしめ合成樹脂素材164を
漸次圧縮する際には、保持手段160は作動状態にせし
められ、従ってピストン162が突出せしめられて、退
避部材148は図4に図示する初期位置に移動不能に保
持されている。第一の成形型手段120が図5に図示す
る最終下降位置まで下降せしめられる直前まで、例えば
図5に図示する最終下降位置よりも数mmだけ上方の位
置になるまで、保持手段160は作動状態に設定され
る。保持手段160による退避部材148の保持圧力は
可動基板の下降による合成樹脂の圧縮圧力よりも幾分大
きく設定されており、従って第一の成形型手段120が
図5に図示する最終下降位置まで下降せしめられる直前
までは、退避部材148は初期位置に保持される。そし
て、第一の成形型手段120が図5に図示する最終下降
位置の直前まで下降せしめられると、保持手段160が
非作用状態に変更され、ピストン162が収縮されて退
避部材148から下方に離隔されて、保持手段160に
よる退避部材148の保持が解除される。しかる後にお
いては、弾性手段158による退避部材148の弾性偏
倚圧力は合成樹脂素材164に加えられる圧縮圧力より
も小さく設定されているので、第一の成形型手段120
の下降に応じて、合成樹脂素材164の過剰部が成形空
洞から流出せしめられて、退避部材148を弾性手段1
58の弾性偏倚作用に抗して下降即ち退避せしめる。充
填された合成樹脂素材164の過剰部に応じて退避部材
148が退避され、合成樹脂素材164の過剰部が成形
空洞から流出する故に、圧縮成形された際の前成形体2
には、図1に二点鎖線で示す如く、口頸部4のサポート
リング12の下面から下方に突出する筒形状の付加部1
66が形成されている。かかる付加部166は、圧縮成
形された前成形体2を成形型118から取り出した後
に、切断刃による切断等の適宜の様式によって切除する
ことができる。第一の成形型手段120が図5に図示す
る最終下降位置まで下降せしめられると、第一の成形型
手段120の一対の割型部材126a及び126bの下
面が第二の成形型手段122に配設されている環状ブロ
ック153の上面に当接せしめられる。図4及び図5に
図示する圧縮成形装置及びこれを使用した圧縮成形方法
における上述した構成以外は、図2及び図3に図示する
圧縮成形装置及びこれを使用した圧縮成形方法と実質上
同一である。
【0028】図6及び図7は前成形体2を圧縮成形する
ために使用される圧縮成形装置の更に他の実施形態を図
示している。図6及び図7に図示する圧縮成形装置も全
体を番号218で示す成形型を含んでおり、この成形型
218は第一の成形型手段220と第二の成形型手段2
22とから構成されている。
【0029】第一の成形型手段220は昇降動せしめら
れる可動基板(図示していない)に装着されている。か
かる第一の成形型手段220は型部材224と一対の割
型部材226a及び226bとから構成されている。型
部材224は可動支持基板に固定されている。一対の割
型部材226a及び226bは、半径方向に移動自在に
上記可動基板に装着されている。一対の割型部材226
a及び226bには移動手段(図示していない)が付設
されており、一対の割型部材226a及び226bは図
6に図示する閉位置とかかる閉位置から半径方向外方に
移動せしめられた開位置との間を移動せしめられる。従
って、一対の割型部材226a及び226bは可動基板
の昇降動に付随して昇降動せしめられると共に、半径方
向に開閉動せしめられる。図6に図示する閉位置におい
ては、一対の割型部材226a及び226bは協働して
略円筒形状をなす。後の説明から明確に理解される如
く、一対の割型部材226a及び226bは、口頸部4
の外周面を規定する(サポートリング12の外周面は後
述する退避部材が規定する)。
【0030】図6及び図7に図示する実施形態において
は、一対の割型部材226a及び226bには退避部材
が付設されている。かかる退避部材は一対の割型部片2
48a及び248bとから構成されており、割型部片2
48aは割型部材226aに付設され、割型部片248
bは割型部材226bに付設されている。図6及び図7
と共に図8を参照して更に詳述すると、割型部材226
a及び226bの各々には、図6において上下方向中間
領域に、図6において左右方向に貫通して延在するスリ
ット249a及び249bが形成されている。スリット
249a及び249bの各々は、上下方向厚さが比較的
小さい内側部と上下方向厚さが比較的大きい外側部とを
有し、内側部と外側部との境界には段差面251a及び
251bが形成されている。割型部片248a及び24
8bの各々は、比較的肉薄の内側部250a及び250
b、比較的肉厚の外側部252a及び252b、並びに
矩形フランジ部254a及び254bを有し、内側部2
50a及び250bと外側部252a及び252bとの
境界には段差面255a及び255bが形成されてい
る。かような割型部片248a及び248bは割型部材
226a及び226bの上記スリット249a及び24
9bに半径方向即ち図6乃至図8において左右方向に移
動自在に組み合わせられる。割型部片248a及び24
8bの内側部250a及び250bの厚さはスリット2
49a及び249bの内側部の厚さと実質上同一であ
り、割型部片248a及び248bの外側部252a及
び252bの厚さはスリット249a及び249bの外
側部の厚さと実質上同一である。図6及び図7に図示す
る如く、割型部材226a及び226bの各々の外周面
には半径方向外方に延びる複数本の連結ロッド257a
及び257bが固定されており、かかる連結ロッド25
7a及び257bの先端には支持板259a及び259
bが固定されている。そして、割型部片248a及び2
48bの各々と支持板259a及び259bの各々との
間には、圧縮コイルばねでよい弾性手段258a及び2
58bが介在せしめられている。かかる弾性手段258
a及び258bは割型部片248a及び248bを図6
に図示する初期位置に弾性的に偏倚する。図6に図示す
る初期位置においては、割型部片248a及び248b
の段差面255a及び255bがスリット249a及び
249bの段差面251a及び251bに当接せしめら
れ、これによって割型部片248a及び248bが更に
半径方向内側に移動することが阻止される。割型部片2
48a及び248bの内周面(従って内側部250a及
び250bの内周面)は前成形体2の口頸部4における
サポートリング12の外周面に対応した円弧状であり、
割型部片248a及び248bが初期位置に位置せしめ
られている時には、割型部片248a及び248bの内
周面がサポートリング12の外周面を規定する。第一の
成形型手段220における割型部材226a及び226
bには、更に、保持手段260a及び260bも配設さ
れている。かかる保持手段260a及び260bは空気
圧シリンダ機構から構成されており、かかる空気圧シリ
ンダ機構の静止シリンダは上記支持基板259a及び2
59bに固定されており、空気圧シリンダ機構のピスト
ン262a及び262bは支持板259a及び259b
に形成された貫通穴を通って、そしてまた弾性手段25
8a及び258bを構成する圧縮コイルばねの中陰部を
通って内方に延びている。保持手段260a及び260
bが作動せしめられている際には、ピスト262a及び
262bの先端が初期位置に位置せしめられている割型
部片248a及び248bのフランジ部254a及び2
54bに当接せしめられており、充分に大きな圧力で割
型部片248a及び248bを初期位置に保持してい
る。保持手段260a及び260bが非作動状態にせし
められると、図7に図示する如くピストン262a及び
262bが収縮せしめられて割型部片248a及び24
8bから離隔せしめられ、従って割型部片248a及び
248bは弾性手段258a及び258bの弾性偏倚作
用に抗して外方に退避され得る。
【0031】図6及び図7に図示する成形型218にお
ける第二の成形型手段222は比較的大径の略円柱形状
である型部材234から構成されており、その上面中央
部には上方に突出する薄肉円筒形状の突出部236が形
成されている。かかる突出部236の内側には下方に延
びる盲穴238が形成されている。突出部236の上端
面は、口頸部4のサポートリング12の下面における内
周縁部を規定し、盲穴238はブロー成形部6の外周面
と共に外底面を規定する。かような第二の成形型手段2
22は静止基板(図示していない)上に固定されてい
る。
【0032】図6乃至図8に図示する圧縮成形装置を使
用した前成形体2の圧縮成形方法においても、可動基板
を下降せしめて、第二の成形型手段222に対して第一
の成形型手段220を下降せしめ合成樹脂素材264を
漸次圧縮する際には、保持手段260a及び260bは
作動状態にせしめられ、従ってピストン262a及び2
62bが突出せしめられて、退避部材を構成する割型部
片248a及び248bは図6に図示する初期位置に移
動不能に保持されている。第一の成形型手段220が図
7に図示する最終下降位置まで下降せしめられる直前ま
で、例えば図7に図示する最終下降位置よりも数mmだ
け上方の位置になるまで、保持手段260a及び260
bは作動状態に設定される。保持手段260a及び26
0bによる割型部片248a及び248bの保持圧力は
可動基板の下降により生じる合成樹脂の圧縮圧力よりも
幾分大きく設定されており、従って第一の成形型手段2
20が図7に図示する最終下降位置まで下降せしめられ
る直前までは、割型部片248a及び248bは初期位
置に保持される。そして、第一の成形型手段220が図
7に図示する最終下降位置の直前まで下降せしめられる
と、保持手段260が非作用状態に変更され、ピストン
262a及び262bが収縮されて割型部片248a及
び248bから離隔されて、保持手段260a及び26
0bによる割型部片248a及び248bの保持が解除
される。しかる後においては、弾性手段258a及び2
58bによる割型部片248a及び248bの弾性偏倚
圧力は合成樹脂素材264に加えられる圧縮圧力よりも
小さく設定されているので、第一の成形型手段220の
下降に応じて、合成樹脂素材264の過剰部が成形空洞
から流出せしめられて、割型部片248a及び248b
を弾性手段258a及び258bの弾性偏倚作用に抗し
て半径方向外方に移動即ち退避せしめる。充填された合
成樹脂素材264の過剰部に応じて割型部片248a及
び248bが退避され、合成樹脂素材264の過剰部が
成形空洞から流出する故に、圧縮成形された際の前成形
体2には、図8に二点鎖線で示す如く、口頸部4のサポ
ートリング12の外周面から半径方向外方に突出する円
弧状の付加部266が形成され、サポートリング12は
円形ではなくて略楕円形状にせしめられる。付加部26
6は、圧縮成形された前成形体2を成形型218から取
り出した後に、必要に応じて、切断刃による切断等の適
宜の様式によって切除することができる。サポートリン
グ12の外周面に付加部266が付加されていてサポー
トリング12が略楕円形状であっても、通常は特に支障
がないので、付加部266は切除することなくそのまま
残留せしめておくこともできる。図6及び図7に図示す
る圧縮成形装置及びこれを使用した圧縮成形方法におけ
る上述した構成以外は、図2及び図3に図示する圧縮成
形装置及びこれを使用した圧縮成形方法と実質上同一で
ある。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、局部的に低強度の部分
を前成形体に生成せしめることなく、合成樹脂素材の充
填量の変動にかかわらず、前成形体の口頸部の主要形状
及び寸法を一定にせしめることができ、そして更に前成
形体のブロー成形部の主要形状及び寸法も一定にせしめ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧縮成形方法及び装置の好適実施形態
によって成形される前成形体の典型例を、半部を断面で
示す正面図。
【図2】本発明の圧縮成形装置の好適実施形態を、圧縮
成形工程の初期状態で示す断面図。
【図3】図2の圧縮成形装置を、圧縮成形工程の最終状
態で示す断面図。
【図4】本発明の圧縮成形装置の他の実施形態を、圧縮
成形工程の初期状態で示す断面図。
【図5】図4の圧縮成形装置を、圧縮成形工程の最終状
態で示す断面図。
【図6】本発明の圧縮成形装置の更に他の実施形態を、
圧縮成形工程の初期状態で示す断面図。
【図7】図6の圧縮成形装置を、圧縮成形工程の最終状
態で示す断面図。
【図8】図6の圧縮成形装置の一部を示す横断面図。
【符号の説明】
2:前成形体 4:口頸部 6:ブロー成形部 12:サポートリング 18:成形型 20:第一の成形型手段 22;第二の成形型手段 48;退避部材 58:弾性手段 60:保持手段 64:合成樹脂素材 66:付加部 118:成形型 120:第一の成形型手段 122:第二の成形型手段 148:退避部材 158:弾性手段 160:保持手段 164:合成樹脂素材 166:付加部 218:成形型 220:第一の成形型手段 222:第二の成形型手段 248a:割型部片(退避部材) 248b:割型部片(退避部材) 258a:弾性手段 258b:弾性手段 260a:保持手段 260b:保持手段 264:合成樹脂素材 266:付加部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今谷 恒夫 神奈川県横浜市保土ヶ谷区岡沢町22番地4 東洋製罐グループ綜合研究所内 Fターム(参考) 4F201 AA24 AG07 AH55 BA03 BC01 BC02 BC12 BD07 BM07 BM09 BM12 4F208 AA24 AG07 AH55 LA02 LA08 LB01 LG15 LG19 LG32 LH19

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮成形時に軟化或いは溶融状態で供給
    される合成樹脂素材の過剰量に対応する付加部が形成さ
    れたブロー成形容器用前成形体。
  2. 【請求項2】 該付加部がブロー成形部下面から下方に
    突出する棒状部である、請求項1記載のブロー成形容器
    用前成形体。
  3. 【請求項3】 該付加部がサポートリングの外周面であ
    る、請求項1記載のブロー成形容器用前成形体。
  4. 【請求項4】 環状口頸部と該口頸部から垂下する有底
    筒状ブロー成形部とから構成され、該ブロー成形部をブ
    ロー成形して容器とするブロー成形容器用前成形体を、
    相対的に移動せしめられる少なくとも2個の成形型手段
    を含み、成形型空洞を規定する閉状態と該成形空洞を開
    放する開状態とに設定される成形型を使用して圧縮成形
    する方法において、 該成形空洞の容積より大きい容積の合成樹脂素材を軟化
    或いは溶融状態で該成形型に供給し、 該合成樹脂素材の過剰量を該成形空洞から流出せしめ
    て、該前成形体に付加部を形成する、 を特徴とする方法。
  5. 【請求項5】 該成形空洞の一部を、所定圧力以上の圧
    力で移動せしめられる退避部材によって規定し、圧縮せ
    しめられる該合成樹脂素材から加えられる圧力によって
    該退避部材を移動せしめることによって該付加部を形成
    する、請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 該成形型手段が該閉状態に設定される直
    前まで、圧縮せしめられる該合成樹脂素材から該退避部
    材に該所定圧力以上の圧力が加えられても該退避部材を
    移動不能に保持し、該合成樹脂素材の圧縮成形最終段階
    で該付加部を形成する、請求項4又は5記載の方法。
  7. 【請求項7】 該付加部は該ブロー成形部の底面から外
    方に突出する棒状形態であり、該成形型から該前成形体
    を取り出した後に該付加部を切除する、請求項4から6
    までのいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 該前成形体は該口頸部の外周面から半径
    方向外方に張り出すサポートリングを有し、該付加部は
    該サポートリングの下面から下方に突出する筒状形態で
    あり、該成形型から該前成形体を取り出した後に該付加
    部を切除する、請求項4から6までのいずれかに記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 該前成形体は該口頸部の外周面から半径
    方向外方に張り出すサポートリングを有し、該付加部は
    該サポートリングの外周面から突出して該サポートリン
    グの外周面を円形から略楕円形状に変形せしめる形態で
    ある、請求項4から6までのいずかに記載の方法。
  10. 【請求項10】 該成形型から該前成形体を取り出した
    後に該付加部を切除する、請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 環状口頸部と該口頸部から垂下する有
    底筒状ブロー成形部とから構成され、該ブロー成形部を
    ブロー成形して容器とするブロー成形容器用前成形体を
    圧縮成形するための、相対的に移動せしめられる少なく
    とも2個の成形型手段を含み、成形型空洞を規定する閉
    状態と該成形空洞を開放する開状態とに設定される成形
    型を具備する装置において、 該2個の成形型手段の一方は、該成形空洞の一部を規定
    する初期位置から外方に移動自在に配設された退避部材
    を含み、圧縮成形圧力よりも小さい弾性偏倚圧力で該退
    避部材を該初期位置に弾性的に維持する弾性手段が配設
    されている、ことを特徴とする装置。
  12. 【請求項12】 該成形型が該閉状態に設定される直前
    まで、該退避部材を該初期位置に移動不能に保持する保
    持手段が配設されている、請求項11記載の装置。
  13. 【請求項13】 該退避部材は該初期位置においては該
    前成形体の該ブロー成形部における外底面の一部を規定
    し、下方に移動自在である、請求項11又は12記載の
    装置。
  14. 【請求項14】 該前成形体は該口頸部の外周面から半
    径方向外方に張り出すサポートリングを有し、該退避部
    材は該初期位置においては該サポートリングの底面にお
    ける環状領域を規定し、下方に移動自在である、請求項
    11又は12記載の装置。
  15. 【請求項15】 該前成形体は該口頸部の外周面から半
    径方向外方に張り出すサポートリングを有し、該退避部
    材は該初期位置においては該サポートリングの外周面の
    一部を規定する一対の割型部片から構成されており、該
    一対の割型部片は該初期位置から半径方向外方に移動自
    在である、請求項11又は12記載の装置。
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