JP2002321041A - 連続鋳造用鋳型 - Google Patents
連続鋳造用鋳型Info
- Publication number
- JP2002321041A JP2002321041A JP2001125196A JP2001125196A JP2002321041A JP 2002321041 A JP2002321041 A JP 2002321041A JP 2001125196 A JP2001125196 A JP 2001125196A JP 2001125196 A JP2001125196 A JP 2001125196A JP 2002321041 A JP2002321041 A JP 2002321041A
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- JP
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- continuous casting
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 過酷な操業状況においても鋳型平面の損耗が
少なく、長寿命が期待でき、補修コストの大幅な削減に
著効を示す連続鋳造用鋳型の構造を提案する。 【解決手段】 鋳型内面に壁面保護用表層材を被覆して
なる連続鋳造用鋳型において、特に、鋳片やダミーバー
との接触によって激しく損耗する鋳型下端部の表層材を
保護し、前記表層材の位置ずれを妨げると共に壁面密着
性の低下による摩耗、剥離や部分的な欠落を防ぐため、
鋳型下端部に係止突起を設ける。
少なく、長寿命が期待でき、補修コストの大幅な削減に
著効を示す連続鋳造用鋳型の構造を提案する。 【解決手段】 鋳型内面に壁面保護用表層材を被覆して
なる連続鋳造用鋳型において、特に、鋳片やダミーバー
との接触によって激しく損耗する鋳型下端部の表層材を
保護し、前記表層材の位置ずれを妨げると共に壁面密着
性の低下による摩耗、剥離や部分的な欠落を防ぐため、
鋳型下端部に係止突起を設ける。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳型内面に壁面を
保護するための表層材を被覆形成してなる連続鋳造用鋳
型に関し、とくに鋳片やダミーバーとの接触による前記
表層材の損耗および欠落を防止するのに有効な鋳型下端
部内壁面形状について提案する。
保護するための表層材を被覆形成してなる連続鋳造用鋳
型に関し、とくに鋳片やダミーバーとの接触による前記
表層材の損耗および欠落を防止するのに有効な鋳型下端
部内壁面形状について提案する。
【０００２】
【従来の技術】連続鋳造鋳型の本体は、冷却効果をあげ
るために、素材としては熱伝導性の良好な銅を用いるの
が普通である。一般に、銅は高温域では硬度や強度が低
下する性質があるため、この銅を溶湯と接する鋳型内壁
面の素材として使用すると、鋳片やダミーバーとの接触
によって容易に損耗し、長期間の使用に耐えられなくな
るという問題があった。しかも、鋳型用壁として銅を用
いると、この銅が鋳片の表面に含浸し、鋳片引き抜き時
に該鋳片の表面に微細な割れ（スタークラック）を発生
させるという問題もあった。
るために、素材としては熱伝導性の良好な銅を用いるの
が普通である。一般に、銅は高温域では硬度や強度が低
下する性質があるため、この銅を溶湯と接する鋳型内壁
面の素材として使用すると、鋳片やダミーバーとの接触
によって容易に損耗し、長期間の使用に耐えられなくな
るという問題があった。しかも、鋳型用壁として銅を用
いると、この銅が鋳片の表面に含浸し、鋳片引き抜き時
に該鋳片の表面に微細な割れ（スタークラック）を発生
させるという問題もあった。
【０００３】これらの問題を解決する方法として、従
来、鋳型の内面にタングステンやNiまたはその合金のめ
っき層、WCやそのサーメット溶射層等の高温耐食性・耐
摩耗性に優れた壁面保護用表層材を被覆形成することに
より、対処していた。例えば、図１は、こうした考え方
の下に製作された従来の連続鋳造鋳型の一部を示す断面
図である。なお、図示の符号1、1’は鋳型バックフレー
ム、2、2’は水冷ジャケット構造の銅製鋳型本体であ
り、その内壁面は、上述したように壁面保護用表層材
3、3’にて被覆されている。この場合、前記表層材3、
3’は、一般に、図示したように、鋳型内壁面の全体に
均一に被覆（コーティング）されている。
来、鋳型の内面にタングステンやNiまたはその合金のめ
っき層、WCやそのサーメット溶射層等の高温耐食性・耐
摩耗性に優れた壁面保護用表層材を被覆形成することに
より、対処していた。例えば、図１は、こうした考え方
の下に製作された従来の連続鋳造鋳型の一部を示す断面
図である。なお、図示の符号1、1’は鋳型バックフレー
ム、2、2’は水冷ジャケット構造の銅製鋳型本体であ
り、その内壁面は、上述したように壁面保護用表層材
3、3’にて被覆されている。この場合、前記表層材3、
3’は、一般に、図示したように、鋳型内壁面の全体に
均一に被覆（コーティング）されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】近年、連続鋳造機の操
業は、生産性向上のために高速化しており、その分、鋳
型の使用条件は過酷になっている。そのために、鋳型内
面すなわち前記表層材表面は、とくにパウダーの供給が
不足気味になる下部において、鋳片（凝固シェル）によ
る摩擦抵抗が大きくなり、該表層材の摩耗や剥離あるい
は欠落を招くという問題があった。
業は、生産性向上のために高速化しており、その分、鋳
型の使用条件は過酷になっている。そのために、鋳型内
面すなわち前記表層材表面は、とくにパウダーの供給が
不足気味になる下部において、鋳片（凝固シェル）によ
る摩擦抵抗が大きくなり、該表層材の摩耗や剥離あるい
は欠落を招くという問題があった。
【０００５】さらに、鋳造方向へのテーパーが大きい鋳
型にあっては、鋳型下部では鋳片押し込み力が大きくな
るため、内面にかかる面圧が増大し、前記表層材への摩
擦抵抗はより一層増加することになる。そして、鋳型内
壁面への摩擦抵抗の増加は、表層材の摩耗や剥離、欠落
を助長する原因となり、頻繁な補修が必要となってい
る。
型にあっては、鋳型下部では鋳片押し込み力が大きくな
るため、内面にかかる面圧が増大し、前記表層材への摩
擦抵抗はより一層増加することになる。そして、鋳型内
壁面への摩擦抵抗の増加は、表層材の摩耗や剥離、欠落
を助長する原因となり、頻繁な補修が必要となってい
る。
【０００６】本発明の目的は、鋳型内面の損耗が少な
く、長寿命を期することができ、補修コストの大幅な削
減に著効を示す連続鋳造用鋳型の構造を提案するところ
にある。
く、長寿命を期することができ、補修コストの大幅な削
減に著効を示す連続鋳造用鋳型の構造を提案するところ
にある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】発明者らは、従来技術が
抱えている上述した問題を解決すべく鋭意研究した結
果、連続鋳造鋳型の内面、特に鋳片およびダミーバーと
の接触によって激しく損耗する下部における表層材を保
護するには、その鋳造下端部に該表層材の位置ずれを妨
げると共に壁面密着力を助ける突起を設けることが有効
であるとの知見を得て、本発明を完成した。即ち、本発
明は、鋳型内面に壁面保護用表層材を被覆してなる連続
鋳造用鋳型において、その鋳型下端部に前記表層材の下
端を保持する係止突起を設けたことを特徴とする連続鋳
造用鋳型を提案する。
抱えている上述した問題を解決すべく鋭意研究した結
果、連続鋳造鋳型の内面、特に鋳片およびダミーバーと
の接触によって激しく損耗する下部における表層材を保
護するには、その鋳造下端部に該表層材の位置ずれを妨
げると共に壁面密着力を助ける突起を設けることが有効
であるとの知見を得て、本発明を完成した。即ち、本発
明は、鋳型内面に壁面保護用表層材を被覆してなる連続
鋳造用鋳型において、その鋳型下端部に前記表層材の下
端を保持する係止突起を設けたことを特徴とする連続鋳
造用鋳型を提案する。
【０００８】
【発明の実施の形態】図２は、本発明にかかる連続鋳造
鋳型の好適実施形態を示す部分断面図である。本発明に
係る連続鋳造鋳型は、主要部の構成は図１に示すものと
同一である。即ち、水冷式の鋳型本体2は、例えば組立
型の場合、各側壁本体の外回りがバックフレーム１によ
って固定支持されており、溶湯が注入される内面は、厚
み（突起高さ）にして1〜2mm程度の硬質材、例えばNiめ
っきやCo-Niめっき、サーメット溶射層などの壁面保護
用表層材3にて被覆されている。
鋳型の好適実施形態を示す部分断面図である。本発明に
係る連続鋳造鋳型は、主要部の構成は図１に示すものと
同一である。即ち、水冷式の鋳型本体2は、例えば組立
型の場合、各側壁本体の外回りがバックフレーム１によ
って固定支持されており、溶湯が注入される内面は、厚
み（突起高さ）にして1〜2mm程度の硬質材、例えばNiめ
っきやCo-Niめっき、サーメット溶射層などの壁面保護
用表層材3にて被覆されている。
【０００９】上記のような基本的な構成に加えて、本発
明では鋳型本体2の内壁面の下端部に、鋳造方向とは大
略直交する方向に配設される係止突起4を設ける。この
係止突起4は、前記表層材3の下端を下支えして保持する
ような態様で、しかも該表層材3とは同一平面になる
か、若干窪む程度の膨らみをもって形成されており、望
ましくは周方向に連続して設けるか、場合によって間欠
的な配置で設けてもよい。
明では鋳型本体2の内壁面の下端部に、鋳造方向とは大
略直交する方向に配設される係止突起4を設ける。この
係止突起4は、前記表層材3の下端を下支えして保持する
ような態様で、しかも該表層材3とは同一平面になる
か、若干窪む程度の膨らみをもって形成されており、望
ましくは周方向に連続して設けるか、場合によって間欠
的な配置で設けてもよい。
【００１０】鋳造時、鋳型内に注入された金属溶湯、即
ち溶鋼は、鋳型内壁面（表層材表面）に接して急冷凝固
され、シェル（鋳片）を生成して肥厚し乍ら鋳造方向
（下方）に向うが、このとき前記表層材3には鋳片が擦
過するために強い面圧と共に下方への圧力を受ける。こ
のことによって、該表層材3は、しばしば表面が剥離し
たり、ずれたり、一部が欠落したりすることになる。
ち溶鋼は、鋳型内壁面（表層材表面）に接して急冷凝固
され、シェル（鋳片）を生成して肥厚し乍ら鋳造方向
（下方）に向うが、このとき前記表層材3には鋳片が擦
過するために強い面圧と共に下方への圧力を受ける。こ
のことによって、該表層材3は、しばしば表面が剥離し
たり、ずれたり、一部が欠落したりすることになる。
【００１１】このような作用に対し、本発明では上述し
たように鋳型下端部に係止突起4を設けたので、上述し
た圧力の悪影響を少なく受けるようになる。即ち、かか
る係止突起4の存在によって、該表層材3は、鋳型壁面へ
の付着力は些かも減殺されることなく強固に密着したま
まとなり、鋳型の寿命とくに表層材の寿命を著しく向上
する。
たように鋳型下端部に係止突起4を設けたので、上述し
た圧力の悪影響を少なく受けるようになる。即ち、かか
る係止突起4の存在によって、該表層材3は、鋳型壁面へ
の付着力は些かも減殺されることなく強固に密着したま
まとなり、鋳型の寿命とくに表層材の寿命を著しく向上
する。
【００１２】係止突起4の上述した作用をより効果的に
発揮させるために、突起の大きさ（鋳造方向の長さL）
は、2mm〜5mm程度とすることが好ましい。このような大
きさにする理由は、2mmよりも小さいと効果が薄く、一
方この突起が5mmよりも大きくなると、この突起そのも
のの損傷が激しくなり、却って寿命を短くするからであ
る。
発揮させるために、突起の大きさ（鋳造方向の長さL）
は、2mm〜5mm程度とすることが好ましい。このような大
きさにする理由は、2mmよりも小さいと効果が薄く、一
方この突起が5mmよりも大きくなると、この突起そのも
のの損傷が激しくなり、却って寿命を短くするからであ
る。
【００１３】
【実施例】本発明にかかる連続鋳造用鋳型につき、実用
実験に供したところ、大幅な寿命の向上を得ることがで
きた。この実験では、組立式スラブ用鋳型（900mm×200
0mm）を用い、その内壁面に表層材として、0.3mm厚のCr
3C2材をHVOF溶射方法（High Velocity Oxy-Fuel溶射方
法）によって被覆し、0.3mmH×3mmLの係止突起を形成し
た鋳型を用いて鋳造を行った。その結果、2ヶ月間にわ
たって合計80,000tの鋳造を途中で全く補修することな
く連続運転できた（途中経過）。この点、同一条件で従
来の鋳型を用いて鋳造を行った場合、平均して60日毎に
表層材の補修が必要であった。
実験に供したところ、大幅な寿命の向上を得ることがで
きた。この実験では、組立式スラブ用鋳型（900mm×200
0mm）を用い、その内壁面に表層材として、0.3mm厚のCr
3C2材をHVOF溶射方法（High Velocity Oxy-Fuel溶射方
法）によって被覆し、0.3mmH×3mmLの係止突起を形成し
た鋳型を用いて鋳造を行った。その結果、2ヶ月間にわ
たって合計80,000tの鋳造を途中で全く補修することな
く連続運転できた（途中経過）。この点、同一条件で従
来の鋳型を用いて鋳造を行った場合、平均して60日毎に
表層材の補修が必要であった。
【００１４】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
連続鋳造鋳型の鋳型下端部に単に係止突起を設けること
だけで、内壁面に被覆形成した表層材の摩耗、剥離や部
分的な欠落を効果的に防止することができる。そのため
に、鋳型の長寿命化を可能とし、その結果として、連続
鋳造鋳型の補修コストを大幅に削減でき、また生産性の
向上にも資すること大である。
連続鋳造鋳型の鋳型下端部に単に係止突起を設けること
だけで、内壁面に被覆形成した表層材の摩耗、剥離や部
分的な欠落を効果的に防止することができる。そのため
に、鋳型の長寿命化を可能とし、その結果として、連続
鋳造鋳型の補修コストを大幅に削減でき、また生産性の
向上にも資すること大である。
【図１】従来の連続鋳造鋳型の形状を示す断面図であ
る。
る。
【図２】本発明に係る連続鋳造鋳型の形状を示す部分断
面図である。
面図である。
１ バックフレーム ２ 銅板鋳型 ３ 壁面保護用表層材 ４ 係止突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大山 邦利 千葉県千葉市中央区川崎町１番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Ｆターム(参考） 4E004 AA07 AB02 AB07
Claims (1)
- 【請求項１】 鋳型内面に壁面保護用表層材を被覆して
なる連続鋳造用鋳型において、その鋳型下端部に前記表
層材の下端を保持する係止突起を設けたことを特徴とす
る連続鋳造用鋳型。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001125196A JP2002321041A (ja) | 2001-04-24 | 2001-04-24 | 連続鋳造用鋳型 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001125196A JP2002321041A (ja) | 2001-04-24 | 2001-04-24 | 連続鋳造用鋳型 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002321041A true JP2002321041A (ja) | 2002-11-05 |
Family
ID=18974457
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001125196A Pending JP2002321041A (ja) | 2001-04-24 | 2001-04-24 | 連続鋳造用鋳型 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002321041A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN113145818A (zh) * | 2021-01-26 | 2021-07-23 | 燕山大学 | 一种提高结晶器使用寿命的冶炼制造生产工艺及装置 |
-
2001
- 2001-04-24 JP JP2001125196A patent/JP2002321041A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN113145818A (zh) * | 2021-01-26 | 2021-07-23 | 燕山大学 | 一种提高结晶器使用寿命的冶炼制造生产工艺及装置 |
| CN113145818B (zh) * | 2021-01-26 | 2023-01-17 | 燕山大学 | 一种提高结晶器使用寿命的冶炼制造生产工艺及装置 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040518 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040601 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20041012 |