JP2002320618A - 機械走査式超音波診断装置 - Google Patents

機械走査式超音波診断装置

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JP2002320618A
JP2002320618A JP2001127995A JP2001127995A JP2002320618A JP 2002320618 A JP2002320618 A JP 2002320618A JP 2001127995 A JP2001127995 A JP 2001127995A JP 2001127995 A JP2001127995 A JP 2001127995A JP 2002320618 A JP2002320618 A JP 2002320618A
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Masahiko Gondo
雅彦 権藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械走査式の超音波振動子を用い、遠点での
分解能を改善できる機械走査式超音波診断装置を提供す
る。 【解決手段】 超音波振動子3はモータ13により回転
され、放射状に超音波ビーム35を被検体側に出射し、
被検体側で反射された超音波は再び超音波振動子3で受
信されて電気的な受信信号となり、A/D変換器24で
デジタル信号にされ、直交検波回路25で直交検波され
て複素信号となり、メモリ26の各音線に沿って格納さ
れ、メモリ26に格納された各複素信号は信号処理回路
27で画像化の処理がされると共に、焦点10以遠では
メモリ26に格納された複数の音線の複素信号に対して
逆フィルタ処理して、方位分解能が高い受信信号を生成
して表示モニタ5に超音波断層像を表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波振動子を機
械的に回転して超音波断層像を得る機械走査式超音波診
断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、超音波振動子を機械的に回転させ
て生体等に対する断層像を得る機械走査式の超音波診断
装置がある。
【0003】この超音波診断装置には、内視鏡先端に超
音波振動子を配置させた超音波内視鏡を使用する装置が
あるが、これは胃内などから胃壁や周辺臓器の断層像を
得るものである。
【0004】この超音波内視鏡では、先端部形状を小さ
く構成する必要から単純な単板式の超音波振動子を用い
ている。この超音波振動子は超音波の焦点が一点に定ま
っているために、焦点近傍では超音波ビームが絞られ、
空間分解能がすぐれるが、近点や遠点では超音波ビーム
が広がるために空間分解能が悪くなる。
【0005】とくに、遠点では、超音波ビームの広がり
のため、点反射体を観察しても円周方向に間延びした超
音波出力画像しか得ることができない。
【0006】また、生体断層像のみならず、超音波のド
プラ効果を利用して血管の走行状態を検出・表示するド
プラ超音波診断装置があるが、これは一定方向に10〜
16回の超音波パルスの送信を必用とすることから、自
由に超音波走査をコントロールできる電子走査式の超音
波診断装置でのみ実現されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の機械走
査式超音波診断装置では、単板式の超音波振動子を用い
ているため、焦点が固定され、近点または遠点において
超音波ビームが広がり、空間分解能が劣っているという
問題がある。
【0008】また、機械式に超音波振動子を回転させて
走査するため、従来例では所定位置で回転を止めて複数
回の送信を行ないドプラ情報を検出して血流を検出する
ということはほとんど不可能であった。
【0009】さらに従来の超音波内視鏡においては、超
音波振動子の回転伝達をフレキシブルシャフト経由で行
なうため、正確な回転制御が困難であった。このことが
また、血流検出を極めて困難にしている要因となってい
る。
【0010】(発明の目的)本発明は、上述した点に鑑
みてなされたもので、機械走査式の超音波振動子を用い
て、遠点側での分解能を改善できる機械走査式超音波診
断装置を提供することを第1の目的とする。
【0011】また、機械走査式の超音波振動子を用い
て、ドプラ現象を用いて血流検出を行なうことのできる
機械走査式超音波診断装置を提供することを第2の目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】被検体に対して超音波を
送受する超音波振動子を機械的に走査させて超音波画像
を得る機械走査式超音波診新装置において、前記超音波
振動子が発する超音波ビームの焦点を仮想振動子と想定
し、前記超音波振動子を走査させて得られる複数の走査
線に沿った前記焦点以遠の複数の受信信号を集めて前記
仮想振動子から前記被検体までの距離に基いて逆フィル
タ処理を行う信号処理手段と、前記信号処理手段により
得られた信号に基いて超音波画像を生成する超音波画像
生成手段と、を備えたことにより、逆フィルタ処理を行
うことで遠点側での分解能を改善できるようにしてい
る。
【0013】また、被検体に対して超音波を送受する超
音波振動子を機械的に走査させて超音波画像を得る機械
走査式超音波診断装置において、前記超音波振動子の1
つの走査位置に対して複数回の超音波信号を発生する超
音波送信手段と、前記超音波送信手段の発生する超音波
信号に基づく超音波受信信号を前記各走査に対応させて
格納する記憶手段と、前記記憶手段が記憶した前記超音
波受信信号を読み出してドプラ検出処理を行う信号処理
手段と、前記信号処理手段により得られた信号に基いて
超音波画像を生成する超音波画像生成手段と、を備えた
ことにより、ドプラ現象を用いて血流検出を行なうこと
のできるようにしている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0015】(第1の実施の形態)図1ないし図5は本
発明の第1の実施の形態に係り、図1は第1の実施の形
態の機械走査式超音波診断装置の全体構成を示し、図2
は超音波プローブの先端側の構造を示し、図3は超音波
観測装置に着脱自在で装着されるDSPボードを示し、
図4は超音波振動子を回転させた場合における焦点位置
が変化する様子とその焦点位置を仮想振動子と見なす説
明図を示し、図5は逆フィルタ処理をしない場合と比較
して、逆フィルタ処理をした場合に対応する超音波ビー
ムを示す。
【0016】図1に示すように本発明の第1の実施の形
態の機械走査式超音波診断装置1は、体腔内に挿入され
る超音波プローブ2と、この超音波プローブ2が接続さ
れ、超音波プローブ2に内蔵された超音波振動子3を駆
動すると共に、その超音波振動子3で受信した受信信号
に対する信号処理を行う超音波観測装置4と、この超音
波観測装置4から出力されるビデオ信号が入力されるこ
とにより、対応する超音波断層像を表示する表示モニタ
5とから構成される。
【0017】超音波プローブ2は図2に示すように、体
腔内に挿入されるプローブ挿入部6が可撓性を有する樹
脂等の外皮チューブ7で形成され、この外皮チューブ7
の先端に硬質の連結筒体8を介してキャップ9を取り付
け、このキャップ9の内部に機械式に回転駆動される単
板状の超音波振動子3が収納されている。
【0018】この超音波振動子3から超音波ビームを放
射(送受)する超音波放射面は凹面状にされて、超音波
振動子3から所定距離離れた焦点10(図1参照)で超
音波ビームを点状に集音するようにしている。
【0019】また、超音波放射面と反対側の背面には超
音波を吸収(減衰)させるバッキング材11が貼り付け
られている。この超音波振動子3は硬質のロッド等によ
る回転伝達部12を介して連結筒体8内部に配置した小
型のモータ13に接続され、このモータ13により回転
駆動されるようになっている。従って、超音波振動子3
は放射状に超音波ビームを順次出射し、ラジアル走査す
る。
【0020】この場合、モータ13の回転は減速ギヤ1
4により回転が減速されて回転伝達部12を介して超音
波振動子3に伝達され、従来例のようなフレキシブルシ
ャフトを介することなく、モータ13による回転を硬質
のロッドを介して超音波振動子3を回転駆動する構成に
している。
【0021】また、超音波振動子3の周囲のキャップ9
内部は超音波を伝達する超音波媒体15で充満されてお
り、超音波振動子3から放射された超音波は超音波媒体
15及びその外側の(超音波を伝達する)キャップ9を
透過して、このキャップ9周囲の検査対象物側に超音波
ビームを放射する。
【0022】キャップ9内部を浸す超音波媒体15は連
結筒体8に設けた回転伝達部12を通す孔部に配置した
Oリング16により連結筒体8側には漏れないように封
止されている。
【0023】また、超音波振動子3に接続された信号線
17は回転伝達部12の中空部を通され(て超音波振動
子3と共に回転され)、連結筒体8内部でスリップリン
グ18に接続され、さらにこのスリップリング18の外
部の信号線19を介して(超音波振動子3は)超音波観
測装置4と電気的に接続される。
【0024】このように本実施の形態では、小型のモー
タ13を減速ギヤ14で減速して短い硬質の回転伝達部
12を介して超音波振動子3を回転駆動する構造にし
て、プローブ2の先端部に収納している。この小型のモ
ータ13としては例えばMicroPrecision System 社のギ
ヤ付き小型ブラシレスモータを使用することができる。
これは、直径3.4mm、長さ12.24mmのもの
で、減速比1/125のギアがついたもので、1回転を
750分割して回転/停止を制御することが可能であ
る。
【0025】本実施の形態ではモータ13と減速ギア1
4により、超音波振動子3の回転が毎秒10〜30回転
となるように設計されている。
【0026】図1に示すように超音波観測装置4は、送
信パルス信号を発生する波形発生回路21を有し、この
波形発生回路21の送信パルス信号は送信アンプ22で
増幅された後、信号線19等を経て超音波振動子3に印
加され、超音波振動子3は超音波ビームを発生する。そ
の超音波ビームは被検体(検査対象物)側の音響インピ
ーダンスが変化している部分で反射され、その反射超音
波は超音波振動子3で受信され、電気的なエコー信号
(受信信号)に変換される。
【0027】超音波振動子3で受信して得た受信信号は
超音波観測装置4内の受信アンプ23に入力され、所定
の大きさに増幅された後、A/D変換器24でデジタル
信号に変換された後、直交検波(図1ではI/Q検波)
回路25に入力され、直交検波回路25では送信に用い
た送信パルスの位相を参照して複素信号に変換する。こ
の複素信号はメモリ26に格納される。この場合、送信
毎にその走査線に対応付けられたメモリセルに時間の経
過と共に順次格納される。メモリ26に格納された複素
信号は信号処理回路27により座標変換等して、画像化
する信号処理が行われ、超音波断層像を生成する処理が
行われる。
【0028】また、この信号処理回路27では、後述す
るように焦点10以遠部分に対しては、複数回の送受信
で得られた(複数の走査線の)複素信号に対して逆フィ
ルタ処理を施し、画像化する信号処理を行う。
【0029】そして、この信号処理回路27により生成
されたビデオ信号は表示モニタ5に出力され、超音波断
層像が表示される。
【0030】また、モータ13はモータ駆動回路28に
より駆動される。このモータ駆動回路28は、タイミン
グ発生回路29からのタイミング信号に同期して、モー
タ13を回転させる駆動信号を出力する。
【0031】本実施の形態では、図1の超音波観測装置
4は、図3に示すパーソナルコンピュータ(PCと略
記)4aをベースとして構成され、このPC4aに設け
たボード装着用スロット31には、上述したA/D変換
器24、直交検波回路25、信号処理回路27の一部を
構成する高速演算処理プロセッサとしてのデジタルシグ
ナルプロセッサ(DSPと略記)32が搭載されたDS
P基板33が着脱自在で装着されるようになっている。
【0032】DSP32としては、例えばTI(TEXAS
INSTRUMENTS)社製のTMS320C6201を用いれ
ば、1チップのICで、逆フィルタ処理を高速で実施で
きる(また、後述する第2の実施の形態のドプラ情報を
得るための自己相関処理も高速で行える)。
【0033】また、このDSP基板33に実装した例え
ばEEPROM34には、DSP32による逆フィルタ
処理を行うプログラムが書き込まれている。
【0034】本実施の形態では図3に示すように、PC
4aのスロット31にDSP基板33を装着することに
より、図1の超音波観測装置4が構成される。
【0035】図4は超音波振動子3を回転した時の超音
波ビーム35を示した概念図で、超音波振動子3は焦点
10に超音波が集束するように超音波放射面が凹面にな
っている。この図4から分かるように超音波振動子3の
焦点10よりも近点側と遠点側とでは超音波ビーム35
が広がっている。
【0036】ここで、超音波振動子3が回転すると、そ
の回転に合わせて超音波ビーム35の空間位置がずれて
いく。この時、焦点10に着目してみると、あたかも焦
点10の位置に、仮想的に微小な超音波振動子があると
みなすことができる。この場合、仮想的微小な超音波振
動子は超音波の波長に比べてその開口面積が小さい場合
は、超音波ビームが広く拡散したビーム形状となる。
【0037】そして、焦点10以遠の音場を仮想超音波
振動子からの音場としてとらえる。この仮想超音波振動
子は、実際には超音波振動子3の回転につれてその位置
が大きく変化する。
【0038】そこで、各仮想超音波振動子の(焦点1
0)以遠の受信信号を用いて、下記の(1)式で示す逆
フィルタ処理を行う。
【0039】 y(r,θ)=Σi=1 Ai・gi(ri,θ) (1) ここで、rは反射体までの距離、riはi(i=1〜
n)番目の受信信号giでの反射体までの距離、θは超
音波振動子3の回転角、Aiはi番目の受信信号giに
対する振幅重み係数であり、受信信号gi(ri,θ)
に対して、振幅重み係数Aiで重み付けしたものをi=
1からnまでの総和(ここではその総和をΣi=1
示している)をとって逆フィルタ(デコンボリューショ
ンフィルタ)の出力y(r,θ)を得るようにしてい
る。
【0040】合成数nは仮想超音波振動子がもつ超音波
ビームの広がりと関係するが、もとの超音波振動子3か
らのビームが広ければ合成数nを大きくし、ビームが狭
ければ合成数nを小さくする。振幅重み係数Aiは合成
時のサイドローブを低減するために、ガウス関数などの
重み係数をもたせる。
【0041】この逆フィルタ処理は、信号処理回路27
により受信信号の複素信号を用いて実施される。
【0042】上記逆フィルタ処理は、基本的には焦点1
0以遠で、電子走査と実質的に等価なビーム合成処理を
行うのと類似している。この場合、電子走査では複数の
超音波振動子からなるアレイにより、1回の電子走査で
方位分解能が高いビームを生成するが、本実施の形態で
は数回の送信により得られた複数の音線の受信信号から
各受信信号の場合よりも方位分解能が高い信号を得る。
【0043】これは、一種の空間的なビーム合成であ
り、その逆フィルタ処理による合成の受信信号に対応す
る仮想的な合成超音波ビームは図5(B)に示すよう
に、焦点10以遠で超音波ビームが鋭く細くなるもので
ある。この根拠は、焦点10の仮想超音波振動子は、も
との超音波振動子3に比べてその移動距離が大きく、そ
れらの受信信号を逆フィルタ処理することで多数の受信
信号を合成することは、等価的に開口の大きい超音波振
動子を用いたことになる。
【0044】また、逆フィルタ処理では、焦点10以遠
の所、全てに焦点を形成するように合成するため、超音
波ビームが長いレンジにわたって細くなる。この逆フィ
ルタ処理は、ちょうど電子走査式の超音波診断装置にお
いて、微小振動子で構成されるアレイ振動子の信号を遅
延時間を合わせて合成することで、近点から遠点まで細
く絞られた超音波ビームをつくることと同様である。
【0045】このようにして数回の送信により得られた
受信信号から、(電子走査の場合のように)広がりを抑
えた超音波ビームを仮想的に送信した場合に得られる受
信信号を生成するような処理を受信信号を得る前のフィ
ルタ処理でなく、受信信号を得た後のその受信信号(複
素信号)に対してフィルタ処理を行う(ので逆フィルタ
処理と呼ぶ)。
【0046】上記(1)式の逆フィルタ処理を施すこと
により、図5(A)に示す逆フィルタ処理を施さない場
合の超音波ビーム35の場合よりも、図5(B)に示す
ように焦点10以遠でビームの広がりを狭くした仮想的
な合成超音波ビーム36を送信した場合に対応する受信
信号を得られるようにしている。
【0047】つまり、図5(A)に示す1回の送信によ
り焦点10以遠で広がる超音波ビーム35の場合の受信
信号は方位分解能が低下するが、逆フィルタ処理を施す
ことにより、等価的に図5(B)に示すような合成超音
波ビーム36を送信した場合の受信信号のようになる。
この合成超音波ビーム36は焦点10以遠側の合成超音
波ビーム部分36aが図5(A)の場合に比べて鋭く細
くなり、方位分解能が大幅に向上している。このため、
逆フィルタ処理による受信信号は方位分解能が大幅に向
上する。
【0048】本実施の形態は以下の効果を有する。
【0049】以上説明したように、本実施の形態では、
超音波振動子3をブラシレスモータなどで正確に回転制
御して、その受信信号を複数蓄えて、焦点10以遠の信
号を用いて逆フィルタ処理で合成することにより、焦点
10以遠の空間分解能を高めることができ、診断する場
合により有効な超音波断層像を提供できる。
【0050】なお、上述の説明では機械的にラジアル走
査を行う場合で説明したが、スパイラル走査を行う場合
にも適用できる。また、スパイラル走査を行い、立体画
像を構築する処理を行う場合にも適用できる。また、リ
ニア走査を行う場合にも適用できる。
【0051】また、本実施の形態は、既存の機械走査式
で得られた受信信号データ或いは超音波断層像データに
対して、逆フィルタ処理を行う超音波観測装置4或いは
信号処理装置としても有効である。
【0052】つまり、機械走査式で得られた受信信号デ
ータを本実施の形態における超音波観測装置4に入力す
ることにより、より方位分解能を向上した超音波断層像
を得ることができる。
【0053】この場合には、受信信号データを得た機械
走査式の超音波プローブの焦点距離等の特性データを超
音波観測装置4に入力し、その特性データの場合に適し
た逆フィルタ処理を行えるようにしても良い。
【0054】なお、焦点10以遠でその方位方向の広が
りが狭くなるな合成超音波ビーム36を仮想的に出射し
た場合に、その反射超音波を受信して得られるよう受信
信号が得られるように、複数の走査線に沿って受信して
得られた受信信号(複素信号)に対して逆フィルタ処理
を行うと説明したが、焦点10より近点側に対しても複
数の受信信号を採用して方位分解能が良好な受信信号が
得られるように逆フィルタ処理を行うようにしても良
い。
【0055】また、上述の説明ではモータ13をプロー
ブ挿入部6の先端に収納した超音波プローブ2の場合で
説明したが、プローブ挿入部6の先端側に光学的な照明
系とその照明系で照明された被検体を光学的に観察する
観察光学系を備えた内視鏡の場合にも適用できる。
【0056】(第2の実施の形態)次に本発明の第2の
実施の形態を図6を参照して説明する。本実施の形態
は、図1の構成において、信号処理回路27は逆フィル
タ処理を行う代わりに、ドプラ情報を検出するドプラ処
理を行う構成である。
【0057】より具体的には、図4のDSP基板33を
装着する代わりに別のDSP基板(便宜上、33′とす
る)を装着する。このDSP基板33′はDSP基板3
3と同じ構成であるが、DSP基板33のEEPROM
34に書き込まれた逆フィルタ処理を行うプログラムの
代わりに、ドプラ処理を行うプログラムを格納したEE
PROMを搭載したDSP基板である。
【0058】また、本実施の形態では、モータ13の回
転角をステップ状に設定できるようにしている。例え
ば、1回転を750分割して、その中で任意の回転角に
停止可能に回転を制御する。
【0059】そして、ドプラ情報を得ようとする場合に
は、所望とする任意の回転角において、回転を停止さ
せ、超音波振動子3から超音波ビーム(超音波パルス)
を複数回、送信し、その受信信号から自己相関法などに
より、送信毎の(受信信号における)位相変化量を検出
して、ドプラ情報を抽出する。
【0060】図6は血流検出のために、ドプラ情報を検
出するためのタイミングシーケンスを示す。
【0061】図6(A)は超音波振動子3の回転角を示
すもので、血流検出時は超音波振動子3をステップ状に
回転させる。回転角Dの時に図6(B)に示すように超
音波パルスを10回ほど送信する。そして、送信毎に超
音波振動子3で受信し、直交検波回路25で複素信号に
変換して、メモリ26に格納する。
【0062】メモリ26への格納が終了したら、回転角
Dから例えば1ステップだけ回転させて回転角D+1に
設定し、同様にこの角度D+1で超音波パルスを10回
ほど送信する。そして、送信毎に超音波振動子3で受信
し、直交検波回路25で複素信号に変換して、メモリ2
6に格納する。このようにしてドプラ情報を得ようとす
る所望とする範囲の回転角に対して同様の処理を繰り返
す。
【0063】一方、信号処理回路27では、メモリ26
に格納された複素信号に対して位相変化量を検出して、
ドプラ情報を抽出する。図6(C)に示すように例えば
メモリ26に回転角Dで格納された複素信号から音線n
のドプラ情報を得る。また、メモリ26に回転角D+1
で格納された複素信号から音線n+1のドプラ情報を得
る。以下、同様に所望とする範囲の回転角までドプラ情
報を得る。
【0064】音線ドプラ情報を抽出するためには、従来
から広く用いられている自己相関法などにより、送信毎
の位相変化量を検出し、それをベクトル加算して信号対
雑音比を高める。そして、ベクトル加算された位相変化
量を送信周期で除算することで、ドプラ周波数を検出す
る。このドプラ周波数が正であれば暖色系に着色し、負
であれば寒色系に着色して表示する。
【0065】図6の説明では、モータ13の回転を止め
て10回ほどの送信を行ないドプラ情報を暖色系、寒色
系に着色して表示するが、血流速度を詳細に把握するた
め、一つの回転角に対して例えば128回など多数の送
信を行ない、受信信号の結果をフーリエ変換して周波数
分析した結果を出力することもできる。
【0066】この一方向に多数回送信してそのスペクト
ル分布を求めるのはパルスドプラと呼ばれて、電子走査
型診断装置には広く使用されている。
【0067】本実施の形態は以下の効果を有する。
【0068】回転を停止して複数回の送信を行ない、そ
の受信信号の位相変化量からドプラ情報を抽出すること
で、血流の可視化あるいは、血流速度の分析が可能とな
るという効果がある。
【0069】また、上述したように第2の実施の形態は
第1の実施の形態における逆フィルタの信号処理のプロ
グラムの代わりに自己相関演算を行うプログラムに変更
すれば良いので、上述したDSPボード33からDSP
ボード33′に入れ換える変更を行う代わりにプログラ
ムのみを変更或いは入れ換えるようにしても良い。
【0070】超音波観測装置4に例えばフレキシブルデ
ィスクドライブ(FDDと略記)を設け、このFDDに
フレキシブルディスク(FDと略記)を装着可能とす
る。
【0071】そして、逆フィルタの信号処理のプログラ
ムを書き込んだFDを装着した場合には、第1の実施の
形態の処理を行い、自己相関演算を行うプログラムを書
き込んだFDを装着した場合には第2の実施の形態の動
作を行うようにしても良い。このように特別な回路を追
加をすることなしに第1の実施の形態と第2の実施の形
態とを行えるようにしても良い。
【0072】また、FDの代わりに、フラッシュメモリ
等を採用しても良い。また、1つの記録メディア、例え
ばフラッシュメモリに逆フィルタの信号処理のプログラ
ムと、自己相関演算を行うプログラムとを格納し、使用
中等に一方と他方とをユーザが選択使用できるようにし
ても良い。
【0073】この場合には、分解能向上と血流検出が、
特別な回路追加なしで、超音波振動子3の回転方法の変
更と信号処理回路27のプログラム変更により容易に実
現できるという効果がある。
【0074】[付記] 1.機械式に走査される超音波振動子と、複数の受信信
号を格納するメモリと、その複数の受信信号を用いて逆
フィルタ処理やドプラ検出処理を行なう信号処理回路と
を備え、方位分解能の向上と血流検出とを行なう超音波
診断装置。
【0075】2.機械式に走査される超音波振動子と、
回転角に応じて超音波パルスを印加する送信回路と、送
信毎の受信信号を格納するメモリと、そのメモリから超
音波振動子の焦点以遠の受信信号を複数集めて合成する
逆フィルタ処理手段とを備え、逆フィルタ処理手段によ
り方位分解能を向上させた断層像を表示する超音波診断
装置。
【0076】3.機械式に走査される超音波振動子と、
一つの回転角に対して複数回の超音波パルスを印加する
送信回路と、送信毎の受信信号を格納するメモリと、そ
のメモリの受信信号を用いてドプラ検出処理を行なう信
号処理回路を備え、ドプラ検出処理手段により血流検出
とを行なう超音波診断装置。
【0077】4.超音波の送信および受信を行なう超音
波振動子と、その超音波振動子を回転走査するモータを
組込んだ先端部をもち、体腔内からの診断を行なう付記
1の超音波診断装置。
【0078】5.前記ドプラ検出処理手段は自己相関演
算手段によりドプラ検出処理を行なう付記3の超音波診
断装置。
【0079】6.前記逆フィルタ処理は、複数回の送信
により得られた複数の走査線に対する受信信号から、超
音波ビームの広がりを抑えた超音波ビームを仮想的に送
信した場合に得られる受信信号と等価な受信信号を生成
する処理を行う請求項1記載の機械走査式超音波診断装
置。
【0080】7.被検体に対して超音波振動子を機械的
に走査させ、前記超音波振動子から出射された超音波ビ
ームにおける被検体側で反射された超音波ビームを受信
して得られた複数の走査線に対する受信信号に対して、
個々の超音波ビームの焦点以遠での広がりを抑えた超音
波ビームを仮想的に送信した場合に受信して得られる受
信信号と等価な受信信号を得る逆フィルタ処理を行う信
号処理手段と、前記信号処理手段により得られた信号に
基いて超音波画像を生成する超音波画像生成手段と、を
備えたことを特徴とする超音波画像処理装置。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、被
検体に対して超音波を送受する超音波振動子を機械的に
走査させて超音波画像を得る機械走査式超音波診新装置
において、前記超音波振動子が発する超音波ビームの焦
点を仮想振動子と想定し、前記超音波振動子を走査させ
て得られる複数の走査線に沿った前記焦点以遠の複数の
受信信号を集めて前記仮想振動子から前記被検体までの
距離に基いて逆フィルタ処理を行う信号処理手段と、前
記信号処理手段により得られた信号に基いて超音波画像
を生成する超音波画像生成手段と、を備えているので、
逆フィルタ処理を行うことで遠点側での分解能を改善で
きる。
【0082】また、被検体に対して超音波を送受する超
音波振動子を機械的に走査させて超音波画像を得る機械
走査式超音波診断装置において、前記超音波振動子の1
つの走査位置に対して複数回の超音波信号を発生する超
音波送信手段と、前記超音波送信手段の発生する超音波
信号に基づく超音波受信信号を前記各走査に対応させて
格納する記憶手段と、前記記憶手段が記憶した前記超音
波受信信号を読み出してドプラ検出処理を行う信号処理
手段と、前記信号処理手段により得られた信号に基いて
超音波画像を生成する超音波画像生成手段と、を備えて
いるので、ドプラ現象を用いて血流検出を行なうことの
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の機械走査式超音波
診断装置の全体構成図。
【図2】超音波プローブの先端側の構造を示す断面図。
【図3】超音波観測装置に着脱自在で装着されるDSP
ボードを示す図。
【図4】超音波振動子を回転させた場合における焦点位
置が変化する様子とその焦点位置を仮想振動子と見なす
説明図。
【図5】逆フィルタ処理をしない場合と比較して、逆フ
ィルタ処理をした場合に対応する超音波ビームを示す
図。
【図6】本発明の第2の実施の形態の機械走査式超音波
診断装置における動作説明図。
【符号の説明】
1…機械走査式超音波診断装置 2…超音波プローブ 3…超音波振動子 4…超音波観測装置 5…表示モニタ 6…プローブ挿入部 9…キャップ 10…焦点 11…バッキング材 12…回転伝達部 13…モータ 14…減速ギヤ 15…超音波媒体 18…スリップリング 21…波形発生回路 24…A/D変換器 25…直交検波回路 26…メモリ 27…信号処理回路 28…モータ駆動回路 29…タイミング発生回路 31…スロット 32…DSP 33…DSP基板 34…EEPROM 35…超音波ビーム 36…合成超音波ビーム 36a…焦点以遠の合成超音波ビーム部分

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体に対して超音波を送受する超音波
    振動子を機械的に走査させて超音波画像を得る機械走査
    式超音波診新装置において、 前記超音波振動子が発する超音波ビームの焦点を仮想振
    動子と想定し、前記超音波振動子を走査させて得られる
    複数の走査線に沿った前記焦点以遠の複数の受信信号を
    集めて前記仮想振動子から前記被検体までの距離に基い
    て逆フィルタ処理を行う信号処理手段と、 前記信号処理手段により得られた信号に基いて超音波画
    像を生成する超音波画像生成手段と、 を備えたことを特徴とする機械走査式超音波診断装置。
  2. 【請求項2】 被検体に対して超音波を送受する超音波
    振動子を機械的に走査させて超音波画像を得る機械走査
    式超音波診断装置の超音波画数生成方法において、 前記超音波振動子が発する超音波ビームの焦点を仮想振
    動子と想定し、前記超音波振動子を走査させて得られる
    複数の走査線に沿った前記焦点以遠の複数の受信信号を
    集めて前記仮想振動子から前記被検体までの距離に基い
    て逆フィルタ処理を行う信号処理工程と、 前記信号処理工程により得られた信号も基いて超音波画
    像を生成する超音波画像生成工程と、 を備えたことを特徴とする機械走査式超音波診断装置の
    超音波画像生成方法。
  3. 【請求項3】 被検体に対して超音波を送受する超音波
    振動子を機械的に走査させて超音波画像を得る機械走査
    式超音波診断装置において、 前記超音波振動子の1つの走査位置に対して複数回の超
    音波信号を発生する超音波送信手段と、 前記超音波送信手段の発生する超音波信号に基づく超音
    波受信信号を前記各走査に対応させて格納する記憶手段
    と、 前記記憶手段が記憶した前記超音波受信信号を読み出し
    てドプラ検出処理を行う信号処理手段と、 前記信号処理手段により得られた信号に基いて超音波画
    像を生成する超音波画像生成手段と、 を備えたことを特徴とする機械走査式超音波診断装置。
  4. 【請求項4】 前記超音波振動子とこの超音波振動子を
    走査させる駆動手段とを内蔵するプローブと、 前記駆動手段が前記超音波振動子を駆動するタイミング
    信号を前記超音波送信手段の発生する超音波信号と同期
    させて発生するタイミング信号発生手段と、 を更に備えたことを特徴とする請求項3記載の機械式超
    音波診断装置。
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