JP2007082629A - 超音波プローブ - Google Patents
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Abstract
【課題】 超音波の深達性を十分に向上させることができる超音波プローブを提供する。
【解決手段】 超音波プローブ11の超音波トランスデューサ30は、圧電体と高分子材料とからなる複合圧電体42で形成され、シース17の長手方向(Y軸方向)および短手方向(X軸方向)における超音波の焦点位置FX、FYが略一致するように、曲面形状を有するバッキング材に固着されている。超音波の深達性を向上させることができる。したがって、より高画質な超音波断層画像を取得することができ、正確な医療診断を行うことができる。
【選択図】 図3
【解決手段】 超音波プローブ11の超音波トランスデューサ30は、圧電体と高分子材料とからなる複合圧電体42で形成され、シース17の長手方向(Y軸方向)および短手方向(X軸方向)における超音波の焦点位置FX、FYが略一致するように、曲面形状を有するバッキング材に固着されている。超音波の深達性を向上させることができる。したがって、より高画質な超音波断層画像を取得することができ、正確な医療診断を行うことができる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、超音波トランスデューサを機械的に変位させ、被検体の被観察部位に超音波を走査する超音波プローブに関する。
近年、医療分野において、超音波画像を利用した医療診断が実用化されている。超音波画像は、超音波プローブから被検体の被観察部位に超音波を照射し、そのエコー信号を電気的に検出することによって得られる。また、超音波を走査しながら照射することにより、超音波断層画像を得ることも可能で、超音波を送受信する超音波トランスデューサを機械的に回転あるいは揺動、もしくはスライドさせるメカニカルスキャン機構を備えた超音波プローブも知られている。このような超音波プローブで被検体内の超音波画像を取得する際には、超音波プローブを内視鏡の鉗子口に挿通して、内視鏡の先端に設けられたカメラで超音波プローブの先端が被検体内のどの箇所にあるかを観測しながら行う。
内視鏡の鉗子口に挿入するタイプの超音波プローブは、患者の負担を減らすために径を細くする必要があり、このために超音波トランスデューサには小型のものが用いられている。また、超音波の使用周波数帯域が10MHz以上と高く、超音波が短い距離で減衰してしまうため、超音波の深達性が悪いという問題があった。
上記問題を解決するために、従来は、超音波トランスデューサに音響レンズを取り付け、この音響レンズで超音波ビームを集束させることで、超音波の深達性を向上させていた。また、同様の目的で、超音波トランスデューサが内蔵されたシース表面を凸面形状に形成して、音響レンズの役割を担わせた超音波プローブ(特許文献1参照)や、超音波プローブに用いられる材料と被観察部位の音響インピーダンスの違いにより、超音波ビームが自然に集束することを利用して、シースの材質を変えて超音波の焦点を変更するようにした超音波プローブ(特許文献2参照)も提案されている。さらには、凹面音響レンズと凸面ミラーとを組み合わせて、超音波ビームを集束させるようにした超音波プローブ(特許文献3)が提案されている。
特開平10−71149号公報
特開2004−147673号公報
特開平7−184898号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載の超音波プローブでは、図10に示すように、シース100の長手方向(Y軸方向)および短手方向(X軸方向)の両方における、超音波トランスデューサ101からの超音波の焦点位置fX、fYを考慮しておらず、長手方向と短手方向とで超音波の焦点位置fX、fYが異なるため、Z軸上の超音波の強度は、図11に示すように、2つの焦点位置付近でピークをもつ、全体的に強度の弱い特性となり、超音波の深達性を十分に向上させているとは言い難かった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、超音波の深達性を十分に向上させることができる超音波プローブを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、超音波伝達媒体が充填されたシース内で超音波トランスデューサを機械的に変位させ、前記シースを介して被検体の被観察部位に超音波を走査する超音波プローブにおいて、前記シースの長手方向および短手方向における前記超音波の焦点位置が略一致するように、前記超音波トランスデューサを曲面上に配置したことを特徴とする。
なお、前記超音波トランスデューサは、圧電体と高分子材料とからなる複合圧電体で形成され、曲面形状を有するバッキング材に固着されていることが好ましい。
前記複合圧電体は、ポリマーマトリックス中に角柱または円柱状の圧電体ロッドが立設された1−3型、あるいは、ポリマー中に圧電体の粉体が分散された0−3型であることが好ましい。
前記曲面は、シリンドリカル形状であることが好ましい。
本発明の超音波プローブによれば、シースの長手方向および短手方向における超音波の焦点位置が略一致するように、超音波トランスデューサを曲面上に配置したので、超音波の深達性を十分に向上させることができる。
図1において、超音波診断装置2は、内視鏡10と、超音波プローブ11と、超音波観測器12とからなる。内視鏡10は、軟性部材からなり、被検体内に挿入される挿入部13と、挿入部13の基端部分に連設された操作部14と、内視鏡用モニタ(図示せず)に接続されるコード15とを備えている。挿入部13の先端13aには、被検体内撮影用のカメラ(図示せず)が内蔵されており、このカメラで撮影した画像を内視鏡用モニタを介して観測することが可能となっている。
超音波プローブ11は、内視鏡10の鉗子口16に挿通される。超音波プローブ11は、軟性部材からなる円筒形のシース17と、後述するモータ49など(図3参照)が内蔵されたトランスレータ18と、超音波観測器12に接続されるコード19とを備えている。
超音波観測器12は、超音波断層画像を表示するモニタ20を備えている。なお、内視鏡用モニタとモニタ20とを兼用してもよい。
図2において、シース17の先端17aには、超音波トランスデューサ30が内蔵されている。超音波トランスデューサ30は、コントロールケーブル31が連結された台座32に載置されている。コントロールケーブル31は、フレキシブルシャフト31aと、フレキシブルシャフト31aを被覆する可撓チューブ31bとからなる。
フレキシブルシャフト31aの先端は台座32に連結され、その基端はトランスレータ18内に延長されており、トランスレータ18に内蔵されたモータ49(図3参照)により、所定の回転速度(例えば10〜40回転/秒)で回転駆動される。これにより、超音波トランスデューサ30は、フレキシブルシャフト31aを回転軸として所定の回転速度で回転される。なお、以下の説明では、シース17の短手方向(紙面に垂直な方向)をX軸方向、長手方向をY軸方向、超音波トランスデューサ30から発せられる超音波ビームの照射方向をZ軸方向と規定する。
先端17aの空間内には、超音波伝達媒体33が充填されている。この超音波伝達媒体33は、超音波の伝達効率を向上させるとともに、超音波トランスデューサ30の回転を円滑にする潤滑油として働く。なお、超音波伝達媒体33としては、水、カルボキシルメチルセルロース(CMC)水溶液、生理食塩水、ひまし油、流動パラフィンなどが用いられる。
図3に示すように、超音波トランスデューサ30は、フェライトゴム製のバッキング材40上に、電極41a、41b、複合圧電体42、およびエポキシ樹脂製の音響整合層43が積層されてなる。バッキング材40の表面は、YZ平面で切り取った断面が略半楕円形状の凹み44をもつ曲面形状となっており、電極41a、41bで挟まれた複合圧電体42が固着されている。
複合圧電体42は、例えば、図4(A)に示すように、ポリマーマトリックス50中に角柱(または円柱)状の圧電体(圧電体ロッド)51がZ軸方向に立設された1−3型複合圧電体52、あるいは、(B)に示すように、ポリマー53中に圧電体の粉体54が分散された0−3型複合圧電体55などからなり、可撓性を有している。これにより、曲面形状を有するバッキング材40の表面に、複合圧電体42を固着することが可能となっている。
図3に戻って、両電極41a、41bには、配線45a、45bがそれぞれ接続されている。電極41b側の配線45bは、アースに接続されている。一方、電極41a側の配線45aは、コントロールケーブル31内に挿通され、トランスレータ18内の送信部46、および受信部47に接続されている。
送信部46は、コントローラ48の制御の下に、超音波トランスデューサ30から超音波を発生させる際(超音波の送信時)に、電極41a、41bを介して複合圧電体42にパルス電圧を印加する。これにより、超音波トランスデューサ30は、所定の周波数帯域、例えば10〜30MHzの超音波を発生する。
図5に示すように、超音波トランスデューサ30から発せられる超音波は、超音波トランスデューサ30自体の曲面形状、およびシース17のレンズ効果により、X、Y軸方向における焦点位置FX、FYが一致している。これにより、Z軸上の超音波の強度は、図6に示すように、焦点位置FX=FY付近で強いピークをもつ特性となる。
再び図3に戻って、受信部47は、コントローラ48の制御の下に、被観察部位からのエコー信号を超音波トランスデューサ30で受信した際(超音波の受信時)に、複合圧電体42に発生する電圧を測定し、この測定結果をコントローラ48に送信する。コントローラ48は、受信部47から送信された測定結果を元に超音波断層画像を生成し、これを超音波観測器12に送信する。
被検体内の超音波断層画像を取得する際には、超音波プローブ11が鉗子口16に挿通された内視鏡10の挿入部13が被検体内に挿入され、内視鏡用モニタにより被検体内が観測されながら、被観察部位が探索される。
被観察部位にシース17の先端17aが到達し、フリーズが解除されて超音波断層画像を取得する指示がなされると、フレキシブルシャフト31aを回転軸として、超音波トランスデューサ30が所定の回転速度で回転される。
そして、コントローラ48により超音波トランスデューサ30の超音波の送受信が切り替えられながら、送信部46からのパルス電圧の印加により、超音波トランスデューサ30から超音波が発せられ、シース17を介して被観察部位に超音波が走査される。また、被観察部位からのエコー信号が超音波トランスデューサ30で受信され、受信部47により複合圧電体42に発生した電圧が測定される。
被観察部位に超音波が走査される際には、超音波トランスデューサ30から発せられる超音波のX、Y軸方向における焦点位置FX、FYが、超音波トランスデューサ30自体の曲面形状、およびシース17のレンズ効果により一点に集束される。
受信部47の測定結果はコントローラ48に送信され、これを元にコントローラ48で超音波断層画像が生成される。生成された超音波断層画像は、コード19を介して超音波観測器12に送信され、モニタ20に表示される。
以上説明したように、X、Y軸方向における超音波の焦点位置FX、FYが一致するように、超音波トランスデューサ30を、曲面形状を有するバッキング材40上に固着したので、超音波の深達性を向上させることができる。したがって、より高画質な超音波断層画像を取得することができ、正確な医療診断を行うことができる。
また、超音波トランスデューサ30を、圧電体と高分子材料とからなる複合圧電体42から形成したので、曲面形状を有するバッキング材40に簡単に固着することができ、工数の削減に寄与することができる。特に、1−3型複合圧電体52は、電気−機械変換係数が大きいので、より好ましい。
なお、超音波トランスデューサとしては、上記実施形態の超音波トランスデューサ30に限らず、例えば、図7に示す超音波トランスデューサ60を用いてもよい。超音波トランスデューサ60は、XZ、YZ両平面で切り取った断面が略半楕円形状となった、いわゆるシリンドリカル形状の凹み61を有している。この凹み61は、超音波トランスデューサ30の場合と同様に、バッキング材の表面に形成されており、超音波トランスデューサ60は、この表面に上記実施形態と同様の複合圧電体を固着することで作製される。
超音波トランスデューサ60から発せられる超音波のX、Y軸方向における焦点位置FX’、FY’は、図8に示すように、略一致しているが若干ずれるようになる。これにより、Z軸上の超音波の強度は、図9に示すように、焦点位置FX’、FY’付近でブロードなピークをもつ特性となる。このようにすると、超音波の深達性の向上とともに、超音波の焦域を拡大することができる。
上記実施形態では、内視鏡10の鉗子口16に挿入して使用される超音波プローブ11を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、内視鏡と一体となった、いわゆる超音波内視鏡にも適用することができる。
2 超音波診断装置
10 内視鏡
11 超音波プローブ
12 超音波観測器
17 シース
20 モニタ
30、60 超音波トランスデューサ
33 超音波伝達媒体
40 バッキング材
42 複合圧電体
48 コントローラ
50 ポリマーマトリックス
51 圧電体ロッド
52 1−3型複合圧電体
53 ポリマー
54 粉体
55 0−3型複合圧電体
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51 圧電体ロッド
52 1−3型複合圧電体
53 ポリマー
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55 0−3型複合圧電体
Claims (5)
- 超音波伝達媒体が充填されたシース内で超音波トランスデューサを機械的に変位させ、前記シースを介して被検体の被観察部位に超音波を走査する超音波プローブにおいて、
前記シースの長手方向および短手方向における前記超音波の焦点位置が略一致するように、前記超音波トランスデューサを曲面上に配置したことを特徴とする超音波プローブ。 - 前記超音波トランスデューサは、圧電体と高分子材料とからなる複合圧電体で形成され、曲面形状を有するバッキング材に固着されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波プローブ。
- 前記複合圧電体は、ポリマーマトリックス中に角柱または円柱状の圧電体ロッドが立設された1−3型であることを特徴とする請求項2に記載の超音波プローブ。
- 前記複合圧電体は、ポリマー中に圧電体の粉体が分散された0−3型であることを特徴とする請求項2に記載の超音波プローブ。
- 前記曲面は、シリンドリカル形状であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の超音波プローブ。
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JP2005272754A JP2007082629A (ja) | 2005-09-20 | 2005-09-20 | 超音波プローブ |
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010044382A1 (ja) * | 2008-10-14 | 2010-04-22 | オリンパスメディカルシステムズ株式会社 | 超音波プローブ |
JP2016015354A (ja) * | 2014-06-30 | 2016-01-28 | 富士フイルム株式会社 | 電気音響変換フィルムおよび電気音響変換フィルムの導通方法 |
CN110234056A (zh) * | 2019-06-21 | 2019-09-13 | 京东方科技集团股份有限公司 | 换能器及其制备方法、换能装置 |
-
2005
- 2005-09-20 JP JP2005272754A patent/JP2007082629A/ja active Pending
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WO2010044382A1 (ja) * | 2008-10-14 | 2010-04-22 | オリンパスメディカルシステムズ株式会社 | 超音波プローブ |
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JPWO2010044382A1 (ja) * | 2008-10-14 | 2012-03-15 | オリンパスメディカルシステムズ株式会社 | 超音波プローブ |
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Date | Code | Title | Description |
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A711 | Notification of change in applicant |
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