JP2002319854A - 差動入力回路 - Google Patents

差動入力回路

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JP2002319854A
JP2002319854A JP2001123051A JP2001123051A JP2002319854A JP 2002319854 A JP2002319854 A JP 2002319854A JP 2001123051 A JP2001123051 A JP 2001123051A JP 2001123051 A JP2001123051 A JP 2001123051A JP 2002319854 A JP2002319854 A JP 2002319854A
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voltage
input
signal
differential amplifier
differential
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Masahiro Hasegawa
昌宏 長谷川
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Renesas Micro Systems Co Ltd
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Renesas Micro Systems Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低電源電圧であっても受信可能入力信号電圧範
囲が広く、LVDS規格に定められる差動信号をデュー
ティ比を崩すことなく受信することができ、さらに入出
力間の遅延時間も小さい差動入力回路を提供すること。 【解決手段】正転入力端子IN+と、反転入力端子IN
−と、出力端子OUTと、同一の差動入力信号が与えら
れ互いに異なるコモンモード入力電圧範囲を有する高電
圧側差動増幅器1及び低電圧側差動増幅器2と、入力信
号の電圧を基準電圧VR1と比較して比較結果に対応す
る選択信号を出力する比較器3と、選択信号に基づき高
電圧側差動増幅器1及び低電圧側差動増幅器2のそれぞ
れの出力信号のうちの1つを選択して出力するセレクタ
4と、を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、差動入力回路に関
し、特に、低電源電圧であっても受信可能入力信号電圧
範囲が広く、LVDS規格を満足することができる差動
入力回路に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器は低電源電圧化されてき
ているが、IEEEにより標準化されたLVDS(Lo
w Voltage Differential Si
gnals)規格の小振幅高速差動信号を受信するため
には、振幅100〜400mVの差動信号を、入力電圧
範囲0〜2.4Vにわたって受信する必要がある。そこ
で、従来例の差動入力回路として、特開平9−7434
0公報に記載された図7に示す構成が知られている。図
7に示すように、従来例の差動入力回路は、受信可能入
力電圧範囲即ちコモンモード入力電圧範囲が異なる低電
圧側と高電圧側をサポートする2つの差動コンパレータ
回路C1、C2により差動入力端子IN+、IN−から
の差動入力信号を受け、差動コンパレータ回路C1の出
力信号を遅延回路104を介してANDゲート107に
入力し、差動コンパレータ回路C2の出力信号をインバ
ータ105、遅延回路106を介してANDゲート10
7に入力し、ANDゲート107の出力信号を差動入力
回路の出力端子OUTに送出している。そして、受信可
能なコモンモード入力電圧の範囲においては、遅延回路
104、106により位相補正が行われて出力端子OU
Tからの出力信号の論理誤動作が防止され、受信不可能
なコモンモード入力電圧の範囲においては、動作しなく
なった方の差動コンパレータ回路の出力をプルアップ抵
抗102又はプルダウン抵抗103によりハイレベル又
はロウレベルに固定する構成になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、差動コンパレ
ータ回路C1、C2両方が受信可能なコモンモード入力
電圧の範囲においては、受信可能範囲限界付近で差動コ
ンパレータC1、C2の出力信号波形のデューティ比が
崩れ、その結果として出力端子OUTからの出力信号の
デューティ比も崩れてしまうという問題があり、さら
に、遅延回路104、106を介しているため、差動入
力回路としての遅延時間が大きくなってしまうという問
題もある。
【0004】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであって、低電源電圧であっても受信可能入力信号
電圧範囲が広く、LVDS規格に定められる差動信号を
デューティ比を崩すことなく受信することができ、さら
に入出力間の遅延時間も小さい差動入力回路を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の差動入力回路
は、同一の入力信号が与えられ互いに異なるコモンモー
ド入力電圧範囲を有するn(nは2以上の整数)個の差
動増幅器と、前記入力信号の電圧を基準電圧と比較して
前記比較結果に対応する選択信号を出力するn−1個の
比較器と、前記選択信号に基づき前記n個の差動増幅器
のそれぞれの出力信号のうちの1つを選択して出力する
セレクタと、を備えることを特徴とする。
【0006】また、同一の入力信号が与えられ互いに異
なるコモンモード入力電圧範囲を有するn(nは2以上
の整数)個の差動増幅器と、前記入力信号の電圧を基準
電圧と比較して前記比較結果に対応する第1の選択信号
を出力するn−1個の比較器と、前記入力信号の遅延信
号を出力する遅延回路と、前記n−1個の比較器に1対
1に対応して前記第1の選択信号を前記遅延信号により
ラッチした第2の選択信号を出力するn−1個のフリッ
プフロップと、前記第2の選択信号に基づき前記n個の
差動増幅器のそれぞれの出力信号のうちの1つを選択し
て出力するセレクタと、を備えることを特徴とする。
【0007】また、前記差動増幅器毎に、前記コモンモ
ード入力電圧範囲における前記出力信号のデューティ比
が一定であることを特徴とする。
【0008】また、前記差動増幅器毎の前記コモンモー
ド入力電圧範囲における前記出力信号のデューティ比が
互いに等しいことを特徴とする。
【0009】また、前記差動増幅器毎の前記コモンモー
ド入力電圧範囲が互いに部分的に重複することを特徴と
する。
【0010】また、前記基準電圧が、前記重複する電圧
範囲内に設定されることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施の形
態の差動入力回路の構成図である。図1に示すように、
本発明の第1の実施の形態の差動入力回路は、正転入力
端子IN+と、反転入力端子IN−と、出力端子OUT
と、同一の差動入力信号が与えられ互いに異なるコモン
モード入力電圧範囲を有する高電圧側差動増幅器1及び
低電圧側差動増幅器2と、入力信号の電圧を基準電圧V
R1と比較して比較結果に対応する選択信号を出力する
比較器3と、選択信号に基づき高電圧側差動増幅器1及
び低電圧側差動増幅器2のそれぞれの出力信号のうちの
1つを選択して出力するセレクタ4と、を備えている。
【0012】高電圧側差動増幅器1が有するコモンモー
ド入力電圧範囲とは、図1には図示されていない低電位
側電源電圧VSS(0V)を基準とする正転入力端子1
a及び反転入力端子1bの同相モードのダイナミックレ
ンジのことであり、低電圧側差動増幅器2が有するコモ
ンモード入力電圧範囲とは、低電位側電源電圧VSSを
基準とする正転入力端子2a及び反転入力端子2bの同
相モードのダイナミックレンジのことである。
【0013】高電圧側差動増幅器1の正転入力端子1a
は、正転入力端子IN+に接続され、高電圧側差動増幅
器1の反転入力端子1bは、反転入力端子IN−に接続
され、高電圧側差動増幅器1の出力端子1cは、セレク
タ4に接続されている。
【0014】低電圧側差動増幅器2の正転入力端子2a
は、正転入力端子IN+に接続され、低電圧側差動増幅
器2の反転入力端子2bは、反転入力端子IN−に接続
され、低電圧側差動増幅器2の出力端子2cは、セレク
タ4に接続されている。
【0015】比較器3の正極入力端子は、反転入力端子
IN−に接続され、比較器3の負極入力端子には、低電
位側電源電圧VSSを基準とする基準電圧VR1が与え
られている。
【0016】比較器3は、反転入力端子IN−の電圧が
基準電圧VR1以上のとき、比較結果に対応して論理H
レベルの選択信号を出力し、反転入力端子IN−の電圧
が基準電圧VR1未満のとき、比較結果に対応して論理
Lレベルの選択信号を出力する。
【0017】セレクタ4は、選択信号を受け、選択信号
が論理Hレベルのとき、高電圧側差動増幅器1の出力端
子1cからの出力信号を選択して出力端子OUTに送出
し、選択信号が論理Lレベルのとき、低電圧側差動増幅
器2の出力端子2cからの出力信号を選択して出力端子
OUTに送出する。
【0018】次に、図2は、3V以下の電源電圧に対応
できる高電圧側差動増幅器1の具体例の構成図である。
高電圧側差動増幅器1は、差動対としてのNチャネルM
OSトランジスタN1及びNチャネルMOSトランジス
タN2と、負荷としてのPチャネルMOSトランジスタ
P1及びPチャネルMOSトランジスタP2と、波形整
形用のインバータI1と、定電流源としてのNチャネル
MOSトランジスタN3と、を備えている。
【0019】NチャネルMOSトランジスタN1のゲー
ト端子が正転入力端子1aとなり、NチャネルMOSト
ランジスタN2のゲート端子が反転入力端子1bとな
る。
【0020】NチャネルMOSトランジスタN1のソー
ス端子及びNチャネルMOSトランジスタN2のソース
端子がNチャネルMOSトランジスタN3のドレイン端
子に接続され、NチャネルMOSトランジスタN3のソ
ース端子に低電位側電源電圧VSSが与えられる。
【0021】NチャネルMOSトランジスタN3のゲー
ト端子にはバイアス電圧VGNが与えられる。
【0022】NチャネルMOSトランジスタN1のドレ
イン端子がPチャネルMOSトランジスタP1のドレイ
ン端子に接続され、NチャネルMOSトランジスタN2
のドレイン端子がPチャネルMOSトランジスタP2の
ドレイン端子に接続されている。
【0023】PチャネルMOSトランジスタP1のゲー
ト端子がPチャネルMOSトランジスタP2のゲート端
子に接続され、PチャネルMOSトランジスタP2のゲ
ート端子がPチャネルMOSトランジスタP2のドレイ
ン端子に接続されている。
【0024】PチャネルMOSトランジスタP1及びP
チャネルMOSトランジスタP2のソース端子に高電位
側電源電圧VDDが与えられる。
【0025】インバータI1の入力端子がNチャネルM
OSトランジスタN1のドレイン端子に接続され、イン
バータI1の出力端子が出力端子1cとなる。
【0026】以上の構成により、正転入力端子1a及び
反転入力端子1bに与えられる差動入力信号は、差動対
および負荷により増幅され、さらにインバータI1によ
り波形が整形され、出力端子1cに送出される。
【0027】ここで、高電圧側差動増幅器1のコモンモ
ード入力電圧範囲が低電圧側差動増幅器2のコモンモー
ド入力電圧範囲と最大入力電圧範囲(0Vから2.4V
まで)の中心付近で互いに部分的に重複するようにする
ため、出力信号のデューティ比が一定となるコモンモー
ド入力電圧範囲がおよそ0.9Vから2.4Vまでにな
るように、NチャネルMOSトランジスタN1、N2及
びN3の閾値VTが調整されている。
【0028】次に、図3は、3V以下の電源電圧に対応
できる低電圧側差動増幅器2の具体例の構成図である。
低電圧側差動増幅器2は、差動対としてのPチャネルM
OSトランジスタP4及びPチャネルMOSトランジス
タP5と、負荷としてのNチャネルMOSトランジスタ
N4及びNチャネルMOSトランジスタN5と、波形整
形用のインバータI2と、定電流源としてのPチャネル
MOSトランジスタP3と、を備えている。
【0029】PチャネルMOSトランジスタP4のゲー
ト端子が正転入力端子2aとなり、PチャネルMOSト
ランジスタP5のゲート端子が反転入力端子2bとな
る。
【0030】PチャネルMOSトランジスタP4のソー
ス端子及びPチャネルMOSトランジスタP5のソース
端子がPチャネルMOSトランジスタP3のドレイン端
子に接続され、PチャネルMOSトランジスタP3のソ
ース端子に高電位側電源電圧VDDが与えられる。
【0031】PチャネルMOSトランジスタP3のゲー
ト端子にはバイアス電圧VGPが与えられる。
【0032】PチャネルMOSトランジスタP4のドレ
イン端子がNチャネルMOSトランジスタN4のドレイ
ン端子に接続され、PチャネルMOSトランジスタP5
のドレイン端子がNチャネルMOSトランジスタN5の
ドレイン端子に接続されている。
【0033】NチャネルMOSトランジスタN4のゲー
ト端子がNチャネルMOSトランジスタN5のゲート端
子に接続され、NチャネルMOSトランジスタN5のゲ
ート端子がNチャネルMOSトランジスタN5のドレイ
ン端子に接続されている。
【0034】NチャネルMOSトランジスタN4及びN
チャネルMOSトランジスタN5のソース端子に低電位
側電源電圧VSSが与えられる。
【0035】インバータI2の入力端子がPチャネルM
OSトランジスタP4のドレイン端子に接続され、イン
バータI2の出力端子が出力端子2cとなる。
【0036】以上の構成により、正転入力端子2a及び
反転入力端子2bに与えられる差動入力信号は、差動対
および負荷により増幅され、さらにインバータI2によ
り波形が整形され、出力端子2cに送出される。
【0037】ここで、低電圧側差動増幅器2のコモンモ
ード入力電圧範囲が高電圧側差動増幅器1のコモンモー
ド入力電圧範囲と最大入力電圧範囲(0Vから2.4V
まで)の中心付近で互いに部分的に重複するようにする
ため、出力信号のデューティ比が一定となるコモンモー
ド入力電圧範囲がおよそ0Vから1.5Vまでになるよ
うに、PチャネルMOSトランジスタP3、P4及びP
5の閾値VTが調整されている。
【0038】また、以上の構成において、図2に示す高
電圧側差動増幅器1のコモンモード入力電圧範囲におけ
る出力信号のデューティ比と、図3に示す低電圧側差動
増幅器2のコモンモード入力電圧範囲における出力信号
のデューティ比とが互いに等しくなるように、Pチャネ
ルMOSトランジスタP1及びP2、NチャネルMOS
トランジスタN4及びN5のサイズ等が調整されてい
る。
【0039】また、以上の構成において、図1に示す基
準電圧VR1が、高電圧側差動増幅器1のコモンモード
入力電圧範囲と低電圧側差動増幅器2のコモンモード入
力電圧範囲との重複する電圧範囲(0.9Vから1.5
Vまで)の中心である1.2Vに設定されている。
【0040】次に動作を説明する。図4は、本発明の第
1の実施の形態の差動入力回路の動作説明図であり、本
発明の第1の実施の形態の差動入力回路にデューティ比
が一定のLVDS信号が入力され、そのコモンモード電
圧が最大入力電圧範囲(0Vから2.4Vまで)内で変
動したときの、高電圧側差動増幅器1及び低電圧側差動
増幅器2のそれぞれの出力信号のデューティ比について
示している。
【0041】先ず、入力されるLVDS信号のコモンモ
ード電圧が0Vから0.6V付近までの低い範囲のと
き、高電圧側差動増幅器1はコモンモード入力電圧範囲
より低いため、LVDS信号を受けても受信できない。
【0042】一方、低電圧側差動増幅器2はコモンモー
ド入力電圧範囲内にあるため、LVDS信号を受信可能
であり、LVDS信号と同じデューティ比であって、し
かもデューティ比が一定である信号波形を出力する。
【0043】このとき、反転入力端子IN−の入力電圧
が比較器3の基準電圧VR1=1.2V未満であるた
め、比較器3は低電圧側差動増幅器2を選択する信号を
セレクタ4に送り、低電圧側差動増幅器2の出力信号が
出力端子OUTに送出される。
【0044】次に、入力されるLVDS信号のコモンモ
ード電圧が0.6Vから0.9Vまでの範囲のとき、高
電圧側差動増幅器1はLVDS信号を一応受信可能では
あるが、コモンモード入力電圧範囲より低いため、デュ
ーティ比の崩れた信号波形を出力する。
【0045】一方、低電圧側差動増幅器2はコモンモー
ド入力電圧範囲内にあるため、LVDS信号を受信可能
であり、LVDS信号と同じデューティ比であって、し
かもデューティ比が一定である信号波形を出力する。
【0046】このとき、反転入力端子IN−の入力電圧
が比較器3の基準電圧VR1=1.2V未満であるた
め、比較器3は低電圧側差動増幅器2を選択する信号を
セレクタ4に送り、低電圧側差動増幅器2の出力信号が
出力端子OUTに送出される。
【0047】次に、入力されるLVDS信号のコモンモ
ード電圧が1.8V付近から2.4Vまでの高い範囲の
とき、高電圧側差動増幅器1はコモンモード入力電圧範
囲内にあるため、LVDS信号を受信可能であり、LV
DS信号と同じデューティ比であって、しかもデューテ
ィ比が一定である信号波形を出力する。
【0048】一方、低電圧側差動増幅器2はコモンモー
ド入力電圧範囲より高いため、LVDS信号を受けても
受信できない。
【0049】このとき、反転入力端子IN−の入力電圧
が比較器3の基準電圧VR1=1.2V以上であるた
め、比較器3は高電圧側差動増幅器1を選択する信号を
セレクタ4に送り、高電圧側差動増幅器1の出力信号が
出力端子OUTに送出される。
【0050】次に、入力されるLVDS信号のコモンモ
ード電圧が1.5Vから1.8Vまでの範囲のとき、高
電圧側差動増幅器1はコモンモード入力電圧範囲内にあ
るため、LVDS信号を受信可能であり、LVDS信号
と同じデューティ比であって、しかもデューティ比が一
定である信号波形を出力する。
【0051】一方、低電圧側差動増幅器2はLVDS信
号を一応受信可能ではあるが、コモンモード入力電圧範
囲より高いため、デューティ比の崩れた信号波形を出力
する。
【0052】このとき、反転入力端子IN−の入力電圧
が比較器3の基準電圧VR1=1.2V以上であるた
め、比較器3は高電圧側差動増幅器1を選択する信号を
セレクタ4に送り、高電圧側差動増幅器1の出力信号が
出力端子OUTに送出される。
【0053】次に、入力されるLVDS信号のコモンモ
ード電圧が0.9Vから1.5Vまでの範囲Aのとき、
高電圧側差動増幅器1及び低電圧側差動増幅器2は、そ
れぞれのコモンモード入力電圧範囲内にあるため、LV
DS信号を受信可能であり、LVDS信号と同じデュー
ティ比であって、しかもデューティ比が一定である信号
波形を出力する。
【0054】このとき、反転入力端子IN−の入力電圧
が比較器3の基準電圧VR1=1.2Vと交差するが、
反転入力端子IN−電圧が1.2V以上の期間は比較器
3が高電圧側差動増幅器1の出力信号を選択して出力端
子OUTに送出し、反転入力端子IN−電圧が1.2V
未満の期間は比較器3が低電圧側差動増幅器2の出力信
号を選択して出力端子OUTに送出するので、結局、L
VDS信号と同じデューティ比であって、しかもデュー
ティ比が一定である信号波形が送出される。
【0055】また、このとき、範囲Aの中心である1.
2Vを基準電圧VR1に設定しているので、範囲Aの高
低方向の境界までのマージンが等しくなり、出力信号の
デューティ比が最も安定となる。
【0056】以上説明したように、本発明の第1の実施
の形態の差動入力回路の構成によれば、高電圧側差動増
幅器1及び低電圧側差動増幅器2がデューティ比を保証
できるコモンモード入力電圧範囲を、その一部分の0.
9Vから1.5Vまで重複させ、比較器によりこの重複
範囲の中心電圧1.2Vと入力信号電圧とを比較するこ
とにより、入力信号波形が高電圧側差動増幅器1及び低
電圧側差動増幅器2のコモンモード入力電圧範囲の境界
に達する前に、デューティ比の崩れる側の差動増幅器の
出力信号を他方のデューティ比の整った側の差動増幅器
の出力信号に切換えるようにしたので、3V以下のよう
な低電源電圧であっても、受信可能入力信号電圧範囲が
広く、LVDS規格に定められる差動信号をデューティ
比を崩すことなく受信することができるという効果が得
られる。
【0057】さらに、従来のように遅延回路を必要とし
ないので、正転入力端子IN+及び反転入力端子IN−
から出力端子OUTまでの信号遅延時間を小さくするこ
とができるという効果も得られる。
【0058】図5は、本発明の第2の実施の形態の差動
入力回路の構成図であり、差動増幅器数を3個とし比較
器を2個として、差動増幅器の1個あたりがカバーする
コモンモード入力電圧範囲を狭くして、出力信号波形の
デューティ比精度を向上させるようにした構成である。
【0059】図5における高電圧側差動増幅器5、低電
圧側差動増幅器7は、それぞれ図1に示す本発明の第1
の実施の形態の差動入力回路における高電圧側差動増幅
器1、低電圧側差動増幅器2と同様とし、中間電圧差動
増幅器6は、高電圧側差動増幅器1又は低電圧側差動増
幅器2のどちらか一方と同様としている。
【0060】図5に示すように、本発明の第2の実施の
形態の差動入力回路は、正転入力端子IN+と、反転入
力端子IN−と、出力端子OUTと、同一の差動入力信
号が与えられ互いに異なるコモンモード入力電圧範囲を
有する高電圧側差動増幅器5、中間電圧差動増幅器6及
び低電圧側差動増幅器7と、入力信号の電圧を基準電圧
VR2と比較して比較結果に対応する選択信号を出力す
る比較器8と、入力信号の電圧を基準電圧VR3と比較
して比較結果に対応する選択信号を出力する比較器9
と、2つの選択信号に基づき高電圧側差動増幅器5、中
間電圧差動増幅器6及び低電圧側差動増幅器7のそれぞ
れの出力信号のうちの1つを選択して出力するセレクタ
10と、を備えている。
【0061】高電圧側差動増幅器5の正転入力端子は、
正転入力端子IN+に接続され、高電圧側差動増幅器5
の反転入力端子は、反転入力端子IN−に接続され、高
電圧側差動増幅器5の出力端子は、セレクタ10に接続
されている。
【0062】中間電圧差動増幅器6の正転入力端子は、
正転入力端子IN+に接続され、中間電圧差動増幅器6
の反転入力端子は、反転入力端子IN−に接続され、中
間電圧差動増幅器6の出力端子は、セレクタ10に接続
されている。
【0063】低電圧側差動増幅器7の正転入力端子は、
正転入力端子IN+に接続され、低電圧側差動増幅器7
の反転入力端子は、反転入力端子IN−に接続され、低
電圧側差動増幅器7の出力端子は、セレクタ10に接続
されている。
【0064】比較器8の正極入力端子は、反転入力端子
IN−に接続され、比較器8の負極入力端子には、低電
位側電源電圧VSSを基準とする基準電圧VR2が与え
られている。基準電圧VR2は、高電圧側差動増幅器5
のコモンモード入力電圧範囲と中間電圧差動増幅器6の
コモンモード入力電圧範囲との重複範囲の中心電圧に設
定される。
【0065】比較器9の正極入力端子は、反転入力端子
IN−に接続され、比較器9の負極入力端子には、低電
位側電源電圧VSSを基準とする基準電圧VR3が与え
られている。基準電圧VR3は、中間電圧差動増幅器6
のコモンモード入力電圧範囲と低電圧側差動増幅器7の
コモンモード入力電圧範囲との重複範囲の中心電圧に設
定される。
【0066】比較器8は、反転入力端子IN−の電圧が
基準電圧VR2以上のとき、比較結果に対応して論理H
レベルの選択信号を出力し、反転入力端子IN−の電圧
が基準電圧VR2未満のとき、比較結果に対応して論理
Lレベルの選択信号を出力する。
【0067】比較器9は、反転入力端子IN−の電圧が
基準電圧VR3以上のとき、比較結果に対応して論理H
レベルの選択信号を出力し、反転入力端子IN−の電圧
が基準電圧VR3未満のとき、比較結果に対応して論理
Lレベルの選択信号を出力する。
【0068】セレクタ10は、2つの選択信号を受け、
比較器8からの選択信号が論理Hレベルであって比較器
9からの選択信号が論理Hレベルのとき、高電圧側差動
増幅器5の出力端子からの出力信号を選択して出力端子
OUTに送出し、比較器8からの選択信号が論理Lレベ
ルであって比較器9からの選択信号が論理Hレベルのと
き、中間電圧差動増幅器6の出力端子からの出力信号を
選択して出力端子OUTに送出し、比較器8からの選択
信号が論理Lレベルであって比較器9からの選択信号が
論理Lレベルのとき、低電圧側差動増幅器7の出力端子
からの出力信号を選択して出力端子OUTに送出する。
【0069】以上説明したように、本発明の第2の実施
の形態の差動入力回路によれば、本発明の第1の実施の
形態の差動入力回路に比べ、差動増幅器1個あたりのコ
モンモード入力電圧範囲が狭くなるため最適化が容易と
なり、出力信号波形のデューティ比精度を向上させるこ
とができる。
【0070】次に、図6は、本発明の第3の実施の形態
の差動入力回路の構成図であり、セレクタの出力信号切
換えタイミングを遅延回路により出力信号の論理状態変
化後の安定した部分にシフトし、切換えにともなう過渡
ノイズの発生を防ぐようにした構成である。
【0071】本発明の第3の実施の形態の差動入力回路
の構成と、図1に示す本発明の第1の実施の形態の差動
入力回路の構成との相違部分は、遅延回路11及びフリ
ップフロップ12が追加された部分であり、その他の構
成部分は同じであるため、同一構成部分には同一符号を
付し、その説明を省略する。
【0072】遅延回路11は、反転入力端子IN−から
の入力信号を位相遅延した遅延信号をフリップフロップ
12のクロック端子に出力する。
【0073】フリップフロップ12のデータ端子には、
比較器3から出力される選択信号が入力される。
【0074】フリップフロップ12は、比較器3から出
力される選択信号を、遅延信号の上昇下降の両方のエッ
ジ点でラッチした選択信号を生成し、セレクタ4に与え
る。
【0075】以上説明したように、本発明の第3の実施
の形態の差動入力回路の構成によれば、選択信号が変化
するタイミングを、遅延回路11により高電圧側差動増
幅器1又は低電圧側差動増幅器2の出力信号が変化した
後にシフトさせることにより、セレクタ4の切換えにと
もなう過渡ノイズの発生を防ぐことができるという効果
が得られる。
【0076】このとき、遅延回路11は、セレクタ4の
切換えタイミングに関係するのみであるため、差動入力
回路としての信号遅延には全く影響を与えない。
【0077】また、遅延回路11の入力を比較器3から
出力される選択信号とする構成に変更しても、同様の効
果が得られる。
【0078】
【発明の効果】本発明による効果は、低電源電圧であっ
ても受信可能入力信号電圧範囲が広く、LVDS規格に
定められる差動信号をデューティ比を崩すことなく受信
することができ、さらに入出力間の遅延時間も小さい差
動入力回路を実現できることである。
【0079】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の差動入力回路の構
成図である。
【図2】図1における高電圧側差動増幅器の構成図であ
る。
【図3】図1における低電圧側差動増幅器の構成図であ
る。
【図4】本発明の第1の実施の形態の差動入力回路の動
作説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の差動入力回路の構
成図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態の差動入力回路の構
成図である。
【図7】従来例の差動入力回路の構成図である。
【符号の説明】
C1、C2 差動コンパレータ回路 IN+ 正転入力端子 IN− 反転入力端子 OUT 出力端子 P1、P2、P3、P4、P5 PチャネルMOSト
ランジスタ N1、N2、N3、N4、N5 NチャネルMOSト
ランジスタ I1、I2 インバータ 1、5 高電圧側差動増幅器 2、7 低電圧側差動増幅器 3、8、9 比較器 4、10 セレクタ 6 中間電圧差動増幅器 11、104、106 遅延回路 12 フリップフロップ 102、103 抵抗 105 インバータ 107 ANDゲート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G035 AA13 AA17 AA19 AA26 AB01 AC01 AC19 AD20 AD23 AD47 AD50 5J039 DA12 DB03 KK04 KK10 KK13 KK16 KK18 KK29 MM06 MM16 5J056 AA01 BB16 CC00 CC01 CC05 CC09 CC14 DD13 DD28 FF09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一の入力信号が与えられ互いに異なる
    コモンモード入力電圧範囲を有するn(nは2以上の整
    数)個の差動増幅器と、前記入力信号の電圧を基準電圧
    と比較して前記比較結果に対応する選択信号を出力する
    n−1個の比較器と、前記選択信号に基づき前記n個の
    差動増幅器のそれぞれの出力信号のうちの1つを選択し
    て出力するセレクタと、を備えることを特徴とする差動
    入力回路。
  2. 【請求項2】 同一の入力信号が与えられ互いに異なる
    コモンモード入力電圧範囲を有するn(nは2以上の整
    数)個の差動増幅器と、前記入力信号の電圧を基準電圧
    と比較して前記比較結果に対応する第1の選択信号を出
    力するn−1個の比較器と、前記入力信号の遅延信号を
    出力する遅延回路と、前記n−1個の比較器に1対1に
    対応して前記第1の選択信号を前記遅延信号によりラッ
    チした第2の選択信号を出力するn−1個のフリップフ
    ロップと、前記第2の選択信号に基づき前記n個の差動
    増幅器のそれぞれの出力信号のうちの1つを選択して出
    力するセレクタと、を備えることを特徴とする差動入力
    回路。
  3. 【請求項3】 前記差動増幅器毎に、前記コモンモード
    入力電圧範囲における前記出力信号のデューティ比が一
    定であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の
    差動入力回路。
  4. 【請求項4】 前記差動増幅器毎の前記コモンモード入
    力電圧範囲における前記出力信号のデューティ比が互い
    に等しいことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の
    差動入力回路。
  5. 【請求項5】 前記差動増幅器毎の前記コモンモード入
    力電圧範囲が互いに部分的に重複することを特徴とする
    請求項1又は請求項2記載の差動入力回路。
  6. 【請求項6】 前記基準電圧が、前記重複する電圧範囲
    内に設定されることを特徴とする請求項5記載の差動入
    力回路。
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