JP2002319512A - 負荷時タップ切換器 - Google Patents
負荷時タップ切換器Info
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- JP2002319512A JP2002319512A JP2001125231A JP2001125231A JP2002319512A JP 2002319512 A JP2002319512 A JP 2002319512A JP 2001125231 A JP2001125231 A JP 2001125231A JP 2001125231 A JP2001125231 A JP 2001125231A JP 2002319512 A JP2002319512 A JP 2002319512A
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- current
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- reactor
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- Housings And Mounting Of Transformers (AREA)
- High-Tension Arc-Extinguishing Switches Without Spraying Means (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 タップ切換時の温度上昇を抑えて小形化を図
る。 【解決手段】 絶縁ガスで絶縁されて、変圧器巻線12
上で現在運転中の第1のタップ13から次に運転する第
2のタップ14を選択し、第1のタップ13から第2の
タップ14への転流途中で変圧器巻線12の各タップ1
3,14間を橋絡したとき、タップ橋絡電流を電流制限
素子20のリアクトルにより所定値以下に制限し、真空
スイッチ21,22により第1のタップ13から第2の
タップ14へ負荷電流を転流させるようにしたものであ
る。
る。 【解決手段】 絶縁ガスで絶縁されて、変圧器巻線12
上で現在運転中の第1のタップ13から次に運転する第
2のタップ14を選択し、第1のタップ13から第2の
タップ14への転流途中で変圧器巻線12の各タップ1
3,14間を橋絡したとき、タップ橋絡電流を電流制限
素子20のリアクトルにより所定値以下に制限し、真空
スイッチ21,22により第1のタップ13から第2の
タップ14へ負荷電流を転流させるようにしたものであ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電力用変圧器に
使用される負荷時タップ切換器に関するものである。
使用される負荷時タップ切換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】負荷時タップ切換器は、変圧器が励磁さ
れている状態又は負荷をかけた状態で、変圧器巻線のタ
ップを切り換えるものである。このため、負荷時タップ
切換器は、次の三機能を備えている。(1)現在運転中
の第1のタップの接続を保持しながら次に運転する第2
のタップを選択するタップ選択機能。(2)第1のタッ
プから第2のタップへ電流を開閉転流させる電流開閉転
流機能。(3)電流開閉転流の際に変圧器巻線の第1の
タップと第2のタップとの間を一時的に橋絡したとき、
各タップ間の橋絡電流を所定値以下の安全値に制限する
橋絡電流制限機能。これらの三機能は、絶縁媒体に絶縁
油又は絶縁ガスのいずれを使用した負荷時タップ切換器
でも同様に備えている。そして、絶縁ガスを使用した負
荷時タップ切換器では、電流開閉転流機能において各タ
ップ間の橋絡電流を遮断する際に絶縁ガスがアークで分
解されるのを防止するために、真空スイッチにより橋絡
電流の遮断が行われる。
れている状態又は負荷をかけた状態で、変圧器巻線のタ
ップを切り換えるものである。このため、負荷時タップ
切換器は、次の三機能を備えている。(1)現在運転中
の第1のタップの接続を保持しながら次に運転する第2
のタップを選択するタップ選択機能。(2)第1のタッ
プから第2のタップへ電流を開閉転流させる電流開閉転
流機能。(3)電流開閉転流の際に変圧器巻線の第1の
タップと第2のタップとの間を一時的に橋絡したとき、
各タップ間の橋絡電流を所定値以下の安全値に制限する
橋絡電流制限機能。これらの三機能は、絶縁媒体に絶縁
油又は絶縁ガスのいずれを使用した負荷時タップ切換器
でも同様に備えている。そして、絶縁ガスを使用した負
荷時タップ切換器では、電流開閉転流機能において各タ
ップ間の橋絡電流を遮断する際に絶縁ガスがアークで分
解されるのを防止するために、真空スイッチにより橋絡
電流の遮断が行われる。
【0003】図4は絶縁媒体として絶縁ガスを使用した
従来の負荷時タップ切換器の動作を示す説明図である。
図4において、変圧器巻線1上において現在第1のタッ
プ2で運転中の場合、図4(a)に示すように変圧器巻
線1から第1のタップ2、固定接点3、主可動接点4、
真空スイッチ5及び出力端子6のパスを負荷電流が流れ
ている。ここで、第1のタップ2から第2のタップ7へ
切り換える場合は、補助可動接点8が固定接点3から離
れて(図4(b))、第2のタップ7側の固定接点9に
投入される(図4(c))。次に真空スイッチ10が閉
じる(図4(d))と、第1のタップ2、固定接点3、
主可動接点4、真空スイッチ5,10、抵抗器11、補
助可動接点8、固定接点9及び第2のタップ7のパスを
タップ橋絡電流が流れる。なお、タップ橋絡電流が各部
の通電能力を超えたり、真空スイッチ5の遮断能力を超
えて危険な値とならないようにするために、限流インピ
ーダンスとしての抵抗器11の抵抗値を設定して、タッ
プ橋絡電流を所定値以下に制限する(通常は数オーム程
度)。
従来の負荷時タップ切換器の動作を示す説明図である。
図4において、変圧器巻線1上において現在第1のタッ
プ2で運転中の場合、図4(a)に示すように変圧器巻
線1から第1のタップ2、固定接点3、主可動接点4、
真空スイッチ5及び出力端子6のパスを負荷電流が流れ
ている。ここで、第1のタップ2から第2のタップ7へ
切り換える場合は、補助可動接点8が固定接点3から離
れて(図4(b))、第2のタップ7側の固定接点9に
投入される(図4(c))。次に真空スイッチ10が閉
じる(図4(d))と、第1のタップ2、固定接点3、
主可動接点4、真空スイッチ5,10、抵抗器11、補
助可動接点8、固定接点9及び第2のタップ7のパスを
タップ橋絡電流が流れる。なお、タップ橋絡電流が各部
の通電能力を超えたり、真空スイッチ5の遮断能力を超
えて危険な値とならないようにするために、限流インピ
ーダンスとしての抵抗器11の抵抗値を設定して、タッ
プ橋絡電流を所定値以下に制限する(通常は数オーム程
度)。
【0004】そして、真空スイッチ5が開いて(図4
(e))負荷電流とタップ橋絡電流の和を遮断すると、
変圧器巻線1から第2のタップ7、固定接点9、補助可
動接点8、抵抗器11、真空スイッチ10及び出力端子
6のパスに負荷電流が転流する。続いて、主可動接点4
が固定接点3から離れる(図4(f))。そして、真空
スイッチ5が開いた状態で主可動接点4が固定接点9に
投入される(図4(g))。次に真空スイッチ5が閉じ
る(図4(h))と、負荷電流は変圧器巻線1から第2
のタップ7、固定接点9、主可動接点4、真空スイッチ
5及び出力端子6のパスに転流する。続いて、真空スイ
ッチ10が開く(図4(i))と、第1のタップ2から
第2のタップ7への切換動作が完了する。
(e))負荷電流とタップ橋絡電流の和を遮断すると、
変圧器巻線1から第2のタップ7、固定接点9、補助可
動接点8、抵抗器11、真空スイッチ10及び出力端子
6のパスに負荷電流が転流する。続いて、主可動接点4
が固定接点3から離れる(図4(f))。そして、真空
スイッチ5が開いた状態で主可動接点4が固定接点9に
投入される(図4(g))。次に真空スイッチ5が閉じ
る(図4(h))と、負荷電流は変圧器巻線1から第2
のタップ7、固定接点9、主可動接点4、真空スイッチ
5及び出力端子6のパスに転流する。続いて、真空スイ
ッチ10が開く(図4(i))と、第1のタップ2から
第2のタップ7への切換動作が完了する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の負荷時タップ切
換器は以上のように構成されているので、タップ切換動
作時に図4(d)で橋絡電流、図4(e)〜(g)で負
荷電流が抵抗器11を流れることにより抵抗器11が発
熱する。絶縁ガスの冷却時定数は絶縁油の50倍以上も
あって冷却が悪いので、タップ切換動作に伴う抵抗器1
1の温度上昇が大きくなる。このため、抵抗器11の温
度上昇を安全な範囲に抑えるには、限流インピーダンス
としての抵抗器11を大形化する必要があるため、負荷
時タップ切換器全体の小形化を図るのが困難であるとい
う問題点があった。この発明は、タップ切換時の温度上
昇を抑えて小形化を図ることができる負荷時タップ切換
器を提供することを目的とするのである。
換器は以上のように構成されているので、タップ切換動
作時に図4(d)で橋絡電流、図4(e)〜(g)で負
荷電流が抵抗器11を流れることにより抵抗器11が発
熱する。絶縁ガスの冷却時定数は絶縁油の50倍以上も
あって冷却が悪いので、タップ切換動作に伴う抵抗器1
1の温度上昇が大きくなる。このため、抵抗器11の温
度上昇を安全な範囲に抑えるには、限流インピーダンス
としての抵抗器11を大形化する必要があるため、負荷
時タップ切換器全体の小形化を図るのが困難であるとい
う問題点があった。この発明は、タップ切換時の温度上
昇を抑えて小形化を図ることができる負荷時タップ切換
器を提供することを目的とするのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係わる負荷時
タップ切換器は、絶縁ガスで絶縁されて、変圧器巻線上
で現在運転中の第1のタップから次に運転する第2のタ
ップを選択し、第1のタップから第2のタップへの転流
途中で変圧器巻線の各タップ間を橋絡したとき、タップ
橋絡電流をリアクトルにより所定値以下に制限し、真空
スイッチにより第1のタップから第2のタップへ負荷電
流を転流させるようにしたものである。
タップ切換器は、絶縁ガスで絶縁されて、変圧器巻線上
で現在運転中の第1のタップから次に運転する第2のタ
ップを選択し、第1のタップから第2のタップへの転流
途中で変圧器巻線の各タップ間を橋絡したとき、タップ
橋絡電流をリアクトルにより所定値以下に制限し、真空
スイッチにより第1のタップから第2のタップへ負荷電
流を転流させるようにしたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は実施の形態
1の構成を示す回路図である。図1において、12は変
圧器巻線、13は変圧器巻線12から導出された第1の
タップ、14は変圧器巻線12から導出された第2のタ
ップ、15は第1のタップ13に接続された固定接点、
16は第2のタップ14に接続された固定接点、17は
主可動接点で、各固定接点15, 16と接触可能であ
る。18は補助可動接点で、各固定接点15, 16と接
触可能である。19は各固定接点15, 16及び各可動
接点17, 18により構成されたタップ選択器で、タッ
プ選択機能を有する。20は補助可動接点18に接続さ
れた限流インピーダンスとしてのリアクトルで、橋絡電
流制限機能を有する。21は主可動接点17に接続され
た真空スイッチである。22は真空スイッチで、補助可
動接点18及びリアクトル20と直列接続されている。
23は真空スイッチ21,22で構成された切換開閉器
で、電流開閉転流機能を有する。24は各真空スイッチ
21,22に接続された出力端子である。次に動作につ
いて説明する。図2は図1の動作シーケンスを示す説明
図、図3は切換動作を示す説明図である。なお、表1に
第1のタップ13から第2のタップ14への切換動作を
示す。
1の構成を示す回路図である。図1において、12は変
圧器巻線、13は変圧器巻線12から導出された第1の
タップ、14は変圧器巻線12から導出された第2のタ
ップ、15は第1のタップ13に接続された固定接点、
16は第2のタップ14に接続された固定接点、17は
主可動接点で、各固定接点15, 16と接触可能であ
る。18は補助可動接点で、各固定接点15, 16と接
触可能である。19は各固定接点15, 16及び各可動
接点17, 18により構成されたタップ選択器で、タッ
プ選択機能を有する。20は補助可動接点18に接続さ
れた限流インピーダンスとしてのリアクトルで、橋絡電
流制限機能を有する。21は主可動接点17に接続され
た真空スイッチである。22は真空スイッチで、補助可
動接点18及びリアクトル20と直列接続されている。
23は真空スイッチ21,22で構成された切換開閉器
で、電流開閉転流機能を有する。24は各真空スイッチ
21,22に接続された出力端子である。次に動作につ
いて説明する。図2は図1の動作シーケンスを示す説明
図、図3は切換動作を示す説明図である。なお、表1に
第1のタップ13から第2のタップ14への切換動作を
示す。
【0008】
【表1】
【0009】図1から図3において、現在、変圧器巻線
12上の第1のタップ13で運転しているとする(図1
及び図3(a))。この場合、変圧器巻線12から第1
のタップ13、固定接点15、主可動接点17、真空ス
イッチ21及び出力端子24のパスを負荷電流が流れて
いる。ここで、第1のタップ13から第2のタップ14
へタップ切換が行われる場合は、まず補助可動接点18
が固定接点15から離れて(図3(b))、第2のタッ
プ14側の固定接点16に投入される(図3(c))。
次に真空スイッチ22が閉じて、第1のタップ13から
固定接点15、主可動接点17、真空スイッチ21,2
2、リアクトル20、補助可動接点18、固定接点16
及び第2のタップ14のパスにタップ橋絡電流が流れる
(図3(d))。そして、図3(e)に示すように真空
スイッチ21が開いて負荷電流とタップ橋絡電流を遮断
すると、変圧器巻線12から第2のタップ14、固定接
点16、補助可動接点18、リアクトル20、真空スイ
ッチ22及び出力端子24のパスに負荷電流が転流す
る。
12上の第1のタップ13で運転しているとする(図1
及び図3(a))。この場合、変圧器巻線12から第1
のタップ13、固定接点15、主可動接点17、真空ス
イッチ21及び出力端子24のパスを負荷電流が流れて
いる。ここで、第1のタップ13から第2のタップ14
へタップ切換が行われる場合は、まず補助可動接点18
が固定接点15から離れて(図3(b))、第2のタッ
プ14側の固定接点16に投入される(図3(c))。
次に真空スイッチ22が閉じて、第1のタップ13から
固定接点15、主可動接点17、真空スイッチ21,2
2、リアクトル20、補助可動接点18、固定接点16
及び第2のタップ14のパスにタップ橋絡電流が流れる
(図3(d))。そして、図3(e)に示すように真空
スイッチ21が開いて負荷電流とタップ橋絡電流を遮断
すると、変圧器巻線12から第2のタップ14、固定接
点16、補助可動接点18、リアクトル20、真空スイ
ッチ22及び出力端子24のパスに負荷電流が転流す
る。
【0010】続いて、主可動接点17が第1のタップ1
3側の固定接点15から離れる(図3(f))。そし
て、真空スイッチ21が開いた状態で主可動接点17が
第2のタップ14側の固定接点16に投入される(図3
(g))。そして、真空スイッチ21が閉じる(図3
(h))と、変圧器巻線12から第2のタップ14、固
定接点16、主可動接点17、真空スイッチ21及び出
力端子24のパスに負荷電流が転流する。最後に真空ス
イッチ22が開くことにより、第1のタップ13から第
2のタップ14へのタップ切換が完了する(図3
(i))。第1のタップ13から第2のタップ14への
切換動作時に、表1のステージ4(図3(d))におい
て、タップ橋絡電流が、また、ステージ5〜7(図3
(e)〜(g))において負荷電流が、リアクトル20
に流れる。
3側の固定接点15から離れる(図3(f))。そし
て、真空スイッチ21が開いた状態で主可動接点17が
第2のタップ14側の固定接点16に投入される(図3
(g))。そして、真空スイッチ21が閉じる(図3
(h))と、変圧器巻線12から第2のタップ14、固
定接点16、主可動接点17、真空スイッチ21及び出
力端子24のパスに負荷電流が転流する。最後に真空ス
イッチ22が開くことにより、第1のタップ13から第
2のタップ14へのタップ切換が完了する(図3
(i))。第1のタップ13から第2のタップ14への
切換動作時に、表1のステージ4(図3(d))におい
て、タップ橋絡電流が、また、ステージ5〜7(図3
(e)〜(g))において負荷電流が、リアクトル20
に流れる。
【0011】さて、限流インピーダンスを抵抗器からリ
アクトルに変えたことによって、何がどのように変わる
かを次に述べる。先ず、温度上昇の問題であるが、これ
は電流通流時の限流インピーダンスの有効損失で決ま
る。一般に抵抗器及びリアクトルは、何れもインピーダ
ンスにリアクタンス分及び抵抗分を含んでいる。そし
て、通常、抵抗器は(抵抗分)>>(リアクタンス分)
であり、リアクトルは(リアクタンス分>>(抵抗分)
であるから、抵抗器は(インピーダンス値)≒(抵抗
値)であり、リアクトルは(インピーダンス値)≒(リ
アクタンス値)となる。従って、インピーダンス値が同
一であれば、抵抗器では(インピーダンス降下)≒(抵
抗降下)となり、抵抗降下と電流とが同相(力率が1)
となるので電流の二乗とインピーダンス値との積が有効
損失となる。これに対して、リアクトルでは(インピー
ダンス降下)≒(リアクタンス降下)となり、リアクタ
ンス降下と電流とが90度の位相差(電流遅れ)を生じ
る(力率が0)ので、電流の二乗とインピーダンス値と
の積が有効損失とならない。即ち、リアクトルにおいて
は、リアクトルの抵抗分による損失(電流の二乗と抵抗
分(線輪導体抵抗)との積)のみが有効損失となる。イ
ンピーダンス値が数オームレベルのリアクトルの場合、
抵抗分をインピーダンス値の10%以下に設計すること
は容易であるので、リアクトル20の有効損失を抵抗器
の1/10以下に低減することができる。これにより限
流インピーダンスであるリアクトル20の小形化を図る
ことができる。
アクトルに変えたことによって、何がどのように変わる
かを次に述べる。先ず、温度上昇の問題であるが、これ
は電流通流時の限流インピーダンスの有効損失で決ま
る。一般に抵抗器及びリアクトルは、何れもインピーダ
ンスにリアクタンス分及び抵抗分を含んでいる。そし
て、通常、抵抗器は(抵抗分)>>(リアクタンス分)
であり、リアクトルは(リアクタンス分>>(抵抗分)
であるから、抵抗器は(インピーダンス値)≒(抵抗
値)であり、リアクトルは(インピーダンス値)≒(リ
アクタンス値)となる。従って、インピーダンス値が同
一であれば、抵抗器では(インピーダンス降下)≒(抵
抗降下)となり、抵抗降下と電流とが同相(力率が1)
となるので電流の二乗とインピーダンス値との積が有効
損失となる。これに対して、リアクトルでは(インピー
ダンス降下)≒(リアクタンス降下)となり、リアクタ
ンス降下と電流とが90度の位相差(電流遅れ)を生じ
る(力率が0)ので、電流の二乗とインピーダンス値と
の積が有効損失とならない。即ち、リアクトルにおいて
は、リアクトルの抵抗分による損失(電流の二乗と抵抗
分(線輪導体抵抗)との積)のみが有効損失となる。イ
ンピーダンス値が数オームレベルのリアクトルの場合、
抵抗分をインピーダンス値の10%以下に設計すること
は容易であるので、リアクトル20の有効損失を抵抗器
の1/10以下に低減することができる。これにより限
流インピーダンスであるリアクトル20の小形化を図る
ことができる。
【0012】次に、限流インピーダンスを抵抗器からリ
アクトル20に変えると、切換開閉器23で電流遮断す
るときの遮断電流と回復電圧(電流遮断後に接点間に現
れる電圧)に位相差を生じるので、電流遮断が難しくな
る。位相差が0゜の場合は、電流の0点で回復電圧も0
となるから電流遮断しやすい。しかし、位相差があると
電流の0点で回復電圧のピークが接点間に現れるから、
消弧しようとする瞬間に接点間に急激に電圧が立ち上が
ろうとして消弧が難しくなる(電気書院刊、「負荷時タ
ップ切換器とその回路」、第88頁参照)。
アクトル20に変えると、切換開閉器23で電流遮断す
るときの遮断電流と回復電圧(電流遮断後に接点間に現
れる電圧)に位相差を生じるので、電流遮断が難しくな
る。位相差が0゜の場合は、電流の0点で回復電圧も0
となるから電流遮断しやすい。しかし、位相差があると
電流の0点で回復電圧のピークが接点間に現れるから、
消弧しようとする瞬間に接点間に急激に電圧が立ち上が
ろうとして消弧が難しくなる(電気書院刊、「負荷時タ
ップ切換器とその回路」、第88頁参照)。
【0013】即ち、抵抗器の場合、遮断電流と回復電圧
の位相差は0゜(同相)となるが、リアクトルの場合、
遮断電流と回復電圧の位相差は90゜となるので、リア
クトル式の場合の方が電流遮断が難しくなる。従来、限
流インピーダンスに専ら抵抗器が使用されてきたのも、
この所以によるものである。通常の遮断能力を有する接
点開放型の通常開閉器で安全に電流遮断させるために
は、アーク消弧が容易な抵抗器でなければならなかった
のである。しかし、ガス絶縁形の負荷時タップ切換器に
は、接点開放型の通常開閉器に比べて遙かに大きな遮断
能力を有する真空スイッチが使用されるので、位相差9
0゜による消弧の困難さは実用的な問題ではなくなる。
ガス絶縁形の負荷時タップ切換器では、絶縁ガスがアー
クで分解されるの防止するために切換開閉器に真空スイ
ッチを用いざるを得ないという事情が、逆にリアクトル
を用いることにより電流遮断が難しくなるという副作用
を抑制することができる。つまり、ガス絶縁と真空スイ
ッチとリアクトルとの組み合わせは、冷却が不利という
ガス絶縁の欠点をリアクトルが補い、遮断電流と回復電
圧とに位相差を生じて電流遮断が難しくなるというリア
クトルを使用することの欠点を真空スイッチが補うとい
うことになる。以上のように、タップ橋絡電流の遮断時
に発生するアークにより絶縁ガスが分解されるのを防止
するために切換開閉器23を真空スイッチ21、22と
し、限流インピーダンスをリアクトル20で構成するこ
とにより、タップ切換動作時の減流インピーダンスの温
度上昇を低減させることができるので、限流インピーダ
ンスの小形化を図ることができるため、装置全体の小形
化を図ることができる。
の位相差は0゜(同相)となるが、リアクトルの場合、
遮断電流と回復電圧の位相差は90゜となるので、リア
クトル式の場合の方が電流遮断が難しくなる。従来、限
流インピーダンスに専ら抵抗器が使用されてきたのも、
この所以によるものである。通常の遮断能力を有する接
点開放型の通常開閉器で安全に電流遮断させるために
は、アーク消弧が容易な抵抗器でなければならなかった
のである。しかし、ガス絶縁形の負荷時タップ切換器に
は、接点開放型の通常開閉器に比べて遙かに大きな遮断
能力を有する真空スイッチが使用されるので、位相差9
0゜による消弧の困難さは実用的な問題ではなくなる。
ガス絶縁形の負荷時タップ切換器では、絶縁ガスがアー
クで分解されるの防止するために切換開閉器に真空スイ
ッチを用いざるを得ないという事情が、逆にリアクトル
を用いることにより電流遮断が難しくなるという副作用
を抑制することができる。つまり、ガス絶縁と真空スイ
ッチとリアクトルとの組み合わせは、冷却が不利という
ガス絶縁の欠点をリアクトルが補い、遮断電流と回復電
圧とに位相差を生じて電流遮断が難しくなるというリア
クトルを使用することの欠点を真空スイッチが補うとい
うことになる。以上のように、タップ橋絡電流の遮断時
に発生するアークにより絶縁ガスが分解されるのを防止
するために切換開閉器23を真空スイッチ21、22と
し、限流インピーダンスをリアクトル20で構成するこ
とにより、タップ切換動作時の減流インピーダンスの温
度上昇を低減させることができるので、限流インピーダ
ンスの小形化を図ることができるため、装置全体の小形
化を図ることができる。
【0014】
【発明の効果】この発明によれば、限流インピーダンス
としての抵抗器の代わりにリアクトルを使用することに
より、限流インピーダンスの小形化を図ることができる
ので、結果として装置の小形化を図ることができる。
としての抵抗器の代わりにリアクトルを使用することに
より、限流インピーダンスの小形化を図ることができる
ので、結果として装置の小形化を図ることができる。
【図1】 この発明の実施の形態1の構成を示す回路図
である。
である。
【図2】 図1の動作シーケンスを示す説明図である。
【図3】 図1の切換動作を示す説明図である。
【図4】 従来の負荷時タップ切換器の動作を示す説明
図である。
図である。
12 変圧器巻線、13 第1のタップ、14 第2の
タップ、20 リアクトル、21,22 真空スイッ
チ。
タップ、20 リアクトル、21,22 真空スイッ
チ。
Claims (1)
- 【請求項1】 絶縁ガスで絶縁されて、変圧器巻線上で
現在運転中の第1のタップから次に運転する第2のタッ
プを選択し、上記第1のタップから上記第2のタップへ
の転流途中で上記変圧器巻線の上記各タップ間を橋絡し
たとき、タップ橋絡電流をリアクトルにより所定値以下
に制限し、真空スイッチにより上記第1のタップから上
記第2のタップへ負荷電流を転流させるようにしたこと
を特徴とする負荷時タップ切換器。
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