JP2002317923A - 廃棄物の処理および熱回収システム - Google Patents

廃棄物の処理および熱回収システム

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JP2002317923A
JP2002317923A JP2001124446A JP2001124446A JP2002317923A JP 2002317923 A JP2002317923 A JP 2002317923A JP 2001124446 A JP2001124446 A JP 2001124446A JP 2001124446 A JP2001124446 A JP 2001124446A JP 2002317923 A JP2002317923 A JP 2002317923A
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exhaust gas
filtration
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particles
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JP2001124446A
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Shinichi Isozaki
進市 磯崎
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】排ガス中の溶融塩(NaCl、KCl)、酸化
物ダスト(SiO2、Al2O3、CaO他)およびD
XNを除去し、排ガスの顕熱を回収することができる、
廃棄物の処理および熱回収システムを提供する。 【解決手段】廃棄物を燃焼する燃焼炉と、前記燃焼炉か
ら排出される排ガスを所定の温度で除塵する除塵装置
と、除塵された前記排ガスの顕熱を回収する廃熱ボイラ
ーとを備えた、廃棄物の処理および熱回収システム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼炉、特にスト
ーカ炉から排出される高温腐食性排ガスに含まれるダス
トを除塵するための高温排ガスの除塵装置および廃熱ボ
イラーを備えた廃棄物の処理および熱回収システム、特
に固体粒子をろ過媒体として充填した除塵装置を備えた
廃棄物の処理および熱回収システムに関する。
【0002】
【従来の技術】図10は、従来の、ストーカ炉からの排
ガスを利用する高温高圧ボイラーを示す図である。図1
0に示すように、従来は、ストーカ炉において酸化性雰
囲気で廃棄物を燃焼し、排出される排ガスを廃熱ボイラ
ーに送って、排ガスの顕熱を回収利用している。しかし
ながら、排ガス中には、ボイラーを腐食させる溶融塩
(NaCl、KCl)が含まれており、更に、酸化物ダ
スト(SiO2、Al2O3、CaO他)が含まれてお
り、ボイラーの外表面に堆積して、ボイラーの伝熱効率
を低下させる。更に、DXNも含まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、廃棄
物をストーカ炉において燃焼し、排出された排ガス中に
は、溶融塩(NaCl、KCl)が含まれており、ボイ
ラーを腐食させるという問題点が有る。更に、排ガス中
には、酸化物ダスト(SiO2、Al2O3、CaO
他)が含まれており、ボイラーの外表面に堆積して、ボ
イラーの伝熱効率を低下させるという問題点が有る。更
に、排ガス中には、微量有害物質としてのDXNも含ま
れているという問題点がある。
【0004】本発明の目的は、上述した従来の問題点を
解決して、排ガス中の溶融塩(NaCl、KCl)、酸
化物ダスト(SiO2、Al2O3、CaO他)および
DXNを除去し、排ガスの顕熱を回収することができ
る、廃棄物の処理および熱回収システムを提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、廃棄物を
燃焼した排ガス中の溶融塩(NaCl、KCl)、酸化
物ダスト(SiO2、Al2O3、CaO他)およびD
XNを除去し、排ガスの顕熱を回収することができる、
廃棄物の処理および熱回収システムを得るために、鋭意
研究を重ねた。その結果、廃棄物を燃焼した排ガスを、
650〜900℃の範囲内の温度で、ろ過媒体としての
固定粒子からなる薄いろ過層を備えた除塵装置によって
除塵すると、排ガス中の溶融塩(NaCl、KCl)、
酸化物ダスト(SiO2、Al2O3、CaO他)およ
びDXNを除去することができることが判明した。更
に、上述したろ過層が傾斜して配置されて、排ガス中の
ダストをろ過層の表層部において捕集し、そして、ろ過
層における、排ガス流に対して上流側にあるダストを捕
集した固体粒子を適時排出することによって、更に効果
的に、排ガス中の溶融塩(NaCl、KCl)、酸化物
ダスト(SiO2、Al2O3、CaO他)およびDX
Nを除去することができることが判明した。
【0006】この発明の廃棄物の処理および熱回収シス
テムは、上述した研究結果に基づいてなされたものであ
って、この発明の廃棄物の処理および熱回収システムの
第1の態様は、廃棄物を燃焼する燃焼炉と、前記燃焼炉
から排出される排ガスを所定の温度で除塵する除塵装置
と、除塵された前記排ガスの顕熱を回収する廃熱ボイラ
ーとを備えた、廃棄物の処理および熱回収システムであ
る。
【0007】この発明の廃棄物の処理および熱回収シス
テムの第2の態様は、前記所定の温度が500〜950
℃の範囲内である、廃棄物の処理および熱回収システム
である。
【0008】この発明の廃棄物の処理および熱回収シス
テムの第3の態様は、前記所定の温度が650〜900
℃の範囲内である、廃棄物の処理および熱回収システム
である。
【0009】この発明の廃棄物の処理および熱回収シス
テムの第4の態様は、前記除塵装置は、排ガス流路内に
配置される、ろ過媒体としての固定粒子からなる少なく
とも1つの薄いろ過層を備えている、廃棄物の処理およ
び熱回収システムである。
【0010】この発明の廃棄物の処理および熱回収シス
テムの第5の態様は、前記固定粒子を装入する装置を備
え、前記ろ過層が傾斜して配置されて、排ガス中のダス
トをろ過層の表層部において捕集し、そして、前記ろ過
層における、排ガス流に対して上流側にある前記ダスト
を捕集した固体粒子を適時排出する装置を備えている、
廃棄物の処理および熱回収システムである。
【0011】この発明の廃棄物の処理および熱回収シス
テムの第6の態様は、前記排出された固体粒子を処理
後、前記ろ過層に再充填する装置を備えている、廃棄物
の処理および熱回収システムである。
【0012】この発明の廃棄物の処理および熱回収シス
テムの第7の態様は、前記固体粒子がセラミック系粒子
からなっている、廃棄物の処理および熱回収システムで
ある。この発明の廃棄物の処理および熱回収システムの
第8の態様は、前記少なくとも1つのろ過層が複数個か
らなっており、前記ろ過層における前記固体粒子の滞留
時間を、各ろ過層毎に調整することができる装置を備え
ている、廃棄物の処理および熱回収システムである。
【0013】この発明の廃棄物の処理および熱回収シス
テムの第9の態様は、前記ろ過層の前記固体粒子の粒径
を、排ガス流に対して上流側から順次小さくなるように
配置している、廃棄物の処理および熱回収システムであ
る。
【0014】この発明の廃棄物の処理および熱回収シス
テムの第10の態様は、前記ろ過層の傾斜角は、前記固
体粒子の動的安息角よりも10度低い角度から静的安息
角よりも10度高い角度までの範囲内である、廃棄物の
処理および熱回収システムである。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明の廃棄物の処理および熱
回収システムの態様について、図を参照しながら、詳細
に説明する。この発明の廃棄物の処理および熱回収シス
テムの1つの態様は、廃棄物を燃焼する燃焼炉と、燃焼
炉から排出される排ガスを500〜950℃の範囲内の
温度で除塵する除塵装置と、除塵された排ガスの顕熱を
回収する廃熱ボイラーとを備えた、廃棄物の処理および
熱回収システムである。
【0016】図1は、この発明の廃棄物の処理および熱
回収システムの1つの態様を示す図である。図1に示す
ように、燃焼炉において酸化性雰囲気で廃棄物を完全燃
焼し、燃焼炉に隣接して設けられた除塵装置において、
燃焼炉から排出される排ガスを500〜950℃(好ま
しくは、650〜900℃)の範囲内の温度で除塵し、
そして、ボイラーにおいて顕熱を回収する。500℃未
満の温度で排ガスを処理すると、排ガス中の溶融塩(N
aCl、KCl)、酸化物ダスト(SiO2、Al2O
3、CaO他)およびDXNを十分に除去することがで
きない。950℃を超える温度で排ガスを処理しても、
飽和状態に達し、それ以上の効果を期待することができ
ない。
【0017】以下に、この発明の除塵装置について説明
する。この発明の除塵装置は、排ガス流路内に配置され
る、ろ過媒体としての固定粒子からなる少なくとも1つ
の薄いろ過層を備えている。ろ過媒体としての固体粒子
からなるろ過層について次のことが言える。即ち、排ガ
スに含まれるダストは、ろ過媒体への慣性衝突によっ
て、排ガスの気流から分離される。排ガスに含まれるダ
ストのろ過媒体への慣性衝突の頻度が排ガスの流れ方向
に対し不適続に増加する界面の直下流の充填層内に集中
している。排ガスの気流から分離されたダストは充填層
内のほば排ガスの気流から分離された位置に蓄積する。
【0018】図2は上述した現象を説明する説明図であ
る。図2(a)に示すように、捕集ダストは充填層の表
層部に集中しており、充填層内層部でのダスト捕集量は
急減している。このことをグラフ化したものが図2
(b)である。充填層内に蓄積したダストがある程度の
量になると、排ガスの気流により下流に(充填層内の上
流に蓄積したダストは充填層の下流へ、充填層内の最下
流に蓄積したダストは充填層の外へ)飛散する。ダスト
の蓄積量の増加に応じてダストの飛散量も増加するた
め、充填層内の単位体積当りのダストの蓄積量は飽和点
を有する。排ガスに含まれるダストのろ過媒体への慣性
衝突の頻度が不連続に増加する界面の直下流の充填層内
に集中して蓄積したダストの単位体積当りの飽和蓄積量
は、その界面の直下流の充填層を除く充填層内の単位体
積当たりのダストの飽和蓄積量よりも多い。
【0019】更に、充填層における固体粒子の挙動は、
次の通りである。即ち、傾斜した支持板上に固体粒子を
装填し、上面が自由表面となる充填層を形成させ、固体
粒子の排出、供給を繰り返した時には、充填層の下面付
近の固体粒子よりも充填層の上面付近の固体粒子の方が
移動速度が速い(滞留時間が短い)。支持板の傾斜角を
固体粒子の動的安息角よりも10度低い角度から静的安
息角の10度高い角度の間にした時が、下面付近の固体
粒子の移動速度に対する充填層の上面付近の固体粒子の
移動速度の比が最も高くなる。
【0020】図3は、本発明の除塵装置の1つの態様を
示す概略断面図である。図3において、1はダストを含
む高温の排ガスが流れる除塵用排ガスダクト、2は除塵
用排ガスダクト1内に設けられ、排ガスの流れ方向に対
して傾斜した通風可能な支持板であって、多孔板で構成
されており、その孔径はろ過粒子径より小さい。従っ
て、後述するように、支持板2上に固体粒子を装填した
状態では固体粒子層のうち最下層の粒子は多孔板によっ
て一定の限度で拘束されることになる。支持板2は、排
ガスの流れ方向の上流側に下端が位置し、下流側に上端
が位置するように配設されている。支持板2上には、ろ
過媒体としての固体粒子10(以下、ろ過媒体としての
固体粒子をろ過粒子10と称する)が装填され、上面が
拘束状態にない自由表面となる層厚が薄い充填層3が形
成されている。充填層3を薄くしたのは、図2で説明し
たように、ダストの除塵はろ過層の表層部に集中するか
らである。
【0021】4は、除塵用排ガスダクト1内の支持板2
より上流側の空間部である。5は、除塵用排ガス管路1
における支持板2の上端上方位置に設けられ、支持板2
の上にろ過粒子10を供給するろ過粒子供給装置、6
は、除塵用排ガスダクト1における支持板2の下端下方
位置に設けられ、支持板2上のろ過粒子10を外部に排
出するろ過粒子排出装置である。
【0022】次に、上述した態様のこの発明の除塵装置
の動作を説明する。除塵用排ガスダクト1内を上流側か
ら下流側に向けて流れている高温の排ガスは空間部4を
経由して除塵用排ガス管路1内の途中に設けられ、排ガ
スの流れに対して傾斜した通風可能な支持板2上の層厚
が薄い充填層3の自由表面側から層内部に入り、充填層
3を通過して通風可能な支持板2から排出される。この
ような高温の排ガスの流れにおいて、空間部4では排ガ
スに含まれるダストのろ過媒体への衝突は全く起こらな
いので、空間部4を経由して自由表面側から層厚が薄
い、充填層3に入る時に、排ガスに含まれるダストの充
填層3のろ過媒体への慣性衝突の頻度が急激に増加する
ことになる。即ち、空間部4から層厚が薄い充填層3へ
の境界面(自由表面部分に相当)が排ガスに含まれるダ
ストのろ過粒子10への慣性衝突の頻度が不適続に増加
する界面に相当するので、排ガスに含まれるダストは気
流から分離されて上記境界面の直下の充填層3内におい
て集中的に蓄積される(図2参照)。
【0023】そして、充填層3内の境界面の直下に蓄積
したダストがある程度の量になると、排ガスの気流によ
り充填層2の下流に飛散(除塵効率が低下)し始めるた
め、充填層3内の境界面の直下に蓄積されたダストの量
が、単位体積当りの常に飽和点以下に保つようにする必
要がある。そこで、先ず、支持板2の下端側に設けられ
たろ過粒子排出装置6を作動させて充填層2のろ過粒子
10を外部に排出させる。このとき、通風可能な支持板
2は傾斜しており、その支持板2上の充填層3も傾斜
し、充填層3の上面が自由表面で下面は一定限度で拘束
状態となっており、ダストが蓄積されたろ過粒子の方が
ダストが蓄積されないろ過粒子よりも重いため、充填層
3の下面付近(支持板2の直上)のダストが蓄積されな
いろ過粒子よりも充填層3の上面付近(自由表面の直
下)のダストが蓄積されたろ過粒子の方が移動速度が速
い(滞留時間が短く)ことにより、最も多くのダストが
蓄積している境界面の直下流の充填層3内のろ過粒子1
0を優先的に排出することができ、ろ過粒子の供給を最
少必要量まで低減することができる。この場合、ろ過粒
子の不要なハンドリングがなくなり、そのためにろ過粒
子の粉化を最小限に抑えることができる。
【0024】次に、充填層3内の最も多くのダストが蓄
積している境界面の直下流のろ過粒子10が優先的に排
出されたら、支持板2の上端側に設けられたろ過粒子供
給装置5を作動させて充填層3にダストが蓄積されてい
ない新しいろ過粒子10を適切な速度で供給することに
より、充填層3内の境界面を形成するろ過粒子10単位
体積当りのダストの蓄積量を常に飽和点以下に保つこと
ができるので、高い除塵効率を維持することができる。
しかも、充填層3の層厚を薄くしているので、高温の排
ガスの除塵装置としての圧力損失も低く抑えることがで
きる。更に、除塵用排ガスダクト1内に充填層3を有す
る支持板2を傾斜して配設しているので、装置をコンパ
クトにすることができる。
【0025】図4は、本発明の除塵装置の他の態様を示
す概略断面図である。この態様の除塵装置は、ろ過媒体
としての固定粒子からなる薄い2つのろ過層を備えてい
る。即ち、排ガスの流れ方向に対し傾斜した通風可能な
支持板2が除塵用排ガスダクト1内に間隔を置いて2つ
設けられ、その各々の支持板2上にろ過粒子11a、1
1bが装填され、上面が自由表面となる層厚が薄い充填
層31a、31bが形成されている。また、各支持板2
の上流側には空間部4があり、各支持板2の上端上方位
置にろ過粒子供給装置5が設けられ、各支持板2の下端
下方位置にろ過粒子排出装置6が設けられている。従っ
て、充填層を有する支持板2、空間部4、ろ過粒子供給
装置5及びろ過粒子排出装置6で構成される除塵機構が
直列して2組設けられていることを除いて、各組の除塵
機構を構成する個々の装置については上述した態様と同
一である。
【0026】次に、ろ過媒体としての固定粒子からなる
薄い2つのろ過層を備えている態様の除塵装置の動作を
説明する。除塵用排ガスダクト1内を上流側から下流側
に向けて流れている高温の排ガスは、最初の空間部を経
由して排ガスの流れ方向に対し傾斜した通風可能な最初
の支持板2上の層厚が薄い第1の充填層31aの自由表
面側から層内部に入り、第1の充填層31aを通過して
最初の支持板2からそれと次の支持板2の第2の充填層
31bに挟まれた空間部4に排出され、その空間部4を
経由して次の支持板2上の層厚が薄い第2の充填層31
bの自由表面側から層内部に入り、第2の充填層31b
を通過して支持板2から排出される。このような高温の
排ガスの流れにおいて、空間部4では排ガスに含まれる
ダストのろ過媒体への衝突は全く起こらないので、最初
の空間部4を経由して層厚が薄い第1の充填層31aに
入る時及び最初の支持板2と第2の充填層31bに挟ま
れた空間部4を経由して次の支持板2の層厚が薄い第2
の充填層31bに入る時に、排ガスに含まれるダストの
ろ過媒体への慣性衝突の頻度が急激に増加することにな
る。
【0027】即ち、最初の空間部4から層厚が薄い第1
の充填層31aへの境界面(第1の充填層31aの自由
表面の部分に相当)と、最初の支持板2と第2の充填層
31bに挟まれた空間部4から層厚が薄い第2の充填層
31bへの境界面(第2の充填層31bの自由表面の部
分に相当)の2つの境界面が排ガスに含まれるダストの
ろ過媒体への慣性衝突の頻度が不連続に増加する界面に
相当するので、排ガスに含まれるダストは気流から分離
されてこれらの境界面の直下の第1及び第2の充填層3
1a、31b内において集中的に蓄積される。そして、
蓄積したダストがある程度の量になると排ガスの気流に
より第1及び第2の充填層31a、31bの下流に飛散
(除塵効率が低下)し始めるため、第1及び第2の充填
層31a、31b内の境界面の直下に蓄積されたダスト
の量が単位体積当りのダストの蓄積量を常に飽和点以下
に保つようにする必要がある。
【0028】そこで、先ず、各支持板2の下端側に設け
られたろ各過粒子排出装置6を作動させて第1及び第2
の充填層31a、31bのろ過粒子11aを外部に排出
させる。このとき、通風可能な2つの支持板2は傾斜し
ており、これら支持板2上の第1及び第2の充填層31
a、31bも傾斜し、これら充填層31a、31bの上
面が自由表面で下面は一定限度で拘束状態となってお
り、ダストが蓄積されたろ過粒子の方がダストが蓄積さ
れないろ過粒子よりも重いため、これら充填層31a、
31bの下面付近(支持板2の直上)のダストが蓄積さ
れないろ過粒子よりもこれら充填層31a、31bの上
面付近(自由表面の直下)のダストが蓄積されたろ過粒
子の方が移動速度が速い(滞留時間が短い)ことによ
り、最も多くのダストが蓄積している境界面の直下流の
これら充填層31a、31b内のろ過粒子11aを優先
的に排出することができ、ろ過粒子11a、11bの供
給を最小必要量まで低減することができる。この場合、
ろ過粒子の不要なハンドリングがなくなり、そのために
ろ過粒子の粉化を最小限に抑えることができる。
【0029】次に、これら充填層31a、31b内の最
も多くのダストが蓄積している境界面の直下流のろ過粒
子11a、11bが優先的に排出されたら、各支持板2
の上端側に設けられた各ろ過粒子供給装置5を作動させ
てこれら充填層31a、31bにダストが蓄積されてい
ない新しいろ過粒子11a、11bを適切な速度で供給
することにより、これら充填層31a、31bの境界面
を形成するろ過粒子11a、11bの単位体積当りのダ
ストの蓄積量を常に飽和点以下に保つことができるの
で、高い除塵効率を維持することができる。
【0030】この態様においては、直列して境界面を2
つ設けているので、第1の充填層31aから飛散したダ
ストもその次の空間部4から第2の充填層31bへの境
界面で捕捉することができるようになり、その結果、排
ガス中のダストの含重量が多く排ガス量や含塵量が変動
する場合などでもトータルとして高い除塵効率が維持さ
れる。しかも、各充填層31a、31bの層厚を薄くし
ているので、高温排ガスの除塵装置としての圧力損失は
低く抑えられる。なお、第1の充填層31a内に蓄積す
るダストの量と第2の充填層31b内に蓄積するダスト
の量はダストの粒度分布などの条件によって異なるた
め、各充填層31a、31b毎に各充填層31a、31
b内でのろ過粒子11a、11bの滞留時間を調整でき
るようにしておくことが望ましい。
【0031】図5は、本発明の除塵装置の他の態様を示
す概略断面図である。この態様の除塵装置は、ろ過媒体
としての固定粒子からなる薄い3つのろ過層を備えてい
る。即ち、排ガスの流れ方向に対し傾斜した通風可能な
支持板2が除塵用排ガスダクト1内に間隔を置いて3つ
設けられ、その各々の支持板2上に排ガスの流れ方向の
支持板の順に粒径が小さいろ過粒子12a、12b、1
2cが装填され、上面が自由表面となる層厚が薄い第1
〜第3の充填層31a、31b、31cが形成されてい
る。また、各支持板2の上流側には空間部4があり、各
支持板2の上端上方位置にろ過粒子供給装置5が設けら
れ、各支持板2の下端下方位置にろ過粒子排出装置6が
設けられている。従って、充填層を有する支持板2、空
間部4、ろ過粒子供給装置5及びろ過粒子排出装置6で
構成される除塵機構が直列して3組設けられ、排ガスの
流れ方向の支持板の順に粒径が小さいろ過粒子12a、
12b、12cが装填されていることを除いて、各組の
除塵機構を構成する個々の装置については、ろ過媒体と
しての固定粒子からなる薄い2つのろ過層を備えている
態様と同一である。
【0032】この態様では、排ガスの流れ方向で上流側
から下流側に行く第1〜第3の充填層31a、31b、
31cほど、粒径の小さなろ過粒子12a、12b、1
2cが装填されているので、空間部4から第1〜第3の
充填層31a、31b、31cへの境界面を通過する時
の慣性衝突の頻度の増加量は排ガスの流れ方向の充填層
の順に大きくなっている。従って、排ガスの流れ方向の
下流の充填層では(31aに対する31b、31bに対
する31c)上流の充填層より細かいダストも除塵され
るため、ダストが幅広い粒度分布を有する場合などに特
に有効である。しかも、第1〜第3の充填層31a、3
1b、31cはその層厚を薄くしているので、高温排ガ
スの除塵装置としての圧力損失は低く抑えられる。
【0033】さらに、第1〜第3の充填層31a、31
b、31cに蓄積されたダストがある程度の量になれ
ば、薄い2つのろ過層を備えている態様と同様に、まず
各支持板2の下端側に設けられたろ各過粒子排出装置6
を作動させて第1及び第2の充填層31a,31bのろ
過粒子12a、12b、12cを外部に排出させる。こ
のとき、最も多くのダストが蓄積している境界面の直下
流のこれら充填層31a,31b内のろ過粒子12a、
12b、12cを優先的に排出することができ、ろ過粒
子12a、12b、12cの供給を最小必要量まで低減
することができる。この場合、ろ過粒子の不要なハンド
リングがなくなり、そのためにろ過粒子の粉化を最小限
に抑えることができる。次に、各支持板2の上端側に設
けられた各ろ過粒子供給装置5を作動させてこれら充填
層31a,31b、31cにダストが蓄積されていない
新しいろ過粒子11aを適切な速度で供給することによ
り、これら充填層31a,31b、31cの境界面を形
成するろ過粒子12a、12b、12cの単位体積当り
のダストの蓄積量を常に飽和点以下に保つことができる
ので、高い除塵効率を維持することができる。なお、こ
れら充填層31a,31b、31c内に蓄積するダスト
の量はダストの粒度分布などの条件によって異なるた
め、各充填層毎に各充填層内でのろ過粒子の滞留時間を
調整できるようにしておくことが望ましい。
【0034】上述した3つの態様では、高温排ガスの除
塵装置として、排ガスの流れ方向に対し傾斜した通風可
能な支持板を設け、その支持板上にろ過粒子を装填し、
上面が自由表面となる層厚が薄い充填層に関して説明し
たが、充填層の数、ろ過粒子の粒度や形状などは、それ
等に限定されるものではなく、高温排ガスのガス量、温
度、含塵量、ダストの粒度分布や目標とする除塵効率な
どから、最適な装置を選択することができる。何れの場
合においても、排ガスを500〜950℃(好ましく
は、650〜900℃)の範囲内の温度で除塵すること
が重要である。また、ろ過粒子は、具体的にはセラミツ
クボール、アルミナボール、鉄鉱石、石炭、活性炭、コ
ークス、硅砂、砂利、セメントクリンカーなどが使用で
き、粒径は0.5〜50mm程度のものが使用される。
なお、ダストが蓄積し排出したろ過粒子は、ダストを篩
い分けや水洗等の手段により除去し再使用してもよい
し、ダストと共に別の用途、例えば、ろ過粒子としてコ
ークスを使用した場合は、電気炉用燃料として使用して
もよい。
【0035】更に、通風可能な支持板の傾斜角をろ過粒
子の動的安息角よりも10度低い角度から静的安息角よ
りも10度高い角度の範囲内の角度とすることにより、
充填層の下面付近(支持板の直上)のろ過粒子の移動速
度に対する充填層の上面付近(自由表面の直下)のろ過
粒子の移動速度の比を最も高くすることができる。その
ため、最も多くのダストが蓄積している境界面の直下流
の充填層内のろ過粒子を更に優先的に排出することがで
きる。
【0036】また、ろ過粒子の排出、供給に関しては、
ろ過粒子を排出した後に供給するいわゆるバッチ式のも
のとしたが、ろ過粒子を排出しながら供給するいわゆる
連続式にしてもよいことは勿論である。この連続式にす
る場合には、ろ過粒子供給装置として単にろ過粒子を貯
留できるホッパ状のものとし、ろ過粒子排出装置として
はろ過粒子の排出部にろ過粒子が一定の速度で排出でき
る開口部を設ける構成とすることも可能である。このよ
うに、ろ過粒子は適宜、すなわち間欠的又は連続的に排
出できればよい。また、上述した態様においては、ろ過
粒子を傾斜状に配置した支持板上に装填したものを示し
た。この構成では簡易な構成でダストを捕集した表層部
のろ過粒子を優先的に排出することが可能となった。な
お、本発明においては、充填層の表層部にダストが捕集
されることに基づいて、ダストを捕集した表層部のろ過
粒子のみを排出できれば、ろ過粒子の供給量を低減する
ことができる。このため、例えばろ過層の表層部のみを
強制的に排出する手段を設けるようにしてもよい。この
場合には、ろ過層を傾斜させず、垂直に配置してもよ
い。また、垂直状態に配置し、排出の際のみ傾斜させ
て、上述したと同様に傾斜を利用した排出により表層部
のみを優先的に排出するようにしてもよい。
【0037】また、上述した態様においては、支持板2
として多孔板を利用した例を示したが、支持板2として
はろ過粒子の最下層部に一定の拘束状態(ろ過粒子が滑
りにくい状態)にすれば足り、例えば網状のものであっ
てもよい。また、充填層3を薄くすることによって、圧
力損失を小さくしているが、充填層3の層厚を厚くした
場合であっても、ダストが蓄積された表層部を優先的に
排出できるようにしているので、ろ過粒子10の供給量
を低減できるという効果を奏することは可能である。な
お、充填層3の層厚としては、図2に示したダスト捕集
に貢献する部分にすることが好ましい。
【0038】上述したように、この発明の除塵装置によ
ると、排ガス流れに対して上流側にある固体粒子を適宜
排出するので、ダストを捕集していない固体粒子を含め
て全てを排出するものに比較して、固体位子の供給量が
少なくてすみ、効率的である。また、ろ過層の上面側を
不拘束状態にすると共にろ過層を傾斜状にしたので、ダ
ストを捕集した表層部の固体粒子を簡易な構成で優先的
に排出できる。また、ろ過層を複数個設けたことによ
り、上流側のろ過層から飛散したダストも下流側のろ過
層で捕捉することができるので、排ガス中の含塵量が多
く排ガス量や含塵量が変動する場合などでも、トータル
として高い除塵効率が維持される。
【0039】また、ろ過層の固体粒子の粒径を、排ガス
流れに対して上流側から順次小さくなるように設定した
ことにより、排ガスの流れ方向の下流のろ過層では上流
のろ過層より細かいダストも除塵されるため、ダストが
幅広い粒度分布を有する場合などに特に有効である。ま
た、ろ過層の傾斜角は、固体粒子の動的安息角よりも1
0度低い角度から静的安息角よりも10度高い角度まで
の範囲内であるので、ろ過層の下面付近のろ過粒子の移
動速度に対するろ過層の上面である自由表面付近のろ過
粒子の移動速度の比を最も高くすることができ、従っ
て、最も多くのダストが蓄積している境界面の直下流の
ろ過層内のろ過粒子を更に優先的に排出することができ
る。
【0040】また、固体粒子をろ過媒体とした充填層に
よる除塵装置において、ダストを含む高温の排ガスが流
れる除塵用ガスダクト内に排ガスの流れに対して傾斜し
た通風可能な支持板を設け、その支持板上にろ過媒体と
しての固体粒子を装填して上面が自由表面となる層厚が
薄い充填層を形成し、その傾斜した充填層の自由表面側
から通風可能な支持板に向って高温の排ガスを通過させ
て排ガスからダストを除塵するようにし、ダストを除塵
する充填層の層厚が薄いので、排ガスの除塵装置として
の圧力損失を低く抑えることができ高い除塵効率を維持
でき、しかも最も多くのダストが蓄積されるのは充填層
の自由表面の直下であり、ダストが蓄積されたろ過粒子
の方がダストが蓄積されないろ過粒子よりも重いため、
傾斜した充填層のろ過粒子を排出するときに最も多くの
ダストが蓄積されている充填層の自由表面の直下のろ過
粒子が優先的に排出されるため、ろ過粒子の供給を最少
必要量まで低減することができるという効果がある。
【0041】さらに、除塵用排ガスダクト内に充填層を
有する支持板を傾斜して配設しているので、設備もコン
パクトとなるという効果がある。また、ダストを含む高
温の排ガスが流れる除塵用排ガスダクト内に間隔を置い
て排ガスの流れに対して同じ方向に傾斜した通風可能な
複数の支持板を設け、その各支持板上にろ過媒体として
の固体粒子を装填して上面が自由表面となる層厚が薄い
充填層を形成し、その傾斜した充填層の自由表面側から
通風可能な支持板に向って高温の排ガスを通過させて排
ガスからダストを除崖するようにしたので、上流側の充
填層から飛散したダストも下流例の充填層で捕捉するこ
とができることとなり、排ガス中の含塵量が多く、排ガ
ス量や含塵量が変動する場合などでもトータルとして高
い除塵効率が維持されるという効果がある。
【0042】図6は、本発明の除塵装置の他の態様を示
す概略断面図である。即ち、固体粒子をろ過媒体とした
充填層が向流式の移動充填層である場合の概略断面図で
ある。図6において、排ガスは除塵装置の下部から導入
され、最下段の空間部4を経由して下段の通風可能な支
持板3に支えられたろ過媒体としての固体粒子1が薄く
充填された充填層(即ち、ろ過粒子層)2を通過し、そ
して中段の空間部4を経由して上段の薄く充填されたろ
過粒子層2を通過し、除塵装置の上部から排出される。
【0043】一方、各ろ過粒子層2を形成するろ過粒子
1は各ろ過粒子層2の上部に設けられているろ過粒子供
給装置5によって供給され、また各ろ過粒子層2の下部
に設けられているろ過粒子排出装置6よって排出され
る。
【0044】上述したような排ガスの流れにおいて、空
間部4では排ガスに含まれるダストのろ過媒体への衝突
は全く起こらないので、最下投の空間部4を経由して下
段の層厚が薄いろ過粒子層2に入る時及び中段の空間部
4を経由して上段の層厚が薄いろ過粒子層2に入る時
に、排ガスに含まれるダストのろ過媒体への慣性衝突の
頻度が急激に増加することになる。すなわち、本案施形
態では最下段の空間部4から下段の層厚が薄いろ過粒子
層2への境界面と、中段の空間部4から上役の層厚が薄
いろ過粒子層2への境界面の2つの境界面が、排ガスの
流れ方向に対し排ガスに含まれるダストのろ過媒体への
慣性衝突の頻度が不連続に増加する界面に相当するの
で、排ガスに含まれるダストはこれらの境界面の直下流
のろ過粒子層2内において集中的に排ガスの気流から分
節されほぼその位置で蓄積する。
【0045】蓄積したダストがある程度の量になると梯
ガスの気流によりろ過粒子層の下流に飛散(除塵効率が
低下)し始めるが、境界面の直下流のろ過粒子層2内の
単位体積当りのダストの蓄積量を常に飽和点以下に保つ
ようにろ過粒子層2内でのろ過粒子1の滞留時間を調整
することにより、すなわちダストをろ過粒子1と共にろ
過粒子排出装置6でろ過粒子層2から適切な速度で排出
しダストが畜積されていない新しいろ過粒子1をろ過粒
子供給装置5でろ過粒子層2に適切な速度で供給するこ
とにより、高い除塵効率を達成することができる。
【0046】本態様では直列して境界面を2つ設けてい
るので、下段のろ過粒子層2から飛散したダストもその
上の中段の空間部4から上段のろ過粒子層2への境界面
で捕捉することができ、その結果トータルとして高い除
塵効率が維持される。しかも従来の固体粒子をろ過媒体
として充填した高温排ガスの除塵装置に対し排ガスの流
れ方向の全層厚も薄くなるように個々のろ過粒子層2の
層厚を薄くしているため、高温排ガスの除塵装置として
の圧力損失は低く抑えられる。
【0047】なお、本態様では排ガスに含まれるダスト
のろ過媒体への慣性衝突の頻度が不連続に増加する界面
として除塵装置内の空間部4からろ過粒子層2への境界
面を2つ設けているが、排ガス中の含塵量が多く上段の
ろ過粒子層2からの飛散が無視できないような場合に
は、下段のろ過粒子層2を構成するろ過粒子1に対し上
段のろ過粒子層2を構成するろ過粒子1の粒径を小さく
したり、あるいはそれに加えて形状を変更して中投の空
間部4から上役のろ過粒子層2への境界面での排ガスに
含まれるダストのろ過媒体への慣性衝突の頻度の増加畳
をさらに増加させることにより、又は排ガスに含まれる
ダストのろ過媒体への慣性衝突の頻度が不連続に増加す
る界面を3つ以上とすることにより、トータルとして除
塵効率を更に高めてダスト排出量を低下させることも可
能である。
【0048】また、下段のろ過粒子層2内に蓄積するダ
ストの量と上段のろ過粒子層2内に蓄積するダストの量
はダストの粒度分布などの条件によって異なるため、各
ろ過粒子層2毎に各ろ過粒子層2内でのろ過粒子の滞留
時間を調整できるようにしておくことが望ましい。
【0049】図7は、本発明の除塵装置の他の態様を示
す概略断面図である。即ち、固体粒子をろ過媒体として
充填層が十字流式の移動充填層である場合の概略断面図
である。図7に示すように、本態様においては、排ガス
に含まれるダストのろ過媒体への慣性衝突の頻度が不連
続に増加する界面として空間部4からろ過粒子層2(2
a,2b及び2c)への境界面が3つ設けられており、しか
も個々のろ過粒子層2(2a,2b及び2c)内のろ過粒子1
(1a,1b及び1c)の平均粒径を排ガスの流れの方向に沿
って順次小さくしている。
【0050】本態様の十字流式の移動充填層も、除塵装
置に導入された排ガスが除塵装置内の空間部4からろ過
粒子層2に入る時に排ガスに含まれるダストのろ過媒体
への慣性衝突の頻度が急激に増加するので、排ガスに含
まれるダストが空間部4からろ過粒子層2への境界面の
直下流のろ過粒子層2内において集中的に排ガスの気流
から分離されほぼその位置で蓄積する。
【0051】蓄積したダストがある程度の量になると排
ガスの気流によりろ過粒子層の下流に飛散(除塵効率が
低下)し始めるが境界面の直下流のろ過粒子層2内の特
にろ過粒子排出装置6付近の下層部の単位体積当りのダ
ストの蓄積量を常に飽和点以下に保つようにろ過粒子層
2内でのろ過粒子1の滞留時間を調整することにより、
すなわちダストをろ過粒子1と共にろ過粒子排出装置6
でろ過粒子層2から適切な速度で排出し、ダストが蓄積
されていない新しいろ過粒子1をろ過粒子供給装置5で
ろ過粒子層2に適切な速度で供給することにより、高い
除塵効率を達成することができる。
【0052】そして、本態様では直列して境界面を3つ
設けているので、上流のろ過粒子層2aから飛散したダ
ストもその次の中流の空間部4からろ過粒子層2bへの
境界面で、更には中流のろ過粒子層2bから飛散したダ
ストも下流の空間部4からろ過粒子層2cへの境界面で
捕捉することができ、その結果トータルとして高い除塵
効率が維持される。しかも、従来の固体粒子をろ過媒体
として充填した高温排ガスの除塵装置に対し排ガスの流
れ方向の全層厚も薄くなるように個々のろ過粒子層2
(2a,2b及び2c)の層厚を薄くしているため、高温排ガ
スの除塵装置としての圧力損失は低く抑えられる。
【0053】なお、本態様は排ガスに含まれるダストの
ろ過媒体への慣性衝突の頻度が不連続に増加する界面と
して除塵装置内の空間部4からろ過粒子層2(2a,2b及
び2c)への境界面が3つ設けられており、しかも個々の
ろ過粒子層2(2a,2b及び2c)を構成するろ過粒子1
(1a,1b及び1c)の粒径を排ガスの流れ方向に沿って順
次小さくしているため、排ガスの流れ方向の下流のろ過
粒子層2(例えば2aに対する2b、2bに対する2c)ほど空
間部4からろ過粒子層2への境界面を通過する時の慣性
衝突の頻度の増加量が高くなっており、高い除塵効率又
はより細かいダストが除塵できる。すなわち、排ガス中
の含塵量が多い場合やダストが幅広い粒度分布を有する
場合なとに特に有効である。
【0054】また、各ろ過粒子層2(2a,2b及び2c)内
に蓄積するダストの量はダストの粒度分布などの条件に
よって異なるため、各ろ過粒子層2(2a,2b及び2c)毎
に各ろ過粒子層2内でのろ過粒子の滞留時間を調整でき
るようにしておくことが望ましい。
【0055】図8は、本発明の除塵装置の他の態様を示
す概略断面図である。即ち、固体粒子をろ過媒体とした
充填層が円環状の十字流式の移動充填層である時の概略
断面図である。図8に示すように、本態様においては、
排ガスに含まれるダストのろ過媒体への慣性衝突の頻度
が不連続に増加する界面として空間部4からろ過粒子層
21(21a及び21b)への境界面が2つ設けられており、
しかも個々のろ過粒子層21(21a及び21b)内のろ過粒
子11(11a及び11b)の平均粒径を排ガスの流れの方向
に沿って順次小さくしている。
【0056】本態様の円環状の十字流式の移動充填層
も、上述した十字流式の移動充填層と同様に、除塵装置
に導入された排ガスが除塵装置内の空間部4からろ過粒
子層21に入る時に排ガスに含まれるダストのろ過媒体
への慣性衝突の頻度が急激に増加するので、排ガスに含
まれるダストが空間部4からろ過粒子層21への境界面
の直下流のろ過粒子層21内において集中的に排ガスの
気流から分離されほぼその位置で蓄積する。
【0057】蓄積したダストがある程度の量になると排
ガスの気流によりろ過粒子層の下流に飛散(除塵効率が
低下)し始めるが、境界面の直下流のろ過粒子層21内
の特にろ過粒子排出装置6付近の下層部の単位体積当り
のダストの蓄積量を常に飽和点以下に保つようにろ過粒
子層21内でのろ過粒子11の滞留時間を調整すること
により、すなわちダストをろ過粒子11と共にろ過粒子
排出装置6でろ過粒子層21から適切な速度で排出しダ
ストが蓄積されていない新しいろ過粒子11をろ過粒子
供給装置5でろ過粒子層21に適切な速度で供給するこ
とにより、高い除塵効率を達成することができる。
【0058】そして、本態様では直列して境界面を2つ
設けているので、上流のろ過粒子層21aから飛散した
ダストも下流の空間部4からろ過粒子層21bへの境界
面で捕捉することができ、その結果トータルとして高い
除塵効率が維持される。しかも従来の固体粒子をろ過媒
体として充填した高温排ガスの除塵装置に対し排ガスの
流れ方向の全層厚も薄くなるように個々のろ過粒子層2
1(21a及び21b)の層厚を薄くしているため、高温排ガ
スの除塵装置としての圧力損失は低く抑えられる。
【0059】なお、本態様は、個々のろ過粒子層21
(21a及び21b)を構成するろ過粒子11(11a及び11b)
の粒径を排ガスの流れ方向に沿って順次小さくしている
ため排ガスの流れ方向の下流のろ過粒子層21bほど空
間部4からろ過粒子層21への境界面を通過する時の慣
性衝突の頻度の増加量が高くなっており、しかも除塵装
置本体の体積に対する各空間部4から各ろ過粒子層21
(21a及び21b)への境界面の面積が広いことから、ろ過
粒子供給装置5やろ過粒子排出装置6が複数必要とはな
るが、多量の高温排ガスから高い除塵効率で又はより細
かいダストを除塵する場合に特に有効である。
【0060】また、各ろ過粒子層21(21a及び21b)内
に蓄積するダストの量はダストの粒度分布などの条件に
よって異なるため、各ろ過粒子層21(21a及び21b)毎
に各ろ過粒子層21(21a及び21b)内でのろ過粒子の滞
留時間を調整できるようにしておくことが望ましい。
【0061】図9は、本発明の除塵装置の他の態様を示
す概略断面図である。即ち、固体粒子をろ過媒体とした
充填層が十字流式の移動充填層であり、各充填層を接触
させた場合の概略断面図である。図9に示すように、本
態様においては、ろ過粒子層2(2aと2b、2bと2c)は互
いに接触しているが、個々のろ過粒子層2(2a,2b及び
2C)に充填されているろ過粒子1(1a,1b及び1c)の平
均粒径が排ガスの流れの方向に沿って順次小さくなって
いるため、排ガスに含まれるダストのろ過媒体への慣性
衝突の頻度が不連続に増加する界面としては、除塵装置
内の空間部4からろ過粒子層2aへの境界面が1つ、慣
性衝突の頻度が不連続に増加するろ過粒子層間(2aと2
b、2bと2c)の境界面が2つ設けられていることにな
る。
【0062】この各ろ過粒子層2(2aと2b、2bと2c)を
接触させた十字流式の移動充填層の高温排ガスの除塵装
置は上述した態様の変形例であり、除塵装置に導入され
た排ガスが除塵装置内の空間部4からろ過粒子層2aに
入る時及び慣性衝突の頻度が不連続に増加するろ過粒子
層(2aと2b、2bと2c)間の境界面を通過する時に排ガス
に含まれるダストのろ過媒体への慣性衝突の頻度が急激
に増加するので、排ガスに含まれるダストが空間部4か
らろ過粒子層2aへの境界面の直下流のろ過粒子層2a
内及びろ過粒子層(2aと2b、2bと2c)間の境界面の直下
流のろ過粒子層2b内と2c内において集中的に排ガス
の気流から分離されほぼその位置で蓄積する。
【0063】蓄積したダストがある程度の量になると排
ガスの気流により、ろ過粒子層の下流に飛散(除塵効率
が低下)し始めるが、境界面の直下流のろ過粒子層2内
の特にろ過粒子排出装置6付近の下層部の単位体積当り
のダストの蓄積量を常に飽和点以下に保つようにろ過粒
子層2内でのろ過粒子1の滞留時間を調整することによ
り、すなわちダストをろ過粒子1と共にろ過粒子排出装
置6でろ過粒子層2から適切な速度で排出し、ダストが
蓄積されていない新しいろ過粒子1をろ過粒子供給装置
5でろ過粒子層2に適切な速度で供給することにより、
高い除塵効率を達成することができる。
【0064】そして、本態様では直列して境界面を3つ
設けているので、上流のろ過粒子層2aから飛散したダ
ストもその次の中流のろ過粒子層2bへの境界面で、更
には中流のろ過粒子層2bから飛散したダストも下流の
ろ過粒子層2cへの境界面で捕捉することができ、その
結果トータルとして高い除塵効率が維持される。しかも
従来の固体粒子をろ過媒体として充填した高温排ガスの
除塵装置に対し排ガスの流れ方向の全層厚も薄くなるよ
うに個々のろ過粒子層2(2a,2b及び2c)の層厚を薄く
しているため、高温排ガスの除塵装置としての圧力損失
は低く抑えられる。
【0065】なお、排ガスに含まれるダストのろ過媒体
への慣性衝突の頻度のろ過粒子層2間の境界面での増加
量は空間部4からろ過粒子層2への境界面での増加量に
比べ少ないため、排ガスに含まれるダストのろ過媒体へ
の慣性衝突の頻度が不連続に増加する3つの界面の全て
が除塵装置内の空間部4からろ過粒子層2への境界面と
なっている態様と比較し、本態様はその内の2つの界面
がろ過粒子層2間の境界面となっていることから除塵効
率が悪い。しかし、比較的含塵量が少ないがダストが幅
広い粒度分布を有する場合などには、本態様のような構
成はコンパクトな設備となるので非常に有効である。
【0066】また、本態様のような場合には、各ろ過粒
子層(2a,2b及び2c)が接触していることから、ろ過粒
子層間(2aと2b、2bと2c)の通風可能な支持板を不要に
することができる。その場合には、支持板分の圧損が低
下し、またメンテナンスが良くなる。さらに、本態様の
各ろ過粒子層(2a,2b及び2c)からのろ過粒子(1a,1b
及び1c)の排出を一括排出としたり(排出速度は同一と
は限らない)、或いは、各ろ過粒子層2に供給するろ過
粒子の分級(充填層2aの粒径>充填層2bの粒径>充
填層2cの粒径)を簡易的な、例えば、斜面を転動落下
する時のパーコレーション現象を利用した分級方法とす
るなど、更なる設備のコンパクト化が可能である。ま
た、本態様の各ろ過粒子層(2a,2b及び2c)の境界に邪
魔板等(例えば支持板の排ガスが通過する各孔部分に、
ろ過粒子に対する空間部を形成するような構造をもった
支持板)を設置して実質的に充填層と充填層との間に空
間部を形成させることにより、除塵効率を向上させるこ
とも可能である。
【0067】なお、上述した態様においても、各ろ過粒
子層(2,2、2a,2b)を接触させた構成を採用すること
ができ、その場合には上述した変形例を同様に適用する
ことができる。上述した態様では、高温排ガスの除塵装
置として、ろ過媒体としての固体粒子の充填層を向流式
の移動充填層とした場合、十字流式の移動充填層とした
場合、円環状の十字流式の移動充填層とした場合を例示
したが、本発明ではそれに限定されるものではなく、他
の同様な機能を有するもの、例えば並流式の充填層や間
欠排出・供給機能を有する各種の固定充填層等を用いて
もよい。
【0068】また、ろ過粒子の粒径や形状、ろ過粒子層
の数、各ろ過粒子層の接触有無、更にはろ過粒子の供給
装置や排出装置の機構や数などについても、高温排ガス
のガス量、温度、含塵量、ダストの粒度分布や目標とす
る除塵効率などから、最適な装置を選択することができ
る。
【0069】上述したこの発明の除塵装置によって、燃
焼炉から排出される排ガスを500〜950℃(好まし
くは、650〜900℃)の範囲内の温度で除塵する
と、ろ過媒体としての固体流体によって、排ガス中の溶
融塩(NaCl、KCl)、酸化物ダスト(SiO2、
Al2O3、CaO他)およびDXNを除去することが
できる。
【発明の効果】この発明によると、排ガス中の溶融塩
(NaCl、KCl)、酸化物ダスト(SiO2、Al
2O3、CaO他)およびDXNを除去し、排ガスの顕
熱を回収することができる、廃棄物の処理および熱回収
システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の廃棄物の処理および熱回収
システムの1つの態様を示す図である。
【図2】図2は上述した現象を説明する説明図である。
【図3】図3は、本発明の除塵装置の1つの態様を示す
概略断面図である。
【図4】図4は、本発明の除塵装置の他の態様を示す概
略断面図である。
【図5】図5は、本発明の除塵装置の他の態様を示す概
略断面図である。
【図6】図6は、本発明の除塵装置の他の態様を示す概
略断面図である。
【図7】図7は、本発明の除塵装置の他の態様を示す概
略断面図である。
【図8】図8は、本発明の除塵装置の他の態様を示す概
略断面図である。
【図9】図9は、本発明の除塵装置の他の態様を示す概
略断面図である。
【図10】図10は、従来の、ストーカ炉からの排ガス
を利用する高温高圧ボイラーを示す図である。
【符号の説明】
1 除塵用排ガスダクト 2 支持板 3 充填層 4 空間部 10 固体粒子

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】廃棄物を燃焼する燃焼炉と、前記燃焼炉か
    ら排出される排ガスを所定の温度で除塵する除塵装置
    と、除塵された前記排ガスの顕熱を回収する廃熱ボイラ
    ーとを備えた、廃棄物の処理および熱回収システム。
  2. 【請求項2】前記所定の温度が500〜950℃の範囲
    内である、請求項1に記載の廃棄物の処理および熱回収
    システム。
  3. 【請求項3】前記所定の温度が650〜900℃の範囲
    内である、請求項1に記載の廃棄物の処理および熱回収
    システム。
  4. 【請求項4】前記除塵装置は、排ガス流路内に配置され
    る、ろ過媒体としての固定粒子からなる少なくとも1つ
    の薄いろ過層を備えている請求項2または3に記載の廃
    棄物の処理および熱回収システム。
  5. 【請求項5】前記固定粒子を装入する装置を備え、前記
    ろ過層が傾斜して配置されて、排ガス中のダストをろ過
    層の表層部において捕集し、そして、前記ろ過層におけ
    る、排ガス流に対して上流側にある前記ダストを捕集し
    た固体粒子を適時排出する装置を備えている、請求項4
    に記載の廃棄物の処理および熱回収システム。
  6. 【請求項6】前記排出された固体粒子を処理後、前記ろ
    過層に再充填する装置を備えている、請求項5に記載の
    廃棄物の処理および熱回収システム。
  7. 【請求項7】前記固体粒子がセラミック系粒子からなっ
    ている、請求項6に記載の廃棄物の処理および熱回収シ
    ステム。
  8. 【請求項8】前記少なくとも1つのろ過層が複数個から
    なっており、前記ろ過層における前記固体粒子の滞留時
    間を、各ろ過層毎に調整することができる装置を備えて
    いる、請求項7に記載の廃棄物の処理および熱回収シス
    テム。
  9. 【請求項9】前記ろ過層の前記固体粒子の粒径を、排ガ
    ス流に対して上流側から順次小さくなるように配置して
    いる、請求項4から8の何れか1項に記載の廃棄物の処
    理および熱回収システム。
  10. 【請求項10】前記ろ過層の傾斜角は、前記固体粒子の
    動的安息角よりも10度低い角度から静的安息角よりも
    10度高い角度までの範囲内である、請求項9に記載の
    廃棄物の処理および熱回収システム。
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